(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/00 20060101AFI20241209BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20241209BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20241209BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20241209BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20241209BHJP
【FI】
B41J29/00 T
G03G21/00 386
B41J29/38 104
B41J29/42 F
H04N1/00 E
H04N1/00 519
G03G21/00 376
(21)【出願番号】P 2020169903
(22)【出願日】2020-10-07
【審査請求日】2023-10-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002767
【氏名又は名称】弁理士法人ひのき国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 広樹
【審査官】大浜 登世子
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-227171(JP,A)
【文献】特開2019-177633(JP,A)
【文献】特開2020-121464(JP,A)
【文献】特開2018-187848(JP,A)
【文献】特開2013-080114(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/00 -29/46
G03G 21/00
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによる操作を受け付ける入力部を有し、ユーザにより移動可能に設けられた操作手段と、
前記操作手段があらかじめ定められた所定の位置に配置されているか否かを検知する第1の検知手段と、
前記入力部での操作のため近づいてくるユーザを検知する第2の検知手段と、
を有する情報処理装置であって、
前記操作手段が前記所定の位置に配置されていないことを前記第1の検知手段が検知した場合、前記第2の検知手段の機能を無効化する制御手段を有する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記操作手段が前記所定の位置に配置されていることを前記第1の検知手段が検知した場合、前記制御手段は、無効化されている前記第2の検知手段の機能を有効化する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記操作手段は、さらに表示部を有し、
前記表示部において前記第2の検知手段の機能が有効化又は無効化される旨が表示される
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記操作手段が前記所定の位置に配置されていないことを前記第1の検知手段が検知した場合、前記表示部において前記第2の検知手段の機能を無効化するか否かをユーザが選択することが可能な第1の画面が表示される
ことを特徴とする請求項
3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1の画面において前記第2の検知手段の機能を無効化することがユーザにより選択されたことに基づいて、前記制御手段は、前記第2の検知手段の機能を無効化する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記画面において前記第2の検知手段の機能を無効化することが
ユーザにより選択されなかった場合、前記表示部において前記第2の検知手段が正しく機能しない可能性があることを示す第2の画面を表示する
ことを特徴とする請求項4又は5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第2の検知手段は、
設定された検知範囲内で、前記操作手段を操作しよう
と前記情報処理装置へ近づくユーザの有無を検知することが可能である
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
さらにスキャナを有し、
前記第2の検知手段は、前記スキャ
ナを操作しようとするユーザの有無を検知することが可能である
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記第2の検知手段が前記操作手段に搭載されている
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記第2の検知手段は、前記操作手段が所定の位置に配置されている際に前記操作手段の入力部が向いている方向に、前記第2の検知手段の検知範囲が存在する
