(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】鞍乗型乗物
(51)【国際特許分類】
B62J 45/41 20200101AFI20241209BHJP
B62J 17/04 20060101ALI20241209BHJP
B62J 11/00 20200101ALI20241209BHJP
【FI】
B62J45/41
B62J17/04
B62J11/00
(21)【出願番号】P 2021004034
(22)【出願日】2021-01-14
【審査請求日】2023-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】521431099
【氏名又は名称】カワサキモータース株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100117662
【氏名又は名称】竹下 明男
(74)【代理人】
【識別番号】100156177
【氏名又は名称】池見 智治
(72)【発明者】
【氏名】池田 真二
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 大輔
【審査官】塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/180941(WO,A1)
【文献】特開2005-119391(JP,A)
【文献】特開2000-062668(JP,A)
【文献】特開2014-180898(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 45/41
B62J 17/04
B62J 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鞍乗型乗物に組込まれ、前記鞍乗型乗物の外環境を検出するセンサと、
前記センサの検出面を覆う窓部と、前記鞍乗型乗物の外殻の一部であり、前記窓部を支持する部分外殻部とを含むセンサ保護カバーと、
前記センサを支持するセンサ支持ブラケットと、
を備え、
前記センサ保護カバーが前記鞍乗型乗物の構成部分に対して着脱可能であ
り、
前記窓部が前記検出面に対して一定の位置関係に配置されるように、前記センサ保護カバーは、前記センサ支持ブラケットに位置決め支持されている、鞍乗型乗物。
【請求項2】
請求項1記載の鞍乗型乗物であって、
前記窓部は透明であり、
前記部分外殻部は、不透明であり、前記窓部を正面視した状態で、前記窓部の少なくとも一部を覆
い、
前記センサは、撮像素子を含む、鞍乗型乗物。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の鞍乗型乗物であって、
前記センサは、ウインドシールドの下方に設けられ、
前記部分外殻部の外向き面は、前記ウインドシールドの下方で、前記ウインドシールドの外向き面に隣接して連なって
おり、
前記部分外殻部の前記外向き面には、前側に開く開口が形成され、
前記部分外殻部には、前記部分外殻部の前記外向き面の前記開口から前記鞍乗型乗物の後側に向って延びる筒部を含み、
前記筒部は、前記鞍乗型乗物の後側に向って徐々に狭くなる形状に形成され、
前記窓部は、前記筒部の後側部分に設けられ、
前記窓部は透明であり、前記部分外殻部は不透明である、鞍乗型乗物。
【請求項4】
請求項1
又は請求項2に記載の鞍乗型乗物であって、
前記部分外殻部の外向き面には、外側に開く開口が形成され、
前記部分外殻部には、前記外向き面の前記開口から前記鞍乗型乗物の内側に向って延びる筒部を含み、
前記筒部は、前記鞍乗型乗物の内側に向って徐々に狭くなる形状に形成され、
前記窓部は、前記筒部の内側部分に設けられ、
前記窓部は透明であり、前記部分外殻部は不透明である、鞍乗型乗物。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の鞍乗型乗物であって、
前記カバーが、前記センサ支持ブラケットに対して、幅方向に間隔をあけて2つ設けられるネジ止部を介して位置決めされている、鞍乗型乗物。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の鞍乗型乗物であって、
前記センサ保護カバーは、着脱可能な締結具によって支持されており、
前記センサ支持ブラケットから前記部分外殻部に向けて引っ掛かり部が延出しており、
前記引っ掛かり部が、前記センサ保護カバーのうち前記締結具による締結部位とは異なる部分に、前記センサとは反対側から接触するように引っ掛
る、鞍乗型乗物。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の鞍乗型乗物であって、
前記部分外殻部の外向き面の隣に設けられる隣接外殻部をさらに備え、
前記隣接外殻部に、前記隣接外殻部の境界に沿って溝構造が形成されており、
前記溝構造は、下方に凹んでおり、
前記溝構造は、前記部分外殻部と前記隣接外殻部との境界に沿って延びて、前記センサよりも前方に位置する前記部分外殻部の下縁部に達している、鞍乗型乗物。
【請求項8】
鞍乗型乗物に組込まれ、前記鞍乗型乗物の外環境を検出するセンサと、
前記センサの検出面を覆う窓部と、前記鞍乗型乗物の外殻の一部であり、前記窓部を支持する部分外殻部とを含むセンサ保護カバーと、
