(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-05
(45)【発行日】2024-12-13
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0631 20230101AFI20241206BHJP
G06Q 10/1053 20230101ALI20241206BHJP
【FI】
G06Q10/0631
G06Q10/1053
(21)【出願番号】P 2024079189
(22)【出願日】2024-05-15
【審査請求日】2024-05-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512313953
【氏名又は名称】株式会社ビズリーチ
(74)【代理人】
【識別番号】100213724
【氏名又は名称】三戸 秀之
(74)【代理人】
【識別番号】110004093
【氏名又は名称】弁理士法人アクセル特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】回り道 隆宏
(72)【発明者】
【氏名】大河原 陽平
(72)【発明者】
【氏名】萩野 貴拓
【審査官】野村 和史
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-172125(JP,A)
【文献】特開平09-167181(JP,A)
【文献】米国特許第11126941(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
少なくとも1つ以上の制御部を有し、
前記制御部は、
組織の内部情報を取得し、
前記内部情報には、前記組織を構成する複数の組織単位それぞれにおける現在の所属人数と、企業の今年度の売上と、将来の売上目標と、が含まれ、
前記企業の今年度の売上及び前記将来の売上目標の比較の結果に基づく売上の成長率と前記現在の所属人数とから前記組織を構成する複数の組織単位それぞれにおける
将来の適正人数を推定し、
前記現在の所属人数と離職率とから将来の所属人数を推定し、
前記
将来の所属人数と前記
将来の適正人数とに基づいて前記組織を構成する複数の組織単位それぞれにおける
将来の人数の充足率を求め、
前記充足率を示す情報を含む画面を出力する、
情報処理システム。
【請求項2】
請求項
1に記載の情報処理システムであって、
前記内部情報には前記組織を構成する複数の組織単位それぞれの過去の離職率が含まれ、
前記制御部は、
前記過去の離職率から前記組織を構成する複数の組織単位それぞれの離職率を推定する、
情報処理システム。
【請求項3】
請求項
1に記載の情報処理システムであって、
前記制御部は、
前記組織の外部情報を取得し、
前記外部情報には前記組織に類似する他の組織を構成する複数の組織単位それぞれの離職率が含まれ、
前記制御部は、
前記他の組織の前記離職率に基づき前記組織を構成する複数の組織単位それぞれの離職率を推定する、
情報処理システム。
【請求項4】
情報処理システムが実行する情報処理方法であって、
組織の内部情報を取得し、
前記内部情報には、前記組織を構成する複数の組織単位それぞれにおける現在の所属人数と、企業の今年度の売上と、将来の売上目標と、が含まれ、
前記
企業の今年度の売上及び前記将来の売上目標の比較の結果に基づく売上の成長率と前記現在の所属人数とから前記組織を構成する複数の組織単位それぞれにおける
将来の適正人数を推定し、
前記現在の所属人数と離職率とから将来の所属人数を推定し、
前記
将来の所属人数と前記
将来の適正人数とに基づいて前記組織を構成する複数の組織単位それぞれにおける
将来の人数の充足率を求め、
前記充足率を示す情報を含む画面を出力する、
情報処理方法。
【請求項5】
プログラムであって、
コンピュータを、
請求項1から請求項
3までの何れか1項に記載の情報処理システムとして機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には組織の人材採用を支援するための人材採用支援方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
組織を構成する複数の組織単位それぞれにおける適切な人材の数を知りたいという要求がある。特許文献1の技術ではこのような要求を満たせない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、少なくとも1つ以上の制御部を有する。制御部は、組織の内部情報を取得する。制御部は、内部情報に基づいて組織を構成する複数の組織単位それぞれにおける適正人数を推定する。制御部は、組織を構成する複数の組織単位それぞれにおける所属人数と適正人数とに基づいて組織を構成する複数の組織単位それぞれにおける人数の充足率を求める。制御部は、充足率を示す情報を含む画面を出力する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、サーバー装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、クライアント装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、情報処理システムにおける情報処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図5】
図5は、充足率表示画面の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、充足率表示画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、充足率表示画面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、充足率表示画面の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、充足率表示画面の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、変形例10の情報処理システムにおける情報処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図13】
図13は、変形例12の情報処理システムにおける情報処理の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。以下に示す変形例においても同様である。
【0008】
実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信及び演算が実行されうる。
【0009】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0010】
<実施形態1>
1.システム構成図
図1は、情報処理システム1000のシステム構成の一例を示す図である。
図1に示されるように、情報処理システム1000は、システム構成として、サーバー装置100と、クライアント装置110と、を含む。サーバー装置100と、クライアント装置110と、はネットワーク150を介して通信可能に接続されている。ネットワーク150はWAN(Wide Area Network)及びインターネットの何れか又は双方を含んでいてもよい。ネットワーク150は有線及び無線を介してネットワーク150に接続される装置同士を通信可能に構成されている。
【0011】
サーバー装置100は、組織の内部情報に基づいて組織を構成する複数の組織単位それぞれの適正人数を推定し、各組織の所属人数と現在及び/又は将来の適正人数に関する情報を求め、各組織の現在及び/又は将来の充足率を出力する機能を提供する。組織とは、例えば、いわゆる企業、個人事業、地方公共団体、学校、その他団体等を含む。明細書では組織の一例として企業を例に説明を行う。サーバー装置100は、実施形態1等の主な処理を実行する。
【0012】
クライアント装置110は、企業の従業員等が使用する装置又は端末である。クライアント装置110には後述する
図5~
図11に示されるような画面が表示される。
【0013】
図1では説明の簡略化のため情報処理システム1000に含まれるクライアント装置110を1台しか示していないが、情報処理システム1000には複数のクライアント装置110が含まれてもよい。また、
図1ではクライアント装置110をPC(Personal Computer)として図示しているが、クライアント装置110はPCに限定されるものではない。クライアント装置110は、スマートフォンであってもよいし、タブレット端末であってもよい。クライアント装置110は、後述する画面を表示することができればどのような装置であってもよい。
【0014】
ここで、特許請求の範囲に記載の情報処理システムは、複数の装置で構成されてもよいし、一つの装置で構成されてもよい。特許請求の範囲に記載の情報処理システムが一つの装置で構成され場合、一つの装置の一例はサーバー装置100である。情報処理システムが複数の装置で構成される場合、複数の装置は、例えばサーバー装置100の機能をクラウドサーバーのような形態で提供する、複数のサーバー装置等である。
【0015】
2.ハードウェア構成
(1)サーバー装置100のハードウェア構成
図2は、サーバー装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2に示されるように、サーバー装置100は、ハードウェア構成として、制御部210と、記憶部220と、通信部230と、通信バス240と、を含む。制御部210、記憶部220、及び通信部230は、サーバー装置100の内部において通信バス240を介して電気的に接続されている。
【0016】
制御部210は、例えば、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit))等であって、サーバー装置100に関する全体の処理及び制御を行う。制御部210は、記憶部220に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、サーバー装置100に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部220に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部210によって具体的に実現されることで、制御部210に含まれる各機能部として実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部210は単一であることに限定されず、機能毎に複数の制御部210を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0017】
