(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】補強部材と整列した接合線を有する掃引表面を備えたスラッシュ面を有するノズル
(51)【国際特許分類】
F01D 9/02 20060101AFI20241209BHJP
F01D 9/04 20060101ALI20241209BHJP
【FI】
F01D9/02 104
F01D9/04
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021011034
(22)【出願日】2021-01-27
【審査請求日】2024-01-15
(32)【優先日】2020-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【氏名又は名称】小倉 博
(72)【発明者】
【氏名】ジャコブ・ジョン・キットルソン
【審査官】小関 峰夫
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-177406(JP,A)
【文献】特開2009-144718(JP,A)
【文献】特開2011-185270(JP,A)
【文献】特開2012-112379(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0011265(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0040755(US,A1)
【文献】米国特許第09506362(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 9/02
F01D 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービンシステム(10)用のノズル(24、224)であって、
前縁(56)と後縁(58)との間に延びる正圧側(52)および負圧側(54)を画定する外部表面を備える翼形部(40)であって、先端(62)および根元(64)をさらに画定する翼形部(40)と、
前記先端(62)で前記翼形部(40)に接続された内側側壁(42、242)であって、正圧側スラッシュ面(72、82、272、282)、負圧側スラッシュ面(74、84、274、284)、前縁面(76、86、276、286)、および後縁面(78、88、278、288)を画定する周縁(70、80、270、280)を含む内側側壁(42、242)と、
前記根元(64)で前記翼形部(40)に接続された外側側壁(44、244)であって、正圧側スラッシュ面(72、82、272、282)、負圧側スラッシュ面(74、84、274、284)、前縁面(76、86、276、286)、および後縁面(78、88、278、288)を画定する周縁(70、80、270、280)を含む外側側壁(44、244)と、
前記内側側壁(42、242)の半径方向内側側面(92)および前記外側側壁(44、244)の半径方向外側側面(94)の少なくとも1つに円周方向に延びる補強部材(90)と
を備え、
前記内側側壁(42、242)の正圧側スラッシュ面(72、82、272、282)、前記内側側壁(42、242)の負圧側スラッシュ面(74、84、274、284)、前記外側側壁(44、244)の正圧側スラッシュ面(72、82、272、282)、または前記外側側壁(44、244)の負圧側スラッシュ面(74、84、274、284)の少なくとも1つは、前記タービンシステム(10)の軸線(TA)に対して第1の角度(102)で延びる第1の掃引表面(100)と、前記タービンシステム(10)の軸線(TA)に対して第2の角度(106)で延びる第2の掃引表面(104)とを含み、前記第1の掃引表面(100)と前記第2の掃引表面(104)は、前記補強部材(90)と円周方向に整列した接合線(110)で交わる、
ノズル(24、224)。
【請求項2】
前記内側側壁(42、242)の正圧側スラッシュ面(72、82、272、282)および前記外側側壁(44、244)の正圧側スラッシュ面(72、82、272、282)は各々、前記第1の掃引表面(100)および前記第2の掃引表面(104)を含み、前記内側側壁(42、242)の負圧側スラッシュ面(74、84、274、284)および前記外側側壁(44、244)の負圧側スラッシュ面(74、84、274、284)は各々、単一の平面表面(112)を含む、請求項1に記載のノズル(24、224)。
【請求項3】
前記内側側壁(42、242)の正圧側スラッシュ面(72、82、272、282)、前記内側側壁(42、242)の負圧側スラッシュ面(74、84、274、284)、前記外側側壁(44、244)の正圧側スラッシュ面(72、82、272、282)、または前記外側側壁(44、244)の負圧側スラッシュ面(74、84、274、284)の1つのみが、前記第1の掃引表面(100)および前記第2の掃引表面(104)を含む、請求項1に記載のノズル(24、224)。
【請求項4】
前記内側側壁(42、242)の正圧側スラッシュ面(72、82、272、282)および前記内側側壁(42、242)の負圧側スラッシュ面(74、84、274、284)、または前記外側側壁(44、244)の正圧側スラッシュ面(72、82、272、282)および前記外側側壁(44、244)の負圧側スラッシュ面(74、84、274、284)の1つの対のみが各々、前記第1の掃引表面(100)および前記第2の掃引表面(104)を含む、請求項1に記載のノズル(24、224)。
【請求項5】
各側壁(42、242、44、244)は、8°よりも大きく弧状に延びる、請求項1に記載のノズル(24、224)。
【請求項6】
前記第1の掃引表面(100)および前記第2の掃引表面(104)は、前記タービンシステム(10)に取り付けられたとき、隣接するノズル(24、224)のスラッシュ面(72、74、82、84、112、272、274、282、284)間に不均一なギャップ距離(GD)を形成する、請求項1に記載のノズル(24、224)。
【請求項7】
前記補強部材(90)は、前記内側側壁(42、242)および前記外側側壁(44、244)の少なくとも1つの前記前縁面(76、86、276、286)から前記後縁面(78、88、278、288)に向かって、翼弦軸方向長さ(CL)の50%~100%の間に位置する、請求項1に記載のノズル(24、224)。
【請求項8】
前記タービンシステム(10)の前記軸線(TA)に対して、前記第1の角度(102)は、29.6°~40.4°であり、前記第2の角度(106)は、29.6°~40.4°である、請求項1に記載のノズル(24、224)。
【請求項9】
タービンシステム(10)用のノズル(24、224)アセンブリであって、
環状アレイに配置され、高温ガス経路(20)を画定する複数のノズル(24、224)であって、前記複数のノズル(24、224)の各々は、
前縁(56)と後縁(58)との間に延びる正圧側(52)および負圧側(54)を画定する外部表面を備える翼形部(40)であって、先端(62)および根元(64)をさらに画定する翼形部(40)と、
前記先端(62)で前記翼形部(40)に接続された内側側壁(42、242)であって、正圧側スラッシュ面(72、82、272、282)、負圧側スラッシュ面(74、84、274、284)、前縁面(76、86、276、286)、および後縁面(78、88、278、288)を画定する周縁(70、80、270、280)を含む内側側壁(42、242)と、
前記根元(64)で前記翼形部(40)に接続された外側側壁(44、244)であって、正圧側スラッシュ面(72、82、272、282)、負圧側スラッシュ面(74、84、274、284)、前縁面(76、86、276、286)、および後縁面(78、88、278、288)を画定する周縁(70、80、270、280)を含む外側側壁(44、244)と、