を備え、
前記センサ保護カバーが前記鞍乗型乗物の構成部分に対して着脱可能であり、
前記部分外殻部の外向き面には、外側に開く開口が形成され、
前記部分外殻部には、前記外向き面の前記開口から前記鞍乗型乗物の内側に向って延びる筒部を含み、
前記筒部は、前記鞍乗型乗物の内側に向って徐々に狭くなる形状に形成され、
前記窓部は、前記筒部の後側部分に設けられ、
前記窓部は透明であり、前記部分外殻部は不透明である、鞍乗型乗物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、外環境を検出するセンサを備える車両に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、撮像ユニットがウインドスクリーンに覆われる構造において、ウインドスクリーンを変位させることで撮像ユニットを払拭することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ウインドスクリーンを変位可能にするには、ウインドスクリーンを可動に支持する構造や、ウインドスクリーンの駆動源が必要となり、鞍乗型乗物の構造が複雑となる。
【0005】
そこで本開示は、センサを有する車両において、簡易な構成でセンサをメンテナンスできるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、鞍乗型乗物は、鞍乗型乗物に組込まれ、前記鞍乗型乗物の外環境を検出するセンサと、前記センサの検出面を覆う窓部と、前記鞍乗型乗物の外殻の一部であり、前記窓部を支持する部分外殻部とを含むセンサ保護カバーと、を備え、前記センサ保護カバーが前記鞍乗型乗物の構成部分に対して着脱可能である、鞍乗型乗物である。
【0007】
この鞍乗型乗物によると、センサ保護カバーの窓部によってセンサを保護することができる。また、窓部は、部分外殻部と共に、取外される。このため、簡易な構成でセンサをメンテナンスできる。
【0008】
上記課題を解決するため、センサ支持構造は、乗物に組込まれて外環境を検出するセンサを支持するセンサ支持構造であって、乗物フレームに固定されて、前記センサを支持するためのセンサ支持ブラケットと、前記センサの検出面を覆う窓部と、前記窓部を支持するとともに前記窓部の周囲に配置されて乗物外殻の一部を構成し、さらに、前記乗物の構成部分に対して着脱可能であって、前記センサ支持ブラケットに支持される部分外殻部と、を備える、センサ支持構造である。
【0009】
このセンサ支持構造によると、窓部によってセンサを保護することができる。また、窓部は、部分外殻部と共に取外される。このため、簡易な構成でセンサをメンテナンスできる。
【発明の効果】
【0010】
この鞍乗型乗物又はセンサ支持構造によると、センサを有する車両において、簡易な構成でセンサをメンテナンスできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態に係る鞍乗型乗物を示す概略側面図である。
【
図2】鞍乗型乗物におけるセンサの支持部分を示す一部破断斜視図である。
【
図3】鞍乗型乗物におけるセンサの支持部分を示す一部破断斜視図である。
【
図4】鞍乗型乗物におけるセンサの支持部分の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態に係る鞍乗型乗物及びセンサ支持構造について説明する。本実施形態では、センサ支持構造が鞍乗型乗物に適用された例が説明される。鞍乗型乗物とは、運転者がシートに跨った状態で運転する乗物である。例えば、鞍乗型乗物は、自動二輪車の他、自動三輪車、ATV(All Terrain Vehicle)等である。
【0013】
図1は鞍乗型乗物を示す概略側面図である。本実施形態では、鞍乗型乗物10が自動二輪車であることを前提とした説明がなされる。鞍乗型乗物10は、メインフレーム110と、前輪120と、後輪130と、ハンドル140と、エンジン150とを備える。なお、以下の説明において、上下、前後及び左右について言及する場合、各方向は、次のように定義される。鞍乗型乗物10の2つの車輪120、130が路面に接地する側が下であり、その反対側が上である。また、鞍乗型乗物10が走行する際の進行方向が前であり、その反対側が後ろである。さらに、運転者が運転者シートに跨った運転姿勢で、運転者を基準として左右が定義される。
【0014】
メインフレーム110の前部に設けられるヘッドパイプ111にステアリングシャフト112が回転可能に挿通される。このステアリングシャフト112にブラケット113を介してフロントフォーク114が支持される。フロントフォーク114の下端部に前輪120が回転可能に支持される。
【0015】
ハンドル140がブラケット113を介してステアリングシャフト112に固定される。運転者がハンドル140をステアリンシャフト112軸回りに角変位操作させることで、フロントフォーク114と共に、前輪120が回転し、鞍乗型乗物10が操舵される。
【0016】
メインフレーム110は、ヘッドパイプ111から後方に向けて延びる。メインフレーム110は、燃料タンク151、シート163、エンジン150およびスイングアーム118を支持する。
【0017】
