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特許7599937配達管理装置、配達管理システム、配達管理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】配達管理装置、配達管理システム、配達管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0836 20230101AFI20241209BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20241209BHJP
【FI】
G06Q10/0836
B65G61/00 550
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020211162
(22)【出願日】2020-12-21
(65)【公開番号】P2022097910
(43)【公開日】2022-07-01
【審査請求日】2023-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000221616
【氏名又は名称】東日本旅客鉄道株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鷲谷 敦子
(72)【発明者】
【氏名】丸山 隼
(72)【発明者】
【氏名】大野 夏海
【審査官】野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-197396(JP,A)
【文献】特公平07-011806(JP,B2)
【文献】特開2020-154572(JP,A)
【文献】特開2004-338888(JP,A)
【文献】特開2005-157738(JP,A)
【文献】特開2014-090914(JP,A)
【文献】特開2015-102335(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
B65G 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピューターを備える配達管理装置であって、
前記コンピューターは、
荷物の指定配達場所の情報に基づく経路検索の結果として、前記荷物の前記指定配達場所までの荷受人の移動経路の情報、及び前記指定配達場所への前記荷受人の到着予定時刻の情報を含む第1データを取得し
前記到着予定時刻の情報に基づいて、前記指定配達場所への前記荷物の配達時刻を決定し
前記指定配達場所の使用状況及び予約状況を表す第2データに基づいて、前記指定配達場所が、前記配達時刻において前記荷物を受け入れ可能であるか否かを判別し、
前記荷物の受け入れが不可能であると判別された場合に、
前記第2データに基づいて、かつ、予め設定された代替配達場所の候補の優先順位に従って、前記指定配達場所に代わる、前記荷物を受け入れ可能な一つの前記代替配達場所を決定し、前記代替配達場所の情報に基づく経路検索の結果として、決定した前記代替配達場所までの前記荷受人の代替移動経路の情報、及び前記代替配達場所への前記荷受人の代替到着予定時刻の情報を含む第3データを取得し、前記代替到着予定時刻の情報に基づいて、前記代替配達場所への前記荷物の代替配達時刻を決定し、
前記配達時刻に代わる前記代替配達時刻と、前記代替配達場所とを含む配達予定を前記荷受人に対して通知することを特徴とする配達管理装置。
【請求項2】
コンピューターを備える配達管理装置であって、
前記コンピューターは、
荷物の指定配達場所の情報に基づく経路検索の結果として、前記荷物の前記指定配達場所までの荷受人の移動経路の情報、及び前記指定配達場所への前記荷受人の到着予定時刻の情報を含む第1データを取得し、
前記到着予定時刻の情報に基づいて、前記指定配達場所への前記荷物の配達時刻を決定し、
前記配達時刻を含む配達予定を前記荷受人に対して通知し、
前記移動経路における移動手段に列車が含まれており、かつ、前記指定配達場所が、駅に設けられている保管設備である場合に、前記列車が有する複数の車両のうち、前記駅における前記荷受人の降車地点から前記保管設備までの歩行距離が最も近くなる車両を特定し、
特定した前記車両を前記荷受人に対して通知することを特徴とする配達管理装置。
【請求項3】
前記コンピューターは、
前記指定配達場所の使用状況及び予約状況を表す第2データに基づいて、前記指定配達場所が、前記配達時刻において前記荷物を受け入れ可能であるか否かを判別
記荷物の受け入れが不可能であると判別された場合に、
前記第2データに基づいて、前記指定配達場所に代わる、前記荷物を受け入れ可能な代替配達場所を決定し、前記代替配達場所の情報に基づく経路検索の結果として、前記代替配達場所までの前記荷受人の代替移動経路の情報、及び前記代替配達場所への前記荷受人の代替到着予定時刻の情報を含む第3データを取得し、前記代替到着予定時刻の情報に基づいて、前記代替配達場所への前記荷物の代替配達時刻を決定し
前記配達時刻に代わる前記代替配達時刻と、前記代替配達場所とを含む前記配達予定を前記荷受人に対して通知することを特徴とする請求項に記載の配達管理装置。
【請求項4】
前記コンピューターは、前記指定配達場所が、第1の駅に設けられている第1の保管設備である場合に、前記移動経路に含まれる駅のうち、前記第1の駅とは異なる第2の駅に設けられている第2の保管設備を前記代替配達場所として決定することを特徴とする請求項又は3に記載の配達管理装置。
【請求項5】
前記コンピューターは、前記指定配達場所が、第1の駅に設けられている第1の保管設備であり、かつ前記移動経路に乗り換えを行う第3の駅が含まれる場合に、前記第3の駅に設けられている第3の保管設備を前記代替配達場所として決定することを特徴とする請求項又は3に記載の配達管理装置。
【請求項6】
前記コンピューターは、前記指定配達場所が、駅に設けられている保管設備である場合に、前記駅の外部にある所定の荷物預託施設を前記代替配達場所として決定することを特徴とする請求項又は3に記載の配達管理装置。
【請求項7】
前記コンピューターは、前記指定配達場所が前記荷受人の自宅に設けられた所定の保管設備である場合に、所定の荷物預託施設を前記代替配達場所として決定することを特徴とする請求項又は3に記載の配達管理装置。
【請求項8】
前記コンピューターは、
前記指定配達場所の使用状況及び予約状況を表す第2データに基づいて、前記指定配達場所が、前記配達時刻において前記荷物を受け入れ可能であるか否かを判別
記荷物の受け入れが不可能であると判別された場合に、
前記第2データに基づいて、前記荷物を受け入れ可能な代替配達時刻を決定し
記配達時刻に代わる前記代替配達時刻を含む前記配達予定を前記荷受人に対して通知することを特徴とする請求項に記載の配達管理装置。
【請求項9】
前記コンピューターは、前記荷物を配達する配達事業者に対して前記配達予定を通知することを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の配達管理装置。
【請求項10】
前記コンピューターは、
前記指定配達場所の使用状況及び予約状況を表す第2データに基づいて、配達後の前記荷物が前記指定配達場所から回収されたか否かを判別し、
配達後の前記荷物が所定の時刻までに回収されなかったと判別された場合に、前記荷物が未回収である旨の通知を前記荷受人及び前記配達事業者の少なくとも一方に対して行うことを特徴とする請求項9に記載の配達管理装置。
【請求項11】
前記コンピューターは、前記配達時刻を変更する指示を前記荷受人から受け付けることを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の配達管理装置。
【請求項12】
前記コンピューターは、前記代替配達時刻を変更する指示を前記荷受人から受け付けることを特徴とする請求項1、3~8のいずれか一項に記載の配達管理装置。
【請求項13】
前記コンピューターは、
特定の移動開始地点から特定の前記指定配達場所までの特定の移動経路、又は特定の指定配達場所を、前記荷受人に対応付けて予め設定
記特定の移動経路が設定されている場合には、設定されている前記特定の移動経路の情報を含む前記第1データを取得し、
前記特定の指定配達場所が設定されている場合には、設定されている前記特定の指定配達場所までの前記荷受人の移動経路の情報、及び前記特定の指定配達場所への前記荷受人の到着予定時刻の情報を含む前記第1データを取得することを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載の配達管理装置。
【請求項14】
前記コンピューターは、前記荷受人の当日の予定及び当該予定の時間帯の情報を含むスケジュール情報に基づいて、前記移動経路における移動開始時刻を、前記スケジュール情報に含まれる最後の前記予定が終了する時刻よりも後の時刻となるように決定することを特徴とする請求項1~13のいずれか一項に記載の配達管理装置。
【請求項15】
荷受人が使用する端末装置と、
請求項1~14のいずれか一項に記載の配達管理装置と、
を備え、
前記コンピューターは、前記端末装置において荷受人が前記配達予定を確認可能な方法で前記配達予定を通知することを特徴とする配達管理システム。
【請求項16】
前記端末装置は、
前記端末装置の位置を検出する位置検出部と、
前記指定配達場所が、駅に設けられている保管設備である場合において、前記位置検出部により検出された位置が前記駅の構内であるときに、前記保管設備に前記荷物が配達されていることを前記荷受人に対して通知する端末通知部と、
を備えることを特徴とする請求項15に記載の配達管理システム。
【請求項17】
コンピューターが実行する配達管理方法であって、
荷物の指定配達場所の情報に基づく経路検索の結果として、前記荷物の前記指定配達場所までの荷受人の移動経路の情報、及び前記指定配達場所への前記荷受人の到着予定時刻の情報を含む第1データを取得するステップと、
前記到着予定時刻の情報に基づいて、前記指定配達場所への前記荷物の配達時刻を決定るステップと、
前記指定配達場所の使用状況及び予約状況を表す第2データに基づいて、前記指定配達場所が、前記配達時刻において前記荷物を受け入れ可能であるか否かを判別するステップと、
前記荷物の受け入れが不可能であると判別された場合に、
前記第2データに基づいて、かつ、予め設定された代替配達場所の候補の優先順位に従って、前記指定配達場所に代わる、前記荷物を受け入れ可能な一つの前記代替配達場所を決定し、前記代替配達場所の情報に基づく経路検索の結果として、決定した前記代替配達場所までの前記荷受人の代替移動経路の情報、及び前記代替配達場所への前記荷受人の代替到着予定時刻の情報を含む第3データを取得し、前記代替到着予定時刻の情報に基づいて、前記代替配達場所への前記荷物の代替配達時刻を決定するステップと、
前記配達時刻に代わる前記代替配達時刻と、前記代替配達場所とを含む配達予定を前記荷受人に対して通知するステップと、
を含むことを特徴とする配達管理方法。
【請求項18】
コンピューターが実行する配達管理方法であって、
荷物の指定配達場所の情報に基づく経路検索の結果として、前記荷物の前記指定配達場所までの荷受人の移動経路の情報、及び前記指定配達場所への前記荷受人の到着予定時刻の情報を含む第1データを取得するステップと、
前記到着予定時刻の情報に基づいて、前記指定配達場所への前記荷物の配達時刻を決定するステップと、
前記配達時刻を含む配達予定を前記荷受人に対して通知するステップと、
前記移動経路における移動手段に列車が含まれており、かつ、前記指定配達場所が、駅に設けられている保管設備である場合に、前記列車が有する複数の車両のうち、前記駅における前記荷受人の降車地点から前記保管設備までの歩行距離が最も近くなる車両を特定するステップと、
特定した前記車両を前記荷受人に対して通知するステップと、
を含むことを特徴とする配達管理方法。
【請求項19】
