(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】携帯端末装置、商品販売データ処理システム、報知方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20241209BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20241209BHJP
G07G 1/01 20060101ALI20241209BHJP
G06Q 30/06 20230101ALI20241209BHJP
【FI】
G07G1/12 331D
G07G1/00 301D
G07G1/12 331A
G07G1/01 301D
G07G1/00 331C
G06Q30/06
(21)【出願番号】P 2021003323
(22)【出願日】2021-01-13
【審査請求日】2024-01-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】金子 知樹
【審査官】山本 裕太
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-042464(JP,A)
【文献】特開2020-067917(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/12
G07G 1/00
G07G 1/01
G06Q 30/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在地を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
店舗において提示される店舗特定情報を取得する店舗特定情報取得手段と、
前記位置情報を用いて前記店舗が特定される第1条件と、前記店舗特定情報を用いて前記店舗が特定される第2条件とのうちのいずれか一方の開始条件の成立に応じて、商品登録を開始する登録手段と、
前記商品登録が正当に行われているか否かの正当判定を行う判定手段と、
前記判定手段の判定結果を用いてエラーの報知を行う報知手段と、
を備え、
前記報知手段は、成立した前記開始条件に基づく前記報知を行う、
ことを特徴とする
携帯端末装置。
【請求項2】
前記正当判定は、取引の途中で取得される前記位置情報を用いて前記店舗に存在するか否かの存在判定を含み、
前記報知手段は、
前記第1条件の成立による取引において、前記存在判定に基づく前記報知を行い、
前記第2条件の成立による取引において、前記存在判定に基づく前記報知を行わない、
ことを特徴とする請求項1に記載の
携帯端末装置。
【請求項3】
前記正当判定は、取引の途中で前記位置情報が取得されたか否かの位置情報取得判定を含み、
前記報知手段は、前記位置情報が取得されない前記位置情報取得判定の判定結果が得られたとしても、前記報知を行わない、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の
携帯端末装置。
【請求項4】
前記位置情報取得判定において前記位置情報が取得されない判定結果が得られることに応じて、前記店舗特定情報の取得要求を行う第1要求手段を備える、
ことを特徴とする請求項3に記載の
携帯端末装置。
【請求項5】
前記正当判定は、前記商品登録に係る操作が正当に行われているか否かの操作判定を含む、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の
携帯端末装置。
【請求項6】
前記正当判定は、取引の途中で前記店舗特定情報が取得されたか否かの店舗特定情報取得判定を含み、
前記報知手段は、
前記第1条件の成立による取引において、前記店舗特定情報取得判定に基づく前記報知を行わず、
前記第2条件の成立による取引において、前記店舗特定情報取得判定に基づく前記報知を行う、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の
携帯端末装置。
【請求項7】
前記第2条件の成立による取引において、前記商品登録の開始から所定時間が経過することに応じて、前記店舗特定情報の取得要求を行う第2要求手段を備え、
ことを特徴とする請求項6に記載の
携帯端末装置。
【請求項8】
前記店舗特定情報は、所定のタイミングで更新される更新店舗特定情報と、更新されない非更新店舗特定情報とを含み、
前記報知手段は、
前記更新店舗特定情報が取得された前記第2条件の成立による取引において、前記正当判定に基づく前記報知を行わず、
前記非更新店舗特定情報が取得された前記第2条件の成立による取引において、前記正当判定に基づく前記報知を行う、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の
携帯端末装置。
【請求項9】
前記登録手段は、計量対象商品を計量する計量装置と通信接続することにより、前記計量対象商品を登録することが可能であり、
前記報知手段は、前記計量対象商品が登録された場合、前記開始条件にかかわらず、前記報知を行わない、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の
携帯端末装置。
【請求項10】
前記第1条件が成立しない場合、前記店舗特定情報の取得要求を行う第3要求手段を備え、
前記登録手段は、前記第3要求手段による取得要求に応じて前記店舗特定情報が取得されることによる前記第2条件の成立に応じて前記商品登録を開始する、
ことを特徴とする
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の
携帯端末装置。
【請求項11】
顧客が操作する
携帯端末装置を含む商品販売データ処理システムであって、
現在地を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
店舗において提示される店舗特定情報を取得する店舗特定情報取得手段と、
前記位置情報を用いて前記店舗が特定される第1条件と、前記店舗特定情報を用いて前記店舗が特定される第2条件とのうちのいずれか一方の開始条件の成立に応じて、商品登録を開始する登録手段と、
前記商品登録が正当に行われているか否かの正当判定を行う判定手段と、
前記判定手段の判定結果を用いてエラーの報知を行う報知手段と、
を備え、
前記報知手段は、成立した前記開始条件に基づく前記報知を行う、
ことを特徴とする商品販売データ処理システム。
【請求項12】
携帯端末装置に用いられるコンピュータが、
現在地を示す位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
店舗において提示される店舗特定情報を取得する店舗特定情報取得ステップと、
前記位置情報を用いて前記店舗が特定される第1条件と、前記店舗特定情報を用いて前記店舗が特定される第2条件とのうちのいずれか一方の開始条件の成立に応じて、商品登録を開始する登録ステップと、
前記商品登録が正当に行われているか否かの正当判定を行う判定ステップと、
前記判定ステップにおける判定結果を用いてエラーの報知を行う報知ステップと、
を実行し、
前記報知ステップでは、成立した前記開始条件に基づく前記報知を行う、
ことを特徴とする報知方法。
【請求項13】
携帯端末装置に用いられるコンピュータを、
現在地を示す位置情報を取得する位置情報取得手段、
店舗において提示される店舗特定情報を取得する店舗特定情報取得手段、
前記位置情報を用いて前記店舗が特定される第1条件と、前記店舗特定情報を用いて前記店舗が特定される第2条件とのうちのいずれか一方の開始条件の成立に応じて、商品登録を開始する登録手段、
前記商品登録が正当に行われているか否かの正当判定を行う判定手段、
前記判定手段の判定結果を用いてエラーの報知を行う報知手段、
として機能させ、
前記報知手段は、成立した前記開始条件に基づく前記報知を行う、
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置、商品販売データ処理システム、報知方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、顧客が所持するスマートフォンなどの携帯端末装置に、ショッピング用のアプリケーションをインストールさせて、店舗において顧客自らの操作で商品の登録を行うシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。携帯端末装置は、定期的に自装置の位置確認を行い、自装置が店舗内に位置していない場合にはエラーを報知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、エラーが頻繁に報知されてしまうと、顧客に買物を円滑に行わせることができないことがある、という問題があった。例えば、店舗が地下に存在するような場合など、位置情報を取得しにくい環境では、携帯端末装置は、店舗内に位置していないものと判断し、エラーを頻繁に報知してしまうことがあった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、買物を円滑に行わせることができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様である端末装置は、現在地を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、店舗において提示される店舗特定情報を取得する店舗特定情報取得手段と、前記位置情報を用いて前記店舗が特定される第1条件と、前記店舗特定情報を用いて前記店舗が特定される第2条件とのうちのいずれか一方の開始条件の成立に応じて、商品登録を開始する登録手段と、前記商品登録が正当に行われているか否かの正当判定を行う判定手段と、前記判定手段の判定結果を用いてエラーの報知を行う報知手段と、を備え、前記報知手段は、成立した前記開始条件に基づく前記報知を行う、ことを特徴とする端末装置である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態に係るショッピングシステム1のネットワーク構成を示す説明図である。
【
図2】POS端末装置20の設置例を示す説明図である。
【
図3】POS端末装置20のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】携帯端末装置50のハードウェア構成の一例を示す説明図である。
【
図5】計量装置30の外観の一例を示す説明図である。
【
図6】計量装置30のハードウェア構成の一例を示す説明図である。
【
図7】クラウドサーバSvが管理する、携帯端末装置50ごとの各種情報の一例を示す説明図である。
【
図8】ショッピングシステム1における商品の登録および精算に係る処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図9】携帯端末装置50が行う入店処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】入店時に携帯端末装置50のディスプレイ409に表示される画面の一例を示す説明図である。
【
図11】携帯端末装置50が行うバーコード商品の商品登録処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12】入店処理の完了後に携帯端末装置50のディスプレイ409に表示される画面の一例を示す説明図である。
【
図13】携帯端末装置50が行う計量対象商品の商品登録処理の一例を示すフローチャートである。
【
図14】計量対象商品の登録手順の一例を示す説明図である。
【
図15】計量装置30に表示される待機画面の一例を示す説明図である。
【
図16】接続用コードを読み取った後に携帯端末装置50に表示される画面の一例を示す説明図である。
【
図17】計量装置30および携帯端末装置50に表示される計量中の画面の一例を示す説明図である。
【
図18】携帯端末装置50が行う位置情報に基づく報知処理の一例を示すフローチャートである。
【
図19】携帯端末装置50に表示される位置情報に基づくエラー画面の一例を示す説明図である。
【
図20】携帯端末装置50が行う商品登録操作情報に基づく報知処理の一例を示すフローチャートである。
【
図21】携帯端末装置50に表示される商品登録操作情報に基づくエラー画面の一例を示す説明図である。
【
図22】POS端末装置20が行う登録情報の確認処理の一例を示すフローチャートである。
【
図23】POS端末装置20の客側表示部205に表示される精算時の画面遷移の一例を示す説明図である。
【
図24】携帯端末装置50が行う位置情報に基づく報知処理の変形例1を示すフローチャートである。
【
図25】携帯端末装置50が行う位置情報に基づく報知処理の変形例2を示すフローチャートである。
【
図26】携帯端末装置50が行う店舗特定情報に基づく報知処理の変形例3を示すフローチャートである。
【
図27】携帯端末装置50が行う位置情報に基づく報知処理の変形例4を示すフローチャートである。
【
図28】携帯端末装置50が行う商品登録操作情報に基づく報知処理の変形例5を示すフローチャートである。
【
図29】携帯端末装置50が行う商品登録操作情報に基づく報知処理の変形例6を示すフローチャートである。
【
図30】携帯端末装置50が行う商品登録操作情報に基づく報知処理の変形例7を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の端末装置、商品販売データ処理システム、報知方法、およびプログラムの実施形態について説明する。
【0009】
(実施形態)
(ショッピングシステム1のネットワーク構成)
図1は、実施形態に係るショッピングシステム1のネットワーク構成を示す説明図である。ショッピングシステム1は、商品販売データ処理システムの一例である。ショッピングシステム1は、スーパーマーケット、ホームセンター、コンビニエンスストア、各種用品店など、種々の店舗に導入可能である。
【0010】
図1において、ショッピングシステム1は、クラウドサーバSvと、ストアコントローラ(管理装置、ストアコンピュータ)10と、取引状況管理装置11と、POS(Point Of Sales)端末20と、計量装置30と、携帯端末装置50と、を含む。携帯端末装置50は、端末装置の一例である。
【0011】
各装置および各端末は、それぞれ、ネットワークを介して、通信可能に接続されている。例えば、ストアコントローラ10と、取引状況管理装置11と、POS端末装置20と、計量装置30とは、それぞれ、LAN(Local Area Network)55を介して、通信可能に接続されている。各装置および各端末は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、通信部などを備えたコンピュータ装置である。
【0012】
クラウドサーバSvは、顧客に関する情報や、店舗に関する情報、店舗ごとの商品に関する情報などの各種情報を管理するサーバ装置である。例えば、クラウドサーバSvは、携帯端末装置50によって読み取られた商品の情報に基づいて、顧客ごとに、仮想カートを示すカート情報を生成し、仮想カートに商品を登録する。クラウドサーバSvが管理(生成および記憶)する情報については、
図7を用いて後述する。
【0013】
ストアコントローラ10は、POS端末装置20や計量装置30を管理するとともに、商品マスタなどの取引に必要な各種情報を記憶する。商品マスタは、各商品の商品識別情報(例えばJAN(Japanese Article Number)コード)、商品名、販売価格などの商品情報が格納されるファイルである。また、商品マスタは、計量が必要な商品(以下「計量対象商品」と言う)の商品識別情報、商品名称、計量対象商品の単価などを含む。また、ストアコントローラ10は、商品マスタのほかにも、在庫状況、販売履歴、入出金記録などの各種の情報を記憶する。また、ストアコントローラ10は、顧客の会員情報を記憶してもよい。
【0014】
取引状況管理装置11は、POS端末装置20や計量装置30を監視する装置である。具体的には、取引状況管理装置11は、POS端末装置20の状況(動作モード、処理状況等)を表示したり、POS端末装置20を制御したりする。また、取引状況管理装置11は、計量装置30の処理状況等を表示したり、計量装置30を制御したりする。なお、取引状況管理装置11は、モニタ機能のみを有していてもよい。
【0015】
POS端末装置20は、携帯端末装置50によって登録された商品の精算(決済)を行う精算処理を実行することが可能なコンピュータ装置である。POS端末装置20は、携帯端末装置50によって登録された商品の精算を行うほかにも、自装置または他のPOS端末装置20によって登録された商品の精算を行うことも可能である。また、本実施形態において、POS端末装置20は、動作モードの切替えが可能である。具体的には、POS端末装置20は、精算専用装置として機能する会計専用モードのほかに、店員の操作によって商品登録が行われる店員登録モードや、顧客の操作によって商品登録が行われる顧客登録モード(フルセルフモード)で動作することも可能である。なお、
図1において、POS端末装置20の台数は、複数台を例示しているが、1台であってもよい。
【0016】
計量装置30は、計量対象商品の計量を行うコンピュータ装置である。計量装置30は、計量した重量(または個数)と、計量対象商品の単価とを用いて、計量対象商品の金額を算出する。計量対象商品は、通常の商品とは異なる商品である。ここで、通常の商品は、例えば、JANコードが付されている商品である。携帯端末装置50は、JANコードを読み取ると、読み取ったJANコードをクラウドサーバSvに問い合わせ、JANコードに対応付けられている価格データを取得する。
【0017】
一方で、計量対象商品は、品物の重量や数量により価格が異なる商品である。計量対象商品は、例えば、野菜、果物、鮮魚、精肉などの生鮮食品や総菜などである。計量装置30は、計量対象商品の金額や重量等をコード化したラベルを印刷して出力する。当該ラベルには、価格が含まれている。計量対象商品に付されるラベル(バーコード)は、NON-PLU(Price Look Up)の方式が用いられている。なお、
図1において、計量装置30の台数は、複数台を例示しているが、1台であってもよい。
【0018】