記憶部220は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部210によって実行されるサーバー装置100に係る種々のプログラム等を記憶するHDD(Hard Disk Drive)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、SSD(Solid Sate Drive)等、ストレージデバイス、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するメモリの何れか、又はこれらの任意の組み合わせであって、プログラム、制御部210がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。記憶部220は、記憶媒体の一例である。
なお、実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバーからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータでプログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0018】
なお、明細書では制御部210がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ(例えば、後述する企業の内部情報等)は記憶部220に記憶されるものとして説明するが、サーバー装置100と通信可能な他の装置の記憶部等に記憶されていてもよい。すなわち、データは、制御部210が参照又は取得可能であればどの装置の記憶部に記憶されていてもよい。プログラム制御部210が記憶部220に記憶されているプログラムに基づき処理を実行することによってサーバー装置100の機能及び後述する
図4、
図12及び
図13に示されるシーケンス図におけるサーバー装置100の処理が実現される。
【0019】
通信部250は、サーバー装置100をネットワーク150に接続し、他の装置との通信を司る。通信部250は、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段であってもよく、また、無線LANネットワーク通信、3G/LTE/5G等のモバイル通信、BLUETOOTH(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。すなわち、サーバー装置100は、通信部250及びネットワーク150を介して、外部から種々の情報を通信してもよい。
なお、サーバー装置100を構成する各ハードウェアの数は1つに限られず、複数であってもよい。また、サーバー装置100は、オンプレミス形態であってもよく、クラウド形態であってもよい。クラウド形態のサーバー装置10としては、例えば、SaaS(Software as a Service)、クラウドコンピューティングという形態で、上述の機能及び処理を提供してもよい。
【0020】
(2)クライアント装置110のハードウェア構成
図3は、クライアント装置110のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3に示されるように、クライアント装置110は、ハードウェア構成として、制御部310と、記憶部320と、入力部330と、出力部340と、通信部350と、通信バス360と、を含む。
【0021】
制御部310は、例えば、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit))等であって、クライアント装置110に関する全体の処理・制御を行う。制御部310は、記憶部320に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、クライアント装置110に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部320に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部310によって具体的に実現されることで、制御部310に含まれる各機能部として実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部310は単一であることに限定されず、機能毎に複数の制御部310を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0022】
記憶部320は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部310によって実行されるクライアント装置110に係る種々のプログラム等を記憶するHDD、ROM、RAM、SSD等、ストレージデバイス、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するメモリの何れか、又はこれらの任意の組み合わせであって、プログラム、制御部310がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。記憶部320は、記憶媒体の一例である。なお、明細書では制御部310がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータは記憶部320に記憶されるものとして説明するが、クライアント装置110と通信可能な他の装置の記憶部等に記憶されていてもよい。すなわち、データは、制御部310が参照又は取得可能であればどの装置の記憶部に記憶されていてもよい。制御部310が、記憶部320に記憶されているプログラムに基づき、処理を実行することによって、クライアント装置110の機能及び後述する
図4、
図12及び
図13に示されるシーケンス図におけるクライアント装置110の処理が実現される。
【0023】
入力部330は、操作者の操作に応じて情報をクライアント装置110に入力する装置である。入力部330は、ユーザーによってなされた操作入力を受け付ける。操作入力は、命令信号として通信バス360を介して制御部310に転送される。制御部310は、必要に応じて、転送された命令信号に基づいて所定の制御や演算を実行しうる。入力部330は、クライアント装置110の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部330は、出力部340と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。入力部330がタッチパネルとして実施される場合、ユーザーは、入力部330に対してタップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。入力部330としては、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、トラックパッド、QWERTYキーボード等が採用可能である。
【0024】
出力部340は、例えば、ディスプレイであって、ユーザーが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面として情報を出力する装置である。出力部340は、クライアント装置110の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。具体的には、出力部340は、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、又はプラズマディスプレイ等の表示デバイスとして実施されうる。これらの表示デバイスは、クライアント装置110の種類に応じて使い分けて実施されることが好ましい。
【0025】
通信部350は、クライアント装置110をネットワーク150に接続し、他の装置との通信を司る。
【0026】
3.情報処理
以下、実施形態1の情報処理を説明する。
【0027】
(1)処理の概要
制御部210は、企業の内部情報を取得する。制御部210は、内部情報に基づいて企業を構成する複数の組織単位それぞれにおける現在又は将来の適正人数を推定する。制御部210は、企業を構成する複数の組織単位それぞれにおける所属人数と適正人数とに基づいて企業を構成する複数の組織単位それぞれにおける人数の充足率を求める。制御部210は、充足率を示す情報を含む画面を出力する。
【0028】
このような構成によれば企業を構成する複数の組織単位それぞれにおける適切な充足率を示す情報を出力することができる。
企業を構成する組織単位とは、企業の事業等を遂行するために設置される組織構造の構成要素を指す。組織単位の例としては、事業部、本部、部、課、係、グループ、プロジェクト等がある。以下では組織単位の一例として部署を例に説明を行う。
【0029】
(2)処理の詳細
図4は、情報処理システム1000における情報処理の一例を示すシーケンス図である。
シーケンスSQ401において、クライアント装置110の制御部310は、所定の操作に基づき充足率表示画面の表示要求をサーバー装置100に送信する。制御部210は、クライアント装置110より充足率表示画面の表示要求を受信する。
【0030】
シーケンスSQ402において、制御部210は、記憶部220等より企業の内部情報を取得する。企業の内部情報には、少なくとも企業の事業計画が含まれる。企業の事業計画には、企業の将来の売上目標又は人員計画(例えば、人員数、人件費、採用目標、管理職比率等)が含まれる。なお、以下では「将来」の一例として「一年後」を用いて説明を行う。ただし、このことは実施形態を限定するものではない。二年後、三年後等、所定期間経過後であってもよい。売上目標は、売上高であってもよいし、制御部210が、以下の情報に基づいて設定した情報であってもよい。以下においても同様である。
・契約者数
・1顧客当たりの平均売上単価
・解約率
【0031】
なお、事業計画に一年後の売上目標ではなく、今期の売上及び一年後の売上成長率が含まれている場合、制御部210は、事業計画に含まれる、今期の売上及び一年後の売上成長率に基づき、一年後の売上目標を求めるようにしてもよい。
なお、以下では説明の簡略化のため事業計画に一年後の売上目標が含まれるものとして説明を行う。
【0032】
企業の内部情報には、さらに以下の情報が含まれる。
・企業の今年度の売上及び一年後の売上目標
・企業の今年度の売上目標
