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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】杭抜装置
(51)【国際特許分類】
   E02D 9/02 20060101AFI20241209BHJP
   E02D 13/08 20060101ALI20241209BHJP
【FI】
E02D9/02
E02D13/08
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2024118325
(22)【出願日】2024-07-24
【審査請求日】2024-07-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】595018916
【氏名又は名称】株式会社シロタ
(74)【代理人】
【識別番号】100170449
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 英彦
(72)【発明者】
【氏名】増山 昌崇
【審査官】五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-267034(JP,A)
【文献】特開2008-303642(JP,A)
【文献】特許第5265642(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 9/02
E02D 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空円筒状のケーシングと、
前記ケーシングの下端側に設けられた一対のバケットと、
前記一対のバケットを回動可能に軸支する一対の軸支部と、
各バケットに対応して設けられた一対の伸縮部と、各伸縮部から延在する第1の棒状部とを有し、前記ケーシングの外側に前記バケットを回動するためのシリンダ機構を備え、
前記一対の軸支部は、前記ケーシングの周方向に間隔を置いて対向する位置に設けられ、一方のバケットと他方のバケットは、同一軸により軸支されていることを特徴とする、杭抜装置。
【請求項2】
前記第1の棒状部とに接続し、前記ケーシングに設けられた挿通孔を介して各バケットに連結する一対の挿通部を備える、請求項1に記載の杭抜装置
【請求項3】
前記バケットは、前記ケーシングの内径に沿うように板材を円弧状に湾曲させて形成されている、請求項1に記載の杭抜装置。
【請求項4】
前記ケーシングの内側であって、開状態の前記バケットの先端爪の下側に設けられた第1の掘削ビットを有する、請求項1に記載の杭抜装置。
【請求項5】
前記ケーシングの外側であって、前記シリンダ機構の下側に設けられた第2の掘削ビットを有する、請求項4に記載の杭抜装置。
【請求項6】
中空円筒状のケーシングと、
前記ケーシングの下端側に設けられた一対のバケットと、
前記一対のバケットを回動可能に軸支する一対の軸支部と、
各バケットに対応して設けられた一対の伸縮部と、各伸縮部から延在する第1の棒状部とを有し、前記ケーシングの外側に前記バケットを回動するためのシリンダ機構とを備え、
前記一対の軸支部は、前記ケーシングの周方向に間隔を置いて対向する位置に設けられ、一方のバケットと他方のバケットは、同一軸により軸支されている杭抜装置を使用し、
前記ケーシングが埋没杭を囲った状態で、一対のバケットが埋没杭を挟持するように開状態から閉状態へ回動し、当該埋没杭を挟持して地上に持ち上げる、杭抜システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤に打設された既設杭(埋没杭)を引き抜くための杭抜装置に関し、特に簡易構造の装置で安全に杭を引き抜くための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ビル、マンション、工場などの大型の建築構造物は、地中の固い地盤にコンクリート製の杭が埋め込まれて建築物の荷重を支持している。この種の建築構造物を建て替える場合は、古い建物を解体撤去した後、地中深くに埋まった古い既設杭を引き抜いて撤去することが必要となる。
