(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】スキャンシステム、プリントシステム、画像処理装置、方法
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20241209BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20241209BHJP
G06F 13/00 20060101ALI20241209BHJP
【FI】
H04N1/00 127A
G06F3/12 304
G06F3/12 336
G06F13/00
(21)【出願番号】P 2020150009
(22)【出願日】2020-09-07
【審査請求日】2023-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(72)【発明者】
【氏名】西山 将司
【審査官】豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-050520(JP,A)
【文献】特開2016-163122(JP,A)
【文献】特開2020-071598(JP,A)
【文献】特開2008-080652(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G06F 3/12
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メッセージ共有システムと連携するウェブアプリケーションと、スキャナを備える画像処理装置と、を含むスキャンシステムであって、
前記ウェブアプリケーションは、
前記メッセージ共有システムに属するユーザアカウントからのスキャン要求に応じて、スキャンの要求元にカード情報を要求する要求手段と、
スキャンに基づき生成されたスキャンデータを送信する宛先として、前記メッセージ共有システムのコミュニケーションスペースまたは前記メッセージ共有システムに属するユーザアカウントへのメッセージの指定を受け付ける受付手段と、
読み取った前記カード情報と前記宛先とを紐づけて保持する保持手段と、を有し、
前記画像処理装置は、
スキャンに基づき生成されたスキャンデータと、前記メッセージ共有システムへ前記スキャンデータを送信するために読み取ったカード情報とを、前記ウェブアプリケーションに送信する送信手段と、を有し、
前記ウェブアプリケーションは、さらに、
前記画像処理装置から受信した前記カード情報に紐づけられている宛先を指定して、前記メッセージ共有システムに前記画像処理装置から送信されてきた前記スキャンデータを送信する送信手段と、を有することを特徴とするスキャンシステム。
【請求項2】
前記ウェブアプリケーションは、前記スキャン要求に応じて、前記メッセージ共有システムに登録したボットアカウントを介して、前記カード情報の登録を促すメッセージと、前記スキャンデータの前記宛先の入力を促すメッセージを前記メッセージ共有システムに投稿する
ことを特徴とする請求項1に記載のスキャンシステム。
【請求項3】
前記カード情報と送り先の紐づけは、有効期限を有する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のスキャンシステム。
【請求項4】
前記ウェブアプリケーションは、前記メッセージ共有システムに登録したボットアカウントを介して、前記スキャン要求のほかプリント要求も受け付け可能であり、
前記プリント要求を受け付けた場合、前記ウェブアプリケーションは、前記メッセージ共有システムに登録したボットアカウントを介して、プリントを実行する画像処理装置に紐づけたカード情報の読み取りを促すメッセージを前記メッセージ共有システムに投稿する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のスキャンシステム。
【請求項5】
前記画像処理装置は、スキャンに基づき生成されたスキャンデータを前記メッセージ共有システムへ送信するために、カード情報を読み取る読取手段を有し、
前記画像処理装置は、前記メッセージ共有システムへ送信するためのスキャンをユーザにより指示された場合、前記読取手段による前記カード情報の読み取りを前記ユーザに促すメッセージを表示部に表示する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のスキャンシステム。
【請求項6】
前記カード情報は、ユーザが前記メッセージ共有システムを利用する端末および前記画像処理装置で、ICカードもしくはICチップを内蔵した端末から読み取り可能な、一意に識別可能な情報である
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のスキャンシステム。
【請求項7】
メッセージ共有システムと連携するウェブアプリケーションと、スキャナを備える画像処理装置と、を含むスキャンシステムにおける方法であって、
前記メッセージ共有システムに属するユーザアカウントからのスキャン要求に応じて、前記ウェブアプリケーションがスキャンの要求元にカード情報を要求する要求工程と、
スキャンに基づき生成されたスキャンデータを送信する宛先として、前記メッセージ共有システムのコミュニケーションスペースまたは前記メッセージ共有システムに属するユーザアカウントへのメッセージの指定を前記ウェブアプリケーションが受け付ける受付工程と、
前記カード情報と前記宛先とを紐づけて前記ウェブアプリケーションが保持する保持工程と、
スキャンに基づき生成されたスキャンデータと、前記メッセージ共有システムへ前記スキャンデータを送信するために前記画像処理装置で読み取ったカード情報とを、前記画像処理装置が前記ウェブアプリケーションに送信する送信工程と、
前記画像処理装置から受信した前記カード情報に紐づけられている前記宛先を指定して、前記ウェブアプリケーションが前記メッセージ共有システムに前記画像処理装置から送信されてきた前記スキャンデータを送信する送信工程と、を有することを特徴とする方法。
【請求項8】
スキャナを備える画像処理装置であって、
スキャンに基づき生成されたスキャンデータをメッセージ共有システムへ送信するために、カード情報を読み取る読取手段と、
スキャンに基づき生成されたスキャンデータと読み取った前記カード情報とを、前記メッセージ共有システムと連携するウェブアプリケーションに送信する送信手段と、を有し、
前記ウェブアプリケーションでは、あらかじめ紐づけて保持されていたスキャンデータの宛先とカード情報に基づいて、前記画像処理装置から送信されてきた前記カード情報に紐づけられている宛先を指定して、前記メッセージ共有システムに前記画像処理装置から送信されてきた前記スキャンデータが送信され、
前記宛先は、前記メッセージ共有システムのコミュニケーションスペースまたは前記メッセージ共有システムに属するユーザアカウントへのメッセージであることを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
スキャナを備える画像処理装置における方法であって、
スキャンに基づき生成されたスキャンデータをメッセージ共有システムへ送信するために、カード情報を読み取る読取工程と、
スキャンに基づき生成されたスキャンデータと読み取った前記カード情報とを、前記メッセージ共有システムと連携するウェブアプリケーションに送信する送信工程と、を有し、
前記ウェブアプリケーションでは、あらかじめ紐づけて保持されていたスキャンデータの宛先とカード情報に基づいて、前記画像処理装置から送信されてきた前記カード情報に紐づけられている宛先を指定して、前記メッセージ共有システムに前記画像処理装置から送信されてきた前記スキャンデータが送信され、
前記宛先は、前記メッセージ共有システムのコミュニケーションスペースまたは前記メッセージ共有システムに属するユーザアカウントへのメッセージであることを特徴とする方法。
【請求項10】
メッセージ共有システムと連携するウェブアプリケーションと、印刷装置を備える画像処理装置と、を含むプリントシステムであって、
前記ウェブアプリケーションは、
画像処理装置から取得した前記画像処理装置の識別情報とカード情報とを紐づけて保持する保持手段と、
