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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】精算装置、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20241209BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20241209BHJP
【FI】
G07G1/12 331E
G07G1/12 321K
G07G1/00 331A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2024006019
(22)【出願日】2024-01-18
(62)【分割の表示】P 2019223800の分割
【原出願日】2019-12-11
(65)【公開番号】P2024026853
(43)【公開日】2024-02-28
【審査請求日】2024-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】沖 裕之
【審査官】山本 裕太
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-086032(JP,A)
【文献】特開2008-293250(JP,A)
【文献】特開2019-133514(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/12
G07G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
幣を収容する第1収容部と、前記第1収容部に収容されている貨幣を収容可能な第2収容部とを備え、
前記第1収容部に収容されている貨幣が所定量以上となった場合に、算処理が可能な通常状態から、前記精算処理が不可能な休止状態となることを可能にし、
記休止状態において、前記第1収容部に収容されている貨幣の一部を前記第2収容部に回収する、
ことを特徴とする精算装置。
【請求項2】
店員の操作によって登録された商品の精算を客の操作によって行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の精算装置
【請求項3】
幣を収容する第1収容部と、前記第1収容部に収容されている貨幣を収容可能な第2収容部とを備える精算装置のコンピュータに、
前記第1収容部に収容されている貨幣が所定量以上となった場合に、算処理が可能な通常状態から、前記精算処理が不可能な休止状態となることを可能にし、
前記休止状態において、前記第1収容部に収容されている貨幣の一部を前記第2収容部に回収可能にする
理を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項4】
店員の操作によって登録された商品の精算を客の操作によって行う、
ことを特徴とする請求項3に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、算装置、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、店員が商品を登録する登録装置と、客が精算を行う精算装置とを備える商品販売データ処理システムが知られている。精算装置は、自動釣銭釣札機に接続されている。自動釣銭釣札機は、例えば、登録装置で登録された商品の代金を現金で決済するときに用いられる。また、自動釣銭釣札機は、客の利用状況に応じて、ニアフル状態になることがある。ニアフル状態は、貨幣を収容可能な許容限度の枚数に近い枚数となる状態である。自動釣銭釣札機がニアフル状態になると、精算装置は、その旨を示す警告を報知する。例えば、精算装置は、精算装置に設けられたサインポールを点灯させたり、精算装置に設けられた画面上にその旨を示すステータスを表示させたり、監視装置の画面上にその旨を示す画面を表示させたりするといった警告の報知が行われる。
【0003】
関連する技術として、金銭のオーバーフローを判断した金種の金銭を収納袋に払い出すことや、収納袋が未装着である場合に収納袋が未装着であることを示す情報をアテンダントPC(店員用のPC)に表示する、という内容が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-162023号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、自動釣銭釣札機の警告が報知されると、その都度店員が、当該自動釣銭釣札機が接続される精算装置まで店員が赴いて、当該精算装置を休止状態とするための操作を行うため、店員の業務効率が低下するという問題があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、店員の業務効率が低下することを抑えることができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様である精算装置は、幣を収容する第1収容部と、前記第1収容部に収容されている貨幣を収容可能な第2収容部とを備え、前記第1収容部に収容されている貨幣が所定量以上となった場合に、算処理が可能な通常状態から、前記精算処理が不可能な休止状態となること可能にし記休止状態において、前記第1収容部に収容されている貨幣の一部を前記第2収容部に回収する、ことを特徴とする精算装置である。
【0009】
また、上述した課題を解決するために、本発明の他の態様であるプログラムは、幣を収容する第1収容部と、前記第1収容部に収容されている貨幣を収容可能な第2収容部とを備える精算装置のコンピュータに、前記第1収容部に収容されている貨幣が所定量以上となった場合に、算処理が可能な通常状態から、前記精算処理が不可能な休止状態となることを可能にし、前記休止状態において、前記第1収容部に収容されている貨幣の一部を前記第2収容部に回収可能にする理を実行させることを特徴とするプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態1に係るPOS(Point Of Sales)システム1のネットワーク構成を示す説明図である。
図2】POSレジスタ20の外観の一例を示す説明図である。
図3】POSレジスタ20のハードウェア構成の一例を示す説明図である。
図4】自動釣銭釣札機204の構成の一例を示す説明図である。
図5】登録装置20Rの店員側表示部207に表示される画面の一例を示す説明図である。
図6】登録装置20Rの店員側表示部207に表示される画面の一例を示す説明図である。
図7】各装置に表示される画面の一例を示す説明図である。
図8】POSシステム1の動作の一例を示すシーケンス図である。
図9A】実施形態1に係る精算装置20Pが行う処理の一例を示すフローチャートである。
図9B】実施形態1に係る精算装置20Pが行う処理の一例を示すフローチャートである。
図10A】実施形態1に係る登録装置20Rが行う処理の一例を示すフローチャートである。
図10B】実施形態1に係る登録装置20Rが行う処理の一例を示すフローチャートである。
図11】金種ごとの設定枚数の一例を示す説明図である。
図12】POSレジスタ20毎の金種ごとの現保持枚数の一例を示す説明図である。
図13】登録装置20Rの店員側表示部207に表示される画面の一例を示す説明図である。
図14】第2実施形態に係るPOSシステム1の動作の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態1)
(POSシステム1のネットワーク構成)
図1は、実施形態1に係るPOS(Point Of Sales)システム1のネットワーク構成を示す説明図である。POSシステム1は、商品販売データ処理システムの一例である。POSシステム1は、図1に示すように、ストアコントローラ10と、監視装置11と、複数台のPOSレジスタ20-0~20-nとを含む。各装置は、LAN(Local Area Network)を介して接続されている。
【0012】
ストアコントローラ10は、POSシステム1を制御するコンピュータ(例えば、サーバ)である。ストアコントローラ10は、例えば、商品マスタを記憶する。商品マスタは、各商品の商品識別情報(例えばJANコード)、商品名称、販売価格などの商品情報を格納するファイルである。ストアコントローラ10は、管理装置や上位装置とも称されることがある。監視装置11は、表示画面(モニタ)を備え、複数台のPOSレジスタ20を監視するコンピュータである。監視装置11は、アシストモニタと称されることがある。
【0013】
POSレジスタ20-0~20-nは、主に、購入される商品の登録を行う登録処理と、登録された商品の代金決済を行う精算処理(会計処理、決済処理とも称する)とを実行するための装置である。すなわち、POSレジスタ20-0~20-nは、主に、登録処理を行う登録装置の機能と、精算処理を行う精算装置の機能とを兼ね備えた装置である。詳細については、後述するが、POSレジスタ20-0~20-nは、店員と客が対面して取引を行う通常モードと、他のPOSレジスタ20-0~20-nで登録された商品の精算を会計専用モードと、客が自ら商品を登録して精算を行うフルセルフモードとのうち、いずれかのモードに設定される。
【0014】
本実施形態では、POSレジスタ20-0は、店員が商品を登録する登録装置として機能するものとする。すなわち、POSレジスタ20-0は、通常モードに設定されているものとする。以下において、POSレジスタ20-0を「登録装置20R」と称する場合がある。
【0015】
また、POSレジスタ20-1~20-nは、客が精算を行う精算装置として機能するものとする。すなわち、POSレジスタ20-1~20-nは、会計専用モードに設定されているものとする。以下において、POSレジスタ20-1~20-nを「精算装置20P1~20Pn」と称する場合がある。POSレジスタ20-1~20-nを、それぞれ特に区別しない場合には「精算装置20P」と称する場合もある。また、登録装置20Rと精算装置20Pとを特に区別しない場合、POSレジスタ20-0~20-nを「POSレジスタ20」と称する場合もある。
【0016】
POSレジスタ20は、商品販売データ処理装置の一例である。POSレジスタ20は、商品の登録や、精算や、販売データの管理などを行うコンピュータ装置(POSレジスタ)である。ストアコントローラ10と、監視装置11と、POSレジスタ20とは、例えば、LAN(Local Area Network)を介して、有線または無線で通信可能に接続されている。
【0017】
(POSレジスタ20の外観)
図2は、POSレジスタ20の外観の一例を示す説明図である。図2(A)は、POSレジスタ20を客側から見た斜視図である。図2(B)は、POSレジスタ20を店員側から見た斜視図である。なお、POSレジスタ20は、カウンタや机の上に載置されるタイプのものでもよい。
【0018】
POSレジスタ20は、例えば、図2に示すように、客側表示部201と、客側スキャナ部202と、カード決済部203と、自動釣銭釣札機204と、音声出力部205と、印刷部206と、店員側表示部207と、キー操作部208と、店員側スキャナ部209と、を備える。なお、不図示であるが、POSレジスタ20は、所定の点灯態様で点灯可能なサインポールを備えていてもよい。
【0019】
客側表示部201は、客用のディスプレイである。客側表示部201は、例えば、タッチパネルである。客側表示部201は、種々の情報を表示して、客から種々の入力を受け付ける。例えば、客側表示部201は、商品を選択するボタンであるプリセットキーを表示して、当該プリセットキーの操作(押下)を受け付ける。