配達管理装置に設けられたコンピューターを、
荷物の指定配達場所の情報に基づく経路検索の結果として、前記荷物の前記指定配達場所までの荷受人の移動経路の情報、及び前記指定配達場所への前記荷受人の到着予定時刻の情報を含む第1データを取得する手段、
前記到着予定時刻の情報に基づいて、前記指定配達場所への前記荷物の配達時刻を決定る手段、
前記指定配達場所の使用状況及び予約状況を表す第2データに基づいて、前記指定配達場所が、前記配達時刻において前記荷物を受け入れ可能であるか否かを判別する手段、
前記荷物の受け入れが不可能であると判別された場合に、
前記第2データに基づいて、かつ、予め設定された代替配達場所の候補の優先順位に従って、前記指定配達場所に代わる、前記荷物を受け入れ可能な一つの前記代替配達場所を決定し、前記代替配達場所の情報に基づく経路検索の結果として、決定した前記代替配達場所までの前記荷受人の代替移動経路の情報、及び前記代替配達場所への前記荷受人の代替到着予定時刻の情報を含む第3データを取得し、前記代替到着予定時刻の情報に基づいて、前記代替配達場所への前記荷物の代替配達時刻を決定する手段、
前記配達時刻に代わる前記代替配達時刻と、前記代替配達場所とを含む配達予定を前記荷受人に対して通知する手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項20】
配達管理装置に設けられたコンピューターを、
荷物の指定配達場所の情報に基づく経路検索の結果として、前記荷物の前記指定配達場所までの荷受人の移動経路の情報、及び前記指定配達場所への前記荷受人の到着予定時刻の情報を含む第1データを取得する手段、
前記到着予定時刻の情報に基づいて、前記指定配達場所への前記荷物の配達時刻を決定する手段、
前記配達時刻を含む配達予定を前記荷受人に対して通知する手段、
前記移動経路における移動手段に列車が含まれており、かつ、前記指定配達場所が、駅に設けられている保管設備である場合に、前記列車が有する複数の車両のうち、前記駅における前記荷受人の降車地点から前記保管設備までの歩行距離が最も近くなる車両を特定する手段、
特定した前記車両を前記荷受人に対して通知する手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配達管理装置、配達管理システム、配達管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、指定された配達場所に荷物を配達する事業において、荷受人が荷物を受け取ることのできる適切な配達時刻に配達を行うための種々の技術が知られている。例えば特許文献1には、荷受人が所持する端末装置の位置情報、及び荷物の配送車両の位置情報に基づいて、荷受人の帰宅予想時刻と荷物の配達予想時刻とを算出し、帰宅予想時刻の方が遅い場合に配達順序を変更する技術が開示されている。特許文献1では、主に荷受人の過去の移動履歴に基づいて荷受人の移動経路を予測している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-133210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、荷受人の移動経路は過去の移動履歴と異なることも多く、また、移動履歴のない位置から帰宅することもある。これらの場合には、荷受人の移動経路の予測が不適切なものとなり、荷受人の帰宅予想時刻の推定精度が低くなるため、荷物の適切な配達時刻を設定することができないという課題がある。
【0005】
この発明の目的は、より適切に荷物の配達時刻を設定することができる配達管理装置、配達管理システム、配達管理方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の配達管理装置の発明は、
コンピューターを備える配達管理装置であって、
前記コンピューターは、
荷物の指定配達場所の情報に基づく経路検索の結果として、前記荷物の前記指定配達場所までの荷受人の移動経路の情報、及び前記指定配達場所への前記荷受人の到着予定時刻の情報を含む第1データを取得し
前記到着予定時刻の情報に基づいて、前記指定配達場所への前記荷物の配達時刻を決定し
前記指定配達場所の使用状況及び予約状況を表す第2データに基づいて、前記指定配達場所が、前記配達時刻において前記荷物を受け入れ可能であるか否かを判別し、
前記荷物の受け入れが不可能であると判別された場合に、
前記第2データに基づいて、かつ、予め設定された代替配達場所の候補の優先順位に従って、前記指定配達場所に代わる、前記荷物を受け入れ可能な一つの前記代替配達場所を決定し、前記代替配達場所の情報に基づく経路検索の結果として、決定した前記代替配達場所までの前記荷受人の代替移動経路の情報、及び前記代替配達場所への前記荷受人の代替到着予定時刻の情報を含む第3データを取得し、前記代替到着予定時刻の情報に基づいて、前記代替配達場所への前記荷物の代替配達時刻を決定し、
前記配達時刻に代わる前記代替配達時刻と、前記代替配達場所とを含む配達予定を前記荷受人に対して通知することを特徴としている。
上記目的を達成するため、請求項2に記載の配達管理装置の発明は、
コンピューターを備える配達管理装置であって、
前記コンピューターは、
荷物の指定配達場所の情報に基づく経路検索の結果として、前記荷物の前記指定配達場所までの荷受人の移動経路の情報、及び前記指定配達場所への前記荷受人の到着予定時刻の情報を含む第1データを取得し、
前記到着予定時刻の情報に基づいて、前記指定配達場所への前記荷物の配達時刻を決定し、
前記配達時刻を含む配達予定を前記荷受人に対して通知し、
前記移動経路における移動手段に列車が含まれており、かつ、前記指定配達場所が、駅に設けられている保管設備である場合に、前記列車が有する複数の車両のうち、前記駅における前記荷受人の降車地点から前記保管設備までの歩行距離が最も近くなる車両を特定し、
特定した前記車両を前記荷受人に対して通知することを特徴としている。
【0007】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の配達管理装置において、
前記コンピューターは、
前記指定配達場所の使用状況及び予約状況を表す第2データに基づいて、前記指定配達場所が、前記配達時刻において前記荷物を受け入れ可能であるか否かを判別
記荷物の受け入れが不可能であると判別された場合に、
前記第2データに基づいて、前記指定配達場所に代わる、前記荷物を受け入れ可能な代替配達場所を決定し、前記代替配達場所の情報に基づく経路検索の結果として、前記代替配達場所までの前記荷受人の代替移動経路の情報、及び前記代替配達場所への前記荷受人の代替到着予定時刻の情報を含む第3データを取得し、前記代替到着予定時刻の情報に基づいて、前記代替配達場所への前記荷物の代替配達時刻を決定し
前記配達時刻に代わる前記代替配達時刻と、前記代替配達場所とを含む前記配達予定を前記荷受人に対して通知することを特徴としている。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項又は3に記載の配達管理装置において、
前記コンピューターは、前記指定配達場所が、第1の駅に設けられている第1の保管設備である場合に、前記移動経路に含まれる駅のうち、前記第1の駅とは異なる第2の駅に設けられている第2の保管設備を前記代替配達場所として決定することを特徴としている。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項又は3に記載の配達管理装置において、
前記コンピューターは、前記指定配達場所が、第1の駅に設けられている第1の保管設備であり、かつ前記移動経路に乗り換えを行う第3の駅が含まれる場合に、前記第3の駅に設けられている第3の保管設備を前記代替配達場所として決定することを特徴としている。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項又は3に記載の配達管理装置において、
前記コンピューターは、前記指定配達場所が、駅に設けられている保管設備である場合に、前記駅の外部にある所定の荷物預託施設を前記代替配達場所として決定することを特徴としている。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項又は3に記載の配達管理装置において、
前記コンピューターは、前記指定配達場所が前記荷受人の自宅に設けられた所定の保管設備である場合に、所定の荷物預託施設を前記代替配達場所として決定することを特徴としている。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項に記載の配達管理装置において、
前記コンピューターは、
前記指定配達場所の使用状況及び予約状況を表す第2データに基づいて、前記指定配達場所が、前記配達時刻において前記荷物を受け入れ可能であるか否かを判別
記荷物の受け入れが不可能であると判別された場合に、
前記第2データに基づいて、前記荷物を受け入れ可能な代替配達時刻を決定し
記配達時刻に代わる前記代替配達時刻を含む前記配達予定を前記荷受人に対して通知することを特徴としている。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項1~8のいずれか一項に記載の配達管理装置において、
前記コンピューターは、前記荷物を配達する配達事業者に対して前記配達予定を通知することを特徴としている。
【0016】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の配達管理装置において、
前記コンピューターは、
前記指定配達場所の使用状況及び予約状況を表す第2データに基づいて、配達後の前記荷物が前記指定配達場所から回収されたか否かを判別し、
配達後の前記荷物が所定の時刻までに回収されなかったと判別された場合に、前記荷物が未回収である旨の通知を前記荷受人及び前記配達事業者の少なくとも一方に対して行うことを特徴としている。
【0019】
請求項11に記載の発明は、請求項1~10のいずれか一項に記載の配達管理装置において、
前記コンピューターは、前記配達時刻を変更する指示を前記荷受人から受け付けることを特徴としている。
【0020】
請求項12に記載の発明は、請求項1、3~8のいずれか一項に記載の配達管理装置において、
前記コンピューターは、前記代替配達時刻を変更する指示を前記荷受人から受け付けることを特徴としている。
【0021】
請求項13に記載の発明は、請求項1~12のいずれか一項に記載の配達管理装置において、
前記コンピューターは、
特定の移動開始地点から特定の前記指定配達場所までの特定の移動経路、又は特定の指定配達場所を、前記荷受人に対応付けて予め設定
記特定の移動経路が設定されている場合には、設定されている前記特定の移動経路の情報を含む前記第1データを取得し、
前記特定の指定配達場所が設定されている場合には、設定されている前記特定の指定配達場所までの前記荷受人の移動経路の情報、及び前記特定の指定配達場所への前記荷受人の到着予定時刻の情報を含む前記第1データを取得することを特徴としている。
【0022】
請求項14に記載の発明は、請求項1~13のいずれか一項に記載の配達管理装置において、
前記コンピューターは、前記荷受人の当日の予定及び当該予定の時間帯の情報を含むスケジュール情報に基づいて、前記移動経路における移動開始時刻を、前記スケジュール情報に含まれる最後の前記予定が終了する時刻よりも後の時刻となるように決定することを特徴としている。
【0027】
また、上記目的を達成するため、請求項15に記載の配達管理システムの発明は、
荷受人が使用する端末装置と、
請求項1~14のいずれか一項に記載の配達管理装置と、
を備え、
前記コンピューターは、前記端末装置において荷受人が前記配達予定を確認可能な方法で前記配達予定を通知することを特徴としている。
【0028】
請求項16に記載の発明は、請求項15に記載の配達管理システムにおいて、
