(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】自己潤滑性ブッシュアセンブリ
(51)【国際特許分類】
F16C 17/02 20060101AFI20241209BHJP
F16C 33/20 20060101ALI20241209BHJP
F16C 33/06 20060101ALI20241209BHJP
B64C 1/00 20060101ALI20241209BHJP
B64C 25/02 20060101ALI20241209BHJP
【FI】
F16C17/02 Z
F16C33/20 Z
F16C33/06
B64C1/00 A
B64C25/02
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020102281
(22)【出願日】2020-06-12
【審査請求日】2022-12-20
(32)【優先日】2019-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】520211513
【氏名又は名称】サフラン ランディング システムズ ユーケー リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ハイクニー
(72)【発明者】
【氏名】ニール プライス
【審査官】松江川 宗
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-164007(JP,A)
【文献】特表2002-537172(JP,A)
【文献】特開平09-060397(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 17/00-17/26,33/00-33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部品と、前記第1部品に移動可能に連結された第2部品との間に配置されるように構成されたブッシュアセンブリにおいて、
前記ブッシュアセンブリは、
前記第1部品及び前記第2部品の両方と接触するように構成された、自己潤滑材料を備える第1ブッシュ部分と、
前記第1部品及び前記第2部品の両方と接触するように構成された、前記第1ブッシュ部分よりも大きな導電性を有する第2ブッシュ部分とを備え、前記第2ブッシュ部分は
、前記第1部品と第2部品との間に導電性経路を提供し、
前記第2ブッシュ部分の断面形状によって前記第2ブッシュ部分の弾性変形が可能となり、前記第2ブッシュ部分が、前記第1部品及び前記第2部品の内の少なくとも一方に力を加えるように構成されている、ブッシュアセンブリ。
【請求項2】
前記第2ブッシュ部分が、導電性エラストマー、グラファイト、又は金属材料のいずれかを備える、請求項1に記載のブッシュアセンブリ。
【請求項3】
前記ブッシュアセンブリはフランジを更に備える、請求項1又は2に記載のブッシュアセンブリ。
【請求項4】
前記ブッシュアセンブリは、前記自己潤滑材料を備える第3ブッシュ部分を更に備え、前記第2ブッシュ部分が、前記第1ブッシュ部分と前記第3ブッシュ部分との間に位置する、請求項1~3のいずれか一項に記載のブッシュアセンブリ。
【請求項5】
前記第2ブッシュ部分は、前記第1ブッシュ部分及び前記第3ブッシュ部分の内の少なくとも一方に力を加えるように構成されている、請求項4に記載のブッシュアセンブリ。
【請求項6】
第1部品と、
前記第1部品に移動可能に連結される第2部品と、
前記第1部品と前記第2部品との間に配置された、請求項1~5のいずれか一項に記載のブッシュアセンブリとを備える、ジョイントアセンブリ。
【請求項7】
前記第1部品はジョイントピンであり、前記第2部品は前記ジョイントピンに回動可能に連結されている、請求項6に記載のジョイントアセンブリ。
【請求項8】
前記第1部品がシャフトであり、前記シャフトが前記シャフトの長手軸線に沿って移動できるように前記第1部品が前記第2部品に連結されている、請求項6に記載のジョイントアセンブリ。
【請求項9】
請求項6~8のいずれか一項に記載の1つ又は複数のジョイントアセンブリを備える航空機用着陸装置アセンブリ。
【請求項10】
請求項9に記載の1つ又は複数の航空機用着陸装置アセンブリを備える航空機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自己潤滑性ブッシュアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
