(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】画像生成装置及び画像生成方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20241209BHJP
G06T 19/00 20110101ALI20241209BHJP
【FI】
G06F3/01 510
G06T19/00 300B
(21)【出願番号】P 2021042778
(22)【出願日】2021-03-16
【審査請求日】2023-11-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
【住所又は居所原語表記】122-122 bis, avenue du General Leclerc, 92100 Boulogne-Billancourt, France
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】弁理士法人とこしえ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 裕史
【審査官】亀澤 智博
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-008664(JP,A)
【文献】特開2017-185988(JP,A)
【文献】国際公開第2009/104675(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/173445(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/230563(WO,A1)
【文献】特開2017-013590(JP,A)
【文献】国際公開第2019/181233(WO,A1)
【文献】特開2019-207484(JP,A)
【文献】特開2005-242606(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0251672(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G09B 9/00 - 9/56
G06T 19/00 -19/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けられた装置から、前記車両の挙動の情報を含む車両情報を取得する車両情報取得部と、
前記車両の車室内における仮想視点から所定方向を見た画像であって、被写体が前記挙動により揺動する前記画像を視点画像として生成する画像生成部と、
前記画像生成部により生成された画像を、前記車室とは異なる空間に設けられた表示装置に表示するための制御信号を出力する表示制御部と、
前記表示装置を視認するユーザの注視点に関する情報を取得する注視点情報取得部と、を備え、
前記車両情報は、前記車両に設けられた撮像装置により、前記車両の周辺が撮像された車両周辺画像を含み、
前記視点画像は、前記仮想視点から見た前記車両の内装を示す内装画像、及び前記車両周辺画像を含み、
前記画像生成部は、
前記ユーザの前記注視点に基づいて、前記車両周辺画像を、前記被写体のうち前記ユーザの注視点に対応する対象オブジェクトに設定した場合、前記車両周辺画像の揺動レベルを、前記内装画像の前記揺動レベルに比べて低くした前記視点画像を生成する画像生成装置。
【請求項2】
車両に設けられた装置から、前記車両の挙動の情報を含む車両情報を取得する車両情報取得部と、
前記車両の車室内における仮想視点から所定方向を見た画像であって、被写体が前記挙動により揺動する前記画像を視点画像として生成する画像生成部と、
前記画像生成部により生成された画像を、前記車室とは異なる空間に設けられた表示装置に表示するための制御信号を出力する表示制御部と、
前記表示装置を視認するユーザの注視点に関する情報を取得する注視点情報取得部と、を備え、
前記車両情報は、前記車両に設けられた撮像装置により、前記車両の周辺が撮像された車両周辺画像を含み、
前記視点画像は、前記仮想視点から見た前記車両の内装を示す内装画像、及び前記車両周辺画像を含み、
前記画像生成部は、
前記ユーザの前記注視点に基づいて、前記内装画像を、前記被写体のうち前記ユーザの注視点に対応する対象オブジェクトに設定した場合、前記内装画像の揺動レベルを、前記車両周辺画像の前記揺動レベルに比べて低くした前記視点画像を生成する画像生成装置。
【請求項3】
請求項1
又は2に記載の画像生成装置であって、
前記揺動レベルは、前記被写体が前記挙動に応じて揺動する揺動幅又は速さである画像生成装置。
【請求項4】
請求項
3に記載の画像生成装置であって、
前記画像生成部は、前記対象オブジェクトの前記揺動幅が前記対象オブジェクト以外の前記揺動幅に比べて小さい前記視点画像、及び前記対象オブジェクトの前記速さが前記対象オブジェクト以外の前記速さに比べて遅い前記視点画像のうち少なくとも何れか一方の前記視点画像を生成する画像生成装置。
【請求項5】
請求項1~
4のいずれかに記載の画像生成装置であって、
前記画像生成部は、前記視点画像のうち、前記ユーザの注視点を含む所定の範囲を前記対象オブジェクトに設定する画像生成装置。
【請求項6】
請求項1~
5のいずれかに記載の画像生成装置であって、
前記車両情報は、前記車両の加速度及び角加速度のうち少なくともいずれか一方を含む画像生成装置。
【請求項7】
プロセッサにより実行され、車両の室内とは異なる空間に設けられた表示装置に表示する画像を生成する画像生成方法であって、
前記車両に設けられた装置から、前記車両の挙動の情報を含む車両情報を取得し、
前記車両の室内における仮想視点から所定方向を見た画像であって、被写体が前記挙動により揺動する前記画像を視点画像として生成し、
前記表示装置を視認するユーザの注視点に関する情報を取得し、
前記被写体のうち前記ユーザの注視点に対応する対象オブジェクトの揺動レベルを、前記対象オブジェクト以外の前記揺動レベルよりも低くした前記視点画像を生成する
視点画像生成ステップを含み、
前記車両情報は、前記車両に設けられた撮像装置により、前記車両の周辺が撮像された車両周辺画像を含み、
前記視点画像は、前記仮想視点から見た前記車両の内装を示す内装画像、及び前記車両周辺画像を含み、
前記視点画像生成ステップは、
前記ユーザの前記注視点に基づいて、前記車両周辺画像を前記対象オブジェクトに設定した場合、前記車両周辺画像の揺動レベルを、前記内装画像の前記揺動レベルに比べて低くするステップを含む画像生成方法。
【請求項8】
プロセッサにより実行され、車両の室内とは異なる空間に設けられた表示装置に表示する画像を生成する画像生成方法であって、
前記車両に設けられた装置から、前記車両の挙動の情報を含む車両情報を取得し、
前記車両の室内における仮想視点から所定方向を見た画像であって、被写体が前記挙動により揺動する前記画像を視点画像として生成し、
前記表示装置を視認するユーザの注視点に関する情報を取得し、
前記被写体のうち前記ユーザの注視点に対応する対象オブジェクトの揺動レベルを、前記対象オブジェクト以外の前記揺動レベルよりも低くした前記視点画像を生成する視点画像生成ステップを含み、
前記車両情報は、前記車両に設けられた撮像装置により、前記車両の周辺が撮像された車両周辺画像を含み、
