(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】情報処理装置および情報入力システム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0481 20220101AFI20241209BHJP
G06V 30/424 20220101ALI20241209BHJP
G06V 30/12 20220101ALI20241209BHJP
【FI】
G06F3/0481
G06V30/424
G06V30/12 B
(21)【出願番号】P 2021047481
(22)【出願日】2021-03-22
【審査請求日】2023-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 昌孝
(72)【発明者】
【氏名】朝日 一隆
【審査官】伊藤 昭治
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-129024(JP,A)
【文献】特開2008-257621(JP,A)
【文献】特開2020-008448(JP,A)
【文献】特開2001-009381(JP,A)
【文献】特開2003-058813(JP,A)
【文献】特開2006-171851(JP,A)
【文献】特開2019-032719(JP,A)
【文献】特開平06-170339(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048 - 3/04895
G06Q 20/18
G06V 30/424
G06V 30/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置が
生成する処理対象画像を含む表示画像を取得する画像インターフェースと、
前記表示画像に対する入力情報を示す信号を前記外部装置へ供給する入力インターフェースと、
表示デバイスおよび入力デバイスを含む入力端末に接続する入力端末インターフェースと、
前記画像インターフェースにより取得する前記表示画像に含まれる前記処理対象画像において文字列を認識する認識部と、
前記認識部が前記処理対象画像から認識した第1入力情報に対して追加情報が必要である
ことを検知する機能を有し、前記機能により追加情報が必要であることを検知した場合、前記処理対象画像に基づく
第1入力情報の入力および
追加情報の入力を前記入力端末に要求し、前記入力端末で入力された
第1入力情報および
追加情報を示す情報を前記入力インターフェースにより前記外部装置へ供給するプロセッサと、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記画像インターフェースは、前記外部装置が
生成する処理対象画像を含む表示画像をキャプチャするキャプチャボードに接続するキャプチャボードインターフェースである、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記入力インターフェースは、前記表示画像に対する入力情報を示す信号を入力装置に入力された信号にエミュレートして前記外部装置に供給するエミュレータに接続するエミュレータインターフェースである、
請求項1又は2の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1入力情報は、宛先情報における住所であり、
前記追加情報は、宛先情報における宛名であり、
前記プロセッサは、前記認識部が前記処理対象画像から認識した住所に転居者が存在する場合に追加情報としての宛名が必要である
ことを検知した場合、前記処理対象画像に基づく住所および宛名の入力を前記入力端末に要求し、前記入力端末で入力された住所および宛名を前記外部装置へ供給する、
請求項1乃至3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記認識部が前記処理対象画像から認識した第1入力情報に対して追加情報が必要であることを検知する機能は、前記認識部が前記処理対象画像から第1入力情報を認識した結果を前記外部装置へ供給した後に前記外部装置
が生成する処理対象画像を含む表示画像に追加指示欄が含まれることを検知する機能である、
請求項1乃至4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記
機能により追加情報が必要である
ことを検知した場合、前記認識部により前記処理対象画像における
追加情報を認識させ、
前記認識部が追加情報を認識できた場合には
認識結果としての追加情報を前記外部装置へ供給し、
前記認識部が追加情報を認識できなかった場合には前記処理対象画像に基づく
第1入力情報の入力および
追加情報の入力を前記入力端末に要求し、前記入力端末で入力された
第1入力情報および
追加情報を示す情報を前記外部装置へ供給する、
請求項1乃至5の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
認識装置と表示デバイスと操作デバイスとを有する情報入力システムであって、
前記認識装置は、
外部装置が
生成する処理対象画像を含む表示画像を取得する画像インターフェースと、
前記表示画像に対する入力情報を示す信号を前記外部装置へ供給する入力インターフェースと、
前記表示デバイスと接続する表示デバイスインターフェースと、
前記操作デバイスと通信する操作デバイスインターフェースと、
前記画像インターフェースにより取得する前記表示画像に含まれる前記処理対象画像において文字列を認識する認識部と、
前記認識部が前記処理対象画像から認識した第1入力情報に対して追加情報が必要である
ことを検知する機能を有し、前記機能により追加情報が必要であることを検知した場合、前記処理対象画像における
第1入力情報の入力および
追加情報の入力を要求する画面を前記表示デバイスに表示させ、前記操作デバイスで入力された
第1入力情報および
追加情報を示す情報を前記入力インターフェースにより前記外部装置へ供給するプロセッサと、を有する、
を有する情報入力システム。
【請求項8】
前記画像インターフェースは、前記外部装置が
生成する処理対象画像を含む表示画像をキャプチャするキャプチャボードに接続するキャプチャボードインターフェースである、
請求項7に記載の情報入力システム。
【請求項9】
前記入力インターフェースは、前記表示画像に対する入力情報を示す信号を入力装置に入力された信号にエミュレートして前記外部装置に供給するエミュレータに接続するエミュレータインターフェースである、
請求項7又は8の何れか1項に記載の情報入力システム。
【請求項10】
前記第1入力情報は、宛先情報における住所であり、
前記追加情報は、宛先情報における宛名であり、
前記プロセッサは、前記認識部が前記処理対象画像から認識した住所に転居者が存在する場合に追加情報としての宛名が必要である
ことを検知した場合、前記処理対象画像に基づく住所および宛名の入力画面を前記表示デバイスに表示し、前記操作デバイスで入力された住所および宛名を前記外部装置へ供給する、
請求項7乃至9の何れか1項に記載の情報入力システム。
【請求項11】
