(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
F24F 1/0073 20190101AFI20241209BHJP
F24F 1/0025 20190101ALI20241209BHJP
F24F 1/0063 20190101ALI20241209BHJP
F24F 13/22 20060101ALI20241209BHJP
F24F 13/28 20060101ALI20241209BHJP
【FI】
F24F1/0073
F24F1/0025
F24F1/0063
F24F1/0007 361B
F24F13/22 225
F24F13/28
(21)【出願番号】P 2021006052
(22)【出願日】2021-01-18
【審査請求日】2023-12-12
(31)【優先権主張番号】P 2020023860
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180644
【氏名又は名称】▲崎▼山 博教
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 利菜子
(72)【発明者】
【氏名】菅原 篤史
(72)【発明者】
【氏名】雨堤 正信
【審査官】庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-150789(JP,A)
【文献】特開2003-326121(JP,A)
【文献】特開2002-188850(JP,A)
【文献】特開平06-300306(JP,A)
【文献】特開2013-195034(JP,A)
【文献】特開2015-169389(JP,A)
【文献】特開2001-336781(JP,A)
【文献】特開2005-249323(JP,A)
【文献】特開2004-108705(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/0073
F24F 1/0025
F24F 1/0063
F24F 13/22
F24F 13/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内機本体の内部に熱交換器、送風機を収容した室内機を有し、
前記室内機本体が、
空気を吸い込み可能に開口した吸込口と、
空気を吹き出し可能に開口した吹出口と、
を有し、
前記熱交換器が、前記吸込口と前記送風機との間に配置されており、
前記吸込口と前記熱交換器との間には、
メッシュ状のプレフィルタと、
前記吸込口を介して吸い込まれる空気を清浄する空気清浄フィルタと、
が配置され、
前記空気清浄フィルタが、前記吸込口をなす開口の全領域に対応して設けられ
、
前記空気清浄フィルタを保持する枠体と、前記室内機本体を構成する筐体側に設けられた被係合部を有し、前記枠体を前記被係合部に対して係脱させることにより、前記筐体側に対して前記空気清浄フィルタを着脱可能であることを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
前記空気清浄フィルタの一部又は全部が、複数の折り目を有するプリーツ状とされ、かつ、前記熱交換器から離反するように湾曲又は屈曲した形状とされていることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
室内機本体の内部に熱交換器、送風機を収容した室内機を有し、
前記室内機本体が、
空気を吸い込み可能に開口した吸込口と、
空気を吹き出し可能に開口した吹出口と、
を有し、
前記吸込口と前記熱交換器との間には、前記吸込口を介して吸い込まれる空気を清浄する空気清浄フィルタが配置され、
前記空気清浄フィルタの一部又は全部が、複数の折り目を有するプリーツ状とされ、かつ、前記熱交換器から離反するように湾曲又は屈曲した曲げ形状部を有するものとされており、
前記空気清浄フィルタを保持する枠体と、前記室内機本体を構成する筐体側に設けられた被係合部を有し、前記枠体を前記被係合部に対して係脱させることにより、前記筐体側に対して前記空気清浄フィルタを着脱可能であり、
前記熱交換器において前記空気清浄フィルタの前記曲げ形状部に対応する部分に冷媒が優先的に流れること、を特徴とする空気調和機。
【請求項4】
前記熱交換器において前記空気清浄フィルタの前記曲げ形状部に対応する部分に流れる冷媒の量が、前記熱交換器において他の部位に流れる冷媒の量よりも多いこと、を特徴とする請求項3に記載の空気調和機。
【請求項5】
前記熱交換器との間で冷媒を循環させる冷凍サイクルを有し、
前記冷凍サイクルから前記熱交換器に戻った冷媒が、前記熱交換器において前記空気清浄フィルタの前記曲げ形状部に対応する部分に供給された後、前記熱交換器における他の部位に供給されること、を特徴とする請求項3又は4に記載の空気調和機。
【請求項6】
前記空気清浄フィルタとして、準HEPAフィルタ、及びHEPAフィルタのいずれか一方又は双方が用いられていることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項7】
前記空気清浄フィルタのうち、前記室内機本体の天面側に配されたものが、平板状のものとされていることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項8】
前記送風機は、水平状の軸心周りに回転するクロスフローファンを有し、
前記室内機本体の前記吸込口は、前記クロスフローファンの回転方向上流側に設けられた第一吸込領域と、前記第一吸込領域よりも前記クロスフローファンの回転方向上流側に設けられた第二吸込領域と、を有し、
前記第一吸込領域に対応して設けられた前記空気清浄フィルタは、前記第二吸込領域に対応して設けられた前記空気清浄フィルタよりも、空気の通過に伴う圧力損失が大きいものであることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の空気調和機。
【請求項9】
前記熱交換器が、前記送風機の外周側において湾曲あるいは屈曲するように配置されると共に、前記吸込口に臨むように配置されたものであり、
前記熱交換器の配置の湾曲あるいは屈曲に応じて、前記空気清浄フィルタが湾曲あるいは屈曲していることを特徴とする
請求項1~8のいずれかに記載の空気調和機。
【請求項10】
前記室内機本体の内部に設けられたドレンパンと、
前記ドレンパン内に溜まるドレン水を吸収可能な気化フィルタと、を有し、
前記気化フィルタの一部が、前記室内機本体の内部において前記送風機の作動に伴う気流に接触する位置に配されていることを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載の空気調和機。
【請求項11】
前記室内機本体は、高さ方向の寸法が、奥行き方向の寸法よりも短いものであることを特徴とする請求項1~10のいずれかに記載の空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、吸込口に面して、塵埃を除去する集塵フィルタと、集塵フィルタよりも粒子の細かい塵埃を除去する空気清浄フィルタを備えた空気調和機があった。
【0003】