【0020】
客側スキャナ部202は、客用のスキャナ部である。客側スキャナ部202は、各種の情報を光学的に読み取る。例えば、客側スキャナ部202は、商品に付されているコード(バーコードや二次元コードなど)を光学的に読み取る。また、客側スキャナ部202は、このほかにも、例えば、各種カード(例えば、会員カード、ポイントカードなど)に印刷されているコード(バーコードや二次元コードなど)を読み取ることも可能である。
【0021】
カード決済部203は、各種カードを用いて決済を行う。ここで言う各種カードは、例えば、クレジットカード、交通系カードなどのプリペイドカード、ポイントカードなどである。また、各種カードは、接触型のカード(ICカード、磁気カード)でもよいし、非接触型のカード(ICカード)でもよい。
【0022】
カード決済部203は、例えば、カード読取部と、表示部と、操作部とを備える。カード読取部は、各種カードの情報を読み取る。カード読取部は、磁気カードであればカードの情報を磁気的に読み取り、ICカードであれば、カードの情報を電気的に読み取る。カード決済部203の表示部は、各種情報を表示する。
【0023】
例えば、クレジットカードが用いられる場合、表示部は、支払金額や、マスクした状態の暗証番号を表示する。また、カード決済部203の操作部は、顧客または店舗等のスタッフから各種操作を受け付ける。例えば、クレジットカードが用いられる場合、操作部は、クレジットカードを使用するための切り替え操作をスタッフから受け付けるとともに、顧客から暗証番号の入力を受け付ける。
【0024】
自動釣銭釣札機204は、現金による決済を行う現金決済部である。自動釣銭釣札機204は、紙幣や硬貨の投入口と、紙幣や硬貨の排出口とを有する。投入口および排出口は、それぞれ、紙幣や硬貨を検出するセンサを有し、客側に向けられて配置されている。投入口は、客から現金の投入を受け付ける。また、排出口は、お釣り(紙幣や硬貨)を排出する。自動釣銭釣札機204は、投入口へ投入された現金の合計金額を算出するとともに、合計金額と買上金額との差分である釣銭金額を算出し、釣り銭や釣り札を排出口から排出する。
【0025】
音声出力部205は、音声を出力するスピーカである。音声出力部205は、例えば、音声ガイダンス等を出力する。音声ガイダンスは、例えば、顧客に対して、商品の登録を支援するガイダンスや、精算を支援するガイダンスである。
【0026】
印刷部206は、レシートなどの各種媒体を発行するプリンタ装置である。印刷部206は、レシートを発行する発行口を有する。印刷部206は、例えば、水平方向に平行に回転自在であり、店員側から客側に、また、客側から店員側に、発行口の方向を変更することが可能である。印刷部206は、手動によって回転してもよいし、モータの駆動力によって回転してもよい。また、印刷部206は、モータの駆動力によって回転する構成の場合、後述するPOSレジスタ20の動作モードに応じて回転してもよい。
【0027】
店員側表示部207は、店員用のディスプレイである。店員側表示部207は、例えば、タッチパネルである。店員側表示部207は、種々の情報を表示して、店員から種々の入力を受け付ける。例えば、店員側表示部207は、商品を選択するボタンであるプリセットキーを表示して、当該プリセットキーの操作(押下)を受け付ける。
【0028】
キー操作部208は、ハードウェアキーであり、店員から種々の入力を受け付ける。例えば、キー操作部208は、商品に対応するキーや、数量に対応するキーを有し、店員から商品の選択や数量の選択を受け付ける。
【0029】
店員側スキャナ部209は、店員用のスキャナ部である。店員側スキャナ部209は、各種の情報を光学的に読み取る。例えば、店員側スキャナ部209は、コードを読み取る。コードは、バーコードや二次元コードなどである。コードには、商品に付されたコードや、店員の名札に付されたコードや、各種カード(例えば、会員カード、ポイントカードなど)に印刷されているコードがある。
【0030】
(POSレジスタ20のハードウェア構成)
次に、POSレジスタ20のハードウェア構成について説明する。図3は、POSレジスタ20のハードウェア構成の一例を示す説明図である。なお、以下において、図2において説明した内容については適宜説明を省略する。図3において、POSレジスタ20は、CPU(Central Processing Unit)301と、ROM(Read Only Memory)302と、RAM(Random Access Memory)303と、ハードディスク304と、通信部305と、客側表示部201と、客側スキャナ部202と、カード決済部203と、自動釣銭釣札機204と、音声出力部205と、印刷部206と、店員側表示部207と、キー操作部208と、店員側スキャナ部209とを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。
【0031】
CPU301は、中央演算処理装置であり、ROM302に記憶されているプログラム(例えば、商品販売データ処理プログラム)を読み出して実行することにより、POSレジスタ20の動作を制御する。
ROM302は、読み出し専用メモリであり、プログラムをはじめとしてCPU301が利用する各種の情報を記憶する。
【0032】
RAM303は、読み出し書き込みメモリであり、種々の情報を記憶する。例えば、RAM303は、例えば、商品を登録する登録処理において生成した登録情報(登録データ)、買上商品を精算(決済)する精算処理において生成した精算情報(精算データ)や、外部の装置から取得した情報などを記憶する。
【0033】
ハードディスク304は、種々の情報を記憶する。ハードディスク304は、例えば、ROM302に代えて、CPU301が実行するプログラム等を記憶してもよい。また、ハードディスク304は、RAM303に代えて、各種処理において生成した情報や、外部から取得した情報を記憶してもよい。
【0034】
(POSレジスタ20の動作モードについて)
次に、POSレジスタ20の動作モードについて説明する。POSレジスタ20は、複数の動作モードのうち、いずれかの動作モードで動作する。以下に説明する複数の動作モードは、通常の業務中における登録処理や精算処理に係る動作モードであり、具体的には、通常モード(対面セルフモード)と、会計専用モードと、フルセルフモードとがある。
【0035】
なお、複数の動作モードには、集計モードやメンテナンスモードやトレーニングモードなどもある。集計モードは、売上や在高等を集計および照会等するモードである。メンテナンスモードは、店員や保守員等が設定作業や保守作業を行う際のモードである。トレーニングモードは、新人の店員がPOSレジスタ20の取り扱いについてトレーニングを行う際のモードである。
【0036】
(通常モードについて)
通常モード(対面セルフモード)は、店員側の商品登録を有効とし、客側の商品登録を無効とした動作モードである。具体的には、通常モードでは、店員側表示部207、キー操作部208、および店員側スキャナ部209を用いた商品の登録を有効とし、客側表示部201および客側スキャナ部202を用いた商品の登録を無効とするモードである。これにより、通常モードでは、客側においては登録処理を実行せずに、店員側において登録処理を実行することが可能である。通常モードに設定されるPOSレジスタ20は、登録装置20Rである。
【0037】
また、通常モードは、貨幣の投入を有効とした動作モードである。このため、通常モードでは、商品の登録処理が行われているときでも、貨幣の投入を受け付けることが可能である。通常モードでは、自動釣銭釣札機204への貨幣の投入や、カード決済部203によるカードの読み取りによって、精算処理が行われる。精算処理は、店員側における登録処理が実行された後に行われる。
【0038】
また、通常モードにおいて、POSレジスタ20(登録装置20R)は、登録処理が完了すると、会計専用モードのPOSレジスタ20(精算装置20P)へ登録した商品の登録情報を送信することも可能である。
【0039】
(会計専用モードについて)
会計専用モードは、店員側の商品登録と、客側の商品登録とを無効にし、精算を有効とした動作モードである。具体的には、会計専用モードでは、店員側表示部207、キー操作部208、および店員側スキャナ部209を用いた商品の登録と、客側表示部201および客側スキャナ部202を用いた商品の登録とを無効とするモードである。これにより、通常モードでは、店員側および客側において登録処理を実行しないようにすることが可能である。会計専用モードに設定されるPOSレジスタ20は、精算装置20Pである。
【0040】
また、会計専用モードは、貨幣の投入を有効とした動作モードである。会計専用モードでは、登録装置20Rから送信された登録情報を用いて精算処理が実行される。例えば、会計専用モードでは、登録装置20Rから登録情報を受信することにより、貨幣の投入を受け付けることが可能である。また、会計専用モードでは、自動釣銭釣札機204への貨幣の投入や、カード決済部203によるカードの読み取りによって、精算処理が行われる。
【0041】
(フルセルフモードについて)
フルセルフモードは、客側の商品登録を有効とした動作モードである。具体的には、フルセルフモードでは、客側表示部201および客側スキャナ部202を用いた商品の登録を有効とするモードである。これにより、フルセルフモードでは、客側において登録処理を行うことが可能である。
【0042】
また、フルセルフモードでは、店員側の商品登録についても有効としてもよい。具体的には、フルセルフモードでは、店員側スキャナ部209、店員側表示部207、およびキー操作部208を用いた商品の登録を有効としてもよい。これにより、フルセルフモードでは、店員側および客側において登録処理を行うことが可能である。ただし、フルセルフモードでは、店員の操作によって店員側の商品の登録を有効または無効に切り替え可能にしてもよい。
【0043】
また、フルセルフモードは、貨幣の投入を有効とした動作モードである。このため、フルセルフモードでは、商品の登録処理が行われているときでも、貨幣の投入を受け付けることが可能である。フルセルフモードでは、自動釣銭釣札機204への貨幣の投入や、カード決済部203によるカードの読み取りによって、精算処理が行われる。精算処理は、客側または店員側における登録処理が実行された後に行われる。
【0044】
(各動作モードの切り替えについて)
次に、POSレジスタ20の動作モードの切り替えについて説明する。動作モードの切り替えは、例えば、店員による動作モードの切り替えるための明示的なモード切り替え操作や、店員コードの読み取り操作に応じて行われる。また、動作モードの切り替えは、例えば、時間的な条件に応じて、切り替わってもよい。時間的な条件は、例えば、最後に操作されてからの所定時間が経過することや、予め設定したスケジュールに応じた切り替え時刻となることである。また、他の装置(他のPOSレジスタ20、監視装置、携帯端末など)からのモード切り替え指示に応じて、動作モードが切り替わる場合もある。なお、動作モードの切り替えは、客によって行われず、店員によって行われるものとする。
【0045】
(自動釣銭釣札機の構成について)
図4は、自動釣銭釣札機204の構成の一例を示す説明図である。図4において、自動釣銭釣札機204は、第1収容部401と、第2収容部402とを備える。また、自動釣銭釣札機204は、金種を識別する識別部や、金種ごとに貨幣を振り分ける振分部や、貨幣を搬送する搬送部などを備える。また、自動釣銭釣札機204は、第1収容部401に収容可能な許容限度の枚数に近い枚数となるニアフル状態や、第1収容部401の貨幣が少ない枚数であるニアエンド状態を検出する機能を有する。例えば、自動釣銭釣札機204は、ニアフル状態となる枚数や、ニアエンド状態となる枚数を、金種ごとに設定している。