・企業を構成する部署それぞれの現在の所属人数
・企業を構成する部署それぞれの過去の所属人数
・企業の過去の売上
・企業の構成を示す構成情報
ここで、企業の構成情報には、部署の名称、部署の役割、部署間の関係情報、部署の責任者の氏名、責任者の役職、責任者の連絡先、責任者の顔画像、部署の構成員の氏名、構成員の役職、構成員の連絡先、構成員の顔画像等が含まれる。制御部210は、構成情報に基づき後述する組織図を生成する。
以下では「過去」の一例として「一年前」を用いて説明を行う。ただし、このことは実施形態を限定するものではない。二年前、三年前等、所定期間経過前であってもよい。
【0033】
シーケンスSQ403において、制御部210は、取得した内部情報に基づき、企業を構成する複数の部署それぞれにおける一年後の適正人数を推定する。例えば、制御部210は、一年後の売上目標が今年度の売上の1.5倍の場合、一年後の各部署の適正人数を現在の所属人数の1.5倍と推定する。また、制御部210は、取得した内部情報に基づき、企業を構成する複数の部署それぞれにおける現在の適正人数を推定する。例えば、制御部210は、一年前の売上に対して今年度の売上目標が1.2倍の場合、今年度の各部署の適正人数を一年前の各部署の人数の1.2倍と推定する。
なお、以下では説明の簡略化のため特に言及しない限り、制御部210は、将来の適正人数を推定するものとして説明を行う。
また、内部情報に含まれる所属人数には、複数の部署等を兼務している企業の構成員の情報が含まれていてもよい。例えば、二つの部署(A部署及びB部署)を兼務している構成員であって、仕事の割合がA:Bで30%:70%の割合の場合、A部署の所属人数としては0.3人、B部署の所属人数としては0.7人とカウントされ、含まれていてもよい。
【0034】
制御部210は、企業を構成する部署が間接部門か直接部門かに応じて異なる推定方法に基づき適正人数を推定するようにしてもよい。
【0035】
直接部門とは、企業の売り上げに直接貢献する部門のことであり、例えば、営業部、製造部、開発部等であり、フロントオフィスとも呼ばれる。間接部門とは、企業活動を支える役割を担う部門であり、直接部門の業務を支援することで、間接的に売り上げ及び利益に貢献する部門のことであり、例えば、人事部、総務部、経理部、法務部、広報部等であり、バックオフィスとも呼ばれる。なお、企業に応じて何が直接部門で、何が間接部門なのかは異なる場合がある。企業を構成する複数の部署それぞれが間接部門か直接部門かの情報は内部情報に含まれる。
【0036】
例えば、制御部210は、企業を構成する部署が直接部門の場合、企業を構成する複数の部署それぞれの一年後の売上予算と、企業を構成する複数の部署それぞれの売上効率と、に基づいて企業を構成する複数の部署それぞれにおける適正人数を推定する。すなわち、このような構成の場合、企業の内部情報には、直接部門に関しては、一年後の売上予算と売上効率とが含まれる。売上効率は所属人員1人当たりの売上高である。
【0037】
例えば、制御部210は、企業を構成する部署が間接部門の場合、重要業績評価指標(Key Performance Indicator)と、重要業績評価指標の一年後の伸び率(例えば、事業計画及び/又は過去の実績から算出等)と、に基づいて企業を構成する複数の部署それぞれにおける適正人数を推定するようにしてもよい。すなわち、このような構成の場合、企業の内部情報には、間接部門に関しては、重要業績評価指標と、重要業績評価指標の一年後の伸び率と、が含まれる。なお、重要業績評価指及び重要業績評価指標の一年後の伸び率は間接部門の部門ごとに異なる値が設定されていてもよい。例えば、部署が人事部であった場合、重要業績評価指数は従業員数などの組織情報であり、部署が知的財産部であった場合、重要業績評価指数は特許や商標等の出願件数などの知的財産情報であり、経理部であった場合、重要業績評価指数は資本金などの財務情報であり、法務部であれば契約数などである。
【0038】
シーケンスSQ404において、制御部210は、推定した一年後の適正人数と、推定した一年後の所属人数と、に基づいて、以下に示す(式1A)により、複数の部署それぞれの一年後の人材の充足率を求める。
一年後の充足率=各部署の一年後の所属人数/各部署の一年後の適正人数 (式1A)
シーケンスSQ404の処理は、制御部210が適正人数と所属人数とに基づいて企業を構成する複数の部署それぞれにおける人数の充足率を取得する処理の一例である。
例えば、制御部210は、現在の所属人数を学習済みモデルに入力し、学習済みモデルから出力された所属人数を一年後の所属人数として取得するようにしてもよい。学習済みモデルは、各部署の過去の所属人数を入力データ、各部署の現在の所属人数を出力データとして学習された学習済みモデルである。なお、制御部210は、後述するように内部情報に基づいて各部署の離職率を推定し、推定した離職率から一年後の所属人数を推定するようにしてもよい。離職率とはある時点で仕事に就いていた労働者のうち、一定の期間のうちに、どれくらいがその仕事を離れたかを比率として表わす指標である。離職率の一例として退職率がある。離職率の他の例としては休職率がある。
【0039】
同様に、制御部210は、推定した現在の適正人数と、現在の所属人数と、に基づいて、以下に示す(式1B)により、複数の部署それぞれの現在の人材の充足率を求める。
現在の充足率=各部署の現在の所属人数/各部署の現在の適正人数 (式1B)
なお、制御部210は、役割ごとに(役職ごとに)充足率を求めるようにしてもよい。例えば、制御部210は、企業の部署ごとに充足率を求める際に、部署の管理者の充足率と、部署の被管理者の充足率等とを求めるようにしてもよい。また被管理者の中に例えば、技術者と事務担当者等と役割が異なる場合、制御部210は、役割ごとに充足率を求めるようにしてもよい。以下においても同様である。
【0040】
シーケンスSQ405において、制御部210は、企業の構成情報と求めた充足率とに基づいて画面(充足率表示画面)を生成する。
シーケンスSQ406において、制御部210は、生成した充足率表示画面をクライアント装置110に送信する。
シーケンスSQ407において、クライアント装置110の制御部310は、受信した充足率表示画面を出力部340に表示させるよう制御する。
【0041】
図5は、充足率表示画面500の一例を示す図である。充足率表示画面500には企業の構成を示す組織
図501の一部が含まれている。また充足率表示画面500には各部署の充足率が含まれている。充足率は、適正人数に関する情報の一例である。
図5の例では情報510は、SaaS事業本部の合計の一年後の充足率を示している。SaaS事業本部の合計とは、SaaS事業本部内のプロダクト企画部、プロダクトデザイン部、プロダクト開発部、品質管理部、カスタマーサービス部の合計の意味である。なお、SaaS事業本部の合計の充足率ではなくSaaS事業本部の本部付の人員の充足率を示してもよい。以下の図(
図6~
図10)においても同様である。情報520は、SaaS事業本部内のプロダクト企画部の一年後の充足率を示している。情報530は、SaaS事業本部内のプロダクトデザイン部の一年後の充足率を示している。情報540は、SaaS事業本部内のプロダクト開発部の一年後の充足率を示している。情報550は、SaaS事業本部内の品質管理部の一年後の充足率を示している。情報560は、SaaS事業本部内のカスタマーサービス部の一年後の充足率を示している。
【0042】
図5では充足率を数字(例えば、90%、60%等)で示しているが、制御部210は、数字に替わり、又は数字と共に、人等を表すピクトグラムの数で充足率を示してもよいし、ドーナツグラフ等の視覚的に把握できる態様で充足率を示してもよい。ピクトグラムはサムネイルともいうことができる。
【0043】
図6は、充足率表示画面1200の一例を示す図である。
図6の例では充足率をサムネイルで示している。
図6の例では情報1210は、SaaS事業本部の一年後の充足率を示している。黒の人型のサムネイルは充足していることを示している。白の人型のサムネイルは不足していることを示している。情報1210は、4.3/5、すなわち、約86%の充足率を示している。情報1220は、SaaS事業本部内のプロダクト企画部の一年後の充足率を示している。情報1220は、1/1、すなわち、100%の充足率を示している。情報1230は、SaaS事業本部内のプロダクトデザイン部の一年後の充足率を示している。情報1230は、1.1/1、すなわち、110%の充足率を示している。情報1240は、SaaS事業本部内のプロダクト開発部の一年後の充足率を示している。情報1240は、3/5、すなわち、60%の充足率を示している。情報1250は、SaaS事業本部内の品質管理部の一年後の充足率を示している。情報1250は、4.5/5、すなわち、90%の充足率を示している。情報1260は、SaaS事業本部内のカスタマーサービス部の一年後の充足率を示している。情報1250は、3.5/5、すなわち、70%の充足率を示している。なお、上述したように、制御部210は、サムネイルと共に充足率を示す数字を示すようにしてもよい。
【0044】
またドーナツグラフはインジケーター表示ともいうことができる。他の例として、制御部210は、過剰又は不足する能力の種類を示すだけであってもよいし、「大幅不足」、「やや不足」、「過不足なし」、「やや過剰」、「大幅過剰」のように、過不足の度合を複数段階で示す情報を充足率として示すようにしもよい。以下の変形例においても同様である。
【0045】
実施形態1によれば、制御部210は、組織図と各部署(各部門)の充足率とを含む画面を出力することができる。このような態様により、例えば人事部等の採用担当者は現在及び/又は将来人が足りなくなる部署はどこかを把握し、最適な採用活動を行うことができる。
また、制御部210は、組織図と各部署(各部門)の現在の充足率と現在及び/又は将来の充足率とを含む画面を出力するようにしてもよい。この処理は、制御部210が画面に充足率の経時的な変化の情報を含める処理の一例である。
【0046】
図7は、充足率表示画面1300の一例を示す図である。
図7の例では、
図6に比べて、情報1310~情報1360が追加されている。情報1310は、SaaS事業本部の現在の充足率を示している。情報1320は、SaaS事業本部内のプロダクト企画部の現在の充足率を示している。情報1330は、SaaS事業本部内のプロダクトデザイン部の現在の充足率を示している。情報1340は、SaaS事業本部内のプロダクト開発部の現在の充足率を示している。情報1350は、SaaS事業本部内の品質管理部の現在の充足率を示している。情報1360は、SaaS事業本部内のカスタマーサービス部の現在の充足率を示している。なお、上述したように、制御部210は、サムネイルと共に充足率を示す数字を示すようにしてもよい。なお、
