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特許7599942自動倉庫システム、自動倉庫システムの制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】自動倉庫システム、自動倉庫システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 60/00 20060101AFI20241209BHJP
   B65G 1/04 20060101ALI20241209BHJP
【FI】
B65G60/00 C
B65G1/04 521
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020218530
(22)【出願日】2020-12-28
(65)【公開番号】P2022103724
(43)【公開日】2022-07-08
【審査請求日】2023-11-15
(73)【特許権者】
【識別番号】503002732
【氏名又は名称】住友重機械搬送システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100116274
【弁理士】
【氏名又は名称】富所 輝観夫
(72)【発明者】
【氏名】渡部 伸二
(72)【発明者】
【氏名】柴田 裕輔
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-272719(JP,A)
【文献】特開2013-184822(JP,A)
【文献】特開2020-200125(JP,A)
【文献】特開2019-048375(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 57/00 - 60/00
B65G 1/00 - 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミシン目が設けられた面と、ミシン目が設けられていない面と、を有する特定荷を保管可能な収容部を複数含む棚部と、
前記特定荷のうちミシン目が設けられない面を上面として、当該上面を吸着保持して別の荷が載置された載置部へ移動させるピッキング手段と、
を備える、自動倉庫システム。
【請求項2】
ミシン目が設けられた面と、ミシン目が設けられていない面と、を有する特定荷を保管可能な収容部を複数含む棚部と、
前記特定荷のうちミシン目が設けられない面を保持して別の荷が載置された載置部へ移動させるピッキング手段と、
を備え、
前記ピッキング手段は、特定荷の底面が上側となるように反転された反転荷を保持して別の荷が載置された載置部へ移動させ、
更に、前記反転荷と前記別の荷とを合わせてなる荷の集合体を前記棚部から搬出する搬送手段と、
を備える、自動倉庫システム。
【請求項3】
前記ピッキング手段は、前記反転荷の底面を保持する、請求項2に記載の自動倉庫システム。
【請求項4】
前記ピッキング手段は、前記反転荷の底面を吸着する、請求項3に記載の自動倉庫システム。
【請求項5】
前記ピッキング手段は、前記移動させた特定荷の側方を保持する、請求項1から4のいずれか1項に記載の自動倉庫システム。
【請求項6】
荷を上下に反転させる反転手段をさらに備え、
前記反転手段は、平面視において前記棚部と重複する位置に設けられ、前記棚部に収容された特定荷を反転させる、請求項1から5のいずれか1項に記載の自動倉庫システム。
【請求項7】
前記複数の収容部は、行方向、列方向および段方向に沿って配置されており、
前記搬送手段は、前記集合体を前記行方向、前記列方向および前記段方向に移動させることにより前記棚部から搬出する、請求項2から4のいずれか1項に記載の自動倉庫システム。
【請求項8】
前記搬送手段は、前記集合体を前記行方向に沿って移動させる第1移動手段と、前記集合体を前記列方向に沿って移動させる第2移動手段と、前記集合体を前記段方向に移動させる第3移動手段と、を有する、請求項7に記載の自動倉庫システム。
【請求項9】
前記搬送手段は、前記集合体を前記行方向に沿って移動させる第1移動手段と、前記集合体を前記列方向に沿って移動させる第2移動手段と、を含み、
前記第2移動手段は、前記集合体を前記段方向に移動させる昇降機能を有する、請求項7に記載の自動倉庫システム。
【請求項10】
搬入された特定荷の底面の向きに関する底面方向情報を記憶する情報取得部を備え、
前記反転手段は、前記底面方向情報に基づいて、前記搬入された特定荷の底面が上向きの場合は、当該特定荷を反転させない、請求項6に記載の自動倉庫システム。
【請求項11】
前記反転手段は、前記ピッキング手段でピッキングされた特定荷の集合体を上下に反転させる第2反転手段を備える、請求項6に記載の自動倉庫システム。
【請求項12】
ミシン目が設けられた面と、ミシン目が設けられていない面と、を有する特定荷を保管可能な収容部を複数含む棚部を備えた自動倉庫システムの制御方法であって、
前記荷のうちミシン目が設けられない面を上面として、当該上面を吸着保持することと、
前記保持された荷を別の荷が載置された載置部へ移動させることと、
を備える、
自動倉庫システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動倉庫システムおよび自動倉庫システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
