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特許7599933ハンドルに対する位置でロック可能な回転式付属品を有する多機能ヘアスタイリング装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】ハンドルに対する位置でロック可能な回転式付属品を有する多機能ヘアスタイリング装置
(51)【国際特許分類】
   A45D 1/00 20060101AFI20241209BHJP
   A45D 1/18 20060101ALI20241209BHJP
   A45D 20/10 20060101ALI20241209BHJP
【FI】
A45D1/00 501Z
A45D1/00 A
A45D1/00 502B
A45D1/00 503C
A45D1/18 A
A45D20/10 Z
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020206049
(22)【出願日】2020-12-11
(65)【公開番号】P2021098008
(43)【公開日】2021-07-01
【審査請求日】2023-11-17
(31)【優先権主張番号】1915508
(32)【優先日】2019-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】594034072
【氏名又は名称】セブ ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ピエール ジャック フイン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァランタン ジャヴェル
【審査官】田村 惠里加
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-181947(JP,A)
【文献】米国特許第06038782(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0000143(US,A1)
【文献】特開2017-170151(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 1/00
A45D 1/18
A45D 20/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手で把持するハンドル(2)と、空気流を発生させるための内蔵された送風機モジュール(5)と、前記ハンドル(2)に連結される付属品(6)であって、互いに異なる第1の空気出口(12)と第2の空気出口(13)とを画定する付属品(6)とを含む携帯用のヘアスタイリング装置(1)であって、前記付属品(6)は、前記空気流が前記第1の空気出口(12)を介して前記付属品(6)によって吹き付けられる少なくとも1つの第1の角度構成と、前記空気流が前記第2の空気出口(13)を介して前記付属品(6)によって吹き付けられる第2の角度構成との間で移動するように、前記ハンドルに対して回転自在に取り付けられる装置(1)において、前記付属品(6)が置かれている前記第1の角度構成または前記第2の角度構成から前記付属品(6)が離れることを防ぐために、前記第1の角度構成および前記第2の角度構成の少なくとも一方において前記ハンドル(2)に対して前記付属品(6)をロックするロック手段と、前記装置(1)の使用者が前記ロック手段によって前記付属品(6)のロックおよび/またはロック解除を制御することを可能にする制御部材(21)と、を更に含む装置(1)。
【請求項2】
前記ロック手段は、ロックされた構成と、ロック解除された構成との間で移動するように設計され請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記付属品(6)の前記第1の角度構成および前記第2の角度構成の少なくとも一方は、前記ハンドル(2)に対する前記付属品(6)の予め定められた唯一の角度配向に対応する請求項1または請求項2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記付属品(6)の前記第1の角度構成および前記第2の角度構成の少なくとも一方は、予め定められた角度範囲において可変である、前記ハンドル(2)に対する前記付属品(6)の角度配向を可能にする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記第2の空気出口(13)は、個別であるとともに、隣接していない少なくとも1つの第1の空気出口部分および1つの第2の空気出口部分(13A、13B)を含み、前記装置(1)は、前記予め定められた角度範囲による前記ハンドル(2)に対する前記付属品(6)の可変な角度配向を可能にする前記第2の角度構成を前記付属品(6)が取るときに、前記付属品(6)が前記第1の空気出口部分および前記第2の空気出口部分(13A、13B)の一方および/または他方により空気流を吹き付けることができるように構成される請求項4に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記ロック手段は、少なくとも1つの舌部(22)と、前記舌部(22)をその内部に受けるように対応する収容部(23、24)とを少なくとも含む請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項7】
前記付属品(6)の前記第1の角度構成および前記第2の角度構成の少なくとも一方は、前記ハンドル(2)に対する前記付属品(6)の予め定められた唯一の角度配向に対応するものであり、
前記収容部(23)は、前記舌部をその内部に密接に受けるように適応される求項6に記載の装置(1)。
【請求項8】
前記ロック手段は、少なくとも1つの舌部(22)と、前記舌部(22)をその内部に受けるように対応する収容部(23、24)とを少なくとも含み、
前記収容部(24)は、角溝(24)を形成し、前記角溝(24)の長さは、前記予め定められた角度範囲を画定し、前記角溝(24)は、ストッパを形成する前記角溝(24)の対向する両端部(25、26)の間で前記舌部(22)をその内部に受けるように適応される求項4または請求項5のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項9】
前記収容部(23、24)は、前記付属品(6)と一体であり、前記舌部(22)は、前記ハンドル(2)と一体である請求項6乃至請求項8のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項10】
前記ロック手段は、前記付属品(6)が前記第1の角度構成にあるときに前記第1の角度構成において、それぞれ前記付属品(6)が前記第2の角度構成にあるときに前記第2の角度構成において、前記ハンドル(2)に対する前記付属品(6)のロックを確実にするように設計され、前記ロック手段は、唯一の舌部(22)と、前記付属品を前記第1の角度構成にロックするために、前記舌部(22)をその内部で受ける第1の収容部(23)と、それぞれ前記付属品(6)を前記第2の角度構成にロックするために、前記舌部(22)をその内部で受ける第2の収容部(24)とを含む請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項11】
前記制御部材(21)は、使用者が前記制御部材(21)に対する直接的な手動の行動によって前記ロック手段による前記付属品(6)のロックおよび/またはロック解除を確実に行えるようにするための、前記舌部(22)に連結される手動の機械的制御部材である請求項6乃至請求項10のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項12】
前記手動の機械的制御部材(21)は、前記ハンドル(2)に対して可動に取り付けられる請求項11に記載の装置(1)。
【請求項13】
前記手動の機械的制御部材(21)は、記ハンドル(2)の長手方向延長軸(A-A’)に沿って、直線的な平行移動自在に、かつ/または前記長手方向延長軸(A-A’)の周りを回転自在に取り付けられる請求項12に記載の装置(1)。
【請求項14】