【0003】
このような既設杭の引抜において、特許文献1に記載のような杭抜き装置がある。このような杭抜き装置は、パイルドライバーのようなベースマシンに、オーガ装置のような回転駆動装置を介して取り付けられ、地面を掘削しながら既設杭まで進行し、既設杭を挟持して地上に引き上げる。
【0004】
さらに、特許文献1に記載の杭抜き装置は、中空の円筒形状を有する内筒と、内筒の直径方向に互いに対向するように内筒の下端に取り付けられた一対の保持片と、中空の円筒形状を有する外筒と、外筒の下端に設けられた掘削刃とを備え、一対の保持片は、前記内筒の下方に向いた開口を開放するように一対の保持片の下端が互いに離間した開位置と、内筒の下方に向いた開口を塞ぐように前記一対の保持片の下端が互いに接近した閉位置との間で回動可能である。
【0005】
この杭抜き装置では、既設杭を引き上げるために挟持する際に保持片が開位置から閉位置へ変動する途中で既設杭に各保持片の先端が当接し、既設杭が挟持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2018-111984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで特許文献1に記載の杭抜き装置は、一対の保持片のそれぞれが軸支されており、保持片ごとに回転軸が形成されている。しかし、回転軸が多いほど、装置の構造が複雑化し、製造コストが増加するという課題があった。また、回転駆動装置により杭抜装置を回転させて掘削する場合に、回転軸が2つあると、内筒(ケーシング)の内側に軸支部が迫り出すことになり、ケーシング内の土圧を受けて故障しやすくなるという課題があった。
【0008】
本発明は、上記の問題点を解決するために提案されたものであり、単一の回転軸を使用して杭を地盤から効率的かつ安全に引き抜くことができる簡易な構造の杭抜装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明に係る杭抜装置は、中空円筒状のケーシングと、前記ケーシングの下端側に設けられた一対のバケットと、前記一対のバケットを回動可能に軸支する一対の軸支部とを備え、前記一対の軸支部は、前記ケーシングの周方向に間隔を置いて対向する位置に設けられ、一方のバケットと他方のバケットは、同一軸により軸支されていることを特徴とする。
【0010】
この杭抜装置によれば、バケットが同一の軸で軸支されているため、従来の複数の回転軸を用いた装置に比べて構造が簡素化されるため、製造コストが削減され、装置のメンテナンスが容易になる。これにより、杭を地盤から効率的かつ安全に引き抜くことができる簡易な構造の杭抜装置を提供することができる。
【0011】
(2)前記した杭抜装置において、前記バケットは、前記ケーシングの内径に沿うように板材を円弧状に湾曲させて形成されている。
【0012】
(3)前記した杭抜装置において、前記ケーシングは、中空円筒状の周方向に回転し、前記一対の軸支部の下端側の回転軌道上に第1の掘削ビットを有する。
【0013】
(4)前記杭抜装置は、前記ケーシングの外側に前記バケットを回動するためのシリンダ機構を有する。
【0014】
(5)前記杭抜装置は、前記シリンダ機構の下端側の回転軌道上に第2の掘削ビットを有する。
【0015】
(6)本発明に係る杭抜システムは、中空円筒状のケーシングと、前記ケーシングの下端側に設けられた一対のバケットと、前記一対のバケットを回動可能に軸支する一対の軸支部とを備え前記一対の軸支部は、前記ケーシングの周方向に間隔を置いて対向する位置に設けられ、一方のバケットと他方のバケットは、同一軸により軸支されている杭抜装置を使用し、前記ケーシングが埋没杭を囲った状態で、一対のバケットが埋没杭を挟持するように開状態から閉状態へ回動し、当該埋没杭を挟持して地上に持ち上げることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、単一の回転軸を使用して杭を地盤から効率的かつ安全に引き抜く簡易な構造の杭抜装置および杭抜システムを提供することができる。
できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態に係る杭抜システムを示す側面図である。