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記操作手段が前記所定の位置にある場合、前記第2の検知手段は、前記操作手段を操作しようとするユーザの有無を検知することが可能である
ことを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項12】
ユーザによる操作を受け付ける入力部を有し、ユーザにより移動可能に設けられた操作手段と、
前記操作手段があらかじめ定められた所定の位置に配置されているか否かを検知する第1の検知手段と、
前記入力部での操作のため近づいてくるユーザを検知する第2の検知手段と、
を有する情報処理装置の制御方法であって、
前記操作手段が前記所定の位置に配置されていないことを前記第1の検知手段が検知した場合、前記第2の検知手段の機能を無効化するステップを有する
ことを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項13】
請求項1
2に記載の情報処理装置の制御方法をコンピュータにより実行するためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理装置の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、画像形成装置等の情報処理装置は、タッチパネルやテンキー等の入力デバイス、LCD(液晶ディスプレイ)等の表示デバイス、及び、CPUを搭載した制御基板等で構成された専用の操作部を備えているものが多い。
こうした専用の操作部は、装置の一箇所に固定されているものに限られず、ユーザやサービスマンなどが見やすい場所へ移動することが可能なものがある。
移動可能な操作部としては、チルト機構やアーム機構によって、角度や位置を変えられるものから、ケーブル等で有線接続されたり、無線接続されたり、操作部ユニットごと着脱可能なもの等が提案されてきた。
例えば、特許文献1では、操作性を向上させるために、画像形成装置の操作部を本体から取り外して利用可能にすることが提案されている。
【0003】
また、従来から、画像形成装置等の情報処理装置には、人感センサを備えるものがある。人感センサは、画像形成装置を使用しようとしているユーザを検知する人検知センサである。
人感センサは、画像形成装置が消費電力の少ないスリープ状態であるときに、人を検知したら自動で消費電力の多いスタンバイ状態に状態遷移するための用途で使用されることがある。
【0004】
例えば、特許文献2では、画像形成装置に人感センサを設け、人が近づいてきたと判定された場合に、省電力モードから復帰する方法が提案されている。この文献では、人感センサはあらかじめ決められた範囲に人が入ってきたかを検知している。画像形成装置において人感センサの検知範囲については、本体筐体や操作部に近づいてきた人について画像形成装置を使用する意図がある人として検知できるようにあらかじめ範囲を設定する方法が一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2006-227171号公報
【文献】特開2012-203132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述のように、人感センサは装置本体である筐体や操作部に近づいてきた人を検知するために、あらかじめ決められた範囲において検知を行うものである。そのため、人感センサと移動可能な操作部を備えている画像形成装置のような情報処理装置の場合、操作部が移動されると、操作部を操作しようとして近づいてきた人が人感センサの検知範囲から外れてしまうことがある。
【0007】
例えば、人感センサが本体筐体に設置されている場合、操作部を移動されてしまうと、人感センサが画像形成装置を使用する意図がある人を検知できなくなるのに、人感センサは無駄に検知動作しつづけることになる。
また、人感センサが操作部筐体に設置されている場合、操作部自体が移動されて人感センサが画像形成装置の横方向や後ろ方向を向くようになってしまうと、画像形成装置を使用する意図がない人を誤検知してしまう可能性もある。
本発明は、上記のような課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ユーザによる操作を受け付ける入力部を有し、ユーザにより移動可能に設けられた操作手段と、前記操作手段があらかじめ定められた所定の位置に配置されているか否かを検知する第1の検知手段と、前記入力部での操作のため近づいてくるユーザを検知する第2の検知手段と、を有する情報処理装置であって、前記操作手段が前記所定の位置に配置されていないことを前記第1の検知手段が検知した場合、前記第2の検知手段の機能を無効化する制御手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザを検知する検知手段が、装置を使用する意図がある人を検知できないのにもかかわらず無駄に動作を続けたり、装置を使用する意図がない人を誤検知したりすることを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】画像形成装置におけるスキャナ部と操作部と人感センサの配置イメージ図である(実施例1)。
