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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-05
(45)【発行日】2024-12-13
(54)【発明の名称】建設機械
(51)【国際特許分類】
   E02F 3/84 20060101AFI20241206BHJP
【FI】
E02F3/84 Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023534914
(86)(22)【出願日】2021-11-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-15
(86)【国際出願番号】 EP2021083085
(87)【国際公開番号】W WO2022122406
(87)【国際公開日】2022-06-16
【審査請求日】2023-07-20
(31)【優先権主張番号】20212704.9
(32)【優先日】2020-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】502407107
【氏名又は名称】バウアー マシーネン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミラー フロリアン
(72)【発明者】
【氏名】スキーロ ゲルノット
【審査官】山口 剛
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-158403(JP,A)
【文献】特開2010-222868(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0031721(US,A1)
【文献】特開2017-002625(JP,A)
【文献】特開2020-007867(JP,A)
【文献】特開2018-084099(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 3/84
E02F 9/00 - 9/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設機械であって、
上側キャリッジ(12)と、
駆動装置(16)を有し、前記上側キャリッジ(12)がその上に直立軸(18)の周りで回転可能に支持された、下部キャリッジ(14)と、
少なくとも1つのエネルギーライン(50)のための給送アーム(40)であって、これによって外部から前記建設機械(10)にエネルギーが供給され得る、給送アーム(40)と
を有し、
前記給送アーム(40)は、前記上側キャリッジ(12)上に調節可能に支持され、
前記給送アーム(40)を前記上側キャリッジ(12)に対して能動的に調節するための少なくとも1つの駆動手段(61、62)が設けられることを特徴とする、建設機械。
【請求項2】
請求項1に記載の建設機械であって、制御手段(60)が設けられ、これによって、前記下部キャリッジ(14)に対する前記上側キャリッジ(12)の位置が検知され得、
前記制御手段(60)は、前記上側キャリッジ(12)の位置の検知された変化に応じて前記少なくとも1つの駆動手段(61、62)を制御するように設計されることを特徴とする建設機械。
【請求項3】
請求項2に記載の建設機械であって、前記制御手段(60)は、前記外部から給送された前記エネルギーライン(50)に対して前記給送アーム(40)が静止しているように、またはほとんど静止しているように、前記少なくとも1つの駆動手段(61、62)を制御するように設計されることを特徴とする建設機械。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の建設機械であって、前記給送アーム(40)は、前記上側キャリッジ(12)の上側で旋回軸(42)の周りで旋回可能に支持されることを特徴とする建設機械。
【請求項5】
請求項4に記載の建設機械であって、前記給送アーム(40)の前記旋回軸(42)は、前記上側キャリッジ(12)の前記直立軸(18)に平行な向きに向けられるか、および/または、前記直立軸(18)の近傍に配置されることを特徴とする建設機械。
【請求項6】
請求項5に記載の建設機械であって、前記給送アーム(40)の前記旋回軸(42)は、前記上側キャリッジ(12)の前記直立軸(18)と同軸に配置されることを特徴とする建設機械。
