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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】現像装置及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20241209BHJP
【FI】
G03G15/08 390B
G03G15/08 390Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020145387
(22)【出願日】2020-08-31
(65)【公開番号】P2022040598
(43)【公開日】2022-03-11
【審査請求日】2023-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石井 聡一
(72)【発明者】
【氏名】鴨志田 成実
(72)【発明者】
【氏名】樫出 陽介
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-258607(JP,A)
【文献】特開2006-079025(JP,A)
【文献】特開2005-010209(JP,A)
【文献】特開2005-242253(JP,A)
【文献】特開2004-205546(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像枠体と、
前記現像枠体に取り付けられる現像剤担持体と、
前記現像剤担持体に担持される現像剤の量を規制する規制部材と、
前記現像枠体と前記現像剤担持体の隙間から現像剤が漏れるのを磁力によって規制するシール部材と、
前記規制部材を支持し、前記現像枠体に固される支持部材と、
前記支持部材と前記シール部材との間に配置される弾性部材であって前記現像剤担持体の回転軸線方向の端部にのみ設けられた弾性部材と、
を有する現像装置であって、
前記シール部材は、前記現像剤担持体の外周面に対し間隔を有して対向する円弧状の内周面と、前記内周面の周方向における第1端部に設けられ前記弾性部材が当接する第1当接部と、を有し、
前記現像枠体は、前記シール部材の前記周方向において前記第1端部と反対側にある第2端部が突き当たる突き当て部と、前記シール部材の前記第2端部が前記突き当て部に突き当たった状態で前記弾性部材が当接する第2当接部と、を有し、
前記弾性部材は、前記第1当接部と前記第2当接部の両方に接着する接着面を有する現像装置。
【請求項2】
前記弾性部材は、前記回転軸線方向において、前記支持部材が前記現像枠体に対し固定される座面よりも内側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記弾性部材は、前記回転軸線方向において、前記座面の内側端面と、前記内側端面よりも内側に設けられている突出部と、の間の領域に設けられ、前記内側端面と前記突出部によって前記回転軸線方向への移動が規制されていることを特徴とする請求項2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記シール部材の前記第2端部が前記現像枠体の前記突き当て部に突き当たった状態で、前記現像剤担持体の回転軸線方向において、前記第1当接部と前記第2当接部は隣接す
る請求項1~3のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項5】
前記現像剤担持体の回転軸線方向において、前記第1当接部は前記第2当接部より外側に位置する請求項1~4のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項6】
前記現像剤担持体の回転軸線方向において、前記弾性部材は前記第1当接部より大きい請求項1~のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項7】
前記弾性部材は、圧縮された状態で、前記シール部材を前記現像枠体の前記突き当て部に対し押し付ける方向に付勢する請求項1~のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項8】
現像枠体と、
前記現像枠体に取り付けられる現像剤担持体と、
前記現像剤担持体に担持される現像剤の量を規制する規制部材と、
前記現像枠体と前記現像剤担持体の隙間から現像剤が漏れるのを磁力によって規制するシール部材と、
前記規制部材を支持し、前記現像枠体に固される支持部材と、
前記支持部材と前記シール部材との間に配置される弾性部材であって前記現像剤担持体の回転軸線方向の端部にのみ設けられた弾性部材と、
を有し、
前記シール部材は、前記現像剤担持体の外周面に対し間隔を有して対向する円弧状の内周面と、前記内周面の周方向における第1端部に設けられ前記弾性部材が当接する第1当接部と、を有し、
