(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】複合アセンブリを製造するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
B29C 70/06 20060101AFI20241209BHJP
B29C 51/14 20060101ALI20241209BHJP
B29C 51/20 20060101ALI20241209BHJP
【FI】
B29C70/06
B29C51/14
B29C51/20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020104962
(22)【出願日】2020-06-18
【審査請求日】2023-05-31
(32)【優先日】2019-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ケンダル, ジェームス アール.
(72)【発明者】
【氏名】スリヤアラッチ, ラビエンドラ エス.
(72)【発明者】
【氏名】ショー, ポール ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ミットマン, ジェームス エフ.
【審査官】田村 佳孝
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-535709(JP,A)
【文献】特開2013-043448(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0049258(US,A1)
【文献】特表平10-505016(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 70/06
B29C 51/14
B29C 51/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合アセンブリを製造するための製造システム(100)であって、
第1のマンドレル表面(122)及び第1のマンドレル表面エッジ(124)を有する少なくとも1つの第1のマンドレル(120)と、
第2のマンドレル表面(128)及び第2のマンドレル表面エッジ(130)を有する少なくとも1つの第2のマンドレル(126)と、
前記第1のマンドレル表面(122)の上方に配置可能であり、かつ第1のラッププレート表面(172)及び第1のラッププレート表面エッジ(174)を有する第1のラッププレート(170)と、
前記第2のマンドレル表面(128)の上方に配置可能であり、かつ第2のラッププレート表面(182)及び第2のラッププレート表面エッジ(184)を有する第2のラッププレート(180)と
を含み、
前記第1のラッププレート(170)及び前記第2のラッププレート(180)が、反対側にある第1及び第2の材料スタックベース部分(452,456)を有するラップ材料スタック(450)を受けるために平行な並列関係で配置可能であり、
前記第1のラッププレート(170)及び前記第2のラッププレート(180)のうちの少なくとも1つが、ラッププレート開放位置(196)に移動し、前記第1のラッププレート表面エッジ(174)と前記第2のラッププレート表面エッジ(184)との間に、ブラダ上側(302)を有するブラダ(300)を受けるためのラッププレート間隙(198)を画定するように構成され、
前記第2のマンドレル(126)が、マンドレル開放位置(136)に移動し、前記第1のマンドレル表面エッジ(124)と前記第2のマンドレル表面エッジ(130)との間にマンドレル間隙(138)を画定するように構成され、前記ラッププレート間隙(198)及び前記マンドレル間隙(138)が、前記ブラダ(300)の周りに形成された前記ラップ材料スタック(450)を受けるように構成され、
前記第1のラッププレート(170)及び前記第2のラッププレート(180)が、前記第1及び第2の材料スタックベース部分(452,456)を、互いに重なる関係で前記ブラダ上側(302)に折りたたむように構成さ
れ、
前記製造システムは、
前記マンドレル間隙(138)内で受けることができ、かつ前記ブラダ(300)によって前記ラップ材料スタック(450)に印加される圧密圧力に対して前記ラップ材料スタック(450)を支持するように構成された、下部形成ダイ(270)
を更に含む、製造システム(100)。
【請求項2】
前記第1のラッププレート(170)及び前記第2のラッププレート(180)の上方で支持可能な1つ又は複数の積層ヘッド(220)
を更に含み、
前記第1のラッププレート(170)及び前記第2のラッププレート(180)が、前記第1のラッププレート表面エッジ(174)及び前記第2のラッププレート表面エッジ(184)が互いに並列して当接接触し、前記第1のラッププレート表面(172)及び前記第2のラッププレート表面(182)によって画定される集合的ラッププレート表面(190)を形成するラッププレート閉鎖位置(188)に移動するように構成され、
前記1つ又は複数の積層ヘッド(220)が、1つ又は複数の材料を重ねた形態で前記集合的ラッププレート表面(190)に分配し、前記ラップ材料スタック(450)をレイアップするように構成される、請求項1に記載の製造システム(100)。
【請求項3】
前記第1のラッププレート(170)及び前記第2のラッププレート(180)のうちの少なくとも1つが、前記第1のラッププレート表面エッジ(174)及び前記第2のラッププレート表面エッジ(184)それぞれに近接して位置し、かつ前記第1及び第2の材料スタックベース部分(452,456)をまとめて接合するために、前記ブラダ上側(302)に重ねられた前記第1及び第2の材料スタックベース部分(452,456)のうちの少なくとも1つに熱(187)を印加するように構成された加熱デバイス(186)を有する、請求項1又は2に記載の製造システム(100)。
【請求項4】
前記ブラダ(300)で上部形成ダイ(254)を取り外して交換する前に、下方に移動して前記ラップ材料スタック(450)と接触し、前記ラップ材料スタック(450)を前記ラッププレート間隙(198)に押し込み、前記ラップ材料スタック(450)を形成するように構成された上部形成ダイ(254)を更に含む、請求項1から
3のいずれか一項に記載の製造システム(100)。
【請求項5】
前記ラップ材料スタック(450)を集合的マンドレル表面(134)にレイアップするように構成された前記集合的マンドレル表面(134)を形成するために、並列関係で配置可能な第1のマンドレル(120)及び第2のマンドレル(126)を含む積層マンドレルセット(284)を有する積層ステーション(282)と、
前記第1のラッププレート(170)及び前記第2のラッププレート(180)の下方に配置可能な第1のマンドレル(120)及び第2のマンドレル(126)を含む形成マンドレルセット(288)を有する形成ステーション(286)であって、前記形成マンドレルセット(288)の前記第2のマンドレル(126)が、前記マンドレル開放位置(136)に移動し、前記マンドレル間隙(138)を画定するように構成された、形成ステーション(286)と、
前記ブラダ(300)の周囲に前記ラップ材料スタック(450)を形成し折りたたむために、前記ラップ材料スタック(450)を前記積層ステーション(282)から前記形成ステーション(286)まで転送するように構成されたステーション間転送機構(290)と
を含む、請求項1から
4のいずれか一項に記載の製造システム(100)。
【請求項6】
前記ステーション間転送機構(290)が、
前記積層マンドレルセット(284)の前記第1のマンドレル(120)と前記第2のマンドレル(126)との間の前記マンドレル間隙(138)を跨ぐ前記ラップ材料スタック(450)の一部の上にクランプするように構成された、上部クランピング部材(292)及び下部クランピング部材(294)
を含み、
前記上部クランピング部材(292)及び前記下部クランピング部材(294)が、前記ラップ材料スタック(450)を、前記積層ステーション(282)における前記積層マンドレルセット(284)から、前記形成ステーション(286)における前記形成マンドレルセット(288)に転送するように構成され、
前記下部クランピング部材(294)が、前記ラップ材料スタック(450)の転送中に、前記積層ステーション(282)及び前記形成ステーション(286)における前記マンドレル間隙(138)内を動くように構成される、請求項
5に記載の製造システム(100)。
【請求項7】
前記第1のマンドレル(120)及び前記第2のマンドレル(126)が、前記第1のマンドレル表面エッジ(124)及び前記第2のマンドレル表面エッジ(130)が並列して当接接触して、前記第1のマンドレル表面(122)及び前記第2のマンドレル表面(128)によって画定された集合的マンドレル表面(134)を形成するマンドレル閉鎖位置(132)に配置可能であり、
前記集合的マンドレル表面(134)は、前記第1のラッププレート表面(172)及び前記第2のラッププレート表面(182)が前記ラップ材料スタック(450)を受ける前に、ストリンガ積層板(400)を受けるように構成され、前記ストリンガ積層板(400)が、反対側にある第1及び第2のストリンガフランジ部分(406,408)を有する、請求項1から
6のいずれか一項に記載の製造システム(100)。
【請求項8】
前記第1のマンドレル(120)及び前記第2のマンドレル(126)の上方に支持可能な少なくとも1つの積層ヘッド(220)を更に備え、
前記第1のラッププレート(170)及び前記第2のラッププレート(180)は、互いに離れて移動し、前記集合的マンドレル表面(134)を露出するように構成され、
前記積層ヘッド(220)は、前記第1のラッププレート表面(172)および前記第2のラッププレート表面(182)が互いに近接して移動し、前記ラップ材料スタック(450)を受ける前に、前記集合的マンドレル表面(134)上に前記ストリンガ積層板(400)の1つ以上の複合プライ(402)を積層するように構成される、請求項7に記載の製造システム(100)。
【請求項9】
複合アセンブリの製造方法
(500、600)であって、
反対側にある第1及び第2の材料スタックベース部分(452,456)を有するラップ材料スタック(450)を、並列関係にあり、かつ第1のマンドレル(120)及び第2のマンドレル(126)の上方に位置する、第1のラッププレート(170)及び第2のラッププレート(180)の第1のラッププレート表面(172)及び第2のラッププレート表面(182)それぞれの上で受けること
(502、606)と、
第1のラッププレート(170)及び第2のラッププレート(180)のうちの少なくとも1つをラッププレート開放位置(196)に移動させ、第1のラッププレート表面エッジ(174)と第2のラッププレート表面エッジ(184)との間にラッププレート間隙(198)を画定すること
(504、608)と、
前記第2のマンドレル(126)をマンドレル開放位置(136)に移動させ、第1のマンドレル表面エッジ(124)と第2のマンドレル表面エッジ(130)との間にマンドレル間隙(138)を画定すること
(506、610)と、
上部形成ダイ(254)及びブラダ(300)のうちの1つを使用して、前記ラップ材料スタック(450)を少なくとも部分的に前記ラッププレート間隙(198)及び前記マンドレル間隙(138)内に押し込
み(508、612)、その一方で、前記上部形成ダイ(254)及び前記ブラダ(300)のうちの少なくとも1つにより、前記ラップ材料スタック(450)に印加される圧密圧力に対して、前記マンドレル間隙(138)内に受けられた下部形成ダイ(270)によって前記ラップ材料スタック(450)を支持することと、
前記ラップ材料スタック(450)を少なくとも部分的に前記ラッププレート間隙(198)及び前記マンドレル間隙(138)内に押し込むことに応じて、前記ラップ材料スタック(450)を形成すること
(510、614)と、
前記第1のラッププレート(170)及び前記第2のラッププレート(180)を使用して、前記第1及び第2の材料スタックベース部分(452,456)を互いに重なる関係でブラダ上側(302)に折りたたみ、ラップ-ブラダアセンブリ(480)を形成すること
(512、616)と
を含む、方法。
【請求項10】
前記第1のラッププレート(170)及び前記第2のラッププレート(180)を使用して、前記第1及び第2の材料スタックベース部分(452,456)を折りたたむこと
(512、616)が、
前記第1のラッププレート(170)及び第2のラッププレート(180)を、前記ブラダ上側(302)の上で
行ったり来たりして移動させることと、
前記第1のラッププレート(170)及び前記第2のラッププレート(180)のうちの少なくとも1つの少なくとも一部を、前記第1のラッププレート表面エッジ(174)及び前記第2のラッププレート表面エッジ(184)にそれぞれ近接して位置するピボット軸(195)の周囲で回転させることと
のうちの少なくとも1つを含む、請求項9に記載の方法
(500、600)。
【請求項11】
前記ラップ材料スタック(450)を前記第1のラッププレート表面(172)及び前記第2のラッププレート表面(182)の上で受けること
(502、606)が、
前記第1のラッププレート(170)及び前記第2のラッププレート(180)を、前記第1のラッププレート表面エッジ(174)及び前記第2のラッププレート表面エッジ(184)が互いに並列して当接接触し、前記第1のラッププレート表面(172)及び前記第2のラッププレート表面(182)によって画定される集合的ラッププレート表面(190)を形成するラッププレート閉鎖位置(188)に移動させることと、
1つ又は複数の積層ヘッド(220)から、1つ又は複数の材料を重ねた形態で前記集合的ラッププレート表面(190)に分配し、前記ラップ材料スタック(450)をレイアップすることと
を含む、請求項9又は10に記載の方法
(500、600)。
【請求項12】
前記マンドレル開放位置(136)において、前記第1のマンドレル(120)と前記第2のマンドレル(126)との間の前記マンドレル間隙(138)内で
前記下部形成ダイ(270)を受けるこ
とを更に含む、請求項9、10又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記上部形成ダイ(254)を下方に移動させ、前記ラップ材料スタック(450)と接触させることと、
前記上部形成ダイ(254)を使用して、前記ラップ材料スタック(450)を、前記ラッププレート間隙(198)及び前記マンドレル間隙(138)内に押し込み、かつ前記下部形成ダイ(270)に対して付勢して、前記ラップ材料スタック(450)を少なくとも部分的に形成することと、
前記上部形成ダイ(254)を前記下部形成ダイ(270)内部の前記ラップ材料スタック(450)から取り外すことと、
前記ブラダ(300)を前記下部形成ダイ(270)内部の前記ラップ材料スタック(450)内に設置することと
を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ラップ材料スタック(450)を、積層ステーション(282)における積層マンドレルセット(284)の第1のマンドレル(120)及び第2のマンドレル(126)によって画定される集合的マンドレル表面(134)の上にレイアップすること
を更に含み、
前記ラップ材料スタック(450)を前記第1のラッププレート表面(172)及び前記第2のラッププレート表面(182)の上で受けるステップが、前記ラップ材料スタック(450)を、前記積層ステーション(282)における前記集合的マンドレル表面(134)から、形成ステーション(286)における形成マンドレルセット(288)の第1のマンドレル(120)及び第2のマンドレル(126)の上方に位置する前記第1のラッププレート表面(172)及び前記第2のラッププレート表面(182)まで転送することを含む、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記ラップ材料スタック(450)を、前記積層ステーション(282)から前記形成ステーション(286)に転送するステップが、
前記形成マンドレルセット(288)の前記第2のマンドレル(126)を前記マンドレル開放位置(136)に移動させ、前記積層ステーション(282)で前記マンドレル間隙(138)を画定することと、
上部クランピング部材(292)及び下部クランピング部材(294)を使用して、前記積層ステーション(282)で前記マンドレル間隙(138)を跨ぐ前記ラップ材料スタック(450)の一部をクランプすることと、
前記ラップ材料スタック(450)の転送中に、前記下部クランピング部材(294)を、前記積層ステーション(282)における前記マンドレル間隙(138)に沿って、かつ前記形成ステーション(286)における前記マンドレル間隙(138)に沿って動かすことと
を含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、製造システムに関し、より具体的には、複合アセンブリを製造するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複合材料は、高比強度、高比剛性、高耐食性といった有利な特性のため、広範な用途で使用される。複合構造の製造は、通常、複合積層板を形成するための複合積層板材料のいくつかのプライのレイアップを含む。レイアップ材料は、通常、樹脂で予め含浸されている繊維状材料(例えば、プリプレグ)である。例えば、レイアップ材料は、エポキシ含浸カーボンファイバープリプレグでありうる。
【0003】
ある複合構造は、複合外板部材と、複合構造の剛性を高めるために外板に連結された複数の複合ストリンガとを含む。例えば、航空機の胴体バレルセクションは、概してチューブ形状の複合外板と、外板内面に位置する長手方向に延びる複合ストリンガとを含みうる。複合ストリンガは、通常、個々にレイアップされ、形成され、次いで、回転可能なレイアップマンドレルに装着されて、外板部材を形成するために複合材料で覆われる。外板ストリンガアセンブリは、共硬化又は共結合され、胴体バレルセクションが形成される。
【0004】
レイアップマンドレルへの装着前に、形成された各複合ストリンガは、ラッププライ、ブリーザ層及び/又は離型フィルムでラップされたブラダなどの支持材料かなる、ラップされたブラダアセンブリの設置を要することがある。ラップされたブラダアセンブリを複合ストリンガに設置する従来の方法は、労働集約的で時間がかかることがある。加えて、各々ラップされたブラダアセンブリを製造するための専用機器が必要なこともある。複合ストリンガの製造及びラップされたブラダアセンブリの製造に別個の機器が必要なため、全体的な生産コストにかなりの費用が追加される。加えて、別個の製造機器は、多大な生産床スペースを必要とすることがある。更に、従来の方法では、生産速度に影響を与える時間のかかるプロセス内で、各々ラップされたブラダアセンブリを輸送し、ストリンガ積層板のキャビティ内に設置する必要がある。
【0005】
ここから理解できるように、従来のストリンガ製造方法に関連した上記課題を回避する複合ストリンガの製造システム及び方法に関する技術が必要とされる。
【発明の概要】
【0006】
複合ストリンガの製造に関する上記の必要性は、特に、複合アセンブリを製造するための製造システムを提示する本開示によって、対処及び緩和される。この製造システムは、第1のマンドレル表面及び第1のマンドレル表面エッジを有する少なくとも1つの第1のマンドレルを含む。加えて、この製造システムは、第2のマンドレル表面及び第2のマンドレル表面エッジを有する少なくとも1つの第2のマンドレルを含む。この製造システムはまた、第1のマンドレル表面の上方に配置可能であり、かつ第1のラッププレート表面及び第1のラッププレート表面エッジを有する第1のラッププレートを含む。加えて、この製造システムは、第2のマンドレル表面の上方に配置可能であり、かつ第2のラッププレート表面及び第2のラッププレート表面エッジを有する第2のラッププレートを含む。第1のラッププレート及び第2のラッププレートは、反対側にある第1及び第2の材料スタックベース部分を有するラップ材料スタックを受けるために平行な並列関係で配置可能である。第1のラッププレート及び/又は第2のラッププレートは、ラッププレート開放位置に移動し、第1のラッププレート表面エッジと第2のラッププレート表面エッジとの間に、ブラダ上側を有するブラダを受けるためのラッププレート間隙を画定するように構成される。第2のマンドレルは、マンドレル開放位置に移動し、第1のマンドレル表面エッジと第2のマンドレル表面エッジとの間にマンドレル間隙を画定するように構成される。ラッププレート間隙及びマンドレル間隙は、ブラダの周囲に形成されたラップ材料スタックを受けるように構成される。第1のラッププレート及び第2のラッププレートは、第1及び第2の材料スタックベース部分を、互いに重なる関係でブラダ上側に折りたたむように構成される。
