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特許7599696エアゾール型泡状染毛用または脱色用第2剤組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】エアゾール型泡状染毛用または脱色用第2剤組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/33 20060101AFI20241209BHJP
   A61K 8/22 20060101ALI20241209BHJP
   A61K 8/39 20060101ALI20241209BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20241209BHJP
   A61Q 5/08 20060101ALI20241209BHJP
   A61Q 5/10 20060101ALI20241209BHJP
【FI】
A61K8/33
A61K8/22
A61K8/39
A61K8/86
A61Q5/08
A61Q5/10
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020204844
(22)【出願日】2020-12-10
(65)【公開番号】P2022092191
(43)【公開日】2022-06-22
【審査請求日】2023-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】502439647
【氏名又は名称】株式会社ダリヤ
(72)【発明者】
【氏名】松崎 晃一
【審査官】山田 陸翠
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-016081(JP,A)
【文献】特開2021-169429(JP,A)
【文献】特開2017-057154(JP,A)
【文献】特開平11-139945(JP,A)
【文献】特開2017-171582(JP,A)
【文献】特開2018-104327(JP,A)
【文献】特開2013-112662(JP,A)
【文献】特表2010-500322(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0012636(US,A1)
【文献】特表2013-531053(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0115182(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61K 9/12
A61Q 1/00-90/00
CAplus/REGISTRY(STN)
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルカリ剤を含有するエアゾール型泡状染毛用または脱色用第1剤組成物と混合して使用される酸化剤を含有するエアゾール型泡状染毛用または脱色用第2剤組成物であって、
(A)POE(1)セチルエーテル、POE(1)ステアリルエーテルまたはPOE(1)ベヘニルエーテルから選ばれる1種以上、
(B1)エチレンオキシドの平均付加モル数が30以上150以下であるポリエチレン鎖を有するPOEアルキルエーテル型ノニオン性界面活性剤から選ばれる1種以上、
(B2-a)エチレンオキシドの平均付加モル数が10以上30未満であるポリエチレン鎖を有するPOEアルキルエーテル型ノニオン性界面活性剤から選ばれる1種以上、
(B2-b)エチレンオキシドの平均付加モル数が2以上10未満であるポリエチレン鎖を有するPOEアルキルエーテル型ノニオン性界面活性剤から選ばれる1種以上、
を含有する第2剤エアゾール原液
および発泡剤を含有し、
前記第2剤エアゾール原液中の前記(A)成分の含有量が0.1~5質量%であり、前記(B1)成分の含有量が0.5~8質量%であり、前記(B2-a)成分の含有量が0.5~8質量%であり、前記(B2-b)成分の含有量が0.5~8質量%であり、
前記第2剤エアゾール原液と前記発泡剤の質量比(第2剤エアゾール原液:発泡剤)が、99.5:0.5~70:30である
ことを特徴とするエアゾール型泡状染毛用または脱色用第2剤組成物。
【請求項2】
前記第2剤エアゾール原液中の炭素数12~24の高級アルコール以外の油性成分の含有量が、2質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のエアゾール型泡状染毛用または脱色用第2剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアゾール型泡状染毛用または脱色用第2剤組成物に関する。さらに詳しくは、低温条件下での発泡性に優れ、かつ高温条件下の泡持ちに優れたエアゾール型泡状染毛用または脱色用第2剤組成物に関する。
【0002】
近年のファッション意識の高まりから、手軽に髪の色を変化させることのできるヘアカラーリング剤は、男女問わず多くの人に受け入れられている。ヘアカラーリング剤には、永久染毛剤(酸化染毛剤や非酸化染毛剤)、半永久染毛料(カラートリートメントやヘアマニキュア)、脱色剤および一時着色料など、様々な種類があり、それぞれのニーズによって使用される。そのなかでも酸化染毛剤または脱色剤は、染毛および脱色効果に優れ、この特性から現在多くの人に使用されているヘアカラーリング剤である。
【0003】
酸化染毛剤または脱色剤として、酸化染料を含有し、あるいは含有せず、アルカリ剤を含有する第1剤組成物と、過酸化水素などの酸化剤を含有する第2剤組成物からなる二剤式の酸化染毛剤または脱色剤が広く利用されている。二剤式の酸化染毛剤または脱色剤としては、液状またはクリーム状のものが一般的であり、刷毛やブラシを用いて毛髪に塗布する。しかしながら、このような染毛方法では毛髪全体にムラなく均一に塗布することが困難であり、特に鏡を用いて目視することが難しい後頭部の塗布にはある程度の技術や経験が要求される。
【0004】