【請求項7】
請求項4から6のいずれか1項に記載の建設機械であって、前記給送アーム(40)は、少なくとも1つの継ぎ手(47)を介して、互いに対して旋回可能に接続される少なくとも2つのアーム部材(45、46)を備え、ある長さを有するように設計され、各旋回位置において、前記給送アーム(40)は前記上側キャリッジ(12)の上で側方に突出することを特徴とする建設機械。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の建設機械であって、前記給送アーム(40)は、少なくとも1つの継ぎ手(47)を介して、互いに対して旋回可能に接続される少なくとも2つのアーム部材(45、46)を備え、前記給送アーム(40)の長さは調節可能であり、特に、前記上側キャリッジ(12)に対する前記給送アーム(40)の旋回位置に応じて調節可能であることを特徴とする建設機械。
【請求項9】
請求項4から7のいずれか1項に記載の建設機械であって、前記給送アーム(40)の高さは、前記旋回軸(42)の軸方向において調節可能であることを特徴とする建設機械。
【請求項10】
請求項1からのいずれか1項に記載の建設機械であって、警告手段が設けられ、これによって、前記上側キャリッジ(12)および/または前記建設機械(10)の更なる構成要素および/または周囲のエリアの障害物に対する前記給送アーム(40)の位置が検知され得、前記給送アーム(40)との起こり得る衝突が確かめられ得ることを特徴とする建設機械。
【請求項11】
請求項10に記載の建設機械であって、障害物を検知するための1つまたはいくつかのセンサ手段(70)、特に、カメラユニットが配置されることを特徴とする建設機械。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載の建設機械であって、前記給送アーム(40)に沿って、前記エネルギーライン(50)は、可変的な長さで誘導されることを特徴とする建設機械。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1項に記載の建設機械であって、前記エネルギーライン(50)のためのラインドラム、ケーブルトラックおよび/またはライン引っ張り手段が、前記上側キャリッジ(12)上に配置されることを特徴とする建設機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに従った建設機械であって、上側キャリッジと、駆動装置を有し、上側キャリッジがその上に直立軸の周りで回転可能に支持された、下部キャリッジと、少なくとも1つのエネルギーラインのための給送アームであって、これによって外部から建設機械にエネルギーが供給され得る、給送アームとを有し、給送アームは、上側キャリッジ上に調節可能に支持される、建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な建設機械は、特許文献1から取得され得る。
【0003】
特に環境保全という理由によって、および、騒音放射を低減するために、建設機械は、部分的にまたは完全にも電気的に駆動される。したがって、高エネルギー要件に起因して、移動式建設機械は、エネルギーラインを介してエネルギー、特に電力を供給されなければならない。下部キャリッジとその上に回転可能に支持された上側キャリッジとを有する建設機械の場合、安全なエネルギー供給の問題が存在する。下部キャリッジにエネルギーラインを給送するとき、エネルギーラインが地面の比較的近くで誘導されるので、駆動装置によってもたらされる損傷の危険が増大する。
【0004】
回転可能な上側キャリッジにエネルギーを給送するとき、回転位置が変化されるときに、エネルギーラインが非所望に過度に伸びてエネルギーラインの損傷をもたらし、またはエネルギーラインの断絶が生じることさえあるというリスクが生じる。このリスクに対処するために、上に述べた特許文献1から、例えば、旋回可能に支持された給送アームが上側キャリッジの上側に設けられることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2013/162448号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、建設機械へのライン給送が特に安全である建設機械を提供するという目的に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1に記載の特徴を有する建設機械によって達成される。本発明の好ましい実施形態は、従属請求項において述べられる。