前記メッセージ共有システムに属するユーザアカウントからのプリント要求に応じて、プリントの要求元に画像処理装置と紐づけたカード情報とプリントする画像を要求する要求手段と、
前記プリントの要求元から取得したカード情報に紐づけられている画像処理装置を指定して、取得した前記画像のプリントを指示する指示手段と、を有し、
前記画像処理装置は、
前記ウェブアプリケーションからのプリント指示に応じて、前記画像のプリントを実行するプリント手段と、を有する
ことを特徴とするプリントシステム。
【請求項11】
前記ウェブアプリケーションは、前記プリント要求に応じて、前記メッセージ共有システムに登録したボットアカウントを介して、画像処理装置に紐づけたカード情報の読み取りを促すメッセージと、プリントする画像の送信を促すメッセージを前記メッセージ共有システムに投稿する
ことを特徴とする請求項10に記載のプリントシステム。
【請求項12】
前記画像処理装置の識別情報と前記カード情報の紐づけは、有効期限を有する
ことを特徴とする請求項10または11に記載のプリントシステム。
【請求項13】
前記ウェブアプリケーションは、前記メッセージ共有システムに登録したボットアカウントを介して、前記プリント要求のほかスキャン要求も受け付け可能であり、
前記スキャン要求を受け付けた場合、前記ウェブアプリケーションは、前記メッセージ共有システムに登録したボットアカウントを介して、スキャンを実行する画像処理装置で読み取り可能なカード情報の登録を促すメッセージと、スキャンに基づき生成されたスキャンデータの宛先の入力を促すメッセージを前記メッセージ共有システムに送信する
ことを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記載のプリントシステム。
【請求項14】
前記画像処理装置は、
カード情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段で読み取ったカード情報と前記画像処理装置の識別情報を前記ウェブアプリケーションに送信する送信手段と、を有する
ことを特徴とする請求項10乃至13のいずれか1項に記載のプリントシステム。
【請求項15】
メッセージ共有システムと連携するウェブアプリケーションと、印刷装置を備える画像処理装置と、を含むプリントシステムにおける方法であって、
画像処理装置から取得した前記画像処理装置の識別情報とカード情報とを紐づけて前記ウェブアプリケーションが保持する保持工程と、
前記メッセージ共有システムに属するユーザアカウントからのプリント要求に応じて、前記ウェブアプリケーションがプリントの要求元に画像処理装置と紐づけたカード情報とプリントする画像を要求する要求工程と、
プリントの要求元から取得した前記カード情報に紐づけられている画像処理装置を指定して、取得した前記画像のプリントを前記ウェブアプリケーションが指示する指示工程と、
前記ウェブアプリケーションからのプリント指示に応じて、前記画像処理装置が前記画像のプリントを実行するプリント工程と、を有する
ことを特徴とする方法。
【請求項16】
印刷装置を備える画像処理装置であって、
カード情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段で読み取った前記カード情報と前記画像処理装置の識別情報
をメッセージ共有システムと連携するウェブアプリケーションに送信する送信手段と、
前記ウェブアプリケーションからのプリント指示に応じて、画像のプリントを実行するプリント手段と、を有し、
前記ウェブアプリケーションでは、前記画像処理装置から送信されてきた前記カード情報と前記画像処理装置の識別情報を紐づけて保持し、前記メッセージ共有システムに属するユーザアカウントからのプリント要求に応じて、前記ユーザアカウントから通知されたカード情報に紐づけられている画像処理装置に、前記ユーザアカウントが前記メッセージ共有システムに送信した画像をプリントするプリント指示を送信することを特徴とする画像処理装置。
【請求項17】
印刷装置を備える画像処理装置における方法であって、
カード情報を読み取る読取工程と、
読み取った前記カード情報と前記画像処理装置の識別情報
をメッセージ共有システムと連携するウェブアプリケーションに送信する送信工程と、
前記ウェブアプリケーションからのプリント指示に応じて、画像のプリントを実行するプリント工程と、を有し、
前記ウェブアプリケーションでは、前記画像処理装置から送信されてきた前記カード情報と前記画像処理装置の識別情報を紐づけて保持し、前記メッセージ共有システムに属するユーザアカウントからのプリント要求に応じて、前記ユーザアカウントから通知されたカード情報に紐づけられている画像処理装置に、前記ユーザアカウントが前記メッセージ共有システムに送信した画像をプリントするプリント指示を送信することを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキャンシステム、プリントシステム、画像処理装置、方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを介して複数のユーザ端末間でメッセージをやり取りする、いわゆるチャットのためのメッセージアプリケーションの利用が広まっている。また、ユーザがメッセージアプリケーション上で送信したメッセージの内容に応じて自動的にメッセージを応答するBotアプリケーションを利用したサービスも増えている。
【0003】
例えば、特許文献1では、Botアプリケーションと連携するクラウド印刷サービスにおいて、ネットワーク上の印刷機器にメッセージアプリケーションを介して印刷指示を行うことが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、印刷指示を行う際にBotアプリケーションが発行した複合機を識別するデバイス識別IDを入力する必要がある。このように、メッセージアプリケーションを介したプリントまたはスキャンを実行する場合には、Botアプリケーションが発行した情報を入力する手間が生じてしまう。
【0006】
本発明は、メッセージ共有システムを介したプリントまたはスキャンにおいて、情報入力の手間を削減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の一実施形態のスキャンシステムは、メッセージ共有システムと連携するウェブアプリケーションと、スキャナを備える画像処理装置とを含む。前記ウェブアプリケーションは、前記メッセージ共有システムに属するユーザアカウントからのスキャン要求に応じて、スキャンの要求元にカード情報を要求する要求手段と、スキャンに基づき生成されたスキャンデータを送信する宛先として、前記メッセージ共有システムのコミュニケーションスペースまたは前記メッセージ共有システムに属するユーザアカウントへのメッセージの指定を受け付ける受付手段と、読み取った前記カード情報と前記宛先とを紐づけて保持する保持手段と、を有する。前記画像処理装置は、スキャンに基づき生成されたスキャンデータと、前記メッセージ共有システムへ前記スキャンデータを送信するために読み取ったカード情報とを、前記ウェブアプリケーションに送信する送信手段と、を有する。前記ウェブアプリケーションは、さらに、前記画像処理装置から受信した前記カード情報に紐づけられている宛先を指定して、前記メッセージ共有システムに前記画像処理装置から送信されてきた前記スキャンデータを送信する送信手段と、を有する。
【0008】
本発明の他の実施形態のプリントシステムは、メッセージ共有システムと連携するウェブアプリケーションと、印刷装置を備える画像処理装置とを含む。前記ウェブアプリケーションは、画像処理装置から取得した前記画像処理装置の識別情報とカード情報とを紐づけて保持する保持手段と、前記メッセージ共有システムに属するユーザアカウントからのプリント要求に応じて、プリントの要求元に画像処理装置と紐づけたカード情報とプリントする画像を要求する要求手段と、前記プリントの要求元から取得したカード情報に紐づけられている画像処理装置を指定して、取得した前記画像のプリントを指示する指示手段と、を有する。前記画像処理装置は、前記ウェブアプリケーションからのプリント指示に応じて、前記画像のプリントを実行するプリント手段と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、メッセージ共有システムを介したプリントまたはスキャンにおいて、情報入力の手間を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図3】メッセージアプリケーションサーバの構成例を示す図である。