前記手動の機械的制御部材(21)は、前記付属品(6)が前記ハンドル(2)に連結される前記ハンドル(2)の端部(4)において取り付けられる請求項12または請求項13に記載の装置(1)。
【請求項15】
前記手動の機械的制御部材(21)は、前記ロック手段が前記ロックされた構成を取るロック位置と、前記ロック手段が前記ロック解除された構成を取るロック解除位置との間で可動に取り付けられ、前記装置(1)は、前記ロック解除位置を取るとき、前記手動の機械的制御部材(21)を前記ロック位置に自動的に呼び戻すように設計されるし手段を含む請求項2、及び、請求項11乃至請求項14のいずれか一項に記載の装置(1)
【請求項16】
前記付属品(6)の前記第1の空気出口および前記第2の空気出口(12、13)は、異なる形状の開口部を有する請求項1乃至請求項15のいずれか一項に記載の装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば家庭用のヘアスタイリング装置の一般的な技術分野に関し、より詳細には、髪を乾燥させ、かつ/または髪をまとめることを容易にするために、空気流を吹き付けるように設計された携帯用のヘアスタイリング装置の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
温かいまたは冷たい強制の空気流を使用者の髪に向けるための空気出口を含む、吹き付けヘッドと、ハンドルとを含む手持ち式ヘアドライヤタイプのヘアスタイリング装置が知られている。かかるヘアドライヤが、主に、ヘアドライヤによって吹き付けられる空気流の影響で水の蒸発によって濡れた髪を乾燥させる(乾燥機能)ために使用されることや、髪をまとめることを容易にする(ヘアスタイリング援助機能)ように設計された幾つかの取り外し可能な付属品と組み合わせても使用され得る。ヘアドライヤのヘッドに固定されるようになり、かつ吹き付けヘッドによって放出される空気流によって横切られることを目的とし、例えば、ディフューザまたは濃縮器タイプであり得るこれらの付属品は、ヘアドライヤの吹き付けヘッドによって吹き付けられる空気流の形を修正するエンドピースを形成する。
【0003】
これらの既知のヘアドライヤは、全体として満足感を与えるとしても、やはりその幾つかの不都合を有する。特に、乾燥のための使用モードからヘアスタイリングのための使用モードへのヘアドライヤの移行は、使用者の側で付属品の組み立て/解体の作業を行うことを必要とする。かかる作業は、時に面倒であることが明らかであり得、付属品の取り扱い時の熱傷の無視できない危険、および付属品が全く単純に手の届かないところで整理されておらず、また使用者がそれらを使用したいと思う際に使用者が到達できないときに付属品の喪失の危険が更に存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明に与えられた目的は、ヘアスタイリングの分野で特別な専門的なスキルのない使用者にも、使用が同時に特に実用的で、簡易で、信頼できかつ安全である、新規な携帯用の多機能ヘアスタイリング装置を提案することを目指す。
【0005】
本発明の他の目的は、人間工学的であり、特に直感的に使用できるように設計された新規な携帯用のヘアスタイリング装置を提案することを目指す。
【0006】
本発明の他の目的は、特に簡易でコンパクトな構成の、新規な携帯用のヘアスタイリング装置を提案することを目指す。
【0007】
本発明の他の目的は、特に堅固で信頼できる、新規な携帯用のヘアスタイリング装置を提案することを目指す。
【0008】
本発明の他の目的は、快適な使用条件において髪の特に有効な乾燥およびまとめること得ることを可能にする、新規な携帯用のヘアスタイリング装置を提案することを目指す。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に与えられた目的は、手で把持するハンドルと、空気流を発生させるための内蔵された送風機モジュールと、ハンドルに連結される付属品であって、互いに異なる第1の空気出口と第2の空気出口とを備えた付属品とを含む携帯用のヘアスタイリング装置であって、前記付属品は、空気流が第1の空気出口を介して付属品によって吹き付けられる少なくとも1つの第1の角度構成と、空気流が第2の空気出口を介して付属品によって吹き付けられる第2の角度構成との間で移動するように、ハンドルに対して回転自在に取り付けられ、前記装置は、付属品が置かれている第1または第2の角度構成から付属品が離れることを防ぐために、前記第1および第2の角度構成の少なくとも一方においてハンドルに対して付属品をロックするロック手段と、装置の使用者がロック手段によって付属品のロックおよび/またはロック解除を制御することを可能にする制御部材とを更に含む装置を用いて達成される。
【0010】
本発明の他の特性および利点は、非限定的な例として専ら与えられる添付図面を参照して、更に詳細に記載及び説明される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】付属品が、「ヘアドライヤ」の使用モードに対応する第1の角度構成と、「吹き付けブラシ」の使用モードに対応する第2の角度構成との間で、装置のハンドルに対して回転自在に移動するように好適に設計される、本発明に従ったヘアスタイリング装置の実施形態を側面図により例示する図である。図1で、付属品は、装置のロック手段によってロックされる第1の角度構成にある。
図2】付属品が、第2の角度構成にあり、それが装置のロック手段によってロックされる、図1のヘアスタイリング装置の実施形態を側面図により例示する図である。
図3図2のヘアスタイリング装置を正面図で例示する図である。
図4図2のヘアスタイリング装置を背面図で例示する図である。
図5図1の装置の付属品の回転軸に直交する平面に沿った断面図により、装置の設計、特にそのロック手段の詳細を例示する図である。
図6図1および図5の装置の縦断面で、切断された図により装置の設計、特にそのロック手段の詳細を例示する図である。
図7】切断された図により、図1図5および図6の装置の設計、特にそのロック手段の詳細を例示する図である。好適な幾つかの設計の態様を明らかにするために、付属品の外部エンベロープは省略され、かつ制御部材および内部デフレクタは透明にされている。
図8図2から図4のヘアスタイリング装置の付属品の回転軸に直交する平面に沿って切断された図により、装置の設計、特にそのロック手段の詳細を例示する図である。
図9図2から図4および図8のヘアスタイリング装置の付属品の回転軸に直交する平面に沿った断面で、切断された図により装置の設計、特にそのロック手段の詳細を例示する図である。
図10】切断された図により、図2から図4図8および図9の装置の設計、特にそのロック手段の詳細を例示する図である。好適な幾つかの設計の態様を明らかにするために、付属品の外部エンベロープは省略され、かつ制御部材および内部デフレクタは透明にされている。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に従ったヘアスタイリング装置1は、手で把持され、取り扱われるように設計された携帯用のヘアスタイリング装置である。ヘアスタイリングの分野で、すなわち乾燥の点でも、ヘアスタイリング、髪をまとめる点でも、特別な専門的なスキルのない使用者による家庭の枠内での使用を好ましくは目的とするヘアスタイリング装置のことである。好ましくは、ヘアスタイリング装置1は、使用者が装置1を自身に対して、すなわち自分自身の髪に対して使用するように設計される。しかしながら、装置1が、本発明の枠から逸脱せずに、第三者の髪に対する使用者による使用のために設計されることは、完全に検討可能である。
【0013】