前記認識部が前記処理対象画像から認識した第1入力情報に対して追加情報が必要であることを検知する機能は、前記認識部が前記処理対象画像から第1入力情報を認識した結果を前記外部装置へ供給した後に前記外部装置
が生成する処理対象画像を含む表示画像に追加指示欄が含まれることを検知する機能である、
請求項7乃至10の何れか1項に記載の情報入力システム。
【請求項12】
前記プロセッサは、
前記
機能により追加情報が必要である
ことを検知した場合、前記認識部により前記処理対象画像における
追加情報を認識させ、
前記認識部が追加情報を認識できた場合には前記追加情報の
認識結果としての追加情報を前記外部装置へ供給し、
前記認識部が追加情報を認識できなかった場合には前記処理対象画像に基づく
第1入力情報の入力および
追加情報の入力画面を前記表示デバイスに表示し、前記操作デバイスで入力された
第1入力情報および
追加情報を示す情報を前記外部装置へ供給する、
請求項7乃至11の何れか1項に記載の情報入力システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置および情報入力システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品に記載された住所などの宛先を示す情報を取得するために物品の画像を画面に表示し、画面された画像に基づいてオペレータが物品に記載された情報を入力するためのVCD(Video Coding Desk)がある。さらに、既存のVCDに対して、オペレータに代わって情報を入力する新たな情報入力システムを増設する技術が考案されている。新たな情報入力システムは、既存のVCDが表示する画面の画像をキャプチャし、キャプチャした画像から特定する物品の宛先を示す情報を既存のVCDにおける入力装置の操作信号にエミュレートして既存のVCDに供給する。
【0003】
既存のVCDに接続する情報入力システムは、OCR(Optical Character Recognition)処理を行うOCR装置とOCR装置での認識が失敗した場合にオペレータが情報を入力するための新入力端末とを備える。すなわち、既存のVCDに接続する情報入力システムは、既存のVCDの入力デバイスに代わって、OCR装置と新入力端末とが宛先などの情報を入力するものである。
【0004】
既存のVCDでは、転居者が存在する住所である場合に宛名を示す情報などの追加情報の入力をオペレータに要求する機能がある。このような追加情報を入力させる機能をそのまま新情報入力システムに取り入れると、新情報入力システムの新入力端末のオペレータは、突発的にOCR処理で得られた住所などの所定の情報に対して追加情報(例えば、宛名)を入力する作業が生じる。新入力端末のオペレータは、OCR処理が失敗した処理対象画像を見て所定の情報を入力する作業を短時間で繰り返し実施しているため、突発的に所定の情報と異なる情報の入力が求められると作業に戸惑いが生じたり予期せぬ視線移動などの動作が余儀なくされたりすることで作業効率が低下することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するため、情報の入力作業の効率化を図れる情報処理装置および情報入力システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、情報処理装置は、画像インターフェースと、入力インターフェースと、入力端末インターフェースと、認識部と、プロセッサと、を有する。画像インターフェースは、外部装置が生成する処理対象画像を含む表示画像を取得する。入力インターフェースは、表示画像に対する入力情報を示す信号を外部装置へ供給する。入力端末インターフェースは、表示デバイスおよび入力デバイスを含む入力端末に接続する。認識部は、画像インターフェースにより取得する表示画像に含まれる処理対象画像において文字列を認識する。プロセッサは、認識部が処理対象画像から認識した第1入力情報に対して追加情報が必要であることを検知する機能を有し、前記機能により追加情報が必要であることを検知した場合、処理対象画像に基づく第1入力情報の入力および追加情報の入力を入力端末に要求し、入力端末で入力された第1入力情報および追加情報を示す情報を入力インターフェースにより外部装置へ供給する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報入力システムの構成例を概略的に示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報入力システムに接続される既存のVCDの構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る情報入力システムにおけるOCR装置の構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る情報入力システムにおけるOCR装置が取り込むVCD画面の例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、実施形態に係る情報入力システムにおけるOCR装置が取り込むVCD画面において追加情報が要求された場合の例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、実施形態に係る情報入力システムにおけるOCR装置の第1の動作例を説明するためのフローチャートである。
【
図7】
図7は、実施形態に係る情報入力システムにおけるOCR装置の第2の動作例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る情報入力システム1の構成例を示す図である。
実施形態に係る情報入力システム1は、処理対象画像において郵便番号、住所および宛名などの文字列を含む情報(例えば宛先情報)を特定し、特定した情報を区分装置や物品処理装置などの装置に供給する既存VCD10に接続される。情報入力システム1は、既存VCD10が生成する処理対象画像を含む表示画面(VCD画面)の画像をキャプチャし、キャプチャしたVCD画面に基づいてOCR処理又は打鍵入力処理で入力された情報(宛先情報)を既存VCD10に供給するシステムである。
【0010】
図1が示すように、情報入力システム1は、管理PC2、ネットワーク3、エミュレータ4、キャプチャボード5、OCR装置20および新入力端末30(表示デバイス7、操作デバイス8)を備える。
OCR装置20は、情報処理装置および認識装置である。OCR装置20は、エミュレータ4およびキャプチャボード5を介して既存のVCD10に接続される。表示デバイス7および操作デバイス8は、オペレータが情報を入力するための新入力端末30として機能するデバイスである。新入力端末30としての表示デバイス7および操作デバイス8は、OCR装置20に接続される。また、OCR装置20は、ネットワーク3を介して管理PC2にも接続される。
【0011】
また、
図1は、各既存VCD10(10a、10b)に対応して、OCR装置20(20a、20b)および新入力端末30(30a、30b)を設けた情報入力システム1の構成例を示す。