前記内側側壁(42、242)の半径方向内側側面(92)および前記外側側壁(44、244)の半径方向外側側面(94)の少なくとも1つに円周方向に延びる補強部材(90)と
を含む複数のノズル(24、224)
を備え、
前記内側側壁(42、242)の正圧側スラッシュ面(72、82、272、282)、前記内側側壁(42、242)の負圧側スラッシュ面(74、84、274、284)、前記外側側壁(44、244)の正圧側スラッシュ面(72、82、272、282)、または前記外側側壁(44、244)の負圧側スラッシュ面(74、84、274、284)の少なくとも1つは、前記タービンシステム(10)の軸線(TA)に対して第1の角度(102)で延びる第1の掃引表面(100)と、前記タービンシステム(10)の軸線(TA)に対して第2の角度(106)で延びる第2の掃引表面(104)とを含み、前記第1の掃引表面(100)と前記第2の掃引表面(104)は、前記補強部材(90)と円周方向に整列した接合線(110)で交わり、
各側壁(42、242、44、244)は、前記環状アレイの8°よりも大きく弧状に延びる、
ノズル(24、224)アセンブリ。
【請求項10】
前記内側側壁(42、242)の正圧側スラッシュ面(72、82、272、282)および前記外側側壁(44、244)の正圧側スラッシュ面(72、82、272、282)は各々、前記第1の掃引表面(100)および前記第2の掃引表面(104)を含み、前記内側側壁(42、242)の負圧側スラッシュ面(74、84、274、284)および前記外側側壁(44、244)の負圧側スラッシュ面(74、84、274、284)は各々、単一の平面表面(112)を含む、請求項9に記載のノズル(24、224)アセンブリ。
【請求項11】
前記内側側壁(42、242)の正圧側スラッシュ面(72、82、272、282)、前記内側側壁(42、242)の負圧側スラッシュ面(74、84、274、284)、前記外側側壁(44、244)の正圧側スラッシュ面(72、82、272、282)、または前記外側側壁(44、244)の負圧側スラッシュ面(74、84、274、284)の1つのみが、前記第1の掃引表面(100)および前記第2の掃引表面(104)を含む、請求項9に記載のノズル(24、224)アセンブリ。
【請求項12】
前記内側側壁(42、242)の正圧側スラッシュ面(72、82、272、282)および前記内側側壁(42、242)の負圧側スラッシュ面(74、84、274、284)、または前記外側側壁(44、244)の正圧側スラッシュ面(72、82、272、282)および前記外側側壁(44、244)の負圧側スラッシュ面(74、84、274、284)の1つの対のみが各々、前記第1の掃引表面(100)および前記第2の掃引表面(104)を含む、請求項9に記載のノズル(24、224)アセンブリ。
【請求項13】
前記第1の掃引表面(100)および前記第2の掃引表面(104)は、前記環状アレイ内の前記複数のノズル(24、224)の隣接するノズル(24、224)のスラッシュ面(72、74、82、84、112、272、274、282、284)間に不均一なギャップ距離(GD)を形成する、請求項9に記載のノズル(24、224)アセンブリ。
【請求項14】
前記補強部材(90)は、前記内側側壁(42、242)および前記外側側壁(44、244)の少なくとも1つの前記前縁面(76、86、276、286)から前記後縁面(78、88、278、288)に向かって、翼弦軸方向長さ(CL)の50%~100%の間に位置する、請求項9に記載のノズル(24、224)アセンブリ。
【請求項15】
前記タービンシステム(10)の前記軸線(TA)に対して、前記第1の角度(102)は、29.6°~40.4°であり、前記第2の角度(106)は、29.6°~40.4°である、請求項9に記載のノズル(24、224)アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、ガスタービンシステムなどのタービンシステムに関し、より詳細には、補強部材と円周方向に整列した接合線で交わる、または補強部材と円周方向に整列したピークを有する弧で交わる掃引表面を備えたスラッシュ面を有するタービンシステムにおけるノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
タービンシステムは、発電などの分野において広く利用されている。例えば、従来のガスタービンシステムは、圧縮機と、燃焼器と、タービンとを含む。ガスタービンシステムの動作中、システム内の様々な構成要素は高温の流れに曝され、場合によっては高応力環境に曝される。特に懸念される構成要素の1つは、ノズルである。典型的なタービンセクションノズルは、内側側壁と外側側壁との間に延びる翼形部部分を含む。側壁の周縁、特に正圧側および負圧側スラッシュ面は、隣接するノズル間、例えば、単一体のノズルスラッシュ面に沿って最小限のホットギャップを必要とする。高温たわみが隣接するノズルにおいてノズル間の干渉を引き起こす場合、より大きなギャップが形成される場合があり、酸化をもたらし得る高温ガス摂取の問題につながる可能性がある。この問題は、所与のタービン段で少数のノズル(例えば、48個のノズルではなく36個のノズル)を使用する高度なタービンシステムでは大きくなる。
【0003】
スラッシュ面は、それらの間の角度を画定するために交わる2つの線形部分を含む「ドッグレッグ」プロファイルを有し得る。ドッグレッグプロファイルは、翼形部を側壁に容易に結合することを可能にする形状を提供するように配置されるが、ノズル間の干渉につながる可能性のある高温歪みには対処しない。ドッグレッグプロファイルでは、ドッグレッグは一般に凹型の形状であるため、線形部分間の交差部により高い応力集中領域が形成される。加えて、ドッグレッグのスラッシュ面形状のより大きな凹みは、スラッシュ面全長の増加、およびガスタービンの性能に悪影響を与える漏れをもたらす。応力集中レベルを下げるために、逃げ半径が凹型の交差部に導入されている。
【0004】
あるいは、スラッシュ面は、線形プロファイルを有する場合がある。例えば、一部の縁部は、スラッシュ面全体に広がる特異な線形プロファイルを有する。特異な線形プロファイルにより、交差部での高い応力集中が排除される。しかし、特異な線形プロファイルを有するスラッシュ面の構築は、様々な高温たわみに対処しない。
【0005】
完全に湾曲したスラッシュ面も採用されているが、製造が困難であり、高温たわみの問題に適切に対処していないため、隣接するスラッシュ面間のギャップが大きくなる。
【発明の概要】
【0006】
本開示の第1の態様は、タービンシステム用のノズルを提供し、ノズルは、前縁と後縁との間に延びる正圧側および負圧側を画定する外部表面を含む翼形部であって、先端および根元をさらに画定する翼形部と、先端で翼形部に接続された内側側壁であって、正圧側スラッシュ面、負圧側スラッシュ面、前縁面、および後縁面を画定する周縁を含む内側側壁と、根元で翼形部に接続された外側側壁であって、正圧側スラッシュ面、負圧側スラッシュ面、前縁面、および後縁面を画定する周縁を含む外側側壁と、内側側壁の半径方向内側側面および外側側壁の半径方向外側側面の少なくとも1つに円周方向に延びる補強部材とを備え、内側側壁の正圧側スラッシュ面、内側側壁の負圧側スラッシュ面、外側側壁の正圧側スラッシュ面、または外側側壁の負圧側スラッシュ面の少なくとも1つは、公称スラッシュ面角度に対して第1の角度で延びる第1の掃引表面と、公称スラッシュ面角度に対して第2の角度で延びる第2の掃引表面とを含み、第1の掃引表面と第2の掃引表面は、補強部材と円周方向に整列した接合線で交わる。
【0007】
