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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-05
(45)【発行日】2024-12-13
(54)【発明の名称】集積回路
(51)【国際特許分類】
   H04W 52/02 20090101AFI20241206BHJP
   H04W 72/232 20230101ALI20241206BHJP
   H04W 72/12 20230101ALI20241206BHJP
【FI】
H04W52/02 111
H04W72/232
H04W72/12
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2024001245
(22)【出願日】2024-01-09
(62)【分割の表示】P 2021539871の分割
【原出願日】2019-12-11
(65)【公開番号】P2024029199
(43)【公開日】2024-03-05
【審査請求日】2024-01-09
(31)【優先権主張番号】19151255.7
(32)【優先日】2019-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ ホンチャオ
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】クゥァン クゥァン
(72)【発明者】
【氏名】バムリ アンキット
(72)【発明者】
【氏名】リ イーフイ
【審査官】望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0279223(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0213137(US,A1)
【文献】Qualcomm Incorporated,Potential phy channel designs for NR unlicensed[online],3GPP TSG RAN WG1 #92b R1-1804830,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_92b/Docs/R1-1804830.zip>,2018年04月07日,[検索日 2024.11.06]
【文献】Huawei, HiSilicon,Design of power saving signal[online],3GPP TSG RAN WG1 #95 R1-1812232,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_95/Docs/R1-1812232.zip>,2018年11月03日,[検索日 2024.11.06]
【文献】CMCC,Considerations on power saving signal design[online],3GPP TSG RAN WG1 #95 R1- 1812890,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_95/Docs/R1-1812890.zip>,2018年11月03日,[検査日 2024.11.06]
【文献】RAN WG1,Study on UE Power Saving in NR[online],3GPP TSG RAN #82 RP-182355,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/TSG_RAN/TSGR_82/Docs/RP-182355.zip>,2018年12月03日,[検索日 2024.11.06]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00-H04W99/00
H04B7/24-H04B7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE)の処理を制御する集積回路であって、前記処理は、
前記UEがキャンプしているサービング基地局から節電信号(PoSS)を受信し、
前記PoSSの受信をモニタして、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)の処理に関するUE挙動を決定する処理
を含み、
前記PoSSは、第1の挙動又は第2の挙動に従うことを前記UEに対して指示する挙動指示を含み、前記PoSSは、前記第1の挙動又は前記第2の挙動に関連付けられている少なくとも1つの設定パラメータを指示する設定指示を更に含み、
前記処理は、前記第1の挙動が指示された場合にPDCCHモニタを実行することを、前記第2の挙動が指示された場合にPDCCHモニタをスキップすることを、決定し、前記少なくとも1つの設定パラメータを適用し、
前記PoSSは、ダウンリンク制御情報(DCI)として受信され、
前記挙動指示及び前記設定指示は、前記DCIの共通フィールドにおいて結合符号化され、前記結合符号化される挙動指示はPDCCHのモニタをスキップすることであり、前記設定指示は、チャネル状態情報(CSI)に関する指示である、
集積回路。
【請求項2】
第1のフィールドがPDCCHモニタを実行することを指示する場合、前記少なくとも1つの設定パラメータは、
チャネル状態情報(CSI)参照リソースと、
無線リソース管理(RRM)参照リソースと、
CSI報告リソースと、
RRM報告リソースと、
サウンディング参照信号(SRS)送信リソースと、
CSI/RRM参照リソースの疑似コロケーションと、
CSI報告リソース、RRM報告リソース、又はSRS送信リソースの疑似コロケーションと、
制御リソースセット(CORESET)情報と、
サーチスペース情報と、
PDCCHモニタのためのスロットのセットと、
PoSSモニタスキップと、
ハイブリッド自動再送要求-確認応答(HARQ-ACK)リソースパラメータ指示と、
の少なくとも1つ又は組み合わせを含む、
請求項1に記載の集積回路。
【請求項3】
第1のフィールドがPDCCHモニタをスキップすることを示す場合に、前記少なくとも1つの設定パラメータは、次の準静的なDRXサイクルまで、若しくは、設定された節電信号又はチャネルの次の機会まで、又は、次のXスロットにおいて(Xは、動的に指示される又は準静的に設定される)、PDCCHモニタをスキップすること又はPoSSモニタをスキップすることのうちの1つを含む、
請求項1に記載の集積回路。
【請求項4】
前記UEは、設定テーブルから前記少なくとも1つの設定パラメータを選択し、オプションとして、前記設定テーブルは、無線リソース制御(RRC)によって設定される、
請求項1に記載の集積回路。
【請求項5】
前記UEによって受信される前記PoSSは、UEのグループに対する挙動指示又は設定指示を含む、
請求項1に記載の集積回路。
【請求項6】
前記DCIは、前記挙動指示用の少なくとも1つの第1のフィールドを含み、該第1のフィールドは、前記第1の挙動又は前記第2の挙動を指示する値を含み、前記DCIは、前記設定指示用の少なくとも1つの第2のフィールドを含み、該第2のフィールドは、前記第1のフィールドの前記値に応じて、前記第1の挙動又は前記第2の挙動に関連付けられている前記少なくとも1つの設定パラメータを指示するものとして解釈される値を含む、
請求項1に記載の集積回路。
【請求項7】
前記第1のフィールドは、PDCCHモニタを開始すること又はPDCCHモニタを開始しないことを前記UEに対して指示し、デフォルト挙動は、PDCCHモニタを開始しないことである、又は
前記第1のフィールドは、PDCCHモニタをスキップすること又はPDCCHモニタをスキップしないことを前記UEに対して指示し、デフォルト挙動は、PDCCHモニタをスキップしないことである、
請求項6に記載の集積回路。
【請求項8】
前記共通フィールドの内容は、前記少なくとも1つの設定パラメータを選択するために前記UEによって使用されるビットマップを含み、前記設定テーブルは、前記挙動指示及び前記設定指示を含む、
請求項4に記載の集積回路。
【請求項9】
前記挙動指示は、前記DCIの巡回冗長検査(CRC)値をマスクする第1の又は第2の無線ネットワーク一時識別子(RNTI)として符号化され、前記RNTIは、前記UEを識別し、前記第1の挙動又は前記第2の挙動を指示する、
請求項1に記載の集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、3GPP通信システム等の通信システムにおける方法、デバイス、及び製品に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP:the 3rd Generation Partnership Project)は、第5世代(5G)とも称される次世代セルラー技術についての技術仕様に取り組んでいる。
