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特許7599981印刷制御装置、印刷制御方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】印刷制御装置、印刷制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20241209BHJP
   B41J 2/525 20060101ALI20241209BHJP
【FI】
G06F3/12 353
G06F3/12 308
B41J2/525
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021019318
(22)【出願日】2021-02-09
(65)【公開番号】P2022122166
(43)【公開日】2022-08-22
【審査請求日】2024-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松田 将一
【審査官】漆原 孝治
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-218319(JP,A)
【文献】特開2016-103695(JP,A)
【文献】特開2019-093707(JP,A)
【文献】特開2019-034427(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
B41J 2/525
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特別色の色材を用いて印刷を行うことが可能な画像出力装置に印刷を指示することが可能な印刷制御装置であって、
複数の特別色が指定可能に表示された設定画面を表示する表示制御手段と、
前記設定画面に指定可能に表示された複数の前記特別色の中から、指定された前記特別色を設定する設定手段と、
前記設定手段で設定された前記特別色と、印刷データに含まれる特定の色値と、を対応づけたことを示す所定のコマンドを、前記印刷データに付与して、前記画像出力装置に送信する送信手段と、
を備え
前記表示制御手段は、前記印刷データの元となる画像を編集するアプリケーションであり、
前記設定画面は、前記アプリケーションが表示する画像編集画面であり、
前記表示制御手段は、前記特別色と、前記印刷データに含まれる前記特定の色値と、所定のコマンドと、を対応付けた情報を、前記画像出力装置に対応するプリンタドライバから取得して表示することを特徴とする印刷制御装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記特定の色値を用いた前記印刷データを編集可能に表示し、前記印刷データの所定のオブジェクトを前記特別色で印刷するよう設定することを特徴とする請求項に記載の印刷制御装置。
【請求項3】
前記設定画面の一部に、前記特定の色値と対応して複数の前記特別色が指定可能に表示されていることを特徴とする請求項に記載の印刷制御装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、複数の前記特別色を、前記特定の色値の色として表示することを特徴とする請求項ないしのいずれか1項に記載の印刷制御装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、複数の前記特別色を、前記特定の色値の色として表示せず、前記特別色の色値として表示することを特徴とする請求項ないしのいずれか1項に記載の印刷制御装置。
【請求項6】
複数指定可能に表示された複数の前記特別色には、優先順位が付与されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の印刷制御装置。
【請求項7】
前記優先順位は、鮮やかな前記特別色ほど高順位であることを特徴とする請求項に記載の印刷制御装置。
【請求項8】
特別色の色材を用いて印刷を行うことが可能な画像出力装置に印刷を指示することが可能な印刷制御装置であって、
複数の特別色が指定可能に表示された設定画面を表示する表示制御手段と、
前記設定画面に指定可能に表示された複数の前記特別色の中から、指定された前記特別色を設定する設定手段と、
前記設定手段で設定された前記特別色と、印刷データに含まれる特定の色値と、を対応づけたことを示す所定のコマンドを、前記印刷データに付与して、前記画像出力装置に送信する送信手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記特別色と、前記印刷データに含まれる前記特定の色値と、所定のコマンドと、を対応付けた情報を、前記画像出力装置から取得して表示することを特徴とする印刷制御装置。
【請求項9】
特別色の色材を用いて印刷を行うことが可能な画像出力装置に印刷を指示することが可能な印刷制御方法であって、
複数の特別色が指定可能に表示された設定画面を表示する表示制御工程と、
前記設定画面に指定可能に表示された複数の前記特別色の中から、指定された前記特別色を設定する設定工程と、
前記設定工程で設定された前記特別色と、印刷データに含まれる特定の色値と、を対応づけたことを示す所定のコマンドを、前記印刷データに付与して、前記画像出力装置に送信する送信工程と、を備え
前記表示制御工程では、アプリケーションが、前記印刷データの元となる画像を編集し、
前記アプリケーションは、前記設定画面である画像編集画面を表示し、