【0007】
また、複合アセンブリの製造方法が開示される。この方法は、ラップ材料スタックを、並列関係にあり、かつ第1のマンドレル及び第2のマンドレルの上方に位置する、第1のラッププレート及び第2のラッププレートの第1のラッププレート表面及び第2のラッププレート表面それぞれの上で受けることを含む。ラップ材料スタックは、反対側にある第1及び第2の材料スタックベース部分を有する。この方法はまた、第1のラッププレート及び第2のラッププレートのうちの少なくとも1つをラッププレート開放位置に移動させ、第1のラッププレート表面エッジと第2のラッププレート表面エッジとの間にラッププレート間隙を画定することを含む。加えて、この方法は、第2のマンドレルを、マンドレル開放位置に移動させ、第1のマンドレル表面エッジと第2のマンドレル表面エッジとの間にマンドレル間隙を画定することを含む。この方法は、上部形成ダイ及びブラダのうちの1つを使用して、ラップ材料スタックを少なくとも部分的にラッププレート間隙及びマンドレル間隙内に押し込むことを更に含む。この方法は、加えて、ラップ材料スタックを少なくとも部分的にラッププレート間隙及びマンドレル間隙内に押し込むことに応じて、ラップ材料スタックを形成することを含む。この方法はまた、第1のラッププレート及び第2のラッププレートを使用して、第1及び第2の材料スタックベース部分を互いに重なる関係でブラダ上側に折りたたみ、ラップ-ブラダアセンブリを形成することを含む。
【0008】
加えて、ストリンガ積層板を、第1のマンドレル及び第2のマンドレルのそれぞれの第1のマンドレル表面及び第2のマンドレル表面によって画定される集合的マンドレル表面の上で受けることを含む複合アセンブリを製造する方法が開示される。ストリンガ積層板は、1つ又は複数の未硬化の複合プライと、反対側にある第1及び第2のストリンガフランジ部分とを有している。この方法は、加えて、第1のラッププレート及び第2のラッププレートを、互いに平行な並列関係でストリンガ積層板の上方に配置することを含む。この方法は、ラップ材料スタックを、第1のラッププレート及び第2のラッププレートの第1のラッププレート表面及び第2のラッププレート表面それぞれの上で受けることを含む。ラップ材料スタックは、反対側にある第1及び第2の材料スタックベース部分を有している。この方法はまた、第1のラッププレート及び/又は第2のラッププレートをラッププレート開放位置に移動させ、第1のラッププレート表面エッジと第2のラッププレート表面エッジとの間にラッププレート間隙を画定することを含む。この方法はまた、第2のマンドレルをマンドレル開放位置に移動させ、第1のマンドレル表面エッジと第2のマンドレル表面エッジとの間にマンドレル間隙を画定することを含む。加えて、この方法は、上部形成ダイ及びブラダのうちの1つを使用して、ラップ材料スタック及びストリンガ積層板を少なくとも部分的にラッププレート間隙及びマンドレル間隙内に押し込むことを含む。この方法は、加えて、ラップ材料スタック及びストリンガ積層板を少なくとも部分的にラッププレート間隙及びマンドレル間隙に押し込むことに応じて、ラップ材料スタック及びストリンガ積層板を共形成することを含む。この方法はまた、第1のラッププレート及び第2のラッププレートを使用して、第1及び第2の材料スタックベース部分を互いに重なる関係でブラダ上側に折りたたみ、ラップ-ブラダアセンブリを形成することを含む。
【0009】
上述の特徴、機能及び利点は、本開示の様々な実施形態において個別に達成可能であるか、又は以下の説明及び図面を参照して更なる詳細が理解されうる更に他の実施形態において、組み合わせてもよい。
【0010】
本開示の上記の特徴及びその他の特徴は、図面を参照することでより明確になり、図面では、その全体を通じて類似の番号は類似の部分を表している。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本書に開示の製造システムの実施例を示す端面図であり、並列関係で配置された第1のマンドレル及び第2のマンドレルを示し、ラッププレートアクチュエータによって各々が独立して動作可能である第1のラッププレート及び第2のラッププレートを更に示す。
【
図4】
図3の線4に沿った製造システムの一部の側面図であり、ガントリ上で支持された一連の積層ヘッドの実施例を示す。
【
図5】
図3の線5-5沿った製造システムの端面図であり、
図4に示す積層ヘッドを介してラップ材料スタックを受けるために、平行な並列関係に作動した第1のラッププレート及び第2のラッププレートを示す。
【
図6】第1のラッププレート及び第2のラッププレート上でラップ材料スタックをレイアップする積層ヘッドの透視図である。
【
図7】
図5の参照番号7によって特定される囲まれた領域の簡略図であり、第1のマンドレル及び第2のマンドレルの上方に配置される第1のラッププレート及び第2のラッププレート上にレイアップされたラップ材料スタックを示す。
【
図8】ラップ材料スタックの上方の位置まで垂直に下がった上部形成ダイ及び隣接して位置するブラダを示し、更に、ラップ材料スタックの形成に備えて、第1のマンドレル及び第2のマンドレルの下方の位置にある下部形成ダイを示す、製造システムの端面図である。
【
図9】動かされてラップ材料スタックと接触する上部形成ダイ、更には、ラッププレート開放位置まで移動され、第1のラッププレートと第2のラッププレートとの間にラッププレート間隙を画定する、第2のラッププレート、また、マンドレル開放位置まで移動され、第1のマンドレルと第2のマンドレルとの間にマンドレル間隙を画定する、第2のマンドレルを示す、製造システムの端面図である。
【
図10】マンドレル間隙内に動いた下部形成ダイを示す製造システムの端面図である。
【
図11】ラップ材料スタックをラッププレート内に押し出し、下部形成ダイの反対側にある一対の下部ダイウェブ部分と接触させる上部形成ダイを示す製造システムの端面図である。
【
図12】下部形成ダイの下部ダイキャップ部分に対して支持されるように示されるラップ材料スタックの初期形成を完了する上部形成ダイを示す、製造システムの端面図である。
【
図13】ラップ材料スタックから取り外されブラダと交換された上部形成ダイを示す製造システムの端面図である。
【
図14】ブラダアクチュエータから取り外された後に、ラップ材料スタックに設置されたブラダを示す製造システムの端面図である。
【
図15】第1の材料スタックベース部分をブラダ上側に折りたたむために、ラッププレートアクチュエータによって移動されている第1のラッププレートを示す製造システムの端面図である。
【
図16】第2の材料スタックベース部分を第1の材料スタックベース部分の最上部の上で折りたたむために、ラッププレートアクチュエータによって移動されている第2のラッププレートを示す製造システムの端面図である。
【
図17】第1の材料スタックベース部分の最上部に第2の材料スタックベース部分を重ねた部分に熱を印加することを示す製造システムの端面図である。
【
図18】
図17の参照番号18によって特定された囲まれた領域の図であって、下部形成ダイ及び第2のラッププレートに対してラップ材料スタックを圧密するためにブラダによって印加された内側ブラダ圧力を示す図である。
【
図19】第1のラッププレート及び第2のラッププレートの後退を示す製造システムの端面図である。
【
図20】
図6-19に示すプロセスを使用して形成されたラップ-ブラダアセンブリの例の透視図である。
【
図21】第1のラッププレート及び第2のラッププレートの少なくとも一部が第1の材料スタックベース部分及び第2の材料スタックベース部分を互いに重なる関係で折りたたむために独立して回転するように構成される製造システムの例の端面図である。
【
図22】第1の材料スタックベース部分をブラダ上側の上で折りたたむ第1のラッププレートのラッププレート折りたたみ要素を示す、
図21の製造システムの端面図である。
【
図23】もとの位置に回転して戻る第1のラッププレートのラッププレート折りたたみ要素を示す、製造システムの端面図である。
【
図24】第2の材料スタックベース部分を第1の材料スタックベース部分の最上部の上に折りたたみ、ラップ-ブラダアセンブリの製造を完了する、第2のラッププレートのラッププレート要素を示す、製造システムの端面図である。
【
図25】もとの位置に回転して戻る第2のラッププレートのラッププレート要素を示す、製造システムの端面図である。
【
図26】ラップ材料スタックを正方形の断面形状に形成するように構成された、製造システムの端面図である。
【
図27】ラップ材料スタックを三角形の断面形状に形成するように構成された、製造システムの端面図である。
【
図28】ラップ材料スタックをドーム型の断面形状に形成するように構成された、製造システムの端面図である。
【
図29】ラップ-ブラダアセンブリを製造する方法に含まれる工程のフローチャートである。
【
図30】ストリンガ積層板を第1のマンドレル及び第2のマンドレルの上にレイアップするための積層ヘッドを示す、製造システムの端面図である。
【
図31】ストリンガ積層板をレイアップする積層ヘッドの透視図であって、ラップ積層板を形成するための現在非アクティブな積層ヘッドを更に示す透視図である。
【
図32】
図30の参照番号32によって特定される、囲まれた領域の簡略図であり、第1のマンドレル及び第2のマンドレルの上でレイアップされたストリンガ積層板を示す。
【
図33】積層ヘッドの1つをトリミングデバイスと交換するために製造システムのステージングエリア内に動かされたガントリを示す、製造システムの上面図である。
【
図35】ストリンガ積層板をトリミングするトリミングデバイスを示す、製造システムの端面図である。
【
図36】トリミングデバイスを積層ヘッドと交換するためにステージングエリア内に戻されたガントリを示す、製造システムの上面図である。
【
図38】ラッププレートアクチュエータを介して、互いに並列関係に移動されている第1のラッププレート及び第2のラッププレートを示す、製造システムの端面図である。
【
図39】ストリンガ積層板の上でサポートされる第1のラッププレート及び第2のラッププレート上で、ラップ材料スタックをレイアップする積層ヘッドの透視図である。
【
図40】
図38の参照番号40によって特定される囲まれた領域の簡略図であり、第1のマンドレル及び第2のマンドレルの上でレイアップされたストリンガ積層板上で支持される第1のラッププレート及び第2のラッププレートの最上部にあるラップ材料スタックを示す。
【
図41】ラップ材料スタックの上方の位置まで垂直に下がった上部形成ダイ及び隣接して位置するブラダを示し、更に、第1のマンドレル及び第2のマンドレルの下方の位置にある下部形成ダイを示す、製造システムの端面図である。
【
図42】動かされてラップ材料スタックと接触する上部形成ダイ、更には、ラッププレート開放位置まで移動され、ラッププレート間隙を画定する、第2のラッププレート、また、マンドレル開放位置まで動かされて、第1のマンドレルと第2のマンドレルとの間のマンドレル間隙を画定する、第2のマンドレルを示す、製造システムの端面図である。
【
図43】マンドレル間隙内まで動かされた下部形成ダイを示す、製造システムの端面図である。
【
図44】上部形成ダイが、ラップ材料スタック及びストリンガ積層板をラッププレート間隙に押し込み、下部ダイウェブ部分と接触することを示す、製造システムの端面図である。
【
図45】ラップ材料スタックの初期形成を完了する上部形成ダイと、下部ダイキャップ部分に対して支持されるように示されるストリンガ積層板とを示す、製造システムの端面図である。
【
図46】上部形成ダイが、ラップ材料スタック及びストリンガ積層板から取り外され、ブラダと交換されることを示す、製造システムの端面図である。
【
図47】ブラダが、ブラダアクチュエータから取り外された後にラップ材料スタック及びストリンガ積層板に設置されることを示す、製造システムの端面図である。
【
図48】第1のラッププレートが第1の材料スタックベース部分をブラダ上側の上に折りたたむことを示す、製造システムの端面図である。
【
図49】第2のラッププレートが第2の材料スタックベース部分を第1の材料スタックベース部分の上に折りたたむことを示す、製造システムの端面図である。
【
図50】第1の材料スタックベース部分を第2の材料スタックベース部分と重ねるために熱を印加することを示す、製造システムの端面図である。
【
図51】
図50の参照番号51によって特定される囲まれた領域の図であり、下部形成ダイ及び第2のラッププレートに対してラップ材料スタック及びストリンガ積層板を圧密するためにブラダによって印加された内側ブラダ圧力を示す図である。
【
図52】第1のラッププレート及び第2のラッププレートの後退を示す、製造システムの端面図である。
【
図53】
図30-52に示されるプロセスによって形成されたストリンガ-ラップ-ブラダアセンブリの例の透視図である。
【
図54】複合構造を形成するために外板部材に共硬化又は共結合された複数の形成された複合ストリンガの例の透視図である。
【
図55】ストリンガ-ラップ-ブラダアセンブリを製造する方法に含まれる工程のフローチャートである。
【
図56】ラップ材料スタックのレイアップ及び形成がそれぞれ積層ステーション及び形成ステーション内で実行される製造システムの例の上面図である。
【
図58】
図56-57の製造システムの端面図であり、積層ステーションにおける第1のマンドレル及び第2のマンドレル上にレイアップされるラップ材料スタックを示す。
【
図59】形成ステーションから積層ステーションに向かう上部形成ダイ及び下部形成ダイの動きを示す、製造システムの側面図である。
【
図60】積層ステーションにおける上部形成ダイ及び下部形成ダイを示し、また、積層ステーションから形成ステーションまで一時的に動いた積層ヘッドガントリを示す製造システムの側面図である。
【
図61】積層ステーションにおける上部形成ダイ及び下部形成ダイを示し、第1のマンドレル及び第2のマンドレルの上で支持されるラップ材料スタックを図解する、製造システムの端面図である。
【
図62】上部形成ダイ及び隣接して位置するブラダがラップ材料スタック上方の位置内に動き、更に、下部ダイキャップ部分が第1のマンドレルと第2のマンドレルとの間のマンドレル間隙内に前進することを示す、製造システムの端面図である。
【
図63】上部形成ダイと下部ダイキャップ部分との間にクランプされたラップ材料スタックを示す、製造システムの端面図である。
【
図64】ラップ材料スタックを積層ステーションから形成ステーションに向かって転送する上部形成ダイ及び下部ダイキャップ部分を示し、加えて、積層ステーションに戻された積層ヘッドガントリを示す、製造システムの側面図である。
【
図65】ラップ材料スタックを受け取る前の形成ステーションと、ラップ材料スタックの受け取りに備えて互いに離れた第1及び第2のラッププレート並びに第1及び第2のマンドレルとを示す、製造システムの端面図である。
【
図66】積層ステーションから形成ステーションへのラップ材料スタックの転送完了後の、形成ステーションにおける上部形成ダイ及び下部形成ダイを示す、製造システムの側面図である。
【
図67】第1のラッププレート及び第2のラッププレートの最上部にラップ材料スタックを解放する上部形成ダイ及び下部ダイキャップ部分を示す、製造システムの端面図である。
【
図68】ラップ材料スタック形成の始めに所定の位置に動かされた上部形成ダイ及び下部ダイウェブ部分を示す、製造システムの端面図である。
【
図69】ラップ材料スタックをラッププレート間隙に完全に挿入し、下部ダイウェブ部分及び下部ダイキャップ部分と接触させる上部形成ダイを示す、製造システムの端面図である。
【
図70】ブラダ周囲でのラップ材料スタックの形成及びラッピング完了後の製造システムの端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここで本開示の好適な様々な実施例を参照すると、複合ストリンガ426(例えば、
図54)といった、複合アセンブリを製造するために実装されうる製造システム100の実施例の端面図が
図1に示される。
図2は、
図1の製造システム100の側面図であり、
図3は、
図1の製造システム100の上面図である。以下により詳しく記載されるように、製造システム100は、第1のマンドレル120、第2のマンドレル126、第1のラッププレート170、第2のラッププレート180、オプションの上部形成ダイ254、下部形成ダイ270、及び1つ又は複数の積層ヘッド220を含み、それらをブラダ300と組み合わせて、ラップ-ブラダアセンブリ480(
図20)を形成するために、ブラダ300の周囲でラップ積層板464(
図6)の自動又は半自動のレイアップ及びラッピングが可能になる。ラップ積層板464は、熱硬化性又は熱可塑性樹脂を事前に含浸させた一方向又は織られた強化繊維である1つ又は複数のプリプレグ複合プライ402からなりうる。ブラダ処理部466の1つ又は複数の層(例えば、ブリーザ層468及び/又は剥離層470)は、マンドレル周囲での自動ラッピングのためのラップ積層板464(例えば、ラップ材料スタック450の(
図6))と共に含まれうる。
【0013】
1つの例では、ラップ-ブラダアセンブリ480は、別個にレイアップされ、ラップ-ブラダアセンブリ480に相補的な断面輪郭に形成されたストリンガ積層板400と共に組み立てられ硬化されてもよい。ラップ-ブラダアセンブリ480及びストリンガ積層板400は、補強された複合構造420(
図54)を形成するために外板部材422(
図54)と共に共結合又は共硬化されてもよい。代替的には、以下に記載され
図30-52に示される他の例では、製造システム100により、ラップ積層板464(例えば、更にブラダ処理部466)のストリンガ積層板400との自動レイアップ及び共形成が可能になり、ストリンガ-ラップ-ブラダアセンブリ490(
図53)を形成し、それらの1つ又は複数は、補強された複合構造420(
図54)を形成するために外板部材422(
図54)と共結合又は共硬化されうる。有利には、オプションのストリンガ積層板400と共にラップ積層板464を自動又は半自動でレイアップして折りたたむことにより、最小限の手動処理で生産スループットが向上する。加えて、本開示の製造システム100は、そうでなければ別々の積層機器と形成機器に必要な貴重な床スペースを節約しうる。
【0014】
図1-3を参照すると、製造システム100は、工場の床などの表面上で支持される一対の細長いベース部材102を含みうる。第1のマンドレル120及び第2のマンドレル126は、ベース部材102の長さ方向に沿って延びる剛性要素として構成されうる。実施例において、第1のマンドレル120及び第2のマンドレル126は、金属(アルミニウム、鋼など)又は非金属材料(例えば、セラミック又は高分子材料)又は硬化複合材料(例えば、エポキシカーボン)から形成されうる。第1のマンドレル120は、第1のマンドレル表面122及び第1のマンドレル表面エッジ124を有している。第2のマンドレル126は、第2のマンドレル表面128及び第2のマンドレル表面エッジ130を有している。第1のマンドレル120は、1つ又は複数のマンドレル支持体118によって、ベース部材102の1つに連結されうる。同様に、第2のマンドレル126は、1つ又は複数のマンドレル支持体118によって、残りのベース部材102の1つに連結されうる。
図2-3は、第1のマンドレル120及び第2のマンドレル126の各々を単一の一体構造として示しているが、第1のマンドレル120及び第2のマンドレル126は、一連のエンドツーエンド(end-to-end)のマンドレルセグメント(図示されず)から各々が構成されてもよい。
【0015】