保管場所にある商品や一時的に置かれた商品等を出荷場所へ集めるためのピッキング装置を備えた自動倉庫システムが知られている。本出願人は、特許文献1において、荷を保管する保管棚と、荷を移動させるピッキング装置と、荷を保管棚から搬出する搬出装置とを備える自動倉庫システムを開示している。このピッキング装置は、第1収容部に保管された荷を、別の荷が保管された第2収容部へ移動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6639721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は、自動倉庫システムについて以下の認識を得た。
自動倉庫システムにて、段ボールなどのケースに包まれた荷を取り扱う場合に、ケースの上面にミシン目等が設けられていることで上面の強度が低い場合がある。この場合に、荷を移し替えるなど荷扱い時に荷のケースが破損する可能性がある。
【0005】
これらから、本発明者は、自動倉庫システムには、荷扱い時の荷の破損を減らす観点で改善すべき余地があることを認識した。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、荷扱い時の荷の破損を減らすことが可能な自動倉庫システムを提供することを目的の一つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の、自動倉庫システムは、荷を保管可能な収容部を複数含む棚部と、荷の底面が上側となるように反転された反転荷を保持して別の荷が載置された載置部へ移動させるピッキング手段と、反転荷と別の荷とを合わせてなる荷の集合体を棚部から搬出する搬送手段と、を備える。
【0008】
本発明の別の態様は、自動倉庫システムの制御方法である。この方法は、荷を保管可能な収容部を複数含む棚部を備えた自動倉庫システムの制御方法であって、荷の底面を上向きに反転させることと、荷の底面が上向きとなるように反転された反転荷を保持して別の荷が載置された載置部へ移動させることと、反転荷と別の荷とを合わせてなる荷の集合体を棚部から搬出することと、を備える。
【0009】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、荷扱い時の荷の破損を減らすことが可能な自動倉庫システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係る自動倉庫システムを概略的に示す平面図である。
図2】複数の荷が積層された荷姿の一例を示す斜視図である。
図3図1の自動倉庫システムの第1移動手段の一例を概略的に示す正面図である。
図4図1の自動倉庫システムの第2移動手段の一例を概略的に示す正面図である。
図5図1の反転手段の一例を概略的に示す側面図である。
図6図1のピッキング手段の一例を示す平面図と側面図である。
図7図1のピッキング手段の取出ユニットを示す底面図である。
図8】吸着状態で取出ユニットを上昇させた状態を示す図である。
図9図1のピッキング手段のピッキング動作の一例を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
まず、本開示の概要を説明する。自動倉庫システムにて、内容部を収容した段ボールなどのケース(以下、「荷」という)を取り扱う場合に、荷の上面(反底面)は、開封しやすくするためにミシン目等が設けられている場合がある。このため上面は底面より強度が低い場合が多い。この場合に、荷を移し替えるなど荷扱い時に、上面を上側から吸着して移動させると上面のミシン目等が破損する可能性がある。本開示の自動倉庫システムは、反転により、比較的強度が高い底面を上向にし、底面を上側から吸着して移動させる。このことにより、荷扱い時の荷の破損を減らすことができる。以下、実施形態を参照して詳述する。
【0013】
以下、本発明を好適な実施形態をもとに各図面を参照しながら説明する。実施形態および変形例では、同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0014】
また、第1、第2などの序数を含む用語は多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、この用語によって構成要素が限定されるものではない。
【0015】
[実施形態]
図面を参照して実施形態に係る自動倉庫システム1の構成を説明する。図1は、実施形態に係る自動倉庫システム1を概略的に示す平面図である。
【0016】
説明の便宜上、図示のように、水平なある方向をX軸方向、X軸方向に直交する水平な方向をY軸方向、両者に直交する方向すなわち鉛直方向をZ軸方向とするXYZ直交座標系を定める。X軸、Y軸、Z軸のそれぞれの正の方向は、各図における矢印の方向に規定され、負の方向は、矢印と逆向きの方向に規定される。また、X軸に沿った方向を列方向と、Y軸に沿った方向を行方向と、Z軸に沿った方向を段方向(上下方向)ということがある。このような方向の表記は自動倉庫システム1の構成を制限するものではなく、自動倉庫システム1は、用途に応じて任意の構成で使用されうる。
【0017】
