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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】計量キャップ
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/20 20060101AFI20241209BHJP
   B65D 47/08 20060101ALI20241209BHJP
【FI】
B65D47/20 210
B65D47/08 100
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021126133
(22)【出願日】2021-07-30
(65)【公開番号】P2023020650
(43)【公開日】2023-02-09
【審査請求日】2024-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】早川 茂
【審査官】杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】実開昭51-138462(JP,U)
【文献】実開平04-038987(JP,U)
【文献】実開昭58-047720(JP,U)
【文献】特開2020-055556(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0058785(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0163132(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 47/20
B65D 47/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体の口部に取り付けられることで計量吐出容器を形成する計量キャップであって、
入口開閉部、計量室、貯留室、吐出口及び吐出口開閉部を有し、
前記入口開閉部と前記吐出口が、前記貯留室に対して相対的に開位置と閉位置との間で移動可能な可動部に設けられ、
前記可動部が前記開位置にある開状態では前記入口開閉部が前記計量室の入口を開くとともに前記吐出口開閉部が前記吐出口を開き、前記可動部が前記閉位置にある閉状態では前記入口開閉部が前記計量室の前記入口を閉じるとともに前記吐出口開閉部が前記吐出口を閉じ、
前記開状態で前記計量吐出容器を正立姿勢から倒立姿勢にすることで、内容物の一部が前記容器本体内から前記計量室内に移動した第1状態にすることができ、
前記計量吐出容器を前記第1状態から前記正立姿勢にすることで、前記計量室の容積に応じた量の前記内容物が前記計量室内から前記貯留室内に移動した第2状態にすることができ、
前記計量吐出容器を前記第2状態から前記倒立姿勢にすることで、前記貯留室内の前記内容物を前記吐出口から吐出させることができ
前記計量キャップの天壁が環状の天壁外周部と前記可動部を有し、
前記可動部が、可動部本体と、前記天壁外周部の内周縁部を前記可動部本体に連ねる弾性膜部と、を有し、
前記可動部本体が前記吐出口を有し、前記弾性膜部が前記吐出口開閉部を有する、計量キャップ。
【請求項2】
前記可動部本体が前記天壁外周部の内周縁部の一部にヒンジ部を介して前記口部の軸方向に回動可能に連なり、前記弾性膜部が前記天壁外周部の前記内周縁部の残りの一部を前記可動部本体に連ねる、請求項に記載の計量キャップ。
【請求項3】
前記可動部本体が有頂筒状をなし、前記吐出口が前記可動部本体の筒壁に設けられる、請求項2又は3に記載の計量キャップ。
【請求項4】
前記容器本体内から前記計量室内までの第1流路を前記貯留室から仕切る第1仕切り壁と、前記計量室を前記貯留室内から前記吐出口までの第2流路から仕切る第2仕切り壁と、を有する、請求項1~の何れか1項に記載の計量キャップ。
【請求項5】
前記入口開閉部が前記閉状態では前記第1仕切り壁に当接し、前記開状態では前記第1仕切り壁に当接しない、請求項に記載の計量キャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は計量キャップに関する。
【背景技術】
【0002】