【0046】
また、自動釣銭釣札機204は、第1収容部401に収容されている貨幣を第2収容部402に移動させる機能(機構)を有する。なお、このような機能は、周知技術であるため、詳細な説明を省略する。
【0047】
自動釣銭釣札機204は、CPU301の制御に従って、投入された貨幣を計数し、第1収容部401に収容する。また、自動釣銭釣札機204は、第1収容部401から放出する貨幣(例えば、会計時に釣り銭とする貨幣)を計数し、排出口から放出する。このため、第1収容部401には、例えば、会計時に預かった貨幣や補充時に補充された貨幣などの投入された貨幣が金種ごとに収容される。また、第1収容部401は、自動釣銭釣札機204に対して着脱不可能な構成である。なお、第1収容部401は、自動釣銭釣札機204に対して着脱可能な構成としてもよい。
【0048】
第2収容部402は、自動釣銭釣札機204に対して着脱自在の構成である。第2収容部402は、自動釣銭釣札機204から取り出された際に、店員が持ち運びできるようになっている。自動釣銭釣札機204は、収納された状態で鍵がかけられ、鍵を有さない者が持ち運びできないようになっている。第2収容部402は、例えば、箱型の形状である。なお、第2収容部402は、袋状であってもよい。
【0049】
第2収容部402は、第1収容部401に収容される貨幣を回収する。例えば、閉店後に第1収容部401に収容される貨幣を回収する際に、自動釣銭釣札機204は、店員の操作に応じて、第1収容部401に収容される貨幣を第2収容部402に移動させる。また、自動釣銭釣札機204は、金種ごとに、第1収容部401の貨幣を第2収容部402に移動させることが可能である。
【0050】
例えば、自動釣銭釣札機204は、第1収容部401に収容される貨幣のうちニアフル状態になった金種がある場合に、店員の操作に応じて、当該金種の貨幣を、第1収容部401から第2収容部402に移動させることが可能である。具体的には、自動釣銭釣札機204は、第1収容部401から第2収容部402へ移動させる貨幣を計数し、第1収容部401に収容される貨幣を第2収容部402に移動させる。第1収容部401に収容される貨幣を第2収容部402に移動させる処理を「オーバーフロー処理」と言う。なお、第1収容部401から第2収容部402への貨幣の移動は、自動釣銭釣札機204が自動で行うことに限らない。例えば、店員が手動で、第1収容部401に収容される貨幣を第2収容部402に移動させてもよい。
【0051】
次に、自動釣銭釣札機204による金種ごとの貨幣の管理について説明する。自動釣銭釣札機204は、CPU301の制御に従って、金種毎の残置枚数(収納枚数)を管理する。具体的には、自動釣銭釣札機204は、金種毎の残置枚数に関する最新情報(以下「釣銭残置情報」という)を管理する。例えば、自動釣銭釣札機204は、貨幣の投入時には、金種毎の投入枚数(入金枚数)に基づいて金種毎の残置枚数に関する情報を更新(加算)する。
【0052】
また、自動釣銭釣札機204は、貨幣の放出時には、金種毎の放出枚数(出金枚数)に基づいて金種毎の残置枚数に関する情報を更新(減算)する。また、自動釣銭釣札機204は、貨幣の投入および排出に際して、金種毎の投入枚数などの情報を含む入金履歴情報と、金種毎の排出枚数などの情報を含む出金履歴情報とを記憶する。
【0053】
なお、金種毎の残置枚数、釣銭残置情報、入金履歴情報、出金履歴情報などは、自動釣銭釣札機204に記憶されることに限らず、POSレジスタ20に記憶されてもよい。例えば、POSレジスタ20は、自動釣銭釣札機204から金種毎の残置枚数や、釣銭残置情報、入金履歴情報、出金履歴情報などを一取引毎に受信して、受信した情報を記憶するようにしてもよい。
【0054】
なお、釣銭残置情報、入金履歴情報、出金履歴情報は、自動釣銭釣札機204が備える記憶領域にしてもよいし、外部の記憶装置に記憶してもよい。外部の記憶装置は、例えば、POSレジスタ20が備えるRAMやハードディスク等でもよいし、POSレジスタ20とは異なる他の装置に具備される記憶装置でもよい。
【0055】
(本実施形態に係るPOSシステム1の機能について)
次に、本実施形態にかかるPOSシステム1の機能について説明する。POSシステム1は、登録装置20Rと、精算装置20Pとを備える。登録装置20Rは、店員が操作して、商品の登録処理を行う。精算装置20Pは、客が操作して、登録装置20Rで登録された商品の精算処理を行う。精算装置は、自動釣銭釣札機204に接続されている。自動釣銭釣札機204は、第1収容部401と、第2収容部402とを備える。
【0056】
精算装置20Pは、通常状態と、休止状態とを含む複数の状態をとり得る。通常状態は、精算処理が可能な状態である。通常状態は、客が精算を行っていない待機中の状態(待機状態)と、客が精算を行っている状態とを含む。
【0057】
休止状態は、精算処理が不可能な状態である。精算装置20Pは、第1収容部401に収容されている貨幣が所定量未満である場合に、通常状態にある。一方、精算装置20Pは、第1収容部401に収容されている貨幣が所定量以上となった場合に、通常状態から休止状態となることが可能である。具体的には、精算装置20Pは、金種ごとに予め設定されるニアフル状態の設定枚数に、少なくとも一の金種が達した場合に、通常状態から休止状態となることが可能である。第1収容部401に収容される貨幣が所定量以上となることは、自動釣銭釣札機204がニアフル状態になることである。
【0058】
なお、所定量は、ニアフル状態の設定枚数に限らず、フル状態の設定枚数であってもよい。フル状態の設定枚数は、第1収容部401に収容されている貨幣が許容される限度の枚数である。精算装置20Pは、自動釣銭釣札機204がニアフル状態になった場合に、店員の操作に応じて休止状態となる。ただし、店員の操作を要さずに、自動で休止状態となってもよい。
【0059】
ここで、店員の操作に応じて休止状態とする場合、例えば、登録装置20Rまたは監視装置11は、店員に休止状態とするか否かの確認表示を行う。具体的に補足すると、自動釣銭釣札機204がニアフル状態になると、精算装置20Pまたは監視装置11は、登録装置20Rにその旨を示す情報(以下「ニアフル情報」と称する。)を送信する。登録装置20Rまたは監視装置11は、ニアフル情報を受信すると、当該精算装置20Pを休止状態にするための確認ボタンを表示する。
【0060】
当該確認ボタンにおいて、休止状態にする旨を受け付けると、登録装置20Rまたは監視装置11は、精算装置20Pを休止状態にする旨を示す情報を(以下「休止指示」と称する。)当該精算装置20Pに送信する。精算装置20Pは、登録装置20Rまたは監視装置11からの休止指示を受信することにより、休止状態となる。精算装置20Pは、休止状態になると、その旨を示す情報(以下「休止情報」と称する。)を登録装置20Rおよび監視装置11に送信する。
【0061】
登録装置20Rは、精算装置20Pが通常状態である場合に、登録処理によって登録された商品の登録データを、精算装置20Pに送信することが可能である。具体的には、登録装置20Rの店員側表示部207には、通常状態の精算装置20Pが送信先の候補として表示される。送信先の候補のうちいずれかが店員によって選択されると、登録装置20Rは、選択された精算装置20Pに登録データを送信する。
【0062】
一方で、登録装置20Rは、精算装置20Pが休止状態となった場合に、すなわち、精算装置20Pから休止情報を受信した場合に、登録データの精算装置20Pへの送信を禁止する。具体的には、登録装置20Rの店員側表示部207には、休止状態の精算装置20Pが送信先の候補としては表示されない。例えば、休止状態の精算装置20Pについては、休止状態である旨の表示がされ、登録データの送信先として選択できないように表示される。このため、休止状態の精算装置20Pがある場合には、登録装置20Rは、自装置で精算処理を完了させるか、または、通常状態の精算装置20Pに登録データを送信する。
【0063】
なお、POSレジスタ20は、フルセルフモードに設定されている場合でも、登録装置20Rから登録データを受信することにより、精算を行うことが可能である。具体的には、フルセルフモードに設定されているPOSレジスタ20は、登録装置20Rから登録データを受信することにより、会計専用モードにモードが切り替わる。フルセルフモードに設定されているPOSレジスタ20も休止状態となることがある。登録装置20Rは、フルセルフモードに設定されているPOSレジスタ20が休止状態となった場合も、当該POSレジスタ20への登録データの送信を禁止する。
【0064】
ここで、第1収容部401は、日中に、何度かニアフル状態になることが想定される。また、第2収容部402に移動した貨幣は、閉店まで第2収容部402に保管される。このため、適宜、オーバーフロー処理または店員の手動により、少量(例えば、10枚~20枚)ずつ、第1収容部401に収容される貨幣を第2収容部402に移動させるようにしてもよい。すなわち、第1収容部401内の貨幣を一気に第2収容部402に移動させるのではなく、休止状態の時間が短くなるよう、少量の貨幣を第2収容部402に移動させるようにしてもよい。例えば、取引が終了したタイミングで、少量の貨幣を第2収容部402に移動させるようにしてもよい。これにより、休止状態によって精算装置20Pが使用できなってしまう時間を低減することができる。
【0065】
なお、例えば、第1収容部401に収容される貨幣を、一回の取引で使用が想定される所定枚数としてもよい。所定枚数は、例えば、1円硬貨、10円硬貨、100円硬貨であれば各9枚、5円硬貨、50円硬貨、500円硬貨であれば各5枚、1000円札であれば9枚、5000円札であれば5枚などである。また、一回の取引で使用可能な硬貨の法定上限数は、20枚であることから、この枚数に応じた枚数(例えば20枚)を硬貨の所定枚数としてもよい。
【0066】
(ニアフル状態の報知について)
ここで、自動釣銭釣札機204がニアフル状態になると、精算装置20Pまたは監視装置11は、ニアフル状態になった旨を報知する。精算装置20Pが行うニアフル状態になった旨の報知は、例えば、客側表示部201の表示画面による報知や、音声出力部205の音声による報知や、不図示のサインポールを所定態様に点灯させることによる報知などである。なお、精算装置20Pがニアフル状態になった旨の報知は、以下に説明するように、登録装置20Rにおいて行われるため、精算装置20Pにおいて行われなくてもよい。
【0067】
また、自動釣銭釣札機204がニアフル状態になると、精算装置20Pまたは監視装置11は、登録装置20Rにニアフル情報を送信する。登録装置20Rは、ニアフル情報を受信すると、精算装置20Pの自動釣銭釣札機204がニアフル状態になった旨を報知する。登録装置20Rが行うニアフル状態になった旨の報知は、例えば、店員側表示部207の表示画面による報知や、音声出力部205の音声による報知などである。
【0068】
(第1収容部401に収容される貨幣の回収について)
自動釣銭釣札機204は、ニアフル状態になった場合に、第1収容部401に収容されている貨幣の一部を第2収容部402に回収させる回収処理(オーバーフロー処理)を行う。自動釣銭釣札機204は、オーバーフロー処理を自動で行ってもよいし、店員の操作に応じて行ってもよい。
【0069】
ここで店員の操作に応じてオーバーフロー処理を行う場合について説明する。精算装置20Pは、自動釣銭釣札機204がニアフル状態になると、オーバーフロー処理を行わせるか否かの選択画面を表示する。選択画面は、客側表示部201に表示されてもよいし、店員側表示部207に表示されてもよい。当該選択画面において、オーバーフロー処理の開始を受け付けると、精算装置20Pは、自動釣銭釣札機204にオーバーフロー処理を開始させる。