そこで近年では、誰でも簡単に毛髪全体に塗布できる泡状の酸化染毛剤または脱色剤が利用されている。泡状の酸化染毛剤または脱色剤には、液化ガスなどの発泡剤を用いたエアゾール型や、ポンプフォーマーやスクイズフォーマーなどを用いて泡立てるノンエアゾール型がある。その中でも、エアゾール型は泡立てる必要がなく、また、残った剤を取り置き可能であるという利点がある。
【0005】
エアゾール型泡状酸化染毛剤または脱色剤は、毛髪への塗布後の放置時間中に発泡剤によって形成された泡が消泡すると液ダレが生じる恐れがあることから、泡の持続性(泡持ち)は重要な課題である。一般的な泡状組成物の場合、泡持ちの向上には高分子化合物やカチオン性界面活性剤などの成分を含有することが多い。しかしながら、エアゾール型泡状染毛用または脱色用第2剤組成物の場合、酸化剤を含有することから、これらの高分子化合物が酸化剤によって分解される恐れがある。また、酸化剤に過酸化水素を用いた場合には、カチオン性界面活性剤により過酸化水素が分解する恐れがあるため、製剤が不安定になる恐れがある。そのため、エアゾール型泡状染毛用または脱色用第2剤組成物には、高分子化合物やカチオン性界面活性剤などの成分を極力含有しないことが好ましい。
【0006】
そのため、従来の二剤式エアゾール型泡状酸化染毛剤または脱色剤においては、第1剤組成物に高分子化合物やカチオン性界面活性剤などの成分を配合し、第1剤組成物の泡持ちを向上させることで、第2剤組成物との混合物の泡持ちを向上させている。しかしながら混合状態が不均一の場合、第1剤組成物と混合しなかった第2剤組成物が消泡し、液ダレを生じる恐れがある。したがって、エアゾール型泡状染毛用または脱色用第2剤組成物の泡持ちの向上も求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2019-11292号公報
【文献】特開2016-44136号公報
【文献】特開2017-57186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1には製剤安定性と25℃条件下での泡持ちの向上の両立を目的とし、炭化水素などの油性成分を配合したエアゾール型泡状染毛用または脱色用第2剤組成物が提案されている。しかしながら、これらの油性成分は冬場など温度が低い場合(以下、低温条件下という)において、エアゾール型泡状染毛用または脱色用第2剤組成物の粘度を上昇させ、速やかな発泡性を阻害する恐れがある。また、発泡剤に液化ガスを用いた場合では、低温条件下では液化ガスが気化しにくいため、速やかな発泡性を阻害する恐れがある。しかしながら特許文献1ではこのような低温条件下における発泡性については考慮されていない。
【0009】
特許文献2および特許文献3のエアゾール型泡状染毛用または脱色用第2剤組成物は、低温条件下での発泡性に優れる。しかしながら、泡持ちに関しては、特許文献2においては考慮されておらず、特許文献3においても25℃条件下での泡持ちの検討に留まる。エアゾール型泡状染毛用または脱色用第2剤組成物の夏場においての使用や、染毛効果を上げるためにラップやヘアキャップなどを用いて保温状態にすると、気温や使用者の体温によってエアゾール型泡状染毛用または脱色用第2剤組成物は加温され(以下、高温条件下いう)、その結果、エアゾール型泡状染毛用または脱色用第2剤組成物の粘度が低下し、消泡が促進され、エアゾール型泡状染毛用または脱色用第2剤組成物が液化することで液ダレを生じる恐れがある。したがって、低温条件下での発泡性に優れ、かつ高温条件下での泡持ちに優れたエアゾール型泡状染毛用または脱色用第2剤組成物が求められる。
【0010】
そこで本発明は、上記問題を鑑みてなされたものであり、低温条件下での発泡性に優れ、かつ高温条件下での泡持ちに優れたエアゾール型泡状染毛用または脱色用第2剤組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、酸化剤を含有するエアゾール型泡状染毛用または脱色用第2剤組成物に、(A)エチレンオキシドの付加モル数が1であるポリオキシエチレンアルキルエーテル型ノニオン性界面活性剤、(B)前記(A)成分以外のポリオキシエチレンアルキルエーテル型ノニオン性界面活性剤を含有する第2剤エアゾール原液および発泡剤を含有させることにより、上記課題が解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明は、酸化剤を含有するエアゾール型泡状染毛用または脱色用第2剤組成物であって、
(A)エチレンオキシドの付加モル数が1であるポリオキシエチレンアルキルエーテル型ノニオン性界面活性剤、
(B)前記(A)成分以外のポリオキシエチレンアルキルエーテル型ノニオン性界面活性剤、
を含有する第2剤エアゾール原液および発泡剤を含有することを特徴とするエアゾール型泡状染毛用または脱色用第2剤組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明のエアゾール型泡状染毛用または脱色用第2剤組成物は、低温条件下での発泡性に優れ、かつ高温条件下での泡持ちに優れる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を詳細に説明する。なお、含有量を示す単位は、特に明記しない限り全て質量%である。
【0015】
本発明における低温とは0℃~10℃程度を、高温とは35℃~45℃程度を意味するものである。
【0016】
エアゾール型泡状染毛用または脱色用第2剤組成物について説明する。
【0017】
本発明のエアゾール型泡状染毛用または脱色用第2剤組成物は第2剤エアゾール原液および発泡剤を含有する。
【0018】
本発明における第2剤エアゾール原液には、染毛性および脱色性の観点から、酸化剤を含有する。
【0019】
前記酸化剤は、特に限定されないが、例えば、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化メラミン、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、過酸化塩の過酸化水素付加物、リン酸塩の過酸化水素付加物、ピロリン酸塩の過酸化水素付加物、臭素酸ナトリウムなどが挙げられ、これらは1種または2種以上を含有することができる。その中でも、染毛性および脱色性の観点から、過酸化水素が好ましい。