本開示の第2の態様は、タービンシステム用のノズルアセンブリを提供し、ノズルアセンブリは、環状アレイに配置され、高温ガス経路を画定する複数のノズルであって、複数のノズルの各々は、前縁と後縁との間に延びる正圧側および負圧側を画定する外部表面を含む翼形部であって、先端および根元をさらに画定する翼形部と、先端で翼形部に接続された内側側壁であって、正圧側スラッシュ面、負圧側スラッシュ面、前縁面、および後縁面を画定する周縁を含む内側側壁と、根元で翼形部に接続された外側側壁であって、正圧側スラッシュ面、負圧側スラッシュ面、前縁面、および後縁面を画定する周縁を含む外側側壁と、内側側壁の半径方向内側側面および外側側壁の半径方向外側側面の少なくとも1つに円周方向に延びる補強部材とを含む複数のノズルを備え、内側側壁の正圧側スラッシュ面、内側側壁の負圧側スラッシュ面、外側側壁の正圧側スラッシュ面、または外側側壁の負圧側スラッシュ面の少なくとも1つは、公称スラッシュ面角度に対して第1の角度で延びる第1の掃引表面と、公称スラッシュ面角度に対して第2の角度で延びる第2の掃引表面とを含み、第1の掃引表面と第2の掃引表面は、補強部材と円周方向に整列した接合線で交わる。
【0008】
本開示の第3の態様は、ガスタービンシステムを提供し、ガスタービンシステムは、圧縮機セクションと、燃焼器セクションと、タービンセクションとを備え、タービンセクションは、複数のタービン段を含み、複数のタービン段の少なくとも1つは、ノズルアセンブリを含み、ノズルアセンブリは、環状アレイに配置され、高温ガス経路を画定する複数のノズルであって、複数のノズルの各々は、前縁と後縁との間に延びる正圧側および負圧側を画定する外部表面を備える翼形部であって、先端および根元をさらに画定する翼形部と、先端で翼形部に接続された内側側壁であって、正圧側スラッシュ面、負圧側スラッシュ面、前縁面、および後縁面を画定する周縁を含む内側側壁と、根元で翼形部に接続された外側側壁であって、正圧側スラッシュ面、負圧側スラッシュ面、前縁面、および後縁面を画定する周縁を含む外側側壁と、内側側壁の半径方向内側側面および外側側壁の半径方向外側側面の少なくとも1つに円周方向に延びる補強部材とを備える複数のノズルを含み、内側側壁の正圧側スラッシュ面、内側側壁の負圧側スラッシュ面、外側側壁の正圧側スラッシュ面、または外側側壁の負圧側スラッシュ面の少なくとも1つは、公称スラッシュ面角度に対して第1の角度で延びる第1の掃引表面と、公称スラッシュ面角度に対して第2の角度で延びる第2の掃引表面とを含み、第1の掃引表面と第2の掃引表面は、補強部材と円周方向に整列した接合線で交わり、各側壁は、環状アレイの7°よりも大きく弧状に延びる。
【0009】
本開示の第4の態様は、タービンシステム用のノズルを提供し、ノズルは、前縁と後縁との間に延びる正圧側および負圧側を画定する外部表面を含む翼形部であって、先端および根元をさらに画定する翼形部と、先端で翼形部に接続された内側側壁であって、正圧側スラッシュ面、負圧側スラッシュ面、前縁面、および後縁面を画定する周縁を含む内側側壁と、根元で翼形部に接続された外側側壁であって、正圧側スラッシュ面、負圧側スラッシュ面、前縁面、および後縁面を画定する周縁を含む外側側壁と、内側側壁の半径方向内側側面および外側側壁の半径方向外側側面の少なくとも1つに円周方向に延びる補強部材とを備え、内側側壁の正圧側スラッシュ面、内側側壁の負圧側スラッシュ面、外側側壁の正圧側スラッシュ面、または外側側壁の負圧側スラッシュ面の少なくとも1つは、公称スラッシュ面角度に対して第1の角度で延びる第1の掃引表面と、公称スラッシュ面角度に対して第2の角度で延びる第2の掃引表面とを含み、第1の掃引表面と第2の掃引表面は、補強部材と円周方向に整列したピークを有する弧で交わる。
【0010】
本開示の第5の態様は、タービンシステム用のノズルアセンブリを提供し、ノズルアセンブリは、環状アレイに配置され、高温ガス経路を画定する複数のノズルであって、複数のノズルの各々は、前縁と後縁との間に延びる正圧側および負圧側を画定する外部表面を含む翼形部であって、先端および根元をさらに画定する翼形部と、先端で翼形部に接続された内側側壁であって、正圧側スラッシュ面、負圧側スラッシュ面、前縁面、および後縁面を画定する周縁を含む内側側壁と、根元で翼形部に接続された外側側壁であって、正圧側スラッシュ面、負圧側スラッシュ面、前縁面、および後縁面を画定する周縁を含む外側側壁と、内側側壁の半径方向内側側面および外側側壁の半径方向外側側面の少なくとも1つに円周方向に延びる補強部材とを含む複数のノズルを備え、内側側壁の正圧側スラッシュ面、内側側壁の負圧側スラッシュ面、外側側壁の正圧側スラッシュ面、または外側側壁の負圧側スラッシュ面の少なくとも1つは、公称スラッシュ面角度に対して第1の角度で延びる第1の掃引表面と、公称スラッシュ面角度に対して第2の角度で延びる第2の掃引表面とを含み、第1の掃引表面と第2の掃引表面は、補強部材と円周方向に整列したピークを有する弧で交わる。
【0011】
本開示の第6の態様は、ガスタービンシステムを提供し、ガスタービンシステムは、圧縮機セクションと、燃焼器セクションと、タービンセクションとを備え、タービンセクションは、複数のタービン段を含み、複数のタービン段の少なくとも1つは、ノズルアセンブリを含み、ノズルアセンブリは、環状アレイに配置され、高温ガス経路を画定する複数のノズルであって、複数のノズルの各々は、前縁と後縁との間に延びる正圧側および負圧側を画定する外部表面を備える翼形部であって、先端および根元をさらに画定する翼形部と、先端で翼形部に接続された内側側壁であって、正圧側スラッシュ面、負圧側スラッシュ面、前縁面、および後縁面を画定する周縁を含む内側側壁と、根元で翼形部に接続された外側側壁であって、正圧側スラッシュ面、負圧側スラッシュ面、前縁面、および後縁面を画定する周縁を含む外側側壁と、内側側壁の半径方向内側側面および外側側壁の半径方向外側側面の少なくとも1つに円周方向に延びる補強部材とを備える複数のノズルを含み、内側側壁の正圧側スラッシュ面、内側側壁の負圧側スラッシュ面、外側側壁の正圧側スラッシュ面、または外側側壁の負圧側スラッシュ面の少なくとも1つは、公称スラッシュ面角度に対して第1の角度で延びる第1の掃引表面と、公称スラッシュ面角度に対して第2の角度で延びる第2の掃引表面とを含み、第1の掃引表面と第2の掃引表面は、補強部材と円周方向に整列したピークを有する弧で交わり、各側壁は、環状アレイの7°よりも大きく弧状に延びる。
【0012】
本開示の例示的な態様は、本明細書で説明される問題および/または論じられていない他の問題を解決するように設計される。
【0013】
本開示のこれらおよび他の特徴は、本開示の様々な実施形態を図示する添付の図面と併せて、本開示の様々な態様に関する以下の詳細な説明から、さらに容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本開示の実施形態による、ガスタービンシステムの概略図である。
【
図2】本開示の実施形態による、ガスタービンシステムのタービンセクションの断面図である。
【
図3】本開示の実施形態による、ノズルの斜視図である。
【
図4】本開示の実施形態による、反転された
図3のノズルの斜視図である。
【
図5】本開示の実施形態による、
図3の線X-Xに沿ったノズルの内側側壁の断面図である。
【
図6】本開示の実施形態による、
図3の線Y-Yに沿ったノズルの外側側壁の上面図である。
【
図7】本開示の別の実施形態による、ノズルの内側側壁の断面図である(
図3の線X-Xに沿ったものと同様の図)。
【
図8】本開示の他の実施形態による、ノズルの外側側壁の上面図である(
図3の線Y-Yに沿ったものと同様の図)。
【
図9】本開示の他の実施形態による、ノズルの内側側壁の断面図である(
図3の線X-Xに沿ったものと同様の図)。
【
図10】本開示のさらに他の実施形態による、ノズルの外側側壁の上面図である(
図3の線Y-Yに沿ったものと同様の図)。
【
図11】本開示の追加の実施形態による、ノズルの内側側壁の断面図である(
図3の線X-Xに沿ったものと同様の図)。
【
図12】本開示の実施形態による、ノズルの外側側壁の上面図である(
図3の線Y-Yに沿ったものと同様の図)。
【
図13】本開示の別の実施形態による、ノズルの斜視図である。
【
