(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】制御装置、制御方法、及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20241209BHJP
G07C 9/25 20200101ALI20241209BHJP
G07C 9/27 20200101ALI20241209BHJP
【FI】
G07B15/00 A
G07B15/00 L
G07C9/25
G07C9/27
(21)【出願番号】P 2021096662
(22)【出願日】2021-06-09
【審査請求日】2024-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 直哉
【審査官】山本 裕太
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-025621(JP,A)
【文献】特開2015-111321(JP,A)
【文献】特開2013-061875(JP,A)
【文献】特開2013-214276(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 15/00
G07C 9/25
G07C 9/27
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラの撮影範囲を通過する利用者から提示される媒体から読み取られる識別情報を含む媒体情報を認証装置へ出力し、前記認証装置から前記媒体情報の第1の認証結果を取得する第1の通信部と、
前記媒体から前記識別情報を読取ったタイミングに基づいて、前記カメラから出力される撮影データから所定の期間の間の撮影画像を選択する選択部と、
前記撮影画像を顔認証装置へ出力し、前記顔認証装置から前記撮影画像の第2の認証結果を取得する第2の通信部と、
前記第1の認証結果及び前記第2の認証結果に基づいて通行可否を判定する判定部と、
を備える、制御装置。
【請求項2】
前記所定の期間の撮影画像は、前記媒体を読取った日時を起点とした所定の前後の期間の撮影画像である、請求項1に制御装置。
【請求項3】
前記所定の期間の撮影画像は、人感センサが前記利用者を感知した時間から前記媒体を読取った日時までの期間の撮影画像である、請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記利用者の通行を制御するゲート装置内に配置され、
前記第1の認証結果及び前記第2の認証結果が共に認証された場合、通行制御機構に許可信号を送信する第3の通信部をさらに備える、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記第1の認証結果又は前記第2の認証結果の少なくとも一方が非認証であった場合、前記第3の通信部は、前記通行制御機構に否定信号を送信する、請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記制御装置は、前記利用者の通行を制御するゲート装置に接続された中央サーバ内に配置され、前記第1の認証結果及び第2の認証結果が共に認証された場合、前記ゲート装置内の通行制御機構に許可信号を送信する第3の通信部をさらに備える、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記制御装置は、改札機内に配置される、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項8】
前記制御装置は、チケットチェック装置内に配置される、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項9】
制御装置が実行する制御方法であって、
カメラの撮影エリアを通過する利用者から提示される媒体から読み取られる識別情報を認証装置へ出力することと、
前記認証装置から前記識別情報の第1の認証結果を取得することと、
前記媒体から前記識別情報を読取ったタイミングに基づいて前記カメラから出力される撮影データから所定の期間の間の画像フレームを選択することと、
前記画像フレームを顔認証装置へ出力することと、
前記顔認証装置から前記画像フレームの第2の認証結果を取得することと、
前記第1の認証結果及び前記第2の認証結果に基づいて通行可否を判定することと、
を備える、制御方法。
【請求項10】
請求項9に記載の制御方法を前記制御装置によって実行させる制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、制御装置、制御方法、及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
改札機及びライブ会場等の入出場の際に用いられるゲート装置において、ICカード乗車券、磁気乗車券、又はQRコード(登録商標)等の媒体を用いた認証の後に顔認証を行う場合、一般的に2段階の処理が行われる。最初の段階で、顔の形を検知(顔検知)した後、次の段階で、特定の顔であるかの認証(顔認証)を行う。
【0003】
常に顔検知を行う場合、人が全く映らない状態でも顔と誤認識する可能性がある。さらに、入出場する意思のない人の顔を検知してしまう場合がある。例えば、ある境界線を通行者が越えたことをトリガにして、通行者の顔を撮影し、顔検知から顔認証を行う方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