本明細書では、荷について下記の用語を用いる。内容物を収容した段ボール等のケースを「荷」という。荷には複数の物品が収容されてもよい。内容物を取り出すために開封されることが想定された面を「反底面」という。反底面は、上面や天井面と称されることがある。荷の底面は、反底面とは反対側の面をいう。荷の反底面が上向きで荷の底面が下向きの状態を非反転状態という。荷の底面が上向きで荷の反底面が下向きの状態を反転状態という。反転状態、非反転状態に関わらず、上側を向いている面を「上向面」といい、下側を向いている面を「下向面」という。したがって、反転状態では、荷の反底面は下向面で、荷の底面は上向面である。荷の反底面は、荷の底面よりも開封容易に構成されうる。荷の底面は、荷の反底面よりも強度を高く構成されうる。表示方法の一例として、ケースの側面に印字された文字が反転した向きであれば反転状態であり、ケースの側面に印字された文字が普通に読める向きであれば非反転状態であるとしてもよい。
【0018】
また、空荷のパレットを単に「パレット12j」という。一のパレット12j上に荷10が単数または複数載置されたものを「荷載パレット12」という。荷載パレット12は、荷10を複数含む荷の集合体を例示している。荷載パレット12はパレット12jとパレット12j上の荷10とを合わせたものを指している。荷載パレット12は、積層された複数の層から構成されてもよく、各層は複数の荷10を含んでもよい。例えば、荷載パレット12は、3つの層のそれぞれに6個の荷10を含んでいる。荷載パレット12は、自動倉庫システム1において、入庫、保管、出庫される最小単位であってもよい。荷10はピッキングを行うときに取り扱いされる最小単位であってもよい。
【0019】
図2は、複数の荷10が積層された荷姿の一例を示す斜視図である。図2の例では、反底面102が上向面で、底面104が下向面である非反転状態の荷10を示す。
【0020】
図1に示すように、自動倉庫システム1は、反転用空間202と、判定エリア204と、棚部22と、ピッキング空間302と、第1移動手段14(例えば、第1台車)と、第2移動手段16(例えば、第2台車)と、第3移動手段18(例えば、昇降装置)と、反転手段20(例えば、反転装置)と、ピッキング手段30(例えば、ピッキング装置)と、制御部50とを備える。
【0021】
反転用空間202は、反転手段20を用いて荷10の反転を行うためのスペースであり、この例では、棚部22の入出庫部52の前に設けられる。判定エリア204は、反転用空間202の前に設けられる。判定エリア204は、カメラ等を含む判定手段56を用いて、搬入された荷に関する画像情報等を取得し、取得した画像情報等と後述する情報管理部48に記憶された底面方向情報Jbと照合して、荷10を反転させるか否かを判定する。反転手段20は、判定手段56で反転不要と判定された場合は、荷を反転せずに入出庫部52に移動し、反転必要と判定された場合は、荷を反転して入出庫部52に移動する。
【0022】
第1移動手段14、第2移動手段16および第3移動手段18は、荷載パレット12(荷10の集合体)を、行方向、列方向および段方向に移動させる搬送手段8を構成する。第1移動手段14は、荷載パレット12を行方向に沿って移動させうる。第2移動手段16は、荷載パレット12を列方向に沿って移動させうる。第3移動手段18は、荷載パレット12を段方向に移動させうる。
【0023】
例えば、搬送手段8は、荷10の集合体を棚部22の収容部26から搬出できる。例えば、搬送手段8は、荷10の集合体を棚部22の収容部26に搬入できる。例えば、搬送手段8は、荷10の集合体を棚部22の一の収容部26から棚部22の他の収容部26に搬送できる。
【0024】
棚部22は、多数の荷10を保管可能な保管スペースであり、保管棚と称されることがある。本実施形態の棚部22は、第2走行路44を挟んで分割された、2つの棚部22a、22bを含む。棚部22の構成は、複数の荷10を収容、保管可能であれば、特に限定されない。棚部22は、X軸方向(列方向)、Y軸方向(行方向)およびZ軸方向(段方向)に沿って配列された複数の収容部26を含む。各収容部26は、荷載パレット12を収容可能に構成されている。
【0025】
棚部22には、第1移動手段14が走行するための第1走行路40(例えば、第1レール)と、第2移動手段16が走行するための第2走行路44(例えば、第2レール)とが設けられる。第1走行路40は、棚部22a、22bおよびピッキング空間302においてY軸方向に延設される。第1移動手段14は、各収容部26の下部を走行できる。第2走行路44は、棚部22a、22bおよびピッキング空間302に隣接してX軸方向に延設される。
【0026】
(第1移動手段)
図3は、第1移動手段14の一例を概略的に示す正面図である。第1移動手段14は、モータ(不図示)によって複数の車輪14fを駆動し、空荷または荷載パレット12を搭載した状態で第1走行路40をY軸方向に走行する。第1移動手段14は、リフト機構14dによって載置台部14c上の荷載パレット12を昇降させる。図3において、上昇状態の載置台部14cを破線で示し、降下状態の載置台部14cを実線で示す。第1移動手段14は、荷載パレット12を収容部26に降ろすことができる。第1移動手段14は、荷載パレット12を収容部26から持上げて支持することができる。第1移動手段14は、第2移動手段16および第3移動手段18に乗降できる。
【0027】
(第2移動手段)
図4は、第2移動手段16の一例を概略的に示す正面図であり、第1移動手段14を搭載した状態を示している。第2移動手段16は、モータ(不図示)によって複数の車輪16fを駆動し、第2走行路44をX軸方向に走行する。第2移動手段16は、空荷の状態または荷載パレット12を搭載した状態の第1移動手段14を移送する。