スイングアーム118は、エンジン150から後方に延びる。スイングアーム118の後部は、後輪130を回転可能に支持する。上記エンジン150の駆動力が、変速機と、チェーン又はベルト等を含む駆動力伝達機構を介して後輪130に伝達されることで、後輪130が回転駆動される。
【0018】
メインフレーム110の上部に、燃料タンク151及びシート163が支持される。燃料タンク151の後側にシート163が位置する。シート163は、運転者が着座するシートである。運転者の運転姿勢では、運転者は、シート163に跨るように着座する。この状態で、上半身を直立又は前傾姿勢にして、両手でハンドル140が握られる。運転者の顔は、シート163又は燃料タンク151の上方に位置する。運転者の顔の前方にウインドシールド32が設けられる。
【0019】
鞍乗型乗物10に、樹脂等で形成されたカバーが取付けられる。ここでは、鞍乗型乗物10に、カバーとして、フロントカウル20、サイドカバー170、リアカバー174等が取付けられる。サイドカバー170、リアカバー174は、ブラケット等を介してメインフレーム110に取付けられる。
【0020】
フロントカウル20は、鞍乗型乗物10における前部に取付けられる。ここでは、フロントカウル20は、メインフレーム110に対して直接又は間接的に支持されており、ハンドル140と共に向きを変えない。別例として、フロントカウル20が、ブラケット113等に直接又は間接的に支持され、ハンドル140と共に向きを変えてもよい。フロントカウル20には、ヘッドライト22が組込まれる。
【0021】
フロントカウル20は、ヘッドパイプ111に対して前方の部分から後側に向けて徐々に広がる部分紡錘形状に形成される。フロントカウル20によって、速度計等のメータユニット26、ヘッドパイプ111、ブラケット113等が覆われる。上記フロントカウル20は、1つの部材によって構成されていてもよいし、複数の部材の組合せによって構成されていてもよい。
【0022】
フロントカウル20の上部における幅方向中間部が、後方に向けて開口するU字状に凹んでおり、この部分にウインドシールド32を含む外殻部30が設けられる。ウインドシールド32は、フロントカウル20のU字状に凹んだ部分から斜め後方へ向う。正面視した状態で、外殻部30の上部は、ハンドル140の幅方向中央部よりも上側に位置している。また、外殻部30は、両側方向に向けて徐々に斜め下後方に向う形状に形成される。ウインドシールド32は、運転者の前方、特に、運転者の顔の前方に位置し、走行時において、運転者の顔に向う風を、上方又は左右に逃す役割を果す透明な板状部分である。このウインドシールド32の内側に、メータユニット26が設けられる。
【0023】
なお、外殻部とは、鞍乗型乗物10の構成部分を覆って保護する外側カバーである。ここでは、外殻部30は、フロントカウル20に対して上側における幅方向中間部を覆う外側カバーである例が示される。外殻部30の一部が後述するセンサ保護カバー50であり、残りの部分が上記ウインドシールド32である。外殻部30の一部であるセンサ保護カバー50と、ウインドシールド32とは、互いに外側表面が延長上に位置するように、連続していてもよい。
【0024】
外殻部30の内側に位置するように、センサ40が鞍乗型乗物10に組込まれる。センサ40が組込まれる位置は、例えば、ヘッドライト22よりも上方の位置である。センサ40は、鞍乗型乗物10の外環境を検出するセンサである。センサ40は、例えば、カメラであってもよい。センサ40は、その他、照度センサ、距離センサ等であってもよい。センサ40が鞍乗型乗物10の前部に組込まれることによって、走行中における鞍乗型乗物10の前方の外環境が良好に検出される。
【0025】
センサ保護カバー50に、センサ40を覆う窓部60(
図2から
図4参照)が支持されている。センサ保護カバー50は、外殻部30の一部となるように鞍乗型乗物10の構成部分に対して着脱可能に取付けられる。この状態で、窓部60によってセンサ40が保護されている。また、センサ保護カバー50が窓部60と共に鞍乗型乗物10の構成部分に対して取外されることによって、センサ40が、センサ保護カバー50が存在していた空間を通じて外部に露出する。この状態で、センサ40に対するメンテナンスが容易に行われる。
【0026】
鞍乗型乗物10がセンサ40を支持する構造部分についてより具体的に説明する。
図2は鞍乗型乗物10におけるセンサの支持部分を示す一部破断斜視図である。
図3は
図2の一部破断斜視図においてセンサ保護カバー50を取外した状態を示す図である。
図2及び
図3ではフロントカウル20、ウインドシールド32、センサ保護カバー50が幅方向中央を通る面に沿って破断された図が示されている。
図4は鞍乗型乗物10におけるセンサの支持部分の断面図である。
【0027】
鞍乗型乗物10は、センサ40と、センサ保護カバー50とを備える。
【0028】