図7では充足率の経時的な変化の例として現在の一年後の充足率を示しているが、制御部210は、一年後ではなく、二年後、三年後等、所定期間経過後の充足率を全て画面に含めて表示するようにしてもよい。また、制御部210は、画面を介した設定操作に応じて、現在からX年後の毎年の推定した充足率を含む画面を生成し、出力するようにしてもよい。また、制御部210は、折れ線グラフ、棒グラフ、面グラフ、ヒストグラム等を用いて充足率の経時的な変化を示すようにしてもよい。
【0047】
例えば、情報1310は100%の充足率を示している。1年後は情報1310が情報1210に変化している。情報1210は約86%の充足率を示している。現在、人員は適正人数であるが、1年後は不足することを示している。不足する原因としては、売り上げ目標の増加により適正人数が増えること、及び/又は、増員するも異動や離職率に基づき人員が一部減ることが見込まれていることがある。
【0048】
また、例えば、情報1340は80%の充足率を示している。1年後は情報1340が情報1240に変化している。情報1240は60%の充足率を示している。現在も人員が足りていないが、1年後はさらに人員が不足していることを示している。不足する原因としては、上述と同様、売り上げ目標の増減により適正人数が変化すること、及び/又は、異動、休職、又は退職等により人員が一部減ることが見込まれていることがある。
【0049】
<変形例1>
以下、実施形態1の変形例1を説明する。変形例1は実施形態1に含まれるものであって、実施形態1と異なる実施形態ではない。変形例1で説明しない構成及び処理については実施形態1と同様である。
【0050】
変形例1の内部情報には実施形態1で説明した情報に加えて企業を構成する複数の部署それぞれにおける採用コストに関する情報が含まれる。採用コストに関する情報の一例は、企業が社員を採用するのにこれからかかる費用の金額、すなわち将来発生する費用の金額、のことである。ただし、採用コストに関する情報として、企業が過去に社員を採用するのに実際かかった費用の金額を用いるようにしてもよい。ただし、説明の簡略化のため、以下では採用コストとして将来発生する費用の金額のことをいうものとして説明を行う。なお、採用コストには、内部コストと外部コストが含まれてもよい。内部コストは社内で発生する採用業務にかかる費用のことである。内部コストの例としては、採用担当者の人件費、面接官の人件費、交通費、宿泊費、研修費用等がある。外部コストの例としては、人材紹介会社への手数料、採用広告費、求人サイトを含めた採用ツール利用料等がある。
【0051】
変形例1の制御部210は、
図8に示されるような充足率表示画面を生成する。
図8は、充足率表示画面600の一例を示す図である。変形例1の充足率表示画面600は、充足率表示画面500に比べて、充足率と共に、各部署の採用コストが含まれる。情報610には、SaaS事業本部の充足率と採用コストとが含まれる。情報620は、SaaS事業本部内のプロダクト企画部の充足率と採用コストとが含まれる。情報630は、SaaS事業本部内のプロダクトデザイン部の充足率と採用コストとが含まれる。情報640は、SaaS事業本部内のプロダクト開発部の充足率と採用コストとが含まれる。情報650は、SaaS事業本部内の品質管理部の充足率と採用コストとが含まれる。情報660は、SaaS事業本部内のカスタマーサービス部の充足率と採用コストとが含まれる。
【0052】
図8では、充足率の値によらず、採用コストを併記する例を示しているが、充足率が所定値未満(例えば、100%未満)のポジションにのみ採用コスト等の付加情報を併記するようにしてもよい。以下に示す変形例においても同様である。なお、充足率が所定値未満(例えば、100%未満)のポジションにのみ採用コスト等の付加情報を併記して出力する際に、制御部210は、二人人員が足りない状況で一人当たりの採用コストを付加情報として併記するようにしてもよいし、二人分の採用コストを付加情報として併記するようにしてもよい。
【0053】
また、制御部210は、充足率が所定値以上(例えば、100%以上)のポジションにも追加で採用を行う場合の採用コスト等の付加情報を併記するようにしてもよい。ただし、制御部210は、充足率が所定値未満(例えば、100%未満)と、充足率が所定値以上(例えば、100%以上)と、で付加情報の表示態様と異なるように出力するようにしてもよい。
【0054】
変形例1によれば、画面に各部署の充足率と共に採用コストを含む画面を生成し、出力することができる。このような態様により、例えば人事部等の採用担当者は現在及び/又は将来人が足りなくなる部署及び各部署の採用コストを把握し、最適な採用活動を行うことができる。
【0055】
なお、制御部210は、企業の過去の採用コストに関する実績等の内部情報のみならず、転職サイト等を運営している外部サービス等から取得した企業と類似する企業の採用コストに係る市況データ等の外部情報に基づいて、各部署のポジション要件ごとの採用コストを推定するようにしてもよい。例えば、制御部210は、企業の各部署のポジション要件ごとの過去の採用コストと企業と類似する企業の各部署のポジション要件ごとの採用コストとの平均値を各部署のポジション要件ごとの採用コストとして推定してもよいし、中央値又は最頻値等を各部署のポジション要件ごとの採用コストとして推定してもよい。
【0056】
<変形例2>
以下、実施形態1の変形例2を説明する。変形例2は実施形態1に含まれるものであって、実施形態1と異なる実施形態ではない。変形例2で説明しない構成及び処理については実施形態1と同様である。
【0057】
変形例2の内部情報には実施形態1で説明した情報に加えて企業を構成する複数の部署それぞれにおける採用のリードタイムに関する情報が含まれる。採用のリードタイムに関する情報の一例は、採用にかかる期間(リードタイム)である。採用にかかる期間とは、求人の開始から採用の決定までの期間である。
図9では、充足率の値によらず、採用のリードタイムを併記する例を示しているが、上述したように、充足率が所定値未満(例えば、100%未満)のポジションにのみ採用リードタイム等の付加情報を併記するようにしてもよい。以下に示す変形例においても同様である。
【0058】
変形例2の制御部210は、
図9に示されるような充足率表示画面を生成する。
図9は、充足率表示画面700の一例を示す図である。変形例2の充足率表示画面700は、充足率表示画面500に比べて、充足率と共に、採用のリードタイムが含まれる。情報710には、SaaS事業本部の充足率と採用のリードタイムとが含まれる。情報720は、SaaS事業本部内のプロダクト企画部の充足率と採用のリードタイムとが含まれる。情報730は、SaaS事業本部内のプロダクトデザイン部の充足率と採用のリードタイムとが含まれる。情報740は、SaaS事業本部内のプロダクト開発部の充足率と採用のリードタイムとが含まれる。情報750は、SaaS事業本部内の品質管理部の充足率と採用のリードタイムとが含まれる。情報760は、SaaS事業本部内のカスタマーサービス部の充足率と採用のリードタイムとが含まれる。
【0059】
変形例2によれば、画面に各部署の充足率と共に採用のリードタイムを含む画面を生成し、出力することができる。このような態様により、例えば人事部等の採用担当者は現在及び/又は将来人が足りなくなる部署及び各部署の採用のリードタイムを把握し、最適な採用活動を行うことができる。より具体的に説明すると、例えば、充足率が一年後に一人足りないことを示しており、採用にかかるリードタイムが6カ月(180日)であった場合、人事部等の採用担当者は該当する部署の該当する職種に関して、6カ月後には採用を開始しないと間に合わないことが分かる。
【0060】
なお、制御部210は、企業の過去の採用のリードタイム等の内部情報のみならず、転職サイト等を運営している外部サービス等から取得した採用のリードタイムに係る市況データ等の外部情報に基づいて、各部署のポジション要件ごとの採用のリードタイムを推定するようにしてもよい。例えば、制御部210は、企業の各部署のポジション要件ごとの過去の採用のリードタイムと企業と類似する企業の各部署のポジション要件ごとの採用リードタイムとの平均値を各部署のポジション要件ごとの採用のリードタイムとして推定してもよいし、中央値又は最頻値等を各部署のポジション要件ごとの採用のリードタイムとして推定してもよい。
【0061】
<変形例3>
以下、実施形態1の変形例3を説明する。変形例3は実施形態1に含まれるものであって、実施形態1と異なる実施形態ではない。変形例3で説明しない構成及び処理については実施形態1と同様である。
【0062】
変形例3の内部情報には実施形態1で説明した情報に加えて企業を構成する複数の部署それぞれにおける採用開始からの期間(既に採用開始しているが未決定のポジションの採用期間)に関する情報が含まれる。採用開始からの期間に関する情報の一例は、採用開始からの期間である。
変形例3の制御部210は、採用開始からの期間が存在するものに関しては充足率の付加情報として併記して出力してもよいし、上述したように、充足率が所定値未満(例えば、100%未満)のポジションであり、採用開始からの期間が存在するもののみ、付加情報として併記するようにしてもよい。以下に示す変形例においても同様である。
【0063】
変形例3によれば、画面に各部署の充足率と共に採用開始からの期間を含む画面を生成し、出力することができる。このような態様により、例えば人事部等の採用担当者は現在及び/又は将来人が足りなくなる部署及び各部署の採用活動の状況を把握し、最適な採用活動を行うことができる。
【0064】
なお、制御部210は、内部情報のみならず、転職サイト等を運営している外部サービス等から取得した採用開始からの期間に係る市況データ等の外部情報に基づいて、各部署のポジション要件ごとの採用開始からの期間を推定及び併記するようにしてもよい。例えば、制御部210は、企業の各部署のポジション要件ごとの採用開始からの期間と企業と類似する企業の各部署のポジション要件ごとの採用開始からの期間との平均値を各部署のポジション要件ごとの採用開始からの期間として推定してもよいし、中央値又は最頻値等を各部署のポジション要件ごとの採用開始からの期間として推定してもよい。
【0065】
<変形例4>
以下、実施形態1の変形例4を説明する。変形例4は実施形態1に含まれるものであって、実施形態1と異なる実施形態ではない。変形例4で説明しない構成及び処理については実施形態1と同様である。