図1に示されるように、製造システム100は、第1のマンドレル表面122に平行かつ第1のマンドレル表面エッジ124に直角な方向に沿った第1のマンドレル120の側方運動を容易にするために、第1のマンドレル120とマンドレル支持体118との間に挟まれた一組の側方レール142を含みうる。同様に、製造システム100は、第2のマンドレル表面128に平行かつ第2のマンドレル表面エッジ130に直角な方向に沿った第2のマンドレル126の側方運動を容易にするために、第2のマンドレル126とマンドレル支持体118との間に挟まれた一組の側方レール142を含みうる。側方レール142は、少なくとも、第1のマンドレル120及び第2のマンドレル126がマンドレル閉鎖位置132内にあるときに、第1のマンドレル表面122及び第2のマンドレル表面128を同じ高さで維持するように構成された位置合わせ機構として機能しうる。製造システム100は、オプションで、第1のマンドレル120及び第2のマンドレル126を互いに垂直に位置合わせした状態を維持するための、追加の位置合わせ機構140を含んでもよい。例えば、第1のマンドレル120及び第2のマンドレル126は、マンドレル閉鎖位置132で第1のマンドレル120及び第2のマンドレル126の垂直な位置合わせを維持するために、互いに係合しうるピン146及びソケット148(
図32)をそれぞれ含みうる。
【0016】
なおも
図1を参照すると、形成工程中の第1のマンドレル120及び第2のマンドレル126の動きは、マンドレルアクチュエータ144によって容易になりうる。例えば、第1のマンドレル120及び/又は第2のマンドレル126は、ベース部材102の長さに沿って間隔を空けて位置し、かつ第1のマンドレル120及び/又は第2のマンドレル126を独立して移動させるように構成された、1つ又は複数の専用マンドレルアクチュエータ144を各々が有しうる。実施例において、マンドレルアクチュエータ144は、サーボモータによって駆動される駆動ねじを有する電気機械式アクチュエータといった、リニア作動機構として構成されうる。代替的には、マンドレルアクチュエータ144の1つ又は複数は、空気圧アクチュエータ又は油圧アクチュエータとして構成されうる。しかしながら、マンドレルアクチュエータ144は、第1のマンドレル120及び/又は第2のマンドレル126を移動するための多様な構成のうちの任意の1つに設けられてもよく、図示され及び/又は本書に記載された配置に限定されない。
【0017】
第2のマンドレル126は、マンドレル閉鎖位置132(
図1)とマンドレル開放位置136(
図9)との間を動くことができる。製造システム100の代替的な例では、第1のマンドレル120及び第2のマンドレル126の両方が、マンドレル閉鎖位置132からマンドレル開放位置136まで動くことができる。マンドレル閉鎖位置132では、第1のマンドレル表面エッジ124及び第2のマンドレル表面エッジ130は、互いに並列な接触関係にあり、下記のように、1つ又は複数の未硬化の複合プライ402からなるストリンガ積層板400(
図30-32)を受け、支持し又はレイアップするための集合的マンドレル表面134を画定しうる。加えて、第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180は、下記のように、第1のマンドレル120及び第2のマンドレル126上で支持されうる。マンドレル開放位置136では、マンドレル間隙138(
図9)が、ラップ材料スタック450(例えば、
図9)を形成するための下部形成ダイ270を受けるために、第1のマンドレル表面エッジ124と第2のマンドレル表面エッジ130との間に画定される。
【0018】
図1及び
図5を参照すると、第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180は、レイアップ及び形成中にラップ材料スタック450(
図6)を支持するための比較的剛性の(例えば、非可撓性又は非屈曲性の)部材として構成されうる。1つの例では、第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180は、アルミニウムなどの金属材料又は任意の他の適した金属材料などの金属び/又は非金属材料から形成されうる。第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180は、以下により詳細に記載されるように、ブラダ上側302(例えば、
図15-16)の上でのラップ材料スタック450の折りたたみを容易にするために、比較的薄い部材(例えば、0.25インチ未満)でありうる。第1のラッププレート170は、第1のラッププレート表面172及び第1のラッププレート表面エッジ174を有している。第2のラッププレート180は、第2のラッププレート表面182及び第2のラッププレート表面エッジ184を有している。第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180は、レイアップ及び形成プロセス中にラップ材料スタック450を支持しうる。第1のラッププレート表面エッジ174及び第2のラッププレート表面エッジ184は、ブラダ300の上でのラップ材料スタック450の折りたたみを容易にし、折りたたみプロセス中のラップ材料スタック450内のしわを軽減するために、各々が丸みを帯びることができる。
【0019】
第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180は、ベース部材102の長さ方向に沿って間隔を空けて位置する1つ又は複数のラッププレートアクチュエータ192によって、各々、独立して作動可能でありうる。
図1及び
図5は、伸縮機構として構成されたラッププレートアクチュエータ192を示す。しかしながら、ラッププレートアクチュエータ192は、第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180を動かすための多様な異なる構成の任意の1つに提供されうる。第1のラッププレート170のためのラッププレートアクチュエータ192は、第1のマンドレル表面122に平行かつ第1のラッププレート表面エッジ174に直角な方向に沿って、第1のラッププレート170を移動させるように構成されうる。同様に、第2のラッププレート180のためのラッププレートアクチュエータ192は、第2のラッププレート表面182に平行かつ第2のラッププレート表面エッジ184に直角な方向に沿って、第2のラッププレート180を移動させるように構成されうる。
図1は、格納位置の「第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180を示す。
図5は、第1のマンドレル120の上に配置された第1のラッププレート170、及び第2のマンドレル表面128の上に配置された第2のラッププレート180を示す。いくつかの例では、第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180は、第1のマンドレル表面122及び第2のマンドレル表面128それぞれの上で支持されうる(例えば、第1のマンドレル表面122及び第2のマンドレル表面128それぞれと物理的に接触しうる)。
【0020】
図5-7は、第1のラッププレート表面エッジ174及び第2のラッププレート表面エッジ184が互いに接近するラッププレート閉鎖位置188で、互いに並列な接触関係に配置された第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180を示す。例えば、第1のラッププレート表面エッジ174及び第2のラッププレート表面エッジ184は、互いの0.10インチ以内に、又は互いに当接接触して配置されうる。ラッププレート閉鎖位置188において、第1のラッププレート表面172及び第2のラッププレート表面182は、ラップ材料スタック450のレイアップ中に、支持されないラップ材料スタック450(
図6)の部分がないように、段差、間隙、切断、中断、又は不連続性のない連続的表面でありうる集合的ラッププレート表面190を画定する。
【0021】
図6-7を参照すると、集合的ラッププレート表面190は、ラップ材料スタック450を受けるように構成される。上記のように、ラップ材料スタック450は、1つ又は複数の未硬化の複合プライ402からなるラップ積層板464を含む。ラップ積層板464に加えて、ラップ材料スタック450は、上記のブラダ処理部466を含みうる。本開示の実施例では、ブラダ処理部466は、ラップ積層板464の最上部に剥離層470を、剥離層470の最上部にブリーザ層468を含みうる。ブリーザ層468は、水分、ガス、及び揮発性物質をブラダ300(
図14)から排出可能にし、これにより、硬化中にそのような水分、ガス、及び揮発性物質がラップ積層板464に進入するのを防止しうる。剥離層470は、ブリーザ層468をラップ積層板464から隔離し、ラップ積層板464の樹脂が硬化中に剥離層470に接着又は接合するのを防止しうる。加えて、剥離層470は、硬化後に、ブラダ300のラップ積層板464からの除去を容易にしうる。ブラダ処理部466は、ブリーザ層468及び剥離層470以外に又はそれらに加えて、様々な異なる種類の層のいずれか1つを含みうる。
【0022】
図4-6を参照すると、製造システム100は、第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180の上方で支持される1つ又は複数の積層ヘッド220を含みうる。積層ヘッド220は、第1のラッププレート表面172及び第2のラッププレート180によって画定される集合的ラッププレート表面190の上で、ラップ材料スタック450をレイアップするように実装されうる。図示された例において、製造システム100は、ガントリ104によって支持された3つの積層ヘッド220を含む。3つの積層ヘッド220は、ラップ積層板464をレイアップするための複合材料232、剥離層470をレイアップするための剥離材料236、及びブリーザ層468をレイアップするためのブリーザ材料234を分配するためにそれぞれ構成されうる。図示された例において、ガントリ104は、3つの積層ヘッド220をそれぞれ支持する、3つの概して水平に配向されたガントリクロスビーム106を含む。しかしながら、ガントリ104は、任意の数の積層ヘッド220を支持するように構成された単一のガントリクロスビーム106を含みうる。代替的には、積層ヘッド220は、多様な配置のいずれか1つによって支持されてもよく、ガントリ104のシステムを限定するものではない。例えば、製造システム100は、積層ヘッド220の1つ又は複数が、カンチレバー型ビーム(図示されず)によって又はロボットシステム(図示されず)のロボットアームによって支持されるように、構成されうる。更に、製造システム100は、ラップ材料スタック450をレイアップするための任意の数の積層ヘッド220を含むことがあり、3つの積層ヘッド220を有することに限定されない。
【0023】
図4-6において、ガントリクロスビーム106は各々、一対の概して垂直に配向されたビーム支持体114にそれぞれ連結された反対側にある端を有している。ビーム支持体114の各々は、ベース部材102の長さ方向に沿って延びるガントリ104のトラック上で支持されうる。ビーム支持体114は、集合的ラッププレート表面190の長さ方向に沿って積層ヘッド220を移動するために、リニア作動機構(図示されず)を介して、ガントリトラック116に沿って動くことができる。加えて、各積層ヘッド220は、集合的ラッププレート表面190の側方方向に沿って積層ヘッド220を動かすために、それぞれのガントリクロスビーム106に組み込まれる水平トラック(図示されず)に沿って、独立して動くことができる。更に、ガントリクロスビーム106の反対側にある端は、ビーム支持体114に組み込まれうる1つ又は複数のリニア作動機構(図示されず)を介して、各積層ヘッド220の独立した垂直運動を可能にするように、ビーム支持体114と共に含まれる垂直トラック(図示されず)に連結されうる。
【0024】
図示された例において、各積層ヘッド220は、装着フレーム222を含みうる。装着フレーム222は、ガントリクロスビーム106のガントリ連結機構108と係合するように構成されたデバイス連結機構224を有しうる。ガントリ連結機構108とデバイス連結機構224との組み合わせは、クイックディスコネクトアセンブリ(quick-disconnect assembly)を定義し、手動の介入なしに、積層ヘッド220を別の積層ヘッド220又はトリミングデバイス250(
図2-3)などの別の種類のデバイスと迅速に置き換えることができる。
【0025】
図2-3を簡単に参照すると、いくつかの例では、製造システム100は、製造システム100の一端又は両端にステージングエリアを含みうる。ステージングエリア281は、1つ又は複数のデバイススタンド280を含み、その各々が、ラップ-ブラダアセンブリ480(
図20)の製造に関連する及び/又はストリンガ-ラップ-ブラダアセンブリ490(
図53)の製造に関連する様々な工程のいずれかを実行するための1つ又は複数のデバイス(例えば、追加の積層ヘッド220、トリミングデバイス250)を支持するように構成されうる。ステージングエリア281は、積層ヘッド220を支持するためのデバイススタンド280と、トリミングデバイス250を支持するための別のデバイススタンド280とを含みうる。以下(例えば、
図31-37)に記載するように、ガントリ104上の1つの種類のデバイスを別の種類のデバイスで代用することは、ガントリ104をデバイススタンド280の空のスタンドに隣接した位置内に動かすことと、デバイス連結機構224(
図1)をガントリ連結機構108から係合解除することによって、現在装着されているデバイス(例えば、積層ヘッド220)をガントリ104から空のデバイススタンド280上に解放することと、類似のデバイス(例えば、積層ヘッド)又は異なる種類のデバイス(例えば、トリミングデバイス250)によって占有されるデバイススタンド280と位置合わせされるまで、ガントリ連結機構108をガントリクロスビーム106に沿って側方に移動させることと、ガントリ連結機構108を、類似の又は異なる種類のデバイスのデバイス連結機構224と係合させることとを含みうる。
【0026】
再び
図4-6を参照すると、各積層ヘッド220は、レイアップ材料230を集合的ラッププレート表面190に適用するように構成されうる。上記のように、各積層ヘッド220は、積層ヘッド220の構成要素を支持するように構成された装着フレーム222を含みうる。積層ヘッド220は、レイアップ材料230の材料ロール228を支持する材料供給ドラム226を含みうる。いくつかの例では、レイアップ材料230は、バッキング層238によって裏張りされてもよい。例えば、プリプレグ複合材料232(
図6)は、複合材料232の隣接するラップが材料供給ドラム226上で互いに付着するのを防止するように、バッキング層238によって裏張りされてもよい。上記のように、プリプレグ複合材料232は、カーボンエポキシプリプレグ、グラスファイバーエポキシプリプレグ、又は多様な複合材料232のいずれか1つとして提供されうる。ブリーザ材料234及び剥離材料236など、ある種のレイアップ材料230は、バッキング層238を必要としてもよく、しなくてもよい。
【0027】
積層板は、材料供給ドラム226から、下流の構成要素まで、例えば、レイアップ材料230の分配中にレイアップ材料230を切断するためのカッターアセンブリ244に向かって、レイアップ材料230を案内するための1つ又は複数のリダイレクトローラ240を含みうる。積層ヘッド220は、バッキング層238をレイアップ材料230から分離するように構成されたバッキング層分離アセンブリ242を更に含みうる。レイアップ材料230からの分離後、レイアップ材料230が集合的ラッププレート表面190に適用される際に、バッキング層238は、バッキング層収集ドラム246に巻かれうる。積層ヘッド220は、加えて、集合的ラッププレート表面190上に分配されているレイアップ材料230に圧密圧力を印加するための圧密ローラ又は圧密シューなどの圧密デバイス248を含みうる。
【0028】
図4-6には、第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180の上方で支持される積層ヘッド220が示される。上記のように、第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180は、ラッププレート閉鎖位置188(
図5-6)に移動するよう構成され、その位置で、第1のラッププレート表面エッジ174及び第2のラッププレート表面エッジ184が互いに並列して当接接触し、集合的ラッププレート表面190を形成する。図示された例において、積層ヘッド220は、複合材料232、剥離材料236、及びブリーザ材料234を集合的ラッププレート表面190に重ねた形態でそれぞれ分配するように構成され、ラップ積層板464、剥離層470、及びブリーザ層468からなるラップ材料スタック450をレイアップする。しかしながら、上記のように、ラップ材料スタック450は、多様な材料のうちの任意の1つを含みうる。
【0029】
図6-7では、ラップ材料は、ラップ材料スタック450がブラダ上側302の上で折りたたまれ押し付けられると(
図18)、第1の材料スタックベース部分452(
図12)及び第2の材料スタックベース部分456(
図12)が互いに重なるような幅で提供されうる。これにより、
図18に示され、以下に記載されるように、ラップ材料をブラダ300の周囲に固定するために、ラップ積層板464の反対側が互いに付着可能となる。ラップ積層板464の反対側の付着は、オプションで第1のラッププレート170と共に含まれうる、及び/又はオプションで第2のラッププレート180と共に含まれうる加熱デバイス186からの熱187(
図18)の印加によって、容易になりうる。剥離材料236及びブリーザ材料234はまた、
図18に示され、以下に記載されるように、剥離層470及びブリーザ層468各々の反対側が互いに重なるような幅で提供されてもよい。互いに側方にオフセット472された、ラップ積層板464、剥離層470、及びブリーザ層468が図示され、ブラダ上側302(
図18)の上方で折りたたまれ互いに重なると、ラップ積層板464の重なり474、ブリーザ層468の重なり474、及び剥離層470の重なり474がずれ、そうでなければ重なり474が垂直に位置合わせされると発生しうる厚さの蓄積を回避する。ラップ材料スタック450の層内のオフセット472は、ラップ材料スタック450のレイアップ材料230の分配中に、積層ヘッド220(
図6)の位置を横にオフセットすることによって提供されうる。
【0030】
図5-9,を参照すると、いくつかの例では、製造システム100は、ラップ材料スタック450の形成中に第1のマンドレル120及び第2のマンドレル126のうちの少なくとも1つの固定位置に第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180を固定し、第2のマンドレル126のマンドレル開放位置136への移動中に第1のマンドレル120の固定位置にラップ材料スタック450及び第1のラッププレート170を固定するように構成された、1つ又は複数の積層板固定機構150を含みうる。有利には、
図18に示されるように、ラップ積層板464の重なり、剥離層470の重なり474、及びブリーザ層468の重なり474がブラダ上側302に位置するように、積層板固定機構150は、ラップ材料スタック450の側方位置を、形成ダイ中心線260と位置合わせした状態に維持する。積層板固定機構150は、第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180の位置を維持する際に、ラッププレートアクチュエータ192を支援してもよい。
【0031】
1つの例では、積層板固定機構150は、第1のマンドレル表面122及び第2のマンドレル表面128の少なくとも1つに形成された複数の又はパターンの開孔152(
図6)を含みうる。第1のマンドレル120及び/又は第2のマンドレル126は、第1のラッププレート170及び/又は第2のラッププレート180をそれぞれ第1のマンドレル120及び第2のマンドレル126に固定する真空圧158を生成するための真空圧力源156(例えば、真空ポンプ)に、開孔152を流体連通する複数の流体導管154を含みうる。代替的に又は追加的には、積層板固定機構150は、ラップ材料スタック450を第1のラッププレート170及び/又は第2のラッププレート180に対して機械的に固定し、次いで、第1のラッププレート170及び/又は第2のラッププレート180のそれぞれを第1のマンドレル表面122及び第2のマンドレル表面128に固定するように構成された1つ又は複数のピンチ機構160(
図8)を含みうる。図示された例において、ピンチ機構160は、第1のクランピングバー162及び/又は第2のクランピングバー164(
図5)として構成されうる。これらの構成と関係なく、積層板固定機構150は、第1のマンドレル120及び/又は第2のマンドレル126それぞれに対する固定位置に、ラップ材料スタック450並びに第1のラッププレート170及び/又は第2のラッププレート180を移動不能に固定しうる。
