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特許7599916プリントシステムとそれを構成する印刷装置及び情報処理装置と、それらの制御方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】プリントシステムとそれを構成する印刷装置及び情報処理装置と、それらの制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20241209BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20241209BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20241209BHJP
【FI】
G06F3/12 329
G06F3/12 303
G06F3/12 331
G06F3/12 365
G06F3/12 387
G06F3/12 367
B41J29/38 201
B41J29/00 Z
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2020186752
(22)【出願日】2020-11-09
(65)【公開番号】P2022076370
(43)【公開日】2022-05-19
【審査請求日】2023-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐光 律人
【審査官】岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-079496(JP,A)
【文献】特開2015-108951(JP,A)
【文献】特開2020-119016(JP,A)
【文献】特表2013-522774(JP,A)
【文献】特開2018-077841(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
B41J 29/38
B41J 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置と、印刷装置と、印刷サービスを提供するサービス提供装置とを含むプリントシステムであって、
前記情報処理装置は、登録対象となる1または複数の印刷装置のそれぞれについて、
前記印刷装置からデバイス情報を取得し、
取得した前記デバイス情報を前記サービス提供装置に送信して登録させ、
前記サービス提供装置から、登録された前記印刷装置が前記サービス提供装置にアクセスするための登録情報を受信し、
受信した前記登録情報を前記印刷装置に送信して格納させ、
前記印刷装置は、
登録用サービスを実行する実行手段を有し、
実行された前記登録用サービスにより、
前記情報処理装置からの要求に応じて前記情報処理装置へデバイス情報が送信され
かつ前記デバイス情報を基に前記サービス提供装置に前記印刷装置を登録した前記情報処理装置から登録情報を受信して格納されて、
記印刷装置は、前記登録情報を用いて前記サービス提供装置に保持された印刷ジョブを取得して実行する
ことを特徴とするプリントシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のプリントシステムであって、
前記デバイス情報は、前記印刷装置のデバイスIDと、前記印刷装置が使用する秘密鍵に対応する公開鍵の正当性を証明するための証明書署名要求とを含む
ことを特徴とするプリントシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のプリントシステムであって、
前記登録情報は、前記印刷装置に前記サービス提供装置が付与したクラウドデバイスIDと、前記サービス提供装置にアクセスするためのアドレスと、前記証明書署名要求に対応する署名済み証明書とを含む
ことを特徴とするプリントシステム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のプリントシステムであって、
前記印刷装置は、前記登録用サービスを実行して、前記登録用サービスにより前記デバイス情報前記情報処理装置に送信され、前記登録情報受信されて格納されたことで、前記登録用サービスを終了させる
ことを特徴とするプリントシステム。
【請求項5】
請求項1乃至のいずれか一項に記載のプリントシステムであって、
前記印刷装置は、インターネットプリンティングプロトコル(IPP)をサポートしている場合には、前記登録用サービスを起動した際に、IPPサーバが起動していなければ起動し、前記IPPサーバに前記デバイス情報を送信させ、前記登録用サービスの終了後に、前記IPPサーバの状態を、前記登録用サービスが起動される前の状態に戻す
ことを特徴とするプリントシステム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載のプリントシステムであって、
前記情報処理装置は、前記印刷装置を複数のユーザで共有するための共有設定を入力するための手段を更に有し、
前記情報処理装置は、登録対象となる1または複数の印刷装置のそれぞれについて更に、前記共有設定を前記サービス提供装置に対して送信して、前記印刷装置と関連付けて前記共有設定を登録させ、
前記サービス提供装置は、前記共有設定により設定された前記複数のユーザの印刷ジョブを保持し、前記印刷ジョブに関連付けられた前記印刷装置による取得を許す
ことを特徴とするプリントシステム。
【請求項7】
請求項6に記載のプリントシステムであって、
前記共有設定には、共有の可否と、共有するメンバとを含む
ことを特徴とするプリントシステム。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載のプリントシステムであって、
前記情報処理装置は、前記印刷装置の名称を入力するための手段を更に有し、
前記情報処理装置は、登録対象となる1または複数の印刷装置のそれぞれについて更に、前記名称を前記サービス提供装置に対して送信して、前記印刷装置の新たな名称として登録させる
ことを特徴とするプリントシステム。
【請求項9】
印刷装置とサービス提供装置と情報処理装置とを含むプリントシステムを構成する前記情報処理装置であって、
登録対象となる1または複数の印刷装置のそれぞれについて、
前記印刷装置からデバイス情報を取得し、
取得した前記デバイス情報を前記サービス提供装置に送信して登録させ、
前記サービス提供装置から、登録された前記印刷装置が前記サービス提供装置にアクセスするための登録情報を受信し、
受信した前記登録情報を前記印刷装置に送信して格納させ、
前記印刷装置は、
登録用サービスを実行する実行手段を有し、
実行された前記登録用サービスにより、
前記情報処理装置からの要求に応じて前記情報処理装置へデバイス情報が送信され
かつ前記デバイス情報を基に前記サービス提供装置に前記印刷装置を登録した前記情報処理装置から登録情報を受信して格納されて、
記印刷装置は、前記登録情報を用いて前記サービス提供装置に保持された印刷ジョブを取得して実行する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
請求項9に記載の情報処理装置であって、
前記デバイス情報は、前記印刷装置のデバイスIDと、前記印刷装置が使用する秘密鍵に対応する公開鍵の正当性を証明するための証明書署名要求とを含む
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
請求項10に記載の情報処理装置であって、
前記登録情報は、前記印刷装置に前記サービス提供装置が付与したクラウドデバイスIDと、前記サービス提供装置にアクセスするためのアドレスと、前記証明書署名要求に対応する署名済み証明書とを含む
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項12】
請求項9乃至11のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記印刷装置を複数のユーザで共有するための共有設定を入力するための手段を更に有し、
登録対象となる1または複数の印刷装置のそれぞれについて更に、前記共有設定を前記サービス提供装置に対して送信して、前記印刷装置と関連付けて前記共有設定を登録させ、
