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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】揺動モジュール
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/02 20180101AFI20241209BHJP
   A61M 21/02 20060101ALI20241209BHJP
【FI】
A01G9/02 101Z
A61M21/02 H
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021055147
(22)【出願日】2021-03-29
(65)【公開番号】P2022152390
(43)【公開日】2022-10-12
【審査請求日】2024-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】302060926
【氏名又は名称】株式会社フジタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】童阿瑪
(72)【発明者】
【氏名】織邊 尚子
(72)【発明者】
【氏名】北島 信行
(72)【発明者】
【氏名】菊地 のぞみ
(72)【発明者】
【氏名】小林 紀子
(72)【発明者】
【氏名】滝澤 勇輝
【審査官】伊藤 裕美
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-304341(JP,A)
【文献】特開2014-030601(JP,A)
【文献】特開平03-159673(JP,A)
【文献】実開昭50-025526(JP,U)
【文献】特開2001-083963(JP,A)
【文献】特開2002-112653(JP,A)
【文献】特開2005-328764(JP,A)
【文献】特開平07-222525(JP,A)
【文献】特開平07-222526(JP,A)
【文献】特開平07-222527(JP,A)
【文献】特開平09-262373(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 9/00-9/08
A61M 21/00-21/02
A63H 1/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の開口を含む蓋体と、
前記蓋体と固定され、駆動部および制御部を含む本体と、を含み、
前記駆動部は、複数のモータと前記複数のモータのそれぞれに接続される複数の揺動部材を含み、
前記複数の揺動部材は、それぞれ、前記複数の開口に挿通され、
前記制御部は、前記複数のモータのそれぞれの前記複数の揺動部材が独立して揺動可能に制御し、
前記制御部は、屋外の環境状態を示す屋外環境データに基づいて、前記揺動部材の揺動が変化するように前記モータを制御する、揺動モジュール。
【請求項2】
前記複数のモータは、隔壁によって区画化されている、請求項1に記載の揺動モジュール。
【請求項3】
複数の開口を含む蓋体と、
前記蓋体と固定される基体と、
着脱可能に前記基体上に配置される複数の駆動ユニットと、を含み、
前記複数の駆動ユニットの各々は、モータ、前記モータに接続される揺動部材、および前記モータの駆動を制御するモータ制御部を含み、
前記揺動部材は、前記複数の開口の1つに挿通され、
前記基体は、前記複数の駆動ユニットを独立して制御する制御部を含み、
前記制御部は、屋外の環境状態を示す屋外環境データに基づいて、前記揺動部材の揺動が変化するように前記モータを制御する、揺動モジュール。
【請求項4】
前記基体は、接続端子を含み、
前記制御部は、前記駆動ユニットが前記接続端子と接続されることによって前記駆動ユニットを識別する、請求項3に記載の揺動モジュール。
【請求項5】
前記揺動部材は、線材である、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の揺動モジュール。
【請求項6】
前記屋外環境データは、風速もしくは風向またはこれらの組合せである、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の揺動モジュール。
【請求項7】
さらに、人感センサを含み、
前記人感センサによって人が検知されたとき、前記揺動部材の揺動を開始する、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の揺動モジュール。
【請求項8】
さらに、スピーカーおよび音源を含み、
前記制御部は、前記揺動部材の揺動に合わせて前記音源を前記スピーカーから出力する、請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の揺動モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、植物を揺動する揺動モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、従業員の健康、ウェルビーイング、または快適性を高めるオフィスに関心が集まっている。企業は、持続可能な事業経営を目指し、ワークライフバランス、健康経営、または働き方改革などの取り組みを推進している。そのため、オフィスでは、多様な働き方または従業員の健康に配慮された室内環境が求められている。ところで、オフィスにおいて自然との接触が増加すると、従業員への健康増進が促されることが報告されている。例えば、自然が取り込まれた環境では、ストレスもしくは精神的な疲労の軽減、集中力の向上、または精神的な健康の促進が可能であると考えられる。すなわち、植物などの自然に接することは、血圧低下、うつ病、不安の低減、注意力の向上、仕事から受けるストレスや病気からの早期回復、精神的充足の増進、疾病耐性の強化、従業員の士気の向上、アブゼンティーイズムの減少、作業効率向上、または満足度の増加につながる。しかしながら、都市部では、オフィス内またはオフィスの周辺において、自然環境を十分に感じることができない場合がある。そのような場合、屋内に植物などの自然的な要素を設置することにより、自然に接触する機会が創出される。