前記端末装置は、
前記端末装置の位置を検出する位置検出部と、
前記指定配達場所が、駅に設けられている保管設備である場合において、前記位置検出部により検出された位置が前記駅の構内であるときに、前記保管設備に前記荷物が配達されていることを前記荷受人に対して通知する端末通知部と、
を備えることを特徴としている。
【0029】
また、上記目的を達成するため、請求項17に記載の配達管理方法の発明は、
コンピューターが実行する配達管理方法であって、
荷物の指定配達場所の情報に基づく経路検索の結果として、前記荷物の前記指定配達場所までの荷受人の移動経路の情報、及び前記指定配達場所への前記荷受人の到着予定時刻の情報を含む第1データを取得するステップと、
前記到着予定時刻の情報に基づいて、前記指定配達場所への前記荷物の配達時刻を決定るステップと、
前記指定配達場所の使用状況及び予約状況を表す第2データに基づいて、前記指定配達場所が、前記配達時刻において前記荷物を受け入れ可能であるか否かを判別するステップと、
前記荷物の受け入れが不可能であると判別された場合に、
前記第2データに基づいて、かつ、予め設定された代替配達場所の候補の優先順位に従って、前記指定配達場所に代わる、前記荷物を受け入れ可能な一つの前記代替配達場所を決定し、前記代替配達場所の情報に基づく経路検索の結果として、決定した前記代替配達場所までの前記荷受人の代替移動経路の情報、及び前記代替配達場所への前記荷受人の代替到着予定時刻の情報を含む第3データを取得し、前記代替到着予定時刻の情報に基づいて、前記代替配達場所への前記荷物の代替配達時刻を決定するステップと、
前記配達時刻に代わる前記代替配達時刻と、前記代替配達場所とを含む配達予定を前記荷受人に対して通知するステップと、
を含むことを特徴としている。
上記目的を達成するため、請求項18に記載の配達管理方法の発明は、
コンピューターが実行する配達管理方法であって、
荷物の指定配達場所の情報に基づく経路検索の結果として、前記荷物の前記指定配達場所までの荷受人の移動経路の情報、及び前記指定配達場所への前記荷受人の到着予定時刻の情報を含む第1データを取得するステップと、
前記到着予定時刻の情報に基づいて、前記指定配達場所への前記荷物の配達時刻を決定するステップと、
前記配達時刻を含む配達予定を前記荷受人に対して通知するステップと、
前記移動経路における移動手段に列車が含まれており、かつ、前記指定配達場所が、駅に設けられている保管設備である場合に、前記列車が有する複数の車両のうち、前記駅における前記荷受人の降車地点から前記保管設備までの歩行距離が最も近くなる車両を特定するステップと、
特定した前記車両を前記荷受人に対して通知するステップと、
を含むことを特徴としている。
【0030】
また、上記目的を達成するため、請求項19に記載のプログラムの発明は、
配達管理装置に設けられたコンピューターを、
荷物の指定配達場所の情報に基づく経路検索の結果として、前記荷物の前記指定配達場所までの荷受人の移動経路の情報、及び前記指定配達場所への前記荷受人の到着予定時刻の情報を含む第1データを取得する手段、
前記到着予定時刻の情報に基づいて、前記指定配達場所への前記荷物の配達時刻を決定る手段、
前記指定配達場所の使用状況及び予約状況を表す第2データに基づいて、前記指定配達場所が、前記配達時刻において前記荷物を受け入れ可能であるか否かを判別する手段、
前記荷物の受け入れが不可能であると判別された場合に、
前記第2データに基づいて、かつ、予め設定された代替配達場所の候補の優先順位に従って、前記指定配達場所に代わる、前記荷物を受け入れ可能な一つの前記代替配達場所を決定し、前記代替配達場所の情報に基づく経路検索の結果として、決定した前記代替配達場所までの前記荷受人の代替移動経路の情報、及び前記代替配達場所への前記荷受人の代替到着予定時刻の情報を含む第3データを取得し、前記代替到着予定時刻の情報に基づいて、前記代替配達場所への前記荷物の代替配達時刻を決定する手段、
前記配達時刻に代わる前記代替配達時刻と、前記代替配達場所とを含む配達予定を前記荷受人に対して通知する手段、
として機能させることを特徴としている。
上記目的を達成するため、請求項20に記載のプログラムの発明は、
配達管理装置に設けられたコンピューターを、
荷物の指定配達場所の情報に基づく経路検索の結果として、前記荷物の前記指定配達場所までの荷受人の移動経路の情報、及び前記指定配達場所への前記荷受人の到着予定時刻の情報を含む第1データを取得する手段、
前記到着予定時刻の情報に基づいて、前記指定配達場所への前記荷物の配達時刻を決定する手段、
前記配達時刻を含む配達予定を前記荷受人に対して通知する手段、
前記移動経路における移動手段に列車が含まれており、かつ、前記指定配達場所が、駅に設けられている保管設備である場合に、前記列車が有する複数の車両のうち、前記駅における前記荷受人の降車地点から前記保管設備までの歩行距離が最も近くなる車両を特定する手段、
特定した前記車両を前記荷受人に対してにより通知する手段、
として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、より適切に荷物の配達時刻を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】配達管理システムの概略構成を示す図である。
図2】配達管理サーバの主要な機能構成を示すブロック図である。
図3】端末装置の主要な機能構成を示すブロック図である。
図4】配達事業者サーバの主要な機能構成を示すブロック図である。
図5】配達管理処理の制御手順を示すフローチャートである。
図6】荷物を受け取るまでの荷受人の移動経路の例を示す模式図である。
図7】移動経路の検索結果の例を示す図である。
図8】指定配達場所が自宅である場合の移動経路の検索結果及び配達時刻の設定例を示す図である。
図9】第2の実施形態における配達管理処理の制御手順を示すフローチャートである。
図10】代替配達場所、代替検索結果及び代替配達時刻の例を示す図である。
図11】代替配達場所、代替検索結果及び代替配達時刻の他の例を示す図である。
図12】第3の実施形態における配達管理処理の制御手順を示すフローチャートである。
図13】代替検索結果及び代替配達時刻の例を示す図である。
図14】変形例1に係る配達管理処理の制御手順を示すフローチャートである。
図15】変形例2に係る配達管理処理の制御手順を示すフローチャートである。
図16】変形例3に係る配達管理処理の制御手順を示すフローチャートである。
図17】変形例4に係る配達管理処理の制御手順を示すフローチャートである。
図18】変形例5に係る配達管理処理の制御手順を示すフローチャートである。
図19】変形例6に係る配達管理処理の制御手順を示すフローチャートである。
図20】変形例7に係る配達管理処理の制御手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の配達管理装置、配達管理システム、配達管理方法及びプログラムに係る実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0034】
(第1の実施形態)
<配達管理システムの構成>
図1は、本発明の実施形態である配達管理システム1の概略構成を示す図である。
配達管理システム1は、配達管理サーバ10(配達管理装置)と、端末装置20と、配達事業者サーバ30とを備える。配達管理サーバ10、端末装置20及び配達事業者サーバ30は、通信ネットワークNを介して通信接続されている。通信ネットワークNは、例えばインターネットであるが、これに限られない。また、配達管理サーバ10、端末装置20及び配達事業者サーバ30の相互の通信経路の一部は、無線通信により実現されていていてもよい。図1では、端末装置20が無線通信を介して通信ネットワークNに通信接続される構成を例示している。
【0035】
配達管理サーバ10は、端末装置20及び配達事業者サーバ30との間で荷物の配達に係る各種データの送受信を行い、必要なデータ処理を行うことで、荷物の配達を管理する情報処理装置である。
【0036】
端末装置20は、荷物の荷受人が使用する端末である。端末装置20は、例えば荷受人が携帯するスマートフォン、タブレット端末又はノートPCなどである。ただし、これらに限られず、端末装置20は、例えば据え置き型のPCや、駅に設けられている共用端末などであってもよい。配達管理システム1には、複数の荷受人が使用する複数の端末装置20が含まれていてもよい。
【0037】
配達事業者サーバ30は、荷物を配達する配達事業者が管理する情報処理装置である。配達事業者サーバ30は、配達員が所持する図示略の端末装置などとさらに通信接続されていてもよい。
【0038】
図2は、配達管理サーバ10の主要な機能構成を示すブロック図である。
配達管理サーバ10は、制御部11と、操作部12と、表示部13と、記憶部14と、通信部15などを備え、これらの各部はバス16により接続されている。
【0039】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を有し、配達管理サーバ10の各部の動作を統括制御するコンピューターである。このうちCPUは、記憶部14に記憶されているプログラム14aを読み出してRAMに展開し、当該プログラム14aを実行することで各種処理を行う。制御部11は、CPUがプログラム14aを実行することで、経路検索部11a(経路検索手段)、配達時刻設定部11b(配達時刻設定手段)、通知部11c(通知手段)、判別部11d(判別手段)、配達調整部11e(配達調整手段)、配達再調整部11f(配達再調整手段)、受付部11g(第1の受付部、第2の受付部、第1の受付手段、第2の受付手段)、移動経路設定部11h(移動経路設定手段)、車両特定部11i(車両特定手段)、ロッカー特定部11j(ロッカー特定手段)などとして機能する。これらの各部の具体的な動作については後述する。
【0040】
操作部12は、オペレータからの操作入力を受け付け、当該操作に応じた操作信号を制御部11に出力する。例えば、操作部12は、カーソルキー、文字入力キー及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスなどを備え、キーボードに対するキー操作やマウス操作の内容に応じた操作信号を制御部11に出力する。
【0041】
表示部13は、例えば液晶ディスプレイであり、制御部11による制御下で各種情報画面などを表示する。
【0042】
記憶部14は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性の半導体メモリ等を備え、プログラム14a、及び当該プログラム14aの実行時に参照されるパラメーターやデータ等を記憶している。本実施形態では、記憶部14には、ロッカー管理データ14bが記憶されている。ロッカー管理データ14bは、配達管理の管轄内の駅に設けられているロッカー(保管設備)の使用状況及び予約状況を表すデータである。また、ロッカー管理データ14bには、駅に設けられているロッカー以外の荷物の保管設備(例えば手荷物預かり所、店舗等)、及び駅の外部にある所定の荷物預託施設(例えば、荷物を預託するサービスを行っているコンビニエンスストア等の店舗)の使用状況及び予約状況を表すデータが含まれていてもよい。制御部11は、各駅の保管設備及び上述の荷物預託施設の使用状況及び予約状況を逐次取得し、状況の変化が生じた場合にロッカー管理データ14bの内容を逐次更新する。
【0043】
通信部15は、通信インターフェース等により構成され、所定の通信プロトコルを用いて、通信ネットワークNを介して外部機器との間でデータの送受信を行う。
【0044】
図3は、端末装置20の主要な機能構成を示すブロック図である。
端末装置20は、制御部21と、操作部22と、表示部23と、記憶部24と、通信部25と、位置検出部26などを備え、これらの各部はバス27により接続されている。
【0045】