【
図3】画像形成装置のハードウェア構成例を示すブロック図である(実施例1)。
【
図4】人感センサ機能を有効化・無効化する処理を示すフローチャートである(実施例1)。
【
図5】人感センサ機能を有効化・無効化する処理を示すフローチャートである(実施例2)。
【
図6】画像形成装置におけるスキャナ部と操作部と人感センサの配置イメージ図である(実施例3)。
【
図7】画像形成装置のハードウェア構成例を示すブロック図である(実施例3)。
【
図8】人感センサ機能の有効化・無効化をユーザに通知するための画面表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、図面を参照して、本発明を実施するための実施例について説明する。
ただし、以下に説明する実施例はあくまで例示であり、本発明の範囲をそれらに限定する趣旨のものではない。また、以下の実施例で説明されている特徴の組み合わせのすべてが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0012】
<実施例1>
図1は、本発明の実施例に係る画像形成システムの構成例を示す図である。本実施例の画像形成システムでは、PC(パーソナルコンピュータ)11、サーバ12、及び画像形成装置10がLAN13を介して接続されている。
画像形成装置10は、本発明に係る情報処理装置の一例である。本実施例の画像形成装置10は、画面表示用の画像データを生成する制御部と表示部を有し、制御部によって生成された画像データに基づいて表示部に画面を表示し、ユーザ操作を受け付ける操作部とを備える情報処理装置である。具体的には、例えば、印刷装置、読取装置、複写機、及びファクシミリ装置等である。ただし、本発明の情報処理装置は、画像形成装置以外の装置であってもよい。
【0013】
サーバ12は、PC11又は画像形成装置10等のクライアント装置からの要求に応じてサービスを提供するコンピュータである。
PC11又はサーバ12は、ユーザの操作に従ってPDL(Page Description Language)等の印刷言語で記述されたデータ又は特定の(例えば、JBIGで圧縮された)データフォーマットのデータを含むプリントジョブを生成する。PC11又はサーバ12は、生成したプリントジョブを、LAN13を介して画像形成装置10へ送信する。画像形成装置10は、PC11又はサーバ12等の外部装置からプリントジョブを受信すると、受信したプリントジョブに従って画像形成(印刷)を実行する。
【0014】
PC11又はサーバ12は、LAN13を介して画像形成装置10にリモートアクセスを行うことが可能である。PC11又はサーバ12は、リモートアクセスにより、画像形成装置10の操作、及び画像形成装置10の状態の監視を行うことができるように構成されている。また、画像形成装置10は、自装置の状態を、PC11又はサーバ12等の外部装置へ通知できるように構成されている。
【0015】
図2は、実施例1に係る画像形成装置10におけるスキャナ部100と操作部200と人感センサ500の配置イメージ図である。実施例1では、人感センサ500は画像形成装置10の筐体に設置されている形態を例として説明を行う。
【0016】
図2に示されているように、操作部200は画像形成装置10と専用の有線ケーブルによって接続されており、ユーザは操作部200を移動させることができる。
図2(a)は、操作部200が画像形成装置10においてあらかじめ定められた初期設置位置であるホームポジションに置かれている配置イメージ図である。
図2(b)は、操作部200がホームポジションから離れた場所に置かれている配置イメージ図である。
操作部200は、ユーザの操作を受け付けるタッチパネルなどからなる入力デバイス(不図示)と、後述するメイン制御部300によって生成されたデータに基づいて画面を表示する液晶表示パネルなどの表示デバイス(不図示)と、を備えている。また、本実施例では、画像形成装置10と操作部200は、専用の有線ケーブルで接続されている形態を例として説明するが、無線LANやBluetooth(登録商標)などの無線方式を用いて接続されてもよい。
【0017】
ホームポジションセンサ260(以下、「HPセンサ」ともいう)は、操作部200がホームポジションに置かれているか否かを検知するセンサである。HPセンサ260は、操作部200がホームポジションに置かれているとActive状態となり、ホームポジションに置かれていない場合はInactive状態となる。
【0018】