【0003】
例えば、特許文献1~特許文献3には、屋外の光を屋内に導入する光ダクトや照明装置を用いて、装置内の反射板などの設備を動かすことにより、自然に近い不規則的な揺らぎのある木漏れ日を屋内に再現することが試みられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平07-222525号公報
【文献】特開平07-222526号公報
【文献】特開平07-222527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
観葉植物または樹木などが設置されたオフィスでは、空間内の緑の増加によるリラックス効果が生まれ、コミュニケーションの場を提供することができる。しかしながら、人には、環境に順応する特性があり、同じ環境では期待したリラックス効果が薄れる問題があった。
【0006】
例えば、室内緑化に用いられる観葉植物では、自然界に比べると見た目の変化に乏しいという問題がある。人は、景観に変化が少ないと飽きが生じてしまい、緑化による長期的なリラックス効果が減少してしまう。空調を用いて観葉植物または観葉樹木などの葉または枝に動きを与えることもできるが、専用の空調設備が必要となる問題がある。また、オフィス内に空調を用いて人工風を再現することは、人工風によってオフィス内の書類などが飛散されるなど、好ましくない状況が発生する問題がある。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑み、屋内の植物を自然に近い揺らぎで揺動することができる揺動モジュールを提供することを課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係る揺動モジュールは、複数の開口を含む蓋体と、蓋体と固定され、駆動部および制御部を含む本体と、を含み、駆動部は、複数のモータと複数のモータのそれぞれに接続される複数の揺動部材を含み、複数の揺動部材は、それぞれ、複数の開口に挿通され、制御部は、複数のモータのそれぞれの複数の揺動部材が独立して揺動可能に制御する。
【0009】
複数のモータは、隔壁によって区画化されていてもよい。
【0010】
本発明の一実施形態に係る揺動モジュールは、複数の開口を含む蓋体と、蓋体と固定される基体と、着脱可能に基体上に配置される複数の駆動ユニットと、を含み、複数の駆動ユニットの各々は、モータ、モータに接続される揺動部材、およびモータの駆動を制御するモータ制御部を含み、揺動部材は、複数の開口の1つに挿通され、基体は、複数の駆動ユニットを独立して制御する制御部を含む。
【0011】
基体は、接続端子を含み、制御部は、駆動ユニットが接続端子と接続されることによって駆動ユニットを識別してもよい。
【0012】
揺動部材は、線材であってもよい。
【0013】
制御部は、屋外の環境状態を示す屋外環境データに基づいて、揺動部材の揺動が変化するようにモータを制御してもよい。
【0014】
屋外環境データは、風速もしくは風向またはこれらの組合せであってもよい。
【0015】
揺動モジュールは、さらに、スピーカーおよび音源を含み、制御部は、揺動部材の揺動に合わせて音源をスピーカーから出力してもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一実施形態に係る揺動装置または植物揺動システムは、屋外の環境状態を屋内に設置された植物に反映させることにより、自然に近い揺らぎを屋内の植物に対して再現することができる。屋内の人物は、植物の葉または枝の自然な揺れを感じ取ることができ、その結果、リラックス効果が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】植物揺動システムの模式図である。
図2】植物揺動システムの構成を示すブロック図である。
図3】植物揺動システムで実行される揺動処理のフローチャート図である。
図4】植物揺動システムで実行される揺動処理において、第1の揺動装置の線材の揺動順序を説明する模式図である。
図5】本発明の一実施形態に係る揺動モジュールの模式的な分解斜視図である。
図6】本発明の一実施形態に係る揺動モジュールの構成を説明するブロック図である。
図7】本発明の一実施形態に係る揺動モジュールの模式的な分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、実施形態はあくまで一例にすぎず、当業者が、発明の主旨を保ちつつ適宜変更することによって容易に想到し得るものについても、当然に本発明の範囲に含まれる。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、または形状などが模式的に表される場合がある。しかし、図示された形状などはあくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【0019】
