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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-05
(45)【発行日】2024-12-13
(54)【発明の名称】文章生成装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241206BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2024087482
(22)【出願日】2024-05-29
【審査請求日】2024-06-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503066778
【氏名又は名称】株式会社ADKマーケティング・ソリューションズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】沼田 洋一
(72)【発明者】
【氏名】藤森 賢一
【審査官】菅原 浩二
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-100380(JP,A)
【文献】柏村 祐,生成AIはアンケート分析に活用できるのか~AIと協働しながらアンケートを分析し企画立案する時代の到来~[online],日本,第一生命経済研究所,2023年09月22日,全文,全図,<インターネット:URL:https://www.dlri.co.jp/report/ld/280108.html><検索日:2024年7月29日検索>
【文献】自由記述アンケートを生成AIで自動分類する「自動アフターコーディングAI by ChatGPT」を無料提供[online],日本,株式会社ユーザーローカル,2023年12月04日,全文,全図,<インターネット:URL:https://www.userlocal.jp/press/20231204ta/><検索日:2024年7月29日検索>
【文献】Yamamoto,生成AIでアンケートを集計し、考察する[online],日本,2023年09月10日,全文,全図,<インターネット:URL:https://note.com/yamam0to/n/n9023db60c2cb> <検索日:2024年7月29日検索>
【文献】よねみち,【GPTs活用】【サンプル付き】ペルソナの顔写真は生成AIで楽にそれっぽく作っちゃおう,日本,2023年11月13日,全文,全図,<インターネット:URL:https://note.com/kag_yonemichi/n/n9ea8c1da1d7f><検索日:2024年7月29日検索>
【文献】AIアンケートの効果的な活用方法とは?生成から分析までの手順も解説,診断・ヒアリングDXブログ[online],日本,全文,全図,<インターネット:URL:https://www.interviewz.io/blog/ai-questionnaire/><検索日:2024年7月29日検索>
【文献】ペルソナマーケティング支援サービス「PERSONA +」提供開始[online],日本,2021年01月12日,<インターネット:URL: https://prtimes.jp/a/?c=4376&r=441&f=d4376-441-pdf-0.pdf ><検索日:2024年11月18日検索>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
CPUを備え、
前記CPUは、
記憶部に記憶された複数の回答者に対してされたアンケートの回答結果のうち、ペルソナを生成するターゲットとなる人物像を決定する第1の条件及び前記ペルソナを生成するターゲットとなる人物像と比較する比較対象の人物像を決定する第3の条件を受け付ける受付部と、
前記受付部が受け付けた前記第1の条件に合致する回答者に対するアンケート結果に含まれる回答項目から、前記アンケートの回答項目のうち回答比率が特異である第2の条件に合致する特徴回答項目に対する設問項目に対する回答項目の回答結果を抽出する回答抽出部と、
前記回答抽出部で抽出された回答結果に応じて、前記第1の条件に合致する前記ペルソナの傾向を表す文章を、大規模言語モデルにより構成される文章生成モデルを用いて、前記特徴回答項目に対応するワードを用いた文章として生成する文章生成部と、
して機能し、
前記特徴回答項目は、前記第1の条件に合致する回答者に対する前記アンケートの回答結果と、前記第3の条件に合致する回答者に対する前記アンケートの回答結果の差分が所定の閾値以上の回答項目である文章生成装置。
【請求項2】
前記特徴回答項目は、前記第1の条件に合致する回答者に対する前記アンケートの回答結果と、前記第1の条件とは異なる第3の条件に合致する回答者に対する前記アンケートの回答結果の平均とで、差分が所定の閾値以上の回答項目である、請求項に記載の文章生成装置。
【請求項3】
前記第2の条件は、予め手動で選択された設問項目であることである、請求項1に記載の文章生成装置。
【請求項4】
前記文章生成部により生成された文章を表示すると共に、前記文章生成部による文章生成に用いた前記特徴回答項目に対応する設問項目を表示する表示部を更に備えた、請求項に記載の文章生成装置。
【請求項5】
前記表示部は、前記設問項目の比較結果をグラフとして表示する請求項に記載の文章生成装置。
【請求項6】
前記表示部による前記文章の表示の間又は表示の後に、前記特徴回答項目に対応する設問項目のうち、前記文章生成部による文章生成に用いる設問項目の取捨選択を受け付ける追加受付部を更に備え、
前記文章生成部は、前記追加受付部を通じて選択された設問項目に対する回答項目に対応するワードを用いて、文章を再生成し、