複数のOCR装置20a、20bは、それぞれ複数のエミュレータ4a、4bおよびキャプチャボード5a、5bを介して既存VCD10a、10bに接続される。また、新入力端末30a、30bは、それぞれ表示デバイス7a、7bおよび操作デバイス8a、8bを備え、OCR装置20a、20bに接続される。
【0012】
既存のVCD10(10a、10b)は、既存のビデオコーディングシステム(VCS)に設けられる入力装置である。既存のVCD10は、郵便物又は荷物などの物品を物品上に記載(表示)された宛先に基づいて区分する区分システムなどの物品処理装置に接続される。既存VCD10は、物品処理装置がカメラやスキャナなどで読み取った区分処理の対象とする物品の画像を取得し、処理対象画像としての物品の画像を含む宛先入力用の表示画像を表示装置に表示させる。既存VCD10は、入力された宛先を示す情報を区分システムなどの物品処理装置へ供給する。
【0013】
管理PC2は、ネットワーク3に接続する。管理PC2は、入力システム1全体を管理する。管理PC2は、OCR装置20とデータを送受信する。管理PC2は、種々の信号などをOCR装置20などに送信する。また、管理PC2は、OCR装置20からのデータ(OCR処理の結果など)を受信する。ネットワーク3は、管理PC2とOCR装置20との間の通信およびOCR装置20間の通信などを中継する。例えば、ネットワーク3は、LAN(Local Area Network)などである。
【0014】
エミュレータ4(4a、4b)は、既存VCD10に接続するキーボード又はマウスなどの入力装置をエミュレーションする。エミュレータ4は、OCR装置20から入力する宛先を示す信号を既存の入力装置に入力された場合の操作信号と同様の操作信号として既存VCD10に供給する。例えば、エミュレータ4は、OCR装置20から入力する信号を、マウスの移動若しくはクリック、又は、キーボード入力などを示す操作信号に変換して既存VCD10に供給する。
【0015】
図1に示す構成例において、エミュレータ4aは、OCR装置20aからの信号を既存VCD10aにおける入力装置の操作信号として既存VCDaに供給する。また、エミュレータ4bは、OCR装置20bからの信号を既存VCD10bにおける入力装置の操作信号として既存VCD10bに供給する。
【0016】
キャプチャボード5(5a、5b)は、既存のVCD10(10a、10b)が表示装置に表示する処理対象画像を含む表示画像(VCD画面)をキャプチャする。キャプチャボード5(5a、5b)は、既存のVCD10(10a、10b)でキャプチャした表示画像をOCR装置20(20a、20b)へ供給する。
図1に示す構成例において、キャプチャボード5aは、既存VCD10aが生成するVCD画面をキャプチャし、キャプチャしたVCD画面をOCR装置20aに供給する。キャプチャボード5bは、既存VCD10bが生成するVCD画面をキャプチャし、キャプチャしたVCD画面をOCR装置20bに供給する。
【0017】
OCR装置20(20a、20b)は、物品の画像における文字列を認識するOCR処理(文字認識処理)を行う認識部を有する。OCR装置20は、キャプチャボード5(5a、5b)に接続される。OCR装置20(20a、20b)は、キャプチャボード5(5a、5b)がキャプチャする既存VCD10(10a、10b)の表示画像を取得する。OCR装置20は、取得した既存VCD10(10a、10b)の表示画像に含まれる物品の画像に基づいて当該物品に記載された宛先を示す文字列を認識するためのOCR処理を行う。
【0018】
OCR装置20は、OCR処理が成功した場合、OCR処理の結果として得た文字列(宛先)を含む情報をエミュレータ4を介して既存のVCD10に供給する。また、OCR装置20は、OCR処理が認識に失敗した場合、既存VCD10から取得した物品の画像を含む表示画像を新入力端末30としての表示デバイス7に表示させ、オペレータによる操作デバイス8へのキー入力を受け付ける。OCR装置20は、新入力端末30としての操作デバイス8においてオペレータが入力した情報を取得する。OCR装置20は、操作デバイス8に入力された情報を取得すると、操作デバイス8に入力された情報をエミュレータ4を介して既存のVCD10に供給する。
【0019】
表示デバイス7は、VCD画面などを表示する。表示デバイス7は、OCR装置20が要求される画像を表示する。表示デバイス7は、例えば、液晶ディスプレイあるいは有機ELディスプレイなどである。
図1に示す構成例において、表示デバイス7aは、OCR装置20aからの制御に従って画像を表示する。また、表示デバイス7bは、OCR装置20bからの制御に従って画像を表示する。
【0020】
操作デバイス8は、オペレータから操作指示の入力を受け付ける。操作デバイス8は、入力された操作を示す操作信号をOCR装置20へ送信する。操作デバイス8は、例えば、キーボード又はマウスなどで構成される。
図1に示す構成例において、操作デバイス8aは、入力された操作を示す操作信号をOCR装置20aへ供給する。また、操作デバイス8bは、入力された操作を示す操作信号をOCR装置20bへ供給する。
【0021】
なお、表示デバイス7および操作デバイス8は、情報入力システム1における入力端末30として機能する。表示デバイス7および操作デバイス8は、PCなどの情報処理装置に含まれる構成であっても良いし、それぞれがOCR装置20に個別に接続されるデバイスであっても良い。即ち、表示デバイス7は、OCR装置20からの供給される画像を表示するものであれば良く、操作デバイス8は、オペレータが入力した情報をOCR装置20に供給するものであれば良い。
【0022】
次に、実施形態に係る情報入力システム1が接続される既存VCD10の構成について説明する。
図2は、実施形態に係る情報入力システム1に接続される既存VCD10の構成例を示すブロック図である。
図2が示すように、既存VCD10は、プロセッサ11、ROM12、RAM13、NVM14、通信部15、表示インターフェース16および操作インターフェース17などを備える。なお、既存VCD10aおよび既存VCD10bは、同様の構成であるものとし、既存VCD10として説明する。
【0023】
既存VCD10において、プロセッサ11には、ROM12、RAM13、NVM14、通信部15、表示インターフェース16および操作インターフェース17がデータバスなどを介して接続される。なお、既存VCD10は、
図2が示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、既存VCD10から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0024】
プロセッサ11は、既存VCD10全体の動作を制御する機能を有する。プロセッサ11は、内部キャッシュおよび各種のインターフェースなどを備えてもよい。プロセッサ11は、内部メモリ、ROM12又はNVM14が予め記憶するプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
【0025】
なお、プロセッサ11がプログラムを実行することにより実現する各種の機能のうちの一部は、ハードウエア回路により実現されるものであってもよい。この場合、プロセッサ11は、ハードウエア回路により実行される機能を制御する。