人感センサ500は、画像形成装置10を使用する意図があるユーザが近づいてくることを検知するためのセンサである。本実施例では、人感センサが焦電型センサである方式を例として説明するが、赤外線反射型センサや超音波反射型センサを使用する方式や、カメラで撮像した画像を処理して近づいてくる人を検知する方式など、他の方式を用いてもよい。
人感センサ500の検知範囲501は、人感センサ500が画像形成装置10を使用する意図があるユーザが近づいてくることを検知することが可能な範囲を示している。人感センサ500の検知範囲501は、スキャナ部100やホームポジションに置かれている操作部200を操作しようと画像形成装置10に向かって近づいてくるユーザを検知できるように設定されている。
【0019】
図2(a)の状態では、ユーザがスキャナ部100を操作しようとスキャナ部100に向かって近づいてきた場合、人感センサ500はユーザが近づいてきたことの検知が可能である。また、ユーザが操作部200を操作しようと操作部200に向かって近づいてきた場合でも、人感センサ500はユーザが近づいてきたことの検知が可能である。
一方、
図2(b)の状態では、ユーザがスキャナ部100を操作しようとしてスキャナ部100に向かって近づいてきた場合は、人感センサ500はユーザが近づいてきたことの検知が可能である。しかし、ユーザが操作部200を操作しようと操作部200に向かって近づいてきた場合は、人感センサ500はユーザが近づいてきたことの検知が不可能である。
【0020】
図3は、画像形成装置10のハードウェア構成例を示すブロック図である。
画像形成装置10は、スキャナ部100、操作部200、メイン制御部300、プリンタ部400、HPセンサ260、及び人感センサ500を備えている。
【0021】
メイン制御部300は、メインCPU301を含み、画像形成装置10全体を制御する。操作部200は、ユーザインタフェース(UI)として機能し、ユーザの操作を受け付ける入力デバイス(不図示)、及び画面を表示する表示デバイス(不図示)等を備えている。本実施例では、メイン制御部300と操作部200は、専用の有線ケーブルで接続されている形態を例として説明するが、無線LANやBluetoothなどの無線方式を用いて接続されてもよい。
プリンタ部400は、例えば電子写真方式に従ってシート状の記録媒体(用紙)への画像形成処理を行う。なお、プリンタ部400は、電子写真方式に限らず、インクジェット方式や熱転写方式などの、他の記録方式を採用してもよい。
【0022】
メイン制御部300は、メインCPU301、ROM302、RAM303、HDD304、電源制御部305、LANC(LANコントローラ)306、LAN I/F307を備えている。
メイン制御部300は、例えば、PC11などの外部装置から受信したプリントジョブに従って画像を印刷するよう、プリンタ部400を制御することにより、プリント機能を実現する。また、メイン制御部300は、スキャナ部100による原稿画像の読み取りによって得られた画像データに基づいて画像を印刷するよう、スキャナ部100及びプリンタ部400を制御することにより、コピー機能を実現する。
【0023】
メインCPU301は、画像形成装置10全体を制御する。メインCPU301は、ROM302又はHDD304に格納されているプログラムを読み出して実行することにより、プリント機能及びコピー機能等の、画像形成装置10の機能を実現する。
RAM303は、DDR SDRAM等の揮発性メモリで構成される。RAM303は、メインCPU301によって実行されるプログラム、及びメインCPU301によって用いられる一時的なデータを格納するために使用される。
【0024】
HDD304は、例えば、シリアルATAでメインCPU301と接続された記憶装置である。HDD304は、画像形成装置10に関する各種設定情報、及びプリント機能又はコピー機能で使用される画像データを一時的に格納するために用いられる。
LANC306は、メインCPU301及びLAN I/F307と接続されている。LANC306は、LAN I/F307を介して行われる、PC11又はサーバ12等の外部装置との通信を制御する。
【0025】
本実施例の画像形成装置10は、動作モードとして、省電力モードとスタンバイモードを有する。スタンバイモードでは、メインCPU301に電源(不図示)から電力が供給され、メインCPU301が動作可能な状態である。省電力モードでは、メインCPU301に電源から電力が供給されず、メインCPU301は動作可能な状態ではない。省電力モードは、スタンバイモードよりも画像形成装置10の消費電力が少ない動作モードである。なお、省電力モードでは、プリンタ部400及びスキャナ部100等のデバイスへの電力供給も停止される。
【0026】