制御部21は、CPU、ROM、RAM等を有し、端末装置20の各部の動作を統括制御するコンピューターである。このうちCPUは、記憶部24に記憶されているプログラムを読み出してRAMに展開し、当該プログラムを実行することで各種処理を行う。
【0046】
操作部22は、ユーザ(荷受人)からの操作入力を受け付け、当該操作に応じた操作信号を制御部21に出力する。例えば、操作部22は、表示部23の表示画面に重ねられて設けられたタッチパネル及び操作ボタン等を備え、タッチパネルに対する所定の操作手段(指又はスタイラス等)の接触位置に係る操作信号や、操作ボタンの押下操作に応じた操作信号を制御部21に出力する。
【0047】
表示部23は、例えば液晶ディスプレイであり、制御部21による制御下で各種情報画面や操作画面などを表示する。
【0048】
記憶部24は、不揮発性の半導体メモリ等を備え、各種のプログラム、及び当該プログラムの実行時に参照されるパラメーターやデータ等を記憶している。記憶部24に記憶されるプログラムには、例えば配達管理用のアプリケーションプログラム(以下、配達管理アプリと記す)が含まれる。
【0049】
通信部25は、通信インターフェース等により構成され、所定の通信プロトコルを用いて、通信ネットワークNを介して外部機器との間でデータの送受信を行う。
【0050】
位置検出部26は、端末装置20の位置を検出して、当該位置を表す位置情報を生成する。位置検出部26は、例えばGPS(Global Positioning System)の測位衛星からの送信電波を受信してGPSデータを取得し、端末装置20の現在位置を算出するGPSモジュールである。位置検出部26は、制御部21の命令に基づいて現在位置を算出し、生成した位置情報を制御部21に出力する。なお、位置検出部26による現在位置の検出方式は、GPSデータを用いるものに限られない。例えば、位置検出部26は、駅構内の所定位置に設置されている発信機(無線LANアクセスポイント等)から受信したビーコン信号に基づいて位置を検出するものであってもよい。
【0051】
図4は、配達事業者サーバ30の主要な機能構成を示すブロック図である。
配達事業者サーバ30は、制御部31と、操作部32と、表示部33と、記憶部34と、通信部35などを備え、これらの各部はバス36により接続されている。
【0052】
制御部31は、CPU、ROM、RAM等を有し、配達事業者サーバ30の各部の動作を統括制御するコンピューターである。このうちCPUは、記憶部34に記憶されているプログラムを読み出してRAMに展開し、当該プログラムを実行することで各種処理を行う。
【0053】
操作部32、表示部33、記憶部34及び通信部35のハードウェア構成は、配達管理サーバ10の操作部12、表示部13、記憶部14及び通信部15と同様とすることができる。
【0054】
<配達管理システムの動作>
次に、配達管理システム1の動作について説明する。
図5は、荷物の配達の際に配達管理システム1において実行される配達管理処理の制御手順を示すフローチャートである。
図5では、配達管理サーバ10、端末装置20及び配達事業者サーバ30の各々により実行される処理が示されている。図5における各処理の実行主体は、配達管理サーバ10の制御部11、端末装置20の制御部21、及び配達事業者サーバ30の制御部31であるが、以下では簡便のため、動作主体として配達管理サーバ10、端末装置20及び配達事業者サーバ30を記載する場合がある。
また、図5では、配達管理サーバ10、端末装置20及び配達事業者サーバ30の間で送受信される情報(データ)の流れが破線で示されている。
端末装置20では、例えば配達管理アプリ上で配達管理処理の各処理が行われる。ただし、これに限られず、例えばブラウザにより配達管理用のサイトにアクセスした状態で当該ブラウザ上で処理が行われてもよい。
【0055】
本実施形態では、荷受人は、端末装置20を用いて予め電子商取引サイトなどにおいて商品の購入手続を行っており、配達事業者サーバ30を管理する配達事業者は、電子商取引サイトの運営主体から当該商品を含む荷物の荷受人への配達を委託されているものとする。
配達管理処理は、このような状況下において、荷物の配達時刻及び/又は配達場所の調整を行い、調整結果を荷受人及び配達事業者に通知する目的で実行される。配達時刻及び/又は配達場所は、荷受人の現在位置から荷物の配達場所までの移動経路に基づいて定められる。
【0056】
図6は、荷物を受け取るまでの荷受人の移動経路の例を示す模式図である。
図6では、列車の路線R1、R2と、路線R1における駅Sa~Sc、及び路線R2における駅Sc~Sfが示されている。このうち駅Scは、路線R1と路線R2との間の乗換駅である。
本実施形態では、荷受人の勤務先が駅Saの近傍にあり、勤務先にいる荷受人が、駅Sfに設けられているロッカーで荷物を受け取って、駅Sfの近傍にある自宅に帰宅する場合を例に挙げて説明する。荷受人の移動経路rは、路線R1のうち駅SaからScまでの区間と、路線R2のうち駅Scから駅Sfまでの区間とを含む。
ロッカーなどの有償の保管設備を指定配達場所とする配達は、保管設備の利用料金等に応じて有償とされる場合がある。この場合の配達料金の支払は、上記の電子商取引サイトにおける購入手続の際に一括して決済されてもよいし、これとは別のタイミングで、例えば交通系ICカードなどを用いて決済されてもよい。
また、本実施形態では、指定配達場所となる荷物の保管設備としてロッカーを例示するが、これに限定されず、駅に設けられている他の保管設備、例えば手荷物預かり所、店舗等が指定配達場所とされてもよい。
【0057】
図5の配達管理処理が開始され、配達事業者による荷物の配達準備が完了すると、配達事業者サーバ30は、配達準備の完了を端末装置20に通知する(ステップS101)。配達準備完了通知が行われると、端末装置20では、当該通知を受信したことを示すプッシュ通知が表示され、配達管理アプリ上で当該通知の内容を確認することができる。
【0058】
配達準備完了通知を受けた荷受人は、配達管理アプリ上で、配達場所を入力(指定)して配達指示を行う。ここでは、配達場所として駅Sfのロッカーが指定されるものとする。当該指定は、駅Sfの構内に設けられている複数のロッカーのうち特定の1つを指定するものであってもよいし、荷受人は駅Sfのみを指定し、配達される特定の1つのロッカーは配達管理サーバ10側で指定することとしてもよい。当該指示に応じて、端末装置20は、配達管理サーバ10に対し、入力された指定配達場所と、荷受人の指定配達場所までの移動経路の検索指示と、荷物の配達指示とを送信する(ステップS102)。移動経路の検索指示には、移動経路の移動開始地点を特定するための情報、例えば端末装置20の位置情報が含まれている。あるいは、当該位置情報に代えて、荷受人が配達管理アプリ上で指定した移動開始地点の情報が含まれていてもよい。
なお、商品の購入手続時などに荷受人が予め指定配達場所を指示している場合には、ステップS102において当該指定配達場所をそのまま通知することとしてもよい。
【0059】
配達管理サーバ10の制御部11(経路検索部11a)は、指定配達場所までの移動経路の検索指示に応じて、荷物の指定配達場所までの荷受人の移動経路を検索して、検索結果を取得する(ステップS103:経路検索ステップ)。移動経路の検索とは、移動経路の始点(移動開始地点)から終点(目的地)まで移動する場合における、与えられた条件下での最適な移動経路を特定することをいう。ここで、与えられた条件は、例えば移動時間が最も短くなるとの条件、移動に掛かる費用が最も少なくなるとの条件、又は移動における乗換回数が最も少なくなるとの条件などであり、荷受人の指定により、又は配達管理サーバ10の管理者により予め設定される。また、与えられた条件には、荷受人が移動開始地点を出発する予定の時刻(移動開始時刻、出発予定時刻)が含まれる。移動開始時刻は、検索指示の受信時刻等に基づいて設定されてもよいし、勤務先での仕事を終えて最寄りの駅Saを出発する見込み時刻が用いられてもよい。また、移動経路の特定とは、例えば、移動の際に使用する移動手段(例えば列車等の公共交通機関)と、各移動手段での移動開始時刻及び移動終了時刻とを特定することをいう。移動経路の移動開始地点は、検索指示に含まれる端末装置20の位置情報に基づいて設定されるか、又は荷受人により指定された移動開始地点が用いられる(ここでは、駅Saとされる)。移動経路の終点は、端末装置20から通知された指定配達場所に基づいて設定される(ここでは、駅Sfとされる)。
【0060】
なお、移動経路の検索は、配達管理サーバ10の外部に設けられた検索サーバにより行われてもよい。すなわち、配達管理サーバ10は、当該検索サーバに対して経路検索の実行を指示し、検索サーバから検索結果を取得してもよい。
また、設定された移動開始地点(荷受人の勤務先の最寄り駅である駅Sa)から、目的地(自宅の最寄り駅である駅Sf)までの経路検索において、検索される頻度の高い経路を優先的に抽出するようにしてもよい。
また、荷受人が頻繁に使用する特定の移動経路(特定の移動開始地点から特定の指定配達場所までの経路)を予め設定して記憶部14に登録しておき、経路検索では、設定されている当該特定の移動経路での検索結果を取得することとしてもよい。この場合には、移動経路を当該特定の移動経路に固定して、移動経路中の各地点への移動時刻を算出すればよい。
また、特定の移動経路に代えて、特定の指定配達場所を予め設定して記憶部14に登録しておき、この特定の指定配達場所を目的地とする移動経路を検索してもよい。特定の指定配達場所は、使用頻度の高い場所、例えば自宅又はその最寄り駅などとすることができる。この場合における移動経路の出発地点は、その時点における端末装置20の位置情報に基づいて設定すればよい。
また、毎回決まった出発予定時刻に出発する場合には、さらに出発予定時刻を予め設定しておき、この出発予定時刻を用いて移動経路を検索してもよい。
このような特定の移動経路又は特定の指定配達場所の設定及び登録は、制御部11の移動経路設定部11hにより実行される。
【0061】
図7は、移動経路の検索結果の例を示す図である。
図7では、17:00に駅Saを出発し、駅Scを経て18:00に駅Sfに到着する検索結果が取得されている。指定配達場所が駅のロッカーである場合には、当該駅への到着予定時刻が、「荷受人の指定配達場所への到着予定時刻」に相当する。図7の例では、到着予定時刻は18:00である。このように、検索結果には、荷受人の指定配達場所への到着予定時刻が含まれる。
【0062】
配達管理サーバ10の制御部11(配達時刻設定部11b)は、ステップS103で取得した検索結果における荷受人の指定配達場所への到着予定時刻に基づいて、指定配達場所への荷物の配達時刻を設定する(ステップS104:配達時刻設定ステップ)。ここでは、図7に示すように、予定到着時刻から10分のマージンを取って、配達時刻が17:50に設定される。当該マージンは、例えば配達事業者及び/又は荷受人との間で事前に定められる。あるいは、当該マージンは、所定のパラメーターに基づいて自動的に設定されてもよい。上記パラメーターとしては、例えば駅の広さ(より詳しくは、降車位置からロッカーまでの距離)などが挙げられる。また、設定されたマージンと、実際の荷物の受け取り時における予定到着時刻と受け取り時刻との差分との関係などに基づいて、制御部11がより適切なマージンを学習するようになっていてもよい。
【0063】
配達管理サーバ10の制御部11(通知部11c)は、経路の検索結果、指定配達場所及び配達時刻のうち所定の事項をそれぞれ端末装置20及び配達事業者サーバ30に通知する(ステップS105:通知ステップ)。詳しくは、端末装置20に対して、経路の検索結果(荷受人の指定配達場所への予定到着時刻を含む)、指定配達場所及び配達時刻を通知し、配達事業者サーバ30に対して指定配達場所及び配達時刻を通知する。端末装置20及び配達事業者サーバ30に対する通知の内容が、それぞれ「配達予定」に相当する。また、端末装置20への通知は、荷受人への通知の一態様であり、配達事業者サーバ30への通知は、配達事業者への通知の一態様である。