前記表示部は、再生成された文章を表示する、請求項又は請求項に記載の文章生成装置。
【請求項7】
前記文章生成部により生成された文章から、前記第1の条件に合致する回答者の顔画像を生成する画像生成部を備えた請求項1に記載の文章生成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文章生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マーケティングにおいて、ターゲットの人物像を分析する際に、ペルソナを作成することが行われている。このペルソナを作成する技術として、例えば、SNSの情報を利用するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2023-89233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、人物の傾向を示す文章により、精度のよいペルソナを作成することは困難であり、かつ、手間がかかるという問題があった。
【0005】
そこで、本開示は、上記の点に鑑みてなされたものであり、人物の傾向を示す文章を容易に作成することが可能な文章生成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様の文章生成装置は、複数の回答者に対してされたアンケートの回答結果のうち、第1の条件に合致する回答者に対するアンケート結果に含まれる回答項目から、第2の条件に合致する設問項目に対する回答項目の回答結果を抽出する回答抽出部と、前記回答抽出部で抽出された回答結果に応じて、前記第1の条件に合致する回答者の傾向を表す文章を生成する文章生成部と、を備えた。
【0007】
また、第2の態様の文章生成装置は、前記第2の条件に合致する設問項目は、前記アンケートの回答項目のうち回答比率が特異である特徴回答項目に対する設問項目であり、前記文章生成部は、前記特徴回答項目に対応するワードを用いて、前記文章を生成する。
【0008】
また、第3の態様の文章生成装置は、前記特徴回答項目は、前記第1の条件に合致する回答者に対する前記アンケートの回答結果と、前記第1の条件とは異なる第3の条件に合致する回答者に対する前記アンケートの回答結果の平均とで、差分が所定の閾値以上の回答項目である。
【0009】
また、第4の態様の文章生成装置は、前記第2の条件は、予め手動で選択された設問項目であることである。
【0010】
また、第5の態様の文章生成装置は、前記文章生成部により生成された文章を表示すると共に、前記文章生成部による文章生成に用いた前記特徴回答項目に対応する設問項目を表示する表示部を更に備えた。
【0011】
また、第6の態様の文章生成装置は、前記表示部は、前記設問項目の比較結果をグラフとして表示する。
【0012】
また、第7の態様の文章生成装置は、前記表示部による前記文章の表示の間又は表示の後に、前記特徴回答項目に対応する設問項目のうち、前記文章生成部による文章生成に用いる設問項目の取捨選択を受け付ける追加受付部を更に備え、前記文章生成部は、前記追加受付部を通じて選択された設問項目に対する回答項目に対応するワードを用いて、文章を再生成し、前記表示部は、再生成された文章を表示する。
【0013】
また、第8の態様の文章生成装置は、前記文章生成部により生成された文章から、前記第1の条件に合致する回答者の顔画像を生成する画像生成部を備えた。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、人物の傾向を示す文章を容易に作成することが可能な文章生成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本開示の実施の形態に係る文章生成装置の概略ブロック図である。
図2】本開示の実施の形態に係るアンケートの一例を説明するための説明図である。
図3】本開示の実施の形態に係る文章生成装置の機能構成の例を示すブロック図である。
図4】本開示の実施の形態に係るプロンプトの一例を説明するための説明図である。
図5】本開示の実施の形態に係る表示部による表示の一例を説明するための説明図である。
図6A】本開示の実施の形態に係るターゲットの回答結果と比較対象との回答結果の平均のスコア化を説明するための説明図である。
図6B】本開示の実施の形態に係るターゲットの回答結果と比較対象との回答結果の平均のスコア化を説明するための説明図である。
図6C】本開示の実施の形態に係るターゲットの回答結果と比較対象との回答結果の平均のスコア化を説明するための説明図である。
図6D】本開示の実施の形態に係るターゲットの回答結果と比較対象との回答結果の平均のスコア化を説明するための説明図である。
図7A】本開示の実施の形態に係るターゲットの回答結果と比較対象との回答結果の平均のスコア化を説明するための説明図である。
図7B】本開示の実施の形態に係るターゲットの回答結果と比較対象との回答結果の平均のスコア化を説明するための説明図である。
図7C】本開示の実施の形態に係るターゲットの回答結果と比較対象との回答結果の平均のスコア化を説明するための説明図である。
図7D】本開示の実施の形態に係るターゲットの回答結果と比較対象との回答結果の平均のスコア化を説明するための説明図である。
図8】本開示の実施の形態に係る文章生成装置による文章生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一または等価な構成要素および部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0017】
図1を用いて、本実施の形態に係る文章生成装置10の一例を説明する。