携帯端末装置50は、スマートフォン、タブレット装置、携帯電話などの可搬型のコンピュータ装置である。携帯端末装置50は、通信部、撮像部(カメラ)、タッチパネルなどを備え、顧客によって操作される。本実施形態において、携帯端末装置50は、ショッピングカートに対して着脱可能に取り付けられる。ただし、携帯端末装置50は、ショッピングカートに対して着脱不可能に据え付けられたものでもよい。また、携帯端末装置50は、顧客の所有物であってもよいし、店舗が顧客に貸与する貸与品であってもよい。
【0019】
携帯端末装置50は、商品に付されるバーコード(商品コード)をスキャンして(読み取り)、商品の登録を受け付ける。すなわち、携帯端末装置50は、商品に付されるバーコードを認識する認識機能を備える。
【0020】
なお、携帯端末装置50が備える認識機能は、商品に付される商品コードを読み取ることができるものであればよく、読み取った商品コードから商品を特定できなくてもよい。つまり、携帯端末装置50は、撮像機能によって撮像されている撮像画像(スルー画像として取得している画像)内にオブジェクトとしてバーコードが存在する場合に、当該バーコードから商品コードを読み取ることができればよい。
【0021】
また、携帯端末装置50は、画像認識技術を備えていてもよい。具体的には、携帯端末装置50は、画像(スルー画像、撮像画像)から特徴点を抽出し、撮像対象(オブジェクト等)を認識する画像認識技術を備えていてもよい。例えば、携帯端末装置50は、画像認識技術を用いて、撮像した商品を特定(推定)してもよい。このような画像認識技術を用いることにより、携帯端末装置50は、例えば、バーコードの付されていない野菜や果物などの生鮮食品を特定することも可能である。
【0022】
また、携帯端末装置50には、ショッピングシステム1に係る商品の登録および精算を行うためのアプリケーションソフトウェア(以下、「ショッピングアプリ」という場合がある。)がインストールされている。携帯端末装置50は、ショッピングアプリを起動させることにより、商品に付されたバーコードを読み取って、読み取った情報をクラウドサーバSvに送信する。これにより、当該バーコードに対応する登録商品情報が、クラウドサーバSvの仮想カートに登録される。
【0023】
また、携帯端末装置50は、精算を行う際に、登録した商品に対応する2次元コード(以下「精算用コード」という場合がある)。精算用コードは、例えば、QRコード(登録商標)で表される。POS端末装置20が精算用コードを読み取ると、クラウドサーバSvに対して、当該携帯端末装置50に対応する登録情報の送信要求を行う。そして、POS端末装置20がクラウドサーバSvから登録情報を受信すると、POS端末装置20において精算を行うことが可能になる。なお、以下において、仮想カートに登録された商品を「登録商品」という場合がある。
【0024】
また、本実施形態において、精算を行う装置は、POS端末装置20としているが、これに限らない。例えば、精算を行う装置は、店舗に設置された精算専用の装置であってもよいし、ショッピングカートに対して着脱不可能に据え付けられた精算用のコンピュータ装置であってもよい。このコンピュータ装置は、例えば、クレジットカードやプリペイドカードを用いたカードの精算のみを有効にするものであってもよい。
【0025】
(POS端末装置20の設置例)
図2は、POS端末装置20の設置例を示す説明図である。
図2(A)は、POS端末装置20を客側から見た斜視図である。
図2(B)は、POS端末装置20を店員側から見た斜視図である。
図2(A)に示すように客側から見てPOS端末装置20の右側にカウンタが置かれている。なお、図示では、省略しているが、
図2(A)において、POS端末装置20の左側にもカウンタが置かれてもよい。すなわち、カウンタは、POS端末装置20の両側に置かれてもよい。また、カウンタは、買物かごを載置することが可能である。
【0026】
図2に示すように、POS端末装置20は、サインポール220を備える。サインポール220は、発光部を備える。サインポール220の発光部は、例えば、ランプやLED(light emitting diode)であり、所定の色や、所定の点灯態様で点灯可能である。サインポール220の点灯態様により、POS端末装置20の使用状態(使用中、警告中、店員呼出中など)を報知することが可能である。サインポール220は、上方に向けて設けられており、POS端末装置20の近くにいない店員にも、POS端末装置20の使用状態を報知することが可能である。
【0027】
(POS端末装置20の構成例)
次に、
図2および
図3を用いて、POS端末装置20の構成について説明する。
図3は、POS端末装置20のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2および
図3において、同一部分には同一符号を付している。
【0028】
以下、
図2を参照しつつ、
図3に示したPOS端末装置20の構成例を説明する。POS端末装置20は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、ハードディスク204と、客側表示部205と、客側スキャナ部206と、カード決済部208と、釣銭機209と、店員側表示部210と、キー操作部211と、店員側スキャナ部212と、印刷部213と、音声出力部214と、通信部215と、カメラ216とを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。
【0029】
CPU201は、中央演算処理装置であり、ROM202に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより、POS端末装置20の動作を制御する。
ROM202は、読み出し専用メモリであり、プログラムをはじめとしてCPU201が利用する各種の情報を記憶する。
【0030】
RAM203は、読み出しや書き込みが可能なメモリであり、種々の情報を記憶する。例えば、RAM203は、外部から取得した情報(例えば、ストアコントローラ10から取得した商品マスタ等)や、処理において生成した情報を記憶する。この情報は、例えば、商品登録処理において生成した登録情報や、登録商品を精算する精算処理において生成した精算情報などを含む。
【0031】
ハードディスク204は、種々の情報を記憶する。例えば、ハードディスク204は、カメラ216によって撮像された撮像結果(例えば、動画)を記憶する。ハードディスク204は、例えば、ROM202に代えて、CPU201が実行する商品販売データ処理プログラム等の各種のプログラムを記憶してもよい。また、RAM203に代えて、外部から取得した情報や、処理において生成した情報を記憶してもよい。
【0032】
客側表示部205は、顧客用のタッチディスプレイである。客側表示部205は、顧客に種々の情報を表示するとともに、顧客から種々の入力を受け付ける。
客側スキャナ部206は、顧客用のスキャナ部であり、各種の情報を光学的に読み取る。例えば、客側スキャナ部206は、商品に付されているバーコード(商品コード等)や、お会計券(登録商標)に印刷されているコード(バーコード、2次元コード等)を光学的に読み取る。客側スキャナ部206は、上記に加えて、品券類(商品券、クーポン券、優待券)や、各種カード(例えば、会員カード、ポイントカード等)に印刷されているコード(バーコード、2次元コード等)を読み取ってもよい。なお、商品の登録は、客側スキャナ部206によるコードの読み取りによる登録に限らない。例えば、客側表示部205に、商品に対応するプリセットキー(商品を注文するボタン)を表示し、当該プリセットキーが顧客によって操作(押下)されることによって、商品の登録を行うことも可能である。また、客側スキャナ部206は、携帯端末装置50に表示される精算用コードを読み取ることも可能である。POS端末装置20は、客側スキャナ部206によって精算用コードが読み取られると、読み取った内容に基づいて精算を行うことが可能である。
【0033】
カード決済部208は、各種カード(クレジットカード、交通系カード等のプリペイドカード、ポイントカード等)による決済機構である。カード決済部208は、カード認識部(読取部)や表示部や操作部を備える。カード認識部は、各種カードの情報を磁気的または電気的に読み取る。読み取られた情報は、買上商品の精算に用いられる。なお、カード認識部は、例えば、ポイントカードの保有ポイントを使用する場合など、今回の買上商品の精算において使用する情報を認識することも可能である。また、カード認識部は、例えば、ポイントカードにポイントを付与する場合など、今回の買上商品の精算に使用しない情報を認識することも可能である。
【0034】
なお、本実施形態のカード決済部208は、カード認識部、表示部、および操作部を備えるが、これに限らず、少なくともカード認識部を備えるものであればよい。また、本実施形態のカード認識部は、接触型のカード(ICカード、磁気カード)に対応するものであってもよいし、非接触型のカード(ICカード)に対応するものであってもよい。
【0035】
釣銭機209(現金決済部)は、現金による決済機構であり、紙幣や硬貨の投入口、紙幣や硬貨の排出口を有する。釣銭機209は、投入口への投入金額を算出し、投入金額と買上金額の差分である釣銭金額を算出し、釣り銭を排出口から排出する。釣銭機209は、客側に向けられており、顧客から各種操作や現金の投入を受け付ける。なお、釣銭機209は、投入口に投入された紙幣や硬貨を検出するセンサを有する。当該センサは、投入口に紙幣や硬貨が投入された旨の検出や、金種別の枚数の検出などを行う。
【0036】
店員側表示部210は、店員用のタッチディスプレイである。店員側表示部210は、店員に種々の情報を表示するとともに、店員から種々の入力を受け付ける。店員側表示部210には、商品に対応するプリセットキー(商品を注文するボタン)が表示され、当該プリセットキーが店員によって操作(押下)されることによって、商品の登録が行われる。また、店員側表示部210には、商品の登録完了を受け付ける小計キーが表示される。
【0037】
キー操作部211は、各種のキー(ハードウェアキー、ボタン)から構成される。キー操作部211は、店員から種々の入力を受け付ける。例えば、キー操作部211は、商品に対応するボタンを含み、当該ボタンが操作されることにより、当該商品の登録を受け付ける。また、例えば、キー操作部211は、モード切替えボタンを含み、当該モード切替えボタンが操作されることにより、動作モードの切替えを受け付ける。
【0038】
店員側スキャナ部212は、店員用のスキャナ部であり、各種の情報を光学的に読み取る。例えば、店員側スキャナ部212は、商品に付されているバーコードや、店員の名札に付された店員コードを光学的に読み取る。店員側スキャナ部212は、上記に加えて、お会計券に印刷されているコードや、品券類や、各種カードに印刷されているコードを読み取ってもよい。また、店員側スキャナ部212は、決済用の2次元コードを読み取ることも可能である。POS端末装置20は、店員側スキャナ部212によって精算用コードが読み取られると、読み取った内容に基づいて決済を行うことが可能である。
【0039】
なお、商品の登録は、店員側スキャナ部212によるコードの読み取りによる登録に限らない。例えば、キー操作部211に、商品(例えば、○○新聞)に対応するキーを配置しておき、当該キーが店員に操作(押下)されることによって、当該商品の登録が行われてもよい。
【0040】
印刷部213は、各種媒体(レシート、領収書、お会計券等)を印刷して出力する。印刷部213は、媒体発行口の方向を変更可能である。具体的には、印刷部213は、回転自在な機構を有し、媒体発行口が店員側から客側に向くように、また、客側から店員側に向くように構成されている。なお、媒体発行口の向きは、手動で変更可能であってもよいし、動作モードが切り替わることに応じて自動で変更可能であってもよい。なお、印刷部213は、印刷発行口の向きの正誤を検出するセンサを備えていてもよい。
【0041】
音声出力部214は、音声を出力する。例えば、音声出力部214は、音声ガイダンスや警告音などを出力する。音声ガイダンスや警告音は、商品の登録や精算に係るものである。
通信部215は、他の装置(ストアコントローラ10、取引状況管理装置11、および他のPOS端末装置20)と情報を送受信するインタフェースである。
【0042】
カメラ216は、客側から見て、客側表示部205の右上に取り付けられている。カメラ216は、動画、または静止画を連続的に撮像するカメラである。カメラ216には、CCD(charge coupled device)カメラや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラを用いることが可能である。カメラ216は、精算時における顧客の操作状況を撮像する。具体的には、カメラ216は、顧客が所持する紙幣や硬貨、釣銭機209、手の動作などを撮像する。また、カメラ216は、商品の登録時における顧客の操作状況を撮像する。具体的には、カメラ216は、POS端末装置20の両脇に設けられたカウンタ上の買物かごの内部(商品)や、登録時における顧客の操作状況も撮像することが可能である。また、カメラ216は、別途、店員側に設けられていてもよい。この場合、POS端末装置20は、店員側に設けられたカメラ216の撮像結果に基づいて、店員の有無を判別することが可能である。
【0043】
(携帯端末装置50のハードウェア構成)
図4は、携帯端末装置50のハードウェア構成の一例を示す説明図である。
図4において、携帯端末装置50は、CPU401、ROM402、RAM403、メモリ404、通信部405、操作部406、カメラ407、マイク408、ディスプレイ409、スピーカ410、GPS(Global Positioning System)ユニット411を備えている。各部は、バス420によってそれぞれ接続されている。
【0044】
CPU401は、携帯端末装置50の全体の制御を司る。ROM402は、各種プログラムを記録している。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。すなわち、CPU401は、RAM403をワークエリアとして使用しながら、ROM402に記録された各種プログラムを実行することによって、携帯端末装置50の全体の制御を司る。
【0045】
メモリ404は、各種データを記憶する。メモリには、例えば、フラッシュメモリが用いられる。メモリ404は、ショッピングアプリや報知プログラムなどの各種プログラムや、地図データや店舗の情報など各種データを記憶する。
通信部405は、ネットワークに接続され、ネットワークを介して他の装置(例えば取引管理サーバSv)に接続される。ネットワークとして機能する通信網には、インターネットや携帯電話網などがある。
【0046】
操作部406は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のタッチキーを表示するタッチパネルや、ハードキーなどである。
カメラ407は、商品に付されたバーコードや、各種の2次元コードを読み取る。
マイク408は、操作者の音声を入力する。
ディスプレイ409は、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、文字、画像、コードなどを表示する。
【0047】
スピーカ410は、音声を含む音を出力する。
GPSユニット411は、GPS衛星から位置情報を受信し、地図データ上における携帯端末装置50の現在位置を検出する機能を有する。また、携帯端末装置50は、不図示の各種センサ(例えば、ジャイロセンサ、加速度センサ、距離センサなど)を備え、携帯端末装置50の各種状態(例えば、携帯端末装置50の傾きや、携帯端末装置50と商品との距離)などを検出する機能を有する。
【0048】
(計量装置30の構成例)
次に、
図5および
図6を用いて、計量装置30の構成例について説明する。以下では、
図5を参照しつつ、
図6に示した計量装置30の構成例について説明する。
図5は、計量装置30の外観の一例を示す説明図である。
図6は、計量装置30のハードウェア構成の一例を示す説明図である。
図5または
図6に示すように、計量装置30は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、メモリ304と、通信部305と、表示部306と、印刷部307と、スキャナ部308と、音声出力部309と、ロードセル310と、載台320と、を備える。これらは、バス330を介して相互に通信可能である。
【0049】
CPU301は、中央演算処理装置であり、ROM302に記憶されている取引情報出力プログラム等の各種プログラムを読み出して実行することにより、計量装置30の動作を制御する。
ROM302は、読み出し専用メモリであり、プログラムをはじめとしてCPU301が利用する各種の情報を記憶する。
【0050】
RAM303は、読み出しや書き込みが可能なメモリであり、種々の情報を記憶する。例えば、RAM303は、ROM302やメモリ304から読み出した情報や、外部から取得した情報や、処理において生成した情報等を記憶する。
【0051】
メモリ304は、種々の情報を記憶する。メモリ304は、例えば、ストアコントローラ10から取得した計量対象商品の単価を記憶する。なお、メモリ304に記憶されている各種情報は、外部の装置(例えば、ストアコントローラ10や外部のサーバ装置等)に記憶されていてもよい。この場合、計量装置30は、各種情報を用いる際に、当該外部の装置に問い合わせて、各種情報を取得するようにすればよい。
【0052】
なお、メモリ304は、ROM302に代えて、CPU301が実行するプログラム等を記憶してもよい。また、メモリ304は、RAM303に代えて、ROM302から読み出した情報や、外部から取得した情報や、処理において生成した情報等を記憶してもよい。
【0053】
通信部305は、外部の装置との間で情報を送受信するインタフェースである。通信部305は、ストアコントローラ10から、計量対象商品の商品識別情報に対応する単価を受信する。計量装置30は、載台320に載置された商品の重量(または個数)と、単価とを用いて、計量対象商品の売価を算出する。
【0054】