容器本体の口部に取り付けられることで計量吐出容器を形成する計量キャップであって、計量室、貯留室、吐出口及び吐出口開閉部を有し、計量吐出容器を正立姿勢から倒立姿勢にすることで、内容物の一部が容器本体内から計量室内に移動した第1状態にすることができ、計量吐出容器を第1状態から正立姿勢にすることで、計量室の容積に応じた量の内容物が計量室内から貯留室内に移動した第2状態にすることができ、計量吐出容器を第2状態から倒立姿勢にすることで、貯留室内の内容物を吐出口から吐出させることができる計量キャップが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-10556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような計量キャップでは、吐出口を開いて最初に計量吐出容器を正立姿勢から倒立姿勢にした時に、前回の吐出後に貯留室内に貯留された内容物が吐出口から吐出される。しかし、吐出口を閉じて計量吐出容器を持ち運んだ時などにおいては、その際の計量吐出容器の傾倒などの動きによって貯留室内の内容物の量が増減し、その結果、吐出口を開いて最初に吐出する時の内容物の吐出量がばらつく場合があった。
【0005】
そこで本発明の目的は、吐出口を開いて最初に吐出する時の内容物の吐出量のばらつきを抑制することができる計量キャップを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の計量キャップは、容器本体の口部に取り付けられることで計量吐出容器を形成する計量キャップであって、入口開閉部、計量室、貯留室、吐出口及び吐出口開閉部を有し、前記入口開閉部と前記吐出口が、前記貯留室に対して相対的に開位置と閉位置との間で移動可能な可動部に設けられ、前記可動部が前記開位置にある開状態では前記入口開閉部が前記計量室の入口を開くとともに前記吐出口開閉部が前記吐出口を開き、前記可動部が前記閉位置にある閉状態では前記入口開閉部が前記計量室の前記入口を閉じるとともに前記吐出口開閉部が前記吐出口を閉じ、前記開状態で前記計量吐出容器を正立姿勢から倒立姿勢にすることで、内容物の一部が前記容器本体内から前記計量室内に移動した第1状態にすることができ、前記計量吐出容器を前記第1状態から前記正立姿勢にすることで、前記計量室の容積に応じた量の前記内容物が前記計量室内から前記貯留室内に移動した第2状態にすることができ、前記計量吐出容器を前記第2状態から前記倒立姿勢にすることで、前記貯留室内の前記内容物を前記吐出口から吐出させることができ、前記計量キャップの天壁が環状の天壁外周部と前記可動部を有し、前記可動部が、可動部本体と、前記天壁外周部の内周縁部を前記可動部本体に連ねる弾性膜部と、を有し、前記可動部本体が前記吐出口を有し、前記弾性膜部が前記吐出口開閉部を有する、計量キャップである。
【0008】
また、本発明の計量キャップは、上記構成において、前記可動部本体が前記天壁外周部の内周縁部の一部にヒンジ部を介して前記口部の軸方向に回動可能に連なり、前記弾性膜部が前記天壁外周部の前記内周縁部の残りの一部を前記可動部本体に連ねる計量キャップであるのが好ましい。
【0009】
また、本発明の計量キャップは、上記構成において、前記可動部本体が有頂筒状をなし、前記吐出口が前記可動部本体の筒壁に設けられる計量キャップであるのが好ましい。
【0010】
また、本発明の計量キャップは、上記構成において、前記容器本体内から前記計量室内までの第1流路を前記貯留室から仕切る第1仕切り壁と、前記計量室を前記貯留室内から前記吐出口までの第2流路から仕切る第2仕切り壁と、を有する計量キャップであるのが好ましい。
【0011】
また、本発明の計量キャップは、上記構成において、前記入口開閉部が前記閉状態では前記第1仕切り壁に当接し、前記開状態では前記第1仕切り壁に当接しない計量キャップであるのが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、吐出口を開いて最初に吐出する時の内容物の吐出量のばらつきを抑制することができる計量キャップを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態の計量吐出容器を開状態で示す縦断面図である。
図2図1とは90°異なる角度から示す計量吐出容器の側面図である。
図3図1に示す計量キャップの上面図である。
図4図1に示す計量吐出容器を閉状態で示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を例示説明する。
【0015】
図1図3に示すように、本発明の一実施形態の計量キャップ1は、容器本体2の口部2aに取り付けられることで計量吐出容器3を形成する。
【0016】
