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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】窓
(51)【国際特許分類】
   E06B 1/70 20060101AFI20241209BHJP
   E06B 1/34 20060101ALI20241209BHJP
   E06B 1/36 20060101ALI20241209BHJP
   E06B 5/16 20060101ALI20241209BHJP
【FI】
E06B1/70 A
E06B1/34 Z
E06B1/36 Z
E06B5/16
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021105226
(22)【出願日】2021-06-24
(65)【公開番号】P2023003876
(43)【公開日】2023-01-17
【審査請求日】2023-12-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100184066
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 恭
(72)【発明者】
【氏名】新口 貴之
(72)【発明者】
【氏名】田中 亮太
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-23575(JP,U)
【文献】特開2016-37782(JP,A)
【文献】特開2012-136927(JP,A)
【文献】特開2012-197569(JP,A)
【文献】米国特許第6434789(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 1/00-1/70
E06B 5/16
E05D 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠体と、障子を備え、
枠体の下枠は、障子を案内する下レールを有しており、
下レールの長手方向中央部分の室外側にレール補強材が配置されており、
レール補強材は下レールの室外側において下枠の室外に面している壁に固定されている窓。
【請求項2】
枠体と、障子を備え、
枠体の下枠は、障子を案内する下レールを有しており、
下レールの長手方向中央部分の室外側にレール補強材が配置されており、
レール補強材の固定部は下レールの室外側に支持された室外側アタッチメントに覆われている窓。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の開口部に設けられる窓に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の開口部に配置される枠体の内周に障子が配置されてなる窓が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-287311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、上記特許文献1に記載された窓においても、防火性能の向上が求められている。
本発明は、建物の開口部に配置される窓に対して、強度を高め防火性能を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の窓は、枠体と、障子を備え、枠体の下枠は、障子を案内する下レールを有しており、下レールの長手方向中央部分の室外側にレール補強材が配置されているおり、レール補強材は下レールの室外側において下枠の室外に面している壁に固定されている窓である。
また、実施形態の窓は、枠体と、障子を備え、枠体の下枠は、障子を案内する下レールを有しており、下レールの長手方向中央部分の室外側にレール補強材が配置されており、レール補強材の固定部は下レールの室外側に支持された室外側アタッチメントに覆われている窓である。
【発明の効果】
【0006】
本実施形態の窓によれば強度を高め防火性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態の窓の竪断面図である。
図2】一実施形態の窓の横断面図である。
図3】一実施形態の窓の下枠の図であり、(a)は下枠の竪断面図であり、(b)は補強部材の斜視図である。
図4】一実施形態の窓の下框の一部竪断面図であり、(a)は下框の一部拡大縦断面図であり、(b)はガラス下り防止部品の一部斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
一実施形態の窓について、枠体の内周に内、外障子を引き違い自在に支持してなる引き違い窓の例を用いて、図面を参考にして説明する。
【0009】
(全体の構成)
本実施形態の窓は、図1,2に示すように、上枠11、下枠12及び左、右竪枠13,14を四周に組んで枠体1が形成されており、枠体1の内周に内、外障子2,3及び網戸障子4が摺動自在に設けられている。
【0010】
内障子2は、上框21、下框22及び左、右竪框23,24をそれぞれ四周に組んで内周にパネル体25を嵌め込んで形成されており、外障子3は、上框31、下框32及び左、右竪框33,34をそれぞれ四周に組んで内周にパネル体35を嵌め込んで形成されている。
【0011】
(枠体)