また、通信部305は、ネットワーク通信を介した通信のほかに、携帯端末装置50と近距離無線通信を行う。通信部305が近距離無線通信によって携帯端末装置50と通信接続可能な台数は、限られており、例えば、1台である。具体的に説明すると、携帯端末装置50と1対1で近距離無線通信を行う。1対1の近距離無線通信は、例えば、Bluetooth(登録商標)である。なお、1対1の近距離無線通信は、NFC(Near Field Communication)、Wi-Fi(登録商標)、光通信、4G(Generation)回線等などの通信プロトコルによる通信であってもよい。なお、通信部305が近距離無線通信によって携帯端末装置50と通信接続可能な台数は、1台に限らず、2台や3台であってもよい。
【0055】
表示部306は、顧客に各種情報を表示するとともに、顧客から操作を受け付ける。表示部306に表示される各種情報は、計量中の計量対象商品の商品名や計量数などのほか、計量に関するガイダンスなどを含む。また、表示部306に表示される各種情報は、携帯端末装置50と1対1の通信を開始させるために、携帯端末装置50に読み取らせる2次元コード(以下「接続用コード」という場合がある。)を含む。
【0056】
印刷部307は、計量対象商品に関する情報(計量対象商品の重量、売価、およびこれらを示すバーコードなど)が印刷された印刷物(以下「ラベル」ともいう)を出力するラベル発行部である。
スキャナ部308は、各種コード(バーコード、2次元コード等)を読み取る。
音声出力部309は、音声を出力する。例えば、音声出力部309は、計量に関する音声ガイダンス等を出力する。
ロードセル310は、重量を検出するセンサである。ロードセル310は、載台320に載置された計量対象商品の重量を計測する。
【0057】
(クラウドサーバSvが管理する情報の一例)
図7は、クラウドサーバSvが管理する、携帯端末装置50ごとの各種情報の一例を示す説明図である。クラウドサーバSvは、(A)顧客情報と、(B)店舗情報と、(C)カート情報とを含む各種情報を記憶する。なお、クラウドサーバSvは、自装置内の記憶部に各種情報を記憶することに代えて又は加えて、クラウドサーバSvがアクセス可能なファイルサーバ等の他の装置に、各種情報の一部または全部を記憶してもよい。
【0058】
(顧客情報)
図7(A)は、顧客情報の一例を示す。顧客情報は、個々の顧客を管理するための情報である。顧客情報は、店舗ごとや系列店ごとの会員情報であってもよい。
図7(A)に示すように、顧客情報は、顧客識別情報、顧客名、顧客登録日、顧客ランク、ポイント数などの項目を含む。
【0059】
顧客識別情報は、顧客を一意に識別する識別情報である。顧客識別情報は、例えば、携帯端末装置50にショッピングアプリがインストールされる際に、インストールされたショッピングアプリごとに固有に割り当てられるアプリケーション識別情報(以下「アプリ識別情報」という。)であってもよい。アプリ識別情報は、例えば、シーケンシャルに付される番号であってよい。あるいは、アプリ識別情報は、ショッピングアプリがインストールされた携帯端末装置50に固有に割り当てられた端末識別情報であってもよい。この端末識別情報は、例えば、携帯端末装置50のユーザである顧客に割り当てられた電話番号や、MAC(Media Access Control)アドレス等のように携帯端末装置50のハードウェアに固有となるように付されるハードウェア識別情報であってよい。
【0060】
顧客名は、顧客の氏名やニックネームなどである。
顧客登録日は、クラウドサーバSvに顧客情報を新規に登録した日時である。
顧客ランクは、顧客の購入実績に応じたランクである。
ポイント数は、ショッピングアプリを使用して買物を行ったことによって顧客に付与されるポイント数である。なお、ポイント数には、店舗ごとのポイント数を含めてもよい。
【0061】
顧客識別情報、顧客名、および顧客登録日は、新規の顧客の顧客情報が生成される際に生成される。具体的には、顧客識別情報は、クラウドサーバSvや、アプリケーション全般を提供する所定のサーバから、携帯端末装置50にショッピングアプリがダウンロードされる際に生成される。例えば、顧客名は、顧客を新規に登録する際に、携帯端末装置50の登録フォーム(入力フォーム)の氏名欄に入力された情報に基づいて生成される。また、顧客登録日は、顧客を新規に登録の際の現在日時に基づいて生成される。
【0062】
(店舗情報)
図7(B)は、店舗情報の一例を示す。店舗情報は、各店舗を管理するための情報である。
図7(B)に示すように、店舗情報は、店舗識別情報、店舗名、店舗特定情報1(2次元コードの情報)、店舗特定情報2(位置情報)などの項目を含む。
店舗識別情報は、店(屋号)または企業のコードと、支店のコードとを含む。
店舗名は、店舗の名称であり、例えば、店名(屋号)または企業名と、支店名とから構成される。
店舗特定情報1,2は、取引する店舗(商品の売買が行われる店舗)を特定するための情報である。店舗特定情報1は、例えば、店舗において掲示される2次元コードによって表される情報である。店舗特定情報2は、店舗の所在地を示す位置情報(GPS情報)である。
【0063】
(カート情報)
図7(C)は、カート情報の一例を示す。カート情報は、店舗において顧客が登録した商品に関する情報である。
図7(C)に示すように、カート情報は、カート識別情報、取引開始日時、取引終了日時、顧客識別情報、登録商品情報(計)、保留商品情報(計)などの項目を含む。
カート識別情報は、仮想カートであるカート情報を識別するための情報である。具体的には、カート識別情報は、店舗識別情報と、日付と、シリアル番号(例えば、各店舗の日付別のシリアル番号)とを含む。
【0064】
取引開始日時は、取引を開始した日時であり、例えば、当該カート情報の生成日時である。なお、取引開始日時は、1品目の商品の登録日時としてもよく、具体的には、
図7(C)に示す登録商品情報(登録商品1:○○中濃ソース)を記憶した日時としてもよい。また、取引開始日時に代えて又は加えて、商品ごとの登録日時を別途記憶するようにしてもよい。
【0065】
取引終了日時は、取引を終了した日時であり、具体的には、精算した日時である。例えば、取引終了日時は、精算を終了した日時であるが、精算を開始した日時であってもよい。
顧客識別情報は、当該取引を行う顧客を一意に識別する情報である。
【0066】
登録商品情報(計)は、商品が登録されるごとに更新される累計情報である。登録商品情報(計)は、品数(商品数)、概算小計金額、小計金額等を含む。
登録商品情報N(Nは整数)は、N品目に登録された商品の番号(データ番号)を含む。登録商品情報Nは、商品コード、品名、価格、当該商品の登録日時などを含む。具体的には、登録商品情報1(○○中濃ソース)は、1品目に登録された商品を示す。登録商品情報2(○○チーズ)は、2品目に登録された商品を示す。なお、
図7(C)に示す例では、3品目以降の登録商品情報については、図示を省略している。
【0067】
次に、保留商品情報(計)について説明する。保留商品は、精算を開始するまでに、店員の確認を要する商品である。例えば、保留商品は、未スキャン商品、NONファイル商品、年齢確認商品、防犯タグの除去が必要な防犯タグ商品、医薬品などの種別がある。
【0068】
未スキャン商品は、商品コードのスキャンに失敗したこと(スキャナによる読み取りがNGとなったこと)によって登録できなかった保留商品である。一例を挙げると、商品のパッケージにシワが存在する場合や、バーコードの印字にカスレや汚れが生じている場合に、タイムアウトによりバーコードの認識に至らないことがある。
【0069】
ここで、タイムアウトによりバーコードの認識に至らないことについて詳述する。携帯端末装置50は、各種センサ(例えば、ジャイロセンサ、加速度センサ、距離センサなど)を備え、各種センサの検出結果やカメラ407の撮像結果を用いて、バーコードの読取中であることを判別可能である。具体的には、携帯端末装置50は、各種センサの検出結果を用いて、携帯端末装置50が傾けられている状況であり、且つ、当該携帯端末装置50から一定距離だけ離れた位置に商品が存在している状況を、バーコードの読取中であるとして判別可能である。そして、携帯端末装置50は、バーコードの読取中であると判別してから、所定時間内にバーコードを読み取れなかった場合に、タイムアウトとして、未スキャン商品として特定する。
【0070】
また、未スキャン商品は、例えば、商品のバーコードを読んだフリをして、カゴへ投入された商品を含む。言い換えれば、未スキャン商品は、不正操作が行われた可能性のある商品を含むことから、不正操作の有無について店員の確認を要する商品を含む。不正操作は、例えば、バーコードのスキャンの有無を示すスキャン結果や、買物かごの中を撮像するカメラの撮像結果や、買物かごの中の商品の総重量を検出する検出結果などを用いて検出される。
【0071】
NONファイル商品は、例えば、商品マスタに登録されていない商品である。具体的には、NONファイル商品は、商品コードのスキャンに成功し(未スキャン商品とはならずに)、商品マスタ(クラウドサーバSv)に該商品コードの商品を問い合わせたものの、商品の特定に失敗した(商品の問い合わせがNGとなった)ことによって登録できなかった商品である。
【0072】
年齢確認商品は、例えば、酒類、タバコなど未成年者が購入できない商品である。
防犯タグ商品は、例えば、一定金額以上の商品など、防犯タグが取り付けられている商品である。
医薬品は、例えば、薬剤師の説明を要する商品である。
【0073】
図7(C)に示すように、保留商品情報(計)は、品数や、保留商品の種別(未スキャン商品、NONファイル商品)を含む。保留商品情報(保留商品N:Nは整数)は、N品目の保留商品の情報であり、N品目の保留商品の保留商品種別を含む。保留商品種別は、保留商品の種別を示す情報である。本例では、保留商品種別の「1」は未スキャン商品を示し、保留商品種別の「2」はNONファイル商品を示す。また、保留商品情報は、当該商品の登録日時を含む。なお、図示では、未スキャン商品およびNONファイル商品が保留商品として登録されていることを示しているが、年齢確認商品、防犯タグ商品、医薬品が保留商品として登録されている場合には、保留商品情報(計)に、これらの種別が記憶される。
【0074】
また、未スキャン商品の保留商品情報は、保留商品種別「1」に加え、当該商品の画像データ(携帯端末装置50がバーコードの読み取り行った際に撮像した画像データ)を含む。例えば、保留商品情報1は、保留商品種別を示す「1(未スキャン商品)」と、画像データとを含む。
【0075】
また、NONファイル商品の保留商品情報は、保留商品種別「2(NONファイル商品)」に加え、携帯端末装置50が読み取った商品コードを含む。例えば、保留商品情報2は、保留商品種別を示す「2(NONファイル商品)」と、商品コードとを含む。
【0076】
(携帯端末装置50によるエラーの報知について)
携帯端末装置50は、GPSユニット411から受信する位置情報を用いて、定期的に自装置が店舗内に位置するか否かの存在判定を行う。携帯端末装置50は、存在判定において、自装置が店舗内に存在しないと判定した場合や、位置情報を受信できない場合にはエラーを報知することが一般的に行われている。
【0077】
このため、店舗が地下に存在するような場合など、位置情報を取得しにくい環境では、携帯端末装置50は、店舗内に位置していないものと判断し、エラーを報知してしまうことがある。これにより、エラーが頻繁に報知されてしまうと、顧客に買物を円滑に行わせることができないことがある。そこで、本実施形態では、エラーの報知が頻繁に行われることを抑え、円滑に買物を行えるようにしている。以下に、携帯端末装置50が行うエラーの報知について詳述する。
【0078】
(携帯端末装置50の機能的構成)
まず、携帯端末装置50の機能的構成について説明する。携帯端末装置50は、位置情報取得部と、店舗特定情報取得部と、登録部と、判定部と、報知部と、要求部とを備える。各部は、CPU401によって実現される。すなわち、CPU401がROM402に記憶されている報知プログラムを実行することにより、各部の機能を実現する。
【0079】
位置情報取得部は、携帯端末装置50の現在地を示す位置情報を取得する。位置情報取得部は、例えば、GPSユニット411から位置情報を取得する。なお、携帯端末装置50は、GPSユニット411から位置情報を取得することに限らない。例えば、携帯端末装置50は、近距離無線通信を利用して、位置情報を取得してもよい。近距離無線通信は、例えば、Wi-Fi(登録商標)、NFC(Near field communication)、Bluetooth(登録商標)、EnOcean(登録商標)、Wi-SUN、Zigbee(登録商標)などが挙げられる。位置情報取得部は、近距離無線通信の電波強度や、電波強度に基づく三角測量を利用して、携帯端末装置50の位置を推定(取得)することが可能である。また、位置情報取得部は、このほかにも、BLE(Bluetooth Low Energy)を利用した通信システムであるiBeacon(登録商標)を用いて位置情報を取得することも可能である。
【0080】
店舗特定情報取得部は、店舗において提示される店舗特定情報を取得する。店舗特定情報は、例えば、バーコードや2次元コードで表される。店舗特定情報は、店舗の出入口付近に提示される。店舗特定情報は、例えば、デジタルサイネージ等のモニタに表示される。ただし、店舗特定情報は、紙面に印刷されて、壁面等に掲示されてもよい。
【0081】
登録部は、開始条件の成立に応じて、商品登録を開始する。開始条件は、第1条件と、第2条件とをのうちのいずれか一方である。第1条件は、位置情報を用いて店舗が特定される条件である。具体的には、第1条件は、
図7(C)の店舗特定情報2が示す店舗の位置情報と、GPSユニット411から取得した携帯端末装置50の現在位置を示す位置情報とを用いて、携帯端末装置50が店舗内に存在することが判別される条件である。第2条件は、店舗特定情報を用いて店舗が特定される条件である。具体的には、第2条件は、
図7(C)の店舗特定情報1(2次元コード情報)を用いて、携帯端末装置50が店舗内に存在することが判別される条件である。
【0082】
(正当判定の詳細について)
判定部は、商品登録が正当に行われているか否かの正当判定を行う。正当判定は、例えば、操作判定と、存在判定とを含む。まず、操作判定について説明する。操作判定は、商品登録に係る操作が正当に行われているか否かの判定である。操作が正当であるとは、通常通り商品が登録されることであり、具体的には、商品棚から取り出された商品のバーコードが、ショッピングカートに設置される携帯端末装置50によって読み取られて商品登録が行われることである。
【0083】
一方で、判定部は、操作判定において、通常とは異なる商品の登録が行われた場合に、登録操作が不当であると判定する。通常とは異なる商品の登録とは、具体的には、例えば、競業他社による価格チェックと見なせるような登録である。より具体的には、例えば、登録した商品の点数が一定数以上(例えば50個以上)となる場合に、判定部は、操作が不当であると判定する。なお、登録された商品がその後に全てキャンセルされたとすると、価格チェックが行われた可能性がより高いといえる。
【0084】
また、操作判定において、登録に要する時間を考慮してもよく、具体的には、所定時間内に一定数以上登録される場合に、判定部は、登録操作が不当であると判定してもよい。また、操作判定において、登録された商品の分類を考慮してもよく、具体的には、特定の分類(例えば、インスタントカレー)の商品の点数が一定数以上登録される場合に、判定部は、登録操作が不当であると判定してもよい。
【0085】
次に、存在判定について説明する。存在判定は、取引の途中で取得される位置情報を用いて店舗に存在するか否かの判定である。具体的には、存在判定は、店舗の位置情報と、携帯端末装置50の現在位置の位置情報とを用いて行われる判定である。判定部は、存在判定において、携帯端末装置50が店舗(圏内)に存在する場合に正当であると判定する。一方で、判定部は、存在判定において、携帯端末装置50が店舗に存在しない場合(圏外に存在する場合)に不当であると判定する。
【0086】
(成立した開始条件に基づくエラーの報知について)
報知部は、判定部の判定結果を用いてエラーの報知を行う。報知部は、原則、正当判定において不当であると判定された場合にエラーを報知し、正当判定において正当であると判定された場合エラーを報知しない。エラーを報知すると、携帯端末装置50は、登録商品を削除してもよい。また、エラーを報知すると、携帯端末装置50は、ショッピングアプリを終了(例えば、ログアウト)してもよい。
【0087】
報知部は、成立した開始条件に基づくエラーの報知を行う。開始条件に基づくエラーの報知とは、開始条件に応じて、エラーの報知を行ったり、行わなかったりする場合があるということである。例えば、存在判定に基づくエラーの報知は、第1条件の成立による取引において行われるが、第2条件の成立による取引において行われない。なお、エラーの報知が行われない場合でも、判定部による正当判定は行われてもよい。
【0088】
(位置情報取得判定について)
また、本実施形態において、正当判定は、上述した操作判定と存在判定とのほかに、位置情報取得判定を含む。位置情報取得判定は、取引の途中で、位置情報取得手段によって現在位置の位置情報を取得されるか否かの判定である。判定部は、位置情報取得判定において、位置情報が取得された場合に正当であると判定し、一方で、位置情報が取得されない場合に不当であると判定する。
【0089】
なお、判定部は、位置情報取得判定において、位置情報が取得された判定結果が得られた場合に、取得した位置情報を用いて存在判定を行う。このため、報知部は、位置情報取得判定において位置情報が取得され、且つ、存在判定において携帯端末装置50が店舗に存在しない(圏外に存在)と判定された場合に、エラーを報知する。
【0090】
位置情報取得判定に基づくエラーの報知は、第1条件の成立による取引において、位置情報が取得されない位置情報取得判定の判定結果が得られた場合、行われない。すなわち、地下にいる場合など通信環境が良好ではなく、位置情報を取得できない場合(位置情報取得判定において不当を示す判定結果が得られた場合)、報知部は、エラーを報知しないようにしている。また、この場合、登録部は、継続して商品登録を行うことを可能にする。すなわち、本実施形態では、位置情報が取得されない場合に、商品登録が中断されないようにしている。
【0091】
(店舗特定情報の取得要求について)
本実施形態では、ショッピングアプリによる買物を開始する際に、位置情報を用いた店舗の特定を、店舗特定情報を用いた店舗の特定よりも優先して行うようにしている。具体的には、商品登録の開始前に位置情報に基づく店舗の特定ができない場合、すなわち、第1条件が成立しない場合、要求部(第3要求手段)は、店舗特定情報の取得要求を行う。より具体的には、要求部は、位置情報を用いて店舗が特定されない場合、店舗特定情報の取得要求を行う。要求部は、例えば、ディスプレイ409に「店舗特定情報を読み取って下さい」といった通知による取得要求を行う。
