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特許7599954オートマチックトランスミッションのドライブトレインの状態のためのターゲットを選択するための方法
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  • 特許-オートマチックトランスミッションのドライブトレインの状態のためのターゲットを選択するための方法 図1
  • 特許-オートマチックトランスミッションのドライブトレインの状態のためのターゲットを選択するための方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】オートマチックトランスミッションのドライブトレインの状態のためのターゲットを選択するための方法
(51)【国際特許分類】
   F16H 61/02 20060101AFI20241209BHJP
   F16H 59/18 20060101ALI20241209BHJP
【FI】
F16H61/02
F16H59/18
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020567886
(86)(22)【出願日】2019-05-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-27
(86)【国際出願番号】 EP2019063840
(87)【国際公開番号】W WO2019233829
(87)【国際公開日】2019-12-12
【審査請求日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】1855033
(32)【優先日】2018-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
【住所又は居所原語表記】122-122 bis, avenue du General Leclerc, 92100 Boulogne-Billancourt, France
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ルフェーヴル, オーレリアン
【審査官】倉田 和博
(56)【参考文献】
【文献】特表2001-519012(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03299236(EP,A1)
【文献】米国特許第06558294(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 59/00-61/12、61/68-61/688
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在の状態と、ドライバからの加速要請を満たすために、いくつかの他の状態の中からターゲットとして最初に採用された状態である初期ターゲットとの間の遷移の段階において、オートマチックトランスミッションのドライブトレインのターゲット状態(CRT_GBX_DLS_TGT)を選択するための方法であって、前記初期ターゲットを排除して新しいターゲットを選択することが適切であるのかを判断して決定する裁定のアクティブ化の要求(DLS_TGT_CGE_DRB_REQ)が、
前記現在の状態と前記初期ターゲットとの間の状態の変更が前記オートマチックトランスミッションにおいて現在実行されており、かつ、
前記初期ターゲットが、前記ドライバによって要求された加速の応答時間と加速度の強度とに関する加速制約にもはや準拠していない場合に有効にされ、
前記初期ターゲットが、実行されている間に排除されたとき、
前記現在の状態に従って、新しいターゲットになる適格性がある状態に優先度係数を割り当てることによって、前記新しいターゲットになる適格性がある状態の適格性リストが決定され、
最も低い優先度係数が最適状態に与えられ、最も高い優先度係数が他の状態に与えられ、
前記適格性リストは、状態の変更中に、アクセルペダルの位置といった外部要求のために、必要になるであろう、ターゲットのあり得る変更を予想して確立されることを特徴とする、ドライブトレインのターゲット状態(CRT_GBX_DLS_TGT)の選択方法。
【請求項2】
前記新しいターゲット(CRT_GBX_DLS_TGT)が、前記適格性リストに含まれる状態の中から選択され、
前記新しいターゲットが、完全に実行されるまで、前記ドライブトレインに課される
こと
を特徴とする、請求項1に記載の選択方法。
【請求項3】
前記新しいターゲット(CRT_GBX_DLS_TGT)が、前記加速制約との準拠に従って確立された前記最適状態のリスト(AVL_DLS_AFTR_DRB_CGE_MIND)から選択されることを特徴とする、請求項2に記載の選択方法。
【請求項4】
前記新しいターゲットが、汚染除去の基準および/または電気或いは熱の消費量の基準に従って選択されることを特徴とする、請求項2または3に記載の選択方法。
【請求項5】
前記新しいターゲット(CRT_GBX_DLS_TGT)が選択されたとき、前記新しいターゲット(CRT_GBX_DLS_TGT)が、前記最適状態のリスト(AVL_DLS_AFTR_DRB_CGE_MIND)中のただ1つのみの適格性がある状態のままである、請求項1から4のいずれか一項に記載の選択方法。
【請求項6】
前記裁定の非アクティブ化要求(DLS_TGT_CGE_DRB_NOREQ)が、