【0066】
変形例4の内部情報には実施形態1で説明した情報に加えて各部署(各部門)のポジション獲得に係る必要母集団の情報が含まれる。ポジション獲得に係る必要母集団とは、所定の人数を採用するために必要な採用母集団のことである。
変形例4の制御部210は、画面に各部署の充足率と共に各部署のポジション獲得に係る必要母集団の情報を含む画面を生成し、出力する。
【0067】
変形例4によれば、画面に各部署の充足率と共にポジション獲得に係る必要母集団の情報を含む画面を生成し、出力することができる。このような態様により、例えば人事部等の採用担当者は現在及び/又は将来人が足りなくなる部署及び各部署のポジション獲得に係る必要母集団を把握し、最適な採用活動を行うことができる。
【0068】
なお、制御部210は、企業の過去のポジション獲得に係る必要母集団等の内部情報のみならず、転職サイト等を運営している外部サービス等から取得したポジション獲得に係る必要母集団に係る市況データ等の外部情報に基づいて、各部署のポジション要件ごとのポジション獲得に係る必要母集団を推定するようにしてもよい。例えば、制御部210は、企業の各部署のポジション要件ごとのポジション獲得に係る必要母集団と企業と類似する企業の各部署のポジション要件ごとのポジション獲得に係る必要母集団との平均値を各部署のポジション要件ごとのポジション獲得に係る必要母集団として推定してもよいし、中央値又は最頻値等を各部署のポジション要件ごとのポジション獲得に係る必要母集団として推定してもよい。
【0069】
<変形例5>
以下、実施形態1の変形例5を説明する。変形例5は実施形態1に含まれるものであって、実施形態1と異なる実施形態ではない。変形例5で説明しない構成及び処理については実施形態1と同様である。
【0070】
変形例5の内部情報には実施形態1で説明した情報に加えて各部署(各部門)の採用に関する投資利益率(Return On Investment)の情報が含まれる。例えば、変形例5の制御部210は「対象人材が企業にもたらす価値」÷「採用コスト」を投資利益率として求める。「対象人材が企業にもたらす価値」の一例としては、ELTV(Employee Life Time Value)がある。変形例5の制御部210は、画面に各部署の充足率と共に各部署の投資利益率の情報を含む画面を生成し、出力する。
【0071】
変形例5によれば、画面に各部署の充足率と共に投資利益率の情報を含む画面を生成し、出力することができる。このような態様により、例えば人事部等の採用担当者は現在及び/又は将来人が足りなくなる部署及び各部署の投資利益率を把握し、最適な採用活動を行うことができる。
【0072】
<変形例6>
以下、実施形態1の変形例6を説明する。変形例6は実施形態1に含まれるものであって、実施形態1と異なる実施形態ではない。変形例6で説明しない構成及び処理については実施形態1と同様である。
【0073】
変形例6の内部情報には実施形態1で説明した情報に加えて対象求人票に対するアクションの発生率又は発生数に関する期待値情報が含まれる。「対象求人票に対するアクション」には、対象求人票に基づく求人者のアクションである求人者アクションと、対象求人票に対する求職者のアクションである求職者アクションとが含まれる。求人者アクションには、対象求人票を起点とする直接的なアクション(例えば、対象求人票に基づくスカウト文書の送信等)と、別のアクションを起点に発生する間接的なアクション(例えば、スカウト文書を送信し、求職者から返信があった求人票に対する内定のオファー、スカウト文書を送信した求人票の成約等)とが含まれる。求職者アクションにも、対象求人票を起点とする直接的なアクション(例えば、求人票に対する応募等)と、別のアクションを起点に発生する間接的なアクション(例えば、求人者によって送信されたスカウト文書への返信、求人者からの内定のオファーに対する承諾、求職者からの応募があった求人票の成約等)とが含まれる。
【0074】
より具体的には、変形例6の制御部210が期待値情報を生成する求人者アクションには、対象求人票に基づく求職者へのスカウト文書の送信、スカウト文書への求職者からの返信、及び求職者に対する求人成約の少なくとも1つが含まれるとよい。これにより、求人者からのスカウト文書の送信を起点とする各アクションの期待値を取得することができる。
【0075】
また、制御部210が期待値情報を生成する求職者アクションには、求人票に対する求職者からの応募、及び応募を行った求職者に対する求人成約の少なくとも1つが含まれるとよい。これにより、求職者の応募を起点とする各アクションの期待値を取得することができる。さらに、制御部210は、対象求人票に基づくアクションとして、採用面接(1次面接、2次面接等)の通過や、内定オファーに関する期待値情報を生成してもよい。
【0076】
参照情報は、求人票の内容と、求人票におけるアクションの発生有無又は発生数との相関関係を含む。参照情報は、例えば、記憶部220に記憶されている。参照情報は、対象求人票を入力として、対象求人票の期待値情報(アクションの予測発生率又は予測発生数)を出力可能なように構築された推定器である。参照情報は、対象求人票を入力とし期待値情報を出力することが可能なように学習された期待値算出モデルであるとよい。この場合、制御部210は、対象求人票を人工知能部120の期待値算出モデルに入力し、期待値算出モデルに期待値情報を出力させる。これにより、実際に使用された求人票である参照求人票の情報を学習したモデルに基づき、成約(求職者の採用の決定)等のアクションが出やすい求人票の傾向を学習しモデル化することで、過去の求人票における実際のアクションの発生有無又は発生数に基づいて、期待値情報を生成することが可能となり、アクションの発生率や発生数を予測することができるため、アクションの予測発生率又は予測発生数の精度が向上する。
【0077】
期待値算出モデルは、対象求人票におけるアクションの発生有無又は発生数を予測する学習モデルである。期待値算出モデルは、学習用の参照求人票と、それに対応するアクションの発生率又は発生数のデータとを教師データとして学習した学習モデルである。「参照求人票」とは、求人票データベースに登録されている又は登録され、過去に実際に求人を行った又は現在も求人を行っている求人票である。この場合、学習によって算出されたり、チューニングされたりした期待値算出モデルのパラメータが、求人票の内容と、求人票におけるアクションの発生有無又は発生数との相関関係に当たる。
【0078】
期待値算出モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、制御部210は、対象求人票を入力とし、対象求人票のアクションの発生率又は発生数を予測して出力する指示を含むプロンプトを期待値算出モデルに入力し、アクションの発生率又は発生数を期待値算出モデルに出力させる。また、制御部210は、アクションの発生率又は発生数の予測・出力指示と対象求人票とに加え、入力及び出力のサンプルとして、例えば、1以上の求人票のサンプルと、それに対応する1以上のアクションの発生率又は発生数のサンプルとを挿入したプロンプトを期待値算出モデルに入力してもよい。
【0079】
制御部210は、期待値情報として、スカウト文書を経た求人成約の確率を生成するとよい。これにより、対象求人票における求人成約の確率を取得することができる。求人成約の確率は、パーセント等の確率で表されてもよく、スコアとして取得され、表されてもよい。求人成約とは、求人者からの内定オファーに対して求職者が承諾し、対象求人票について求職者の採用が決定することを意味し、求人決定と呼ばれてもよい。求人成約の確率は、成約しやすさ、成約期待の高さ、成約可能性、決定しやすさ、決定期待の高さ、又は決定可能性と言い換えられてもよい。
【0080】
変形例6の制御部210は、画面に各部署の充足率と共に対象求人票に対するアクションの発生率又は発生数に関する期待値情報を含む画面を生成し、出力する。
【0081】
変形例6によれば、画面に各部署の充足率と共に対象求人票に対するアクションの発生率又は発生数に関する期待値情報を含む画面を生成し、出力することができる。このような態様により、例えば人事部等の採用担当者は現在及び/又は将来人が足りなくなる部署及び各部署の対象求人票に対するアクションの発生率又は発生数に関する期待値情報を把握し、最適な採用活動を行うことができる。
【0082】
<変形例7>
以下、実施形態1の変形例7を説明する。変形例7は実施形態1に含まれるものであって、実施形態1と異なる実施形態ではない。変形例7で説明しない構成及び処理については実施形態1と同様である。
【0083】
変形例7の内部情報には実施形態1で説明した情報に加えて各部署(各部門)の部門パフォーマンスの傾向の情報が含まれる。変形例7の制御部210は、画面に各部署の充足率と共に各部署の部門パフォーマンスの傾向の情報を含む画面を生成し、出力する。部門パフォーマンスとしては、例えば、財務指標、顧客満足度指標、又は従業員満足度指標等がある。部門パフォーマンスとしてどのような指標を用いるかは直接部門と間接部門とで異なるように設定されていてもよい。
【0084】
変形例7によれば、画面に各部署の充足率と共に部門パフォーマンスの傾向の情報を含む画面を生成し、出力することができる。このような態様により、例えば人事部等の採用担当者は現在及び/又は将来人が足りなくなる部署及び各部署の部門パフォーマンスの傾向の情報を把握し、最適な採用活動を行うことができる。
【0085】
<変形例8>
以下、実施形態1の変形例8を説明する。変形例8は実施形態1に含まれるものであって、実施形態1と異なる実施形態ではない。変形例8で説明しない構成及び処理については実施形態1と同様である。
【0086】
変形例8の制御部210は、
図10に示されるような充足率表示画面を生成する。
図10は、充足率表示画面800の一例を示す図である。変形例8の充足率表示画面800は、充足率表示画面500に比べて、所属人数を示す情報及び適正人数を示す情報が含まれる。適正人数を示す情報の一例は、適正人数である。所属人数を示す情報の一例は、所属人数である。
【0087】