【0032】
なおも
図5-9を参照すると、製造システム100は、第1のラッププレート170及び/又は第2のラッププレート180をそれぞれ第1のマンドレル120及び/又は第2のマンドレル126から遠ざけ、第1のラッププレート170と第1のマンドレル120との間の相対運動を可能にし、第2のラッププレート180と第2のマンドレル126との間の相対運動を可能にするように構成された、1つ又は複数の積層板解放機構206を含みうる。1つの例では、積層板解放機構206(例えば、
図5及び
図9)は、第1のラッププレート170を第1のマンドレル120から離れるように付勢し、及び/又は第2のラッププレート180を第2のマンドレル126から離れるように付勢するための開孔152で、正の気圧210を生成するための正の気圧源208(
図5)に流体連通された上記複数の開孔152として構成されうる。
【0033】
図8-19を参照すると、ブラダ300の周囲でラップ材料スタック450を形成し折りたたむための一連の工程が示される。
図8は、垂直に下げられ、上部クロスビーム262(
図5)を介して、ラップ材料スタック450上方の位置に進入する上部形成ダイ254及び隣接して位置するブラダ300を示す。加えて、ラップ材料スタック450を第1のラッププレート170上にかつ第1のマンドレル120に対してクランプする第1のクランピングバー162が示される。また、ラップ材料スタック450の形成に備えて、下部クロスビーム276(
図5)を介して、第1のマンドレル120及び第2のマンドレル126の下方に垂直に配置された下部形成ダイ270が示される。本開示の実施例では、上部形成ダイ254は、ラップ材料スタック450を下部形成ダイ270に対して付勢し、ラップ材料スタック450を所望の断面形状に形成するように構成され、その後、
図14-16に示し以下に記載されるように、上部形成ダイ254が取り外され、ブラダ300と交換され、その上方で、第1の材料スタックベース部分452及び第2の材料スタックベース部分456が、第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180を使用して折りたたまれる。しかしながら、図示されない他の例では、上部形成ダイ254は、製造システム100から省略されてもよく、ブラダ300は、ラップ材料スタック450を下部形成ダイ270に対して付勢するために使用されてもよく、その後、第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180が、ブラダ上側302の上方でラップ材料スタック450を折りたたみうる。
【0034】
本開示の製造システム100では、第1のラッププレート170及び/又は第2のラッププレート180は、ラッププレートアクチュエータ192(
図5)を介して、それぞれ第1のラッププレート表面エッジ174及び第2のラッププレート表面エッジ184に直角な方向に沿って、ラッププレート開放位置196まで移動し、第1のラッププレート表面エッジ174と第2のラッププレート表面エッジ184との間にラッププレート間隙198を画定するように構成される。加えて、第2のマンドレル126は、マンドレルアクチュエータ144(
図5)を介して、第2のマンドレル表面エッジ130に直角な方向に沿って、マンドレル開放位置136まで移動し、第1のマンドレル表面エッジ124と第2のマンドレル表面エッジ130との間にマンドレル間隙138を画定するように構成される。代替的には、上記のように、第1のマンドレル120と第2のマンドレル126との両方が、マンドレル開放位置136まで移動され、マンドレル間隙138を画定しうる。
【0035】
下部形成ダイ270は、垂直に移動可能であり、マンドレル開放位置136の第1のマンドレル120と第2のマンドレル126との間のマンドレル間隙138内で受けることが可能である。下部形成ダイ270は、一対の下部ダイウェブ部分272及び下部ダイキャップ部分274(
図12)を含みうるが、それらのすべてが、一対のベース部材102に連結される反対側にある端を有する垂直に移動可能な下部クロスビーム276に装着されうる。下部形成ダイ270(全体として)が下部クロスビーム276(
図5)上を垂直に移動可能であることに加えて、下部ダイウェブ部分272はまた、下部ダイキャップ部分274の垂直運動と独立して垂直に動くことが可能である。下部形成ダイ270は、ラップ積層板464の所望の最終形状に構成された剛性要素を提供し、上部形成ダイ254及びブラダ300によって印加された形成及び圧密圧力に対して反応するように構成される。
【0036】
下部形成ダイ270は、ブラダ300によってラップ材料スタック450に印加される圧密圧力に対してラップ材料スタック450を支持するように構成される。加えて、下部形成ダイ270は、ブラダ300の挿入前にラップ材料スタック450を形成するために、上部形成ダイ254によって印加される圧密圧力に対してラップ材料スタック450を支持しうる。下部形成ダイ270は、上部形成ダイ254に相補的な輪郭を有し、ラップ材料スタック450を形成し、形成プロセス中のラップ積層板464の1つ又は複数の複合プライ402における皺の形成を低減又は防止するように構成される。
【0037】
図5、
図8及び
図9において、上部形成ダイ254は、下に向かって移動可能であり、上部クロスビーム262を介して、ラッププレート間隙198を跨ぐラップ材料スタック450の一部と接触する。上部形成ダイ254は、ラップ材料スタック450をラッププレート間隙198(
図9)に押し込み、上部形成ダイ254を取り外しブラダ300と交換する前に、ラップ材料スタック450を形成するように構成される。上部クロスビーム262の動きを介して垂直運動が可能であることに加えて、上部形成ダイ254は、上部クロスビーム262に装着された上部ダイアクチュエータ264を介して垂直に動かされうる。上部形成ダイ254は、アクチュエータロッド(図示されず)を介して、上部ダイアクチュエータ264に連結されうる。類似の配置において、ブラダ300は、上部クロスビーム262に連結されたブラダアクチュエータ266を介して、垂直に動かされてもよい。ブラダ300は、ブラダ300が形成された後にラップ材料スタック450内にとどまることができるように、アクチュエータロッド268(
図13-14)を介して、ブラダアクチュエータ266に着脱可能に連結されうる(例えば、
図13)。アクチュエータロッド268は、ブラダアクチュエータ266によって、及び/又は上部クロスビーム262によって、ブラダ300から離れるように後退しうる。
【0038】
図5において、上部クロスビーム262は、ベース部材102の長さに沿って、間隔を空けて位置し、ベース部材102から上に向かって延びる対のポスト252によって、反対側にある端で支持されうる。上部ダイアクチュエータ264及びブラダアクチュエータ266は各々、上部クロスビーム262に沿って、独立して移動可能である。上部形成ダイ254は、下部形成ダイ270に対してラップ材料スタック450を形成可能な剛性要素を提供するために、比較的剛性の材料(例えば、金属又は剛性高分子材料)から形成されうる。
【0039】
図9において、上部形成ダイ254は、動いてラップ材料スタック450と接触し、第2のラッププレート180は、ラッププレート開放位置196まで移動し、第1のラッププレート170と第2のラッププレート180との間にラッププレート間隙198を画定する。ラッププレート間隙198は、上部形成ダイ254を受けるようにサイズ決めされうる。また、マンドレル開放位置136まで移動し、第1のマンドレル120と第2のマンドレル126との間にマンドレル間隙138を画定する、第2のマンドレル126が図示される。しかしながら、上記のように、代替的な例において、第1のマンドレル120と第2のマンドレル126との両方が、マンドレル開放位置136まで移動し、マンドレル間隙138を画定してもよい。マンドレル間隙138は、互いに並列関係である下部ダイウェブ部分272を組み合わせた幅に相補的なサイズであってもよい。第2のラッププレート180を第2のマンドレル表面128から遠ざかるように付勢して、第2のラッププレート180の第2のマンドレル表面128に対する動きを容易にするために、正の気圧210が、第2のマンドレル126の開孔152から排出されうる。第1のラッププレート170を第1のマンドレル表面122に対して引き、第1のラッププレート170の第1のマンドレル120に対する動きを防止するために、真空圧158が、第1のマンドレル120の開孔152に印加されうる。加えて、第1のクランピングバー162は、第2のラッププレート180及び第2のマンドレル126が動く間に、ラップ材料スタック450の動きを防止するための追加の対策として、クランプ圧力432をラップ材料スタック450上に、かつ第1のラッププレート170に対して印加しうる。
【0040】
図10は、マンドレル間隙138内の下部形成ダイ270の下部ダイウェブ部分272を示す。上部形成ダイ254の上部ダイキャップ部分256は、ラップ材料スタック450の材料スタックキャップ部分462と接触している。また、第1のラッププレート170に対して、ラップ材料スタック450の第1の材料スタックベース部分452上にクランプ圧力432を及ぼす第1のクランピングバー162と、第2のラッププレート180に対して、ラップ材料スタック450の第2の材料スタックベース部分456上にクランプ圧力432を及ぼす第2のクランピングバー164とが図示される。
【0041】
図11は、上部ダイウェブ部分258が、第1及び第2の材料スタックウェブ部分458,460を下部形成ダイ270の対の下部ダイウェブ部分272に接触するまで付勢する間に、ラップ材料スタック450をラッププレート間隙198に押し込む上部ダイキャップ部分256を示す。上部形成ダイ254が下部ダイウェブ部分272の間の間隙に押し込まれる際に、第1のラッププレート170、第2のラッププレート180、第1のマンドレル120及び第2のマンドレル126は、側方に外に向かって付勢されうる。第1のクランピングバー162及び第2のクランピングバー164によって及ぼされるクランプ圧力432は、ラップ材料スタック450内に側方張力430を生成し、形成プロセス中の少なくともラップ積層板464内での皺の形成を最小化しうる。
図12は、ラップ材料スタック450が下部形成ダイ270の下部ダイキャップ部分274に対して圧密されるまで、形成ダイが垂直に下がる際に、更に側方に外に向かって移動された、第1のラッププレート170、第2のラッププレート180、第1のマンドレル120、及び第2のマンドレル126を示す。真空圧158はオプションで、第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180それぞれを第1のマンドレル表面122及び第2のマンドレル表面128に対して付勢するための、第1のマンドレル120及び第2のマンドレル126内の開孔152上に引かれ、第1のラッププレート170の第1のマンドレル120との運動中、及び第2のラッププレート180の第2のマンドレル126との運動中に、安定効果をもたらしうる。本書で開示される例のいずれかにおいて、第1のマンドレル120、第2のマンドレル126、第1のラッププレート170、第2のラッププレート180、上部形成ダイ254及び/又は下部形成ダイ270は、ラップ積層板464の形成及び折りたたみを容易にするためにラップ積層板464を加熱するための1つ又は複数の加熱要素(図示されず)を含みうる。熱可塑性プリプレグで形成されたラップ積層板464について、熱の印加は、ラップ積層板464を所望の断面形状に形成することができる程度まで、熱可塑性樹脂の粘度を低下させ、その後、形成された断面形状を保持するために、ラップ積層板464を冷却及び凝固させることができる。
【0042】
図13-14を参照すると、ラップ材料スタック450が上部形成ダイ254によって形成された後に、ラップ材料スタック450から取り外され、ブラダ300と交換された上部形成ダイ254が示される。上部形成ダイ254のブラダ300との交換中に、上部形成ダイ254のアクチュエータロッド268は、上部形成ダイ254をラップ材料スタック450から離れるように移動させるために、上部ダイアクチュエータ264によって上に向かって引かれうる。上部ダイアクチュエータ264及びブラダアクチュエータ266は、上部クロスビーム262に沿って側方に移動され、下部形成ダイ270の真上のラップ材料スタック450の位置の上にブラダ300を配置する。ブラダアクチュエータ266は、ラップ材料スタック450内までブラダ300を下げ、その後、ブラダアクチュエータ266のアクチュエータロッド268が着脱され、上に向かって引かれうる。ブラダ300は、ラップ材料スタック450内に残存しうる。
【0043】
本開示の製造システム100において、第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180は、第1の材料スタックベース部分452及び第2の材料スタックベースを互いに重なる関係でブラダ上側302に折りたたみ、ラップ-ブラダアセンブリ480を形成するように構成される。有利には、ラップ材料スタック450を折りたたむために第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180を使用することは、ラップ-ブラダアセンブリ480の形成に通常必要な時間を短縮し、専用折りたたみステーションが不要になる。
【0044】
図15-16は、ラップ材料スタック450をブラダ上側302の上で折りたたむ例を示す。図示された例において、第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180は、ブラダ上側302の上を前後に移動し、第1の材料スタックベース部分452と材料スタックベース部分456とを互いに交互にブラダ上側302上に折りたたむ。
図15は、第1のラッププレート170がそれのラッププレートアクチュエータ192(
図5)によって、第2のラッププレート180に向かう方向に沿って、移動されることを示す。第1のラッププレート170は、第1の材料スタックベース部分452を付勢し、ブラダ上側302の上に折りたたむ一方で、第2のラッププレート180は、静止状態でありうる。第2のラッププレート180を第2のマンドレル126に固定するために、真空圧158が第2のマンドレル126に印加され、第1のラッププレート170を第1のマンドレル120から離れるように付勢するために、正の気圧210が第1のマンドレル120に印加されうる。
図16は、第2のラッププレート180が、ラッププレートアクチュエータ192によって、第1のラッププレート170に向かう方向に沿って移動され、第2のラッププレート180に第2の材料スタックベース部分456を付勢させて第1の材料スタックベース部分452上に折りたたみ、その一方で、第1のラッププレート170が、それのラッププレートアクチュエータ192により後退することを示す。第1のラッププレート170を第1のマンドレル120に固定するために、真空圧が第1のマンドレル120に印加されうる。第2のラッププレート180を第2のマンドレル126から離れるように付勢するために、正の気圧210が第2のマンドレル126に印加されうる。第2のラッププレート180が延びる間に後退する第1のラッププレート170の代替例として、第1のラッププレート170は、第2のラッププレート180が、第1のラッププレート170の上で第2の材料スタックベース部分456を折りたたむ間、ブラダ上側302の上の位置で静止状態を維持し、これにより、第1のラッププレートが第1のラップベース部分を抑制することができるようになり、よって、最初のラップベース部分のもとの位置に向かった跳ね返りを防止する。
【0045】
図17-18を参照すると、上記のように、第1のラッププレート170及び/又は第2のラッププレート180は、オプションで、第1のラッププレート表面エッジ174及び第2のラッププレート表面エッジ184それぞれに近接する第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180内に統合され又は第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180に装着される加熱デバイス186を含みうる。1つの実施形態では、加熱デバイス186は、第1のラッププレート170及び/又は第2のラッププレート180に装着又は埋め込まれる電気絶縁材料(例えば、プラスチック、セラミック)によって覆われた1つ又は複数の抵抗素子(例えば、抵抗線)として構成されうる。しかしながら、デバイスは、多様な他の構成のいずれか1つに設けられてもよい。加熱デバイス186は、複合プライ402内の樹脂を局部的に軟化させるために、熱187を第1の材料スタックベース部分452及び第2の材料スタックベース部分456に局部的に印加し、樹脂の表面混合が、続く工程中に、ラップ材料スタック450をブラダ300の周囲にラップされた状態に維持する手段として、ラップ積層板464の重なる部分の接合を容易にできるように構成される。
【0046】
図18は、第1の材料スタックベース部分452の最上部の上の第2の材料スタックベース部分456の重なり474に、熱187を印加することを示す。第1のクランピングバー162及び第2のクランピングバー164は、それぞれ、第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180に接触して示される。少なくとも第2のクランピングバー164は、第1の材料スタックベース部分452及び第2の材料スタックベース部分456の重なり474で圧力を印加するために、クランプ圧力432を第2のラッププレート180上に印加し、局部加熱中の加熱デバイス186による付着及び樹脂混合を高める。
【0047】
図18では、ブラダ300は剛性であってもよく、及び/又は、ブラダ300は膨張可能であってもよい。1つの例では、ブラダ300は、ラップ-ブラダアセンブリ480(
図20)の硬化後に除去される発泡材料で形成された剛性ブラダ(図示せず)として構成されうる。代替的には、発泡材料は、部品の寿命を通して硬化したラップ-ブラダアセンブリ480の内部に残存するように構成されてもよい。別の例では、ブラダ300は中空であってもよく、ラップ材料スタック450の形成プロセス中に剛性を提供するために、内側の補強材(図示されず)がブラダ300内に挿入されてもよい。第1及び第2の材料スタックベース部分452,456をブラダ上側302上で折りたたむプロセス中に、ブラダ300は、少なくとも、熱が印加され、第1及び第2の材料スタックベース部分452、456を重なり474にクランプする(例えば、軽く接合する)まで、加圧されてもよく、その後、ブラダ300が減圧され、内側の補強材がブラダ300から除去されてもよい。第1及び第2の材料スタックベース部分452、456がブラダ上側302で重なる関係に折りたたまれた後に、ブラダ300の内部加圧が、ラップ積層板464を下部形成ダイ270に対して圧密しうる。ブラダ300は、加熱デバイス186による上記熱187の局部的印加前に及び/又はその間に、内部加圧されてもよい。正の気圧源208(
図5)は、内部ブラダ圧力304を生成するために、空気をブラダ300に注入してもよい。有利には、ブラダ300の内部加圧は、ラップ積層板464の複合材料232の皺を低減又は防止し、また、第1の材料スタックベース部分452の第2の材料スタックベース部分456との一体的な接合を強化しうる。第2のクランピングバー164によって印加されたクランプ圧力432は、第2のラッププレート180が、ブラダ上側302に沿って、ラップ材料スタック450に印加された内部ブラダ圧力304に抵抗できるようにする裏打ち力(backing force)を提供しうる。第1の材料スタックベース部分452の最上部での第2の材料スタックベース部分456の重なり474を加熱した(例えば、加熱デバイス186を使用して)後に、第1のクランピングバー162及び第2のクランピングバー164は、それぞれ第1のラッププレート170及び第1のラッププレート180から後退し、第2のラッププレート180は、第1のラッププレート170に向かって比較的短い距離を移動し、第2のラッププレート180とラップ積層板464内の樹脂との間に形成されたいかなる接着接合をも破壊する(せん断を介して)。ラップ積層板464と第2のラッププレート180との間の接着接合をせん断する(例えば、破壊する)ために第2のラッププレートを移動させることにより、複合プライの皺形成を引き起こすことなく、ラップ積層板464の最上部の複合プライ(図示されず)に引張荷重をもたらしうる。