例えば、特許文献1の空気調和機は、室内の空気を取込む吸込口と、吸込口から吸込まれた空気と熱交換する熱交換器と、熱交換器の前面に配されて空気内の塵埃を集塵する集塵フィルタと、集塵フィルタに係止されるとともに集塵フィルタよりも粒子の細かい塵埃を捕集する空気清浄フィルタと、熱交換器を流下する結露水を受けて下方へ導くことにより前面側からの漏水を防止する露受け部と、露受け部から空気清浄フィルタと熱交換器との間に延びるとともに空気清浄フィルタの中央部に対向する延設部とを備えたものとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の空気調和機は、空気清浄フィルタが吸込口の全てを覆っているわけではない。そのため、当該空気調和機においては、集塵フィルタで捕集しきれない塵埃が内部に入り込む可能性が高い。
【0006】
そこで本発明は、塵埃の侵入を最小限に抑制し、内部を清潔に維持可能な空気調和機の提供を目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の空気調和機は、室内機本体の内部に熱交換器、送風機を収容した室内機を有し、前記室内機本体が、空気を吸い込み可能に開口した吸込口と、空気を吹き出し可能に開口した吹出口と、を有し、前記熱交換器が、前記吸込口と前記送風機との間に配置されており、前記吸込口と前記熱交換器との間には、メッシュ状のプレフィルタと、前記吸込口を介して吸い込まれる空気を清浄する空気清浄フィルタと、が配置され、前記空気清浄フィルタが、前記吸込口をなす開口の全領域に対応して設けられていることを特徴とするものである。
【0008】
本発明の空気調和機は、吸込口と熱交換器との間に、メッシュ状のプレフィルタと、空気清浄用の空気清浄フィルタとを配置したものとされている。さらに、本発明の空気調和機では、空気清浄フィルタが、吸込口をなす開口の全領域に対応して設けられている。そのため、本発明の空気調和機においては、仮に塵埃がプレフィルタを通過したとしても、空気清浄フィルタによって捕捉できる可能性が高い。従って、本発明の空気調和機は、空気清浄フィルタよりも室内機本体の内側に塵埃が侵入する可能性を最小限に抑制し、内部を清潔に維持できる。
【0009】
ここで、本発明者らが鋭意検討したところ、上述したように吸込口の全てを集塵フィルタで覆った構造を採用した場合、圧損や騒音の増大、空気の吸い込み性能、吹き出し速度の低下等を起こさないように、何らかの方策を講じることが望ましいとの知見を得た。
【0010】
(2)かかる知見に基づけば、本発明の空気調和機は、前記空気清浄フィルタの一部又は全部が、複数の折り目を有するプリーツ状とされ、かつ、前記熱交換器から離反するように湾曲又は屈曲した形状とされていることを特徴とするものであると良い。
【0011】
かかる構成によれば、空気清浄フィルタにおいて塵埃の捕集に係る面積が増大し、圧損や騒音の増大を抑制できる。また、上述した構成によれば、空気の吸い込み性能を向上させ、吹き出し速度の低下を抑制できる。
【0012】
ここで、室内に浮遊している塵埃や、花粉、ダニのふん、カビの胞子、微細な砂ぼこり、ハウスダスト等のような微細な塵埃等を捕集可能なものとして、複数の折り目を有するプリーツ状の空気清浄フィルタを設けると、その分だけ空気を吸い込むときの圧損が大きくなると想定される。その一方で、プリーツ状の空気清浄フィルタを設ける場合であっても、空気清浄フィルタを湾曲あるいは屈曲させた曲げ形状とされた部分(曲げ形状部)においては、他の部分よりも圧損が低くなり、通気量が多くなる。従って、空気清浄フィルタの一部又は全部を複数の折り目を有するプリーツ状としつつ、曲げ形状部を有するものとする場合には、熱交換器において曲げ形状部に対応する部分に冷媒を優先的に流すことにより、このような構造としない場合に比べて熱交換効率を高めることができると考えられる。
【0013】
(3)かかる知見に基づいて提供される本発明の空気調和機は、室内機本体の内部に熱交換器、送風機を収容した室内機を有し、前記室内機本体が、空気を吸い込み可能に開口した吸込口と、空気を吹き出し可能に開口した吹出口と、を有し、前記吸込口と前記熱交換器との間には、前記吸込口を介して吸い込まれる空気を清浄する空気清浄フィルタが配置され、前記空気清浄フィルタの一部又は全部が、複数の折り目を有するプリーツ状とされ、かつ、前記熱交換器から離反するように湾曲又は屈曲した曲げ形状部を有するものとされており、前記熱交換器において前記空気清浄フィルタの前記曲げ形状部に対応する部分に冷媒が優先的に流れること、を特徴とするものである。
【0014】
かかる構成によれば、熱交換器において、プリーツ状とされた空気清浄フィルタの曲げ形状部に対応する部分に冷媒を優先的に流し、熱交換効率の向上を図ることができる。
【0015】
(4)上述した空気調和機は、前記熱交換器において前記空気清浄フィルタの前記曲げ形状部に対応する部分に流れる冷媒の量が、前記熱交換器において他の部位に流れる冷媒の量よりも多いこと、を特徴とするものであると良い。
【0016】
かかる構成によれば、熱交換器において高い熱交換効率が見込まれる部分に対し、他の部分よりも多くの冷媒を供給し、熱交換効率の更なる向上を図ることが可能となる。
【0017】
(5)上述した空気調和機は、前記熱交換器との間で冷媒を循環させる冷凍サイクルを有し、前記冷凍サイクルから前記熱交換器に戻った冷媒が、前記熱交換器において前記空気清浄フィルタの前記曲げ形状部に対応する部分に供給された後、前記熱交換器における他の部位に供給されること、を特徴とするものであると良い。
【0018】
かかる構成によれば、冷凍サイクルにおいて放熱あるいは吸熱して熱交換器に戻った冷媒を、熱交換器において熱交換効率の高いと想定される箇所に優先的に供給して熱交換させることができる。そのため、上述した構成によれば、より一層の熱交換効率の向上が期待できる。
【0019】
(6)本発明の空気調和機は、前記空気清浄フィルタとして、準HEPAフィルタ、及びHEPAフィルタのいずれか一方又は双方が用いられていることを特徴とするものであると良い。
【0020】
本発明の空気調和機では、HEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)、あるいはこれに準ずる塵埃の除去性能を有する準HEPAフィルタが、空気清浄フィルタとして用いられ、吸込口をなす開口の全領域に対応して設けられる。そのため、本発明の空気調和機においては、例えば、室内に浮遊している塵埃や、花粉、ダニのふん、カビの胞子、微細な砂ぼこり、ハウスダスト等のような微細な塵埃等を空気清浄フィルタによって高い捕集率で捕集できる。従って、本発明の空気調和機は、空気清浄フィルタよりも室内機本体の内側に塵埃が侵入する可能性をより一層低減し、内部を清潔に維持できる。
【0021】
(7)本発明の空気調和機は、前記空気清浄フィルタのうち、前記室内機本体の天面側に配されたものが、平板状のものとされていることを特徴とするものであると良い。
【0022】
かかる構成によれば、高さ方向に室内機本体を大型化するのを抑制しつつ、空気清浄フィルタを配置することが可能となる。
【0023】
(8)本発明の空気調和機は、前記送風機が、水平状の軸心周りに回転するクロスフローファンを有し、前記室内機本体の前記吸込口が、前記クロスフローファンの回転方向上流側に設けられた第一吸込領域と、前記第一吸込領域よりも前記クロスフローファンの回転方向上流側に設けられた第二吸込領域と、を有し、前記第一吸込領域に対応して設けられた前記空気清浄フィルタが、前記第二吸込領域に対応して設けられた前記空気清浄フィルタよりも、空気の通過に伴う圧力損失が大きいものであることを特徴とするものであると良い。
【0024】