【0020】
前記酸化剤の含有量は、特に限定されないが、染毛性および脱色性の観点から、2~6%が好ましい。前記酸化剤の含有量が2%未満の場合、十分な染毛性および脱色性が得られない恐れがある。また前記酸化剤の含有量が6%を超える場合、毛髪にごわつきなどを与える恐れがある。
【0021】
本発明における第2剤エアゾール原液は、低温条件下での発泡性および高温条件下での泡持ちの観点から、(A)エチレンオキシドの付加モル数が1であるポリオキシエチレンアルキルエーテル型ノニオン性界面活性剤を含有する。
【0022】
前記(A)成分としては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレン(以下、POEという)(1)カプリリルエーテル、POE(1)ウンデシルエーテル、POE(1)ラウリルエーテル、POE(1)トリデシルエーテル、POE(1)ミリスチルエーテル、POE(1)ペンタデシルエーテル、POE(1)セチルエーテル、POE(1)パルミトイルエーテル、POE(1)ヘプタデシルエーテル、POE(1)ステアリルエーテル、POE(1)イソステアリルエーテル、POE(1)オレイルエーテル、POE(1)リノレイルエーテル、POE(1)ノナデシルエーテル、POE(1)アラキジルエーテル、POE(1)ヘニコシルエーテル、POE(1)ベヘニルエーテル、POE(1)エルシルエーテル、POE(1)リグノセリルエーテル、POE(1)セリルエーテル、POE(1)モンタニルエーテルなどが挙げられ、これらは1種または2種以上を含有することができる。その中でも、高温条件下の泡持ちの観点から、POE(1)セチルエーテル、POE(1)ステアリルエーテル、POE(1)ベヘニルエーテルが好ましい。なお、POEの後の括弧内の数字はエチレンオキシドの付加モル数を意味する。
【0023】
前記(A)成分の含有量は、特に限定されないが、0.1~5%が好ましく、0.2~3%がより好ましく、0.3~2%がさらに好ましい。前記(A)成分の含有量が0.1%未満の場合、あるいは前記(A)成分の含有量5%を超える場合、低温条件下での発泡性および高温条件下での泡持ちが低下する恐れがある。
【0024】
本発明における第2剤エアゾール原液は、低温条件下での発泡性および高温条件下での泡持ちの観点から、(B)前記(A)成分以外のポリオキシエチレンアルキルエーテル型ノニオン性界面活性剤を含有する。
【0025】
前記(B)成分としては、特に限定されないが、例えば、POE(5)デシルエーテル、POE(6)デシルエーテル、POE(2)ラウリルエーテル、POE(3)ラウリルエーテル、POE(4)ラウリルエーテル、POE(5)ラウリルエーテル、POE(7)ラウリルエーテル、POE(8)ラウリルエーテル、POE(9)ラウリルエーテル、POE(12)ラウリルエーテル、POE(15)ラウリルエーテル、POE(19)ラウリルエーテル、POE(21)ラウリルエーテル、POE(25)ラウリルエーテル、POE(30)ラウリルエーテル、POE(40)ラウリルエーテル、POE(5)アルキル(12~14)エーテル、POE(7)アルキル(12~14)エーテル、POE(9)アルキル(12~14)エーテル、POE(12)アルキル(12~14)エーテル、POE(3)トリデシルエーテル、POE(5)トリデシルエーテル、POE(6)トリデシルエーテル、POE(7)トリデシルエーテル、POE(8)トリデシルエーテル、POE(9)トリデシルエーテル、POE(10)トリデシルエーテル、POE(12)トリデシルエーテル、POE(15)トリデシルエーテル、POE(20)トリデシルエーテル、POE(2)セチルエーテル、POE(5)セチルエーテル、POE(7)セチルエーテル、POE(8)セチルエーテル、POE(10)セチルエーテル、POE(13)セチルエーテル、POE(15)セチルエーテル、POE(20)セチルエーテル、POE(23)セチルエーテル、POE(25)セチルエーテル、POE(30)セチルエーテル、POE(40)セチルエーテル、POE(50)セチルエーテル、POE(150)セチルエーテル、POE(2)ステアリルエーテル、POE(3)ステアリルエーテル、POE(4)ステアリルエーテル、POE(5)ステアリルエーテル、POE(7)ステアリルエーテル、POE(10)ステアリルエーテル、POE(11)ステアリルエーテル、POE(15)ステアリルエーテル、POE(20)ステアリルエーテル、POE(30)ステアリルエーテル、POE(40)ステアリルエーテル、POE(50)ステアリルエーテル、POE(100)ステアリルエーテル、POE(8)イソステアリルエーテル、POE(12)イソステアリルエーテル、POE(16)イソステアリルエーテル、POE(2)オレイルエーテル、POE(5)オレイルエーテル、POE(7)オレイルエーテル、POE(9)オレイルエーテル、POE(10)オレイルエーテル、POE(15)オレイルエーテル、POE(20)オレイルエーテル、POE(50)オレイルエーテル、POE(5)ベヘニルエーテル、POE(10)ベヘニルエーテル、POE(20)ベヘニルエーテル、POE(30)ベヘニルエーテルなどが挙げられ、これらは1種または2種以上を含有することができる。なお、アルキルの後の括弧内の数字はアルキル基の炭素数を意味する。
【0026】
前記(B)成分の含有量は、特に限定されないが、2~15%が好ましく、4.5~15%がより好ましい。前記(B)成分の含有量が2%未満の場合、あるいは前記(B)成分の含有量15%を超える場合、低温条件下での発泡性および高温条件下での泡持ちが低下する恐れがある。
【0027】
前記(B)成分は、低温条件下での発泡性および高温条件下での泡持ちの観点から、(B1)エチレンオキシドの平均付加モル数が30以上であるポリエチレン鎖を有するPOEアルキルエーテル型ノニオン性界面活性剤から選ばれる1種以上および(B2)エチレンオキシドの平均付加モル数が2以上30未満であるポリエチレン鎖を有するPOEアルキルエーテル型ノニオン性界面活性剤から選ばれる1種以上であることが好ましい。
【0028】