電源制御部305は、画像形成装置10全体の電源制御を行う。電源制御部305は、メインCPU301及びプリンタ部400に電力が供給されていない場合に、メイン制御部300に設けられた画像形成装置10の電源のオン/オフ制御を行う。メインCPU301及びプリンタ部400に電力が供給されている場合には、メインCPU301が、電源制御部305を制御することによって各ユニットへの電力供給のオン/オフ制御を行う。なお、電源制御部305による電源制御は、当該電源制御部305のCPUがプログラムを実行することによって実現されてもよいし、PLD(Programmable Logic Device)のようなハードウェアロジックによって実現されてもよい。
【0027】
電源制御部305は、操作部200からのWAKE_ON_UI信号3006、LANC306からのWAKE信号3007、又は人感センサ500からのWAKE信号3008をトリガとして、画像形成装置10の電源をオフ状態からオン状態に切り替える。これにより、電源制御部305は、画像形成装置10を省電力モードからスタンバイモードに移行させる。
【0028】
操作部200からのWAKE_ON_UI信号3006は、画像形成装置10が省電力モード時に、ユーザから操作部200に操作入力があった場合、画像形成装置10を省電力モードからスタンバイモードへ復帰させるために出力される信号である。
LANC306からのWAKE信号3007は、画像形成装置10が省電力モード時に、PC11又はサーバ12等の外部装置からLAN13を介して画像形成装置10にアクセスがあったり、プリントジョブを受信したりした場合、画像形成装置10を省電力モードからスタンバイモードへ復帰させるために出力される信号である。
【0029】
人感センサ500からのWAKE信号3008は、画像形成装置10が省電力モード時に、人感センサ500が画像形成装置10を使用する意図があるユーザが近づいてくることを検知したときに、出力される信号である。なお、本実施例では、操作部200がホームポジションに置かれている場合、メインCPU301は人感センサ500からのWAKE信号3008に基づく制御を行う(なお、人感センサ505による制御を行うことを、人感センサ機能を有効化する、という)。一方、操作部200がホームポジションに置かれていない場合、メインCPU301は人感センサ500からのWAKE信号3008に基づく制御を行わない(なお、人感センサ505による制御を行わないことを、人感センサ機能を無効化する、という)。
【0030】
HPセンサ260は、操作部200が画像形成装置10においてあらかじめ定められた初期設置位置であるホームポジションに置かれているか否かを検知するためのセンサである。HPセンサ260は、タクティールスイッチなどの機械式スイッチ、フォトインタラプタのような無接点スイッチ、NFCなどの無線通信など、操作部200がホームポジションにあるかどうかを検知可能なものであればよい。
本実施例では、HPセンサ260は、操作部200がホームポジションに置かれている場合はActive状態となり、ホームポジションにない場合はInactive状態となり、それをメインCPU301に通知を行う。
【0031】
図4は、実施例1における人感センサ機能を有効化・無効化する処理を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、画像形成装置10のメインCPU301によって実行される。
まず、S401において、メインCPU301は人感センサ500と通信を試み、画像形成装置10に人感センサ500が搭載されているかを判断する。
メインCPU301が画像形成装置10に人感センサ500が搭載されていないと判断した場合(S401でNo)、本フローチャートの処理を終了する。一方、メインCPU301が画像形成装置10に人感センサ500が搭載されていると判断した場合(S401でYes)、S402に処理を移行する。
【0032】
S402において、メインCPU301は画像形成装置10において人感センサ機能が有効にされているか、無効にされているかの設定値の読み出しをHDD304から行う。
メインCPU301がHDD304から読み出した人感センサ機能の設定値が無効であると判断した場合(S402でNo)、本フローチャートの処理を終了する。一方、メインCPU301がHDD304から読み出した人感センサ機能の設定値が有効であると判断した場合(S402でYes)、S403に処理を移行する。
【0033】
S403において、メインCPU301はHPセンサ260で操作部200がホームポジションから外されたか否かの監視を行う。
ここで、メインCPU301はHPセンサ260で操作部200がホームポジションから外されるまでS403における監視を継続する。メインCPU301はHPセンサ260で操作部200がホームポジションから外されたと判断した場合(S403でYes)、S404に処理を移行する。
【0034】
S404において、メインCPU301は操作部200の表示部(不図示)に対して、
図8(a)に示されるように、操作部200がホームポジションから外されたため人感センサ機能を一時的に無効にする旨をユーザに通知するための表示を行い、処理をS405に処理を移行する。