かかる構成によれば、クロスフローファンに対して上流側にある第一吸込領域における圧力損失に比べ、第一吸込領域よりもさらに上流側にある第二吸込領域における圧力損失が小さくなる。これにより、第一吸込領域に対応して設けられた空気清浄フィルタの開口面積を限られた寸法の範囲内で最大限確保しつつ、第二吸込領域に対応して設けられた空気清浄フィルタにおいて大きな開口面積を稼ぐことにより、全体として必要とされる吸気量を確保することができる。ひいては、送風効率や熱交換効率等の性能の向上を図ることができる。
【0025】
(9)本発明の空気調和機は、前記熱交換器が、前記送風機の外周側において湾曲あるいは屈曲するように配置されると共に、前記吸込口に臨むように配置されたものであり、前記熱交換器の配置の湾曲あるいは屈曲に応じて、前記空気清浄フィルタが湾曲あるいは屈曲していることを特徴とするものであると良い。
【0026】
上述したように、熱交換器の配置形状に応じて空気清浄フィルタを湾曲あるいは屈曲させることにより、熱交換器の各所に流入する空気量のバランスが取れる。従って、上述した構成によれば、熱交換効率の向上等の効果が期待できる。
【0027】
(10)本発明の空気調和機は、前記室内機本体の内部に設けられたドレンパンと、前記ドレンパン内に溜まるドレン水を吸収可能な気化フィルタと、を有し、前記気化フィルタの一部が、前記室内機本体の内部において前記送風機の作動に伴う気流に接触する位置に配されていることを特徴とするものであると良い。
【0028】
かかる構成によれば、ドレンパン内に溜まるドレン水を気化フィルタにおいて吸収すると共に、送風機の作動に伴って発生する気流によって気化フィルタの乾燥を促進できる。そのため、上述した構成によれば、室内機本体の内部における乾燥を促進させてカビ等の発生を抑制し、室内機本体の内部を清潔に維持することができる。
【0029】
(11)本発明の空気調和機は、前記室内機本体は、高さ方向の寸法が、奥行き方向の寸法よりも短いものであることを特徴とするものであると良い。
【0030】
かかる構成によれば、高さ方向にコンパクトな空気調和機を提供できる。
【0031】
(12)本発明の空気調和機は、前記空気清浄フィルタを保持する枠体と、前記室内機本体を構成する筐体側に設けられた被係合部を有し、前記枠体を前記被係合部に対して係脱させることにより、前記筐体側に対して前記空気清浄フィルタを着脱可能であること、を特徴とするものであると良い。
【0032】
かかる構成によれば、枠体を被係合部に対して係脱させることにより、空気清浄フィルタを枠体と筐体側に対して着脱することができ、空気清浄フィルタの着脱作業の利便性を向上できる。
【0033】
(13)本発明の空気調和機は、前記筐体に設けられた開口部を覆うように取り付けられる開口部取付部材を有し、前記被係合部に対して前記枠体を所定の離脱方向に所定の離脱距離以上移動させることにより、前記空気清浄フィルタ及び前記枠体を含むフィルタユニットを前記被係合部から離脱可能であり、前記筐体側に前記フィルタユニットを取り付けると共に、前記開口部取付部材を前記開口部を覆うように取り付けた状態において、前記フィルタユニットと前記開口部取付部材との間に形成される間隔が前記離脱距離未満であり、前記開口部取付部材を前記開口部から取り外した状態において、前記フィルタユニットを前記離脱方向に前記離脱距離以上移動可能となること、を特徴とするものであると良い。
【0034】
上述した空気調和機は、筐体の開口部に設けられた開口部取付部材を取り付けた状態においては、フィルタユニットと開口部取付部材との間に形成される間隔が、フィルタユニットを筐体側の被係合部から離脱させるために必要な離脱距離未満とされている。そのため、上述した空気調和機は、開口部取付部材を開口部に取り付けた状態においては、フィルタユニットが予期せず被係合部から離脱してしまうのを抑制できる。また、上述した空気調和機は、筐体の開口部から開口部取付部材を取り外した状態とすることにより、フィルタユニットを被係合部から離脱させるのに必要な離脱距離以上、移動させることができる。そのため、上述した空気調和機は、常時においてはフィルタユニットの離脱を抑制しつつ、必要に応じて開口部取付部材を開口部から取り外すことにより、フィルタユニットを離脱させることができる。
【0035】
(14)上述した空気調和機は、前記開口部が前記吸込口であり、前記開口部取付部材が、メッシュ状のプレフィルタであると良い。
【0036】
かかる構成によれば、プレフィルタをフィルタユニットの離脱抑制のために活用しつつ、例えば清掃等のためにプレフィルタを取り外す作業を行うことにより、フィルタユニットも取り外すことが可能な空気調和機を提供できる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、塵埃の侵入を最小限に抑制し、内部を清潔に維持可能な空気調和機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】本発明の第一実施形態に係る空気調和機を示す概念図である。
【
図2】
図1の空気調和機が備える冷凍サイクルの一例を示した説明図である。
【
図3】
図1の空気調和機が備える制御部を中心とするブロック図である。
【
図4】本発明の第一実施形態に係る室内機本体の内部構造を模式的に例示した模式図である。
【
図5】第一の変形例に係る室内機本体の内部構造を模式的に例示した模式図である。
【
図6】第二の変形例に係る室内機本体の内部構造を模式的に例示した模式図である。
【
図7】第三の変形例に係る室内機本体の内部構造を模式的に例示した模式図である。
【
図8】第四の変形例に係る室内機本体の内部構造を模式的に例示した模式図である。
【
図9】
図8の室内機本体が備えるドレンパン及び気化フィルタの配置例を示した模式図である。
【
図10】本発明の第二実施形態に係る空気調和機が備える室内機の外観を示す斜視図である。
【
図12】(a),(b)はそれぞれ、
図10の室内機に用いられるフィルタユニットを示す斜視図である。
【
図13】
図12に示したフィルタユニットの分解斜視図である。
【
図14】
図10の室内機のプレフィルタを取り外し、室内機本体の正面パネルを開いた状態を示した斜視図である。
【
図15】(a)は
図10の室内機からフィルタユニットを取り外す際の第一段階を示す断面図、(b)は第二段階を示す断面図である。
【
図16】
図10の室内機が備える室内側熱交換器54の構成を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
≪第一実施形態≫
以下、本発明の一実施形態に係る空気調和機10について、図面を参照しつつ詳細に説明する。空気調和機10は、いわゆるセパレート型の空気調和機である。空気調和機10は、室外機20及び室内機50に大別される。
【0040】
図2に示すように、室外機20は、樹脂や金属等によって形成された室外機本体22の内部に、冷凍サイクルを構成する圧縮機24や、室外側熱交換器28、膨張弁30、室外側送風機32等の部材を収納している。室外機20は、冷媒配管34,36を介して室内機50に接続される。
【0041】
室外機20は、各部に温度検出器が配置され、後に詳述する制御部60に向けて検知信号を出力可能とされている。具体的には、室外機20においては、室外側熱交換器28に温度検出器28aが配置されている。また、圧縮機24の吐出側及び吸入側には、温度検出器24a及び温度検出器24bが配置されている。また、膨張弁30の近傍には温度検出器30aが配置されている。