図2図1に示す杭抜システムの杭抜装置を示す側面図である。
図3図2に示す杭抜装置の第1の円筒部材を示す側面図である。
図4図2に示す杭抜装置の第2の円筒部材を示す側面図である。
図5図2に示す杭抜装置の第3の円筒部材を示す側面図である。
図6図5に示す第3の円筒部材に設けられるバケットチャッキング装置の開状態と閉状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態に係る杭抜システムSについて、図面を参照しつつ説明する。杭抜システムSは、地中に埋設された既設杭を地上に引き上げるために使用される。
【0019】
<杭抜システムの構成>
図1に示すように、杭抜システムSは、パイルドライバーのような大型のベースマシン1と、ベースマシン1のリーダの先端に取り付けられたオーガ装置のような回転駆動装置2と、オーガ装置に取付けられた杭抜装置3とを備える。本実施形態に係る杭抜システムSによれば、杭抜装置3が地下に向けて地盤を掘削し、後述するバケットチャッキング機構6により既設杭を挟持または切断して地上に引き上げる。
【0020】
また、本実施形態に係る杭抜システムSは、回転駆動装置2が図1の上下方向を軸に回転するため、以下の説明では、上下方向を回転軸方向または軸方向ともいい、回転軸方向に対する回転方向を回転周方向、または周方向ともいい、軸方向と周方向に直交する方向を回転径方向ともいう。さらに、回転軸方向の下方向を先端側または先端方向、上方向を基端側または基端方向ともいう。
【0021】
<杭抜装置3の構成>
図2図6に示すように、杭抜装置3は、中空円筒状のケーシング5と、ケーシング5内の先端側に設けられたバケットチャッキング機構6と、バケットチャッキング機構6を回動させるシリンダ機構8と、ケーシング5の先端に設けられた複数の掘削ビット9とを備える。
【0022】
図2に示すように、ケーシング5は、回転駆動装置2に接続する第1の円筒部材51と、第1の円筒部材51の下方に接続される少なくとも1つの第2の円筒部材52と、最下端の第2の円筒部材52に接続される第3の円筒部材53とを備える。ケーシング5は、中空円筒状の第1の円筒部材51、中空円筒状の第2円筒部材および中空円筒状の第3の円筒部材53が連続して接続され、全体として長尺の中空円筒状に形成されている。
【0023】
ケーシング5を構成する各円筒部材は、それぞれ既設杭を内部に囲うことのできる内径を有し、ケーシング5は、既設杭の深度に応じて第2の円筒部材52の数量が調整される。本実施形態において、ケーシング5は、2つの第2の円筒部材52を備える。なお、各円筒部材は、鋼管などを用いて形成される。
【0024】
図3に示すように、第1の円筒部材51は、回転駆動装置2に接続する接続部51aを有し、回転駆動装置2に接続されて回転する。また、第1の円筒部材51の下端は、第2の円筒部材52と連結する第1の連結部51bを備える。さらに、第1の円筒部材51は、概略、中空円筒状に形成されており、その外周に、上側にシリンダ機構8を構成する一対の伸縮部80と、各伸縮部80から延在する第1の棒状部81が設けられている。なお、シリンダ機構8は、油圧により伸縮部80が伸縮する油圧シリンダである。
【0025】
図4に示すように、第2の円筒部材52は、概略、中空円筒状に形成されており、上端には第2の連結部52bを備え、また、下端には第3の連結部52cを備える。さらに、第2の円筒部材52は、その外周にシリンダ機構8を構成する第2の棒状部82が設けられており、伸縮部80が伸縮することで上側に接続された棒状部を介して第2の棒状部82が上下に変位する。
【0026】
本実施形態において、ケーシング5は、上下に連結する2つの第2の円筒部材52を備え、上側の第2の円筒部材52において、第2の連結部52bは、第1の円筒部材51の第1の連結部51bと連結し、第3の連結部52cは、下側の第2の円筒部材52の第2の連結部52bに連結する。また、下側の第2の円筒部材52において、第3の連結部52cは、後述する第3の円筒部材53の第4の連結部53cに連結する。
【0027】