択された前記新しいターゲットが、裁定中に排除された場合、または、
択された前記新しいターゲットが実行され、定められた期間の間、前記ドライブトレインの前記現在の状態のままである場合
有効にされることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の選択方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気/ハイブリッドまたは熱機関車両トランスミッション上のドライブトレイン状態変更の制御に関する。
【0002】
より詳細には、本発明の主題は、現在の状態と、ドライバからの加速要請を満たすために、いくつかの他の状態の中からターゲットとして最初に採用された状態との間の遷移の段階において、オートマチックトランスミッションのドライブトレインのターゲット状態を選択するための方法である。
【背景技術】
【0003】
個別ギア比をもつギアボックスが装備された車両上では、その車両が電気/ハイブリッドであろうと、熱機関であろうと、ドライブトレインの状態の変更の段階は、所与の車両アーキテクチャに固有のカプラとレデューサとの組合せとして定義され得る。アーキテクチャの複雑さに応じて、これらの遷移段階は最高で数秒間持続し得る。
【0004】
ドライブトレインの状態の変更が数秒間持続し得ることは、場合によっては、初期ターゲットが遷移中に廃棄され、新しいターゲットが選好されることを意味する。ターゲットの変更は様々な理由で起こり得る。それらの理由のうちの1つは、車両の移動の速度が遷移中に高くなりすぎて、信頼度の問題または他の危険をもたらすことである。
【0005】
遷移中のターゲットの変更がドライバからの加速要請の増加によるとき、この変更は、車両の挙動、およびその挙動がどのように知覚されるかに対して特に著しい影響を及ぼし得る。
【0006】
車両の加速を要求するドライバは、申し分のないレベルの実行とともに、妥当な時間内でそのことを予期する。状態の変更中、ボックスは遷移段階にある。ボックスは、さらには、そのボックスのターゲットに到達する前に、一続きになるべきいくつかの遷移ステージを有することができる。要求が遷移段階において変化した場合、ボックスは、実行時間が最初に予測可能でなかった、新しいターゲットを目的にすることができる。ボックスは、そのボックスの新しいターゲットに基づいて、異なるレベルでこの加速のために必要とされるトルクを供給することができる。すでに開始している、状態の変更中の、ボックスによる新しいターゲットの選定は、したがって、ドライバによって要求された加速が得られた際の遅延およびレベルに顕著な影響を及ぼす。
【0007】
米国公報第8,944,957号から、現在実行されているターゲットギア比がトルク要求の増加の後に消去されなければならないかどうかを決定することを可能にする方法が知られている。その方法はまた、ギアボックスの新しいターゲットがどのように実行されるかを示している。しかしながら、この公報は、どのように後者を選定するかを指定していない。
【0008】
英国公報第2 433 301号は、速度しきい値とアクセルペダルの位置とに基づいて、二重クラッチをもつギアボックスのギア比を決定するための特定の方法を記載している。選定は、複数のターゲット間のオプション、または遷移中にターゲットを変更する可能性なしに、個別的に行われる。
【0009】
しかしながら、これらの公報のいずれも、すでに進行中のドライブトレインの状態の変更の段階において、ドライバによって要求された加速を得るために、最良のターゲットドライブトレイン状態をどのように定義するかを規定していない。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、ドライバからの要求に応答して、応答時間と加速強度の基準に従って、ターゲットオートマチックトランスミッションギア比を選択することを目的とする。
【0011】
この目的のために、初期ターゲットを維持することと、新しいターゲットを選択することとの間の裁定(arbitrage)が、2つの以下の条件が満たされた場合にアクティブ化される。
現在の状態と初期ターゲットとの間の状態の変更がトランスミッションにおいて現在実行されている。
初期ターゲットが、ドライバによって要求された加速制約にもはや準拠していない。
【0012】
好ましくは、初期ターゲットCRT_GBX_DLS_TGTが、実行されている間に排除されたとき、
新しいターゲットになる適格性がある状態のリストが、ブリオ(brio)制約にリンクされた裁定AVL_DLS_AFTR_DRBに従って、それらの状態に優先度係数を割り当てることによって決定され、
新しいターゲットCRT_GBX_DLS_TGTが、適格性がある状態の中から選択され、
新しいターゲットが、完全に実行されるまで、ドライブトレインに課される。
【0013】
この方法は、離散的ギア比をもつオートマチックトランスミッションが装備された、任意の熱/ハイブリッド/電気車両に適用可能である。この方法は、利用可能な状態間の裁定、すなわち、それらの状態のうちのいくつかの許可と、他の状態の禁止とを課する。一連の連続的な裁定により、トランスミッションによって実行されるべきターゲットとしての適格性がある状態のセットを定義することが可能になる。裁定は、非限定的な様式で、
選定された運転モード(前進、後退など。)、
牽引器官(電気機械、熱機関など)の速度に関する信頼性限界、または、
アクセルペダルの位置または外部要求によって決定されるブリオ制約
に関することができる。
