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特許7599642商品販売システム、商品の販売方法及び商品販売用コンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】商品販売システム、商品の販売方法及び商品販売用コンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241209BHJP
   G06Q 30/012 20230101ALI20241209BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/012
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020138245
(22)【出願日】2020-08-18
(65)【公開番号】P2022034454
(43)【公開日】2022-03-03
【審査請求日】2023-07-25
(73)【特許権者】
【識別番号】518294317
【氏名又は名称】株式会社ソーシャルインテリア
(74)【代理人】
【識別番号】110004059
【氏名又は名称】弁理士法人西浦特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100091443
【弁理士】
【氏名又は名称】西浦 ▲嗣▼晴
(74)【代理人】
【識別番号】100130720
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼見 良貴
(74)【代理人】
【識別番号】100130432
【弁理士】
【氏名又は名称】出山 匡
(72)【発明者】
【氏名】町野 健
【審査官】酒井 優一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/065831(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/080537(WO,A1)
【文献】特開2001-325461(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の販売システムであって、
前記商品を一次出品商品として最初に売買市場に一次流通させる一次出品者の情報と前記一次出品商品についての内容及び価格情報を含む一次出品情報と、前記一次出品商品として前記売買市場で流通したことがある商品を二次出品商品として前記売買市場に二次流通させる二次出品者と前記二次出品商品の内容及び価格情報を含む二次出品情報を少なくとも記憶した情報記憶部と、
前記一次出品情報及び前記二次出品情報に含まれる少なくとも前記内容及び前記価格情報を需要者の通信端末の表示画面に表示するための表示データを発信する表示データ発信部と、
前記需要者の通信端末を介して前記一次出品商品または前記二次出品商品の売買取引を実行する売買取引実行部と、
前記一次出品商品または前記二次出品商品の前記売買取引が成立した後に、成立した売買取引の情報を前記一次出品者に提供し且つ前記二次出品商品の売買代金の一部を前記一次出品者に配分するために必要な手続を実行する配分実行部を備え、
前記情報記憶部には、前記一次出品者が一次流通させた前記一次出品商品に関して直接または間接的に製品保証をする保証主体に関する保証主体情報と、前記一次出品商品について前記保証主体により直接または間接的に前記製品保証をすることが認証されているか否かについての認証情報が更に記憶されており、
前記配分実行部は、前記製品保証をすることが認証されている前記二次出品商品の前記売買取引が成立した後に、前記二次出品商品の売買代金の一部を前記一次出品者に配分するために必要な手続を実行する商品販売システム。
【請求項2】
前記一次出品者は、前記商品の製造業者、前記製造業者の販売代理業者、または、前記商品の販売事業者であり、
前記二次出品者は、前記商品の購入者である請求項1に記載の商品販売システム。
【請求項3】
前記保証主体によって認証されていない前記一次出品商品の前記一次出品情報を、前記保証主体が認証し得るように前記保証主体の通信端末に発信する認証用情報発信部と、
前記保証主体によって認証された前記一次出品商品についての前記認証情報を前記情報記憶部に記憶させる機能を有する情報登録部とをさらに備えてなる請求項に記載の商品販売システム。
【請求項4】
前記認証されている前記一次出品商品及び前記二次出品商品には、前記認証された商品であることを示す識別子が付けられている請求項またはに記載の商品販売システム。
【請求項5】
前記識別子は、二次元コードである請求項に記載の商品販売システム。