前記現像枠体は、前記シール部材の前記周方向において前記第1端部と反対側にある第2端部が突き当たる突き当て部と、前記シール部材の前記第2端部が前記突き当て部に突き当たった状態で前記弾性部材が当接する第2当接部と、を有し、
前記弾性部材は、前記第1当接部と前記第2当接部の両方に接着する接着面を有する現像装置の製造方法であって、
前記シール部材の前記第2端部を前記現像枠体の前記突き当て部に突き当てた状態で、前記弾性部材の接着面を前記第1当接部と前記第2当接部の両方に接着させる工程と、
支持部材を前記現像枠体に対し固定することにより、前記弾性部材を前記支持部材と前記シール部材との間で圧縮された状態で挟持させる工程と、
を有する現像装置の製造方法。
【請求項9】
前記弾性部材は、前記回転軸線方向において、前記支持部材が前記現像枠体に対し固定される座面よりも内側に設けられていることを特徴とする請求項8に記載の現像装置の製造方法。
【請求項10】
前記弾性部材は、前記回転軸線方向において、前記座面の内側端面と、前記内側端面よりも内側に設けられている突出部と、の間の領域に設けられ、前記内側端面と前記突出部によって前記回転軸線方向への移動が規制されていることを特徴とする請求項9に記載の現像装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真画像形成装置に用いられる現像装置及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真画像形成方式を用いて記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、プロセスカートリッジ方式の装置構成が知られている。トナー補給やメンテナンスを容易にするために、感光体、帯電手段、現像手段、クリーニング手段などを枠体内にまとめてカートリッジ化し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジとしたものが実用化されている。プロセスカートリッジに組み込まれた現像装置において、現像ローラと現像容器の間の隙間からトナーが漏出するのを防止するためのシール部材を備えたものがある。特許文献1には、現像ローラと現像容器枠体との間に、現像ローラの外周面に対し間隙を有して円弧状のシール部材を配置し、シール部材の表面に発生する磁力によってトナーの漏出を抑制する構成が記載されている。シール部材は、現像ブレードを現像容器枠体に固定するための板金部とシール部材との間に弾性部材を圧縮挟持させることで、現像容器枠体に取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-205546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、シール部材を取り付ける工程において、現像容器枠体に設けられた長手方向(現像ローラの回転軸方向)に垂直の2つの位置決め面の間にシール部材を挿入することで、シール部材を長手方向に仮固定(位置決め)することができる。一方、シール部材の周方向における第1端部を現像容器枠体に設けられた取付端面に付き当てた状態で、シール部材の周方向において第1端部と反対側にある第2端部に弾性部材による付勢力を作用させるまで、シール部材は周方向に自由に動き得る。つまり、現像ブレードの板金部を現像容器枠体に本固定するまで、シール部材を周方向に仮固定(位置決め)することができない。そのため、現像装置の組立時に、現像ブレードが組付けられるまでの間、シール部材を仮固定するためには、仮固定のための部材や機構を別途設ける必要があった。本発明は、現像装置の組立時にシール部材を簡易に仮固定することができる技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する為の本出願に係る発明は、
現像枠体と、
前記現像枠体に取り付けられる現像剤担持体と、
前記現像剤担持体に担持される現像剤の量を規制する規制部材と、
前記現像枠体と前記現像剤担持体の隙間から現像剤が漏れるのを磁力によって規制するシール部材と、
前記規制部材を支持し、前記現像枠体に固される支持部材と、
前記支持部材と前記シール部材との間に配置される弾性部材であって前記現像剤担持体の回転軸線方向の端部にのみ設けられた弾性部材と、
を有する現像装置であって、
前記シール部材は、前記現像剤担持体の外周面に対し間隔を有して対向する円弧状の内周面と、前記内周面の周方向における第1端部に設けられ前記弾性部材が当接する第1当接部と、を有し、
前記現像枠体は、前記シール部材の前記周方向において前記第1端部と反対側にある第2端部が突き当たる突き当て部と、前記シール部材の前記第2端部が前記突き当て部に突き当たった状態で前記弾性部材が当接する第2当接部と、を有し、