【0028】
(第3移動手段)
図1に示すように、第3移動手段18は、第2走行路44に隣接して設けられる。第3移動手段18は、第1移動手段14および荷載パレット12を任意の収容段から他の収容段に昇降させることができる。図1の例では、全段に対して単一の入出庫部52が設けられ、入出庫部52に第3移動手段18が連設されている。
【0029】
この例では、入庫対象の荷載パレット12は、外部搬送手段54(例えば、フォークリフト)によって入出庫部52に搬入され、第3移動手段18によって目的の段に移送される。また、出庫対象の荷載パレット12は、保管されていた段から第3移動手段18によって入出庫部52の段に昇降され、入出庫部52に移送され、入出庫部52から外部搬送手段54によって運び出される。
【0030】
第3移動手段18は、荷載パレット12を伴った第1移動手段14を、最上収容段を含む各収容段に移送できる。各収容段に移送された第1移動手段14は、荷載パレット12を伴って各収容段の第2移動手段16に移動する。
【0031】
図1に戻る。制御部50は、MPU(Micro Processing Unit)などを含んで構成され、ユーザからの操作結果に基づき、入庫、出庫、搬出、移送等のために荷載パレット12の移動を制御する。一例として、制御部50は、入出庫用の領域と収容部との間や、複数の収容部間で荷載パレット12を移送するように、第1移動手段14、第2移動手段16および第3移動手段18の動作を制御する。また、制御部50は、荷10を反転するために反転手段20の動作を制御する。また、制御部50は、荷10をピッキングするためにピッキング手段30の動作を制御する。
【0032】
図1図5を参照して、反転手段20の一例を説明する。なお、この説明では、空のパレット12jを区別するために、符号の末尾に「-A」、「-B」を付して表記する。一例として、この反転プロセスでは、別の空のパレット12j-Bを用いる。図5は、反転手段20の一例を示す図である。先に、反転用空間202を説明する。図1に示すように、反転用空間202は、反転手段20を用いて荷10の反転を行うためのスペースであり、本実施形態では棚部22外に設けられている。反転手段20は、棚部22に収納する前のコンベア搬送中もしくは、入庫直後に第3移動手段18の前で荷を反転してもよい。反転手段20は、個々の荷10を反転するものであってもよいが、ここでは、パレット12j-Aに載せられた荷の集合体(荷載パレット12)を単位として反転する例を説明する。
【0033】
反転対象の荷載パレット12は、外部搬送手段54によって反転用空間202のベルトコンベア(不図示)などの搬送手段に搬入される。本実施形態の反転用空間202には、載置部26uが設けられている。反転前の荷載パレット12は、外部搬送手段54によって載置部26uに運び入れされる。反転後の荷載パレット12は、ベルトコンベアによって載置部26uから運び出される。本実施形態の反転手段20は、ガントリ型等のクレーン機構を有しないスタンドアローンの機構である。
【0034】
図5(A)~(D)を参照して反転手段20の反転動作を説明する。
【0035】
(1)反転前の荷載パレット12を載置部26uに運び入れる。反転前の荷載パレット12では、反底面102は上向面で、底面104は下向面である。
(2)次に、反転前の荷載パレット12の上に空のパレット12j-(B)を載せる(図5(B))。
(3)次に、荷載パレット12を上下に反転して載置部26uに降ろす(図5(C))。このとき、荷崩れを防ぐために、パレット12j-(A)とパレット12j-(B)に上下から圧力を加えながら荷を反転させてもよい。
(4)次に、パレット12j-(A)を外す(図5(D))。反転後の荷載パレット12では、底面104は上向面で、反底面102は下向面である。
このように反転された荷載パレット12は、載置部26uから入出庫部52に移送される。荷載パレット12が移送されることによって反転動作は終了する。
【0036】
図1に戻る。本実施形態の自動倉庫システム1は、搬入された荷10の底面104の向きに関する底面方向情報Jbを取得する情報管理部48を備えている。図1の例では、情報管理部48は、制御部50に設けられている。底面方向情報Jbは、搬入された荷10の底面104が、下向か上向かの情報である。情報管理部48は、外部の情報システムから提供される底面方向情報Jbを取得してもよい。情報管理部48には、オペレータにより底面方向情報Jbが入力されてもよい。底面方向情報Jbは、各収容部26の保管物情報と紐付けられた情報テーブルとして情報管理部48に記憶されてもよい。
【0037】
本実施形態の反転手段20は、情報管理部48に記憶された底面方向情報Jbに基づいて、荷10を反転させるか否かを判定できる。この例では、反転手段20は、搬入された荷10の底面104が上向きの場合は、当該荷10を反転させずに棚部22の収容部26に保管する。この場合も、ピッキング手段30は、荷10の底面104を上側から吸着して別の荷が保管された載置部へ移動させる。
【0038】