【請求項6】
前記表示データ発信部は、通信端末によって前記識別子が読み取られると、前記情報記憶部から前記識別子が付された商品の前記内容を読み出して前記通信端末の表示画面に表示するための前記表示データを発信する請求項またはに記載の商品販売システム。
【請求項7】
前記保証主体から前記二次出品者に参考価格についての情報を提供する参考価格情報提供部を更に備えている請求項に記載の商品販売システム。
【請求項8】
前記情報記憶部には、前記一次出品商品及び前記二次出品商品に関する前記製品保証の終了期限に関するデータが記憶されており、
前記表示データ発信部は、前記一次出品商品及び前記二次出品商品に前記製品保証の期間が残っている場合には、残りの前記製品保証の期間を前記表示データに含めて発信する請求項に記載の商品販売システム。
【請求項9】
商品の販売方法であって、
前記商品を一次出品商品として最初に売買市場に一次流通させる一次出品者の情報と前記一次出品商品についての内容及び価格情報を含む一次出品情報と、前記一次出品商品として前記売買市場で流通したことがある商品を二次出品商品として前記売買市場に二次流通させる二次出品者と前記二次出品商品の内容及び価格情報を含む二次出品情報を少なくとも記憶させる情報記憶ステップと、
前記一次出品情報及び前記二次出品情報に含まれる少なくとも前記内容及び前記価格情報を需要者の通信端末の表示画面に表示するための表示データを発信する表示データ発信ステップと、
前記需要者の通信端末を介して前記一次出品商品または前記二次出品商品の売買取引を実行する売買取引実行ステップと、
前記一次出品商品または前記二次出品商品の前記売買取引が成立した後に、成立した売買取引の情報を前記一次出品者に提供し且つ前記二次出品商品の売買代金の一部を前記一次出品者に配分するために必要な手続を実行する配分実行ステップからなり、
前記情報記憶ステップでは、更に、前記一次出品者が一次流通させた前記一次出品商品に関して直接または間接的に製品保証をする保証主体に関する保証主体情報と、前記一次出品商品について前記保証主体により直接または間接的に前記製品保証をすることが認証されているか否かについての認証情報を記憶させ、
前記配分実行ステップでは、前記製品保証をすることが認証されている前記二次出品商品の前記売買取引が成立した後に、前記二次出品商品の売買代金の一部を前記一次出品者に配分する商品の販売方法。
【請求項10】
コンピュータにインストールされて実行される、商品販売用コンピュータプログラムであって、
前記商品を一次出品商品として最初に売買市場に一次流通させる一次出品者の情報と前記一次出品商品についての内容及び価格情報を含む一次出品情報と、前記一次出品商品として前記売買市場で流通したことがある商品を二次出品商品として前記売買市場に二次流通させる二次出品者と前記二次出品商品の内容及び価格情報を含む二次出品情報を少なくとも記憶した情報記憶部と、
前記一次出品情報及び前記二次出品情報に含まれる少なくとも前記内容及び前記価格情報を需要者の通信端末の表示画面に表示するための表示データを発信する表示データ発信部と、
前記需要者の通信端末を介して前記一次出品商品または前記二次出品商品の売買取引を実行する売買取引実行部と、
前記一次出品商品または前記二次出品商品の前記売買取引が成立した後に、成立した売買取引の情報を前記一次出品者に提供し且つ前記二次出品商品の売買代金の一部を前記一次出品者に配分するために必要な手続を実行する配分実行部を前記コンピュータ内に実現するように構成され、
前記情報記憶部には、前記一次出品者が一次流通させた前記一次出品商品に関して直接または間接的に製品保証をする保証主体に関する保証主体情報と、前記一次出品商品について前記保証主体により直接または間接的に前記製品保証をすることが認証されているか否かについての認証情報が更に記憶されており、
前記配分実行部は、前記製品保証をすることが認証されている前記二次出品商品の前記売買取引が成立した後に、前記二次出品商品の売買代金の一部を前記一次出品者に配分するために必要な手続を実行する商品販売用コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品販売システム、商品の販売方法及び商品販売用コンピュータプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
所有している商品を二次流通させる商品販売システムが普及している。このような商品販売システムは、例えば、特開2002-49769号公報(特許文献1)や特開2018-41446号公報(特許文献2)に開示されているように、オンライン上で、出品者と需要者をマッチングさせ、商品の売買取引を実行するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-49769号公報