本明細書において、説明の便宜上、「上」もしくは「上方」または「下」もしくは「下方」という語句を用いて説明するが、これらの語句は各構成の上下関係を説明しているに過ぎない。例えば、構造物(例えば、揺動装置)が設置される場合、構造物が通常設置される設置面側(床面側)を「下」または「下方」とする。
【0020】
本明細書において、各構成に付記される「第1」、「第2」、または「第3」などの文字は、各構成を区別するために用いられる便宜的な標識であり、特段の説明がない限り、それ以上の意味を有さない。
【0021】
本明細書および図面において、同一または類似する複数の構成を総じて表記する際には同一の符号を用い、これらの複数の構成のそれぞれを区別して表記する際には、小文字または大文字のアルファベットを添えて表記する場合がある。また、1つの構成のうちの複数の部分を区別して表記する際には、ハイフンと自然数を用いる場合がある。
【0022】
本明細書において、「屋内」とは、建物内をいい、「屋外」とは、建物外をいう。
【0023】
以下の各実施形態は、技術的な矛盾を生じない限り、互いに組み合わせることができる。
【0024】
はじめに、図1図3を参照して、本発明の一実施形態に係る揺動モジュール20を利用した植物揺動システム10について説明する。
【0025】
[1.植物揺動システム10の構成]
図1は、植物揺動システム10の模式図である。また、図2は、植物揺動システム10の構成を示すブロック図である。
【0026】
植物揺動システム10は、制御部100、第1の揺動装置110、第2の揺動装置120、第3の揺動装置130、屋外環境センサ部140、および屋内環境センサ部150を含む。制御部100、第1の揺動装置110、第2の揺動装置120、第3の揺動装置130、および屋内環境センサ部150は、屋内810に設置されている。また、屋外環境センサ部140は、屋外820に設置されている。なお、制御部100は、植物900が設置された屋内810以外に設置されていてもよい。図1に示すように、第2の揺動装置120は、複数設けられていてもよい。また、植物900の大きさによっては、第2の揺動装置120を複数設けられていなくてもよい。
【0027】
本発明の一実施形態に係る揺動モジュール20は、第1の揺動装置110に適用することができる。なお、揺動モジュール20の構成の詳細については、後述する。
【0028】
図2に示すように、屋外環境センサ部140は、第1のネットワークNW1を介して制御部100と通信接続することができる。また、第1の揺動装置110、第2の揺動装置120、第3の揺動装置130、および屋内環境センサ部150は、第2のネットワークNW2を介して制御部100と通信接続することができる。そのため、制御部100、第1の揺動装置110、第2の揺動装置120、第3の揺動装置130、屋外環境センサ部140、および屋内環境センサ部150は、いずれもデータまたは情報を送信し、または受信することができる通信インターフェースを備える。なお、第1のネットワークNW1および第2のネットワークNW2の各々は、有線であっても、無線であってもよい。例えば、第1のネットワークNW1および第2のネットワークNW2の各々は、LAN(Local Area Network)またはインターネットなどであるが、これらに限られない。なお、第1のネットワークNW1と第2のネットワークNW2とは、同じネットワークであってもよい。
【0029】
以下、植物揺動システム10の各構成について、詳細に説明する。なお、以下では、植物900として、図1に示すような大型の樹木に対して植物揺動システム10を適用した例を示すが、植物900はこれに限られない。植物揺動システム10は、中小型の観葉植物に対しても適用することもできる。
【0030】
[1-1.第1の揺動装置110、第2の揺動装置120、第3の揺動装置130]
第1の揺動装置110、第2の揺動装置120、および第3の揺動装置130は、植物900を揺動する機能を有する。第1の揺動装置110、第2の揺動装置120、および第3の揺動装置130が植物900を揺動することにより、枝または葉の擦れる音が発生するため、屋内であっても、植物900があたかも風で揺らいでいるかのような効果を演出することができる。
【0031】
第1の揺動装置110は、独立して往復移動(揺動)する複数の線材111を含む。第1の揺動装置110は、屋内810の天井面に設置され、複数の線材111の各々の一端が植物900の葉または枝に接続されている。第1の揺動装置110は、複数の線材111を揺動させることにより、主に、植物900の葉を揺らすことができる。すなわち、第1の揺動装置110は、植物900の複数の領域を独立して揺動することができる。なお、第1の揺動装置110の設置位置は、天井面に限られない。第1の揺動装置110は、壁面または床面に設置されていてもよい。
【0032】
線材111として、例えば、炭素繊維、合成クモ糸繊維、綿糸(例えば、タコ糸など)、絹糸、または弾性糸(例えば、ゴム糸など)などを用いることができる。また、線材111として、金属線材またはプラスチック線材を用いることもできる。金属線材は耐久性に優れ、プラスチック線材は可撓性に優れる。金属線材として、例えば、ステンレス鋼線、ピアノ線、銅線、真鍮線、硬鋼線、メッキ線、アルミ線、またはチタン線などを用いることができる。また、プラスチック線材の樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、またはポリ塩化ビニル樹脂などを用いることができる。
【0033】
線材111を植物900に接続するとき、必要に応じて、取付具を用いてもよい。取付具して、例えば、植物900の葉もしくは枝に引っ掛けるフック、または植物900の葉もしくは枝を挟むクランプなどを用いることができる。