【0048】
図19は、ラッププレートアクチュエータ192を介した第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180の後退を示し、下部形成ダイ270によって支持されるラップ-ブラダアセンブリ480を公開している。第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180をそれぞれ第1のマンドレル120及び第2のマンドレル126から離れるように付勢するために、正の気圧210が、第1のマンドレル120及び第2のマンドレル126に印加されうる。
図20は、製造システム100から取り外した後のラップ-ブラダアセンブリ480の例の透視図である。図示された例において、ブラダ処理部466は、ラップ積層板464の向かい合った端を越えて延びうる。図示されないが、ブラダ300は、ブラダ処理部466の向かい合った端を越えて延びうる。粘着テープ(図示されず)は、ブラダ300の向かい合った端の各々で、ブラダ処理部466をブラダ300に固定しうる。
【0049】
図21-25を参照すると、第1の材料スタックベース部分452及び第2の材料スタックベース部分456を、ブラダ上側302で互いに重なる関係で折りたたむための代替方法の例を示す。図示された例において、第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180の少なくとも一部は、第1のラッププレート表面エッジ174及び第2のラッププレート表面エッジ184それぞれに近接して位置するピボット軸195の周囲を180度回転するように構成されうる。例えば、第1のラッププレート170及び/又は第2のラッププレート180は各々、第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180それぞれの凹部(図示されず)内に入れ子状になるラッププレート折りたたみ要素194を有し、これにより、ラッププレート折りたたみ要素194が、第1のラッププレート表面172及び第2のラッププレート表面182とそれぞれ同一平面になりうる。
【0050】
図21は、ラッププレート間隙198から突出する第1の材料スタックベース部分452及び第2の材料スタックベース部分456を示す。また、クランプ圧力432を第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180それぞれに印加する第1のクランピングバー162及び第2のクランピングバー164が示される。
図22は、第1の材料スタックベース部分452をブラダ上側302の上に折りたたむ又は裏返す第1のラッププレート170のラッププレート折りたたみ要素194を示す。
図23は、回転してそのもとの位置に戻る第1のラッププレート170のラッププレート折りたたみ要素194を示し、もとの位置で、ラッププレート折りたたみ要素194が第1のラッププレート170に形成された凹部内で入れ子状になりうる。
図24は、第2のラッププレート180のラッププレート折りたたみ要素194が、第1の材料スタックベース部分452最上部に第2の材料スタックベース部分456を折りたたみ又は裏返し、ラップ-ブラダアセンブリ480の折りたたみが完了することを示す。
図25は、回転してそのもとの位置に戻る第2のラッププレート180のラッププレート折りたたみ要素194を示し、もとの位置で、ラッププレート折りたたみ要素194が第2のラッププレート180に形成された凹部内で入れ子状になりうる。
【0051】
図26-28を参照すると、ラップ-ブラダアセンブリ480の台形306(例えば、
図25)とは異なる断面形状のラップ-ブラダアセンブリ480を形成するための、ラップ-ブラダアセンブリ480の代替的な構成及び第1のマンドレル120、第2のマンドレル126、及び下部形成ダイ270の関連する構成の例が示される。
図26は、断面が正方形の形状308であるブラダ300周囲にラップされたラップ材料スタック450の例を示す。図示された例において、下部ダイウェブ部分272は、下部形成ダイ270から省略されてもよく、第1のマンドレル120及び第2のマンドレル126の側面は、内部ブラダ圧力304(
図18)が第1及び第2の材料スタックウェブ部分458,460を圧密する表面として機能しうる。
図27は、断面が三角形の形状310であるブラダ300周囲にラップされたラップ材料スタック450の例を示す。図示された例において、下部ダイキャップ部分274は、下部形成ダイ270から省略されてもよく、内部ブラダ圧力304は、材料スタックウェブ部分を下部ダイウェブ部分272に対して圧密しうる。
図28は、断面がドーム形状312であるブラダ300周囲にラップされたラップ材料スタック450の例を示す。
図28では、下部ダイウェブ部分272は、下部形成ダイ270から省略され、材料スタックウェブ部分が、ブラダ300と第1のマンドレル120及び第2のマンドレル126の側面との間で圧密されうる。
【0052】
図29を参照すると、ラップ-ブラダアセンブリ480を製造する方法500のフローチャートが示される。方法500のステップ502は、
図5に示されるように、第1のラッププレート表面エッジ174及び第2のラッププレート表面エッジ184が互いに近接するよう、第1のラッププレート170と第2のラッププレート180を互いに平行な並列関係で配置することを含む。上記のように、第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180は、互いに平行な並列関係でとなりうる第1のマンドレル120及び第2のマンドレル126上方に配置される。
【0053】
図6-7を参照すると、方法500のステップ502は、第1のラッププレート表面172及び第2のラッププレート表面182でラップ材料スタック450を受けることを含む。ラップ材料スタック450は、1つ又は複数の未硬化の複合プライ402を含みうるラップ積層板464からなる。加えて、ラップ材料スタック450は、ラップ積層板464の最上部にブラダ処理部466を含む。本開示の実施例では、ブラダ処理部466は、ラップ積層板464の最上部の剥離層470、及び剥離層470の最上部のブリーザ層468である。しかしながら、ブラダ処理部466は、様々な異なる種類の層のいずれか1つを含みうる。
【0054】
第1のラッププレート表面172及び第2のラッププレート表面182でラップ材料スタック450を受けるステップ502は、1つ又は複数の積層ヘッド220を使用してラップ材料スタック450をレイアップすることにより、実行されうる。例えば、
図4-6に示されるように、この方法は、集合的な第1のラッププレート170又は第2のラッププレート180の上方で1つ又は複数の積層ヘッド220を支持することを含みうる。加えて、この方法は、第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180を、閉鎖されたラッププレート(例えば、
図5)まで移動させ、第1のラッププレート表面エッジ174及び第2のラッププレート表面エッジ184が互いに並列して当接接触し、集合的ラッププレート表面190を画定することを含みうる。この方法は、加えて、積層ヘッド220から複合材料232及びブラダ処理部466を分配し、ラップ材料スタック450を形成することを含みうる。図示された例において、第1の積層ヘッド220は、複合材料232を分配し、1つ又は複数の複合プライ402をスタック形態にレイアップし、ラップ積層板464を形成するように構成される。第2の積層ヘッド220は、剥離層470をレイアップするための剥離材料236を分配するように構成される。第3の積層ヘッド220は、ブリーザ層468をレイアップするためのブリーザ材料234を分配するように構成される。しかしながら、上記のように、製造システム100は、ラップ材料スタック450を形成するための任意の数の積層ヘッド220を含みうる。加えて、ブラダ上側302の重なり474(例えば、
図18)が互いにオフセットされるように、積層ヘッド220が互いに側方にオフセット472されてもよい。いくつかの例では、方法500は、ラップ材料スタック450のレイアップ中に、第1及び第2のラッププレート170,180の所定の位置にラップ材料スタック450の一定の層を固定することを含みうる。例えば、図示されていないが、製造システム100は、ブリーザ層468をレイアップする前に、ラップ積層板464上の適所に剥離層470の反対側の端又は側面の一方又は両方をクランプするように構成された1つ又は複数のクランプバーなどの1つ又は複数の機構(図示されず)を実装しうる。代替的に又は追加的には、第1及び第2のラッププレート170,180は、レイアップ中の動きを防止するために、ラップ材料スタック450の層のうちの1つ又は複数に真空を引くための開孔(図示されず)を含みうる。ラップ積層板464の樹脂の粘着性(例えば、接着性)はまた、レイアップ中のラップ材料スタック450の層の動きを防止するのを支援しうる。
【0055】
図8-9を参照すると、方法500のステップ504は、第1のラッププレート170及び/又は第2のラッププレート180をラッププレート開放位置196まで移動させ、第1のラッププレート表面エッジ174と第2のラッププレート表面エッジ184との間にラッププレート間隙198を画定する。ラッププレート間隙198は、ブラダ300を受けるための形成ダイ輪郭内にラップ材料スタック450を形成するプロセスの一部として上部形成ダイ254を受けるように、サイズが決定される。
【0056】
図9を参照すると、方法500のステップ506は、第2のマンドレル126を、第2のマンドレル表面エッジ130に直角な方向に沿って、マンドレル開放位置136まで移動させることを含む。上記のように、マンドレル開放位置136は、第1のマンドレル表面エッジ124と第2のマンドレル表面エッジ130との間にマンドレル間隙138を画定する。代替的な例では、方法500ステップ506は、第1のマンドレル120と第2のマンドレル126との両方を互いに離れるように移動させ、マンドレル間隙138を画定すること含みうる。この方法は、
図10に示されるように、マンドレル間隙138内で下部形成ダイ270を受けることを更に含みうる。図示された例において、下部ダイウェブ部分272は、マンドレル間隙138内の位置内に上に向かって移動されうる。
【0057】
図11-12を参照すると、方法500のステップ508は、ブラダ300又は上部形成ダイ254を使用して、ラップ材料スタック450を、ラッププレート間隙198及びマンドレル間隙138内に少なくとも部分的に押し込むことを含む。方法は、上部形成ダイ254を下に向かって移動させ、ラップ材料スタック450に接触させることを含みうる。加えて、ステップ508は、上部形成ダイ254を使用して、ラップ材料スタック450を、ラッププレート間隙198及びマンドレル間隙138内に押し込み、かつ下部形成ダイ270に対して付勢して、ラップ材料スタック450を少なくとも部分的に形成することを含みうる。この方法は、上部形成ダイ254によってラップ材料スタック450に印加される圧密圧力に対してラップ材料スタック450を支持することを更に含みうる。
【0058】
図12-14を参照すると、方法500のステップ510は、ラップ材料スタック450を少なくとも部分的にラッププレート間隙198及びマンドレル間隙138に押し込むことに応じて、ラップ材料スタック450を形成することと、その結果、第1及び第2の材料スタックベース部分452,456が少なくとも部分的にラッププレート間隙198から延びることとを含む。形成完了後、方法は、
図13に示されるように、上部形成ダイ254を、下部形成ダイ270内部のラップ材料スタック450から取り外すことと、ブラダ300をラップ材料スタック450内に設置することとを含みうる。上記のように、上部形成ダイ254及びブラダ300は各々、
図13に示されるように、上部クロスビーム262に沿って側方に移動されうる。加えて、上部形成ダイ254は、上部ダイアクチュエータ264を介して垂直に動くことができ、ブラダ300は、ブラダアクチュエータ266を介して垂直に動くことができる。
図14に示されるように、ブラダ300は、アクチュエータロッド268に着脱可能に連結されてもよく、ブラダ300を、形成後にラップ材料スタック450内に残存できるようにし、アクチュエータロッド268を、ブラダアクチュエータ266によってブラダ300から離れるように後退させることができる。
【0059】
図15-16を参照すると、方法500のステップ512は、第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180を使用して、第1の材料スタックベース部分452及び第2の材料スタックベース部分456を互いに重なる関係でブラダ上側302に折りたたみ、ラップ-ブラダアセンブリ480を形成することを含む。いくつかの例では、ステップ512は、
図15-16において、代替的な方法で、第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180を前後にブラダ上側302の上で移動させることを含みうる。例えば、第1のラッププレート170は、ブラダ上側302の上方で移動し(例えば、ラッププレートアクチュエータ192を介して)、第2のラッププレート180に向かう方向に沿って移動し、第1の材料スタックベース部分452を付勢して、ブラダ上側302上に折りたたみ、その後、第2のラッププレート180が第1のラッププレート170に向かう方向に沿って移動し、第2のラッププレート180に、第2の材料スタックベース部分456を付勢させ、第1の材料スタックベース部分452上に折りたたみ、他方で、第1のラッププレート170が後退する。第2のラッププレート180が延びる間に後退する第1のラッププレート170の代替例として、第1のラッププレート170は、ブラダ上側302上の位置で静止状態を維持し、その一方で、第2のラッププレート180が第2の材料スタックベース部分456を第1のラッププレート170上で折りたたみ、これによって、第1のラッププレート170は、第1の材料スタックベース部分452を下に抑えることができ、よって、第1の材料スタックベース部分452が、もとの位置に跳ね返り、不所望に、第2のラッププレート180が、第1の材料スタックベース部分452を、ブラダ上側302の折りたたまれた位置から離れるように折りたたむことを防止する。
【0060】
折りたたみプロセス完了後に、ラップ-ブラダアセンブリ480は、製造システム100から取り外され、別個にレイアップされ、ラップ-ブラダアセンブリ480(例えば、
図53)の断面輪郭に相補的な断面輪郭に形成されるストリンガ積層板400内に設置されうる。ラップ-ブラダアセンブリ480及びストリンガ積層板400は、アセンブリとして、共結合又は共硬化されうる。代替的に又は追加的には、ラップ-ブラダアセンブリ480及びストリンガ積層板400(例えば、
図53)の1つ又は複数のアセンブリは、外板部材422(例えば、
図54)と共結合又は共硬化され、補強された複合構造420(
図54)を形成しうる。
【0061】
図21-25を参照すると、ラップ材料スタック450を折りたたむ代替例は、第1のラッププレート表面エッジ174及び第2のラッププレート表面エッジ184に近接してそれぞれ位置する第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180の少なくとも一部をピボット軸195周囲で交互に回転させることを含みうる。図示されない例では、第1のラッププレート170の全体及び第2のラッププレート180の全体は、第1の材料スタックベース部分452及び第2の材料スタックベース部分456をそれぞれブラダ上側302の最上部に折りたたむために、およそ180度回転するように構成されうる。図示された例において、第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180は各々、ラッププレート折りたたみ要素194を有している。第1のラッププレート170のラッププレート折りたたみ要素194は、回転し(例えば、およそ180度)、第1の材料スタックベース部分452をブラダ上側302に裏返すように構成され、その後、第2のラッププレート180のラッププレート折りたたみ要素194が回転し(例えば、およそ180度)、第2の材料スタックベース部分456を、ブラダ上側302上方で第1の材料スタックベース部分452上に裏返しうる。
【0062】
簡単に
図17-18を参照すると、方法500は、ブラダ上側302上で重ねられると、第1の材料スタックベース部分452及び/又は第2の材料スタックベース部分456を加熱することを更に含みうる。上記のように、第1のラッププレート170及び/又は第2のラッププレート180の加熱デバイス186を使用して、熱187が印加されうる。熱187を印加した結果として、この方法は、第1の材料スタックベース部分452及び第2の材料スタックベース部分456を少なくとも部分的にまとめて接合することを含みうる。より具体的には、熱187の印加は、結果的に、ラップ材料スタック450をブラダ300の周囲に固定するための手段として、ラップ積層板464の重ねられたエッジをまとめて接合しうる。
【0063】
図18において、ラップ-ブラダアセンブリ480を製造する方法500は、第1の材料スタックベース部分452及び第2の材料スタックベース部分456を互いに重なる関係でブラダ上側302に折りたたんだ後に、ブラダ300を内部加圧することを含みうる。ブラダ300は、第1のラッププレート170又は第2のラッププレート180のどちらかがブラダ上側302の上に配置される間に、内部加圧されうる。この方法は、ブラダ300の内部加圧の結果として、ラップ積層板464を、下部形成ダイ270に対して、かつ第2のラッププレート180に対して、圧密することを含みうる。ブラダ300の内部加圧は、ラップ積層板464の強化をもたらしうる。加えて、ブラダ300の内部加圧は、ラップ積層板464の複合材料232の皺を低減又は防止し、また、第1の材料スタックベース部分452と第2の材料スタックベース部分456との間の接合を強化しうる。上記のように、
図20は、台形306の断面に形成されたラップ-ブラダアセンブリ480の例を示す。しかしながら、上記のように、ラップ-ブラダアセンブリ480は、限定されないが、正方形の形状308(
図26)、三角形の形状310(
図27)、及びドーム形状312(
図20)を含む様々な他の形状に形成されうる。
【0064】
ここで
図30-52を参照すると、ストリンガ-ラップ-ブラダアセンブリ490(
図53)を形成するために実装され、
図30-52の製造システム100が、第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180でラップ材料スタック450(例えば、
図39-40)を受ける前に、第1のマンドレル120及び第2のマンドレル126上でストリンガ積層板400を支持するように図示されていることを除き、ラップ-ブラダアセンブリ480(
図20)を形成するための製造システム100(例えば、
図1及び
図5)の上記例に類似する製造システム100の例が示される。
図41に示されるように、第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180はそれぞれ、ストリンガ積層板400の上で支持され、ストリンガ積層板400は、第1のマンドレル120及び第2のマンドレル126の上で支持される。
図42-46に示され、以下に記載されるように、ラップ材料スタック450及びストリンガ積層板400は、
図8-13に示されるように、ラップ材料スタック450を形成するための上記プロセスに類似する方法で、所望のストリンガ断面形状に共形成される。
図48-51に示され、以下に記載されるように、第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180は、
図15-18に示された上記プロセスに類似の方法で、ラップ材料スタック450をブラダ上側302上方で折りたたむために実装される。有利には、本開示の製造システム100(
図30)上でストリンガ積層板400をラップ材料スタック450とレイアップし共形成できることにより、そうでなければストリンガ積層板400及びラップ材料スタック450を別々にレイアップし形成する必要のある別個のステーションの必要性を除外しうる。
【0065】