【文献】特開2018-41446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、製造業者(メーカー)や代理店は、卸売業者に商品を卸して利益を得ている。家具のような高単価商品の場合には、流通市場において、製造業者や代理店の力関係は弱くなっている傾向がある。そのため、製造業者や代理店が価格決定権を有しておらず、製造業者や代理店が自ら販売を行う直販をしないと利幅が取りにくい状況が生まれている。
【0005】
製造業者がこのような状況にあるにもかかわらず、従来の二次流通用の商品販売システムでは、利益を得られるのは二次出品者と、二次流通システムの運営者である。しかしながら二次流通する二次出品商品が破損したり、経年劣化をした場合の修理依頼や、二次流通する二次出品商品の取り扱い等に関する問い合わせは、需要者から製造業者や代理店にくることが多い。このような場合でも、製造業者側では、一次出品商品か二次出品商品かを確認することができないので、製造業者はこのような要望にも、無償または安価な価格で対応せざるをえない場合があり、製造業者等の一次出品者のサービス提供意欲を低下させている現状がある。
【0006】
本発明の目的は、一次出品者に一次出品商品の売買市場を提供するのと一緒に、一次出品者に二次出品商品の存在を知らせるとともに、二次出品商品に対するサービス提供意欲の低下を抑制できる商品販売システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の商品販売システムは、情報記憶部と、表示データ発信部と、売買取引実行部と、配分実行部を備えている。情報記憶部は、商品を一次出品商品として最初に売買市場に一次流通させる一次出品者の情報と一次出品商品についての内容及び価格情報を含む一次出品情報と、一次出品商品として売買市場で流通したことがある商品を二次出品商品として売買市場に二次流通させる二次出品者と二次出品商品の内容及び価格情報を含む二次出品情報を少なくとも記憶している。表示データ発信部は、一次出品情報及び二次出品情報に含まれる少なくとも内容及び価格情報を需要者の通信端末の表示画面に表示するための表示データを発信する。売買取引実行部は、需要者の通信端末を介して一次出品商品または二次出品商品の売買取引を実行する。配分実行部は、一次出品商品または二次出品商品の売買取引が成立した後に、成立した売買取引の情報を一次出品者に提供し且つ二次出品商品の売買代金の一部を一次出品者に配分するために必要な手続を実行する。
【0008】
本発明の商品販売システムでは、売買取引実行部により二次出品商品の売買取引が成立した後に、表示データ発信部により成立した売買取引の情報を一次出品者にも提供することで、一次出品者に二次出品商品の存在を知らせ、また、配分実行部によりその売買代金の一部を一次出品者にも配分するため、一次出品者の二次出品商品に対するサービス提供意欲(例えば、製品保証に対する意欲)の低下を抑制できる。本明細書においては、一次出品者に配分される売買代金の一部を「レベニュー・シェア(revenue share)」と呼ぶ。
【0009】
なお、本明細書においては、本発明の商品販売システムが形成する売買市場に初めて出品された商品が「一次出品商品」であり、該売買市場で流通したことがある商品が再度売買市場に出品された商品が「二次出品商品」である。そのため、「一次出品商品」は、必ずしも新品の商品とは限らず、中古の商品も含まれ得る概念であり、「二次出品商品」は、二回目に出品される商品でも、三回目に出品される商品でも二次出品商品である。
【0010】
ここで「一次出品者」とは、「一次出品商品」を出品した者であり、商品の製造業者、製造業者の販売代理業者(輸入業者、卸売り業者を含む)、または、商品の販売事業者が想定されるが、これに限られるものではない。また、「二次出品者」とは、商品の購入者であり、二次出品商品を出品した者のことである。
【0011】
情報記憶部には、一次出品者が一次流通させた一次出品商品に関して直接または間接的に製品保証をする保証主体に関する保証主体情報と、一次出品商品について保証主体により直接または間接的に製品保証をすることが認証されているか否かについての認証情報が更に記憶されていてもよい。そして、配分実行部は、製品保証をすることが認証されている二次出品商品の売買取引が成立した後に、二次出品商品の売買代金の一部を一次出品者に配分するために必要な手続を実行するようになっていてもよい。保証主体は、商品によって異なってもよいが、例えば、商品の製造業者等が想定される。したがって、商品の需要者は、認証情報の有無を確認することで安心して商品を購入することができる。また、売買代金の一部を製品保証の対価として一次出品者に配分することが可能となる。