【0034】
続いて、第2の揺動装置120および第3の揺動装置130について説明する。
【0035】
第2の揺動装置120は、植物900の枝に設置され、主に、植物900の枝を揺動することができる。第2の揺動装置120は、枝を引っ張り、または振動することによって枝を揺動することができる。したがって、第2の揺動装置120は、複数設けることで異なる枝を引っ張り、または振動することで複数の異なる場所の枝を揺動させることができる。なお、第2の揺動装置120が設置される部位は、枝に限られない。第2の揺動装置120は、幹などに設置することもできる。
【0036】
第3の揺動装置130は、植物900の下方に設置され、植物900全体を揺動することができる。第3の揺動装置130は、第3の揺動装置130上の植物900(より具体的には、植物900が植栽されたプランタ)を床面と略平行な任意の方向に往復移動(揺動)させることができる。例えば、第3の揺動装置130による植物900の揺動は、第1の揺動装置または第2の揺動装置による植物900の揺動よりも大きくしてもよい。
【0037】
以上、第1の揺動装置110、第2の揺動装置120、および第3の揺動装置130について説明したが、第1の揺動装置110、第2の揺動装置120、および第3の揺動装置130は上述の構成に限られない。例えば、第1の揺動装置110、第2の揺動装置120、および第3の揺動装置130は、この順に、植物900を大きく揺動することができればよい。また、第1の揺動装置110は、植物900の複数の領域を独立して揺動することができればよい。
【0038】
[1-2.屋外環境センサ部140]
屋外環境センサ部140は、屋外820の環境状態を検出し、屋外820の環境状態を示す屋外環境データを生成する。屋外820の環境状態として検出される情報として、例えば、風情報、温度情報、または照度情報などがあるが、これらに限られない。屋外環境センサ部140は、これらの情報を検出するため、少なくとも1つ以上のセンサを含む。
【0039】
屋外環境センサ部140が風情報を検出する場合、屋外環境センサ部140は、風速センサまたは風向センサなどを含むことができる。風速センサまたは風向センサとして、熱式風速センサまたは超音波風速センサなどを用いることができる。熱式風速センサは、温められたセンサが風で冷却される際の電気抵抗の変化に基づき風速を検出することができる。また、超音波風速センサは、3方向に超音波を伝搬させることで風向を検出するとともに、超音波の到達時間に基づいて風速を検出することができる。屋外環境センサ部140は、これらのセンサを用いることにより、屋外820の風速または風向を含む屋外環境データを生成することができる。
【0040】
屋外環境センサ部140が温度情報を検出する場合、屋外環境センサ部140は、温度センサなどを含むことができる。温度センサは、熱電対、金属もしくは半導体などの抵抗体の電気抵抗の変化、または所定の物体が発する赤外線の光量に基づき、温度を検出することができる。屋外環境センサ部140は、これらのセンサを用いることにより、屋外820の温度を含む屋内環境データを生成することができる。
【0041】
屋外環境センサ部140が照度情報を検出する場合、屋外環境センサ部140は、照度センサなどを用いることができる。照度センサは、フォトダイオードなどの受光素子を含み、受光素子に入射した光を電荷に変換し、電荷量に基づき、照度を検出することができる。屋外環境センサ部140は、これらのセンサを用いることにより、屋外820の照度を含む屋内環境データを生成することができる。
【0042】
[1-3.屋内環境センサ部150]
屋内環境センサ部150は、屋内810の環境状態を検出し、屋内810の環境状態を示す屋内環境データを生成する。屋内810の環境状態として検出される情報として、例えば、人の検知情報、温度情報、照度情報、湿度情報、または音情報などがあるが、これらに限られない。屋内環境センサ部150は、これらの情報を検出するため、少なくとも1つ以上のセンサを含むことができる。
【0043】
屋内環境センサ部150が人の検知情報を検出する場合、屋内環境センサ部150は、人感センサまたは圧力センサなどを含むことができる。人感センサは、周囲の温度と人の温度との温度変化を、赤外線の光量の違いに基づき人の有無を検出することができる。また、圧力センサは、人の踏力を、半導体のひずみが変換された電気信号に基づき人の有無を検出することができる。屋内環境センサ部150は、これらのセンサを用いることにより、人の所在に関する情報を含む屋内環境データを生成することができる。
【0044】
屋内環境センサ部150が温度情報を検出する場合、または照度に関する情報を検出する場合、屋内環境センサ部150は、屋外環境センサ部140と同様のセンサを含むことができる。屋内環境センサ部150は、これらのセンサを用いることにより、屋内810の温度または照度を含む屋内環境データを生成することができる。
【0045】
屋内環境センサ部150が湿度情報を検出する場合、屋内環境センサ部150は、湿度センサなどを用いることができる。湿度センサは、電極に挟まれた高分子の抵抗値または静電容量値の変化に基づき、湿度を検出することができる。屋内環境センサ部150は、これらのセンサを用いることにより、屋内810の湿度を含む屋内環境データを生成することができる。
【0046】
屋内環境センサ部150が音情報を検出する場合、屋内環境センサ部150は、マイクロホンなどを用いることができる。屋内環境センサ部150は、これらのセンサを用いることにより、屋内810の音を含む屋内環境データを生成することができる。