前記弾性部材は、前記第1当接部と前記第2当接部の両方に接着する接着面を有する現像装置である。
【0006】
また、本出願に係る発明は、
現像枠体と、
前記現像枠体に取り付けられる現像剤担持体と、
前記現像剤担持体に担持される現像剤の量を規制する規制部材と、
前記現像枠体と前記現像剤担持体の隙間から現像剤が漏れるのを磁力によって規制するシール部材と、
前記規制部材を支持し、前記現像枠体に固される支持部材と、
前記支持部材と前記シール部材との間に配置される弾性部材であって前記現像剤担持体の回転軸線方向の端部にのみ設けられた弾性部材と、
を有し、
前記シール部材は、前記現像剤担持体の外周面に対し間隔を有して対向する円弧状の内周面と、前記内周面の周方向における第1端部に設けられ前記弾性部材が当接する第1当接部と、を有し、
前記現像枠体は、前記シール部材の前記周方向において前記第1端部と反対側にある第2端部が突き当たる突き当て部と、前記シール部材の前記第2端部が前記突き当て部に突き当たった状態で前記弾性部材が当接する第2当接部と、を有し、
前記弾性部材は、前記第1当接部と前記第2当接部の両方に接着する接着面を有する現像装置の製造方法であって、
前記シール部材の前記第2端部を前記現像枠体の前記突き当て部に突き当てた状態で、前記弾性部材の接着面を前記第1当接部と前記第2当接部の両方に接着させる工程と、
支持部材を前記現像枠体に対し固定することにより、前記弾性部材を前記支持部材と前記シール部材との間で圧縮された状態で挟持させる工程と、
を有する現像装置の製造方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、現像装置の組立時にシール部材を簡易に仮固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例1に係る現像装置端部の詳細説明図である。
図2】実施例1に係る電子写真画像形成装置の画像形成装置本体及びカートリッジの断面図である。
図3】実施例1に係るプロセスカートリッジの断面図である。
図4】実施例1に係るプロセスカートリッジの分解斜視図である。
図5】実施例1に係るプロセスカートリッジの分解斜視図である。
図6】実施例1に係る磁気シールの詳細説明図である。
図7】実施例1に係る現像容器ユニット端部の詳細説明図である。
図8】実施例1に係る現像装置の分解斜視図である。
図9】実施例1に係る現像装置の詳細説明図である。
図10】実施例1の変形例に係る現像容器ユニット端部の詳細説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<実施例1>
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施例に記載されている構成部品の機能、材質、形状その相対配置などは、特に特定的な記載がない限り
は、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。本明細書において、電子写真感光体ドラムの回転軸線方向を長手方向とする。また、長手方向において、画像形成装置本体から電子写真感光ドラムが駆動力を受ける側を駆動側とし、その反対側を非駆動側とする。ここで、電子写真画像形成装置とは、電子写真画像形成方式を用いて記録媒体に画像を形成するものである。電子写真画像形成装置の例としては、例えば、電子写真複写機、電子写真プリンタ(LEDプリンタ、レーザビームプリンタ等)、ファクシミリ装置及びワードプロセッサ等をあげることができる。電子写真プロセスを用いたプリンタ等の画像形成装置では、感光体を一様に帯電させる。次いで、帯電した感光体を選択的に露光することによって、感光体上に静電像を形成する。次いで、感光体上に形成された静電像を、現像剤としてのトナーでトナー像として顕像化する。そして、感光体上に形成されたトナー像を、記録材(記録用紙、プラスチックシート等)に転写し、更に記録材上に転写されたトナー像に熱や圧力を加えることでトナー像を記録材に定着させることで画像記録を行う。
【0010】
図2及び図3を用いて全体構成及び画像形成プロセスについて説明する。図2は、本発明の一実施の形態である電子写真画像形成装置の装置本体A(電子写真画像形成装置本体、画像形成装置本体。以下、装置本体Aという)及びプロセスカートリッジB(以下、カートリッジBという)の断面図である。図3は、カートリッジBの断面図である。ここで、装置本体Aとは、電子写真画像形成装置からカートリッジBを除いた部分である。
【0011】
<電子写真画像形成装置全体構成>