前記サービス提供装置は、前記共有設定により設定された前記複数のユーザの印刷ジョブを保持し、前記印刷ジョブに関連付けられた前記印刷装置による取得を許す
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項13】
請求項12に記載の情報処理装置であって、
前記共有設定には、共有の可否と、共有するメンバとを含む
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項14】
請求項9乃至13のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記印刷装置の名称を入力するための手段を更に有し、
登録対象となる1または複数の印刷装置のそれぞれについて更に、前記名称を前記サービス提供装置に対して送信して、前記印刷装置の新たな名称として登録させる
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項15】
情報処理装置と印刷サービスを提供するサービス提供装置と印刷装置とを含むプリントシステムを構成する前記印刷装置であって、
登録用サービスを実行する実行手段を有し、
実行された前記登録用サービスにより、
前記情報処理装置からの要求に応じて前記情報処理装置へデバイス情報送信され
かつ前記デバイス情報を基に前記サービス提供装置に前記印刷装置を登録した前記情報処理装置から登録情報を受信して格納されて
記印刷装置は、前記登録情報を用いて前記サービス提供装置に保持された印刷ジョブを取得して実行する
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項16】
請求項15に記載の印刷装置であって、
前記デバイス情報は、前記印刷装置のデバイスIDと、前記印刷装置が使用する秘密鍵に対応する公開鍵の正当性を証明するための証明書署名要求とを含む
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項17】
請求項16に記載の印刷装置であって、
前記登録情報は、前記印刷装置に前記サービス提供装置が付与したクラウドデバイスIDと、前記サービス提供装置にアクセスするためのアドレスと、前記証明書署名要求に対応する署名済み証明書とを含む
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項18】
請求項15乃至17のいずれか一項に記載の印刷装置であって、
前記登録用サービスを実行して、前記登録用サービスにより前記デバイス情報を前記情報処理装置送信され、前記登録情報受信されて格納されたことで、前記登録用サービスを終了させる
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項19】
請求項15乃至18のいずれか一項に記載の印刷装置であって、
インターネットプリンティングプロトコル(IPP)をサポートしている場合には、前記登録用サービスを起動した際に、IPPサーバが起動していなければ起動し、前記IPPサーバに前記デバイス情報を送信させ、前記登録用サービスの終了後に、前記IPPサーバの状態を、前記登録用サービスが起動される前の状態に戻す
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項20】
情報処理装置と、印刷装置と、印刷サービスを提供するサービス提供装置とを含むプリントシステムの制御方法であって、
前記情報処理装置は、登録対象となる1または複数の印刷装置のそれぞれについて、
前記印刷装置からデバイス情報を取得し、
取得した前記デバイス情報を前記サービス提供装置に送信して登録させ、
前記サービス提供装置から、登録された前記印刷装置が前記サービス提供装置にアクセスするための登録情報を受信し、
受信した前記登録情報を前記印刷装置に送信して格納させ、
前記印刷装置は、
登録用サービスを実行し、
実行された前記登録用サービスにより、
前記情報処理装置からの要求に応じて前記情報処理装置へデバイス情報が送信され
かつ前記デバイス情報を基に前記サービス提供装置に前記印刷装置を登録した前記情報処理装置から登録情報を受信して格納されて、
記印刷装置は、前記登録情報を用いて前記サービス提供装置に保持された印刷ジョブを取得して実行する
ことを特徴とするプリントシステムの制御方法。
【請求項21】
印刷装置とサービス提供装置と情報処理装置とを含むプリントシステムを構成する前記情報処理装置の制御方法であって、
前記情報処理装置は、登録対象となる1または複数の印刷装置のそれぞれについて、
前記印刷装置からデバイス情報を取得し、
取得した前記デバイス情報を前記サービス提供装置に送信して登録させ、
前記サービス提供装置から、登録された前記印刷装置が前記サービス提供装置にアクセスするための登録情報を受信し、
受信した前記登録情報を前記印刷装置に送信して格納させ、
前記印刷装置は、
登録用サービスを実行し、
実行された前記登録用サービスにより、
前記情報処理装置からの要求に応じて前記情報処理装置へデバイス情報が送信され
かつ前記デバイス情報を基に前記サービス提供装置に前記印刷装置を登録した前記情報処理装置から登録情報を受信して格納されて、
記印刷装置は、前記登録情報を用いて前記サービス提供装置に保持された印刷ジョブを取得して実行する
ことを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項22】
情報処理装置と印刷サービスを提供するサービス提供装置と印刷装置とを含むプリントシステムを構成する前記印刷装置の制御方法であって、
前記印刷装置は、
登録用サービスを実行し、
実行された前記登録用サービスにより、
前記情報処理装置からの要求に応じて前記情報処理装置へデバイス情報送信され
かつ前記デバイス情報を基に前記サービス提供装置に前記印刷装置を登録した前記情報処理装置から登録情報を受信して格納されて
記印刷装置は、前記登録情報を用いて前記サービス提供装置に保持された印刷ジョブを取得して実行する
ことを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項23】
印刷装置とサービス提供装置と情報処理装置とを含むプリントシステムを構成する前記情報処理装置により実行されるプログラムであって、
前記情報処理装置により、登録対象となる1または複数の印刷装置のそれぞれについて、
前記印刷装置からデバイス情報を取得させ、
取得した前記デバイス情報を前記サービス提供装置に送信させて登録させ、
前記サービス提供装置から、登録された前記印刷装置が前記サービス提供装置にアクセスするための登録情報を受信させ、
受信した前記登録情報を前記印刷装置に送信させて格納させる
ためのプログラムであって、
前記印刷装置は、
登録用サービスを実行し、
実行された前記登録用サービスにより、
前記情報処理装置からの要求に応じて前記情報処理装置へデバイス情報が送信され、
かつ前記デバイス情報を基に前記サービス提供装置に前記印刷装置を登録した前記情報処理装置から登録情報を受信して格納されて、
前記印刷装置は、前記登録情報を用いて前記サービス提供装置に保持された印刷ジョブを取得して実行する
ことを特徴とするプログラム
【請求項24】
情報処理装置と印刷サービスを提供するサービス提供装置と印刷装置とを含むプリントシステムを構成する前記印刷装置により実行されるプログラムであって、
前記印刷装置により、
登録用サービスを実行させ、
実行された前記登録用サービスにより、
前記情報処理装置からの要求に応じて前記情報処理装置へデバイス情報送信され
かつ前記デバイス情報を基に前記サービス提供装置に前記印刷装置を登録した前記情報処理装置から登録情報を受信して格納されて
記印刷装置により、前記登録情報を用いて前記サービス提供装置に保持された印刷ジョブを取得させて実行させる
ためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリントシステムとそれを構成する印刷装置及び情報処理装置と、それらの制御方法およびプログラムに関し、特に、クラウドベースの印刷サービスで使用する印刷装置をクラウドに一括登録する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット上で提供されるクラウドサービスを利用したクラウドプリントサービスが提案されている。特許文献1には、そのようなサービスの一例が記載されている。
【0003】
特許文献1によれば、印刷サービスは、印刷を実行するプリンタとネットワークを介して通信しており、クライアントのWebブラウザにウェブサービスを提供する。この印サービスは、クライアントのWebブラウザからプリンタの登録要求を受付けてクライアントに登録画面を送信する。印刷サービスは、その登録画面に表示された登録指示部をユーザが操作することなどによりクライアントから指示を受けた場合に、クライアントに対して、プリンタを探索し、探索結果を応答するプリンタ探索スクリプトを送信する。
【0004】
Webブラウザはプリンタ探索スクリプトを実行してプリンタを探索し、プリンタが発見されると、探索結果を印刷サービスに送信する。それを受信した印刷サービスは探索結果を表示するようクライアントに対して指示すると、クライアントは探索結果を表示する。
【0005】
ユーザはその探索結果を見て登録するプリンタを指示すると、その指示は印刷サービスに送信される。印刷サービスは、クライアントに対して、プリンタの数のプリンタ認証用チケットを送付するとともに、アクセス用チケット取得URLへのアクセスを指示するスクリプトを送付する。
【0006】
それらを受信したクライアントは、受信したスクリプトを実行して、登録対象のプリンタに対して、プリンタ認証用チケットを配布するとともに、アクセス用チケット取得URLへのアクセスを指示する。
【0007】
それらを受信したプリンタは、プリンタ認証用チケットを用いてアクセス用チケット取得URLへアクセスし、アクセス用チケットを取得する。アクセス用チケットを取得したプリンタは、それ以降、アクセス用チケットを用いて印刷サービスへとアクセスできる。
【0008】
このように、特許文献1によれば、複数のプリンタをまとめて印刷サービスへと登録することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2013-250915号公報(図10等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1の技術によれば、登録対象となるそれぞれのプリンタが、クライアントからの指示に応じて印刷サービスとの間でメッセージを交換してそれぞれを登録する。このため、プリンタに、それ自身を印刷サービスに登録する複雑な手順のプログラムをもたせる必要があった。また、Webブラウザにより実行されるスクリプトを印刷サービスにより提供する必要があった。さらに、プリンタの登録の時点でプリンタと印刷サービスとが通信可能である必要があり、プリンタとローカルに接続したクライアントにより、登録をあらかじめ行っておくことはできなかった。
【0011】
本発明は上記従来例に鑑みて成されたもので、画像形成装置をクラウドプリントに登録する際に、画像形成装置の負荷やユーザの負担を低減することを目的とする。さらに、プリンタがクラウドプリントと接続されていない状態でもプリンタの登録を行える環境を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために本発明は以下の構成を有する。すなわち、本発明の第1の態様によれば、情報処理装置と、印刷装置と、印刷サービスを提供するサービス提供装置とを含むプリントシステムであって、
前記情報処理装置は、登録対象となる1または複数の印刷装置のそれぞれについて、
前記印刷装置からデバイス情報を取得し、
取得した前記デバイス情報を前記サービス提供装置に送信して登録させ、
前記サービス提供装置から、登録された前記印刷装置が前記サービス提供装置にアクセスするための登録情報を受信し、
受信した前記登録情報を前記印刷装置に送信して格納させ、
前記印刷装置は、
登録用サービスを実行する実行手段を有し、
実行された前記登録用サービスにより、
前記情報処理装置からの要求に応じて前記情報処理装置へデバイス情報が送信され
かつ前記デバイス情報を基に前記サービス提供装置に前記印刷装置を登録した前記情報処理装置から登録情報を受信して格納されて、
記印刷装置は、前記登録情報を用いて前記サービス提供装置に保持された印刷ジョブを取得して実行する
ことを特徴とするプリントシステムが提供される。
【0013】
また本発明の第2の態様によれば、印刷装置とサービス提供装置と情報処理装置とを含むプリントシステムを構成する前記情報処理装置であって、
登録対象となる1または複数の印刷装置のそれぞれについて、
前記印刷装置からデバイス情報を取得し、
取得した前記デバイス情報を前記サービス提供装置に送信して登録させ、
前記サービス提供装置から、登録された前記印刷装置が前記サービス提供装置にアクセスするための登録情報を受信し、
受信した前記登録情報を前記印刷装置に送信して格納させ、
前記印刷装置は、
登録用サービスを実行する実行手段を有し、
実行された前記登録用サービスにより、
前記情報処理装置からの要求に応じて前記情報処理装置へデバイス情報が送信され
かつ前記デバイス情報を基に前記サービス提供装置に前記印刷装置を登録した前記情報処理装置から登録情報を受信して格納されて、
記印刷装置は、前記登録情報を用いて前記サービス提供装置に保持された印刷ジョブを取得して実行する
ことを特徴とする情報処理装置が提供される。
【0014】
また本発明の第3の態様によれば、情報処理装置と印刷サービスを提供するサービス提供装置と印刷装置とを含むプリントシステムを構成する前記印刷装置であって、
登録用サービスを実行する実行手段を有し、
実行された前記登録用サービスにより、
前記情報処理装置からの要求に応じて前記情報処理装置へデバイス情報送信され
かつ前記デバイス情報を基に前記サービス提供装置に前記印刷装置を登録した前記情報処理装置から登録情報を受信して格納されて
記印刷装置は、前記登録情報を用いて前記サービス提供装置に保持された印刷ジョブを取得して実行する
ことを特徴とする印刷装置が提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、画像形成装置をクラウドプリントに登録する際に、画像形成装置の負荷やユーザの負担を低減することができる。さらに、プリンタがクラウドプリントと接続されていない状態でもプリンタの登録を行える環境を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態における印刷装置のハードウェア構成図
図2】本実施形態における印刷装置のソフトウェア構成図
図3】本実施形態における印刷装置の操作パネル説明図
図4】実施形態1におけるネットワーク構成図
図5】実施形態1における登録ユーティリティの設定を行うUI図
図6】実施形態1における印刷装置のクラウドプリント設定UI図
図7】実施形態1における登録ユーティリティと印刷装置とクラウドサービス間のシーケンス図
図8】実施形態1における登録ユーティリティにて登録を実行したときのフローチャート
図9】実施形態1における印刷装置にてクラウドプリント設定のクラウドプリント自動登録機能を有効にしたときのフローチャート
図10】実施形態2における印刷装置にてクラウドプリント設定のクラウドプリント自動登録機能を有効にしたときのフローチャート
図11】実施形態2における印刷装置のWebサービスの具体例を示す図
図12】実施形態3における登録ユーティリティの設定を行うUI図
図13】実施形態3における登録ユーティリティにて登録を実行したときのフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0018】
●ハードウェア構成
図1は本実施形態に係る印刷装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。印刷装置100のことを画像形成装置と呼ぶこともある。図1において、CPU102を含む制御部101は、印刷装置100全体の動作を制御する。CPU102は、ROM104に記憶された制御プログラムを読み出して通信制御などの各種制御を行う。RAM103は、CPU102の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。HDD114は、データや各種プログラム、或いは各種情報テーブルを記憶する。
