(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】側管部用キャップ及びY型コネクタ
(51)【国際特許分類】
A61M 39/10 20060101AFI20241209BHJP
A61M 39/06 20060101ALI20241209BHJP
A61M 25/06 20060101ALI20241209BHJP
【FI】
A61M39/10
A61M39/06 100
A61M25/06 500
(21)【出願番号】P 2020186702
(22)【出願日】2020-11-09
【審査請求日】2023-09-19
(73)【特許権者】
【識別番号】591245624
【氏名又は名称】株式会社東海メディカルプロダクツ
(74)【代理人】
【識別番号】100129676
【氏名又は名称】▲高▼荒 新一
(72)【発明者】
【氏名】加藤 宏成
(72)【発明者】
【氏名】秋岡 貴生
【審査官】上石 大
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-237321(JP,A)
【文献】特開平10-201849(JP,A)
【文献】米国特許第08066648(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 39/10
A61M 39/06
A61M 25/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイドワイヤ又はカテーテル等の線状に形成された導入部材が挿通される主管通路部を長手方向に有する主管部及び前記主管部から側方方向に延びた側管通路部を有する側管部を備えたY型コネクタ本体部の前記側管部に取り付けられる側管部用キャップにおいて、
前記側管部に取り付けられるキャップ部と、前記キャップ部の先端に取り付けられ前記キャップ部から連通するルーメンを有し、
前記Y型コネクタ本体部の素材よりも摺動性が高い素材で作製されるとともに、前記Y型コネクタ本体部の素材よりも軟質な素材で作製された摺動用チューブと、を備えていることを特徴とする側管部用キャップ。
【請求項2】
前記摺動用チューブは、先端が長手方向に対して斜めになるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の側管部用キャップ。
【請求項3】
前記摺動用チューブは、前記主管通路部まで到達する長さであることを特徴とする請求項1又は2に記載の側管部用キャップ。
【請求項4】
前記摺動用チューブは、外部から回転可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の側管部用キャップ。
【請求項5】
前記摺動用チューブは、取り外し自在であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の側管部用キャップ。
【請求項6】
前記摺動用チューブは、シリコンゴム、フッ素ゴム、ポリエチレン、フッ素系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー及びポリエステル系エラストマーからなるチューブ、これらのチューブ内にシリコンオイル等の潤滑剤を塗布したチューブ、及びこれらチューブ内にシリコンオイル等の潤滑剤を配合してなるチューブから選択されるものであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の側管部用キャップ。
【請求項7】
前記摺動用チューブは、2層構造であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の側管部用キャップ。
【請求項8】
前記摺動用チューブは、前記2層構造の内周側は、パラキシリレン系ポリマー、フッ素樹脂層、フッ素配合樹脂層又はDLCコーティングであることを特徴とする請求項7に記載の側管部用キャップ。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の側管部用キャップが取り付けられてなるY型コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、側管部用キャップ及びY型コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガイドワイヤやカテーテルを挿入したり又は引いたりする操作を容易にするために、Y型コネクタが使用されている。Y型コネクタとしては、カテーテルを通す筒状のメインブランチから、液剤注入用である筒状のサブブランチが分岐したY型コネクタにおいて、メインブランチの内部に、筒状で長手方向の圧縮により孔の径が縮小し、当該孔に通されたカテーテルを固定する固定弁を設けるとともに、カテーテルの通過を包み込み状態で許容し、血液の流出を防止可能な第1止血弁及び第2止血弁を設け、更に、メインブランチの基端側に、長手方向に移動可能な筒状のオープナーを設けるとともに、第1止血弁のみを、オープナーの移動範囲内に配置したものが提案されている(特許文献1)。
【0003】