前記視点画像は、前記仮想視点から見た前記車両の内装を示す内装画像、及び前記車両周辺画像を含み、
前記視点画像生成ステップは、
前記ユーザの前記注視点に基づいて、前記内装画像を前記対象オブジェクトに設定した場合、前記内装画像の前記揺動レベルを、前記車両周辺画像の前記揺動レベルに比べて低くするステップを含む画像生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像生成装置及び画像生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
視聴コンテンツを視認する移動体の乗員に対して、移動体の移動に起因する乗員の酔いを抑制するコンテンツ視聴装置が知られている(例えば、特許文献1)。このコンテンツ視聴装置では、表示制御手段は、視聴コンテンツに併せて、移動体の挙動に対応する挙動画像を出力装置に表示させる。挙動画像には、移動体の挙動に伴って発生する加速度を観念させるオブジェクトが表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のコンテンツ視聴装置では、挙動画像に表示されるオブジェクトが移動体そのものとは関連性がないため、車両に乗車していないユーザは没入感が阻害されやすい、という問題がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、車両に乗車していないユーザの没入感が阻害されるのを抑制できる画像生成装置及び画像生成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、車両に設けられた装置から、車両の挙動の情報を含む車両情報を取得し、車室内における仮想視点から所定方向を見た画像であって、被写体が車両の挙動により揺動する画像を視点画像として生成し、車室とは異なる空間に設けられた表示装置に表示するための制御信号を出力し、表示装置を視認するユーザの注視点に関する情報を取得し、車両周辺画像を対象オブジェクトに設定した場合、車両周辺画像の揺動レベルを内装画像の揺動レベルよりも低くした視点画像、又は、内装画像を対象オブジェクトに設定した場合、内装画像の揺動レベルを車両周辺画像の前記揺動レベルに比べて低くした視点画像を生成することで、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、車両に乗車していないユーザの没入感が阻害されるのを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る画像表示システムのブロック図である。
【
図3】本実施形態に係る画像生成装置により実行される画像表示制御を示すフローチャートである。
【
図4】変形例に係る画像生成装置により実行される画像表示制御を示すフローチャートである。
【
図5】表示装置がヘッドマウントディスプレイに組み込まれた場合における仮想空間の例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態では、本発明に係る画像生成装置及び画像生成方法を、画像表示システムに適用した例を用いて説明する。
【0010】
図1は、本実施形態に係る画像表示システム100のブロック図である。本実施形態に係る画像表示システム100は、ユーザBとは異なる空間にいるユーザAに対して、ユーザBがいる空間を再現した仮想空間を表示する場面に用いられる。本実施形態では、ユーザAとして、車両1から離間した場所である遠隔地空間30にいるユーザを例に挙げ、ユーザBとして、車両1に乗車しており、車内空間20にいるユーザを例に挙げて説明する。以降の説明では、便宜上、遠隔地空間30にいるユーザAを遠隔地ユーザAと称し、車内空間20にいるユーザBを車内ユーザBと称して説明する。
【0011】
なお、本実施形態において、遠隔地ユーザAと車内ユーザBとの状態は特に限定されない。例えば、
図1では、遠隔地ユーザAの状態として着座した状態を示しているが、遠隔地ユーザAは起立していてもよい。また例えば、
図1では、車内ユーザBの状態として、車両1のステアリングを操作している状態を示しているが、車内ユーザBはドライバではなく、助手席又は後部座席に着座する乗員であってもよい。
【0012】
また本実施形態では、画像表示システム100が仮想現実(Virtual Reality)の技術を利用したシステムに用いられた場合を例に挙げて説明する。
図1に示すように、遠隔地ユーザAと車内ユーザBとはそれぞれ異なる空間にいるため、遠隔地ユーザAは、車内空間20で車内ユーザBがどのような光景を視認しているかを確認することはできない。しかし、コンピュータによって作り出された世界である仮想空間を現実としてユーザに知覚させる仮想現実の技術では、コンピュータは、遠隔地ユーザAに対して、あたかも車内空間20にいるような仮想空間を作り出すことができる。仮想空間では、遠隔地ユーザAは、少なくとも視覚及び聴覚を通じて、あたかも車内空間20にいるかのように知覚する。さらに、本発明に係る画像生成装置及び画像生成方法により、仮想空間は、車両1の挙動に応じて変化するため、遠隔地ユーザAは、遠隔地空間30にいながらも、視覚を通じて車両1の挙動を把握することができる。また、遠隔地ユーザAが注視する対象オブジェクトは、当該対象物以外に比べて揺れないため、車両1の挙動による仮想空間の変化によって、遠隔地ユーザAが酔うのを抑制することができる。以降、
図1を用いて、画像表示システム100の各構成を説明する。
【0013】
図1に示すように、画像表示システム100は、画像生成装置10、車内空間20、及び遠隔地空間30を含む。遠隔地空間30は、車内空間20から離間した空間である。遠隔地空間30としては、例えば、車両1とは別の車両の室内や建物の一室などが挙げられるが、遠隔地空間30は車内空間20とは別の場所であれば特に限定されない。
【0014】
車内空間20は、車両1の車室内を示す空間である。車両1には、車載カメラ21、車載センサ22、車載通信装置23が設けられている。
図1では、これらの装置が車内空間20内に設けられているように示されているが、車載カメラ21、車載センサ22、及び車載通信装置23は、車両1に搭載されているものとする。車両1に設けられた各装置は、相互に情報の送受信を行うために、例えばCAN(Controller Area Network)その他の車載ネットワーク(イーサネット(商標登録)など)によって接続されている。
【0015】
車載カメラ21は、車両1の周辺を撮像する撮像装置である。車載カメラ21は、車両1の乗員が視認できる範囲を撮像できるように設けるのが好ましく、車両の前方を撮像する前方カメラ、車両の側方を撮像する側方カメラ、車両の後方を撮像する後方カメラと、複数のカメラで構成されていてもよい。車載カメラ21により撮像された撮像画像は、車両1の周辺撮像画像データとして、車載通信装置23に出力される。車載カメラ21は、車両1の乗員が視認できる範囲を撮像する装置又は機器であればよく、その形態、数、特性、設置場所などは特に限定されない。例えば、車載カメラ21は、複数のカメラ又は種別が複数のカメラで構成されていてもよい。
【0016】