顔を検知するためには、数フレーム撮影する必要があるため、上記の方法では、媒体の認証から顔認証が開始されるまでにラグが発生する。そのため、IC認証後すぐに顔認証が開始することが求められている。また、誤検知のない顔認証を行うことも求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る制御装置は、カメラの撮影範囲を通過する利用者から提示される媒体から読み取られる識別情報を含む媒体情報を認証装置へ出力し、前記認証装置から前記媒体情報の第1の認証結果を取得する第1の通信部と、前記媒体から前記識別情報を読取ったタイミングに基づいて、前記カメラから出力される撮影データから所定の期間の間の撮影画像を選択する選択部と、前記撮影画像を顔認証装置へ出力し、前記顔認証装置から前記撮影画像の第2の認証結果を取得する第2の通信部と、前記第1の認証結果及び前記第2の認証結果に基づいて通行可否を判定する判定部と、を備えるようにしたものである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係るゲートシステムの構成例を示す概念図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係るゲート装置の構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る中央サーバの構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、
図1に示されるゲートシステムでの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、第2の実施形態に係る改札機であるゲート装置の構成例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、
図1に示されるゲートシステムでの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、第2の実施形態に係るチケットチェック装置であるゲート装置の構成例を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、
図1に示されるゲートシステムでの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら制御装置、ゲート装置、及び制御方法について詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、同一の番号を付した部分については同様の動作を行うものとして、重ねての説明を省略する。
【0009】
図1は、実施形態に係るゲートシステム10の構成例を示す概念図である。
ゲートシステム10は例えば、鉄道又はバス等の交通機関における改札機での入出場又はライブ会場等の入出場の制御を行うためのシステムである。
【0010】
図1に示すように、ゲートシステム10は、ゲート装置20、カメラ21、認証装置22、ドア23、及び中央サーバ30等を有する。
【0011】
ゲート装置20は、通路を通過(入場又は出場)しようとする利用者に対して通行を許可するかどうかを制御する。ゲート装置は、駅等の改札口に1台又は複数台設置される改札機でも良いし、ライブ会場のチケットをチェックするゲートに1台又は複数台設置されるゲート装置でも良い。そして、これらのゲート装置20はそれぞれ、利用者を通行させる通路を形成する。また、ゲート装置20は、中央サーバ30と接続可能であり、中央サーバ30との間で各種情報を送受信する。
【0012】
カメラ21は、ゲート装置20それぞれに対応して設置される。そしてカメラ21は、通路内を通過する利用者の顔が撮影可能になるような撮影範囲を確保できるように設置される。
【0013】
認証装置22は、例えば、利用者が所持する媒体(例えば、ICカード乗車券、QRコード、バーコード等)を用いて入出場処理を実行するゲート装置20上に設置される。そして、認証装置22は、利用者の媒体を検知し、媒体に記憶された情報を読み取る。例えば、利用者がICカード乗車券を認証装置22に翳した場合、認証装置22は、ICカード乗車券を検知し、ICカード乗車券との間で各種情報を送受信することができる。
【0014】
ドア23は、ゲート装置20に設置され、利用者の通行を許可しない場合、物理的に利用者の通行を阻止する。
【0015】
中央サーバ30は、ゲート装置20と有線又は無線により接続される。そして、中央サーバ30は、駅の構内、駅又はライブ会場の管理室等に設置される。また、中央サーバ30は、ゲート装置20から受信した各種情報により、顔認証等の各種認証を行うことができる。
【0016】
[第1の実施形態]
(構成)
次に、第1の実施形態に係るゲートシステム10におけるゲート装置20の構成について説明する。
【0017】
図2は、第1の実施形態に係るゲート装置20の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、ゲート装置20は、制御装置201と、記憶部202と、通信部203と、認証装置204と、顔認証装置205と、カメラ206と、人感センサ207と、通行制御機構208と、通知部209と、を備える。
【0018】
制御装置201は、ゲート装置20における各種動作を制御する。制御装置201は、プログラムを実行するプロセッサを有する。例えば、制御装置201は、プロセッサ、メモリ及びインタフェース等で構成する。制御装置201は、プロセッサが記憶部202又は制御装置201内のメモリに記憶するプログラムを実行することにより各種の処理を実行する。
【0019】
例えば、制御装置201は、通行制御機構208を制御して利用者の通行を制御する。制御装置201は、媒体の認証及び利用者の顔認証の両方が成功した場合、利用者の通行(入場又は出場)を許可する。一方、媒体認証又は顔認証のいずれかが失敗した場合、制御装置201は、当該利用者を通行不可として通行制御機構208を制御して利用者の通行を阻止する。
【0020】
記憶部202は、HDD(ハードディスクドライブ)或いはSSD(ソリッドステートドライブ)等の書き換え可能な不揮発性のメモリで構成する。記憶部202は、顔データベースを記憶する。顔データベースは、ゲート装置20を利用する利用者が事前に登録した顔データのデータベースである。例えば、顔データは、券売機に設置されたカメラによって撮影された顔画像に基づいて取得される。或いは、利用者が持つ携帯端末等で利用者自身の顔を撮影した顔画像に基づいて取得される。