【0003】
1つの目的は、少なくとも、高度モバイルブロードバンド(eMBB:enhanced mobile broadband)、超高信頼・低遅延通信(URLLC:ultra-reliable low-latency communications)、大規模マシンタイプ通信(mMTC:massive machine type communication)を含む、全ての利用シナリオ、要件、及び配置シナリオに対処する単一の技術的枠組みを提供することである(例えば、参照により本明細書に組み込まれるTR 38.913 バージョン15.0.0の第6節を参照されたい)。例えば、eMBBの配置シナリオには、屋内のホットスポット、密集都市部、郊外、都市部、及び高速が含まれ得る。URLLCの配置シナリオには、産業制御システム、モバイル健康管理(遠隔モニタリング、診断、及び治療)、車両のリアルタイム制御、スマートグリッドの広域監視・制御システムが含まれ得る。mMTCの配置シナリオには、スマートウェアラブルやセンサネットワーク等、遅延の影響が小さいデータ伝送による多数の装置を使用するシナリオが含まれ得る。eMBBサービス及びURLLCサービスは、両方とも非常に広い帯域幅を要求するという点で類似しているが、URLLCサービスが好ましくは超低遅延を必要とし得るという点で異なる。
【0004】
第2の目的は、前方互換性を達成することである。ロングタームエボリューション(LTE、LTE-A)セルラーシステムに対する後方互換性は必要とされず、これは、完全に新しいシステム設計及び/又は新しい特徴の導入を容易にする。
【発明の概要】
【0005】
非限定的且つ例示的な実施形態は、ユーザ機器において電力を節減するための改善された手順の提供に資する。
【0006】
1つの概括的な例において、ここに開示されている技術は、ユーザ機器(UE)であって、動作中、UEがキャンプしているサービング基地局から節電(パワーセービング:power saving)信号(PoSS:power saving signal)を受信する受信部と、動作中、PoSSの受信をモニタして、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)の処理に関するUE挙動を決定するUE側処理回路と、を備えるUEを特徴とする。PoSSは、第1の挙動又は第2の挙動に従うことをUEに対して指示する挙動指示を含み、PoSSは、第1の挙動又は第2の挙動に関連付けられている少なくとも1つの設定パラメータを指示する設定指示を更に含み、UE側処理回路は、動作中、第1の挙動が指示された場合にPDCCHモニタを実行することを、第2の挙動が指示された場合にPDCCHモニタをスキップすることを、決定し、相応に少なくとも1つの設定パラメータを適用する。
【0007】
1つの概括的な例において、ここに開示されている技術は、UEによって実行される次のステップ、すなわち、UEがキャンプしているサービング基地局から節電信号(PoSS)を受信するステップと、PoSSの受信をモニタして、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)の処理に関するUE挙動を決定するステップと、を含み、PoSSは、第1の挙動又は第2の挙動に従うことをUEに対して指示する挙動指示を含み、PoSSは、第1の挙動又は第2の挙動に関連付けられている少なくとも1つの設定パラメータを指示する設定指示を更に含み、処理回路は、第1の挙動が指示された場合にPDCCHモニタを実行することを、第2の挙動が指示された場合にPDCCHモニタをスキップすることを、決定し、相応に少なくとも1つの設定パラメータを適用する、方法を特徴とする。
【0008】
1つの概括的な例において、ここに開示されている技術は、基地局(BS)であって、動作中、BSにキャンプしている少なくとも1つのユーザ機器(UE)に節電信号(PoSS)を送信する送信部と、動作中、PoSSを生成するBS側処理回路と、を備える。PoSSは、第1の挙動又は第2の挙動に従うことをUEに対して指示する挙動指示を含み、PoSSは、第1の挙動又は第2の挙動に関連付けられている少なくとも1つの設定パラメータを指示する設定指示を更に含み、PoSSは、UEに、第1の挙動が指示された場合にPDCCHモニタを実行させ、第2の挙動が指示された場合にPDCCHモニタをスキップさせ、相応に少なくとも1つの設定パラメータを適用させる、ように生成される、BSを特徴とする。
【0009】
なお、一般的な実施形態又は特定の実施形態は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、記憶媒体、又はこれらの任意の選択的な組み合わせとして、実現可能であることに留意されたい。
【0010】
開示されている実施形態及び様々な実施態様の更なる恩恵及び利点は、本明細書及び図面から明らかになるであろう。これらの恩恵及び/又は利点は、本明細書及び図面の様々な実施形態及び特徴によって個別に得ることができる。ただし、このような恩恵及び/又は利点のうちの1つ以上を得るために、これらの特徴全てを設ける必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
以下において、例示的な実施形態が、添付の図面を参照して、より詳細に説明される。
図1】3GPP NRシステムについての例示的なアーキテクチャを示す図
図2】LTE eNB、gNB、及びUEについての例示的なユーザ及び制御プレーンアーキテクチャを示す図
図3】PoSSを用いて節電手順を実行するときにgNBとUEとの間で交換されるメッセージを示す図
図4】UE及びgNBの例示的な簡略化された構成を示す図
図5】第1の実施形態の例示的な実施態様に従ったUEの構成を示す図
図6】例示的な実施態様に従った、UEの挙動についてのフロー図
図7】別の例示的な実施態様に従った、UEの挙動についてのフロー図
図8】第1の挙動の例示的な実施態様に従った、UEの挙動についてのタイミング図
図9】第2の挙動の例示的な実施態様に従った、UEの挙動についてのタイミング図
図10】第1の解決策の例示的な実施態様に従ったDCIの構成を示す図
図11】第1の解決策の別の例示的な実施態様に従ったDCIの構成を示す図
図12】第2の解決策の例示的な実施態様に従ったDCIの構成を示す図
図13】第2の解決策の別の例示的な実施態様に従ったDCIの構成を示す図
図14】第3の解決策の例示的な実施態様に従ったDCIの構成を示す図
図15】第3の解決策の別の例示的な実施態様に従ったDCIの構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
(5G NRシステムアーキテクチャ及びプロトコルスタック)
3GPPは、100GHzまでの周波数範囲で動作する新しい無線アクセス技術(NR)の開発を含む、単に5Gと称される第5世代セルラー技術についての次のリリースに取り組んでいる。3GPPは、緊急の市場ニーズ及びより長期的な要件の両方を適時に満たすNRシステムを成功裏に標準化するために必要な技術要素を特定して開発しなければならない。これを達成するために、無線インタフェース及び無線ネットワークアーキテクチャの発展が、検討項目「New Radio Access Technology」において考慮されている。結果及び合意事項は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる技術報告書TR38.804 v14.0.0に収集されている。
【0013】
とりわけ、システムアーキテクチャ全体は、gNBを含むNG-RAN(次世代-無線アクセスネットワーク)を想定しており、これは、UEに向かうNG-無線アクセスユーザプレーン(SDAP/PDCP/RLC/MAC/PHY)及び制御プレーン(RRC)プロトコル終端を提供する。gNBは、Xnインタフェースによって互いに相互接続される。gNBはまた、次世代(NG)インタフェースによって、NGC(次世代コア)に、より具体的には、NG-Cインタフェースによって、AMF(アクセス及びモビリティ管理機能)(例えば、AMFを実行する特定のコアエンティティ)に、また、NG-Uインタフェースによって、UPF(ユーザプレーン機能)(例えば、UPFを実行する特定のコアエンティティ)に接続される。NG-RANアーキテクチャは、図1に示されている(例えば、参照により本明細書に組み込まれる3GPP TS38.300 v15.2.0、第4節を参照されたい)。
【0014】