例えば、車載カメラ21が備える機能としては、車両1の揺れにより撮像画像が揺れるのを防止する揺れ防止機能が挙げられる。揺れ防止機能は、車両1の揺れが撮像画像に反映されるのを防止する機能である。車載カメラ21が揺れ防止機能を備え、また当該機能が有効な場合、車載カメラ21は、車両1が揺れている場合であっても、その揺れを抑制した画像を撮像する。車載カメラ21は、揺れ防止機能を備えているか否かの情報、また備えている場合には、当該機能が有効又は無効であるか否かの情報を、車載カメラデータとして、車載通信装置23に出力する。
【0017】
車載センサ22は、車両1の現在の状態を検出するセンサである。車両1の現在の状態とは、車両1の現在の挙動である。車両1の現在の挙動は、車両1の現在の姿勢を含む。車載センサ22の種類や数は特に限定されない。本実施形態では、車両1の挙動を示すパラメータとして、車両1の加速度及び角加速度を例に挙げて説明するが、車両1の挙動を示すパラメータは、車両1の加速度及び角速度のうち少なくともいずれか一つを含んでいればよい。
図1に示すように、車載センサ22は、加速度センサ22a及び角加速度センサ22bで構成される。
【0018】
加速度センサ22aは、車両1の3軸における加速度を計測するセンサ、いわゆる3軸加速度センサである。車両1の3軸とは、車両1の縦方向に沿う軸(x軸)、車両1の横方向に沿う軸(y軸)、車両1の上下方向に沿う軸(z軸)である。加速度センサ22aとしては、例えば、MEMS型の加速度センサが挙げられる。なお、加速度センサ22aにおける加速度の計測方法は特に限定されない。加速度センサ22aにより計測された車両1の各軸の加速度は、車両1の加速度データとして、車載通信装置23に出力される。加速度センサ22aは、車両1の3軸における加速度を計測する装置又は機器であればよく、その形態、数、特性、設置場所などは特に限定されない。例えば、加速度センサ22aは、複数の加速度センサ又は種別が複数の加速度センサで構成されていてもよい。
【0019】
角加速度センサ22bは、車両1の回転運動を計測するセンサである。車両1の回転運動は、車両1のロール方向の回転運動、車両1のピッチ方向の回転運動、車両1のヨー方向の回転運動を含む。角加速度センサ22bは、例えば、車両1のロール方向の角加速度を計測するロール角加速度センサ、車両1のピッチ方向の角加速度を計測するピッチ角加速度センサ、車両1のヨー方向の角加速度を計測するヨー角加速度センサで構成される。なお、角加速度センサ22bにおける角加速度の計測方法は特に限定されない。角加速度センサ22bにより計測された車両1の各方向の角加速度は、車両1の角加速度データとして、車載通信装置23に出力される。角加速度センサ22bは、車両1の3方向における角加速度を計測する装置又は機器であればよく、その形態、数、特性、設置場所などは特に限定されない。例えば、角加速度センサ22bは、複数の角加速度センサ又は種別が複数の角加速度センサで構成されていてもよい。
【0020】
車載通信装置23は、車両1の外部との間で無線によりデータを送受信する無線通信機能を備えた機器である。車載通信装置23としては、例えば、テレマティクスコントロールユニット(TCU:Telematics Control Unit)が挙げられる。車載通信装置23は、無線通信機能により、例えば、4G/LTE、Wifi(商標登録)等の通信規格を利用して、インターネットに接続し、車両1の外部に設けられたサーバーやシステムとの間で様々なデータの送受信を行う。車載通信装置23には、車載カメラ21から、車両1の周辺撮像画像データ及び車載カメラデータが入力される。また車載通信装置23には、車載センサ22から、車両1の加速度データ及び角加速度データが入力される。車載通信装置23は、所定の周期ごとに、車両1の周辺撮像画像データ、加速度データ、及び角加速度データを画像生成装置10に送信する。
【0021】
遠隔地空間30について説明する。
図1に示すように、遠隔地空間30には、遠隔地通信装置31、表示装置32、遠隔地カメラ33、及び遠隔地コントローラ34が設けられている。遠隔地空間30に設けられた各装置は、相互に情報の送受信を行うために、例えばイーサネット(商標登録)などによって接続されている。
【0022】
遠隔地通信装置31は、遠隔地空間30の外部との間で無線によりデータを送受信する無線通信機能を備えた機器である。遠隔地通信装置31としては、例えば、ルーターが挙げられる。遠隔地通信装置31が備える無線通信機能は、車載通信装置23が備える無線通信機能と同様のため、車載通信装置23が備える無線通信機能での説明を援用する。本実施形態では、遠隔地通信装置31は、画像生成装置10との間でデータの送受信を行う。遠隔地通信装置31には、画像生成装置10から画像データが入力され、遠隔地通信装置31は、画像データを表示装置32に出力する。また遠隔地通信装置31には、遠隔地コントローラ34から遠隔地ユーザAの注視点情報が入力され、遠隔地通信装置31は、遠隔地ユーザAの注視点情報を画像生成装置10に送信する。
【0023】
表示装置32は、画像生成装置10により生成された画像を表示する。表示装置32には、遠隔地通信装置31を介して、画像生成装置10により生成された画像データが入力される。本実施形態では、表示装置32は、遠隔地ユーザAが装着するヘッドマウントディスプレイの画面表示部分である。なお、表示装置32は、ヘッドマウントディスプレイに設けることに限定されず、例えば、液晶パネルなどのディスプレイを有したテレビやモニターなどであってもよい。
【0024】
遠隔地カメラ33は、表示装置32を視認する遠隔地ユーザAを撮像する。遠隔地カメラ33は、表示装置32により表示された画像において、遠隔地ユーザAが視認する対象を撮像できる場所に設けられるのが好ましい。例えば、遠隔地カメラ33は、表示装置32とともに、遠隔地ユーザAが装着するヘッドマウントディスプレイに設けられている。遠隔地カメラ33は、複数台であってもよく、例えば、表示装置32により表示された画像(以降、表示画像ともいう)を撮像するカメラと、表示装置32を視認する遠隔地ユーザAの目を撮像するカメラとで構成されていてもよい。なお、表示装置32により表示された画像を撮像するカメラ及び遠隔地ユーザAを撮像するカメラは、複数台であってもよい。遠隔地カメラ33により撮像された撮像画像は、遠隔地コントローラ34に出力される。
【0025】
遠隔地コントローラ34は、表示装置32の表示画像において遠隔地ユーザAが注視している対象を特定するためのプログラムを格納したROM(Read Only Memory)と、このROMに格納されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)とから構成されるコンピュータである。遠隔地コントローラ34は、例えば、表示装置32及び遠隔地カメラ33とともに、遠隔地ユーザAが装着するヘッドマウントディスプレイに設けられている。なお、遠隔地コントローラ34は、表示装置32及び遠隔地カメラ33とは別の場所に設けられていてもよい。
【0026】