【0021】
通信部203は、中央サーバ30と有線又は無線で各種データの送受信を行うための通信インタフェースである。通信部203は、中央サーバ30と各種情報を送受信する。
【0022】
認証装置204は、制御装置201の制御の下、ICカード乗車券、QRコード、及びバーコード等の各種ゲートの入出場を認証するために必要な媒体に記憶された情報が正しいかどうかを判定することができる。
【0023】
顔認証装置205は、制御装置201の制御の下、カメラ206によって撮影された画像フレームから顔検知を行い、顔認証を行う。顔認証は、例えば、顔検知によって検知された顔が記憶部202に記憶された顔データベースに対応した顔であるかによって実行される。
【0024】
カメラ206は、
図1で示したカメラ21である。そして、カメラ206は、ゲート装置20が起動、すなわち、利用者を通行させるかどうか判断が可能な状態になると、制御装置201の制御の下、撮影を開始する。撮影された画像データは、例えば、記憶部202に記憶される。
【0025】
人感センサ207は、ゲート装置20を通行しようとする利用者を感知する。例えば、人感センサ207は、赤外線センサ等、人を感知可能な一般的なセンサによって構成される。そして、人感センサ207は、ゲート装置20を通行する意思のない人まで感知しないような場所に設置される。例えば、人感センサ207は、制御装置201の制御の下、ゲート装置20が配置された通路内のみで利用者を感知する。また、人感センサ207によって通行人を感知した後、人感センサ207は、制御装置201の制御の下、利用者がゲート装置20を通行することを示す感知情報を出力する。そして、当該感知情報に基づいてカメラ206は、撮影を開始するようにしても良い。
【0026】
通行制御機構208は、ゲート装置20横の通路を通行(入場又は出場)する際に利用者の通行を制御する。通行制御機構208は、制御装置201の指示に応じて利用者の通行を制御するように駆動する。例えば、通行制御機構208は、ドア23及びドア23の開閉を制御する駆動機構を有する。通行制御機構208は、利用者の通行(入場又は出場)を阻止する場合にはドア23を閉鎖し、利用者の通行を許可する場合にはドア23を開放するように動作する。また、通行制御機構208は、制御装置201により制御されても良い。
【0027】
通知部209は、例えば、ディスプレイ及びスピーカを備える。ディスプレイは、情報を表示する。ディスプレイは、ゲート装置20を通行しようとする利用者が視認可能な位置に設けられる。例えば、ディスプレイは、制御装置201による制御の下、利用者に対する顔認証結果に基づく通行の可否を示す情報等を表示する。スピーカは、利用者が認識できるような音量で音を出力する。スピーカは、制御装置201による制御の下、通行が不可と判定された利用者にアラート等の音声を出力する。
【0028】
図3は、第1の実施形態に係る中央サーバ30の構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、中央サーバ30は、制御装置301と、記憶部302と、通信部303と、認証装置304と、顔認証装置305と、表示部306と、を備える。
【0029】
制御装置301は、ゲート装置20における各種動作を制御する。制御装置301は、プログラムを実行するプロセッサを有する。例えば、制御装置301は、プロセッサ、メモリ及びインタフェース等で構成する。制御装置301は、プロセッサが記憶部302又は制御装置301内のメモリに記憶するプログラムを実行することにより各種の処理を実行する。
【0030】
例えば、制御装置301は、通行制御機構208を制御する情報をゲート装置20に送信することにより利用者の通行を制御する。制御装置301は、媒体の認証及び利用者の顔認証の両方が成功した場合、利用者の通行(入場又は出場)を許可する情報をゲート装置20に送信する。一方、媒体認証又は顔認証のいずれかが失敗した場合、制御装置301は、当該利用者を通行不可する情報をゲート装置20に送信する。当該情報を受けたゲート装置20の制御装置201は、通行制御機構208を制御して利用者の通行を阻止する。
【0031】
記憶部302は、HDD或いはSSD等の書き換え可能な不揮発性のメモリで構成する。記憶部202は、顔データベースを記憶する。顔データベースは、ゲート装置20を利用する利用者が事前に登録した顔データのデータベースである。例えば、顔データは、券売機に設置されたカメラによって撮影された顔画像に基づいて取得される。或いは、利用者が持つ携帯端末等で利用者自身の顔を撮影した顔画像に基づいて取得される。
【0032】
通信部303は、ゲート装置20と有線又は無線で各種データの送受信を行うための通信インタフェースである。通信部303は、ゲート装置20と各種情報を送受信する。
【0033】
認証装置304は、制御装置301の制御の下、ICカード乗車券、QRコード、及びバーコード等の各種ゲートの入出場を認証するために必要な記憶媒体に記憶された情報が正しいかどうかを判定することができる。
【0034】
顔認証装置305は、制御装置301の制御の下、カメラ206によって撮影された画像フレームから顔検知を行い、顔認証を行う。顔認証は、例えば、顔検知によって検知された顔が記憶部302に記憶された顔データベースに対応した顔であるかによって実行される。
【0035】
表示部306は、例えば液晶、有機EL等を使用した表示デバイスであり、制御装置301の制御の下、音声、文字、及び画像等を表示する。すなわち、表示部306は、中央サーバ30を管理する管理者に各種情報を表示することが可能である。
【0036】
(動作)
図4は、