【0019】
プリンタI/F106は、プリンタ107(プリンタエンジン)に画像信号を出力するインターフェースを担う。また、スキャナI/F108は、スキャナ109(スキャナエンジン)からの読取画像信号を入力するインターフェースを担う。CPU102は、スキャナI/F108より入力された画像信号を処理し、記録画像信号としてプリンタI/F106へ出力する。
【0020】
操作パネルI/F110は、操作パネル111と制御部101とを接続する。操作パネル111には、タッチパネル機能を有する液晶表示部やキーボードなどが備えられている。
【0021】
ネットワークI/F112はクライアント装置やクラウドプリント登録サービスなどの外部端末に情報を送信したり、あるいはそれら外部装置から各種情報を受信したりする。制御部101内の各ブロックはシステムバス105にて接続されている。
【0022】
●ソフトウェア構成
図2は印刷装置100のソフトウェア構成を説明するための図である。図2に示す各機能部は、印刷装置100が有しているCPU102が制御プログラムを実行することにより実現される。
【0023】
操作制御部200は操作パネル111を制御する。操作パネル111に操作メニューを表示してユーザからの指示入力を待ち受け、受け付けた指示内容を他の機能部に通知し、指示結果を操作パネル111に表示する。
【0024】
クラウドプリント登録制御部201はクラウドプリント登録処理を制御する。クラウドプリント印刷制御部202は、クラウドプリント印刷サービス430(図4参照)から受信した印刷データを画像処理部206に印刷指示と共に転送する処理を制御する。
【0025】
WebUI制御部203は、PC等の情報処理装置のWebブラウザからユーザがHTTPを用いてデバイスの設定操作を行うWebUIの制御を行う。
【0026】
クラウドプリント登録サービス制御部204は後述の登録ユーティリティとの間で通信を行いクラウドプリント自動登録処理の制御を行う。なお登録ユーティリティは本実施形態ではソフトウェアであり、コンピュータ等の情報処理装置によって実行されてその機能を発揮する。
【0027】
記憶部205は、他の機能部からの指示により、指定されたデータをROM104やHDD114に記憶する、あるいは記憶しているデータを読み出す。記憶部205が管理するデータの例として、登録されているクラウドプリンタ情報がある。
【0028】
画像処理部206は、印刷ジョブを印刷用の画像データにレンダリングする処理を行う。また他の必要な画像処理を行ってもよい。印刷処理部207は、画像処理部206によってレンダリングされた画像データをプリンタI/F106を介してプリンタ107に画像信号として送信し印刷する処理を行う。
【0029】
図3は印刷装置100の操作パネル111を説明するための図である。表示パネル305はLCD等とタッチセンサとを利用したタッチパネルである。コピーボタン301は印刷装置100を用いてコピーを行う際にタッチするボタンであり、これをタッチすることにより表示パネル305にコピー操作画面が表示される。ファクシミリボタン302は印刷装置100を用いてファクシミリ送信を行う際にタッチするボタンであり、これをタッチすることにより表示パネル305にファクシミリ操作画面が表示される。スキャンボタン303は印刷装置100を用いてスキャンを行う際にタッチするボタンであり、これをタッチすることにより表示パネル305にスキャン操作画面が表示される。テンキー308は数字等を入力するために使用される。OKキー307は表示パネル305の表示内容を決定する時などに使用される。方向キー306は表示パネル305に表示されたメニューなどを選択する時などに使用される。白黒コピーボタン309、カラーコピーボタン310はそれぞれ白黒コピー、カラーコピーを実行する際に使用される。ストップキー311は処理を停止する時に使用される。メニューキー312は印刷装置100の設定を行うためのメニュー画面を表示する時に使用される。状況確認/中止キー313は印刷装置100が受信している印刷ジョブの一覧等、印刷装置100の状況を確認する時に使用される。また、操作を中断する際などにも使用される。
【0030】
●ネットワーク構成
図4は実施形態1におけるネットワーク構成図である。図4において、LAN(LocalAreaNetwork)402は、印刷装置100、411、412、クライアントコンピュータ410を接続しており、それらのデバイスはLAN402経由で通信を行う。クライアントコンピュータのことをクライアント端末あるいはクライアント装置などとも呼ぶ。登録ユーティリティ401は、PC(PersonalComputer)等のクライアントコンピュータ410上で動作するアプリケーションソフトウェアである。クライアントコンピュータ410は、クラウドプリント登録サービス420およびクラウドプリント印刷サービス430等のサーバのクライアント端末として機能する情報処理装置である。ほかにも印刷ジョブの生成などの他の機能を実行することもできる。
【0031】
クラウドプリント登録サービス420とクラウドプリント印刷サービス430とはInternet(インターネット)404上に存在する。図は模式的に描いており、それぞれのサービス(すなわちそれを実行しているサーバあるいはサービス提供装置)は、アクセス回線を介してInternet404に接続されたLANに配置されていてよい。LAN402とInternet404はファイアウォール403経由で接続されている。登録ユーティリティ401はファイアウォール403経由でクラウドプリント登録サービス420およびクラウドプリント印刷サービス430と通信を行う。
【0032】
以上の構成を持つ印刷装置100を用いたクラウドプリント登録時の印刷装置100や登録ユーティリティなどの動作について3つの実施形態を用いて説明する。なお登録ユーティリティや各種サービスを実行するコンピュータの構成は、図1に示した構成の制御部401に、ユーザインターフェースのデバイスを付加した構成となる。ただし、プリンタI/FやスキャナI/Fは、ユニバーサルシリアルバス(USB)などの汎用のインターフェースであってよい。また付加されるユーザインターフェースのデバイスには、例えばキーボードやポインティングデバイスおよびディスプレイ、あるいはそれらに代えてタッチパネルなどがある。なお以下の説明では、登録ユーティリティやサービスをオブジェクトとみなして、それらを実現するクライアントコンピュータやサーバコンピュータへの言及は省略する。
【0033】
(実施形態1)
実施形態1は、登録ユーティリティと印刷装置100が連携して動作し、印刷装置をクラウドプリントサービスに自動で登録することを可能にしたものである。登録ユーティリティは前述したように、コンピュータにより実行されている。そのため以下の説明では、登録ユーティリティを、コンピュータで実行されているオブジェクトとみなして説明しており、以下の説明における登録ユーティリティとは、まさにそれを実行しているコンピュータと読み替えてもよい。なおクラウドプリントサービスとは、クラウドプリント登録サービス420やクラウドプリント印刷サービス430を含む、クラウドプリント機能を提供するサービスを指している。クラウドプリントサービスは上記2つのサービスを包含する概念であってもよいが、上記2つのサービスを統合したサービスであってもよい。
【0034】
●登録ユーティリティ画面
図5は実施形態1における登録ユーティリティの設定を行うUI図である。トップ画面500は登録ユーティリティを実行したときの初期画面である。クラウド設定ボタン501を押下するとクラウド設定画面510に画面遷移する。登録プリンタ設定ボタン503を押下すると登録プリンタ設定画面520に画面遷移する。一括登録実行ボタン502を押下すると設定された内容に従いクラウドプリンタ登録を実行する。なお、タッチパネルを採用したユーザインターフェースでは、押下とはタッチと同義であってよい。
【0035】