図1は、本実施の形態に係る文章生成装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0018】
図1に示すように、本実施の形態に係る文章生成装置10は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、記憶部104、入力部105及び表示装置106を備えている。各構成は、バス107を介して相互に通信可能に接続されている。
【0019】
CPU101は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU101は、ROM102又は記憶部104からプログラムを読み出し、RAM103を作業領域としてプログラムを実行する。CPU101は、ROM102又は記憶部104に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM102又は記憶部104には、プログラムが格納されている。
【0020】
ROM102は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM103は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。記憶部104は、HDD(Hard Disk Drive)、又はSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する。
【0021】
ここで、本実施の形態における記憶部104に記憶される情報としては、例えば、文章生成モデル、画像生成モデルが含まれる。文章生成モデルは、後述する文章生成部112によって用いられる。文章生成モデルは、例えば、ChatGPT(https://openai.com/index/chatgpt/)に開示される通り公知であるため、その詳細な説明を省略する。このような、文章生成モデルは、大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)により構成されている。画像生成モデルは、後述する画像生成部113によって用いられる。画像生成モデルは、例えば、DALL-E3(https://openai.com/index/dall-e-3/)に開示される通り公知であるため、その詳細な説明を省略する。なお、文章生成モデル及び画像生成モデルは、記憶部104に記憶される場合に限定されず、他の装置、例えば、文章生成装置10とネットワークで接続されるサーバ装置などに記憶されてもよい。
【0022】
また、記憶部104に記憶される情報としては、アンケートの設問項目と回答結果とが含まれる。
【0023】
なお、文章生成モデル、画像生成モデル、及びアンケートの設問項目と回答結果の1部又は全部、は、文章生成装置10に記憶される場合に限定されず、他の装置、例えば、文章生成装置10とネットワークで接続されるサーバ装置などに記憶されてもよい。
【0024】
ここで、本実施形態で用いるアンケートの一例について説明する。
アンケートとしては、例えば、図に示すように、「職業」、「就職状況」、「個人年収」、「婚姻の有無」、「最終学歴」、「性別」、「関心のある話題」、「料理をする頻度」、など様々な設問項目が設定されている。そして、設問項目への回答候補は、設問項目毎に予め定められており、回答者が回答候補を選択することで、設問項目に回答可能となっている。例えば、図2に示すように、設問項目「職業」に関しては、回答候補として「事務職」、「技術職」、「サービス職」、「役員」、「無職」、「年金受給」、「その他」が予め定められている。なお、アンケートの設問項目及び回答候補は、図2に示すものに限定されず、他の設問項目及び回答候補であってもよい。ここで、本実施形態では、アンケートとして、例えば、「生活者総合調査」を用いているが、これに限定されない。
【0025】
入力部105は、マウス等のポインティングデバイス、およびキーボードを含み、各種の入力を行うために使用される。入力部105は、後述する第1の条件と第3の条件の設定などの入力に使用される。
【0026】
表示装置106は、例えば、液晶ディスプレイである。表示装置106は、CPU101の制御に基づき各種の情報を表示する。
【0027】
次に、文章生成装置10が実現する機能構成について説明する。
図3は、文章生成装置10のCPU101の機能構成の例を示すブロック図である。
【0028】
図3に示すように、文章生成装置10は、機能構成として、受付部110、回答抽出部111、文章生成部112、画像生成部113、表示部114、及び追加受付部115を有する。各機能構成は、CPU101がROM102又は記憶部104に記憶されたプログラムを読み出し、実行することにより実現される。ここで、本実施形態の文章生成装置10は、マーケティングなどの対象とするターゲットの人物像をペルソナとして文章により具体化する処理を実行する装置である。
【0029】
(受付部110)
受付部110は、ユーザにより入力された第1の条件と第3の条件とを受け付ける。ここで、第1の条件は、文章生成装置10のユーザにより任意に設定可能な条件であり、ペルソナを生成するターゲットとなる人物像を決定する条件である。例えば、「健康意識の高い60代の女性」などが該当する。そして、受付部110は、アンケートの回答者の中からこの第1の条件「健康意識の高い60代の女性」に合致する回答者を抽出するために、1つの設問項目の回答や、複数の設問項目の回答から「健康意識の高い60代の女性」を抽出する。例えば、第1の条件である「健康意識の高い60代の女性」からキーワードとして「健康」、「60代」、「女性」を抽出し、設問項目「関心のある話題」で「健康」を選択した回答者や、設問項目への回答に「健康」のキーワードが含まれていた回答者であって、設問項目「年齢」で「60代」、設問項目「性別」で「女性」を選んだ回答者を抽出する。なお、回答者の抽出は、上述した態様に限定されず、他の態様で行ってもよい。例えば、アンケートの回答者は、設問項目の回答結果を元に、予めクラスタリング(例えば、健康にこだわりがあるグループ、旅行が好きなグループなど)されており、当該クラスタリングの結果を元に、回答者を抽出してもよい。