前記(B2)成分は、(B2-a)エチレンオキシドの平均付加モル数が10以上30未満であるポリエチレン鎖を有するPOEアルキルエーテル型ノニオン性界面活性剤から選ばれる1種以上および(B2-b)エチレンオキシドの平均付加モル数が2以上10未満であるポリエチレン鎖を有するPOEアルキルエーテル型ノニオン性界面活性剤から選ばれる1種以上であることがより好ましい。
【0029】
前記(B1)成分のエチレンオキシドの平均付加モル数は、特に限定されないが、30~150が好ましく、30~50がより好ましい。
【0030】
前記(B1)成分のアルキル基は、特に限定されないが、POEラウリルエーテル、POEセチルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテルが好ましく、POEセチルエーテル、POEステアリルエーテルがより好ましい。
【0031】
前記(B1)成分の含有量は、特に限定されないが、0.5~8%が好ましく、1~6%がより好ましく、1.5~4%がさらに好ましい。前記(B1)成分の含有量が0.5%未満の場合、あるいは前記(B1)成分の含有量8%を超える場合、低温条件下での発泡性および高温条件下での泡持ちが低下する恐れがある。
【0032】
前記(B2-a)成分のエチレンオキシドの平均付加モル数は、特に限定されないが、10~25が好ましく、10~20がより好ましい。
【0033】
前記(B2-a)成分のアルキル基は、特に限定されないが、POEラウリルエーテル、POEセチルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテルが好ましく、POEセチルエーテル、POEステアリルエーテルがより好ましい。
【0034】
前記(B2-a)成分の含有量は、特に限定されないが、0.5~8%が好ましく、1~6%がより好ましく、1.5~4%がさらに好ましい。前記(B2-a)成分の含有量が0.5%未満の場合、あるいは前記(B2-a)成分の含有量8%を超える場合、低温条件下での発泡性および高温条件下での泡持ちが低下する恐れがある。
【0035】
前記(B2-b)成分のエチレンオキシドの平均付加モル数は、特に限定されないが、2~9が好ましく、2~5がより好ましい。
【0036】
前記(B2-b)成分のアルキル基は、特に限定されないが、POEラウリルエーテル、POEアルキル(12~14)エーテル、POEトリデシルエーテル、POEセチルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテルが好ましく、POEラウリルエーテル、POEアルキル(12~14)エーテル、POEトリデシルエーテルがより好ましい。
【0037】
前記(B2-b)成分の含有量は、特に限定されないが、0.5~8%が好ましく、1~6%がより好ましく、1.5~4%がさらに好ましい。前記(B2-b)成分の含有量が0.5%未満の場合、あるいは前記(B2-b)成分の含有量8%を超える場合、低温条件下での発泡性および高温条件下での泡持ちが低下する恐れがある。
【0038】
本発明における第2剤エアゾール原液は、低温条件下での発泡性の観点から、炭素数12~24の高級アルコール以外の油性成分の含有量は2%以下であることが好ましく、1%以下がより好ましく、実質的に含有しないことがさらに好ましい。なお、実質的に含有しないとは、意図して含有させないという意味であり、不可避的に含有する場合(原料に含有されている未反応物や副生成物)を包含するという趣旨でもある。
【0039】
前記炭素数12~24の高級アルコール以外の油性成分としては、例えば、炭化水素、油脂、ロウ、高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル、エステルなどが挙げられる。
【0040】
前記炭化水素の具体例としては、流動パラフィン、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン、α-オレフィンオリゴマー、ポリブテン、セレシンなどが挙げられる。
【0041】
前記油脂の具体例としては、オリーブ油、ツバキ油、シア油、ヒマワリ油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、ブドウ種子油、マカダミアンナッツ油、ヒマシ油、ヤシ油、月見草油、アボガド油、モモ核油、ローズヒップ油、アルガン油、オレンジ油、イランイラン花油、キョウニン油、コーン油、ザクロ種子油、ゴマ油、スペアミント油、トウツバキ種子油、ハッカ油、ヒポファエラムノイデス種子油、ニゲラサチバ種子油、ニオイテングクアオイ油、ベルガモット種子油、ヘマチ種子油、ミンク油、メドウフォーム油、ユーカリ油、ユチャ油、レモン果実油、ローズマリー油、サンフラワー油、落下生油、綿実油、ピスタシオ油、ククイナッツ油などが挙げられる。
【0042】
前記ロウの具体例としては、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、コメヌカロウ、セラックロウ、ラノリンなどが挙げられる。
【0043】
前記高級脂肪酸の具体例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、ウンデシレン酸、ラノリン酸などが挙げられる。
【0044】
前記アルキルグリセリルエーテルの具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、バチルアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、イソステアリルグリセリルエーテル、ジイソノニルエーテルなどが挙げられる。
【0045】