図1に示されるゲートシステム10での処理手順の一例を示すフローチャートである。ゲート装置20の制御装置201、認証装置204、及び顔認証装置205が記憶部202に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このフローチャートの動作が実現される。なお、中央サーバ30の制御装置301、顔認証装置305が記憶部302に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、このフローチャートの一部の動作を実現しても良い。
【0037】
なお、利用者は、媒体のIDに紐付けられた利用者の顔データをアプリケーション又はウェブを利用して事前に登録しているものとする。すなわち、利用者の顔データは、ゲート装置20の記憶部202又は中央サーバ30の記憶部302の顔データベースに登録されているものとする。
【0038】
また、ゲート装置20の記憶部202又は中央サーバ30の記憶部302は、ゲート装置20を通行可能な媒体のIDを記憶していても良い。
【0039】
最初に、ゲート装置20が起動する、或いは、人感センサ207によって利用者を感知すると、このフローチャートが開始される。なお、人感センサ207は、利用者を感知すると、利用者を感知した日時についての情報を含む感知日時情報を出力し、記憶部202に当該感知日時情報を記憶する。
【0040】
カメラ206は、画像を撮影する(ステップST101)。カメラ206は、ゲート装置20が起動すると常に画像を撮影し、画像データを取得する。或いは、人感センサ207によって利用者が感知されると、人感センサ207は、利用者がゲート装置20を通行しようとしていることを示す感知情報を出力する。カメラ206は、当該感知情報に基づいて画像の撮影を開始し、画像データを出力する。カメラ206は、通路を通行する利用者の顔が撮影範囲に入るように撮影する。例えば、カメラ206は、大人から子供の顔が撮影できるように所定の位置から撮影する。また、制御装置201は、カメラ206から出力された画像データと撮影日時とを関連付けて記憶部202に記憶する。なお、記憶された画像データは、一定時間後(例えば、1時間後)に削除しても良い。これにより、記憶部202の容量を圧迫することを防ぐことができる。
【0041】
認証装置204が媒体を検知したかどうかを判定する(ステップST102)。ゲート装置20を通行する利用者は、ICカード乗車券、QRコード、バーコード等である媒体を認証装置204の読み取り部に翳す、或いは磁気乗車券等の媒体を読込ませる等、所定の方法で認証装置204に媒体を検知させる。そして、認証装置204は、検知した媒体から媒体情報を読み取る。ここで、媒体情報は、媒体のID、チャージされた金額等を含む。ここで、読取られた媒体情報及び媒体情報を取得した日時は、制御装置201に送信されても良い。なお、認証装置204が媒体を検知しない場合、ステップST101に戻る。
【0042】
認証装置204は、媒体を認証するかどうかを判定する(ステップST103)。第1の通信部として機能する制御装置201は、認証装置204に媒体情報を出力する。認証装置204は、媒体情報に基づいて媒体を認証可能かどうかを判定し、第1の認証結果を制御装置201に出力する。例えば、認証装置204は、媒体情報に含まれる媒体のIDが記憶部202に登録されたIDである場合、媒体を認証可能であると判定し、第1の認証結果を制御装置201に出力する。ここで、第1の認証結果は、媒体を認証したことを示す情報、及び媒体のIDを取得した日時を示す日時情報を含む。第1の通信部として機能する制御装置201は、第1の認証結果を取得する。そして、処理は、ステップST103に進む。
【0043】
一方、例えば、媒体の情報が読み取れなかった、媒体のIDが登録されていない、又はチャージされた金額が所定の金額より少ない場合、認証装置204は、非認証情報である媒体の認証結果を制御装置201に出力する。当該非認証情報は、認証できなかった理由(例えば、媒体の情報が読み取れなかった、媒体のIDが登録されていない、チャージ金額が不足している等)についての情報を含んで良い。非認証情報を受信した制御装置201は、非認証情報に基づいて、利用者が通行を許可できない旨を通知する否定信号を通行制御機構208に送信する。通行制御機構208は、否定信号に基づいてドア23を閉じ利用者の通行が物理的にできなくなる。制御装置201は、通知部209に否定信号を送信しても良い。否定信号を受信した通知部209は、表示部に利用者が通行できない理由を表示し、スピーカを用いて音声で利用者に伝える。そして、処理は終了する。なお、この場合、利用者は、再度正しく媒体を認証装置204の読取り部に検知させる、係員による対応を取る等をすることになる。
【0044】
また、認証動作を中央サーバ30で行うことも可能である。この場合、ステップST103で、制御装置201は、認証情報を中央サーバ30に送信する。そして、上記と同様に、制御装置301は、当該認証情報に基づいて媒体が認証可能かどうかを判定する。
【0045】
制御装置201は、所定の時間分の撮影画像を取得する(ステップST104)。制御装置201は、媒体認証情報を受信する。そして、選択部として機能する制御装置201は、媒体認証情報に含まれる日時情報、すなわち媒体のIDを取得したタイミングである日時を起点とした前後の所定の時間の期間の撮影画像を記憶部202に記憶された画像データから取得する。すなわち、選択部として機能する制御装置201は、カメラ206から出力された撮影データから所定の期間の間の撮影画像を選択する。例えば、所定の時間は、日時情報に含まれる日時から前後それぞれ5秒分の撮影画像であっても良い。或いは、所定の時間は、検知日時情報で示される、人感センサ207が利用者を感知した日時から日時情報までの時間であっても良い。なお、前述の時間は、単なる例であり、所定の時間は、任意の時間であって良く、前後の時間も同じ時間を取得する必要もないし、媒体のIDを取得した日時の前の所定の時間或いは後の所定の時間のみでも良い。
【0046】