図14】本開示の別の実施形態による、反転された
図13のノズルの斜視図である。
【
図15】本開示の実施形態による、
図13の線X-Xに沿ったノズルの内側側壁の断面図である。
【
図16】本開示の実施形態による、
図13の線Y-Yに沿ったノズルの外側側壁の上面図である。
【
図17】本開示の別の実施形態による、ノズルの内側側壁の断面図である(
図13の線X-Xに沿ったものと同様の図)。
【
図18】本開示の他の実施形態による、ノズルの外側側壁の上面図である(
図13の線Y-Yに沿ったものと同様の図)。
【
図19】本開示の他の実施形態による、ノズルの内側側壁の断面図である(
図13のX-Xに沿ったものと同様の図)。
【
図20】本開示のさらに他の実施形態による、ノズルの外側側壁の上面図である(
図13の線Y-Yに沿ったものと同様の図)。
【
図21】本開示の追加の実施形態による、ノズルの内側側壁の断面図である(
図3の線X-Xに沿ったものと同様の図)。
【
図22】本開示の追加の実施形態による、ノズルの外側側壁の上面図である(
図3の線Y-Yに沿ったものと同様の図)。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示の図面は、必ずしも原寸に比例しないことに留意されたい。場合によっては、例示および理解のために、特徴の形状、サイズなどが誇張されている場合がある。図面は、本開示の典型的な態様だけを図示することを意図しており、したがって、本開示の範囲を限定するものと考えるべきではない。図面では、類似する符号は、図面間で類似する要素を表す。
【0016】
最初の問題として、現在の技術を明確に説明するために、タービンシステム内の関連する機械構成要素を参照して説明するときに、特定の専門用語を選択することが必要になる。可能な限り、一般的な工業専門用語が、その受け入れられた意味と同じ意味で使用および利用される。別途記載のない限り、このような専門用語は、本出願の文脈および添付の特許請求の範囲と一致する広義の解釈を与えられるべきである。当業者であれば、多くの場合、特定の構成要素がいくつかの異なるまたは重複する用語を使用して参照されることがあることを理解するであろう。単一の部品であるとして本明細書に記載され得るものは、複数の構成要素からなるものとして別の文脈を含み、かつ別の文脈で参照されてもよい。あるいは、複数の構成要素を含むものとして本明細書に記載され得るものは、単一の部品として他の場所で参照されてもよい。
【0017】
加えて、本明細書ではいくつかの記述的用語を規則通りに使用することができ、このセクションの開始時にこれらの用語を定義することが有用であることがわかる。これらの用語およびその定義は、別途記載のない限り、以下の通りである。本明細書で使用する場合、「下流」および「上流」とは、タービンエンジンを通る作動流体、または例えば、燃焼器を通る空気の流れ、もしくはタービンの構成要素システムの1つを通る冷却剤などの流体の流れに対する方向を示す用語である。「下流」という用語は、流体の流れの方向に対応し、「上流」という用語は、流れの反対の方向を指す。「前方」および「後方」という用語は、別途指定のない限り、方向を指し、「前方」はエンジンの前方または圧縮機端部を指し、「後方」はエンジンの後部またはタービン端部を指す。
【0018】
多くの場合、中心軸線に関して異なる半径方向位置に配置された部品を記述することが要求される。「半径方向」という用語は、軸線に垂直な移動または位置を指す。このような場合、第1の構成要素が第2の構成要素よりも軸線に近接して位置する場合には、本明細書では、第1の構成要素は第2の構成要素の「半径方向内側」または「内方」にあると述べる。一方、第1の構成要素が第2の構成要素よりも軸線から遠くに位置する場合には、本明細書では、第1の構成要素は第2の構成要素の「半径方向外側」または「外方」にあると述べることができる。「軸方向」という用語は、軸線に平行な移動または位置を指す。最後に、「円周方向」という用語は、軸線周りの移動または位置を指す。このような用語は、タービンの中心軸線に関連して適用することができることが理解されよう。
【0019】
加えて、以下に記載のように、本明細書ではいくつかの記述的用語を規則通りに使用することができる。「第1の」、「第2の」、および「第3の」という用語は、ある構成要素を別の構成要素から区別するために交換可能に使用することができ、個々の構成要素の場所または重要性を示すことを意図するものではない。
【0020】
本明細書で使用される専門用語は、単に特定の実施形態を説明するためのものに過ぎず、本開示を限定することを意図するものではない。本明細書で使用する場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「この(the)」は、特に明示しない限り、複数形も含むことを意図している。「備える(comprise)」および/または「備えている(comprising)」という用語は、本明細書で使用する場合、記載した特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素が存在することを明示するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらの組が存在することまたは追加することを除外しないことがさらに理解されよう。「任意選択の」または「任意選択で」は、後で述べられる事象または状況が、起こる場合も起こらない場合もあることを意味し、この記述は、その事象が起こる事例と、起こらない事例とを含むことを意味する。
【0021】
ある要素または層が別の要素または層に対して「上に」、「係合される」、「接続される」、または「結合される」と言及される場合には、他の要素または層に対して直接上に、係合され、接続され、または結合されてもよいし、あるいは介在する要素または層が存在してもよい。逆に、ある要素が別の要素または層に対して「直接上に」、「直接係合される」、「直接接続される」、または「直接結合される」と言及される場合には、介在する要素または層は存在しなくてもよい。要素間の関係について説明するために使用される他の語も、同様に解釈されるべきである(例えば、「~の間に」に対して「直接~の間に」、「~に隣接して」に対して「直接~に隣接して」など)。本明細書で使用する場合、「および/または」という用語は、関連する列挙された項目のいずれかおよび1つまたは複数のすべての組み合わせを含む。
【0022】
本技術の実施形態は、ノズル、タービンシステム用のノズルシステム、およびノズルアセンブリを含むタービンシステムを提供する。ノズルは、翼形部と、内側側壁と、外側側壁とを含む。内側側壁および外側側壁の各々は、正圧側スラッシュ面、負圧側スラッシュ面、前縁面、および後縁面を画定する周縁を含む。ノズルはまた、内側側壁の半径方向内側側面および外側側壁の半径方向外側側面の少なくとも1つに円周方向に延びる補強部材を含み得る。内側側壁の正圧側スラッシュ面、内側側壁の負圧側スラッシュ面、外側側壁の正圧側スラッシュ面、または外側側壁の負圧側スラッシュ面の少なくとも1つは、公称スラッシュ面角度に対して第1の角度で延びる第1の掃引表面と、公称スラッシュ面角度に対して第2の角度で延びる第2の掃引表面とを含む。特定の実施形態では、第1および第2の掃引表面は、補強部材と円周方向に整列した接合線で交わる。他の実施形態では、第1および第2の掃引表面は、補強部材と円周方向に整列したピークを有する弧で交わる。掃引表面は、隣接するノズルスラッシュ面間に異なるギャップ距離を提供し、スラッシュ面の軸方向長さに沿った異なる高温歪みに対処する。補強部材と円周方向に整列した接合線または弧のピークの場所は、応力緩和を提供し、必要に応じて高温歪みに対応し、ノズル間の干渉を最小限に抑える。
【0023】