センサ40は、検出面43を有する。本例では、センサ40は、センサ本体部41と、突出部42とを含む。センサ本体部41は、扁平な直方体状に形成されている。センサ本体部41の1つの主面から突出部42が突出している。突出部42は、直方体状であってもよいし、円柱状であってもよい。突出部42の先端部に検出面43が形成されている。センサ40が一例としてカメラであるとすると、センサ本体部41は、撮像素子を内蔵したケースであり、突出部42は外部からの光を撮像素子に導くレンズ等を有する光学系である。突出部42の先端側の面に、外部からの光がセンサ内に導かれる検出面43が設けられる。検出面43は、レンズの外向き面、又は、ガラス若しくは樹脂によるカバーの外向き面である。検出面43は、方形状であってもよいし、円状であってもよい。
【0029】
センサの形状は、上記以外の形状、例えば、全体として直方体状又は円柱状に形成されてもよい。
【0030】
センサ40は、鞍乗型乗物10の構成部分に取付けられることで、鞍乗型乗物10に組込まれる。センサ40の取付構造の一例について説明する。
【0031】
例えば、鞍乗型乗物10における前寄りの位置に前側横フレーム142が設けられる。前側横フレーム142は、上記外殻部30における下寄り部分の内側位置で、幅方向に延在する部分を有する。前側横フレーム142は、フレームの一部をなす部分であり、ブラケットB等を介して、上記メインフレーム110等に支持される。前側横フレーム142は、センサ40を支持するための台座部143を含む。台座部143は、支持面を有する支持板部144と、固定片145とを含む。支持板部144の両側部から一対の固定片145が延出している。そして、支持面を上向きにした姿勢で固定片145が前側横フレーム142の棒状部分に溶接、ネジ止、リベット固定等によって固定される。
図2、
図3では、2つの台座部143が、前側横フレーム142の棒状部分に対して幅方向に間隔をあけて設けられる例が示される。台座部143は、1つであってもよい。
【0032】
センサ40は、センサ支持ブラケット44を介して前側横フレーム142に固定される。センサ支持ブラケット44は、センサ40を支持する部分と、前側横フレーム142に固定される部分とを含む。ここでは、センサ支持ブラケット44は、第1ブラケット部45と、第2ブラケット部46とを含む。第1ブラケット部45及び第2ブラケット部46は例えば金属板をプレス加工等することによって形成される。
【0033】
第1ブラケット部45は、第1押え部45aと、固定部45bとを含む。第1押え部45aは、センサ本体部41の上面及び両側部を囲む囲い部と、センサ本体部41の前面の両側部を押える前側押え部とを含む。第1押え部45aの両側下端部から一対の固定部45bが外向きに突出している。この一対の固定部45bが上記台座部143の支持面上に配置される。第2ブラケット部46は、第2押え部46aと、固定部46bとを含む。第2押え部46aは、センサ本体部41の後面側を押える後側押え部と、センサ本体部41の底面を支持する底面支持部とを含む。第2押え部46aの両側下端部から一対の固定部46bが外向きに延出している。この一対の固定部46bも上記台座部143の支持面上に配置される。
【0034】
そして、第1ブラケット部45の一対の固定部45bと、第2ブラケット部46の一対の固定部46bとが、上記一対の台座部143に固定される。例えば、台座部143の支持面上に固定部46bと固定部45bとがこの順で重ねられた状態で、それらを貫通するネジ又はリベット等の締結具がそれらを締結固定する。この状態では、センサ本体部41の上下面及び両側面が第1押え部45aの囲い部と第2押え部46aの底面支持部とによって囲まれた状態で、センサ40が上下及び左右方向に位置決めされる。また、センサ本体部41の前面が第1押え部45aの前側押え部によって押えられると共に、センサ本体部41の後面が第2押え部46aの後側押え面によって押えられる。これにより、センサ40が前後方向においても位置決めされる。これにより、センサ支持ブラケット44が、前側横フレーム142に対してセンサ40を一定位置及び一定姿勢で支持する。本実施形態では、センサ40は、ウインドシールド32の下方で支持される。
【0035】
なお、ウインドシールド32の下方にメータカバー90が設けられる。メータカバー90は、センサ40の上部から後方に向けて徐々に上方に向うように延びており、ハンドル140の前方においてメータユニット26の上方を覆う。メータカバー90は不透明であり、日除として用いられてもよい。
【0036】
センサ40は、弾性カバーによって覆われた状態で、上記センサ支持ブラケット44によって支持されていてもよい。弾性カバーは、例えば、ゴム等の弾性部材によって形成された部材であり、上記センサ本体部41の周りを覆うカバーである。センサ支持ブラケット44が弾性カバーを介してセンサ40を支持することによって、振動がセンサ40に伝わり難くなり、また、センサ支持ブラケット44とセンサ40との間での擦れ合いが抑制される。センサ支持ブラケット44は、センサ40に直接接した状態でセンサ40を支持していてもよい。
【0037】
なお、第1ブラケット部45及び第2ブラケット部46は、重ね合せ片45p、46pを有している。センサ支持ブラケット44がセンサ40を支持した状態で、重ね合せ片45p、46pが互いに重ね合わされ、ネジ、リベット等の締結具によって当該重ね合せ状態が保たれる。
【0038】
センサ支持ブラケット44の構成例は上記例に限られない。例えば、センサ支持ブラケットは、単一の部品によって固定されていてもよい。センサ支持ブラケットは、センサ40にネジ止、係止固定、カシメ固定等される構成であってもよい。