図1図6を参照して、ピッキング手段30の構成を説明する。先に、ピッキング空間302を説明する。図1の例では、ピッキング空間302は、棚部22aに設けられるピッキング空間302aと、棚部22bに設けられるピッキング空間302bとを含む。ピッキング空間302は、1つの棚部に設けられてもよいし、棚部の一部に設けられてもよい。図6(A)は、ピッキング手段30を拡大して示す平面図である。図6(B)は、ピッキング手段30を拡大して示す側面図である。これらの図では、一部の柱や梁などの記載を省略している。ピッキング空間302は、ピッキング手段30を用いてピッキングを行うためのスペースであり、本実施形態では棚部22内に設けられている(図1も参照)。ピッキング空間302には、ピッキング前の荷載パレット12(以下、「第1荷載パレット12S」という)を載置するための第1載置部26pと、ピッキング後の荷載パレット12(以下、「第2荷載パレット12M」という)を載置するための第2載置部26sとが設けられる。
【0039】
なお、第1載置部26pおよび第2載置部26sは、ピッキング空間302内の特定の場所を指すものではなく、荷載パレット12を一時的に保管するスペースを指している。したがって、ピッキング空間302における第1載置部26pおよび第2載置部26sの位置や範囲はピッキング作業ごとに変化する場合もある。本実施形態の第1載置部26pおよび第2載置部26sは、収容部26と同様の構成を有する。
【0040】
本実施形態のピッキング空間302には、第1走行路40がY軸方向に延設されている。第1載置部26pおよび第2載置部26sは、第1走行路40上に設けられている。第1移動手段14は、第1載置部26pおよび第2載置部26sの下部を走行できる。ピッキング前の第1荷載パレット12Sは、第1移動手段14によって第1載置部26pに運び入れされる。ピッキング後の第2荷載パレット12Mは、第1移動手段14によって第2載置部26sから運び出される。
【0041】
ピッキング手段30の構成を説明する。ピッキング手段30は、反転手段20で反転された反転荷10の底面104を保持するように構成される。この例のピッキング手段30は、反転荷10の底面104を吸着するように構成される。ピッキング手段30は、反転荷10の側方を保持するように構成されてもよい。具体的には、ピッキング手段30は、反転手段20で反転された荷10の上向面を上側から吸着して別の荷10が保管された載置部へ移動させる。このとき、底面104が上向面である場合もあるし、上反底面が102向面である場合もある。これらは、荷10の性質によって選択するようにしてもよい。
【0042】
具体的には、図6(B)に示すように、ピッキング手段30は、ピッキング前の第1荷載パレット12Sから荷10をピッキングして第2荷載パレット12Mへ移載する。
【0043】
図6(B)に示すように、本実施形態のピッキング手段30は、いわゆるガントリ型のクレーン機構を含んでいる。ピッキング手段30は、一対の横梁30eと、横桁30kと、クレーン台車30dと、吊下げ部30jと、取出ユニット30hとを備える。一対の横梁30eは、ピッキング空間302の上部空間においてY軸方向両側に離隔して設けられる。横梁30eの両端は、縦柱30gの上端に支持される。
【0044】
横桁30kは、Y軸方向に延びるレール状の構造体で、一対の横梁30eの間に架け渡される。横桁30kは、横梁30e上をX軸方向に自走可能に構成される。横桁30kは、クレーンガータと称されることがある。クレーン台車30dは、横桁30k上をY軸方向に自走可能な台車である。クレーン台車30dは、トロリ台車と称されることがある。吊下げ部30jは、取出ユニット30hをクレーン台車30dに吊下げるとともにZ軸方向に上下動させることができる。また、吊下げ部30jは、取出ユニット30hを水平に回転させることができる。取出ユニット30hは、吊下げ部30jの先端に設けられ、荷10を持上げ可能に構成される。
【0045】
ピッキング手段30は、取出ユニット30hを水平な列方向および行方向(X軸方向、Y軸方向)に自在に移動可能に支持している。また、ピッキング手段30は、取出ユニット30hを段方向(Z軸方向)に移動可能に支持している。
【0046】
取出ユニット30hを説明する。図7は、取出ユニット30hを示す底面図である。取出ユニット30hは、底面視で略矩形形状を有する。取出ユニット30hの底面には、複数の吸着部30sがX軸方向およびY軸方向にマトリックス状に配置される。複数の吸着部30sは、それぞれが吸着力の大きさを調整可能である。なお、吸着部30sは、複数の区画に分割されていてもよい。吸着部30sは、空気を吸入することによって吸着力を発生させる構成であってもよい。
【0047】
一例として、吸着部30sは、荷10を吸着可能な吸着力を発生するオン状態と、吸着力を実質的に発生しないオフ状態とを個々に切替可能に構成されうる。取出ユニット30hは、複数の吸着部30sの吸着力を個々に調整して荷10を吸着する吸着範囲を変更可能に構成されうる。また、取出ユニット30hは、吸着力の発生領域を調整して、一層のすべての荷10、一部の荷10または単独の荷10を吸着・保持可能に構成されうる。
【0048】
ピッキング手段30の取出ユニット30hは、荷10をピッキングする過程において、荷10を吸着して荷10を持上げて移載する移載動作を実行する。移載動作は、荷10を吸着した状態で取出ユニット30hを昇降させる。図8は、荷10を吸着した取出ユニット30hを上昇させた状態を示す図である。この図に示すように、ピッキング手段30は、取出ユニット30hで荷10を吸着して荷10を持上げることができる。ピッキング手段30は、持上げた状態の荷10を移載元のパレットから移載先のパレットに移載できる。
【0049】