図1は、例示的なガスタービンシステム10の概略図である。本開示のタービンシステム10は、ガスタービンシステム10である必要はなく、むしろ蒸気タービンシステムまたは他の適切なシステムなどの任意の適切なタービンシステム10であってもよいことを理解されたい。ガスタービンシステム10は、圧縮機セクション12と、燃焼器セクション14と、タービンセクション16とを含むことができる。圧縮機セクション12とタービンセクション16は、シャフト18によって結合され得る。シャフト18は、単一のシャフト、またはシャフト18を形成するように共に結合された複数のシャフトセグメントであってもよい。シャフトは、タービンシステム10のタービン軸線TAを画定する。
【0024】
当技術分野で一般的に知られているように、空気または別の適切な作動流体が、圧縮機セクション12を通って流れ、圧縮される。次に、圧縮された作動流体は、燃焼器セクション14に供給され、そこで燃料と組み合わされて燃焼され、高温の燃焼ガスを生成する。高温の燃焼ガスが燃焼器セクション14を通って流れた後、それらはタービンセクション16に流れ込み、タービンセクション16を通って流れることができる。
【0025】
図2は、本開示による、タービンセクション16の一部の一実施形態を示している。高温ガス経路20が、タービンセクション16内に画定され得る。シュラウド22、ノズル24、およびブレード26などの様々な高温ガス経路構成要素は、高温ガス経路20に少なくとも部分的に配置されてもよい。例えば、示すように、タービンセクション16は、複数のブレード26と、複数のノズル24とを含むことができる。複数のブレード26およびノズル24の各々は、高温ガス経路20に少なくとも部分的に配置され得る。さらに、複数のブレード26および複数のノズル24は、1つまたは複数の環状アレイに配置することができ、それらの各々は、高温ガス経路20の一部を画定することができる。
【0026】
タービンセクション16は、複数のタービン段を含み得る。各段は、環状アレイに配置された複数のノズル24と、環状アレイに配置された複数のブレード26とを含むことができる。例えば、一実施形態では、タービンセクション16は、
図2に示すように、3つの段を有し得る。例えば、第1段のタービンセクション16は、第1段ノズルアセンブリ31と、第1段ブレードアセンブリ32とを含んでもよい。ノズルアセンブリ31は、シャフト18の周りに円周方向に配置および固定された複数のノズル24を含み得る。ブレードアセンブリ32は、シャフト18の周りに円周方向に配置され、シャフト18に結合された複数のブレード26を含み得る。
【0027】
第2段のタービンセクション16は、第2段ノズルアセンブリ33と、第2段ブレードアセンブリ34とを含み得る。ノズルアセンブリ33に含まれるノズル24は、シャフト18の周りに円周方向に配置および固定することができる。ブレードアセンブリ34に含まれるブレード26は、シャフト18の周りに円周方向に配置され、シャフト18に結合され得る。したがって、第2段ノズルアセンブリ33は、高温ガス経路20に沿って、第1段ブレードアセンブリ32と第2段ブレードアセンブリ34との間に位置決めされる。
【0028】
第3段のタービンセクション16は、第3段ノズルアセンブリ35と、第3段ブレードアセンブリ36とを含み得る。ノズルアセンブリ35に含まれるノズル24は、シャフト18の周りに円周方向に配置および固定することができる。ブレードアセンブリ36に含まれるブレード26は、シャフト18の周りに円周方向に配置され、シャフト18に結合され得る。したがって、第3段ノズルアセンブリ35は、高温ガス経路20に沿って、第2段ブレードアセンブリ34と第3段ブレードアセンブリ36との間に位置決めされる。
【0029】
タービンセクション16は3段に限定されず、むしろ任意の数の段が本開示の範囲および趣旨の範囲内にあることを理解されたい。本開示によるノズル24、224(
図13の後者)は、タービンセクション16内の構成要素に限定されないことを理解されたい。むしろ、ノズル24、224は、タービンシステム10の圧縮機セクション12または任意の他の適切なセクションのための流路に少なくとも部分的に配置された構成要素であり得る。
【0030】
図3は、タービンシステム10用のノズル24の実施形態の側面斜視図を示し、
図4は、
図3のノズル24の反転された側面斜視図を示す。
図5は、
図3の線X-Xに沿ったノズル24の断面図を示し、
図6は、
図3の線Y-Yに沿ったノズル24の上面図を示す。
【0031】
例示的な実施形態では、ノズル24は、タービンシステム10のタービンセクション16で利用され、したがってノズルアセンブリに含まれる。さらに、ノズル24は、例示的な実施形態の第1段ノズル24であり、したがって第1段ノズルアセンブリ31で利用される。しかし、他の実施形態では、ノズル24は、第2段ノズルアセンブリ33で利用される第2段ノズル24、第3段ノズルアセンブリ35で利用される第3段ノズル24、またはタービンセクション16、圧縮機セクション12などにおける任意の適切な段もしくは他のアセンブリで利用される任意の他の適切なノズルであり得る。
【0032】
示すように、本開示によるノズル24は、翼形部40と、内側側壁42と、外側側壁44とを含む。翼形部40は、内側および外側側壁42、44の間に延び、それらに接続される。翼形部40は、正圧側52、負圧側54、前縁56、および後縁58を画定する外部表面を含む。一般的に知られているように、正圧側52および負圧側54は各々、一般に、前縁56と後縁58との間に延びる。翼形部40はさらに、先端62と根元64との間を画定し、それらの間に延びる。内側側壁42は、先端62で翼形部40に接続され、外側側壁44は、根元64で接続される。
【0033】
論じたように、側壁42、44は、翼形部40に接続される。いくつかの実施形態では、ノズル24は、鋳造または付加製造などを通じて単一の一体型構成要素として形成され、したがって側壁42、44と翼形部40が接続される。他の実施形態では、翼形部40および側壁42、44は、別々に形成される。これらの実施形態では、翼形部40と側壁42、44は、溶接、機械的締結、または他の方法で共に接続することができる。論じたように、各ノズル24は、1つまたは複数の翼形部40を含む。各翼形部40は、側壁42、44の間に延び、それらに接続される。1つ(示すように)、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の翼形部40がノズル24に含まれ得るが、第1段ノズルについて本明細書に記載される例示的な単一体に対して、1つだけが示されている。
【0034】
さらに、論じたように、ノズル24は、ノズルアセンブリ(例えば、第1段ノズルアセンブリ31)としてノズル24の環状アレイに含まれ得る。ノズルの環状アレイは、シャフト18の周りに延び、すなわち、それらは流れを導くためにシャフト18の周りに円周方向に固定される。本開示の実施形態は、製造およびメンテナンスを容易にし得る、48個などの多い数ではなく、より少ない数のより大きなノズル、例えば、36個のノズルを含むノズルアセンブリに特別な適用性を見出すことができる。この場合、各ノズル24は、環状アレイの7°よりも大きく弧状に延びる側壁42、44を含み得る。一例では、第1段ノズルアセンブリ31は、そのようなノズル24を有する。本開示の実施形態は、より少ない数のスラッシュ面を有するより少ない数のノズルが使用される場合に大きくなり得る高温歪みの問題に対処するスラッシュ面を提供する。
【0035】
図3、および
図5の断面図に示すように、内側側壁42は、周縁70を含む。周縁70は、内側側壁42の周辺を画定する。したがって、例示的な実施形態では、周縁70は、ノズル24の様々な表面に対応する様々な面を含み、それらを画定することができる。例えば、示すように、周縁70は、正圧側スラッシュ面72、負圧側スラッシュ面74、前縁面76、および後縁面78を画定し得る。
【0036】
同様に、
図3、および
図6の上面図に示すように、外側側壁44は、周縁80を含む。周縁80は、外側側壁44の周辺を画定する。したがって、例示的な実施形態では、周縁80は、ノズル24の様々な表面に対応する様々な面を含み、それらを画定することができる。例えば、示すように、周縁80は、正圧側スラッシュ面82、負圧側スラッシュ面84、前縁面86、および後縁面88を画定し得る。