前記表示制御工程では、前記特別色と、前記印刷データに含まれる前記特定の色値と、所定のコマンドと、を対応付けた情報を、前記画像出力装置に対応するプリンタドライバから取得して表示することを特徴とする印刷制御方法。
【請求項10】
特別色の色材を用いて印刷を行うことが可能な画像出力装置に印刷を指示することが可能な印刷制御方法であって、
複数の特別色が指定可能に表示された設定画面を表示する表示制御工程と、
前記設定画面に指定可能に表示された複数の前記特別色の中から、指定された前記特別色を設定する設定工程と、
前記設定工程で設定された前記特別色と、印刷データに含まれる特定の色値と、を対応づけたことを示す所定のコマンドを、前記印刷データに付与して、前記画像出力装置に送信する送信工程と、を備え、前記表示制御工程では、前記特別色と、前記印刷データに含まれる前記特定の色値と、所定のコマンドと、を対応付けた情報を、前記画像出力装置から取得して表示することを特徴とする印刷制御方法。
【請求項11】
請求項1からのいずれか1項に記載の印刷制御装置の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置で所望のスポットカラー印刷を行う印刷制御装置、印刷制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に印刷装置で用いられているシアン・マゼンダ・イエロー・ブラックという基本色に加えて、最近ではレッド・ブルー・グリーンや蛍光ピンク等の一般に特色インクと呼ばれるインクを使用し、色再現領域の拡大を図っている印刷装置が開発されている。そして、印刷物の特定の箇所を、予め指定した特色インクを使用して表現するスポットカラー印刷と呼ばれる技術が用いられている。例えば、特許文献1には、印刷において特定の色情報(RGB値)を予め指定した特色に置換して印刷する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-103695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スポットカラー印刷を行う際に、意図しない印刷結果を生じさせないことが要望される。よって本発明は、意図しない印刷結果が生じるのを抑制することができる印刷制御装置、印刷制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのため本発明の印刷制御装置は、特別色の色材を用いて印刷を行うことが可能な画像出力装置に印刷を指示することが可能な印刷制御装置であって、複数の特別色が指定可能に表示された設定画面を表示する表示制御手段と、前記設定画面に指定可能に表示された複数の前記特別色の中から、指定された前記特別色を設定する設定手段と、前記設定手段で設定された前記特別色と、印刷データに含まれる特定の色値と、を対応づけたことを示す所定のコマンドを、前記印刷データに付与して、前記画像出力装置に送信する送信手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記印刷データの元となる画像を編集するアプリケーションであり、前記設定画面は、前記アプリケーションが表示する画像編集画面であり、前記表示制御手段は、前記特別色と、前記印刷データに含まれる前記特定の色値と、所定のコマンドと、を対応付けた情報を、前記画像出力装置に対応するプリンタドライバから取得して表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、意図しない印刷結果が生じるのを抑制することができる印刷制御装置、印刷制御方法およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】印刷システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
図2】スポットカラー印刷を行う印刷システムの構成を示したブロック図である。
図3】アプリケーションの一例を示した図である。
図4】印刷設定ダイアログおよびスポットカラー設定画面を示した図である。
図5】対応する指定RGB値、表示RGB値、対応コマンドを示した図である。
図6】印刷データの生成処理を示したフローチャートである。
図7】(a)から(c)は、付与するコマンドを示した図である。
図8】ポスターデータ作成アプリケーションを示した図である。
図9】スポットカラーの表示処理を示したフローチャートである。
図10】スポットカラーの返却処理および設定処理を示したフローチャートである。
図11】印刷設定ダイアログおよびスポットカラー設定画面を示した図である。
図12】スポットカラー情報の更新処理を示すフローチャートである。
図13】指定RGB値、表示RGB値、対応コマンドを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照して本発明の第1の実施形態について説明する。
【0009】
図1は、印刷システムのハードウェア構成を示すブロック図である。ホストコンピュータ101は、情報処理装置の一例であり、入力インタフェース110、CPU111、ROM112、RAM113、外部記憶装置114、出力インタフェース115および入出力インタフェース116を有する。また、入力インタフェース110には、キーボード118、ポインティングデバイス117などの入力デバイスが接続され、出力インタフェース115には、表示部119などの表示デバイスが接続されている。
【0010】