様々な異なる配置シナリオがサポートされ得る(例えば、参照により本明細書に組み込まれる3GPP TR38.801 v14.0.0を参照されたい)。例えば、非集中配置シナリオ(例えば、TR38.801の第5.2節を参照されたい;集中配置は第5.4節に示されている)がそこに提示されており、非集中配置シナリオでは、5G NRをサポートする基地局を配置することができる。図2は、例示的な非集中配置シナリオを示しており(例えば、TR38.801の図5.2.-1を参照されたい)、gNB及びLTE eNBの両方に接続されるユーザ機器(UE)とLTE eNBとを追加的に示している。NR 5Gのための新しいeNBは、gNBと例示的に称されることがある。eLTE eNBは、EPC(発展型パケットコア)及びNGC(次世代コア)に対する接続をサポートする、eNBの発展形である。
【0015】
NRについてのユーザプレーンプロトコルスタック(例えば、参照により本明細書に組み込まれる3GPP TS38.300 v15.2.0、第4.4.1節を参照されたい)は、PDCP(パケットデータコンバージェンスプロトコル、TS38.300の第6.4節を参照されたい)、RLC(無線リンク制御、TS38.300の第6.3節を参照されたい)及びMAC(媒体アクセス制御、TS38.300の第6.2節を参照されたい)サブレイヤを含み、これらは、ネットワーク側ではgNBにおいて終端する。更に、新しいアクセス層(AS)サブレイヤ(SDAP(サービスデータ適応プロトコル))が、PDCPの上位に導入される(例えば、参照により本明細書に組み込まれる3GPP TS38.300 バージョン15.2.0の第6.5節を参照されたい)。制御プレーンプロトコルスタックも、NRについて定義されている(例えば、TS38.300、第4.4.2節を参照されたい)。レイヤ2機能の概要は、TS38.300の第6節において与えられている。PDCP、RLC及びMACサブレイヤの機能は、TS38.300の第6.4節、第6.3節、及び第6.2節においてそれぞれ挙げられている。RRCレイヤの機能は、TS38.300の第7節において挙げられている。TS38.300の上記の節は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0016】
例えば、媒体アクセス制御(MAC)レイヤは、論理チャネル多重化と、様々なニューメロロジーの処理を含むスケジューリング及びスケジューリング関連機能と、を処理する。
【0017】
物理レイヤのために、MACレイヤは、トランスポートチャネルの形でサービスを使用する。トランスポートチャネルは、情報が無線インタフェースを介してどのように送信されるか、及び、情報がどのような特性で送信されるか、によって定義され得る。ランダムアクセスチャネル(RACH)は、トランスポートブロックを運ばないが、MACによって処理されるトランスポートチャネルとしても定義される。MACレイヤによってサポートされる手順のうちの1つは、ランダムアクセス手順である。
【0018】
物理レイヤ(PHY)は、例えば、符号化、PHY HARQ処理、変調、マルチアンテナ処理、及び、適切な物理時間-周波数リソースへの信号のマッピングを担う。物理レイヤはまた、物理チャネルへのトランスポートチャネルのマッピングを処理する。物理レイヤは、トランスポートチャネルの形でMACレイヤにサービスを提供する。物理チャネルは、特定のトランスポートチャネルの送信に使用される時間-周波数リソースのセットに対応し、各トランスポートチャネルは、対応する物理チャネルにマッピングされる。1つの物理チャネルは、ランダムアクセスに使用されるPRACH(物理ランダムアクセスチャネル)である。
【0019】
NRについてのユースケース/配置シナリオは、高度モバイルブロードバンド(eMBB)、超高信頼・低遅延通信(URLLC)、大規模マシンタイプ通信(mMTC)を含むことができ、これらは、データレート、遅延、及びカバレッジに関して多様な要件を有する。例えば、eMBBは、IMT-Advancedによって提供されるものの3倍のオーダーのピークデータレート(ダウンリンクでは20Gbps、アップリンクでは10Gbps)及びユーザ側で実感されるデータレートをサポートすることが期待される。一方、URLLCの場合、超低遅延(ユーザプレーン遅延についてUL及びDLでそれぞれ0.5ms)及び高信頼性(1ms以内で1-10-5)というより厳しい要件が課される。最後に、mMTCは、好ましくは、高接続密度(都市環境では1kmあたり1000000個のデバイス)、過酷な環境における広いカバレッジ、及び低コストデバイスのための極めて長寿命(15年)のバッテリを必要とし得る。
【0020】
したがって、1つのユースケースに適したOFDMニューメロロジー(例えば、サブキャリア間隔、OFDMシンボル期間、サイクリックプレフィックス(CP)期間、スケジューリング間隔あたりのシンボル数)は、別のユースケースではうまく機能しない可能性がある。例えば、低遅延サービスは、好ましくは、mMTCサービスよりも短いシンボル期間(したがって、大きなサブキャリア間隔)及び/又は少ないスケジューリング間隔あたりのシンボル(TTIとしても知られている)を必要とし得る。更に、大きなチャネル遅延拡散を伴う配置シナリオは、好ましくは、短い遅延拡散を伴うシナリオよりも長いCP期間を必要とし得る。同様のCPオーバーヘッドを保つために、サブキャリア間隔は、それに応じて最適化されるべきである。NRは、サブキャリア間隔の複数の値をサポートすることができる。これに対応して、15kHz、30kHz、60kHz...というサブキャリア間隔が現在検討されている。シンボル期間Tuとサブキャリア間隔Δfとは、Δf=1/Tuという式を通じて直接的に関連している。LTEシステムと同様に、用語「リソースエレメント」は、1OFDM/SC-FDMAシンボルの長さに対して1サブキャリアで構成される最小のリソース単位を表すために使用され得る。
【0021】
新しい無線システム5G-NRでは、各ニューメロロジー及びキャリアについて、サブキャリアとOFDMシンボルとからなるリソースグリッドが、アップリンク及びダウンリンクに対してそれぞれ定義される。リソースグリッドにおける各エレメントは、リソースエレメントと称され、周波数領域における周波数インデックス及び時間領域におけるシンボル位置に基づいて特定される(参照により本明細書に組み込まれる3GPP TS38.211 v15.2.0を参照されたい)。
【0022】
(制御シグナリング/PDCCH/DCI/サーチスペース)
5G NRにおけるDCI(ダウンリンク制御情報)の主な目的は、LTEにおけるDCIと同じであり、すなわち、ダウンリンクデータチャネル(例えばPDSCH)又はアップリンクデータチャネル(例えばPUSCH)をスケジューリングする特別な情報のセットである。5G NRでは、複数の異なるDCIフォーマットが定義されている(例えば、参照により本明細書に組み込まれるTS38.212 v15.2.0 第7.3.1節を参照されたい)。概要が、以下の表によって与えられる。
【表1】
【0023】
PDCCHサーチスペースは、ダウンリンクリソースグリッド(時間-周波数リソース)における、PDCCH(DCI)を運ぶことができる領域である。広義には、無線リソース領域は、ダウンリンクにおける制御情報を1つ以上のUEに送信するために基地局によって使用される。UEは、PDCCHデータ(DCI)を発見しようとして、サーチスペースを通じてブラインド復号を実行する。概念的には、5G NRにおけるサーチスペースコンセプトは、LTEサーチスペースに類似しているが、細部に関しては多くの違いがある。
【0024】
(同期信号ブロック測定タイミング設定(SMTC)-PSS/SSS,PBCH)
NRは、いわゆる同期信号ブロック(SSブロック(SSB))を導入しており、SSBは、プライマリ同期信号(PSS)、セカンダリ同期信号(SSS)、及び物理報知チャネル(PBCH)を含む。PSS及びSSSは、ネットワークを発見し、ネットワークに同期し、ネットワークを識別するために、UEによって使用され得る。PBCHは、残りのブロードキャストシステム情報が送信される指示を含む最小限のシステム情報を運ぶ。
【0025】
LTEでも、これら3つの信号PSS、SSS、及びPBCHが使用されたが、1つのSSBの一部としてではない。NRでは、SSBのこれら3つの構成要素が常に一緒に送信され、例えば、これらは同じ周期を有する。所与のSSBは、SSバーストセット内で繰り返されてもよく、SSバーストセットは、gNBビームスウィーピング送信に使用できる可能性がある。SSバーストセットは、特定の期間(5msのウィンドウ等)に制限されてもよい。初期セル選択では、UEは、20msという、SSバーストセットのデフォルト周期を想定することができる。
【0026】
5G NRのPSSは、無線フレーム境界を識別するための物理レイヤ固有信号であり、m系列の一種である。5G NRのSSSは、サブフレーム境界を識別するための物理レイヤ固有信号であり、これもまたm系列である(例えば、参照により本明細書に組み込まれるTS38.211 v15.2.0 第7.4.2節を参照されたい)。