【0037】
図3および
図4の凡例および矢印によって示すように、各ノズル24の各スラッシュ面72、74、82、84は、タービンシステムのタービン軸線TA、すなわち、ロータ軸線に対して公称スラッシュ面角度αで角度が付けられている。平面の場合、各スラッシュ面72、74、82、84の方向は、図面において線Aによって示されている。本明細書で使用する場合、「公称スラッシュ面角度α」は、平面の場合、翼形部40の重心を通って延びる、半径方向の翼形部スタッキング軸線(R
ASA)で測定されたタービンシステムの軸線TAに対する各スラッシュ面72、74、82、84の角度である。公称スラッシュ面角度は、各平面スラッシュ面に置き換えられる。タービンシステムに応じて、公称スラッシュ面角度αは、30°~40°であり得る。本明細書で説明するように、掃引スラッシュ面は、公称スラッシュ面角度αに対して角度が付けられている。
【0038】
図3を参照すると、各ノズル24はまた、内側側壁42の半径方向内側側面92および外側側壁44の半径方向外側側面94の少なくとも1つに円周方向に延びる補強部材90を含み得る。すなわち、補強部材90は、内側側壁42の半径方向内側側面92および/または外側側壁44の半径方向外側側面94に円周方向に延びることができる。
図4は、側面92、94の半径方向位置を逆にした、逆転または反転された位置にある
図3を示していることに留意されたい。
【0039】
補強部材90は、単一の部材または多数の部材を含み得る。補強部材90は、それぞれ内側側壁42および外側側壁44の半径方向内側側面92および/または半径方向外側側面94に円周方向に延び、それが位置するそれぞれの側壁42、44を補強するより厚い材料を提供する任意の構造であり得る。補強部材90は、側壁のすべてまたは側壁42、44の一部のみを横切って円周方向に延びることができる。補強部材90は、単に補強材として提供され得るが、取り付けレールまたは軸方向荷重特徴として機能するなど、これらに限定されない他の機能も提供し得る。
【0040】
図5~
図6に示すように、補強部材90は、それぞれ内側側壁42および/または外側側壁44の前縁面76、86から後縁面78、88に向かって、翼弦軸方向長さ(CL)の50%~100%の間に位置する。すなわち、各補強部材90は、それぞれの前縁面76、86よりもそれぞれの後縁面78、88に近い。別の実施形態では、補強部材90は、それぞれ内側側壁42および/または外側側壁44の前縁面76、86から後縁面78、88に向かって、翼弦軸方向長さ(CL)の60%~75%の間に位置し得る。
【0041】
上で論じたように、ノズルの周縁が特異な平面、ドッグレッグ、または湾曲したスラッシュ面を有するとき、高温歪みは、隣接するノズル間のギャップを大きくする可能性がある。この問題に対処するために、
図5~
図12に最もよく示される例示的な実施形態では、内側側壁42の正圧側スラッシュ面72、内側側壁42の負圧側スラッシュ面74、外側側壁44の正圧側スラッシュ面82、または外側側壁44の負圧側スラッシュ面84の少なくとも1つは、公称スラッシュ面角度αに対して第1の角度102で延びる第1の掃引表面100と、公称スラッシュ面角度αに対して第2の角度106で延びる第2の掃引表面104とを含むことができる。第1の角度102は前方を向き、第2の角度106は後方を向いている。
【0042】
従来のドッグレッグプロファイルとは対照的に、第1の掃引表面100および第2の掃引表面104は、補強部材90と円周方向に整列した、すなわち、軸線TAの周りの方向において接合線110で交わる。本明細書で使用する場合、「円周方向に整列した」とは、接合線110が、補強部材90の軸方向範囲、例えば、図示のようにページを横切って左から右に延びる範囲の間で軸方向にあることを意味する。接合線110は、タービンシステム10の軸線TAに対して概して半径方向に延びることができる。このようにして、補強部材90は、場合によってはスラッシュ面に存在する応力を緩和および/または吸収する。
【0043】
掃引表面100、104は、線形であり得る。公称スラッシュ面角度αに対して、第1の角度102は0.1°~0.4°であり得、第2の角度106は0.1°~0.4°であり得る。公称スラッシュ面角度αが30°~40°であり得るので、掃引表面100、104は、タービンシステム10の軸線TAから29.6°~40.4°であり得る。第1の角度102は、第2の角度106と同じであっても異なっていてもよい。タービンシステム10(
図1)の軸線TA(説明のためにシフトされている)が、
図5~
図12に示されている。掃引表面100、104を有する各スラッシュ面72、74、82、84の端部において、通常は平面スラッシュ面が側壁42、44のそれぞれの前縁76、86または後縁78、88に交わる場所からの距離は、例えば、0.010~0.030インチ(0.25ミリメートル(mm)~0.76mm)であり得る。すなわち、0.010~0.030インチの材料は、例えば、ミリングを介して、スラッシュ面72、74、82、84および側壁42、44の前縁または後縁面76、86、78、88の角で除去され、所望の角度102、106で掃引表面100、104を形成することができる。
【0044】
掃引表面100、104を含むスラッシュ面72、74、82、84は、多数の方法でそれらの配置を変えることができる。
図3~
図6に示す一例では、内側側壁42の正圧側スラッシュ面72および外側側壁44の正圧側スラッシュ面82は各々、第1の掃引表面100および第2の掃引表面104を含む。対照的に、内側側壁42の負圧側スラッシュ面74および外側側壁44の負圧側スラッシュ面84は各々、単一の平面表面112を含む。したがって、
図5および
図6に示すように、スラッシュ面72、82は、平面スラッシュ面表面112を有する隣接するノズルの隣接するスラッシュ面74、84である。
【0045】
他の実施形態では、内側側壁42の正圧側スラッシュ面72、内側側壁42の負圧側スラッシュ面74(示されている)、外側側壁44の正圧側スラッシュ面82、または外側側壁44の負圧側スラッシュ面84の1つのみが、第1の掃引表面100および第2の掃引表面104を含む。すなわち、内側側壁42または外側側壁44上の任意の単一のスラッシュ面72、74、82、84は、掃引表面100、104を含み得る。例示すると、それぞれ
図5および8に示すような内側および外側側壁42、44を有する例示的な実施形態では、掃引表面100、104は、内側側壁42の正圧側スラッシュ面72(
図5)上にのみ存在する。この実施形態では、外側側壁44(
図8)の両方のスラッシュ面82、84、ならびに内側側壁42(
図5)の負圧側スラッシュ面74は、平面スラッシュ面112を有する。
【0046】
あるいは、内側および外側側壁42、44がそれぞれ
図6および
図7に示される通りである場合、掃引表面100、104は、外側側壁44(
図6)の正圧側スラッシュ面82上にのみ存在する。ここで、内側側壁42(
図7)の両方のスラッシュ面72、74、ならびに外側側壁44の負圧側スラッシュ面84は、平面スラッシュ面112を有する。別の例では、外側および内側側壁44、42がそれぞれ
図8および
図9に示される通りである場合、掃引表面100、104は、内側側壁42の負圧側スラッシュ面74(
図9)上にのみ存在する。ここで、外側側壁44(
図8)の両方のスラッシュ面82、84、ならびに内側側壁42(
図9)の正圧側スラッシュ面72は、平面スラッシュ面112を有する。別の例では、内側および外側側壁42、44がそれぞれ
図7および
図10に示される通りである場合、掃引表面100、104は、外側側壁44の負圧側スラッシュ面84(
図10)上にのみ存在する。ここで、内側側壁42(
図7)の両方のスラッシュ面72、74、ならびに外側側壁44(