制御装置201は、取得した撮影画像を含む撮影画像情報を顔認証装置205に送信する(ステップST105)。第2の通信部として機能する制御装置201は、ステップST104で取得した撮影画像及び媒体認証情報に含まれる媒体情報を含む撮影画像情報を顔認証装置205に出力する。ここで、撮影画像情報は、撮影画像及び媒体のIDのみを含んでも良い。また、顔認証を中央サーバ30で行う場合、制御装置201は、通信部203を通じて、撮影画像情報を中央サーバ30に送信する。
【0047】
顔認証装置205は、撮影画像からベストショット画像を決定する(ステップST106)。顔認証装置205は、撮影画像情報を受信する。そして、顔認証装置205は、利用者の顔が映っている撮影画像を決定する。そして、その中から撮影画像から利用者の顔が最も良く認識可能であるベストショット画像を決定する。例えば、顔認証装置205は、最初に利用者が横又は下を向いている、或いは、目を閉じている画像を除く。そして、例えば、顔認証装置205は、利用者がカメラ206に対して最も正面を向き、目が開いている画像をベストショット画像と決定する。ここで、ベストショット画像は、1枚の画像に限られず複数枚であっても良いのは勿論である。
【0048】
制御装置201は、利用者に通行を許可するかどうかを判定する(ステップST107)。顔認証装置205は、決定したベストショット画像から顔検知を行う。例えば、顔認証装置205は、撮影画像に写っている利用者の顔の形を検知して、利用者の顔の特徴を示す顔データを取得する。そして、顔認証装置205は、顔データベースから撮影画像情報に含まれる媒体のIDに紐付けられている顔データを取得し、これらの顔データの比較、すなわち、顔認証を行う。そして、顔認証装置205は、撮影画像の認証結果(第2の認証結果)を制御装置201に出力する。例えば、顔認証の結果、撮影画像の顔データが顔データベースの顔データに対応していると判定した場合、顔認証装置205は、顔データが顔データベースに登録された顔データと対応していることを示す顔認証情報を制御装置201に出力する。
【0049】
一方、撮影画像の顔データが顔データベースから取得した顔データに対応しないと判定した場合、顔認証装置205は、顔データが顔データベースに登録された顔データと対応していないことを示す顔非認証情報を出力する。そして、顔認証装置205は、顔非認証情報を制御装置201に送信する。この場合、制御装置201は、通行が許可できない旨を利用者に通知するように通知部209を制御する。例えば、制御装置201は、利用者の顔データが認証できない旨を通知部209の表示部に表示すると共に通知部209のスピーカを用いて音声でも伝える。さらに、制御装置201は、通行制御機構208にドア23を閉じるように指示する否定信号を送信する。通行制御機構208は、当該指示に従ってドア23を閉じる又は閉じたままにする。これにより、利用者は、ドア23が閉じられ通行が物理的にできなくなる。そして、処理は終了する。なお、この場合、通行人は、再度撮影画像をカメラ206に撮影させつつ、媒体を認証装置204の読取り部に検知させる、すなわち
図4で示したフローチャートの最初から始める、又は係員による対応を取る等をすることになる。
【0050】
制御装置201は、利用者の通行を許可するように通行制御機構208を制御する(ステップST108)。第2の通信部として機能する制御装置201は、顔認証情報を受信する。受信した顔認証情報に基づいて通行制御機構208を制御する。すなわち、判定部として機能する制御装置201は、第1の認証結果及び第2の認証結果に基づいて通行可否を判定する。例えば、第1の認証結果及び第2の認証結果が共に認証された場合、第3の通信部として動作する制御装置201は、通行制御機構208に許可信号を送信する。例えば、制御装置201は、ドア23を開く又は開いたままにする指示を含む許可信号を通行制御機構208に送信する。通行制御機構208は、当該指示に従ってドア23を開ける又は開けたままにする。また、制御装置201は、通知部209に利用者が通行を許可した旨の情報を送信しても良い。例えば、通知部209は、表示部に通行可能である旨を表示しても良いし、通行可能である旨をスピーカを用いて音声で利用者に伝えても良い。
一方、第1の認証結果又は第2の認証結果の少なくとも一方が非認証であった場合、第3の通信部として機能する制御装置201は、通行制御機構208に否定信号を送信する。例えば、制御装置201は、ドア23を閉じる又は閉じたままにする指示を含む否定信号を通行制御機構208に送信する。通行制御機構208は、当該指示に従ってドア23を閉じる又は閉じたままにする。また、制御装置201は、通知部209に利用者の通行を許可できない旨の情報を送信しても良い。例えば、通知部209は、表示部に通行不可である旨を表示しても良いし、通行不可である旨をスピーカを用いて音声で利用者に伝えても良い。
【0051】
なお、ステップST106及びステップST107は、中央サーバ30の制御装置301が行っても良い。そして、制御装置301は、ステップST106及びステップST107で説明した制御装置201の処理を行う。そして、ステップST107で、制御装置301は、顔認証情報を受信した後、通信部303を通じて、ゲート装置20に顔認証情報を送信する。
【0052】
(第1の実施形態の作用効果)
以上説明した実施形態によれば、カメラ206が出力した画像データから媒体の検知を起点とした所定の期間の間の撮影画像を取得する。これにより、認証後に撮影画像を取得する場合と比較して早く顔認証を終了させることができ、時間節約に貢献することができる。
【0053】
また、所定の時間範囲の中からベストショット画像を選択して顔認証を行うため、顔認証での誤認証を防ぐことができる。
【0054】
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、ゲート装置20が改札機210である場合について説明する。
【0055】
(構成)