図30-31において、第1のマンドレル120及び第2のマンドレル126が、第1のマンドレル表面122及び第2のマンドレル表面128によって画定される集合的マンドレル表面134を形成するために、第1のマンドレル表面エッジ124及び第2のマンドレル表面エッジ130が並列して当接接触しているマンドレル閉鎖位置132に示される。集合的マンドレル表面134は、レイアップ中及びオプションのトリミング中に、ストリンガ積層板400のども部分も支持されないように、集合的マンドレル表面134に段差、間隙、破損部分、中断部分、及び/又は不連続部分が存在しないという意味で連続的であり、ストリンガ積層板400がレイアップされ、オプションでトリミングされる精度を高めうる。上記のように、製造システム100は、第1のマンドレル表面122の第2のマンドレル表面128との垂直な位置合わせを維持するための1つ又は複数の位置合わせ機構140を含みうる。例えば、上記のように、第1のマンドレル120及び第2のマンドレル126は、側方レール142上で支持され、第1のマンドレル120及び第2のマンドレル126が動く間の位置合わせを維持しうる。代替的に又は追加的には、第1のマンドレル120及び第2のマンドレル126は、
図32に示されるように、近接した位置にあると、第1のマンドレル表面122の第2のマンドレル表面128への垂直な位置合わせを維持するための、ピン146及びソケット148配置(
図32)を含みうる。
【0066】
なおも
図30-31を参照すると、第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180は、互いに離れるように移動し(例えば、ラッププレートアクチュエータ192を介して後退し)、集合的マンドレル表面134を露出するように構成される。集合的マンドレル表面134は、第1のラッププレート表面172及び第2のラッププレート表面182がラップ材料スタック450(
図39)を受け取る前に、ストリンガ積層板400を受けるように構成される。ストリンガ積層板400は、所望のプライスタック順に配置された1つ又は複数の未硬化の複合プライ402(例えば、炭素繊維プリプレグ)からなりうる。ストリンガ積層板400は、
図39-40に示されるように、ラップ材料スタック450より大きな幅を有し、
図53に示されるように、第1のストリンガフランジ部分406及び第2のストリンガフランジ部分408を画定する。
図39-51に示されるように、ストリンガ積層板400は、下記のように、ラップ材料スタック450のレイアップ中、及びストリンガ積層板400及びラップ材料スタック450の共形成中に、第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180を支持しうる。
【0067】
図30-34では、製造システム100は、ストリンガ積層板400をレイアップするための、第1のマンドレル120及び第2のマンドレル126の上方で支持可能な少なくとも1つの積層ヘッド220を含みうる。図示された例において、ストリンガ積層板400をレイアップするための積層ヘッド220は、ストリンガ積層板400のレイアップ完了後に、続くラップ材料スタック450をレイアップするための1つ又は複数の積層ヘッド220を支持する同一のガントリ104上で支持されうる。先ほど記載し、
図2-3に示されるように、製造システム100は、製造システム100の一端又は両端に、交換積層ヘッド220又はトリミングデバイス250などの他の種類のデバイスを支持するための、ステージングエリア281(
図33-34)を含みうる。ステージングエリア281は、交換積層ヘッド220又はガントリ104上で積層ヘッド220の1つ又は複数と置き換えるための他の種類のデバイスを保管するための場所を提供しうる。
【0068】
図30-31では、ストリンガ積層板400をレイアップするための積層ヘッド220は、
図4-6に示されるラップ材料スタック450をレイアップするための上記積層ヘッド220と同様に構成されうる。例えば、
図30-31の積層ヘッド220は、レイアップ材料230(例えば、複合材料232)の材料ロール228を支持するための材料供給ドラム226を含みうる。加えて、積層ヘッド220は、積層ヘッド220の構成要素を通してレイアップ材料230を案内するための1つ又は複数のリダイレクトローラ240を含みうる。加えて、層ヘッド220は、レイアップ材料230を切断するためのカッターアセンブリ244と、レイアップ材料230(例えば、複合材料232)と共に含まれるバッキング層238を除去するためのバッキング層分離アセンブリ242(
図4)とを含みうる。積層ヘッド220はまた、レイアップ材料230を集合的マンドレル表面134上に圧密するための圧密デバイス248を含みうる。加えて、積層ヘッド220は、複合材料232からの分離後にバッキング層238を巻き上げるためのバッキング層収集ドラム246を含みうる。
【0069】
図30-31では、積層ヘッド220は、プリプレグ複合材料232を集合的マンドレル表面134上に分配し、ストリンガ積層板400を形成するように構成されうる。しかしながら、ガントリ104は、異なる種類若しくは幅の複合材料232又は異なる種類のレイアップ材料230を分配するように構成された1つ又は複数の積層ヘッド220といった、ストリンガ積層板400をレイアップするための追加の積層ヘッド220を支持するように構成されうる。例えば、複合材料232を分配するための積層ヘッド220(
図30-31)に加えて、ガントリ104は、接着剤(図示されず)を分配し、ストリンガ積層板400とラップ積層板464との間の粘着性を高めるための、及び/又はストリンガ-ラップ-ブラダアセンブリ490が共結合又は共硬化され、補強された複合構造420(
図54)を形成する、ストリンガ積層板400と外板部材422(
図54)との間の粘着性を高めるための接着層(図示されず)をストリンガ積層板400上に形成するように構成された積層ヘッド220を含みうる。図示されないが、製造システム100には、ストリンガ積層板400をレイアップするための1つ又は複数の積層ヘッド220を支持する第1のガントリ104と、ラップ材料スタック450をレイアップするための1つ又は複数の積層ヘッド220を支持するための第2のガントリ104とを含む、2つのガントリ104が提供されうる。未使用のガントリ104のいずれかが、ステージングエリア281の1つで保管されうる。
【0070】
上記のように、製造システム100は、ストリンガ積層板400のレイアップ及びオプションでトリミング中に、及び/又はストリンガ積層板400及びラップ材料スタック450の共形成中に、ストリンガ積層板400を第1のマンドレル120及び/又は第2のマンドレル126の上の固定位置に動かずに固定するように構成された1つ又は複数の積層板固定機構150を含みうる。有利には、積層板固定機構150は、ストリンガ中心線404(
図30-31)が上部形成ダイ254及び/又は下部形成ダイ270のダイ中心線260(
図30)と位置合わせされるように、共形成中のストリンガ積層板400の配置の正確さのために、第1のマンドレル表面エッジ124及び第2のマンドレル表面エッジ130に対するストリンガ積層板400の位置を維持しうる。
【0071】
図30-32に示され、上記されたように、積層板固定機構150は、第1のマンドレル表面122及び第2のマンドレル表面128の少なくとも1つに形成された複数の開孔152(
図31)を含みうる。開孔152は、ストリンガ積層板400を第1のマンドレル120及び第2のマンドレル126に固定するために真空圧158を生成する真空圧力源156(例えば、
図30)に流体連通しうる。例えば、
図31-32は、積層ヘッド220によるストリンガ積層板400のレイアップ中に、第1のマンドレル表面122及び第2のマンドレル表面128に対してストリンガ積層板400を引くための真空圧158の印加を図示する。
図38-52に示されるように、真空圧158は、ストリンガ積層板400及びラップ材料スタック450をレイアップし、ストリンガ積層板400をラップ材料スタック450と共形成するために、必要に応じて、第1のマンドレル120及び/又は第2のマンドレル126内の開孔152に印加されうる。
【0072】
図33-38及び
図43-47に示され、上述のように、積層板固定機構150は、ベース部材102の長さ方向に沿って延びる第1のクランピングバー162及び/又は第2のクランピングバー164といった1つ又は複数のピンチ機構160を含みうる。ピンチ機構160は、第1のマンドレル表面122及び/又は第2のマンドレル表面128に対してストリンガ積層板400の動きを制限又は防止するために、ストリンガ積層板400を第1のマンドレル表面122及び/又は第2のマンドレル表面128に機械的にクランプするように構成されうる。いくつかの例では、第1のクランピングバー162及び第2のクランピングバー164は、ストリンガ積層板400上で支持される第1のラッププレート170及び/又は第2のラッププレート180を通してクランプ圧力432を印加しうる。第1のクランピングバー162及び/又は第2のクランピングバー164は、ラップ材料スタック450に耐え、ストリンガ積層板400及びラップ材料スタック450を共形成する間に、第1のマンドレル120及び/又は第2のマンドレル126上の固定位置にラップ材料スタック450とストリンガ積層板400との両方を動かずに固定するように構成されうる。
【0073】
図42に示されるように、製造システム100は、ストリンガ積層板400を第1のマンドレル表面122及び/又は第2のマンドレル表面128から解放し、これにより、ストリンガ積層板400と第1のマンドレル表面122及び/又は第2のマンドレル表面128との間の相対運動を可能にするように構成された、1つ又は複数の積層板解放機構206を含みうる。
図42では、積層板解放機構は、ストリンガ積層板400を第1のマンドレル120及び/又は第2のマンドレル126から離れるように付勢するための、第1のマンドレル120及び/又は第2のマンドレル126の開孔152への正の気圧210の印加を含む。
図42は、第2のマンドレル126のマンドレル開放位置136への移動中に、ストリンガ積層板400を第1のマンドレル120上の固定位置に動かず固定するための真空圧158の印加を示す。
【0074】
図35を参照すると、製造システム100は、オプションで、レイアップ完了後に、集合的マンドレル表面134上でストリンガ積層板400をトリミングするように構成されたトリミングデバイス250を含みうる。トリミングは、第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180上でのラップ材料スタック450のレイアップ前に実行されうる。いくつかの例では、トリミングデバイス250は、ステージングエリア281の1つで保管されうる。下記のように、ガントリ104は、ステージングエリア281の1つまで動き、ガントリ104上の積層ヘッド220の1つをトリミングデバイス250と交換するように構成されうる。トリミングデバイス250は、ガントリ104によって、集合的マンドレル表面134の長さ方向及び側方方向に沿って動かされうる。トリミングデバイス250は、集合的マンドレル表面134で支持される間に、ストリンガ積層板400をトリミングしうる。図示されないが、方法500は、第1及び第2のラッププレート170,180上でのラップ材料スタック464のレイアップ中又はレイアップ後に、ラップ材料スタック464の層のうちの1つ又は複数をトリミングすることを含みうる。例えば、ラップ材料スタック450を形成し折りたたむ前に、製造システム100は、
図35に示され以下に記載されるトリミングデバイス250に類似の方法で、ラップ材料スタック464の1つ又は複数の層の正味形状又はほぼ正味形状のトリミングを実行するように構成されたトリミングデバイス250を含みうる。
【0075】
トリミングデバイス250は、超音波カッター、レーザーカッター(図示せず)、機械的ブレード(図示せず)又は他の構成として、構成されうる。トリミングデバイス250は、ストリンガ積層板400を対称又は非対称形状に(例えば、積層中心線の周囲で)正確にトリミングするように構成されうる。真空圧158を開孔152上に引くことで、トリミング工程中に、集合的マンドレル表面134上の位置にストリンガ積層板400を動かないように固定しうる。トリミングデバイス250は、任意の数の様々な異なる種類の形状特徴をストリンガ積層板400にトリミングするように構成されうる。例えば、
図53に示されるように、トリミングデバイス250は、ストリンガ積層板400の外周をトリミングして、ストリンガ積層板400の反対側にある端の各々にタブ424を形成するように構成されうる。トリミングの完了後に、ラップ材料スタック450のレイアップ中に使用するため、トリミングデバイス250を積層ヘッド220と交換するために、ガントリ104は、ステージングエリア281(
図36-37)の1つまで動きうる。
【0076】
ラップ材料スタック450のレイアップ前に、第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180は、
図38-39に示されるように、ラッププレートアクチュエータ192によって、ラッププレート閉鎖位置188内に動かすことができる。第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180は、第1のマンドレル120及び第2のマンドレル126の上で支持されうる。
図39は、
図6を参照して上述した、第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180によって画定される集合的ラッププレート表面190の上でラップ材料スタック450をレイアップする積層ヘッド220の例を示す。
図40は、ストリンガ積層板400の上で支持される第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180の最上部のラップ材料スタック450を示す。
【0077】
図55のフローチャートを
図30-54と共に参照すると、
図55には、ストリンガ-ラップ-ブラダアセンブリ490を製造する際に、第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180がストリンガ積層板400上で支持され、ストリンガ積層板400が第1のマンドレル表面122及び第2のマンドレル表面128上で支持されることを除き、ラップ-ブラダアセンブリ480(
図20)を形成する上記方法500に類似する、ストリンガ-ラップ-ブラダアセンブリ490(
図53)を製造する方法600が示される。加えて、ストリンガ積層板400のレイアップ及び形成、並びにブラダ300のラッピングは、ラップ-ブラダアセンブリ480を形成されたストリンガ積層板400(例えば、
図53)に設置するための別個のピックインプレース工程(pick-in-place operation)を必要とせずに、単一の機器(例えば、製造システム100)で実行されうる。
【0078】
図30-32を参照すると、方法600は、第2のマンドレル126の第2のマンドレル表面エッジ130を、第1のマンドレル120の第1のマンドレル表面エッジ124と並列して当接接触するようにマンドレル閉鎖位置132に配置し、第1のマンドレル表面122及び第2のマンドレル表面128によって画定される集合的マンドレル表面134を形成することを含む。方法は、集合的マンドレル表面134が、レイアップ及びオプションのトリミング中に、並びにストリンガ積層板400のラップ材料スタック450との共形成中に、連続的であるように、1つ又は複数の位置合わせ機構140を使用して、第1のマンドレル120と第2のマンドレル126との間で垂直な位置合わせを維持することを含みうる。上記のように、位置合わせ機構140は、第1のマンドレル120及び第2のマンドレル126が支持される側方レール142(
図30)を含みうる。代替的に又は追加的には、位置合わせ機構140は、集合的マンドレル表面134の長さに沿って間隔を空けて位置するピン146及びソケット148の配置(
図32)を含みうる。
【0079】
図30-32をなおも参照すると、方法600のステップ602は、第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180が、ラッププレートアクチュエータ192(
図30)によって互いに離れるように移動され、集合的マンドレル表面134を露出した後に、集合的マンドレル表面134でストリンガ積層板400を受けることを含む。いくつかの例では、ストリンガ積層板400は、別個の積層ステーション(図示されず)でレイアップされ、次いで、本開示の製造システム100に輸送され、集合的マンドレル表面134に設置されうる。しかしながら、本開示の実施例では、ストリンガ積層板400を集合的マンドレル表面134で受けるステップ602は、
図30-31に示されるように、積層ヘッド220から、複合材料232の1つ又は複数のプライを集合的マンドレル表面134に分配し、ストリンガ積層板400をレイアップすることを含みうる。ストリンガ積層板400をレイアップするための積層ヘッド220は、ストリンガ積層板400のための複合材料232が、ラップ材料スタック450のレイアップで使用されるレイアップ材料230の幅より大きい幅(例えば、
図31)を有していることを除き、ラップ材料スタック450をレイアップするために使用される積層ヘッド220と同一の一般的な構成を有しうる。
【0080】
図33-37を参照すると、いくつかの例では、この方法は、複合積層板のレイアップ後に、集合的マンドレル表面134上のストリンガ積層板400をトリミングすることを含みうる。上記のように、製造システム100のいくつかの例では、トリミングデバイス250(例えば、超音波カッター)は、ラップ材料スタック450を受けるために第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180を互いに平行な並列関係で配置する前に、ストリンガ積層板400をトリミングするために含まれうる。このようなトリミングデバイス250は、製造システム100と共に含まれる少なくとも1つのステージングエリア281に保管されうる。
図30-31に示されるように、ガントリ104は、トリミングデバイス250及び各積層ヘッド220と共に含まれるデバイス連結機構224に着脱可能に連結されるように構成されたガントリ連結機構108を含みうる。
図33-34に示されるように、ガントリ104は、ステージングエリア281まで動き、デバイス連結機構224は、デバイススタンド280上で支持されるトリミングデバイス250をストリンガ積層板400積層ヘッド220に迅速に交換可能にしうる。ストリンガ積層板400(
図35)のトリミング後に、ガントリ104は、
図36-37に示されるステージングエリア281に戻り、トリミングデバイス250は、ラップ材料スタック450をレイアップするための積層ヘッド220と交換されうる。
【0081】
ストリンガ積層板400で実行される工程のいずれかの間に、この方法は、第1のマンドレル120及び第2のマンドレル126のうちの少なくとも1つの固定位置にストリンガ積層板400を動かないように固定することを含みうる。例えば、この方法は、ストリンガ積層板400のレイアップ又はトリミング中に、真空圧158(例えば、
図40-52)をストリンガ積層板400に、更に第1のマンドレル表面122及び/又は第2のマンドレル表面128内に形成された複数の開孔152に、印加することを含みうる。真空圧158は、ストリンガ積層板400を集合的マンドレル表面134に対して引き、これにより、ストリンガ積層板400の動きを防止しうる。
図42では、ストリンガ積層板400は、下記のように、第2のマンドレル126のマンドレル開放位置136への移動中に、第1のマンドレル120上の固定位置に固定されうる。真空圧158を印加する代わりに又はそれに加えて、この方法は、
図41-47及び
図50-52に示されるように、1つ又は複数のピンチ機構160を使用して、ストリンガ積層板400を第1のマンドレル表面122及び/又は第2のマンドレル表面128に機械的にクランプすることを含みうる。本開示の実施例では、ピンチ機構160は、クランプ圧力432をストリンガ積層板400に印加するための第1のクランピングバー162及び第2のクランピングバー164として示される。しかしながら、ピンチ機構160は、多様な異なる配置のいずれかで提供されうるのであり、垂直に動くことができるクランピングバーに限定されない。
【0082】
図38を参照すると、方法600のステップ604は、第1のラッププレート表面エッジ174及び第2のラッププレート表面エッジ184がラッププレート閉鎖位置188で互いに近接するように、第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180を互いに平行な並列関係で配置することを含む。第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180は、上記ラッププレートアクチュエータ192を介して、ラッププレート閉鎖位置188内に延びうる。