【0042】
室内機50は、合成樹脂製部品により構成される室内機本体52(空気調和機本体)に、室内側熱交換器54、室内側送風機56、風向調整部58、制御部60等を設けたものである。室内機本体52は、天面52a側、及び正面52b側に吸込口55を有し、底面52c側に吹出口57を有する。図示省略するが、天面52aの前方寄り(図面で示す第二空気清浄フィルタ92の上方)、底面52cの前方寄り(図面で示す第二空気清浄フィルタ92の下方)に吸込口55を設けても良い。室内機本体52は、形状及び大きさを適宜設定できるが、本実施形態では高さ方向の寸法が、奥行き方向の寸法よりも短いものとされている。
【0043】
室内側熱交換器54は、冷媒配管34,36を介して室外機20との間で冷媒の往来可能なものとされている。室内側熱交換器54は、室内側送風機56の外周側において湾曲あるいは屈曲するように配置される。例えば、本実施形態のように、室内側熱交換器54は、複数個(図示例では3個)の熱交換器54x,54y,54zを、室内側送風機56を覆う屋根のように組み合わせることにより、室内側送風機56の外周側において屈曲するように配置したものとすることができる。室内側熱交換器54は、吸込口55に臨むように配置されている。また、室内側熱交換器54には、温度検出器54aが配置され、後に詳述する制御部60に向けて検知信号を出力可能とされている。
【0044】
室内機50は、室内側送風機56を作動させることにより、室内側熱交換器54において空気を通過させることができる。これにより、室内機50は、室内側熱交換器54内を流れる冷媒との間で熱交換された空気を、室内機本体52に設けられた空気吹出部から居室内に送り出すことができる。室内側送風機56は、クロスフローファン56aを備えたものとされている。
【0045】
室内側送風機56は、水平状の軸心周りに回転するクロスフローファン56aを有する。室内側送風機56は、室内機本体52の内部において、クロスフローファン56aの回転軸が室内機本体52の幅方向に延びるように配置されている。これにより、室内側送風機56は、室内機本体52の天面52a側や正面52b側から空気を吸い込み、室内機本体52の底面側から空気を吹き出し可能とされている。具体的には、
図1や
図4等に示すように、上方が室内機本体52の天面52a側、左側が室内機本体52の正面52b側となる状態で側面視した状態において、クロスフローファン56aが時計回り方向に回転するものとされている。また、室内側送風機56は、室内機本体52の背面52d側(
図1や
図4において右側)に偏った位置に設けられている。そのため、室内側送風機56を作動させると、室内側送風機56に近い室内機本体52の天面52a側において吸込口55が形成された領域(第一吸込領域55x)、及び第一吸込領域55xよりもクロスフローファン56aの回転方向上流側にあたる正面52b側において吸込口55が形成された領域(第二吸込領域55y)の双方から空気を吸い込むことができる。なお、天面52aの前方寄り(図面で示す第二空気清浄フィルタ92の上方)、底面52cの前方寄り(図面で示す第二空気清浄フィルタ92の下方)に吸込口55を設けた場合には、天面52aに設けた吸込口55の一部と、底面52cに設けた吸込口55を第二吸込領域55yに含むものとする。
【0046】
風向調整部58は、室内機本体52の底面52c側において吹出口57の近傍に配置されている。風向調整部58は、吹出口57から居室側への送風方向を上下方向及び左右方向に調整するものである。
【0047】
制御部60は、空気調和機10の動作制御を行うものである。制御部60は、後述するリモコン70等を介してユーザーによって設定された設定値を入力可能とされている。また、
図3に示すように、制御部60は、室外機20に設けられた温度検出器24a,24b,28a,30a、室内機50に設けられた温度検出器54a、及び後述するリモコン70に設けられた温度検出器70a及び湿度検出器70bからの出力信号を受信可能とされている。制御部60は、リモコン70等を介して入力された設定値や、温度検出器24a,24b,28a,30a,54a,70a、湿度検出器70bから受信した信号に基づき、居室内の温度や湿度、各部の動作等がユーザーの要求を満足するように、室外機20及び室内機50を構成する各部の動作を制御する。具体的には、制御部60は、圧縮機24、膨張弁30、室外側送風機32、室内側送風機56、及び風向調整部58等に対し、動作指令を発する。
【0048】
さらに詳細には、空気調和機10が冷房運転を行う際には、圧縮機24から吐出された高温高圧の冷媒を室外側熱交換器28に導入し、室外空気との熱交換を行わせる。これにより、冷媒は、室外側熱交換器28において放熱して凝縮し、液状となる。液状になった冷媒は、室外側熱交換器28から膨張弁30に入り、減圧される。減圧後の冷媒は室内側熱交換器54に送られ、膨張して低温低圧となり、室内側熱交換器54の表面温度を下げる。表面温度の下がった室内側熱交換器54は室内空気から吸熱し、これにより室内空気は冷やされる。吸熱後、低温の気体状の冷媒は圧縮機24に戻る。室外側送風機32によって生成された気流が室外側熱交換器28からの放熱を促進し、室内側送風機56によって生成された気流が室内側熱交換器54の吸熱を促進する。
【0049】
また、空気調和機10が暖房運転を行う際には、冷房運転時と逆向きに冷媒が流れるように制御される。すなわち、暖房運転時には、圧縮機24から吐出された高温高圧の冷媒が、室内側熱交換器54に入り、そこで居室内の空気と熱交換する。これにより、冷媒から居室内の空気への放熱が行われ、居室内の空気が暖められる。放熱に伴って凝縮して液状となった冷媒は、室内側熱交換器54から膨張弁30に入り、減圧される。膨張弁30で減圧された冷媒は、室外側熱交換器28に送られて膨張し、低温低圧となる。これにより、室外側熱交換器28の表面温度が低下し、室外空気との熱交換による吸熱によって冷媒が低温かつ気体状になる。室外側熱交換器28で低温かつ気体状とされた冷媒は、圧縮機24に戻る。室内側送風機56によって生成された気流が室内側熱交換器54からの放熱を促進し、室外側送風機32によって生成された気流が室外側熱交換器28による吸熱を促進する。
【0050】
制御部60には、操作部62、報知部64等が付属している。操作部62は、ユーザーが操作を行うためのものである。操作部62は、リモートコントローラ(リモコン70)によって遠隔操作可能なものとすることができる。報知部64は、例えば空気調和機10の電源のオンオフ状態等の動作状態や、タイマーの設定状態、設定温度等のユーザーによって設定された設定情報等を報知するためのものである。報知部64は、音報知部64aと、表示報知部64bとを備えている。音報知部64aは、前述した各種情報を音声や報知音等により音による報知を出力可能なものである。また、表示報知部64bは、前述した各種情報を表示により出力可能なものである。表示報知部64bは、例えば室内機50を構成する室内機本体52の表面等、ユーザーが視認しやすい位置等に設けられている。
【0051】
室内機本体52は、上述した構成に加えて、空気中の塵埃を捕捉するための第一プレフィルタ80、第二プレフィルタ82、第一空気清浄フィルタ90、及び第二空気清浄フィルタ92を備えている。これらのフィルタ80,82,90,92は、それぞれ第一吸込領域55x及び第二吸込領域55yをなす吸込口55と、室内側熱交換器54との間に配置されている。