第2の実施形態に係る改札機210であるゲート装置20の構成について説明する。
図5は、第2の実施形態に係る改札機210であるゲート装置20の構成例を示すブロック図である。
図5に示すように、改札機210は、制御装置201と、記憶部202と、通信部203と、顔認証装置205と、カメラ206と、人感センサ207と、通行制御機構208と、通知部209と、IC検知部211と、磁気検知部212と、判定処理装置213と、を備える。
【0056】
制御装置201、記憶部202、通信部203、顔認証装置205、カメラ206、人感センサ207、通行制御機構208、及び通知部209は、
図2を用いて説明した構成と同様であるため、ここでの説明を省略する。
【0057】
IC検知部211は、例えば、改札機210上に配置される。そして、IC検知部211は、IC検知部211にICカード乗車券又はICカード乗車券機能を有する携帯端末(以下では単に携帯端末と記載する)等を翳されることでこれらを検知する。IC検知部211は、検知したICカード乗車券又は携帯端末等に記憶された媒体のID、チャージされた金額等についての情報を含む媒体情報を取得する。
【0058】
磁気検知部212は、例えば、改札機210上に配置される。磁気検知部212は、磁気乗車券を挿入する挿入口及び排出口を有する。利用者が券売機等で購入した磁気乗車券を挿入口に挿入すると、磁気検知部212は、磁気乗車券に記憶された媒体のID及び運賃等についての情報を含む媒体情報を取得し、排出口から磁気乗車券を排出する。
【0059】
なお、磁気検知部212は、QRコード等を読み取るコード読取り部であっても良い。この場合、QRコード読取り部に利用者が翳したQRコードを読み取って媒体のID及び運賃等についての情報を含む媒体情報を取得する。
【0060】
判定処理装置213は、改札機210内の任意の場所に設置される。判定処理装置213は、制御装置201内に設けられていても良い。さらに、IC検知部211又は磁気検知部212で読み取られた媒体情報に基づいて媒体を認証可能かどうかを判定する。
【0061】
なお、中央サーバ30は、第1の実施形態と同様のため、ここでの説明を省略する。
【0062】
(動作)
図6は、
図1に示されるゲートシステム10での処理手順の一例を示すフローチャートである。改札機210であるゲート装置20の制御装置201、認証装置204、顔認証装置205、及び判定処理装置213が記憶部202に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このフローチャートの動作が実現される。なお、中央サーバ30の制御装置301、顔認証装置305が記憶部302に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、このフローチャートの一部の動作を実現しても良い。
【0063】
なお、第1の実施形態と同様に、利用者は、乗車券として利用するICカード乗車券、携帯端末、磁気乗車券である媒体のIDに紐付けられた利用者の顔データをアプリケーション、ウェブ、又は券売機に設置されたカメラを利用して事前に登録しているものとする。すなわち、利用者の顔データは、改札機210の記憶部202又は中央サーバ30の記憶部302の顔データベースに登録されているものとする。
【0064】
また、改札機210の記憶部202又は中央サーバ30の記憶部302は、改札機210を通行可能な乗車券のIDを記憶していても良い。
【0065】
最初に、改札機210が起動する、或いは、人感センサ207によって利用者を感知するとこのフローチャートが開始される。なお、人感センサ207は、利用者を感知すると、利用者を感知した日時についての情報を含む感知日時情報を出力し、記憶部202に当該感知日時情報を記憶する。
【0066】
カメラ206は、画像を撮影する(ステップST201)。カメラ206は、改札機210が起動すると常に画像を撮影し、画像データを取得する。或いは、人感センサ207によって利用者が感知されると、人感センサ207は、感知情報を出力する。カメラ206は、当該感知情報に基づいて画像の撮影を開始し、画像データを出力する。カメラ206は、通路を通行する利用者の顔が撮影範囲に入るように撮影する。例えば、カメラ206は、大人から子供の顔が撮影できるように所定の位置から撮影する。また、制御装置201は、カメラ206から出力された画像データと撮影日時とを関連付けて記憶部202に記憶する。なお、記憶された画像データは、一定時間後(例えば、1時間後)に削除しても良い。これにより、記憶部202の容量を圧迫することを防ぐことができる。
【0067】
IC検知部211又は磁気検知部212は、乗車券を検知したかどうかを判定する(ステップST202)。改札機210を通行する利用者は、乗車券であるICカード乗車券又は携帯端末をIC検知部211に翳す。ICカード乗車券又は携帯端末がIC検知部211に翳されると、IC検知部211は、ICカード乗車券又は携帯端末に記憶された乗車券ID、チャージされた金額等についての情報を含む媒体情報を取得し、媒体を検知した日時を示す日時情報を出力する。そして、IC検知部211は、取得した媒体情報及び日時情報を含む第1の認証結果(乗車券情報)を判定処理装置213に送信する、或いは、利用者が磁気乗車券を磁気検知部212の挿入口に挿入した場合、磁気検知部212は、磁気乗車券に記憶された乗車券ID及び運賃情報についての情報を含む媒体情報を取得し、検知した日時についての日時情報を出力する。そして、磁気検知部212は、取得した媒体情報及び日時情報(乗車券情報)を含む乗車券情報を判定処理装置213に送信する。なお、認証装置204が媒体を検知しない場合、ステップST101に戻る。
【0068】