【0030】
また、第3の条件は、文章生成装置10のユーザにより任意に設定可能な条件であり、ペルソナを生成するターゲットとなる人物像と比較する比較対象の人物像を決定する条件である。例えば、「アンケートの回答者のすべて」、第1の条件である「健康意識の高い60代の女性」をすべて含み、当該第1の条件を一部外した「60代の女性」や「女性」、第1の条件に含まれない「第1の条件以外の回答者」、第1の条件とは無関係の「特定の設問項目で予め定められた回答をした回答者」、などが含まれる。そして、受付部110は、アンケートの回答者の中からこの第3の条件を満たす回答者を抽出する。以下、第1の条件を満たす回答者を「ターゲット」、第3の条件を満たす回答者を「比較対象」ともいう。
【0031】
なお、受付部110が、第1の条件及び第3の条件を受け付けて、条件に合致する回答者を抽出する場合に限定されず、文章生成装置10の他の装置が抽出した回答者の情報を受け付けてもよい。
【0032】
また、受付部110は、アンケートの設問項目の中からユーザにより予め手動で選択された設問項目の候補を受け付ける。ここで、設問項目の候補は、文章生成部112によりターゲットの人物像を生成する際に使用する設問項目の候補である。なお、設問項目の候補は、ユーザにより入力されたものに限定されず、使用頻度が高い設問項目を候補として予め記憶しておいたものであってもよい。また、受付部110が、ユーザにより入力された第1の条件である「健康意識の高い60代の女性」から抽出された「健康」、「60代」、「女性」のキーワードを含む設問項目など、第1の条件と関連する設問項目を抽出するようにしてもよい。
【0033】
(回答抽出部111)
回答抽出部111は、複数の回答者に対してされたアンケートの回答結果のうち、受付部110により受け付けた設問項目の候補を抽出するとともに、第1の条件に合致する回答者に対するアンケート結果に含まれる回答項目から、第2の条件に合致する設問項目に対する回答項目の回答結果を抽出する。ここで、第2の条件に合致する設問項目は、アンケートの回答項目のうち回答比率が特異である特徴回答項目に対する設問項目である。本実施形態では、受付部110が受け付けた設問候補のうちから、第1の条件に合致する回答者に対するアンケートの回答結果と、第1の条件とは異なる第3の条件に合致する回答者に対するアンケートの回答結果の平均とで、差分が所定の閾値以上の回答項目を特徴回答項目としている。
【0034】
具体的には、回答抽出部111は、まず、ターゲットのアンケート結果に含まれる回答項目から、受付部110が受け付けた設問項目の候補についての、ターゲットの回答結果と比較対象の回答結果とを抽出する。そして、抽出したターゲットの回答結果と比較対象との回答結果の平均をスコア化し、スコアの差分が所定の閾値以上の回答項目を、文章生成部112がターゲットの人物像を生成する際に使用する特徴回答項目として抽出する。ここで、所定の閾値については、ユーザが任意に設定可能である。スコアについては、図6A、6B、6C、6D、7A、7B、7C及び7Dを用いて後述する。
【0035】
(文章生成部112)
文章生成部112は、回答抽出部111で抽出された回答結果に応じて、第1の条件に合致する回答者の傾向を表す文章を生成する。具体的には、文章生成部112は、回答抽出部111で抽出された特徴回答項目に対応するワードを用いて、第1の条件に合致する回答者の傾向を表す文章を生成する。すなわち、文章生成部112は、図4に示すように、回答抽出部111により抽出された特徴回答項目に、定型文である「命令書」、「制約条件」、「出力形式」を加えたプロンプトを生成し、上述した文章生成モデルに入力する。図4に示す例では、特徴回答項目は「# ターゲット」の欄に記載されている。ここで、「# ターゲット」の欄には、特徴回答項目ではないが、ユーザにより予め定められた、必ず使用する回答項目が含まれる。例えば、「個人年収」、「性別」、「夫婦就労状況」などは、特徴回答項目に該当しない場合であっても、「# ターゲット」の欄に含まれるように設定されている。すなわち、文章生成部112は、特徴回答項目と必ず使用する回答項目とに対応するワードを用いて文章を生成する。本実施形態では、文章生成部112により生成される文章により表される人物像がマーケティングの対象となるペルソナである。なお、プロンプトは、文章生成部112が生成したものをそのまま用いる場合に限定されず、ユーザが適宜、修正を行うことを可能としてもよい。また、文章生成部112が生成した文章は、ユーザが適宜、修正を行うことを可能としてもよい。また、文章生成部112は、生成された文章についての見出しをユーザが指定した文字数で作成するプロンプトも生成することで、文章を生成すると共に、見出しを作成することを可能としてもよい。
【0036】
(画像生成部113)
画像生成部113は、文章生成部112により生成された文章から、第1の条件に合致する回答者の顔画像を生成する。具体的には、画像生成部113は、文章生成部112により生成された文章を、上述した画像生成モデルに入力する。これにより、画像生成部113は、ターゲットの人物像を表す顔画像を生成する。
【0037】
(表示部114)