【0008】
本発明による建設機械は、上側キャリッジに対して給送アームを能動的に調節するための少なくとも1つの駆動手段が設けられることを特徴とする。
【0009】
本発明の基本的な思想は、少なくとも1つの駆動手段、すなわち、伝達配置の有無にかかわらず、電動機または電動式駆動機構を提供し、これによって上側キャリッジに対して給送アームが能動的に調節され得ることである。伝達配置は、ギアホイール、レバーまたはロープを備え得る。特に上側キャリッジが回転されるときに、給送アームの能動的な調節を通じて、エネルギーラインへの応力、および、特にエネルギーラインに対する引張応力が、明確に防止され得、または効果的に低減され得る。したがって、給送アームを旋回させるために必要とされる力は、上側キャリッジの運動を通じて印可される必要はなく、故に、給送アームとエネルギーラインとの間の機械的な張力を通じて印可される必要はない。実際上、給送アームは、明確におよび能動的に調節され得る。このことは、機械的な力によってもたらされるエネルギーラインの応力を低減し得る。また、このことは、仕事の中断につながり得る作業中のエネルギーラインの断絶のリスクも低減する。特に電力を給送するときに、このことは職務上の安全の向上をもたらす。エネルギーラインは、電力のために、またはそれだけのために提供されなければならないわけではない。これは、作動液、加圧空気など、およびデータを移送するためにも設計され得る。
【0010】
本発明の好ましい実施形態は、制御手段が設けられ、これによって、下部キャリッジに対する上側キャリッジの位置が検知され得、制御手段は、上側キャリッジの位置の検知された変化に応じて少なくとも1つの駆動手段を制御するように設計されるという事実にある。下部キャリッジに対する上側キャリッジの位置は適切なセンサ、特に回転角度検知器によって求められ得る。下部キャリッジと上側キャリッジとが基本配置と同じやり方で好ましく整列された初期位置から開始して、建設作業中に上側キャリッジが下部キャリッジに対して旋回されたならば、旋回角度が検知され得、制御手段に転送され得る。角度における検知された変化に応じて、制御手段は、エネルギーラインを具備する給送アームが上側キャリッジに対して所望のやり方によって調節されるように、少なくとも1つの駆動手段を制御し得る。
【0011】
本発明の更なる発展例によると、制御手段は、外部から給送されたエネルギーラインに対して給送アームが静止しているように、またはほとんど静止しているように、少なくとも1つの駆動手段を制御するように設計されることが好ましい。その結果、上側キャリッジの運動に起因するエネルギーラインへの機械的な力の伝達が、大幅に、またはほとんど完全に低減され得る。給送アームの構成要素の回転、旋回、高さの変位または長手方向の変位のために設計された1つまたはいくつかの駆動手段が提供され得る。
【0012】
本発明の更なる発展例によると、給送アームは、上側キャリッジの上側で旋回軸の周りで旋回可能に支持されることが特に効率的である。このために、給送アームは、上側キャリッジまたは建設機械の外部寸法を越えて旋回軸から半径方向に延在する片持ち式アームとして設計され得る。この構成は、特に良好なエネルギーラインの給送および追従を可能とする。
【0013】
本発明の更なる発展例によると、給送アームの旋回軸は、上側キャリッジの直立軸に平行な向きに向けられること、および/または、直立軸の領域に配置されることが特に有利である。直立軸とは、水平な基平面に対して垂直に整列された実質的に垂直な向きに向けられた軸として理解されるべきである。給送アームの旋回軸が上側キャリッジの直立軸の領域により近くに位置するほど、上側キャリッジの回転運動がエネルギーラインに対してより良好に相殺され得る。旋回軸は、垂直な向きに向けられた軸部によって形成され得、この軸部の上に横向きに向けられた片持ち式アームが配置されて給送アームを形成する。軸部は、それ自体が給送アームの一体的な部分である回転可能に支持されたシャフトであり得る。代替的に、給送アームが軸部上に回転可能に支持された状態で、軸部は上側キャリッジ上に強固に取り付けられ得る。