前記エステルの具体例としては、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸エチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、カプリル酸セチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、リシノール酸セチル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸2-オクチルドデシル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸2-ヘキシルデシル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸2-オクチルドデシル、オレイン酸2-オクチルドデシル、リノール酸2-オクチルドデシル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、2-エチルヘキサン酸セチル、2-エチルヘキサン酸セトステアリル、2-エチルヘキサン酸ステアリル、イソステアリン酸ヘキシル、ジ2-エチルヘキサン酸エチレンギリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジカプリル酸ネオペンチルグリコール、ジ2-エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリウンデシル酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメリロールプロパン、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、テトラミリスチン酸ペンタエリスリトール、テトライソステアリン酸ペンタエリスリトール、ネオペンタン酸2-オクチルドデシル、2-エチルヘキサン酸2-ヘキシルデシル、2-エチルヘキサン酸イソステアリル、イソノナン酸2-エチルヘキシル、ジメチルオクタン酸2-ヘキシルデシル、ジメチルオクタン酸2-オクチルドデシル、イソパルミチン酸2-エチルヘキシル、イソステアリン酸2-ヘキシルデシル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸2-オクチルなどが挙げられる。
【0046】
本発明における第2剤エアゾール原液は、酸化剤の安定性を向上させる観点から、酸、金属封鎖剤、pH調整剤を含有することができる。
【0047】
前記酸、金属封鎖剤、pH調整剤は、特に限定されないが、例えば、リン酸、エデト酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸およびそれらの塩類、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物などが挙げられ、これらは1種または2種以上を含有することができる。
【0048】
本発明におけるエアゾール型泡状染毛用または脱色用第2剤組成物は、発泡性の観点から、発泡剤を含有する。
【0049】
前記発泡剤としては、特に限定されないが、例えば、液化ガス、窒素ガス、炭酸ガスなどが挙げられる。これらの1種または2種以上を含有することができる。
【0050】
前記液化ガスの具体例としては、プロパン、ノルマルブタン、イソブタンおよびこれらの混合物である液化石油ガス、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロパ-1-エン、トランス-2,3,3,3-テトラフルオロプロパ-1-エンなどのハイドロフルオロオレフィン、ジメチルエーテル、およびこれらの混合物などが挙げられる。
【0051】
前記発泡剤の中でも、発泡性の観点から、液化ガスが好ましく、液化石油ガスがより好ましい。
【0052】
本発明におけるエアゾール型泡状染毛用または脱色用第2剤組成物中の充填時における前記第2剤エアゾール原液と前記発泡剤の質量比(第2剤エアゾール原液:発泡剤)は、特に限定されないが、99.5:0.5~70:30が好ましく、99:1~80:20がより好ましく、98:2~90:10がさらに好ましい。前記第2剤エアゾール原液と前記発泡剤の質量比が99.5:0.5~70:30を超える場合、低温条件下での発泡性および高温条件下での泡持ちが低下する恐れがある。
【0053】
本発明におけるエアゾール型泡状染毛用または脱色用第2剤組成物は、上記成分の他に必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で上記成分以外の通常の化粧料、医薬部外品、医薬品などに用いられる各種成分、例えば、前記成分(A)および(B)以外のノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、シリコーン、多価アルコール、ノニオン性高分子、カチオン性高分子、アニオン性高分子、両性高分子、保湿剤、増粘剤、薬効成分、蛋白誘導体、加水分解蛋白、アミノ酸類、植物性抽出物、生薬抽出物、ビタミン類、防腐剤、香料などが挙げられ、これらの1種または2種以上を含有することができる。ただし、これら例示に限定されるものでない。
【0054】
前記成分(A)および(B)以外のノニオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、POEポリオキシプロピレン(以下、POPという)アルキルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビット脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油、POEフィトステロール、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルなどが挙げられる。
【0055】
前記POEPOPアルキルエーテルの具体例としては、POE(7)POP(2)デシルエーテル、POE(10)POP(2)デシルエーテル、POE(1)POP(4)セチルエーテル、POE(10)POP(4)セチルエーテル、POE(20)POP(4)セチルエーテル、POE(20)POP(8)セチルエーテル、POE(30)POP(4)ステアリルエーテル、POE(12)POP(6)デシルテトラデシルエーテル、POE(20)POP(6)デシルテトラデシルエーテル、POE(30)POP(6)デシルテトラデシルエーテルなどが挙げられる。
【0056】
前記グリセリン脂肪酸エステルの具体例としては、モノウンデシレン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリルなどが挙げられる。