判定処理装置213は、乗車券を認証するかどうかを判定する(ステップST203)。認証装置204は、第1の通信部として機能する制御装置は、判定処理装置213に乗車券情報を出力する。そして、判定処理装置213は、乗車券に基づいて媒体を認証可能かどうかを判定し、第1の認証結果を制御装置201出力する。例えば、判定処理装置213は、媒体情報に含まれる媒体のIDが記憶部202に登録されたIDである又はチャージされた金額が所定の金額以上である、又は磁気乗車券が所定の運賃内である等の場合、媒体を認証可能であると判定し、第1の認証結果を制御装置201に出力する。ここで、第1の認証結果は、乗車券を認証したことを示す情報、及び日時情報を含む乗車券認証情報を制御装置201に出力する。そして、処理は、ステップST103に進む。なお、感知日時情報が記憶部202に記憶されている場合、乗車券認証情報は、当該感知日時情報を含んでも良い。
【0069】
一方、例えば、IC検知部211に翳されたICカード乗車券又は携帯端末から媒体情報が読み取れなかった、又はチャージされた金額が所定の金額より少ない場合、判定処理装置213は、検知された乗車券を認証できないと判定し、判定結果を制御装置201に出力する。この場合、判定処理装置213は、制御装置201に認証できなかった理由(例えば、媒体の情報が読み取れなかった、又はチャージ金額が不足している等)についての情報を含む非認証情報を制御装置201に出力する。非認証情報を受信した制御装置201は、非認証情報に基づいて、利用者が通行を許可できない旨を通知する情報を通知部209に送信する。例えば、制御装置201は、IC検知部211がICカード乗車券等の情報を読み取れなかった旨を通知部209の表示部に表示し、通知部209のスピーカを用いて音声で利用者に伝える信号を通知部209に送信する。さらに、制御装置201は、ドア23を閉じるように通行制御機構208を制御する制御信号を通行制御機構208に送信する。これにより、利用者は、ドア23が閉じられ通行が物理的にできなくなる。そして、処理は終了する。なお、この場合、利用者は、再度正しくIC検知部211にICカード乗車券又は携帯端末を翳す、又は係員による対応を取る等をすることになる。
【0070】
ステップST204~ステップST208は、第1の実施形態で説明したステップST104~ステップST108と同じであるため、説明を省略する。
【0071】
なお、ステップST206及びステップST207は、中央サーバ30の制御装置301が行っても良い。そして、制御装置301は、ステップST206及びステップST207で説明した制御装置201の処理を行う。そして、ステップST207で、制御装置301は、顔認証情報を受信した後、通信部303を通じて、ゲート装置20に顔認証情報を送信する。
【0072】
(第2の実施形態の作用効果)
以上説明した実施形態によれば、カメラ206が出力した画像データから媒体の検知を起点とした所定の期間の間の撮影画像を取得する。これにより、認証後に撮影画像を取得する場合と比較して早く顔認証を終了させることができ、時間節約に貢献することができる。
【0073】
また、所定の時間範囲の中からベストショット画像を選択して顔認証を行うため、顔認証での誤認証を防ぐことができる。
【0074】
[第3の実施形態]
第3の実施形態は、ゲート装置20が、チケットが転売されたものでないかをチェックするチケットチェック装置220である場合について説明する。
【0075】
(構成)
第3の実施形態に係るチケットチェック装置220であるゲート装置20の構成について説明する。
【0076】
図7は、第2の実施形態に係るチケットチェック装置220であるゲート装置20の構成例を示すブロック図である。
図7に示すように、チケットチェック装置220は、制御装置201と、記憶部202と、通信部203と、顔認証装置205と、カメラ206と、人感センサ207と、通行制御機構208と、通知部209と、チケット認証装置221と、を備える。
【0077】
制御装置201、記憶部202、通信部203、顔認証装置205、カメラ206、人感センサ207、通行制御機構208、及び通知部209は、
図2を用いて説明した構成と同様であるため、ここでの説明を省略する。
【0078】
チケット認証装置221は、例えば、チケットチェック装置220上に配置される。そして、チケット認証装置221は、チケットに印字されたバーコード、QRコード等をチケット認証装置221が翳されることでチケットを検知する。チケット認証装置221は、翳されたバーコード、QRコード等から媒体のIDについての情報を含む媒体情報を取得する。そして、チケット認証装置221は、媒体情報に基づいて媒体を認証可能かどうかを判定する。
【0079】
なお、中央サーバ30は、第1の実施形態と同様のため、ここでの説明を省略する。
【0080】
(動作)
図8は、
図1に示されるゲートシステム10での処理手順の一例を示すフローチャートである。チケット認証装置221であるゲート装置20の制御装置201、認証装置204、顔認証装置205、及びチケット認証装置221が記憶部202に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このフローチャートの動作が実現される。なお、中央サーバ30の制御装置301、顔認証装置305が記憶部302に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、このフローチャートの一部の動作を実現しても良い。
【0081】
なお、第1の実施形態と同様に、利用者は、チケットに紐付けられた利用者の顔データをアプリケーション又はウェブを利用して事前に登録しているものとする。すなわち、利用者の顔データは、チケットチェック装置220の記憶部202又は中央サーバ30の記憶部302の顔データベースに登録されているものとする。
【0082】
また、チケットチェック装置220の記憶部202又は中央サーバ30の記憶部302は、ゲート装置20を通行可能なチケットのIDを記憶していても良い。
【0083】