【0070】
また、当該選択画面において、オーバーフロー処理の開始を受け付けない場合、すなわち、例えば、オーバーフロー処理を開始させない選択を受け付けた場合、オーバーフロー処理は開始されない。この場合、店員が手動で、第1収容部401に収容される貨幣を第2収容部402に回収(以下「手動回収」と言う場合がある。)させる。なお、ニアフル状態となったとしても、その後の精算処理において、ニアフル状態となった金種の払い出しが多くなされて、ニアフル状態が解消される場合もある。
【0071】
ここで、自動釣銭釣札機204の構造によっては、オーバーフロー処理に時間を要し、オーバーフロー処理よりも、店員による手動回収の方が早く完了することがある。このため、店員による手動回収の方が、休止状態から通常状態への復帰に要する時間が早いことがある。したがって、混雑状況に応じて(比較的空いているときには)、店員による手動回収が行われることがある。
【0072】
また、このような選択画面は、精算装置20Pに限らず、登録装置20Rや監視装置11でも表示される。具体的には、登録装置20Rや監視装置11は、精算装置20Pからニアフル情報を受信すると、当該精算装置20Pが有する自動釣銭釣札機204にオーバーフロー処理を行わせるか否かの選択画面を表示する。選択画面は、登録装置20Rの場合には店員側表示部207に表示され、監視装置11の場合にはモニタに表示される。
【0073】
当該選択画面において、オーバーフロー処理の開始を受け付けると、登録装置20Rまたは監視装置11は、精算装置20Pに、オーバーフロー処理を開始させるための情報(以下「オーバーフロー開始指示」と称する。)を送信する。精算装置20Pは、登録装置20Rまたは監視装置11からオーバーフロー開始指示を受信すると、自動釣銭釣札機204にオーバーフロー処理を開始させる。
【0074】
また、登録装置20Rまたは監視装置11に表示された選択画面において、オーバーフロー処理の開始を受け付けない場合、すなわち、例えば、オーバーフロー処理の開始を開始させない選択を受け付けた場合、オーバーフロー開始指示は送信されない。この場合、店員が精算装置20Pに赴いて、店員による手動回収が行われる。
【0075】
また、第2収容部402に回収させる貨幣の枚数は、第1収容部401に収容されている貨幣の枚数がニアフル状態の設定枚数を下回るようになる枚数であればよい。なお、詳細については、図11を用いて後述するが、金種ごとに、ニアエンド状態の設定枚数と、余剰金の設定枚数と、ニアエンド状態の設定枚数とが設定されている。各設定枚数の大小官憲は、不等号で表すと、「ニアエンド状態の設定枚数<余剰金の設定枚数<ニアエンド状態の設定枚数」である。例えば、第2収容部402に回収させる貨幣の枚数は、第1収容部401に収容されている貨幣の枚数が余剰金の設定枚数以上であり、ニアフル状態の設定枚数未満となる枚数としてもよい。
【0076】
(ニアフル状態の解除について)
精算装置20Pは、ニアフル状態が解消した場合、休止状態から通常状態に復帰する。ニアフル状態が解消する場合とは、第1収容部401に収容されている貨幣が第2収容部402に収容され、第1収容部401に収容されている貨幣が所定量未満になった場合である。精算装置20Pは、ニアフル状態が解消した場合に、自動で、休止状態から通常状態に復帰してもよいし、確認ボタンを表示して、店員による当該確認ボタンの押下後に、休止状態から通常状態に復帰してもよい。この確認ボタンは、精算装置20P、登録装置20R、または監視装置11のうち、少なくともいずれか一つの装置に表示されればよい。
【0077】
精算装置20Pは、休止状態から通常状態に復帰すると、その旨を示す情報(以下「復帰情報」と称する。)を登録装置20Rに送信する。登録装置20Rは、精算装置20Pから復帰情報を受信すると、当該精算装置20Pへの登録データの送信の禁止を解除する。すなわち、登録装置20Rは、精算装置20Pが通常状態に復帰した場合に、登録データの送信の禁止を解除する。
【0078】
(休止状態における精算について)
精算装置20Pは、現金を用いた精算処理を含む第1精算処理と、現金を用いた精算処理を含まない第2精算処理とを行うことが可能である。第1精算処理では、現金を用いた精算処理と、現金を用いた精算処理を含まない精算処理とが実行可能である。第2精算処理は、例えば、クレジットカードや電子マネーなど、釣銭が生じない支払方法による精算処理である。精算装置20Pは、通常状態において、第1精算処理を実行する。また、精算装置20Pは、休止状態において、第1精算処理を不可能にし、第2精算処理を可能にする。
【0079】
例えば、登録装置20Rは、現金を用いた支払いであるのか、現金以外の支払いであるのかを受け付ける。受け付けた支払い方法が、現金以外の支払い方法である場合、休止状態の精算装置20Pに登録データを送信可能にする。すなわち、送信先の精算装置20Pとして、選択可能に表示する。なお、当該精算装置20Pを示す表示態様は、他の精算装置20Pを示す表示態様とは異なる表示態様としてもよい。例えば、当該精算装置20Pを、他の精算装置20Pよりも優先して選択させるよう、目立つ表示態様としてもよい。
【0080】
(登録装置20Rの店員側表示部207に表示される画面例)
図5および図6は、登録装置20Rの店員側表示部207に表示される画面の一例を示す説明図である。なお、図5および図6に示す画面は、監視装置11のモニタに表示されてもよく、この場合、店員の操作を受け付けるようにしてもよい。図5および図6において、店員側表示部207には、支払い内容領域501と、合計点数領域502と、支払い金額領域503と、精算関連情報領域504とが表示されている。なお、客側表示部201には、精算関連情報領域504を除いて、同様の内容が表示される。
【0081】
支払い内容領域501には、購入した商品(図示では、「○○Tシャツ」と「○○ハブラシ」)の商品名および金額が表示されている。合計点数領域502は、支払い内容の点数を示しており、図示では、2点であることを示している。支払い金額領域503は、支払い金額の合計を示している。精算関連情報領域504は、精算装置20Pに関する情報を示している。
【0082】
図5(A)において、精算関連情報領域504には、精算装置情報510と、確認画面520とが表示されている。精算装置情報510は、3つの精算装置20P1、20P2、P3に対応する選択ボタン511~513を含む。
【0083】
選択ボタン511~513は、対応する精算装置20Pの状態を示す表示と、登録データの送信先の候補の表示(「精算装置P」が表示されている部分)とを含む。例えば、選択ボタン511は、第1の精算装置20P1が待機状態であることを示すとともに、登録データの送信先の候補として表示されている。なお、待機状態は、通常状態のうち、客が精算を行っていない状態である。選択ボタン511が押下されると、登録装置20Rは、登録データを第1の精算装置20P1に送信する。
【0084】
また、選択ボタン512は、第2の精算装置20P2がニアフル状態であることを示すとともに、登録データの送信先の候補が表示されている。選択ボタン512は、操作が有効となっている。このため、選択ボタン512が押下されると、登録装置20Rは、登録データを第2の精算装置20P2に送信する。なお、ニアフル状態は、第1収容部401に収容可能な許容限度の枚数に近い枚数となった状態ではあるものの、使用可能な状態である。
【0085】
また、選択ボタン513は、第3の精算装置20P3がオフライン状態であることを示すとともに、登録データの送信先の候補として選択不可能に表示されている。オフライン状態は、登録装置20Rと第3の精算装置20P3とが通信接続されていない状態である。選択ボタン513は、操作が無効となっている。このため、選択ボタン513が押下されたとしても、登録装置20Rは、登録データを第3の精算装置20P3に送信しない。
【0086】
確認画面520は、第2の精算装置20P2を休止状態とするか否かの選択を受け付ける。具体的には、確認画面520には、第2の精算装置20P2を休止状態とすることを示すボタン(「する」ボタン)と、第2の精算装置20P2を休止状態としないことを示すボタン(「しない」ボタン)とが表示されている。
【0087】
確認画面520において、「する」ボタンが押下されると、登録装置20Rは、第2の精算装置20P2に休止状態とするための指示を送信し、第2の精算装置20P2が休止状態となる。確認画面520において、「しない」ボタンが押下されると、第2の精算装置20P2が休止状態とはならない。確認画面520において、「する」ボタンが押下されると、図5(B)に示す画面に遷移する。
【0088】
なお、第2の精算装置20P2は、第1収容部401に収容可能な許容限度の枚数となると(フル状態となると)、休止状態となり、休止状態となった旨の情報(休止情報)を送信する。登録装置20Rは、休止情報を受信すると、第2の精算装置20P2に対応する選択ボタン512の操作を無効にする。
【0089】
図5(B)では、選択ボタン512は、第2の精算装置20P2が休止状態であることを示す(図示では「休止中」の表示)とともに、登録データの送信先の候補として選択不可能に表示されている。選択ボタン512は、操作が無効である。このため、選択ボタン512が押下されたとしても、登録装置20Rは、登録データを第2の精算装置20P2に送信しない。
【0090】
選択画面530は、第2の精算装置20P2が有する自動釣銭釣札機204にオーバーフロー処理を行わせるか否かの選択を受け付ける。具体的には、選択画面530には、オーバーフロー処理を行わせることを示すボタン(「する」ボタン)と、オーバーフロー処理を行わせないことを示すボタン(「しない」ボタン)とが表示されている。選択画面530において、「しない」ボタンが押下されると、第2の精算装置20P2においてオーバーフロー処理が行われない。この場合、店員による手動回収が行われる。なお、選択画面530は、いずれかの精算装置20Pがニアフル状態になったタイミングで表示されてもよい。
【0091】
また、図5(B)において、オーバーフロー処理が終了するまでの予想時間が表示されてもよい。この予想時間は、オーバーフロー処理を行わせることを示すボタン(「する」ボタン)が押下された場合に表示されてもよいし、「する」ボタンが押下される前から表示されていてもよい。
【0092】
選択画面530において、「する」ボタンが押下されると、登録装置20Rは、第2の精算装置20P2にオーバーフロー開始指示を送信し、第2の精算装置20P2においてオーバーフロー処理が開始される。選択画面530において、「する」ボタンが押下されると、図6(A)に示す画面に遷移する。
【0093】
図6(A)は、登録装置20Rの店員側表示部207に表示されるオーバーフロー処理中の画面を示す。図6(A)において、選択ボタン512は、第2の精算装置20P2が休止状態であることを示す(図示では「オーバーフロー処理中」の表示)とともに、登録データの送信先の候補として選択不可能に表示されている。オーバーフロー処理が完了し、登録装置20R2が休止状態から通常状態に復帰すると、図6(B)に示す画面に遷移する。なお、図6(A)において、「オーバーフロー処理中」の表示を行っているときには、オーバーフロー処理が終了するまでの予想時間をカウントダウンで表示するようにしてもよい。
【0094】
図6(B)は、第2の精算装置20P2が休止状態から通常状態に復帰した場合に、登録装置20Rの店員側表示部207に表示される画面を示す。登録装置20Rは、第2の精算装置20P2から復帰情報を受信することにより、図6に示す画面を表示する。図6において、選択ボタン512は、第1の精算装置20P1が待機状態であることを示すとともに、登録データの送信先の候補として選択可能に表示されている。なお、第3の精算装置20P3に対応する選択ボタン513についても、第3の精算装置20P3がオンライン状態となった場合には、第3の精算装置20P3が待機状態であることを示すとともに、登録データの送信先の候補として選択可能に表示される。