遠隔地コントローラ34は、遠隔地カメラ33により撮像された、遠隔地ユーザAの目が写る撮像画像及び表示装置32の表示画像が写る撮像画像を取得する。遠隔地コントローラ34は、画像処理により、遠隔地ユーザAの視線方向を特定する。また遠隔地コントローラ34は、画像処理により、表示装置32の表示画像において、遠隔地ユーザAの視線の先に位置する被写体を特定する。これにより、遠隔地コントローラ34は、特定した被写体が遠隔地ユーザにより注視されている対象と判定し、当該被写体の位置を遠隔地ユーザAの注視点として特定する。なお、遠隔地コントローラ34による遠隔地ユーザAの注視点を特定する方法は、本願出願時に知られた特定方法を適用できるものとし、上記特定方法に限定されるものではない。遠隔地コントローラ34により特定された、遠隔地ユーザAが注視している被写体、及び表示装置32の表示画像における当該被写体の位置を含む遠隔地ユーザAの注視点情報は、遠隔地通信装置31に出力される。
【0027】
画像生成装置10について説明する。本実施形態では、画像生成装置10は、車内空間20及び遠隔地空間30の外部にあるサーバー(図示しない)に設けられている。画像生成装置10は、サーバーにある通信装置(図示しない)を介して、車載通信装置23及び遠隔地通信装置31との間で、無線によりデータを送受信する。なお、画像生成装置10の設置場所は特に限定されるものではなく、例えば、画像生成装置10は、車両1に搭載されていてもよい。また例えば、画像生成装置10は、遠隔地空間30に設けられていてもよい。
【0028】
画像生成装置10は、遠隔地ユーザAが視認する画像を生成処理するためのプログラムを格納したROM(Read Only Memory)と、このROMに格納されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)とから構成されるコンピュータである。画像生成装置10は、車両情報取得部11、記憶部12、注視点情報取得部13、画像生成部14、及び表示制御部15を有している。画像生成装置10は、ROMに格納されたプログラムを実行することで、車両情報取得部11、記憶部12、注視点情報取得部13、画像生成部14、及び表示制御部15の機能を実行することができる。画像生成装置10の各機能について説明する。
【0029】
車両情報取得部11は、車両1に設けられた装置から、車両1の挙動の情報を含む車両情報を取得する。具体的に、車両情報取得部11は、車載通信装置23を介して、車載カメラ21により撮像された車両1の周辺撮像画像、車載カメラ21の揺れ防止機能に関する情報、及び車載センサ22により検出された車両1の加速度及び角加速度を取得する。例えば、車両情報取得部11は、所定の周期ごとに、車両1から車両情報を取得する。
【0030】
記憶部12は、車両1の内装を表した内装画像を記憶する。内装画像は、画像生成部14により、車両1の車内空間20を再現した仮想空間の生成に用いられる。記憶部12は、複数の種別の内装画像を記憶しており、例えば、車両1の車種やグレードごとに、内装画像を記憶する。内装画像としては、例えば、ステアリング、シフトレバー、ナビゲーション操作部、エアコン操作部、ダッシュボード、スピードメーターなどを含むインストルメントパネルの画像が挙げられる。なお、内装画像は、インストルメントパネルの画像に限定されず、例えば、運転席の画像、助手席の画像、後部座席の画像、ドアの内側が表された画像、天井や床の画像などであってもよい。
【0031】
注視点情報取得部13は、表示装置32を視認する遠隔地ユーザAの注視点に関する情報を取得する。注視点情報取得部13は、遠隔地通信装置31を介して、遠隔地コントローラ34から、遠隔地ユーザAの注視点情報を取得する。遠隔地ユーザAの注視点情報は、少なくとも、表示装置32の表示画像において遠隔地ユーザAが注視している被写体、及び表示装置32の表示画像における当該被写体の位置を含む。
【0032】
画像生成部14は、車内空間20を再現した仮想空間を生成し、所定の仮想視点から見た画像を生成する。また画像生成部14は、車両1の挙動に合わせて被写体が揺動する画像を生成する。本実施形態では、車両1の車室内における仮想視点から所定方向を見た画像であって、車両1の挙動により被写体が揺動する画像を視点画像と称して説明する。
【0033】
画像生成部14は、視点画像を生成するために、車両1の車室内における所定の位置に仮想視点を設定する。仮想視点を車室内のどの場所に設けるかは、特に限定されないが、仮想視点は、表示装置32に画像が表示された際に、当該画像を視認する遠隔地ユーザAが車両1に乗車していると体感可能な場所に設定されるのが好ましい。画像生成部14は、例えば、車両1の乗員の頭部に相当する位置に仮想視点を設定する。なお、車両1の乗員の頭部の位置情報は、記憶部12に予め記憶されている。
【0034】
次に、視点画像の生成方法の一例について説明する。画像生成部14は、仮想視点を設定すると、車両1の周辺撮像画像に基づき、車両1の周辺の状況を表した画像を生成する。そして、画像生成部14は、仮想視点から見た車両1の内装画像を記憶部12から読み出し、内装画像を車両1の周辺の状況を表した画像に重畳させることで、車両1の車内空間20を再現した仮想空間を生成する。さらに、画像生成部14は、予め設定された仮想視野の範囲に基づき、仮想空間のうち、仮想視点を基準とした仮想視野の範囲に含まれる部分の画像を切り抜くことで、視点画像を生成する。
【0035】
図2は、視点画像を説明するための説明図である。
図2(A)は、画像生成部14により生成された車両1の車室内を示す仮想空間の一例である。
図2(A)において、Aは、カーナビゲーションのディスプレイa及びステアリングbを含む車両1の内装画像であり、Bは、車両1の周辺撮像画像である。画像生成部14は、周辺撮像画像Bに対して、内装画像Aを重畳して表示させることで、車両1の車室内を示す仮想空間を生成する。また
図2(A)において、Cは、仮想視点から車両1の前方を見た際に、仮想視野の範囲に含まれる部分を示す。
【0036】
図2(B)は、視点画像Cが表示装置32に表示された様子を示す。表示装置32は、仮想視点から車両1の前方を視た際の画像として、視点画像Cを表示する。
図2の例では、視点画像Cは、仮想視点から見た車両1の車室内の状況を示す内装画像Aと、仮想視点から見た車両1の周辺状況を示す車両1の周辺撮像画像Bとを含む。
【0037】
次に、視点画像における被写体の動きについて説明する。画像生成部14は、視点画像に写る被写体のうち、少なくとも遠隔地ユーザAが注視する被写体以外が車両1の挙動により揺動するように、視点画像を生成する。画像生成部14は、視点画像に写る被写体のうち遠隔地ユーザAが注視するオブジェクトを対象オブジェクトに設定する。本実施形態では、画像生成部14は、遠隔地ユーザAの注視点に基づいて、視点画像を構成する内装画像及び車両1の周辺撮像画像のうち何れか一方を対象オブジェクトに設定する。
【0038】
例えば、遠隔地ユーザAが注視するオブジェクトが内装画像に写る被写体の場合、画像生成部14は、内装画像を対象オブジェクトに設定する。
図2(B)に示す視点画像の例において、遠隔地ユーザAがディスプレイaを注視しているとする。画像生成部14は、注視点情報取得部13により取得された遠隔地ユーザAの注視点情報から、遠隔地ユーザAの注視点をディスプレイaの位置と特定した場合、ディスプレイaを含む内装画像Aを対象オブジェクトに設定する。一方、例えば、遠隔地ユーザAが注視するオブジェクトが車両1の周辺撮像画像に写る被写体の場合、画像生成部14は、車両1の周辺撮像画像を対象オブジェクトに設定する。