【0083】
図39-40を参照すると、方法600のステップ606は、第1のラッププレート表面172及び第2のラッププレート表面182でラップ材料スタック450を受けることを含む。上記のように、ラップ材料スタック450は、第1の材料スタックベース部分452及び第2の材料スタックベース部分456を有しており、ラップ材料スタック450は、1つ又は複数の未硬化の複合プライ402からなるラップ積層板464を含む。ラップ材料スタック450はまた、ラップ積層板464の最上部にブラダ処理部466を含みうる。
図6に示され上述のように、ブラダ処理部466は、ラップ積層板464の最上部に剥離層470を、及び剥離層470の最上部にブリーザ層468を含みうる。ステップ606は、
図39に示す積層ヘッド220によって実行されうる。上記のように、積層ヘッド220の側方位置は、互いにオフセットされ、
図40に示すラップ材料スタック450の層にオフセット472をもたらす。
【0084】
図41-42を参照すると、方法600のステップ608は、第1のラッププレート170及び/又は第2のラッププレート180をラッププレート開放位置196まで移動させ、第1のラッププレート表面エッジ174と第2のラッププレート表面エッジ184との間にラッププレート間隙198を画定する。ラッププレートアクチュエータ192(
図35)は、ラッププレート間隙198が上部形成ダイ254又はブラダ300等の形成ダイを受けるようにサイズ決定される幅を有するように、第1のラッププレート170及び/又は第2のラッププレート180を配置しうる。
【0085】
ステップ610は、第2のマンドレル126を、第2のマンドレル表面エッジ130に直角な方向に沿って、マンドレル開放位置136まで移動させ、マンドレル間隙138を画定することを含みうる。しかしながら、上記のように、代替例では、第1のマンドレル120と第2のマンドレル126との両方が、マンドレル開放位置136に移動されてもよい。下部ダイウェブ部分272は、マンドレル間隙138内に垂直に移動されうる。この方法は、ストリンガ積層板400を第2のマンドレル表面128から解放し、第2のマンドレル126のマンドレル開放位置136への移動中に、ストリンガ積層板400と第2のマンドレル表面128との間の相対運動を可能にすることを含みうる。ストリンガ積層板400を第2のマンドレル表面128から解放することは、空気(例えば、正の気圧210)を、正の気圧源208に流体連通する、第2のマンドレル表面128の複数の開孔152に通すことによって実行されうる。上記のように、第2のマンドレル126がマンドレル開放位置136に向かって移動する間に、ストリンガ積層板400を第1のマンドレル120に固定する手段として、真空圧158が第1のマンドレル表面122の開孔152を通して引かれうる。第1のクランピングバー162は、第2のマンドレル126のストリンガ積層板400に対する移動中に、固定位置のストリンガ積層板400を第1のマンドレル120に固定する手段として、クランプ圧力432をラップ材料スタック450及び第1のラッププレート170上に印加しうる。
【0086】
図43-45を参照すると、方法600のステップ612は、ラップ材料スタック450及びストリンガ積層板400を少なくとも部分的にラッププレート間隙198及びマンドレル間隙138に押し込むことを含む。例えば、上部形成ダイ254又はブラダ300は、ラップ材料スタック450及びストリンガ積層板400を少なくとも部分的にラッププレート間隙198及びマンドレルに押し込むために、垂直に下げられうる。
図44では、上部形成ダイ254の下に向かう移動が、
図43-45に示す共形成プロセス中にストリンガ積層板400及びラップ材料スタック450で側方張力430を生成する手段として、ラップ材料スタック450を、ラッププレート間隙198及びマンドレル間隙138に押し込む際に、第1のクランピングバー162及び第2のクランピングバー164は、クランプ圧力432をラップ材料スタック450上に印加しうる。
【0087】
図45を参照すると、方法600のステップ614は、第1のストリンガフランジ部分406が第1のラッププレート170と第1のマンドレル表面122との間で捕捉され、かつ第2のストリンガフランジ部分408が第2のラッププレート180と第2のマンドレル表面128との間で捕捉されるように、ラップ材料スタック450及びストリンガ積層板400を少なくとも部分的にラッププレート間隙198及びマンドレル間隙138に押し込むことに応じて、ラップ材料スタック450及びストリンガ積層板400を形成することを含む。
図45は、下部ダイキャップ部分274が下部ダイウェブ部分272の間の位置に垂直に動かされ、上部形成ダイ254が圧密圧力をストリンガ積層板400のキャップ部分上に印加しつつ、同時に、圧密圧力をストリンガ積層板400のウェブ部分に印加する表面を提供する様子を示す。第1の材料スタックベース部分452及び第2の材料スタックベース部分456は、ラッププレート間隙198から延び、第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180の上方でそれぞれ支持されうる。
図42-45は、上部形成ダイ254が、ラップ材料スタック450及びストリンガ積層板400を共形成するために使用されていることを示すが、代替例では、上部形成ダイ254は、製造システム100から省略されてもよく、ブラダ300は、ラップ材料スタック450及びストリンガ積層板400を共形成するために使用されてもよい。
【0088】
図46-47を参照すると、上部形成ダイ254を交換するブラダ300が示される。ブラダ300は、ブラダアクチュエータ266を介して、適所に下げられうる。
図47は、アクチュエータロッド268が、ブラダ上側302から取り外され、ブラダ300が、上部形成ダイ254によって形成された空洞内に残っている様子を示す。
【0089】
図48-49を参照すると、方法600のステップ616は、第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180を使用して、第1及び第2の材料スタックベース部分452,456を互いに重なる関係でブラダ上側302の上に折りたたみ、ストリンガ-ラップ-ブラダアセンブリ490を形成することを含む。図示された例において、第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180は、ブラダ上側302の上を前後に移動し、第1の材料スタックベース部分452と材料スタックベース部分456とを互いに交互にブラダ上側302上に折りたたむ。
図15-16に示す上記の例と同様に、
図48-49は、第1のラッププレート170が、第2のラッププレート180に向かって移動され、第1の材料スタックベース部分452をブラダ上側302(例えば、
図48)上に折りたたみ、その後、第2のラッププレート180が第1のラッププレート170に向かって移動され、第2の材料スタックベース部分456を第1の材料スタックベース部分452上で折りたたむ一方で、第1のラッププレート170が後退する様子を示す。代替的には、第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180は各々、
図21-25で上述したのと同様の方法で、第1の材料スタックベース部分452及び第2の材料スタックベース部分456をブラダ上側302の上で互いの最上部に裏返すためのラッププレート折りたたみ要素194を有しうる。
【0090】
図50-51を参照すると、
図17-18を参照して先ほど記載したように、第1の材料スタックベース部分458の最上部で第2の材料スタックベース部分456の重なり474に熱187を印加し、ラップ積層板464の重なり部分の接合を容易にするための、オプションで第2のラッププレート180と共に含まれうる加熱デバイス186が示される。ラップ積層板464のプリプレグ複合プライ402の硬化状態を過度に進めることを避けるために、熱187の印加は最小化されうる。
図50-51はまた、ラップ積層板464を下部ダイウェブ部分272及び下部ダイキャップ部分274に対して圧密化及び強化するために、ブラダ300が内部加圧されていることを示す。第2のクランピングバー164は、クランプ圧力432を第2のラッププレート180上に印加し、ラップ材料スタック450を強化し、ラップ積層板464の重なり部分の間の接合を高めるための手段として、ブラダ300のブラダ上側302への内部加圧に抵抗しうる。
【0091】
図52は、第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180が後退し、下部形成ダイ270内で支持されるストリンガ-ラップ-ブラダアセンブリ490が現れることを示す。
図53は、製造システム100から取り外した後のストリンガ-ラップ-ブラダアセンブリ490を示す。第1及び第2のストリンガフランジ部分406,408に加えて、ストリンガ積層板400はまた、ストリンガキャップ部分414によって相互連結され、
図53に示されるように、材料スタックキャップ部分462によって相互連結された第1の材料スタックウェブ部分458及び第2の材料スタックウェブ部分460にそれぞれ組み立てられる、第1のストリンガウェブ部分410及び第2のストリンガウェブ部分412を有している。
図54は、複数のストリンガ-ラップ-ブラダアセンブリ490を外板部材422に共硬化又は共結合することによって生成される、補強された複合構造420の例を示す。図示されないが、共硬化又は共結合は、アセンブリをまず真空バギングすることによって実行されうる。共硬化又は共結合中に、各ストリンガ-ラップ-ブラダアセンブリ490のブラダ300は、内部加圧され、ラップ積層板464の外板部材422への接合を容易にしうる。補強された複合構造420が硬化された後に、ブラダ300は、減圧され取り外されうる。
【0092】
図56-70を参照すると、
図20に示されるラップ-ブラダアセンブリ480を製造するための、専用積層ステーション282及び専用形成ステーション286を有する製造システム100の例が示される。
図56-58では、積層ステーション282及び形成ステーション286は、互いにエンドツーエンド(end-to-end)の関係で配置される。図示されないが、
図56-58の製造システム100は、オプションで、積層ステーション282と形成ステーション286との間に、エンドツーエンドの関係で配置されたトリミングステーションを含みうる。積層ステーション282は、ブラダ300、上部形成ダイ254、支持上部クロスビーム262、及びポスト252が省略されてもよいことを除いて、
図1-3に示した上記製造システム100と同様に構成されうる。製造システム100と共に含まれる場合、トリミングステーションは、
図33-35に示す上記トリミングデバイス250に類似したトリミングデバイス250を含みうる。例えば、トリミングデバイス250は、ガントリ104(例えば、
図33-35)、又はトリミングデバイス250を長さ方向及び側方方向に沿って動かし、形成前にラップ材料スタック450をトリミングするための他の支持手段の上で支持されうる。形成ステーション286は、積層ヘッド220及びガントリ104が省略されてもよいことを除き、
図1-3の製造システム100に類似して構成されうる。
【0093】
図56-57において、積層ステーション282は、並列関係で配置可能な第1のマンドレル120及び第2のマンドレル126を含み、ラップ材料スタック450を集合的マンドレル表面134上にレイアップするように構成された集合的マンドレル表面134(
図58)を形成する積層マンドレルセット284を有している。含まれる場合、トリミングステーションは、トリミング中にラップ材料スタック450を支持するための、並列関係で配置可能な第1のマンドレル120及び第2のマンドレル126も含む、トリミングマンドレルセット(図示せず)を有しうる。形成ステーション286は、形成マンドレルセット288の第1のラッププレート170(
図65)及び第2のラッププレート180(
図65)の下にそれぞれ配置可能な第1のマンドレル120及び第2のマンドレル126も含む、形成マンドレルセット288を有している。形成マンドレルセット288の第1のマンドレル120及び第2のマンドレル126は、
図62に示されるように、マンドレル開放位置136まで移動し、マンドレル間隙138を画定するように構成される。
【0094】
図56-70の製造システム100は、ラップ材料スタック450を(例えば、積層ステーション282でのレイアップ後に)、ラップ材料スタック450をトリミングするためのトリミングステーション(図示されず)に転送し、かつトリミングステーションから、上記と同じ方法でラップ材料スタック450を形成しブラダ300の周囲に折りたたむための形成ステーション286に転送するように構成されたステーション間転送機構290を含む。ステーション間転送機構290(
図57)は、ラップ材料スタック450の一部にクランプされるように構成された上部クランピング部材292及び下部クランピング部材294を含みうる。
図62に示されるように、上部クランピング部材292及び下部クランピング部材294は、積層マンドレルセット284の第1のマンドレル120と第2のマンドレル126との間のマンドレル間隙138を跨ぐラップ材料スタック450の一部にクランプされうる。下記のように、上部クランピング部材292及び下部クランピング部材294は、積層ステーション282の積層マンドレルセット284からトリミングステーション(図示されず)のトリミングマンドレルセット(図示されず)まで、及びトリミングマンドレルセットから形成ステーション286の形成マンドレルセット288まで、ラップ材料スタック450を転送するように構成される。
図63-68に示されるように、クランピング部材は、積層ステーション282からトリミングステーション(図示されず)に、更には形成ステーション286にラップ材料スタック450を転送するプロセス中に、積層ステーション282、トリミングステーション(図示されず)、及び形成ステーション286に沿って延びるマンドレル間隙138内を動くように構成される。
【0095】
図56-70の例では、上部クランピング部材292は、上部形成ダイ254であり、下部クランピング部材294は、下部形成ダイ270でありうる。
図58の例では、上部形成ダイ254のポスト252は、ベース部材102の長さ方向に沿って、形成ステーション286及びオプションでトリミングステーション(図示されず)と積層ステーション282との間を延びるガントリトラック116に沿って、動くことができる。類似の配置において、下部形成ダイ270は、ベース部材102の長さ方向に沿って、形成ステーション286と積層ステーション282との間を延びるガントリトラック116に沿って動くように構成される。しかしながら、製造システム100は、ラップ材料スタック450を積層ステーション282から形成ステーション286に転送するための専用上部クランピング部材292及び専用下部クランピング部材294(例えば、上部形成ダイ254及び下部形成ダイ270以外)を有する代替的な配置で構成されうる。
【0096】
図58を参照すると、積層ステーション282における製造システム100の断面が示される。積層ステーション282は、上記と同じ方法でラップ材料スタック450を集合的マンドレル表面134にレイアップするための、ガントリ104上で支持される1つ又は複数の積層ヘッド220を含みうる。例えば、積層ステーション282は、上記の
図6に示された方法と方法と同じ方法で、複合材料232、剥離材料236、及びブリーザ材料234をそれぞれ分配するための積層ヘッド220を含みうる。
図59-60は、ラップ材料スタック450のレイアップが完了した後に、ガントリトラック116に沿って積層ステーション282から形成ステーション286まで動かされる積層ヘッド220を示す。また、上部形成ダイ254及び下部形成ダイ270がそれぞれのガントリトラック116に沿って、形成ステーション286から積層ステーション282まで動くことが示される。
【0097】
図61は、積層ステーション282における上部形成ダイ254及び下部形成ダイ270を示す。
図59-60に示されるように、積層ヘッド220は、積層ステーション282から形成ステーション286まで一時的に動かされる。
図62は、上部形成ダイ254及び隣接して位置するブラダ300がラップ材料スタック450上方の位置に動くことを示す。第2のマンドレル126は、マンドレル間隙138を形成するために、第1のマンドレル120から離れるように動きうる。真空圧158は、第1のマンドレル表面122の開孔152に印加され、第2のマンドレル126が第1のマンドレル120から離れるように移動する間に、ラップ積層板464を第1のマンドレル120上の位置に固定しうる。また、
図62には、下部ダイウェブ部分272が互いに離れるように動き、下部ダイキャップ部分274が上に向かって第1のマンドレル120と第2のマンドレル126との間のマンドレル間隙138内に動くことができるようにする様子を示す。
【0098】
図63は、上部形成ダイ254と下部ダイキャップ部分274との間にクランプされたラップ材料スタック450を示す。上部形成ダイ254と下部形成ダイ270との両方がラップ材料スタック450をクランプする代替例として、製造システム100は、下部形成ダイ270又は上部形成ダイ254のどちらか一方が、上部形成ダイ254と下部形成ダイ270との間でクランプすることなく、ラップ積層板464に真空連結するための真空圧158を生成する真空圧力源156に連結された開孔152を含むように、構成されうる。いくつかの例では、真空圧158は、上部形成ダイ254及び/又は下部形成ダイ270に印加され、ラップ積層板464を上部形成ダイ254又は下部形成ダイ270に固定しうる。
【0099】
図64は、上部形成ダイ254及び下部形成ダイ270が、ラップ材料スタック450を積層ステーション282から形成ステーション286に向けて転送することを示す。また、積層ステーション282に戻される積層ヘッド220ガントリ104が示される。上記のように、トリミングステーション外しされないが、上部形成ダイ254及び下部形成ダイ270は、ラップ材料スタック450を、積層ステーション282から、ラップ材料スタック450をトリミングステーションから形成ステーション286に転送する前にトリミングするためのトリミングステーションに転送するように構成されうる。
【0100】
図65は、ラップ材料スタック450を受ける前の形成ステーション286の断面図である。第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180は、第1のマンドレル120及び第2のマンドレル126と同様に、互いに離れるように動き、上部形成ダイ254及び下部形成ダイ270が、ラップ材料スタック450の転送中に、積層ステーション282及び形成ステーション286でマンドレル間隙138に沿って動くことができるようにする。第1のラッププレート170は第1のマンドレル表面122を覆い、第2のラッププレート180は第2のマンドレル表面128を覆う。
【0101】
図66は、ラップ材料スタック450の転送完了後の形成ステーション286における上部形成ダイ254及び下部形成ダイ270を示す。
図67は、ラップ材料スタック450を第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180上に解放する前の上部形成ダイ254及び下部ダイキャップ部分274を示す、形成ステーション286の断面図である。
図68は、下部クロスビーム276内に後退した下部ダイキャップ部分274を示す。また、上に向かって、第1のマンドレル120と第2のマンドレル126との間のマンドレル間隙138内に移動した下部ダイウェブ部分272が示される。上部形成ダイ254がラップ材料スタック450をラッププレート間隙198及びマンドレル間隙138を通して付勢する際に、ラップ材料スタック450に側方張力430を生成するための、クランプ圧力432をラップ材料スタック450上に印加する、第1のクランピングバー162及び第2のクランピングバー164が示される。
【0102】
図69は、下部ダイウェブ部分272の間を上に向かって移動した上部ダイキャップ部分256を示す。