【
図5】ICカードと画像処理装置の紐づけ登録時の画像処理装置の画面の一例を示す図である。
【
図6】ICカードと画像処理装置の紐づけ登録処理を示すシーケンス図である。
【
図7】ICカードと画像処理装置の紐づけ管理テーブルの図である。
【
図8】メッセージアプリケーションのホーム画面の一例を示す図である。
【
図9】プリント実施時の複合機ボットとのメッセージ交換画面の一例を示す図である。
【
図10】プリント実施時の処理を示すシーケンス図である。
【
図11】ICカードとスキャン画像の送り先の紐づけ登録時の複合機ボットとのメッセージ交換画面の一例を示す図である。
【
図12】ICカードとスキャン画像の送り先の紐づけ登録処理を示すシーケンス図である。
【
図13】ICカードとスキャン画像の送り先の紐づけ管理テーブルの図である。
【
図14】スキャン実施時の画像処理装置の画面の一例を示す図である。
【
図15】スキャン実施時の処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について図面などを参照して説明する。ただし、以下の実施形態で説明されている特徴のすべてが本発明に必須のものであるとは限らない。
【0012】
第1実施形態および第2実施形態では、メッセージ共有システムで使用されるBotアプリケーションと画像処理装置が連携するサービスの例について説明する。このサービスにおいては、メッセージアプリケーションを介したユーザからの指示により、画像処理装置がプリントまたはスキャンを実行する。具体的には、プリントのサービスでは、ユーザがメッセージアプリケーションからプリント要求を送信し、Botアプリケーションを介して画像処理装置にてプリントする。スキャンのサービスでは、ユーザがメッセージアプリケーションからスキャン要求を送信して画像処理装置にてスキャンを行い、スキャン画像が画像処理装置からBotアプリケーションを介してメッセージアプリケーションを利用する所望の送り先へ送信される。
【0013】
図1は、第1実施形態および第2実施形態のシステム構成の一例を示す図である。本システムは、第1実施形態ではスキャンシステム、第2実施形態ではプリントシステムとして機能する。本システムは、クライアント端末100、メッセージアプリケーションサーバ200、Botアプリケーションサーバ300、画像処理装置400を備える。
図1において、メッセージアプリケーションサーバ200は、クライアント端末100とネットワーク2000を介して接続され、Botアプリケーションサーバ300とネットワーク2200を介して接続されている。
【0014】
ここで、メッセージアプリケーションは、メッセージアプリケーションサーバ200を介して他のクライアント端末との送受信も可能である。
図1の例では1つのクライアント端末100が示されているが、スキャンシステムにおけるクライアント端末100の数は複数であってもよい。この場合において、複数のクライアント端末はそれぞれハードウェア構成が異なっていてもよい。
【0015】
また、Botアプリケーションサーバ300と画像処理装置400は、ネットワーク2200を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク2000、ネットワーク2200、ネットワーク2200は、データの送受信が可能であればどのような仕様のネットワークでもよい。
【0016】
クライアント端末100は、ユーザによって操作されるコンピュータ装置であって、例えば、PC(パーソナルコンピュータ)、スマートフォン、タブレット端末などが挙げられる。クライアント端末100は、メッセージ共有システムを利用するためのソフトウェアモジュールであるメッセージアプリケーション101を含む。
【0017】
メッセージアプリケーション101は、ユーザにより入力された文字列を含むメッセージを、ネットワーク2000を介して後述のメッセージサービスアプリケーション201へ送信する機能を担う。また、メッセージアプリケーション101は、メッセージサービスアプリケーション201からネットワーク2000を介して受信したメッセージをユーザへ通知する機能を担う。
【0018】
メッセージアプリケーションサーバ200は、メッセージアプリケーション101に対してメッセージ共有システムのサービスを提供するために設置されるサーバである。メッセージアプリケーションサーバ200は、ソフトウェアモジュールであるメッセージサービスアプリケーション201と、ファイルストレージ202を含む。なお、
図1では示していないが、メッセージアプリケーションサーバ200は、複数のクライアント端末間でのメッセージのやり取りを行う場合には、メッセージの中継処理を行う。
【0019】
メッセージサービスアプリケーション201は、クライアント端末100のメッセージアプリケーション101から送信されたメッセージを受信する。また、メッセージサービスアプリケーション201は、Botアプリケーションサーバ300の後述するBotアプリケーション301へメッセージの受信イベントを送信する。また、メッセージサービスアプリケーション201は、Botアプリケーション301からのリクエストに基づいてメッセージアプリケーション101へメッセージを送信する。さらに、メッセージサービスアプリケーション201は、受信した画像ファイルをファイルストレージ202に保存する処理を行う。
【0020】
ファイルストレージ202は、メッセージアプリケーションサーバ200によって管理される記憶装置である。ファイルストレージ202は、クライアント端末100のメッセージアプリケーション101から送信された画像ファイルや、Botアプリケーション301から送られてくる画像ファイルおよびメッセージを記憶する。
【0021】
Botアプリケーションサーバ300は、メッセージ共有システムと連携するBotアプリケーション301の機能を提供するために設置されるサーバである。Botアプリケーションサーバ300は、ウェブアプリケーションの一例であるBotアプリケーション301と、ファイルストレージ302を含む。
【0022】
Botアプリケーション301は、メッセージアプリケーションサーバ200のメッセージサービスアプリケーション201からのイベント通知を受信し、受信したイベントの内容に応じた処理を実行する。例えば、Botアプリケーション301は、印刷に関する投稿に応じた印刷リクエストを発行する。また、Botアプリケーション301は、画像処理装置400に対するスキャンに関する投稿に応じたスキャンリクエストを発行する。また、Botアプリケーション301は、必要に応じてメッセージサービスアプリケーション201へネットワーク2200を介してメッセージ送信リクエストを送信する。
【0023】
Botアプリケーション301は、受信したイベントがICカードと画像処理装置の紐づけ登録であれば、ICカード識別番号と画像処理装置識別番号を紐づけて記憶する。また、Botアプリケーション301は、受信したイベントがICカードによるプリント要求であれば、紐づけて記憶されているICカード識別番号と画像処理装置に従って、ICカードに紐づけされている画像処理装置へのプリントを実行する。
【0024】
Botアプリケーション301は、受信したイベントがICカードとスキャン画像の送り先の紐づけ登録であれば、ICカード識別番号と送り先を紐づけて記憶する。また、Botアプリケーション301は、受信したイベントがICカードによるスキャン画像送信であれば、紐づけて記憶されているICカード識別番号と送り先に従って、スキャン画像を指定のユーザもしくはグループへ送信する。
【0025】
また、Botアプリケーション301は、メッセージサービスアプリケーション201の仮想ユーザとして機能し、クライアント端末100のメッセージアプリケーション101とのメッセージの送受信が可能である。