【0047】
屋内環境センサ部150は、例えば、植物900が植栽されているプランタに設置されていてもよく、床面または天井面に設置されていてもよい。また、屋内環境センサ部150に複数のセンサが含まれる場合、複数のセンサは1つの位置だけでなく、複数の位置に設けられていてもよい。
【0048】
また、屋内環境センサ部150は、植物900の揺動の大きさを検出するため、加速度センサまたはジャイロセンサなどを含むこともできる。すなわち、屋内環境センサ部150が生成する屋内環境データには、植物900の揺動状態の情報として、加速度または揺動方向が含まれていてもよい。
【0049】
[1-4.制御部100]
制御部100は、屋外環境データまたは屋内環境データに基づき、第1の揺動装置110、第2の揺動装置120、または第3の揺動装置130を制御する。制御部100は、データまたは情報を用いて演算処理を行うことができる、いわゆるコンピュータである。制御部100は、例えば、中央演算装置(CPU)、マイクロプロセッサ(MPU)、画像処理装置(GPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ(HDD)、またはソリッドステートドライブ(SSD)などを含む。
【0050】
屋内環境データに人の検知情報が含まれている場合、制御部100は、人が検知されたときに、第1の揺動装置110、第2の揺動装置、または第3の揺動装置の揺動が開始されるように、第1の揺動装置110、第2の揺動装置120、または第3の揺動装置130を制御することができる。すなわち、制御部100は、第1の揺動装置110、第2の揺動装置120、または第3の揺動装置130を揺動させるための揺動開始データ(揺動開始信号)を生成することができる。
【0051】
屋内環境データに照度が含まれている場合、制御部100は、照度が所定の閾値以上であるときに、第1の揺動装置110、第2の揺動装置120、または第3の揺動装置130の揺動が開始されるように第1の揺動装置110、第2の揺動装置120、または第3の揺動装置130を制御することができる。すなわち、制御部100は、第1の揺動装置110、第2の揺動装置120、または第3の揺動装置130を揺動させるための揺動開始データを生成することができる。これにより、夜間などの人が作業しない時間帯などに揺動装置を停止することができる。
【0052】
屋外環境データに風向が含まれている場合、制御部100は、第1の揺動装置110の複数の線材111の配置と風向とを対応させ、風向と同じ方向に複数の線材111が順次揺動するように第1の揺動装置110を制御することができる。例えば、制御部100は、複数の線材111の揺動開始の順序が含まれた線材揺動順序データ(線材揺動順序信号)を生成することができる。なお、複数の線材111の配置は、予め登録しておくことができる。
【0053】
屋外環境データに風速が含まれている場合、制御部100は、風速の大きさに応じて第1の揺動装置110の線材111、第2の揺動装置120、および第3の揺動装置130の各々の揺動の大きさ(例えば、揺動幅など)が変化するように、第1の揺動装置110、第2の揺動装置120、および第3の揺動装置130を制御することができる。また、制御部100は、植物900の揺動の大きさの順、すなわち、第1の揺動装置110、第2の揺動装置120、第3の揺動装置130の順に揺動が開始されるように、第1の揺動装置110、第2の揺動装置120、および第3の揺動装置130を制御することができる。
【0054】
以上、屋内環境データまたは屋外環境データに含まれるいくつかの例を示したが、制御部100は、屋内環境データおよび屋外環境データに基づき、第1の揺動装置110、第2の揺動装置120、および第3の揺動装置130を制御する構成であればよい。
【0055】
なお、制御部100は、屋内の人物が所有する情報端末と通信接続し、情報端末からの操作情報に基づいて、第1の揺動装置110、第2の揺動装置120、第3の揺動装置130、屋外環境センサ部140、および屋内環境センサ部150を制御する構成とすることもできる。例えば、情報端末から、第1の揺動装置110、第2の揺動装置120、もしくは第3の揺動装置130の揺動のオン/オフ、または植物900の揺動の大きさ(例えば、第1の揺動装置110、第2の揺動装置120、または第3の揺動装置130の揺動幅の大きさ)が制御することができる構成であってもよい。
【0056】
上述したように屋外環境センサ部140を設けることで、屋外の風速、風向、温度、または照度などを検出し、制御部100を介して屋内に設置された植物900を揺動させることができる。屋外環境センサ部140に含まれるセンサの検出値を組み合わせることで屋外の植物が環境から受ける動きを屋内に設置された植物900に再現することができる。なお、屋外環境センサ部140によって検出された検出値は、植物900に対して再現するとき、設定された屋内係数により揺動動作の大きさが補正されてもよい。
【0057】
[2.植物揺動システム10の揺動処理]
図3は、植物揺動システム10で実行される揺動処理のフローチャート図である。
【0058】
ステップS110では、屋内環境センサ部150が、屋内環境センサ部150に含まれるセンサによって屋内810の環境状態を検出し、屋内810の環境状態を示す屋内環境データを生成する。以下では、便宜上、屋内環境データに、照度情報が含まれているものとして説明する。また、ステップS110では、屋外環境センサ部140が、屋外環境センサ部140に含まれるセンサによって屋外820の環境状態を検出し、屋外820の環境状態を示す屋外環境データを生成する。以下では、便宜上、屋外環境データに、風向および風速が含まれているものとして説明する。また、以下では、便宜上、風速の大きさによって揺動させる揺動装置が決定されるものとして説明する。