【0014】
本発明の特に有利な実施形態は、給送アームの旋回軸は、上側キャリッジの直立軸と同軸に配置されるという事実にある。したがって、直立軸および旋回軸は、回転の継ぎ手軸を形成する。このことは、上側キャリッジが旋回されたときにエネルギーラインにおける機械的な張力の発生を特に高い程度まで防止する。
【0015】
更には、本発明の実施形態の変化例によると、給送アームは、半径方向に、上側キャリッジの直立軸に向けられ、ある長さを有するように設計され、各旋回位置において、給送アームは上側キャリッジの上で側方に突出することが好ましい。特に、エネルギーラインの外部側における摩擦摩耗が防止されるように、給送アームは、エネルギーラインが上側キャリッジの上で上側キャリッジとこすれ合って静止しないように設計され得る。
【0016】
本発明の更なる発展例によると、給送アームの長さは調節可能であり、特に、上側キャリッジに対する給送アームの旋回位置に応じて調節可能であることが特に有利である。このために、特に、給送アームは半径方向に可変的な長さを有し得、対応する駆動手段によって長手方向において調節され得る。より具体的には、給送アームは、半径方向において伸縮自在であり得、これによって、旋回角度および通常はおおむね矩形である上側キャリッジに応じて、給送アームの十分な長さが旋回中に確保される。このようにして、エネルギーラインは、上側キャリッジのコーナー領域の上に延びるときでさえも、上側キャリッジとこすれ合うことがないこと、および、他の回転位置においても、上側キャリッジの上で半径方向における給送アームの過度に遠くまでの突出が発生しないことが保証され得る。給送アームの長さは、上側キャリッジの旋回角度および給送アームの位置に応じて、制御手段によって設定され得る。
【0017】
本発明の更なる実施形態の変化例によると、給送アームは互いに対して調節可能な少なくとも2つのアーム部材を備え、特に良好な調節が達成され得る。3つ以上のアーム部材が設けられてもよい。このために、アーム部材は、互いに対して直線的に変位可能であり得、および/または、対応する旋回継ぎ手を介して互いに対して旋回可能に支持され得る。好ましくは、アーム部材は、1つまたはいくつかの駆動手段を介して互いに対して明確に調節可能であり、この場合、駆動手段の各々は制御手段によって制御され得る。
【0018】
本発明の更なる可能な実施形態によると、少なくとも2つのアーム部材は、少なくとも1つの継ぎ手を介して、互いに対して旋回可能に接続されることが特に都合がよい。これによって、旋回継ぎ手の軸は、直立軸に対して平行になり得、または、これに対して横向きにも向けられ得る。このようにして、空間における上側キャリッジに対する給送アームの所望の2次元的または3次元的な調節が設定され得る。
【0019】
本発明の更なる実施形態によると、給送アームの高さは、旋回軸の軸方向において調節可能であることが特に有利である。故に、例えば、搬送のために、給送アームは、引き入れられて収縮位置、好ましくは、上側キャリッジ上の対応する凹部に移動され得る。これによって、半径方向において折り畳みまたは収縮も起こり得る。次いで、作業中に、給送アームは収縮位置から作業位置へと伸長され得、少なくとも給送アームの半径断面が、上側キャリッジから離間されるように配置される。このために、特に、旋回軸の軸部は駆動手段を介して伸縮自在であり得、調節可能であり得る。
【0020】
好ましくは、制御手段は、センサの有無にかかわらず、特に、もしもコンクリートポンプまたは釣り合い重りなどの追加的な構成要素が上側キャリッジに取り付けられているならば、建設機械の設定状態を検知するように設計される。検知された状態に応じて、制御手段は、給送アームの適切な大きさを設定し得る。
【0021】
本発明の別の好ましい実施形態は、警告手段が設けられ、これによって、上側キャリッジおよび/または建設機械の更なる構成要素および/または周囲のエリアの障害物に対する給送アームの位置が検知され得、給送アームとの起こり得る衝突が確かめられ得るという事実にある。警告手段として、表示、特に警告信号が、音響的に、視覚的に、および/またはいくつかの他のやり方によって、機械の操縦者に対して提供され得る。追加的にまたは代替的に、警告手段によって、上側キャリッジの旋回範囲が限定され得、または上側キャリッジの運動が停止され得る。この目的のために、警告手段は制御手段に接続されて、上側キャリッジの駆動を制御する。