好ましい実施形態が図に例示されるヘアスタイリング装置1は、ヘアスタイリング装置1を取り扱うために使用者によって手で把持されることを目的とする手で把持するハンドル2(または柄)を含む。ハンドル2は、第1の端部3と、反対側の第2の端部4との間に、好ましくは第1の軸A-A’に沿って長手方向に延伸する。ヘアスタイリング装置1は、内蔵され、かつ(強制の)空気流を発生させるように設計された送風機モジュール5と、ハンドル2に連結され、かつ送風機モジュール5によって発生した空気流が、使用者の髪に向けて発射され得るためにヘアスタイリング装置1の外に向けられることを目的とする付属品6(または吹き付けヘッド)とを同様に含む。ヘアスタイリング装置1は、周囲の空気が使用者の髪に向け吹き付けられるために送風機モジュール5によって吸入され得る空気入口7を備える。好適には、知られているように電動機によって動かされるベンチレータを含む送風機モジュール5は、ハンドル2の内部または付属品6の内部に配置され得る。しかしながら更に好ましくは、ヘアスタイリング装置1の送風機モジュール5は、ハンドル2に、その第1の端部3において組み立てられる。好適には、付属品6は、ハンドル2にハンドル2の第2の端部4において連結され、かつ更に好適には、その結果付属品6は、図に例示された実施形態のように、第2の端部4からハンドル2を延長させる。好ましくは、送風機モジュール5は、ハンドル2に対する送風機モジュール5の運動および特に回転の可能性なしでその第1の端部3においてハンドル2に一体化される。送風機モジュール5は、したがって好適には付属品6およびハンドル2から離される。このようにして経済的に、かつ付属品6およびハンドル2の全体的な外形寸法に影響を与えずに、大流量の空気流Fを発生させるように送風機モジュール5の寸法を決めることが可能である。その上、送風機モジュール5のかかる配置は、好適にはハンドル2の両側への質量の割り当てによって、ヘアスタイリング装置1の重量をより良好な平衡状態に置くことにより、人間工学および使用の快適さに寄与する。以上に検討され、かつ図に例示されたように、送風機モジュール5が、ハンドル2の内部に配置されるか、またはハンドル2にその第1の端部3において組み立てられる場合、ヘアスタイリング装置1は、送風機モジュール5によって発生した空気流を、付属品6に向けて案内するために、ハンドル2の内側に設けられた案内チャネル8を好適には含んでも良い。
【0014】
好ましくは、ヘアスタイリング装置1は、送風機モジュール5によって発生した空気流の温度を上昇させるために設けられる加熱素子を同様に含む。加熱素子は、ヘアスタイリング装置1の内側に内蔵され、送風機モジュール5によって発生した空気流F内に割り込まれるように配置される。図に例示された実施形態において、加熱素子は、好適には以上に言及したように、ハンドル2内に設けられた空気流の案内チャネル8の内側に位置決めされる。加熱素子は、それ自体として知られており、典型的にはジュール効果の原理に基づき機能し、かつ絶縁コア9の周りに巻き付けられた導電線(図示せず)から形成された少なくとも1つの加熱電気抵抗を含む電気加熱素子である。あるいは、加熱素子は、付属品6の内側に、特にそのコンパクトさを犠牲にするが、収容され得る。
【0015】
好適には、ヘアスタイリング装置1は、ヘアスタイリング装置1ならびに特にその送風機モジュール5および/または加熱素子の働きの使用者による手動制御および/または調節手段10を含む。それは、ヘアスタイリング装置1を電気的に起動/停止させ、かつ送風機モジュール5のベンチレータの回転速度、およびそれ故に付属品6によって吹き付けられる空気流の速度/流量、ならびに/または加熱素子の加熱温度を変更するために、使用者が直接働きかけられる、図1から図4に例示される実施例中のように、例えばロッカスイッチ、押しボタンスイッチタイプおよび/またはスライドもしくはローレットのバリエータタイプの調節手段10である。それ自体として知られている、かかる手動制御/調節手段10は、例えばハンドル2において、または送風機モジュール5において、図1から図4に例示される実施例中のように、それがその第1の端部3に組み立てられるときに位置決めされ得る。ヘアスタイリング装置1は、好適には携帯用の電気装置を構成し、好ましくは電源コード11を介してコンセントで給電されるように設計される。あるいは、ヘアスタイリング装置1は、その場合にハンドル2内に収容され得る例えば蓄電池のような内蔵のエネルギー源によって給電されても良い。
【0016】
本発明に従ったヘアスタイリング装置1の付属品6は、空気流が、使用者の髪に向けて付属品6によって吹き付けられ得る第1の空気出口12と、第2の空気出口13とを備える。第1および第2の空気出口12、13は、互いに異なっており、したがって一致しない。付属品6は、空気流が、第1の空気出口12を介して(かつ好ましくは第1の空気出口12のみを介して)付属品6によって吹き付けられる少なくとも1つの第1の角度構成(図1および図5から図7)と、空気流が、第2の空気出口13を介して(かつ好ましくは第2の空気出口13のみを介して)付属品6によって吹き付けられる第2の角度構成(図2から図4および図8から図10)との間で移動するために、ハンドル2に対して回転、枢転自在に取り付けられる。換言すると、付属品6は、ハンドル2に対して回転できるように、枢転結合によってハンドル2に対して取り付けられ、かつ本発明によるヘアスタイリング装置1は、使用者が、ハンドル2に対する付属品6の枢転によって、空気流が、付属品6によって吹き付けられる付属品6の第1および第2の空気出口12、13の一方または他方を交互に選択できるように設計および構成される。
【0017】
好適には、付属品6は、図に例示された実施形態のように、ハンドル2の第1の延長軸A-A’と一致する第2の軸B-B’の周りでハンドル2に対して回転自在に取り付けられる。しかしながら第2の回転軸B-B’は、第1の軸A-A’に対して平行であり、それに対して多少ずらされても良い。付属品6の運動は、このようにして簡易かつ信頼でき、使用者によるヘアスタイリング装置1の直感による操作を可能にする。あるいは、第2の軸B-B’が、例えば5から15°、または例えばほぼ90°に等しい角度により第1の軸A-A’を分割することを検討できる。付属品6の第1の角度構成から第2の角度構成への移行は、好適には、図に例示された実施形態のように、90°に等しい角度の第2の回転軸B-B’の周りでの付属品6の回転に対応し得る。しかしながら、この角度値は実際には制限されず、かつ付属品6の第1の角度構成から第2の角度構成への移行は、例えば180°に等しい角度の第2の回転軸B-B’の周りの付属品6の回転に代わりに対応しても良い。
【0018】
図に例示された実施形態において取り上げられた変形例によれば、付属品6は、ヘアスタイリング装置1のハンドル2と永続的に一体化され続けるように設計され、したがって(通常の使用で)使用者によりヘアスタイリング装置1のハンドル2から切り離されるように設けられない。このことは、ヘアスタイリング装置の付属品がすでに利用可能であり、かつヘアスタイリング装置に取り付けられているので、使用者がそれを失うこと回避することを可能にする。もう1つの変形例によれば、付属品6は、使用者が、例えば付属品6を洗うか、または取り替えるためにハンドル2から付属品6を分離できるように、ハンドル2に取り外し可能に組み立てられるように設計される。
【0019】
特に送風機モジュール5が、ハンドル2の内部に配置される、または以上で検討されたように、その第1の端部3においてハンドル2に組み立てられる場合、ヘアスタイリング装置1は、好適にはハンドル2に対して固定して、かつ動かないように連結され、かつ付属品6を通過して送風機モジュール5によって発生する空気流を、付属品6が、第1の角度構成を取るときに、ハンドル2内に設けられた案内チャネル8から、第1の空気出口12に向けて、かつ逆に付属品6が、第2の角度構成を取るときに、第2の空気出口13に向けて、案内するように設計および構成される内部デフレクタ14を更に含んでも良い。
【0020】
好適には、付属品6の第1および第2の空気出口12、13は、形状の異なる開口部を有する。換言すると、第1の空気出口12の開口部の空気通路の有効断面は、それぞれ第2の空気出口13の開口部の空気通路の有効断面を画定する輪郭(または複数の輪郭)の形の、異なる形の輪郭(または複数の輪郭)によって画定される。付属品6によって吹き付けられる空気流は、したがってこのように好適には、選択された空気出口12、13に応じて異なる分布を有する。
【0021】