表示部114は、表示装置106に、文章生成部112により生成された文章を表示すると共に、文章生成部112による文章生成に用いた特徴回答項目に対応する設問項目を表示する。また、上述したように、表示された文章を、ユーザが適宜修正することを可能としてもよい。
【0038】
その後、表示部114は、表示装置106に、画像生成部113で生成した顔画像と、設問項目と当該設問項目の比較結果のグラフを表示する。具体的には、図5に示すように、表示部114は、表示装置106の表示領域のうち、左上側の文章表示部Sに文章を、右上側の顔画像表示部Tに顔画像を、下側のグラフ表示部Uに設問項目と当該設問項目の比較結果のグラフを、それぞれ表示する。また、表示部114は、文章表示部Sの上側の見出し表示部Vに文章表示部Sに表示される文章の見出しについても表示する。ここで、設問項目の比較結果のグラフの表示は、具体的には、文章生成部112が文章を生成する際に使用し、文章生成モデルに入力した「配偶者有無」、「就労形態」、「最終学歴」などの、設問項目についての回答結果のデータを、ターゲットと比較対象とに分けて表示する。なお、すべての設問項目のグラフを表示する場合に限定されず、スコアが予め定められた閾値よりも高い設問項目のみ表示するようにしてもよい。また、グラフの表示順序は、文章生成部112が文章生成に用いた順であってもよいし、生成された文章に設問項目に関する文章が記載されている順であってもよいし、又、スコアの差分の大きい順であってもよい。また、表示部114は、表示装置106に文章生成部112により生成された文章などを表示する場合に限定されず、文章生成装置10とネットワークで接続される他の装置に文章生成部112により生成された文章などを出力する処理を実行してもよい。
【0039】
また、表示部114は、表示装置106に、文章生成部112により生成された文章と、文章生成部112による文章生成に用いた特徴回答項目に対応する設問項目を表示した後に、画像生成部113で生成した顔画像と、設問項目の比較結果のグラフを表示する場合に限定されず、文章と設問項目と顔画像とグラフとを同じタイミングで表示してもよい。
【0040】
(追加受付部115)
追加受付部115は、表示部114による文章の表示の間又は表示の後に、特徴回答項目に対応する設問項目のうち、文章生成部112による文章生成に用いる設問項目の取捨選択を受け付ける。そして、文章生成部112は、追加受付部115を通じて選択された設問項目に対する回答項目に対応するワードを用いて、プロンプトを再生成すると共に、当該プロンプトを用いて文章を再生成する。そして、表示部114は、再生成された文章を表示装置106に表示する。
【0041】
次に、図6A、6B、6C、6D、7A、7B、7C及び7Dを用いてターゲットの回答結果と比較対象との回答結果の平均のスコア化について説明する。
【0042】
図6Aは、複数回答の入力が可能な設問項目、例えば、「趣味」についての加工前のアンケートの回答結果を示す一例である。例えば、回答者ID「1111」の人は、ターゲットに含まれず(「ターゲット」の欄が空欄)、比較対象に含まれ(比較対象の欄が「○」)、ウェイトバックが「0.9」で、設問項目「趣味」について「野球」と「サッカー」、と回答していることを示している。また、回答者ID「2222」の人は、ターゲットに含まれ(「ターゲット」の欄が「○」)、比較対象に含まれ(「比較対象」の欄が「○」)、ウェイトバックが「1」で、設問項目「趣味」について「野球」と「ドライブ」と「温泉」、と回答していることを示している。図では、回答者により選択された回答候補について「1」、回答者により選択されなかった回答候補について「0」が入力されている。ここで、ウェイトバックは、ユーザにより設定可能な値であり、アンケートの回答結果を人口の偏りにより補正する値である。
【0043】
図6Bは、図6Aの選択されなかった回答候補を示す「0」を「-1」に変換した図である。これは、「0」にウェイトバックを掛けることができないためである。
【0044】
図6Cは、図6Bをウェイトバックで集計した図である。すなわち、図6Bの回答欄の数値(「1」又は「-1」)に、ウェイトバックを掛けた数値を、回答欄の数値に入れ替えて集計したものである。例えば、回答者ID「1111」の人については、図6Bの、野球「1」、サッカー「1」、ドライブ「-1」、温泉「-1」に、それぞれウェイトバック「0.9」を掛けて、野球「0.9」、サッカー「0.9」、ドライブ「-0.9」、温泉「-0.9」に入れ替えて集計する。
【0045】
図6Dは、図6Cで集計したスコアを集計した図である。具体的には、「ターゲット平均」については、図6Cの「ターゲット」の欄に「○」のついている回答者ID「2222」と「3333」の回答欄の平均を集計する。例えば、「野球」については、回答者ID「2222」の「1」と、回答者ID「3333」の「1.2」の平均である「1.1」と集計する。また、「サッカー」については、回答者ID「2222」の「-1」と、回答者ID「3333」の「-1.2」の平均である「-1.1」と集計する。また、「比較対象の平均」については、図6Cの「比較対象」の欄に「○」のついている回答者ID「1111」、「2222」、「3333」、「4444」及び「5555」の回答欄の平均を集計する。例えば、「野球」については、回答者ID「1111」の「0.9」と、回答者ID「2222」の「1」と、回答者ID「3333」の「1.2」と、回答者ID「4444」の「-1.3」と、回答者ID「5555」の「-0.8」と、の平均である「0.2」と集計する。また、「サッカー」については、回答者ID「1111」の「0.9」と、回答者ID「2222」の「-1」と、回答者ID「3333」の「-1.2」と、回答者ID「4444」の「1.3」と、回答者ID「5555」の「0.8」と、の平均である「0.16」と集計する。