図10-12を参照して上述した方法と同様の方法で、ラップ材料スタック450を下部ダイウェブ部分272及び下部ダイキャップ部分274に対して圧密し、ラップ材料スタック450を所望の断面輪郭に形成する上部形成ダイ254が示される。上部形成ダイ254は、
図13-14で上述した方法と同様の方法で、取り外され、ブラダ300と交換されうる。図示されないが、第1のラッププレート170及び第2のラッププレート180は、
図15-16又は
図21-25に示した上記方法と同様に、第1の材料スタックベース部分452及び第2の材料スタックベース部分456を互いに重なる関係で、ブラダ上側302上で折りたたむように作動しうる。
図70は、ラップ-ブラダアセンブリ480を形成するために、ブラダ300の周囲でのラップ材料スタック450の形成が完了した後の、製造システム100の端面図である。
【0103】
更に、本開示は、以下の列挙された条項に記載されている例を含む。
【0104】
条項A1. 複合アセンブリを製造するための製造システム(100)であって、第1のマンドレル表面(122)及び第1のマンドレル表面エッジ(124)を有する少なくとも1つの第1のマンドレル(120)と、第2のマンドレル表面(128)及び第2のマンドレル表面エッジ(130)を有する少なくとも1つの第2のマンドレル(126)と、第1のマンドレル表面(122)の上方に配置可能であり、かつ第1のラッププレート表面(172)及び第1のラッププレート表面エッジ(174)を有する第1のラッププレート(170)と、第2のマンドレル表面(128)の上方に配置可能であり、かつ第2のラッププレート表面(182)及び第2のラッププレート表面エッジ(184)を有する第2のラッププレート(180)とを含み、第1のラッププレート(170)及び第2のラッププレート(180)が、反対側にある第1及び第2の材料スタックベース部分(452,456)を有するラップ材料スタック(450)を受けるために平行な並列関係で配置可能であり、第1のラッププレート(170)及び第2のラッププレート(180)のうちの少なくとも1つが、ラッププレート開放位置(196)に移動し、第1のラッププレート表面エッジ(174)と第2のラッププレート表面エッジ(184)との間に、ブラダ上側(302)を有するブラダ(300)を受けるためのラッププレート間隙(198)を画定するように構成され、第2のマンドレル(126)が、マンドレル開放位置(136)に移動し、第1のマンドレル表面エッジ(124)と第2のマンドレル表面エッジ(130)との間にマンドレル間隙(138)を画定するように構成され、ラッププレート間隙(198)及びマンドレル間隙(138)が、ブラダ(300)の周りに形成されたラップ材料スタック(450)を受けるように構成され、第1のラッププレート(170)及び第2のラッププレート(180)が、第1及び第2の材料スタックベース部分(452,456)を、互いに重なる関係でブラダ上側(302)に折りたたむように構成される、製造システム(100)。
【0105】
条項A2. 第1のラッププレート(170)及び第2のラッププレート(180)の上方で支持可能な1つ又は複数の積層ヘッド(220)を更に含み、第1のラッププレート(170)及び第2のラッププレート(180)が、第1のラッププレート表面エッジ(174)及び第2のラッププレート表面エッジ(184)が互いに並列して当接接触し、第1のラッププレート表面(172)及び第2のラッププレート表面(182)によって画定される集合的ラッププレート表面(190)を形成するラッププレート閉鎖位置(188)に移動するように構成され、1つ又は複数の積層ヘッド(220)が、1つ又は複数の材料を重ねた形態で集合的ラッププレート表面(190)に分配し、ラップ材料スタック(450)をレイアップするように構成される、条項A1に記載の製造システム(100)。
【0106】
条項A3. 第1のラッププレート(170)及び第2のラッププレート(180)のうちの少なくとも1つが、第1のラッププレート表面エッジ(174)及び第2のラッププレート表面エッジ(184)にそれぞれ近接し、かつ第1及び第2の材料スタックベース部分(452,456)をまとめて接合するために、ブラダ上側(302)に重ねられた第1及び第2の材料スタックベース部分(452,456)のうちの少なくとも1つに熱(187)を印加するように構成された加熱デバイス(186)を有する、条項A1又はA2に記載の製造システム(100)。
【0107】
条項A4. マンドレル間隙(138)内で受けることができ、かつブラダ(300)によってラップ材料スタック(450)に印加される圧密圧力に対してラップ材料スタック(450)を支持するように構成された、下部形成ダイ(270)を更に含む、条項A1、A2又はA3に記載の製造システム(100)。
【0108】
条項A5. ブラダ(300)で上部形成ダイ(254)を取り外して交換する前に、下方に移動してラップ材料スタック(450)と接触し、ラップ材料スタック(450)をラッププレート間隙(198)に押し込み、ラップ材料スタック(450)を形成するように構成された上部形成ダイ(254)を更に含む、条項A1からA4のいずれか一項に記載の製造システム(100)。
【0109】
条項A6. ラップ材料スタック(450)を集合的マンドレル表面(134)にレイアップするように構成された集合的マンドレル表面(134)を形成するために、並列関係で配置可能な第1のマンドレル(120)及び第2のマンドレル(126)を含む積層マンドレルセット(284)を有する積層ステーション(282)と、第1のラッププレート(170)及び第2のラッププレート(180)の下方に配置可能な第1のマンドレル(120)及び第2のマンドレル(126)を含む形成マンドレルセット(288)を有する形成ステーション(286)であって、形成マンドレルセット(288)の第2のマンドレル(126)が、マンドレル開放位置(136)に移動させ、マンドレル間隙(138)を画定するように構成された、形成ステーション(286)と、ブラダ(300)の周囲にラップ材料スタック(450)を形成し折りたたむために、ラップ材料スタック(450)を積層ステーション(282)から形成ステーション(286)まで転送するように構成されたステーション間転送機構(290)と
を含む、条項A1からA5のいずれか一項に記載の製造システム(100)。
【0110】
条項A7. ステーション間転送機構(290)が、積層マンドレルセット(284)の第1のマンドレル(120)と第2のマンドレル(126)との間のマンドレル間隙(138)を跨ぐラップ材料スタック(450)の一部の上にクランプするように構成された、上部クランピング部材(292)及び下部クランピング部材(294)を含み、上部クランピング部材(292)及び下部クランピング部材(294)が、ラップ材料スタック(450)を、積層ステーション(282)における積層マンドレルセット(284)から、形成ステーション(286)における形成マンドレルセット(288)に転送するように構成され、下部クランピング部材(294)が、ラップ材料スタック(450)の転送中に、積層ステーション(282)及び形成ステーション(286)におけるマンドレル間隙(138)内を動くように構成される、条項A6に記載の製造システム(100)。
【0111】
条項A8. 第1のマンドレル(120)及び第2のマンドレル(126)が、第1のマンドレル表面エッジ(124)及び第2のマンドレル表面エッジ(130)が並列して当接接触して、第1のマンドレル表面(122)及び第2のマンドレル表面(128)によって画定される集合的マンドレル表面(134)を形成するマンドレル閉鎖位置(132)に配置可能であり、集合的マンドレル表面(134)は、第1のラッププレート表面(172)及び第2のラッププレート表面(182)がラップ材料スタック(450)を受ける前に、ストリンガ積層板(400)を受けるように構成され、ストリンガ積層板(400)が、反対側にある第1及び第2のストリンガフランジ部分(406,408)を有する、条項A1からA7のいずれか一項に記載の製造システム(100)。
【0112】
条項A9. 第1のマンドレル(120)及び第2のマンドレル(126)の上方で支持可能な少なくとも1つの積層ヘッド(220)と、互いに離れるように移動し、集合的マンドレル表面(134)を露出するように構成された第1のラッププレート(170)及び第2のラッププレート(180)と、ラップ材料スタック(450)を受けるために、第1のラッププレート表面(172)及び第2のラッププレート表面(182)が移動して互いに接近する前に、ストリンガ積層板(400)の1つ又は複数の複合プライ(402)を集合的マンドレル表面(134)の上にレイアップするように構成された積層ヘッド(220)とを更に含む、条項A8に記載の製造システム(100)。
【0113】
条項B1. 複合アセンブリの製造方法であって、反対側にある第1及び第2の材料スタックベース部分(452,456)を有するラップ材料スタック(450)を、並列関係にあり、かつ第1のマンドレル(120)及び第2のマンドレル(126)の上方に位置する、第1のラッププレート(170)及び第2のラッププレート(180)の第1のラッププレート表面(172)及び第2のラッププレート表面(182)それぞれの上で受けることと、第1のラッププレート(170)及び第2のラッププレート(180)のうちの少なくとも1つをラッププレート開放位置(196)に移動させ、第1のラッププレート表面エッジ(174)と第2のラッププレート表面エッジ(184)との間にラッププレート間隙(198)を画定することと、第2のマンドレル(126)をマンドレル開放位置(136)に移動させ、第1のマンドレル表面エッジ(124)と第2のマンドレル表面エッジ(130)との間にマンドレル間隙(138)を画定することと、上部形成ダイ(254)及びブラダ(300)のうちの1つを使用して、ラップ材料スタック(450)を少なくとも部分的にラッププレート間隙(198)及びマンドレル間隙(138)内に押し込むことと、ラップ材料スタック(450)を少なくとも部分的にラッププレート間隙(198)及びマンドレル間隙(138)内に押し込むことに応じて、ラップ材料スタック(450)を形成することと、第1のラッププレート(170)及び第2のラッププレート(180)を使用して、第1及び第2の材料スタックベース部分(452,456)を互いに重なる関係でブラダ上側(302)に折りたたみ、ラップ-ブラダアセンブリ(480)を形成することと
を含む、方法。
【0114】
条項B2. 第1のラッププレート(170)及び第2のラッププレート(180)を使用して、第1及び第2の材料スタックベース部分(452,456)を折りたたむことが、第1のラッププレート(170)及び第2のラッププレート(180)を、ブラダ上側(302)の上で前後に移動することと、第1のラッププレート(170)及び第2のラッププレート(180)のうちの少なくとも1つの少なくとも一部を、第1のラッププレート表面エッジ(174)及び第2のラッププレート表面エッジ(184)にそれぞれ近接して位置するピボット軸(195)の周囲で回転させることとのうちの少なくとも1つを含む、条項B1に記載の方法。
【0115】
条項B3. ラップ材料スタック(450)を第1のラッププレート表面(172)及び第2のラッププレート表面(182)の上で受けることが、第1のラッププレート(170)及び第2のラッププレート(180)を、第1のラッププレート表面エッジ(174)及び第2のラッププレート表面エッジ(184)が互いに並列して当接接触し、第1のラッププレート表面(172)及び第2のラッププレート表面(182)によって画定される集合的ラッププレート表面(190)を形成するラッププレート閉鎖位置(188)に移動することと、1つ又は複数の積層ヘッド(220)から、1つ又は複数の材料を重ねた形態で集合的ラッププレート表面(190)に分配し、ラップ材料スタック(450)をレイアップすることとを含む、条項B1又はB2に記載の方法。
【0116】
条項B4. マンドレル開放位置(136)において、第1のマンドレル(120)と第2のマンドレル(126)との間のマンドレル間隙(138)内で下部形成ダイ(270)を受けることと、上部形成ダイ(254)及びブラダ(300)のうちの少なくとも1つによって、ラップ材料スタック(450)に印加される圧密圧力に対して、ラップ材料スタック(450)を支持することと
を更に含む、条項B1、B2又はB3に記載の方法。
【0117】
条項B5. 上部形成ダイ(254)を下方に移動して、ラップ材料スタック(450)と接触させることと、上部形成ダイ(254)を使用して、ラップ材料スタック(450)を、ラッププレート間隙(198)及びマンドレル間隙(138)内に押し込み、下部形成ダイ(270)に対して付勢して、ラップ材料スタック(450)を少なくとも部分的に形成することと、上部形成ダイ(254)を下部形成ダイ(270)内部のラップ材料スタック(450)から取り外すことと、ブラダ(300)を下部形成ダイ(270)内部のラップ材料スタック(450)内に設置することとを更に含む、条項B4に記載の方法。
【0118】
条項B6. ラップ材料スタック(450)を、積層ステーション(282)における積層マンドレルセット(284)の第1のマンドレル(120)及び第2のマンドレル(126)によって画定された集合的マンドレル表面(134)の上にレイアップすることを更に含み、ラップ材料スタック(450)を第1のラッププレート表面(172)及び第2のラッププレート表面(182)の上で受けるステップが、ラップ材料スタック(450)を、積層ステーション(282)における集合的マンドレル表面(134)から、形成ステーション(286)における形成マンドレルセット(288)の第1のマンドレル(120)及び第2のマンドレル(126)の上方に位置する第1のラッププレート表面(172)及び第2のラッププレート表面(182)まで転送することを含む、条項B4又はB5に記載の方法。
【0119】
条項B7. ラップ材料スタック(450)を、積層ステーション(282)から形成ステーション(286)に転送するステップが、形成マンドレルセット(288)の第2のマンドレル(126)をマンドレル開放位置(136)に移動させ、積層ステーション(282)でマンドレル間隙(138)を画定することと、上部クランピング部材(292)及び下部クランピング部材(294)を使用して、積層ステーション(282)でマンドレル間隙(138)を跨ぐラップ材料スタック(450)の一部をクランプすることと、ラップ材料スタック(450)の転送中に、下部クランピング部材(294)を、積層ステーション(282)におけるマンドレル間隙(138)に沿って、かつ形成ステーション(286)におけるマンドレル間隙(138)に沿って動かすこととを含む、条項B6に記載の方法。
【0120】
条項C1. 複合アセンブリの製造方法であって、第1のマンドレル(120)及び第2のマンドレル(126)それぞれの第1のマンドレル表面(122)及び第2のマンドレル表面(128)によって画定された集合的マンドレル表面(134)で、1つ又は複数の未硬化の複合プライ(402)を有し、かつ反対側にある第1及び第2のストリンガフランジ部分(406,408)を有するストリンガ積層板(400)を受けることと、第1のラッププレート(170)及び第2のラッププレート(180)を互いに平行な並列関係でストリンガ積層板(400)上方に配置することと、第1のラッププレート(170)及び第2のラッププレート(180)それぞれの第1のラッププレート表面(172)及び第2のラッププレート表面(182)で、反対側にある第1及び第2の材料スタックベース部分(452,456)を有するラップ材料スタック(450)を受けることと、第1のラッププレート(170)及び第2のラッププレート(180)のうちの少なくとも1つをラッププレート開放位置(196)に移動させ、第1のラッププレート表面エッジ(174)と第2のラッププレート表面エッジ(184)との間にラッププレート間隙(198)を画定することと、第2のマンドレル(126)をマンドレル開放位置(136)に移動させ、第1のマンドレル表面エッジ(124)と第2のマンドレル表面エッジ(130)との間にマンドレル間隙(138)を画定することと、上部形成ダイ(254)及びブラダ(300)のうちの1つを使用して、ラップ材料スタック(450)及びストリンガ積層板(400)を少なくとも部分的にラッププレート間隙(198)及びマンドレル間隙(138)内に押し込むことと、ラップ材料スタック(450)及びストリンガ積層板(400)を少なくとも部分的にラッププレート間隙(198)及びマンドレル間隙(138)に押し込むことに応じて、ラップ材料スタック(450)及びストリンガ積層板(400)を共形成することと、第1のラッププレート(170)及び第2のラッププレート(180)を使用して、第1及び第2の材料スタックベース部分(452,456)を互いに重なる関係でブラダ上側(302)に折りたたみ、ラップ-ブラダアセンブリ(480)を形成することとを含む、方法。
【0121】
条項C2. ストリンガ積層板(400)を集合的マンドレル表面(134)で受けることが、積層ヘッド(220)から、複合材料(232)を集合的マンドレル表面(134)に分配し、ストリンガ積層板(400)の1つ又は複数の複合プライ(402)をレイアップすることを含む、条項C1に記載の方法。
【0122】
条項C3. ラップ材料スタック(450)を第1のラッププレート表面(172)及び第2のラッププレート表面(182)の上で受けることが、1つ又は複数の積層ヘッド(220)から、1つ又は複数の材料を重ねた形態で第1のラッププレート表面(172)及び第2のラッププレート表面(182)に分配し、ラップ材料スタック(450)をレイアップすることを含む、条項C1又はC2に記載の方法。
【0123】
条項C4. ブラダ(300)又は上部形成ダイ(254)を使用して、ラップ材料スタック(450)及びストリンガ積層板(400)を少なくとも部分的にラッププレート間隙(198)及びマンドレル間隙(138)内に押し込む前に、下部形成ダイ(270)を、第1のマンドレル(120)と第2のマンドレル(126)との間のマンドレル間隙(138)内に動かすことと、下部形成ダイ(270)を使用して、ブラダ(300)又は上部形成ダイ(254)によって印加された形成圧力に対して、ラップ材料スタック(450)及びストリンガ積層板(400)を支持することとを含む、条項C1、C2又はC3に記載の方法。
【0124】
図56-70に示されるように構成された製造システム100について、ラップ-ブラダアセンブリ480を製造する上記方法500では、ラップ材料スタック450をレイアップすることは、積層ステーション282における積層マンドレルセット284の第1のマンドレル120及び第2のマンドレル126によって画定された集合的マンドレル表面134上にップ材料スタック450をレイアップすることを含みうる。第1のラッププレート表面172及び第2のラッププレート表面182でラップ材料スタック450を受けるステップ502は、
図64-67に示されるように、積層ステーション282の集合的マンドレル表面134から、形成ステーション286における形成マンドレルセット288の第1のマンドレル120及び第2のマンドレル126上方に位置する第1のラッププレート表面172及び第2のラッププレート表面182まで、ラップ材料スタック450を転送することを含みうる。ラップ材料スタック450を、積層ステーション282から形成ステーション286に転送することは、
図61-62に示されるように、形成マンドレルセット288の第2のマンドレル126をマンドレル開放位置136まで移動させ、積層ステーション282においてマンドレル間隙138を画定することを含みうる。ステップ502は、加えて、
図63に示されるように、上部クランピング部材292(例えば、上部形成ダイ254)及び下部クランピング部材294(例えば、下部ダイキャップ部分274)を使用して、積層ステーション282でマンドレル間隙138を跨ぐラップ材料スタック450の一部をクランプすることを含みうる。ステップ502はまた、
図64-67に示されるように、ラップ材料スタック450の転送中に、積層ステーション282のマンドレル間隙138に沿って、かつ形成ステーション286のマンドレル間隙138に沿って、下部クランピング部材294を動かすことを含みうる。
【0125】
本開示の追加的な改変及び改善が、当業者には明白でありうる。ゆえに、本書で説明され図示されている、部品の特定の組み合わせは、本開示のある特定の実施形態のみを表すことを意図しており、本開示の本質及び範囲に含まれる代替的な実施形態又は装置を限定する役割を果たすことは意図していない。