枠体1を構成する上枠11は、図1に示すように、建物の開口部Aの室内側内周に配置されるアルミ製の室内側上枠111と、建物の開口部Aの室外側内周に配置されるアルミ製の室外側上枠112と、室内側上枠111と室外側上枠112を連結する樹脂製のブリッジ部材113を有している。
【0012】
室内側上枠111は、開口部Aの内周面に対向する見込壁111aと、見込壁111aの室内側端に連設される室内側見付壁111bと、見込壁111aの室外側内周面から下方に延びる上内レール111cを有している。
【0013】
室内側上枠111の上内レール111cの下端から見込壁111aの下面、室内側見付壁111bの下端にかけて室内側樹脂上枠114が配置されており、室内側上枠111と室内側樹脂上枠114は、開口部Aの内周壁にビス等の固定手段b11によって固定されている。
【0014】
室内側樹脂上枠114は、室内側上枠111の室内側見付壁111bの下端からさらに下方に延設された後に室内側に屈曲して延びるアングル部114bを有しており、アングル部114bが開口部Aに配置される額部材Bにビス等の固定手段b12によって固定されている。
【0015】
室外側上枠112は、二つの中空部を有する見込壁112aと、見込壁112aの室外側端に連設される室外側見付壁112bと、見込壁112aの室外側下面より下方に延びる上外レール112cと、見込壁112aの外周面から外周方向に延びる取付片112dを有しており、取付片112dが開口部Aの室外側面にビス等の固定手段b13によって固定されている。
【0016】
上枠11は、内、外障子2,3の召合部の上方に位置する部分に図示しない風止め部材が設けられており、風止め部材から左竪枠13の間の下面には、上内レール111cから上外レール112cにかけて樹脂カバー115が配置されている。
【0017】
枠体1を構成する下枠12は、図1に示すように、アルミ製の下枠本体121と、下枠本体121の室内側の上面に配置される樹脂製の室内側カバー部材122と、下枠本体121の室内側に配置されるアングル部材123と、下枠本体121の上面に配置されるアルミ製のレール間アタッチメント125と、下枠本体121の室外側の上面に配置されるアルミ製の室外側アタッチメント126を有しており、上面がほぼフラットに形成されている。
【0018】
下枠本体121は、中空部を有する下枠本体部121aと、下枠本体部121aの室内側端に連設される室内側見付壁121bと、下枠本体部121aの室内側上面より立ち上がる下内レール(下レール)121cと、下枠本体部121aの室外側上面より立ち上がる下外レール(下レール)121dと、下枠本体部121aの室外側面から室外方向に延びる室外側底壁121eと、室外側底壁121eの室外側端から上方に延びる室外側見付壁121fと、下枠本体部121aから下方に延びる取付片121hと、室内側見付壁121bの下端に連続する室内側取付片121iを有している。
下枠本体121は、取付片121h及び室内側取付片121iがビス等の固定手段b21,b22によって開口部Aに固定されている。
【0019】
室内側カバー部材122は、下枠本体121の室内側見付壁121bと下内レール121cとの間に配置されており、アングル部材123は、下枠本体121の室内側見付壁121bの室内側に配置されている。
【0020】
レール間アタッチメント125は、下内レール121cと下外レール121dとの間に配置されており、下内レール121cとレール間アタッチメント125との間に内障子2の下框22の垂下片221cを案内する案内溝12aが形成されている。
【0021】
室外側アタッチメント126は、上面に網戸案内溝126d(図3参照)を有しており、下枠本体部121aの室外側面、室外側底壁121e及び室外側見付壁121fによって形成される室外側凹部121gの上方に取り付けられており、室外側アタッチメント126と下外レール121dの間に外障子3の下框32の垂下片321cを案内する案内溝12bが形成されている。
【0022】
下枠12は、室外側凹部121gの上方に室外側アタッチメント126が取り付けられることで室外側中空部12cが形成されており、室外側中空部12cは、下枠12の左右に固定される左、右竪枠13,14よりも室外側に突出して形成されている。
下枠12は、下枠本体121の中空部内の水を排水する排水孔を有しており、排水孔に逆止弁12dが取り付けられている。
【0023】
枠体1を構成する左竪枠13は、図2に示すように、アルミ製の左竪枠本体131と、樹脂製の樹脂左竪枠132を有している。
【0024】
左竪枠本体131は、開口部Aに固定される見込壁131aと、見込壁131aの室内側端から見付け方向に延びる室内側見付壁131bと、見込壁131aの室外側端から見付け方向に延びる室外側見付壁131cと、見込壁131aの見込方向で中央付近から内周方向に延びる中央見付壁131dと、見込壁131aの室外側内周面から内周方向に延びる引寄せ壁131eと、見込壁131aの室内寄り外周面から外周方向に延びる取付片131fを有している。
左竪枠本体131は、取付片131fが開口部Aの室外側面にビス等の固定手段b32によって固定されている。
【0025】
樹脂左竪枠132は、左竪枠本体131の室内側見付壁131bと中央見付壁131dの間の内周側に配置されており、左竪枠本体131の見込壁131aと樹脂左竪枠132は、開口部Aの内周面にビス等の固定手段b31によって固定されている。
樹脂左竪枠132は、アングル部132aを有しており、アングル部132aがビス等の固定手段b33によって額部材Bに固定されている。
【0026】