第1および第2の空気出口12、13は、一方および/または他方が、ハンドル2に対して回転自在に取り付けられた付属品6の残りの部分に取り外し可能に組み立てられる付属部材によって(例えばラチェット機構、ねじ留め、圧入等によって)形成されることが、本発明の枠から逸脱せずに検討可能である。つまり、このことは、使用者が、ヘアスタイリング装置1に異なり、かつ異なる形状の断面の(従来のヘアスタイリング装置の場合のように単一のでなく)2つの空気出口を備え付けさせ、かつこのようにして、使用者がヘアスタイリング装置1で行うことを望む特殊な使用に従って、これらの付属部材の一方または他方を交換する能力を維持しながら、部材の解体/再度の組み立ての中間作業なしに、それらの中の一方または他方を相次いで使用し得ることを可能にする。付属品6が、反対に使用者によって解体されることを目的としない、それ自体として一貫した集合体を形成することは、好適であり、第1および第2の空気出口12、13は、付属品6に属する(通常の使用で)取り外し不可能な1つまたは複数の構成部品によって形成される。このようにして、装置1のハンドル2に対する付属品6の回転を媒介として、使用者は、ヘアスタイリング装置1の何らかの付属要素を設置または分解する必要なしに、第1の空気出口12(第1の角度構成)または第2の空気出口13(第2の角度構成)の一方または他方を選択できる。使用者は、このようにして装置1の容易かつ速い使用の恩恵を受け、そのいかなる要素も見失わないことが確実になる。
【0022】
ヘアスタイリング装置1が目的とする用途により、付属品6の第1および第2の角度構成の少なくとも一方が、ハンドル2に対する付属品6の予め定められた唯一の角度(または位置)配向に対応することが好適である。このようにして、付属品6が、第2の回転軸B-B‘に対する予め定められた唯一の角度または位置配向により配向されないとき、空気流は、好適には関係する第1および第2の空気出口12、13を介して付属品6によって吹き付けられ得ない。かかる特徴は、特に、装置1の付属品6が、第1および第2の角度構成の一方および/または他方を取るときに、かつ空気流が、その場合に、予め定義された唯一の平均方向に沿って付属品6によって吹き付けられることが望まれるときに、ヘアスタイリング装置1が、「ヘアドライヤ」モードにより使用されるように設計される場合において興味深いことが明らかになっている。
【0023】
代わりに、または補足的に、なおもヘアスタイリング装置1が目的とする用途により、付属品6の第1および第2の角度構成の少なくとも一方が、予め定められた角度範囲において可変であるハンドル2に対する付属品6の角度配向を可能にすることも好適である。換言すると、関係する第1および/または第2の角度構成は、この場合において、付属品6が、予め定められた、有界の(例えば20°から60°の)角度範囲においてハンドル2に対して取り得る複数の角度(または位置)配向に対応する。このようにして、付属品6が、可変の角度配向でかかる角度構成を取るとき、付属品6は、第2の回転軸B-B‘の周りにある種の許容範囲の回転を有し、したがって、ヘアスタイリング装置1の外に空気流を吹き付けながら、予め定められた、有界の角度範囲においてハンドル2に対して枢転できることが可能である。かかる特徴は、例えば、ヘアスタイリング装置1が、装置1の付属品6が、第1および第2の角度構成の一方および/または他方を取るとき、かつ(例えば、使用者が、ヘアスタイリング装置1のハンドル2を持つ手の手首の運動を行うことを必要とせずに、付属品6によって吹き付けられる空気流による髪の掃除を可能にするように)空気流が、その場合に可変の方向に沿って付属品6によって吹き付けられ得ることが望まれるときに、「ヘアドライヤ」モードにより使用できるように設計される場合において興味深いことが明らかになっている。
【0024】
更に好適には、装置1は、
- 第2の角度構成(および/またはそれぞれ第1の角度構成)が、前出のことに従って、予め定められた角度範囲によりハンドル2に対する付属品6の可変の角度配向を可能にし、かつ
- 対応する第2の空気出口13(および/またはそれぞれ対応する第1の空気出口12)が、好ましくは異なっており、隣接しない少なくとも1つの第1および第2の空気出口部分13A、13Bを含む
ように更に具体的に設計および構成される。
【0025】
装置1は、付属品6が、第2の角度構成(および/またはそれぞれ第1の角度構成)を取るとき、付属品6が、第2の空気出口13(および/またはそれぞれ第1の空気出口12)の第1および第2の部分13A、13Bの一方および/または他方により空気流を吹き付けることができるように具体的に構成され得る。換言すると、予め定められた角度位置におけるハンドル2に対する付属品6の角度位置により、空気流は、第1の空気出口部分13Aを介するか、第2の空気出口部分13Bを介するか、または、第1および第2の空気出口部分13A、13Bを同時に介して付属品6によって吹き付けられ得る。
【0026】
図に実施例で例示された実施形態において、ヘアスタイリング装置1は、装置1のハンドル2に対して回転自在に取り付けられた付属品6によって取られる角度構成に応じて、「ヘアドライヤ」モード(第1の角度構成)と、「吹き付けブラシ」モード(第2の角度構成)との間を移動するように好適には設計される。付属品6は、その理由で付属品6の第1の空気出口12を担持する第1の面15を有する。特に、図4に例示されるように、第1の空気出口12は、細長く、伸びた全体的形状の開口部を好適には有する(空気流は、空気の薄板の形状で流出する)。あるいは、第1の空気出口12は、例えば円形の全体的形状の開口部を有し得る(空気流は、ほぼ円筒形または円錐台形の形状で流出する)。このようにして、付属品6がハンドル2に対して第1の角度構成を取るとき、ヘアスタイリング装置1は、好適には髪を乾燥させるために使用され得る。好適には、第1の角度構成は、前に検討されたように、ハンドル2に対して付属品6の予め定められた唯一の角度配向に対応する。このようにして、「ヘアドライヤ」モードにおいて、付属品6は、先に与えられた説明に従って、予め定義された唯一の平均方向により第1の空気出口12を介して空気流を好適には吹き付ける。
【0027】
図に実施例で例示された実施形態において、付属品6は、付属品6の第2の空気出口13を担持する第2の面16も有する。好適には、第1および第2の面15、16は、例えばハンドル2に対して付属品6の第2の回転軸B-B’の両側に位置決めされて、互いに対向する。付属品6は、第2の面16に、好適にはブラシの毛(またはピン)の列または棒状部材17A、17B、17Cから形成される髪の機械的係合要素17を備える。特に図3図5および図8に例示されるように、付属品6の第2の空気出口13は、前に検討されたように、好ましくは異なっており、隣接しない第1および第2の空気出口部分13A、13Bを含む。この実施形態において、第1および第2の空気出口部分13A、13Bは、長手方向のスリットを形成し、かつ好適には髪の機械的係合要素17の両側に位置決めされる。しかしながら、第1および第2の空気出口部分13A、13Bは、極めて当然に異なる形状および位置決めであっても良い。第1の角度構成とは違い、図に例示されたヘアスタイリング装置1の付属品6の第2の角度構成は、予め定められた角度範囲に応じてハンドル2に対する付属品6の可変の角度配向を可能にする。更に、ヘアスタイリング装置1は、付属品6が、第2の角度構成を取るとき、付属品6が、第2の空気出口13の第1および第2の部分13A、13Bの一方および/または他方によって空気流を吹き付けられるように構成される。このようにして、使用者が、「吹き付けブラシ」モードによりヘアスタイリング装置1を用いるとき、すなわち付属品6が、ハンドル2に対して第2の角度構成を取って、使用者の髪と、付属品6の髪の機械的係合要素17との間の相互作用は、第2の軸B-B’に沿ったハンドル2に対する付属品6の枢転を導き得る。このことは、髪のブラッシングの方向に応じて、それ故に第2の軸B-B’の周りの付属品6の枢転方向に応じて、第2の空気出口13の第1および第2の部分13A、13Bの一方または他方によって選択的に空気流を吹き付ける効果を好適には有するであろう。その結果、空気流は、好適には常に使用者の髪のできるだけ近くに、かつ装置1の移動方向に応じて常に最適な方向に吹き付けられ得る。この場合、空気流は、このようにして毛根から毛先に至る方向において、常に吹き付けられ、この方向は、髪をまとめる幾つかの作業に関して、または髪のもつれを解きほぐす作業に関して特に興味深い。
【0028】