図2に示す電子写真画像形成装置(画像形成装置)は、カートリッジBを装置本体Aに着脱自在とした電子写真技術を利用したレーザビームプリンタである。カートリッジBが装置本体Aに装着されたとき、カートリッジBの像担持体としての電子写真感光体ドラム62(以下、感光体ドラム62あるいは単にドラム62という)に潜像を形成するための露光装置3(レーザスキャナユニット)が配置される。また、カートリッジBの下側に画像形成対象となる記録媒体(以下、シート材PAという)を収納したシートトレイ4が配置されている。ドラム62は、電子写真画像形成用に用いられる感光体(電子写真感光体)である。
【0012】
装置本体Aには、シート材PAの搬送方向Dに沿って、ピックアップローラ5a、給送ローラ対5b、転写ガイド6、転写ローラ7、搬送ガイド8、定着装置9、排出ローラ対10、排出トレイ11等が順次配置されている。なお、定着装置9は、加熱ローラ9a及び加圧ローラ9bにより構成されている。
【0013】
<画像形成プロセス>
次に、画像形成プロセスの概略を説明する。プリントスタート信号に基づいて、ドラム62は矢印R方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。バイアス電圧が印加された帯電ローラ(帯電部材)66は、ドラム62の外周面に接触し、ドラム62の外周面を一様均一に帯電する(図3参照)。露光装置3は、画像情報に応じたレーザー光Lを出力する。そのレーザー光LはカートリッジBのクリーニング枠体71に設けられたレーザー開口71hを通り、ドラム62の外周面を走査露光する。これにより、ドラム62の外周面には画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0014】
一方、図3に示すように、現像装置としての現像ユニット20において、トナー室29内のトナーTは、搬送部材(撹拌部材)43の回転によって撹拌、搬送され、トナー供給室28に送り出される。トナーTは、マグネットローラ34(固定磁石)の磁力により、現像ローラ32の表面に担持される。現像ローラ32は、ドラム62に形成された潜像を現像するために、現像剤(トナーT)をその表面に担持する現像剤担持体である。トナーTは、現像ブレード42によって摩擦帯電されつつ、現像剤担持体としての現像ローラ3
2周面上での層厚が規制される。
【0015】
トナーTは、静電潜像に応じてドラム62へ供給され、潜像を現像する。これにより、潜像はトナー像として可視像化される。ドラム62はその表面に潜像や、トナーで形成される像(トナー像、現像剤像)を担持する像担持体である。また、図2に示すように、レーザー光Lの出力タイミングとあわせて、ピックアップローラ5a、給送ローラ対5bによって、装置本体Aの下部に収納されたシート材PAがシートトレイ4から送り出される。そして、そのシート材PAが転写ガイド6を経由して、ドラム62と転写ローラ7との間の転写位置へ搬送される。この転写位置において、トナー像はドラム62からシート材PAに順次転写されていく。
【0016】
トナー像が転写されたシート材PAは、ドラム62から分離されて搬送ガイド8に沿って定着装置9に搬送される。そしてシート材PAは、定着装置9を構成する加熱ローラ9aと加圧ローラ9bとのニップ部を通過する。このニップ部で加圧・加熱定着処理が行われてトナー像はシート材PAに定着される。トナー像の定着処理を受けたシート材PAは、排出ローラ対10まで搬送され、排出トレイ11に排出される。
【0017】
また、図3に示すように、転写後のドラム62は、クリーニング部材77により外周面上の残留トナーが除去されて、再び、画像形成プロセスに使用される。ドラム62から除去されたトナーは、クリーニングユニット60の廃トナー室71bに貯蔵される。クリーニングユニット60は感光体ドラム62を有する感光体ドラムユニットである。
【0018】
上記において、帯電ローラ66、現像ローラ32、転写ローラ7、クリーニング部材77がドラム62に作用するプロセス手段である。
【0019】
<カートリッジ全体の構成>
次にカートリッジBの全体構成について図3図5を用いて説明する。図3はカートリッジBの断面図、図4及び図5は、カートリッジBの構成を説明する斜視図である。なお本実施例においては各部品を結合する際のビスに関しては省略して説明する。
【0020】
カートリッジBは、クリーニングユニット(感光体保持ユニット、ドラム保持ユニット、像担持体保持ユニット)60と、現像ユニット(現像剤担持体保持ユニット)20を有する。図3に示すように、クリーニングユニット60は、ドラム62と、帯電ローラ66と、クリーニング部材77と、これらを支持するクリーニング枠体71を有する。ドラム62は、駆動側において、駆動側に設けられた駆動側ドラムフランジ63がドラム軸受73の穴部73aにより回転可能に支持される(図4参照)。広義には、ドラム軸受73とクリーニング枠体71を総称してクリーニング枠体と呼ぶこともできる。ドラム62は、非駆動側において、図5に示すように、クリーニング枠体71に設けられた穴部71cに圧入されたドラム軸78によって、非駆動側ドラムフランジの穴部(不図示)を回転可能に支持される構成となっている。各ドラムフランジは、軸受部によって回転可能に支持される、被軸受部である。