ROM112には、初期化プログラムが格納され、外部記憶装置114には、アプリケーションプログラム群、オペレーティングシステム(OS)、プリンタドライバ、その他の各種のデータが格納されている。RAM113は、外部記憶装置114にストアされる各種のプログラムの実行の際のワークメモリ等として使用される。
【0011】
なお、本実施形態では、CPU111は、ROM112に格納されたプログラムの手順に従って処理を行うことによって、ホストコンピュータ101における後述の機能および後述するフローチャートに係る処理を実行する。印刷装置(画像出力装置)102は、入出力インタフェース116を介して、ホストコンピュータ101と接続されている。ここでは、ホストコンピュータ101と印刷装置102が分かれて構成されているが、これらが一つの情報処理装置として構成されていてもよい。なお、印刷装置102は、インクを紙面上に吐出することで印刷するインクジェットプリンタを例に説明するが、他の方法(例えば電子写真方式)で印刷が実行されてもよい。また、CPU111は、印刷装置102における印刷制御を行ってもよい。
【0012】
本実施形態では、特定の箇所に特別色の色材を用いて印刷(以下、スポットカラー印刷という)を行うインクジェットプリンタを例に説明する。さらに本実施形態の印刷装置は、A0やB0などの大きなサイズの記録媒体に印刷を行うことができる大判インクジェットプリンタを例に説明する。また、ホストコンピュータ101は、デスクトップパソコンでも、スマートフォンでも、ノートパソコンでもよい。
【0013】
図2は、スポットカラー印刷を行う印刷システムの構成を示したブロック図である。スポットカラー印刷とは、一般的なインクであるCMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)インク以外の特別色のインク(スポットカラーインク)を用いた印刷である。本実施形態では、スポットカラーインクとして、蛍光ピンクのインクが用いられる。しかしながらこの形態に限定されず、特殊インクの数や色は任意のものであってよい。例えば、スポットカラーインクとして、ヴァイオレットのインク、グリーンのインク、オレンジのインクが用いられても良い。アプリケーション202は、印刷されるコンテンツを作成するソフトウェアであり、例えば、ポスターデータを作成する画像編集アプリケーションが相当する。ユーザは、アプリケーション202上で、後述するスポットカラー印刷を行いたい文字やグラフィックス印刷データに関して、特定のRGBデータ値を指定する。アプリケーション202は、ユーザから印刷要求を受けると、印刷指示をOS201に発行する。印刷指示を受けると、OS201は、その後の印刷に関する処理を自身が備えるOS印刷システム(不図示)に委ねる。ここでは、OS印刷システムは、印刷装置ベンダが提供するプリンタドライバ203と協調して動作を行うものとして以降の説明を行う。
【0014】
OS印刷システムは、アプリケーション202からの印刷設定画面の表示要求を受けると、プリンタドライバ203(色情報生成手段)に印刷設定画面の表示を要求し、プリンタドライバ203はユーザーインターフェース部204に印刷設定画面を表示する。印刷設定画面に関しては後述するが、用紙サイズや用紙の種類等の指定、スポットカラー印刷の指定を行うことができる。
【0015】
プリンタドライバ203は、SDK(Software Development Kit)I/F206を提供する。アプリケーション202は、SDK I/F206を使用することで、プリンタドライバ203の印刷設定画面を開くことなく、アプリケーション202上で印刷設定を行うことができる。さらに、プリンタドライバ203は、情報取得部207により、印刷装置102の情報を取得することが可能である。プリンタドライバ203は、印刷装置102から取得した情報をもとに、印刷装置102の機能に合わせた設定をユーザーインターフェース部204で表示することや、SDK I/F206でサポートすることができる。
【0016】
アプリケーション202からの印刷指示により、OS印刷システムを介し、アプリケーション202の印刷データと印刷設定とが、プリンタドライバ203のグラフィックス処理部205に渡る。グラフィックス処理部205は、これらデータを印刷装置102が解釈できるデータ形式に変換し、印刷装置102に送信する。その後、印刷装置102に給紙された記録媒体に、印刷装置102の記録ヘッドからインクが吐出され画像が形成される。ここで、スポットカラー印刷が設定されている場合は、特別色(以下、スポットカラーともいう)による印刷指定がされている印刷データの指定されたRGB値の画素には特別色インク(以下、スポットカラーインクともいう)が吐出される。
【0017】