航空機の着陸装置アセンブリは、カップリング又はジョイントを介して移動可能に連結されるいくつかの構造部品を含むことができる。例えば、前方ステイは、ステイが折り畳まれることを可能にするためにピンジョイントを使用して互いに回動可能に連結される第1及び第2の部品を有する。これらの構造部品が互いに対して相対的に移動する時の構造部品の磨耗を減らすために、ジョイントには一般的にブッシュが使用されている。
【0003】
着陸装置は、静電気の放電を可能にしかつ照明衝突に対する保護を確実にするために、航空機の車輪と着陸装置の取付点との間に導電性経路を設けることが望ましい。ピンジョイントでは、例えば、導電性経路は、金属製ブッシュとジョイントピンとの間の導電性経路を用いて電気的に連結された複数の構造部品によって形成される。
【0004】
最近では、ジョイントの定期的なグリース補給の必要性を減らすために、ジョイントブッシュでは、自己潤滑材料として一般に知られる低摩擦材料が使用されている。これらの自己潤滑材料は、一般に、貧弱な導体であり、したがって、ジョイントブッシュと部品とピンの間の金属から金属への接触から保証された電気的接合が失われる。
【0005】
結合ストラップは、連結された複数の部品の間に電流経路を提供するための1つの方法である。しかしながら、結合ストラップは、取付点及び締結具を必要とし、他の機器のスナッギングを引き起こす可能性がある。さらに、結合ストラップは、過剰なノイズを引き起こし、より高いメンテナンスレベルにつながるジョイントの複雑さを増大させる可能性がある。それゆえ、これらの問題を緩和することが望ましい。
【発明の概要】
【0006】
本発明の第1態様によれば、第1部品と、第1部品に移動可能に連結された第2部品との間に配置されるように構成されたブッシュアセンブリにおいて、ブッシュアセンブリは、自己潤滑材料を備える第1ブッシュ部分と、第2ブッシュ部分であって、第1ブッシュ部分よりも大きな導電性を有する第2ブッシュ部分とを備え、第2ブッシュ部分は、第1部品と第2部品との間に導電性経路を提供する、ブッシュアセンブリが提供される。
【0007】
ブッシュアセンブリの第2ブッシュ部分は、金属材料、導電性エラストマー、又はグラファイトを備えてもよい。
【0008】
ブッシュアセンブリは、自己潤滑材料を備える第3ブッシュ部分であって、第2ブッシュ部分が第1ブッシュ部分と第3ブッシュ部分との間に位置する、第3ブッシュ部分を備えることができる。
【0009】
ブッシュアセンブリは、フランジを備えることができる。
【0010】
ブッシュアセンブリの第2ブッシュ部分は、第1部品及び第2部品の少なくとも一方に力を加えるように構成されてもよい。
【0011】
ブッシュアセンブリの第2ブッシュ部分は、第1ブッシュ部分及び第3ブッシュ部分の内の少なくとも一方に力を加えるように構成することができる。
【0012】
本発明のさらなる態様によれば、第1部品と、第1部品に移動可能に連結された第2部品と、第1部品と第2部品との間に配置された、上記態様に係るブッシュアセンブリとを備えるジョイントアセンブリであって、ジョイントアセンブリの第1部品は、ジョイントピンとし、第2部品はジョイントピンに回動可能に連結されうる、ジョイントアセンブリが提供される。
【0013】
本発明のさらに別の態様によれば、第1部品と、第1部品に移動可能に連結された第2部品と、第1部品と第2部品との間に配置された、上記態様に係るブッシュアセンブリとを備えるジョイントアセンブリであって、第1部品が、シャフトがシャフトの長手軸線に沿って移動できるように第2部品に連結されているシャフトである、ジョイントアセンブリが提供される。
【0014】
本発明のさらなる態様によれば、上記のジョイントアセンブリの内の1つ又は複数を備える航空機用着陸装置アセンブリが提供される。
【0015】
本発明のさらなる態様によれば、上記のジョイントアセンブリの内の1つ又は複数を備える1つ又は複数の航空機用着陸装置アセンブリを備える航空機が提供される
【0016】
本発明のいくつかの実施形態を、添付図面を参照しながら、単なる例示的な例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、結合ストラップを含む公知のジョイントアセンブリである。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態によるブッシュアセンブリの断面図である。
【
図3a】
図3aは、本発明の別の実施形態によるブッシュアセンブリの断面図である。
【
図3b】
図3bは、本発明の可能な代替配置のブッシュアセンブリの第2ブッシュ部分の可能な代替配置の模式図である。
【
図3c】
図3cは、本本発明の可能な代替配置のブッシュアセンブリの第2ブッシュ部分の可能な代替配置の模式図である。
【
図3d】
図3dは、本発明の可能な代替配置のブッシュアセンブリの第2ブッシュ部分の可能な代替配置の模式図である。
【