S405において、メインCPU301は人感センサ500を一時的に無効にするため、HDD304に人感センサ機能を無効にする設定値を書き込む。さらに、メインCPU301は電源制御部305を経由して人感センサ500に検知を無効化する指示を行い、処理をS406に処理を移行する。
【0035】
S406において、メインCPU301はHPセンサ260で操作部200がホームポジションに戻されたか否かの監視を行う。
ここで、メインCPU301はHPセンサ260で操作部200がホームポジションに戻されるまでS406における監視を継続する。メインCPU301はHPセンサ260で操作部200がホームポジションに戻されたと判断した場合(S406でYes)、S407に処理を移行する。
【0036】
S407において、メインCPU301は操作部200の表示部(不図示)に対して、
図8(b)に示されるように、操作部200がホームポジションに戻されたため人感センサ機能を有効に戻す旨をユーザに通知するための表示を行い、処理をS408に処理を移行する。
S408において、メインCPU301は人感センサ500を有効に戻すため、HDD304に人感センサ機能を有効とする設定値を書き込む。さらに、メインCPU301は電源制御部305を経由して人感センサ500に検知を有効にする指示を行い、本フローチャートの処理を終了する。
【0037】
以上説明したように、実施例1では、操作部200がホームポジションから外されたことがHPセンサ260により検知された場合、人感センサ機能を一時的に無効にする旨を操作部200に表示し、人感センサ機能を一時的に無効にする。
これにより、ユーザによって操作部200が移動されて人感センサ500で検知可能な範囲が変更してしまった場合に、人感センサ500が人を検知できないような範囲を無駄に検知動作し続けることを防ぐことが可能となる。また、画像形成装置10の近傍を通過しただけで画像形成装置10を使用する意図がない人を、人感センサが誤検知してしまうことを防止することができる。
【0038】
<実施例2>
実施例2は、操作部200がホームポジションから外されたことがHPセンサ260により検知された場合、人感センサ機能を一時的に無効化するか否かユーザに選択させるための画面を操作部200に表示させる点で、実施例1とは相違する。そして、実施例2では、ユーザによって人感センサ機能を有効のままとすると選択された場合、人感センサ機能は有効のままとし、人感センサ500の検知精度が悪くなる恐れがある旨を表示してユーザに注意喚起を促す。
以下に、本実施例について図面を用いて説明するが、実施例1と重複する説明については適宜省略する。
【0039】
図5は、実施例2における人感センサ機能を有効化・無効化する処理を示すフローチャートである。本フローチャートの処理も、画像形成装置10のメインCPU301によって実行される。
S501において、メインCPU301は人感センサ500と通信を試み、画像形成装置10に人感センサ500が搭載されているかを判断する。
メインCPU301が画像形成装置10に人感センサ500が搭載されていないと判断した場合(S501でNo)、本フローチャートの処理を終了する。一方、メインCPU301が画像形成装置10に人感センサ500が搭載されていると判断した場合(S501でYes)、S502に処理を移行する。
【0040】
S502において、メインCPU301は画像形成装置10において人感センサ機能が有効にされているか、無効にされているかの設定値の読み出しをHDD304から行う。
メインCPU301がHDD304から読み出した人感センサ機能の設定値が無効であると判断した場合(S402でNo)、本フローチャートの処理を終了する。一方、メインCPU301がHDD304から読み出した人感センサ機能の設定値が有効であると判断した場合(S502でYes)、S503に処理を移行する。
【0041】
S503において、メインCPU301はHPセンサ260で操作部200がホームポジションから外されたか否かの監視を行う。
ここで、メインCPU301はHPセンサ260で操作部200がホームポジションから外されるまでS403における監視を継続する。メインCPU301はHPセンサ260で操作部200がホームポジションから外されたと判断した場合(S503でYes)、S504に処理を移行する。
【0042】
S504において、メインCPU301は操作部200の表示部(不図示)に対して、
図8(c)に示されるように、操作部200がホームポジションから外されたため、人感センサ機能を一時的に無効にするか有効のままにするかをユーザに選択させる選択画面を表示する。
そして、S505において、メインCPU301は操作部200の入力部(不図示)から人感センサ機能を一時的に無効にするか有効のままにするかの選択入力がされたかを監視を行う。
【0043】
ここで、メインCPU301が、操作部200の入力部(不図示)から人感センサ機能を一時的に無効にするか有効のままにするかいずれかの選択入力がされたと判断した場合(S505でYes)、S506に処理を移行する。