クラウド設定画面510では、クラウドプリンタ登録を行うクラウドアカウントを設定する。具体的にはクラウドアカウントID511とクラウドアカウントパスワード512を設定する。また、クラウドプリント登録を行う際のクラウドプリント登録サービスのエンドポイントである登録サービスエンドポイント513を設定する。これらの値は、アカウントの登録時にクラウド登録サービスから取得された値であってよい。
【0036】
登録プリンタ設定画面520では、クラウドプリンタ登録を行うプリンタのIPアドレスを設定する。ここで複数のプリンタを設定することによりクラウドプリンタ登録をまとめて行うことができる。IPアドレスは別途取得して設定してもよいし、たとえばネットワークに接続されたプリンタを送信先とするマルチキャスト送信によりIPアドレスを要求し、取得するなどしてもよい。なお登録の手順については図7等を参照して後で説明する。
【0037】
●印刷装置画面
図6は実施形態1における印刷装置100のクラウドプリンタ設定を行うUI図である。図6のクラウドプリント設定画面601は、実施形態1における印刷装置100のクラウドプリントの設定、登録を行うための画面である。クラウドプリント機能602はクラウドプリント機能の有効無効設定を示す。プリンタ名603はクラウドプリントとして登録されるプリンタ名を示す。エンドポイント604はクラウドプリント登録サービス420のエンドポイントを示す。自動登録機能608はクラウドプリント自動登録機能を有効にするか無効にするかを示す。クラウドプリント自動登録機能とは、印刷装置100からの操作を行うことなく、登録ユーティリティにより印刷装置100をクラウドプリントサービスに登録する機能である。このクラウドプリント自動登録機能を有効にすると、後述する図9の処理が印刷装置100により実行されて、クラウドプリントサービスへ登録できる。
【0038】
編集ボタン605を押下すると、クラウドプリントの設定変更画面611に遷移する。設定変更画面611では、上述した各種設定を編集することができる。登録解除ボタン606を押下するとクラウドプリント登録を開始する。登録状況607は、当該印刷装置100が、クラウドプリントサービスに登録されているか否かを示す。登録されていなければ未登録となり、登録されれば登録済みであることが表示される。
【0039】
設定変更画面611は、実施形態1における印刷装置100のクラウドプリントの設定を変更するための画面である。クラウドプリント機能設定612ではクラウドプリントの有効無効状態を変更することができる。クラウドプリント機能設定612のOn/Offを切り替えることにより、クラウドプリントの有効状態(on)と無効状態(off)とが切り替わる。
【0040】
プリンタ名設定613ではクラウドプリントとして登録されるプリンタ名を変更することができる。
【0041】
エンドポイント設定614ではクラウドプリント登録サービス420のエンドポイントを変更することができる。自動登録機能設定615ではクラウドプリント自動登録機能を有効にするか無効にするかの設定を変更することができる。後述するように、本機能を有効にすることにより、印刷装置100と登録ユーティリティ401が連携してクラウドプリンタの登録を行う。
【0042】
●自動登録機能による登録シーケンス
図7は実施形態1における登録ユーティリティと印刷装置とクラウドサービス間のシーケンス図である。ここで印刷装置のクラウドプリント自動登録機能は有効であると設定されている。
【0043】
登録ユーティリティ401はプリンタ情報取得要求701を印刷装置100に送信する。この送信は、例えば図5の一括登録ボタン502がタッチされたことをきっかけとして行ってよい。また送信先の印刷装置100のIPアドレスは、登録プリンタ設定画面520で設定されたIPアドレスから、所定の順序で選択したものであってよい。
【0044】
印刷装置100は、プリンタ情報を含むプリンタ情報取得応答702を登録ユーティリティ401に送信する。このときの具体的な通信手段の例として、IPP(インターネットプリンティングプロトコル)のGet-Printer-Attributesがある。取得するプリンタ情報には、印刷装置の識別情報であるデバイスID135が含まれている。そこでプリンタ情報をデバイス情報と呼ぶこともある。
【0045】
登録ユーティリティ401はCSRデータ取得要求703を印刷装置100に送信する。印刷装置100はクラウドプリントサービスとの通信に用いる秘密鍵と公開鍵の鍵ペアを生成する。また、印刷装置100は、生成した公開鍵と、申請者を識別する情報及び、署名データを含むCSR(Certificate Signing Request)データを生成する。CSRデータは、公開鍵証明書を申し込むために申請者から認証局へ送られる証明書署名要求のメッセージフォーマットに則ったデータである。CSRに含める申請者を識別する情報は、コモンネーム、組織名、部署名、住所、国別番号である。印刷装置100は、コモンネームとしてプリンタ名「MFP―A」を使用する。組織名、部署名、住所、国別番号は、印刷装置101に工場出荷時から記憶されているデフォルトの値を使用する。署名データは、CSRデータを構成する公開鍵や識別者情報のハッシュ値を秘密鍵で署名したデータである。CSRデータのフォーマットは、例えば、PKCS #10等のフォーマットを採用することができる。例えば、印刷装置100はここで生成した秘密鍵を用いてアクセストークン取得処理で使用する情報に対して署名を行う。これにより通信路上で情報が改ざんされることを防止する。
【0046】
印刷装置100は、CSRデータ取得応答704を登録ユーティリティ401に送信する。CSRデータ取得応答704には、印刷装置100が生成したCSRデータ138が含まれる。
【0047】
登録ユーティリティ401は、クラウドプリント登録サービス420にクラウドプリント登録要求705を送信する。送信先は、クラウド設定画面510で設定された登録サービスエンドポイントであってよい。クラウドプリント登録要求705には、クラウドプリント登録サービス420が印刷装置100を特定するためのデバイスID135と、CSRデータ138とが含まれている。以降CSRデータを単にCSR138とも呼ぶ。デバイスID135は登録ユーティリティ401がプリンタ情報取得応答702によって印刷装置100から取得したものである。前述したようにCSR138には、印刷装置100の公開鍵が含まれている。CSR138は、認証局であるクラウドプリント登録サービス420に対して署名済み証明書の発行を要求するメッセージである。署名付きの印刷データに署名済み証明書を添付することにより、印刷装置100の有する秘密鍵を用いた電子署名の解読に用いる公開鍵の正当性、すなわち公開鍵が、印刷装置100が用いる秘密鍵に対応する真正なものであることを保証できる。また署名済み証明書を印刷装置100に持たせてトークンとして用いることで、例えばクラウドプリント印刷サービス430にアクセスする際の認証の簡易化を図ることもできる。署名済み証明書は、いわゆるクライアント証明書である。
【0048】
クラウドプリント登録サービス420は、クラウドプリント登録要求705を受信すると、クラウドプリント登録用の確認URL130とユーザコード136を含むクラウドプリント登録応答706を登録ユーティリティ401に送信する。
【0049】
登録ユーティリティ401は、受信した確認URL130にアクセスし、クラウドアカウント131(アカウントIDおよびパスワードを含む)でログイン707を行う。このとき、登録ユーティリティ401は、図5のクラウド設定画面510を表示し、入力されたクラウドアカウントIDおよびクラウドアカウントパスワードIDをクラウドアカウント131として送信する。
【0050】
続いて、登録ユーティリティ401はクラウドプリント登録サービス420にユーザコード136を含むクラウドプリント登録承認要求708を送信する。ユーザコード136はクラウドプリント登録応答706により受信したものである。クラウドプリント登録サービス420はクラウドプリント登録承認要求708を受信すると、それが承認可能であればクラウドプリント登録承認応答709を登録ユーティリティ401に送信する。たとえば受信したユーザコードが送信したユーザコードと異なっていれば、承認はされなくてもよい。
【0051】