また、「差分」については、集計した「ターゲット平均」と「比較対象の平均」の差を集計する。例えば、「野球」については、ターゲット平均「1.1」と比較対象の平均「0.2」の差分として「0.9」と集計する。また、「サッカー」については、ターゲット平均「-1.1」と比較対象の平均「0.16」の差分として「-1.26」と集計する。回答抽出部111は、かかる「差分」が所定の閾値以上の回答項目を、文章生成部112がターゲットの人物像を生成する際に使用する特徴回答項目として抽出する。ここで、差分が「+(プラス)」の値である場合は、文章生成部112により生成される文章の特徴回答項目の部分がポジティブな記載(例えば、「~する」、「~を好む」、「~が高い」など)となり、差分が「-(マイナス)」の値である場合は、文章生成部112により生成される文章の特徴回答項目の部分がネガティブな記載(例えば、「~しない」、「~を避ける」、「~が低い」など)となる。また、設問項目の内容がネガティブな記載(例えば、「~するのが好きではない」)というものである場合に、差分が「+(プラス)」の値である場合は、文章生成部112により生成される文章の特徴回答項目の部分がネガティブな記載(例えば、「~しない」、「~を避ける」、「~が低い」など)となり、差分が「-(マイナス)」の値である場合は、文章生成部112により生成される文章の特徴回答項目の部分がポジティブな記載(例えば、「~する」、「~を好む」、「~が高い」など)となる。なお、差分が所定の閾値以上の回答項目が複数あった場合は、所定の閾値以上の差分のすべての特徴回答項目を用いて文章生成部112により文章を生成してもよいし、差分の値が最も大きい特徴回答項目のみを用いて文章生成部112により文章を生成してもよいし、ユーザの設定により予め定められた順位の大きさの差分のみを用いて文章生成部112により文章を生成してもよい。
【0046】
図7Aは、回答候補が、例えば、「1:非常にあてはまる」「2:ややあてはまる」「3:あまりあてはまらない」「4:全くあてはまらない」などの程度の異なる段階を有する回答候補である場合であって、1つの回答のみ入力可能な設問項目、例えば、「ラグジュアリーブランドが好きだ」についての加工前のアンケートの回答結果を示す一例である。例えば、回答者ID「1111」の人は、ターゲットに含まれず(「ターゲット」の欄が空欄)、比較対象に含まれ(比較対象の欄が「○」)、ウェイトバックが「0.9」で、設問項目「ラグジュアリーブランドが好きだ」について、「非常にあてはまる」と回答していることを示している。また、回答者ID「2222」の人は、ターゲットに含まれず(「ターゲット」の欄が空欄)、比較対象に含まれ(比較対象の欄が「○」)、ウェイトバックが「1」で、設問項目「ラグジュアリーブランドが好きだ」について、「ややあてはまる」と回答していることを示している。図7Aでは、回答者により選択された回答候補について「1」、回答者により選択されなかった回答候補について「0」が入力されている。
【0047】
図7Bは、図7Aの選択されなかった回答候補を示す「0」を「-1」に変換した図である。これは、「0」にウェイトバックを掛けることができないためである。
【0048】
図7Cは、図7Bをウェイトバックで集計した図である。すなわち、図7Bの回答欄の数値(「1」又は「-1」)に、ウェイトバックを掛けた数値を、回答欄の数値に入れ替えて集計したものである。例えば、回答者ID「1111」の人については、図7Bの、非常にあてはまる「1」、ややあてはまる「-1」、あまりあてはまらない「-1」、全くあてはまらない「-1」に、それぞれウェイトバック「0.9」を掛けて、非常にあてはまる「0.9」、ややあてはまる「-0.9」、あまりあてはまらない「-0.9」、全くあてはまらない「-0.9」に入れ替えて集計する。
【0049】
図7Dは、図7Cで集計したスコアを集計した図である。具体的には、「ターゲット平均」については、図7Cの「ターゲット」の欄に「○」のついている回答者ID「2222」、「3333」、「6666」、「7777」、及び「8888」の回答欄の平均を集計する。例えば、「非常にあてはまる」については、回答者ID「2222」の「-1」、回答者ID「3333」の「-1.2」、回答者ID「6666」の「-0.9」、回答者ID「7777」の「-1」、及び回答者ID「8888」の「-1.2」、の平均である「-1.06」と集計する。また、「ややあてはまる」については、回答者ID「2222」の「1」、回答者ID「3333」の「-1.2」、回答者ID「6666」の「0.9」、回答者ID「7777」の「-1」、及び回答者ID「8888」の「-1.2」、の平均である「-0.3」と集計する。また、「比較対象の平均」については、図7Cの「比較対象」の欄に「○」のついている回答者ID「1111」、「2222」、「3333」、「4444」、「5555」、「6666」、「7777」、「8888」、及び「9999」の回答欄の平均を集計する。例えば、「非常にあてはまる」については、回答者ID「1111」の「0.9」と、回答者ID「2222」の「-1」と、回答者ID「3333」の「-1.2」と、回答者ID「4444」の「-1.3」と、回答者ID「5555」の「0.8」と、回答者ID「6666」の「-0.9」と、回答者ID「7777」の「-1」と、回答者ID「8888」の「-1.2」と、回答者ID「9999」の「1.3」と、の平均である「-0.4」と集計する。また、「ややあてはまる」については、回答者ID「1111」の「-0.9」と、回答者ID「2222」の「1」と、回答者ID「3333」の「-1.2」と、回答者ID「4444」の「-1.3」と、回答者ID「5555」の「-0.8」と、回答者ID「6666」の「0.9」と、回答者ID「7777」の「-1」と、回答者ID「8888」の「-1.2」と、回答者ID「9999」の「-1.3」と、の平均である「-0.64」と集計する。