【0095】
なお、図5および図6に示した選択ボタン511~513は、登録データの送信先の候補(精算装置20P)の表示と、精算装置20Pの状態を示す表示とを含むが、これに限らない。例えば、選択ボタン511~513は、登録データの送信先の候補の表示のみを含み、精算装置20Pの状態を示す表示を含まないようにしてもよい。この場合、精算装置20Pの状態を示す表示は、例えば、精算関連情報領域504のスペース部分に、「精算装置P1:待機状態」、「精算装置P2:オーバーフロー処理中」、「精算装置P3:オフライン状態」の各文字の表示とし、すなわち、リスト化した表示としてもよい。
【0096】
(各装置に表示される画面例)
図7は、各装置に表示される画面の一例を示す説明図である。図7(A)は、休止状態において精算装置20Pに表示される画面の一例を示す説明図である。図7(A)において、精算装置20Pの客側表示部201には、休止状態であることが表示さている。なお、図7(A)に示す表示は、客側表示部201および店員側表示部207のうちの少なくともいずれか一方に表示されればよい。また、精算装置20Pの客側表示部201には、選択画面700が表示されている。
【0097】
選択画面700は、精算装置20Pが有する自動釣銭釣札機204にオーバーフロー処理を行わせるか否かの選択を受け付ける。具体的には、選択画面700には、オーバーフロー処理を行わせることを示すボタン(「する」ボタン)と、オーバーフロー処理を行わせないことを示すボタン(「しない」ボタン)とが表示されている。なお、選択画面700は、精算装置20Pがニアフル状態になったタイミングで表示される。
【0098】
選択画面700において、「する」ボタンが押下されると、精算装置20Pは、自動釣銭釣札機204にオーバーフロー処理を行わせる。選択画面700において、「しない」ボタンが押下されると、精算装置20Pにおいてオーバーフロー処理が行われない。この場合、店員による手動回収が行われる。なお、客が選択画面700を操作してしまわないよう、選択画面700は、店員がログインした際に表示されてもよい。
【0099】
図7(B)は、監視装置11のモニタに表示される画面例である。監視装置11のモニタには、各精算装置20Pの状態が表示される。図7(B)では、第1の精算装置20P1が待機状態にあり、第2の精算装置20P2がニアエンド状態にあり、第3の精算装置P3がオフライン状態にあることを示している。第2の精算装置20P2がニアエンド状態となったときには、店員に注意喚起するための警告表示が行われる。なお、第2の精算装置20P2が休止状態となった場合やオーバーフロー処理が行われた場合に、監視装置11のモニタにも、それぞれ、その旨が表示される。
【0100】
(POSシステム1の動作の一例について)
図8は、POSシステム1の動作の一例を示すシーケンス図である。図8において、精算装置20Pは、自動釣銭釣札機204がニアフル状態になると(ステップS801)、ニアフル状態となった旨を報知する(ステップS802)。そして、精算装置20Pは、ニアフル情報(ニアフル状態になったことを示す情報)を登録装置20Rに送信する(ステップS803)。なお、監視装置11は、各POSレジスタ20の釣銭残置情報を管理している。このため、ニアフル情報は、精算装置20Pから登録装置20Rに送信することに限らず、監視装置11から登録装置に送信されてもよい。
【0101】
登録装置20Rは、精算装置20Pからニアフル情報を受信すると、精算装置20Pがニアフル状態になった旨を報知する(ステップS804)。そして、登録装置20Rは、精算装置20Pを休止状態とするための確認画面520(図5(A)参照)を表示する(ステップS805)。当該確認画面520において、休止状態にする旨を受け付けると、登録装置20Rは、休止指示(休止状態にする旨を示す情報)を精算装置20Pに送信する(ステップS806)。
【0102】
精算装置20Pは、登録装置20Rから休止指示を受信すると、休止状態となり(ステップS807)、休止情報(休止状態を示す情報)を登録装置20Rに送信する(ステップS808)。登録装置20Rは、精算装置20Pから休止情報を受信すると、当該精算装置20Pへの登録データの送信を禁止する(ステップS809)。そして、登録装置20Rは、当該精算装置20Pに、オーバーフロー処理を行わせるか否かの選択画面530(図5(B)参照)を表示する(ステップS810)。そして、登録装置20Rは、当該選択画面530において、オーバーフロー処理の開始を受け付けると、精算装置20Pに、オーバーフロー開始指示(オーバーフロー処理を開始させるための情報)を送信する(ステップS811)。
【0103】
また、休止状態になると、精算装置20Pでも、オーバーフロー処理を行わせるか否かの選択画面700(図7(A)参照)を表示する(ステップS812)。当該選択画面700において、オーバーフロー処理の開始を受け付けた場合、または、登録装置20Rからオーバーフロー開始指示を受信した場合、精算装置20Pは、自動釣銭釣札機204にオーバーフロー処理を開始させる(ステップS813)。また、当該選択画面700において、オーバーフロー処理の開始を受け付けない場合や、オーバーフロー開始指示を受信しない場合には、店員による手動回収により、ニアフル状態を解消させる(ステップS813)。なお、手動回収において、精算装置20Pは、店員が指定する金種や枚数を受け付けるようにしてもよい。
【0104】
そして、精算装置20Pは、ニアフル状態が解消すると、休止状態から通常状態に復帰する(ステップS814)。次いで、精算装置20Pは、復帰情報(休止状態から通常状態に復帰した旨を示す情報)を登録装置20Rに送信し(ステップS815)、一連の処理を終了する。登録装置20Rは、精算装置20Pから復帰情報を受信すると、当該精算装置20Pへの登録データの送信禁止を解除し(ステップS816)、一連の処理を終了する。
【0105】
(実施形態1に係る精算装置20Pが行う処理の一例)
次に、図9Aおよび図9Bを用いて、実施形態1に係る精算装置20Pが行う処理の一例について説明する。図9Aおよび図9Bは、実施形態1に係る精算装置20Pが行う処理の一例を示すフローチャートである。なお、図9Aおよび図9Bのフローチャートに示す処理は、精算装置20Pにおいて、常時(非常に短い時間間隔で定期的に)開始される。
【0106】
図9Aにおいて、精算装置20Pは、自動釣銭釣札機204がニアフル状態になったか否かを判断する(ステップS901)。自動釣銭釣札機204がニアフル状態になっていない場合、または、既にニアフル状態になっている場合(ステップS901:NO)、精算装置20Pは、ステップS904に進む。
【0107】
自動釣銭釣札機204がニアフル状態になった場合(ステップS901:YES)、精算装置20Pは、自動釣銭釣札機204がニアフル状態になった旨を報知する(ステップS902)。そして、精算装置20Pは、自動釣銭釣札機204がニアフル情報(ニアフル状態になったことを示す情報)を登録装置20Rに送信する(ステップS903)。
【0108】
そして、精算装置20Pは、登録装置20Rから休止指示を受信したか否かを判断する(ステップS904)。休止指示を受信しない場合(ステップS904:NO)、精算装置20Pは、ステップS908に進む。休止指示を受信した場合(ステップS904:YES)、精算装置20Pは、休止状態となる(ステップS905)。そして、精算装置20Pは、登録装置20Rに休止情報を送信する(ステップS906)。次いで、精算装置20Pは、オーバーフロー処理を行わせるか否かの選択画面を表示する(ステップS907)。
【0109】
そして、精算装置20Pは、登録装置20Rからオーバーフロー開始指示を受信したか否かを判断する(ステップS908)。オーバーフロー開始指示を受信した場合(ステップS908:YES)、精算装置20Pは、ステップS910に進む。オーバーフロー開始指示を受信しない場合(ステップS908:NO)、精算装置20Pは、オーバーフロー処理を行わせるか否かの選択画面において、オーバーフロー処理の開始を受け付けたか否かを判断する(ステップS909)。オーバーフロー処理の開始を受け付けた場合(ステップS909:YES)、精算装置20Pは、オーバーフロー処理を開始させる(ステップS910)。
【0110】
一方、オーバーフロー処理の開始を受け付けず(ステップS909:NO)、且つステップS908におけるオーバーフロー開始指示も受信しない場合、ステップS911に進む。なお、この場合、店員が混雑状況に応じて、店員が休止状態の精算装置20Pに赴き、手動回収する。
【0111】
この後、精算装置20Pは、ニアフル状態が解消したか否かを判断する(ステップS911)。ニアフル状態が解消していない場合(ステップS911:NO)、精算装置20Pは、一連の処理を終了する。一方、ニアフル状態が解消した場合(ステップS911:YES)、精算装置20Pは、現在の状態が休止状態であるか否かを判断する(ステップS912)。精算装置20Pは、現在の状態が休止状態ではない場合(ステップS912:NO)、すなわち、通常状態である場合、一連の処理を終了する。
【0112】
精算装置20Pは、現在の状態が休止状態である場合(ステップS912:YES)、通常状態に復帰する(ステップS913)。そして、精算装置20Pは、登録装置20Rに復帰情報(休止状態から通常状態に復帰した旨を示す情報)を送信する(ステップS914)。
【0113】
そして、精算装置20Pは、登録装置20Rから登録データを受信したか否かを判断する(ステップS915)。精算装置20Pは、登録データを受信しない場合(ステップS915:NO)、一連の処理を終了する。精算装置20Pは、登録データを受信した場合(ステップS915:YES)、休止状態であるか否かを判断する(ステップS916)。精算装置20Pは、休止状態である場合(ステップS916:YES)、現金以外の方法で精算処理(第2精算処理)を行い(ステップS917)、一連の処理を終了する。
【0114】
精算装置20Pは、休止状態ではない場合(ステップS916:NO)、現金を含めた方法で精算処理(第1精算処理)を行い(ステップS918)、一連の処理を終了する。なお、現金を含めた方法とは、現金、クレジットカード、電子マネーなどを含む通常の支払方法である。また、精算装置20Pは、ステップS917またはステップS918における精算処理が完了すると、精算処理が完了したことを示す情報や精算処理の詳細内容(支払方法、預かり金額、お釣りなど)を含む、精算処理に関する情報を登録装置20Rに送信する。
【0115】
(実施形態1に係る登録装置20Rが行う処理の一例)
次に、図10Aおよび図10Bを用いて、実施形態1に係る登録装置20Rが行う処理の一例について説明する。図10Aおよび図10Bは、実施形態1に係る登録装置20Rが行う処理の一例を示すフローチャートである。なお、図10Aおよび図10Bのフローチャートに示す処理は、登録装置20Rにおいて、常時(非常に短い時間間隔で定期的に)開始される。
【0116】
図10において、登録装置20Rは、精算装置20Pからニアフル情報を受信したか否かを判断する(ステップS1001)。精算装置20Pからニアフル情報を受信していない場合(ステップS1001:NO)、登録装置20Rは、ステップS1004に進む。
【0117】