【0026】
ROM12は、制御プログラムおよび制御データなどが予め記憶された不揮発性のメモリである。ROM12に記憶される制御プログラムおよび制御データは、VCD10の仕様に応じて予め組み込まれる。
RAM13は、揮発性のメモリである。RAM13は、プロセッサ11の処理中のデータなどを一時的に格納する。RAM13は、プロセッサ11からの命令に基づき種々のアプリケーションプログラムを格納する。また、RAM13は、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータおよびアプリケーションプログラムの実行結果などを格納してもよい。
【0027】
NVM14は、データの書き込みおよび書き換えが可能な不揮発性のメモリである。例えば、NVM14は、例えば、HDD、SSD又はフラッシュメモリなどから構成されるものであっても良い。NVM14は、VCD10の運用用途に応じて制御プログラム、アプリケーションおよび種々のデータなどを格納する。
【0028】
通信部15は、所定の処理装置とデータを送受信するためのインターフェースである。例えば、通信部15は、有線又は無線のLAN接続をサポートするインターフェースである。
【0029】
表示インターフェース16は、キャプチャボード5に接続される。表示インターフェース16は、キャプチャボード5とデータを送受信するインターフェースである。表示インターフェース16は、プロセッサ11からの制御に従って、表示装置に表示している表示画面(VCD画面)をキャプチャボード5に送信する。
【0030】
操作インターフェース17は、エミュレータ4に接続される。操作インターフェース17は、入力装置に入力された情報を示す操作指示の入力を受け付けるためのインターフェースである。例えば、操作インターフェース17は、キーボード又はマウスなどの操作デバイスに入力される操作を示す操作信号を受信する。操作インターフェース17は、受信された操作信号をプロセッサ11に供給する。例えば、操作インターフェース17は、USB(Universal Serial Bus)接続をサポートする。
図2に示す操作インターフェース17は、エミュレータ4に接続されるものであり、エミュレータ4からの操作信号を受信する。
【0031】
VCD10のプロセッサ11は、通信部15を通じて処理対象画像である物品の画像を区分システムなどの物品処理装置から取得する。処理対象画像を取得すると、プロセッサ11は、物品の画像における住所などの文字列の入力を受け付けるVCD画面を生成する。VCD画面は、処理対象画像を含む表示画像である。VCD画面は、住所などの情報を入力するオペレータが視認する既存の表示装置に表示するために設計されている。本実施形態において、プロセッサ11は、生成したVCD画面を表示インターフェース16を通じてキャプチャボード5に出力する。
【0032】
VCD画面をキャプチャボード5に出力した後、プロセッサ11は、操作インターフェース17を通じて宛先を示す情報などの操作信号の入力を受け付ける。プロセッサ11は、操作インターフェース17を通じて、既存の操作装置から入力する信号と同様の信号(キー入力などを示す操作信号)をエミュレータ4から取得する。
【0033】
プロセッサ11は、操作インターフェース17を通じて入力が確定する操作信号(例えば、エンターキーが押された操作信号など)を受信すると、入力された情報が宛先を示す情報として十分であれば入力された情報を通信部15により物品処理装置へ供給する。プロセッサ11は、入力された情報が宛先を示す情報として十分でなければ、再度OCR装置20に宛先を示す情報の入力を依頼する。
【0034】
一例として、プロセッサ11は、入力された情報としての住所が転居者の存在する住所である場合、OCR装置20に対して追加情報として宛名が示す宛先とする人物を指定する旨の情報を供給する。例えば、プロセッサ11は、追加情報の入力(宛名の選択)を要求する追加指示欄を含むVCD画面をキャプチャボード5を介して再度OCR装置20に供給することで追加情報の入力を要求する。
【0035】
次に、実施形態に係る情報入力システム1におけるOCR装置20の構成について説明する。
図3は、実施形態に係る情報入力システム1におけるOCR装置20の構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、OCR装置20は、プロセッサ21、ROM22、RAM23、NVM24、通信部25、エミュレータインターフェース26、画像インターフェース27、表示インターフェース(表示デバイスインターフェース)28および操作インターフェース(操作デバイスインターフェース)29などを備える。
【0036】
プロセッサ21と、ROM22、RAM23、NVM24、エミュレータインターフェース26、画像インターフェース27、表示インターフェース28および操作インターフェース29と、は、データバスなどを介して互いに接続する。なお、OCR装置20は、
図3が示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、OCR装置20から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0037】
プロセッサ21は、OCR装置20全体の動作を制御する機能を有する。プロセッサ21は、内部キャッシュおよび各種のインターフェースなどを備えてもよい。プロセッサ21は、内部メモリ、ROM22又はNVM24が予め記憶するプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
【0038】
なお、プロセッサ21がプログラムを実行することにより実現する各種の機能のうちの一部は、ハードウエア回路により実現されるものであってもよい。この場合、プロセッサ21は、ハードウエア回路により実行される機能を制御する。
【0039】
ROM22は、制御プログラムおよび制御データなどが予め記憶された不揮発性のメモリである。ROM22に記憶される制御プログラムおよび制御データは、OCR装置20の仕様に応じて予め組み込まれる。
【0040】
RAM23は、揮発性のメモリである。RAM23は、プロセッサ21の処理中のデータなどを一時的に格納する。RAM23は、プロセッサ21からの命令に基づき種々のアプリケーションプログラムを格納する。また、RAM23は、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータおよびアプリケーションプログラムの実行結果などを格納してもよい。
【0041】
NVM24(記憶部)は、データの書き込みおよび書き換えが可能な不揮発性のメモリである。NVM24は、例えば、HDD、SSD又はフラッシュメモリなどから構成される。NVM24は、OCR装置20の後述する動作を実現するための制御プログラム、アプリケーションプログラムおよび種々のデータなどを格納する。
【0042】
例えば、NVM24は、既存VCD10からVCD画面を取得するためのプログラム、認識部として動作するためのプログラム、認識結果を既存VCD10へ供給するためのプログラム、追加情報が要否を検知するプログラム、追加情報が入力させるための制御プログラムなどを記憶する。