【0057】
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルの具体例としては、モノラウリン酸ポリグリセリル-4、モノラウリン酸ポリグリセリル-6、モノラウリン酸ポリグリセリル-10、モノミリスチン酸ポリグリセリル-10、モノステアリン酸ポリグリセリル-2、モノステアリン酸ポリグリセリル-4、モノステアリン酸ポリグリセリル-6、モノステアリン酸ポリグリセリル-10、モノイソステアリン酸ポリグリセリル-2、モノイソステアリン酸ポリグリセリル-10、ジステアリン酸ポリグリセリル-10、トリステアリン酸ポリグリセリル-10、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2、モノオレイン酸ポリグリセリル-2、モノオレイン酸ポリグリセリル-4、モノオレイン酸ポリグリセリル-10、ジオレイン酸ポリグリセリル-6、トリオレイン酸ポリグリセリル-10、ペンタオレイン酸ポリグリセリル-10、ポリリシノレイン酸ポリグリセリル-6、ペンタステアリン酸ポリグリセリル-10、ペンタヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル-10、ペンタイソステアリン酸ポリグリセリル-10、ペンタオレイン酸ポリグリセリル-10、デカオレイン酸ポリグリセリル-10などが挙げられる。
【0058】
前記POEグリセリン脂肪酸エステルの具体例としては、モノステアリン酸POE(5)グリセリル、モノステアリン酸POE(15)グリセリル、モノイソステアリン酸POE(5)グリセリル、モノイソステアリン酸POE(8)グリセリル、モノイソステアリン酸POE(10)グリセリル、モノイソステアリン酸POE(20)グリセリル、トリイソステアリン酸POE(10)グリセリル、トリイソステアリン酸POE(15)グリセリル、トリイソステアリン酸POE(20)グリセリル、モノオレイン酸POE(5)グリセリル、モノオレイン酸POE(15)グリセリルなどが挙げられる。
【0059】
前記ソルビタン脂肪酸エステルの具体例としては、ヤシ油脂肪酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタンなどが挙げられる。
【0060】
前記POEソルビタン脂肪酸エステルの具体例としては、ヤシ油脂肪酸POE(20)ソルビタン、モノパルミチン酸POE(20)ソルビタン、モノステアリン酸POE(6)ソルビタン、モノステアリン酸POE(20)ソルビタン、イソステアリン酸POE(20)ソルビタン、トリステアリン酸POE(20)ソルビタン、モノオレイン酸POE(6)ソルビタン、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン、トリオレイン酸POE(20)ソルビタンなどが挙げられる。
【0061】
前記POEソルビット脂肪酸エステルの具体例としては、モノラウリン酸POE(6)ソルビット、テトラステアリン酸POE(60)ソルビット、テトライソステアリン酸POE(30)ソルビット、テトラオレイン酸POE(6)ソルビット、テトラオレイン酸POE(30)ソルビット、テトラオレイン酸POE(40)ソルビット、テトラオレイン酸POE(60)ソルビットなどが挙げられる。
【0062】
前記POE硬化ヒマシ油の具体例としては、POE(5)硬化ヒマシ油、POE(10)硬化ヒマシ油、POE(20)硬化ヒマシ油、POE(30)硬化ヒマシ油、POE(40)硬化ヒマシ油、POE(50)硬化ヒマシ油、POE(60)硬化ヒマシ油、POE(80)硬化ヒマシ油、POE(100)硬化ヒマシ油などが挙げられる。
【0063】
前記POEフィトステロールの具体例としては、POE(5)フィトステロール、POE(10)フィトステロール、POE(20)フィトステロール、POE(30)フィトステロールなどが挙げられる。
【0064】
前記ポリエチレングリコール脂肪酸エステルの具体例としては、POE(9)モノラウリン酸エステル、POE(10)モノラウリン酸エステル、POE(6)モノステアリン酸エステル、POE(9)モノステアリン酸エステル、POE(10)モノステアリン酸エステル、POE(23)モノステアリン酸エステル、POE(25)モノステアリン酸エステル、POE(40)モノステアリン酸エステル、POE(45)モノステアリン酸エステル、POE(55)モノステアリン酸エステル、POE(150)ジステアリン酸エステル、POE(250)ジステアリン酸エステル、POE(8)ジイソステアリン酸エステル、POE(5)モノオレイン酸エステル、POE(6)モノオレイン酸エステル、POE(9)モノオレイン酸エステル、POE(10)モノオレイン酸エステル、POE(14)モノオレイン酸エステル、POE(16)モノオレイン酸エステルなどが挙げられる。
【0065】
前記カチオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウムなどが挙げられる。
【0066】
前記アニオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和または不飽和脂肪酸塩、アルキルまたはアルケニルエーテルカルボン酸塩、α-スルホン脂肪酸塩、N-アシルアミノ酸型界面活性剤、リン酸モノエステル型界面活性剤、リン酸ジエステル型界面活性剤、スルホコハク酸エステル、N-アルキロイルメチルタウリン塩などが挙げられる。これらの対イオンの具体例としては、特に限定されないが、例えば、ナトリウム、カリウム、トリエタノールアミンなどが挙げられる。
【0067】
前記両性界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、ラウリルベタイン、ココベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、ラウロアンホプロピオン酸ナトリウム、ココアンホプロピオン酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0068】