【0021】
図3に示すように、クリーニングユニット60において、帯電ローラ66及びクリーニング部材77は、それぞれドラム62の外周面に接触して配置される。クリーニング部材77は、弾性材料としてのゴムで形成されたブレード状の弾性部材であるゴムブレード77aと、ゴムブレードを支持する支持部材77bと、を有する。ゴムブレード77aは、ドラム62の回転方向に対してカウンター方向にドラム62に当接している。すなわち、ゴムブレード77aは、その先端部がドラム62の回転方向Rの上流側を向くようにドラム62に当接している。
【0022】
クリーニング部材77によってドラム62の表面から除去された廃トナーは、クリーニング枠体71とクリーニング部材77によって形成された廃トナー室71bに溜められる。また、図3に示すように、クリーニング枠体71から廃トナーが漏れることを防止するためのスクイシート65が、ドラム62に当接するようにクリーニング枠体71の縁部に設けられている。
【0023】
帯電ローラ66は、クリーニング枠体71の長手方向(回転軸線方向)における両端部において、帯電ローラ軸受67を介し、クリーニングユニット60に回転可能に取り付けられている。なお、クリーニング枠体71の長手方向(カートリッジBの長手方向)は、ドラム62の回転軸線が延びる方向(軸線方向)と略平行である。以下、特に断りなく単に長手方向あるいは単に軸線方向といった場合には、ドラム62の軸線方向を意味するものとする。帯電ローラ66は、帯電ローラ軸受67が付勢部材68によりドラム62に向けて加圧されることで、ドラム62に圧接されている。帯電ローラ66は、ドラム62の回転に従動回転する。
【0024】
図3に示すように、現像ユニット20は、現像剤担持体としての現像ローラ32と、現像ローラ32が取り付けられ、現像ローラ32を支持する現像枠体としての現像容器23と、規制部材としての現像ブレード42等を有する。現像ブレード42は現像剤担持体としての現像ローラ32に担持される現像剤の量を規制する。現像ローラ32は、両端に設けられた軸受部材26(図4)、27(図5)により回転可能に現像枠体としての現像容器23に取り付けられている。現像ローラ32内にはマグネットローラ34が設けられている。現像ユニット20において、現像ローラ32上のトナー層を規制するための現像ブレード42が配置されている。図4図5に示すように、現像ローラ32には間隔保持部材38が現像ローラ32の両端部に取り付けられており、間隔保持部材38とドラム62が当接することで、現像ローラ32はドラム62と微少隙間をもって保持される。また、図3に示すように、現像ユニット20からトナーが漏れることを防止するための吹き出し防止シート33が、現像ローラ32に当接するように現像容器23の縁部に設けられている。さらに、現像容器23と底部材22によって形成されたトナー室29には、搬送部材43が設けられている。搬送部材43は、トナー室29に収容されたトナーを撹拌すると共に、トナー供給室28へトナーを搬送する。
【0025】
図4図5に示すように、カートリッジBはクリーニングユニット60と現像ユニット20を合体して構成される。現像ユニット20とクリーニングユニット60の結合は、以下のように行う。まずクリーニング枠体71の駆動側の第1吊り穴71iに対する軸受部材26の現像第1支持ボス26aの中心と、非駆動側の第2吊り穴71jに対する軸受部材27の現像第2支持ボス27aの中心を合わせる。具体的には、現像ユニット20を矢印G方向に移動させることで、第1吊り穴71i、第2吊り穴71jに現像第1支持ボス26a、現像第2支持ボス27aが嵌合する。これにより、クリーニングユニット60に対して現像ユニット20が移動可能に連結される。より詳細にいうと、クリーニングユニット60に対して現像ユニット20が回転移動可能(回動可能)に連結される。すなわち、ドラム62に対して現像ローラ32が接離可能な状態で連結される。この後、ドラム軸受73をクリーニングユニット60に組み付けることによってカートリッジBを構成する。
【0026】
本実施例においては非駆動側付勢部材46L(図5)、駆動側付勢部材46R(図4)は圧縮バネで形成されている。これらバネの付勢力により、駆動側付勢部材46Rと非駆動側付勢部材46Lが、現像ユニット20をクリーニングユニット60に付勢させることで現像ローラ32をドラム62の方向へ確実に押し付けるよう構成する。さらに、現像ローラ32の両端部に取り付けられた間隔保持部材38を備えている。すなわち、ドラム62と現像ローラ32が間隔保持部材38を介して所定の接触圧で接触することで、現像ロ
ーラ32はドラム62から所定の間隔をもって保持され、それぞれの相対位置が決まる。
【0027】
<磁気シール固定方法>