クラウドプリント登録承認応答709を受信した登録ユーティリティ401は、クラウドプリント登録サービス420にクラウドプリント登録確認要求710を送信する。クラウドプリント登録サービス420はクラウドプリント登録確認要求710を受信すると、登録ユーティリティ401にクラウドプリント登録確認応答711を送信する。クラウドプリント登録確認応答711には、登録された印刷装置100に付与されたクラウドデバイスID132、印刷データの取得時のアクセス先のアドレスとなるクラウドプリント印刷サービスURL137、署名済み証明書139が含まれる。署名済み証明書139はCSR138に対するものであってよい。これらの情報は、クラウドプリント登録情報(あるいは単に登録情報)とも呼び、印刷装置100がクラウドプリント印刷サービス430にアクセスするために必要な情報である。取得した署名済み証明書139は、印刷装置100がアクセストークンを生成するために使用する。そして、そのアクセストークンは印刷装置100がクラウドプリント印刷サービス430と通信を行うときに使用する。具体的には、印刷装置100が送信するHTTPリクエストのヘッダにアクセストークンを認証情報としてセットして使用する。このアクセストークンを受信したクラウドプリント印刷サービス430は、たとえば、アクセストークンが含まれたメッセージを、認証済みの送信者からのメッセージとして受信し、処理することができる。
【0052】
クラウドプリント登録確認応答711を受信した登録ユーティリティ401は、印刷装置100にクラウドプリント登録情報712を送信する。クラウドプリント登録情報712には、クラウドプリント登録確認応答711により受信した、クラウドデバイスID132、クラウドプリント印刷サービスURL137、署名済み証明書139が含まれる。これを受信した印刷装置100は、クラウドデバイスID132、クラウドプリント印刷サービスURL137、署名済み証明書139をそれぞれ所定の格納領域へと格納し、クラウドプリント登録情報受信完了713を登録ユーティリティ401に送信する。これらの情報は、印刷装置100がクラウドプリント印刷サービス430にアクセスして印刷データを取得するために利用される。
【0053】
ここまでで、印刷装置100のクラウドプリント登録が完了する。登録ユーティリティ401は、登録プリンタとして設定された印刷装置411、412それぞれに対しても、プリンタ情報取得要求701の送信からクラウドプリント登録情報712の送信までの処理を順次行う。
【0054】
●印刷手順
ここで登録された印刷装置100によるクラウドプリントの手順を簡単に説明する。まずクライアント装置などにより作成された文書データ等の印刷ジョブが、クラウドプリント印刷サービス430に登録される。登録の際には、印刷を実行する印刷装置のクラウドデバイスIDもクラウドプリント印刷サービス430に送信され、印刷ジョブと関連付けて保持されてよい。
【0055】
その後、オペレータによる操作に応じて、印刷装置100からクラウドプリント印刷サービス430に対して、クラウドデバイスIDとともに、印刷データを含む印刷ジョブ要求を送信する。ここでオペレータは、クラウドプリント印刷サービス430に印刷ジョブ要求を送信する権限を有する。この権限は、たとえばクラウドプリンタ一括登録の際に必要な権限と同一であってよい。
【0056】
クラウドプリント印刷サービス430は印刷ジョブ要求に応じて、たとえばその印刷ジョブのクラウドデバイスIDと関連付けられた印刷ジョブのリストを印刷装置100に送信する。印刷装置100では、そのうちからオペレータ等により選択された印刷ジョブの要求をクラウドプリント印刷サービス430に送信する。それに応じてクラウドプリント印刷サービス430から印刷装置100に送信される印刷ジョブを、印刷装置100が実行して、受信した印刷データを印刷出力する。
【0057】
もちろんこれは一例であって、例えば印刷ジョブ要求に対しては印刷ジョブのリストの送信を省略し、該当する印刷ジョブをすべて印刷装置100に送信してもよい。また、印刷装置100の操作を行う前に、オペレータを認証する手順を付加してもよい。
【0058】
●登録ユーティリティ401による登録手順
図8は実施形態1における登録ユーティリティ401にて登録を実行したときのフローチャートである。このフローは、例えば汎用コンピュータのCPUあるいはプロセッサーにより、フローに即したプログラムを実行することで実現される。なお、データの送受信の処理はCPUあるいはプロセッサーと、汎用コンピュータが備える通信インタフェースとが協働して実現する。
【0059】
S800にて登録ユーティリティ401は登録プリンタリストを取得する。登録プリンタリストは登録ユーティリティ401の操作画面である登録プリンタ設定520にて設定されたプリンタリストである。登録ユーティリティ401はS801からS809までの処理を取得されたプリンタそれぞれについて実行する。S801とS809は、それぞれループの始端と終端とを表しており、その内容はループの実行条件を示している。
【0060】
S802にて登録ユーティリティ401は印刷装置100にプリンタ情報取得要求701を送信する。
【0061】
S803にて登録ユーティリティ401はプリンタ情報取得成功したかどうか判断する。失敗した場合S801に戻り次のプリンタについて処理を行う。
【0062】
成功した場合、S804にて登録ユーティリティ401は印刷装置100にCSRデータ取得要求703を送信する。
【0063】
S805にて登録ユーティリティ401はCSRデータの取得に成功したかどうか判断する。失敗した場合S801に戻り次のプリンタについて処理を行う。
【0064】
成功した場合、S806にて登録ユーティリティ401はクラウドプリント登録サービス420にプリンタを登録する。ここでのプリンタの登録とは、具体的にはシーケンス図7におけるクラウドプリント登録要求705の送信からクラウドプリント登録確認応答711の受信までの処理である。
【0065】
S807にて登録ユーティリティ401はプリンタの登録が成功したかどうか判断する。失敗した場合S801に戻り次のプリンタについて処理を行う。登録の失敗とは、クラウドプリント登録サービス420に対して送信したメッセージのいずれかに対し、失敗である旨の応答を受信したことであってよい。その場合には、失敗したメッセージを所定回数再送し、それでも成功しなければエラーとして終了し、オペレータにその旨を通知してよい。
【0066】
プリンタの登録に成功した場合、すなわちクラウドプリント登録確認応答711を受信した場合、S808にて登録ユーティリティ401は印刷装置100に登録情報712を送信する。S802からS808までの一回の処理で、1台のプリンタの登録が完了する。
【0067】
その後登録ユーティリティ401は取得したプリンタリスト分のプリンタの登録処理が完了したか判断する。未登録のプリンタがプリンタリストに残っている場合はS801に戻り、次のプリンタについてS802から処理を繰り返す。取得したプリンタリストに含まれたプリンタ全てについて登録処理が完了した場合は処理を終了する。
【0068】
●クラウドプリント自動登録機能が有効な場合の印刷装置による処理
図9は実施形態1における印刷装置100にてクラウドプリント設定のクラウドプリント自動登録機能(あるいはWeb自動登録機能とも呼ぶ)を有効にしたときのフローチャートである。この処理は例えば印刷装置100のCPU402により実行される。なお、データの送受信等の処理はCPU402と、ネットワークI/F112とが協働して実現する。なお1台の印刷装置を複数のクラウドプリントサービスに登録する際には、たとえばサービスごとに自動登録機能の設定を設けておき、その設定が有効化された際に図9の処理を実行してよい。
【0069】
S900でクラウドプリント登録サービス制御部204は秘密鍵、公開鍵からなる鍵ペアを生成し、生成した公開鍵、申請者情報、署名データを含むCSRデータ138を生成する。なお鍵ペアは、たとえば認証サーバから与えられたものであってもよい。
【0070】
S901でクラウドプリント登録サービス制御部204は、自動登録用Webサービス(以下、Webサービスと呼ぶ。)を起動する。本Webサービスは、印刷装置100がプリンタ情報取得要求701、CSRデータ取得要求703、クラウドプリント登録情報712を受け付けるためのサービスである。
【0071】