【0027】
(参照信号)
LTEと同様に、いくつかの異なるタイプの参照信号(RS)が、5G NRにおいて使用される(参照により本明細書に組み込まれる3GPP TS38.211 v15.3.0 第7.4.1節を参照されたい)。5G NRでは、少なくとも以下の参照信号が使用可能である。
・チャネル状態情報取得及びビーム管理に使用可能なCSI-RS(チャネル状態情報参照信号)
・PDSCH復調に使用可能なPDSCH DMRS(復調用参照信号)
・PDCCH復調に使用可能なPDCCH DMRS(復調用参照信号)
・PBCH復調に使用可能なPBCH DMRS(復調用参照信号)
・PDSCHの位相トラッキングに使用可能なPTRS(位相トラッキング用参照信号)
・時間トラッキングに使用可能なトラッキング用参照信号
【0028】
更に、PBCH DMRSは、SSB参照信号の一部であると例示的にみなすことができる(3GPP TS38.215 v15.3.0 第5.1.1節「SS reference signal received power (SS-RSRP)」を参照されたい)。
【0029】
5G NR通信システムにおける参照信号とLTEにおける参照信号との主な違いは、5G NRでは、セル固有参照信号が存在しないこと、時間/位相トラッキングのために新しい参照信号PTRSが導入されていること、ダウンリンクチャネル及びアップリンクチャネルの両方のためにDMRSが導入されていること、及び、NRでは、参照信号が必要なときにだけ送信されること、である。
【0030】
DLのみの信号として、UEが受信するCSI-RSは、チャネルを推定し、チャネル品質情報をgNBに報告するために使用される。MIMO動作中、NRは、キャリア周波数に基づいて異なるアンテナ手法を用いることができる。低周波数では、システムは、MU-MIMOにそれほど多くない数のアクティブアンテナを使用し、FDD動作を追加する。この場合、UEは、CSI-RSを使用して、CSIを計算し、UL方向においてCSIを報告することができる。CSI-RSは、以下に従って更に特徴付けられ得る。
・これは、DL CSI取得に使用される。
・モビリティ及びビーム管理中のRSRP測定に使用される。
・周波数/時間トラッキング、復調、及びULレシプロシティベースプリコーディングにも使用される。
・CSI-RSは、UEに固有に設定されるが、複数のユーザは、同じリソースを共有することもできる。
・5G NR標準規格は、CSI-RS設定における高レベルのフレキシビリティを可能にし、リソースは、最大32ポートに対して設定できる。
・CSI-RSリソースは、スロットの任意のOFDMシンボルから始まることができ、通常は、設定されたポート数に応じて1/2/4OFDMシンボルを占有する。
・CSI-RSは、周期的であることもあるし、セミパーシステントであることもあるし、又は非周期的であることもある(DCIトリガに起因する)。
・時間/周波数トラッキングの場合、CSI-RSは、周期的又は非周期的のいずれかであり得る。これは、1スロット又は2スロットにわたって広がる2シンボル又は4シンボルのバーストにおいて送信される。
【0031】
(疑似コロケーション(QCL)概念)
疑似コロケーション(QCL)概念は、LTE及びNRにおいて利用され、次のように単純化されて説明され得る:2つの信号がQCLである場合、これは、UEが大規模チャネルパラメータ(例えば、ドップラーシフト、ドップラー拡散、平均遅延、遅延拡散、空間受信パラメータ及びビーム方向)において同じ受信/送信パラメータを想定できることを意味する。これは、チャネル推定及び受信性能を向上させるのに役立つ。
【0032】
上述したように、従来、UEは、必ずしも必要であるわけではないPDCCHモニタ及びブラインド復号を実行しており、これにより、不必要にエネルギーを消費している。
【0033】
したがって、本発明者らは、PDCCHをモニタするようにUEをトリガすること又は所定の時点までPDCCHモニタをスキップするようにUEに指示することを可能にする節電信号(PoSS)を提供することによって、PDCCHモニタ及びブラインド復号のためのコストを削減する可能性を識別した。UEがPDCCHモニタをスキップすると、UEアクティブ時間を短縮することができ、これは、電力を節減する。図3に示されているように、基地局は、PoSSをUEに送信し、これは、一般に、UEに、2つの異なる挙動に従わせることができる。図3の左側に示されている第1の挙動では、PoSSは、PDCCHをモニタすべきであることをUEに指示する。この場合、UEは、PDCCHを受信し、受信したPDCCHに従って、スケジューリングされた送信を返送する。一方、PoSSが、第2の挙動に従うことをUEに対して指示する場合、UEは、図3の右側に概略的に示されているように、PDCCHのモニタをスキップする。したがって、gNBは、PDCCHをUEに送信しない。PDCCHが送信されたとしても、UEは、そのPDCCHを受信することができない。
【0034】
以下において、このようなニーズを満たすUE、基地局、及び手順が、5G移動通信システムについて想定される新しい無線アクセス技術を対象として説明されるが、これらは、LTE移動通信システムにおいて使用されてもよい。様々な実施態様及び変形例も説明される。以下の開示は、上述した説明及び知見によって促進され、例えば、その少なくとも一部に基づき得る。
【0035】
概して、本開示の基礎をなす原理を明確且つ理解できるように説明することが可能であるように、本明細書において、多くの仮定がなされていることに留意されたい。しかしながら、これらの仮定は、本開示の範囲を限定すべきではない例示の目的のために本明細書でなされている単なる例として理解されるべきである。当業者は、特許請求の範囲に記載されているような以下の開示の原理が、本明細書において明示的には記載されていない異なるシナリオに、本明細書において明示的には記載されていないやり方で適用されてもよいことを認識するであろう。
【0036】
更に、次の3GPP 5G通信システムのための新しい無線アクセス技術のコンテキストにおいて使用される具体的な用語は、まだ完全に決定されていないとしても、以下において使用されている、手順、エンティティ、レイヤ等の用語の一部は、LTE/LTE-Aシステム又は3GPP 5Gの現在の標準化で使用されている用語に密接に関連している。したがって、用語は、実施形態の機能に影響を及ぼすことなく、将来変更される可能性がある。結果として、当業者は、実施形態及びその保護範囲が、より新しい用語又は最終的に合意される用語を欠くために、本明細書において例示的に使用されている特定の用語に限定されるべきではなく、本開示の機能及び原理の基礎をなす機能及び着想に関してより広く理解されるべきであることを認識するであろう。
【0037】
例えば、移動局又は移動ノード又はユーザ端末又はユーザ機器(UE)は、通信ネットワーク内の物理エンティティ(物理ノード)である。1つのノードは、複数の機能エンティティを有することができる。機能エンティティは、予め定められた機能のセットを実施する、且つ/又は、同じノード若しくは別のノード又はネットワークの他の機能エンティティに予め定められた機能のセットを提供するソフトウェアモジュール又はハードウェアモジュールを指す。ノードは、そのノードを、ノードが通信できる通信設備又は媒体に接続する1つ以上のインタフェースを有することができる。同様に、ネットワークエンティティは、機能エンティティを、他の機能エンティティ又は対応するノードと通信できる通信設備又は媒体に接続する論理インタフェースを有することができる。
【0038】
ここで、用語「基地局」又は「無線基地局」は、通信ネットワーク内の物理エンティティを指す。移動局と同様に、基地局は、複数の機能エンティティを有することができる。機能エンティティは、予め定められた機能のセットを実施する、且つ/又は、同じノード若しくは別のノード又はネットワークの他の機能エンティティに予め定められた機能のセットを提供するソフトウェアモジュール又はハードウェアモジュールを指す。物理エンティティは、スケジューリング及び設定のうちの1つ以上を含む、通信デバイスに対するいくつかの制御タスクを実行する。基地局の機能及び通信デバイスの機能は、単一のデバイス内に統合されてもよいことに留意されたい。例えば、移動端末は、他の端末のために基地局の機能も実装することができる。LTEにおいて使用されている用語はeNB(又はeNodeB)であるのに対し、5G NRにおいて現在使用されている用語はgNBである。
【0039】
図4は、ユーザ機器(通信デバイスとも称される)と、(ここでは基地局(例えば、eLTE eNB(あるいは、ng-eNBと称される)又は5G NRにおけるgNB)内に位置すると例示的に想定される)スケジューリングデバイスと、の概括的で簡略化された例示的なブロック図を示している。UE及びeNB/gNBは、それぞれの送受信機を使用して、(無線)物理チャネルを介して互いと通信する。