一方、メインCPU301が、操作部200の入力部(不図示)から人感センサ機能を一時的に無効にするか有効のままにするかいずれかの選択入力がされていないと判断した場合(S505でNo)、S514に処理を移行する。
【0044】
メインCPU301は操作部200の入力部(不図示)から人感センサ機能を一時的に無効にするか有効のままにするかいずれかの選択入力がされていない状態で一定時間経過していないと判断した場合(S514でNo)、S505に処理を戻す。
一方、メインCPU301は操作部200の入力部(不図示)から人感センサ機能を一時的に無効にするか有効のままにするかいずれかの選択入力がされていない状態で一定時間経過したと判断した場合(S514でYes)、S507に処理を移行する。
【0045】
S506において、メインCPU301が人感センサ機能を一時的に無効にすると入力があったと判断した場合(S506でYes)、S507に処理を移行する。
一方、S506において、メインCPU301が人感センサ機能を一時的に有効のままにすると入力があったと判断した場合(S506でNo)、S508に処理を移行する。
【0046】
S507において、メインCPU301は操作部200の表示部(不図示)に対して、
図8(a)に示されるように、人感センサ機能を一時的に無効にする旨をユーザに通知するための表示を行う。さらに、人感センサ500を一時的に無効にするため、メインCPU301はHDD304に人感センサ機能を無効にする設定値を書き込み、電源制御部305を経由して人感センサ500に検知を無効にする指示を行い、処理をS509に移行する。
【0047】
S509において、メインCPU301はHPセンサ260で操作部200がホームポジションに戻されたか否かの監視を行う。
ここで、メインCPU301はHPセンサ260で操作部200がホームポジションに戻されるまでS509における監視を継続する。メインCPU301はHPセンサ260で操作部200がホームポジションに戻されたと判断した場合(S509でYes)、S510に処理を移行する。
【0048】
S510において、メインCPU301は操作部200の表示部(不図示)に対して、
図8(b)に示されるように、操作部200がホームポジションに戻されたため人感センサ機能を有効に戻す旨をユーザに通知するため表示を行い、処理をS511に移行する。
S511において、メインCPU301は人感センサ500を有効に戻すため、HDD304に人感センサ機能を有効とする設定値を書き込む。さらに、メインCPU301は電源制御部305を経由して人感センサ500に検知を有効にする指示を行い、本フローチャートの処理を終了する。
【0049】
S508において、メインCPU301は、操作部200の表示部(不図示)に対して、
図8(d)に示されるように、画像形成装置10を操作しようと近づいてくるユーザを人感センサ500が正しく機能しない可能性があることを警告する旨の表示を行う。これは、操作部200がホームポジションから外されているため、操作部200に近づいてくるユーザを検知できなかったり、画像形成装置10の横方向などにいるユーザを誤検知してしまったりする場合があるためである。そして、処理をS512に移行する。
【0050】
S512において、メインCPU301はHPセンサ260で操作部200がホームポジションに戻されたか否かの監視を行う。
ここで、メインCPU301はHPセンサ260で操作部200がホームポジションに戻されるまでS511における監視を継続する。メインCPU301はHPセンサ260で操作部200がホームポジションに戻されたと判断した場合(S512でYes)、S513に処理を移行する。
【0051】
S513において、メインCPU301は操作部200の表示部(不図示)に対して、操作部200がホームポジションに戻された旨の表示を行い、本フローチャートの処理を終了する。
【0052】
以上説明したように、実施例2では、操作部200がホームポジションから外されたとHPセンサ260により検知された場合、人感センサ機能を一時的に無効か否かユーザに選択させるための画面を操作部に表示する。そして、ユーザが人感センサ機能を有効のままとすると選択した場合、人感センサ機能を有効のままとしつつ、人感センサの検知精度が悪くなる恐れがある旨を表示してユーザに注意喚起を促す。
これにより、ユーザにより操作部200が移動されて人感センサ500で検知可能な範囲が変更してしまった場合に、人感センサ500が人を検知できないような範囲を無駄に検知動作し続けることを防ぐことができる。さらに、人感センサ500を有効のままとしたいユーザに対しては、人感センサ500の検知精度が悪くなるおそれがある旨を通知したうえで人感センサ機能を有効のままとすることが可能となる。
【0053】
<実施例3>
実施例1及び実施例2では人感センサ500が画像形成装置10の本体筐体に設置されているのに対し、実施例3では、操作部200に人感センサ500が搭載されている場合の例である。
以下に、実施例3について図面を用いて説明するが、実施例1または実施例2と重複する説明については適宜省略する。