【0039】
センサ保護カバー50は、窓部60と、部分外殻部52とを含む。
【0040】
窓部60は、センサ40の検出面43を覆う部分である。窓部60は、例えば、透明な樹脂板(例えば、ポリカーボネート)又はガラス板によって形成される。窓部60は、検出面43よりも大きく広がる形状であってもよい。ここでは、窓部60は、検出面43よりも大きい板形状に形成されている。窓部60の両側部は、他の部分よりも大きく突出しており、この部分に締結固定用の孔が形成されている。なお、ここでの透明度合は、センサ40による検出に差支えない程度であればよい。窓部60には防曇フィルム30Fが設けられてもよい。防曇フィルムは、フィルムによる水分の吸収及びフィルム表面の親水性等によって、曇りを抑制するフィルムである。
図4では窓部60のうちセンサ40側の面に防曇フィルム30Fが設けられる例が示される。
【0041】
部分外殻部52は、外殻部30の一部をなす部分であり、かつ、窓部60を支持する部分である。ここでは、部分外殻部52は、部分外殻本体部54と、筒部56とを備える。部分外殻本体部54と筒部56とは、樹脂等によって金型一体形成される。部分外殻部52は、上記窓部60よりも不透明な樹脂によって形成されてもよい。部分外殻本体部54と筒部56とは、別々に形成された部品がネジ、接着剤、係止構造等によって合体されてもよい。
【0042】
部分外殻本体部54は、前側の開口54hから後方に向けて徐々に膨出する半紡錘形状に形成されている。部分外殻本体部54は、上方に向うほど、後方に向けて大きく延びている。部分外殻本体部54の外向き面の上部は、ウインドシールド32の下方で、ウインドシールド32の外向き面に隣接して連なっている。ここで、2つの外向き面が隣接して連なるとは、それらの間に2つの部材間の誤差吸収等のためのやむを得ない隙間が介在している場合を含む。部分外殻本体部54の外向き面とウインドシールド32の外向き面とは、それらの面に直交する方向の段差なく連続していてもよい。部分外殻本体部54の外向き面とウインドシールド32の外向き面とは、角をなすことなく平面又は曲面をなして連続していてもよい。ウインドシールド32は、部分外殻部52の外向き面の隣に設けられる隣接外殻部の一例である。
【0043】
部分外殻本体部54の外向き面の下部は、フロントカウル20に連なっている。このため、ウインドシールド32及びフロントカウル20及び部分外殻本体部54が外殻部であり、ウインドシールド32及びフロントカウル20が部分外殻本体部54に対する残りの残余外殻部であると把握されてもよい。部分外殻本体部54の外向き面とフロントカウル20の外向き面とは、それらの面に直交する方向の段差なく連続していてもよい。部分外殻本体部54の外向き面とフロントカウル20の外向き面とは、角をなすことなく平面又は曲面をなして連続していてもよい。
【0044】
窓部60は、上記部分外殻本体部54によって支持されている。ここでは、窓部60は、筒部56によって支持される。すなわち、部分外殻本体部54の外向き面から鞍乗型乗物10の内側に向うように筒部56が延びている。ここでは、上記開口54hから内側に向うように筒部56が設けられる。筒部56は、鞍乗型乗物10の内側に向けて徐々に狭くなる形状に形成されていてもよい。本例では、正面視すると、開口54hは、縦方向に長い長方形に形成されている。筒部56は、当該開口54hの正面視形状が内側に向けて徐々に狭くなる形状に形成されていてもよい。筒部56が内側に向けて徐々に狭くなっていれば、センサ40がカメラであるとして、その画角に合わせた形状とすることができる。
【0045】
筒部56のうち鞍乗型乗物10の内側の開口縁部は、筒部56の内周に向って突出する縁部分56aに形成される。窓部60は、筒部56における鞍乗型乗物10の内側に向く部分、即ち、縁部分56aのうち鞍乗型乗物10の内側に向く部分に設けられる。
【0046】
このように、窓部60が筒部56に設けられた状態で、窓部60を正面視すると、窓部60の少なくとも一部、ここでは、周囲が筒部56の縁部分56aによって覆われる。このため、窓部60の全体が透明であったとしても、窓部60の内側の部品が窓部60の全体を通じて外部から観察され難くなる。筒部56は、窓部60のうち検出面43による検出に必要な領域外で、窓部60を覆っていてもよい。例えば、窓部60は、検出面43の外側に離れた位置にあるため、センサ40の画角に合わせると、窓部60のうち検出面43よりも大きい領域で透過性が保たれているとよい。このため、縁部分56aによって囲まれる領域は、検出面43よりも大きい。
【0047】
筒部56による窓部60の支持構造は任意である。例えば、筒部56と縁部分56aとの対向部分に、両面テープ、粘着剤、接着剤等の接合部材56tが設けられる。この接合部材によって窓部60が筒部56に接合される。また、例えば、窓部60の貫通孔にリベット又はネジ等の締結部材57が貫通され、当該締結部材が筒部56に設けられた締結凹部に取付けられる。窓部60は、その他、嵌込構造、溶着等によって筒部56に固定されてもよい。上記固定構造は組合わされてもよい。窓部60は、二色成形等によって、部分外殻本体部54と一体的に金型成形されてもよい。
【0048】