ここでは、プリンタドライバ203にてスポットカラー印刷が設定された場合、印刷装置102でスポットカラーインクを使用し、予め決められた6種類の、スポットカラーが持ちられた色(特別色)による印刷が可能な印刷装置102の例を説明する。プリンタドライバ203にてスポットカラー印刷が設定された場合、印刷データのうち、設定されたスポットカラーに対応する特定のRBG値を持つ画素が、スポットカラーインクが用いられて印刷される。本実施形態では、予め決められた6種類の色にそれぞれ特定のRGB値が割り振られている。本実施形態では、特定のRGB値とは例えば、R=255(0xFF)、G=0(0x00)、B=255(0xFF)であり、該当するRBG値を持つ画素は、蛍光ピンクのインクが用いられることで、特別色の1つである蛍光ピンクの色で印刷される。また特定のRGB値とは例えば、R=255(0xFF)、G=85(0x55)、B=0(0x00)であり、該当するRBG値を持つ画素は、蛍光ピンクのインクとMとYのインクが調合されて用いられることで、特別色の1つであるオレンジの色で印刷される。なお例えば、スポットカラーインクとしてオレンジインクが使用可能な形態であれば、オレンジインクのみが用いられることで、オレンジの色での印刷が行われても良い。すなわち、スポットカラーに対応する特定のRBG値の画素は、スポットカラーインクが少なくとも用いられて印刷されればよく、CMYKインクと調合されて印刷されてもされなくても良い。なおスポットカラー印刷においても、スポットカラーに対応する特定のRBG値の画素でない画素は、CMYKインクのみが用いられて印刷される。また、スポットカラー印刷が実行されるのは、ユーザ操作により、スポットカラー印刷が有効にされた場合である。すなわち、スポットカラー印刷設定が有効でない場合は、スポットカラーに対応する特定のRBG値の画素も、RBG値が通常通り参照されることでCMYKインクのみが用いられて印刷される。
【0018】
具体的には、プリンタドライバ203が、蛍光ピンクのスポットカラーの印刷設定を有効にし、送信する印刷データに含まれる画素のRGB値がR=255、G=0、B=255である場合、印刷装置102にて蛍光ピンクのスポットカラー印刷が可能である。他のスポットカラーに対しても同様である。つまり、プリンタドライバ203が、各スポットカラーの印刷設定を有効にし、送信する印刷データに含まれる画素のRGB値が各スポットカラーに対応したRGB値である場合、印刷装置102にて対応したスポットカラー印刷が可能である。なお一方、プリンタドライバ103がスポットカラー印刷設定を有効にしたにもかかわらず、スポットカラー印刷に対応する上記の特定のRGB値を持つ画素が印刷データに含まれない場合、スポットカラー印刷が可能でない。スポットカラー印刷が可能でない場合には、本実施形態ではエラー(警告)が通知される。
【0019】
スポットカラー印刷を行う場合、ユーザは、まずプリンタドライバ203の印刷設定において、使用するスポットカラーを選択する。その後、アプリケーション202上でコンテンツを作成し、スポットカラーインクを使用したい文字やグラフィックス印刷データに、前述したスポットカラーインク使用に対応するRGBデータ値を指定する。
【0020】
図3は、本実施形態におけるアプリケーション202の一例を示した図であり、ポスターデータ作成アプリケーション314の画面例を示した図である。ポスターデータ作成アプリケーション314は、ツールバーボタン300、印刷データ表示領域301、印刷データ編集領域302、オブジェクト選択枠303、オブジェクト色編集タブメニュー304、オブジェクトサイズ変更タブメニュー305を備えている。更に、ポスターデータ作成アプリケーション314は、オブジェクトの表示色306、オブジェクトのRGB値を変更するR値変更コントロール307、G値変更コントロール308、B値変更コントロール309を備えている。更に、ポスターデータ作成アプリケーション314は、コントロール310、印刷ボタン311、印刷設定ボタン312、終了ボタン313を備えている。
【0021】
ポスターデータ作成アプリケーション314(印刷データ生成手段)は、印刷データを編集可能に表示する。ツールバーボタン300では、編集操作の取り消しとやり直し、テキストオブジェクト作成、グラフィックスオブジェクト作成、印刷データオブジェクト作成、表示倍率変更、アプリケーションヘルプ表示、オブジェクト選択といった機能を選択することができる。印刷データ表示領域301は、ユーザが作成した印刷データが表示される領域である。印刷データ編集領域(画像編集画面)302は、ポインティングデバイス117を利用し、ユーザが任意のオブジェクトを選択したり、選択したオブジェクトを移動したり、印刷データの編集を行う領域である。オブジェクト選択枠303は、ユーザが所定のオブジェクトを選択した場合にそのオブジェクトが選択されていることをユーザに示す破線の表示枠である。
【0022】
図3では、「SALE」というテキストオブジェクトが選択されていることを示す。オブジェクト色編集タブメニュー304は、本メニューが選択されると現在選択されているオブジェクトの色を変更するコントロールが表示される。オブジェクトサイズ変更タブメニュー305は、本メニューが選択されると現在選択されているオブジェクトのサイズを変更するコントロールが表示される。
【0023】
図3では、オブジェクト色編集タブメニュー304が選択されており、オブジェクトの表示色306、オブジェクトのRGB値を変更するR値変更コントロール307、G値変更コントロール308、B値変更コントロール309が表示される。R値、G値、B値の各コントロールは、値をキーボード118で直接入力する、または、ポインティングデバイス117でコントロール右側のボタンを選択することにより、0から255までの値を設定可能である。また、RGB値を変更すると表示色306もそのRGBに合わせて変化する。図3の例では、オブジェクト選択枠303で囲まれた「SALE」というテキストオブジェクトの色が、特定の色値であるRGB値として、R=255、G=0、B=255が設定されたものとする。
【0024】