【0052】
第一プレフィルタ80、及び第一空気清浄フィルタ90は、第一吸込領域55xをなす吸込口55に対応する位置に設けられている。また、第二プレフィルタ82、及び第二空気清浄フィルタ92は、第二吸込領域55yをなす吸込口55に対応する位置に設けられている。また、第一空気清浄フィルタ90、及び第二空気清浄フィルタ92は、それぞれ第一プレフィルタ80、第二プレフィルタ82に対して室内機本体52の内側(室内側熱交換器54側)の位置に配置されている。そのため、第一吸込領域55x及び第二吸込領域55yをなす吸込口55から吸い込まれた空気は、先ず第一プレフィルタ80、及び第二プレフィルタ82を通過した後、第一空気清浄フィルタ90、及び第二空気清浄フィルタ92を通過してから室内側熱交換器54に到達できる。このように、第一吸込領域55x及び第二吸込領域55yをなす吸込口55には、第一プレフィルタ80と第一空気清浄フィルタ90との組み合わせ、及び第二プレフィルタ82と第二空気清浄フィルタ92との組み合わせからなる多重構造(本実施形態では二重構造)となるようにフィルタが重ねて配置されている。
【0053】
第一プレフィルタ80、及び第二プレフィルタ82は、例えば、樹脂成形体からなる枠に対し、樹脂や金属からなる線状の部材を所定の目開きとなるように編み込んだメッシュ状の部材を取り付ける等したものである。第一プレフィルタ80、及び第二プレフィルタ82は、空気中に含まれている比較的大きな塵埃を捕捉することができる。
【0054】
第一空気清浄フィルタ90、及び第二空気清浄フィルタ92は、例えば、ガラス繊維製の不織布等からなるものとすることができる。第一空気清浄フィルタ90、及び第二空気清浄フィルタ92は、第一プレフィルタ80、及び第二プレフィルタ82よりも小さな塵埃まで捕捉可能なものとされている。具体的には、第一空気清浄フィルタ90、及び第二空気清浄フィルタ92は、HEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)及び準HEPAフィルタのいずれか一方又は双方の組み合わせによって構成される。HEPAフィルタは、定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルタである。準HEPAフィルタは、HEPAフィルタに準ずる粒子捕集率等の性能を有するエアフィルタである。準HEPAフィルタは、HEPAフィルタに比べて圧力損失が小さいものである。そのため、第一空気清浄フィルタ90、及び第二空気清浄フィルタ92は、空気中に含まれている微小な塵埃や、花粉、ダニのふん、カビの胞子、微細な砂ぼこり、ハウスダスト等のような微細な塵埃等の侵入、及びこれに伴う室内機本体52の内部及び室内側熱交換器54への汚れの付着、カビの増殖の低減等を図ることができる。
【0055】
また、第一空気清浄フィルタ90、及び第二空気清浄フィルタ92は、一部又は全部が、複数の折り目を有するプリーツ状(蛇腹状)のものとされている。本実施形態では、第二空気清浄フィルタ92が、プリーツ状のものとされている。これにより、第二空気清浄フィルタ92における空気の通過面積(塵埃捕集に係る面積)や通気量が増大すると共に、圧力損失の低減等を図ることが可能となる。
【0056】
第一空気清浄フィルタ90、及び第二空気清浄フィルタ92は、それぞれ異なる形態で配置されている。具体的には、室内機本体52の天面52a側において、第一吸込領域55xに配置される第一空気清浄フィルタ90は、平面状乃至平板状の形状とされている。これに対し、室内機本体52の正面52b側において、第二吸込領域55yに配置される第二空気清浄フィルタ92は、全体がプリーツ状のものとされ、かつ、室内側熱交換器54から中間部が離反するように湾曲又は屈曲した形状(本実施形態では湾曲した形状)とされている。このような形状とされているため、第二空気清浄フィルタ92は、第一空気清浄フィルタ90よりも空気の通過面積(塵埃捕集に係る面積)や通気量が大きく、圧力損失が小さい。また、第一空気清浄フィルタ90は、第二空気清浄フィルタ92よりも厚みが薄い。これにより、室内機本体52が上下方向への寸法的に制限のあるものであったとしても、第二空気清浄フィルタ92だけでなく、第一空気清浄フィルタ90も室内機本体52の内部に配置し、天面52a側から入る吸気も十分に清浄化することができる。
【0057】
上述したように、本実施形態の空気調和機10は、吸込口55と室内側熱交換器54との間に、メッシュ状の第一プレフィルタ80及び第二プレフィルタ82と、空気清浄用の第一空気清浄フィルタ90及び第二空気清浄フィルタ92とを配置したものとされている。さらに、本実施形態の空気調和機10では、第一空気清浄フィルタ90及び第二空気清浄フィルタ92が、吸込口55をなす開口の全領域に対応して設けられている。そのため、本実施形態の空気調和機10においては、仮に塵埃が第一プレフィルタ80及び第二プレフィルタ82を通過したとしても、第一空気清浄フィルタ90及び第二空気清浄フィルタ92によって捕捉できる可能性が高い。従って、本実施形態の空気調和機10は、第一空気清浄フィルタ90及び第二空気清浄フィルタ92よりも室内機本体52の内側に塵埃が侵入する可能性を最小限に抑制し、内部を清潔に維持できる。
【0058】
また、本実施形態の空気調和機10では、HEPAフィルタあるいは準HEPAフィルタが、第一空気清浄フィルタ90及び第二空気清浄フィルタ92として用いられる。そのため、本実施形態の空気調和機10においては、第一プレフィルタ80及び第二プレフィルタ82では捕捉しきれない微細な塵埃等を、第一空気清浄フィルタ90及び第二空気清浄フィルタ92によって高い捕集率で捕集できる。従って、空気調和機10は、第一空気清浄フィルタ90及び第二空気清浄フィルタ92よりも室内機本体52の内側に塵埃が侵入する可能性をより一層低減できる。これにより、室内機本体52の内部におけるカビの繁殖や、嫌な臭いの原因の発生を抑制し、清潔に維持できる。
【0059】
なお、本実施形態では、第一空気清浄フィルタ90及び第二空気清浄フィルタ92の双方をHEPAフィルタあるいは準HEPAフィルタとした例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第一空気清浄フィルタ90及び第二空気清浄フィルタ92のうち、いずれか一方又は双方を、HEPAフィルタや準HEPAフィルタよりも塵埃等の捕集率が低くプレフィルタよりも捕集率の高い中性能フィルタ等を採用したり、HEPAフィルタよりも高性能なULPAフィルタを採用したりしても良い。
【0060】
また、本実施形態では、第一空気清浄フィルタ90と、第二空気清浄フィルタ92とで、厚みを相違させた例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第一の変形例として
図5に示した例では、第一空気清浄フィルタ90と、第二空気清浄フィルタ92がプリーツ状のものとされ、第一空気清浄フィルタ90の厚みを、第二空気清浄フィルタ92と同等の厚みにしている。このような構成とすることにより、天面52aにおいて第一吸込領域55xをなす吸込口55から吸い込まれる空気の通気量が大きく、圧力損失が小さい。なお、
図5に示した例においては、
図4に示した例よりも第一空気清浄フィルタ90の厚みが厚いため、その分だけ室内機本体52の高さを高くしたり、上下方向への寸法制限に収まるように室内側熱交換器54や室内側送風機56の配置を上下方向に調整したりすると良い。