【0059】
ステップS120では、制御部100が、屋内環境データを取得し、屋内810内の照度を判定する。例えば、照度が、照明が点灯しているような所定の値以上であるとき(ステップS120:YES)、ステップS130が実行される。また、屋内810内に人がおらず、照度が所定の値未満であるとき(ステップS120:NO)、再び、ステップS110が実行される。
【0060】
ステップS130では、制御部100が、屋外環境データを取得し、風向に基づき、第1の揺動装置110の複数の線材111の揺動を開始する順序を決定する。具体的には、制御部100は、屋外環境データの風向に基づき線材揺動順序データを生成する(線材揺動順序データの生成処理)が、線材揺動順序データの生成処理の詳細については後述する。
【0061】
ステップS140およびステップS150では、制御部100が、屋外環境データの風速を判定し、第1の揺動装置110、第2の揺動装置120、および第3の揺動装置130のいずれを用いて植物900を揺動するかを決定する。具体的には、ステップS140では、第1の閾値を用いて風速を判定し、ステップS150では、第1の閾値よりも大きい第2の閾値を用いて風速を判定する。風速が第1の閾値以上であるとき(ステップS140:YES)、ステップS150が実行される。風速が第1の閾値未満であるとき(ステップS140:NO)、制御部100によって第1の揺動装置110を制御する第1の揺動開始データが生成され、ステップS160が実行される。また、風速が第2の閾値以上であるとき(ステップS150:YES)、制御部100によって第1の揺動装置110、第2の揺動装置120、および第3の揺動装置130を制御する第3の揺動開始データが生成され、ステップS180が実行される。風速が第2の閾値未満であるとき(ステップS150:NO)、制御部100によって第1の揺動装置110および第2の揺動装置120を制御する第2の揺動開始データが生成され、ステップS170が実行される。
【0062】
第1の閾値および第2の閾値は、植物の葉が揺れる風速もしくは植物の枝が揺れる風速などの視感的なもの、または顔に風が感じられる風速もしくは身体に風を感じる風速などの体感的なものを数値化してもよい。例えば、第1の閾値は0.2m/sであり、第2の閾値1.6m/sであるが、これに限られない。
【0063】
ステップS160では、第1の揺動装置110が、制御部100から第1の揺動開始データを受信し、植物900の揺動を開始する。ステップS160では、第1の揺動装置110のみによって植物900が揺動される。なお、第1の揺動装置110の複数の線材111は、線材揺動順序データに従って順に揺動を開始する。
【0064】
ステップS170では、第1の揺動装置110および第2の揺動装置120が、制御部100から第2の揺動開始データを受信し、植物900の揺動を開始する。ステップS170では、第1の揺動装置110および第2の揺動装置120によって植物900が揺動される。植物900の揺動は、第1の揺動装置110、第2の揺動装置120の順で開始される。なお、第1の揺動装置110の複数の線材111は、線材揺動順序データに従って順に揺動を開始する。
【0065】
ステップS180では、第1の揺動装置110、第2の揺動装置120、および第3の揺動装置130が、制御部100から第3の揺動開始データを受信し、植物900の揺動を開始する。ステップS180では、第1の揺動装置110、第2の揺動装置120、および第3の揺動装置130によって植物900が揺動される。植物900の揺動は、第1の揺動装置110、第2の揺動装置120、第3の揺動装置130の順で開始される。なお、第1の揺動装置110の複数の線材111は、線材揺動順序データに従って順に揺動を開始する。
【0066】
ステップS160~ステップS180からわかるように、植物揺動システム10は、屋外環境データの風速が大きくなると、第1の揺動装置110に加えて、第2の揺動装置120または第3の揺動装置130が制御され、植物900の揺動を大きくすることができる。したがって、植物揺動システム10を用いることにより、屋外の環境状態を植物900に反映させることができる。
【0067】
ステップS160、ステップS170、およびステップS190が実行されると、揺動処理は終了する。なお、次のステップとして、ステップS110に戻ってもよい。
【0068】
ここで、図4を参照して、線材揺動順序データの生成処理(ステップS130)の詳細について説明する。
【0069】
図4は、植物揺動システム10で実行される揺動処理において、第1の揺動装置110の線材111の揺動順序を説明する模式図である。具体的には、図4は、天井面から眺めた第1の揺動装置110および屋外環境センサ部140の平面図である。図4に示す第1の揺動装置110は、第1の線材111-1、第2の線材111-2、第3の線材111-3、第4の線材111-4、第5の線材111-5、および第6の線材111-6をそれぞれ独立して揺動幅および揺動順を制御することができる。
【0070】
図4に示すように、第1の方向において、複数の線材111は、第1の線材111-1、第2の線材111-2、第3の線材111-3、第4の線材111-4、第5の線材111-5、第6の線材111-6の順で植物900の枝葉と接続されている。そのため、屋外環境データの風向が図4に示す第1の方向の矢印方向である場合、複数の線材111は、第1の線材111-1、第2の線材111-2、第3の線材111-3、第4の線材111-4、第5の線材111-5、第6の線材111-6の順に揺動が開始されるように制御される。制御部100は、複数の線材111が上記順序で揺動が開始されるように線材揺動順序データを生成する。