【0012】
売買市場には、保証主体によって認証されていない一次出品商品が出品されることもある。そのような商品に対応するため、商品販売システムは、保証主体によって認証されていない一次出品商品の一次出品情報を、保証主体が認証し得るように保証主体の通信端末に発信する認証用情報発信部と、保証主体によって認証された一次出品商品についての認証情報を情報記憶部に記憶させる機能を有する情報登録部とをさらに備えていてもよい。このようにすれば、保証主体によって認証されていない一次出品商品が出品された場合でも、後から認証情報を付与することが可能となる。
【0013】
認証されているか否かは認証情報として管理しているので必須ではないが、商品が認証されている一次出品商品及び二次出品商品には、認証された商品であることを示す識別子が付けられていることが好ましい。このようにすれば、識別子を見るだけで、認証されている商品かどうかを判別することができる。
【0014】
識別子は、どのようなものでもよいが、例えば、QRコード(登録商標)に代表される、二次元コードであってもよい。さらに、通信端末によって識別子が読み取られると、表示データ発信部が情報記憶部から識別子が付された商品の内容を読み出して通信端末の表示画面に表示するための表示データを発信するようになっていてもよい。このような識別子にすれば、二次出品者が商品を売買市場に出品する際に、商品の内容を入力する手間が省けて、二次出品が盛んに行われることになる。
【0015】
二次出品商品の価格は、商品自体の状態、商品の流通量。時期等、様々な要因によって定まるものであり、二次出品者が適切な価格を設定できないことが考えられる。そのため、本発明の商品販売システムでは、保証主体から二次出品者に参考価格についての情報を提供する参考価格情報提供部を更に備えていてもよい。これにより、二次出品者は、保証主体から適正と思われる参考価格を参考にして、出品価格を決定することが可能となる。
【0016】
情報記憶部には、一次出品商品及び二次出品商品に関する製品保証の終了期限に関するデータが記憶されており、表示データ発信部は、一次出品商品及び二次出品商品に製品保証の期間が残っている場合には、残りの製品保証の期間を表示データに含めて発信してもよい。
【0017】
本発明は商品の販売方法としても把握する(または表現する)ことができる。本発明の商品の販売方法は、商品を一次出品商品として最初に売買市場に一次流通させる一次出品者の情報と一次出品商品についての内容及び価格情報を含む一次出品情報と、一次出品商品として売買市場で流通したことがある商品を二次出品商品として売買市場に二次流通させる二次出品者と二次出品商品の内容及び価格情報を含む二次出品情報を少なくとも記憶させる情報記憶ステップと、一次出品情報及び二次出品情報に含まれる少なくとも内容及び価格情報を需要者の通信端末の表示画面に表示するための表示データを発信する表示データ発信ステップと、需要者の通信端末を介して一次出品商品または二次出品商品の売買取引を実行する売買取引実行ステップと、一次出品商品または二次出品商品の売買取引が成立した後に、成立した売買取引の情報を一次出品者に提供し且つ二次出品商品の売買代金の一部を一次出品者に配分するために必要な手続を実行する配分実行ステップからなる。
【0018】
情報記憶ステップでは、更に、一次出品者が一次流通させた一次出品商品に関して直接または間接的に製品保証をする保証主体に関する保証主体情報と、一次出品商品について保証主体により直接または間接的に製品保証をすることが認証されているか否かについての認証情報を記憶させ、配分実行ステップでは、製品保証をすることが認証されている二次出品商品の売買取引が成立した後に、二次出品商品の売買代金の一部を一次出品者に配分してもよい。
【0019】
本発明はコンピュータにインストールされて実行される、商品販売用コンピュータプログラムとしても把握する(または表現する)ことができる。本発明の商品販売用コンピュータプログラムは、商品を一次出品商品として最初に売買市場に一次流通させる一次出品者の情報と一次出品商品についての内容及び価格情報を含む一次出品情報と、一次出品商品として売買市場で流通したことがある商品を二次出品商品として売買市場に二次流通させる二次出品者と二次出品商品の内容及び価格情報を含む二次出品情報を少なくとも記憶した情報記憶部と、一次出品情報及び二次出品情報に含まれる少なくとも内容及び価格情報を需要者の通信端末の表示画面に表示するための表示データを発信する表示データ発信部と、需要者の通信端末を介して一次出品商品または二次出品商品の売買取引を実行する売買取引実行部と、一次出品商品または二次出品商品の売買取引が成立した後に、成立した売買取引の情報を一次出品者に提供し且つ二次出品商品の売買代金の一部を一次出品者に配分するために必要な手続を実行する配分実行部をコンピュータ内に実現するように構成されている。