【0092】
登録部は、要求部による取得要求に応じて店舗特定情報が取得されることによる第2条件の成立に応じて商品登録を開始する。なお、一定時間が経過しても、店舗特定情報が取得されない場合、要求部は、再度、店舗特定情報の取得を要求してもよい。また、一定時間が経過しても、店舗特定情報が取得されない場合、携帯端末装置50は、ショッピングを開始することができない旨を通知してもよい。
【0093】
(計量装置30と接続した場合について)
登録部は、計量対象商品を計量する計量装置30と通信接続することにより、計量対象商品を登録することが可能である。計量対象商品は、計量装置30と通信接続しなければ、登録できない。このため、計量対象商品を登録できたということは、携帯端末装置50(顧客が)が店舗に存在することを意味する。そこで、本実施形態において、報知部は、計量対象商品が登録された場合、開始条件にかかわらず、エラーの報知を行わないようにしている。なお、計量対象商品が登録された場合、エラーの報知は行われないが、判定部による正当判定が行われてもよい。
【0094】
(ショッピングシステム1における商品の登録および精算に係る処理の一例)
図8は、ショッピングシステム1における商品の登録および精算に係る処理の流れを示すシーケンス図である。なお、
図8では、ある顧客が、ある店舗に来店して、自身の携帯端末装置50を用いて購入対象の商品を登録し、POS端末装置20で当該商品の精算を完了するまでの流れについて説明する。
【0095】
ステップS801:まず、携帯端末装置50は、顧客の操作に応じて、ショッピングアプリを起動させる起動処理を実行する。起動処理において、携帯端末装置50は、ショッピングアプリのバージョンをチェックするなどして、必要に応じてバージョンアップを促す画面を表示する。また、初回起動である場合には、利用規約の同意画面を表示して、顧客の同意を得ることによって、起動処理を完了する。
【0096】
ステップS802:次に、携帯端末装置50は、入店処理(
図9参照)を行う。入店処理において、携帯端末装置50は、例えば、GPSユニット411から得られる現在地の位置情報をクラウドサーバSvへ送信する。クラウドサーバSvは、携帯端末装置50から現在地の位置情報を受信すると、携帯端末装置50の近くに存在する店舗を検索して携帯端末装置50へ送信する。携帯端末装置50は、クラウドサーバSvから受信した情報に基づいて顧客が買物を行う店舗を特定し、特定した店舗の情報をクラウドサーバSvへ送信する。
【0097】
ステップS803:クラウドサーバSvは、顧客が買物を行う店舗の情報を受信すると、カート情報を生成する。
ステップS804:入店処理を完了すると、携帯端末装置50は、買物の開始待ちを行う。具体的には、携帯端末装置50は、買物用のトップ画面を表示して、顧客によって買物開始ボタンが押下されるのを待つ。
【0098】
ステップS805:携帯端末装置50は、ディスプレイ409に撮像領域を表示させて、買物の開始処理を行う。
ステップS806:携帯端末装置50は、商品登録処理(
図11、
図13参照)を行う。具体的には、携帯端末装置50は、顧客の操作に応じて、商品に付されたバーコードをスキャンする。商品をスキャンすると、携帯端末装置50は、スキャンによって得られた商品コードを、カート識別情報とともにクラウドサーバSvへ送信する。なお、読み取った商品コードが示す商品が、例えば、未スキャン商品等の保留商品である場合には、送受信データD3として、カート識別情報と、保留商品を示す情報とが送信される。
【0099】
ステップS807:クラウドサーバSvは、携帯端末装置50から商品コードとカート識別情報とを受信すると、受信したカート識別情報が含まれるカート情報を特定し、登録商品情報を更新する。具体的には、クラウドサーバSvは、N品目の商品コードを受信した場合には、当該商品コードが示す登録商品情報(登録商品N)を記憶する。より具体的には、クラウドサーバSvは、商品コードと、品名と、価格とを対応付けて記憶する。また、クラウドサーバSvは、特定したカート情報のうち、登録商品情報の累計情報(累計品数、小計金額など)を更新する。
【0100】
ステップS808:携帯端末装置50は、商品登録処理を行うと、商品登録が正当に行われているか否かの正当判定を行い、当該正当判定において不当の判定結果が得られた場合にはエラーの報知を行う報知処理(
図18、
図20参照)を行う。これにより、例えば、入店処理後に店舗外に出て、価格チェック等の不当な商品登録が行われた場合に、エラーを報知することができる。
【0101】
ステップS809:そして、携帯端末装置50は、登録画面に登録商品を追加して表示する登録商品表示処理を行う。登録商品表示処理では、数量変更や削除などを受け付ける処理が含まれる。
ステップS810:携帯端末装置50は、顧客の操作によって精算開始(登録完了)の指示を受け付けたか否かを判断し、精算開始の指示を受け付けない場合、ステップS806に戻る。精算開始の指示を受け付けると、ステップS811に進む。
【0102】
ステップS811:携帯端末装置50は、精算開始の指示を受け付けると、精算用コードを生成する。精算用コードには、カート識別情報や、POS端末装置20に精算を行わせるための送信要求情報が含まれる。送信要求情報がPOS端末装置20からクラウドサーバSvへ送信されると、クラウドサーバSvは、POS端末装置20へ登録情報を送信する。登録情報は、精算に必要な情報であり、例えば、登録商品情報のうち、品名、価格、小計金額などを含む。携帯端末装置50は、精算用コードを生成すると、生成した精算用コードをディスプレイ409に表示する。
【0103】
ステップS812:POS端末装置20は、携帯端末装置50に表示された精算用コードを読み取る。具体的には、商品の登録を完了した顧客が、POS端末装置20の客側スキャナ部206に、携帯端末装置50のディスプレイ409に表示させた精算用コードをスキャンさせる。これにより、POS端末装置20は、カート識別情報を取得する。
【0104】
ステップS813:POS端末装置20は、精算用コードを読み取ると、クラウドサーバSvに、カート情報の送信要求を行う。具体的には、POS端末装置20は、精算用コードから復元した送信要求情報をクラウドサーバSvへ送信する。
【0105】
ステップS814:クラウドサーバSvは、POS端末装置20から送信要求情報を受信すると、送信要求情報からカート識別情報を抽出し、当該カート識別情報を含むカート情報を特定する。
ステップS815:クラウドサーバSvは、カート情報を特定すると、カート識別情報、登録情報(登録商品情報や小計金額を示す情報)、および言語情報を含む精算に必要な各種情報をPOS端末装置20へ送信する。なお、特定したカート情報に保留商品がある場合には、クラウドサーバSvは、保留商品の情報を含む登録情報をPOS端末装置20へ送信する。
【0106】
ステップS816:POS端末装置20は、クラウドサーバSvから登録情報を受信すると、顧客による登録情報の確認処理(
図24参照)を行う。なお、登録情報に保留商品が含まれている場合には、登録情報の確認処理では、店員の呼び出しが行われ、店員による保留商品の確認が行われる。
【0107】
ステップS817:POS端末装置20は、精算処理を実行する。精算処理は、決済種別の選択を受け付ける処理を含む。なお、決済種別は、ショッピングアプリに予め登録されていてもよい。また、決済種別が現金の場合、POS端末装置20は、精算処理において、現金の投入を受け付けて、お釣りの払い出しを行い、レシートを発行する。そして、POS端末装置20は、精算した内容を示す情報や、カート情報をクラウドサーバSvに送信する。そして、クラウドサーバSvは、当該カート情報の取引終了日時(精算日時)を記憶する。
【0108】
ステップS818:クラウドサーバSvは、取引が完了したことを示す取引完了通知を携帯端末装置50へ送信する。
ステップS819:携帯端末装置50は、取引完了通知を受信すると、携帯端末装置50に登録されている商品を消去し、ショッピングアプリを終了する。なお、携帯端末装置50は、ステップS811において、精算用コードを生成して、表示すると、携帯端末装置50に登録されている商品を消去して、ショッピングアプリを終了してもよい。このようにして、一連の処理が終了する。
【0109】
なお、上述した処理では、ステップS806において、携帯端末装置50で商品を登録(スキャン)する度に、カート識別情報と商品コードとをクラウドサーバSvへ送信するようにした。ただし、これらの送信は、商品を登録する度に行うことに限らない。例えば、携帯端末装置50は、精算開始の指示を受け付けたタイミングで、これらの情報を一括してクラウドサーバSvへ送信するようにしてもよい。このようにすることによって、携帯端末装置50と、クラウドサーバSvとの間の通信回数を抑えることができる。
【0110】
(
図8のステップS802に示した入店処理の一例)
次に、
図9を用いて、
図8のステップS802に示した入店処理の一例について説明する。
図9は、携帯端末装置50が行う入店処理の一例を示すフローチャートである。
図9に示すように、携帯端末装置50は、GPSユニット411に対して、現在地の位置情報の取得要求を行う(ステップS901)。そして、携帯端末装置50は、現在地の位置情報を取得したか否かを判断する(ステップS902)。現在地の位置情報を取得した場合(ステップS902:YES)、携帯端末装置50は、クラウドサーバSvに対し、周辺の店舗検索の要求を行う(ステップS903)。
【0111】
クラウドサーバSvは、当該要求を受けて、携帯端末装置50の現在位置と、
図7(B)の店舗情報とを用いて、携帯端末装置50の現在位置から所定範囲(300m以内)内にある店舗を検索し、検索結果を携帯端末装置50へ送信する。携帯端末装置50は、クラウドサーバSvから受信した検索結果を参照し、携帯端末装置50の近くに店舗が存在するか否かを判断する(ステップS904)。
【0112】
携帯端末装置50の近くに店舗が存在しない場合(ステップS904:NO)、携帯端末装置50は、ステップS903に戻り、検索範囲を広げて、周辺の店舗検索の要求を再度行う。なお、携帯端末装置50の近くに店舗が存在しない場合、近くに店舗が存在しない旨を報知してもよい。携帯端末装置50の近くに店舗が存在する場合(ステップS904:YES)、携帯端末装置50は、近くに存在する店舗が1店舗であるか否かを判断する(ステップS905)。
【0113】
近くに存在する店舗が1店舗である場合(ステップS905:YES)、携帯端末装置50は、ステップS907に進む。近くに存在する店舗が1店舗ではない場合(ステップS905:NO)、すなわち、近くに存在する店舗が複数店舗ある場合、携帯端末装置50は、顧客から買物をする店舗の選択を受け付ける(ステップS906)。そして、携帯端末装置50は、店舗の特定を完了し(ステップS907)、一連の処理を終了する。ステップS907において店舗が特定されることにより、第1条件の成立による取引が開始される。
【0114】
ステップS902において、現在地の位置情報を取得しない場合(ステップS902:NO)、具体的には、例えば、通信環境が良好ではなく、GPSユニット411が位置情報を取得できない場合、携帯端末装置50は、店舗に提示される店舗特定コードの読取要求を行う(ステップS908)。具体的には、ステップS908において、携帯端末装置50は、ディスプレイ409に「店舗に提示される店舗特定コードをスキャンして下さい」といった報知を行う。
【0115】
携帯端末装置50は、店舗特定コードを読み取るまで待機し(ステップS909:NO)、店舗特定コードを読み取ると(ステップS909:YES)、店舗の特定を完了し(ステップS910)、一連の処理を終了する。ステップS910において店舗が特定されることにより、第2条件の成立による取引が開始される。
【0116】
(入店時に携帯端末装置50のディスプレイ409に表示される画面例)
図10は、入店時に携帯端末装置50のディスプレイ409に表示される画面の一例を示す説明図である。
図10(A)は、携帯端末装置50のディスプレイ409に表示される店舗選択画面1000を示す。店舗選択画面1000は、地図領域1001と、選択ボタン1002とを含む。
【0117】
地図領域1001は、地図画面上に、携帯端末装置50の周辺に位置する2つの候補(A店舗とB店舗)を示している。選択ボタン1002は、A店舗の選択を受け付けるA店舗選択ボタン1002aと、B店舗の選択を受け付けるB店舗選択ボタン1002bとを含む。顧客が、いずれかの選択ボタン1002を押下することにより、入店する店舗が確定する。なお、店舗の候補が1店舗である場合には、入店する店舗として、当該店舗が確定する。
【0118】
図10(B)は、携帯端末装置50が店舗特定情報を取得する際の一例を示す。
図10(B)において、モニタ1010は、例えば、店舗に設置されるデジタルサイネージである。モニタ1010には、店舗特定情報を示す店舗特定コード1011が表示されている。顧客がショッピングアプリを起動させて、店舗特定コード1011を携帯端末装置50で読み取らせることにより、携帯端末装置50は、店舗特定コード1011から店舗を特定することが可能である。
【0119】
なお、2次元コードは、モニタ1010に表示されることに限らず、ポスターなどの印刷物に印刷されて表示されていてもよい。当該印刷物は、店舗の出入口付近に掲示されていればよい。また、店舗特定情報に相当する情報を提示しておき、顧客に操作入力させるようにしてもよい。
【0120】
なお、クラウドサーバSvが店舗を特定することも可能であり、これについて補足しておく。
図10(C)は、携帯端末装置50が位置する店舗をクラウドサーバSvが特定する際の一例を示す。
図10(C)において、撮像端末1020は、例えば、店舗の出入口付近に設置される。携帯端末装置50には、自装置の識別情報を示すバーコード1021が表示されている。顧客がバーコード1021を撮像端末1020に読み取らせると、撮像端末1020は、クラウドサーバSvに対して、店舗特定情報とともに、バーコード1021によって識別される携帯端末装置50が当該店舗内に存在する旨を示す情報を送信する。クラウドサーバSvは、バーコード1021によって識別される携帯端末装置50へ、携帯端末装置50が位置する店舗を示す店舗特定情報を送信する。このようにしても、携帯端末装置50は、店舗特定情報を得ることが可能である。
【0121】
(
図8のステップS806に示した商品登録処理の一例(その1))
図11は、携帯端末装置50が行うバーコード商品の商品登録処理の一例を示すフローチャートである。
図11に示すように、携帯端末装置50は、商品に貼付されたバーコードのスキャンを開始したか否かを判断する(ステップS1101)。携帯端末装置50は、各種センサの検出結果やカメラ407の撮像結果を用いて、バーコードのスキャンを開始したか否かを判断することが可能である。
【0122】
携帯端末装置50は、バーコードのスキャンを開始するまで待機し(ステップS1101:NO)、バーコードのスキャンを開始すると(ステップS1101:YES)、スキャンによってバーコードから商品識別情報を取得したか否かを判断する(ステップS1102)。バーコードから商品識別情報を取得できない場合(ステップS1102:NO)、携帯端末装置50は、タイムアウトか否かを判断する(ステップS1103)。タイムアウトではない場合(ステップS1103:NO)、携帯端末装置50は、ステップS1102に戻る。
【0123】
タイムアウトである場合(ステップS1103:YES)、携帯端末装置50は、保留商品であることを報知する(ステップS1104)。当該報知では、商品を買物かごとは別の保留商品バックに投入することを促すとともに、精算時に店員による登録が行われる旨が報知される。そして、携帯端末装置50は、保留商品情報(読取不可商品)を登録し(ステップS1105)、一連の処理を終了する。
【0124】
ステップS1102において、バーコードから商品識別情報を取得できた場合(ステップS1102:YES)、携帯端末装置50は、NONファイル商品であるか否かを判断する(ステップS1106)。NONファイル商品である場合(ステップS1106:YES)、携帯端末装置50は、ステップS1104に進み、保留商品であることを報知する。NONファイル商品ではない場合(ステップS1106:NO)、当該商品を登録する(ステップS1107)。
【0125】
そして、携帯端末装置50は、登録操作が不当であるか否かを判断する(ステップS1108)。登録操作が不当であるとは、例えば、登録した商品の点数が一定数以上(例えば50個以上)となることである。登録操作が不当ではない場合(ステップS1108:NO)、携帯端末装置50は、一連の処理を終了する。登録操作が不当である場合(ステップS1108:YES)、携帯端末装置50は、登録操作が不当である旨を示す商品登録操作情報をメモリ404に記憶し(ステップS1109)、一連の処理を終了する。
【0126】
(入店処理の完了後に携帯端末装置50のディスプレイ409に表示される画面例)
図12は、入店処理の完了後に携帯端末装置50のディスプレイ409に表示される画面の一例を示す説明図である。
図12(a)は、携帯端末装置50のディスプレイ409に表示されるトップ画面1200を示す。トップ画面1200は、情報提示ボタン1201(1201a~1201c)と、登録開始ボタン1202とを含む。店舗情報ボタン1201aは、フロアガイドなどの店舗情報の表示開始を受け付けるボタンである。お知らせボタン1201bは、イベントなどの告知店舗情報の表示開始を受け付けるボタンである。お得情報ボタン1201cは、広告情報などセール品の表示開始を受け付けるボタンである。登録開始ボタン1202は、ディスプレイ409に撮像画面の表示開始を受け付けるボタンである。
【0127】
図12(b)は、商品登録を行う際の登録画面1210を示す。登録画面1210は、撮像領域1211と、登録商品表示領域1212と、合計金額表示領域1213と、精算開始ボタン1214とを含む。撮像領域1211は、携帯端末装置50のカメラ407の機能により、商品に付されたバーコードを撮像(スキャン)することが可能な領域である。登録商品表示領域1212は、登録された各種商品(商品名、数量、価格など)が表示される領域である。登録商品表示領域1212には、登録した順番で、登録商品が表示される。具体的には、最も直近に登録した商品が、登録商品表示領域1212の上方に表示される。