最初に、チケットチェック装置220が起動する、或いは、人感センサ207によって利用者を感知するとこのフローチャートが開始される。なお、人感センサ207は、利用者を感知すると、利用者を感知した日時についての情報を含む感知日時情報を出力し、記憶部202に当該感知日時情報を記憶する。
【0084】
カメラ206は、画像を撮影する(ステップST301)。カメラ206は、チケットチェック装置220が起動すると常に画像を撮影し、画像データを取得する。或いは、人感センサ207によって利用者が感知されると、人感センサ207は、感知情報を出力する。カメラ206は、当該感知情報に基づいて画像の撮影を開始し、画像データを出力する。カメラ206は、通路を通行する利用者の顔が撮影範囲に入るように撮影する。例えば、カメラ206は、大人から子供の顔が撮影できるように所定の位置から撮影する。また、制御装置201は、カメラ206から出力された画像データと撮影日時とを関連付けて記憶部202に記憶する。なお、記憶された画像データは、一定時間後(例えば、1時間後)に削除しても良い。これにより、記憶部202の容量を圧迫することを防ぐことができる。
【0085】
チケット認証装置221は、チケットを検知したかどうかを判定する(ステップST302)。チケットチェック装置220を通行する利用者は、チケットをチケット認証装置221に翳す。チケットがチケット認証装置221に翳されると、チケット認証装置221は、チケットのバーコード又はQRコード等からチケットのIDである媒体のIDを含む媒体情報を取得し、検知した日時を示す日時情報を出力する。そして、IC検知部211は、取得した媒体情報及び日時情報を含むチケット情報を制御装置201に出力する。なお、認証装置204が媒体を検知しない場合、ステップST101に戻る。
【0086】
チケット認証装置221は、チケットを認証するかどうかを判定する(ステップST203)。第1の通信部として機能する制御装置201は、チケット認証装置221にチケット情報を出力する。チケット認証装置221は、チケット情報に基づいてチケットが認証可能かどうかを判定し、第1の認証結果を制御装置201に出力する。例えば、チケット認証装置221は、チケット情報に含まれる媒体のIDが記憶部202に登録されたIDと同一である等の場合、チケットを認証可能であると判定し、第1の認証結果を出力する。この場合、チケット認証装置221は、チケットを認証したことを示す情報、及び日時情報を含むチケット認証情報を制御装置201に出力する。そして、処理は、ステップST103に進む。なお、感知日時情報が記憶部202に記憶されている場合、チケット認証情報は、当該感知日時情報を含んでも良い。
【0087】
一方、例えば、チケット認証装置221に翳されたチケットから媒体情報が読み取れなかった、又はチケットから取得した媒体のIDが記憶された媒体のIDと異なる場合、チケット認証装置221は、チケットを認証できないと判定し、非認証情報である媒体の認証結果を制御装置201に出力する。当該非認証情報は、制御装置201に認証できなかった理由(例えば、チケットの媒体情報が読み取れなかった、又は媒体のIDが記憶された媒体のIDと異なっている等)についての情報を含んで良い。非認証情報を受信した制御装置201は、非認証情報に基づいて、利用者が通行を許可できない旨を通知する否定信号を通行制御機構208に送信する。制御装置201は、通知部209に否定信号を送信しても良い。否定信号を受信した通知部は、表示部に利用者が通行でできない理由を表示し、スピーカを用いて音声で利用者に伝える。そして、処理は終了する。なお、この場合、利用者は、再度正しく媒体を認証装置204の読取り部に検知させる、係員による対応を取る等をすることになる。
【0088】
ステップST304~ステップST308は、第1の実施形態で説明したステップST104~ステップST108と同じであるため、説明を省略する。
【0089】
なお、ステップST306及びステップST307は、中央サーバ30の制御装置301が行っても良い。そして、制御装置301は、ステップST306及びステップST307で説明した制御装置201の処理を行う。そして、ステップST307で、制御装置301は、顔認証情報を受信した後、通信部303を通じて、ゲート装置20に顔認証情報を送信する。
【0090】
(第3の実施形態の作用効果)
以上説明した実施形態によれば、カメラ206が出力した画像データから媒体の検知を起点とした所定の期間の間の撮影画像を取得する。これにより、認証後に撮影画像を取得する場合と比較して早く顔認証を終了させることができ、時間節約に貢献することができる。
【0091】
また、所定の時間範囲の中からベストショット画像を選択して顔認証を行うため、顔認証での誤認証を防ぐことができる。
【0092】
[他の実施形態]
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、ゲート装置20は、所定のビルへの入場又は出場を制御するゲート装置20であっても良い。また、チケットチェック装置220は、ライブ会場の入出場を制御するものに限られず、飛行機の搭乗の際のチケットチェックのための装置等であっても良い。
【0093】
要するに、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施しても良く、その場合組み合わせた効果が得られる。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。
【符号の説明】
【0094】
10…ゲートシステム
20…ゲート装置
21…カメラ
22…認証装置
23…ドア
201…制御装置
202…記憶部
203…通信部
204…認証装置
205…顔認証装置
206…カメラ
207…人感センサ
208…通行制御機構
209…通知部
210…改札機
211…IC検知部
212…磁気検知部
213…判定処理装置
220…チケットチェック装置
221…チケット認証装置
30…中央サーバ
301…制御装置
302…記憶部
303…通信部
304…認証装置
305…顔認証装置
306…表示部