【0020】
情報記憶部には、一次出品者が一次流通させた一次出品商品に関して直接または間接的に製品保証をする保証主体に関する保証主体情報と、一次出品商品について保証主体により直接または間接的に製品保証をすることが認証されているか否かについての認証情報が更に記憶されており、配分実行部は、製品保証をすることが認証されている二次出品商品の売買取引が成立した後に、二次出品商品の売買代金の一部を一次出品者に配分するために必要な手続を実行してもよい。なおこのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録してもよいのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の商品販売システムの一例を示すブロック図である。
図2】ケース1の場合の一次出品の流れを示すフローチャートである。
図3】ケース1の場合の二次出品の流れを示すフローチャートである。
図4】商品に貼付した識別子ICの例を示す図である。
図5】(A)及び(B)は、識別子ICを利用した二次出品を示す図である。
図6】ケース2の場合の一次出品の流れを示すフローチャートである。
図7】ケース2の場合の二次出品の流れを示すフローチャートである。
図8】ケース3の場合の一次出品の流れを示すフローチャートである。
図9】ケース3の場合の二次出品の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明の商品販売システム、商品の販売方法及び商品販売用コンピュータプログラムの実施の形態を詳細に説明する。
【0023】
<全体構成>
図1は、本実施の形態の商品販売用コンピュータプログラムを実行することで実現される商品販売システムの一例を示すブロック図である。商品販売システム1は、複数のユーザ端末3(3A,3B,3C,3D・・・)と管理サーバ5とから構成されている。
【0024】
商品販売システム1は、商品の売買市場を形成し、一次出品者及び二次出品者と需要者をマッチングさせ、商品の売買取引を実行するものであり、一次出品商品または二次出品商品の売買取引が成立した後に、成立した売買取引の情報を一次出品者に提供し且つ二次出品商品の売買代金の一部を一次出品者(保証主体)に配分するものである。
【0025】
「商品」は、有体動産であり、本実施の形態では、特に、家具のような高単価商品を想定している。該売買市場に初めて出品された商品が「一次出品商品」であり、一次出品商品を出品した者が「一次出品者」である。そして、該売買市場で流通したことがある商品が再度売買市場に出品された商品が「二次出品商品」であり、二次出品商品を出品した者が「二次出品者」である。本願明細書において「製品保証」は、保証主体によって提供される保証であって、通常は製造業者が提供する保証(商品が破損したり、経年劣化をした場合の修理)であるが、保証主体によっては、製造業者が商品自体に対して付与している本来の保証よりも手厚く(例えば、修理代金の値引き等)、また、期間の長い保証を提供することも想定される。
【0026】
本実施の形態では、「一次出品者」として、次の3通りを想定している:
・ケース1 ・・・ 商品の製造業者
・ケース2 ・・・ 商品の販売代理業者。製造業者と代理店契約を締結した者や、製造業者から商品を仕入れる輸入業者、卸売り業者を含み、商品の製造業者と直接的な関係を有している業者である
・ケース3 ・・・ 商品の販売事業者。製造業者とは直接的な関係を有さない業者である。
【0027】
複数のユーザ端末3は、携帯電話、スマートフォン、パソコン等が想定されるが、これらに限られるものではない。各ユーザ端末3は、汎用端末であり、電気通信回線NWと接続するための通信部7、タッチパネルやカメラ等の入力部9、データ記憶部11、制御部13、制御部13の一部を構成する表示制御部15、及び、表示画面17を有している。本システムのユーザは、予め、自身のユーザ端末3に商品販売用コンピュータプログラムのうちユーザ端末3の動作に必要な部分のプログラムをインストールしておく。これにより、商品販売用コンピュータプログラムを実行することで、該ユーザ向けに商品販売システム1が構築される。ユーザは自身のユーザ端末3を操作することで、商品販売用コンピュータプログラムを介して、商品販売システム1を利用することができる。もちろん、個別のコンピュータプログラムでなく、ウェブブラウザで商品販売システム1のウェブサイトを開くことで商品販売システム1を利用可能にするようにしてもよい。各ユーザ端末3は、専用端末であってもよいのはもちろんである。