【0061】
上述したように、本実施形態の空気調和機10は、第一空気清浄フィルタ90が、複数の折り目を有するプリーツ状とされているため、第一空気清浄フィルタ90において塵埃の捕集に係る面積が増大し、圧損や騒音の増大の抑制、空気の吸い込み性能、吹き出し性能の向上を図ることができる。
【0062】
また、
図4や
図5に示した空気調和機10は、室内機本体52の天面52a側に配された第一空気清浄フィルタ90が、平面状乃至平板状のものとされている。このような構成によれば、高さ方向に室内機本体52を大型化するのを抑制しつつ、第一空気清浄フィルタ90を配置することが可能となる。
【0063】
なお、
図4や
図5に示した空気調和機10では、第二空気清浄フィルタ92の全体を湾曲させた例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第二空気清浄フィルタ92の一部を湾曲させたものであっても良い。また、
図4や
図5の例では、第一空気清浄フィルタ90を半円状に湾曲させているが、他の形状に湾曲させたものや、例えば門形等のように屈曲させたものであっても良い。
【0064】
また、
図4や
図5の例では、第一空気清浄フィルタ90を平面状あるいは平板状とした例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第一空気清浄フィルタ90の一部又は全部を湾曲又は屈曲させたものとしても良い。例えば、第二の変形例として
図6に示した例では、第一空気清浄フィルタ90についても第二空気清浄フィルタ92、と同様に、室内側熱交換器54の形状に応じて湾曲した形状とされている。このような構成によれば、第一空気清浄フィルタ90においても、第二空気清浄フィルタ92と同様に、塵埃の捕集に係る面積が増大し、圧損や騒音の増大の抑制、空気の吸い込み性能、吹き出し性能の向上を図ることができる。
【0065】
また、第三の変形例として
図7に示した例のように、第一空気清浄フィルタ90及び第二空気清浄フィルタ92に代えて、これらを一体化したような空気清浄フィルタ94を設けた構成としても良い。空気清浄フィルタ94は、室内側熱交換器54の形状に応じて、アーチ状あるいは円弧状に湾曲した形状とされている。また、空気清浄フィルタ94は、上述した第一空気清浄フィルタ90及び第二空気清浄フィルタ92と同様に、吸込口55と室内側熱交換器54との間に配置されており、吸込口55をなす開口の全領域(第一吸込領域55x及び第二吸込領域55y)に対応して設けられている。空気清浄フィルタ94を、第一空気清浄フィルタ90及び第二空気清浄フィルタ92と同様にプリーツ状のHEPAフィルタあるいは準HEPAフィルタとすれば、塵埃の捕集に係る面積が増大し、圧損や騒音の増大の抑制、空気の吸い込み性能、吹き出し性能の向上を図ることができる。また、このような形状とした場合、室内機本体52の高さを若干高くしたり、上下方向への寸法制限に収まるように室内側熱交換器54や室内側送風機56の配置を上下方向に調整したりすることで、室内機本体52の高さを、
図4に例示した構成を採用した場合と同程度の高さにすることができる。
【0066】
上述したように、
図4に示した空気調和機10は、室内側送風機56がクロスフローファン56aを有し、第一吸込領域55xに対応して設けられた第一空気清浄フィルタ90が、第二吸込領域55yに対応して設けられた第二空気清浄フィルタ92よりも、空気の通過に伴う圧力損失が大きいものとされている。このような構成とされているため、
図4に示した空気調和機10は、クロスフローファン56aに対して上流側にある第一吸込領域55xにおける圧力損失に比べ、第一吸込領域55xよりもさらに上流側にある第二吸込領域55yにおける圧力損失が小さくなる。これにより、第一吸込領域55xに対応して設けられた第一空気清浄フィルタ90の開口面積を限られた寸法の範囲内で最大限確保しつつ、第二吸込領域55yに対応して設けられた第二空気清浄フィルタ92において大きな開口面積を稼ぐことにより、全体として必要とされる吸気量を確保することができ、ひいては送風効率や熱交換効率等の性能の向上を図ることができる。
【0067】
上述したように、
図4や
図5に示した空気調和機10は、室内側熱交換器54が、室内側送風機56の外周側において湾曲あるいは屈曲するように配置されると共に、吸込口55に臨むように配置されたものであり、室内側熱交換器54の配置の湾曲あるいは屈曲に応じて、第一空気清浄フィルタ90が湾曲あるいは屈曲したものとされている。また、
図6や
図7に示した空気調和機10においては、第一空気清浄フィルタ90だけでなく、第二空気清浄フィルタ92についても、室内側熱交換器54の配置の湾曲あるいは屈曲に応じて、湾曲あるいは屈曲したものとされている。このような構成とすることにより、室内側熱交換器54の各所に流入する空気量のバランスが取れる。従って、上述した構成によれば、熱交換効率の向上等の効果が期待できる。
【0068】
また、上述した空気調和機10は、
図8に示すように、室内機本体52の内部に設けたドレンパン100に溜まるドレン水を吸収可能な気化フィルタ110を設けると良い。さらに、気化フィルタ110を設ける場合には、気化フィルタ110の一部が、室内機本体52の内部において室内側送風機56の作動に伴う気流に接触する位置に配されていると良い。このような構成とすることにより、ドレンパン100内に溜まるドレン水を気化フィルタ110において吸収すると共に、室内側送風機56の作動に伴って発生する気流によって気化フィルタ110の乾燥を促進できる。そのため、このような構成によれば、ドレンパン100に溜まるドレン水の乾燥を促進させて室内機本体52の内部におけるカビ等の発生を抑制し、室内機本体52の内部を清潔に維持することができる。
【0069】
なお、
図8に示すようにドレンパン100に気化フィルタ110を設ける場合には、
図9に示すように、ドレンパン100を室内機本体52内において所定方向(例えば幅方向一方側から他方側に向かう方向)に下り勾配となるように配置して排水口102に向けてドレン水が集まるようにすると良い。また、
図9のような構成とする場合には、排水口102の近傍においてドレン水が溜まる部分に気化フィルタ110を設けると良い。かかる構成によれば、より一層効率的にドレン水を気化フィルタ110に吸収させ、室内機本体52の内部を清潔に維持することができる。図示省略するが、気化フィルタ110を可動式にしても良い。即ち、冷房・暖房運転を行っているときは気化フィルタ110がドレン水を吸わない位置に退避させ、乾燥運転をするときに気化フィルタ110がドレン水を吸収可能な位置に移動させるように構成しても良い。
【0070】
上述した空気調和機10は、室内機本体52は、高さ方向の寸法が、奥行き方向の寸法よりも短くなるようにすると良い。このような構成とすることにより、空気調和機10は、高さ方向にコンパクトであり、高さ方向への制限がある場所等において設置可能となる。
【0071】
≪第二実施形態≫
以下、第二実施形態に係る空気調和機200について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、第二実施形態の空気調和機200は、上述した第一実施形態の空気調和機10と大部分の構成が共通するため、同一の構成の部分については同一の符号を付し、詳細の説明については省略あるいは簡略なものとする。
【0072】
図1や