【0026】
ファイルストレージ302は、画像処理装置400から受信した画像ファイルやメッセージを記憶する。また、ファイルストレージ302は、Botアプリケーション301によって紐づけられたICカードと画像処理装置、ICカードとスキャン画像送信予約の紐づけ情報を記憶する。
【0027】
ここで、本実施形態では、Botアプリケーションサーバ300上にBotアプリケーション301が配置される構成になっているが、Botアプリケーション301は画像処理装置400上に存在する構成としてもよい。また、メッセージアプリケーションサーバ200、Botアプリケーションサーバ300は、サーバ装置の他、サーバ装置を含むデータセンターにより提供されたリソースを利用した仮想マシン(クラウドサービス)により実現されてもよい。
【0028】
画像処理装置400は、プリント機能およびスキャン機能を備える装置であって、例えば、複合機(MFP)などが該当する。画像処理装置400は、用紙に対してトナーやインク等の記録剤を用いて画像形成を行う印刷装置を有している。また、画像処理装置400は、原稿を読み取りスキャン画像を生成するスキャナ装置を有している。また、画像処理装置400は、コピーやFAX送信等の機能を備えていてもよい。
【0029】
図2は、クライアント端末100のハードウェア構成例を示す図である。クライアント端末100は、CPU111、RAM112、ROM113、表示装置114、入力装置115、通信モジュール116、外部記憶装置117、ICカードリーダ119、内蔵ICチップ120を含む。これらの要素は、システムバス118を介して接続され、互いにデータのやり取りを行う。
【0030】
CPU(Central Processing Unit)111は、RAM112、ROM113に格納されたプログラムに従って、各種の演算処理を行い、クライアント端末100全体を制御する。RAM(Random Access Memory)112は、揮発性の記憶領域であって、CPU111が各種処理を行う際の一時記憶領域として使用される。ROM(Read Only Memory)113は、不揮発性の記憶領域であって、オペレーティングシステム(OS)、メッセージアプリケーション101やその他のアプリケーションを格納する。
【0031】
表示装置114は、グラフィックユーザインターフェース(GUI)等の表示を行うデバイスであって、例えば、液晶ディスプレイとグラフィックコントローラーとを含む。
入力装置115は、クライアント端末100に対するユーザの操作を受け付けるデバイスであって、例えば、キーボードやポインティングデバイスが挙げられる。クライアント端末100は、入力装置115から受け付けたユーザの各種指示に応じて、各種の制御を行う。ここで、入力装置115は、クライアント端末100に外付けされるデバイスであってもよい。また、
図2の例では、クライアント端末100において表示装置114と入力装置115を別に示している。しかし、表示装置114と入力装置115は、例えばタッチパネルディスプレイ等のように、一体的に構成されていてもよい。タッチパネルにおける入力座標と表示座標を対応付けることで、あたかもユーザがタッチパネルに表示された画面を直接的に操作可能であるかのようなGUIを構成することができる。
【0032】
通信モジュール116は、外部装置と通信を行うためのインターフェースである。通信モジュール116は、ルータなどの通信機器(不図示)と接続され、ネットワーク2000を介してメッセージアプリケーションサーバ200とのデータ通信を行う。なお、このデータ通信は、無線通信、電話回線やLANなどの有線回線による通信、またはこれらの組み合わせにより行われてもよい。
【0033】
外部記憶装置117は、不揮発性の記憶領域である。例えば、クライアント端末100がスマートフォンである場合、外部記憶装置117としてフラッシュメモリが使用されてもよい。
システムバス118は、クライアント端末100に含まれる各部の間のデータのやり取りを行う。
【0034】
ICカードリーダ119は、ICカードの情報を読み取るための装置である。ここで、本実施形態におけるICカードは、NFC(Near Field Communication)などが搭載された非接触ICカードやICチップが搭載された端末である。すなわち、ICカードはカード情報が書き込まれたICチップを備え、ICカードリーダ119は、ICチップからカード情報を読み取る。例えば、クライアント端末100がスマートフォンである場合、ICカードの読み取りが許可されたスマートフォンアプリケーションは、スマートフォンの背面にかざされたICカードのカード情報を読み取ることができる。読み取ることのできるカード情報には、ICチップを一意に識別可能な番号(以下、ICカード識別番号と記す)が含まれる。
【0035】
内蔵ICチップ120は、クライアント端末100に内蔵されているICチップである。内蔵ICチップ120には、ICカードと同様にICカード識別番号が書き込まれている。クライアント端末100がスマートフォンである場合、内蔵ICチップ120によりスマートフォン自体をICカードとして利用することができる。さらに、内蔵ICチップ120の読み取りが許可されたスマートフォンアプリケーションは、内蔵ICチップ120に書き込まれているICカード識別番号を読取ることができる。
【0036】
図3は、メッセージアプリケーションサーバ200のハードウェア構成例を示す図である。メッセージアプリケーションサーバ200は、CPU211、RAM212、ROM213、通信モジュール214および外部記憶装置216を含む。これらの要素は、システムバス215を介して接続され、互いにデータのやり取りを行う。
【0037】
CPU211は、RAM212またはROM213に格納されたプログラムに従って、各種の演算処理を行い、メッセージアプリケーションサーバ220全体を制御する。RAM212は、揮発性の記憶領域であって、CPU211が各種の演算処理を行う際の一時記憶領域として使用される。ROM213は、不揮発性の記憶領域であり、各種のデータを格納する。
【0038】
通信モジュール214は、外部装置と通信を行うためのインターフェースである。通信モジュール214は、ネットワーク2000を介してクライアント端末100とのデータ通信を行い、ネットワーク2200を介してBotアプリケーションサーバ300とのデータ通信を行う。なお、このデータ通信は、無線通信、電話回線やLANなどの有線回線による通信、またはこれらの組み合わせにより行われてもよい。
【0039】
外部記憶装置216は、不揮発性の記憶領域であって、例えば、オペレーティングシステム、メッセージサービスアプリケーション201などの格納に使用される。
システムバス215は、メッセージアプリケーションサーバ200に含まれる各部の間のデータのやり取りを行う。
【0040】
また、Botアプリケーションサーバ300のハードウェア構成は、以下の点を除いて上述のメッセージアプリケーションサーバ200と同様である。Botアプリケーションサーバ300では、外部記憶装置にBotアプリケーション301が格納される。また、Botアプリケーションサーバ300の通信モジュールは、ネットワーク2200を介してメッセージアプリケーションサーバ200とのデータ通信を行い、ネットワーク2200を介して画像処理装置400とのデータ通信を行う。そのため、Botアプリケーションサーバ300のハードウェア構成の説明については省略する。
なお、メッセージアプリケーションサーバ200およびBotアプリケーションサーバ300の構成は上記に限定されるものではなく、例えば、一般的な情報処理装置と同様の構成でもよく、それぞれのサーバが異なる構成であってもよい。
【0041】
図4は、画像処理装置400のハードウェア構成例を示す図である。画像処理装置400は、CPU401、RAM402、ハードディスク(以下、HDDとも称する)403、入力装置404、通信装置406、印刷装置407、スキャナ装置408およびICカードリーダ409を含む。これらの要素は、メインバス405を介して接続され、互いにデータのやり取りを行う。
【0042】