図2(B)に示す視点画像の例において、遠隔地ユーザAが周辺撮像画像Bに写る車両1以外の他車両や信号機などを注視しているとする。画像生成部14は、注視点情報取得部13により取得された遠隔地ユーザAの注視点情報から、遠隔地ユーザAの注視点を他車両や信号機の位置と特定した場合、他車両や信号機を含む周辺撮像画像Bを対象オブジェクトに設定する。
【0039】
画像生成部14は、内装画像又は車両1の周辺撮像画像に対象オブジェクトを設定すると、対象オブジェクトの揺動レベルを、対象オブジェクト以外の揺動レベルよりも低くした視点画像を生成する。揺動レベルとは、被写体が車両1の挙動に応じて揺動する揺動幅又は速さである。例えば、遠隔地ユーザAが注視している対象が内装画像に含まれ、対象オブジェクトが内装画像に設定された場合、画像生成部14は、内装画像が車両1の挙動に応じて揺動する揺動レベルを、車両1の周辺撮像画像が車両1の挙動に応じて揺動する揺動レベルよりも低くした視点画像を生成する。一方、例えば、遠隔地ユーザAが注視している対象が車両1の周辺撮像画像に含まれ、対象オブジェクトが車両1の周辺撮像画像に設定された場合、画像生成部14は、車両1の周辺撮像画像が車両1の挙動に応じて揺動する揺動レベルを、内装画像が車両1の挙動に応じて揺動する揺動レベルよりも低くした視点画像を生成する。なお、対象オブジェクトの揺動レベルが対象オブジェクト以外の揺動レベルよりも低ければよく、対象オブジェクトが車両1の挙動に応じて揺れるか否かは特に限定されない。
【0040】
本実施形態では、画像生成部14は、対象オブジェクトの揺動レベルを、対象オブジェクト以外の揺動レベルよりも低くするために、車両1の挙動に合わせて対象オブジェクト以外の表示態様を変化させる。対象オブジェクト以外の表示態様の変化は、画像の大きさの変更、画像の表示位置の変更、及び画像の傾斜角度の変更のうち少なくともいずれか一つを含む。画像生成部14は、対象オブジェクト以外の表示態様を変化させる割合を、車両1の挙動に応じた仮想視点の変位量と同じ割合に設定する。言い換えると、画像生成部14は、仮想視点の変位量に対して正比例の関係で、対象オブジェクト以外の表示態様を変化させる。画像の大きさの変更、画像の表示位置の変更、及び画像の傾斜角度の変更について、それぞれ例を挙げて説明する。
【0041】
画像の大きさを変更する例について説明する。例えば、車両1が減速することにより、車両1に後ろ向きの加速度が生じた場合、車両1の乗員には前向きの加速度が生じる。この場合、画像生成部14は、対象オブジェクト以外を所定の倍率で拡大させる。これにより、対象オブジェクト以外が拡大された仮想空間が生成される。そして、画像生成部14は、生成した仮想空間から、仮想視点と対象オブジェクト以外との距離が縮まった様子を表現した視点画像を生成する。一方、例えば、車両1が加速することにより、車両1に前向きの加速度が生じた場合、車両1の乗員には後ろ向きの加速度が生じる。この場合、画像生成部14は、対象オブジェクト以外を所定の倍率で縮小させる。これにより、対象オブジェクト以外が縮小された仮想空間が生成される。そして、画像生成部14は、生成した仮想空間から、仮想視点と対象オブジェクト以外との距離が遠ざかった様子を表現した視点画像を生成する。
【0042】
画像の表示位置を変更する例について説明する。例えば、車両1が加速することによって車両1の姿勢が後方に沈みこんだ場合、車両1の乗員の視点は上向きに動かされる。この場合、画像生成部14は、対象オブジェクト以外を所定の距離だけ下方向に移動させる。これにより、対象オブジェクト以外の表示位置が下方向に移動した仮想空間が生成される。そして、画像生成部14は、生成した仮想空間から、仮想視点から見た対象オブジェクト以外が下方向に移動した様子を表現した視点画像を生成する。一方、例えば、車両1が減速することによって車両1の姿勢が前方に沈みこんだ場合、車両1の乗員の視点は下向きに動かされる。この場合、画像生成部14は、対象オブジェクト以外を所定の距離だけ上方向に移動させる。これにより、対象オブジェクト以外の表示位置が上方向に移動した仮想空間が生成される。そして、画像生成部14は、生成した仮想空間から、仮想視点から見た対象オブジェクト以外が上方向に移動した様子を表現した視点画像を生成する。
【0043】
画像の傾斜角度を変更する例について説明する。例えば、車両1が左周りのカーブを走行する際に車両1の姿勢が左側に傾いた場合、車両1の乗員の姿勢も左側に傾く。この場合、画像生成部14は、対象オブジェクト以外を所定の角度だけ左側(反時計回りの方向)に傾ける。これにより、対象オブジェクト以外が左側に傾いた仮想空間が生成される。そして、画像生成部14は、生成した仮想空間から、仮想視点から見た対象オブジェクト以外が左側に傾いた様子を表現した視点画像を生成する。一方、例えば、車両1が右周りのカーブを走行する際に車両1の姿勢が右側に傾いた場合、車両1の乗員の姿勢も右側に傾く。この場合、画像生成部14は、対象オブジェクト以外を所定の角度だけ右側(時計回りの方向)に傾ける。これにより、対象オブジェクト以外が右側に傾いた仮想空間が生成される。そして、画像生成部14は、生成した仮想空間から、仮想視点から見た対象オブジェクト以外が右側に傾いた様子を表現した視点画像を生成する。
【0044】
このように、画像生成部14は、車両1の挙動に応じて、対象オブジェクト以外の大きさ、表示位置、及び傾斜角度を変化させることで、車両1の挙動に合わせて対象オブジェクト以外が揺れる視点画像を生成する。言い方を換えると、画像生成部14は、車両1の挙動に応じて対象オブジェクト以外を揺らす処理(以降、揺動処理ともいう)として、対象オブジェクト以外の大きさを変更する処理、対象オブジェクト以外の表示位置を変更する処理、対象オブジェクト以外の傾斜角度を変更する処理、及びこれらの処理の組み合わせのうち少なくとも何れか一つを実行する。
【0045】
ここで、揺動レベルと対象オブジェクト以外の表示態様との関係について説明する。画像生成部14は、車両1の車両情報のうち、車両1の加速度及び角加速度に基づいて、対象オブジェクト以外の揺動レベルを設定する。例えば、画像生成部14は、車両1の加速度が速いほど、又は車両1の角加速度が速いほど、揺動レベルを大きく設定し、対象オブジェクト以外がより揺れる揺動処理を実行する。画像生成部14は、対象オブジェクトの揺動幅が対象オブジェクト以外の揺動幅に比べて小さい視点画像、及び対象オブジェクトの速さが対象オブジェクト以外の速さに比べて遅い視点画像のうち少なくとも何れか一方の視点画像を生成する。
【0046】
画像生成部14は、対象オブジェクト以外の大きさを変更する処理において、揺動レベルが大きいほど、対象オブジェクト以外の拡大率を大きく、又は対象オブジェクト以外の縮小率を小さく設定する。また画像生成部14は、揺動レベルが大きいほど、対象オブジェクト以外が設定された拡大率又は縮小率の大きさに変更するまでに要する時間を短く設定する。これにより、対象オブジェクト以外の揺動レベルが大きいほど、すなわち、車両1が揺れている程度が大きいほど、対象オブジェクト以外の大きさが変化する速さは速く、またその大きさが変化する割合は大きくなる。
【0047】