【0014】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照することによって、本発明の特定の実施形態の以下の説明から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】開発された手順(strategie)の流れ図である。
図2】開発された手順の適用例のタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の説明では、新しいターゲット選択の予備的裁定は、ブリオに関連する裁定である。この例では、1つの状態がドライバからの加速要請を適用することが不可能である場合、この状態は選択のために不適格であると考えられる。
【0017】
動作の進行は図1によって示されている。それらの動作は、トランスミッションが、現在の状態と、ドライバからの加速要請を満たすために、いくつかの状態の中から選定された初期ターゲットとの間の遷移段階中にすでにある間、いくつかの条件に従って、ドライブトレインの新しいターゲット状態CRT_GBX_DLS_TGTを選択することにある。この方法はいくつかのステップに分割される。この方法のシーケンスは、応答時間と強度とに関して、ドライバによって要求された加速制約に準拠することを可能にする、ドライブトレインの状態のリストの決定につながる。ブリオ制約にリンクされた可能な裁定の前のドライブトレインの状態の適格性リストはAVL_DLS_BFR_DRBと呼ばれる。適格性リストは、すでに着手されている状態の変更中に、ブリオ理由のために、必要になるであろう、ターゲットのあり得る変更を予想して確立される。ブリオ制約にリンクされた裁定の後の、適格性があるドライブトレイン状態のリストはAVL_DLS_AFTR_DRBである。
【0018】
ステップF1の目的は、状態の変更中にドライバからの加速要請を満たす適格性がある状態間の裁定がアクティブ化されるべきかどうかを決定することである。対応するアクティブ化要求はDLS_TGT_CGE_DRB_REQである。この要求は、以下の2つの条件が満たされた場合に有効になる。
ドライブトレインの状態の変更がトランスミッションにおいて現在実行されている(現在の状態CRT_GBX_DLSがターゲットCRT_GBX_DLS_TGTと異なる)。
ターゲット状態CRT_GBX_DLS_TGTが、ドライバによって要求された加速制約に準拠していないので、そのターゲット状態CRT_GBX_DLS_TGTが不適格であると考えられる。すなわち、ターゲット状態CRT_GBX_DLS_TGTは、ブリオ制約に関連する裁定の前(リストAVL_DLS_BFR_DRB)には適格であったが、裁定の後(リストAVL_DLS_AFTR_DRB)にはもはや適格でない。
【0019】
要約すると、最初に選定された状態を維持することと、新しいターゲットを選択することとの間の裁定は、
現在の状態と初期ターゲットとの間の状態の変更がトランスミッションにおいて現在実行されており、
初期ターゲットが、ドライバによって要求された加速制約にもはや準拠していない
場合にアクティブ化される。
【0020】
他の場合、裁定はアクティブ化されない。
【0021】
ステップF2の目的は、状態の変更中のドライバからの加速要請を最適に満たすであろう、ドライブトレインの状態を選択することである。裁定アクティブ化イベントはDLS_TGT_DRB_STY_ENAである。アクティブ化要求DLS_TGT_CGE_DRB_REQが有効である場合、裁定はアクティブ化され、DLS_TGT_DRB_STY_ENAは真である。非アクティブ化要求DLS_TGT_CGE_DRB_NOREQが有効である場合、裁定は非アクティブ化され、DLS_TGT_DRB_STY_ENAは偽である。
【0022】
ステップF3は、裁定が非アクティブ化されなければならないときを決定することにある。非アクティブ化要求DLS_TGT_CGE_DRB_NOREQは、手順(strategie)がアクティブである(DLS_TGT_DRB_STY_ENA=真)場合、かつ2つの以下の条件のうちの1つが満たされた場合に有効になる。
新しいターゲットCRT_GBX_DLS_TGTが裁定の前に排除されるか、または
新しいターゲットに到達し、新しいターゲットが、決定された期間を超えてドライブトレインの現在の状態である。
【0023】
ステップF4は、現在の状態CRT_GBX_DLSに基づいて、他の状態に優先度係数を割り当てることにある。DLS_Rankingと呼ばれる、このランク付けでは、最も低い係数が最適状態に与えられ、最も高い係数が他の状態に与えられる。
【0024】
ステップF5は、応答時間と強度とに関して、状態の変更中にドライバによって要求された加速制約に準拠することを可能にする、最適状態のリストAVL_DLS_AFTR_DRB_CGE_MINDを確立することにある。最適状態は、トランスミッションが最適なターゲットを有することを可能にする。新しいターゲットCRT_GBX_DLS_TGTは、いくつかの加速制約との準拠に従って確立された、最適状態のリストAVL_DLS_AFTR_DRB_CGE_MINDから選定される。DLS_TGT_DRB_STY_ENAが偽である場合、この裁定の終了時における適格性がある状態のリストは、先行する適格性リストAVL_DLS_AFTR_DRBに対応する。DLS_TGT_DRB_STY_ENAが真である場合、動作は以下のように分割される。
【0025】