CPU401は、RAM402またはHDD403に格納されたプログラムに従って、各種の演算処理を行い、画像処理装置400全体を制御する。RAM402は、揮発性の記憶領域であって、CPU401が各種の演算処理を行う際の一時記憶領域として使用される。HDD403は、画像処理装置400によって実行されるプログラムを記憶する記憶媒体である。なお、HDD403に代えて、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)を用いてもよい。
【0043】
入力装置404は、GUIをユーザに提供する表示部を備え、GUIを介してユーザの各種入力を受け付ける。通信装置406は、ネットワーク2200を介してBotアプリケーションサーバ300との通信を制御する。
【0044】
印刷装置407は、印刷処理を実行する。例えば、印刷装置407は、受信した印刷ジョブに基づいて画像データを印刷可能なデータ形式に変換し、紙原稿に印字し出力する。また、印刷装置407は、スキャナ装置408で読み取られた原稿を用紙に出力する。スキャナ装置408は、原稿を光学的に読み取り、スキャンに基づく電子ファイル(スキャンデータ)を生成する。
【0045】
ICカードリーダ409は、ICカードの情報を読み取るための装置である。読み取ることのできるカード情報には、ICチップに書き込まれたICカードを一意に識別する番号(以下、ICカード識別番号と記す)が含まれる。
メインバス405は、画像処理装置400に含まれる各部の間のデータのやり取りを行う。
【0046】
(第1実施形態)
第1実施形態として、ICカードを利用したメッセージアプリケーション101からのプリント処理について説明する。ICカードを利用したメッセージアプリケーション101からのプリント処理では、事前にICカードと画像処理装置400とを紐づけてBotアプリケーション301に登録する。そして、ユーザがメッセージアプリケーション101で印刷指示を行うと、Botアプリケーション301からICカードの読み取りが要求され、該要求に応じてカード情報を返すと、該ICカードに紐づけられた画像処理装置400で印刷処理が実行される。そのため、メッセージアプリケーション101におけるICカードを利用したプリント処理の事前処理として、Botアプリケーション301内でのICカードと画像処理装置とを紐づけて登録する処理が必要となる。
【0047】
(プリント前のICカードと画像処理装置400の紐づけ登録処理)
まず、
図5~
図8を用いて、ICカードと画像処理装置400との紐づけ登録処理について説明する。
図5(A)~(C)は、ICカードと画像処理装置400の紐づけ登録時の画像処理装置の画面の例を示す図である。
図6は、ICカードと画像処理装置400の紐づけ登録処理を示すシーケンス図である。
図7は、ICカードと画像処理装置400の紐づけ管理テーブルの一例を示す図である。
【0048】
ICカードと画像処理装置400を紐づけて登録するために、ユーザはまず画像処理装置400を操作してICカードを登録する。
図5(A)は、画像処理装置400のメインメニュー画面の一例を示す図である。メインメニュー画面500には、チャットプリント501およびチャットスキャン502を含む画像処理装置400の機能メニューが表示される。。チャットプリント501は、メッセージアプリケーションからのプリントサービスに対応するアイコンである。チャットスキャン502は、メッセージアプリケーションを介するスキャンサービスに対応するアイコンである。
【0049】
ユーザは、画像処理装置400のメインメニュー画面500にて、チャットプリント501を押下する。画像処理装置400は、チャットプリント501の押下を検知すると、チャットプリント用のICカード登録画面510を表示する。チャットプリント用のICカード登録画面510には、ユーザにICカードの登録を促す表示とキャンセルボタンが表示される。ユーザは、チャットプリント用のICカード登録画面510の表示に従い、ICカードを画像処理装置400のICカードリーダ409にかざす。例えば、ユーザはICカードとして内蔵ICチップ120を持つクライアント端末100をICカードリーダ409にかざす。
【0050】
ここで、ICカードリーダ409にかざされたクライアント端末100のICカード識別番号を読み取ってから、Botアプリケーション301においてICカードと画像処理装置400を紐づけて登録するまでの処理を、
図6を用いて説明する。
ステップS601で、画像処理装置400は、ICカードリーダ409にかざされたクライアント端末100の内蔵ICチップ120からICカード識別番号を読み取る。
【0051】
ステップS602で、画像処理装置400は、Botアプリケーション301にICカードと画像処理装置400の紐づけ登録を依頼する。この際、画像処理装置400は、自装置の画像処理装置識別番号と、ステップS601で読み取ったICカード識別番号をBotアプリケーション301に送信する。画像処理装置識別番号は、画像処理装置400を一意に識別するための識別情報である。
【0052】
ステップS603で、Botアプリケーション301は、画像処理装置400から受信した画像処理装置識別番号とICカード識別番号とを紐づけて保持する。Botアプリケーション301は、例えば
図7に示される管理テーブル700を用いて、画像処理装置識別番号とICカード識別番号とを紐づけて管理する。
【0053】
管理テーブル700は、画像処理装置とICカードとを対応付けて管理する。また、本実施形態では、紐づけた画像処理装置とICカードの情報の有効期限も管理テーブル700で管理される。管理テーブル700は、ICカード識別番号列701、画像処理装置識別番号列702、有効期限列703を含む。ICカード識別番号列701には、画像処理装置400から取得したステップS601で読み取られたICカード識別番号が格納される。画像処理装置識別番号列702には、ICカード識別番号の読み取りを行った画像処理装置400から取得した画像処理装置識別番号が格納される。有効期限列703には、管理テーブル700への行追加時に予め決められている所定時間を考慮した値が登録される。すなわち、有効期限列703には、ICカードと画像処理装置400を対応付けて登録した日時から、該対応付けが有効とされる所定時間の期限の日時が格納される。有効期限列703に記載の期限に到達すると、その該当行が管理テーブル700から削除される。
【0054】
Botアプリケーション301は、画像処理装置とICカードとを紐づけた登録が完了すると、画像処理装置400に画像処理装置とICカードとの紐づけの有効期限を送信する。画像処理装置400は、
図5(C)に示される登録完了画面520にICカードと画像処理装置400の紐づけ登録が完了した旨と有効期限情報を表示し、ユーザに通知する。登録完了画面520に表示される有効期限は、日時でもよいし期間でもよい。
【0055】
以上の処理により、プリント処理を行う画像処理装置400の識別番号とICカードの識別番号とを紐づけて、Botアプリケーション301に登録することができる。以上のICカードと画像処理装置400の紐づけ登録処理により、チャットプリントの事前準備が完了し、メッセージアプリケーション101への投稿によりプリントが実行可能となる。
【0056】
(プリント実施)
次に、メッセージアプリケーションからプリントを実施する処理について
図8~
図10を用いて説明する。
図8は、メッセージアプリケーション101のホーム画面800の一例を示す図である。
図9は、メッセージアプリケーション101を用いたプリント処理時のメッセージ交換画面の一例を示す図である。
図10は、プリント処理を示すシーケンス図である。
【0057】
メッセージアプリケーション101のホーム画面800は、チャンネル一覧表示部801と、ユーザ一覧表示部802の表示を含む。チャンネル一覧表示部801は、他のユーザとメッセージを共有するチャンネルのうち、操作しているユーザが所属しているチャンネルの一覧を表示する。チャンネルは、メッセージ共有システムにおいて複数ユーザアカウントでメッセージ共有するチャット機能で使用されるコミュニケーションスペースの一例である。この種のコミュニケーションスペースとしては、例えば、Slackのチャネル、Chatworkのグループチャット、LINEのグループトーク等が挙げられる。ユーザ一覧表示部802は、直接メッセージの交換ができるユーザの一覧を表示する。