精算装置20Pからニアフル情報を受信した場合(ステップS1001:YES)、登録装置20Rは、精算装置20Pの自動釣銭釣札機204がニアフル状態になった旨を報知する(ステップS1002)。そして、登録装置20Rは、当該精算装置20Pを休止状態にするための確認画面520(図5(A)参照)を表示する(ステップS1003)。
【0118】
そして、登録装置20Rは、当該確認ボタンにおいて、休止状態にする旨を受け付けたか否かを判断する(ステップS1004)。登録装置20Rは、休止状態にする旨を受け付けない場合(ステップS1004:NO)、ステップS1006に進む。登録装置20Rは、休止状態にする旨を受け付けた場合(ステップS1004:YES)、精算装置20Pに休止指示(登録装置20Rを休止状態にする旨を示す情報)を送信する(ステップS1005)。
【0119】
そして、登録装置20Rは、精算装置20Pから休止情報を受信したか否かを判断する(ステップS1006)。登録装置20Rは、休止情報を受信しない場合(ステップS1006:NO)、ステップS1009に進む。登録装置20Rは、休止情報を受信した場合(ステップS1006:YES)、当該精算装置20Pへの登録データの送信を禁止する(ステップS1007)。そして、登録装置20Rは、当該精算装置20Pに、オーバーフロー処理を行わせるか否かの選択画面530(図5(B)参照)を表示する(ステップS1008)。そして、登録装置20Rは、当該選択画面において、オーバーフロー処理の開始を受け付けたか否かを判断する(ステップS1009)。
【0120】
オーバーフロー処理の開始を受け付けない場合(ステップS1009:NO)、登録装置20Rは、ステップS1011に進む。オーバーフロー処理の開始を受け付けた場合(ステップS1009:YES)、登録装置20Rは、精算装置20Pに、オーバーフロー開始指示(オーバーフロー処理を開始させるための情報)を送信する(ステップS1010)。
【0121】
そして、登録装置20Rは、例えば、小計キーが押下されるなど、商品の登録が完了したか否かを判断する(ステップS1011)。商品の登録が完了していない場合(ステップS1011:NO)、登録装置20Rは、そのまま一連の処理を終了する。商品の登録が完了した場合(ステップS1011:YES)、登録装置20Rは、登録データの送信が禁止されている精算装置20Pがあるか否かを判断する(ステップS1012)。登録データの送信が禁止されている精算装置20Pがない場合(ステップS1012:NO)、登録装置20Rは、店員側表示部207に、現在接続されている精算装置20Pへ登録データの送信を可能にして送信先の候補を表示し(ステップS1013)、ステップS1017に進む。
【0122】
一方、登録データの送信が禁止されている精算装置20Pがある場合(ステップS1012:YES)、登録装置20Rは、精算時における客の支払いが現金であるか否かを判断する(ステップS1014)。ステップS1014の判断に際し、登録装置20Rは、客の支払方法を受け付ける画面を表示する。この画面は、現金による支払いか、クレジットカードやICカードによる釣銭の生じない支払いであるかの選択を受け付ける選択画面である。当該選択画面は、客側表示部201に表示され、客からの操作が受付可能な画面であってもよい。登録装置20Rは、選択画面からの操作を受け付けることにより、精算時における客の支払いが現金であるか否かを判断する。
【0123】
支払いが現金である場合(ステップS1014:YES)、登録装置20Rは、休止状態の精算装置20Pへ登録データの送信を不可にして送信先の候補を表示し(ステップS1015)、ステップS1017に進む。支払いが現金ではない場合(ステップS1014:NO)、登録装置20Rは、休止状態の精算装置20Pへの登録データの送信を可能にして送信先の候補を表示する(ステップS1016)。そして、登録装置20Rは、表示した候補の中から送信先が選択されたか否かを判断する(ステップS1017)。表示した候補の中から送信先が選択されない場合(ステップS1017:NO)、登録装置20Rは、ステップS1019に進む。
【0124】
表示した候補の中から送信先が選択された場合(ステップS1017:YES)、登録装置20Rは、選択された精算装置20Pに登録データを送信する(ステップS1018)。そして、登録装置20Rは、精算装置20Pから復帰情報(休止状態から通常状態に復帰した旨を示す情報)を受信したか否かを判断する(ステップS1019)。復帰情報を受信しない場合(ステップS1019:NO)、登録装置20Rは、そのまま一連の処理を終了する。復帰情報を受信した場合(ステップS1019:YES)、当該精算装置20Pへの登録データの送信禁止を解除し(ステップS1020)、一連の処理を終了する。
【0125】
以上説明した、実施形態1では、第1収容部401に収容されている貨幣が所定量以上となった場合に精算装置20Pを休止状態とすることが可能であり、精算装置20Pが休止状態となった場合に登録装置20Rからの商品の登録データの送信を禁止するようにした。これにより、精算装置20Pの自動釣銭釣札機204がニアフル状態となった場合に、精算装置20Pを休止状態にすることができるとともに、休止状態となった精算装置20Pでの精算を行えないようにすることができる。したがって、ニアフル状態となっても意図的に精算装置20Pを一旦放置させておくことが可能になる。これにより、店員の手が空いたときなどに休止状態を解除させるための作業を行うことができるため、店員による商品の登録作業が妨げられることを抑えることができる。したがって、店員の業務効率が低下することを抑えることができる。
【0126】
また、実施形態1において、第1収容部401に収容されている貨幣が第2収容部402に収容されて所定量未満になった場合に、精算装置20Pが休止状態から通常状態に復帰し、登録装置20Rは登録データの送信の禁止を解除するようにした。したがって、にフル状態が解消した場合に、当該精算装置20Pでの精算を行うようにすることができる。
【0127】
また、実施形態1において、自動釣銭釣札機204は、第1収容部401に収容されている貨幣が所定量以上となった場合に、第1収容部401に収容されている貨幣の一部を第2収容部402に回収させる回収処理(オーバーフロー処理)を行うようにした。これにより、店員による手動回収を行われなくても、ニアフル状態を解消することができる。したがって、精算装置20P休止状態から通常状態に復帰させる際の店員の作業負荷を軽減させることができる。
【0128】
また、実施形態1において、精算装置20Pは、自動釣銭釣札機204に回収処理を行わせるか否かの選択を店員から受け付けるようにした。これにより、自動釣銭釣札機204の構造によっては、オーバーフロー処理に比べて店員による手動回収の方が、ニアフル状態の解消に要する時間が早いことがあるが、このような場合に、比較的空いているときには、店員による手動回収を行った方が効率的となる。したがって、ニアフル状態を効率的よく解消させることができる。
【0129】
また、実施形態1において、登録装置20Rが回収処理を行わせる選択を店員から受け付けた場合に、その旨を示す情報を精算装置20Pに送信するようにした。これにより、登録装置20Rからの指示によって精算装置20Pに回収処理を行わせることができる。したがって、店員が精算装置20Pまで赴かなくても、ニアフル状態を解消させることができる。したがって、店員の作業負荷を軽減させることができる。
【0130】
また、実施形態1において、精算装置20Pは、休止状態において、現金を用いた精算処理を含む第1精算処理を不可能にし、現金を用いた精算処理を含まない第2精算処理を可能にするようにした。これにより、休止状態にある精算装置20Pを、キャッシュレス専用の精算装置20Pとして使用することができるため、精算効率を向上させることができる。
【0131】
また、実施形態1において、精算装置20Pは、第1収容部401に収容されている貨幣が所定量以上となった場合に、店員の操作に応じて、通常状態から休止状態となるようにした。これにより、例えば、精算装置20Pの自動釣銭釣札機204がニアフル状態となったとしても、ニアフル状態では使用は可能であるため、店員の判断に応じて、休止状態にすることができる。したがって、精算装置20Pの利便性を向上させることができる。
【0132】
(実施形態1の変形例)
以下に、実施形態1の変形例について説明する。上述した実施形態1では、第1収容部401に収容されている貨幣が所定量以上となった場合に、店員の操作に応じて、通常状態から休止状態となるようにした。実施形態1の変形例では、このような構成に加えて、または、このような構成に代えて、第1収容部401に収容されている貨幣が所定量以上となった場合に、自動で、通常状態から休止状態となるようにしてもよい。ここで、精算装置20Pは、第1収容部401に収容されている貨幣が所定量以上となった場合に、通常状態から休止状態となることが可能である。この所定量を「フル状態の設定枚数」とした場合、精算装置20Pは、自動釣銭釣札機204がフル状態になると、自動で休止状態になってもよい。
【0133】
また、所定量は、第1所定量(例えばニアフル状態の設定枚数)と、第2所定量(例えばフル状態の設定枚数)とが含まれていてもよい。この場合、精算装置20Pは、第1収容部401に収容されている貨幣が第1所定量以上となった場合に、店員の操作に応じて休止状態となってもよい。また、精算装置20Pは、第1収容部401に収容されている貨幣が第2所定量以上となった場合に、自動で通常状態から休止状態となってもよい。
【0134】
このような構成により、精算装置20Pは、第1収容部401に収容されている貨幣が所定量以上となった場合に、自動で休止状態とすることができる。このため、店員に確認させる回数や操作させる回数を減らすことができる。したがって、店員の作業負荷を軽減することができる。
【0135】
(実施形態2)
以下に、実施形態2について説明する。なお、実施形態2では、実施形態1で説明した内容については、同様の符号を付し、適宜説明を省略する。上述した実施形態1では、精算装置20Pが休止状態となった場合に、単に登録装置20Rから登録データの送信を禁止するようにした。実施形態2では、このような構成に加えて、または、このような構成に代えて、ニアフル状態となったPOSレジスタ20の余剰金を、ニアエンド状態となっている他のPOSレジスタ20に入金する構成について説明する。
【0136】
(実施形態2のPOSシステム1の機能的構成について)
まず、実施形態2のPOSシステム1の機能的構成について説明する。実施形態2に係るPOSシステム1は、一または複数の登録装置20Rと、複数の精算装置20Pと、当該複数の精算装置20Pにそれぞれ接続される複数の自動釣銭釣札機204とを備える。複数の自動釣銭釣札機204は、第1の自動釣銭釣札機204と、第2の自動釣銭釣札機204を含む。
【0137】
第1の自動釣銭釣札機204は、貨幣を出金可能な自動釣銭釣札機204であり、例えば、ニアフル状態の自動釣銭釣札機204である。第2の自動釣銭釣札機204は、貨幣を入金可能な自動釣銭釣札機204であり、例えば、ニアエンド状態の自動釣銭釣札機204である。なお、第2の自動釣銭釣札機204は、ニアエンド状態の自動釣銭釣札機204に限らず、入金対象の金種が余剰金の設定枚数に達していない自動釣銭釣札機204であってもよい。
【0138】
ここで、監視装置11は、第1の自動釣銭釣札機204および第2の自動釣銭釣札機204の貨幣に関する情報を取得する。貨幣に関する情報は、具体的には、第1の自動釣銭釣札機204から第2の自動釣銭釣札機204に入金するための情報である。例えば、貨幣に関する情報は、第2の自動釣銭釣札機204におけるニアエンド状態となった金種の情報、当該金種の不足枚数の情報や、第2の自動釣銭釣札機204を特定する情報などを含む。また、貨幣に関する情報は、第1の自動釣銭釣札機204におけるニアフル状態となった金種の情報、当該金種の余剰枚数の情報や、第1の自動釣銭釣札機204を特定する情報などを含む。