図3e】
図3eは、本発明の可能な代替配置のブッシュアセンブリの第2ブッシュ部分の可能な代替配置の模式図である。
【
図4a】
図4aは、本発明の第3実施の形態によるブッシュアセンブリの図である。
【
図4b】
図4bは、本発明の第3実施の形態によるブッシュアセンブリの図である。
【
図4c】
図4cは、本発明の第3実施の形態によるブッシュアセンブリの図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態に係る着陸装置アセンブリを備える航空機の部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、公知のピンジョイント100と回動可能に接続された2つの部品104、106を示す。ピンジョイント100は、ジョイントピン108と、自己潤滑ブッシュ(
図1では見えない)とを備える。ジョイントピン108の長手軸線は、軸線Aを規定する。ピンジョイントは、第1部品104が第2部品106に対して軸線Aを中心として回動することができるように、第1部品104と第2部品106とを移動可能に連結する。第1部品104及び第2部品106は、例えば、サイドステイのリンク、トルクリンク、ロックリンク、台車ピボットピン、アクチュエータアタッチメント又は着陸装置に一般的に見られる他の類似の部品としうる。自己潤滑ブッシュは、ジョイントピンと第1部品104及び第2部品106との間に配置される。自己潤滑ブッシュは、低摩擦材料からなり、ブッシュの定期的な潤滑を減らすか、又は不要にする。公知のピンジョイントの他の配置では、第1部品104及び第2部品106の一方は、他方の部品のみがジョイントピン108に対して移動できるように、ジョイントピン108にクロスボルトで接合することができる。
【0019】
自己潤滑ブシュの低摩擦材は、導電不良の可能性がある。照明衝突から生じる静電放電又は電流が第1部品104から第2部品106に流れうる導電性経路が存在することを保証するために、結合ストラップ110は、第1ストラップ取付点112aを介して第1部品104に連結され、第2ストラップ取付点112bを介して第2部品106に連結されている。結合ストラップは、導電性材料を備える。取付点112a及び112bは、電流が第1部品104から結合ストラップ110を介して第2部品106に流れることを可能にするように構成されている。
【0020】
結合ストラップには、多くの欠点がある。例えば、結合ストラップは、他の機器のスナッギングを引き起こしたり、展開中に着陸装置を「ハングアップ(hang up)」させることがある。さらに、結合ストラップは過剰なノイズを発生させる可能性があり、取付点112は、部品104、106の構造的完全性に有害となり得るボルト及び締結具を必要とし得る。また、結合ストラップによって、ジョイントアセンブリの複雑さが増し、その結果、より高いメンテナンスを必要となる。
【0021】
図2は、本発明の第1実施の形態によるブッシュアセンブリ200を備えるピンジョイントアセンブリの断面を示す。ブッシュアセンブリ200は、第1部品206と、第1部品206に移動可能に連結された第2部品208との間に配置される。第1部品206は、ジョイントピンとしうる。第2部品208は、ジョイントピンに回動可能に連結され、かつ、サイドステイ、トルクリンク、ロックリンク、短縮リンク、アクチュエータアタッチメント等のいずれであってもよい。ブッシュアセンブリ200は、第1ブッシュ部分202と第2ブッシュ部分204とを備える。ブッシュアセンブリ200は、ジョイントピンを包囲する。第2ブッシュ部分204は、導電性材料からなる比較的薄いリングであってもよい。
図2に例示されているように、導電性からなる第2ブッシュ部分204は、ジョイントピンから簡単に滑り落とされることによって、(ピンジョイントが分解される時に)着脱可能でありかつ交換可能であるように配置されてもよい。これは、摩耗のために、第2ブッシュ部分を交換する必要がある場合に有利となり得る。
【0022】
第1ブッシュ部分202は、本明細書で後述する自己潤滑材料を備える。好ましい実施形態では、自己潤滑材料は、電気絶縁体であってもよい。他の実施形態では、自己潤滑材料は、導電性であるが、第2ブッシュ部分204よりも導電性が低い。
【0023】
第2ブッシュ部分204は、第1ブッシュ部分202よりも電気伝導率が大きく、第1部品206と第2部品208との間に伝導経路を提供するように配置されている。好ましい実施形態では、第2ブッシュ部分204は、導電性エラストマー又はグラファイトを備え、第1部品206を完全に又は部分的に取り囲む。いくつかの実施態様において、第2ブッシュ部分204は、金属材料を備えてもよい。したがって、第2ブッシュ部分204は、第1部品206を第2部品208に電気的に連結する。いくつかの実施形態では、第2ブッシュ部分204は、少なくとも200kAの電流に耐えうるように寸法決めされてもよい。