【0043】
通信部25(画像インターフェース、入力インターフェース)は、管理PC2又は他のOCR装置20とデータを送受信するためのインターフェースである。通信部25は、ネットワーク3に接続する。例えば、通信部25は、有線又は無線のLAN接続をサポートするインターフェースである。
【0044】
エミュレータインターフェース26(入力インターフェース)は、エミュレータ4との間でデータを送受信するインターフェースである。エミュレータインターフェース26は、プロセッサ21からの制御に従ってエミュレータ4に所定の操作デバイスに準じた操作信号を既存VCD10へ出力させる。例えば、エミュレータインターフェース26は、USB接続をサポートする。
【0045】
画像インターフェース27は、キャプチャボード5との間でデータを送受信するインターフェースである。画像インターフェース27は、キャプチャボード5からVCD画面を取得する。画像インターフェース27は、取得されたVCD画面をプロセッサ21に供給する。
【0046】
表示インターフェース28は、表示デバイス7に接続するインターフェースである。表示インターフェース28は、新入力端末30としての表示デバイス7に接続する入力端末インターフェースである。表示インターフェース28は、新入力端末30としての表示デバイス7との間でデータを送受信する。例えば、表示インターフェース28は、プロセッサ21からの制御に従って、表示デバイス7に表示させる画像情報を供給する。
【0047】
操作インターフェース29は、操作デバイス8に接続するインターフェースである。操作インターフェース29は、新入力端末30としての操作デバイス8に接続する入力端末インターフェースである。操作インターフェース29は、新入力端末30としての操作デバイス8との間でデータを送受信する。操作インターフェース29は、操作デバイス8に入力される操作を示す操作信号を受信する。操作インターフェース29は、受信した操作信号をプロセッサ21に供給する。例えば、操作インターフェース29は、USB接続をサポートする。
【0048】
なお、エミュレータインターフェース26、画像インターフェース27、表示インターフェース28および操作インターフェース29(又はこれらの一部)は、一体的に形成されるものであってもよい。また、表示インターフェース28および操作インターフェース29は、新入力端末30とする1つのコンピュータ端末に接続するための1つの新入力端末インターフェースであっても良い。
【0049】
次に、実施形態に係るOCR装置20が有する機能について説明する。
実施形態に係るOCR装置20が有する機能は、プロセッサ21がROM22又はNVM24などに格納されるプログラムを実行することで実現される。以下、プロセッサ21がプログラムを実行することで実現する種々の機能について説明する。
【0050】
まず、実施形態に係るOCR装置20の機能として、既存VCD10が生成するVCD画面を取得する機能について説明する。
実施形態に係るOCR装置20において、プロセッサ21は、プログラムを実行することにより既存VCD10が生成するVCD画面を取得する機能を実現する。
既存VCD10は、物品処理装置などから処理対象画像を取得すると、処理対象画像を含むVCD画面を生成する。既存VCD10は、生成したVCD画面を表示インターフェース16に出力する。VCD画面は、特定するコーディングの対象となる文字列を入力するための表示画面である。
【0051】
図4は、既存VCD10が生成するVCD画面の例を示す図である。
図4に示す例では、VCD画面には、処理対象画像の表示欄、第1入力欄、追加指示欄、確定キーなどが表示される。
処理対象画像は、コーディングの対象となる文字列を含む画像である。例えば、処理対象画像は、住所(第1入力情報としての第1の文字列)および宛名(追加情報としての第2の文字列)などを含む文字列が記載(表示)された物品の画像である。第1入力欄は、入力が必須となる住所などの第1入力情報を表示する表示欄である。
【0052】
追加指示欄は、追加情報の入力が必要な場合に追加情報を入力するための表示欄である。第1入力欄に入力した情報に追加情報が必要である場合、追加指示欄への追加情報の入力が求められる。例えば、追加指示欄には、追加情報が必要である場合に、追加情報として選択すべき選択肢が表示される。
【0053】
確定キーは、第1入力欄又は追加表示欄に入力された情報を確定する場合に指示されるアイコンである。本実施形態において、第1入力欄および追加指示欄には、OCR装置20に接続されるエミュレータ4によって情報が入力される。また、確定キーは、OCR装置20に接続されるエミュレータ4によって指示入力される。
【0054】
図1に示すように、既存VCD10の表示インターフェース16には、OCR装置20に接続されたキャプチャボード5が接続される。キャプチャボード5は、既存VCD10が表示インターフェースに出力したVCD画面をキャプチャする。キャプチャボード5は、既存VCD10でキャプチャしたVCD画面をOCR装置20の画像インターフェース27へ供給する。
【0055】
OCR装置20のプロセッサ21は、画像インターフェース27を通じて既存VCD10が生成するVCD画面をキャプチャボード5から取得する。例えば、プロセッサ21は、所定の間隔(例えば、1秒)で既存VCD10のVCD画面を取得する。また、プロセッサ21は、VCD画面に変化が生じた場合(次の処理対象画像のVCD画像が表示された場合、あるいは、VCD画面に追加指示(追加情報の入力要求)が表示された場合)に、VCD画面を取得するようにしてもよい。例えば、プロセッサ21は、画像処理アルゴリズムなどに従ってVCD画面に変化が生じたかを判定するようにすれば良い。
【0056】
次に、実施形態に係るOCR装置20の機能として、処理対象画像における文字列を認識する認識部としての機能について説明する。
実施形態に係るOCR装置20において、プロセッサ21は、認識プログラムを実行することにより実現する認識部として機能する。
プロセッサ21は、NVM24などに格納される処理対象画像における文字列を認識するOCR処理を行うための認識プログラムを実行することで認識部として動作する。OCR装置20において、プロセッサ21が実行する認識プログラムは、既存VCD10に接続される物品処理装置などの装置が実施するOCR(プライマリOCR、オンラインOCR)処理とは異なるアルゴリズムのOCR(セカンダリOCR、オフラインOCR)処理を実行する。
【0057】
プロセッサ21は、セカンダリOCRとしてのOCR処理を実行することによりVCD画面から宛先情報を得る。また、プロセッサ21は、認証対象とする情報ごとに複数の認識プログラムを実行するようにしても良い。例えば、認識プログラムとしては、特定の第1の文字列(例えば、住所)を認識するための第1の認識プログラムと第2の文字列(例えば、宛名)を認識するための第2の認識プログラムとをNVM24に格納するようにしても良い。
【0058】