情報810には、SaaS事業本部の充足率と所属人数と適正人数とが含まれる。情報810に含まれる86/100の分子の86が所属人数であり、分母の100が適正人数である。情報820は、SaaS事業本部内のプロダクト企画部の充足率と所属人数と適正人数とが含まれる。情報820に含まれる20/20の分子の20が所属人数であり、分母の20が適正人数である。情報830は、SaaS事業本部内のプロダクトデザイン部の充足率と所属人数と適正人数とが含まれる。情報830に含まれる22/20の分子の22が所属人数であり、分母の20が適正人数である。情報840は、SaaS事業本部内のプロダクト開発部の充足率と所属人数と適正人数とが含まれる。情報840に含まれる12/20の分子の12が所属人数であり、分母の20が適正人数である。情報850は、SaaS事業本部内の品質管理部の充足率と所属人数と適正人数とが含まれる。情報850に含まれる18/20の分子の18が所属人数であり、分母の20が適正人数である。情報860は、SaaS事業本部内のカスタマーサービス部の充足率と所属人数と適正人数とが含まれる。情報860に含まれる14/20の分子の14が所属人数であり、分母の20が適正人数である。
【0088】
変形例8によれば、画面に各部署の充足率と共に所属人数と適正人数とを含む画面を生成し、出力することができる。このような態様により、例えば人事部等の採用担当者は現在及び/又は将来人が足りなくなる部署及び各部署の実際の所属人数と適正人数とのを把握し、最適な採用活動を行うことができる。
【0089】
なお、変形例8では充足率表示画面に充足率と共に所属人数及び適正人数を表示するよう説明を行ったが、制御部210は、表示画面に充足率と共に所属人数及び適正人数の何れかを含めるようにしてもよい。
また、制御部210は、所属人数及び適正人数を実施形態1に示したようにサムネイル又はインジケーター表示するようにしてもよい。また、制御部210は、所属人数をサムネイルで表示する際は、部署に所属する人の顔画像、顔写真、又はユーザーの設定した任意アイコンを表示するようにしてもよい。なお、アイコンとは画面上に表示される小さな絵の画像又はシンボルの画像である。このような態様により、例えば人事部等の採用担当者は、充足率とともに特定の人物の固有イメージを把握することができるため、各組織状況をイメージで把握しやすくなり管理性が向上するとともに、情報の視認性も向上する。
【0090】
<変形例9>
以下、実施形態1の変形例9を説明する。変形例9は実施形態1に含まれるものであって、実施形態1と異なる実施形態ではない。変形例9で説明しない構成及び処理については実施形態1と同様である。
【0091】
変形例9の制御部210は、
図11に示されるような充足率表示画面を生成する。
図11は、充足率表示画面900の一例を示す図である。変形例9の充足率表示画面900は、充足率表示画面500に比べて、組織図が含まれていない。充足率表示画面900は、部署選択領域910と、充足率表示領域920と、を含む。部署選択領域910は、企業に含まれる部署が表示される領域である。操作者は部署選択領域910に表示されている部署から1つの部署を選択する。
図11の例では、部署選択領域910において「経営企画本部」が選択されていることが示されている。充足率表示領域920は、部署選択領域910で選択された部署の充足率の一覧が表示される領域である。
図11の例では、経営企画本部の部署の充足率の一覧が表示されている。すなわち、
図11の画面には適正人数に関する情報の一覧が含まれる。
【0092】
図11の例では経営企画本部に含まれるすべての部署の充足率が一番低いものから昇順に並べられているが、これに限定されるものではない。例えば、
図11の例では、所定値(100%)未満の充足率を所定値(100%)以上の充足率に比べて優先的に大文字で明示しているが、制御部210は、所定値(100%)未満の充足率のみを、充足率が一番低いものから昇順に出力するようにしてもよい。
【0093】
また制御部210は、変形例1に示すように、充足率と共に採用コストを画面に含まれるようにしてもよい。そして、所定の操作に基づき、制御部210は、採用コストが一番高いものから降順にリストに含まれるデータ(充足率+採用コスト)を並び替えてもよいし、採用コストが一番低いものから昇順にリストに含まれるデータを並び替えてもよい。
【0094】
また制御部210は、変形例2に示すように、充足率と共に採用のリードタイムを画面に含まれるようにしてもよい。そして、所定の操作に基づき、制御部210は、採用のリードタイムが一番長いものから降順にリストに含まれるデータ(充足率+採用のリードタイム)を並び替えてもよいし、採用のリードタイムが一番短いものから昇順にリストに含まれるデータを並び替えてもよい。
【0095】
また制御部210は、変形例3に示すように、充足率と共に採用開始からの期間を画面に含まれるようにしてもよい。そして、所定の操作に基づき、制御部210は、採用開始からの期間が一番長いものから降順にリストに含まれるデータ(充足率+採用開始からの期間)を並び替えてもよいし、採用開始からの期間が一番短いものから昇順にリストに含まれるデータを並び替えてもよい。
【0096】
また制御部210は、変形例4に示すように、充足率と共にポジション獲得に係る必要母集団の情報を画面に含まれるようにしてもよい。そして、所定の操作に基づき、制御部210は、ポジション獲得に係る必要母集団が一番多いものから降順にリストに含まれるデータ(充足率+ポジション獲得に係る必要母集団)を並び替えてもよいし、ポジション獲得に係る必要母集団が一番少ないものから昇順にリストに含まれるデータを並び替えてもよい。
【0097】
また制御部210は、変形例5に示すように、充足率と共に投資利益率の情報を画面に含まれるようにしてもよい。そして、所定の操作に基づき、制御部210は、投資利益率が一番高いものから降順にリストに含まれるデータ(充足率+投資利益率)を並び替えてもよいし、投資利益率が一番低いものから昇順にリストに含まれるデータを並び替えてもよい。
【0098】
また制御部210は、変形例6に示すように、充足率と共に対象求人票に対するアクションの発生率又は発生数に関する期待値情報を画面に含まれるようにしてもよい。そして、所定の操作に基づき、制御部210は、対象求人票に対するアクションの発生率又は発生数に関する期待値が一番高いものから降順にリストに含まれるデータ(充足率+アクションの発生率又は発生数に関する期待値)を並び替えてもよいし、対象求人票に対するアクションの発生率又は発生数に関する期待値が一番低いものから昇順にリストに含まれるデータを並び替えてもよい。
【0099】
また制御部210は、変形例7に示すように、充足率と共に部門パフォーマンスの傾向の情報を画面に含まれるようにしてもよい。そして、所定の操作に基づき、制御部210は、部門パフォーマンスの傾向が一番よいものから降順にリストに含まれるデータ(充足率+部門パフォーマンスの傾向)を並び替えてもよいし、部門パフォーマンスの傾向が一番悪いものから昇順にリストに含まれるデータを並び替えてもよい。
【0100】
また制御部210は、変形例8に示すように、充足率と共に所属人数及び適正人数を画面に含まれるようにしてもよい。そして、所定の操作に基づき、制御部210は、適正人数が一番多いものから降順にリストに含まれるデータ(充足率+所属人数+適正人数)を並び替えてもよいし、適正人数が一番少ないものから昇順にリストに含まれるデータを並び替えてもよい。また、所定の操作に基づき、制御部210は、所属人数が一番多いものから降順にリストに含まれるデータ(充足率+所属人数+適正人数)を並び替えてもよいし、所属人数が一番少ないものから昇順にリストに含まれるデータを並び替えてもよい。
【0101】
変形例9によれば、画面に各部署の充足率のリストを出力することができる。また充足率と共に、採用コスト、採用のリードタイム、採用開始からの期間、ポジション獲得に係る必要母集団、投資利益率、対象求人票に対するアクションの発生率又は発生数に関する期待値、部門パフォーマンスの傾向、所属人数又は適正人数を出力することができる。また所定の操作に応じて、リストに含まれるデータの並び順を変更させることができる。このような態様により、例えば人事部等の採用担当者は、組織全体における採用関連情報を把握した上で、最適な採用活動を行うことができる。
なお、制御部210は、採用コスト、採用のリードタイム、採用開始からの期間、ポジション獲得に係る必要母集団、投資利益率、対象求人票に対するアクションの発生率又は発生数に関する期待値、部門パフォーマンスの傾向、所属人数又は適正人数等の複数の情報から任意の2以上の情報の組み合わせを選択して、充足率と共に出力するようにしてもよい。すなわち、制御部210は、充足率以外の上述した複数の情報のうちの任意の2以上の情報を組み合わせたデータを画面に含めて出力するようにしてもよい。
【0102】
<変形例10>
以下、実施形態1の変形例10を説明する。変形例10は実施形態1に含まれるものであって、実施形態1と異なる実施形態ではない。変形例10で説明しない構成及び処理については実施形態1と同様である。
【0103】
図12は、変形例10の情報処理システム1000における情報処理の一例を示すシーケンス図である。
変形例10の内部情報には企業を構成する複数の部署それぞれのサーベイの結果が含まれる。サーベイとは従業員に対する満足度調査であり、アンケート形式により調査が行われる。サーベイの内容には、例えば、仕事内容に関する満足度、職場環境に関する満足度、上司及び同僚との人間関係、企業のビジョン又は理念への共感度、働き甲斐、キャリア開発に関する満足度、給与及び福利厚生に関する満足度等が含まれる。アンケートは自由形式であってもよいし、5段階中何段階か等を選択する評定尺度式であってもよい。
【0104】
シーケンスSQ1001において、制御部210は、内部情報に含まれる企業を構成する複数の部署それぞれの従業員のサーベイの結果に基づき各部署の一年後の離職率を推定する。制御部210は、例えば、各部署のサーベイの結果を学習済みモデルに入力する。学習済みモデルは、サーベイの結果を入力データ、退職する可能性を示すデータ(例えば、退職する可能性が何%か等)を出力データとして学習された学習済みモデルである。制御部210は、学習済みモデルから出力された各部署の各ポジションに関する退職する可能性を示すデータと、各部署の所属人数と、から各部署の一年後の離職率を推定する。
シーケンスSQ1001の処理は、組織を構成する複数の部署それぞれにおける離職率を取得する処理の一例である。シーケンスSQ1001の処理は、サーベイの結果から企業を構成する複数の部署それぞれの離職率を推定する処理の一例でもある。
【0105】
シーケンスSQ1002において、制御部210は、一年後の適正人数と、現在の所属人数と、一年後の離職率と、に基づいて、以下に示す(式2)により、複数の部署それぞれの一年後の人材の充足率を求める。
一年後の充足率=(各部署の一年後の所属人数-各部署の現在の所属人数×一年後の離職率)/各部署の一年後の適正人数 (式2)