【0024】
図2に示す実施形態では、第1ブッシュ部分202と第2ブッシュ部分204が互いに接触し、互いの間に隙間がないように適合している。本発明の他の実施形態では、第1ブッシュ部分202と第2ブッシュ部分204とは隙間を空けて分離されていてもよい。この間隙によって、前述したように、第2ブッシュ部分の取り外し及び交換を容易にし得る。
【0025】
使用時に、ブッシュアセンブリ200を備えるジョイントアセンブリによって、第2部品208が第1部品206に相対的に移動することを可能にしつつ、第1部品206と第2部品208との間において第2ブッシュ部分204を通して電流が流れるための導電性経路を常に提供する。
【0026】
図3aは、本発明の第2実施の形態によるブッシュアセンブリ300を備えるジョイントアセンブリの一部の断面を示す。
図3aのジョイントアセンブリは、
図2に示すジョイントと類似の方法でピンジョイントを形成する。ブッシュアセンブリ300は、自己潤滑材料の第1ブッシュ部分202と、導電性材料の第2ブッシュ部分204と、さらなる第3ブッシュ部分312とを備える。また、第3ブッシュ部分312も自己潤滑材料を備え、第2ブッシュ部分204が第1ブッシュ部分202と第3ブッシュ部分312との間に位置するように配置されている。
【0027】
好ましい実施形態では、第2ブッシュ部分204は第1部品206(ジョイントピン)を取り囲み、第1ブッシュ部分202と第2ブッシュ部分204と第3ブッシュ部分312がピンジョイントの第1部品206と第2部品208との間に配置された実質的に管状のブッシュを形成するように、第2ブッシュ部分204が第1ブッシュ部分202と第3ブッシュ部分312と直接的に接触している。
【0028】
ブッシュアセンブリ300は、第1ブッシュ部分202及び第3ブッシュ部分312の内の一方又は両方の端部上にフランジ314をさらに備える。フランジ314は、放射状に延びる層を備え、第1部品206又は第2部品208に対するブッシュアセンブリ300の軸線方向の移動を制限するように配置される。
【0029】
有利的には、ブッシュアセンブリ300によって、着陸装置の複数の構造部品の間の電気的連結を保証する小型の自己潤滑ジョイントアセンブリを可能となる。それゆえ、外部の結合ストラップ及び締結具の必要性を低減することができ、その結果、公知のアセンブリよりもノイズが少なく、構造的完全性が増し、軽量であるジョイントアセンブリを得ることができる。
【0030】
図3b~
図3eは、第2ブッシュ部分204の拡大図を示す。
図3bは、第1部品206を包囲するように構成された第2ブッシュ部分204の軸線方向オフセット図を示す。第2ブッシュ部分204は、
図3bに示すように、第2ブッシュ部分204がジョイントピン206に適合するように調整できるようにするために、分割部(split)を有していてもよい。第2ブッシュ部分204の円周の断面形状は、使用時に第2ブッシュ部分204が第1ブッシュ部分202と第3ブッシュ部分312の間に収まるように圧縮されるようにしてもよい。
【0031】
図3c~3eは、本発明の実施形態において、第2ブッシュ部分204が有し得る可能性のある代替の断面形状のいくつかを示す。第2ブッシュ部分204は、
図3cに示すような「N」形状、又は
図3eに示すような「U」形状を有する円周方向断面形状を有し、第2ブッシュ部分204が圧縮される時に、該形状によってもたらされる固有の弾性変形により、第1部品206及び第2部品208の内の少なくとも1つに力を及ぼすようにしてもよい。本発明の他の実施形態では、第2ブッシュ部分204は、「Z」又は「C」形状を有する断面形状を有してもよく、第2ブッシュ部分204は、上述したように弾性変形により、隣接する第1ブッシュ部分202及び第3ブッシュ部分312の内の少なくとも1つに力を加えるように構成されている。他の実施形態は、
図3dに示すように、第1ブッシュ部分202と第3ブッシュ部分312と第1部品206と第2部品208の間で圧縮されたグラファイトのパッキンワッシャを有していてもよい。
【0032】
図4aは、ジョイントアセンブリが摺動ジョイントである、本発明のさらなる実施形態を示す。第1部品406は、シャフトであり、シャフトがシャフトの長手軸線に沿って移動できるように第2部品408に連結されている。
図4aでは、シャフトは管状でありかつ円形断面を有するように示されているが、他の実施形態では、シャフトは幾何学的角柱であってもよく、長方形、三角形又は他の多角形の断面形状を有しうる。