a)ターゲットCRT_GBX_DLS_TGTが、ブリオの理由のために、実行されている間に排除されたとき、まず、優先状態と、新しいターゲットになる適格性がある状態とが決定される。そのことのために、ブリオ制約に関連する裁定(DLS_AVL_AFTR_DRB)の後の適格性がある状態の係数の最も低い値が、ステップF4(DLS_Ranking)において確立された係数のリストから選定される。この係数を有する状態の中で、先行する裁定(AVL_DLS_AFTR_DRB)においてすでに適格性がある状態のみが保持される。新しいターゲットCRT_GBX_DLS_TGTは、汚染除去/消費量の制約に従って、リストAVL_DLS_AFTR_DRB_CGE_MINDから最後に選定される。
【0026】
b)新しいターゲットCRT_GBX_DLS_TGTが決定されたとき、同じ優先度を有する別の状態の最終的な選定を回避するように、新しいターゲットのみがリストAVL_DLS_AFTR_DRB_CGE_MINDにおいて適格性を有する。リストAVL_DLS_AFTR_DRB_CGE_MINDは、応答時間と加速強度とに関してドライバの意思に準拠することを可能にする。
【0027】
言い換えれば、初期ターゲット(CRT_GBX_DLS_TGT)が、実行されている間に排除されたとき、
新しいターゲットになる適格性がある状態のリストが、ブリオ制約に関連する裁定(AVL_DLS_AFTR_DRB)に従って、それらの状態に優先度係数を割り当てることによって決定され、
新しいターゲット(CRT_GBX_DLS_TGT)が、適格性がある状態の中から選択され、
新しいターゲットが、完全に実行されるまで、ドライブトレインに課される。
【0028】
図2は、6つの前進ドライブトレイン状態を有する、個別ギア比をもつオートマチックトランスミッションへの本方法の適用を示している。
【0029】
時間T1において、ドライブトレインのターゲット状態CRT_GBX_DLS_TGTは6から5に変化するが、現在の状態CRT_GBX_DLSは6であり、その瞬間に状態の変更が開始する。
【0030】
時間T2において、現在のターゲットCRT_GBX_DLS_TGTは、ブリオ制約に関連する裁定の前(リストAVL_DLS_BFR_DRB)には適格性があったが、裁定の後(リストAVL_DLS_AFTR_DRB)には不適格であると考えられる。このターゲットは排除される。T2において、手順アクティブ化要求DLS_TGT_CGE_DRB_REQは、関数F1において真になり、関数F2において手順のアクティブ化DLS_TT_DRB_STY_ENAを伴う。
【0031】
T2とT3との間で、関数F4は、リストDLS_Rankingによって、現在の状態CRT_GBX_DLSに従って、状態1が係数3を有し、状態2が係数4を有するなど、ドライブトレインの異なる状態に優先度係数を割り当てる。ランク付けDLS_Rankingから、およびブリオ制約に関連する裁定の後の状態の適格性のリストAVL_DLS_AFTR_DRBから、関数F5は最も小さい利用可能な係数を決定する。すなわち、それぞれ係数4、係数1および係数1をもつ、状態2、状態3および状態4のみが利用可能である。最も小さい利用可能な係数は1である。
【0032】
上記のように、裁定により、応答時間と強度とに関して、ドライバによって要求された加速制約に準拠することを可能にする状態を定義することが可能になる。裁定は、最も低い観測された係数値を有する状態のみを可能にする。この例では、状態2は係数4を有するので、状態2は禁止されるが、状態3および状態4は、それらの状態の係数が1に等しいので可能にされる。適格性がある状態のリストはAVL_DLS_AFTR_DRB_CGE_MINDである。
【0033】
この裁定および対応する許可は、適格性があると考えられる状態の中からの、ギアボックスによる新しいターゲット状態の選択まで有効なままである。
【0034】
時間T3において、ターゲットCRT_GBX_DLS_TGTは状態5から状態4に変化する。T3とT4との間で、関数F5は、リストAVL_DLS_AFTR_DRB_CGE_MIND中で現在のターゲットCRT_GBX_DLS_TGTをもはや可能にしないので、トランスミッションはそのターゲットにとどまることを強制される。
【0035】
時間T4において、ボックスは、ターゲットCRT_GBX_DLS_TGTを実行することを完了している。トレインの現在の状態CRT_GBX_DLSは値6から値4に変化している。時間T5までに関数F5によって可能にされた唯一のターゲットは、依然として、現在の状態になっているターゲット状態である。
【0036】
時間T5において、現在の状態CRT_GBX_DLSは、T4以後、ターゲットCRT_GBX_DLS_TGTに対応している。関数F3は、ギアボックスが別の可能なターゲットを選定することを可能にするために、要求DLS_TGT_CGE_DRB_NOREQによって、裁定の非アクティブ化を要求する。この要求は、関数F2において手順を非アクティブ化し、手順のアクティブ化DLS_TGT_DRB_STY_ENAは偽に変化する。手順の非アクティブ化から、AVL_DLS_AFTR_DRB_CGE_MINDにおける手順の終了時における適格性がある状態は、ブリオ制約に関連する裁定AVL_DLS_AFTR_DRBの後に適格性がある状態である。この例では、これらの状態は状態3および状態4である。
【0037】
本発明の主要な利点は、裁定手順にほとんど調整が行われないこと、および個別ギア比をもつオートマチックギアボックスが装備されたいかなる車両にも採用され得る、本方法の横断的な性質である。
図1
図2