S902でクラウドプリント登録サービス制御部204はリクエストを受信する。S903でクラウドプリント登録サービス制御部204は受信したリクエストの種別を判断する。
【0072】
受信したリクエストがプリンタ情報取得要求701であった場合、クラウドプリント登録サービス制御部204はS904にて、プリンタ情報を含むプリンタ情報取得応答702を応答し、リクエスト受信待ちS902に戻る。
【0073】
受信したリクエストがCSRデータ取得要求703であった場合、クラウドプリント登録サービス制御部204はS905にてCSRデータ138を含むCSRデータ取得応答704を応答し、リクエスト受信待ちS902に戻る。
【0074】
受信したリクエストがクラウドプリント登録情報712であった場合、クラウドプリント登録サービス制御部204はS906にて受信した登録情報を記憶部205に保存する。保存される登録情報には、クラウドデバイスID、クラウドプリント印刷サービスURL、署名済み証明書を含む。
【0075】
S907にてクラウドプリント登録サービス制御部204はクラウドプリント登録情報受信完了713を応答する。
【0076】
S908にてクラウドプリント登録サービス制御部204は自動登録用Webサービスを終了する。
【0077】
以上の手順により、登録ユーティリティ401を実行することで、複数の印刷装置をクラウドプリント登録サービスに登録することができる。その際、登録対象の印刷装置が、登録ユーティリティに対応する機能を有していれば、予めクラウドプリントの使用を設定しておくだけで、その印刷装置をクラウドプリントサービスに登録できる。また登録の際の作業も、個々の印刷装置について都度クラウドプリント登録サービスにログインすることなく、一括して複数の印刷装置を登録可能である。さらに登録中は、印刷装置がクラウドプリント登録サービスやクラウドプリント印刷サービスと通信することがなく、登録ユーティリティを実行しているコンピュータと接続されてさえいれば登録可能である。そして登録後には、それぞれの印刷装置は、クラウドプリント印刷サービスにより提供される印刷ジョブを取得して実行できる。
【0078】
なお本実施形態では、プリンタ情報とCSRデータとを別々に取得しているが、これに限定されるものではない。たとえばプリンタ情報とCSRデータをまとめて取得するよう構成することもできる。また、クラウドプリント登録サービス420とクラウドプリント印刷サービス430とは同一のサーバにより実行されてもよい。
【0079】
(実施形態2)
登録ユーティリティ401は、プリンタ情報取得要求701によって印刷装置100のプリンタ情報を取得するために、IPP(Internet Print Protocol)を使用することが可能である。また、IPPは従来から印刷装置において広くサポートされているプロトコルである。実施形態2は、IPPをサポートしている印刷装置100において、IPPを利用して印刷装置100のプリンタ情報を取得することを可能にしたものである。
【0080】
●クラウドプリント登録時の印刷装置による処理(IPPサポート)
図10は実施例2における印刷装置100にてクラウドプリント設定のクラウドプリント自動登録機能を有効にしたときのフローチャートである。
【0081】
S1000でクラウドプリント登録サービス制御部204は秘密鍵、公開鍵からなる鍵ペアを生成し、生成した公開鍵、申請者情報、署名データを含むCSRデータを生成する。S1001でクラウドプリント登録サービス制御部204は自動登録用Webサービスを起動する。
【0082】
S1010でクラウドプリント登録サービス制御部204は記憶部205からIPPサーバ動作設定を取得する。S1011でクラウドプリント登録サービス制御部204はS1010で取得したIPPサーバ動作設定から設定がONかどうか判断する。ONでない場合、すなわちIPPサーバを動作させない設定の場合、IPPサーバが起動していないため、S1012にてIPPサーバを起動する。一方ONの場合、すなわちIPPサーバを動作させる設定の場合、IPPサーバが起動しているため、そのままS1002に進む。
【0083】
S1002でクラウドプリント登録サービス制御部204はリクエストを受信する。リクエストの種別によってはIPPサーバにより処理することができる。
【0084】
S1003でクラウドプリント登録サービス制御部204は受信したリクエストの種別を判断する。受信したリクエストがプリンタ情報取得要求701であった場合、クラウドプリント登録サービス制御部204はS904にてプリンタ情報取得応答702を応答し、リクエスト受信待ちS1002に戻る。
【0085】
受信したリクエストがCSRデータ取得要求703であった場合、クラウドプリント登録サービス制御部204はS1005にてCSRデータ138を含むCSRデータ取得応答704を応答し、リクエスト受信待ちS1002に戻る。
【0086】
受信したリクエストがクラウドプリント登録情報712であった場合、クラウドプリント登録サービス制御部204はS1006にて登録情報を記憶部205に保存する。
【0087】
S1007にてクラウドプリント登録サービス制御部204はクラウドプリント登録情報受信完了713を応答する。
【0088】
S1008にてクラウドプリント登録サービス制御部204は自動登録用Webサービスを終了する。
【0089】
S1013でクラウドプリント登録サービス制御部204は記憶部205からIPPサーバ動作設定を取得する。
【0090】
S1014でクラウドプリント登録サービス制御部204はS1013で取得したIPPサーバ動作設定から設定がONかどうか判断する。設定がONでない場合、もともとIPPサーバは動作中ではなかったため、S1015にてIPPサーバを終了する。S1013にて取得した設定がONであった場合、もともとIPPサーバは動作中であったため、IPPサーバを終了することはなく処理を終了する。すなわち、自動登録用Webサービスの終了後に、IPPサーバの状態を、自動登録用Webサービスが起動される前の状態に戻す。
【0091】
以上のようにしてIPPサーバを用いて、登録手順の少なくとも一部を実行することができる。
【0092】
図11は実施形態2における印刷装置100のWebサービスの具体例を示す図である。
【0093】
自動登録用Webサービスにより実現されるサービスとしては、外部装置にCSRデータを提供するCSRデータ提供サービスと外部端末からクラウドプリント登録情報を受け取る登録情報受信サービスがある。登録ユーティリティ401は、HTTPのGETメソッドでCSRデータ提供サービスにリクエストを送信し、当該リクエストの応答としてCSR138を取得する。また、登録ユーティリティ401は、HTTPのPOSTメソッドでクラウドデバイスID132、サービスURL137、署名済み証明書139を含むクラウドプリント登録情報を印刷装置100の受信サービス宛に送信する。当該情報を受信した受信サービスは、受信した登録情報を記憶部205に格納する。またそれぞれのURIは例として、https://[IPアドレス]/cloudprint/csr_data、https://[IPアドレス]/cloudprint/regist-infoである。
【0094】
また、IPPサービスにより実現されるサービスとしては、プリンタ情報を提供するプリンタ情報提供サービスがある。プロトコルとしてはIPPでありオペレーションとしてはget-printer-attributesオペレーションが使用される。この場合のURIは例としてipp://[IPアドレス]/ipp/printである。登録ユーティリティ401は、IPPのget-printer-attributes requestオペレーションを用いて印刷装置100のプリンタ情報提供サービスにプリンタ情報を要求する。提供サービスは、当該リクエストの応答としてデバイスIDを含むプリンタ情報を応答する。この例の場合、プリンタ情報の取得はIPPサーバにより処理されることから、S1003で判定するリクエスト種別から、プリンタ情報取得要求を除外してもよい。プリンタ情報取得要求は、図10の自動登録用Webサービスの手順ではなく、IPPで処理されるためである。
【0095】
以上の手順により、印刷装置をクラウドプリントサービスへと登録する際に、IPPサーバ機能を利用することができる。