容器本体2は、中心軸線Oを中心とする円筒状の口部2aと、口部2aの下端に連なる胴部2bと、胴部2bの下端に連なる底部(不図示)と、を有するボトル状をなす。なお、口部2aは角筒状など、円筒状以外の筒状であってもよい。
【0017】
なお、本実施形態において、口部2aの中心軸線Oに沿う方向を軸方向又は上下方向ともいい、上下方向に沿って底部から口部2aに向かう方向を上方ともいい、その反対方向を下方ともいい、中心軸線Oに直交する直線に沿う方向を径方向ともいい、中心軸線Oを周回する方向を周方向ともいい、中心軸線Oを含む断面を縦断面ともいう。
【0018】
容器本体2内(内容物収容空間)には図示しない内容物が収容される。内容物は特に限定されないが、本実施形態では粉状である。なお、内容物は粉状以外の例えば液状であってもよい。内容物の一例としては、洗剤、食品などが挙げられる。
【0019】
計量キャップ1は、外周壁4、内周壁5、底壁6、第1仕切り壁7、天壁8、入口開閉部9、第2仕切り壁10及び操作部11を有する。また計量キャップ1は天壁外周部8aに連なる可動部12を有する。可動部12は可動部本体13、弾性膜部14、入口開閉部9、第2仕切り壁10及び操作部11を有する。可動部本体13は筒壁13aと頂壁13bを有する。筒壁13aは吐出口15を有し、弾性膜部14は吐出口開閉部16を有する。天壁8は天壁外周部8a、弾性膜部14及び可動部本体13を有する。
【0020】
計量キャップ1は内キャップ1aと外キャップ1bの2部品からなり、各部品は例えば合成樹脂製で、例えば射出成形によって形成される。内キャップ1aは天壁外周部8aの下部、内周壁5、底壁6及び第1仕切り壁7を有し、外キャップ1bは外周壁4、天壁外周部8aの上部と可動部12を有する。なお計量キャップ1は、本実施形態と異なる部分で2部品に分割された構成としてもよい。また計量キャップ1を形成するための部品数は2つに限らない。
【0021】
外周壁4は中心軸線Oを中心とする筒状をなし、外周壁4の内周面は口部2aに凹凸形状同士の係合、より具体的には外周壁4に設けられた雌ねじ部と口部2aに設けられた雄ねじ部との係合によって口部2aの外周面に取り付けられる。なお、凹凸形状同士の係合はねじ係合に限らない。天壁外周部8aは上面視で中心軸線Oを中心とする環状をなし、天壁外周部8aの下面は外周壁4が口部2aに取り付けられると口部2aの上端面に当接する。
【0022】
内周壁5は中心軸線Oを中心とする筒状をなし、口部2aの径方向内側に配置される。より具体的には、内周壁5の外周面は口部2aの内周面に当接する。なお内周壁5の外周面と口部2aの内周面とを当接させない構成としてもよい。内周壁5の下端部には底壁6が連なる。
【0023】
可動部12は図1に示す開位置と図4に示す閉位置との間で移動可能である。可動部12と底壁6との間には、可動部12が開位置にある開状態において、容器本体2内から計量室19内までの第1流路17、計量室19の入口18、計量室19、貯留室20、貯留室20内から吐出口15までの第2流路21、及び吐出口15がこの順に内容物の流路を形成するように設けられる。
【0024】
図1に示すように、開状態では入口開閉部9が計量室19の入口18を開くとともに吐出口開閉部16が吐出口15を開く。図4に示すように、可動部12が閉位置にある閉状態では入口開閉部9が計量室19の入口18を閉じるとともに吐出口開閉部16が吐出口15を閉じる。入口開閉部9は閉状態では第1仕切り壁7に当接し、開状態では第1仕切り壁7に当接しない。吐出口開閉部16は閉状態では吐出口15に重なり合い、開状態では吐出口15に重なり合わない。
【0025】
図1図3に示すように、可動部本体13は天壁外周部8aの内周縁部に弾性膜部14によって連ねられる。より具体的には、可動部本体13は、天壁外周部8aの内周縁部の一部(第1部分)にヒンジ部22を介して口部2aの軸方向(上下方向)に回動可能に連なり、弾性膜部14が天壁外周部8aの内周縁部の残りの一部(第2部分)を可動部本体13に連ねる。可動部本体13は、頂壁13bと筒壁13aを有する有頂筒状をなし、筒壁13aの下端にヒンジ部22が連なる。筒壁13aにおける上面視でヒンジ部22の反対側となる位置には吐出口15が設けられる。
【0026】
ヒンジ部22の回動軸線Pは上下方向に垂直な水平方向に延びる。以下、回動軸線Pに沿う方向を左右方向ともいい、上下方向と左右方向の両方に垂直な方向を前後方向ともいい、前後方向に沿ってヒンジ部22から吐出口15に向かう方向を前方ともいい、その反対方向を後方ともいう。
【0027】