【0028】
図1においては、複数のユーザ端末3は、説明の便宜上、4台図示してあるが、他にも多数のユーザ端末3が接続されていてもよいのはもちろんである。また、それぞれのユーザ端末3は本質的には同じものであるが、使用者の使用時の立場に応じて、使用者が一次出品者である場合には一次出品者端末3A、使用者が二次出品者の場合には二次出品者端末3B、使用者が需要者の場合には需要者端末3C、使用者が保証主体の場合には保証主体端末3Dと区別して図示してある。また、それぞれのユーザ端末3の構成要素についても、区別して説明する必要がある場合には、構成要素の符号に、対応する端末種別の符号A,B,CまたはDを付して区別する。
【0029】
管理サーバ5は、電気通信回線NWと接続された通信部19と、情報記憶部21と、制御部23とから構成されている。制御部23は、表示データ発信部25と、売買取引実行部27と、配分実行部29と、認証用情報発信部31と、情報登録部33と、参考価格情報提供部35を備えている。
【0030】
情報記憶部21は、管理サーバ5が保持しているデータベースであり、一次出品者の情報と一次出品商品についての内容(商品ID含む)及び価格情報を含む一次出品情報と、二次出品者と二次出品商品の内容(商品IDや、過去の需要者に関する情報、製品保証の終了期限や残余期間を含む)及び価格情報を含む二次出品情報とを少なくとも記憶し、さらに本実施の形態では、一次出品者が一次流通させた一次出品商品に関して直接または間接的に製品保証をする保証主体に関する保証主体情報と、一次出品商品について保証主体により直接または間接的に製品保証をすることが認証されているか否かについての認証情報と、過去にこの商品で発生した「レベニュー・シェア」(一次出品者に配分された売買代金の一部)の額も記憶している。保証主体は、商品によって異なってもよいが、本実施の形態では、該商品の製造業者としている。
【0031】
表示データ発信部25は、需要者端末3Cからの要求にしたがい、需要者端末3Cに対して、一次出品情報及び二次出品情報に含まれる少なくとも内容及び価格情報を需要者端末3Cの表示画面17Cに表示するための表示データを発信する。
【0032】
売買取引実行部27は、需要者端末3Cを介して一次出品商品または二次出品商品の売買取引を実行する。
【0033】
配分実行部29は、一次出品商品または二次出品商品の売買取引が成立した後に、成立した売買取引の情報を一次出品者に提供し且つ二次出品商品の売買代金の一部を一次出品者に配分するために必要な手続を実行する。本実施の形態では、特に、製品保証をすることが認証されている二次出品商品の売買取引が成立した後に、二次出品商品の売買代金の一部「レベニュー・シェア」を一次出品者に配分するために必要な手続を実行する。
【0034】
認証用情報発信部31は、保証主体によって認証されていない一次出品商品の一次出品情報を、保証主体が認証し得るように保証主体端末3Dに発信する。すなわち、ケース3の場合の一次出品者が出品する一次出品商品には、出品時点では、上述の製品保証の認証が付されていないため、認証用情報発信部31は、ケース3の場合の一次出品者により一次出品商品が出品された場合に機能するものである。保証主体によって認証されると、情報登録部33が認証情報を情報記憶部21に記憶させる。
【0035】
参考価格情報提供部35は、保証主体から二次出品者に参考価格についての情報を提供する。参考価格は保証主体によって予め登録されていてもよく、また、二次出品者からの問い合わせに応じて、保証主体が登録するようになっていてもよい。
【0036】
<フローチャート>
〔ケース1(一次出品者が商品の製造業者の場合)〕
図2及び図3のフローチャートを用いて、ケース1(一次出品者が商品の製造業者の場合)の一次出品及び二次出品の流れを説明する。図2及び図3では、実行者を、上から一次出品者、商品販売システム1の運営者、一次出品商品の需要者(購入者)(=二次出品者)、二次出品商品の需要者の行ごとに分けて、実行する各ステップを配置している。
【0037】
まず、図2を用いて、一次出品の流れを説明する。一次出品者である商品の製造業者が、一次出品者端末3Aを用いて出品登録を行う。製造業者が出品しているので、この時点で製品保証の認証も行われる(ステップST001)。出品登録の際には、一次出品者は、一次出品者端末3Aを用いて、商品を特定する情報や、商品の状態を入力し、必要に応じて撮影した写真等も添付する。