なお、本実施形態においては、アプリケーション202のデータ生成色空間とプリンタドライバ203のレンダリングエンジンが生成する印刷データの色空間とを標準的なRGB色空間であるsRGB色空間としている。また、説明を簡略するためカラーマッチング処理の影響はないものとする。また、アプリケーション202のデータ生成色空間とOS印刷システムのレンダリングエンジンが生成する印刷データの色空間とも標準的なRGB色空間であるsRGB色空間とし、説明を簡略するためカラーマッチング処理の影響はないものとする。
【0025】
つまり、アプリケーション202で表現されるRGB値が、プリンタドライバ203あるいはOS印刷システムのレンダリングエンジンが生成される印刷データに含まれる画素のRGB値と一致するものとする。これによりプリンタドライバ203の印刷設定としてRGB値のR=255、G=0、B=255をスポットカラーとして印刷する設定にした場合は、そのRGB値の印刷データは蛍光ピンクのスポットカラーで印刷されるデータとなる。また、印刷データ編集領域302に表示されている他の画像オブジェクトのRGB値はこの値以外のRGB値であるものとして以降の説明を行う。尚、カラーマッチングを行う場合には、色空間の変換前の特別色を変換した後の色値を、特別色として扱えばよい。
【0026】
コントロール310では、予めOS印刷システムに登録されている印刷装置102のプリントキューをリストから選択することができる。印刷ボタン311は、印刷データ編集領域302に表示される印刷データをプリンタ310に印刷する場合にユーザが選択するボタンである。印刷設定ボタン312は、印刷設定の詳細画面を開くボタンであり、310で指定したプリントキューの印刷設定画面を開く。終了ボタン313は、終了ボタンであり、ポスターデータ作成アプリケーションを終了する場合にユーザが選択するボタンである。
【0027】
図2の説明に戻る。アプリケーション202(ポスターデータ作成アプリケーション314)は、ユーザから印刷要求を受けると、印刷指示をOS201に発行する。印刷指示を受けると、OS201は、その後の印刷に関する処理を自身が備える不図示のOS印刷システムに委ねる。ここでは、OS印刷システムは、プリンタドライバ203と協調して動作を行う。
【0028】
ここで、任意のRGB値を設定し、設定されたRGB値と対応するようにスポットカラーを指定することで、設定されたRGB値を任意のスポットカラーで印刷することは、一般的に行われている。しかし、ユーザは複数指定可能なスポットカラーを視認することができていない。そのため、どのRGB値がスポットカラーに設定されているのか認識しにくく、その結果、意図しない印刷結果を招く虞があった。
【0029】
そこで、本実施形態では、スポットカラー設定画面にて指定可能な複数のスポットカラーを視認することができ、ユーザは複数のスポットカラーを視認しながら指定することができる。以下、本実施形態におけるスポットカラーの指定方法について説明する。
【0030】
図4(a)は、プリンタドライバ203の設定画面である印刷設定ダイアログ400を示す図であり、図4(b)は、本実施形態におけるスポットカラー設定画面402を示した図である。プリンタドライバ203(図2参照)は、アプリケーション202から、OS印刷システム経由でアプリケーション202から印刷設定画面の起動指示を受けると、ユーザーインターフェース部204が表示制御することで印刷設定ダイアログ400を表示する。ユーザは、印刷設定ダイアログ400上で各種印刷設定を行うことにより、印刷装置102から所望の印刷物を得ることができる。ボタン401は、スポットカラーの詳細設定画面を開くボタンであり、ボタン401を押下すると図4(b)のスポットカラー設定画面402が開く。
【0031】
スポットカラー設定画面402では、予め決められた複数のスポットカラーに対応したRGB値と、そのRGB値による表示色404と、そのRGB値をスポットカラーとして印刷するかどうかの設定を行うチェックボックス403とを表示する。言い換えればチェックボックス403は、スポットカラーに対応するRGB値を有する画素をスポットカラーで印刷するためのスポットカラー印刷(スポットカラー印刷)を有効にするか否かの選択を受け付ける領域である。なお、スポットカラー印刷が有効にされていない場合、スポットカラーに対応するRGB値を有する画素は、スポットカラーでない色で印刷される。そのため当該領域は、特定のRGB値を有する画素を、スポットカラーで印刷するかスポットカラーとは異なる色で印刷するかに関する設定を受け付けるための領域ともいえる。また例えば、スポットカラーインクを用いて印刷するかスポットカラーインクを用いず、CMYKインク等の通常のインクを用いて印刷するかの設定を受け付けるための領域ともいえる。また本実施形態では、チェックボックス403が、複数のスポットカラーそれぞれに対して用意されていることにより、複数のスポットカラー印刷の有効/無効をそれぞれ設定することが可能である。そのため例えば、チェックボックス403は、蛍光ピンクに対応するRGB値を有する画素を蛍光ピンクで印刷するためのスポットカラー印刷(蛍光ピンクスポットカラー印刷)を有効にするか否かの選択を受け付ける領域を含む。また例えば、オレンジに対応するRGB値を有する画素をオレンジで印刷するためのスポットカラー印刷(オレンジスポットカラー印刷)を有効にするか否かの選択を受け付ける領域を含む。このスポットカラー設定画面402によって、ユーザは、指定可能な複数のスポットカラーを視認しつつ、スポットカラーとして利用する色を選択することができる。そして、別々のチェックボックスが用意されていることにより例えば、蛍光ピンクスポットカラー印刷は有効にするが、オレンジスポットカラー印刷は無効にするといった設定が可能となる。図4(b)では、R=255、G=0、B=255のRGB値をスポットカラー(特別色)として印刷する設定であり、R=255、G=0、B=255のチェックボックス403にチェックを入れてオンにしている。