開状態において、筒壁13aは、中心軸線Oの後方に平行に並ぶ軸線を中心とし、天壁外周部8aの内周縁部よりも径が小さく、前端部と後端部が平板状をなす筒状をなす。筒壁13aの下端縁部は開状態において前方に向けて上方に傾斜する。頂壁13bは開状態において筒壁13aの下端縁部よりも急な角度で前方に向けて上方に傾斜する平板状をなす。筒壁13aの下端部における平板状の後端部の下端部に位置する部分(第1部分)は、ヒンジ部22に連なる。筒壁13aの下端部におけるヒンジ部22が設けられない部分(第2部分)は、弾性膜部14の上端部に連なる。弾性膜部14は、開状態において天壁外周部8aの内周縁部の第2部分から上方に筒壁13aの下端部の第2部分に向けて延びる。弾性膜部14における吐出口15の前方に位置する部分は吐出口開閉部16を構成する。
【0028】
筒壁13aの平板状の前端部は吐出口15を構成する複数の貫通孔15aを有する。なお貫通孔15aの数は適宜設定できる。操作部11は、開状態において頂壁13bの前端部から上方に突出する板状をなし、より具体的には、開状態において上方に向けて前方に屈曲する屈曲板状をなす。
【0029】
第2仕切り壁10は、開状態において前後方向に垂直な平板状をなし、頂壁13bから下方に筒壁13aの下端部と弾性膜部14の下端部を越えて延びる。第2仕切り壁10の左右方向両端部は、筒壁13aの下端部よりも上方の部分において筒壁13aに連なる。第2仕切り壁10の左右方向両端部における筒壁13aの下端部と弾性膜部14の下端部との間の部分は、開状態では弾性膜部14の内周面に近接する。第2仕切り壁10の左右方向両端部における弾性膜部14の下端部よりも下方の部分は、開状態では天壁外周部8aの内周面に近接する。
【0030】
入口開閉部9は、開状態において前後方向に垂直な平板状をなし、頂壁13bから下方に筒壁13aの下端部付近まで延びる。入口開閉部9の左右方向両端部は、筒壁13aの下端部よりも上方の部分において筒壁13aに連なる。
【0031】
底壁6は、上面視で後端部が欠けた略D字形状をなす。第1仕切り壁7は、開状態において前後方向に垂直な平板状をなし、底壁6の後端部から上方に天壁外周部8aの内周縁部の高さまで延びる。第1仕切り壁7の左右方向両端部は、内周壁5と天壁外周部8aの内周縁部に連なる。第1仕切り壁7の上端は、第2仕切り壁10の下端よりも上方に位置する。
【0032】
第1仕切り壁7は第1流路17を貯留室20から仕切る。計量室19の入口18は、開状態で第1仕切り壁7の上端と入口開閉部9の下端との間に形成される。計量室19は、開状態で、前後方向において入口開閉部9と第2仕切り壁10の間に形成され、上下方向において第1仕切り壁7の上端と頂壁13bとの間に形成される。貯留室20は、開状態で、内周壁5における底壁6に隣接する部分、底壁6及び第1仕切り壁7に囲まれる部分に形成される。第2仕切り壁10は、開状態で、計量室19を第2流路21から仕切る。
【0033】
図4に示すように、閉状態では、弾性膜部14は天壁外周部8aの内周縁部の第2部分から下方に筒壁13aの下端部の第2部分に向けて延びる。また閉状態では頂壁13bが水平に配置され、操作部11は外周壁4よりも径方向外側(前方)に突出する。
【0034】
使用者は、操作部11を操作して可動部12を弾性膜部14の弾性変形により貯留室20に対して相対的に下方に移動させることで計量吐出容器3を閉状態から開状態にし、正立姿勢から倒立姿勢にすることで、内容物の一部が容器本体2内から計量室19の入口18を通って計量室19内に移動した第1状態にすることができる。この時、内容物は計量室19内の内容物の鉛直方向上面が第1仕切り壁7の上端に達するまで計量室19内に導入される。計量室19内の内容物の鉛直方向上面が第1仕切り壁7の上端に達すると、容器本体2内に内容物に置換される空気が流入しにくくなるため、計量室19内への内容物の流入が停止する。
【0035】
そして、使用者は、計量吐出容器3を第1状態から正立姿勢にすることで、計量室19の容積に応じた量の内容物が計量室19内から貯留室20内に移動した第2状態にし、計量吐出容器3を第2状態から倒立姿勢にすることで、貯留室20内の内容物を吐出口15から吐出させることができる。
【0036】
また、使用者は、上記のように計量吐出容器3を第2状態から倒立姿勢にすることで、貯留室20内の内容物を吐出させるのと並行して、計量吐出容器3を第1状態にすることができる。したがって、使用者は、例えば第2状態で操作部11を操作して計量吐出容器3を閉状態とし、次の使用まで計量吐出容器3を保管することができる。
【0037】