認識プログラムを実行する認識部としてのプロセッサ21は、既存VCD10からVCD画面を取得すると、予め取得されたフォーマットなどに従ってVCD画面から対象となる文字列を含む認識対象の画像領域(認識対象領域)の画像を抽出する。上述したような第1の認識プログラム(第1のOCR処理)では第1の文字列が記載された領域を認識対象領域として抽出し、第2の認識プログラム(第2のOCR処理)では第2の文字列が記載された領域を認識対象領域として抽出するようにしても良い。
【0059】
認識対象領域の画像を抽出すると、プロセッサ21は、上述したセカンダリOCRとしてのアルゴリズムに従って認識対象領域の画像にOCR処理を行う。セカンダリOCRのアルゴリズムは、プライマリOCRのアルゴリズムが認識できない文字画像の少なくとも一部を認識することができる。このようなOCR処理を実行することにより、プロセッサ21は、OCR処理の結果に基づいて処理対象画像における文字列(例えば、第1の文字列)を示す情報を取得する。
【0060】
なお、プロセッサ21は、OCR処理を行う前に、VCD画面又は認証対象領域の画像に対して所定の処理を行うようにしても良い。例えば、プロセッサ21は、VCD画面又は認識対象領域の画像を拡大又は縮小してもよい。また、プロセッサ21は、VCD画面又は認識対象領域の画像に対してノイズを除去する処理などを行ってもよい。
【0061】
次に、実施形態に係るOCR装置20の機能として、エミュレータ4を用いて既存VCD10に情報を供給する機能について説明する。
実施形態に係るOCR装置20において、プロセッサ21は、エミュレータ4を用いてOCR処理により取得された情報又は新入力端末30に入力された情報を既存VCD10に供給する機能を有する。
【0062】
例えば、OCR処理による認識が成功すると、プロセッサ21は、エミュレータ4を用いてOCR処理によって得た情報を既存VCD10へ供給する。また、プロセッサ21は、OCR装置20に接続された新入力端末30としての操作デバイス8で処理対象画像における文字列を示す情報をオペレータが入力(打鍵入力)した場合、打鍵入力された情報をエミュレータ4経由で既存VCD10へ供給する。
【0063】
エミュレータ4は、OCR処理によって得た情報又はオペレータが入力(打鍵入力)した情報を既存VCD10の操作装置(例えば、キーボードやマウス)に入力された操作信号に変換するエミュレーションを行う。既存VCD10は、エミュレータ4によってOCR装置20からの情報(OCR処理で得た情報又は打鍵入力された情報)を操作装置に入力された信号(操作信号)として操作インターフェース17から取得する。
【0064】
次に、実施形態に係るOCR装置20の機能として、新入力端末30を用いてオペレータに情報を入力させる機能について説明する。
実施形態に係るOCR装置20において、プロセッサ21は、プログラムを実行することにより新入力端末30を用いてオペレータに情報を入力させる機能を実現する。例えば、プロセッサ21は、OCR処理に失敗した場合、新入力端末30を用いたVCD画面への情報入力を受け付ける。
【0065】
プロセッサ21は、既存VCD10から取得したVCD画面に対するOCR処理に失敗した場合、取得したVCD画面を新入力端末30としての表示デバイス7に表示する。表示デバイス7に表示させるVCD画面は、例えば、
図4に示すような画面となっている。表示デバイス7にVCD画面を表示した状態において、操作デバイス8による処理対象画像における文字列(郵便番号、街区又はストリートなど)の入力を受け付ける。
【0066】
ここで、新入力端末30のオペレータは、表示デバイス7に表示されるVCD画面の宛先画像を目視して宛先を操作デバイス8に入力する。宛先の入力が完了すると、オペレータは、操作デバイス8に入力を完了する操作を入力する。
オペレータが操作デバイス8にキーの入力を行うと、プロセッサ21は、操作インターフェース29を通じて操作デバイス8から入力されたキーを示す操作信号を受信する。プロセッサ21は、エミュレータ4を用いて、当該キーを入力する操作信号をVCD10の操作インターフェース17に送信する。
【0067】
VCD10のプロセッサ11は、操作インターフェース17を通じて、エミュレータ4からの操作信号を受信する。操作信号を受信すると、プロセッサ11は、入力フォームに操作信号に基づく文字列を表示したVCD画面(表示画像)を生成する。VCD画面を生成すると、プロセッサ11は、表示インターフェース16を通じてVCD画面をキャプチャボード5に供給する。
キャプチャボード5は、既存VCD10の表示インターフェース16に出力されたVCD画面(表示画像)をキャプチャし、キャプチャしたVCD画像をOCR装置20に供給する。
【0068】
OCR装置20のプロセッサ21は、画像インターフェース27を通じてVCD画面をキャプチャボード5から取得する。VCD画面を取得すると、プロセッサ21は、表示インターフェース28を通じてVCD画面(入力フォームなどに入力された文字列を表示するVCD画面)を表示デバイス7に表示する。
OCR装置20のプロセッサ21は、上述した動作を繰り返し、既存VCD10が要求する情報の入力が完了するまで、オペレータによる情報の入力作業を実行させる。
【0069】
次に、実施形態に係るOCR装置20の機能として、OCR処理によって得た情報に対して、さらなる追加情報を必要とすること検知する機能を有する。
実施形態に係るOCR装置20において、プロセッサ21は、プログラムを実行することによりOCR処理で得た情報に対して追加情報が必要であることを検知する機能を実現する。
【0070】
例えば、既存VCD10は、OCR処理で得た第1入力情報としての第1の文字列(例えば、住所)に対して追加情報として第2の文字列(例えば、宛名)が必要であることがあるものとする。本実施形態に係るOCR装置20は、OCR処理で得た情報に対して追加情報が必要である場合、後述するようにOCR処理を一旦クリアするような処理を行うことがある。このため、プロセッサ21は、OCR処理で得た情報に対して追加情報が必要であることを検知する機能を有する。
【0071】
追加情報が必要であることを検知するアルゴリズムとしては、OCR処理による第1の文字列の認識結果を供給した既存VCD10から追加情報(第2の文字列の情報)が必要であることを示す情報を取得する。この場合、追加情報を検知するプログラムとしては、OCR処理の認識結果を供給した既存VCD10が追加情報の入力欄(追加指示欄)を表示したことを検知するアルゴリズムとすれば良い。
【0072】
図5は、既存VCD10が生成するVCD画面において追加情報が要求された場合の例を示す図である。
図5に示す例では、VCD画面における追加指示欄に追加情報として選択すべき情報を示す選択肢が表示されている。
図5に示すVCD画面では、第1入力欄に入力された住所に対して、転居者を選択するような選択画面が追加指示欄に表示される。
図5に示す例において、追加指示欄では、「1.宛名A」および「2.宛名B」が転居者を選択するための選択肢であり、「3.その他」が現在の居住者を選択する選択肢であるように構成されている。例えば、集合住宅等では、同一住所に複数の転居者が存在することが有り得る。このような同一住所に複数の転居者が設定されている場合、