図5に示すように、第3の円筒部材53は、概略、中空円筒状に形成されており、上端には第4の連結部53cを備える。また、第3の円筒部材53は、先端側にバケットチャッキング機構6が設けられ、また、先端に複数の掘削ビット9が設けられている。
【0028】
バケットチャッキング機構6は、第3の円筒部材53の内側に設けられる一対のバケット60と、各バケット60を支持する軸支部63と、各バケット60の先端側に設けられた複数の挟持爪61を備える。
【0029】
各バケット60は、板材を円弧状に湾曲させた形状を有する。バケット60の曲率半径は、第3の円筒部材53の曲率半径と概略同じかこれよりわずかに小さくなるように湾曲されている。複数の挟持爪61は、各バケット60の湾曲された板状部に並ぶように設けられている。
【0030】
各バケット60は、板状の一端と他端をそれぞれ第3の円筒部材53に一対の軸支部63により軸支されている。一方のバケット60の一端と他方のバケット60の一端は一方の軸支部63により回動可能に軸支されている。また、一方のバケット60の他端と他方のバケット60の他端は他方の軸支部63により回動可能に軸支されている。
【0031】
複数の掘削ビット9において、ケーシング5が回転する際の軸支部63の下端側の回転軌道上に第1の掘削ビット9aが設けられる。この第1の掘削ビット9aは、後述するバケットチャッキング機構6が開状態でバケット60の先端に設けられた挟持爪61の回転軌道上に設けられたことに相当する。また、第3の円筒部材53の側周壁のシリンダ機構8の連結棒状部85の下端側の回転軌道上に複数の第2の掘削ビット9bが設けられている。さらに、第3の円筒部材53の側周壁の下端に複数の第3の掘削ビット9cが設けられている。
【0032】
さらに、第3の円筒部材53は、その外周に、シリンダ機構8を構成する第3の棒状部83と、第3の円筒部材53に設けられた挿通孔(図示しない)に通される挿通部84とが設けられており、第1の円筒部材51に設けられた伸縮部80が伸縮することで第3の棒状部83の上側に接続された第2の棒状部82を介して第3の棒状部83が上下に変位するとともに、挿通部84が挿通孔を通して斜め上下に変位する。
【0033】
具体的には、第3の円筒部材53の側周壁とバケット60を貫通するピンにより軸支部63が形成される。各バケット60は、ピンを軸に回動可能である。一方の軸支部63と他方の軸支部63とは、第3の円筒部材53の円筒部に対向するように円筒部の周方向に180°の間隔を置いて設けられている。すなわち、一方のバケット60と他方のバケット60は、同一軸により軸支されている。
【0034】
各挿通部84は、第3の円筒部材53の側周壁53aに設けられた挿通孔を通して第3の円筒部材53の外側から内側に通され、その先端をバケット60に連結する。挿通部84が斜め上下に変位することによりバケット60がピンを軸に回動する。
【0035】
シリンダ機構8は、ケーシング5の外側に概略上端から下端に渡って設けられている。シリンダ機構8は、基端側から先端側に向かって順に、一対の伸縮部80と、一対の第1の棒状部81と、一対の第2の棒状部82と、一対の第3の棒状部83と、一対の挿通部84とを備え、第1の棒状部81、第2の棒状部82、第3の棒状部83および挿通部84が連結し連結棒状部85を形成する(図2を参照)。一対の伸縮部80と一対の連結棒状部85は、円筒状のケーシング5に対向するように周方向に180°の間隔を置いて設けられている。
【0036】
図6(A)に示すように、シリンダ機構8は、伸縮部80が縮小した状態で、連結棒状部85を介してバケット60を持ち上げる。また、シリンダ機構8は、図6(B)に示すように、伸縮部80が伸長した状態で、連結棒状部85を介してバケット60を押し下げる。すなわち、伸縮部80が縮小した状態で各バケット60が持ち上げられ、一対のバケット60が開状態となる(図6(A)を参照)。また、伸縮部80が伸長した状態で各バケット60が押し下げられ、一対のバケット60が閉状態となる(図6(B)を参照)。
【0037】
<杭抜装置の動作>
杭抜装置3は、回転駆動装置2の回転によりケーシング5を回動させながら下方にケーシング5を移動する。これにより、ケーシング5を地中へ掘削していく。このとき、ケーシング5の下端に設けられた複数の掘削ビット9が土壌を削るように掘削する。既設杭を囲う深さに到達するまでケーシング5は進行する。このとき、一対のバケット60は、開状態である。