【0040】
通信デバイスは、送受信機及び処理回路を備えることができる。そして、送受信機は、受信機及び/又は送信機を含むことができる、且つ/又は、受信機及び/又は送信機として機能することができる。処理回路は、1つ以上のプロセッサ又は任意のLSI等の1つ以上のハードウェアであってよい。送受信機と処理回路との間には、入力/出力点(又は入力/出力ノード)が存在し、処理回路は、動作中、入力/出力点(又は入力/出力ノード)を介して、送受信機を制御することができる、すなわち、受信機及び/又は送信機を制御し、受信/送信データを交換することができる。送受信機は、送信機及び受信機として、1つ以上のアンテナ、増幅器、RF変調器/復調器等を含むRF(無線周波数)フロントエンドを含むことができる。処理回路は、処理回路によって提供されるユーザデータ及び制御データを送信するように、且つ/又は、処理回路によって更に処理されるユーザデータ及び制御データを受信するように送受信機を制御すること等の制御タスクを実施することができる。処理回路はまた、判定、判別、決定、計算、測定等といった他のプロセスを実行することを担うことができる。送信機は、送信するプロセス及び送信するプロセスに関連する他のプロセスを実行することを担うことができる。受信機は、チャネルをモニタすること等、受信するプロセス及び受信するプロセスに関連する他のプロセスを実行することを担うことができる。
【0041】
以下において提供される解決策は、アンライセンス運用(例えば、スタンドアロン又はデュアルコネクティビティ)についての5G NR標準化に主に関連して説明される。それでも、上記においてすでに示唆されているように、本着想、アイディア、及び改良は、5G NRアンライセンス標準化に限定されるものではなく、5G NRのライセンス運用にも等しく適用可能であり、LTE(-A)通信システムにおけるアンライセンス運用及び/又はライセンス運用にも等しく適用可能である。また、将来の通信システムは、本出願において開示されている着想から恩恵を得ることができるであろう。
【0042】
第1の実施形態が、図5及び図6に関連して、以下において説明される。
【0043】
図5は、本解決策に従った簡略化された例示的なUEの構成であって、上記の図4に関連して説明された概括的なUEの構成に基づいて実装され得るUEの構成を示している。この図に示されているUEの様々な構成要素は、例えば、制御データ及びユーザデータ並びに他の信号を交換するために、例えば、対応する入力/出力ノード(図示せず)を用いて、互いとの間で相互接続され得る。例示のために図示されてはいないが、UEは、更なる構成要素を含んでもよい。
【0044】
この図から明らかなように、UEは、以下において説明されるUE電力消費を低減するための改善された手順に関与するために、節電信号受信部、節電信号モニタ回路、挙動決定回路、及び設定選択回路を含むことができる。
【0045】
本ケースにおいて、以下の開示から明らかになるように、プロセッサ(処理回路)は、UEがキャンプしているサービング基地局からの節電信号(PoSS)の受信をモニタして、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)の処理に関するUE挙動を決定するステップのうちの1つ以上を少なくとも部分的に実行するよう例示的に構成されてよく、PoSSは、第1の挙動又は第2の挙動に従うことをUEに対して指示する挙動指示を含み、PoSSは、第1の挙動又は第2の挙動に関連付けられている少なくとも1つの設定パラメータを指示する設定指示を更に含む。プロセッサは、第1の挙動が示される場合にPDCCHモニタを実行することを、第2の挙動が示される場合にPDCCHモニタをスキップすることを、決定し、これに応じて少なくとも1つの設定パラメータを適用する。
【0046】
受信機は、節電信号を受信するステップと、システム情報又は設定メッセージ(RRCプロトコルの設定メッセージ等)を介して閾値に関する情報を受信するステップと、のうちの1つ以上を少なくとも部分的に実行できるよう構成されてよい。
【0047】
図6は、この改良された節電手順に従ったUE挙動についてのシーケンス図である。
【0048】
UEがアイドルモードにあると例示的に仮定するが、UEが接続モードにあることも可能である。UEが現在キャンプしている無線セルは、以下において、サービング基地局によって制御されるサービング無線セルと例示的に称される。
【0049】
図6に示されているように、UEは、まず、PoSSを受信し、PoSSを正しく受信したことを確認する。次に、UEは、PoSSの挙動指示を判別する。2つの可能な挙動が指示され得る:第1の挙動は、PDCCHモニタを実行することを含むことができるのに対し、第2の挙動は、PDCCHモニタをスキップすること、したがって、エネルギーを節減することを含むことができる。どちらの挙動が指示されたかに応じて、UEは、次に、PoSSの設定指示を評価し、それに応じて、PDCCHモニタを実行し、第1の挙動に関連付けられている1つ以上の設定パラメータを適用する。そうでない場合、UEは、DCIの設定指示を評価し、PDCCHモニタをスキップする。この場合、UEは、第2の挙動に関連付けられている1つ以上の設定パラメータを適用する。
【0050】
プロセスは、PoSSが検出されたかどうかをチェックするステップに戻り得る。
【0051】
図7は、別の例示的な改善された節電手順に従ったUE挙動のシーケンス図を示している。第1のステップにおいて、UEは、節電信号(PoSS)をモニタするように基地局によって設定されていることが確認されなければならない。そうでなければ、プロセスは、スタートアップ手順に戻る。一方、UEがPoSSをモニタするように設定されている場合、次のステップにおいて、UEは、PoSSを受信し、PoSSの受信をモニタする。これは、例示的な実施形態に従うと、DCIの形態であってよい。PoSSが検出されない場合、UEは、デフォルト挙動を実行する。例示的な実施態様において、デフォルト挙動は、PoSSがUEによって誤って指示された場合の挙動として定義される。そのようなわけで、UEは、PoSS DCIからの挙動指示を有しない。具体的には、PoSSが検出されない場合、UEは、デフォルト挙動の2つの異なる可能性を有し得ることが、フロー図に示されている。UEが、オン(「DRX_ON」)である間欠受信(DRX)の状態にある場合、UEは、通常のPDCCHモニタを実行するだけでよい。代替的に、PoSSが検出されない場合のデフォルト挙動は、DRX_OFF中にPDCCHをモニタしないことであってもよい。
【0052】
PoSSが検出された場合、UEは、PoSSのDCIに含まれる挙動指示を評価する。この挙動指示から、UEは、指示されたUE挙動が、PDCCHモニタをスキップすることであるか又はPDCCHモニタを実行することであるかを判別する。PDCCHモニタが実行されるべきであることを挙動指示が指示する場合、DCIの設定指示が評価され、第1の挙動に関連付けられている設定パラメータが適用される。本実施形態に従うと、第1の挙動は、PDCCHのモニタを含み、したがって、エネルギー節減機能を提供しない。
【0053】
一方、PDCCHモニタがスキップされるべきであることを挙動指示が指示する場合、設定指示の評価は、第2の挙動に関連付けられている少なくとも1つの設定パラメータを適用するようにUEを誘導する。第2の挙動は、エネルギー節減に関連し、具体的には、PDCCHモニタをスキップすることを含む。
【0054】
プロセスは、PoSSが検出されたかどうかをチェックするステップに戻り得る。
【0055】
図8は、タイミング図において、例示的な実施態様に従った、UEの第1の挙動を示している。この実施形態に従うと、UEは、設定されたリソースにおいて、節電チャネルとも称されることがある節電信号(PoSS)をモニタする。
【0056】
後でより詳細に説明されるように、第1の挙動は、概して、PDCCHのモニタを開始するようにUEをトリガすることを含む。トリガが検出されない場合、例えば、UEのデフォルト挙動は、PDCCHを受信及び復号しないことであってよい。これは、基地局がUEを短時間でスケジューリングする必要があり得ることを意味する。節電を促進するために、この指示と実際のスケジューリングとの間の間隔は、できるだけ短くてよい。このために、UEは、時間/周波数トラッキング、自動利得制御(AGC)トレーニング、チャネル状態情報(CSI)/無線リソース管理(RRM)測定及び報告、及び、サウンディング参照信号(SRS)送信を実行し始める必要がある。このようにして、基地局は、ダウンリンク/アップリンク(DL/UL)チャネル状態を適時に取得し、短時間でスケジューリングを開始することができる。これにより、総UEアクティブ時間を短縮することができ、これは、電力を節減することができる。更に、電力を節減するために、制御リソースセット(CORESET)、サーチスペース情報、及び/又はスロットのセットの更なる指示によって、PDCCHモニタを低減することができる。