しかしながら、かかるY型コネクタは、サブブランチ側からガイドワイヤやカテーテルを挿入した場合に、ガイドワイヤやカテーテルがメインブランチに合流する部位で急激に湾曲するため、ガイドワイヤやカテーテルを抜き差しする際に大きな抵抗となり、抜き差ししづらくなるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、ガイドワイヤ又はカテーテル等の線状に形成された導入部材が挿通される主管通路部を長手方向に有する主管部及び主管部から側方方向に延びた側管部を有するY型コネクタ本体部の側管部に側管部用キャップを取付けることで、側管部からカテーテルやガイドワイヤを挿入した場合に抵抗が小さく、スムーズに抜き差しを行うことができる側管部用キャップ及びY型コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明にかかる側管部用キャップは、ガイドワイヤ又はカテーテル等の線状に形成された導入部材が挿通される主管通路部を長手方向に有する主管部及び前記主管部から側方方向に延びた側管通路部を有する側管部を備えたY型コネクタ本体部の前記側管部に取り付けられる側管部用キャップにおいて、
前記側管部に取り付けられるキャップ部と、前記キャップ部の先端に取り付けられ、前記キャップ部から連通するルーメンを有し、前記Y型コネクタ本体部の素材よりも軟質な素材で作製された摺動用チューブと、を備えていることを特徴とする。
【0008】
本発明にかかる側管部用キャップは、Y型コネクタの側管部に取り付けることで、側管部のルーメンの内側に軟質な素材で作製された摺動用チューブを取り付けることができる。これにより、ガイドワイヤやカテーテル等の導入部材が接触して抵抗となりやすい部位、例えば、側管通路部と主管通路部との合流部位又はその近傍に軟質な素材がルーメン内に配置され、摺動用チューブに接触して導入、引き出しがなされることになる。したがって、抜き差しする際の抵抗を小さくすることができスムーズに抜き差しすることができる。また、側管部から通されるガイドワイヤやカテーテル等が直接Y型コネクタ本体に接触して、Y型コネクタ本体の素材を摩耗させることを防止することができる。
【0009】
また、本発明にかかる側管部用キャップにおいて、前記摺動用チューブは、前記Y型コネクタ本体部の素材よりも摺動性が高い素材で作製されていることを特徴とするものであってもよい。
【0010】
側管通路部と主管通路部との合流部位又はその近傍に軟質でかつ摺動性が高い素材がルーメン内に配置されることで、抜き差しする際の抵抗をさらに小さくすることができ、スムーズに抜き差しすることができる。
【0011】
また、本発明にかかる側管用キャップにおいて、前記摺動用チューブは、先端が長手方向に対して斜めになるように形成されていることを特徴とするものであってもよい。
【0012】
斜めにカットされた形態を採用することで、主管部ぎりぎりまで摺動用チューブを配置することができ、側管通路部と主管通路部との合流部位を効果的に保護することができる。
【0013】
さらに、本発明にかかる側管部用キャップにおいて、前記摺動用チューブは、主管通路部まで到達する長さであることを特徴とするものであってもよい。
【0014】
かかる構成を採用することによって、主管部と側管部の合流部において、ガイドワイヤやカテーテル等の導入部材が主管部や側管部の側面と接触する可能性を低減することができる。
【0015】
さらに、本発明にかかる側管部用キャップにおいて、前記摺動用チューブは、外部から回転可能であることを特徴とするものであってもよい。
【0016】
かかる構成を採用することによって、摺動用チューブの先端を斜めにカットした場合でも側管部内又は主管部内で好適な方向に調整して設置することが可能となる。
【0017】
さらに、本発明にかかる側管部用キャップにおいて、前記摺動用チューブは、取り外し自在であることを特徴とするものであってもよい。
【0018】
かかる構成を採用することによって、摺動用チューブが不要である場合には、摺動用チューブを取り外すことによって、通常のY型コネクタとして使用することができる。
【0019】
さらに、本発明にかかる側管部用キャップにおいて、前記摺動用チューブは、シリコンゴム、フッ素ゴム、ポリエチレン、フッ素系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー及びポリエステル系エラストマーからなるチューブ、これらのチューブ内にシリコンオイル等の潤滑剤を塗布したチューブ、及びこれらチューブ内にシリコンオイル等の潤滑剤を配合してなるチューブから選択されるものであることを特徴とするものであってもよい。
【0020】
これらの素材を使用することによって、ガイドワイヤやカテーテル等の導入部材をスムーズに抜き差しすることができ、ガイドワイヤやカテーテル等の導入部材との摺動によって摺動用チューブが削れることを防止することができる。
【0021】
さらに、本発明にかかる側管部用キャップにおいて、前記摺動用チューブは、2層構造であることを特徴とするものであってもよい。
【0022】
2層構造の摺動用チューブを採用することによって、全体の柔軟性と内周面の摺動性の両方を好適に設計した摺動用チューブを提供することができる。例えば、外層には柔軟性を重視した素材を選択し、内層は、摺動性を重視した素材を選択したりすることによって、より柔軟性が高く、かつ摺動性がよい摺動用チューブを提供することができる。
【0023】
さらに、本発明にかかる側管部用キャップにおいて、前記摺動用チューブは、前記2層構造の内周側は、パラキシリレン系ポリマー、フッ素樹脂層、フッ素配合樹脂層又はDLCコーティングであることを特徴とするものであってもよい。
【0024】
かかる材料を使用することによって、内周面に高い摺動性を有する摺動用チューブを提供することができる。
【0025】
本発明は、さらに、前述した側管部用キャップが取り付けられてなるY型コネクタをも提供する。
【0026】