【0139】
貨幣に関する情報は、複数の自動釣銭釣札機204の、金種毎の残置枚数、釣銭残置情報、入金履歴情報、出金履歴情報に基づいて生成される。貨幣に関する情報は、例えば、監視装置11によって生成される。なお、貨幣に関する情報は、複数のPOSレジスタ20のうちいずれかのPOSレジスタ20によって生成されてもよい。
【0140】
POSレジスタ20は、貨幣に関する情報に基づいて、第1の自動釣銭釣札機204の第1収容部401の貨幣の一部を、第1の自動釣銭釣札機204の第2収容部402に回収させるための制御(以下「回収制御」と称する。)を行う。回収制御は、第2の自動釣銭釣札機204で不足している金種を、第1の自動釣銭釣札機204の余剰金から補うための制御である。
【0141】
具体的には、回収制御は、以下のような制御を行うことである。例えば、当該金種について、ニアフル状態になったPOSレジスタ20に補充する枚数分のオーバーフロー処理を行わせることや、各種通知(オーバーフロー処理を行わせるか否かの選択を促す通知や、自動でオーバーフロー処理を行う旨の通知や、店員に手動回収を促す通知や、ニアエンド状態のPOSレジスタ20を指定する通知、ニアエンド状態のPOSレジスタ20に補充する枚数の通知など)を行うことなどである。
【0142】
回収制御におけるオーバーフロー処理は、ニアフル状態となったPOSレジスタ20によって自動で行われてもよい。回収制御における各種通知は、POSレジスタ20によって、表示や音声で行う。このような通知を行うことによって、ニアフル状態になったPOSレジスタ20の第2収容部402に回収された貨幣を、ニアエンド状態となったPOSレジスタ20の第1収容部401に移動させることができる。
【0143】
(貨幣の設定枚数について)
次に、図11を用いて、自動釣銭釣札機204が管理する貨幣の設定枚数について説明する。図11は、金種ごとの設定枚数の一例を示す説明図である。図11の設定テーブル1100は、第1収容部401における金種ごとの、ニアエンド状態の設定枚数と、余剰金の設定枚数と、ニアフル状態の設定枚数とを示す。
【0144】
ニアエンド状態の設定枚数は、POSレジスタ20において釣銭がニアエンド状態であると認識される枚数である。余剰金の設定枚数は、他のPOSレジスタ20の自動釣銭釣札機204へ移動可能な枚数である。ニアフル状態の設定枚数は、POSレジスタ20においてニアフル状態であると認識される枚数である。図11に示した情報は、監視装置11が参照可能な場所に記憶されている。なお、監視装置11が自装置内に図11に示した情報を記憶していてもよい。
【0145】
(POSレジスタ20毎の金種ごとの現保持枚数の一例)
図12は、POSレジスタ20毎の金種ごとの現保持枚数の一例を示す説明図である。図12の(A)は、あるPOSレジスタ20(例えば、第1の精算装置20P1)に接続される第1の自動釣銭釣札機204の現保持枚数を示す。図12の(B)は、あるPOSレジスタ20(例えば、第2の精算装置20P2)に接続される第2の自動釣銭釣札機204の現保持枚数を示す。図12の(C)は、あるPOSレジスタ20(他の精算装置20Pn)に接続される自動釣銭釣札機204の現保持枚数を示す。
【0146】
図12(A)に示すように、第1の精算装置20P1の自動釣銭釣札機204は、50円がニアフル状態にある。また、図12(B)に示すように、第2の精算装置20P2の自動釣銭釣札機204は、50円がニアエンド状態にある。また、図12(C)に示すように、第nの精算装置20Pの自動釣銭釣札機204は、いずれの金種も正常な状態(ニアフル状態でもなく、ニアエンド状態でもない状態)である。
【0147】
図12に示す現保持枚数において、第1の精算装置20P1の自動釣銭釣札機204のニアフル状態を解消させるには、第1収容部401に収容されている貨幣を第2収容部402に回収させればよい。また、第2の精算装置20P2の自動釣銭釣札機204のニアエンド状態を解消させるには、第1の精算装置20P1において第2収容部402に回収された貨幣(50円)を、第2の精算装置20P2の第1収容部401に移動させればよい。
【0148】
具体的に説明すると、例えば、第1の精算装置20P1における50円の枚数は、202枚であり、余剰設定枚数(120枚)に対して62枚多い。また、第2の精算装置20P2における50円の枚数は、48枚であり、ニアエンドの設定枚数(50枚)に対して2枚少ない。このため、第1の精算装置20P1から第2の精算装置20P2に、所定枚数(例えば62枚)移動させることにより、第1の精算装置20P1におけるニアフル状態と、第2の精算装置20P2におけるニアエンド状態とを解消させることが可能である。
【0149】
なお、図12(A)~(C)に示す情報は、監視装置11が参照可能な場所に記憶されている。例えば、監視装置11は、自装置内に図12(A)~(C)に示した情報を記憶してもよい。例えば、監視装置11は、LAN上の各POSレジスタ20に要求(釣銭残置情報要求)し、LAN上の各POSレジスタ20ら、金種毎の貨幣の保持枚数に関する情報(釣銭残置情報)を受信し、自装置内に記憶してもよい。また、LAN上の各POSレジスタ20は、金種毎の貨幣の保持枚数が変化したときに、釣銭残置情報を監視装置11に送信してもよい。
【0150】
なお、各POSレジスタ20は、ストアコントローラ10に取引情報を送信する。このため、ストアコントローラ10は、取引情報に基づいて各POSレジスタ20の釣銭残置情報を取得し得る。したがって、監視装置11は、夫々のPOSレジスタ20から個別に釣銭残置情報を受信するのではなく、ストアコントローラ10から各精算機の釣銭残置情報を受信してもよい。
【0151】
監視装置11は、あるPOSレジスタ20(第1の精算装置20P1)がニアフル状態となった場合に、補充先のPOSレジスタ20を選択する。補充先のPOSレジスタ20は、例えば、ニアエンド状態となったPOSレジスタ20(第2の精算装置20P2)である。
【0152】
なお、補充先となるPOSレジスタ20は、店員によって選択されてもよい。この場合、例えば、POSレジスタ20(登録装置20Rまたは精算装置20P)は、監視装置11から、補充金を出金可能な第1の精算装置20P1を示す情報を受信すればよい。そして、POSレジスタ20(登録装置20Rまたは精算装置20P)は、補充金を出金可能な第1の精算装置20P1を、補充金の取得先の候補として店員に表示し、当該候補の中から取得先となる第1の精算装置20P1を店員から受け付けるようにすればよい。
【0153】
なお、監視装置11が各POSレジスタ20(各自動釣銭釣札機204)の貨幣の枚数を管理することに限らない。例えば、いずれかのPOSレジスタ20や、ストアコントローラ10が書くPOSレジスタ20の貨幣の枚数を管理してもよい。
【0154】
(登録装置20Rの店員側表示部207に表示される画面例)
図13は、登録装置20Rの店員側表示部207に表示される画面の一例を示す説明図である。なお、図13に示す画面は、監視装置11のモニタに表示されてもよく、この場合、監視装置11が店員の操作を受け付けるようにしてもよい。図13において、店員側表示部207には、第1の精算装置20P1の現保持枚数と、第2の精算装置20P2の現保持枚数とが表示されている。第1の精算装置20P1の現保持枚数のうち、ニアフル状態にある金種(50円)については、他の金種とは異なる表示態様で表示されている。また、第2の精算装置20P2の現保持枚数のうち、ニアエンド状態にある金種(50円)についても、他の金種とは異なる表示態様で表示されている。
【0155】
選択画面1300は、枚数選択ボタン1301と、決定ボタン1302とを含む。枚数選択ボタン1301は、第1の精算装置20P1から第2の精算装置20P2に移動させる枚数の変更を受け付ける。図示では、50円の金種が62枚移動されることを示している。枚数選択ボタン1301は、枚数の加算を受け付ける「+」ボタンと、枚数の減算を受け付ける「-」とを含む。なお、図13において、ニアエンド状態の設定枚数や、余剰金の設定枚数や、ニアフル状態の設定枚数を表示してもよい。
【0156】
決定ボタン1302は、第1の精算装置20P1が有する自動釣銭釣札機204にオーバーフロー処理を行わせるか否かの選択を受け付ける。具体的には、決定ボタン1302には、オーバーフロー処理を行わせることを示すボタン(「する」ボタン)と、オーバーフロー処理を行わせないことを示すボタン(「しない」ボタン)とが表示されている。決定ボタン1302のうち、「しない」ボタンが押下されると、第1の精算装置20P1においてオーバーフロー処理が行われない。この場合、店員による手動回収が行われる。なお、選択画面1300は、いずれかの精算装置20Pがニアフル状態になったタイミングで表示されてもよい。
【0157】
また、図13において、店員側表示部207には、レジ選択ボタン1310と、補充ボタン1320とが表示されている。レジ選択ボタン1310が押下されると、他のPOSレジスタ20の現保持枚数や、補充金の取得先の他の候補や、補充金の補充先の他の候補などが選択可能に表示される。補充ボタン1320が押下されると、POSレジスタ20間での補充を行われずに、別途補充が行われることが決定される。
【0158】
(第2実施形態に係るPOSシステム1の動作の一例について)
図14は、第2実施形態に係るPOSシステム1の動作の一例を示すシーケンス図である。図14では、第1の精算装置20P1(ニアフル状態)と、登録装置20Rと、監視装置11と、第2の精算装置20P2(ニアエンド状態)とを用いて説明する。
【0159】
図14において、第1の精算装置20P1は、自動釣銭釣札機204がニアフル状態になると(ステップS1401)、ニアフル状態となった旨を報知する(ステップS1402)。そして、第1の精算装置20P1は、ニアフル情報(ニアフル状態になったことを示す情報)を登録装置20Rに送信する(ステップS1403)。
【0160】
なお、監視装置11は、各POSレジスタ20の釣銭残置情報を管理している。このため、ニアフル情報は、精算装置20Pから登録装置20Rに送信することに限らず、監視装置11から登録装置に送信されてもよい。
【0161】
登録装置20Rは、第1の精算装置20P1からニアフル情報を受信すると、第1の精算装置20P1がニアフル状態になった旨を報知する(ステップS1404)。そして、登録装置20Rは、第1の精算装置20P1を休止状態とするための確認画面520(図5(A)参照)を表示する(ステップS1405)。当該確認画面520において、休止状態にする旨を受け付けると、登録装置20Rは、休止指示(休止状態にする旨を示す情報)を第1の精算装置20P1に送信する(ステップS1406)。
【0162】
第1の精算装置20P1は、登録装置20Rから休止指示を受信すると、休止状態となり(ステップS1407)、休止情報(休止状態を示す情報)を登録装置20Rに送信する(ステップS1408)。登録装置20Rは、第1の精算装置20P1から休止情報を受信すると、当該第1の精算装置20P1への登録データの送信を禁止する(ステップS1409)。
【0163】
監視装置11は、ニアフル状態の精算装置20P(第1の精算装置20P1)を検出する。(ステップS1410)。ニアフル状態の精算装置20Pの検出は、釣銭残置情報等に基づいて行われる。ただし、これに限らず、第1の精算装置20P1からニアフル情報を受信することによって、ニアフル状態の精算装置20Pを検出してもよい。
【0164】