好適には、ヘアスタイリング装置1は、その上、使用者の髪と、付属品6の髪の機械的係合要素17との間の相互作用がないとき、付属品6が、例えば予め定められた角度範囲の内部でほぼ中央の、静止と呼ばれる既知の角度位置に自動的に戻るように設計される。このために、例えば、ばねまたは磁石のような戻し手段は、以下で論じるように、場合によりハンドル2と、付属品6との間に備えられ得る。
【0029】
以上のことを考慮すると、本発明に従ったヘアスタイリング装置1は、したがって、好適には使用者が、ハンドル2に対する付属品6の簡単な回転によって、ヘアスタイリング装置1の少なくとも1つの第1の使用モード(例えば髪の乾燥を実行するための第1の角度構成)と、第2の使用モード(例えば髪のブラッシングを実行するための第2の角度構成)との間で選択することを可能にする。好適には、一方の角度構成から他方への付属品6の移行は、使用者によって実行され、使用者は、ハンドル2に対するその回転軸B-B‘の周りの回転運動を伝達するために、一方の手でヘアスタイリング装置1のハンドル2を持ち、かつ他方の手で付属品6を把持する。
【0030】
好ましくは、付属品6は、外面が、付属品6の外部形状および外部輪郭、ならびに好適には、ハンドル2を好適には延長させるように、ヘアスタイリング装置1のハンドル2に連結される、ヘアスタイリング装置1の末端部分の外部形状および外部輪郭を主として画定する中空の外部エンベロープ(またはハウジング)18を含む。好適には、外部エンベロープ18は、使用者が、以上で検討されたように、付属品6を第1および第2の角度構成の一方または他方に位置決めするため、それ故に空気流が、付属品6の外に吹き付けられる、付属品6の第1、12および第2・、13の空気出口の一方または他方を選択するために、ハンドル2に対する付属品6の第2の回転軸B-B‘の周りの枢転運動を外部エンベロープ18に(それ故に付属品6に)手で直接伝達できるように、使用者による手による把持を可能にするために適応される。
【0031】
図に実施例で例示された実施形態において、ヘアスタイリング装置1は、先に検討されたように、ハンドル2の内側に設けられた空気流の案内チャネル8を、ハンドル2の第2の端部4を越えて軸方向に延長させる内部デフレクタ14を含む(図5から図10)。この実施例において、付属品6の外部エンベロープ18は、(例えば、ねじ留めまたはラチェット機構によって)互いに固定され、かつ付属品6の第1および第2の面15、16を少なくとも部分的にそれぞれ画定する2つのハーフシェル18A、18Bから主として形成される。好適にはハンドル2の第1の長手方向の延長軸A-A’と一致する付属品6の第2の回転軸B-B’によるハンドル2に対する付属品6の回転自在な組み立てを可能にするために、内部デフレクタ14は、ハンドル2の第2の端部4に隣接して、好適にはハンドル2の第1の軸A-A’に直交する平面を延伸する環状の外周リップ19を備える。付属品6の外部エンベロープ18のハーフシェル18A、18Bの各々は、環状の外周リップ19を捕捉し、かつこのようにしてハーフシェル18A、18Bが互いに固定されるとき、付属品6の回転自在な組み立てを確実にするように、環状の外周リップ19の相補的な切り込み部分20A、20Bを内面において備える(図6および図9)。
【0032】
本発明によれば、ヘアスタイリング装置1は、付属品6が、第1または第2の角度構成から離れることを防ぐために、第1および第2の角度構成の少なくとも一方におけるハンドル2に対する付属品6のロック手段を更に含む。本発明に従ったヘアスタイリング装置1は、ヘアスタイリング装置1の使用者がロック手段によって付属品6のロックおよび/またはロック解除を制御することを可能にするためのスライダー36を同様に含む。
【0033】
ロック手段は、このようにして
- 付属品6を、それがロックされている角度構成の一方および/または他方から離れて、ロック手段が、第2の回転軸B-B’に沿ってハンドル2に対して付属品6を回転させるあらゆる可能性を機械的に抑制するロックされた構成と、
- ロック手段が、反対に、第2の回転軸B-B’に沿ったハンドル2に対する付属品6の回転を可能にし、その結果、付属品6を、今ある角度構成の一方および/または他方から離し、好適にはそれが交互に取る可能性のある角度構成の他方に導くことが機械的に可能になるロック解除された構成と
の間を可逆的に移動するように好適には設計される。
【0034】
ロックされた構成からロック解除された構成へ、かつ逆に、ロック解除された構成からロックされた構成への移行は、付属品6のロック/ロック解除の制御部材21に対する、すなわち、それに逆らう使用者の側からの積極的な行動を必要とする。すなわち、ハンドル2に対して一方および/または他方の第1および第2の角度構成に一旦ロックされると、付属品6は、ロック手段のロック解除を命じる制御部材21に対する使用者の側からの予めの積極的な行動がなければ、ロックされた角度構成から離れられない。特に、ハンドル2に対する付属品6のいかなる手動の回転も、付属品6が第1および第2の角度構成の一方および/または他方にあり、かつロック手段がロックされた構成にあるときに、不可能にされる。このことは、付属品6が、その位置を予期せずに離れないことが確実にされる限りにおいて、使用の快適さおよび安全性を使用者に保証する。このことは、先に記載されたように、付属品6が、髪の係合要素17を備えるときに、特にその利益を見いだす。
【0035】
本発明の意味において、制御部材21は、ハンドル2および付属品6から機能的に独立している。換言すると、制御部材21は、以下で詳述されるように、ハンドル2およびまたは付属品6によって担持され、組み込まれ得るが、ハンドル2および付属品6は、それ自体として制御部材21を構成しない。特に、付属品6のロック解除は、ハンドル2および/または付属品6に全体的に応力のみを及ぼしながら、使用者によって制御され得ない。反対に、制御部材21に対する使用者の側の自発的な行動は、付属品6のロック解除を可能にするために必要である。
【0036】
図に例示された実施形態において、ロック手段は、
- 一方では、付属品が、第1の角度構成にあるとき、装置1が、付属品6に第1の角度構成から離れることを防ぐために、「ヘアドライヤ」モードで好適には使用され得る第1の角度構成において
- 他方では、付属品6が、第2の角度構成にあるとき、装置1が、付属品6に第2の角度構成から離れることを防ぐために、「吹き付けブラシ」モードで好適には使用され得る第2の角度構成において
ハンドル2に対して付属品6を交互にロックするように好適には設計される。
【0037】
付属品の角度構成を「ヘアドライヤ」モード(第1の角度構成)にロックする、装置1によってこのようにして与えられる可能性は、使用者が、装置1のハンドル2を持つ手の手首の交互の回転運動を行って、装置1を用いて髪を乾燥させるとき、付属品6が、慣性によって回転を開始し、かつその第1の角度構成「ヘアドライヤ」を予期せずに離れることを好適には回避することを特に可能にする。付属品の角度構成を「吹き付けブラシ」モード(第2の角度構成)に代わりにロックする、装置1によって与えられる可能性は、使用者が装置1を用いて髪をブラッシングするとき、使用者の髪と、付属品6の髪の機械的係合要素17との間の相互作用が、第2の軸B-B’の周りで付属品6を枢転させ、かつその第2の角度構成「吹き付けブラシ」からこのように離れさせるために十分な応力を引き起こすことを回避することを特に可能にする。
【0038】
図に例示された実施形態のように、付属品6が、ハンドル2に対して取り得る、異なる角度構成の各々において、付属品6のロックを可能にするように、ロック手段が設計されることが好適であっても、装置1が目的とする使用により第1および第2の角度構成の一方のためにのみ、かかるロックを設けることも検討可能である。もっとも、ヘアスタイリング装置1は、しかしながら場合により付属品6が取る「ロック不可能な」角度構成から離れる付属品6の能力を完全に禁じることなく制限するために、-付属品が、ロックされ得ない角度構成のそれを取るときに-ハンドル2に対する付属品6の回転の制限手段を含んでも良い。制限手段は、例えば一対の磁石、出っ張り、またはその他から形成されても良い。好適には、制限手段はその上、付属品6が関係する「ロック不可能な」角度構成内に確かにあることを使用者が知ることを可能にする、インデキシング手段の役割を果たせる。しかしながら、付属品6およびハンドル2に逆らう十分なトルクを及ぼして、付属品6を「ロック不可能な」角度構成から離すことが依然として可能なままであろう。