また、「差分」については、集計した「ターゲット平均」と「比較対象の平均」の差を集計する。例えば、「非常にあてはまる」については、ターゲット平均「-1.06」と比較対象の平均「-0.4」の差分として「-0.66」と集計する。また、「ややあてはまる」については、ターゲット平均「-0.3」と比較対象の平均「-0.64」の差分として「0.34」と集計する。回答抽出部111は、かかる「差分」が所定の閾値以上の回答項目を、文章生成部112がターゲットの人物像を生成する際に使用する特徴回答項目として抽出する。ここで、差分が「+(プラス)」の値である場合は、文章生成部112により生成される文章の特徴回答項目の部分がポジティブな記載(例えば、「~する」、「~を好む」、「~が高い」など)となり、差分が「-(マイナス)」の値である場合は、文章生成部112により生成される文章の特徴回答項目の部分がネガティブな記載(例えば、「~しない」、「~を避ける」、「~が低い」など)となる。また、設問項目の内容がネガティブな記載(例えば、「~するのが好きではない」)というものである場合に、差分が「+(プラス)」の値である場合は、文章生成部112により生成される文章の特徴回答項目の部分がネガティブな記載(例えば、「~しない」、「~を避ける」、「~が低い」など)となり、差分が「-(マイナス)」の値である場合は、文章生成部112により生成される文章の特徴回答項目の部分がポジティブな記載(例えば、「~する」、「~を好む」、「~が高い」など)となる。なお、差分が所定の閾値以上の回答項目が複数あった場合は、所定の閾値以上の差分のすべての特徴回答項目を用いて文章生成部112により文章を生成してもよいし、差分の値が最も大きい特徴回答項目のみを用いて文章生成部112により文章を生成してもよいし、ユーザの設定により予め定められた順位の大きさの差分のみを用いて文章生成部112により文章を生成してもよい。
【0050】
次に、図8を用いて文章生成装置10の作用について説明する。図8は、文章生成装置10による文章生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。CPU101がROM102又は記憶部104からプログラムを読み出して、展開して実行することにより、当該処理が行なわれる。また、本フローチャートの前提として、文章生成装置10は、アンケートの設問項目と回答結果とを記憶部104に記憶している。
【0051】
ステップS100において、文章生成装置10のCPU101(受付部110)は、ペルソナを生成するターゲットとなる人物像を決定する条件である第1の条件と、ペルソナを生成するターゲットとなる人物像と比較する比較対象の人物像を決定する条件である第3の条件とを受け付ける。そして、次のステップS101に進む。
【0052】
ステップS101において、文章生成装置10のCPU101(受付部110)は、アンケートの回答者から、第1の条件を満たす回答者と第3の条件と満たす回答者を抽出する。そして、次のステップS102に進む。
【0053】
ステップS102において、文章生成装置10のCPU101(受付部110)は、アンケートの設問項目の中からユーザにより予め手動で選択された設問項目の候補を受け付ける。そして、次のステップS103に進む。
【0054】
ステップS103において、文章生成装置10のCPU101(回答抽出部111)は、ステップS102で受け付けた設問項目の候補のうちから、ターゲットに対するアンケートの回答結果と、比較対象に対するアンケートの回答結果の平均とをスコア化して、差分を算出し、差分が予め定められた閾値以上の特徴回答項目を抽出する。そして、次のステップS104に進む。
【0055】
ステップS104において、文章生成装置10のCPU101(文章生成部112)は、ステップS103で抽出した特徴回答項目と、予め定められた定型文とを用いてプロンプトを生成する。そして、次のステップS105に進む。
【0056】
ステップS105において、文章生成装置10のCPU101(文章生成部112)は、ステップS104で生成したプロンプトを、文章生成モデルに入力する。そして、次のステップS106に進む。
【0057】
ステップS106において、文章生成装置10のCPU101(文章生成部112)は、文章生成モデルを用いてターゲットの傾向を表す文章を生成する。そして、次のステップS107に進む。
【0058】
ステップS107において、文章生成装置10のCPU101(画像生成部113)は、ステップS106で生成された文章を元に、ターゲットの人物像を表す顔画像を生成する。ここで、顔画像の生成は、ユーザによる顔画像の生成を実行する入力を受け付けた場合に行ってもよいし、又、CPU101(画像生成部113)がユーザの入力を問わず行ってもよい。そして、次のステップS108に進む。
【0059】
ステップS108において、文章生成装置10のCPU101(表示部114)は、ステップS106で生成された文章、文章生成部112による文章生成に用いた特徴回答項目に対応する設問項目の比較結果のグラフ、ステップS107で生成された顔画像、を表示装置106に表示する(図5参照)。そして、処理を終了する。
【0060】
なお、図示しないが、表示部114による文章の表示の間又は表示の後に、特徴回答項目に対応する設問項目のうち、文章生成部112による文章生成に用いる設問項目の取捨選択を受け付けてもよい。この場合は、文章生成部112は、追加受付部115を通じて選択された設問項目に対する回答項目に対応するワードを用いて、文章を再生成し、表示部114は、再生成された文章を表示装置106に表示する。また、画像生成部113は、再生成された文章を元に、ターゲットの人物像を表す顔画像を生成する。