図2に示すように、空気調和機200は、上述した空気調和機10と同様に、いわゆるセパレート型の空気調和機であり、室外機20及び室内機50に大別される。空気調和機200は、室外機20の構成、及び室内機50の大部分の構成が上述した空気調和機10と同一であるが、室内機50の一部の構成が空気調和機10と相違している点に特徴を有する。
【0073】
具体的には、
図11に示すように、空気調和機200は、室内機50が室内機本体52(筐体)の内部に室内側熱交換器54、及び室内側送風機56を収容を収容したものとされている。この点において、空気調和機200は、上述した空気調和機10と室内機50の構成が共通している。これに対し、空気調和機200は、吸込口55及びこれに取り付けられるプレフィルタ280の構成、第二空気清浄フィルタ92の取付構造、及び室内側熱交換器54の構成等に特徴を有する。以下、これらの特徴的な構成について、適宜、第一実施形態の空気調和機10の構成と対比しつつ詳細に説明する。
【0074】
[吸込口55及びプレフィルタ280の構成]
上述した空気調和機10においては、吸込口55が室内機本体52の天面側にある第一吸込領域55x、及び正面側にある第二吸込領域55yの双方に形成されている。これに対し、
図10や
図11に示すように、空気調和機200においては、室内機本体52の天面側に空気調和機10の第一吸込領域55xに対応する第一吸込領域255xが設けられると共に、空気調和機10の第二吸込領域55yに対応する第二吸込領域255yについても室内機本体52の天面側に存在しており、この点において空気調和機10と相違している。第一吸込領域255x及び第二吸込領域255yは、それぞれ第一空気清浄フィルタ90及び第二空気清浄フィルタ92に対応する位置関係となるように設けられている。本実施形態では、第一空気清浄フィルタ90が背面側、第二空気清浄フィルタ92が正面側に設けられているのに対応して、第一吸込領域255xが背面側、第二吸込領域255yが正面側となるように室内機本体52の天面に形成されている。
【0075】
また、空気調和機10においては、第一吸込領域55x及び第二吸込領域55yのそれぞれに対応するように、第一プレフィルタ80及び第二プレフィルタ82が設けられている。空気調和機200においても同様の構成であっても良いが、本実施形態では、
図10等に示すように、第一吸込領域55x及び第二吸込領域55yの双方に亘って取り付け可能な大きさの枠体に対してメッシュ状のフィルタを取り付けた一体のプレフィルタ280(開口部取付部材)を、室内機本体52の幅方向に複数(本実施形態では2つ)、並列に配したものとされている。
【0076】
[第二空気清浄フィルタ92の取付構造]
図11等に示すように、空気調和機200において、第一空気清浄フィルタ90は、上述した第一実施形態の空気調和機10と同様に、室内機本体52の天面52a側において平面状ないし平板状の形状とされ、室内側熱交換器54の上方に配置されている。これに対し、第二空気清浄フィルタ92は、室内側熱交換器54から中間部が離反するように湾曲した形状で配置される点においては空気調和機10と同様であるが、枠体292aを用いて室内機本体52に対して取り付けた構造とされている点に特徴を有する。以下、第二空気清浄フィルタ92の取付構造さらに詳細に説明する。
【0077】
図12や
図13に示すように、第二空気清浄フィルタ92は、枠体292aにセットしたフィルタユニット292の状態で室内機本体52に対して着脱可能とされている。第二空気清浄フィルタ92は、複数の折り目を有するプリーツ状のものであり、枠体292aに対して湾曲した曲げ形状をなした状態でセットされる。第二空気清浄フィルタ92は、フィルタユニット292の状態で、室内機本体52の内部に取り付け可能とされている。
【0078】
具体的には、
図11に示すように、室内機本体52の内部には、室内側熱交換器54に対して正面側に被係合部255が設けられている。一方、フィルタユニット292をなす枠体292aには、被係合部255に対して係合可能な係合部292bが設けられている。被係合部255及び係合部292bは、係合状態においてフィルタユニット292を所定位置において支持可能であると共に、適宜、係脱可能なものとされている。被係合部255及び係合部292bは、このような機能を発揮可能なものであれば適宜のものとすることが可能であるが、本実施形態では、係合部292bが下方に向けて開放された略「コ」字状の形状のものとされると共に、被係合部255が係合部292bの開放部分に嵌まる突起状のものとされている。そのため、室内機本体52に対するフィルタユニット292の取付位置において、フィルタユニット292を下方にスライドさせ、被係合部255に対して係合部292bが係合させることにより、フィルタユニット292を室内機本体52に対して固定することができる。
【0079】
ここで、被係合部255に対して係合部292bを係合させることにより、フィルタユニット292を室内機本体52に対して取り付けた状態において、フィルタユニット292と、プレフィルタ280(開口部取付部材)との間に形成される間隔が、フィルタユニット292の取り外しのために上方にスライドさせるのに必要な長さ(離脱距離)未満とされている。そのため、吸込口55を構成する第一吸込領域55xにプレフィルタ280が取り付けられた状態においては、フィルタユニット292は室内機本体52から外れない。これに対し、
図15(a)に示すように、プレフィルタ280を取り外し、吸込口55をなす開口領域が開放された状態になると、フィルタユニット292を離脱方向(本実施形態では上方)に向けて、離脱距離以上移動可能となる。そのため、先ず
図15(a)に示すように、プレフィルタ280を取り外すと共に、室内機本体52の正面パネル52fを開いた状態とした後、
図15(b)において上向きの矢印で示すようにフィルタユニット292上方に所定量(離脱距離)だけスライドさせることにより、被係合部255から係合部292bを離脱させることにより、室内機本体52に対するフィルタユニット292の係合が解除された状態になる。この状態において、
図15(b)において矢印で示すようにフィルタユニット292を室内機本体52の正面側に引き出すことにより、フィルタユニット292をから取り外すことができる。また、フィルタユニット292を取り付ける際には、先に説明したのとは逆の動作を行うことにより、フィルタユニット292を室内機本体52の内部に導入して係合させることができる。
【0080】
[室内側熱交換器54の構成]
空気調和機200は、上述した空気調和機10と同様に、第一空気清浄フィルタ90及び第二空気清浄フィルタ92を通過してきた空気を冷却あるいは加熱するための室内側熱交換器54を備えている。室内側熱交換器54は、いわゆるプレートフィン型の熱交換器とされている。
図16に示すように、室内側熱交換器54は、間隔を開けて室内機本体52の幅方向(
図16において紙面奥行き方向)に多数並べて配置されたフィン54fを貫通するように設けられた複数のパイプ54pを繋いで構成される管路を有する。室内側熱交換器54は、パイプ54pによって構成された管路に冷媒(熱媒体)を流し、フィン54fの並ぶ方向に冷媒を往復動させることにより、フィン54fの間を流れる空気と、パイプ54pの内部を流れる熱媒体との間で熱交換をさせることができる。
【0081】