【0032】
その後、OKボタン405でプリンタドライバ203の設定画面を閉じると、アプリケーション202に設定が伝わる。そしてアプリケーション202から印刷指示を行うと、プリンタドライバ203で生成される印刷データにRGB値(R=255、G=0、B=255)が含まれる場合に印刷装置102で蛍光ピンクのスポットカラーインクが使用され印刷が行われる。スポットカラー設定画面402で、チェックボックス403をオフとした場合、プリンタドライバ203で生成される印刷データに対応するRGB値(R=255、G=0、B=255)が含まれていても印刷装置102ではスポットカラーインクは使用されない。その場合、印刷装置102では、対応するRGB値の部分には、CMYK等のプロセスカラーインクでRGB値を表現した画像が形成される。
【0033】
図5は、スポットカラーと対応する指定RGB値、表示RGB値、対応コマンドを示した図である。スポットカラーを用いて実際に印刷される色は、指定RGBの色とは異なるため、スポットカラー設定画面402における表示色404は、指定するRGB値で表示するのではなく、実際に印刷される色に近い色を表示(表示RGBで表示)してもよい。
【0034】
例えば、図5に示すように、R=255、G=0、B=255を蛍光ピンクとして印刷する場合、実際に印刷される蛍光ピンクの色は、表示部119(図1参照)上では、R=255、G=130、B=220に近い色で表示される。そのため、表示色404をR=255、G=130、B=220で表示する。
【0035】
本実施形態では蛍光ピンクのインクを使用して、各対応したRGB値を蛍光色のスポットカラーで印刷する例を示しているが、シルバーやゴールドと言った他の特別色インクを使用したスポットカラーを任意のRGB値に割り当ててもよい。これらのスポットカラーと対応する指定RGB値、表示RGB値、対応コマンドの情報は、プリンタドライバ203が保持している。
【0036】
なおスポットカラーに関する設定は、上述の方法に限定されない。例えば、画像出力装置102はまず、スポットカラー印刷を有効にするか否かの設定を受け付けるための領域をプリンタドライバ203に表示する。そして、当該領域に対する操作により、スポットカラー印刷を実行する設定が受け付けられた場合に、各色のスポットカラー印刷を有効にするか否かの設定を、図4(b)に示す画面によって受け付けても良い。
【0037】
図6は、印刷データの生成処理を示したフローチャートである。印刷設定ダイアログ400(図4(a)参照)の各コントロールの状態で、ポスターデータ作成アプリケーション314から印刷ボタン311が押下されると、OS印刷システム経由で、グラフィック処理部205(図2参照)に印刷設定が伝達される。以下、図6のフローチャートを参照して本実施形態における印刷データの生成処理を説明する。なお、図6で示される一連の処理は、ホストコンピュータ101のCPU111がROM112に記憶されているプログラムコードを外部記憶装置114に展開し実行することにより行われる。あるいはまた、図6におけるステップの一部または全部の機能をASICまたは電子回路等のハードウェアで実現してもよい。なお、各処理の説明における記号「S」は、当該フローチャートにおけるステップであることを意味する。
【0038】
印刷データの生成処理が開始されると、S601でCPU111の制御によって、グラフィック処理部205は、スポットカラー設定402に応じて選択されているRGB値をスポットカラーとして印刷するためのコマンドを生成する。その後、S602でCPU111の制御によって、印刷する画像を印刷装置102が認識できる形式に変換した印刷データにスポットカラーとして指定するコマンドを付与し印刷装置102へ送信する。即ち、CPU111は、特別色情報を印刷装置102へ送信する。この時、グラフィック処理部205は、スポットカラーとして指定されたRGB値を印刷データ上で編集して値を変更するといった処理を行うのではなく、図5に記載の設定したスポットカラーに対応するコマンドを付与する。尚、図5に示すような指定RGB値とコマンドとを少なくとも対応付けた情報は、印刷装置102においても管理されている。印刷装置102では、受信したコマンドを基に、スポットカラーの対象となる指定RGB値を特定することができる。
【0039】
図7(a)から(c)は、付与するコマンドを示した図である。例えば、R=255、G=0、B=255をスポットカラーとして指定した場合は、図7(a)に示すコマンド付与し、R=255、G=170、B=255をスポットカラーとして指定した場合は、図7(b)に示すコマンドを指定する。R=255、G=0、B=255と、R=255、G=170、B=255との両方をスポットカラーとして指定した場合は、図7(c)に示すように図7(a)と(b)の両方のビットフラグの論理和を指定する。これによって、1コマンドで複数のスポットカラーを指定することができる。
【0040】
このように、本実施形態では、スポットカラー設定画面にて指定可能な複数のスポットカラーを表示させる。このため、本実施形態では、複数のスポットカラーを指定する際、複数の画面を切り替える必要がなく、どのRGB値がスポットカラーに設定されているのか認識しやすくなる。従って、意図しない印刷結果が生じるのを抑制することができる印刷制御装置、印刷制御方法およびプログラムを実現することができる。