【0064】
配達事業者サーバ30は、指定配達場所及び配達時刻の通知を受信すると、指定配達場所に配達時刻までに荷物を配達するための配達処理を開始する(ステップS106)。例えば、配達事業者サーバ30は、配達員が所持する端末装置に対して配達の指示を送信する。
ステップS106の処理が終了すると、配達管理処理が終了する。
【0065】
ところで、上記では指定配達場所が駅Sfのロッカーである場合を例示したが、指定配達場所はこれに限られず、例えば荷受人の自宅であってもよい。
図8は、指定配達場所として自宅が設定されている場合の移動経路の検索結果及び配達時刻の設定例を示す図である。
この場合には、経路検索を行うステップS103において、移動経路の終点として駅Sfではなく自宅が設定される。これに応じて、図8の例では、駅Sfに到着後、自宅に帰宅するまでの経路が検索されている。駅Sfから自宅までの経路や所要時間は、荷受人により予め登録されたものを用いてもよい。
【0066】
自宅において、配達事業者から荷受人に荷物が直接引き渡される場合には、制御部11(配達時刻設定部11b)は、自宅への到着予定時刻よりも後に配達時刻を設定する。
例えば、荷受人により予め余裕時間が指定されている場合には、制御部11(配達時刻設定部11b)は、荷受人の到着予定時刻にこの余裕時間を少なくとも加算した時刻を配達時刻として設定する。図8の例では、到着予定時刻である18:10に、指定された余裕時間10分を加算して、配達時刻が18:20以降に設定されている。
【0067】
また、自宅に到着してから所定の受取時間内に荷物を受け取りたいという要請もある。これによれば、帰宅後、化粧を落としたり着替えたりする前に荷物を受け取ったり、帰宅後に再度出掛ける前に荷物を受け取ったりすることができるためである。このため、荷受人から受取時間が指定されている場合には、制御部11(配達時刻設定部11b)は、荷受人の到着予定時刻から受取時間が経過するまでの期間を配達時刻として設定する。図8の例では、到着予定時刻である18:10から、受取時間として指定された15分が経過するまで、すなわち18:25までが配達時刻として設定されている。このように、配達時刻は、ある一点の時刻に限られず、所定の幅を有する時間帯として設定されてもよい。
【0068】
また、自宅に設けられている荷物の保管設備(例えば宅配ボックス)が指定配達場所である場合には、駅のロッカーへの配達と同様に、到着予定時刻から10分のマージンを取って、配達時刻が18:00に設定される。
なお、指定配達場所が自宅である場合には、配達に係る料金(少なくとも、保管設備の利用に係る料金)は無償とされる。
【0069】
以上のように、第1の実施形態に係る配達管理装置としての配達管理サーバ10は制御部11を備え、制御部11は、荷物の指定配達場所までの荷受人の移動経路に係る検索結果を取得し(経路検索部11a)、検索結果における荷受人の指定配達場所への到着予定時刻に基づいて、指定配達場所への荷物の配達時刻を設定し(配達時刻設定部11b)、配達時刻を含む配達予定を荷受人に通知する(通知部11c)。
これにより、指定配達場所への荷受人の移動経路及び移動時間に合わせて配達時刻を設定できるため、より適切に、すなわちより高精度に、荷物の配達時刻を設定することができる。
よって、例えば駅のロッカーに荷物を配達する場合に、ロッカーの占有時間を必要最小限に抑えることができる。これにより、ロッカーの利用回転率を向上させることができる。
また、自宅に荷物を配達する場合に、より確実に荷受人が在宅している時間帯に荷物を配達することができる。これにより、荷物の再配達が生じる頻度を低減させることができる。
【0070】
また、制御部11は、荷物を配達する配達事業者に配達予定を通知する(通知部11c)。
これにより、配達管理サーバ10の管理者と配達事業者とが異なる場合において、配達事業者に適切な配達時刻及び配達場所を連絡することができる。
【0071】
また、制御部11は、指定配達場所において、荷物を配達する配達事業者から荷受人に荷物が直接引き渡される場合に、到着予定時刻に、荷受人により予め指定された余裕時間を少なくとも加算した時刻を配達時刻として設定する(配達時刻設定部11b)。
これにより、荷受人は、指定配達場所に到着した後、所望の余裕時間をあけて荷物を受け取ることができる。また、荷受人にとって都合のよい時間を配達時刻に設定できるため、より確実に荷物の引き渡しを完了でき、再配達が生じる頻度を低減させることができる。
【0072】
また、制御部11は、指定配達場所において、荷物を配達する配達事業者から荷受人に荷物が直接引き渡される場合に、到着予定時刻から、荷受人により予め指定された受取時間が経過するまでの期間を配達時刻として設定する(配達時刻設定部11b)。
これにより、荷受人は、指定配達場所に到着した後、所望の受取時間内に荷物を受け取ることができる。また、荷受人にとって都合のよい時間を配達時刻に設定できるため、より確実に荷物の引き渡しを完了でき、再配達が生じる頻度を低減させることができる。
【0073】
また、制御部11は、特定の移動開始地点から特定の指定配達場所までの特定の移動経路、又は特定の指定配達場所を、荷受人に対応付けて予め設定し(移動経路設定部11h)、特定の移動経路が設定されている場合には、設定されている特定の移動経路での検索結果を取得し、特定の指定配達場所が設定されている場合には、設定されている特定の指定配達場所を目的地とする検索結果を取得する(経路検索部11a)。
これにより、経路検索の処理を簡素化することができる。また、荷受人の到着予定時刻及び配達時刻の精度を高めることができる。
【0074】
また、第1の実施形態に係る配達管理システム1は、荷受人が使用する端末装置20と、配達管理装置としての上記の配達管理サーバ10とを備え、配達管理サーバ10の制御部11は、端末装置20において荷受人が配達予定を確認可能な方法で配達予定を通知する(通知部11c)。
これによれば、より適切に、すなわちより高精度に、荷物の配達時刻を設定することができる。
【0075】
また、第1の実施形態に係る配達管理方法は、荷物の指定配達場所までの荷受人の移動経路に係る検索結果を取得する経路検索ステップと、検索結果における荷受人の指定配達場所への到着予定時刻に基づいて、指定配達場所への荷物の配達時刻を設定する配達時刻設定ステップと、配達時刻を含む配達予定を荷受人に通知する通知ステップと、を含む。
このような方法によれば、より適切に、すなわちより高精度に、荷物の配達時刻を設定することができる。
【0076】
また、第1の実施形態に係るプログラム14aは、配達管理サーバ10に設けられたコンピューターとしての制御部11を、荷物の指定配達場所までの荷受人の移動経路に係る検索結果を取得する経路検索手段、検索結果における荷受人の指定配達場所への到着予定時刻に基づいて、指定配達場所への荷物の配達時刻を設定する配達時刻設定手段、配達時刻を含む配達予定を荷受人に通知する通知手段、として機能させる。
このようなプログラム14aにより配達管理サーバ10を動作させることで、より適切に、すなわちより高精度に、荷物の配達時刻を設定することができる。
【0077】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、指定配達場所が、配達時刻において荷物を受け入れ不可能である場合に、配達場所及び/又は配達時刻が自動的に調整される点で第1の実施形態と異なる。以下では、第1の実施形態との相違点について説明し、第1の実施形態と共通する点については説明を省略する。
【0078】
図9は、第2の実施形態における配達管理処理の制御手順を示すフローチャートである。
図9のステップS201~S204の処理内容は、それぞれ図5のステップS101~S104の処理内容と同一であるため説明は省略する。
【0079】
ステップS204において配達時刻が設定されると、配達管理サーバ10の制御部11(判別部11d)は、指定配達場所が、配達時刻において荷物を受け入れ可能であるか否かを判別する(ステップS205)。例えば、制御部11(判別部11d)は、ロッカー管理データ14bを参照して、指定配達場所である駅Sfのロッカーが、配達時刻において全て予約されており使用できない場合等には、荷物の受け入れが不可能であると判別する。また、荷物の大きさにより駅Sfのロッカーでは受け入れが不可能である場合にも、荷物の受け入れが不可能であると判別する。
【0080】
なお、指定配達場所が自宅の保管設備であり、かつ当該保管設備の使用状況を取得できる場合(例えば、保管設備内の荷物を感知するセンサーが設けられており、当該センサーによる検知結果を制御部11が取得できる場合)にも、当該使用状況に基づいて荷物の受け入れ可否を判別することができる。自宅の保管設備の空き状況が予約管理されることは通常想定されないため、ステップS205の実行時点において保管設備に荷物が検出されている場合には、以降のすべての時間帯で荷物の受け入れが不可能であると判別すればよい。
【0081】
配達時刻において荷物を受け入れ可能であると判別された場合には(ステップS205で“YES”)、配達管理サーバ10の制御部11(通知部11c)は、第1の実施形態のステップS105と同様に、経路の検索結果、指定配達場所及び配達時刻のうち所定の事項をそれぞれ端末装置20及び配達事業者サーバ30に通知する(ステップS206)。
【0082】
配達時刻において荷物を受け入れ不可能であると判別された場合には(ステップS205で“NO”)、配達管理サーバ10の制御部11(配達調整部11e)は、指定配達場所に代わる代替配達場所を設定する(ステップS207)。ここでは、ロッカー管理データ14bを参照して、他の駅に荷物の受け入れが可能なロッカーがある場合には、当該駅のロッカーを代替え配達場所に設定する。また、ステップS205において、荷物の大きさにより受け入れが不可能であると判別されており、他の駅のロッカー又は手荷物預かり所等で当該大きさの荷物を受け入れ可能である場合には、当該駅のロッカー又は手荷物預かり所等を代替配達場所に指定する。また、制御部11(経路検索部11a)は、代替配達場所を通る荷受人の移動経路に係る代替検索結果を取得する(ステップS207)。また、制御部11(配達調整部11e)は、代替検索結果における荷受人の代替配達場所への到着予定時刻に基づいて、代替配達場所への荷物の代替配達時刻を設定する(ステップS208)。
【0083】
図10は、代替配達場所、代替検索結果及び代替配達時刻の例を示す図である。
図10では、指定配達場所が、駅Sf(第1の駅)に設けられている第1のロッカー(第1の保管設備)である場合に、移動経路rに含まれる駅のうち、駅Sfとは異なる駅Se(第2の駅)に設けられている第2のロッカー(第2の保管設備)が代替配達場所として設定されている。
また、荷物を受け取るために駅Seで一旦下車する条件で移動経路が再検索され、その検索結果が代替検索結果として取得されている。具体的には、17:45に駅Seに到着し、10分の受取時間を空けて17:55に駅Seを出発し、18:10に駅Sfに到着する代替検索結果が取得されている。
この場合には、代替配達場所である駅Seへの荷受人の到着予定時刻は17:45である。そこで、この到着予定時刻から10分のマージンを取って、配達時刻が17:35に設定される。
【0084】
図11は、代替配達場所、代替検索結果及び代替配達時刻の他の例を示す図である。
図11では、指定配達場所が、駅Sf(第1の駅)に設けられている第1のロッカーであり、かつ移動経路rに乗り換えを行う駅Sc(第3の駅)が含まれる場合に、駅Scに設けられている第3のロッカー(第3の保管設備)が代替配達場所として設定されている。
また、荷物を受け取るために駅Scでの滞在時間を延長した条件で移動経路が再検索され、代替検索結果として取得されている。具体的には、17:20に駅Scに到着した後、20分の受取時間及び乗換時間を空けて17:40に駅Scを出発し、18:10に駅Sfに到着する代替検索結果が取得されている。