ここで、空気調和機200において、室内側熱交換器54は、第一空気清浄フィルタ90及び第二空気清浄フィルタ92における通気抵抗を考慮して、部位毎にパイプ54pに流れる冷媒の流量や、冷媒が流れる順番が規定されている。具体的には、室内側熱交換器54は、第一熱交換エリア54A、第二熱交換エリア54B、第三熱交換エリア54C、及び第四熱交換エリア54Dの4つのエリアに大別される。
【0082】
第一熱交換エリア54Aは、第二空気清浄フィルタ92に対応する位置にあり、かつ第二空気清浄フィルタ92に面する部分が主要部をなすエリアである。第二熱交換エリア54Bは、第一熱交換エリア54Aに対して室内側送風機56側に隣接する部分が主要部をなすエリアである。すなわち、第二熱交換エリア54Bは、第二空気清浄フィルタ92に対応する位置にあり、かつ室内側送風機56側に面する部分が主要部をなすエリアである。第三熱交換エリア54Cは、第一空気清浄フィルタ90に対応する位置にあり、かつ第一空気清浄フィルタ90に面する位置が主要部をなすエリアである。第四熱交換エリア54Dは、第三熱交換エリア54Cに対して室内側送風機56側に隣接する部分が主要部をなすエリアである。すなわち、第四熱交換エリア54Dは、第一空気清浄フィルタ90に対応する位置にあり、かつ室内側送風機56側に面する部分が主要部をなすエリアである。
【0083】
室内側熱交換器54は、室外機20側から第一熱交換エリア54Aに供給された冷媒を、第一熱交換エリア54Aから第二熱交換エリア54B及び第三熱交換エリア54Cに冷媒を分配可能なように、分配弁54vを介して各エリア間で配管接続されている。第一熱交換エリア54Aから第二熱交換エリア54B及び第三熱交換エリア54Cへの冷媒の分配比は適宜設定可能であるが、本実施形態では1対1とされている。また、室内側熱交換器54は、第三熱交換エリア54Cから第四熱交換エリア54Dに冷媒を供給可能なように、両エリア間でパイプ54pが接続されている。そのため、室内側熱交換器54は、室外機20側から供給された冷媒を先ず第一熱交換エリア54Aに設けられたパイプ54pに供給し、第一熱交換エリア54Aを通過する空気と熱交換させることができる。また、第一熱交換エリア54Aを通過した空気は、第一熱交換エリア54Aから第二熱交換エリア54Bに分配された冷媒との間でさらに熱交換することができる。一方、第三熱交換エリア54Cを通過する空気は、第一熱交換エリア54Aから分配された冷媒と熱交換される。また、第三熱交換エリア54Cを通過した空気は、第三熱交換エリア54Cから第四熱交換エリア54Dに供給された冷媒との間でさらに熱交換される。第二熱交換エリア54B及び第四熱交換エリア54Dに設けられたパイプ54pの最下流に到達した冷媒は、集合弁54wに対して配管接続されている。集合弁54wに集合した冷媒は、室外機20側に戻される。
【0084】
室内側熱交換器54は、上述したような流路構成を備えたものであるため、第二空気清浄フィルタ92の曲げ形状部に対応する部分に冷媒を優先的に流すことができる。また、第二空気清浄フィルタ92の曲げ形状部に対応する部分に流れる冷媒の量が、室内側熱交換器54において他の部位に流れる冷媒の量よりも多い。
【0085】
上述したように、第二実施形態に係る空気調和機200は、室内側熱交換器54において第二空気清浄フィルタ92の曲げ形状部に対応する部分に冷媒が優先的に流れる構成とされている。このような構成とされているため、空気調和機200においては、室内側熱交換器54において、プリーツ状とされた第二空気清浄フィルタ92の曲げ形状部に対応する部分に冷媒を優先的に流し、熱交換効率の向上を図ることができる。
【0086】
また、空気調和機200は、室内側熱交換器54において第二空気清浄フィルタ92の曲げ形状部に対応する部分に流れる冷媒の量が、室内側熱交換器54において他の部位に流れる冷媒の量よりも多いものとされている。そのため、空気調和機200は、室内側熱交換器54において高い熱交換効率が見込まれる第一熱交換エリア54Aに対し、他の部分よりも多くの冷媒を優先的に供給し、熱交換効率の更なる向上を図ることが可能となる。
【0087】
また、本実施形態の空気調和機200は、フィルタユニット292を構成する枠体292aを、室内機本体52側に設けられた被係合部255に対して係脱させることにより、室内機本体52に対して第二空気清浄フィルタ92を着脱可能とされている。そのため、空気調和機200は、第二空気清浄フィルタ92の着脱作業の利便性を向上できる。
【0088】
上述した空気調和機200は、吸込口55に設けられたプレフィルタ280を取り付けた状態において、フィルタユニット292とプレフィルタ280との間に形成される間隔が、フィルタユニット292を筐体側の被係合部255から離脱させるために必要な離脱距離未満とされている。そのため、空気調和機200は、プレフィルタ280を吸込口55に取り付けた状態においては、フィルタユニット292が予期せず被係合部255から離脱してしまうのを抑制できる。また、空気調和機200は、筐体の吸込口55からプレフィルタ280を取り外した状態とすることにより、フィルタユニット292を被係合部255から離脱させるのに必要な離脱距離以上、移動させることができる。そのため、空気調和機200は、常時においてはフィルタユニット292の離脱を抑制しつつ、必要に応じてプレフィルタ280を吸込口55から取り外すことにより、フィルタユニット292を離脱させることができる。
【0089】
図11等に示すように、第二実施形態に係る空気調和機200は、室内機本体52において正面側の領域が第二空気清浄フィルタ92(フィルタユニット292)を配置するフィルタ設置領域とされており、これよりも背面側(図中右側)の領域に他の構成を集約した構造とされている。そのため、空気調和機200は、フィルタ設置領域を除く部分を第二空気清浄フィルタ92を設けないタイプの空気調和機と同様の構成として共用化を図ることが可能となる。具体的には、例えば、第二空気清浄フィルタ92を除く部分をユニット化し、当該ユニットを空気調和機200と、第二空気清浄フィルタ92を設けないタイプのものとで共用化することができる。
【0090】
本発明は、上述した実施形態や変形例等として示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示および精神から他の実施形態があり得る。上述した実施形態の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また実施形態の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素または発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成してもよい。これらについても本願の補正または分割出願等において権利取得する意思を有する。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は、空気調和機全般において好適に利用できる。
【符号の説明】
【0092】
10 :空気調和機
50 :室内機
52 :室内機本体
52a :天面
52b :正面
54 :室内側熱交換器
55 :吸込口(開口部)
55x :第一吸込領域
55y :第二吸込領域
56 :室内側送風機
56a :クロスフローファン
57 :吹出口
80 :第一プレフィルタ
82 :第二プレフィルタ
90 :第一空気清浄フィルタ
92 :第二空気清浄フィルタ
100 :ドレンパン
110 :気化フィルタ
200 :空気調和機
255 :被係合部
280 :プレフィルタ
292 :フィルタユニット
292a :枠体