【0058】
図8に示すユーザ一覧表示部802には、直接メッセージの交換ができるユーザとして、ボットアカウント(複合機ボット803)が表示されている。ボットアカウント(複合機ボット803)は、メッセージ共有システムに登録された仮想ユーザであって、Botアプリケーション301によって応答が行われる。ユーザは、メッセージアプリケーション101において、直接メッセージの交換ができるユーザとして複合機ボット803の選択が可能である。
【0059】
図9は、メッセージアプリケーション101における複合機ボットとのメッセージ交換画面900の一例を示す図である。
図9のメッセージ交換画面900は、
図8のホーム画面800のユーザ一覧表示部802から、仮想ユーザである「複合機ボット803」を選択する操作に応じてクライアント端末100の表示装置114に表示される。メッセージ交換画面900上で、Botアプリケーション301は「複合機Bot」としてメッセージを表示し、ユーザは「You」としてメッセージを表示する。
【0060】
複合機ボットとのメッセージ交換画面900が表示されると、メッセージアプリケーション101は、まず複合機ボットメッセージ901を表示する。複合機ボットメッセージ901には、複合機(画像処理装置400)で実行する処理をユーザに選択させるためのメッセージを表示する。例えば、複合機ボットメッセージ901には、プリントを指示するためのプリント指示ボタン902と、スキャンを指示するためのスキャン指示ボタン903、ユーザにプリントするかスキャンするかの選択を促すメッセージが含まれる。
【0061】
複合機ボットメッセージ901を表示する処理の詳細を説明する。メッセージ交換画面900が表示されると、Botアプリケーション301は、メッセージサービスアプリケーション201に対して、指示要求を送信する。メッセージサービスアプリケーション201は、指示要求メッセージの要求を受信すると、メッセージアプリケーション101のユーザアカウントに対して、ボットアカウントからの指示要求として複合機ボットメッセージ901を送信する。
【0062】
ユーザがプリントを指示するためのプリント指示ボタン902を選択すると、メッセージアプリケーション101は複合機ボットメッセージ904を表示する。複合機ボットメッセージ904は、ICカードと画像処理装置400の紐づけ登録を実施したか否かを、ユーザに確認するためのメッセージである。例えば、複合機ボットメッセージ904には、ICカードと画像処理装置400を紐づけて登録してあるかを問うメッセージ、登録済みであることを示す登録ボタン905、まだ登録していないことを示す未登録ボタン906が含まれる。
【0063】
ユーザがICカードと画像処理装置400を紐づけて登録済みであることを示す登録ボタン905を選択すると、メッセージアプリケーション101は複合機ボットメッセージ907を表示する。複合機ボットメッセージ907は、ユーザにICカードの読み取りを促すためのメッセージである。例えば、複合機ボットメッセージ907には、ICカードの読み取りを促すためのメッセージ、ICカード識別番号の読み取り対象として使用中の端末を選択する端末ボタン908、使用中の端末以外のICカードを選択するICカードボタン909が表示される。
【0064】
複合機ボットメッセージ907を表示する処理は、
図10のステップS1001およびステップS1002の処理に該当する。具体的には、ステップS1001でBotアプリケーション301がメッセージサービスアプリケーション201にICカードの読み取り要求を送信する。そして、ステップS1002でメッセージサービスアプリケーション201がメッセージアプリケーション101に、ICカードの読み取り要求を送信し、メッセージ交換画面900に複合機ボットメッセージ907を表示させる。
【0065】
ユーザが端末ボタン908を選択した場合は、メッセージアプリケーション101は、クライアント端末100の内蔵ICチップ120からICカード識別番号を取得する。一方、ユーザがICカードボタン909を選択した場合は、メッセージアプリケーション101は、クライアント端末100のICカードリーダ119を介して、ICカード識別番号を取得する。カード情報を読み取ってICカード識別番号を取得する処理は、
図10のステップS1003の処理に該当する。本実施形態では、ユーザがICカード識別番号の読み取り対象として使用中の端末を選択する端末ボタン908を選択し、メッセージアプリケーション101がクライアント端末100の内蔵ICチップ120からICカード識別番号を取得したものとする。
【0066】
次に、メッセージアプリケーション101は、複合機ボットメッセージ910を表示する。複合機ボットメッセージ910は、プリントする画像(原稿)の送信を促すメッセージである。ユーザは、複合機ボットメッセージ910に応じて、プリントする画像を選択してメッセージ交換画面900に投稿する。複合機ボットメッセージ910を表示する処理は、
図10のステップS1004およびステップS1005の処理に該当する。具体的には、ステップS1004でBotアプリケーション301がメッセージサービスアプリケーション201にプリントする画像の要求を送信する。そして、ステップS1005でメッセージサービスアプリケーション201がメッセージアプリケーション101に、プリントする画像の要求を送信し、メッセージ交換画面900に複合機ボットメッセージ910を表示させる。なお、プリントする画像を要求するステップS1004およびステップS1005は、カード情報を要求するステップS1001およびステップS1002と同時に送信されてもよい。ユーザにより投稿されたプリントする画像をメッセージアプリケーション101が取得する処理は、
図10のステップS1006の処理に該当する。
【0067】
メッセージアプリケーション101は、取得したプリントする画像およびステップS1003で取得したICカード識別番号を、メッセージサービスアプリケーション201を介して、Botアプリケーション301に通知する。メッセージアプリケーション101が、プリントする画像およびICカード識別番号をメッセージサービスアプリケーション201に通知する処理は、
図10のステップS1007のICカードによるプリント要求処理に該当する。メッセージサービスアプリケーション201が、プリントする画像およびICカード識別番号をBotアプリケーション301に通知する処理は、
図10のステップS1008のICカードによるプリント要求処理に該当する。
【0068】
プリントする画像およびICカード識別番号を取得したBotアプリケーション301は、管理テーブル700を参照し、ICカード識別番号に対応する画像処理装置識別番号を特定する。Botアプリケーション301が、メッセージアプリケーション101から取得したICカード識別番号から画像処理装置識別番号を特定処理は、
図10のステップS1009の処理に該当する。
【0069】
Botアプリケーション301は、ステップS1009で特定した画像処理装置識別番号の画像処理装置400に対して、メッセージアプリケーション101から取得した画像のプリントを指示するプリントジョブを投入する。Botアプリケーション301が画像処理装置識別番号に対応する画像処理装置400に対して、メッセージ交換画面900に投稿された画像のプリントを指示する処理は、
図10のステップS1010の処理に該当する。
【0070】
Botアプリケーション301からプリントジョブを受信した画像処理装置400は、プリントジョブに従いプリント処理を実行する。画像処理装置400がプリントを実行する処理は、
図10のステップS1011の処理に該当する。画像処理装置400は、プリント実行後にプリント結果をBotアプリケーション301に通知する。画像処理装置400がプリント結果をBotアプリケーション301に通知する処理は、
図10のステップS1012の処理に該当する。
【0071】