上記センサ保護カバー50は、鞍乗型乗物10の構成部分に対して着脱可能に構成されている。鞍乗型乗物10の構成部分は、メインフレーム110であってもよいし、前側横フレーム142であってもよいし、フロントカウル20であってもよいし、ウインドシールド32であってもよい。本実施形態では、センサ保護カバー50は、センサ40を支持するセンサ支持ブラケット44によって位置決め支持される例が説明される。
【0049】
すなわち、センサ支持ブラケット44に、追加ブラケット70が支持される。センサ保護カバー50は、追加ブラケット70を介してセンサ支持ブラケット44に位置決め支持される。より具体的には、追加ブラケット70は、幅方向に沿って延びる中央片の両端部から下方に向う延長片が形成された板形状に形成されている。追加ブラケット70は、金属板等によって形成される。センサ支持ブラケット44の第1ブラケット部45のうち前側押え部に、前方に向けて突出するボス部が形成される。追加ブラケット70の両端部がネジ又はリベット等の締結具によってボス部の端部に固定される。
【0050】
追加ブラケット70にネジ止部72が形成される。ネジ止部72は、例えば、追加ブラケット70における中央片と延長片とが交わるコーナ部に設けられる。ネジ止部72は、ネジSを螺合可能な部分である。例えば、ネジ止部72は、追加ブラケット70の孔に嵌め込まれたゴムナットであってもよい。ネジ止部72は、追加ブラケット70に形成されたネジ孔を有する部分であってもよい。ネジ止部72は、検出面43の上縁部よりも上側の位置に、幅方向に間隔をあけて2つ設けられる。
【0051】
センサ保護カバー50が鞍乗型乗物10に組込まれた状態で、部分外殻部52のうちネジ止部72に対応する位置にネジ挿通孔54aが形成される。より具体的には、部分外殻本体部54のうち筒部56の両側上方部分に、ネジ挿通孔54aが形成される。ネジ挿通孔54aは、上記ネジ止部72に対向するように配置される。そして、部分外殻本体部54がウインドシールド32の延長上に位置するように配置された状態で、ネジSをネジ挿通孔54aに挿通させてネジ止部72に螺合締結する。これにより、センサ保護カバー50が追加ブラケット70を介してセンサ支持ブラケット44に位置決め支持される。なお、ネジSは、着脱可能な締結具の一例である。ネジSはセンサ支持ブラケット44に直接螺合してもよい。ネジSをネジ止部72から緩めて外すことによって、センサ保護カバー50がセンサ支持ブラケット44から取外される。このため、センサ保護カバー50は、鞍乗型乗物10の構成部分である前側横フレーム142或いはセンサ支持ブラケット44に対して着脱可能である。
【0052】
センサ保護カバー50は、引っ掛かり部80によっても位置決めされている。すなわち、センサ保護カバー50のうちネジSによる締結部位(つまり、ネジ挿通孔54aが形成された部分)とは異なる部分に、センサ40とは反対側から引っ掛かり部80が引っ掛っている。
【0053】
より具体的には、センサ保護カバー50における部分外殻本体部54のうち下部の幅方向中央部に受片55が形成される。受片55は、側面視において、センサ40側に向けて凹む凹部を有している。また、センサ支持ブラケット44に引っ掛かり部80が支持される。引っ掛かり部80は、センサ支持ブラケット44から部分外殻本体部54の下部の幅方向中央部の下側に向けて延出する。引っ掛かり部80は、V字状に形成されている。例えば、引っ掛かり部80は、細長い金属部材を折曲げることによって形成される。引っ掛かり部80の両端部は、センサ支持ブラケット44に溶接、ネジ止等によって固定される。ここでは、引っ掛かり部80の両端部は、第1ブラケット部45における第1押え部45aと固定部45bとの境界部分に溶接等によって固定ざれている。引っ掛かり部80の中間部がその端部の固定部分から前方に向けて幅方向中央に向うように延びる。引っ掛かり部80の中央部分は、部分外殻本体部54の下端部の幅方向中央の下方で車幅方向に延びている。引っ掛かり部80の中央部分が上記部分外殻本体部54の受片における凹部にセンサ40とは反対側から接触するように引っ掛ることができる。
【0054】
センサ保護カバー50を鞍乗型乗物10に組込む際には、受片55をセンサ40側から引っ掛かり部80の中央部分に接触させた状態で、ネジ挿通孔54aが形成された部分をネジ止部72に対向させる。この状態で、ネジSをネジ挿通孔54aに挿通してネジ止部72に螺合締結する。これにより、センサ保護カバー50は、ネジSによって追加ブラケット70を介してセンサ支持ブラケット44に位置決め保持されると共に、受片55から引っ掛かり部80を介してもセンサ支持ブラケット44に対して位置決めされた状態で保持される。
【0055】
このように、引っ掛かり部80とネジSによる固定構造を併用することによって、ネジSによる固定箇所をなるべく少なくしつつ、センサ保護カバー50の着脱を容易に行える。なお、上記引っ掛かり部80が設けられることは必須ではない。引っ掛かり部80の代りに、ネジ止構造が採用されてもよい。
【0056】
このセンサ保護カバー50の取付状態では、窓部60は、センサ40の検出面43の外側に離れた位置で支持されていてもよい。この場合において、窓部60は、検出面43に対して平行姿勢で支持されてもよい。窓部60と検出面43との間に隙間が設けられていれば、当該隙間を通る空気によって、検出面43又は窓部60の内面の曇りが除去され易い。また、組付誤差等が生じたとしても、センサ40と窓部60とが強い力で接触し合うことが抑制される。