図4a、4b及び4cにおいて、軸Yは、シャフトの長手軸線に平行であり、軸X及びZは、図示のように、軸Yに直角な平面を規定する。先行する要素と類似の方法で、ブッシュアセンブリ400は、少なくとも、自己潤滑材料を備える第1ブッシュ部分402と、第2ブッシュ部分404とを備える。
【0033】
図4bは、第1ブッシュ部分及び第2ブッシュ部分は、シャフト406を取り囲むように軸線方向に整列されかつ配置されている、ブッシュアセンブリ400の1つの可能な配置を示している。好ましくは、必ずしもそうではないが、
図4bのブッシュアセンブリ400は、第2ブッシュ部分404が第1ブッシュ部分と第3ブッシュ部分の間にあるように配置された、第3ブッシュ部分412をさらに備える。第2ブッシュ部分404は、
図3b~3eに示された代替案のいずれかの円周方向断面形状を有していてもよい。
【0034】
図4cは、第1ブッシュ部分と第2ブッシュ部分とが軸線方向に整列されていない、ブッシュアセンブリ400の別の可能な配置を示す。代わりに、第2ブッシュ部分は、
図4cのY軸に沿って、シャフトに平行に長手方向に延びている。第2ブッシュ部分404及び第1ブッシュ部分402は、共に、実質的に管状のブッシュを形成し、第1部品406と第2部品408との間に配置されている。
【0035】
図5は、主着陸支柱540と、車輪530と、本発明の実施形態のブッシュアセンブリを備える少なくとも1つのジョイントアセンブリとを備える、着陸装置アセンブリ500を有する、航空機520の部分概略図を示す。
【0036】
先に議論した自己潤滑材料は、炭素、アラミド、ガラス、PTFE、ポリエステルなどの長繊維、又はそれらの組合せを含み得る合成繊維で強化された重合体(ポリマー)としうる。自己潤滑材料は、また、グラファイトなどの乾燥潤滑剤の粒子を含むエポキシと、PTFE繊維及び炭素繊維の連続的に織られた混合物とを備えうる。当業者は、上記が単なる例であり、低摩擦特性を有する任意の材料をその場所で使用してもよいことを認識するであろう。自己潤滑材料は、第1ブッシュ部分及び/又は第3ブッシュ部分の表面に注入されたライナであってもよく、又は、第1ブッシュ部分及び/又は第3ブッシュ部分が材料から直接的に機械加工されてもよい。自己潤滑材料は、第1ブッシュ部分及び/又は第3ブッシュ部分の表面上に接合(bond)されてもよい。
また、本開示は以下の発明を含む。
第1の態様は、
第1部品と、前記第1部品に移動可能に連結された第2部品との間に配置されるように構成されたブッシュアセンブリにおいて、
前記ブッシュアセンブリは、自己潤滑材料を備える第1ブッシュ部分と、前記第1ブッシュ部分よりも大きな導電性を有する第2ブッシュ部分とを備え、前記第2ブッシュ部分は、前記第2ブッシュ部分は、前記第1部品と第2部品との間に導電性経路を提供する、ブッシュアセンブリである。
第2の態様は、
前記第2ブッシュ部分が、導電性エラストマー、グラファイト、又は金属材料のいずれかを備える、第1の態様におけるブッシュアセンブリである。
第3の態様は、
前記ブッシュアセンブリは、前記自己潤滑材料を備える第3ブッシュ部分を更に備え、前記第2ブッシュ部分が、前記第1ブッシュ部分と前記第3ブッシュ部分との間に位置する、第1の態様又は第2の態様におけるブッシュアセンブリである。
第4の態様は、
前記ブッシュアセンブリはフランジを更に備える、第1の態様~第3の態様のいずれか1つにおけるブッシュアセンブリである。
第5の態様は、
前記第2ブッシュ部分が、前記第1部品及び前記第2部品の内の少なくとも一方に力を加えるように構成されている、第1の態様~第4の態様のいずれか1つにおけるブッシュアセンブリである。
第6の態様は、
前記第2ブッシュ部分は、前記第1ブッシュ部分及び前記第3ブッシュ部分の内の少なくとも一方に力を加えるように構成されている、第1の態様~第5の態様のいずれか1つにおけるブッシュアセンブリである。
第7の態様は、
第1部品と、
前記第1部品に移動可能に連結される第2部品と、
前記第1部品と前記第2部品との間に配置された、第1の態様~第6の態様のいずれか1つにおけるブッシュアセンブリとを備える、ジョイントアセンブリである。
第8の態様は、
前記第1部品はジョイントピンであり、前記第2部品は前記ジョイントピンに回動可能に連結されている、第7の態様におけるジョイントアセンブリである。
第9の態様は、
前記第1部品がシャフトであり、前記シャフトが前記シャフトの長手軸線に沿って移動できるように前記第1部品が前記第2部品に連結されている、第7の態様におけるジョイントアセンブリである。
第10の態様は、
第7の態様~第9の態様のいずれか1つにおける1つ又は複数のジョイントアセンブリを備える航空機用着陸装置アセンブリである。
第11の態様は、
第10の態様における1つ又は複数の航空機用着陸装置アセンブリを備える航空機である。