【0041】
(第2の実施形態)
以下、図面を参照して本発明の第2の実施形態を説明する。なお、本実施形態の基本的な構成は第1の実施形態と同様であるため、以下では特徴的な構成について説明する。
【0042】
図8は、本実施形態におけるポスターデータ作成アプリケーション315を示した図である。第1の実施形態では、ポスターデータ作成アプリケーション314から印刷設定ダイアログ400を開き、スポットカラー設定画面402を開いてスポットカラーを指定する例を示した。本実施形態では、ユーザの利便性を高め、ポスターデータ作成アプリケーション315の画面上でスポットカラーを直接設定する構成の例を説明する。以下で言及がない部分については、第1の実施形態と同等である。
【0043】
本実施形態のポスターデータ作成アプリケーション315は、チェックボックス801と、スポットカラーのパレット802とを備えており、ポスターデータ作成アプリケーション315上でスポットカラーを選択し設定することができる。
【0044】
図9は、本実施形態におけるスポットカラーの表示処理を示したフローチャートである。また、図10(a)は、スポットカラーの表示処理中に行われるスポットカラーの情報の返却処理を示したフローチャートである。以下、図9図10(a)のフローチャートを用いて本実施形態のスポットカラーの表示処理を説明する。なお、図9図10で示される一連の処理は、ホストコンピュータ101のCPU111がROM112に記憶されているプログラムコードを外部記憶装置114に展開し実行することにより行われる。あるいはまた、図9図10におけるステップの一部または全部の機能をASICまたは電子回路等のハードウェアで実現してもよい。
【0045】
本実施形態のスポットカラーの表示処理が開始されるとS901でCPU111の制御によって、ポスターデータ作成アプリケーション315は、コントロール310で選択されたプリンタ用のプリンタドライバ203のSDKI/F206にアクセスする。そして、ポスターデータ作成アプリケーション315(アプリケーション202)は、そのプリンタドライバ203が対応している(サポートしている)スポットカラーの情報を取得する。この時、プリンタドライバ203は、図10(a)に示すように、対応する全てのスポットカラーの情報をポスターデータ作成アプリケーション315(アプリケーション202)に返却する(S1001)。即ち、ポスターデータ作成アプリケーション315(アプリケーション202)のスポットカラーの情報の取得要求に応じて、プリンタドライバ203は、SDKI/F206を介して、スポットカラーの情報を返信する。なお、プリンタドライバ203がポスターデータ作成アプリケーション315へ返却するスポットカラーの情報は、図5に示す情報が返却される。
【0046】
その後、S902でCPU111の制御によって、ポスターデータ作成アプリケーション315は、取得したスポットカラーの情報に、情報取得部207により取得した印刷装置102の情報等に基づいて、指定可能なスポットカラーがあるか判定する。指定可能なスポットカラーがあれば、S903に移行してスポットカラーのオン・オフ設定を行うチェックボックス801および設定可能なスポットカラーのパレット802を表示して処理を終了する。また、S902で取得した情報の中に指定可能なスポットカラーが無かった場合、S904に移行してスポットカラーのオン・オフ設定を行うチェックボックス801および設定可能なスポットカラーのパレット802を表示することなく処理を終了する。
【0047】
そして、ユーザがスポットカラーを指定する際には、ユーザはスポットカラーとして印刷したいオブジェクトをポスターデータ作成アプリケーション315上で選択する。図8では、選択枠303内のオブジェクトが、選択されたオブジェクトである。そして、スポットカラーのチェックボックス801をオンにし、印刷したいスポットカラーをパレット802の中から選択する。ここで、パレット802の中からR=255、G=0、B=255の色803を選択すると、選択したオブジェクト選択枠303のオブジェクトの色がR=255、G=0、B=255の色に変更される。
【0048】
そして、ポスターデータ作成アプリケーション315は、プリンタドライバ203のSDKI/F206にアクセスし、プリンタドライバ203に対して、R=255、G=0、B=255の色をスポットカラーとして設定する。この時、プリンタドライバ203は、図10(b)に示すように、S1002でR=255、G=0、B=255の色をスポットカラーとしてオンに設定する。さらに、色306も選択したR=255、G=0、B=255の色にし、R値307を255、G値308を0、B値309を255に設定する。
【0049】
その後、ユーザが印刷ボタン311(図8参照)を押下し印刷を実行すると、OS印刷システム経由で、グラフィックス処理部205に印刷設定が伝達される。そして、第1の実施形態と同様、プリンタドライバ202が印刷データと共にスポットカラーR=255、G=0、B=255に対応したコマンドを印刷装置102に送信する。
【0050】
なお、図8の画面において、スポットカラーとして表現する色は、図5の関係に基づき、指定RGB値とは異なる色で表現してもよい。例えば、R=255、G=0、B=255の色803は、R=255、G=130、B=220で表示する。そして、R=255、G=0、B=255をスポットカラーとして選択している場合、オブジェクト303および色306もR=255、G=130、B=220で表示する。ただし、R値307、G値308、B値309には指定RGB(R=255、G=0、B=255)を表示する。