図10)の正圧側スラッシュ面82は、平面スラッシュ面112を有する。
【0047】
図8および
図11、ならびに
図7および
図12に示す別の実施形態では、各ノズル24上の1つの側壁のみが、その両方のスラッシュ面上に掃引表面100、104を含む。すなわち、所与の側壁上の両方のスラッシュ面は、掃引表面100、104を含み、他方の側壁は、平面スラッシュ面を有する。
図8および
図11は、内側側壁42の正圧側スラッシュ面72と内側側壁42の負圧側スラッシュ面74の両方が掃引表面100、104(
図11)を含み、同じノズル24における外側側壁44上の両方のスラッシュ面82、84が平面スラッシュ面112(
図8)を含む一実施形態を示す。対照的に、
図7および
図12に示すように、外側側壁44の正圧側スラッシュ面82と外側側壁44の負圧側スラッシュ面84の両方は、掃引表面100、104(
図12)を含み、内側側壁42上の両方のスラッシュ面72、74は、平面スラッシュ面112(
図7)を含む。
【0048】
図13~
図22は、掃引表面100、104が交わる接合線110(例えば、
図5参照)ではなく、弧210を用いる本開示の別の実施形態を示す。
図13は、タービンシステム10用のノズル224の実施形態の側面斜視図を示し、
図14は、
図13のノズル224の反転された側面斜視図を示す。
図15は、
図13の線X-Xに沿ったノズル224の断面図を示し、
図16は、
図13の線Y-Yに沿ったノズル224の上面図を示す。例示的な実施形態では、ノズル224は、ノズル24に関して前述したように使用することができる。すなわち、ノズル224は、タービンシステム10のタービンセクション16で利用することができ、したがってノズルアセンブリ(例えば、
図2に示すように、第1段ノズルアセンブリ31)に含まれる。
【0049】
ノズル224は、ノズル24と同様の構造を含み得る。例えば、ノズル224は、本明細書に記載されるように、翼形部40と、内側側壁242と、外側側壁244とを含み得る。翼形部40はまた、正圧側52、負圧側54、前縁56、および後縁58を画定する外部表面を含み得る。翼形部40はまた、先端62と、根元64とを含む。ノズル224は、ノズル24に関して説明したように形成することができる。論じたように、ノズル224は、ノズルアセンブリとしてノズル224の環状アレイに含まれ得る。ノズル224はまた、48個などの多い数ではなく、より少ない数のより大きなノズル、例えば、36個のノズルを含むノズルアセンブリに特別な適用性を見出すことができる。この場合、各ノズル224は、環状アレイの7°よりも大きく弧状に延びる側壁242、244を含み得る。一例では、第1段ノズルアセンブリ31は、そのようなノズル224を有する。
【0050】
図13、および
図15の断面図に示すように、内側側壁242は、内側側壁242の周辺を画定する周縁270を含む。したがって、例示的な実施形態では、周縁270は、ノズル224の様々な表面に対応する様々な面を含み、それらを画定することができる。例えば、示すように、周縁270は、正圧側スラッシュ面272、負圧側スラッシュ面274、前縁面276、および後縁面278を画定し得る。
【0051】
同様に、
図13、および
図16の上面図に示すように、外側側壁244は、周縁280を含む。周縁280は、外側側壁244の周辺を画定する。したがって、例示的な実施形態では、周縁280は、ノズル224の様々な表面に対応する様々な面を含み、それらを画定することができる。例えば、示すように、周縁280は、正圧側スラッシュ面282、負圧側スラッシュ面284、前縁面286、および後縁面288を画定し得る。
【0052】
各ノズル224はまた、内側側壁242の半径方向内側側面92および外側側壁244の半径方向外側側面94の少なくとも1つに円周方向に延びる補強部材90を含み得る。すなわち、補強部材90は、内側側壁242の半径方向内側側面92および/または外側側壁244の半径方向外側側面94に円周方向に延びることができる。
図14は、側面92、94を逆転した、
図13の逆転または反転された画像であることに留意されたい。補強部材90は、本明細書で前述した通りであり得る。
【0053】
図15~
図16に示すように、補強部材90は、内側側壁242および/または外側側壁244の前縁面276、286から後縁面278、288に向かって、翼弦軸方向長さ(CL)の50%~100%の間に位置する。すなわち、各補強部材90は、それぞれの前縁面276、286よりもそれぞれの後縁面278、288に近い。別の実施形態では、補強部材90は、それぞれ内側側壁242および/または外側側壁244の前縁面276、286から後縁面278、288に向かって、翼弦軸方向長さ(CL)の60%~75%の間に位置し得る。
【0054】
内側側壁242の正圧側スラッシュ面272、内側側壁242の負圧側スラッシュ面274、外側側壁244の正圧側スラッシュ面282、または外側側壁244の負圧側スラッシュ面284の少なくとも1つは、公称スラッシュ面角度αに対して第1の角度102で延びる第1の掃引表面100と、公称スラッシュ面角度αに対して第2の角度106で延びる第2の掃引表面104とを含むことができる。前の実施形態のプロファイルとは対照的に、第1の掃引表面100および第2の掃引表面104は、補強部材90と円周方向に整列した、すなわち、タービン軸線TAの周りの方向おいてピークを有する弧210で交わる。本明細書で使用する場合、「円周方向に整列した」とは、弧210のピークが、補強部材90の軸方向範囲、例えば、図示のようにページを横切って左から右に延びる範囲の間で軸方向にあることを意味する。弧210のピークは、タービンシステム10のタービン軸線TAに対して概して半径方向に延びることができる。このようにして、補強部材90は、場合によっては存在する応力を緩和および/または吸収する。弧210は、ミリングによって形成され得、自由形状であり得るか、または特定の形状を満たすように構成され得る。
【0055】
掃引表面100、104は、弧210以外では線形であり得る。公称スラッシュ面角度αに対して、第1の角度102は0.1°~0.4°であり得、第2の角度は0.1°~0.4°であり得る。公称スラッシュ面角度αは、
図3~
図12に関して説明したものと同じである(
図13および
図14の凡例参照)。公称スラッシュ面角度αが30°~40°であり得るので、掃引表面100、104は、タービンシステム10の軸線TAから29.6°~40.4°であり得る。第1の角度102は、第2の角度106と同じであっても異なっていてもよい。弧210は、表面100、104の混合を可能にする、任意の所望の半径を有することができる。掃引表面100、104を有する各スラッシュ面272、274、282、284の端部において、通常は平面スラッシュ面が側壁242、244のそれぞれの前縁面または後縁面276、286、278、288に交わる場所からの距離は、例えば、0.010~0.030インチ(0.25ミリメートル(mm)~0.76mm)であり得る。すなわち、0.010~0.030インチの材料は、例えば、ミリングを介して、スラッシュ面272、274、282、284および側壁242、244の前縁面276、286または後縁面278、288の角で除去され、所望の角度102、106で掃引表面100、104を形成することができる。
【0056】
図5~
図12に関して本明細書に記載されるように、弧210で交わる掃引表面100、104を含むスラッシュ面272、274、282、284は、変化し得る。
図13~
図22は、
図5~
図12のものと同様の配置を示しているが、接合線110ではなく弧210を含んでいる。
図15および
図16に示す一例では、内側側壁242の正圧側スラッシュ面272と外側側壁244の正圧側スラッシュ面282の両方は、第1の掃引表面100および第2の掃引表面104を含む。対照的に、内側側壁242の負圧側スラッシュ面274および外側側壁44の負圧側スラッシュ面84の各々は、単一の平面表面112を含む。したがって、