【0039】
したがって、ハンドル2に対して付属品6によって取られる角度構成のかかるロック手段の利用は、このようにして、使用者に使用に際しての幾つかの実際の不快感を回避させ、かつヘアスタイリング装置1の使用の高い信頼性に寄与する。その上、ロック手段は、角度構成を突然変更させる、付属品6の望まない回転のために、予想外の方向で、かつ例えば使用者の目に向けた熱い空気流の予期しない発射を回避することを特に可能にする限りにおいて、ヘアスタイリング装置1の特に安全な働きを確実にすることに寄与する。付属品6の望まない回転のために場合により突然生じることがあり、付属品6を第1および第2の角度構成の外の角度位置に導き、かつ送風機モジュール5によって発生した空気流のヘアスタイリング装置1の外への発射を過度に強く制限し、更には完全に禁じる効果をもたらす装置1の過熱および損傷の危険性を、ロック手段により同様に限定する。
【0040】
このようにして、本発明に従ったヘアスタイリング装置1は、好適には複数の異なる使用モードにより使用され得るように設けられ(多機能装置)、かつ1つの使用モードから他の使用モードに移行するために、ハンドルに対する付属品の構成/配向を修正すれば、使用者にとって十分なので、使用が特に簡易かつ実用的なだけでなく、ヘアスタイリング装置1が、使用者が望まずに作動中にそれが取る角度構成から離れられない限りにおいて、特に信頼でき、かつ安全である、携帯用のヘアスタイリング装置である。
【0041】
好適には、ロック手段のロック解除された構成は、不安定な構成であり、その結果ロック手段は、ロック解除された構成であるとき、そのロックされた構成に向かってそれ自体で自然に戻る傾向がある。ヘアスタイリング装置1の安全性は、ロック手段の制御部材21に対する使用者の積極的な行動がないならば、(付属品6がその場合にロックされる可能性がある第1および第2の角度構成の一方または他方を取る限り)ロック手段が、そのロックされた構成を自然に再び取り、それ故に付属品6を遮断する傾向があるので、それにより増加する。したがってロック手段のロックされた構成は、このようにして好適にはロック手段が、使用者による制御部材21の外力がない場合に自然に取る可能性のある静止の構成である。
【0042】
好ましくは、ハンドル2に対する付属品6のロック手段は、少なくとも1つの舌部22と、ロック手段が、ロックされた構成にあるとき、舌部22をその内部で受けるように対応する少なくとも1つの収容部23、24とを含み、舌部22および収容部23、24の協働は、付属品6が、それがその場合に取る第1または第2の角度構成から離れることを機械的に防ぐ。ロック手段のロック解除された構成で、舌部22は、対応する収容部23、24ともはや協働可能でなく、その結果付属品6の回転に対する障害がもはやない場合に、付属品6は、それが取る第1または第2の角度構成から離れられる。ロック手段のかかる構成は、減少した外形寸法において利用することが特に簡易であるという利益を有する。好適には、特に付属品6の設計を簡略化するように、収容部23、24は、付属品6と一体であり、舌部22は、ハンドル2と一体である。極めて当然に、本発明は、しかしながらロック手段のかかる特殊な設計に限定されず、かつロック手段は、適合するあらゆる代替的な設計を持っても良い(例えばハンドル2の対応する1つの面または他の面に対して付属品6の面を締めつける顎タイプ)。
【0043】
したがって舌部22が、ロック手段のロック構成で対応する収容部23、24に収容されるように設けられるにもかかわらず、舌部22の形は、それ自体に特に限定されない。例えば、図に例示された実施形態のように、舌部22は、長手方向軸に沿って延伸する円形断面の剛性ロッド(または「留めピン」)の形状を好適には取っても良く、長手方向軸に沿って、ロッドの少なくとも一部が収容部23、24の内側に位置決めされる少なくとも1つの位置(ロック手段のロックされた構成)と、反対に、ロッドが完全に収容部23、24の外に位置決めされる位置(ロック手段のロック解除された構成)との間を平行移動、すなわち滑動自在に移動するようにロッドが設けられる。
【0044】
付属品6の第1および第2の角度構成の少なくとも一方が、付属品6をロックできることが望まれる、ハンドル2に対する付属品6の予め定められた唯一の角度配向に対応する場合、収容部23は、その場合舌部22をその内部に密接に受けるように好適には適応される。ロック手段のロックされた構成で、舌部22は、その場合にハンドル2に対して付属品6の回転方向において有意な遊びなしに収容部23の内側に捕捉される。収容部23の周囲が必ずしも閉鎖されないならば、収容部23は、しかしながら付属品6の回転方向の2つの向きの各々において舌部22にとってストッパを形成する周囲の部分を少なくとも有する。極めて当然に、ロック手段が、複数対の舌部と、対応する収容部を含むことが検討できる。この場合において、ロック手段は、好適には各対の舌部をよび収容部が、他の対の舌部をよび収容部と同時に協働するように構成される。その上、付属品6の第1および第2の角度構成の各々が、付属品6をロックできること望まれる、ハンドル2に対する付属品6の予め定められた唯一の角度配向に対応するならば、ロック手段は、好適には少なくとも1つの舌部22と、対応する2つの異なる収容部23とを含んでも良い。これらの収容部23の各々は、前出のことに従って、付属品6がロックされるべき第1または第2の角度構成に付属品6があるかに応じて、その場合舌部22をその内部に交互に密接に受けるように適応される。
【0045】
付属品6の第1および第2の角度構成の少なくとも一方が、予め定められた角度範囲で可変であり、かつ付属品6をロックできること望まれる、ハンドル2に対する付属品6の角度配向を可能にする場合、収容部24は、好適には角溝24、すなわち図8に見られるような円弧形の開口部(または孔)を形成する。角溝24の長さは、予め定められた角度範囲を画定し、角溝24は、ストッパを形成する角溝24の対向する両端部25、26の間に舌部22をその内部に受けるように適応される。一旦舌部22が、ロック手段のロックされた構成の角溝24に収容されると、舌部22および角溝24の相対移動(それ故にハンドル2に対する付属品6の枢転)は、角溝24の対向する端部25、26によってこのようにして制限される。変形例によれば、舌部22は、角溝24の端部25、26に対して直接当接するように設けられる。図に例示された実施形態との関連で、以下で更に詳細に記載されるもう一つの変形例によれば、舌部22は、角溝24の内側に可動に取り付けられた中間部材27に-ロック手段のロック構成で-収容されるように設けられる。舌部22は、その場合に可動の中間部材27のそれぞれ対向する端部28、29を介して角溝24の端部25、26と間接的に当接することが可能である。付属品6の第1および第2の角度構成の各々が、(角度構成の各々に関して必ずしも同一でない広さの)予め定められた角度範囲において可変であり、かつ付属品6をロックできることが望まれる、ハンドル2に対する付属品6の角度配向を可能にするように装置1が設計される仮定において、ロック手段は、好適には少なくとも1つの舌部22と、対応する2つの異なる角溝24とを含んでも良い。これらの角溝24の各々は、前出のことに従って、付属品6が、ロックされねばならない第1または第2の角度構成に付属品6があるかに応じて舌部22をその内部で、交互に受けるように適応される。
【0046】
図に実施例で例示された実施形態において取り上げられた変形例によれば、ロック手段は好適には、付属品6が第1の角度構成にあるときに第1の角度構成で、それぞれ付属品6が第2の角度構成にあるときに第2の角度構成で、ハンドル2に対する付属品6のロックを(交互に)確実にするように設計される。ロック手段は、この変形例によれば、唯一の舌部22と、付属品を第1の角度構成でロックするために、舌部22をその内部で受けるための第1の収容部23と、それぞれ付属品6を第2の角度構成でロックするために、舌部22をその内部で受けるための(第1の収容部23とは異なる)第2の収容部24とを含む。かかる変形例は、同じ舌部22が、第1および第2の角度構成の各々において付属品6を交互にロックすることを可能にするので、ヘアスタイリング装置1のロック手段の特に簡易な設計を可能にする。図に実施例で例示された実施形態において、ロック手段の唯一の舌部22は、前に言及したように、円形断面の剛性ロッド22(または「留めピン」)から形成される。ロッドは、好適にはロック手段が、ロックされた構成からロック解除された構成に、およびその逆に移行するとき、ロッドが平行移動、滑動して移動するように設けられる長手方向軸に沿って延伸する。ロッド22の長手方向延長軸は、好適にはハンドル2に対して付属品6の第2の回転軸B-B’にほぼ平行に配向される。第2の回転軸B-Bは、この実施例において、ハンドル2の第1の長手方向延長軸A-A’と一致するか、または少なくとも平行であり、したがってロッド22の長手方向延長軸は、その上好適には第1の軸A-A’にほぼ平行である(図6図7図9および図10)。