画像処理装置400からプリント結果の通知を受けたBotアプリケーション301は、プリント結果を、メッセージサービスアプリケーション201を介して、メッセージアプリケーション101に通知する。そして、メッセージアプリケーション101は、プリント完了を示す複合機ボットメッセージ912を表示する。Botアプリケーション301がプリント結果をメッセージサービスアプリケーション201に通知する処理は、
図10のステップS1013の処理に該当する。メッセージサービスアプリケーション201がプリント結果をメッセージアプリケーション101に通知し、プリント結果を複合機ボットメッセージ912として表示させる処理は、
図10のステップS1014の処理に該当する。
【0072】
以上により、ユーザは、クライアント端末100上のメッセージアプリケーション101から、所定の画像処理装置400でのプリントを実行することが可能となる。その際に、メッセージアプリケーション101上ではICカード読取操作をするだけでよく、ID等の番号入力の手間は不要となる。
【0073】
(第2実施形態)
第2実施形態として、ICカードを利用したメッセージアプリケーション101からのスキャン処理について説明する。ICカードを利用したメッセージアプリケーション101からのスキャン処理では、事前にICカードとユーザ指定したスキャン画像(スキャンデータ)の送り先(宛先)とを紐づけてBotアプリケーション301に登録する。そして、ユーザがICカードを利用して画像処理装置400で画像のスキャンを行うと、Botアプリケーション301がICカードに対応する送り先に、スキャン画像を送信する。そのため、メッセージアプリケーション101におけるICカードを利用したスキャン処理の事前処理として、Botアプリケーション301内でICカードと送り先とを紐づけて登録する処理が必要となる。
【0074】
(スキャン前のICカードと送り先の紐づけ登録処理)
まず、
図11~
図13を用いて、Botアプリケーション301内での、ICカードとスキャン画像の送り先との紐づけ登録処理について説明する。
図11は、メッセージアプリケーション101を用いたスキャン処理時のメッセージ交換画面の一例を示す図である。
図12は、ICカードとスキャン画像の送り先の紐づけ登録処理を示すシーケンス図である。
図13は、ICカードとスキャン画像の送り先の紐づけ管理テーブルの一例を示す図である。
【0075】
図11に示されるメッセージ交換画面1100は、メッセージアプリケーション101がクライアント端末100の表示装置114に表示する画面である。
図11のメッセージ交換画面1100は、
図8のホーム画面800のユーザ一覧表示部802から、仮想ユーザである「複合機ボット803」を選択する操作に応じてクライアント端末100の表示装置114に表示される。メッセージ交換画面900上で、Botアプリケーション301は複合機Botとしてメッセージを表示する。
【0076】
複合機ボットとのメッセージ交換画面1100が表示されると、メッセージアプリケーション101は、まず複合機ボットメッセージ1101を表示する。複合機ボットメッセージ1101は、
図9に示される複合機ボットメッセージ901と同様のメッセージである。ユーザがスキャンを指示するためのスキャン指示ボタン1103を選択しスキャンを要求すると、メッセージアプリケーション101は複合機ボットメッセージ1104を表示する。
【0077】
複合機ボットメッセージ1104は、ユーザにICカードの読み取りを促すためのメッセージである。例えば、複合機ボットメッセージ907には、ICカードの登録が必要である旨のメッセージ、端末ボタン1105、ICカードボタン1106が表示される。端末ボタン1105は、ICカード識別番号の読み取り対象として使用中の端末を選択するアイコンである。ICカードボタン1106は、ICカード識別番号の読み取り対象として使用中の端末以外のICカードを選択するアイコンである。
【0078】
ユーザが端末ボタン1105を選択した場合は、メッセージアプリケーション101は、クライアント端末100の内蔵ICチップ120からICカード識別番号を取得する。一方、ユーザがICカードボタン1106を選択した場合は、メッセージアプリケーション101は、クライアント端末100のICカードリーダ119を介して、ICカード識別番号を取得する。本実施形態では、ユーザがICカード識別番号の読み取り対象として使用中の端末を選択する端末ボタン1105を選択し、メッセージアプリケーション101がクライアント端末100の内蔵ICチップ120からICカード識別番号を取得したものとする。
【0079】
ICカード識別番号を取得すると、メッセージアプリケーション101は複合機ボットメッセージ1107を表示する。複合機ボットメッセージ1107は、スキャン画像(スキャンデータ)の送り先(宛先)の入力をユーザに促すメッセージである。複合機ボットメッセージ1107に応じて、ユーザはスキャン画像の送り先を入力する。なお、スキャン画像の送り先は、メッセージサービスを利用するユーザ個人(ユーザアカウント)でもよいし、グループ(コミュニケーションスペース)でもよい。また、一度に複数の送り先を指定してもよい。ユーザがスキャン画像の送り先を入力したら、メッセージアプリケーション101はユーザメッセージ1108を表示する。
【0080】
スキャン要求に応じてスキャンに必要なカード情報とスキャンデータの宛先をスキャン要求元から取得する処理は、
図12のステップS1201~ステップS1206の処理に該当する。具体的には、ステップS1201で、Botアプリケーション301が、メッセージサービスアプリケーション201にICカードの読み取り要求および宛先の入力要求を送信する。そして、ステップS1202で、要求を受信したメッセージサービスアプリケーション201が、メッセージアプリケーション101に、ICカードの読み取り要求および宛先の入力要求を送信する。
【0081】
メッセージアプリケーション101は、Botアプリケーション301からの要求に基づいて、まずメッセージ交換画面1100にICカードの読み取りを促すための複合機ボットメッセージ1104を表示させる。メッセージアプリケーション101は、ユーザが選択したICカード識別番号の読み取り方法に応じて、ステップS1203で、カード情報を読み取ってICカード識別番号を取得する。
【0082】
次に、メッセージアプリケーション101は、Botアプリケーション301からの要求に基づいて、メッセージ交換画面1100にスキャン画像の送り先(宛先)の入力を促すための複合機ボットメッセージ1107を表示させる。メッセージアプリケーション101は、ステップS1204で、ユーザの入力した送り先を取得する。Botアプリケーション301は、ステップS1201およびステップS1202により複合機Botとしてメッセージ交換画面1100に複合機ボットメッセージ1104、1107を投稿することで、スキャン要求の要求元にカード情報および宛先を要求する。そして、メッセージアプリケーション101は、ステップS1203およびステップS1204でカード情報および宛先を取得し、これらの情報を含むスキャン画像送信予約をBotアプリケーション301に通知する。
【0083】
メッセージアプリケーション101がスキャン画像送信予約をBotアプリケーション301に通知する処理は、
図12のステップS1205およびステップS1206に該当する。スキャン画像送信予約には、ステップS1203で取得したICカード識別番号とステップS1204で取得したスキャン画像の送り先(宛先)が含まれる。具体的には、ステップS1205で、メッセージアプリケーション101が、スキャン画像送信予約をメッセージサービスアプリケーション201に通知する。そして、ステップS1206で、スキャン画像送信予約を受信したメッセージサービスアプリケーション201が、スキャン画像送信予約をBotアプリケーション301に通知する。
【0084】
メッセージアプリケーション101からスキャン画像送信予約を受信したBotアプリケーション301は、スキャン画像送信予約に含まれるICカード識別番号およびスキャン画像の送り先を紐づけて保持する。Botアプリケーション301は、例えば
図13に示される管理テーブル1300を用いて、ICカード識別番号とスキャン画像の送り先とを紐づけて管理する。
【0085】