図5に示すような複数の転居者の候補から転居者を選択できる追加指示欄を表示することが考えられる。
【0073】
上記のような転居者を示す情報は、既存VCD10を含む既存のVCS(ビデオコーディングシステム)において既存VCD10がアクセス可能な転居者データベースに記録されている構成が想定される。このような転居者データベースとしては、第1入力情報(第1の文字列)としての住所に対応づけた転居者(第2の文字列に相当する宛名)を示すデータを格納したものが考えられる。
【0074】
上記のような構成を想定する場合、プロセッサ21は、既存VCD10から取得するVCD画面から追加情報の入力が必要であることを検知するようにする。例えば、プロセッサ21は、既存VCD10から取得するVCD画面において、
図5に示すように追加指示欄に追加情報として選択(入力)すべき情報を表示されている場合に、追加情報の入力が必要であることを検知するようにすれば良い。
【0075】
また、追加情報を検知するプログラムは、OCR処理による第1の文字列の認識結果に応じて追加情報(第2の文字列)の有無をOCR装置20のプロセッサ21が判定するアルゴリズムとしても良い。この場合、プロセッサ21が、OCR処理の認識結果に対して追加情報の要否を判定するためのデータベース(例えば、転居者データベース)にアクセスできるような構成とする必要がある。例えば、OCR装置20は、追加情報(宛名などの第2の文字列)が必要な認識対象の第1入力情報(住所などの第1の文字列)を示すデータを格納したデータベースを具備する(又はデータベースにアクセス可能な構成とする)ようにすれば良い。
【0076】
次に、実施形態に係る情報入力システムにおけるOCR装置20の動作例について説明する。
図6は、実施形態に係るOCR装置20の第1の動作例について説明するためのフローチャートである。
【0077】
OCR装置20のプロセッサ21は、キャプチャボード5がキャプチャする既存VCD10のVCD画面を画像インターフェース27により取得する(ST11)。例えば、プロセッサ21は、既存VCD10のVCD画面を取得すると、認識対象情報とする第1入力欄用の情報(住所などの第1入力情報)を認識するためのOCR処理を実行する(ST12)。第1入力欄用の情報(第1入力情報)は、処理対象画像における第1の文字列の情報であり、例えば、宛先情報における住所などの情報である。
【0078】
OCR処理による第1入力情報の認識に失敗した場合(ST13、NO)、プロセッサ21は、ST17へ進み、後述する新入力端末30を用いた打鍵入力処理を行う。
OCR処理による第1入力情報の認識に成功した場合(ST13、YES)、プロセッサ21は、エミュレータ4を用いて、OCR処理で得た第1入力情報をVCD画面の第1入力欄に入力するエミュレーション操作を行う(ST14)。OCR処理で得た第1入力情報を第1入力欄に入力した後、プロセッサ21は、キャプチャボード5がキャプチャする当該既存VCD10のVCD画面を画像インターフェースにより取得し、追加情報の入力指示の有無を検知する(ST15)。
【0079】
例えば、プロセッサ21は、当該既存VCD10が生成するVCD画面の追加指示欄に追加情報の入力を要求する画面が発生したか否かにより追加情報の入力指示の有無を検知する。また、プロセッサ21は、転居情報データベースなどのデータベースにアクセスし、OCR処理で得た第1入力情報に対して追加情報の入力が必要か否かを判断するようにしても良い。
【0080】
追加情報の入力指示が無い場合(ST15、NO)、プロセッサ21は、1件の処理対象画像に対する情報入力処理が終了したものする。1件分の処理対象画像に対する情報入力処理が終了した場合、プロセッサ21は、再びST11へ進み、次の処理対象画像に対する情報入力処理を行うようにしても良い。
【0081】
追加情報の入力指示が有る場合(ST15、YES)、プロセッサ21は、エミュレータ4を用いて既存VCDのVCD画面における第1入力欄に入力した情報をクリアする(ST16)。ここで、プロセッサ21は、さらに、追加指示欄に表示された情報をクリアするようにしても良い。また、プロセッサ21は、VCD画面の一部又は全部の領域に対する拡大や縮小などの画像処理を行っている場合にはそれらの画像処理を元の状態に戻すような処理を行うようにしても良い。
【0082】
第1入力欄に入力した情報をクリアした後、プロセッサ21は、第1入力欄に入力した情報(第1入力情報)をクリアした状態のVCD画面を新入力端末30の表示デバイス7に表示する(ST17)。表示デバイス7に第1入力欄の情報をクリアした状態のVCD画面を表示した場合、プロセッサ21は、オペレータが操作する操作デバイス8による第1入力欄に対する第1入力情報の入力(打鍵入力)を受け付ける。
【0083】
第1入力欄に対する第1入力情報をオペレータが操作デバイス8で打鍵入力すると、プロセッサ21は、エミュレータ4を用いて、操作デバイス8で打鍵入力された第1入力情報をVCD画面の第1入力欄に入力するエミュレーション操作を行う(ST18)。
【0084】
操作デバイス8で打鍵入力された第1入力情報を第1入力欄に入力した後、プロセッサ21は、キャプチャボード5がキャプチャする当該既存VCD10のVCD画面を画像インターフェースにより取得し、追加情報の入力指示の有無を検知する(ST19)。追加情報の入力指示が無い場合(ST19、NO)、プロセッサ21は、1件の処理対象画像に対する情報入力処理が終了したものする。
【0085】
また、追加情報の入力指示が有る場合(ST19、YES)、プロセッサ21は、第1入力欄に第1入力情報が入力され、追加指示欄に追加情報の入力指示が表示されたVCD画面を新入力端末30の表示デバイス7に表示し、オペレータが操作する操作デバイス8による追加指示欄に対する追加情報の入力(打鍵入力)を受け付ける。
【0086】
オペレータが操作デバイス8で追加指示欄に追加情報を打鍵入力すると、プロセッサ21は、エミュレータ4を用いて、操作デバイス8で打鍵入力された追加情報をVCD画面の追加指示欄に入力するエミュレーション操作を行う(ST20)。これにより、OCR装置20に接続された既存VCD10のVCD画面には、第1入力情報および追加情報が入力され、当該処理対象画像に対する情報入力処理が終了したこととなる。
【0087】
以上のような第1の動作例によれば、OCR装置は、既存VCDから取得するVCD画像における処理対象画像に対する第1入力情報のOCR処理が成功した後、OCR処理で得た第1入力情報に対して追加情報が必要である場合、OCR処理によって第1入力欄に入力した第1入力情報をクリアした状態のVCD画面を新入力端末の表示デバイスに表示させ、VCD画面に対する第1入力情報と追加情報との入力を受け付ける。
【0088】
これにより、追加情報が必要である場合にオペレータが入力しやすい状態にしたVCD画面を新入力端末の表示デバイスに表示させることができる。この結果、新入力端末のオペレータは、追加情報が必要な場合であっても、第1入力情報の入力から始める単純な繰返作業を続けられ、オペレータの作業効率を低下させないようにできる。
【0089】
次に、実施形態に係る情報入力システムにおけるOCR装置20の第2の動作例について説明する。