図15および
図16に示すように、スラッシュ面272、282は、平面スラッシュ面表面112を有する隣接するノズル224の隣接するスラッシュ面274、284である。
【0057】
図15~
図20を参照して示される他の実施形態では、内側側壁242の正圧側スラッシュ面272、内側側壁242の負圧側スラッシュ面274、外側側壁244の正圧側スラッシュ面282、または外側側壁244の負圧側スラッシュ面284の1つのみが、第1の掃引表面100および第2の掃引表面104を含む。すなわち、内側側壁242または外側側壁244上の任意の単一のスラッシュ面272、274、282、284は、掃引表面100、104を含み得る。例示すると、内側および外側側壁242、244がそれぞれ
図15および
図18に示されるような一実施形態では、掃引表面100、104は、内側側壁242の正圧側スラッシュ面272(
図15)上にのみ存在する。この実施形態では、外側側壁244(
図18)の両方のスラッシュ面282、284、ならびに内側側壁242(
図15)の負圧側スラッシュ面274は、平面スラッシュ面112を有する。
【0058】
別の例では、外側および内側側壁244、242がそれぞれ
図16および
図17に示される通りである場合、掃引表面100、104は、外側側壁244の正圧側スラッシュ面282(
図16)上にのみ存在する。ここで、内側側壁242(
図17)の両方のスラッシュ面272、274、ならびに外側側壁244(
図16)の負圧側スラッシュ面284は、平面スラッシュ面112を有する。別の例では、外側および内側側壁244、242がそれぞれ
図18および
図19に示される通りである場合、掃引表面100、104は、内側側壁242の負圧側スラッシュ面274(
図19)上にのみ存在する。ここで、外側側壁244(
図18)の両方のスラッシュ面282、284、ならびに内側側壁242(
図19)の正圧側スラッシュ面272は、平面スラッシュ面112を有する。最終例では、内側および外側側壁242、244がそれぞれ
図17および
図20に示される通りである場合、掃引表面100、104は、外側側壁244の負圧側スラッシュ面284(
図20)上にのみ存在する。ここで、内側側壁242(
図17)の両方のスラッシュ面272、274、ならびに正圧側スラッシュ面282(
図20)は、平面スラッシュ面112を有する。
【0059】
図18および
図21、ならびに
図17および
図22によって示される別の実施形態では、各ノズル224上の1つの側壁のみが、両方のスラッシュ面上に掃引表面100、104を含む。すなわち、所与の側壁上の両方のスラッシュ面は、掃引表面100、104を含み、他方の側壁は、平面スラッシュ面を有する。
図18および
図21は、内側側壁242の正圧側スラッシュ面272と内側側壁242の負圧側スラッシュ面274の両方が掃引表面100、104(
図21)を含み、同じノズル224上の外側側壁244が平面スラッシュ面282、284(
図18)を含む一実施形態を示す。対照的に、
図17および
図22に示すように、外側側壁244の正圧側スラッシュ面282と外側側壁244の負圧側スラッシュ面284の両方は、掃引表面100、104(
図22)を含み、同じノズル224上の内側側壁242は、平面スラッシュ面272、274(
図17)を含む。
【0060】
掃引表面100、104は、配置に関係なく、タービンシステムに取り付けられたとき、隣接するノズル24、224のスラッシュ面間に不均一なギャップ距離GD(
図5のみ)を形成する。不均一なギャップ距離GDは、特定のノズル24、224および/またはノズル段に合わせてカスタマイズし、あらゆる高温歪みに対応することができる。いずれにせよ、掃引表面100、104は、各ノズル24、224がより硬く、高温歪みが起こりにくい場所、すなわち、側壁がその元の形状に対して最小限にしか成長またはたわまない場所に有利に位置する。補強部材90は、各ノズル24、224上で円周方向に延び、補強部材90のないエリアと比較して剛性を増加させ、その結果、補強部材90に近接するか、またはそれと整列したエリアでは最小量の翼弦のたわみしか観察されない。
【0061】
対照的に、側壁42、44、242、244がそれほど硬くない場合、隣接するノズル24、224のスラッシュ面からの距離がより大きい掃引表面100、104を介してより大きい距離が提供される。その結果、ノズル間の干渉を防ぐために必要な場合、側壁42、44、242、244の高温歪み、すなわち、成長、たわみ、熱膨張、または他の構造的シフトに対応するために追加のギャップスペースが提供され、高温歪みがノズル間の干渉を引き起こす可能性が低い場合、より小さいギャップスペースが提供される。
【0062】
本明細書および特許請求の範囲を通してここで使用される、近似を表す文言は、関連する基本的機能に変化をもたらすことなく、差し支えない程度に変動し得る任意の量的表現を修飾するために適用することができる。したがって、「およそ」、「約」、および「実質的に」などの用語によって修飾された値は、明記された厳密な値に限定されるものではない。少なくともいくつかの例では、近似を表す文言は、値を測定するための機器の精度に対応することができる。ここで、ならびに本明細書および特許請求の範囲を通して、範囲の限定は組み合わせおよび/または置き換えが可能であり、文脈および文言が特に指示しない限り、このような範囲は識別され、それに包含されるすべての部分範囲を含む。範囲の特定の値に適用される「約」は、両端の値に適用され、値を測定する機器の精度に特に依存しない限り、記載された値の+/-10%を示すことができる。
【0063】
以下の特許請求の範囲におけるミーンズプラスファンクションまたはステッププラスファンクションの要素すべての、対応する構造、材料、動作、および均等物は、具体的に請求された他の請求要素と組み合わせてその機能を実施するための、一切の構造、材料、または動作を包含することを意図している。本開示の記述は、例示および説明の目的で提示されており、網羅的であることも、または本開示を開示した形態に限定することも意図していない。当業者には、本開示の範囲および趣旨から逸脱することなく多くの修正および変形が明らかであろう。本開示の原理および実際の用途を最良に説明し、想定される特定の使用に適するように様々な修正を伴う様々な実施形態の本開示を他の当業者が理解することができるようにするために、本実施形態を選択し、かつ説明した。
【符号の説明】
【0064】
10 ガスタービンシステム
12 圧縮機セクション
14 燃焼器セクション
16 タービンセクション
18 シャフト
20 高温ガス経路
22 シュラウド
24 ノズル
26 ブレード
31 第1段ノズルアセンブリ
32 第1段ブレードアセンブリ
33 第2段ノズルアセンブリ
34 第2段ブレードアセンブリ
35 第3段ノズルアセンブリ
36 第3段ブレードアセンブリ
40 翼形部
42 内側側壁
44 外側側壁
52 正圧側
54 負圧側
56 前縁
58 後縁
62 先端
64 根元
70 周縁
72 正圧側スラッシュ面
74 負圧側スラッシュ面
76 前縁面/前縁
78 後縁面/後縁
80 周縁
82 正圧側スラッシュ面
84 負圧側スラッシュ面
86 前縁面/前縁
88 後縁面/後縁
90 補強部材
92 半径方向内側側面
94 半径方向外側側面
100 第1の掃引表面
102 第1の角度
104 第2の掃引表面
106 第2の角度
110 接合線
112 単一の平面表面/平面スラッシュ面
210 弧
224 ノズル
242 内側側壁
244 外側側壁
270 周縁
272 正圧側スラッシュ面
274 負圧側スラッシュ面
276 前縁面
278 後縁面
280 周縁
282 正圧側スラッシュ面
284 負圧側スラッシュ面
286 前縁面
288 後縁面
CL 翼弦軸方向長さ
GD 不均一なギャップ距離
TA タービン軸線
RASA 半径方向の翼形部スタッキング軸線
α 公称スラッシュ面角度