そして、監視装置11は、第2の精算装置20P2を含む複数の精算装置20Pに対して、釣銭残置情報の要求を行う(ステップS1411)。なお、監視装置11は、各精算装置20Pの釣銭残置情報を常時管理していることから、最新の釣銭残置情報を取得している場合には、ステップS1411におけるタイミングで、Pを含む複数の精算装置20P(図示では、第2の精算装置20P2)に対して、釣銭残置情報の要求を行わないでもよい。
【0165】
第2の精算装置20P2は、釣銭残置情報の要求を受信すると、自動釣銭釣札機204の釣銭残置情報を取得する(ステップS1413)。そして、第2の精算装置20P2は、取得した釣銭残置情報を監視装置11に送信する(ステップS1414)。そして、監視装置11は、第1の精算装置20P1(第1の自動釣銭釣札機204)および第2の精算装置20P2(第2の自動釣銭釣札機204)の貨幣に関する情報を生成し、登録装置20Rに送信する(ステップS1415)。
【0166】
登録装置20Rは、監視装置11から、貨幣に関する情報を受信すると、回収制御を行う。例えば、登録装置20Rは、店員側表示部207に、第2の精算装置20P2において不足した金種や枚数を表示する(ステップS1416)。これにより、店員は、第2の精算装置20P2がニアエンド状態となっていること把握することができる。なお、ニアエンド状態になっている精算装置20Pが存在しない場合、登録装置20Rは、その旨を報知すればよい。
【0167】
そして、登録装置20Rは、第2の精算装置20P2においてニアエンド状態となった金種と、第1の精算装置20P1においてニアフル状態となった金種とが同じである場合、出金指示を第1の精算装置20P1に送信する(ステップS1417)。
【0168】
第1の精算装置20P1は、出金指示を受信すると、オーバーフロー処理の選択画面や、出金を促す旨(ニアエンドとなった第2の精算装置20P2や、第2の精算装置20P2における不足分)を表示する(ステップS1418)。ステップS1418における画面および表示は、例えば、図13に示した選択画面1300に相当する画面である。
【0169】
なお、ステップS1418における画面および表示は、店員がログインすることによって表示されてもよい。ステップS1418における表示により、第1の精算装置20P1に赴いた店員は、オーバーフロー処理を開始させることができるとともにニアエンドとなった第2の精算装置20P2や、第2の精算装置20P2における不足分を把握することができる。なお、ニアエンド状態になっている精算装置20Pが存在しない場合、第1の精算装置20P1は、オーバーフロー処理の選択画面700を表示しないようにしてもよい。
【0170】
また、登録装置20Rは、当該第1の精算装置20P1に、オーバーフロー処理を行わせるか否かの選択画面1300(図13参照)を表示する(ステップS1419)。そして、登録装置20Rは、当該選択画面1300において、オーバーフロー処理の開始を受け付けると、第1の精算装置20P1に、選択画面1300に設定された内容でオーバーフロー開始指示(オーバーフロー処理を開始させるための情報)を送信する(ステップS1420)。
【0171】
また、第1の精算装置20P1は、オーバーフロー処理を行わせるか否かの選択画面700(図7(A)参照)において、オーバーフロー処理の開始を受け付けた場合、または、登録装置20Rからオーバーフロー開始指示を受信した場合、自動釣銭釣札機204にオーバーフロー処理を開始させる(ステップS1421)。また、当該選択画面において、オーバーフロー処理の開始を受け付けない場合や、オーバーフロー開始指示を受信しない場合には、店員による手動回収により、ニアフル状態を解消させる(ステップS1421)。なお、手動回収において、第1の精算装置20P1は、店員が指定する金種や枚数を受け付けるようにしてもよい。
【0172】
そして、第1の精算装置20P1は、ニアフル状態が解消すると、休止状態から通常状態に復帰する(ステップS1422)。次いで、第1の精算装置20P1は、復帰情報(休止状態から通常状態に復帰した旨を示す情報)を登録装置20Rに送信する(ステップS1423)。登録装置20Rは、第1の精算装置20P1から復帰情報を受信すると、当該第1の精算装置20P1への登録データの送信禁止を解除し(ステップS1424)、一連の処理を終了する。
【0173】
また、第1の精算装置20P1は、オーバーフロー処理または手動回収によって回収された金種および枚数を示す出金情報を記憶する(ステップS1425)。そして、第1の精算装置20P1は、出金情報を監視装置11に送信し(ステップS1426)、一連の処理を終了する。
【0174】
監視装置11は、第1の精算装置20P1から出金情報を受信すると、第2の精算装置20P2に入金受付指示を送信する(ステップS1427)。そして、監視装置11は、第1の精算装置20P1の出金履歴情報を記憶する(ステップS1428)。
【0175】
第2の精算装置20P2は、監視装置11から入金受付指示を受信すると、入金を受け付ける(ステップS1429)。そして、第2の精算装置20P2は、入金された金種および枚数を示す入金情報を監視装置11に送信し(ステップS1430)、一連の処理を終了する。監視装置11は、第1の精算装置20P1から入金情報を受信すると、第2の精算装置20P2の入金履歴情報を記憶し(ステップS1431)、一連の処理を終了する。
【0176】
以上説明した、実施形態2では、あるPOSレジスタ20(第1の自動釣銭釣札機204)と、他のPOSレジスタ20(第2の自動釣銭釣札機204)の貨幣に関する情報に基づいて、第1の自動釣銭釣札機204の第1収容部401の貨幣の一部を、第1の自動釣銭釣札機204の第2収容部402に回収させるための制御を行うようにした。これにより、例えば、ニアフル状態になった第1の自動釣銭釣札機204の貨幣を、ニアエンド状態になった第2の自動釣銭釣札機204へ、効率よく移動させることができる。したがって、POSシステム1における貨幣の入出金に係る店員の負担を軽減することができる。
【0177】
以下に付記を開示する。
(付記1)
店員が操作して、商品の登録処理を行う登録装置と、
客が操作して、前記登録装置で登録された商品の精算処理を行う精算装置と、
を備える商品販売データ処理システムであって、
前記精算装置は、
貨幣を収容する第1収容部と、前記第1収容部に収容されている貨幣を収容可能な第2収容部とを備える釣銭機に接続され、
前記第1収容部に収容されている貨幣が所定量以上となった場合に、前記精算処理が可能な通常状態から、前記精算処理が不可能な休止状態となることが可能であり、
前記登録装置は、前記精算装置が前記休止状態となった場合に、前記登録処理によって登録された商品の登録データを、前記精算装置に送信することを禁止する、
ことを特徴とする商品販売データ処理システム。
(付記2)
前記精算装置は、前記第1収容部に収容されている貨幣が前記第2収容部に収容され、前記第1収容部に収容されている貨幣が前記所定量未満になった場合に、前記休止状態から、前記通常状態に復帰し、
前記登録装置は、前記精算装置が前記通常状態に復帰した場合に、前記禁止を解除する、
ことを特徴とする付記1に記載の商品販売データ処理システム。
(付記3)
前記釣銭機は、前記第1収容部に収容されている貨幣が前記所定量以上となった場合に、前記第1収容部に収容されている貨幣の一部を前記第2収容部に回収させる回収処理を行う、
ことを特徴とする付記1または2に記載の商品販売データ処理システム。
(付記4)
前記精算装置は、
前記釣銭機に前記回収処理を行わせるか否かの選択を店員から受け付ける、
ことを特徴とする付記3に記載の商品販売データ処理システム。
(付記5)
前記登録装置は、
前記釣銭機に前記回収処理を行わせるか否かの選択を店員から受け付け、
前記回収処理を行わせる選択を受け付けた場合に、その旨を示す情報を前記精算装置に送信する、
ことを特徴とする付記3または4に記載の商品販売データ処理システム。
(付記6)
前記精算装置は、
現金を用いた精算処理を含む第1精算処理と、現金を用いた精算処理を含まない第2精算処理とを行うことが可能であり、
前記休止状態において、前記第1精算処理を不可能にし、前記第2精算処理を可能にする、
ことを特徴とする付記1~5のいずれか一項に記載の商品販売データ処理システム。
(付記7)
前記商品販売データ処理システムは、複数の精算装置と、前記複数の精算装置にそれぞれ接続される複数の釣銭機と、を備え、
前記複数の釣銭機は、貨幣を出金可能な第1の釣銭機と、貨幣を入金可能な第2の釣銭機とを含み、
前記登録装置またはいずれかの精算装置は、第1の釣銭機および前記第2の釣銭機の貨幣に関する情報に基づいて、前記第1の釣銭機の前記第1収容部の貨幣の一部を、前記第1の釣銭機の前記第2収容部に回収させるための制御を行う、
ことを特徴とする付記1~5のいずれか一項に記載の商品販売データ処理システム。
(付記8)
前記精算装置は、
前記第1収容部に収容されている貨幣が前記所定量以上となった場合に、店員の操作に応じて、前記通常状態から前記休止状態となる、
ことを特徴とする付記1~7のいずれか一項に記載の商品販売データ処理システム。
(付記9)
前記精算装置は、
前記第1収容部に収容されている貨幣が前記所定量以上となった場合に、自動で、前記通常状態から前記休止状態となる、
ことを特徴とする付記1~8のいずれか一項に記載の商品販売データ処理システム。
(付記10)
店員が操作して、商品の登録処理を行う登録装置と、
客が操作して、前記登録装置で登録された商品の精算処理を行う精算装置と、
を備え、
前記精算装置が、貨幣を収容する第1収容部と、前記第1収容部に収容されている貨幣を収容可能な第2収容部とを備える釣銭機に接続される商品販売データ処理システムの商品販売データ処理方法であって、
前記精算装置が、前記第1収容部に収容されている貨幣が所定量以上となった場合に、前記精算処理が可能な通常状態から、前記精算処理が不可能な休止状態となることが可能なステップを含み、
前記登録装置が、前記精算装置が前記休止状態となった場合に、前記登録処理によって登録された商品の登録データを、前記精算装置に送信することを禁止するステップを含む、
ことを特徴とする商品販売データ処理方法。
(付記11)
店員が操作して、商品の登録処理を行う登録装置と、
客が操作して、前記登録装置で登録された商品の精算処理を行う精算装置と、
を備え、
前記精算装置が、貨幣を収容する第1収容部と、前記第1収容部に収容されている貨幣を収容可能な第2収容部とを備える釣銭機に接続される商品販売データ処理システムにおいて、前記精算装置として第1コンピュータを機能させ、前記登録装置として第2コンピュータを機能させるプログラムであって、
前記第1コンピュータを、
前記第1収容部に収容されている貨幣が所定量以上となった場合に、前記精算処理が可能な通常状態から、前記精算処理が不可能な休止状態となることが可能に機能させ、
前記第2コンピュータを、
前記精算装置が前記休止状態となった場合に、前記登録処理によって登録された商品の登録データを、前記精算装置に送信することを禁止する、
ように機能させることを特徴とするプログラム。
【0178】
なお、以上に説明したPOSシステム1およびPOSレジスタ20を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0179】
1…POSシステム
10…ストアコントローラ
20…POSレジスタ
201…客側表示部
202…客側スキャナ部
203…カード決済部
204…自動釣銭釣札機
205…音声出力部
206…印刷部
207…店員側表示部
208…キー操作部
209…店員側スキャナ部
301…CPU
302…ROM
303…RAM
304…ハードディスク
401…第1収容部
402…第2収容部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14