【0057】
また、部分外殻部52と、隣接外殻部の一例であるウインドシールド32との少なくとも一方に、溝構造が設けられる。本実施形態では、ウインドシールド32のうち部分外殻部52側の延長縁33が、部分外殻部52の内側に入り込んでおり、この延長縁33に、溝構造33gが形成される。溝構造33gは、上方から見て凹んでおり、部分外殻部52とウインドシールド32との境界に沿って延びて、ウインドシールド32の下縁部に達する。このため、水が、ウインドシールド32と部分外殻部52との境界の隙間から鞍乗型乗物10内に侵入しても、当該水は溝構造33g内を伝ってウインドシールド32の下縁部に達する。ウインドシールド32の下縁部は、センサ40よりも前方に位置しているため、ウインドシールド32の下縁部に達した水は、センサ40に掛らずに、下方に滴り落ち易い。
【0058】
本実施形態では、メータカバー90の前縁部が、延長縁33の下側で当該延長縁33よりもさらに前方に延びている。このメータカバー90の前縁部にも、溝構造91gが形成される。この溝構造91gは、センサ 0の上方から少なくとも両外側に延びるように形成される。このため、溝構造33gを溢れた水は、さらに溝構造91gに流れ込み、当該溝構造91gを伝ってセンサ40の上方から幅方向外側に流される。この点からも、センサ40に対する被水がさらに抑制される。
【0059】
溝構造は、部分外殻部52に形成されてもよい。この場合、部分外殻部52の周縁部がウインドシールド32の縁の内側に入り込み、その入り込み部分に溝構造が形成されていてもよい。
【0060】
さらに、部分外殻部52とウインドシールド32との少なくとも一方に、それらの境界に沿って延在し、部分外殻部52とウインドシールド32との隙間を埋める長尺弾性部材95が設けられてもよい。長尺弾性部材95としては、例えば、スポンジ、発泡ゴム、ゴム等が用いられてもよい。長尺弾性部材95は、部分外殻部52とメータカバー90との間に介在してもよい。かかる長尺弾性部材95が設けられれば、部分外殻部52とウインドシールド32との境界から侵入しようする水が、長尺弾性部材95によって堰き止められる。堰き止められた水は、蒸気と同様に、長尺弾性部材95に沿って流れて、センサ40に掛らないような位置で、滴り落ちることができる。
【0061】
本実施形態におけるセンサ支持ブラケット44、窓部60及び部分外殻部52は、センサ40を車両に支持するためのセンサ支持構造98として把握されてもよい。
【0062】
このように構成された鞍乗型乗物10及びセンサ支持構造98によると、センサ保護カバー50によって支持された窓部60によってセンサ40を保護することができる。また、センサ保護カバー50の部分外殻部52を鞍乗型乗物10の構成部分から取外せば、窓部60もセンサ40を覆う位置から取外される。この状態では、センサ40の検出面は、ウインドシールド32とフロントカウル20との間の開口を通じて外部に露出した状態となる。この状態で、検出面43の曇り除去、汚れの除去等が可能となる。また、窓部60の内向き面の曇りの除去、汚れの除去も可能となる。
【0063】
このため、外殻部を可動に支持したり、駆動源によって動かしたり構成を採用する場合と比較して、簡易な構成でセンサ40のメンテナンスを実施できる。また、部分外殻部52は、残余外殻部であるウインドシールド32を残して取外される。このため、ウインドシールド全体を取外す場合と比較して、部分外殻部52を取外す作業は容易であり、センサ40のメンテナンスを容易に実施できる。
【0064】
また、部分外殻部52が窓部60の少なくとも一部を覆っている。本実施形態では、筒部56が窓部60の周囲を覆っている。このため、部分外殻部52によってセンサ40の周囲の少なくとも一部を隠すことができる。これにより、部分外殻部52内のセンサ40の取付構造等を目立たなくすることができる。
【0065】
また、センサ40は、ウインドシールド32の下方に設けられ、部分外殻部52の外向き面は、ウインドシールド32の外向き面に下方で隣接して連なるため、センサ40の検出面43を覆う窓部がウインドシールド32と一体化されなくても、センサ40が地面から離れた高さ位置で車両前方の外環境を検出し易い位置に配置され得る。
【0066】
また、部分外殻部52の開口から筒部56が鞍乗型乗物10の内側に向けて延びており、窓部60は、筒部56の内側部分に設けられる。このため、センサ40を、部分外殻部52の内側に隠し易い。これにより、センサ40を目立たなくでき、また、より確実に保護することができる。
【0067】
また、センサ保護カバー50は、センサ支持ブラケット44に位置決め支持される。このため、センサ支持ブラケット44を基準として、センサ40及びセンサ保護カバー50が位置決めされる。これにより、センサ保護カバーを他のフロントカウル20等で支持する場合と比較して、窓部60がセンサ40の検出面43に対して所望の位置関係に保たれ易い。
【0068】
また、センサ保護カバー50は、着脱可能なネジSによって支持されており、かつ、センサ保護カバー50がネジSによる締結部位とは異なる部分で、引っ掛かり部80に引っ掛っている。このため、センサ保護カバー50の位置決め支持箇所の全てをネジによって固定する場合と比較して、ネジSによる固定箇所を少なくしつつ、センサ保護カバー50を所望の位置でしっかりと簡易に支持できる。