【0022】
この実施形態の好ましい更なる発展例が提供され、これにおいては、障害物を検知するための1つまたはいくつかのセンサ手段、特に、カメラユニットが配置される。一般的に、センサ手段は、任意の適切なやり方によって設計され得る。特に、給送アームの運動範囲における構成要素または障害物を検知するために超音波センサ、レーダーユニットまたは他の非接触式センサも使用され得る。原則的には、接触要素を有する接触に依存するセンサ手段も設けられ得る。障害物と接触すると、これらの接触要素は対応する接触信号をトリガし得る。
【0023】
更には、本発明の実施形態の変化例によると、給送アームに沿って、エネルギーラインは、可変的な長さで誘導されることが好ましい。このために、エネルギーラインは、給送アームの長さの変化および給送アームの部材の調節が難なく行われ得るように、給送アームに沿って誘導される。
【0024】
これに関連して、エネルギーラインのためのラインドラム、ケーブルトラックおよび/またはライン引っ張り手段が、上側キャリッジ上に配置されることが特に好ましい。必要があれば、追加的なエネルギーラインが、上側キャリッジ上のラインドラムから巻き出され得る。ラインドラムは、全体として、対応する局所的エネルギー源とのライン接続をいつでも確立するために100メートル以上の長さまでのエネルギーラインが建設機械自体において使用可能であることが保たれるようにも設計され得る。ケーブルトラックは、エネルギーラインのために1つまたはいくつかの弓形状部によって給送アームに沿って弓形状の配置を構成し、それによって給送アームの長さの変化が相殺される。
【0025】
代替的にまたは追加的に、ライン引っ張り手段が設けられ得、これによって、例えば螺旋状に配置されたエネルギーラインは、給送アーム上での長さの変化を相殺するために、柔軟なやり方によって伸長され、再度ピンと張られ得る。好ましくは、給送アームの領域にプラグ手段が設けられ、これによって、外部のエネルギーラインが、上側キャリッジ上の内部のエネルギーラインに解除可能に接続され得る。対向するエネルギーラインの対応する端部に、対応するプラグが配置される。特に、プラグは、三相電流または高電圧電流のための従来のプラグ接続でよく、好ましくはロック機能を有する。
【0026】
本発明の別の好ましい実施形態は、給送アームの領域に緊急切断手段が設けられ、これによって、特定の緊急事態の際に、機械の操縦者によってまたは自動的にエネルギーラインを介したエネルギー供給が切断され得るという事実にある。特に、緊急切断手段は、持ち上げ要素を有し得、これによって、提供されたプラグ接続のプラグが引き離され得る。このようにして、エネルギーラインの確実な機械的な切断および中断がもたらされ得る。
【0027】
特に、緊急切断手段は、建設機械の機械制御および/または警告手段に接続され得る。
【0028】
以下において、本発明は、添付の図面において概略的に示された好ましい実施形態によって更に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明による建設機械、特に基礎工法機械の概略的な側面図である。
図2図1の建設機械の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図面によると、本発明に従った建設機械10は、上側キャリッジ12と、駆動装置16、より具体的には履帯式駆動装置を備える下部キャリッジ14とを有する。上側キャリッジ12は、下部キャリッジ14上に回転可能に支持され、ほぼ中央の垂直方向に向けられた直立軸18の周りで駆動される。上側キャリッジ12の前方側には、実質的に垂直方向に向けられたマスト20が、調節機構22によって調節可能なやり方で取り付けられ、これに沿って地上作業ツール30が調節可能に支持されている。地上作業ツール30は、例えば、ドリルツールであってよく、または、示されているように、地面に穴を生むための切削デバイスであってよい。
【0031】
更に、上側キャリッジ12上に、機械の操縦者のためのキャビン13が配置される。好ましくは、キャビン13には、好ましくは建設機械10を全体的に制御するように設計された制御手段60が配置される。
【0032】