【0057】
図8に概略的且つ例示的に示されているように、UEは、ランプアップした後、同期信号ブロック(SSB)バーストを受信し、その直後に、PDCCHモニタを開始することを指示するPoSSを受信する。ウォーミングアップブロックでは、UEは、時間及び/又は周波数トラッキング、自動利得制御(AGC)、チャネル状態情報(CSI)参照リソース、及び無線リソース管理(RRM)参照リソースのための参照信号(RS)を受信する。更に、CSI報告リソース、及び、最後に、サウンディング参照信号(SRS)送信リソースが、UEに利用可能である。
【0058】
図8に示されているように、UEは、次の2つのSSBバーストにわたってアクティブのままであり、その後、非アクティブ状態に戻る。
【0059】
図9は、図8とは異なり、UEがPDCCHモニタをスキップすべきであることを指示するPoSSをUEが受信する場合のタイミング図を示している。これは、本開示においてUEの第2の挙動と称されることがある。この状況では、UEは、PoSSを受信した後、ランプダウンし、オフ期間中、非アクティブのままである。例示的に、オフ期間は、3つ以上のSSBバーストにわたって持続する。
【0060】
具体的には、PoSSは、規定された時点までPDCCHモニタをスキップすることをUEに対して指示することができる。PoSSが検出されない場合、UEのデフォルト挙動は、PDCCHを受信することであってよい。
【0061】
第2の挙動については、更なる時間/周波数トラッキング、AGCトレーニング、CSI/RRM測定/報告、又はSRS送信は必要とされない。UEは、次の準静的なDRXサイクルまで又は設定されたPoSSを受信する次の機会まで、PDCCHを受信する必要がないことを指示されてよい。あるいは、UEは、次のXスロットにおいて、PDCCHを受信する必要がないことを指示されてもよい(Xは、動的に指示されることもあるし、又は、準静的に設定されることもある)。
【0062】
更に、UEは、PDCCHを受信する必要がないことを指示されることに加えて、次の準静的なDRXサイクルまで又は設定されたPoSSを受信する次の機会まで、PoSSを受信する必要がないことを指示されてもよい。あるいは、UEは、次のXスロットにおいて、PoSSを受信する必要がないことを指示されてもよい(Xは、動的に指示されることもあるし、又は、準静的に設定されることもある)。
【0063】
必要に応じて第1の挙動及び第2の挙動をUEに対して指示することができるPoSSを提供するために、PDCCHモニタトリガ及びスキップという異なる機能を1つのDCI設計に統合することを可能にするPoSS DCIをUEに送信することが提案される。
【0064】
概して、1つのDCIは、PDCCHモニタ及びトリガの両方のために、UE挙動指示によって共有される。その結果、UEは、更なる挙動指示にアクセスするために、1つの統一されたPoSS DCIを復号する必要があるだけである。例示的に、以下でより詳細に説明される3つの概念を、この目的に使用することができる。第1に、詳細なUE挙動指示(すなわち設定)は、第1のフィールドの解釈に基づき得る第2のフィールドに符号化される。第2に、PDCCHモニタをスキップ及びトリガする指示と設定指示とは、ただ1つの共通フィールドにおいて結合符号化されてよい。第3に、PDCCHモニタをスキップ又はトリガするための指示解釈は、検出された無線ネットワーク一時識別子(RNTI)に基づくが、指示される挙動用の設定は、PoSSの別のフィールドに符号化される。
【0065】
更に、PoSS DCIは、UEグループ固有であってもよいし、又は、UE固有であってもよい。UEグループ固有のケースでは、ビットマップが構成される方法は、既存のNR DCIフォーマット_*と類似してよい。各UEは、例示的に、DCI内の当該UE自体の指示に対処するためのインデックスを用いて設定されてよく、したがって、当該UEは、UEグループ固有のPoSS内のどの指示が当該UE自体のための指示であるかを判別することが可能である。
【0066】
(解決策1-第1のフィールド及び第2のフィールド)
次に、PoSS DCIの第1の例示的な解決策が、図10を参照して説明される。この解決策に従うと、DCIは、第1のフィールド及び第2のフィールドを含む。
【0067】
第1のフィールドは、例えば、PDCCHモニタを実行する挙動(第1の挙動)又はPDCCHモニタをスキップする挙動(第2の挙動)のいずれかが必要であることをUEに対して指示する1ビットを含む。指示された挙動に従って、UEは、第1の挙動又は第2の挙動に関連付けられている設定を指示する第2のフィールドを処理する。第2のフィールドは、それぞれの第1のフィールドに直接連続して配置されてもよく、以前に設定されたテーブルにリンクされた識別子を含む。
【0068】
1つの例示的な実施態様に従うと、第1のフィールドは、PDCCHモニタに関して、PDCCHモニタを実行するか又はPDCCHモニタを実行しないかを指示し、ここで、UEのデフォルト挙動は、PDCCHをモニタしないことである。あるいは、第1のフィールドは、PDCCHのモニタをスキップするか否かを指示する。この場合、デフォルト挙動は、PDCCHのモニタをスキップしないことである。
【0069】
図10に示されている実施形態に従うと、第1のフィールドの指示に応じて解釈される第2のフィールドがDCI内に提供される。第2のフィールドは、第1のフィールドの内容に応じた設定指示を含む。例えば、第1のフィールドが、PDCCHモニタを実行することを指示する場合、UEは、以下の1つ又は組合せ等、PDCCHをどのようにモニタするかに関連する少なくとも1つの設定を指示する第2のフィールドを解釈する:
・チャネル状態情報(CSI)参照リソース
・無線リソース管理(RRM)参照リソース
・CSI報告リソース
・RRM報告リソース
・サウンディング参照信号(SRS)送信リソース
・CSI/RRM参照リソースの疑似コロケーション
・CSI報告リソース、RRM報告リソース、及び/又はSRS送信リソースの疑似コロケーション
・制御リソースセット(CORESET)情報
・サーチスペース情報
・PDCCHモニタのためのスロットのセット
・ある時間又は周波数リソース内でのPoSSモニタのスキップ、すなわち、例えば、UEがPDCCHのモニタを開始するようにPoSSによって指示されると、後続のPoSSモニタはスキップされてよいこと又は部分的にスキップされてよいこと
・ハイブリッド自動再送要求-確認応答(HARQ-ACK)リソースパラメータ指示
【0070】
例えば、これらの設定パラメータは、第1の挙動に関連付けられている第1のテーブルに含まれてよい。
【0071】
一方、第1のフィールドがPDCCHをモニタしないことを指示していれば、UEは、例えば、第1のフィールドがPDCCHモニタをスキップすることを指示する場合、次の準静的なDRXサイクルまで、若しくは、設定された節電信号/チャネルの次の機会まで、又は、次のXスロットにおいて(Xは、動的に指示される又は準静的に設定される)、次の設定、すなわち、PDCCHモニタをスキップすること及び/又はPoSSモニタをスキップすることの少なくとも一方又は組み合わせを指示する等、PDCCHのモニタをどのようにスキップするかを設定する第2のフィールドを解釈する。
【0072】
これらの設定パラメータは、第2の挙動に関連付けられている第2のテーブルに含まれてよい。
【0073】
両方のタイプの指示について、挙動及び/又は設定パラメータの組み合わせは、無線リソース制御(RRC)によって設定されてよい。
【0074】
更に、図11に示されているように、本改善は、UEグループ固有のPoSS DCIを用いて実施されてもよい。ここで、DCIは、UEの1つのグループ(例えば、UE#1、UE#2、及びUE#3)の各UE用の第1のフィールド及び第2のフィールドを各ビットマップにおいて有するビットマップパターンを含む。図11には、3つのUEが例示的に示されている。しかしながら、当業者には明らかなように、このPoSS DCIによって、4つ以上のUEももちろん対処されてよい。上述したように、gNB及びUEは、UEが、第1のフィールド及び第2のフィールドの様々なセットのうちのどの1つがUE用に意図されているかを判別することを可能にするように、このグループ固有のPoSS DCIに関してインデックス値を交換することができる。
【0075】
(解決策2-結合フィールド)
次に、PoSS DCIの第2の例示的な解決策が、図12を参照して説明される。