【0038】
出品登録が行われると、商品を特定する商品IDが付与され、商品販売システム1の運営者は、出品内容が適切であるかの確認を行い(ステップST002)、問題がなければ、商品は一次出品商品として、売買市場に掲示され、需要者(購入者)が現れるのを待つことになる。同時期に、運営者からは、識別子ICの発行が行われ、識別子ICを受け取った一次出品者は、商品に識別子ICを貼付する(図4参照)。
【0039】
需要者が現れ、需要者が商品の購入を申し出ると(ステップST003)、運営者は、購入内容を確認し、一次出品者に発注を行う(ステップST004)。発注を受けた一次出品者は、発注内容を確認し(ステップST005)、商品の送付手続きをとる(ステップST006)。商品が到着した需要者は、商品の確認を行い(ステップST007)、商品に問題がなければ売買代金の支払い手続きを行い(ステップST008)、何らかの問題があった場合には、返品手続きを行う(ステップST009)。売買代金の支払い手続きが行われると、運営者は入金を確認し(ステップST010)、金額等に問題がなければ、一部を手数料として控除した上で、一次出品者に対する支払い手続きを行い(ステップST011)、問題があった場合には、売買代金が適正となるように需要者に対して連絡を行い、支払いを促す(ステップST012→ステップST008)。一次出品者が売買代金の入金を確認して一次出品商品の取引は完了となる(ステップST013)。
【0040】
次に、図3を用いて、同商品の二次出品の流れを説明する。この場合、二次出品者は、一次出品商品の需要者(購入者)である。二次出品者は、二次出品者端末3Bを用いて、出品登録を行う(ステップST014)。商品には、一次出品の際に付された識別子ICが付されているため、二次出品者は、図5(A)に示すように、二次出品者端末3Bを用いて識別子ICを読み取ることで、情報記憶部21から商品の内容を読み出して表示画面17Cに商品の内容が表示される。これにより出品に必要な情報はほぼそろうことになるので、二次出品者は、商品の状態や価格を設定するだけで、容易に出品が可能となる(図5(B))。商品の価格を決定する際、二次出品者は、参考価格情報提供部35が提示する価格を参考にしてもよい。
【0041】
出品登録が行われると、商品販売システム1の運営者は、出品内容が適切であるかの確認を行い(ステップST015)、問題がなければ、商品は二次出品商品として、売買市場に掲示され、需要者が現れるのを待つことになる。需要者が現れ、需要者が商品を購入を申し出ると(ステップST016)、運営者は、購入内容を確認し、二次出品者に発注を行う(ステップST017)。発注を受けた二次出品者は、発注内容を確認し(ステップST018)、商品の送付手続きをとる(ステップST019)。商品が到着した需要者は、商品の確認を行い(ステップST020)、商品に問題がなければ売買代金の支払い手続きを行い(ステップST021)、何らかの問題があった場合には、返品手続きを行う(ステップST022)。売買代金の支払い手続きが行われると、運営者は入金を確認し(ステップST023)、金額等に問題がなければ、一部を手数料として控除した上で、二次出品者に対する支払い手続きを行う(ステップST024)。本実施の形態では、この際に、併せて、売買代金の一部を「レベニュー・シェア」として一次出品者に支払う。需要者からの支払いに問題があった場合には、売買代金が適正となるように需要者に対して連絡を行い、支払いを促す(ステップST025→ステップST021)。二次出品者が売買代金の入金を確認して、且つ、一次出品者がレベニュー・シェアの入金を確認して、二次出品商品の取引は完了となる(ステップST026及びステップST027)。
【0042】
二次出品商品の需要者が、再度、商品を二次出品する場合には、再び、図3の流れに沿った二次出品になる。
【0043】
〔ケース2(一次出品者が商品の販売代理業者の場合)〕
図6及び図7のフローチャートを用いて、ケース2(一次出品者が商品の販売代理業者の場合)の一次出品及び二次出品の流れを説明する。ケース2では、一次出品者が商品の販売代理業者であり、図6及び図7では、実行者を、上から製造業者、一次出品者、商品販売システム1の運営者、一次出品商品の需要者(購入者)(=二次出品者)、二次出品商品の需要者(購入者)の行ごとに分けて、実行する各ステップを配置している。
【0044】
ケース2では、一次出品者が商品の販売代理業者であり、製造業者の依頼に基づいて、一次出品を行う。製造業者と一次出品者が異なることを除いて、ケース1とほぼ同じであることから、図6及び図7では、ケース1と共通する部分については、図2及び図3のフローチャートのステップに100を加えたステップとして、その説明を省略する。