前記シリコーンの具体例としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、アルコール変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーンなどが挙げられる。
【0069】
前記多価アルコールとしては、特に限定されないが、例えば、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,3-プロパンジオール、ペンチレングリコール、エチルヘキシルグリセリン、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、ラクチトールなどが挙げられる。
【0070】
本発明における第2剤エアゾール原液のエアゾール容器内における25℃での剤形は、特に限定されないが、液状、ゲル状、クリーム状などが挙げられ、発泡性の観点から、液状またはゲル状が好ましい。
【0071】
本発明における第2剤エアゾール原液は、使用時において発泡剤によって形成された泡としてエアゾール容器から吐出される。
【0072】
本発明におけるエアゾール型泡状染毛用または脱色用第2剤組成物のエアゾール容器の構造は、特に限定されないが、例えば、外容器のみを備えた単構造容器、外容器および内袋を備えた2重構造容器などが挙げられる。その中でも、外容器の腐食防止の観点から、2重構造容器が好ましい。
【0073】
2重構造容器の具体例としては、二剤式の酸化染毛剤または脱色剤の場合、外容器に第1剤エアゾール原液および発泡剤を充填するための第1の内袋と、第2剤エアゾール原液および発泡剤を充填するための第2の内袋をそれぞれ1つ収納し、吐出機構を備えたバルブを装着し、第1剤および第2剤を同時に吐出させる単缶式2重構造容器や、第1剤エアゾール原液および発泡剤を充填するための第1の内袋を収容した第1の外容器と、第2剤エアゾール原液および発泡剤を充填するための第2の内袋を収納した第2の外容器の2つを連接してなる2連缶式2重構造容器などが挙げられる。
【0074】
前記外容器の素材は、特に限定されないが、例えば、アルミニウム、スチール、ブリキなどの金属、ポリエチレンテレフタレート、ポリアリレートなどの合成樹脂などが挙げられる。
【0075】
前記外容器の素材に金属を用いた場合、外容器の腐食防止の観点から、アルミニウムを用いることが好ましい。金属製外容器の種類は、特に限定されないが、例えば、インパクト缶、DR缶、DI缶、半田缶、溶接缶などが挙げられる。その中でも、外容器の軽量化の観点から、インパクト缶、DI缶が好ましい。
【0076】
前記外容器の素材に合成樹脂を用いた場合、エアゾール原液の残量が確認できる観点から、透光性を有する合成樹脂であることが好ましい。
【0077】
合成樹脂製外容器の成形方法は、特に限定されないが、押出ブロー成形、射出ブロー成形、延伸ブロー成形などが挙げられる。その中でも、外容器の強度の観点から、延伸ブロー成形が好ましい。
【0078】
前記外容器の内面は、外容器の腐食防止の観点から、コーティング材で被膜が施されていることが好ましい。コーティング材としては、特に限定されないが、例えば、エポキシフェノール系、フェノール系、ポリエステル系、ポリアミドイミド系などが挙げられる。その中でも、エポキシフェノール系、ポリアミドイミド系が好ましい。これらは単体あるいは2種以上の混合体を用いてもよい。
【0079】
前記内袋の素材は、特に限定されないが、弾性を有するものが好ましく、例えば、ポリオレフィン系樹脂、熱可塑性樹脂などが挙げられ、これらは単体あるいは2種以上の混合体を用いることができる。また、これらの2種以上の積層体を用いてもよい。
【0080】
前記ポリオレフィン系樹脂の具体例としては、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、ポリブテン-1、エチレン-ブテン-1共重合体、プロピレン-ブテン-1共重合体、エチレン-プロピレン-ブテン-1共重合体などが挙げられる。
【0081】
前記熱可塑性樹脂に具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ナイロンなどのポリアミド樹脂、エチレン-酢酸ビニルランダム共重合体ケン化物などが挙げられる。
【0082】
前記内袋の成形方法は、特に限定されないが、例えば、ヒートシールを用いての成形や、押出ブロー成形、射出ブロー成形、延伸ブロー成形などのブロー成形が挙げられる。
【0083】
本発明におけるエアゾール型泡状染毛用または脱色用第2剤組成物のエアゾール内部の圧力は、特に限定されないが、25℃の条件下で、下限値は0.2MPaであることが好ましく、0.3MPaであることがより好ましい。また、上限値は0.8MPaであることが好ましく、0.6MPaであることがより好ましい。エアゾール内部の圧力が上記範囲内であることにより、エアゾール型泡状染毛用または脱色用第2剤組成物は、低温条件下における発泡性および高温時の安全性に優れる。
【0084】
本発明における第2剤エアゾール原液の粘度は、特に限定されないが、25℃の条件下で、下限値は1mPa・sが好ましく、5mPa・sがより好ましく、10mPa・sがさらに好ましい。また、上限値は3,000mPa・sであることが好ましく、1,000mPa・sであることがより好ましく、500mPa・s以下であることがさらに好ましい。25℃の条件下での粘度が1mPa・s未満の場合、高温条件下での泡持ちが低下する恐れがある。25℃の条件下での粘度が3,000mPa・sを超える場合、低温条件下での発泡性および高温条件下での泡持ちが低下する恐れがある。
【0085】
本発明における第2剤エアゾール原液の25℃の条件下における粘度は、常法にて調製して得られた第2剤エアゾール原液を140g容量のサンプル瓶(食品140:第一硝子株式会社製)に120g充填し、25℃で1日間放置し調温した後に、ヘリカルスタンド付B型粘度計(モデル:デジタル粘度計TVB-10M、東機産業株式会社製)により、粘度500mPa・s未満では1号ローターを用いて回転速度12rpmにて1分間、粘度500mPa・s以上2,500mPa・s未満では2号ローターを用いて回転速度12rpmにて1分間、粘度2,500mPa・s以上10,000mPa・s未満では3号ローターを用いて回転速度12rpmにて1分間の条件下で測定したものである。