【0076】
この解決策に従うと、PoSS DCIは、第1の挙動又は第2の挙動のいずれかについて、挙動指示及び設定指示についての結合フィールド(combined field)を含む。
【0077】
図12に示されているように、PoSS DCIは、必要とされるUE挙動に従って、スキップ、トリガ、及び関連する設定パラメータの情報を結合符号化する共通フィールドを含む。例えば、UE用のビットマップは、設定テーブルの指示インデックスを表す3ビットワードを含んでよい。以下のテーブル1は、そのような結合設定テーブルの一例を示している。
【表2】
【0078】
テーブル1におけるエントリは、例えば、RRCによって設定されてよい。上述したように、共通フィールドにおける各ビットマップは、1つの行を選択し、その結果、1セットの設定パラメータ及び挙動(列「PDCCHモニタ」がTRUE又はFALSE)を選択する。
【0079】
テーブル1に示されているように、PDCCHモニタを実行することに適用可能な設定パラメータとPDCCHモニタをスキップする場合に関連する設定パラメータとの間で、数がアンバランスであってもよい。全体として、図12に示されている共通フィールドにおける結合符号化は、例えば、上述した解決策1と比較して、オーバーヘッドの低減を可能にする。
【0080】
本改善は、UEグループ固有のPoSS DCIを用いて実施されてもよい。図13に従うと、PoSS DCIは、UEの1つのグループ(例えば、UE#1、UE#2、及びUE#3)の各UE用の結合フィールドを有するビットマップパターンを含む。図13には、3つのUEが例示的に示されている。しかしながら、当業者には明らかなように、このPoSS DCIによって、1つのUEのみ又は4つ以上のUEももちろん対処されてよい。
【0081】
図13に示されているように、PoSS DCIは、必要とされるUE挙動に従って、スキップ、トリガ、及び関連する設定パラメータの情報を結合符号化する、1つのグループの各UE用のビットマップを含む。例えば、各UE用のビットマップは、設定テーブルの指示インデックスを表す3ビットワードを含んでよい。テーブル1は、そのような結合設定テーブルの例を示している。
【0082】
(解決策3-RNTI及びPoSS DCIフィールドを用いる)
次に、PoSS DCIの第3の例示的な解決策が、図14を参照して説明される。この解決策に従うと、DCIは、第1の挙動の場合に設定を示す指示を含むフィールド又は第2の挙動の場合に設定を示す指示を含むフィールドを含む。更に、第3の実施形態に従うと、異なるRNTIが、特定のUEをアドレッシングするとともに、意図されている挙動を指示するために使用される。
【0083】
例えば、PDCCHモニタが実行されるか又はスキップされるかに応じて、異なるRNTIが、PoSS DCIの巡回冗長検査(CRC)値をマスクするために使用される。
【0084】
図14に示されているように、検出されたPoSSのDCI内で、CRCは、第1の挙動又は第2の挙動のいずれかに関連付けられている少なくとも1つの特定の設定パラメータの指示を含むフィールドとともに送信される。フィールドは、例えば、3ビットを含むことができる。
【0085】
例えば、CRCデスクランブルチェックが、PDCCHモニタのスキップに関連付けられているRNTIを示す場合、UEは、PDCCHモニタのスキップに関連する設定パラメータの指示として、PoSS DCI内の指示フィールドを解釈する。例えば、UEは、スリープモードにどれくらいの時間留まることができるかを認識する。
【0086】
一方、CRCデスクランブリングチェックが、PDCCHモニタの実行に関連付けられているRNTIを示す場合、UEは、第1の挙動に関連付けられている設定を指示するものとして、PoSS DCI内の指示を解釈する。例えば、UEは、テーブル2等の以下に示されるようなテーブルにアクセスし、設定パラメータのセットを取得し、CSI報告及びSRS送信の送信先を認識してから、PDCCHモニタを開始する。また、更新を実行することも可能である。
【表3】
【0087】
トリガ又はスキップ指示についての設定エントリは、例えば、RRCによって、第1の挙動及び第2の挙動に関連する特定の第1のRNTI及び第2のRNTIとともに、それぞれ設定されてよい。
【0088】
図15に示されているように、本改善は、UEグループ固有のPoSS DCIを用いて実施されてもよい。この実施形態に従うと、DCIは、UEの1つのグループ(例えば、UE#1、UE#2、及びUE#3)の各UE用のフィールドを各ビットマップにおいて有するビットマップパターンを含む。図15には、3つのUEが例示的に示されている。しかしながら、当業者には明らかなように、このPoSS DCIによって、1つのUEのみ又は4つ以上のUEももちろん対処されてよい。更に、第3の実施形態に従うと、異なるRNTIが、特定のUEをアドレッシングするとともに、意図されている挙動を指示するために使用される。
【0089】
各グループのそれぞれのUEは、以前に定義されたインデックスに基づいて、完全なビットマップパターンにおけるこのフィールドの系列位置に従って適切なフィールドにアクセスする。
【0090】
(更なる態様)
第1の態様に従うと、ユーザ機器(UE)であって、動作中、UEがキャンプしているサービング基地局から節電信号(PoSS)を受信する受信部と、動作中、PoSSの受信をモニタして、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)の処理に関するUE挙動を決定するUE側処理回路と、を備え、PoSSは、第1の挙動又は第2の挙動に従うことをUEに対して指示する挙動指示を含み、PoSSは、第1の挙動又は第2の挙動に関連付けられている少なくとも1つの設定パラメータを指示する設定指示を更に含み、処理回路は、動作中、第1の挙動が指示された場合にPDCCHモニタを実行することを、第2の挙動が指示された場合にPDCCHモニタをスキップすることを、決定し、相応に少なくとも1つの設定パラメータを適用する、UEが提供される。
【0091】
第1の態様に加えて提供される第2の態様に従うと、第1のフィールドがPDCCHモニタを実行することを指示する場合、少なくとも1つの設定パラメータは、
チャネル状態情報(CSI)参照リソースと、
無線リソース管理(RRM)参照リソースと、
CSI報告リソースと、
RRM報告リソースと、
サウンディング参照信号(SRS)送信リソースと、
CSI/RRM参照リソースの疑似コロケーションと、
CSI報告リソース、RRM報告リソース、及び/又はSRS送信リソースの疑似コロケーションと、
制御リソースセット(CORESET)情報と、
サーチスペース情報と、
PDCCHモニタのためのスロットのセットと、
PoSSモニタスキップと、
ハイブリッド自動再送要求-確認応答(HARQ-ACK)リソースパラメータ指示と、
の少なくとも1つ又は組み合わせを含む。
【0092】
第1の態様又は第2の態様に加えて提供される第3の態様に従うと、第1のフィールドがPDCCHモニタをスキップすることを示す場合に、少なくとも1つの設定パラメータは、次の準静的なDRXサイクルまで、若しくは、設定された節電信号/チャネルの次の機会まで、又は、次のXスロットにおいて(Xは、動的に指示される又は準静的に設定される)、PDCCHモニタをスキップすること及び/又はPoSSモニタをスキップすることのうちの1つを含む。
【0093】
第1の態様~第3の態様のうちのいずれかに加えて提供される第4の態様に従うと、UEは、動作中、設定テーブルから少なくとも1つの設定パラメータを選択し、オプションとして、設定テーブルは、無線リソース制御(RRC)によって設定される。
【0094】
第1の態様~第4の態様のうちのいずれかに加えて提供される第5の態様に従うと、UEによって受信されるPoSSは、UEのグループに対する挙動指示及び/又は設定指示を含む。
【0095】
第1の態様~第5の態様のうちのいずれかに加えて提供される第6の態様に従うと、PoSSは、ダウンリンク制御情報(DCI)として受信され、DCIは、挙動指示用の少なくとも1つの第1のフィールドを含み、第1のフィールドは、第1の挙動又は第2の挙動を指示する値を含み、DCIは、設定指示用の少なくとも1つの第2のフィールドを含み、第2のフィールドは、第1のフィールドの値に応じて、第1の挙動又は第2の挙動に関連付けられている少なくとも1つの設定パラメータを指示するものとして解釈される値を含む。
【0096】
第6の態様に加えて提供される第7の態様に従うと、第1のフィールドは、PDCCHモニタを開始すること又はPDCCHモニタを開始しないことをUEに対して指示し、デフォルト挙動は、PDCCHモニタを開始しないことである、又は、第1のフィールドは、PDCCHモニタをスキップすること又はPDCCHモニタをスキップしないことをUEに対して指示し、デフォルト挙動は、PDCCHモニタをスキップしないことである。