【0054】
図6は、実施例3に係る画像形成装置10におけるスキャナ部100と操作部200と人感センサ500の配置イメージ図である。実施例3では、人感センサ500が操作部200に設置され一体化している形態を例として説明を行う。
【0055】
図6(a)は、操作部200が画像形成装置10においてあらかじめ定められた初期設置位置であるホームポジションに置かれている配置イメージ図である。
図6(b)は、操作部200がホームポジションから離れている状態の第一の配置イメージ図である。
図6(b)では、操作部200は、画像形成装置10の前面にいるユーザが正面からそのまま操作できる方向を向いた状態(人感センサ500の検知範囲501が画像形成装置10の前面を向いた状態)で置かれている。
図6(c)は、操作部200がホームポジションから離れている状態の第二の配置イメージ図である。
図6(c)では、操作部200は、画像形成装置10の前面にいるユーザが正面からそのまま操作できない方向を向いた状態(人感センサ500の検知範囲501が画像形成装置10の前面からずれた方向を向いた状態)で置かれている。
なお、実施例3でも、画像形成装置10と操作部200は、専用の有線ケーブルで接続されている形態を一例として説明するが、無線LANやBluetoothなどの無線方式を用いて接続されてもよい。
【0056】
図6(a)では、ユーザが操作部200を操作しようと操作部200に向かって近づいてきた場合でも、スキャナ部100を操作しようとしてスキャナ部100に向かって近づいてきた場合でも、ユーザが近づいてきたことの検知が可能である。
一方、
図6(b)では、人感センサ500の検知範囲501が画像形成装置10の正面を向くように操作部200が置かれている。このため、ユーザが操作部200を操作しようと操作部200に向かって近づいてきた場合は、ユーザが近づいてきたことの検知が可能である。しかし、ユーザがスキャナ部100を操作しようとしてスキャナ部100に向かって近づいてきた場合は、ユーザが近づいてきたことの検知が不可能となってしまう。
【0057】
また、
図6(c)では、人感センサ500の検知範囲501が画像形成装置10の正面からうれた方向を向くように操作部200が置かれている。このため、ユーザがスキャナ部100を操作しようとしてスキャナ部100に向かって近づいてきた場合も、操作部200を操作しようと操作部200に向かって近づいてきた場合も、ユーザが近づいてきたことの検知が不可能となってしまう。
さらに、
図6(c)では、人感センサ500の検知範囲501が画像形成装置10の横方向を向くように操作部200が置かれているため、画像形成装置10の横を通過しただけで画像形成装置10を使用する意図がない人を誤検知してしまう可能性もある。
【0058】
図7は、実施例3における画像形成装置10のハードウェア構成例を示すブロック図である。ここでは、実施例1で説明した
図3との差分について説明し、重複する内容についての説明は省略する。
以下に、実施例3について図面を用いて説明するが、実施例1と重複する説明については適宜省略する。
【0059】
実施例1(
図3)の相違としては、実施例3(
図7)では、HPセンサ260と人感センサ500が、メインCPU301ではなく、操作部200に接続されている点である。これにより、HPセンサ260と人感センサ500からの信号は、操作部200を経由してメインCPU301に通知される。
また、
図3における人感センサ500からのWAKE信号3008は、操作部200からのWAKE_ON_UI信号3006との論理和(OR)として、CPU301に通知される。その他のブロックについては、
図3と同様であるため、説明を省略する。
また、実施例3における、メインCPU301によって実行される人感センサ機能を有効化・無効化する処理は、実施例1(
図4)と実施例2(
図5)のいずれかのフローチャートを適用することができる。そのため、これらのフローチャートについても説明を省略する。
【0060】
以上説明したように、実施例3では、人感センサ500が、画像形成装置10の本体筐体ではなく、操作部200に設置される。そして、HPセンサ260により操作部200がホームポジションから外されたことが検知された場合、人感センサ機能を一時的に無効にする旨を操作部200に表示し、人感センサ機能を一時的に無効にする。
これにより、人感センサ500が操作部200に設置されている画像形成装置10においても、実施例1や実施例2と同様の効果を得ることができる。
【0061】
<その他の実施例>
本発明は、上述の実施例の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。すなわち、上述した実施例及びその変形例を組み合わせた構成もすべて本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0062】
10 画像形成装置
200 操作部
260 ホームポジションセンサ
500 人感センサ