この場合には、代替配達場所である駅Scへの荷受人の到着予定時刻は17:20である。そこで、この到着予定時刻から10分のマージンを取って、配達時刻が17:10に設定される。
【0085】
本実施形態の代替配達場所の設定を行う場合には、予め代替配達場所の候補の優先順位を設定しておく。例えば、第1候補を駅Sa、第2候補を駅Se、第3候補を駅Sc、などと設定しておく。優先順位は、荷受人からの指定を受け付けてもよいし、制御部11が所定のパラメーターに基づいて設定してもよい。
【0086】
図9に戻り、ステップS208において代替配達時刻が設定されると、制御部11(通知部11c)は、移動経路の代替検索結果、代替配達場所及び代替配達時刻のうち所定の事項をそれぞれ端末装置20及び配達事業者サーバ30に通知する(ステップS209)。詳しくは、端末装置20に対して、代替検索結果(荷受人の代替配達場所への予定到着時刻を含む)、代替配達場所及び代替配達時刻を通知し、配達事業者サーバ30に対して代替配達場所及び代替配達時刻を通知する。端末装置20及び配達事業者サーバ30に対する通知の内容が、それぞれ「配達予定」に相当する。
また、ステップS209では、荷受人(端末装置20)に対する通知の際に、通知した代替配達場所及び代替配達時刻とすることについての承認を荷受人から受け付ける。ここで荷受人が否認した場合には、上述の優先順位に基づいて、次の候補の代替配達場所及び代替配達時刻を再通知してもよい。また、複数の代替配達場所の候補を提示して、荷受人が所望の代替配達場所を選択できるようにしてもよい。
【0087】
配達事業者サーバ30は、ステップS206で制御部11(通知部11c)が指定配達場所及び配達時刻を通知した場合には、指定配達場所に配達時刻までに荷物を配達するための配達処理を開始する(ステップS210)。
また、配達事業者サーバ30は、ステップS209で制御部11(通知部11c)が代替配達場所及び代替配達時刻を通知した場合には、代替配達場所に代替配達時刻までに荷物を配達するための配達処理を開始する(ステップS210)。
ステップS210の処理が終了すると、配達管理処理が終了する。
【0088】
上記では、配達時刻にロッカーが予約されていて利用できない場合を例示したが、これに限られず、例えば荷受人の到着駅にロッカーが設けられていない場合に本実施形態を適用してもよい。
また、上記では、指定配達場所及び代替配達場所が駅に設けられた保管設備(ロッカー)である場合を例示したが、これに限られない。例えば、指定配達場所が荷受人の自宅に設けられた所定の保管設備であり、当該保管設備での荷物の受け入れが不可能であると判別された場合に、所定の荷物預託施設(例えば、自宅の近傍又は周辺に位置する、荷物を預託するサービスを行っている店舗)を代替配達場所として設定してもよい。この場合には、予め代替配達場所となる荷物預託施設の候補とその優先順位を設定しておく。例えば、第1候補を自宅、第2候補を店舗A、第3候補を店舗B、などと設定しておく。優先順位は、荷受人からの指定を受け付けてもよいし、制御部11が所定のパラメーター(例えば、駅からの距離)に基づいて設定してもよい。
また、指定配達場所が駅の保管設備(例えばロッカー)である場合の代替配達場所として、他の駅の保管設備(例えばロッカー)を例示したが、これに限られず、駅の外部にある所定の荷物預託施設を代替配達場所として設定してもよい。
【0089】
以上のように、第2の実施形態に係る配達管理サーバ10の制御部11は、指定配達場所が、配達時刻において荷物を受け入れ可能であるか否かを判別し(判別部11d)と、荷物の受け入れが不可能であると判別された場合に、指定配達場所に代わる代替配達場所を設定し、代替配達場所への荷物の代替配達時刻を設定し(配達調整部11e)、荷物の受け入れが不可能であると判別された場合には、配達時刻に代わる代替配達時刻と、代替配達場所とを含む配達予定を荷受人に通知する(通知部11c)。
これにより、指定配達場所への荷物の配達ができない場合においても、柔軟に荷物の配達を実行できるため、荷物の配達の効率を向上させることができる。また、配達場所及び配達時刻の調整といった複雑な処理を配達管理サーバ10が自動的に行うため、荷受人及び配達事業者の手間を削減することができる。
【0090】
また、制御部11は、荷物の受け入れが不可能であると判別された場合には、代替配達場所を通る荷受人の移動経路に係る代替検索結果を取得し(経路検索部11a)、代替検索結果における荷受人の代替配達場所への到着予定時刻に基づいて代替配達時刻を設定する(配達調整部11e)。
これにより、代替配達場所への荷受人の移動経路及び移動時間に合わせて代替配達時刻を設定できるため、より適切に、すなわちより高精度に、荷物の配達時刻を設定することができる。
【0091】
また、制御部11は、指定配達場所が、第1の駅に設けられている第1の保管設備としての第1のロッカーである場合に、移動経路に含まれる駅のうち、第1の駅とは異なる第2の駅に設けられている第2の保管設備としての第2のロッカーを代替配達場所として設定する(配達調整部11e)。
これにより、荷受人は、移動経路の途中で荷物を受け取ることができる。
【0092】
また、制御部11は、指定配達場所が、第1の駅に設けられている第1の保管設備としての第1のロッカーであり、かつ移動経路に乗り換えを行う第3の駅が含まれる場合に、第3の駅に設けられている第3の保管設備としての第3のロッカーを代替配達場所として設定する(配達調整部11e)。
これにより、荷受人は、移動経路の途中で荷物を受け取ることができる。特に、必ず一旦下車することとなる乗換駅のロッカーに荷物を配達することで、効率よく荷物を受け取ることができる。
【0093】
また、制御部11は、指定配達場所が、駅に設けられている保管設備としてのロッカーである場合に、駅の外部にある所定の荷物預託施設を代替配達場所として設定する(配達調整部11e)。
これにより、代替配達場所の選択範囲が広がるため、より確実に荷物の配達及び受け取りを行うことができる。
【0094】
また、制御部11は、指定配達場所が荷受人の自宅に設けられた所定の保管設備である場合に、所定の荷物預託施設を代替配達場所として設定する(配達調整部11e)。
これにより、自宅の保管設備が使用できない状況下でも配達を完了できるため、荷物の再配達が生じる頻度を低減させることができる。
【0095】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、指定配達場所が、配達時刻において荷物を受け入れ不可能である場合において、配達場所を変更せずに(すなわち、代替配達場所を設定せずに)、配達時刻のみ調整する点で第2の実施形態と異なる。以下では、第2の実施形態との相違点について説明し、第2の実施形態と共通する点については説明を省略する。
【0096】
図12は、第3の実施形態における配達管理処理の制御手順を示すフローチャートである。
図12のフローチャートは、図9のフローチャートのステップS207、S209をそれぞれステップS207a、S209aに変更し、ステップS208を削除したものに相当する。以下では、図9のフローチャートとの相違点について説明する。
【0097】
図12の配達管理処理では、ステップS204で設定した配達時刻において荷物を受け入れ不可能であると判別された場合には(ステップS205で“NO”)、配達管理サーバ10の制御部11(配達調整部11e)は、配達時刻に代えて、荷物を受け入れ可能な代替配達時刻を設定する(ステップS207a)。また、制御部11(経路検索部11a)は、代替配達時刻に応じた時刻に荷受人が指定配達場所に到達する移動経路を検索し、その検索結果(代替検索結果)を取得する(ステップS207a)。
【0098】
図13は、代替検索結果及び代替配達時刻の例を示す図である。
図13では、当初の経路の検索結果に基づいてステップS204で設定した配達時刻である17:50(図7参照)において、駅Sfのロッカーでの荷物の受け入れが不可能であり、その1時間後の18:50であれば受け入れが可能である例を示している。この例では、代替配達時間が18:50に設定される。また、この代替配達時間に対して10分のマージンが確保される19:00に、指定配達場所である駅Sfに荷受人が到着する条件で移動経路が再検索され、その検索結果が代替検索結果として取得されている。
【0099】
図12に戻り、ステップS207aの処理が終了すると、制御部11(通知部11c)は、移動経路の代替検索結果、指定配達場所及び代替配達時刻のうち所定の事項をそれぞれ端末装置20及び配達事業者サーバ30に通知する(ステップS209a)。詳しくは、端末装置20に対して、代替検索結果(荷受人の代替配達場所への予定到着時刻を含む)、指定配達場所及び代替配達時刻を通知し、配達事業者サーバ30に対して指定配達場所及び代替配達時刻を通知する。端末装置20及び配達事業者サーバ30に対する通知の内容が、それぞれ「配達予定」に相当する。
また、ステップS209aでは、荷受人(端末装置20)に対する通知の際に、通知した代替配達時刻とすることについての承認を荷受人から受け付ける。ここで荷受人が否認した場合には、可能な代替配達時刻の範囲を提示し、荷受人から代替配達時刻の指定を受け付けてもよい。
【0100】
配達事業者サーバ30は、ステップS206で制御部11(通知部11c)が指定配達場所及び配達時刻を通知した場合には、指定配達場所に配達時刻までに荷物を配達するための配達処理を開始する(ステップS210)。
また、配達事業者サーバ30は、ステップS209aで制御部11(通知部11c)が指定配達場所及び代替配達時刻を通知した場合には、指定配達場所に代替配達時刻までに荷物を配達するための配達処理を開始する(ステップS210)。
ステップS210の処理が終了すると、配達管理処理が終了する。
【0101】
以上のように、第3の実施形態に係る配達管理サーバ10の制御部11は、指定配達場所が、配達時刻において荷物を受け入れ可能であるか否かを判別し(判別部11d)、判別部11dにより荷物の受け入れが不可能であると判別された場合に、配達時刻に代えて、荷物を受け入れ可能な代替配達時刻を設定し(配達調整部11e)、荷物の受け入れが不可能であると判別された場合には、配達時刻に代わる代替配達時刻を含む配達予定を荷受人に通知する(通知部11c)。
これにより、指定配達場所への荷物の配達ができない場合においても、柔軟に荷物の配達を実行できるため、荷物の配達の効率を向上させることができる。また、配達時刻の調整といった複雑な処理を配達管理サーバ10が自動的に行うため、荷受人及び配達事業者の手間を削減することができる。
【0102】
次に、上記第1の実施形態~第3の実施形態の変形例について説明する。
【0103】
(変形例1)
変形例1は、配達管理サーバ10が端末装置20から荷受人のスケジュールを取得し、当該スケジュールに基づいて経路検索及び配達時刻の設定を行う点で上記各実施形態と相違する。以下では、上記各実施形態との相違点について説明する。
【0104】
図14は、変形例1に係る配達管理処理の制御手順を示すフローチャートである。
図14のフローチャートは、第1の実施形態に係る図5のフローチャートのステップS102、S103をそれぞれステップS102a、S103aに変更し、ステップS107を追加したものに相当する。
【0105】
変形例1の配達管理処理では、ステップS101において配達事業者サーバ30から端末装置20に対して配達準備完了通知が送られると、端末装置20は、荷受人のその時点でのスケジュールに係るスケジュール情報と、位置検出部26が生成した端末装置20の位置情報とを配達管理サーバ10に送信する(ステップS102a)。スケジュール情報は、例えば、その日の以降の時間帯に設定されている会議やイベントといった、時間帯が設定されている予定の情報を含む。スケジュール情報の送信に際し、送信の可否を荷受人に問い合わせるステップが設けられてもよいし、配達準備完了通知の受信に応じてバックグラウンドで自動的にスケジュール情報が送信されてもよい。