【0128】
合計金額表示領域1213は、登録された商品の合計点数や合計金額が表示される領域である。精算開始ボタン1214は、商品の登録を完了させて、精算の開始を受け付けるボタンである。
図12(B)において、精算開始ボタン1214が押下されると、
図12(C)に示す画面に移行する。
【0129】
図12(C)は、精算開始受付画面1220を示す。精算開始受付画面1220は、案内表示1221と、精算用コード1222と、登録復帰ボタン1223とを含む。案内表示1221は、POS端末装置20に、精算用コード1222を読み取らせる旨の案内を示す。精算用コード1222は、例えば、携帯端末装置50のカート識別情報や、POS端末装置20にカート情報の送信要求をクラウドサーバSvに送信させるための情報をコード化したものである。登録復帰ボタン1223は、登録画面1210(
図12(B))に戻ることを受け付けるボタンである。顧客が精算用コード1222をPOS端末装置20の客側スキャナ部206に読み取らせることにより、POS端末装置20において精算が開始されることになる。
【0130】
(
図8のステップS806に示した商品登録処理の一例(その2))
図13は、携帯端末装置50が行う計量対象商品の商品登録処理の一例を示すフローチャートである。
図13に示すように、携帯端末装置50は、計量対象商品の仮登録用コード1403(
図14参照)をスキャンしたか否かを判断する(ステップS1301)。計量対象商品の仮登録用コード1403は、計量対象商品の近くに掲示されている。携帯端末装置50は、計量対象商品の仮登録用コード1403をスキャンするまで待機し(ステップS1301:NO)、計量対象商品の仮登録用コード1403をスキャンすると(ステップS1301:YES)、計量対象商品を仮登録する(ステップS1302)。なお、仮登録された計量対象商品は、ディスプレイ409に表示される。
【0131】
そして、携帯端末装置50は、計量装置30の表示部306に表示されている接続用コードをスキャンしたか否かを判断する(ステップS1303)。携帯端末装置50は、接続用コード1511(
図15参照)をスキャンするまで待機する(ステップS1303:NO)。接続用コード1511をスキャンすると(ステップS1303:YES)、携帯端末装置50は、計量装置30に1対1の通信の接続要求を行う(ステップS1304)。
【0132】
なお、計量対象商品が仮登録されていない状態で、接続用コード1511をスキャンしたとしても、携帯端末装置50は、計量装置30に接続要求を行わない。これは、一の携帯端末装置50と計量装置30との接続時間が長くなると、その分、他の顧客が計量装置30を使用できなくなってしまうことから、一の携帯端末装置50が計量装置30を占有する時間の短縮化を図るためである。
【0133】
計量装置30は、携帯端末装置50から接続要求があると、1対1の通信の認証や、仮登録されている商品が計量装置30における計量対象の商品であるか等の判定を含むペアリングの判定を行う。ペアリングの判定においてペアリングに成功すると、計量装置30は、携帯端末装置50との1対1の通信を開始させる。
【0134】
次に、携帯端末装置50は、計量装置30との通信接続が確立された否かを判断する(ステップS1305)。計量装置30との通信接続が確立された場合(ステップS1305:YES)、携帯端末装置50は、計量装置30から、顧客が載台320に置いた商品の計量値を取得する(ステップS1306)。なお、計量装置30は、計量を終えると、顧客の操作に応じて、計量結果を示すラベルを発行するとともに、計量結果を携帯端末装置50に送信する。すなわち、携帯端末装置50は、計量装置30における計量が終わると、顧客による計量装置30の操作によって、計量装置30から計量結果を取得する。
【0135】
携帯端末装置50は、計量結果を取得すると、当該計量結果を表示する(ステップS1307)。そして、携帯端末装置50は、登録更新画面を表示し、計量対象商品を本登録する(ステップS1308)。この後、携帯端末装置50は、仮登録した全ての計量対象商品の計量(本登録)が完了したか否かを判断する(ステップS1309)。仮登録した全ての計量対象商品の計量が完了した場合(ステップS1309:YES)、携帯端末装置50は、計量装置30との通信を終了し(ステップS1310)、一連の処理を終了する。
【0136】
一方、仮登録した全ての計量対象商品の計量が完了していない場合(ステップS1309:NO)、携帯端末装置50は、ステップS1306に戻り、仮登録した他の計量対象商品の本登録を行うための処理を行う。
【0137】
ステップS1305において、計量装置30との通信接続が確立されない場合(ステップS1305:NO)、携帯端末装置50は、リトライを報知する(ステップS1311)。そして、携帯端末装置50は、登録を終了するか否かを判断する(ステップS1312)。携帯端末装置50は、登録の終了を顧客から受け付けたときや、リトライが一定回数行われたときに、登録を終了すると判断する。
【0138】
登録の終了しない場合(ステップS1312:NO)、すなわち、登録の継続を顧客から受け付けたときや、リトライが一定回数行われていないとき、携帯端末装置50は、ステップS1304に戻る。一方、登録を終了する場合(ステップS1312:YES)、携帯端末装置50は、仮登録した計量対象商品を消去し(ステップS1313)、一連の処理を終了する。
【0139】
なお、上述した処理では、計量結果が携帯端末装置50に送信されるタイミングを、ラベルの発行タイミングとしたが、これに限らない。例えば、計量装置30において全ての商品の計量が完了したタイミングとしてもよい。この場合、携帯端末装置50において計量結果が表示されるタイミングは、当該計量が完了したタイミングとすればよい。
【0140】
(計量対象商品を登録する際の手順について)
次に、
図14~
図17を用いて、計量対象商品を登録する際の手順について説明する。
図14は、計量対象商品の登録手順の一例を示す説明図である。
図14では、携帯端末装置50のカメラ407によって、顧客が購入を希望する計量対象商品の識別情報が撮像される例について説明する。
【0141】
店舗内の果物が置かれているコーナー(売場)には、計量対象商品1401(1401a~1401c)と、ディスプレイ1402(1402a~1402c)とが配置されている。計量対象商品1401は、例えば、レモンの計量対象商品1401aと、リンゴの計量対象商品1401bと、オレンジの計量対象商品1401cとを含む。ディスプレイ1402a~1402は、各計量対象商品1401a~1401cの背後に配置されている。なお、以下では、主にレモンのディスプレイ1402aを例に挙げて説明するが、他のディスプレイ1402b、1402cについても同様である。
【0142】
ディスプレイ1402aには、「レモン」の文字と、単価と、仮登録用コード1403とが表示されている。単価は、1kgあたりの価格を示している。仮登録用コード1403は、計量対象商品1401aを識別する情報(商品識別情報)や、単価の情報を含む。仮登録用コード1403は、携帯端末装置50によって読み取られる。
【0143】
なお、ディスプレイ1402aは、時間に応じて仮登録用コード1403の内容を変えることが可能である。例えば、タイムサービスにおける値引きを行ったり、過去に読み取ったバーコードを用いて取引を行うといった不正を防止したりすることができる。この不正は、具体的には、例えば、前日のタイムサービス中のバーコードをカメラで撮影しておき、翌日に当該バーコードを読み取らせることにより、前日のタイムサービス中の単価で、計量対象商品1401を登録するといったことである。なお、ディスプレイ1402aに表示される内容は、紙などの印刷媒体に印刷さていてもよい。
【0144】
携帯端末装置50は、仮登録用コード1403を読み取ると、読み取った計量対象商品1401を仮登録する。
図14に示す携帯端末装置50の表示画面は、仮登録画面1410を示す。仮登録画面1410は、撮像結果1411と、仮登録欄1412と、本登録欄1413と、合計表示欄1414とを含む。撮像結果1411は、例えば、レモンの仮登録用コード1403を読み取った際の画像を示している。
【0145】
仮登録欄1412は、仮登録用コード1403を読み取ったことにより仮登録された商品が表示される。図示において、仮登録欄1412(1412a、1412b)には、レモンとリンゴが仮登録されていることを示している。すなわち、レモンの仮登録用コード1403が読み取られる前に、リンゴの仮登録用コード1403も読み取られたことを示している。仮登録欄1412には、計量が必要であることを示す「要計量」や、計量が完了していないために価格が未確定であることを示す「??円」が表示されている。
【0146】
本登録欄1413は、本登録された商品および金額が表示されている。本登録欄1413の表示態様と、仮登録欄1412の表示態様とは、異なっている。図示では、仮登録欄1412は、網掛け表示の表示態様で表示されている。このような表示態様とすることにより、仮登録中であることを顧客に認識させやすくすることができ、顧客に計量を促すことができる。
【0147】
図15は、計量装置30に表示される待機画面の一例を示す説明図である。
図15において、計量装置30の表示部306には、待機状態中に表示される待機画面1500が表示されている。待機画面1500は、第1案内欄1510と、第2案内欄1520とを含む。
【0148】
第1案内欄1510は、携帯端末装置50を使用して計量対象商品の登録を行う場合の案内を示す。具体的には、第1案内欄1510には、接続用コード1511が表示され、接続用コード1511を携帯端末装置50に読み取らせる旨の案内が表示されている。
第2案内欄1520は、携帯端末装置50を使用せずに、計量対象商品の登録を行う場合の案内を示す。具体的には、第2案内欄1520には、計量対象商品を秤に載せて計量を促す旨の案内が表示されている。以下では、携帯端末装置50を使用する場合について説明する。
【0149】
顧客は、
図14に示したレモンとリンゴの仮登録用コード1403を携帯端末装置50に読み取らせると、
図15に示した接続用コード1511を読み取らせる。携帯端末装置50は、接続用コード1511を読み取ると、接続用コード1511が示す指示に基づいて、計量装置30に通信接続の要求を行う。
【0150】
図16は、接続用コードを読み取った後に携帯端末装置50に表示される画面の一例を示す説明図である。
図16(A)は、接続要求を行った際の待機画面を示す。
図16(A)に示すように、携帯端末装置50のディスプレイ409には、計量装置30との通信接続を試みている旨を示す状態表示1610が表示されている。ペアリングが完了すると、
図16(B)に示す画面に遷移する。
【0151】
図16(B)は、通信接続が確立した際の画面を示す。
図16(B)に示すように、携帯端末装置50のディスプレイ409には、商品を秤に載せることを促す案内表示1620が表示されている。なお、携帯端末装置50は、レモンよりもリンゴを先に仮登録したため、リンゴの計量を促す案内表示1620を、レモンの計量を促す案内表示よりも先に表示する。
【0152】
図17は、計量装置30および携帯端末装置50に表示される計量中の画面の一例を示す説明図である。
図17(A)は、載台320に商品が未載置の状態の計量装置30の操作案内画面1700を示す。操作案内画面1700は、案内表示S1と、商品名表示1701と、戻るボタン1702と、中止ボタン1703と、サーチボタン1704と、計量結果欄1705と、単価欄1706と、合計金額欄1707と、携帯端末情報1730とを含む。
【0153】
案内表示S1は、載台320に商品を載せることを促す案内を示す。商品名表示1701は、計量対象商品の商品名を示す。戻るボタン1702は、1つ前の画面に戻すことを受け付けるボタンである。中止ボタン1703は、計量の中止を受け付けるボタンである。サーチボタン1704は、例えば、携帯端末装置50との通信接続が切断した場合に、当該携帯端末装置50と再接続するために周辺の携帯端末装置50の検索を受け付けるボタンである。
【0154】
計量結果欄1705は、載台320に載置された計量対象商品の重量を示す。なお、計量結果欄1705には、重量が表示されることに限らず、例えば、1個当たりのおおよその重量がわかっている商品については、重量を基に換算された個数が表示されてもよい。単価欄1706は、単価(例えば、1キログラムあたりの価格)を示す。合計金額欄1707は、計量結果と単価とを用いて算出される合計金額を示す。携帯端末情報1730は、接続中の携帯端末装置50(所有者)を示す。具体的には、携帯端末情報1730は、「○○さんと接続中」という文字情報を示す。
【0155】
図17(B)は、計量が完了した際の計量装置30の計量完了画面1710を示す。計量完了画面1710は、
図17(A)の操作案内画面1700と比較して、計量結果欄1705の表示内容と、合計金額欄1707の表示内容と、案内表示S2と、プリントボタン1708とが表示されている点で異なる。計量結果欄1705は、載台320に載置された商品の重量(例えば、1.2006kg)を示す。合計金額欄1707は、商品の重量と単価を用いて算出された金額(例えば、¥432)を示す。
【0156】
案内表示S2は、プリントボタン1708の押下を促す案内を示す。プリントボタン1708は、ラベルの発行を受け付けるボタンである。プリントボタン1708は、載台320に商品を載置して、計量値が安定したときに初めて表示される。計量完了画面1710において、プリントボタン1708が押下されると、
図17(C)に示す画面が表示される。
【0157】
図17(C)は、ラベル発行後の案内画面1720を示す。案内画面1720は、計量対象商品(リンゴ)を入れた袋にラベルを貼付することを促す画面を示す。なお、計量装置30は、ラベルを発行する際に、リンゴの計量結果(商品識別情報、計量されたこと、価格等)を携帯端末装置50に近距離無線通信で送信する。携帯端末装置50は、リンゴの計量結果を受信すると、
図17(D)に示す画面を表示する。
【0158】
図17(D)は、リンゴの本登録が完了した際に携帯端末装置50に表示される画面を示す。
図17(D)に示すように、携帯端末装置50には、計量装置30からリンゴの計量結果を受信したことにより、リンゴに対応する仮登録欄1412b(
図14参照)に代わり、リンゴに対応する本登録欄1413aが表示される。
【0159】
また、仮登録に表示されていた「要計量」の文字は、本登録欄1413において「計量」の文字に変更されている。これにより、リンゴの計量が完了したことを示唆することができる。なお、本登録欄1413の「計量」の文字に代えて、計量した重量(例えば、0.5kgなど)が表示されてもよいし、単価(例えば、¥1000/kg)が表示されてもよい。
【0160】
なお、計量装置30は、
図17(C)に示す画面を表示してから、所定時間(例えば3秒)が経過すると、レモンの計量を促すための画面に遷移する。レモンを計量する際の計量装置30および携帯端末装置50の画面の遷移については、リンゴを計量と同様の遷移であるため、説明を省略する。なお、仮登録されたすべての計量対象商品(リンゴとレモン)の本登録が完了すると、計量装置30は、所定時間が経過後(例えば3秒)に、
図15に示した待機画面1500を表示する。
【0161】
(
図8のステップS808に示した報知処理の一例(その1))
図18は、携帯端末装置50が行う位置情報に基づく報知処理の一例を示すフローチャートである。
図18に示すように、携帯端末装置50は、登録された商品は計量対象商品であるか否かを判断する(ステップS1801)。登録された商品が計量対象商品である場合(ステップS1801:YES)、顧客が店舗内に存在することが明らかであることから、携帯端末装置50は、位置情報取得判定および存在判定を行わずに、そのまま処理を終了する。
【0162】
一方、登録された商品が計量対象商品ではない場合(ステップS1801:NO)、すなわち、登録された商品がバーコード商品である場合、携帯端末装置50は、第1条件(位置情報を用いて店舗が特定される条件)の成立による取引であるか否かを判断する(ステップS1802)。携帯端末装置50は、第1条件の成立による取引ではない場合(ステップS1802:NO)、すなわち、第2条件(店舗特定情報を用いて店舗が特定される条件)の成立による取引である場合、そのまま処理を終了する。これにより、第2条件の成立による取引では、存在判定に基づく報知を行わないようにすることができるため、エラーの報知の頻度を抑えることができる。
【0163】
一方、第1条件の成立による取引である場合(ステップS1802:YES)、携帯端末装置50(CPU401)は、GPSユニット411に対して、現在地の位置情報の取得要求を行う(ステップS1803)。そして、携帯端末装置50は、現在地の位置情報を取得したか否かの位置情報取得判定を行う(ステップS1804)。位置情報取得判定において、現在地の位置情報を取得しない場合(ステップS1804:NO)、すなわち、例えば、地下にいる場合など通信環境が良好ではない場合、携帯端末装置50は、エラーを報知することなく、そのまま処理を終了する。これにより、通信環境が良好でない場合に、エラーの報知が頻繁に行われることを抑えることができる。
【0164】
一方、位置情報取得判定において、現在地の位置情報を取得した場合(ステップS1804:YES)、携帯端末装置50は、現在位置の位置情報と店舗の位置情報とを比較して、携帯端末装置50の現在位置が圏外(店舗外)であるか否かの存在判定を行う(ステップS1805)。存在判定において、携帯端末装置50の現在位置が圏外ではない場合(ステップS1805:NO)、すなわち、携帯端末装置50の現在位置が圏内(店舗内)である場合、そのまま処理を終了する。
【0165】
一方、存在判定において、携帯端末装置50の現在位置が圏外である場合(ステップS1805:YES)、すなわち、価格チェックなどのために来店した顧客(会員)が店舗外に移動して登録操作を行っているおそれがある場合、携帯端末装置50(当該顧客)が店舗外に存在する旨のエラーを報知する(ステップS1806)。
【0166】