【0071】
また、第2の方向において、複数の線材111は、第4の線材111-4、第6の線材111-6、第2の線材111-2、第1の線材111-1、第5の線材111-5、第3の線材111-3の順で植物900の枝葉と接続されている。そのため、屋外環境データの風向が図4に示す第2の方向の矢印方向である場合、複数の線材111は、第4の線材111-4、第6の線材111-6、第2の線材111-2、第1の線材111-1、第5の線材111-5、第3の線材111-3の順に揺動が開始されるように制御される。制御部100は、複数の線材111が上記順序で揺動が開始されるように線材揺動順序データを生成する。
【0072】
以上、説明したように、制御部100は、屋外環境データの風向に合わせて複数の線材111が順次揺動を開始するように線材揺動順序データを生成し、複数の線材111を制御することができる。
【0073】
[3.揺動モジュール20の構成]
図5および図6を参照して、本発明の一実施形態に係る揺動モジュール20について説明する。揺動モジュール20は、上述した第1の揺動装置110に適用することができる。すなわち、揺動モジュール20を第1の揺動装置110に適用し、屋外環境データに合わせて複数の線材111を揺動することができる。
【0074】
図5は、本発明の一実施形態に係る揺動モジュール20の模式的な分解斜視図である。また、図6は、本発明の一実施形態に係る揺動モジュール20の構成を説明するブロック図である。図5では、説明の便宜上、揺動モジュール20の一部を透過図として示している。また、図6では、説明の便宜上、揺動モジュール20以外の植物揺動システム10に含まれる構成もブロック図として示している。
【0075】
図5に示すように、揺動モジュール20は、蓋体21および本体22を含む。蓋体21は、本体22に固定することができる。また、本体22は、駆動部23および制御部24を含む。駆動部23は、揺動部材23bが接続された複数のモータ23aを含む。揺動部材23bは、蓋体21に設けられた開口21aに挿通され、植物900と接続される。モータ23aを駆動すると、揺動部材23bが往復移動(揺動)し、植物900を揺動することができる。モータ23aは、揺動部材23bを揺動することができる構成であればよく、特に限定されない。例えば、揺動部材23bが上述した線材111であれば、モータ23aは線材111を巻き取り、または解放することで植物900の枝葉を揺動させる構成とすることができる。揺動部材23bが棒体であれば、モータ23aは棒体を往復移動させるような構成とすることができる。また、駆動部23は、第1の隔壁23c-1および第2の隔壁23c-2によって区画化されている。複数のモータ23aは、各区画に1個配置されている。区画化されることによって、モータ23a同士の干渉(例えば、バックラッシュまたは揺動部材23bの絡まりなど)を防止することができる。第1の隔壁23c-1と第2の隔壁23c-2とは、異なる高さであってもよく、同じ高さであってもよい。
【0076】
制御部24は、複数のモータ23aを独立して駆動することができる。図6に示すように、複数のモータ23aの各々にモータ制御部Mctlが接続されている。また、モータ制御部Mctlは、通信ポートCOM4およびモータ識別コードcode2を有するIDチェッカーIDCを備える。複数のモータ23aのそれぞれには異なるモータ識別コードcode2が割り当てられる。そのため、それぞれのIDチェッカーIDCがモータ識別コードcode2を含む制御信号を受信し、モータ識別コードcode2を識別することにより、所定のモータ制御部Mctlが接続されたモータ23aを駆動することができる。なお、モータ23aの駆動は、リニア駆動であってもよく、ステッピング駆動であってもよい。また、制御部24は、複数のモータ23aを異なる強度または周波数で駆動することもできる。
【0077】
また、制御部24は、通信ポートCOM3およびモジュール識別コードcode1を有するIDチェッカーIDCを備える。植物揺動システム10では、複数の第1の揺動装置110を含むことが可能である。その場合、複数の第1の揺動装置110が独立して駆動されることが好ましい。第1の揺動装置110に適用される揺動モジュール20では、モジュール識別コードcode1を用いて、それぞれの揺動モジュール20を識別し、独立して制御することができる。具体的には、複数の揺動モジュール20のそれぞれには異なるモジュール識別コードcode1が割り当てられる。そのため、それぞれのIDチェッカーIDCがモジュール識別コードcode1を含む制御信号を受信し、モジュール識別コードcode1を識別することにより、所定の揺動モジュール20を駆動することができる。
【0078】
また、制御部24は、モジュール制御部CTRL、記憶部MEM2、および電力制御部Pctlを含む。モジュール制御部CTRLは、植物揺動システム10の制御部100または屋内環境センサ部150からの信号に基づき、揺動モジュール20の総括的な制御を行うことができる。なお、図示しないが、モジュール制御部CTRLは、屋外環境センサ部140と接続してもよい。制御部24に含まれるモジュール制御部CTRLは、バスラインを介して、記憶部MEM2、電力制御部Pctl、通信ポートCOM3、通信ポートCOM4、およびIDチェッカーIDCを制御することができる。