(式2)の分子の値を求める処理は、所属人数と離職率とに基づき組織を構成する複数の組織単位それぞれにおける将来の所属人数を推定する処理の一例である。(式2)で充足率を求める処理は、将来の所属人数と将来の適正人数とに基づいて組織を構成する複数の組織単位それぞれにおける将来の人数の充足率を求める処理の一例である。
【0106】
変形例10によれば、サーベイの結果から退職予定人数を推定し、所属人数から退職予定人数を引いた一年後の所属人数を求めることができる。そして、一年後の所属人数と一年後の適正人数とから一年後の充足率を求めることができる。
【0107】
サーベイの内容は上述したものに限られず、eNPS(Employee Net Promoter Score)のようなものであってもよい。eNPSは「親しい知人又は友人にあなたの職場をどれだけ勧めたいか」を尋ね、「職場の推奨度」を数値化したものである。例えば、制御部210は、職場の推奨度を0~10の11段階で尋ね、9~10点を推奨者、7~8点を中立者、0~6点を批判者と分類します。そして、制御部210は、推奨者の割合から批判者の割合を引いた数値をeNPSとする。制御部210は、この「職場の推奨度」を数値化したものをサーベイの結果として取得するようにしてもよい。
制御部210は、画面に各部署の充足率のリストを出力する際に充足率と関連付けて各部署の「職場の推奨度」を数値化した値(以下、eNPS値ともいう)を出力するようにしてもよい。また、制御部210は、所定の操作に応じて、eNPS値が一番低いものから昇順にリストに含まれるデータを並び替えてもよいし、eNPS値が一番高いものから降順にリストに含まれるデータを並び替えてもよい。
【0108】
<変形例11>
以下、実施形態1の変形例11を説明する。変形例11は実施形態1に含まれるものであって、実施形態1と異なる実施形態ではない。変形例11で説明しない構成及び処理については実施形態1と同様である。
【0109】
変形例11の内部情報には企業を構成する複数の部署それぞれの過去の離職率が含まれる。
【0110】
変形例11の制御部210は、内部情報に含まれる企業を構成する複数の部署それぞれの過去の離職率に基づき各部署の一年後の退職予定人数を推定する。この処理は、離職率から企業を構成する複数の部署それぞれの将来の退職予定人数を推定する処理の一例である。
制御部210は、一年後の適正人数と、現在の所属人数と、一年後の退職予定人数と、に基づいて、複数の部署それぞれの一年後の人材の充足率を求める。
【0111】
変形例11によれば、過去の離職率の情報から退職予定人数を推定し、所属人数から退職予定人数を引いた一年後の所属人数を求めることができる。そして、一年後の所属人数と一年後の適正人数とから一年後の充足率を求めることができる。
なお、制御部210は、サーベイの結果と過去の離職率とに基づいて一年後の離職率を推定するようにしてもよい。
【0112】
<変形例12>
以下、実施形態1の変形例12を説明する。変形例12は実施形態1に含まれるものであって、実施形態1と異なる実施形態ではない。変形例12で説明しない構成及び処理については実施形態1と同様である。
【0113】
図13は、変形例12の情報処理システム1000における情報処理の一例を示すシーケンス図である。
シーケンスSQ1101において、制御部210は、連携している他のシステム等よりネットワーク150を介して外部情報を取得する。外部情報には企業に類似する他の企業を構成する複数の部署それぞれの所属人数が含まれる。ここで、企業に類似する他の企業とは、企業と業界が同じ他の企業であったり、企業が提供する商品又はサービスが類似した他の企業であったり、企業の事業モデルが同じ他の企業であったり、企業の事業と競合する他の企業であったり、会社の規模やフェーズが類似するものを含む。外部情報には類似企業の各部署の所属人数のみならず、後述するように、離職率が含まれてもよい。また、外部情報には類似企業の各部署における求人倍率、内定率、求職者の数、採用数、採用リードタイム、採用に必要な母集団等が含まれてもよい。
【0114】
シーケンスSQ1102において、制御部210は、シーケンスSQ402で取得した内部情報とシーケンスSQ1101で取得した外部情報とに基づいて企業を構成する複数の部署それぞれにおける一年後の適正人数を推定する。例えば、制御部210は、一年後の売上目標が今年度の売上の1.5倍の場合、一年後の各部署の適正人数を現在の所属人数の1.5倍と推定するが、例えば事業モデルが類似し、売り上げが当社の1.5倍ぐらいの他の企業の各部署の平均人数に基づき各部署の適正人数を補正する。
シーケンスSQ1102の処理は、内部情報と外部情報とに基づいて企業を構成する複数の部署それぞれにおける適正人数を推定する処理の一例である。
【0115】
変形例12によれば類似する他の企業の各部署の平均人数等に基づき適正人数を推定することができる。
なお、制御部210は、シーケンスSQ1101で取得した外部情報に基づき該当する内部情報に含まれる重要業績評価指標及び重要業績評価指標の一年後の伸び率を決定し、設定又は修正するようにしてもよい。
また、制御部210は、シーケンスSQ1101で取得した外部情報に含まれる企業に類似する他の企業を構成する複数の部署それぞれの所属人数に基づき、企業の各部署の現在の適正人数を推定するようにしてもよい。
【0116】
<変形例13>
以下、実施形態1の変形例13を説明する。変形例13は実施形態1に含まれるものであって、実施形態1と異なる実施形態ではない。変形例13で説明しない構成及び処理については実施形態1と同様である。
【0117】
変形例13の制御部210も外部情報を取得する。変形例13の外部情報には企業に類似する他の企業を構成する複数の部署それぞれの過去の離職率が含まれる。
【0118】
変形例13の制御部210は、外部情報に含まれる類似する他の企業を構成する複数の部署それぞれの過去の離職率に基づき企業を構成する各部署の一年後の退職予定人数を推定する。この処理は、離職率から企業を構成する複数の部署それぞれの退職予定人数を推定する処理の一例である。
制御部210は、外部情報に含まれる、類似する他の企業を構成する複数の部署それぞれの職種別、又は年齢別の離職率に基づき企業を構成する各部署の一年後の職種別、又は年齢別の退職予定人数を推定するようにしてもよい。
【0119】
制御部210は、一年後の適正人数と、現在の所属人数と、一年後の退職予定人数と、に基づいて、複数の部署それぞれの一年後の人材の充足率を求める。
【0120】
変形例13によれば、他の企業の過去の離職率の情報から退職予定人数を推定し、所属人数から退職予定人数を引いた一年後の所属人数を求めることができる。そして、一年後の所属人数と一年後の適正人数とから一年後の充足率を求めることができる。
【0121】
<変形例14>
以下、実施形態1の変形例14を説明する。変形例14は実施形態1に含まれるものであって、実施形態1と異なる実施形態ではない。変形例14で説明しない構成及び処理については実施形態1と同様である。
【0122】
変形例14の制御部210は、ポジション情報(管理者によって作成・修正されたポジション情報を含む)に基づいて、組織内向けの求人票及び/又は組織外向けの求人票を作成するようにしてもよい。ポジション情報とは、関連組織、募集要件、及び職務内容の少なくとも1つを募集条件として含む情報である。ここで「関連組織」とは、ポジションを募集する組織である。「募集要件」とは、例えば、募集するポジションに必要な経験、スキル等である。「職務内容」とは、募集するポジションにおける具体的な職務の内容、職務の責任等である。募集条件は、さらに、募集役職を含んでもよい。求人票は、募集するポジション名、仕事内容又は労働条件(年収、職種、業種、勤務地等)、応募資格、アピールポイント等の複数の項目を含む文書である。また、求人票には、求人のタイトル、見出し、求人者(組織)の情報(会社規模(売上、従業員数等)、業種など)等、これら以外の他の項目が含まれてもよい。
【0123】
より具体的には、制御部210は、ポジション情報を学習モデルである求人票作成モデルに入力し、求人票作成モデルにポジション情報が対象とするポジションに対応した求人票を出力させる。これにより、応募ポジションに対する応募者を募集するための求人票を作成する工数が削減できるとともに、ポジション情報に応じた適切な求人票を作成することができる。制御部210が作成した求人票は、ポジション情報と関連付けられて、記憶部220に記憶されているデータベース等に登録される。
【0124】
制御部210は、求人票作成モデルに、求人票としての第1求人票と第2求人票とを出力させるとよい。ここで、第2求人票に含まれる情報又は当該情報が公開される範囲は、第1求人票に含まれる情報又は当該情報が公開される範囲とは異なる。これにより、募集の対象者に応じた複数の種類の求人票を、1つのポジション情報から作成することができるため、応募ポジションへの募集効率が高められる。
【0125】
また、制御部210は、求人票作成モデルに、組織データベースに含まれる管理対象者を対象とする組織内公募用の求人票(第1求人票)を出力させるとよい。これにより、ポジション情報から、社内公募用の求人票を作成することができるため、募集ポジションへの管理対象者からの応募、又は募集ボジションに適した管理対象者とのマッチングを効率的に促進させることができる。
【0126】
さらに、制御部210は、求人票作成モデルに、組織外の求職者が登録された求職者データベース組織に含まれる求職者を対象とする外部向けの求人票(第2求人票)を出力させるとよい。これにより、ポジション情報から、外部向けの求人票を作成することができるため、募集ポジションへの求職者からの応募、又は募集ボジションに適した求職者とのマッチングを効率的に促進させることができる。
【0127】
第1求人票の作成及び第2求人票の作成は、例えば、クライアント装置110等からの指示に基づいて実行される。クライアント装置110において第1求人票の作成指示が入力されると、制御部210は、第1求人票を作成する。また、クライアント装置110において第2求人票の作成指示が入力されると、制御部210は、第2求人票を作成する。制御部210は、例えば、クライアント装置110に、第1求人票の作成を指示するためのオブジェクト(例えばボタン)と、第2求人票の作成を指示するためのオブジェクトとを含む選択画面を表示させる。制御部210は、いずれかのオブジェクトに対する入力操作によって、第1求人票又は第2求人票の作成指示を受け付ける。第1求人票の作成を指示するためのオブジェクト及び第2求人票の作成を指示するためのオブジェクトは、例えば、充足率表示画面において、各部署の充足率と関連付けて部署ごとに表示される。
【0128】