図3、及び図6図9を用いて磁気シールの構成について説明する。図6(a)、図6(b)は磁気シール35の説明図、図7(a)は現像容器23の説明図、図7(b)は図7(a)のMC-MC断面図、図8は現像ユニット20の分解斜視図である。
【0028】
現像ユニット20は、図3に示すように現像容器23、底部材22、現像ブレード42等から構成される。現像容器23及び底部材22が溶着等の手段により一体となるように結合されることにより構成される現像剤容器としての現像容器ユニット1400(図8参照)内には、トナーTを収納するトナー室29と、トナー供給室28が形成される。図8に示すように、規制部材としての現像ブレード42は、板金で形成された固定部材としての支持部材42aと、ウレタンゴム等の弾性材料で形成された、現像弾性部材42bと、を有する。支持部材42aは、現像弾性部材42bを現像枠体としての現像容器23に対し固定する固定部材である。規制部材としての現像ブレード42は、清掃部材47と共に、固定部材としての支持部材42aの両端においてビス993で現像容器23に対して所定の位置に固定される。さらに、シール部材としての磁気シール35が、現像弾性部材42bの両端部に設けられ(固定方法の詳細は後述)、現像弾性部材42bの両端からのトナーの流出を防止する。磁気シール35は、現像枠体としての現像容器23と現像剤担持体としての現像ローラ32の隙間から現像剤が漏れるのを磁力によって規制するシール部材である。
【0029】
図6(a)、図6(b)に示すように、磁気シール35は、フェライトやネオジム等の永久磁石を有する磁石部35aと、弱磁性体である非磁石部35bから構成される。現像ローラ32の外周面に対し間隔(隙間)を有して対向する円弧状の磁石部35aの内周面35c、及び現像容器ユニット1400と当接する磁石部35aの外周面35dには、N極とS極が一定の間隔で配列される。これにより、円弧状の内周面35c及び外周面35d上に磁力線35jが生成される。一方、非磁石部35bは磁石部35aの側面に接触して設けられ、磁力線35jが非磁石部35bよりも外側へ漏出することを防いでいる。また、現像ローラ32に対向する円弧状の内周面35cの非磁石部35bと反対側には、切欠き部35eが設けられている。加えて、現像容器23に取り付けられた規制部材としての現像ブレード42の支持部材42aと磁気シール35の間に、弾性部材36が圧縮された状態で配置される(図9(b)参照)。磁気シール35の周方向における第1端部には、弾性部材36と当接する第1当接部(シール部材側貼付面)としての弾性部材当接面35lが設けられている。また、周方向における第1端部に対し弾性部材当接面35lから見て内周面35cを隔てた反対側にある第2端部には、現像容器23と当接する容器当接面としての現像容器当接端面35mが設けられる。
【0030】
図7(a)、図7(b)に示すように、現像容器23には、磁気シール35の外周面35dと接する磁気シール支持部23hが設けられている。また、現像容器23には、磁気シール35の周方向における第1端部の反対側にある第2端部に設けられた現像容器当接端面35mが突き当たる突き当て部としての磁気シール突き当て部23iが設けられている。現像容器23には、現像ローラ32の円周方向(図中矢印1401方向)において、磁気シール支持部23hと磁気シール突き当て部23iの間に穴部23jが設けられている。また穴部23jの長手方向(回転軸線方向)内側には、トナーTをすり抜けにくくするための段差形状であるラビリンス部23lが設けられている。またラビリンス部23lに対向する位置に磁気シール35の容器逃げ部35n(図6(a)、図6(b)参照)が設けられている。このラビリンス部23l及び磁気シール35の外周面35dに着磁された磁力により、穴部23jからのトナーもれを防止している。また本構成は、吹き出し防止シート33が貼付される吹き出し防止シート貼付面23kと磁気シール支持部23hが
一体の現像容器23に形成される構成である。この構成において、穴部23jを設けることで、駆動側軸受940(図9(a)参照)の位置決め部である第一穴23dを現像ローラ32の近傍に配置した上で、磁気シール突き当て部23iを形成できる。したがって、磁気シール35のシール性を維持した上で、現像ローラ32の位置精度を向上できる。また、軸受部材26には、現像ローラ32が現像ユニット20に組み付けられた状態において、穴部23jに対向するように捕集部26gが設けられている(図9(a)、図9(b)参照)。これにより、穴部23jからトナーが漏出した場合でも、捕集部26gでトナーを回収することでカートリッジBの外観や装置本体Aにトナーが付着することを抑制できる。
【0031】