図7は、実施形態に係るOCR装置20の第2の動作例を説明するためのフローチャートである。
OCR装置20のプロセッサ21は、キャプチャボード5がキャプチャする既存VCD10のVCD画面を画像インターフェース27により取得する(ST31)。例えば、プロセッサ21は、既存VCD10のVCD画面を取得すると、第1の認識対象情報である第1入力欄用の情報(住所などの第1入力情報)を認識するための第1のOCR処理を実行する(ST32)。上述した第1の動作例と同様に、第1入力欄用の情報(第1入力情報)は、処理対象画像における第1の文字列の情報であり、例えば、宛先情報における住所などの情報である。
【0090】
第1のOCR処理による第1入力情報の認識に失敗した場合(ST33、NO)、プロセッサ21は、ST40へ進み、新入力端末30を用いた打鍵入力処理へ移行する。
第1のOCR処理による第1入力情報の認識に成功した場合(ST33、YES)、プロセッサ21は、エミュレータ4を用いて、OCR処理で得た第1入力情報をVCD画面の第1入力欄に入力するエミュレーション操作を行う(ST34)。OCR処理で得た第1入力情報を第1入力欄に入力した後、プロセッサ21は、キャプチャボード5がキャプチャする当該既存VCD10のVCD画面を画像インターフェースにより取得し、追加情報の入力指示の有無を確認する(ST35)。
【0091】
追加情報の入力指示が無い場合(ST35、NO)、プロセッサ21は、1件の処理対象画像に対する情報入力処理が終了したものする。1件分の処理対象画像に対する情報入力処理が終了した場合、プロセッサ21は、再びST31へ進み、次の処理対象画像に対する情報入力処理を行う。
【0092】
追加情報の入力指示が有る場合(ST35、YES)、プロセッサ21は、第2の認識対象情報である追加指示欄用の情報(宛名などの第2の文字列)を認識するための第2のOCR処理を実行する(ST36)。追加指示欄用の情報とは、追加指示欄で追加が指示された情報(追加情報)である。追加情報は、処理対象画像における第2の文字列の情報である。例えば、追加情報は、上述したような転居者であるかを特定するための宛名などの情報である。
【0093】
第2のOCR処理による追加情報の認識に成功した場合(ST37、YES)、プロセッサ21は、エミュレータ4を用いて、第2のOCR処理で得た第2の文字列に応じた追加情報をVCD画面の追加指示欄に入力するエミュレーション操作を行う(ST38)。これにより、OCR装置20に接続された既存VCD10のVCD画面には、第1入力欄に第1入力情報が入力され、かつ、追加指示欄に追加情報が入力される。この結果、既存VCD10のVCD画面に対する情報入力処理が終了する。
【0094】
また、第2のOCR処理による追加情報の認識に失敗した場合(ST37、NO)、プロセッサ21は、エミュレータ4を用いて既存VCDのVCD画面における第1入力欄に入力した情報をクリアする(ST39)。さらに、プロセッサ21は、追加指示欄に表示された情報のクリアするようにしても良い。また、プロセッサ21は、VCD画面の一部又は全部の領域に対する拡大や縮小などの画像処理を行っている場合にはそれらの画像処理を元の状態に戻すような処理を行うようにしても良い。
【0095】
第1入力欄に入力した情報をクリアした後、プロセッサ21は、第1入力欄の情報をクリアした状態のVCD画面を新入力端末30の表示デバイス7に表示する(ST40)。表示デバイス7に第1入力欄の情報をクリアした状態のVCD画面を表示した場合、プロセッサ21は、オペレータが操作する操作デバイス8による第1入力欄への第1入力情報の入力(打鍵入力)を受け付ける。
【0096】
第1入力欄用の第1入力情報をオペレータが操作デバイス8で打鍵入力すると、プロセッサ21は、エミュレータ4を用いて、操作デバイス8で打鍵入力された第1入力情報をVCD画面の第1入力欄に入力するエミュレーション操作を行う(ST41)。
【0097】
操作デバイス8で打鍵入力された第1入力情報を第1入力欄に入力した後、プロセッサ21は、キャプチャボード5がキャプチャする当該既存VCD10のVCD画面を画像インターフェースにより取得し、追加情報の入力指示の有無を検知する(ST42)。追加情報の入力指示が無い場合(ST42、NO)、プロセッサ21は、1件の処理対象画像に対する情報入力処理が終了したものとする。
【0098】
また、追加情報の入力指示が有る場合(ST42、YES)、プロセッサ21は、第1入力欄に第1入力情報が入力され、追加指示欄に追加情報の入力指示が表示されたVCD画面を新入力端末30の表示デバイス7に表示し、オペレータが操作する操作デバイス8による追加指示欄に対する追加情報の入力(打鍵入力)を受け付ける。
【0099】
オペレータが操作デバイス8で追加指示欄に追加情報を打鍵入力すると、プロセッサ21は、エミュレータ4を用いて、操作デバイス8で打鍵入力された追加情報をVCD画面の追加指示欄に入力するエミュレーション操作を行う(ST43)。これにより、OCR装置20に接続された既存VCD10のVCD画面において、第1入力欄には第1入力情報が入力され、追加指示欄には追加情報が入力される。この結果、既存VCD10のVCD画面への情報入力処理が完了する。
【0100】
以上のような第2の動作例によれば、OCR装置は、既存VCDから取得するVCD画像における処理対象画像に対する第1入力情報のOCR処理が成功した後、OCR処理で得た第1入力情報に対して追加情報が必要であれば、処理対象画像から追加情報を認識する第2のOCR処理を実行する。追加情報の認識が失敗した場合、OCR処理によって第1入力欄に入力した第1入力情報をクリアした状態のVCD画面を新入力端末の表示デバイスに表示させ、VCD画面に対する第1入力情報と追加情報との入力を受け付ける。
【0101】
これにより、追加情報が必要である場合に第2のOCR処理によって追加情報が認識できなければ、オペレータが入力しやすい状態にしたVCD画面を新入力端末の表示デバイスに表示させることができる。この結果、新入力端末のオペレータの作業量を低減させつつ、追加情報が認識できない場合に第1入力情報の入力から始める単純な繰返作業を続けさせることでオペレータの作業効率を低下させないようにできる。
【0102】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0103】
1…情報入力システム、2…管理PC、3…ネットワーク、4(4a、4b)…エミュレータ、5(5a、5b)…キャプチャボード、7(7a、7b)…表示デバイス、8(8a、8b)…操作デバイス、10(10a、10b)…VCD、11…プロセッサ、12…ROM、13…RAM、14…NVM、15…通信部、16…表示インターフェース、17…操作インターフェース、20(20a、20b)…OCR装置、21…プロセッサ、22…ROM、23…RAM、24…NVM、25…通信部、26…エミュレータインターフェース(入力インターフェース)、27…画像インターフェース(キャプチャボードインターフェース)、28…表示インターフェース(入力端末インターフェース)、29…操作インターフェース(入力端末インターフェース)、30(30a、30b)…新入力端末。