次に、図9を参照して、ピッキング手段30のピッキング動作の一例を説明する。図9は、一例のピッキング動作S140を説明する説明図である。この例のピッキング動作は、出荷計画に基づいて第1荷載パレット12Sから荷10を取り出し、販売店などの仕向先に出荷するための第2荷載パレット12Mを作成する動作である。なお、この説明では、荷、パレットおよび収容部を区別するために、符号の末尾に「-A」、「-B」、「-C」を付して表記する。図9では、荷10-Aを白抜きで、荷10-Bを直線ハッチングで、荷10-Cを破線ハッチングで示す。
【0050】
(1)搬送手段8(特に、第1移動手段14および第2移動手段16)によって、棚部22aに保管されている第1荷載パレット12Sをピッキング空間302の第1載置部26pに移送する。この例では、互いに異なる種類の荷10-A、10-B、10-Cが積載された第1荷載パレット12S-A、12S-B、12S-Cを、第1載置部26p-A、26p-B、26p-Cに移送する。
【0051】
(2)ピッキング空間302の第2載置部26sに、第2荷載パレット12Mを作成するための空のパレット12jを置く。
【0052】
(3)ピッキング手段30の移載動作によって、第1荷載パレット12S-Aから所要数の荷10-Aを取り出して、空のパレット12jに載せて第2荷載パレット12Mを作成する。
【0053】
(4)ピッキング手段30の移載動作によって、第1荷載パレット12S-Bから所要数の荷10-Bを取り出して、荷10-Aが置かれた第2荷載パレット12Mに載せる。
【0054】
(5)ピッキング手段30の移載動作によって、第1荷載パレット12S-Cから所要数の荷10-Cを取り出して、荷10-A、10-Bが置かれた第2荷載パレット12Mに載せる。
【0055】
上述の(3)~(5)において、必要に応じて取出ユニット30hを水平に回転させて荷10-A、10-B、10-Cの姿勢を変更してもよい。
【0056】
(6)第2荷載パレット12Mが完成したら、第2荷載パレット12Mを所定の領域に移送する。例えば、第2荷載パレット12Mを棚部22bに移送して一時保管してもよいし、入出庫部52に移送して倉庫外部に搬出してもよい。第2荷載パレット12Mの移送には第1移動手段14、第2移動手段16および第3移動手段18を使用してもよいし、フォークリフトなど別の移送手段を使用してもよい。これらの動作によりピッキング動作は終了する。
【0057】
本実施形態のピッキング手段30は、吸着力によって対象の荷10を取り出すので、コンベアを使用せずにピッキング手段を構成することが可能になり、自動倉庫の省スペース化に有利である。また、吸着範囲を変更できるので、吸着範囲について異なる態様で荷10を持ち上げることができる。
【0058】
取出ユニット30hは、対象の荷10を上方に取り出しできるので、側方スペースを殆ど使用せずに作業できる。比較的余裕のある上方スペースを有効に使用できるので、取出ユニット30hを設置するための専用スペースを減らせ、省スペース化に有利である。
【0059】
(入庫動作)
次に、図1を参照して、自動倉庫システム1の入庫動作の一例を説明する。この例では、トラック等(不図示)により外部から運搬され入荷された荷載パレット12(例えば、単載パレット12S)を棚部22の目的の収容部26に保管するプロセスを説明する。
(1)製造工場で作成された荷載パレット12は、トラック等によって自動倉庫システム1に運ばれ、外部搬送手段54によって入出庫部52に搬入される。
(2)次に、入出庫部52に搬入された荷載パレット12は、第3移動手段18により反転用空間202の段(例えば、最上段)に移送される。この際、荷載パレット12は、第1移動手段14に積まれ状態で第3移動手段18に載せられてもよいし、単独で第3移動手段18に載せられてもよい。
(3)次に、荷載パレット12は、第1移動手段14と第2移動手段16とにより反転用空間202の載置部26uに運び入れされる。
(4)次に、載置部26uに運び入れされた荷載パレット12を反転動作S120により上下反転させる。
(5)次に、反転後の荷載パレット12を、第1移動手段14、第2移動手段16および第3移動手段18によって所定の収容部26に移送して収容する。
【0060】
これらの動作により入庫動作が終了する。入庫動作において、第1移動手段14、第2移動手段16および第3移動手段18は、制御部50に制御される。
【0061】
収容部26に保管された荷載パレット12(例えば、単載パレット12S)は、ピッキング手段30のピッキング動作S140によって、出荷計画に基づく、混載パレット12Mに積み替えされる。積み替えされた混載パレット12Mは、棚部22に一時保管されてもよいし、下記の出庫動作により出庫されてもよい。以下の例は、棚部22に一時保管された後に出庫動作により出庫される例を示す。
【0062】
(出庫動作)
次に、図1を参照して、自動倉庫システム1の出庫動作の一例を説明する。この例では、棚部22の収容部26に保管されている混載パレット12Mをトラック等に積み入れするプロセスを説明する。
(1)棚部22の収容部26に保管されている混載パレット12Mを、第1移動手段14、第2移動手段16および第3移動手段18によって入出庫部52に移送する。
(2)入出庫部52に移送された混載パレット12Mを、外部搬送手段54によってトラック等に積み入れする。
(3)トラック等に積み入れされた混載パレット12Mは、仕向先に出荷される。
【0063】
これらの動作により出庫動作が終了する。出庫動作において、第1移動手段14、第2移動手段16および第3移動手段18は、制御部50に制御される。