管理テーブル1300は、ICカード識別番号とスキャン画像の送り先とを紐づけて管理する。また、本実施形態では、紐づけたICカード識別番号とスキャン画像の送り先の有効期限も管理テーブル1300で管理される。管理テーブル1300は、ICカード識別番号列1301、スキャン画像の送り先1302、有効期限列1303を含む。ICカード識別番号列1301には、メッセージアプリケーション101から取得した、ステップS1203で読み取られたICカード識別番号が格納される。スキャン画像の送り先1302には、メッセージアプリケーション101から取得した、ステップS1203で読み取られたスキャン画像の送り先が格納される。有効期限列1303には、管理テーブル1300への行の追加時に予め決められている所定時間を考慮した値が登録される。すなわち、有効期限列1303には、ICカード識別番号とスキャン画像の送り先を対応付けて登録した日時から、該対応付けが有効とされる所定時間の期限の日時が格納される。有効期限列1303に記載の期限に到達すると、その該当行が管理テーブル1300から削除される。Botアプリケーション301において、ICカード識別番号とスキャン画像の送り先とを紐づけて登録する処理は、
図12のステップS1207の処理に該当する。
【0086】
スキャン画像送信予約に基づいてICカード識別番号とスキャン画像の送り先とを紐づけて登録したBotアプリケーション301は、受付結果を、メッセージサービスアプリケーション201を介して、メッセージアプリケーション101に通知する。Botアプリケーション301から受付結果を取得したメッセージアプリケーション101は、メッセージ交換画面1100に複合機ボットメッセージ1109を表示する。複合機ボットメッセージ1109は、スキャン画像送信予約の受付結果を示すメッセージである。複合機ボットメッセージ1109には、例えば、管理テーブル1300で登録された有効期限までに、登録したICカードを画像処理装置にかざしてスキャンを実行するようユーザに促すメッセージが表示される。
【0087】
Botアプリケーション301が、受付結果を、メッセージサービスアプリケーション201を介して、メッセージアプリケーション101に通知する処理は、
図12のステップS1208およびステップS1209に該当する。具体的には、ステップS1208で、otアプリケーション301が、受付結果をメッセージサービスアプリケーション201に通知する。そして、ステップS1209で、受付結果を受信したメッセージサービスアプリケーション201が、受付結果をメッセージアプリケーション101に通知し、受付結果を複合機ボットメッセージ1109として表示させる。
【0088】
以上の処理により、画像処理装置400でスキャンを行う際に読み取らせるICカード識別番号と、該スキャンにより生成されたスキャン画像を送信する送り先(宛先)を紐づけて、Botアプリケーション301に登録することができる。ICカードとスキャン画像の宛先の紐づけ登録処理により、チャットスキャンの事前準備が完了する。
【0089】
(スキャン実施)
次に、Botアプリケーション301でICカード識別番号とスキャン画像の送り先を紐づけた後の、スキャン処理について、
図14および
図15を用いて説明する。
図14は、スキャン処理を実行する際の画像処理装置400の画面例を示す図である。
図15は、スキャン処理を示すシーケンス図である。
【0090】
図14(A)は、画像処理装置400のメインメニュー画面の一例を示す図である。メインメニュー画面1400は、
図5(A)のメインメニュー画面500と同様の画面である。メインメニュー画面1400は、画像処理装置400の入力装置404が備える表示部に表示される。メインメニュー画面1400には、チャットプリント1401およびチャットスキャン1402を含む画像処理装置400の機能メニューが表示される。チャットプリント1401は、メッセージアプリケーションからのプリントサービスに対応するアイコンである。チャットスキャン1402は、メッセージアプリケーションを介するスキャンサービスに対応するアイコンである。
【0091】
ユーザは、画像処理装置400のメインメニュー画面1400にて、チャットスキャン1402を押下する。画像処理装置400は、チャットスキャン1402の押下を検知すると、
図14(B)に示されるチャットスキャン用のICカード読取画面1410を表示する。ICカード読取画面1410は、入力装置404が備える表示部に表示される。チャットスキャン用のICカード読取画面1410には、ユーザにメッセージアプリケーション101においてスキャンの要求を行った際に登録したICカードをICカードリーダ409にかざすよう促す表示とキャンセルボタンが表示される。ユーザは、チャットスキャン用のICカード読取画面1410の表示に従い、ICカードを画像処理装置400のICカードリーダ409にかざす。例えば、ユーザはICカードとして内蔵ICチップ120を持つクライアント端末100をICカードリーダ409にかざす。
【0092】
ここで、ICカードリーダ409にかざされたクライアント端末100のICカード識別番号を読み取り、スキャン画像を送信する処理について、
図15を用いて説明する。
ステップS1501で、画像処理装置400は、ICカードリーダ409にかざされたクライアント端末100の内蔵ICチップ120からICカード識別番号を読み取る。
【0093】
ステップS1502で、画像処理装置400は、スキャンを実施する。具体的には、画像処理装置400は、
図14(C)に示されるスキャン実行画面1420を表示する。スキャン実行画面1420は、入力装置404が備える表示部に表示される。スキャン実行画面1420には、例えば、ユーザにスキャンの実行を促すメッセージが表示される。ユーザは、スキャンする原稿をスキャナ装置408に置き、画像処理装置400にスキャンを指示する。画像処理装置400は、ユーザのスキャン指示に応じてスキャンを実施し、スキャンした原稿のスキャン画像を生成する。
【0094】
ステップS1503で、画像処理装置400は、ステップS1501で読み取ったICカード識別番号とステップS1502で生成したスキャン画像を、Botアプリケーション301に通知する。
ステップS1504で、Botアプリケーション301は、管理テーブル1300を参照して、画像処理装置400から取得したICカード識別番号に対応するスキャン画像の送り先を特定する。
【0095】
ステップS1505で、Botアプリケーション301は、メッセージアプリケーション201に対して、ステップS1504で特定したスキャン画像の送り先にスキャン画像をメッセージとして送信するよう要求する。スキャン画像の送信要求を受けたメッセージアプリケーション201は、指定されたスキャン画像の送り先のメッセージアプリケーション201にスキャン画像を送信する。
【0096】
ステップS
1506で、Botアプリケーション301は、ステップS
1505でのメッセージアプリケーション
201へのスキャン画像の送信結果を画像処理装置400に通知する。
ステップS
1507で、画像処理装置400は、
図14(D)に示すスキャン送信結果画面1403に表示し、スキャン画像の送信結果をユーザに通知する。スキャン送信結果画面1403は、入力装置404が備える表示部に表示される。スキャン送信結果画面1403は、スキャン画像の送信結果を表示する画面である。スキャン送信結果画面1403には、例えば、スキャン画像の送り先の情報が含まれていてもよい。
【0097】
以上により、ユーザは、画像処理装置400からスキャンした画像を、予めメッセージアプリケーション101で登録したスキャン画像の送り先に送ることができる。その際に、画像処理装置400では、ICカードをかざすだけでよく、ID等の番号入力の手間は不要となる。
【0098】
以上のように、本実施形態によれば、メッセージアプリケーションを介したプリントサービスまたはスキャンサービスを利用する際に、ICカードを用いることで、ID等の番号入力の手間を削減することができる。
【0099】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0100】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。