なお、図14では、指定配達場所が予め設定されているものとし、ステップS102aでは改めて指定配達場所の指示は送信されない例を用いて説明しているが、これに限られず、ステップS102aにおいて併せて指定配達場所の指示が送信されてもよい。
【0106】
配達管理サーバ10の制御部11(経路検索部11a)は、スケジュール情報及び位置情報を受信すると、これらの情報に基づいて経路検索を実行する(ステップS103a)。例えば、スケジュール情報に含まれる最後の予定が終了する時刻より後に移動開始時刻を設定するとともに、位置情報に基づいて移動開始位置を設定して、指定配達場所までの経路検索を実行する。経路の検索結果が取得されると、第1の実施形態と同様に、配達時刻が設定され(ステップS104)、配達時刻を含む配達予定が端末装置20及び配達事業者サーバ30に通知される(ステップS105)。
【0107】
ステップS105が終了すると、配達管理サーバ10の制御部11(受付部11g)は、通知した配達予定の配達時刻を変更する指示を受け付ける。すなわち、制御部11(受付部11g)は、端末装置20(荷受人)から、配達時刻の変更指示を受信したか否かを判別する(ステップS107)。本変形例では、スケジュール情報に基づいて配達時刻が自動的に設定されるため、スケジュール情報の内容が正しくない場合など、配達時刻の変更が必要となる可能性が少なからずあるため、ステップS107で配達時刻の変更指示を受け付けることが望ましい。
なお、第1~第3の実施形態の配達管理処理(図5図9図12)においても、ステップS107と同様に配達時刻の変更指示を受け付けてもよい。このうち第2、第3の実施形態の配達管理処理では、配達時刻に加えて代替配達時刻について変更指示を受け付けてもよい。
【0108】
配達時刻の変更指示を受信したと判別された場合には(ステップS107で“YES”)、処理がステップS104に戻り、制御部11(配達時刻設定部11b)は、配達時刻を、ステップS107で指示された時刻に修正する。
所定の期限までに配達時刻の変更指示を受信しなかった場合には(ステップS107で“NO”)、制御部11は、配達管理処理を終了させる。
【0109】
なお、上記では第1の実施形態を変形した例を用いて説明したが、本変形例1は、第2の実施形態又は第3の実施形態と組み合わせてもよい。すなわち、第2、第3の実施形態の配達管理処理(図9図12)において、端末装置20から受信したスケジュール情報に基づいて経路検索及び配達時刻の設定を行ってもよい。
【0110】
以上のように、変形例1に係る配達管理サーバ10の制御部11は、荷受人のスケジュールに係るスケジュール情報を所定の方法で取得し、取得したスケジュール情報に基づいて移動経路における移動開始時刻を設定する(経路検索部11a)。
これにより、スケジュールを踏まえた適切な配達時刻を、荷受人の移動開始時点より前に取得できるため、配達事業者は、より余裕をもって配達予定を組むことができる。
【0111】
また、制御部11は、配達予定の配達時刻を変更する指示を荷受人から受け付ける(第2の受付部としての受付部11g)。
これにより、荷受人にとって都合のよい時間を配達時刻に設定できるため、より確実に荷物の引き渡しを完了でき、再配達が生じる頻度を低減させることができる。
【0112】
また、制御部11は、配達予定の代替配達時刻を変更する指示を荷受人から受け付ける(第2の受付部としての受付部11g)。
これにより、荷受人にとって都合のよい時間を代替え配達時刻に設定できるため、より確実に荷物の引き渡しを完了でき、再配達が生じる頻度を低減させることができる。
【0113】
(変形例2)
変形例2は、列車(公共交通機関)の遅延が生じている場合の処理が追加されている点で上記各実施形態と相違する。以下では、上記各実施形態との相違点について説明する。なお、変形例2は、変形例1と組み合わせてもよい。
【0114】
図15は、変形例2に係る配達管理処理の制御手順を示すフローチャートである。
図15のフローチャートは、第1の実施形態に係る図5のフローチャートにステップS108、S109を追加し、ステップS105をステップS105aに変更したものに相当する。
【0115】
端末装置20から経路検索指示を受信した配達管理サーバ10の制御部11(経路検索部11a)は、荷受人の移動経路となる路線R1、R2に列車の遅延が生じているか否かを判別し(ステップS108)、遅延が生じていると判別された場合には(ステップS108で“YES”)、遅延状況に基づいて検索条件を調整する(ステップS109)。例えば、所要時間に遅延時間が加算されるように調整したり、遅延路線を迂回する経路で検索を行うように調整したりする。ステップS109の処理が終了した場合、又はステップS108で遅延が生じていないと判別された場合(ステップS108で“NO”)には、制御部11(経路検索部11a)は、その時点で与えられている検索条件で経路検索を実行する(ステップS103)。ステップS109で検索条件が調整されている場合には、列車の遅延を反映した検索結果が取得される。
【0116】
ステップS104で配達時刻が設定されると、配達管理サーバ10の制御部11(通知部11c)は、端末装置20に対し、経路の検索結果、指定配達場所及び配達時刻に加えて、列車の遅延が生じていること(列車遅延情報)を通知する(ステップS105a)。
【0117】
なお、上記では第1の実施形態を変形した例を用いて説明したが、本変形例2は、第2の実施形態又は第3の実施形態と組み合わせてもよい。また、荷受人の移動経路における移動手段に列車以外の公共交通機関が含まれている場合に、当該公共交通機関の遅延について上記と同様の処理を行ってもよい。
【0118】
以上のように、変形例2に係る配達管理サーバ10の制御部11は、移動経路における移動手段に公共交通機関としての列車が含まれており、かつ当該列車に遅延が生じている場合には、当該遅延を反映した検索結果を取得する(経路検索部11a)。
これにより、列車の遅延に合わせた適切な配達時刻を設定することができる。よって、例えば列車の遅延に起因するロッカーの利用延滞の発生を低減できる。また、指定配達場所において、配達事業者から荷受人に荷物が直接引き渡される場合において、列車の遅延に起因して荷受人が不在となって配達を完了できなくなる不具合の発生を抑制することができる。
【0119】
また、制御部11は、移動経路における移動手段に公共交通機関としての列車が含まれており、かつ当該列車に遅延が生じている場合には、当該遅延が生じていることを荷受人に通知する(通知部11c)。
これにより、列車の遅延に起因する配達時刻及び/又は配達場所の変更を荷受人に周知することができる。
【0120】
(変形例3)
変形例3は、降車位置から荷物の配達場所であるロッカーまでの移動がしやすい推奨車両が荷受人に通知される点で、上記各実施形態と相違する。以下では、上記各実施形態との相違点について説明する。なお、変形例3は、変形例1及び/又は変形例2と組み合わせてもよい。
【0121】
図16は、変形例3に係る配達管理処理の制御手順を示すフローチャートである。
図16のフローチャートは、第1の実施形態に係る図5のフローチャートにステップS110を追加し、ステップS105をステップS105bに変更したものに相当する。
【0122】
ステップS104で配達時刻が設定されると、配達管理サーバ10の制御部11(車両特定部11i)は、荷受人が乗車する列車が有する複数の車両のうち、受け取り駅における降車時にロッカーまでの歩行経路が所定の移動容易条件を満たす車両を推奨車両として特定する(ステップS110)。ここで、移動容易条件を満たす車両は、例えば降車地点からロッカーまでの歩行距離が最も近くなる車両とすることができる。あるいは、当該車両の近傍の車両がさらに推奨車両に含まれてもよい。
【0123】
推奨車両が特定されると、配達管理サーバ10の制御部11(通知部11c)は、端末装置20に対し、経路の検索結果、指定配達場所及び配達時刻に加えて、推奨車両の情報を通知する(ステップS105b)。
【0124】
なお、推奨車両の通知に加えて、列車から降車した後のロッカーまでの経路に係る案内をさらに通知してもよい。例えば、降車後に使用する階段を提示したり、向かうべき改札口の案内サインといった目印などを提示したりしてもよい。
また、上記では第1の実施形態を変形した例を用いて説明したが、本変形例3は、第2の実施形態又は第3の実施形態と組み合わせてもよい。
【0125】
以上のように、変形例3に係る配達管理サーバ10の制御部11は、列車が有する複数の車両のうち、駅における降車時に保管設備としてのロッカーまでの歩行経路が所定の移動容易条件を満たす車両を特定し(車両特定部11i)、当該車両を荷受人に通知する(通知部11c)。
これにより、降車地点から、配達場所であるロッカーまでの移動を容易にすることができる。例えば、荷受人が使い慣れていない駅であっても、配達場所のロッカーを特定しやすくすることができる。
【0126】
(変形例4)
変形例4は、荷物の受け取り駅において荷受人が利用する出口を特定し、この出口から近傍範囲内にあるロッカーが指定配達場所に設定される点で上記各実施形態と相違する。以下では、上記各実施形態との相違点について説明する。なお、変形例4は、変形例1~3の任意の一部又は全部と組み合わせてもよい。
【0127】
図17は、変形例4に係る配達管理処理の制御手順を示すフローチャートである。
図17のフローチャートは、第1の実施形態に係る図5のフローチャートのステップS102をステップS102bに変更し、ステップS111を追加したものに相当する。
【0128】
配達準備完了通知を受信した端末装置20は、経路検索指示などとともに、荷受人の最終目的地を配達管理サーバ10に通知する(ステップS102b)。ここで、最終目的地は、例えば配達管理アプリ上で荷受人により指定され、荷物を受け取る駅の構外における任意の地点とすることができる。
【0129】
ステップS104で配達時刻が設定されると、配達管理サーバ10の制御部11(ロッカー特定部11j)は、最終目的地に基づいて、荷物を受け取る駅に設けられている複数の出口のうち荷受人が利用する出口を特定し、特定した出口から所定の近傍範囲内にあるロッカーを特定して、指定配達場所に設定する(ステップS111)。ここで、荷受人が利用する出口は、複数の出口のうち最終目的地までの距離が最も近い出口とすることができる。
【0130】
指定配達場所のロッカーが特定されると、配達管理サーバ10の制御部11(通知部11c)は、端末装置20に対し、当該ロッカー指定配達場所として通知する(ステップS105)。
【0131】
なお、上記では第1の実施形態を変形した例を用いて説明したが、本変形例4は、第2の実施形態又は第3の実施形態と組み合わせてもよい。
【0132】
以上のように、変形例4に係る配達管理サーバ10の制御部11は、駅に設けられている複数の出口のうち、荷受人が利用する出口を所定の方法で特定し、特定した出口から所定の近傍範囲内にある保管設備としてのロッカーを特定し(ロッカー特定部11j)、特定した当該ロッカーを指定配達場所として荷受人に通知する(通知部11c)。
これにより、降車後に、荷物を受け取るロッカーを経由して最終目的地に至る荷受人の動線を短くすることができるため、荷受人の利便性を向上させることができる。
【0133】
(変形例5)
変形例5は、荷受人が荷物を受け取る駅に到着したときに、すなわち端末装置20が当該駅の構内にあると判別されているときに、端末装置20が荷受人に対してリマインダーを通知する点で上記各実施形態と相違する。以下では、上記各実施形態との相違点について説明する。なお、変形例5は、変形例1~4の任意の一部又は全部と組み合わせてもよい。
【0134】
図18は、変形例5に係る配達管理処理の制御手順を示すフローチャートである。