【0086】
本発明におけるエアゾール型泡状染毛用または脱色用第2剤組成物のpHは、酸化剤の安定性の観点から、25℃の条件下で1.5~3.5が好ましい。
【0087】
本発明におけるエアゾール型泡状染毛用または脱色用第2剤組成物の25℃の条件下でのpHは、常法にて調製して得られた染毛用または脱色用第2剤組成物を25℃で1日間静置し調温した後に、ガラス電極式水素イオン濃度指示計(F-71、株式会社堀場製作所製)にて測定したものである。
【実施例
【0088】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0089】
実施例および比較例の各成分の含有量を示す単位は、特に明記しない限り全て質量%である。
【0090】
<エアゾール型泡状染毛用または脱色用第2剤組成物の調製>
実施例および比較例の第2剤エアゾール原液を常法にて調製し、得られた第2剤エアゾール原液と発泡剤を質量比(第2剤エアゾール原液:発泡剤=95:5)で合計50gになるようにエアゾール容器に充填し、エアゾール型泡状染毛用または脱色用第2剤組成物を得た。なお、発泡剤はガス圧0.29MPaの液化石油ガスを用いた。エアゾール容器およびバルブは以下のものを用いた。
・エアゾール容器(外容器)
東洋製罐株式会社製、外径:28mm、肩下寸法:152mm、材質:アルミニウム
・エアゾール容器(内袋)
東洋製罐株式会社製、外径φ26.5mm、肩下寸法:145mm、材質:高密度ポリエチレン
・バルブ
株式会社三谷バルブ製、ステム径:0.4mm×0.3mm、ハウジング孔;φ0.4mm、パイプ内径φ1.5mm、パイプ長:112mm
【0091】
<低温条件下での発泡性>
本明細書に示す「低温条件下での発泡性」に係る評価試験においては、エアゾール型泡状染毛用または脱色用第2剤組成物を5℃の冷温機で1日保存後、冷温機から取り出した直後に30mLのグリフィンビーカーに3秒間吐出を行い、その発泡性を目視にて確認し、以下に示すように評価した。
【0092】
<低温条件下での発泡性の評価基準>
◎:吐出中、泡の最上部がグリフィンビーカーの上端を越えた。
〇:吐出終了後、2秒以内に泡の最上部がグリフィンビーカーの上端を越えた。
△:吐出終了後、4秒以内に泡の最上部がグリフィンビーカーの上端を越えた。
×:吐出終了後、4秒以内に泡の最上部がグリフィンビーカーの上端を越えなかった。
【0093】
<高温条件下での泡持ち>
本明細書に示す「高温条件下での泡持ち」に係る評価試験においては、エアゾール型泡状染毛用または脱色用第2剤組成物を25℃で1日間静置し調温した後に、300mLのグリフィンビーカーに10g吐出した後、グリフィンビーカーを40℃の保温機にて静置し、その泡持ちを目視にて確認し、以下に示すように評価した。
【0094】
<高温条件下での泡持ちの評価基準>
◎:40℃の保温機に2時間静置しても、泡の液化は確認されなかった。
〇:40℃の保温機に1時間静置しても、泡の液化は確認されなかった。
△:40℃の保温機に30分静置しても、泡の液化は確認されなかった。
×:40℃の保温機に静置後、30分以内に泡の液化が確認された。
【0095】
表1の実施例1から実施例11では、前記(A)成分の種類および含有量を代えても、表2の比較例1から比較例7と比較して、低温条件下での発泡性に優れ、かつ高温条件下の泡持ちに優れた結果が得られた。
【0096】
【表1】
【0097】
【表2】
【0098】
表3から表8の実施例12から実施例53では、前記(B)成分の種類および含有量を代えても、表8の比較例8と比較して、低温条件下での発泡性に優れ、かつ高温条件下の泡持ちに優れた結果が得られた。
【0099】
【表3】
【0100】
【表4】
【0101】
【表5】
【0102】
【表6】
【0103】
【表7】
【0104】
【表8】
【0105】
表9の実施例54から実施例59では、前記第2剤エアゾール原液と発泡剤の質量比を代えても、低温条件下での発泡性に優れ、かつ高温条件下の泡持ちに優れた結果が得られた。
【0106】
【表9】
【0107】
以下にエアゾール型泡状染毛用または脱色用第2剤組成物の処方例を記載する。
【0108】
(処方例1)
第2剤エアゾール原液
成 分 含有量(質量%)
過酸化水素 6.00
POE(1)セチルエーテル 0.56
POE(40)セチルエーテル 2.80
POE(10)セチルエーテル 2.80
POE(5)ラウリルエーテル 2.80
POE(5)ベヘニルエーテル 0.70
セチルアルコール 1.40
ステアリルアルコール 0.80
ポリエチレングリコール (平均分子量200) 2.00
ヒドロキシエタンジホスホン酸 0.15
水酸化カリウム 0.05
精製水 残分
合計 100.00
粘度(25℃) 24mPa・s
pH(25℃) 2.5
第2剤エアゾール原液:発泡剤(0.29MPa、LPG) 95:5
【0109】
(処方例2)
第2剤エアゾール原液
成 分 含有量(質量%)
過酸化水素 6.00
POE(1)セチルエーテル 0.60
POE(40)セチルエーテル 3.00
POE(10)セチルエーテル 3.00
POE(5)ラウリルエーテル 3.00
POE(5)ベヘニルエーテル 0.75
セチルアルコール 1.50
ステアリルアルコール 0.90
ポリエチレングリコール (平均分子量200) 2.00
ヒドロキシエタンジホスホン酸 0.15
水酸化カリウム 0.05
精製水 残分
合計 100.00
粘度(25℃) 100mPa・s
pH(25℃) 2.5
第2剤エアゾール原液:発泡剤(0.29MPa、LPG) 95:5
【0110】
処方例1および処方例2のおいても、低温条件下での発泡性に優れ、かつ高温条件下の泡持ちに優れた結果が得られた。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明は、低温条件下での発泡性に優れ、かつ高温条件下の泡持ちに優れたエアゾール型泡状染毛用または脱色用第2剤組成物を提供することができる。