【0051】
また、スポットカラーチェックボックス801で、スポットカラーをオフにした場合、オブジェクト303および色306の色は、スポットカラーの表示RGBではなく指定RGB値で表示される。
【0052】
このように、データ作成アプリケーション上に、指定可能な複数のスポットカラーを表示させる。これによって、意図しない印刷結果が生じるのを抑制することができる印刷制御装置、印刷制御方法およびプログラムを実現することができる。
【0053】
(第3の実施形態)
以下、図面を参照して本発明の第3の実施形態を説明する。なお、本実施形態の基本的な構成は第1の実施形態と同様であるため、以下では特徴的な構成について説明する。
【0054】
第1の実施形態では、スポットカラー設定402は、プリンタドライバ203が図5に示すデータをあらかじめ備え、そのデータに基づいて表示されている。本実施形態では、プリンタドライバ203は、情報取得部207により印刷装置102からスポットカラーの情報を取得し、取得した情報に応じたスポットカラー設定画面を表示する。以下、その方法を説明する。
【0055】
図11(a)は、プリンタドライバ203の設定画面である印刷設定ダイアログ1102を示す図であり、図11(b)は、本実施形態におけるスポットカラー設定画面1101を示した図である。また、図12は、スポットカラー情報の更新処理を示すフローチャートであり、図13は、スポットカラーと対応する指定RGB値、表示RGB値、対応コマンドを示した図である。
【0056】
印刷設定ダイアログ1102は、印刷装置102からスポットカラーの情報を取得するための情報取得ボタン1100を備える。以下、図12のフローチャートを用いて本実施形態のスポットカラー情報の更新処理を説明する。図12で示される一連の処理は、ホストコンピュータ101のCPU111がROM112に記憶されているプログラムコードを外部記憶装置114に展開し実行することにより行われる。あるいはまた、図12におけるステップの一部または全部の機能をASICまたは電子回路等のハードウェアで実現してもよい。
【0057】
ユーザによって情報取得ボタン1100が押下されると、スポットカラー情報の更新処理が開始される。S1201でCPU111の制御によって、プリンタドライバ203の情報取得部207は、印刷装置102から図13に示すようなスポットカラーの情報を取得する。その後、S1202でCPU111の制御によって、情報取得部207は、取得した情報の中にスポットカラーの情報があるか判定する。スポットカラーの情報があれば、S1203に移行し、内部データを取得したデータ(例えば図13に示すデータ)に書き換えて処理を終了する。S1202で、取得した情報の中にスポットカラーの情報がなければ、S1204に移行し、スポットカラーに対応していない印刷装置102として、スポットカラー設定ボタン401をグレーアウトしてスポットカラーを設定できなくして処理を終了する。
【0058】
S1203でCPU111の制御によって内部データを書き換えた場合、スポットカラー設定ボタン401を押下すると、プリンタドライバ203は、書き替えたデータ(例えば図13に示すデータ)に基づき新たなスポットカラー設定画面1101を表示する。
【0059】
また、プリンタドライバ203は、スポットカラーの情報を印刷装置102から取得し内部データを更新した後は、アプリケーション202に対するSDK I/F206によるスポットカラーの返却値も図13に示すデータに更新する。そのため、アプリケーション202がSDK I/F206を使用して表示するスポットカラーの表示も、印刷装置102から取得したスポットカラーに切り替えることができる。
【0060】
ここで、印刷装置102で印刷できる複数のスポットカラーでも、それぞれ鮮やかさが異なる。そのため、印刷装置102から取得する情報およびSDK I/F206で、アプリケーションに返却する情報の中に、人の目を引き付ける鮮やかなスポットカラーほど高順位とする優先順位を付与してもよい。そして、その優先順位に基づきプリンタドライバ203のスポットカラー設定画面901およびアプリケーション202のスポットカラーの選択肢の並び順を変えてもよい。
【0061】
このように、プリンタドライバの情報取得部により印刷装置からスポットカラーの情報を取得し、スポットカラー設定画面を表示する。これによって、意図しない印刷結果が生じるのを抑制することができる印刷制御装置、印刷制御方法およびプログラムを実現することができる。また、印刷装置からスポットカラーの情報を取得することによって、印刷装置が新たなスポットカラーを搭載するような場合においても、適切にスポットカラーの印刷を行うことができる。また、印刷装置がスポットカラー印刷に対応しなくなった場合にも、ユーザによるスポットカラーの設定を不可にすることで、意図しない印刷結果が生じることを抑制することができる。
【0062】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0063】
101 ホストコンピュータ
102 印刷装置
111 CPU
201 OS
202 アプリケーション
203 プリンタドライバ
303 オブジェクト選択枠
314 ポスターデータ作成アプリケーション
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13