図18のフローチャートは、第1の実施形態に係る図5のフローチャートにステップS112、S113を追加したものに相当する。
【0135】
端末装置20の制御部21は、ステップS105において配達管理サーバ10から配達予定の通知を受けると、位置検出部26により検出された端末装置20の位置に基づいて、端末装置20が荷物の受け取り駅の構内にあるか否かを判別する(ステップS112)。端末装置20が荷物の受け取り駅の構内にないと判別された場合には(ステップS112で“NO”)、再度ステップS112の処理が実行される。
【0136】
端末装置20が荷物の受け取り駅の構内にあると判別された場合には(ステップS112で“YES”)、端末装置20の制御部21(端末通知部21a)は、リマインダーを実行する(荷受人に対してリマインダーを通知する)(ステップS113)。当該リマインダーは、荷物の配達場所であるロッカーに荷物が配達されていることを荷受人に知らせるものである。例えば、配達管理アプリ上のプッシュ通知により、ロッカーに荷物が配達されていることが荷受人に通知される。
【0137】
なお、上記では第1の実施形態を変形した例を用いて説明したが、本変形例5は、第2の実施形態又は第3の実施形態と組み合わせてもよい。
【0138】
以上のように、変形例5に係る端末装置20は、当該端末装置20の位置を検出する位置検出部26と、制御部21とを備え、制御部21は、指定配達場所が、駅に設けられているロッカーである場合において、位置検出部26により検出された位置が駅の構内であるときに、ロッカーに荷物が配達されていることを荷受人に対して通知する(端末通知部21a)。
これにより、駅の構内(改札内)にあるロッカーが配達場所である場合に、荷受人に改札内であるとの認識がない、又は受け取りを失念するなどによって、荷受人が誤って改札外に出てしまわないようにすることができる。
【0139】
(変形例6)
変形例6は、配達事業者が配達を行うことができない時刻が配達時刻(又は代替配達時刻)として設定された場合に、配達事業者からの要求に応じて配達時刻(又は代替配達時刻)の調整を行う点で上記各実施形態と相違する。以下では、上記各実施形態との相違点について説明する。なお、変形例6は、変形例1~5の任意の一部又は全部と組み合わせてもよい。
【0140】
図19は、変形例6に係る配達管理処理の制御手順を示すフローチャートである。
図19のフローチャートは、第1の実施形態に係る図5のフローチャートにステップS114、S115を追加したものに相当する。
配達管理処理における配達時刻の設定は、荷受人側の移動経路の検索結果に基づいて行われる。このため、配達事業者が配達を行うことができない時刻(例えば、必要な配送時間を確保できない時刻)に設定される場合がある。そこで、変形例6では、このような場合において配達事業者から配達時刻の変更要求を受け付けて再設定する。
【0141】
具体的には、変形例6の配達管理処理では、ステップS105が終了すると、配達管理サーバ10の制御部11(受付部11g)は、通知した配達予定の配達時刻を変更する要求を配達事業者サーバ30から受け付ける。すなわち、制御部11(受付部11g)は、配達事業者サーバ30(配達事業者)から、配達時刻の変更要求を受信したか否かを判別する(ステップS114)。配達時刻の変更要求は、配達事業者が希望する変更後の配達時刻(例えば、配達が可能な時間帯)の指定を伴うものとする。当該変更要求は、「配達予定に従った配達が不可能である旨の応答」の一態様である。
【0142】
配達時刻の変更要求を受信したと判別された場合には(ステップS114で“YES”)、制御部11(配達再調整部11f)は、ステップS114での指定内容、及びステップS103で取得した検索結果に基づいて、荷受人が荷物を受け取ることができ、かつ配達事業者が配達を行うことのできる時刻となるように配達時刻を調整する(ステップS115)。この調整後の配達時刻が「調整配達時刻」に相当する。ステップS115が終了すると、処理がステップS105に戻り、調整後の配達時刻等が端末装置20及び配達事業者サーバ30に通知される。
所定の期限までに配達時刻の変更要求を受信しなかった場合には(ステップS114で“NO”)、制御部11は、配達管理処理を終了させる。
【0143】
なお、調整配達時刻を含む配達予定を荷受人に通知する場合には、目的地への到着時刻を調整配達時刻に合わせて再度経路検索を行い、その検索結果を併せて通知してもよい。
また、上記では第1の実施形態を変形した例を用いて説明したが、変形例6は、第2の実施形態又は第3の実施形態と組み合わせてもよい。第2の実施形態又は第3の実施形態に組み合わせる場合には、代替配達時刻について、配達事業者からの変更要求を受け付けて再設定してもよい。
【0144】
以上のように、変形例6に係る配達管理サーバ10の制御部11は、配達予定に従った配達が不可能である旨の応答を配達事業者から受け付け(第1の受付部としての受付部11g)、当該応答を受信した場合に、前記荷受人が荷物を受け取ることができ、かつ配達事業者による配達が可能な調整配達時刻を設定し(配達再調整部11f)、配達時刻又は代替配達時刻に代わる調整配達時刻を含む配達予定を荷受人及び配達事業者に再度通知する(通知部11c)。
これにより、指定の配達時刻までに配達事業者による荷物の配達が完了しない不具合の発生を抑制することができる。
【0145】
(変形例7)
変形例7は、指定配達場所に荷物が配達された後、所定の時刻までに荷受人により荷物が受け取られていない(回収されていない)場合に、荷受人及び配達事業者に対して通知が行われる点で上記各実施形態と相違する。以下では、上記各実施形態との相違点について説明する。なお、変形例7は、変形例1~6の任意の一部又は全部と組み合わせてもよい。
【0146】
図20は、変形例7に係る配達管理処理の制御手順を示すフローチャートである。
図20のフローチャートは、第1の実施形態に係る図5のフローチャートにステップS116、S117を追加したものに相当する。
荷物の配達においては、荷受人が荷物の受取を失念する等、何らかの理由で、荷受人が経路検索の結果通りに移動できず、予定した荷物の受け取りができないことがあり得る。このような場合に荷物が指定配達場所に保管されたまま放置されると、ロッカーが長期間占有されてしまい、また適切な方法での荷物の再配達も行えなくなる。そこで、変形例7では、このような場合において荷物が未回収である旨の通知が荷受人及び配達事業者に対して行われる。
【0147】
具体的には、変形例7の配達管理処理では、ステップS105が終了すると、配達管理サーバ10の制御部11は、配達時刻から所定時間が経過した所定時刻において荷物が未回収となっているか否かを判別する(ステップS116)。例えば、制御部11は、ロッカー管理データ14bの更新状況を監視し、指定受取場所のロッカーが使用状態のままとなっているか否かに基づいて上記の判別を行う。
【0148】
荷物が未回収となっていると判別された場合には(ステップS116で“YES”)、制御部11(通知部11c)は、荷物が未回収である旨の通知(未回収通知)を端末装置20及び配達事業者サーバ30に対して行う(ステップS117)。ステップS117が終了した場合、又はステップS116において荷物が回収済であると判別された場合には(ステップS116で“NO”)、制御部11は、配達管理処理を終了させる。
【0149】
なお、上記では荷受人及び配達事業者の双方に対して未回収通知を行ったが、当該通知の対象を荷受人及び配達事業者のうち所定の一方としてもよい。
また、上記では第1の実施形態を変形した例を用いて説明したが、変形例7は、第2の実施形態又は第3の実施形態と組み合わせてもよい。第2の実施形態又は第3の実施形態に組み合わせる場合において、代替配達時刻が設定されている場合には、ステップS116では、代替配達時刻から所定時間経過後に荷物が未回収となっているか否かを判別すればよい。
【0150】
以上のように、変形例7に係る配達管理サーバ10の制御部11は、配達後の荷物が所定の時間までに回収されなかった場合に、荷物が未回収である旨の通知を荷受人及び配達事業者の少なくとも一方に対して行う(通知部11c)。
これにより、通知を受けた荷受人及び/又は配達事業者は、荷物に対する必要な措置、例えば配達事業者が荷物を回収して再配達の手配を行うなどの措置を行うことができる。
【0151】
(その他)
なお、本発明は、上記実施形態及び変形例に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、荷受人が事前に電子商取引サイトなどにおいて商品の購入手続を行っており、配達事業者サーバ30からの配達準備完了通知をトリガーとして端末装置20が配達管理サーバ10に対して経路検索指示などを通知したが、これに限定する趣旨ではない。
一例を挙げると、商品の注文と、指定配達場所への商品の配達指示とを同時に行うサービスにおいて、商品の配達場所への配達に本発明を適用してもよい。この場合には、図5のステップS102において、併せて商品の購入手続が行われればよい。また、ステップS101の処理は行われない。このようなサービスとしては、例えば、提携飲食店のメニューを指定配達場所に配達するオンラインフードデリバリーサービスや、駅の構内で販売されている商品を遠隔地から注文して指定した駅のロッカーで受け取ることのできるサービスなどが挙げられる。
また、必ずしも商品の購入手続を伴わなくてもよく、例えば、荷受人である旅行者が、自身の荷物を移動先(例えばホテル)にて受け取れるように荷物を配達するサービスにおいて本発明を適用してもよい。
【0152】
また、荷受人の移動経路における移動手段として列車を例示したが、移動手段は、飛行機、バス又は船舶などの他の公共交通機関であってもよい。また、移動手段に自家用車、自転車又は徒歩などが含まれていてもよい。
【0153】
また、配達事業者による荷物の配達手段は、特には限られず、トラックなどの車両であってもよいし、貨物列車や新幹線などの列車であってもよい。
【0154】
また、配達事業者から荷受人に荷物が直接引き渡される場合の配達場所として荷受人の自宅を例示したが、これに限られず、職場などの任意の地点を指定配達場所とすることができる。
【0155】
また、荷受人に対する配達予定の通知は、プッシュ通知といった端末装置20への直接の通知に代えて、荷受人のメールアドレスへのメール送信などにより行われてもよい。
【0156】
また、配達管理サーバ10の制御部11が、経路検索部11a、配達時刻設定部11b、通知部11c、判別部11d、配達調整部11e、配達再調整部11f、受付部11g、移動経路設定部11h、車両特定部11i、及びロッカー特定部11jとして機能する例を挙げて説明したが、これに限られず、これらのうち一部の機能が別個の情報処理装置の制御部により実現されてもよい。
【0157】
また、ロッカー管理データ14bを配達管理サーバ10の制御部11が更新して管理する例を用いて説明したが、これに限られず、例えば外部サーバで管理されているロッカー管理データ14bの内容を配達管理サーバ10の制御部11が取得して参照してもよい。
【0158】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
【符号の説明】
【0159】
1 配達管理システム
10 配達管理サーバ(配達管理装置)
11 制御部
11a 経路検索部
11b 配達時刻設定部
11c 通知部
11d 判別部
11e 配達調整部
11f 配達再調整部
11g 受付部(第1の受付部、第2の受付部)
11h 移動経路設定部
11i 車両特定部
11j ロッカー特定部
12 操作部
13 表示部
14 記憶部
14a プログラム
14b ロッカー管理データ
15 通信部
20 端末装置
21 制御部
21a 端末通知部
30 配達事業者サーバ
31 制御部
R1、R2 路線
Sa~Sf 駅
r 移動経路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図18
図19
図20