【0096】
(実施形態3)
実施形態3は、登録ユーティリティ401でプリンタ登録する際に、共有設定、プリンタ名、メンバも同時に設定することを可能にしたものである。
【0097】
●共有プリンタの自動登録
図12は実施形態3における登録ユーティリティ401の設定を行うUI図である。トップ画面1200は、登録ユーティリティを起動した際に表示されるトップ画面である。クラウド設定ボタン1201を押下するとクラウド設定画面1210に画面遷移する。登録プリンタ設定ボタン1203を押下すると登録プリンタ設定画面1220に画面遷移する。一括登録実行ボタン1202を押下すると設定された内容に従いクラウドプリンタ登録を実行する。すなわち、登録ユーティリティが図13に示した処理を実行する。
【0098】
クラウド設定画面1210では、クラウドプリンタ登録を行うクラウドアカウントを設定する。具体的にはクラウドアカウントID1211とクラウドアカウントパスワード1212を設定する。また、クラウドプリント登録を行う際のクラウドプリント登録サービスのエンドポイントである登録サービスエンドポイント1213を設定する。
【0099】
登録プリンタ設定画面1220では、クラウドプリンタ登録を行うプリンタのIPアドレス、共有設定、プリンタ名、メンバを設定する。メンバはプリンタを使用できるグループのメンバを示しており、たとえばメンバは個々のユーザ名ではなくユーザを含むグループのグループ名により指定される。たとえば、実施形態1では、ある印刷装置のクラウドデバイスIDを指定したクラウドプリントサービスを利用できるユーザは、その印刷装置を登録したユーザであった。
【0100】
それに対して本実施形態では、共有設定されている印刷装置がクラウドプリントサービスに登録されていると、登録したユーザのみならず、その印刷装置に関連付けられたグループのメンバであるユーザによる利用が許されてよい。なおメンバそれぞれは、クラウドアカウントを有するユーザである。たとえばグループ名とユーザIDとの関連付けをあらかじめクラウドプリント印刷サービス430に登録しておく。ユーザは、そのユーザ自身が登録した印刷装置を、印刷ジョブをダウンロードして印刷する印刷装置として指定して、印刷ジョブをクラウドプリント印刷サービス430にアップロードすることができる。加えて、ユーザは、共有の可否を示す共有設定が有効(すなわち共有可)で、かつ、そのユーザがメンバであるグループが関連付けられた印刷装置を指定して、印刷ジョブをクラウドプリント印刷サービス430にアップロードすることができる。なお、メンバの設定を、グループではなく個々のユーザの指定により行った場合には、クラウドプリント印刷サービスを利用するユーザがメンバとして設定された印刷装置であればそれを利用できる。この場合にはグループとユーザとの関連付けを別途登録しておく必要はない。
【0101】
このように、複数のプリンタを、共有設定やメンバの設定を含めて設定することによりクラウドプリンタ登録をまとめて行うことができる。
【0102】
さらに、登録するプリンタに対するプリンタ名を登録することもできる。共有ユーティリティ401は、登録されたプリンタ名で、既存のプリンタ名を更新することができる。プリンタ名が共有ユーティリティ401により管理されている場合にはそれを更新する。また、プリンタ名がクラウドプリント登録サービス420に登録されたものである場合には、クラウドプリント登録サービス420に対してプリンタ名を送信し、プリンタ名を更新させてもよい。
【0103】
図13は実施形態3における登録ユーティリティ401にて登録を実行したときのフローチャートである。S1300-S1307およびS1311-S1312は、実施形態1の図8のS801-S809と同様である。
【0104】
S1300にて登録ユーティリティ401は登録プリンタリストを取得する。登録プリンタリストは登録ユーティリティ401の操作画面である登録プリンタ設定1220にて設定されたプリンタリストである。
【0105】
登録ユーティリティ401はS1301からS1312までの処理を取得されたプリンタ分実行する。
【0106】
S1302にて登録ユーティリティ401は印刷装置100にプリンタ情報取得要求701を送信する。なお本実施形態では、取得するプリンタ情報には、デバイスIDのほか、プリンタ名を含む。さらにモデル名を含んでいてもよい。
【0107】
S1303にて登録ユーティリティ401はプリンタ情報取得成功したかどうか判断する。失敗した場合S1301に戻り次のプリンタについて処理を行う。
【0108】
成功した場合、S1304にて登録ユーティリティ401は印刷装置100にCSRデータ取得要求703を送信する。
【0109】
S1305にて登録ユーティリティ401はCSRデータの取得に成功したかどうか判断する。失敗した場合S1301に戻り次のプリンタについて処理を行う。
【0110】
成功した場合、S1306にて登録ユーティリティ401はクラウドプリント登録サービス420にプリンタを登録する。ここでのプリンタ登録とは、具体的にはシーケンス図7における705から711までの処理である。
【0111】
S1307にて登録ユーティリティ401はプリンタ登録成功したかどうか判断する。失敗した場合S1301に戻り次のプリンタについて処理を行う。
【0112】
成功した場合、S1308に分岐する。S1308-S1310が本実施形態に特有の工程である。S1308にて、登録ユーティリティ401はクラウドプリント登録サービス420に登録中のプリンタのプリンタ共有設定を送信する。このとき、送信した設定をその対象のプリンタと関連付けるために、関連するクラウドデバイスIDあるいはIPアドレスをあわせて送信する。これを受信したクラウドプリント登録サービス420は、受信したプリンタ共有設定を、たとえばクラウドデバイスIDあるいはIPアドレスと関連付けて登録する。
【0113】
S1309にて登録ユーティリティ401はクラウドプリント登録サービス420に登録中のプリンタのプリンタ名を送信する。このとき、関連するクラウドデバイスIDあるいはIPアドレスをあわせて送信する。これを受信したクラウドプリント登録サービス420は、受信したプリンタ名で、たとえば受信したクラウドデバイスIDあるいはIPアドレスと関連付けて登録されているプリンタ名を更新する。
【0114】
S1310にて登録ユーティリティ401はクラウドプリント登録サービス420に登録中のプリンタのメンバを送信する。このとき、関連するクラウドデバイスIDあるいはIPアドレスをあわせて送信する。これを受信したクラウドプリント登録サービス420は、受信したメンバを、たとえばクラウドデバイスIDあるいはIPアドレスと関連付けて登録する。S1308-S1310で送信している情報をまとめて1工程で送信してもよい。
【0115】
S1311にて登録ユーティリティ401は印刷装置100に登録情報712を送信する。
【0116】
S1312にて登録ユーティリティ401は取得したプリンタリスト分処理が完了したか判断し、まだの場合はS1301に戻り、次のプリンタについて処理を繰り返す。取得したプリンタリスト分処理が完了した場合は処理を終了する。
【0117】
以上の手順により本実施形態では、複数の印刷装置をクラウドデバイスとしてまとめて登録することができるとともに、印刷装置の共有設定および共有するメンバを登録することができる。さらに、クラウドプリントシステムで参照するプリンタ名を指定した名称で更新することができる。実施形態1と同様に、印刷装置が自動登録用Webサービスさえ備えていれば、クライアント端末からの操作により、複数の印刷装置を一括して登録でき、実施形態1と同様の効果も奏する。
【0118】
[その他の実施例]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0119】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0120】
100 印刷装置、401 登録ユーティリティ、410 クライアントコンピュータ、420 クラウドプリント登録サービス、430 クラウドプリント印刷サービス
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