また画像生成部14は、対象オブジェクト以外の表示位置を変更する処理において、揺動レベルが大きいほど、対象オブジェクト以外が移動する距離を長く設定する。また画像生成部14は、揺動レベルが大きいほど、対象オブジェクト以外が変更された表示位置までの移動に要する時間を短く設定する。これにより、対象オブジェクト以外の揺動レベルが大きいほど、すなわち、車両1が揺れている程度が大きいほど、対象オブジェクト以外が移動する速度は速く、またその移動距離は長くなる。
【0048】
また画像生成部14は、対象オブジェクト以外の傾斜角度を変更する処理において、揺動レベルが大きいほど、対象オブジェクト以外が傾斜する角度を大きく設定する。また画像生成部14は、揺動レベルが大きいほど、対象オブジェクト以外が傾斜するまでに要する時間を短く設定する。これにより、対象オブジェクト以外の揺動レベルが大きいほど、すなわち、車両1が揺れている程度が大きいほど、対象オブジェクト以外が傾斜する速度は速く、またその傾斜角度は大きくなる。
【0049】
表示制御部15は、画像生成部14により生成された視点画像を、遠隔地空間30に設けられた表示装置32に表示するための制御信号を出力する。例えば、表示制御部15は、視点画像の画像データを表示装置32が表示可能な制御信号に変換する。表示制御部15は、サーバーに設けられた通信装置(図示しない)を介して、変換した制御信号を遠隔地通信装置31に送信する。
【0050】
次に、
図3に示すフローチャートを用いて、画像生成装置10により実行される画像表示制御フローについて説明する。
図3は、画像生成装置10により実行される画像表示制御を示すフローチャートである。画像生成装置10は、所定の周期ごとに、
図3に示すフローチャートの処理を実行する。
【0051】
ステップS101では、画像生成装置10は、車両1に設けられた装置から車両情報を取得する。車両情報は、車載カメラ21により撮像された車両1の周辺撮像画像、車載カメラ21の揺れ防止機能に関する情報、加速度センサ22aにより計測された車両1の3軸における加速度、及び角加速度センサ22bにより計測された車両1の3方向における角加速度を含む。なお、ステップS101において、画像生成装置10は、所定の周期ごとに車両情報を取得し、所定時間が経過した後、ステップS101の処理を終了する。
【0052】
ステップS102では、画像生成装置10は、遠隔地通信装置31を介して、遠隔地コントローラ34から、遠隔地ユーザAの注視点情報を取得する。遠隔地ユーザAの注視点情報は、表示装置32の表示画像において遠隔地ユーザAが視認している被写体、及び表示装置32の表示画像における当該被写体の位置を含む。
【0053】
ステップS103では、画像生成装置10は、ステップS102で取得した遠隔地ユーザAの注視点情報から、遠隔地ユーザAが注視している被写体が内装画像又は車両1の周辺撮像画像の何れかに含まれているかを判定する。画像生成装置10は、遠隔地ユーザAの注視点情報から、遠隔地ユーザAが注視している被写体が内装画像に写るオブジェクトと特定した場合、内装画像を対象オブジェクトに設定する。一方、画像生成装置10は、遠隔地ユーザAの注視点情報から、遠隔地ユーザAが注視している被写体が車両1の周辺撮像画像に写るオブジェクトと特定した場合、車両1の周辺撮像画像を対象オブジェクトに設定する。遠隔地ユーザAの注視点情報から、遠隔地ユーザAを特定する方法としては、例えば、遠隔地ユーザAが注視している被写体の種別から特定する方法、表示装置32の表示画像において遠隔地ユーザAの注視点の位置から特定する方法などが挙げられる。対象オブジェクトが内装画像に設定された場合、ステップS104に進み、対象オブジェクトが車両1の周辺撮像画像に設定された場合、ステップS108に進む。
【0054】
ステップS103において、対象オブジェクトが内装画像に設定された場合、ステップS104に進む。ステップS104では、画像生成装置10は、車載カメラ21の揺れ防止機能が有効であるか否かを判定する。例えば、画像生成装置10は、ステップS101で取得した車両情報のうち車載カメラ21の揺れ防止機能に関する情報に基づき、車載カメラ21が備える揺れ防止機能が有効であるか否かを判定する。車載カメラ21の揺れ防止機能が有効と判定された場合、ステップS105に進み、車載カメラ21の揺れ防止機能が無効と判定された場合、ステップS106に進む。
【0055】
ステップS104において、車載カメラ21の揺れ防止機能が有効と判定された場合、ステップS105に進む。ステップS105では、画像生成装置10は、ステップS103で内装画像が対象オブジェクトとして設定されているため、対象オブジェクト以外である車両1の周辺撮像画像に対して、揺動処理を実行する。ステップS103で車載カメラ21の揺れ防止機能が有効と判定されているため、車両1の周辺撮像画像は、車両1の揺れに応じて揺れない又は揺れにくい。このため、このステップにおいて、画像生成装置10は、車両1の周辺撮像画像に対して揺動処理を実行し、車両1の揺れに応じて揺れるように車両1の周辺撮像画像に加工する。揺動処理は、車両1の周辺撮像画像の大きさを変更する処理、車両1の周辺撮像画像の表示位置を変更する処理、及び車両1の周辺撮像画像の傾斜角度を変更する処理のうち少なくとも何れかを含む。
【0056】
ステップS106では、画像生成装置10は、車両1の乗員の頭部に相当する位置に仮想視点を設定し、車両1の周辺撮像画像に対して、内装画像を重畳させることで、車両1の車内空間を再現した仮想空間を生成する(
図2(A)参照)。そして、画像生成装置10は、仮想空間のうち、仮想視点を基準とした仮想視野に含まれる部分の画像を切り出すことで、車両1の車室内における仮想視点から所定方向を見た画像である視点画像を生成する(
図2(B)参照)。
【0057】
ステップS105からステップS106に進んだ場合、画像生成装置10は、ステップS105で車両1の揺れに応じて揺れるように加工された車両1の周辺撮像画像を用いる。一方、ステップS104からステップS106に進んだ場合、画像生成装置10は、車載カメラ21により撮像された車両1の周辺撮像画像そのものを用いる。ステップS104で車載カメラ21の揺れ防止機能が無効と判定されているため、車載カメラ21により撮像された車両1の周辺撮像画像は、車両1の揺れに応じて揺れるためである。
【0058】
ステップS107では、画像生成装置10は、サーバーに設けられた通信装置及び遠隔地通信装置31を介して、ステップS108で生成した視点画像を表示装置32に出力する。画像生成装置10は、ステップS108での処理が終了すると、
図3に示すフローチャートの処理を終了させる。
【0059】
ステップS103において、対象オブジェクトが車両1の周辺撮像画像に設定された場合、ステップS108に進む。ステップS108では、画像生成装置10は、車載カメラ21の揺れ防止機能が有効であるか否かを判定する。ステップS108は、ステップS104に対応するため、ステップS104での説明を援用する。車載カメラ21の揺れ防止機能が有効と判定された場合、ステップS109に進み、車載カメラ21の揺れ防止機能が無効と判定された場合、ステップS111に進む。
【0060】