【0061】
本実施の形態によれば、マーケティングのターゲットとなる人物の傾向を示す文章を容易に作成することが可能となる。すなわち、マーケティングにおいてターゲットの人物像を分析する際に、ペルソナを作成することが行われるが、ユーザの経験や勘などを頼りに行われるため、負担が大きく、又、精度のばらつきが大きいという問題がある。本実施形態では、かかる問題点を解決することが可能となる。
【0062】
なお、本開示は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
【0063】
特徴回答項目は、上述したようにスコアを比較して、差分が所定の閾値以上の回答項目から抽出する場合に限定されず、他の方法で抽出してもよいし、複数の方法を組み合わせてもよい。例えば、回答項目が、年収や年齢なので数値で表されるものである場合は、ターゲットと比較対象との数値の平均を比較して、差分が所定の閾値以上の回答項目から特徴回答項目を抽出してもよい。
【0064】
また、特徴回答項目の抽出は機械学習を用いて行ってもよい。具体的には、アンケートの全設問項目の回答候補の回答番号を説明変数(例えば、1~7の値(図2参照))とし、当該回答候補を選択した回答者がターゲットか比較対象かを目的変数とした「判別問題」としてモデルを構築する。そして、かかるモデルを構築した際に導かれる各説明変数(設問項目)の重要度が大きいものを特徴回答項目として抽出するようにしてもよい。
【0065】
また、ターゲットの回答結果及び比較対象の回答結果と、特徴回答項目とを学習したモデルを構築し、今回のターゲットの回答結果と比較対象のアンケートと回答データとを入力することで、特徴回答項目を抽出することを可能としてもよい。
【0066】
また、本開示はプログラムにも適用できる。上記実施形態では、プログラムがROM102又は記憶部104に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0067】
本開示のプログラムは、プログラム製品として提供可能である。プログラム製品とは、プログラムを提供するためのあらゆる態様の製品を含む。例えば、プログラム製品は、インターネット等のネットワークを通じて提供されるプログラム、及びプログラムを保存したCD-ROM、DVD等の非一時的コンピュータ可読記録媒体等を含む。
【0068】
なお、上述の本願の開示する技術の一実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0069】
(付記1)
複数の回答者に対してされたアンケートの回答結果のうち、第1の条件に合致する回答者に対するアンケート結果に含まれる回答項目から、第2の条件に合致する設問項目に対する回答項目の回答結果を抽出する回答抽出部と、
前記回答抽出部で抽出された回答結果に応じて、前記第1の条件に合致する回答者の傾向を表す文章を生成する文章生成部と、
を備えた文章生成装置。
【0070】
(付記2)
前記第2の条件に合致する設問項目は、前記アンケートの回答項目のうち回答比率が特異である特徴回答項目に対する設問項目であり、
前記文章生成部は、前記特徴回答項目に対応するワードを用いて、前記文章を生成する、付記1に記載の文章生成装置。
【0071】
(付記3)
前記特徴回答項目は、前記第1の条件に合致する回答者に対する前記アンケートの回答結果と、前記第1の条件とは異なる第3の条件に合致する回答者に対する前記アンケートの回答結果の平均とで、差分が所定の閾値以上の回答項目である、付記2に記載の文章生成装置。
【0072】
(付記4)
前記第2の条件は、予め手動で選択された設問項目であることである、付記1から付記3のいずれか1つに記載の文章生成装置。
【0073】
(付記5)
前記文章生成部により生成された文章を表示すると共に、前記文章生成部による文章生成に用いた前記特徴回答項目に対応する設問項目を表示する表示部を更に備えた、付記2又は付記3に記載の文章生成装置。
【0074】
(付記6)
前記表示部は、前記設問項目の比較結果をグラフとして表示する付記5に記載の文章生成装置。
【0075】
(付記7)
前記表示部による前記文章の表示の間又は表示の後に、前記特徴回答項目に対応する設問項目のうち、前記文章生成部による文章生成に用いる設問項目の取捨選択を受け付ける追加受付部を更に備え、
前記文章生成部は、前記追加受付部を通じて選択された設問項目に対する回答項目に対応するワードを用いて、文章を再生成し、
前記表示部は、再生成された文章を表示する、付記5又は付記6に記載の文章生成装置。
【0076】
(付記8)
前記文章生成部により生成された文章から、前記第1の条件に合致する回答者の顔画像を生成する画像生成部を備えた付記1から付記7のいずれか1つに記載の文章生成装置。
【符号の説明】
【0077】
10 文章生成装置
111 回答抽出部
112 文章生成部
113 画像生成部
114 表示部
115 追加受付部
【要約】
【課題】人物の傾向を示す文章を容易に作成することが可能な文章生成装置を提供する。
【解決手段】複数の回答者に対してされたアンケートの回答結果のうち、第1の条件に合致する回答者に対するアンケート結果に含まれる回答項目から、第2の条件に合致する設問項目に対する回答項目の回答結果を抽出する回答抽出部と、前記回答抽出部で抽出された回答結果に応じて、前記第1の条件に合致する回答者の傾向を表す文章を生成する文章生成部と、を備えた。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図7D
図8