【0064】
以上のように構成された自動倉庫システム1の特徴を説明する。自動倉庫システム1は、自動倉庫システム1は、荷を保管可能な収容部26を複数含む棚部22と、荷の底面が上側となるように反転された反転荷を保持して別の荷が載置された載置部へ移動させるピッキング手段30と、反転荷と別の荷とを合わせてなる荷の集合体を棚部から搬出する搬送手段8と、を備える。
【0065】
この構成によれば、反転により、比較的強度が高い底面104を上向にし、底面104を上側から吸着して移動させるため、荷扱い時の荷10の破損を減らすことができる。
【0066】
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明した。前述した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体例を示したものにすぎない。実施形態の内容は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、請求の範囲に規定された発明の思想を逸脱しない範囲において、構成要素の変更、追加、削除等の多くの設計変更が可能である。前述の実施形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「実施形態の」「実施形態では」等との表記を付して説明しているが、そのような表記のない内容に設計変更が許容されないわけではない。また、図面に付したハッチングは、ハッチングを付した対象の材質を限定するものではない。
【0067】
(変形例)
以下、変形例を説明する。変形例の図面および説明では、実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。実施形態と重複する説明を適宜省略し、実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
【0068】
実施形態の説明では、自動倉庫内で荷を反転する例を反転する例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、反転手段を自動倉庫の外に設け、予め反転された状態で荷を入荷するようにしてもよい。この場合、判定エリア204において、入荷する荷に関する画像情報等を取得し、取得した画像情報等とデータベース情報と照合して、反転不要かを判定してもよい。反転不要の場合は荷をそのまま保管し、反転必要の場合には荷を反転してから保管するようにしてもよい。
【0069】
実施形態の説明では、反転用空間202が棚部22外に設けられている例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、反転用空間202は、棚部22内に設けられてもよい。例えば、反転手段20は、平面視において棚部22と重複する位置に設けられてもよい。例えば、反転用空間202は、最上段の棚部22に設けられてもよい。
【0070】
実施形態の説明では、反転手段20は、クレーン機構を備えない例を示したが、本発明はこれに限定されず、反転手段20は、いわゆるガントリ型のクレーン機構を含んでもよい。
【0071】
実施形態の説明では、入庫された荷載パレット12を、入庫後直ぐに反転して、反転後の荷載パレット12を保管する例を示したが、これに限定されない。入庫された荷載パレット12を棚部22に一時保管し、その後に反転してもよい。例えば、棚部22に保管された反転前の荷載パレット12を、反転動作S120により反転し、反転した後(例えば、直後)にピッキング動作S140に供するようにしてもよい。つまり、保管された反転前の荷載パレット12を、ピッキング動作S140の前(例えば、直前)に反転動作S120により反転するようにしてもよい。
【0072】
実施形態の説明では、入庫された荷載パレット12を、反転する反転手段20を備える例を示したが、これに限定されない。例えば、ピッキング手段30でピッキングされた荷載パレット12(荷の集合体)を上下に反転させる第2反転手段を備えてもよい。第2反転手段は、反転手段20とは別に設けられてもよいが、反転手段20を第2反転手段として兼用してもよい。第2反転手段を備えることにより、ピッキング後の反転状態の混載パレット12Mを、再反転して非反転状態にし、非反転状態の荷10が積まれた非反転状態の混載パレット12Mを出庫できる。反転状態で出庫するか、非反転状態で出庫するかは出荷計画情報に基づいて制御部50で判定してもよい。
【0073】
搬送手段8が、第2移動手段16と、第3移動手段18とを別個に備える例を示したが、これに限定されない。第2移動手段として、荷載パレット12(荷10の集合体)を段方向に移動させる昇降機能を有し、列方向に移動可能な移動手段(例えば、スタッカークレーン)を採用してもよい。この場合、スタッカークレーンは、第1移動手段を搭載できないものであってもよいし、荷載パレット12とともに第1移動手段を搭載可能なものであってもよい。
【0074】
実施形態の説明では、全段に対して単一の入出庫部52が設けられ、入出庫部52に第3移動手段18が連設される例を示したが、これに限定されない。各段それぞれに入出庫部が設けられ、入出庫する荷は、フォークリフトによって各段の入出庫部に出し入れされてもよい。また、入出庫部は入庫部と出庫部とに分けられていてもよい。
【0075】