【0047】
更に具体的には、図に実施例で例示された実施形態において、第1の角度構成(「ヘアドライヤ」モード)は、好適にはハンドル2に対する付属品6の予め定められた唯一の角度配向に対応し、他方で第2の角度構成(「吹き付けブラシ」モード)は、好適には予め定められた角度範囲において可変であるハンドル2に対する付属品6の角度配向を可能にする。ロック手段の第1の収容部23は、好適には付属品6を第1の角度構成においてロックするために唯一の舌部22をその内部に密接に受けるように適応される(図5から図7)。この場合、第1の収容部23は、第2の面16を担持する外部エンベロープ18のハーフシェル18内に好適には設けられる、円形断面の第1の円筒形穿孔23から形成される(図5および8)。好適には、第2の軸B-B‘に沿った付属品6の強制された回転の応力の影響下で舌部22のせん断の危険を抑えるために、第1の収容部23を形成する第1の円筒形穿孔23は、貫通しており、かつ舌部22は、舌部22が、ロック手段のロック構成でその中に密接に受けられるとき、舌部22の遠位端30の一部が、第1の収容部23を越えて延伸するように寸法が決められる。内部デフレクタ14の環状の外周リップ19は、好適には図6および図7に部分的に例示されるように、ロック手段のロックされた構成で舌部22の遠位端30の部分をその内部で密接に受けるように設けられ、かつ貫通する第1の収容部23の相対する環状の外周リップ19の下面に設けられた第1のオリフィス31を備える。
【0048】
ロック手段の第2の収容部24は、長さが、予め定められた角度範囲を画定し、かつ先に与えられた説明に従って、ストッパを形成する角溝24の対向する両端部25、26の間で唯一の舌部22をその内部に受けるように適応される、角溝24(または円弧形の孔)を好適には形成する。以上ですでに言及されたように、舌部22は、ロック手段が、ロックされた構成にあるとき、付属品6が、第2の角度構成から離れることを防ぐように角溝24の端部25、26と直接当接するために、図に例示された実施例において、設けられない。すなわち、図5および図8で特に見られるように、付属品6は、角溝24の内側に可動に取り付けられた中間部材27を含む。中間部材27は、それぞれの一端が、付属品6の第1の面15を担持する外部エンベロープ18のハーフシェル18Aの面に対して支承され、それぞれの他端が、中間部材27に連結される2つの引っ張りばね32、33を介して付属品6に機械的に連結される。ばね32、33は、中間部材の端部28が、角溝24の端部25の一方と当接する第1の端位置(図示せず)と、中間部材27の対向する端部29が、角溝24の端部26の他方と当接する第2の端位置(図示せず)との間で、中間部材27が、このように角溝24の内側で振動し得るように互いに反対に作用する。中間部材24は、第2の回転軸B-B’に沿ってある種の回転の許容範囲を付属品6に残しながら、付属品6を第2の角度構成(図8および図10)にロックするために、その端部28、29から等距離に、内部で舌部22を密接に受けるように適応された第2の穿孔34を好適には備える。ばね32、33は、この場合に、好適には中間部材27を角溝24の内部で中央位置に自動的に戻すように均衡が取られる(図5および図8)。ばね32、33は、このようにして好適には、付属品6が、第2の角度構成にあるとき、自動的に戻り得る、先に記載された静止と呼ばれる既知の角度位置を定義することを可能にする。好適には、第2の軸B-B‘に沿った付属品6の強制された回転の応力の影響下で舌部22のせん断の危険を抑えるために、中間部材27が備える第2の円筒形穿孔34は、貫通しており、かつ舌部22は、舌部22が、ロック手段のロックされた構成でその中に密接に受けられるとき、舌部22の遠位端30の部分が、第2の穿孔24を越えて延伸するように寸法が決められる。内部デフレクタ14の環状の外周リップ19は、好適には図9および図10に例示されるように、ロック手段のロックされた構成で舌部22の遠位端30の部分をその内部で密接に受けるように設けられ、かつ角溝24に相対する環状の外周リップ19の下面に設けられた第2のオリフィス35を備える。
【0049】
場合により、図に例示されない変形例によれば、第2の収容部24を形成する角溝24は、好適には角溝24の端部25、26から等距離に位置決めされ、かつ付属品6が、第2の角度構成にロックされるとき、舌部22の遠位端30が、密接に受けられ得る第3のオリフィスを備えても良い。その結果、付属品6は、角溝24内に設けられた第3のオリフィスとの(および中間部材24が利用されるときにその第2の穿孔34との)舌部22の協働によって先にすでに言及された静止の中央の角度位置に好適にはロックされ得る。使用者が望むならば、付属品6が第2の角度構成でロックされるとき、付属品6が予め定められた角度範囲の内部で枢転することを防ぐことが、このようにして好適には可能であろう。
【0050】
図に例示された実施形態において取り上げられた好ましい変形例によれば、ロック手段の制御部材21は、使用者が制御部材21に対する直接の手動の行動によってロック手段による付属品6のロックおよび/またはロック解除を確実にできるために、舌部22に(直接または直接でなく)連結された手動の機械的制御部材21である。手動の機械的制御部材21は、このようにして好適には、制御部材21の影響を受けて、ロック手段が少なくともロックされた構成を取るロック位置と、ロック手段がロック解除された構成を取るロック解除位置との間で可動に取り付けられる。かかる変形例は、比較的簡易で、費用のかからずかつ信頼できる実施の利益を有する。あるいは、使用者がロック手段によって付属品6のロックおよび/またはロック解除を制御するために間接的に働きかける自動制御部材であっても良い。かかる自動制御部材は、その場合例えば一方でロック手段に、かつ他方でヘアスタイリング装置1の働きの使用者による手動の検査および/また調節手段10に連結された電気機械式リレーを含んでも良い。このようにして、使用者が、検査および/また調節手段10に働きかけてヘアスタイリング装置1を始動させるとき、自動制御部材は、例えば付属品6が取る角度構成でロック手段のロックを自動的に制御できる。付属品6の角度構成の変更は、その場合に付属品6の自動のロック解除を制御するように、使用者が検査および/また調節手段10に改めて働きかけて、ヘアスタイリング装置1の働きを停止させることを必要とし得る。
【0051】
以下に続く記載は、更に具体的には、ロック手段の制御部材21が、手動の機械的制御部材21である、上述の好ましい変形例を対象とする。
【0052】