次に、携帯端末装置50は、リトライを行う否かを判断する(ステップS1807)。なお、リトライは、例えば、予め設定される上限回数以内であれば、自動で、または、顧客からリトライを行う操作を受け付けることにより行われる。上限回数を超えた場合、ステップS1808に進むようにすればよい。
【0167】
リトライを行う場合(ステップS1807:YES)、携帯端末装置50は、ステップS1803に戻る。リトライを行わない場合(ステップS1807:NO)、携帯端末装置50は、商品登録を制限し(ステップS1808)、一連の処理を終了する。なお、商品登録を制限するとは、例えば、登録した商品を取り消して、ログアウトさせることである。また、この場合、店員の操作によって、エラーの報知を解除可能とし、さらに、再度のログインや再度の商品登録を可能にしてもよい。これにより、不当な商品登録が行われてしまうことの抑止効果を高めることができる。
【0168】
(携帯端末装置50に表示される位置情報に基づくエラー画面例)
図19は、携帯端末装置50に表示される位置情報に基づくエラー画面の一例を示す説明図である。
図19に示すように、携帯端末装置50のディスプレイ409には、エラー画面1900が表示されている。エラー画面1900は、顧客が店舗外にいる旨と、商品登録を中止する旨(登録した商品を削除する旨)とを示している。エラー画面1900において、確認ボタン1901が押下されると、登録されている商品が削除され、ログアウトされる。一方、エラー画面1900において、リトライボタン1902が押下されると、位置情報の取得が再度行われて、存在判定が再度行われることになる。再度の存在判定において、顧客が店舗にいると判定されると、エラー画面1900を終了して、商品登録が可能な画面に戻る。
【0169】
(
図8のステップS808に示した報知処理の一例(その2))
図20は、携帯端末装置50が行う商品登録操作情報に基づく報知処理の一例を示すフローチャートである。
図20に示すように、携帯端末装置50は、携帯端末装置50(CPU401)は、メモリ404に記憶される商品登録操作情報の取得要求を行う(ステップS2001)。そして、携帯端末装置50は、メモリ404に記憶されている商品登録操作情報が登録操作の不当を示す商品登録操作情報であるか否かを判断する操作判定を行う(ステップS2002)。登録操作の不当を示す商品登録操作情報でない場合(ステップS2002:NO)、携帯端末装置50は、一連の処理を終了する。
【0170】
一方、登録操作の不当を示す商品登録操作情報である場合(ステップS2002:YES)、すなわち、例えば、登録した商品の点数が一定数以上(例えば50個以上)である場合、携帯端末装置50は、不自然な登録操作が行われた旨のエラーを報知する(ステップS2003)。そして、携帯端末装置50は、商品登録を制限し(ステップS2004)、一連の処理を終了する。なお、商品登録を制限するとは、例えば、登録した商品を取り消し、ログアウトさせることである。
【0171】
(携帯端末装置50に表示される商品登録操作情報に基づくエラー画面例)
図21は、携帯端末装置50に表示される商品登録操作情報に基づくエラー画面の一例を示す説明図である。
図21に示すように、携帯端末装置50のディスプレイ409には、エラー画面2100が表示されている。エラー画面2100は、不当な登録操作である旨と、商品登録を中止する旨(登録した商品を削除する旨)とを示している。エラー画面2100において、確認ボタン2101が押下されると、登録されている商品が削除され、ログアウトされる。
【0172】
(
図8のステップS816に示した登録情報の確認処理の一例)
図22は、POS端末装置20が行う登録情報の確認処理の一例を示すフローチャートである。
図22に示すフローチャートの前提として、POS端末装置20は、携帯端末装置50に表示された精算用コードを読み取り、クラウドサーバSvに、登録情報の送信要求を行う。そして、
図22に示すように、POS端末装置20は、クラウドサーバSvから携帯端末装置50のカート情報を受信したか否かを判断する(ステップS2201)。
【0173】
POS端末装置20は、カート情報を受信するまで待機する(ステップS2201:NO)。カート情報を受信すると(ステップS2201:YES)、POS端末装置20は、客側表示部205にカート情報(登録商品情報および保留商品情報)を一覧表示する(ステップS2202)。そして、POS端末装置20は、カート情報に保留商品情報が含まれているか否かを判断する(ステップS2203)。
【0174】
カート情報に保留商品情報が含まれていない場合(ステップS2203:NO)、POS端末装置20は、ステップS2210に進む。カート情報に保留商品情報が含まれている場合(ステップS2203:YES)、POS端末装置20は、精算禁止処理を行う(ステップS2204)。精算禁止処理により、例えば、客側表示部205の操作が無効にされる。
【0175】
そして、POS端末装置20は、店員呼出処理を行う(ステップS2205)。店員呼出処理では、客側表示部205に店員を呼び出している旨を表示させたり、サインポール220を所定の点灯態様で点灯させたり、取引状況管理装置11に、店員を対象のPOS端末装置20へ向かわせるための表示をさせたりする。
【0176】
次に、POS端末装置20は、店員がログインしたか否かを判断する(ステップS2206)。店員は、ログインするために、例えば、店員の名札に付された店員コードを店員側スキャナ部212に読み取らせたり、店員側表示部210やキー操作部211に店員コードを操作入力したりする。
【0177】
POS端末装置20は、店員がログインするまで待機する(ステップS2206:NO)。店員がログインすると(ステップS2206:YES)、POS端末装置20は、保留商品を1品ずつ確認して登録または削除する処理(保留商品確認処理)を行う(ステップS2207)。POS端末装置20は、保留商品がなくなるまで(ステップS2208:NO)、保留商品確認処理を行う。保留商品がなくなると(ステップS2208:YES)、POS端末装置20は、精算禁止処理を解除する(ステップS2209)。そして、POS端末装置20は、精算開始画面を表示して(ステップS2210)、一連の処理を終了する。
【0178】
(POS端末装置20の客側表示部205に表示される精算時の画面遷移例)
図23は、POS端末装置20の客側表示部205に表示される精算時の画面遷移の一例を示す説明図である。
図23(A)は、案内画面2310を示す。案内画面2310は、客側スキャナ部206に、精算用コード1222(
図12(C)参照)を読み取らせることを促す画面である。例えば、POS端末装置20は、会計専用モードの待機状態において、案内画面2310を表示する。
図23(A)に示す案内画面2310において、顧客が携帯端末装置50に表示された精算用コード1222を客側スキャナ部206に読み取らせると、
図23(B)に示す一覧表示画面2320、または、
図23(C)に示す店員呼出中画面2330に遷移する。
【0179】
なお、
図23(B)に示す一覧表示画面2320は、登録商品表示領域2321と、店員呼出ボタン2322と、精算開始ボタン2323とを含む。登録商品表示領域2321登録した商品ごとの、商品名や購入点数や購入金額などを示すほか、登録した各種商品の合計点数や合計金額などを示す。登録商品表示領域2321は、例えば、登録順に表示されている。
【0180】
店員呼出ボタン2322は、顧客から店員の呼び出しを受け付けるボタンである。顧客が登録商品表示領域2321を確認し、登録した商品と、購入を希望する商品とに相違があった場合、登録した商品を修正する必要が生じる。この修正には、店員の操作を要する。例えば、顧客が登録商品表示領域2321を確認したところ、「○○ミートソース」を3点登録したつもりが、1点しか登録されていないことに気付いたとする。この場合、顧客は、店員呼出ボタン2322を押下して店員を呼び出す。店員呼出ボタン2322が押下されると、
図23(C)に示す店員呼出中画面2330に遷移する。
【0181】
図23(C)に示す店員呼出中画面2330は、店員を呼び出している旨を示す。店員呼出中画面2330において確認ボタン2331が押下されると、登録商品の一覧表示画面(不図示)に遷移する。なお、この一覧表示画面では、店員を呼び出していることから、精算開始を受け付けることができないようになっている。店員が呼び出されて、店員がログインすると、
図23(D)に示す保留商品確認画面2340に遷移する。
【0182】
保留商品確認画面2340において、店員が1品ずつ顧客と確認を取りながら、商品を登録したり、削除したりする。そして、保留商品がなくなると、
図23(B)に示す一覧表示画面2320に遷移する。
【0183】
精算開始ボタン2323は、顧客から精算処理の開始を受け付けるボタンである。顧客が登録商品表示領域2321を確認し、登録した商品と、購入を希望する商品とに相違がなければ、顧客は、精算開始ボタン2323を押下する。精算開始ボタン2323が押下されると、POS端末装置20は、精算処理を行うことが可能である。精算処理において、POS端末装置20は、決済種別の選択を受け付けて、現金の投入またはカードの挿入を受け付けて、精算が完了するとレシートを発行する。
【0184】
以上説明したように、本実施形態に係る携帯端末装置50は、取引の開始条件に基づくエラーの報知を行うようにした。これにより、第1条件の成立による取引と、第2条件の成立による取引とにおいて、エラーの報知の発生頻度を異ならせることができるため、開始条件に応じてエラーの頻度を抑えることができる。したがって、本実施形態によれば、エラーの報知によって買物が妨げられることを抑えることができるため、買物を円滑に行わせることができる。
【0185】
また、本実施形態において携帯端末装置50は、第1条件の成立による取引において存在判定に基づくエラーの報知を行い、第2条件の成立による取引において存在判定に基づく報知を行わないようにした。したがって、第2条件の成立による取引において、エラーの報知の頻度を抑えることができる。
【0186】
また、本実施形態において、携帯端末装置50は、第1条件による取引において、位置情報取得判定における位置情報の取得にかかわらず、エラーの報知を行わないようにした。これにより、通信環境が良好でない場合に、エラーの報知が多発してしまうことを抑えることができる。
【0187】
また、本実施形態において、正当判定は、商品登録に係る操作が正当に行われているか否かの操作判定を含むようにした。これにより、価格チェックなどの不当な登録操作が行われている場合にはエラーを報知することができる。したがって、価格チェック等の不当な商品登録を抑えることができる。このため、価格情報等の店舗における各種情報が容易に流出されることを抑えることができる。
【0188】
また、本実施形態において、携帯端末装置50は、計量対象商品が登録された場合、開始条件にかかわらず、エラーの報知を行わないようにした。これにより、顧客が店舗内に存在することが明らかである場合には、エラーの報知を行わないようにすることができる。
【0189】
また、本実施形態において、携帯端末装置50は、取引開始時に位置情報を取得できない場合に、店舗特定情報の取得要求を行い、当該取得要求に応じて店舗特定情報が取得されることに応じて商品登録を開始するようにした。これにより、位置情報を取得できない場合でも、店舗特定情報の取得を促して、商品登録を開始させることができる。
【0190】
(実施形態の変形例)
以下に、実施形態の変形例1~11について説明する。なお、以下の各変形例では、上述した実施形態で説明した内容については適宜説明を省略する。また、上述した実施形態および変形例1~11に示す各構成をそれぞれ組み合わせた構成とすることも可能である。具体的には、上述した実施形態と、変形例1~11とのうち、全てを含む構成としてもよいし、上述した実施形態と、変形例1~11とのうち、一の組合せとした構成としてもよい。
【0191】
(変形例1)
まず、実施形態の変形例1について説明する。上述した実施形態では、買物の途中で店舗特定情報を取得しない構成について説明した(
図18参照)。このような構成に代えて又は加えて、変形例1では、買物の途中で店舗特定情報を取得させる構成について説明する。
【0192】
変形例1において、要求部(第1要求手段)は、位置情報取得判定において位置情報が取得されない判定結果が得られることに応じて、店舗特定情報の取得要求を行う。要求部は、所定タイミングになると、店舗特定情報の取得要求を行う。所定タイミングは、例えば、現在地の位置情報が取得されない期間が所定期間(例えば15分)となったタイミングである。言い換えれば、要求部は、例えば、所定期間以上、地下などにいる場合に、店舗特定情報の取得要求を行う。また、所定タイミングは、これに限らず、現在地の位置情報が取得されずに、商品登録が行われた回数が所定回数以上となったタイミングであってもよい。要求部による店舗特定情報の取得要求に応じて、顧客は、携帯端末装置50に店舗特定コードを読み取らせる。
【0193】
また、店舗では、通信環境が良好ではないエリアには、店舗特定情報を示す2次元コードが適宜配置されていればよい。これにより、顧客が地下などにいる場合でも、携帯端末装置50に当該2次元コードを読み取らせることができる。すなわち、店舗特定情報取得部が、店舗特定情報を取得することができる。
【0194】
ここで、正当判定は、店舗特定情報取得判定を含む。店舗特定情報取得判定は、取引の途中で店舗特定情報が取得されたか否かの判定である。店舗特定情報が取得された場合、当該店舗特定情報によって特定される店舗に顧客が存在することが明らかである。判定部は、店舗特定情報取得判定において、店舗特定情報が取得された場合に正当であると判定し、一方で、一定時間が経過しても店舗特定情報が取得されない場合に不当であると判定する。報知部は、店舗特定情報取得判定において、正当な判定結果が得られた場合に、エラーを報知せず、不当な判定結果が得られた場合にエラーを報知する。
【0195】
(
図8のステップS808に示した報知処理の変形例1)
図24は、携帯端末装置50が行う位置情報に基づく報知処理の変形例1を示すフローチャートである。
図24に示すように、携帯端末装置50は、例えば地下などにいることにより、現在地の位置情報が取得されない期間が所定期間となった所定タイミングであるか否かを判断する(ステップS2401)。携帯端末装置50は、所定タイミングとなるまで待機する(ステップS2401:NO)。所定タイミングとなると(ステップS2401:YES)、携帯端末装置50は、計量対象商品が登録されているか否かを判断する(ステップS2402)。
【0196】
計量対象商品が登録されている場合(ステップS2402:YES)、顧客が店舗内に存在することが明らかであることから、携帯端末装置50は、位置情報取得判定および存在判定を行わずに、そのまま処理を終了する。
【0197】
一方、計量対象商品が登録されていない場合(ステップS2402:NO)、携帯端末装置50(CPU401)は、GPSユニット411に対して、現在地の位置情報の取得要求を行う(ステップS2403)。そして、携帯端末装置50は、現在地の位置情報を取得したか否かの位置情報取得判定を行う(ステップS2404)。
【0198】
現在地の位置情報を取得した場合(ステップS2404:YES)、携帯端末装置50は、現在位置の位置情報と店舗の位置情報とを比較して、携帯端末装置50の現在位置が圏外(店舗外)であるか否かの存在判定を行う(ステップS2405)。存在判定において、携帯端末装置50の現在位置が圏外ではない場合(ステップS2405:NO)、すなわち、携帯端末装置50の現在位置が圏内(店舗内)である場合、そのまま処理を終了する。
【0199】
一方、存在判定において、携帯端末装置50の現在位置が圏外である場合(ステップS2405:YES)、すなわち、価格チェックなどのために来店した顧客(会員)による登録操作であると見込める場合、携帯端末装置50(当該顧客)が店舗外に存在する旨のエラーを報知する(ステップS2406)。そして、携帯端末装置50は、商品登録を制限し(ステップS2407)、一連の処理を終了する。
【0200】
また、ステップS2404の位置情報取得判定において、現在地の位置情報を取得しない場合(ステップS2404:NO)、すなわち、例えば、地下にいる場合など依然として通信環境が良好ではない場合、携帯端末装置50は、リトライを行うか否かを判断する(ステップS2408)。なお、リトライは、例えば、予め設定される上限回数以内であれば、自動で、または、顧客からリトライを行う操作を受け付けることにより行われる。上限回数を超えた場合、ステップS2409に進むようにすればよい。
【0201】
リトライを行う場合(ステップS2408:YES)、携帯端末装置50は、ステップS2403に戻る。リトライを行わない場合(ステップS2408:NO)、携帯端末装置50は、当該店舗の店舗特定情報の取得要求を行う(ステップS2409)。そして、携帯端末装置50は、当該店舗の店舗特定情報を取得したか否かの店舗特定情報取得判定を行う(ステップS2410)。当該店舗の店舗特定情報を取得した場合(ステップS2410:YES)、携帯端末装置50は、一連の処理を終了する。一方で、一定時間経過しても当該店舗の店舗特定情報を取得しない場合(ステップS2410:NO)、携帯端末装置50は、ステップS2406に進み、エラーを報知する。なお、取得した店舗特定情報が当該店舗の店舗特定情報ではない場合も、携帯端末装置50は、エラーを報知する。
【0202】
上述したように、変形例1において、携帯端末装置50は、位置情報が取得されない場合に店舗特定情報の取得要求を行い、店舗特定情報取得判定を行うようにした。これにより、顧客は、通信環境の良好ではないエリアに位置する場合でも、携帯端末装置50に店舗特定情報(2次元コード)を読み取らせることにより、店舗にいることを明らかにすることができる。したがって、価格チェックなどを行う不当な顧客の商品登録を抑えることができる。
【0203】
(変形例2)
次に、実施形態の変形例2について説明する。上述した変形例1では、取引の開始条件にかかわらず店舗特定情報取得判定に基づく報知を行う構成について説明した。このような構成に代えて又は加えて、変形例2では、第2条件の成立による取引では、店舗特定情報取得判定に基づく報知を行わない構成について説明する。
【0204】
変形例2において、要求部(第1要求手段)は、第1条件の成立による取引において、通信環境が良好ではない場合など位置情報が取得されない場合に、店舗特定情報の取得要求を行う。一方、要求部は、第2条件の成立による取引では、店舗特定情報の取得要求を行わない。