実施形態の説明では、荷載パレット12の全ての荷10の底面104が同じ向きである例を示したが、これに限定されない。荷載パレット12の荷10は、底面104が上向の荷10と下向の荷10とが混在してもよい。この底面104の向きに関する情報は、底面方向情報Jbに含まれて、情報管理部48に記憶されてもよい。
【0076】
実施形態の説明では、ピッキング手段30が、第1荷載パレット12Sから取り出した荷10を第2荷載パレット12Mに移載する例を示したが、ピッキング手段30による荷10の移載先はパレットに限定されない。例えば、ピッキング手段30は、取り出した荷10をベルトコンベアなどに移載してもよいし、フォークリフトやトラックの荷台に移載してもよいし、第1移動手段14などの自走可能な台車上に移載してもよい。
【0077】
実施形態の説明では、反転用空間202およびピッキング空間302が、棚部22と一体的に設けられる例を示したが、本発明はこれに限定されず、反転用空間202またはピッキング空間302は、棚部22から離隔して設けられてもよい。この場合、荷載パレット12は、フォークリフトなどの搬送機構によって、棚部22と反転用空間202、ピッキング空間302との間で搬送されてもよい。
【0078】
実施形態の説明では、反転用空間202およびピッキング空間302が棚部22と同じ平面に設けられる例を示したが、本発明はこれに限定されず、反転用空間202またはピッキング空間302は棚部22とは異なる平面に設けられてもよい。
【0079】
実施形態の説明では、取出ユニット30hが吸着力のみによって荷10を保持する例を示したが、本発明はこれに限定されず、取出ユニット30hは、反転荷を保持する態様であればよい。例えば、取出ユニット30hは、吸着力に加えて、アームとハンドとによって荷10を保持する構成であってもよい。
【0080】
実施形態の説明では、取出ユニット30hは、空気を吸入することによって吸着力を発生させて荷を保持しる例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、取出ユニット30hは、空気吸入の代わりに、磁石等の磁気的吸引力や、その他の物理的原理に基づく吸引力を用いるものであってもよい。
【0081】
実施形態の説明では、取出ユニット30hが反転荷の底面を吸着する例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、取出ユニット30hは、アームとハンドとによって反転荷の側方を保持してもよく、好ましくは反転荷の側方の底面に近い部分を保持してもよい。
【0082】
実施形態の説明では、ピッキング手段30が、ガントリ型のクレーン機構によって天井側から支持される例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、反転手段20またはピッキング手段は多関節ロボットや別構成の支持手段によって支持されてもよい。また、反転手段20またはピッキング手段は側方の横壁に取付けられ、側方から支持される構成であってもよい。
【0083】
実施形態の説明では、ピッキング動作が同一種の荷10の集合体(第1荷載パレット12S)から荷10を取り出して複数種の荷10の集合体(第2荷載パレット12M)を作成する例を示したが、本発明はこれに限定されない。ピッキング動作は、複数種の荷10の集合体から荷10を取り出す動作を含んでもよいし、取り出した荷10によって同一種の荷10の集合体を作成するものであってもよい。また、ピッキングによって作成された同一種の荷10の集合体を出庫するようにしてもよい。
【0084】
実施形態の説明では、ピッキング動作において、複数の第1載置部26p-A、26p-B、26p-Cから単一の第2載置部26sにピッキングを行う例を示したが、本発明はこれに限定されない。複数の第1載置部26pから複数の第2載置部26sにピッキングを行うようにしてもよい。
【0085】
実施形態の説明では、図9において、複数の第1載置部26p-A、26p-B、26p-Cが、Y軸方向に一列に配置される例を示したが、本発明はこれに限定されない。複数の第1載置部を一列に配置することは必須ではなく、それぞれ離隔して配置されてもよい。
【0086】
実施形態の説明では、ピッキング手段30の全体が棚部22の平面範囲に含まれる例を示したが、本発明はこれに限定されない。反転手段20またはピッキング手段30の一部または全部は棚部22の平面範囲から外へ張り出してもよい。
【0087】
これらの各変形例は、実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0088】
上述した各実施形態と変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施形態は、組み合わされる実施形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。
【符号の説明】
【0089】
1 自動倉庫システム、 8 搬送手段、 10 荷、 12 荷載パレット、 12M 混載パレット、 12S 単載パレット、 12j パレット、 14 第1移動手段、 16 第2移動手段、 18 第3移動手段、 20 反転手段、 22,26 収容部、 30 ピッキング手段、 30s 吸着部、 48 情報管理部、 50 制御部、 52 入出庫部、 102 反底面、 104 底面。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9