ステップS108において、車載カメラ21の揺れ防止機能が有効と判定された場合、ステップS109に進む。ステップS109では、画像生成装置10は、ステップS103で車両1の周辺撮像画像が対象オブジェクトとして設定されているため、対象オブジェクト以外である内装画像に対して、揺動処理を実行する。揺動処理は、車両1の内装画像の大きさを変更する処理、車両1の内装画像の表示位置を変更する処理、及び車両1の内装画像の傾斜角度を変更する処理のうち少なくとも何れかを含む。
【0061】
ステップS110では、画像生成装置10は、車両1の車室内における仮想視点から所定方向を見た画像である視点画像を生成する。ステップS110は、ステップS106に対応するため、ステップS106での説明を援用する。ステップS110での処理が終了すると、ステップS107に進む。ステップS107の説明は既述の説明を援用する。
【0062】
ステップS108において、車載カメラ21の揺れ防止機能が無効と判定された場合、ステップS111に進む。ステップS111では、画像生成装置10は、車両1の周辺撮像画像が車両1の揺れに応じて揺れるため、車両1の周辺撮像画像の揺れを低減させる。画像生成装置10は、車両1が揺れても車両1の周辺撮像画像の揺れが低減されるように、揺れ低減処理を実行する。これにより、車両1の揺れた場合であっても、遠隔地ユーザAが注視しているオブジェクトが揺れにくくなるため、遠隔地ユーザAが酔う可能性を低減させることができる。ステップS108での処理が終了すると、ステップS109に進む。ステップS109以降の説明は既述の説明を援用する。なお、画像生成装置10には、本願出願時に知られた揺れ低減処理を適用できるものとする。
【0063】
以上のように、本実施形態に係る画像生成装置10は、車両1に設けられた車載カメラ21及び車載センサ22から、車両1の挙動の情報を含む車両情報を取得する車両情報取得部11と、車両1の車室内における仮想視点から所定方向を見た画像であって、被写体が車両1の挙動により揺動する画像を視点画像として生成する画像生成部14と、画像生成部14により生成された画像を、遠隔地空間30に設けられた表示装置32に表示するための制御信号を出力する表示制御部15と、表示装置32を視認する遠隔地ユーザAの注視点に関する情報を取得する注視点情報取得部13と、を備える。本実施形態では、画像生成部14は、視点画像に写る被写体のうち遠隔地ユーザAの注視点に対応する対象オブジェクトの揺動レベルを、対象オブジェクト以外の揺動レベルよりも低くした視点画像を生成する。これにより、車両1に乗車していない遠隔地ユーザAは、自身が注視している対象以外が車両1の挙動に応じて揺れる視点画像を視認することで、没入感が阻害されることなく、視覚を通じて車両1の挙動を把握しやすくなる。また遠隔地ユーザAが注視している対象は、当該対象以外に比べて、車両1の挙動に応じて揺れにくくなるため、遠隔地ユーザAが酔うことを抑制することができる。
【0064】
また、本実施形態では、揺動レベルは、内装画像又は車両1の撮像画像が車両1の挙動に応じて揺動する揺動幅又は速さである。これにより、遠隔地ユーザAは、自身の周辺視野で捉えている対象から、車両1がどのような挙動をしているかを直感的に把握することができる。
【0065】
さらに、本実施形態では、画像生成部14は、対象オブジェクトの揺動幅が対象オブジェクト以外の揺動幅に比べて小さい視点画像、及び対象オブジェクトの速さが対象オブジェクト以外の速さに比べて遅い視点画像のうち少なくとも何れか一方の視点画像を生成する。これにより、遠隔地ユーザAの中心視野に含まれる対象は揺れにくく、遠隔地ユーザAの周辺視野に含まれる対象は揺れやすくなるため、遠隔地ユーザAが酔うことを抑制することができる。
【0066】
加えて、本実施形態では、車両情報は、車両に設けられた車載カメラ21により、車両1の周辺が撮像された車両1の周辺撮像画像を含み、視点画像は、仮想視点から見た車両の内装を示す内装画像、及び車両1の周辺撮像画像を含む。画像生成部14は、遠隔地ユーザAの注視点に基づいて、内装画像及び車両1の周辺撮像画像のうち何れか一方を対象オブジェクトに設定する。これにより、遠隔地ユーザAが車両1の周辺を注視している場合、車両1の周辺撮像画像の揺動レベルを内装画像の揺動レベルよりも低くした視点画像を生成することができる。また、遠隔地ユーザAが車両1の車内空間している場合、内装画像の揺動レベルを車両1の周辺撮像画像の揺動レベルよりも低くした視点画像を生成することができる。
【0067】
また、本実施形態では、画像生成部14は、車両1の周辺撮像画像を対象オブジェクトに設定した場合、車両1の周辺撮像画像の揺動レベルを、内装画像の揺動レベルに比べて低くした視点画像を生成する。これにより、遠隔地ユーザAが車両1の周辺を注視している場合、遠隔地ユーザAが酔うことを抑制しつつ、内装画像の揺れにより車両1の挙動を直感的に把握することができる。
【0068】
さらに、本実施形態では、画像生成部14は、内装画像を対象オブジェクトに設定した場合、内装画像の揺動レベルを、車両1の周辺撮像画像の揺動レベルに比べて低くした視点画像を生成する。これにより、遠隔地ユーザAが車両1の車内空間を注視している場合、遠隔地ユーザAが酔うことを抑制しつつ、車両1の周辺撮像画像の揺れにより車両1の挙動を直感的に把握することができる。
【0069】
加えて、本実施形態では、車両1の車両情報は、車両1の加速度及び角加速度のうち少なくともいずれか一方を含む。これにより、車両1の挙動に合わせて被写体が揺動する視点画像を生成することができる。
【0070】
なお、以上に説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0071】
例えば、上述した実施形態では、対象オブジェクトとして、内装画像又は車両1の周辺撮像画像を例に挙げて説明したが、内装画像又は車両1の周辺撮像画像を択一的に選択して対象オブジェクトを設定する方法に限定されず、遠隔地ユーザAの注視点を含む所定の範囲を対象オブジェクトに設定してもよい。この場合、画像生成装置10は、対象オブジェクトとして設定された所定の範囲の揺動レベルを、所定の範囲より外側の揺動レベルよりも低くした視点画像を生成する。上述した実施形態に比べて、画像生成部14が異なる変形例に係る画像生成装置10について説明する。
【0072】
図4を用いて、変形例に係る画像生成装置10により実行される画像表示制御フローについて説明する。
図4は、変形例に係る画像生成装置10により実行される画像表示制御を示すフローチャートである。
図4のフローチャートは、
図3のフローチャートに比べて、ステップS103~ステップS106及びステップS108~ステップS110を、ステップS201~ステップS204に置き換えたものである。したがって、
図3のフローチャートを用いて説明したステップについては、既述の説明を援用し、ステップS201~ステップS204について説明する。
【0073】
ステップS201では、画像生成装置10は、車載カメラ21の揺れ防止機能が有効であるか否かを判定する。ステップS201は、
図3のステップS104及びステップS108に対応するため、ステップS104及びステップS108での説明を援用する。車載カメラ21の揺れ防止機能が有効と判定された場合、ステップS202に進み、車載カメラ21の揺れ防止機能が無効と判定された場合、ステップS204に進む。
【0074】