また、本発明は、ガイドワイヤ又はカテーテル等の線状に形成された導入部材が挿通される主管通路部を長手方向に有する主管部及び前記主管部から側方方向に延びた側管通路部を有する側管部を備えたY型コネクタ本体部と、
前記Y型コネクタ本体部の素材よりも軟質な素材で作製された摺動用チューブが前記側管通路部内に接着固定されていることを特徴とするY型コネクタを提供する。
【0027】
かかる構成によっても、側管通路部と主管通路部との合流部位又はその近傍に摺動性が高くかつ軟質な素材がルーメン内に配置され、抜き差しする際の抵抗を小さくすることができスムーズに抜き差しすることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明にかかる側管部用キャップ及びY型コネクタによれば、ガイドワイヤ又はカテーテル等の導入部材を側管部側から挿入した場合に、導入部材を引き抜く際に当接する部位が高い摺動性を有するので、抵抗がなくスムーズな引き抜きを可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1は、第1実施形態にかかるY型コネクタ100の斜視図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態にかかるY型コネクタ100の断面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態にかかる側管用キャップ70の斜視図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態にかかるY型コネクタ100の別実施形態を示す断面図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態にかかるY型コネクタ100のさらなる別実施形態を示す断面図である。
【
図6】
図6は、第2実施形態にかかるY型コネクタ100の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
次に、本発明にかかる側管部用キャップ70及びY型コネクタ100の実施形態について、図を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。なお、説明の便宜のため、特許請求の範囲及び明細書において、「基端側」及び「先端側」とは、Y型コネクタ100に対して、
図1に示す上方側(手元側)を「基端側」といい、下方側(遠位端側)を「先端側」という。
【0031】
(第1実施形態)
第1実施形態にかかるY型コネクタ100は、
図1又は
図2に示すように、主として主管部11及び側管部12とを有するY型コネクタ本体部10と、Y型コネクタ本体部10の主管部11の基端側に取付けられるスクリューキャップ60と、側管部12の基端側に設けられる側管部用キャップ70と、ローテーター95を備えている。
【0032】
Y型コネクタ本体部10は、基端側から先端側まで長手方向に延びた主管部11とこの主管部11の中位から側方方向へ延びた側管部12とを有する。主管部11は、ガイドワイヤ又はカテーテル等の細長い線状の導入部材90が挿通される長手方向に貫通した主管通路部11aを有しており、基端側は、固定部材30が収納されている。側管部12は、側管部12の端部から主管通路部11aに連通する側管通路部12bが設けられており、薬液や造影剤等を注入したり、主管通路部11aとは別に、ガイドワイヤやカテーテル等の導入部材90を挿入したりする際に使用される。側管部12の端部には、
図2に示すように、薬剤注入器等の取付器具が接続可能となるようにねじ溝12aが設けられている。
【0033】
固定部材30は、比較的長い時間、導入部材90を強く固定する場合に使用されるものであり、導入部材90を周囲から押し付けることによって固定することができる。固定部材30は、エラストマー、ゴム、シリコン等で作製され、基端側から先端側まで導入部材90が挿通される貫通孔31が形成された筒状に形成されている。固定部材30は、スクリューキャップ60によって上方から押し付けられることによって貫通孔31が狭くなり、導入部材90を締め付けて固定することができる。
【0034】
スクリューキャップ60は、Y型コネクタ本体部10の基端側の外周に形成されたねじ山と係合可能なねじ山が内周に形成された筒状の部材であり、回転させることにより、固定部材30を押し付けたり、押し付けを解除したりすることができる。このスクリューキャップ60を締め付けることで、固定部材30を押し下げて、上述したように導入部材90を締め付けて固定することができる。スクリューキャップ60には、導入部材90を挿通するための導入部材用孔63が設けられている。
【0035】
Y型コネクタ本体部10の先端には、ローテーター95を設けても良い。ローテーター95は、
図2に示すように、導入部材90が挿通される基端側と先端側が貫通した貫通孔95aと、その周囲に形成された円形溝95bとを有している。この円形溝95bには、ガイディングカテーテルその他のカテーテルを接続することができる。
【0036】
側管部用キャップ70は、