【0079】
揺動モジュール20では、複数のモータ23aが独立して駆動し、揺動部材23bを揺動することができるため、1つの揺動モジュール20を用いて植物900の複数の位置の葉または枝を独立して揺動することができる。
【0080】
なお、図6に示すように、揺動モジュール20は、スピーカーSPKを含んでいてもよい。例えば、スピーカーは、揺動モジュール20の揺動に合わせて、川の流れる音、風の音、葉音、虫の音などの自然環境で発生する音もしくはそれらを再現した音、音楽、音声、またはこれらを組み合わせた音源を出力することができる。これらの音源は、記憶部MEM2に格納されていてもよい。
【0081】
<変形例>
図7を参照して、揺動モジュール20の変形例である揺動モジュール20Aについて説明する。なお、揺動モジュール20Aの構成が揺動モジュール20の構成と同様であるとき、その説明を省略する場合がある。
【0082】
図7は、本発明の一実施形態に係る揺動モジュール20の模式的な分解斜視図である。図7では、説明の便宜上、揺動モジュール20Aの一部を透過図として示している。
【0083】
図7に示すように、揺動モジュール20Aは、蓋体21、複数の駆動ユニット25A、および基体26Aを含む。蓋体21は、基体26Aに固定することができる。複数の駆動ユニット25Aの各々は、揺動部材25bが接続されたモータ25aを含む。駆動ユニット25Aは、基体26A上に着脱可能に配置され、駆動ユニット25Aの揺動部材25bが開口21aに挿通されて、植物900と接続される。すなわち、揺動モジュール20Aでは、植物900を揺動するために必要な個数分の必要な駆動ユニット25Aを組み合わせて使用することができる。駆動ユニット25Aは、さらに、ユニット制御部25cを含む。駆動ユニット25Aが基体26A上に配置されると、ユニット制御部25cは、基体26Aの接続端子26aと接続される。これにより、駆動ユニット25は、基体26Aからの制御信号を受信し、または電極が供給され、モータ25aの駆動を制御することができる。
【0084】
駆動ユニット25Aのユニット制御部25cは、図6に示したモータ制御部Mctl、通信ポートCOM4、およびモータ識別コードcode2を有するIDチェッカーIDCを備える。そのため、揺動モジュール20Aでは、ユニット制御部25cが基体26Aの接続端子26aと接続されることにより、駆動ユニット25Aを識別することができる。
【0085】
基体26Aは、図6に示したモジュール制御部CTRL、記憶部MEM2、電力制御部Pctl、通信ポートCOM3、およびモジュール識別コードcode1を有するIDチェッカーIDCを備えた制御部を含む。これらの構成は上述と同様であるため、ここでは説明を省略する。揺動モジュール20Aでは、複数の駆動ユニット25Aが独立して駆動し、揺動部材25bを揺動することができるため、1つの揺動モジュール20Aを用いて植物900の複数の位置の葉または枝を独立して揺動することができる。
【0086】
以上、変形例を含め、本実施形態に係る揺動モジュールは、複数の揺動部材を独立して揺動させることができる。そのため、揺動モジュール20を第1の揺動装置110に適用した植物揺動システム10では、植物900の複雑な揺動が可能である。
【0087】
また、第1の揺動装置110だけでなく、第2の揺動装置120および第3の揺動装置130も組み合わせることで、植物900のさらに複雑な揺動が可能である。その上で、第1の揺動装置110、第2の揺動装置120、および第3の揺動装置130が、屋外の環境状態の風向および風速に合わせて植物900を揺動することで、屋内の植物900に対して自然な揺らぎを再現することができる。そのため、屋内の人物は、植物900の葉または枝の自然な揺れを感じ取ることができ、リラックス効果を持続させることができる。
【0088】
本発明の実施形態として上述した各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。また、各実施形態を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除、または設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略、もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0089】
上述した各実施形態によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0090】
10:植物揺動システム、 20、20A:揺動モジュール、 21:蓋体、 21a:開口、 22:本体、 23:駆動部、 23a:モータ、 23b:揺動部材、 23c-1:第1の隔壁、 23c-2:第2の隔壁、 24:制御部、 25:駆動ユニット、 25a:モータ、 25A:駆動ユニット、 25b:揺動部材、 25c:ユニット制御部、 26a:接続端子、 26A:基体、 100:制御部、 110:第1の揺動装置、 111、111-1~111-6:線材、 120:第2の揺動装置、 130:第3の揺動装置、 140:屋外環境センサ部、 150:屋内環境センサ部、 820:屋外、 900:植物、 code1:モジュール識別コード、 code2:モータ識別コード、 COM:通信ポート、CTRL:モジュール制御部、 IDC:IDチェッカー、 Mctl:モータ制御部、 MEM:記憶部、 NW1、NW2:ネットワーク、 Pctl:電力制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7