次に、図1図8及び図9を用いて現像装置の製造過程における磁気シール35の固定方法について説明する。図1(a)は磁気シール35の組み付け説明図である。図1(b)は現像容器ユニット1400と磁気シール35の構成説明図である。図1(c)は現像容器ユニット1400の磁気シール35と弾性部材36の構成説明図である。図1(d)は図1(c)のME-ME断面図である。図9(a)は現像ユニット20の構成説明図、図9(b)は図9(a)のMD-MD断面図である。
【0032】
図1(a)に示すように、磁気シール35を現像容器23に組み付ける際は、現像容器23の磁気シール支持部23hに磁気シール35の外周面35dが接するまで図中矢印1414方向から磁気シール35を持ち込む。その後、図中矢印1401方向に磁気シール35を回転させる。そして、磁気シール35の周方向における第2端部にある現像容器当接端面35mが、現像容器23の磁気シール突き当て部23iに突き当たるまで、磁気シール35を回転させる。これにより、現像ローラ32の円周方向に(図中矢印1401方向)おける磁気シール35の位置が決まる。ここで図1(b)に示すように、磁気シール35の長手位置決め端面35o、35rを現像容器23の磁気シール長手位置決め面1402、1403(図1(c)参照)の間に挿入することで、磁気シール35の長手方向(回転軸線方向)の位置決めを行っている。
【0033】
次に図1(c)に示すように、磁気シール35の弾性部材当接面35lに弾性部材36を配置する。弾性部材36には、接着面としての粘着テープ層36aと弾性層36bが設けられており(図1(d)参照)、弾性部材36は、接着面としての粘着テープ層36aにより弾性部材当接面35lに接着される。そして、現像ブレード42が組付けられると、弾性部材36は現像ブレード42の支持部材42aと磁気シール35の弾性部材当接面35lの間で圧縮されるように設置される(図8参照)。このとき弾性部材36の厚み36c(図1(d)参照)は、弾性部材36が支持部材42aと弾性部材当接面35lの間で圧縮挟持された状態で、弾性部材当接面35lに弾性力1404(図9(b)参照)を生じさせる圧縮代が得られるように設定されている。図9(b)に示すように、圧縮挟持された弾性部材36の生ずる弾性力1404によって、磁気シール35には矢印1401方向に回転力が生じる。そして、現像容器当接端面35mを磁気シール突き当て部23iに押し付ける方向(矢印1416方向)に付勢する力が生じる。ここで図1(a)に示すように、磁気シール支持部23hの円弧の中心(磁気シール35の回転中心)から磁気シール突き当て面23iの内周面側端面23i1に結んだ直線(図中破線)を想定する。この直線に対し、磁気シール突き当て面23iの外周面側端面23i2が矢印1401の下流側となるように、磁気シール突き当て部23iが形成される。これにより、矢印1401方向への回転力が生じ、磁気シール突き当て部23iと現像容器当接端面35mとが当接した状態から外れない状況では、外周面35dが磁気シール支持部23hから離れない構成となっている。以上で示した構成により、磁気シール35は現像ブレード42が組付けられると現像容器23に固定される。
【0034】
次に図1(a)~図1(d)を用いて磁気シール35の仮固定方法を説明する。図1
d)に示すように、現像容器23には、弾性部材36が貼付される容器側貼付面1405が設けられている。磁気シール35の内周面35cの周方向における第1端部に設けられた第1当接部としての弾性部材当接面35lは、第2当接部としての容器側貼付面1405よりも、長手方向において外側に配置される。現像容器当接端面35mと磁気シール突き当て部23iが当接し、現像ローラ32の円周方向1401における位置が決まった状態において、第2当接部としての容器側貼付面1405と、第1当接部としての弾性部材当接面35lとは、面一となる。磁気シール35の周方向における第2端部にある現像容器当接端面35mが磁気シール突き当て部23iに突き当たった状態で、長手方向において、第1当接部としての弾性部材当接面35lと第2当接部としての容器側貼付面1405は隣接する。ここで、弾性部材36の長手方向における貼付範囲は、現像ブレード42が現像容器23に組付けられる際の座面1410の長手内側端面1406とリブ1407の間である。また弾性部材36は、長手方向において、磁気シール35の内周面35cの周方向における第1端部に設けられた第1当接部としての弾性部材当接面35lよりも大きくなるように設定されている。具体的には、容器側貼付面1405の磁気シール側長手端面1405aから長手内側端面1406までの距離1415より、弾性部材36の長手方向の大きさが大きくなっている。これにより、弾性部材36が長手内側端面1406とリブ1407のどちら側に寄った場合でも、弾性部材当接面35lと容器側貼付面1405の両方に弾性部材36が貼付されるように設定される。容器側貼付面1405と弾性部材当接面35lとは面一なるため、弾性部材36の接着面としての粘着テープ層36aは、隣接する第1当接部としての弾性部材当接面35lと第2当接部としての容器側貼付面1405の両方に接着する。ここで、面一となるように隣接する容器側貼付面1405と弾性部材当接面35lは、容器側貼付面1405が弾性部材当接面35lよりも長手方向内側に隣接して配置されている。つまり、弾性部材36は弾性部材当接面35lよりトナー供給室28側に貼付される。