【0069】
また、部分外殻部52及びウインドシールド32の少なくとも一方に、溝構造33gが形成されているため、部分外殻部52とウインドシールド32との境界から液体等が侵入することが抑制される。これにより、例えば、センサ40に対する被水が抑制される。
【0070】
本実施形態では、外殻部がウインドシールド32を含むカバーである例が説明された。しかしながら、本センサ支持構造は、外殻部がウインドシールド32を含む場合に限られず、外殻部がフロントカウル20、サイドカバー170、リアカバー174を含むカバーである場合等にも、適用可能である。
【0071】
なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
【0072】
本明細書及び図面は下記の各態様を開示する。
【0073】
第1の態様は、鞍乗型乗物に組込まれ、前記鞍乗型乗物の外環境を検出するセンサと、前記センサの検出面を覆う窓部と、前記鞍乗型乗物の外殻の一部であり、前記窓部を支持する部分外殻部とを含むセンサ保護カバーと、を備え、前記センサ保護カバーが前記鞍乗型乗物の構成部分に対して着脱可能である、鞍乗型乗物である。
【0074】
この鞍乗型乗物によると、センサ保護カバーの窓部によってセンサを保護することができる。また、窓部は、部分外殻部と共に、取外される。このため、簡易な構成でセンサをメンテナンスできる。
【0075】
第2の態様は、第1の態様に係る鞍乗型乗物であって、前記窓部は透明であり、前記部分外殻部は、不透明であり、前記窓部を正面視した状態で、前記窓部の少なくとも一部を覆う、鞍乗型乗物である。この場合、部分外殻部が窓部の少なくとも一部を覆うことでセンサの少なくとも一部を隠して、内部の取付構造等を目立たなくすることができる。
【0076】
第3の態様は、第1又は第2の態様に係る鞍乗型乗物であって、前記センサは、ウインドシールドの下方に設けられ、前記部分外殻部の外向き面は、前記ウインドシールドの下方で、前記ウインドシールドの外向き面に隣接して連なっている、鞍乗型乗物である。これにより、センサの検出面を覆う窓部がウインドシールドと一体化されなくても、センサが地面から離れた高さ位置で前方を検出し易い位置に配置され得る。
【0077】
第4の態様は、第1から第3のいずれか1つの態様に係る鞍乗型乗物であって、前記部分外殻部は、その外向き面から前記鞍乗型乗物の内側に向う筒部を含み、前記窓部は、前記筒部の内側部分に設けられる、鞍乗型乗物である。これにより、センサを、部分外殻部の内側に隠し易い。
【0078】
第5の態様は、第1から第4のいずれか1つの態様に係る鞍乗型乗物であって、車体フレームに固定されてセンサを支持するセンサ支持ブラケットを備え、前記センサ保護カバーは、前記センサ支持ブラケットに位置決め支持されている、鞍乗型乗物である。これにより、センサに対するセンサ保護カバーの位置が所望の位置関係に保たれ易い。
【0079】
第6の態様は、第1から第5のいずれか1つの態様に係る鞍乗型乗物であって、前記センサ保護カバーは、着脱可能な締結具によって支持されており、前記センサ保護カバーのうち前記締結具による締結部位とは異なる部分に、前記センサとは反対側から接触するように引っ掛る引っ掛かり部をさらに備える鞍乗型乗物である。これにより、センサ保護カバーをよりしっかりと簡易に支持できる。
【0080】
第7の態様は、第1から第6のいずれか1つの態様に係る鞍乗型乗物であって、前記部分外殻部の外向き面の隣に設けられる隣接外殻部をさらに備え、前記部分外殻部及び前記隣接外殻部の少なくとも一方に、前記部分外殻部及び前記隣接外殻部の境界に沿って溝構造が形成されている、鞍乗型乗物である。この溝構造によって、部分外殻部と隣接外殻部との境界から液体等が侵入することを抑制することができる。
【0081】
第8の態様は、乗物に組込まれて外環境を検出するセンサを支持するセンサ支持構造であって、乗物フレームに固定されて、前記センサを支持するためのセンサ支持ブラケットと、前記センサの検出面を覆う窓部と、前記窓部を支持するとともに前記窓部の周囲に配置されて乗物外殻の一部を構成し、さらに、前記乗物の構成部分に対して着脱可能であって、前記センサ支持ブラケットに支持される部分外殻部と、を備える、センサ支持構造である。
【0082】
このセンサ支持構造によると、窓部によってセンサを保護することができる。また、窓部は、部分外殻部と共に取外される。このため、簡易な構成でセンサをメンテナンスできる。
【0083】
上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0084】
10 鞍乗型乗物
20 フロントカウル
30 外殻部
32 ウインドシールド
33g 溝構造
40 センサ
43 検出面
44 センサ支持ブラケット
50 センサ保護カバー
52 部分外殻部
54 部分外殻本体部
54a ネジ止凹部
55 受片
56 筒部
57 締結部材
60 窓部
70 追加ブラケット
72 ネジ止部
80 引っ掛かり部
98 センサ支持構造
110 メインフレーム
113 ブラケット
142 前側横フレーム