そしてこの時、計量室19の入口18は入口開閉部9によって閉じられる。したがって、計量吐出容器3を持ち運んだ時などに計量吐出容器3の傾倒などの動きがあったとしても、計量室19を介した容器本体2内と貯留室20内との間の内容物の出入りを抑制することができる。その結果、再び開状態にして最初に計量吐出容器3を第1状態にした時の内容物の吐出量のばらつきを抑制することができる。このように、本実施形態によれば、吐出口15を開いて最初に吐出する時の内容物の吐出量のばらつきを抑制することができる。
【0038】
本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0039】
したがって、前述した実施形態の計量キャップ1は、例えば以下に述べるような種々の変更が可能である。
【0040】
前述した実施形態の計量キャップ1は、容器本体2の口部2aに取り付けられることで計量吐出容器3を形成する計量キャップ1であって、入口開閉部9、計量室19、貯留室20、吐出口15及び吐出口開閉部16を有し、入口開閉部9と吐出口15が、貯留室20に対して相対的に開位置と閉位置との間で移動可能な可動部12に設けられ、可動部12が開位置にある開状態では入口開閉部9が計量室19の入口18を開くとともに吐出口開閉部16が吐出口15を開き、可動部12が閉位置にある閉状態では入口開閉部9が計量室19の入口18を閉じるとともに吐出口開閉部16が吐出口15を閉じ、開状態で計量吐出容器3を正立姿勢から倒立姿勢にすることで、内容物の一部が容器本体2内から計量室19内に移動した第1状態にすることができ、計量吐出容器3を第1状態から正立姿勢にすることで、計量室19の容積に応じた量の内容物が計量室19内から貯留室20内に移動した第2状態にすることができ、計量吐出容器3を第2状態から倒立姿勢にすることで、貯留室20内の内容物を吐出口15から吐出させることができる計量キャップ1である限り、種々変更可能である。
【0041】
例えば、入口開閉部9は板状をなす構成に限らない。また入口開閉部9は閉状態で第1仕切り壁7に当接する構成に限らず、閉状態で第1仕切り壁7に近接する構成としてもよい。可動部本体13は有頂筒状をなす構成に限らない。可動部本体13はヒンジ部22を介して天壁外周部8aの内周縁部に連なる構成に限らず、例えば、可動部本体13が全周に亘って弾性膜部14を介して天壁外周部8aの内周縁部に連なる構成としてもよい。可動部12は弾性膜部14を有する構成に限らず、例えば、可動部12を天壁外周部8aの内周縁部に上下方向に摺動可能に連結する構成としてもよい。
【0042】
なお、前述した実施形態の計量キャップ1は、上記構成において、計量キャップ1の天壁8が環状の天壁外周部8aと可動部12を有し、可動部12が、可動部本体13と、天壁外周部8aの内周縁部を可動部本体13に連ねる弾性膜部14と、を有し、可動部本体13が吐出口15を有し、弾性膜部14が吐出口開閉部16を有する計量キャップ1であるのが好ましい。
【0043】
また、前述した実施形態の計量キャップ1は、上記構成において、可動部本体13が天壁外周部8aの内周縁部の一部にヒンジ部22を介して口部2aの軸方向に回動可能に連なり、弾性膜部14が天壁外周部8aの内周縁部の残りの一部を可動部本体13に連ねる計量キャップ1であるのが好ましい。
【0044】
また、前述した実施形態の計量キャップ1は、上記構成において、可動部本体13が有頂筒状をなし、吐出口15が可動部本体13の筒壁13aに設けられる計量キャップ1であるのが好ましい。
【0045】
また、前述した実施形態の計量キャップ1は、上記構成において、容器本体2内から計量室19内までの第1流路17を貯留室20から仕切る第1仕切り壁7と、計量室19を貯留室20内から吐出口15までの第2流路21から仕切る第2仕切り壁10と、を有する計量キャップ1であるのが好ましい。
【0046】
また、前述した実施形態の計量キャップ1は、上記構成において、入口開閉部9が閉状態では第1仕切り壁7に当接し、開状態では第1仕切り壁7に当接しない計量キャップ1であるのが好ましい。
【符号の説明】
【0047】
1 計量キャップ
1a 内キャップ
1b 外キャップ
2 容器本体
2a 口部
2b 胴部
3 計量吐出容器
4 外周壁
5 内周壁
6 底壁
7 第1仕切り壁
8 天壁
8a 天壁外周部
9 入口開閉部
10 第2仕切り壁
11 操作部
12 可動部
13 可動部本体
13a 筒壁
13b 頂壁
14 弾性膜部
15 吐出口
15a 貫通孔
16 吐出口開閉部
17 第1流路
18 入口
19 計量室
20 貯留室
21 第2流路
22 ヒンジ部
O 中心軸線
P 回動軸線
図1
図2
図3
図4