【0205】
(
図8のステップS808に示した報知処理の変形例2)
図25は、携帯端末装置50が行う位置情報に基づく報知処理の変形例2を示すフローチャートである。なお、
図25に示すフローチャートは、
図24に示すフローチャートと比較して、ステップS2501が異なる。このため、以下では、ステップS2501についてのみ説明する。
【0206】
図25に示すように、携帯端末装置50は、ステップS2402において、計量対象商品が登録されていないと判断した場合(ステップS2402:NO)、第1条件(位置情報を用いて店舗が特定される条件)の成立による取引であるか否かを判断する(ステップS2501)。携帯端末装置50は、第1条件の成立による取引ではない場合(ステップS2501:NO)、すなわち、第2条件(店舗特定情報を用いて店舗が特定される条件)の成立による取引である場合、そのまま処理を終了する。これにより、第2条件の成立による取引では、存在判定に基づく報知を行わないようにすることができるため、エラーの報知の頻度を抑えることができる。
【0207】
一方、第1条件の成立による取引である場合(ステップS2501:YES)、携帯端末装置50(CPU401)は、ステップS2403に移行して、GPSユニット411に対して、現在地の位置情報の取得要求を行う(ステップS2403)。
【0208】
上述したように、変形例2において、携帯端末装置50は、第2条件の成立による取引では、位置情報取得判定、存在判定、および、店舗特定情報取得判定の各判定に基づく報知を行わないようにした。これにより、第2条件の成立による取引において、エラーの報知の頻度を抑えることができる。
【0209】
(変形例3)
次に、実施形態の変形例3について説明する。上述した変形例2では、第2条件の成立による取引において、店舗特定情報取得判定に基づく報知を行わない構成について説明した。このような構成に代えて又は加えて、変形例3では、第1条件の成立による取引において、店舗特定情報取得判定に基づく報知を行わない構成について説明する。
【0210】
変形例3において、要求部(第2要求手段)は、店舗特定情報の取得による第2条件の成立による取引において、商品登録の開始から所定時間が経過することに応じて、店舗特定情報の取得要求を行う。所定時間は、例えば、15分である。要求部は、取引が開始されてから精算が開始されるまでの間に、所定時間が経過するごとに店舗特定情報の取得要求を行う。一方、要求部(第2要求手段)は、位置情報を取得した第1条件の成立による取引において、店舗特定情報の取得要求を行わない。
【0211】
また、店舗では、店舗特定情報を示す2次元コードが、至る箇所に配置されていればよい。これにより、顧客が店舗内のどこにいても、携帯端末装置50に当該2次元コードを読み取らせることができる。すなわち、店舗特定情報取得部が、店舗特定情報を取得することができる。特定情報判定は、要求部による取得要求に応じて取得された店舗特定情報を用いて行われる。
【0212】
ここで、第1条件の成立による取引では、携帯端末装置50は、定期的に位置情報を取得して、存在判定を行うことが可能である。そこで、判定部は、第1条件の成立による取引では、店舗特定情報取得判定を行わない。このため、報知部は、第1条件の成立による取引において、店舗特定情報取得判定に基づくエラーの報知を行わない。
【0213】
一方で、第2条件の成立による取引では、定期的な位置の確認を行えない。そこで、判定部は、第2条件の成立による取引では、店舗特定情報取得判定を行う。そして、報知部は、第2条件の成立による取引において、店舗特定情報取得判定に基づくエラーの報知を行う。
【0214】
(
図8のステップS808に示した報知処理の変形例3)
図26は、携帯端末装置50が行う店舗特定情報に基づく報知処理の変形例3を示すフローチャートである。
図26に示すように、携帯端末装置50は、所定時間(例えば20分)が経過したか否かを判断する(ステップS2601)。携帯端末装置50は、所定時間が経過するまで待機する(ステップS2601:NO)。所定時間が経過すると(ステップS2601:YES)、携帯端末装置50は、計量対象商品が登録されているか否かを判断する(ステップS2602)。
【0215】
計量対象商品が登録されている場合(ステップS2602:YES)、顧客が店舗内に存在することが明らかであることから、携帯端末装置50は、位置情報取得判定を行わずに、そのまま処理を終了する。
【0216】
一方、計量対象商品が登録されていない場合(ステップS2602:NO)、携帯端末装置50は、第1条件(位置情報を用いて店舗が特定される条件)の成立による取引であるか否かを判断する(ステップS2603)。第1条件の成立による取引である場合(ステップS2603:YES)、携帯端末装置50は、位置情報取得判定を行わずに、そのまま処理を終了する。
【0217】
一方、第1条件の成立による取引ではない場合(ステップS2603:NO)、すなわち、第2条件(店舗特定情報を用いて店舗が特定される条件)の成立による取引である場合、携帯端末装置50は、当該店舗の店舗特定情報の取得要求を行う(ステップS2604)。そして、携帯端末装置50は、当該店舗の店舗特定情報を取得したか否かの店舗特定情報取得判定を行う(ステップS2605)。当該店舗の店舗特定情報を取得した場合(ステップS2605:YES)、携帯端末装置50は、一連の処理を終了する。
【0218】
一方で、一定時間経過しても当該店舗の店舗特定情報を取得しない場合(ステップS2605:NO)、携帯端末装置50は、エラーを報知する(ステップS2606)。そして、携帯端末装置50は、商品登録を制限し(ステップS2607)、一連の処理を終了する。
【0219】
上述したように、変形例3において、携帯端末装置50は、第2条件の成立による取引において、商品登録の開始から所定時間が経過することに応じて、店舗特定情報の取得要求を行い、当該取得要求に応じて取得された店舗特定情報を用いて店舗特定情報取得判定を行うようにした。これにより、第2条件の成立による取引では、携帯端末装置50に店舗特定情報(2次元コード)を読み取らせることにより、店舗にいることを明らかにすることができる。したがって、価格チェックなどを行う不当な顧客の商品登録を抑えることができる。
【0220】
また、携帯端末装置50は、第1条件の成立による取引では、定期的に位置情報を取得して、存在判定を行うことが可能であることから、店舗特定情報取得判定に基づくエラーの報知を行わないようにすることができる。これにより、第1条件の成立による取引において、エラーの報知の頻度を抑えることができる。
【0221】
(変形例4)
次に、実施形態の変形例4について説明する。上述した変形例3では、店舗特定情報が更新されない構成について説明した。このような構成に代えて又は加えて、変形例4では、更新される店舗特定情報と、更新されない店舗特定情報とを用いることを可能にした構成について説明する。
【0222】
変形例4において、店舗特定情報は、所定のタイミングで更新される更新店舗特定情報(以下「ワンタイムパスワード」という。)と、更新されない非更新店舗特定情報とを含む。ワンタイムパスワードは、例えば、モニタに表示される。所定のタイミングは、例えば、30分である。ワンタイムパスワードは、例えば、有効期限が設定されており、有効期限が過ぎたものでは店舗を特定できないようになっている。モニタは、店舗の出入口付近に配置される。非更新店舗特定情報は、例えば、紙面に印刷されて、掲示される。ワンタイムパスワードおよび非更新店舗特定情報は、それぞれ、異なる店舗に提示されるが、同一の店舗に提示されていてもよい。
【0223】
ここで、ワンタイムパスワードが読み取られるということは、顧客が店舗に存在する信憑性が高いことを意味する。このため、報知部は、ワンタイムパスワードが取得された第2条件の成立による取引において、店舗特定情報取得判定に基づくエラーの報知を行わないようにする。
【0224】
一方で、非更新店舗特定情報については、カメラで撮像して保存しておくことにより、店舗外において、過去のものを読み取らせることが可能である。このため、非更新店舗特定情報が読み取られた場合、更新店舗特定情報が取得された場合に比べて、顧客が店舗に存在する信憑性が低いことを意味する。そこで、報知部は、非更新店舗特定情報が取得された第2条件の成立による取引において、店舗特定情報取得判定に基づくエラーの報知を行うようにする。
【0225】
また、変形例4において、要求部(第2要求手段)は、非更新店舗特定情報の取得による第2条件の成立による取引において、商品登録の開始から所定時間が経過することに応じて、非店舗特定情報の取得要求を行う。取得要求の対象となる店舗特定情報は、非更新店舗特定情報に限らず、ワンタイムパスワードでもよい。すなわち、ワンタイムパスワードと、非更新店舗特定情報との両方が提示される店舗では、要求部は、ワンタイムパスワードを取得要求するようにしてもよい。
【0226】
また、店舗では、非店舗特定情報を示す店舗特定コード(2次元コード)が、至る箇所に配置されていればよい。これにより、顧客が店舗内のどこにいても、携帯端末装置50に当該店舗特定コードを読み取らせることができる。すなわち、店舗特定情報取得部が、非店舗特定情報を取得することができる。特定情報判定は、要求部による取得要求に応じて取得された非店舗特定情報を用いて行われる。
【0227】
なお、変形例4において、第1条件の成立による取引では、店舗特定情報取得判定に基づく報知を行うようにしてもよいし(変形例2の構成)、行わないようにしてもよい(変形例3の構成)。
【0228】
(
図8のステップS808に示した報知処理の変形例4)
図27は、携帯端末装置50が行う位置情報に基づく報知処理の変形例4を示すフローチャートである。なお、
図27に示すフローチャートは、
図26に示すフローチャートと比較して、ステップS2701が異なる。このため、以下では、ステップS2701についてのみ説明する。
図27に示すように、携帯端末装置50は、ステップS2603において、第1条件の成立による取引ではないと判断した場合(ステップS2603:NO)、すなわち、第2条件(店舗特定情報を用いて店舗が特定される条件)の成立による取引である場合、ワンタイムパスワードの取得による第2条件の成立の取引であるか否かを判断する(ステップS2701)。
【0229】
ワンタイムパスワードの取得による第2条件の成立の取引である場合(ステップS2701:YES)、携帯端末装置50は、そのまま処理を終了する。これにより、ワンタイムパスワードの取得による第2条件の成立による取引では、店舗特定情報取得判定に基づく報知を行わないようにすることができるため、エラーの報知の頻度を抑えることができる。
【0230】
一方、ワンタイムパスワードの取得による第2条件の成立の取引でない場合(ステップS2701:NO)、すなわち、非更新店舗特定情報の取得による第2条件の成立の取引である場合、携帯端末装置50は、ステップS2604に進み、当該店舗の店舗特定情報の取得要求を行う。
【0231】
上述したように、変形例4において、携帯端末装置50は、ワンタイムパスワードが取得された第2条件の成立による取引において、店舗特定情報取得判定に基づくエラーの報知を行わないようにした。したがって、顧客が店舗に存在する可能性が高いと見込める場合には店舗特定情報取得判定に基づくエラーの報知を行わないため、エラーの頻度を抑えることができる。
【0232】
また、変形例4において、非更新店舗特定情報が取得された第2条件の成立による取引において、店舗特定情報取得判定に基づくエラーの報知を行うようにした。これにより、顧客が店舗に存在する可能性が低いと見込める場合にはエラーを報知可能にしたため、価格チェック等の不当な商品登録を抑えることができる。
【0233】
(変形例5)
次に、実施形態の変形例5について説明する。上述した実施形態では、取引の開始条件にかかわらず操作判定に基づく報知を行う構成について説明した。このような構成に代えて又は加えて、変形例5では、第2条件の成立による取引では、操作判定に基づく報知を行わない構成について説明する。
【0234】
変形例5において、第1条件の成立による取引において、報知部は、操作判定に基づく報知を行う。一方で、第2条件の成立による取引において、報知部は、操作判定に基づく報知を行わない。
【0235】
(
図8のステップS808に示した報知処理の変形例5)
図28は、携帯端末装置50が行う商品登録操作情報に基づく報知処理の変形例5を示すフローチャートである。なお、
図28に示すフローチャートは、
図20に示すフローチャートと比較して、ステップS2801が異なる。このため、以下では、ステップS2801についてのみ説明する。
【0236】
図28に示すように、携帯端末装置50は、第1条件(位置情報を用いて店舗が特定される条件)の成立による取引であるか否かを判断する(ステップS2801)。第1条件の成立による取引ではない場合(ステップS2801:NO)、すなわち、第2条件(店舗特定情報を用いて店舗が特定される条件)の成立による取引である場合、携帯端末装置50は、操作判定を行わずに、一連の処理を終了する。一方、ステップS2801において、第1条件の成立による取引である場合(ステップS2801:YES)、携帯端末装置50(CPU401)は、ステップS2001に移行し、メモリ404に記憶される商品登録操作情報の取得要求を行う。
【0237】
上述したように、変形例5において、携帯端末装置50は、第2条件の成立による取引において、操作判定に基づくエラーの報知を行わないようにした。これにより、第2条件の成立による取引において、エラーの報知の頻度を抑えることができる。
【0238】
(変形例6)
次に、実施形態の変形例6について説明する。上述した変形例5では、第2条件の成立による取引では、操作判定に基づく報知を行わない構成について説明した。このような構成に代えて又は加えて、変形例6では、第1条件の成立による取引では、操作判定に基づく報知を行わない構成について説明する。
【0239】
変形例6において、第1条件の成立による取引において、報知部は、操作判定に基づく報知を行わない。一方で、第2条件の成立による取引において、報知部は、操作判定に基づく報知を行う。
【0240】
(
図8のステップS808に示した報知処理の変形例6)
図29は、携帯端末装置50が行う商品登録操作情報に基づく報知処理の変形例6を示すフローチャートである。なお、
図29に示すフローチャートは、
図20に示すフローチャートと比較して、ステップS2901が異なる。このため、以下では、ステップS2901についてのみ説明する。
【0241】
図29に示すように、携帯端末装置50は、第2条件(店舗特定情報を用いて店舗が特定される条件)の成立による取引であるか否かを判断する(ステップS2901)。第2条件の成立による取引ではない場合(ステップS2901:NO)、すなわち、第1条件(位置情報を用いて店舗が特定される条件)の成立による取引である場合、携帯端末装置50は、操作判定を行わずに、一連の処理を終了する。一方、ステップS2901において、第1条件の成立による取引である場合(ステップS2901:YES)、携帯端末装置50(CPU401)は、ステップS2001に移行し、メモリ404に記憶される商品登録操作情報の取得要求を行う。
【0242】
上述したように、変形例6において、携帯端末装置50は、第1条件の成立による取引において、操作判定に基づくエラーの報知を行わないようにした。これにより、第1条件の成立による取引において、エラーの報知の頻度を抑えることができる。
【0243】
(変形例7)
次に、実施形態の変形例7について説明する。上述した変形例6では、第2条件の成立による取引では、操作判定に基づく報知を行う構成について説明した。このような構成に代えて又は加えて、変形例7では、第2条件の成立による取引でもワンタイムパスワードの取得による取引では、操作判定に基づく報知を行わない構成について説明する。
【0244】
ワンタイムパスワードが取得された場合、店舗外で価格チェック等の不当な商品登録が行われる可能性は低い。このため、変形例7において、報知部は、ワンタイムパスワードが取得された第2条件の成立による取引において、操作判定に基づくエラーの報知を行わないようにしている。
【0245】
一方で、非更新店舗特定情報の場合、カメラで撮像して保存しておくことにより、店舗外において、過去のものを読み取ることが可能である。このため、非更新店舗特定情報が取得された場合、ワンタイムパスワードが取得された場合に比べて、店舗外で価格チェック等の不当な商品登録が行われる可能性が高い。このため、報知部は、非更新店舗特定情報が取得された第2条件の成立による取引において、操作判定に基づくエラーの報知を行うようにしている。
【0246】
なお、変形例7において、第1条件の成立による取引では、操作判定に基づく報知を行うようにしてもよいし(変形例5の構成)、行わないようにしてもよい(変形例6の構成)。
【0247】
(
図8のステップS808に示した報知処理の変形例7)
図30は、携帯端末装置50が行う商品登録操作情報に基づく報知処理の変形例7を示すフローチャートである。なお、
図30に示すフローチャートは、
図29に示すフローチャートと比較して、ステップS3001が異なる。このため、以下では、ステップS3001についてのみ説明する。
【0248】
図30に示すように、携帯端末装置50は、ステップS2901において、第2条件の成立による取引であると判断した場合(ステップS2901:YES)、当該取引がワンタイムパスワードの取得による取引であるか否かを判断する(ステップS3001)。
【0249】
当該取引がワンタイムパスワードの取得による取引である場合(ステップS3001:YES)、携帯端末装置50は、そのまま処理を終了する。これにより、ワンタイムパスワードの取得による第2条件の成立による取引では、操作判定に基づく報知を行わないようにすることができるため、エラーの報知の頻度を抑えることができる。
【0250】
一方、ワンタイムパスワードの取得による第2条件の成立の取引ではない場合(ステップS3001:NO)、すなわち、非更新店舗特定情報の取得による第2条件の成立の取引である場合、携帯端末装置50(CPU401)は、ステップS2001に移行し、メモリ404に記憶される商品登録操作情報の取得要求を行う。
【0251】