建設機械10の作業のモードに応じて、マスト20を有する前方側の反対にある後方側において上側キャリッジ12上に釣り合い重り24が解除可能に取り付けられ得る。釣り合い重り24の数および大きさは様々であり得、好ましくは、図示されていないセンサを介して制御手段60によって検知され得る。例えば、釣り合い重りは、寸法記入に関する情報を送信するためにセンサによって読み出され得る応答器を具備し得る。
【0033】
外部から建設機械10にエネルギーを給送するため、特に電気エネルギーを給送するために、エネルギーライン50が設けられる。エネルギーライン50は、解除可能なプラグ接続54を介して装置内部の第2のエネルギーライン50bに接続された外部の第1のエネルギーライン50aを有する。
【0034】
本発明によると、装置内部の第2のエネルギーライン50bは、上側キャリッジ12の上側に配置された給送アーム40に沿って誘導され、保持される。
【0035】
ここで、給送アーム40は、上側キャリッジの直立軸18に平行な向きに向けられた軸部を有する旋回軸42を有する。示された実施形態において、旋回軸42は、直立軸18に一定の径方向距離を空けて配置されるが、これに対して同軸に延びてもよい。上側キャリッジ12の上側の、例えば5から50cm上方にあり得る旋回軸42の上側端部に、ほぼ径方向にまたは水平方向に向けられた給送アーム40の片持ち式アーム44が取り付けられる。示された実施形態において、片持ち式アーム44は、旋回継ぎ手47を介して互いに対して旋回可能に接続された第1のアーム部材45および第2のアーム部材46によって形成される。好ましくは、旋回継ぎ手47の継ぎ手軸は、旋回軸42および直立軸18に対して平行な向きに向けられる。同時に、水平方向に向けられた片持ち式アーム44の追加的な長さの変化が設定され得るように、第1のアーム部材45および/または第2のアーム部材46は伸縮自在な設計のものであってよい。
【0036】
好ましくは、片持ち式アーム44は、エネルギーライン50と上側キャリッジ12または釣り合い重り24とがこすれ合うように接触することを回避するために、釣り合い重り24を含む上側キャリッジ12の外部周縁の上で、好ましくは後方方向に、確実に突出するように、制御手段60によって設定される。
【0037】
給送アーム40の能動的な電動式の調節機能のために、旋回軸42に第1の駆動手段61が設けられ、これによって、旋回軸42は旋回可能であり、および/または、軸方向において旋回軸42の高さが調節可能である。ここで、図面において、給送アーム40は、上方に伸長されたその作業位置にあるところが示されている。この作業位置から、給送アーム40は、例えば搬送のために、収縮位置へと下方に移動または折りたたまれ得る。
【0038】
継ぎ手47上の第2の駆動手段62によって、旋回軸42に配置された第1のアーム部材45も第2のアーム部材46に対して能動的に調節され得る。
【0039】
特に、水平方向における給送アーム40の十分な長さの変化を確保するために、第2の、装置に拘束されたエネルギーライン50bは、図示されていない長手方向誘導体に沿ったいくつかの弓形状体によって給送アーム40の下側に沿って支持され、これによって、給送アーム40の伸長または収縮の最中に長さの相殺が行われ得る。
【0040】
示された実施形態において、給送アーム40のそれぞれの運動の選択肢は、概略的な矢印によって示されている。給送アーム40が調節されたときに、できる限り遠くまで前記エネルギーラインが同じ位置において給送アーム40内に届くように、給送アーム40の自由端において運動可能にまたは調節可能に支持されたプラグがエネルギーライン50のために設けられ得る。
【0041】
制御手段60によって、機械の操縦者は、所望のやり方によって給送アーム40を能動的に調節し得る。好ましくは、制御手段60は自動的な機構を備え、これによって、建設作業中に、上側キャリッジ12の運動に応じて給送アーム40が上側キャリッジ12に対して調節される。特に、この調節を行う際に、機械的な張力および地面とこすれ合うエネルギーライン50の運動によってもたらされる全体的なエネルギーライン50の応力が大幅に低減、または回避すらされ得るように、第1のエネルギーライン50aおよび第2のエネルギーライン50bの割り当ては互いに対して同一に保たれ得る。したがって、本発明による構成によって、外部のエネルギーライン50を介してエネルギーを給送するときに、建設機械10の特に安全な動作が達成され得る。加えて、自動的な機構は、衝突を回避するために旋回の制限を備え得る。
図1
図2