【0038】
既設杭を囲う深さに到達するまで到達したケーシング5が既設杭を囲った状態となると、一対のバケット60が既設杭を挟持するように閉じた状態へ回動する。具体的には、シリンダ装置の伸縮部80が縮小状態から伸長状態に変位し、連結棒状部85が下方に移動する。連結棒状部85の先端すなわち、挿通部84が第3の円筒部の挿通孔を通ってバケット60を押し下げるように変位する。これにより、一対のバケット60が開状態から閉状態へ移行する。
【0039】
閉状態に移行する途中にバケット60は既設杭を挟持する。既設杭を挟持した状態でケーシング5を引き上げることで杭を地上まで持ち上げる。
【0040】
本実施形態において、杭抜装置3は、バケット60がシリンダ機構8の伸縮による回動する形態について説明した。しかし、杭抜装置3は、特開2018-111984のようにバケット60がカム機構により回動するようにしてもよく、他の機構による回動するようにしてもよい。
【0041】
本実施形態において、シリンダ機構8は油圧シリンダである形態について説明した。しかし、シリンダ機構8は、電動シリンダ、エアシリンダ等の他のシリンダであってもよい。
【0042】
本実施形態において、既設杭はバケット60に挟持されて一度で地上に持ち上げられる形態について説明した。しかし、既設杭は複数回に分けて地上に持ち上げられてもよい。例えば、既設杭を挟持した状態からさらにバケット60を閉状態に移行することで杭を切断するようにしてもよい。
【0043】
この場合、閉じたバケット60より上側の切断された既設杭をいったん地上に持ち上げ、再度、ケーシング5を下側の地中に残された既設杭まで進行させ、当該既設杭をバケット60で挟持して、地上に持ち上げてもよい。すなわち、複数回に分けて既設杭を引き上げることができる。
【0044】
なお、ケーシング5を引き上げる際、回転駆動装置2を回転させ、バケット60を回転させながらケーシング5を引き上げてもよい。または、既設杭を切断する際に、回転駆動装置2を回転させ、バケット60を回転させながら既設杭を切断することができる。
【0045】
以上、本発明の実施形態に係るに杭抜装置3および杭抜方法について説明した。ただし、杭抜装置3および杭抜方法は、上記の実施形態に限定されず、発明の目的を達成する範囲で他の構成とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、既設杭を地上に引き上げる杭抜装置および杭抜システムに利用できる。
【符号の説明】
【0047】
S :杭抜システム
1 :ベースマシン
2 :回転駆動装置
3 :杭抜装置
5 :ケーシング
6 :バケットチャッキング機構
8 :シリンダ機構
9 :掘削ビット
9a :第1の掘削ビット
9b :第2の掘削ビット
9c :第3の掘削ビット
51 :第1の円筒部材
51a :接続部
51b :第1の連結部
52 :第2の円筒部材
52b :第2の連結部
52c :第3の連結部
53 :第3の円筒部材
53a :側周壁
53c :第4の連結部
60 :バケット
61 :挟持爪
63 :軸支部
80 :伸縮部
81 :第1の棒状部
82 :第2の棒状部
83 :第3の棒状部
84 :挿通部
85 :連結棒状部

【要約】      (修正有)
【課題】単一の回転軸を使用して杭を地盤から効率的かつ安全に引き抜く簡易な構造の杭抜装置および杭抜システムを提供する。
【解決手段】杭抜装置は、中空円筒状のケーシングと、前記ケーシングの下端側に設けられた一対のバケットと、前記一対のバケットを回動可能に軸支する一対の軸支部とを備え、前記一対の軸支部は、前記ケーシングの周方向に間隔を置いて対向する位置に設けられ、一方のバケットと他方のバケットは、同一軸により軸支されていることを特徴とする。前記バケットは、前記ケーシングの内径に沿うように板材を円弧状に湾曲させて形成されており、前記ケーシングは、中空円筒状の周方向に回転し、前記一対の軸支部の下端側の回転軌道上に第1の掘削ビットを有していてもよい。
【選択図】図6
図1
図2
図3
図4
図5
図6