上述したように、変形例7において、携帯端末装置50は、ワンタイムパスワードが取得された第2条件の成立による取引において、操作判定に基づくエラーの報知を行わないようにした。したがって、店舗外で価格チェック等の不当な商品登録が行われる可能性が低いと見込める場合にはエラーの報知を行わないため、エラーの頻度を抑えることができる。
【0252】
また、変形例7において、非更新店舗特定情報が取得された第2条件の成立による取引において、操作判定に基づくエラーの報知を行うようにした。これにより、店舗外で価格チェック等の不当な商品登録が行われる可能性が高いと見込める場合にはエラーを報知可能にしたため、価格チェック等の不当な商品登録を抑えることができる。
【0253】
(変形例8)
次に、実施形態の変形例8について説明する。上述した実施形態では、位置情報を取得できない場合にエラーを報知しないようにした(
図18参照)。このような構成に代えて又は加えて、変形例8では、GPS機能をOFFにしている場合にはエラーを報知する構成について説明する。
【0254】
以下、
図18を参照して説明する。変形例8では、
図18のステップS1804において、位置情報を取得できない場合に、携帯端末装置50は、GPS機能がOFFになっているか否かを判断するようにする。GPS機能がONである場合には、存在判定を行うことなく、そのまま処理を終了する。一方で、GPS機能がOFFである場合には、GPS機能をONにする旨の報知を行う。また、携帯端末装置50は、GPS機能がONになるまで、
図18に示した処理を終了させないようにしてもよい。また、一定時間経過してもGPS機能がONにならない場合、携帯端末装置50(当該顧客)が店舗外に存在する旨のエラーを報知してもよいし、商品登録を制限してもよい。
【0255】
変形例8によれば、顧客が故意にGPS機能をOFFにして、価格チェック等の不当な商品登録を行うことを防止することができる。
【0256】
(変形例9)
次に、実施形態の変形例9について説明する。上述した実施形態では、計量対象商品が登録された場合には位置情報に基づくエラーを報知しないようにした(
図18参照)。このような構成に代えて又は加えて、変形例9では、計量対象商品の登録の有無にかかわらず、位置情報に基づくエラーを報知可能にしてもよい。
【0257】
具体的には、変形例9に係る位置情報に基づく報知処理(
図18参照)では、計量対象商品の登録の有無にかかわらず、位置情報取得判定や存在判定を行うようにする。具体的には、携帯端末装置50は、
図18のステップS1801の処理を行わないようにしてすればよい。これにより、計量対象商品が登録された場合でも、位置情報取得判定、存在判定、および店舗特定情報取得判定を行うことができる。このため、各判定の判定結果に応じたエラーの報知を行うことができる。
【0258】
(変形例10)
次に、実施形態の変形例10について説明する。上述した実施形態では、計量対象商品が登録されているか否かにかかわらず、登録操作情報に基づくエラーを報知するようにした(
図20参照)。このような構成に代えて又は加えて、変形例10では、計量対象商品が登録された場合には、登録操作情報に基づくエラーを報知しないようにしてもよい。
【0259】
具体的には、変形例10において、携帯端末装置50は、
図20のステップS2001の処理の前に、計量対象商品が登録されているか否かの判断を行うようにし、計量対象商品が登録されている場合に、そのまま処理を終了すればよい。これにより、計量対象商品が登録されている場合には、不当な商品登録を行うおそれが低いことから、操作判定に基づくエラーの報知を行わないようにすることができる。したがって、エラーの頻度を抑えることができる。
【0260】
(変形例11)
次に、実施形態の変形例11について説明する。上述した実施形態では、正当判定に基づくエラーを報知しないようにするのは、計量対象商品が登録された場合とした。このような構成に代えて又は加えて、変形例11では、正当判定に基づくエラーを報知しないようにするのは、計量対象商品が登録されていなくても、単に計量装置30との接続履歴がある場合としてもよい。
【0261】
このように、計量装置30との接続履歴があれば、計量対象商品が登録されていなくても、店舗内に存在することが明らかである。このため、正当判定に基づくエラーを報知しないようにすることができる。このようにしたとしても、エラーの頻度を抑えることができる。
【0262】
以下、実施形態総括を記載する。
[発明の名称]端末装置、商品販売データ処理システム、報知方法、およびプログラム
[技術分野]
本発明は、端末装置、商品販売データ処理システム、報知方法、およびプログラムに関する。
[背景技術]
近年、顧客が所持するスマートフォンなどの携帯端末装置に、ショッピング用のアプリケーションをインストールさせて、店舗において顧客自らの操作で商品の登録を行うシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。携帯端末は、定期的に自装置の位置確認を行い、自装置が店舗内に位置していない場合にはエラーを報知する。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特表2013-541107号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、従来技術では、エラーが頻繁に報知されてしまうと、顧客に買物を円滑に行わせることができないことがある、という問題があった。例えば、店舗が地下に存在するような場合など、位置情報を取得しにくい環境では、携帯端末装置は、店舗内に位置していないものと判断し、エラーを頻繁に報知してしまうことがあった。 本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、買物を円滑に行わせることができる技術を提供することにある。
[課題を解決するための手段]
【0263】
(1)上述した課題を解決するために、本発明の一態様である端末装置は、現在地を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、店舗において提示される店舗特定情報を取得する店舗特定情報取得手段と、前記位置情報を用いて前記店舗が特定される第1条件と、前記店舗特定情報を用いて前記店舗が特定される第2条件とのうちのいずれか一方の開始条件の成立に応じて、商品登録を開始する登録手段と、前記商品登録が正当に行われているか否かの正当判定を行う判定手段と、前記判定手段の判定結果を用いてエラーの報知を行う報知手段と、を備え、前記報知手段は、成立した前記開始条件に基づく前記報知を行う、ことを特徴とする端末装置である。
上記構成によれば、第1条件の成立による取引と、第2条件の成立による取引とにおいて、エラーの報知の発生頻度を異ならせることができるため、開始条件に応じてエラーの頻度を抑えることができる。したがって、本実施形態によれば、エラーの報知によって買物が妨げられることを抑えることができるため、買物を円滑に行わせることができる。
【0264】
(2)上記(1)の構成において、前記正当判定は、取引の途中で取得される前記位置情報を用いて前記店舗に存在するか否かの存在判定を含み、前記報知手段は、前記第1条件の成立による取引において、前記存在判定に基づく前記報知を行い、前記第2条件の成立による取引において、前記存在判定に基づく前記報知を行わないようにしてもよい。
上記構成によれば、第2条件の成立による取引では、存在判定に基づく報知を行わないようにすることができる。したがって、第2条件の成立による取引において、エラーの報知の頻度を抑えることができる。
【0265】
(3)上記(1)または(2)の構成において、前記正当判定は、取引の途中で前記位置情報が取得されたか否かの位置情報取得判定を含み、前記報知手段は、前記位置情報が取得されない前記位置情報取得判定の判定結果が得られたとしても、前記報知を行わないようにしてもよい。
上記構成によれば、通信環境が良好でない場合に、エラーの報知が多発してしまうことを抑えることができる。
【0266】
(4)上記(3)の構成において、前記位置情報取得判定において前記位置情報が取得されない判定結果が得られることに応じて、前記店舗特定情報の取得要求を行う第1要求手段を備えてもよい。
上記構成によれば、顧客は、通信環境の良好ではないエリアに位置する場合でも、携帯端末装置50に店舗特定情報(2次元コード)を読み取らせることにより、店舗にいることを明らかにすることができる。したがって、価格チェックなどを行う不当な顧客の商品登録を抑えることができる。
【0267】
(5)上記(1)乃至(4)のいずれかの構成において、前記正当判定は、前記商品登録に係る操作が正当に行われているか否かの操作判定を含むようにしてもよい。
上記構成によれば、価格チェックなどの不当な登録操作が行われている場合にはエラーを報知することができる。したがって、価格チェック等の不当な商品登録を抑えることができる。このため、価格情報等の店舗における各種情報が容易に流出されることを抑えることができる。
【0268】
(6)上記(1)乃至(5)のいずれかの構成において、前記正当判定は、取引の途中で前記店舗特定情報が取得されたか否かの店舗特定情報取得判定を含み、前記報知手段は、前記第1条件の成立による取引において、前記店舗特定情報取得判定に基づく前記報知を行わず、前記第2条件の成立による取引において、前記店舗特定情報取得判定に基づく前記報知を行うようにしてもよい。
上記構成によれば、第2条件の成立による取引では、携帯端末装置50に店舗特定情報(2次元コード)を読み取らせることにより、店舗にいることを明らかにすることができる。したがって、価格チェックなどを行う不当な顧客の商品登録を抑えることができる。また、第1条件の成立による取引では、定期的に位置情報を取得して、存在判定を行うことが可能であることから、店舗特定情報取得判定に基づくエラーの報知を行わないようにすることができる。これにより、第1条件の成立による取引において、エラーの報知の頻度を抑えることができる。
【0269】
(7)上記(6)の構成において、前記第2条件の成立による取引において、前記商品登録の開始から所定時間が経過することに応じて、前記店舗特定情報の取得要求を行う第2要求手段を備えてもよい。
上記構成によれば、第2条件の成立による取引では、所定時間が経過するごとに、携帯端末装置50に店舗特定情報(2次元コード)を読み取らせることにより、店舗にいることを明らかにすることができる。したがって、価格チェックなどを行う不当な顧客の商品登録を抑えることができる。
【0270】
(8)上記(1)乃至(7)のいずれかの構成において、前記店舗特定情報は、所定のタイミングで更新される更新店舗特定情報と、更新されない非更新店舗特定情報とを含み、前記報知手段は、前記更新店舗特定情報が取得された前記第2条件の成立による取引において、前記正当判定に基づく前記報知を行わず、前記非更新店舗特定情報が取得された前記第2条件の成立による取引において、前記正当判定に基づく前記報知を行うようにしてもよい。
上記構成によれば、更新店舗特定情報の取得による取引の場合には、顧客が店舗に存在する可能性が高いと見込めるため、店舗特定情報取得判定や操作判定に基づくエラーを報知しないようにすることができる。また、非更新店舗特定情報の取得による取引の場合には、顧客が店舗に存在する可能性が低いと見込めるため、当該エラーを報知可能にすることにより、価格チェック等の不当な商品登録を抑えることができる。
【0271】
(9)上記(1)乃至(8)のいずれかの構成において、前記登録手段は、計量対象商品を計量する計量装置と通信接続することにより、前記計量対象商品を登録することが可能であり、前記報知手段は、前記計量対象商品が登録された場合、前記開始条件にかかわらず、前記報知を行わないようにしてもよい。
上記構成によれば、顧客が店舗内に存在することが明らかである場合には、エラーの報知を行わないようにすることができる。
【0272】
(10)上記(1)乃至(9)のいずれかの構成において、前記第1条件が成立しない場合、前記店舗特定情報の取得要求を行う第3要求手段を備え、前記登録手段は、前記第3要求手段による取得要求に応じて前記店舗特定情報が取得されることによる前記第2条件の成立に応じて前記商品登録を開始してもよい。
上記構成によれば、位置情報を取得できない場合でも、店舗特定情報の取得を促して、商品登録を開始させることができる。
【0273】
(11)上述した課題を解決するために、本発明の他の態様である商品販売データ処理システムは、顧客が操作する端末装置を含む商品販売データ処理システムであって、現在地を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、店舗において提示される店舗特定情報を取得する店舗特定情報取得手段と、前記位置情報を用いて前記店舗が特定される第1条件と、前記店舗特定情報を用いて前記店舗が特定される第2条件とのうちのいずれか一方の開始条件の成立に応じて、商品登録を開始する登録手段と、前記商品登録が正当に行われているか否かの正当判定を行う判定手段と、前記判定手段の判定結果を用いてエラーの報知を行う報知手段と、を備え、前記報知手段は、成立した前記開始条件に基づく前記報知を行う、ことを特徴とする商品販売データ処理システムである。
上記構成によれば、第1条件の成立による取引と、第2条件の成立による取引とにおいて、エラーの報知の発生頻度を異ならせることができるため、開始条件に応じてエラーの頻度を抑えることができる。したがって、本実施形態によれば、エラーの報知によって買物が妨げられることを抑えることができるため、買物を円滑に行わせることができる。
【0274】
(12)上述した課題を解決するために、本発明の他の態様である報知方法は、端末装置に用いられるコンピュータが、現在地を示す位置情報を取得する位置情報取得ステップと、店舗において提示される店舗特定情報を取得する店舗特定情報取得ステップと、前記位置情報を用いて前記店舗が特定される第1条件と、前記店舗特定情報を用いて前記店舗が特定される第2条件とのうちのいずれか一方の開始条件の成立に応じて、商品登録を開始する登録ステップと、前記商品登録が正当に行われているか否かの正当判定を行う判定ステップと、前記判定ステップにおける判定結果を用いてエラーの報知を行う報知ステップと、を実行し、前記報知ステップでは、成立した前記開始条件に基づく前記報知を行う、ことを特徴とする報知方法である。
上記構成によれば、第1条件の成立による取引と、第2条件の成立による取引とにおいて、エラーの報知の発生頻度を異ならせることができるため、開始条件に応じてエラーの頻度を抑えることができる。したがって、本実施形態によれば、エラーの報知によって買物が妨げられることを抑えることができるため、買物を円滑に行わせることができる。
【0275】
(13)上述した課題を解決するために、本発明の他の態様であるプログラムは、端末装置に用いられるコンピュータを、現在地を示す位置情報を取得する位置情報取得手段、店舗において提示される店舗特定情報を取得する店舗特定情報取得手段、前記位置情報を用いて前記店舗が特定される第1条件と、前記店舗特定情報を用いて前記店舗が特定される第2条件とのうちのいずれか一方の開始条件の成立に応じて、商品登録を開始する登録手段、前記商品登録が正当に行われているか否かの正当判定を行う判定手段、前記判定手段の判定結果を用いてエラーの報知を行う報知手段、として機能させ、前記報知手段は、成立した前記開始条件に基づく前記報知を行う、ことを特徴とするプログラムである。
上記構成によれば、第1条件の成立による取引と、第2条件の成立による取引とにおいて、エラーの報知の発生頻度を異ならせることができるため、開始条件に応じてエラーの頻度を抑えることができる。したがって、本実施形態によれば、エラーの報知によって買物が妨げられることを抑えることができるため、買物を円滑に行わせることができる。
【0276】
なお、上記において説明した各装置(携帯端末装置50等)における各機能(入出力、記憶、処理(判断含む))の全部または一部は、当該機能の実行主体として説明した装置とは異なる他の装置において実現してもよい。
【0277】
具体的には、上述した説明では、携帯端末装置50が、位置情報取得部と、店舗特定情報取得部と、登録部と、判定部と、報知部と、要求部とを備える構成について説明した。これらの機能部の全部または一部が、他のコンピュータ装置に具備されていてもよい。例えば、これらの機能部のうち全部または一部が、取引状況管理装置11に具備されていてもよいし、クラウドサーバSvに具備されていてもよいし、これら以外のコンピュータ装置に具備されていてもよい。また、これらの機能部が具備されるコンピュータ装置は、複数台であることに限らず、1台であってもよい。例えば、これらの機能部の全てを一のコンピュータ装置が具備していてもよい。
【0278】
具体的には、例えば、携帯端末装置50に代えて、取引状況管理装置11やクラウドサーバSvが、商品登録後の情報(登録データ)を記憶してもよい。また、例えば、取引状況管理装置11やクラウドサーバSvに代えて、取引状況管理装置11やクラウドサーバSvが、報知処理等(
図8、
図18、
図20参照)の各種処理を実行してもよい。すなわち、例えば、
図18のフローチャートのステップS1802において、携帯端末装置50が実行するものとして説明した取引の開始条件の判断を行う処理や、ステップS1806において行うエラーを報知する処理は、取引状況管理装置11やクラウドサーバSvが実行してもよい。
【0279】
上記に関連し、携帯端末装置50は、商品の登録に関しては、入出力のインタフェース部分に特化したいわゆるシンクライアントとして機能してもよい。つまり、携帯端末装置50は、各種の入力(操作者の操作、スキャナ等のデバイスによる検出)を受け付け、入力情報(操作情報、スキャン情報等)をクラウドサーバSvに送信し、当該入力情報に基づくクラウドサーバSvの処理結果(更新画面情報、デバイスの制御情報等)を受信し、各種の出力(表示部への表示、デバイスの制御)を行ってもよい。
【0280】
なお、以上に説明したショッピングシステム1、および携帯端末装置50を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0281】
Sv…クラウドサーバ、1…ショッピングシステム、10…ストアコントローラ、11…取引状況管理装置、20…POS端末装置、30…計量装置、50…携帯端末装置、201、301、401…CPU、205…客側表示部、215、305、405…通信部、406…操作部、407…カメラ、409…ディスプレイ、411…GPSユニット