【0097】
第1の態様~第5の態様に加えて提供される第8の態様に従うと、PoSSは、ダウンリンク制御情報(DCI)として受信され、挙動指示及び設定指示は、DCIの共通フィールドにおいて結合符号化される。
【0098】
第8の態様及び第4の態様に加えて提供される第9の態様に従うと、共通フィールドの内容は、少なくとも1つの設定パラメータを選択するためにUEによって使用されるビットマップを含み、設定テーブルは、挙動指示及び設定指示を含む。
【0099】
第1の態様~第5の態様に加えて提供される第10の態様に従うと、PoSSは、ダウンリンク制御情報(DCI)として受信され、挙動指示は、DCIの巡回冗長検査(CRC)値をマスクする第1の又は第2の無線ネットワーク一時識別子(RNTI)として符号化され、RNTIは、UEを識別し、第1の挙動又は第2の挙動を指示する。
【0100】
第10の態様及び第4の態様に加えて提供される第11の態様に従うと、DCIは、設定テーブルから少なくとも1つの設定パラメータを選択するためにUEによって使用される少なくとも1つのビットマップを含む。
【0101】
第12の態様に従うと、ユーザ機器(UE)によって実行される次のステップ、すなわち、UEがキャンプしているサービング基地局から節電信号(PoSS)を受信するステップと、PoSSの受信をモニタして、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)の処理に関するUE挙動を決定するステップと、を含み、PoSSは、第1の挙動又は第2の挙動に従うことをUEに対して指示する挙動指示を含み、PoSSは、第1の挙動又は第2の挙動に関連付けられている少なくとも1つの設定パラメータを指示する設定指示を更に含み、処理回路は、第1の挙動が指示された場合にPDCCHモニタを実行することを、第2の挙動が指示された場合にPDCCHモニタをスキップすることを、決定し、相応に少なくとも1つの設定パラメータを適用する、方法が提供される。
【0102】
第13の態様に従うと、基地局(BS)であって、動作中、BSにキャンプしている少なくとも1つのユーザ機器(UE)に節電信号(PoSS)を送信する送信部と、動作中、PoSSを生成するBS側処理回路と、を備え、PoSSは、第1の挙動又は第2の挙動に従うことをUEに対して指示する挙動指示を含み、PoSSは、第1の挙動又は第2の挙動に関連付けられている少なくとも1つの設定パラメータを指示する設定指示を更に含み、PoSSは、UEに、第1の挙動が指示された場合にPDCCHモニタを実行させ、第2の挙動が指示された場合にPDCCHモニタをスキップさせ、相応に少なくとも1つの設定パラメータを適用させる、ように生成される、BSが提供される。
【0103】
第13の態様に加えて提供される第14の態様に従うと、処理回路は、動作中、UEのグループに対するPoSSを、結合ビットマップパターンへと結合する。
【0104】
第13の態様又は第14の態様に加えて提供される第15の態様に従うと、PoSSは、ダウンリンク制御情報(DCI)として送信され、
DCIは、挙動指示用の少なくとも1つの第1のフィールドを含み、第1のフィールドは、第1の挙動又は第2の挙動を指示する値を含み、DCIは、設定指示用の少なくとも1つの第2のフィールドを含み、第2のフィールドは、第1のフィールドの値に応じて、第1の挙動又は第2の挙動に関連付けられている少なくとも1つの設定パラメータを指示するものとして解釈される値を含む、若しくは
挙動指示及び設定指示は、DCIの共通フィールドにおいて結合符号化される、又は
挙動指示は、DCIの巡回冗長検査(CRC)値をマスクする第1の又は第2の無線ネットワーク一時識別子(RNTI)として符号化され、RNTIは、UEを識別し、第1の挙動又は第2の挙動を指示する。
【0105】
(本開示のハードウェア及びソフトウェアによる実現)
本開示は、ソフトウェアによって、ハードウェアによって、又はハードウェアと協働するソフトウェアによって、実現可能である。上述した各実施形態の説明において使用されている各機能ブロックは、その一部又は全てを、集積回路等のLSIによって実現可能であり、各実施形態において説明された各プロセスは、その一部又は全てを、同じLSI又はLSIの組み合わせによって制御可能である。LSIは、チップとして個別に形成可能である、又は、機能ブロックの一部又は全てを含むように1つのチップを形成することができる。LSIは、自身に結合されたデータ入出力部を含むことができる。LSIは、ここでは、集積度の違いに応じて、IC(集積回路)、システムLSI、スーパーLSI、又はウルトラLSIと称されることがある。しかしながら、集積回路を実現する技術は、LSIに限定されるものではなく、専用回路、汎用プロセッサ、又は専用プロセッサを使用することによって実現可能である。更に、LSIの製造後にプログラムすることができるFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)や、LSI内部に配置されている回路セルの接続及び設定を再設定できるリコンフィギャラブル・プロセッサを使用することもできる。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現可能である。半導体技術又は別の派生技術の進歩の結果として、LSIが将来の集積回路技術に置き換わる場合、その将来の集積回路技術を使用して機能ブロックを集積化することができる。バイオテクノロジを適用することもできる。
【0106】
本開示は、通信機能を持つあらゆる種類の装置、デバイス、又はシステム(通信装置と総称)によって実現可能である。
【0107】
通信装置の、非限定的な例としては、電話機(携帯電話、スマートフォン等)、タブレット、パーソナル・コンピュータ(PC)(ラップトップ、デスクトップ、ネットブック等)、カメラ(デジタル・スチル/ビデオ・カメラ等)、デジタル・プレーヤー(デジタル・オーディオ/ビデオ・プレーヤー等)、着用可能なデバイス(ウェアラブル・カメラ、スマートウオッチ、トラッキングデバイス等)、ゲーム・コンソール、デジタル・ブック・リーダー、テレヘルス・テレメディシン(遠隔ヘルスケア・メディシン処方)デバイス、通信機能付きの乗り物(自動車、飛行機、船等)、及び上述の各種装置の組み合わせがあげられる。
【0108】
通信装置は、持ち運び可能又は移動可能なものに限定されるものではなく、持ち運びできない又は固定されている、あらゆる種類の装置、デバイス、又はシステム、例えば、スマート・ホーム・デバイス(家電機器、照明機器、スマートメーター、コントロール・パネル等)、自動販売機、及びその他IoT(Internet of Things)ネットワーク上に存在し得るあらゆる「モノ(things)」をも含む。
【0109】
通信には、セルラーシステム、無線LANシステム、通信衛星システム等によるデータ通信に加え、これらの組み合わせによるデータ通信も含まれる。
【0110】
また、通信装置には、本開示に記載される通信機能を実行する通信デバイスに接続又は連結される、コントローラやセンサ等のデバイスも含まれる。例えば、通信装置には、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスが使用する制御信号やデータ信号を生成するような、コントローラやセンサが含まれる。
【0111】
また、通信装置には、上記の非限定的な各種装置と通信を行う、あるいはこれら各種装置を制御する、インフラストラクチャ設備、例えば、基地局、アクセスポイント、及びその他あらゆる装置、デバイス、又はシステムが含まれる。
【0112】
更に、様々な実施形態は、プロセッサによって実行される又はハードウェアで直接実行されるソフトウェアモジュールによって実現されてもよい。また、ソフトウェアモジュールとハードウェア実装とを組み合わせることもできる。ソフトウェアモジュールは、RAM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、レジスタ、ハードディスク、CD-ROM、DVD等のあらゆる種類のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶することができる。更に、異なる実施形態の個々の特徴は、個別に又は任意の組み合わせで、別の実施形態の主題であり得ることに留意されたい。
【0113】
当業者であれば、具体的な実施形態に示されているような本開示に対して多数の変形及び/又は変更を行うことができることを理解するであろう。したがって、本実施形態は、あらゆる点で例示的であり、限定的ではないと考えられるべきである。
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