図3に示すように、側管部12の基端側に取り付けられるものであり、側管部12に取り付けられるキャップ部74と、内部にルーメンを有する摺動用チューブ75と、を備えている。キャップ部74には、側管部12のねじ溝12aに取り付けることができるようにねじ溝71が形成されている。側管部用キャップ70には、側管部12に取り付けた場合に側管通路部12b内に配置されるように、Y型コネクタ本体部10よりも柔軟性が高く、摺動性の高い素材、すなわち、低摩擦係数を有する樹脂素材からなる摺動用チューブ75が設けられている。摺動用チューブ75に使用される素材としては、例えば、シリコンゴム、フッ素ゴム、ポリエチレン、フッ素系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー及びポリエステル系エラストマー等からなるチューブが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのチューブ内にシリコンオイル等の潤滑剤を塗布したチューブ、及びこれらチューブ内にシリコンオイル等の潤滑剤を配合してなるチューブであってもよい。摺動用チューブ75は、少なくとも側管通路部12bに設けられていればよいが、好ましくは、摺動用チューブ75は、側管通路部12bから挿入されたガイドワイヤやマイクロカテーテル等の導入部材90を引き抜く際に、特に当接しやすい部分である部位に配置されるように設置するとよい。さらに、好ましくは、
図2に示すように、主管通路部11aと側管通路部12bとの合流部α又は合流部αの近傍で導入部材90がY型コネクタ本体部10に直接当接することが多いので、側管通路部12bの内面からわずかに突出するように設けることでこの合流部αにおいて導入部材90が直接Y型コネクタ本体部10に当接することを防止することができる。さらに、キャップ部74には、例えば薬液注入器等の様々な機器を取り付けることができるように、接続用ネジ溝74aが形成されている。
【0037】
こうして作製されたY型コネクタ100は、側管部12側から挿入された導入部材90を引き抜く際に摺動用チューブ75に当接しつつ引き抜かれる。このため、導入部材90を引き抜く際に、摺動抵抗が小さくスムーズに抜き出すことが可能になる。
【0038】
なお、摺動用チューブ75は、
図4に示すように、先端が長手方向に対して垂直面で形成してもよいが、
図2に示すよう、長手方向に対して斜めになるように形成するとよい。斜めに形成することによって、垂直面で形成する場合と比較して多くの内周面を覆うことができ、また、Y型コネクタ本体部10の側管通路部12bが露出する面を減らすことができるとともに、主管通路部11aと側管通路部12bとの合流部αに効果的に摺動用チューブ75を配置することができるからである。
【0039】
さらに、側管部用キャップ70は、
図5に示すように、第1キャップ部74bと第2キャップ部74cとで形成され、側管部用キャップ70を側管部12に取り付けた状態で摺動用チューブ75を回転可能となるように設けるとよい。これにより、側管部用キャップ70を側管部12に取り付けた状態で、摺動用チューブ75の向きが適切でない場合でも調整して最適な位置に調整することができる。
【0040】
なお、摺動用チューブ75は、キャップ部74に対し、取り外し自在に設けるとよい。取り外し自在に設けることによって、摺動用チューブ75が不要である場合には、摺動用チューブ75を取り外すことによって、通常のY型コネクタとして使用することができる。
【0041】
また、摺動用チューブ75は、2層構造に設けても良い。2層構造に設けることによって、例えば、外層に柔軟性の高い素材を使用して、内層に摺動性の高い素材を使用することによって、柔軟性と摺動性の両方の機能を効率的に付与することができる。この場合に、2層構造の内周側は、パラキシリレン系ポリマー、フッ素樹脂層、フッ素配合樹脂層又はDLC(Diamond-Like Carbon)コーティング、ポリアセタールコーティング、ポリアミドコーティング、ポリテトラフルオロエチレンコーティング等をコーティングしてもよい。
【0042】
(第2実施形態)
第2実施形態にかかるY型コネクタ100が
図6に示されている。第2実施形態にかかるY型コネクタ100は、摺動用チューブ75が側管部用キャップ70に取り付けられておらず、Y型コネクタ本体部10の側管通路部12bに接着剤で接着されている点が第1実施形態と異なる。Y型コネクタ本体部10は、第1実施形態と同様であり、側管部用キャップ70は、摺動用チューブ75に接続されていない点を除けば第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0043】
摺動用チューブ75の素材としては、第1実施形態と同様に、シリコンゴム、フッ素ゴム、ポリエチレン、フッ素系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー及びポリエステル系エラストマー等を使用することができる。摺動用チューブ75の配置位置や、先端形状は第1実施形態と同様の形態を採用することができる。
【0044】
かかる第2実施形態にかかるY型コネクタによれば、ガイドワイヤ又はカテーテル等の導入部材90を側管部12側から挿入した場合に、導入部材90を引き抜く際に当接する部位が高い摺動性を有するので、抵抗がなくスムーズな引き抜きを可能とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
上述した実施の形態で示すように、ガイドワイヤやカテーテルによる手術における補助具として利用することができる。
【符号の説明】
【0046】
10…Y型コネクタ本体部、11…主管部、11a…主管通路部、12…側管部、12a…ねじ溝、12b…側管通路部、30…固定部材、31…貫通孔、60…スクリューキャップ、63…導入部材用孔、70…側管部用キャップ、71…ねじ溝、74…キャップ部、74a…接続用ネジ溝、74b…第1キャップ部、74c…第2キャップ部、75…摺動用チューブ、90…導入部材、95…ローテーター、95a…貫通孔、95b…円形溝、100…Y型コネクタ