【0035】
また長手方向及び弾性部材当接面35lの法線方向に直交する方向における弾性部材36の貼付範囲は、短手端面1408と弾性部材貼付端面35t(図1(b)参照)の間である。また短手端面1408と弾性部材貼付端面35tのどちら側に寄った場合でも、弾性部材当接面35lと容器側貼付面1405の両方に貼付されるように弾性部材36の大きさが設定される。
【0036】
以上示した構成及び製造方法によれば、現像ブレード42が組付けられるまでの間、弾性部材36によって磁気シール35は現像容器23に仮固定される。弾性部材36の接着面としての粘着テープ層36aが、磁気シール35の内周面35cの周方向における第1端部に設けられた第1当接部としての弾性部材当接面35lと、現像容器23の第2当接部としての容器側貼付面1405との両方に接着される。これは、本発明の製造方法において、シール部材の周方向における第2端部を現像枠体の突き当て部に突き当てた状態で、弾性部材の接着面を第1当接部と第2当接部の両方に接着させる工程である。すなわち、磁気シール35の現像容器当接端面35mを現像容器23の磁気シール突き当て部23iに突き当てた状態で、弾性部材36の粘着テープ層36aを弾性部材当接面35lと容器側貼付面1405の両方に接着させる工程である。すると、磁気シール突き当て部23iと現像容器当接端面35mが外れないことで仮固定される。これにより、弾性部材36が圧縮されていない状態で弾性部材36の付勢力が作用していなくても、磁気シール35の周方向の移動が規制される。磁気シール35が現像ブレード42を固定する固定部材としての支持部材42aによって固定されるまでの組立過程で、磁気シール35が現像容器23から外れることが抑制される。したがって、磁気シール35の固定に必要な弾性部材36によって、組立中の磁気シール35の仮固定が可能となり、仮固定するための部材あるいは組立装置の仮固定機構が不要となりコストダウンにつながる。加えて、弾性部材36はトナー供給室28側に配置されるため、トナー供給室28から長手外側方向(矢印1411方向)へトナーが漏れることを弾性部材36で防止できる。したがって、現像弾性
部材42bの両端におけるシール性が向上する。その後、磁気シール35が現像ブレード42を固定する固定部材としての支持部材42aによって固定される。これは、本発明の製造方法において、固定部材で規制部材を現像枠体に対し固定することにより、弾性部材を固定部材とシール部材との間で圧縮された状態で挟持させる工程である。すなわち、支持部材42aで現像ブレード42を現像容器23に対し固定することにより、弾性部材36を支持部材42aと磁気シール35との間で圧縮された状態で挟持させる工程である。
【0037】
なお、本実施例は、現像材担持体を有する現像カートリッジと、その現像カートリッジを着脱可能とする装置本体にも適用することができ、同様の効果を得ることができる。
【0038】
上の実施例の変形例について、図10(a)、図10(b)を用いて説明する。図10(a)は、変形例の現像容器1423の非駆動側端部の構成説明図、図10(b)は変形例の現像容器1423と磁気シール1435の構成説明図である。変形例の非駆動側の磁気シール1435の固定部については、現像容器1423には実施例1で説明した穴部23j、ラビリンス部23lに相当するものが設けられていない。また磁気シール1435は、実施例1の磁気シール35における容器逃げ部35nに相当するものを有していない。磁気シール1435は、長手位置決め端面1435o、1435rが弾性部材当接面1435lの両端部に設けられている。また現像容器1423の長手方向内側の磁気シール長手位置決め面1413は、容器側貼付面1405の長手方向外側端面に設けられている。したがって、磁気シール1435の長手位置決め端面1435o、1435rを現像容器1423の磁気シール長手位置決め面1402、1413の間に挿入することで、磁気シール1435の長手方向の位置決めを行っている。この磁気シール1435についても、固定方法及び仮固定方法は上記で説明した方法と同様である。
【符号の説明】
【0039】
20:現像ユニット、23:現像容器、23i:磁気シール突き当て部、32:現像ローラ、35:磁気シール、35c:内周面、35l:弾性部材当接面、36:弾性部材、36a:粘着テープ層、42:現像ブレード、42a:支持部材、1405:容器側貼付面
図1
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