第1求人票は、第2求人票よりも公開範囲(閲覧可能な対象者の範囲)が狭い。例えば、第1求人票は、組織内、又は組織内の一部の対象者のみに公開され、第2求人票は、組織内と組織外とに公開される。
【0129】
また、第1求人票と第2求人票とでは、記載される項目が異なる。例えば、第1求人票には、組織の紹介は記載されないが、第2求人票には、組織の紹介が記載される。第1求人票には、想定年収の直接の記載がなく、替わりに年収のグレードやレンジが記載可能であるが、第2求人票には想定年収が直接記載される。第1求人票には、必要な組織内のグレード(職級等)、及び関連部署(配属先)が記載可能であるが、第2求人票にはこれらの記載は含まれない。第1求人票には、必要なスキルが組織内のスキルリストと連携して記載可能であるが、第2求人票では、必要なスキルは自由記述される。第1求人票には、リスキリングの文脈として、身につくスキルが組織内のスキルリストと連携して記載可能であるが、第2求人票では、このような記載は含まれない。第1求人票には、レポートラインが記載されるが、第2求人票には、レポートラインは記載されない。
【0130】
さらに、第1求人票と第2求人票とでは、使用されるワード、情報等も異なる。例えば、第1求人票では、募集要件、責務等の項目において、組織内用語(組織で独自に用いられるワード)、組織外に公開されていない情報等が含まれ得る。一方、第2求人票では、組織内用語は使用されず、また、組織外に公開されている情報のみが含まれる。
【0131】
求人票作成モデルは、ポジション情報(募集条件)を入力とし、ポジション情報が対象とするポジションに対応した求人票を出力とするように学習された学習モデルである。つまり、求人票作成モデルは、ポジション情報と、それに対応する求人票のデータとを教師データとして学習した学習モデルである。
【0132】
求人票作成モデルは、第1求人票を出力するように学習された第1求人票作成モデルと、第2求人票を出力するように学習された第2求人票作成モデルとを含んでもよい。この場合、制御部210は、第1求人票を作成する場合は、ポジション情報を第1求人票作成モデルに入力し、第2求人票を作成する場合は、ポジション情報を第2求人票作成モデルに入力する。また、求人票作成モデルは、1つのポジション情報の入力により、第1求人票と第2求人票とを出力するように学習されてもよい。
【0133】
また、求人票作成モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、制御部210は、ポジション情報を入力とし、当該ポジション情報に基づいて求人票(第1求人票及び/又は第2求人票)を作成する指示を含むプロンプトを求人票作成モデルに入力し、求人票を求人票作成モデルに出力させる。また、制御部210は、求人票の作成・出力指示とポジション情報とに加え、入力及び出力のサンプルとして、例えば、1以上のポジション情報のサンプルと、それに対応する1以上の求人票のサンプルとを挿入したプロンプトを求人票作成モデルに入力してもよい。
【0134】
さらに、制御部210は、作成した求人票に基づいて、管理対象者又は求職者に対するスカウト文書を作成してもよい。制御部210は、例えば、求人票を入力とし、スカウト文書を出力とするように学習されたスカウト文書作成モデルに、求人票を入力することでスカウト文書を作成する。スカウト文書の作成は、例えば、クライアント装置110によるスカウト文書の作成指示(スカウト文書の送信先の入力)に基づいて実行される。
【0135】
変形例14によれば、充足率表示画面に表示されているオブジェクト等から該当する部署又はポジションに関する社内外向け求人票及びスカウト文章を自動的に作成することができる。このような態様により、例えば人事部等の採用担当者は、対象部署又はポジションに対する応募者を募集するための求人票を作成する工数が削減できるとともに、ポジション情報に応じた適切な求人票を作成することができる。
【0136】
<その他の変形例>
上記実施形態では、サーバー装置100が種々の記憶及び制御を行ったが、サーバー装置100に代えて、複数の外部装置が用いられてもよい。すなわち、種々の情報及びプログラムは、ブロックチェーン技術等を用いて複数の外部装置に分散して記憶されてもよい。
【0137】
実施形態の態様は、情報処理システム1000に限定されず、情報処理方法であっても、プログラムであってもよい。情報処理方法は、情報処理システム1000が実行する各ステップを含む。プログラムは、コンピュータに、情報処理システム1000の各ステップを実行させる。
【0138】
<付記>
(付記1)
情報処理システムであって、
少なくとも1つ以上の制御部を有し、
前記制御部は、
組織の内部情報を取得し、
前記内部情報に基づいて前記組織を構成する複数の組織単位それぞれにおける適正人数を推定し、
前記組織を構成する複数の組織単位それぞれにおける所属人数と前記適正人数とに基づいて前記組織を構成する複数の組織単位それぞれにおける人数の充足率を求め、
前記充足率を示す情報を含む画面を出力する、
情報処理システム。
(付記2)
付記1に記載の情報処理システムであって、
前記制御部は、
前記内部情報に基づいて前記組織を構成する複数の組織単位それぞれにおける将来の適正人数を推定する、
情報処理システム。
(付記3)
付記2に記載の情報処理システムであって、
前記制御部は、
前記組織を構成する複数の組織単位それぞれにおける離職率を取得し、
前記所属人数と前記離職率とに基づき前記組織を構成する複数の組織単位それぞれにおける将来の所属人数を推定し、
前記将来の所属人数と前記将来の適正人数とに基づいて前記組織を構成する複数の組織単位それぞれにおける将来の人数の充足率を求める、
情報処理システム。
(付記4)
付記1から付記3までの何れか1つに記載の情報処理システムであって、
前記画面には、経時的な前記充足率の変化の情報が含まれる、
情報処理システム。
(付記5)
付記1から付記4までの何れか1つに記載の情報処理システムであって、
前記制御部は、
前記組織の外部情報を取得し、
前記組織の内部情報と前記組織の外部情報とに基づいて前記適正人数を推定する、
情報処理システム。
(付記6)
付記3に記載の情報処理システムであって、
前記内部情報には前記組織を構成する複数の組織単位それぞれのサーベイの結果及び前記組織を構成する複数の組織単位それぞれの過去の離職率が含まれ、
前記制御部は、
前記サーベイの結果及び前記過去の離職率の何れか又は双方から前記組織を構成する複数の組織単位それぞれの離職率を推定する、
情報処理システム。
(付記7)
付記5に記載の情報処理システムであって、
前記外部情報には前記組織に類似する他の組織を構成する複数の組織単位それぞれの離職率が含まれ、
前記制御部は、
前記他の組織の前記離職率に基づき前記組織を構成する複数の組織単位それぞれの離職率を推定する、
情報処理システム。
(付記8)
付記1から付記7までの何れか1つに記載の情報処理システムであって、
前記制御部は、
前記組織を構成する組織単位が間接部門か直接部門かに応じて異なる推定方法に基づき前記適正人数を推定する、
情報処理システム。
(付記9)
付記8に記載の情報処理システムであって、
前記内部情報には前記組織を構成する複数の組織単位それぞれの売上予算と前記組織を構成する複数の組織単位それぞれの売上効率とが含まれ、
前記売上効率は1人当たりの売上高であり、
前記制御部は、
前記組織を構成する組織単位が直接部門の場合、前記内部情報に基づいて前記組織を構成する複数の組織単位それぞれにおける適正人数を推定する、
情報処理システム。
(付記10)
付記8に記載の情報処理システムであって、
前記内部情報には前記組織を構成する複数の組織単位それぞれの重要業績評価指標と前記重要業績評価指標の伸び率とが含まれ、
前記制御部は、
前記組織を構成する組織単位が間接部門の場合、前記内部情報に基づいて前記組織を構成する複数の組織単位それぞれにおける適正人数を推定する、
情報処理システム。
(付記11)
付記1から付記10までの何れか1つに記載の情報処理システムであって、
前記内部情報には前記組織の構成を示す構成情報が含まれ、
前記画面には前記組織の構成を示す組織図と前記適正人数に関する情報とが含まれ、
前記組織図は前記構成情報から生成される、
情報処理システム。
(付記12)
付記1から付記11までの何れか1つに記載の情報処理システムであって、
前記画面には前記組織を構成する複数の組織単位それぞれにおける前記適正人数に関する情報の一覧が含まれる、
情報処理システム。
(付記13)
付記1から付記12までの何れか1つに記載の情報処理システムであって、
前記画面には、
前記充足率を示す情報、及び、
前記組織を構成する複数の組織単位それぞれにおける採用コストに関する情報、
前記組織を構成する複数の組織単位それぞれにおける採用のリードタイムに関する情報、
前記適正人数を示す情報、又は、
前記所属人数を示す情報の少なくとも1つが含まれる、
情報処理システム。
(付記14)
情報処理システムが実行する情報処理方法であって、
組織の内部情報を取得し、
前記内部情報に基づいて前記組織を構成する複数の組織単位それぞれにおける適正人数を推定し、
前記組織を構成する複数の組織単位それぞれにおける所属人数と前記適正人数とに基づいて前記組織を構成する複数の組織単位それぞれにおける人数の充足率を求め、
前記充足率を示す情報を含む画面を出力する、
情報処理方法。
(付記15)
プログラムであって、
コンピュータを、
付記1から付記13までの何れか1つに記載の情報処理システムとして機能させるためのプログラム。
【0139】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0140】
任意の変形例は互いに組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0141】
100 サーバー装置
110 クライアント装置
150 ネットワーク
210 制御部
220 記憶部
230 通信部
【要約】 (修正有)
【課題】組織を構成する複数の組織単位それぞれにおける適切な人材の数を知りたい。
【解決手段】サーバー装置と、クライアント装置とが、ネットワークを介して通信可能に接続されている情報処理システムにおいて、サーバ装置は、クライアント装置から、所定の操作に基づく充足率表示画面の表示要求を受信し組織の内部情報を取得し、内部情報に基づいて組織を構成する複数の組織単位それぞれにおける適正人数を推定し、組織を構成する複数の組織単位それぞれにおける所属人数と適正人数とに基づいて組織を構成する複数の組織単位それぞれにおける人数の充足率を求め、充足率を示す情報を含む画面をクライアント装置に出力する。
【選択図】
図4