【0045】
図7に示すように、ケース2では、二次出品商品の売買において、運営者から二次出品者に対する支払い手続き、及び、売買代金の一部を一次出品者に支払った後(ステップST124)、一次出品者は、入金を確認したら(ステップST127-1)、製造業者(保証主体)に対して、その一部を「レベニュー・シェア」として支払う(ステップST127-2)。一次出品者の取り分は、一次出品者と製造業者間での契約によって定められる。
【0046】
一次出品者からレベニュー・シェアの支払い忘れを防止するため、例えば、ステップST123で運営者が入金を確認したら、併せて、二次出品商品が売買された事実や、販売レポートを製造業者に通知するようにしてもよい。このようにしておけば、製造業者の方から、一次出品者に対して、レベニュー・シェアの確認をとることができるようになる。
【0047】
二次出品商品の需要者が、再度、商品を二次出品する場合には、再び、図7の流れに沿った二次出品になる。
【0048】
〔ケース3(一次出品者が商品の販売事業者の場合)〕
図8及び図9のフローチャートを用いて、ケース3(一次出品者が商品の販売代理業者の場合)の一次出品及び二次出品の流れを説明する。ケース3では、一次出品者が商品の販売事業者であり、図6及び図7では、実行者を、上から製造業者、一次出品者、商品販売システム1の運営者、一次出品商品の需要者(購入者)(=二次出品者)、二次出品商品の需要者(購入者)の行ごとに分けて、実行する各ステップを配置している。図8及び図9では、ケース1と共通する部分については、図2及び図3のフローチャートのステップに200を加えたステップとして、また、ケース2と共通する部分については、図6及び図7のフローチャートのステップに100を加えたステップとして、その説明を省略する。
【0049】
ケース3では、一次出品者が商品の販売事業者であり、製造業者と直接的な関係を有していない。そのため、一次商品の出品の時点では、商品には製品保証の認証が付いていない。そこで、ケース3では、一次出品において、出品登録が行われると(ステップST201)、運営者による確認(ステップST202-1)と併せて、一次出品者によって入力された商品の製造業者に関する情報に基づいて、認証を受けるため製造業者に対して出品の事実を通知するようになっている(ステップST202-2)。認証が受けられれば、運営者は、識別子ICを発行し、以後は同様の流れとなる(ケース2と同様、製造業者は、二次出品の場合に、レベニュー・シェアを受け取ることが可能である(ステップSTST227-2))。認証が得られなければ、製造業者はレベニュー・シェアを受け取る権利はないが、本システム上は直接的には製品保証する義務を負わないことになる。
【0050】
二次出品商品の需要者が、再度、商品を二次出品する場合には、再び、図9の流れに沿った二次出品になる。
【0051】
〔その他〕
ケース1~3のいずれの場合も、製品保証の期限が過ぎてしまった商品や、識別子ICの紛失・滅失・棄損が生じてしまった商品を二次出品しようとする場合には、本システムに基づく二次出品はできない。そのため、そのような場合には、ケース3に準じて、改めて一次出品を行うことになる。
【0052】
需要者(購入者)は、商品について保証主体による保証を受けたい場合には、需要者端末3Cを用いて商品に貼付された識別子ICを読み取ることで、保証主体の連絡先等を知ることもできる。
【0053】
上記実施の形態は、一例として記載したものであり、その要旨を逸脱しない限り、本発明は本実施例に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明によれば、二次出品商品の売買取引が成立した後に、成立した売買取引の情報を一次出品者にも提供することで、一次出品者に二次出品商品の存在を知らせ、また、その売買代金の一部を一次出品者にも配分するため、一次出品者の二次出品商品に対するサービス提供意欲の低下を抑制できる商品販売システム、商品の販売方法及び商品販売用コンピュータプログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 商品販売システム
3 ユーザ端末
5 管理サーバ
7 通信部
9 入力部
11 データ記憶部
13 制御部
15 表示制御部
17 表示画面
19 通信部
21 情報記憶部
23 制御部
25 表示データ発信部
27 売買取引実行部
29 配分実行部
31 認証用情報発信部
33 情報登録部
35 参考価格情報提供部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9