ステップ201において、車載カメラ21の揺れ防止機能が有効と判定された場合、ステップS202に進む。ステップS202では、画像生成装置10は、遠隔地ユーザAの注視点を含む所定の範囲より外側に対して、揺動処理を実行する。例えば、画像生成装置10は、ステップS102で取得した遠隔地ユーザAの注視点情報から、表示装置32の表示画像において遠隔地ユーザAが注視している被写体の位置を特定する。画像生成装置10は、当該被写体を含む所定の範囲を対象オブジェクトに設定する。所定の範囲は、遠隔地ユーザAが注視している被写体を含む範囲であればよく、その形状、大きさなどは特に限定されない。例えば、所定の範囲は、遠隔地ユーザAの中心視野を示す範囲として、記憶部12に予め記憶されている。
【0075】
画像生成装置10は、遠隔地ユーザAの注視点を含む所定の範囲を対象オブジェクトに設定すると、対象オブジェクトの外側に対して、揺動処理を実行する。例えば、対象オブジェクトとして、遠隔地ユーザAの中心視野の範囲が設定された場合、画像生成装置10は、遠隔地ユーザAの周辺視野に含まれる対象について、揺動処理を実行する。変形例において、揺動処理の対象は、内装画像、車両1の周辺撮像画像、又は、内装画像及び車両1の周辺撮像画像の両方のいずれかである。ステップS201での揺動処理は、
図3に示すステップS105及びステップS109での揺動処理と同様である。このため、揺動処理の説明は、これらのステップでの説明を援用する。
【0076】
ステップS203では、画像生成装置10は、車両1の乗員の頭部に相当する位置に仮想視点を設定し、車両1の周辺撮像画像に対して、内装画像を重畳させることで、車両1の車内空間を再現した仮想空間を生成する。そして、画像生成装置10は、仮想空間から、車両1の車室内における仮想視点から所定方向を見た画像である視点画像を生成する。
【0077】
ステップS201からステップS204を経てステップS203に進んだ場合、画像生成装置10は、ステップS204で車両1の揺れに応じて揺れるように加工された車両1の周辺撮像画像を用いる。一方、ステップS201からステップS202を経てステップS203に進んだ場合、画像生成装置10は、車載カメラ21により撮像された車両1の周辺撮像画像そのものを用いる。ステップS201で車載カメラ21の揺れ防止機能が無効と判定されているため、車載カメラ21により撮像された車両1の周辺撮像画像は、車両1の揺れに応じて揺れるためである。
【0078】
ステップS203の処理が終了すると、ステップS107に進み、ステップS203で生成された視点画像は、表示装置32に出力される。
【0079】
ステップS201において、車載カメラ21の揺れ防止機能が有効と判定された場合、ステップS204に進む。ステップS204では、画像生成装置10は、車両1の周辺撮像画像が車両1の揺れに応じて揺れるため、車両1の周辺撮像画像の揺れを低減させる。ステップS204は、
図3のステップS111に対応するため、ステップS111での説明を援用する。ステップS204での処理が終了すると、ステップS202に進む。ステップS202以降の説明は既述の説明を援用する。
【0080】
以上のように、変形例に係る画像生成装置10が備える画像生成部14は、視点画像のうち、前記ユーザの注視点を含む所定の範囲を対象オブジェクトに設定する。これにより、例えば、遠隔地ユーザAの中心視野に含まれる被写体の揺動レベルを、遠隔地ユーザAの周辺視野に含まれる被写体の揺動レベルよりも低くした視点画像を生成することができる。遠隔地ユーザAの実際の中心視野及び周辺視野に合わせた視点画像を生成することができるため、遠隔地ユーザAは、没入感が阻害されることなく、視覚を通じて車両1の挙動を把握しやすくなる。また遠隔地ユーザAの中心視野に含まれる対象は、当該対象以外に比べて、車両1の挙動に応じて揺れにくくなり、遠隔地ユーザAが酔うことを抑制することができる。
【0081】
なお、変形例に係る画像生成装置10が実行する揺動処理は、例えば、対象オブジェクト以外の揺動レベルについて、揺動レベルを一律にせず、遠隔地ユーザAの注視点からの距離が遠いほど、揺動レベルを大きくしてもよい。これにより、遠隔地ユーザAの周辺視野において、中心視野に近いほど、車両1の挙動に応じて揺れにくくなるため、遠隔地ユーザAは中心視野に含まれる対象を視認しやすくなる。また、遠隔地ユーザAの周辺視野において、中心視野から遠いほど、車両1の挙動に応じて揺れやすくなるため、遠隔地ユーザAは、周辺視野で車両1の挙動を直感的に把握しやすくなる。
【0082】
また変形例に係る画像生成装置10が実行する揺動処理は、例えば、対象オブジェクトとして設定された所定の範囲と当該範囲の境界付近において、揺動レベルの差に変曲点ができないように、モーフィング処理により、揺動レベルが経時的に徐々に変化させる処理であってもよい。遠隔地ユーザAの中心視野と周辺視野の境界において、連続的に揺動レベルが変化するため、例えば、車両1が突然大きく揺れた場合であっても、遠隔地ユーザAが違和感を覚えるのを抑制することができる。
【0083】
また上述の実施形態では、表示装置32として遠隔地ユーザAが装着するヘッドマウントディスプレイの画面表示部分を例に挙げて説明したが、この場合、仮想視点は、予め設定された視点ではなく、遠隔地ユーザAの視点となり、また遠隔地ユーザAの頭部の動きに応じて動く視点であってもよい。画像生成装置10は、車両1の挙動に加えて、遠隔地ユーザAの頭部の動きに合わせた内装画像にすることで、遠隔地ユーザAは、自身が装着可能なデバイスにおいても、車両1の挙動を把握しやすくなる。なお、
図5は、表示装置32がヘッドマウントディスプレイに組み込まれた場合における仮想空間の例である。
【0084】
また上述の実施形態では、仮想視点から車両1の前方を見た画像を視点画像として説明したが、仮想視点から見る方向は車両1の前方に限定されず、例えば、仮想視点から車両1の左側方又は右側方を見た画像を視点画像としてもよい。
【0085】
また上述の実施形態では、車両1の内装画像が記憶部12に記憶されている構成を例に挙げて説明したが、車両1の内装画像は、車両1に搭載され、車両1の車室内を撮像するカメラにより撮像された撮像画像であってもよい。
【0086】
また上述の実施形態において、
図3のステップS104及びステップS108の処理は必ずしも実行する必要はなく、例えば、画像生成装置10は、遠隔地ユーザAに初めて視点画像を表示装置32に出力する場合に限り、これらの処理を実行してもよい。
【0087】
また上述の実施形態では、遠隔地ユーザAの注視点を特定する処理を遠隔地コントローラ34が実行する場合を例に挙げて説明したが、これに限られず、画像生成装置10は、遠隔地コントローラ34の代わりとして、遠隔地ユーザAの注視点を特定するための注視点特定部を備えていてもよい。この場合、画像生成装置10は、遠隔地カメラ33により撮像された撮像画像を取得し、当該撮像画像に基づいて、遠隔地ユーザAの注視点を特定する。
【符号の説明】
【0088】
100…画像表示システム
1…車両
21…車載カメラ
22…車載センサ
22a…加速度センサ
22b…角加速度センサ
23…車載通信装置
10…画像生成装置
11…車両情報取得部
12…記憶部
13…注視点情報取得部
14…画像生成部
15…表示制御部
31…遠隔地通信装置
32…表示装置
33…遠隔地カメラ
34…遠隔地コントローラ