好ましくは、ロック手段の手動の機械的制御部材21は、付属品6ではなくハンドル2に可動に取り付けられる。その結果、使用者は、好適には装置1のハンドル2を持つ手の指を用いて手動の機械的スライダー36を取り扱うことができ、このことは、特に人間工学的な性質をヘアスタイリング装置1に与えることに寄与する。更に好ましくは、手動の機械的制御部材21は、付属品6がハンドル2に連結され、かつ更に好ましくは付属品6が端部から、ハンドル2を延長させるハンドル2の端部において、この場合、図に例示された実施例においてハンドル2の第2の端部4において、またはそこから取り付けられる。したがって、回転式付属品6と、ハンドル2との間の界面のできるだけ近くでの手動の機械的制御部材21のかかる位置決めは、複雑な結合手段に頼る必要性を特に抑えて、手動の機械的制御部材21と、ロック手段との間の機械的結合の更に簡易で、更に信頼でき、かつ場所を取らない設計を特に可能にする。手動の機械的制御部材21の様々な運動が、検討できる。図に例示された実施形態に取り上げられた、特に簡易な変形例において、手動の機械的制御部材21は、好ましくはハンドル2の第1の長手方向延長軸A-A’に沿って、好適には直線的な平行移動自在に取り付けられる。手動の機械的制御部材21は、好適には、ハンドル2内に設けられたスライド37に滑動自在に取り付けられたスライダー36から形成される。他の変形例(図示せず)によれば、手動の機械的制御部材21は、好ましくは、ハンドル2の第1の長手方向延長軸A-A’の周りを回転自在に取り付けられ得る。更に別の変形例(図示せず)によれば、手動の機械的制御部材21は、好ましくは、第1の軸A-A’に沿ってかつその周りに、すなわち、螺旋結合により平行移動および回転自在に取り付けられ得る。これら2つの変形例において、手動の機械的制御部材21は、ハンドル2内に設けられた対応する環状溝または切り込みの内部に回転自在に、または平行移動-回転自在に取り付けられた環状リングから形成され得る。より好適でない更にもう1つの変形例(図示せず)によれば、手動の機械的制御部材21は、ハンドル2の第1の長手方向延長軸A-A’を分割する(かつ例えば直交する)方向に沿って平行移動自在に取り付けられ得る。この場合に、手動の機械的制御部材21は、押しボタンから形成され得る。
【0053】
変形例(図示せず)によれば、手動の機械的制御部材21および(単一または単一でない)舌部22は、一体型の単一の部材を形成し、このことは、ヘアスタイリング装置の設計を簡易にし、かつその組み立てを容易にすることを特に可能にする。図に例示された実施形態において取り上げられた他の変形例によれば、手動の機械的制御部材21および(単一または単一でない)舌部22は、場合により2つの異なる材料でできていても良い、互いに異なる部材を形成できる。舌部22および制御部材21は、その場合直接的に、または直接的でなく互いに機械的に連結される。例えば、舌部22は、例えばねじ留め、接着、打ち込み嵌め、またはオーバーモールディングによって手動の機械的制御部材21に組み立てられ得る。例えば、手動の機械的制御部材21は、特に装置の総重量をコントロールするために、プラスチック材料製であっても良く、他方で舌部22は、優れた機械抵抗、特にせん断抵抗を与えるために、金属製であっても良い。
【0054】
好適には、ヘアスタイリング装置1は、手動の機械的制御部材21が、ロック手段のロック解除位置を取るとき(かつ使用者が手動の機械的制御部材21に対してあらゆる直接的な行動を中止するとき)、手動の機械的制御部材21をロック手段のロック位置に自動的に戻すように設計された、戻し手段を含む。このようにして、ロック手段のロック解除された構成の先に検討された好適には不安定な性質を確実にする。好ましくは、戻し手段は、手動の機械的制御部材21がロック解除位置を取るときに、それをロック位置に弾性によって戻すために、引っ張ってまたは圧縮して作用するように配置された少なくとも1つのばねを含む弾性戻し手段である。図に例示された実施形態において、戻し手段は、かかる弾性戻し手段であり、この場合に、図7および図10で手動の機械的制御部材21を透明にすることから分かるように、好適にはハンドル2の面と、手動の機械的制御部材21のそれぞれの面との間に配置される、一対の引っ張りばね38、39を含む。極めて当然に、ロック手段のロック位置における手動の機械的制御部材21のかかる自動的戻し機能を確実にするために、他の戻し手段が、弾性(ばねブレード等)であれ、非弾性(対の磁石等)であれ、代替的に利用され得る。
【0055】
好適には、ロック手段のロック解除された構成の不安定な性質は、付属品6が、ロック手段によってロックされ得る、第1および/または第2の角度構成において、ロック手段が付属品6の自動のインデキシング手段の役割を、その上、果たすことを可能にし得る。すなわち、使用者が、ロックされ得る角度構成に付属品6を位置決めするために、ハンドル2に対して付属品6を回転させるとき、ロック手段は、自動的にロックされた構成に移行し、その結果使用者は、(例えば舌部22の対応する収容部23、24内への係合のノイズのような、ロック手段によって発せられたノイズを聴くことによるか、使用者によって及ぼされる付属品6の回転応力が、急に阻まれるという単純な事実によって)付属品6を望まれる角度構成に実際に位置決めさせるために必要な回転の程度に到達したこと知る。
【0056】
装置1は、その上好適には、第1および第2の角度構成の一方または他方に付属品6を位置決めするために、ハンドル2に対して付属品6をそれに従って枢転させることが望ましい回転方向を使用者に知らせるための視覚および/または触覚の指標40を含んでも良い。かかる指標手段40は、特に図3に実施例で例示されたように、ハンドル2と、付属品6との間の界面において彫刻されたか、描かれたか、または他の方法で実現された対向する一対の矢印41を例えば含んでも良い。視覚および/または触覚指標40は、使用者に、第1および第2の角度構成の一方または他方の到達に正確に対応するハンドル2に対する付属品6の角度位置を知らせるように代替的に、または補足で設けられ得る。特に図3に実施例で例示されるように、指標40は、このようにして例えば制御部材21のスライダー35の外面から突き出す(またはスライダー35に対して彫刻されたか、描かれたか、もしくは他の方法で実現された)第1のマーカ42を含んでも良い。指標40は、ロック手段の舌部22が、付属品6のロックを確実にするために、受けられる収容部23、24または第2の穿孔34と対応する、付属品21のエンベロープ18の外面から突き出す(またはエンベロープ18の外面に彫刻されたか、描かれたか、もしくは他の方法で実現された)第2および第3のマーカ43、44を同様に含んでも良い。第2および第3のマーカ43、44は、好適には付属品6が、それぞれ第1の角度構成、第2の角度構成にあるとき、第1のマーカ42と視覚的に対応するように位置決めされる(図3)。
【0057】
以上で詳細に記載されたように、本発明に従ったヘアスタイリング装置1の働きおよび使用は、例えば次の通りである。装置1の付属品6は、付属品6が、装置1のロック手段によって好ましくはロックされる、ハンドル2に対する(例えば「ヘアドライヤ」の使用モードに対応する)その第1の角度構成を例えば当初取る。使用者は、その場合付属品6の第1の空気出口12がその濡れた髪に向けて配向されるように、装置1を位置決めする準備をしながら、片手で装置1のハンドル2を把持する。次に、使用者は、装置1の働きの手動の検査および/また調節手段10を作動させ、その結果、好ましくは温かい強制空気流が、付属品6の第1の空気出口12を介してその髪に向けて吹き付けられる。次に、所望の時間、例えばその髪のある種のレベルの乾燥、または予備乾燥に到達するまで装置1をこのようにして使用した後、使用者は、ロック手段により付属品6のロック解除を命じるために、付属品6のロック手段の制御部材21に働きかける。例えば、使用者は、スライダー36をそのロック位置(図では高い位置)からロック解除位置(低い位置)に向けて導くために、ハンドル2を持つ手の指(例えば、親指)を用いて手動の機械的制御部材21のスライド37内でスライダー36を滑動させる。付属品6が、このようにしてロック解除されたままに保たれる一方で、使用者は、付属品6を(例えば、「吹き付けブラシ」の使用モードに対応する)その第2の角度構成に位置決めするまで、ハンドル2を一方の手で、かつ付属品6を他方の手で持ちながら、第2の回転軸B-B‘の周りのハンドル2に対する回転運動を付属品6に手動で伝達する。使用者は、その場合制御部材21に逆らうあらゆる行動を中止できる。ロック手段のロック解除された構成の好適には不安定な性質のため、ロック手段は、ロックされた構成に自動的に移行し、かつ第2の角度構成で付属品6をこのようにしてロックする。使用者は、その場合好適には、例えば髪の係合要素17を用いて髪をブラッシング、まとめるために装置1を使用し得る。
図1
図2
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図5
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図7
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図9
図10