枠体1を構成する右竪枠14は、図2に示すように、アルミ製の右竪枠本体141と、樹脂製の樹脂右竪枠142を有している。
【0027】
右竪枠本体141は、開口部Aに固定される見込壁141aと、見込壁141aの室内側端から見付け方向に延びる室内側見付壁141bと、見込壁141aの室外側端から見付け方向に延びる室外側見付壁141cと、見込壁141aの見込方向で中央付近から内周方向に延びる中央見付壁141dと、見込壁141aの室内側内周面から内周方向に延びる引寄せ壁141eと、見込壁141aの室内寄り外周面から外周方向に延びる取付片141fを有している。
右竪枠本体141は、取付片141fが開口部Aの室外側面にビス等の固定手段b42によって固定されている。
【0028】
樹脂右竪枠142は、右竪枠本体141の室内側見付壁141bと引寄せ壁141eの間の内周側に配置されており、右竪枠本体141の見込壁141aと樹脂右竪枠142が開口部Aの内周面にビス等の固定手段b41によって固定されている。
樹脂右竪枠142は、アングル部142aを有しており、アングル部142aがビス等の固定手段b43によって額部材Bに固定されている。
【0029】
(障子)
内障子2及び外障子3は、図1,2に示すように、上、下框及び戸先框が同様の構成をしているので、ここでは内、外障子について、主に内障子2を用いて説明し、外障子3については、内障子2と異なる構成について説明する。
【0030】
内障子2を構成する上框21は、図1に示すように、アルミ製の金属上框211と樹脂製の樹脂上框212を有している。
金属上框211は、中空部を有する上框本体部211aと、上框本体部211aの室外側から内周方向に延びる室外側ガラス間口壁211bと、上框本体部211aの外周側に連続するレール案内部211cを有している。
【0031】
樹脂上框212は、金属上框211の室内側に取付けられ、上框本体部211a及びレール案内部211cの室内側を覆う複数の中空部を有する樹脂上框本体212aと、樹脂上框本体212aの内周方向に連続する室内側ガラス間口壁212bを有している。
【0032】
上框21は、金属上框211の室外側ガラス間口壁211bと樹脂上框212の室内側ガラス間口壁212bによってガラス間口が形成されており、ガラス間口内にはガラスの外れ(脱落)を防止するガラス間口補強材が配置されるとともに、グレイングチャンネルを介してパネル体25が保持されている。
【0033】
上框21は、レール案内部211cの内側に加熱発泡材fが設けられており、ガラス間口の内側に加熱発泡材fが設けられている。
【0034】
内障子2を構成する下框22は、図1に示すように、アルミ製の金属下框221と樹脂製の樹脂下框222を有している。
金属下框221は、複数の中空部を有する下框本体部221aと、下框本体部221aの室外側から内周方向に延びる室外側ガラス間口壁221bと、下框本体部221aの室外側から下方に延びる垂下片221cを有しており、下框本体部221aの下方の中空部から垂下片221cの室内側にかけて戸車9が配置されている。
【0035】
樹脂下框222は、複数の中空部を有し金属下框221の下框本体部221aの室内側を覆う樹脂下框本体222aと、樹脂下框本体222aの内周方向に連続する室内側ガラス間口壁222bを有している。
【0036】
下框22は、金属下框221の室外側ガラス間口壁221bと樹脂下框222の室内側ガラス間口壁222bによってガラス間口が形成されており、ガラス間口内にはガラス下がり防止部品及びガラス間口補強材が配置されるとともに、グレイングチャンネルを介してパネル体25が保持されている。
【0037】
下框22は、金属下框221の室内側の下面に加熱発泡材fが設けられており、ガラス間口の内側及びガラス下がり防止部品の下面に加熱発泡材fが設けられている。
【0038】
内障子2を構成する左竪框(召合框)23は、図2に示すように、アルミ製の金属左竪框231と樹脂製の樹脂左竪框232を有している。
金属左竪框231は、見込み方向に並ぶ2つの中空部を有する左竪框本体部231aと、左竪框本体部231aの室外側内周面から内周方向に延びる室外側ガラス間口壁231bを有している。
【0039】
樹脂左竪框232は、金属左竪框231の外周側及び室内側に取付けられ、左竪框本体部231aの外周側を覆う見込壁部232aと、左竪框本体部231aの室内側を覆う見付壁部232bと、見付壁部232bの内周側に連続する複数の中空部を有する室内側ガラス間口壁232cを有している。
【0040】
左竪框23は、金属左竪框231の室外側ガラス間口壁231bと樹脂左竪框232の室内側ガラス間口壁232cによってガラス間口が形成されており、ガラス間口内にはガラス間口補強材が配置されるとともに、グレイングチャンネルを介してパネル体25が保持されている。
【0041】
金属左竪框231は、左竪框本体部231aの室外側の中空部に室外側に開口する断面略U字状のスチール製の補強材8が配置されており、補強材8はガラス間口の底壁に対してビス等によって固定されている。
【0042】
左竪框23は、左竪框本体部231aの室外側に加熱発泡材fが設けられており、左竪框本体部231aの中空部に配置される補強材8に加熱発泡材fが設けられている。
【0043】
内障子2を構成する右竪框(戸先框)24は、図2に示すように、アルミ製の金属右竪框241と樹脂製の樹脂右竪框242を有している。
金属右竪框241は、中空部を有する右竪框本体部241aと、右竪框本体部241aの室外側から内周方向に延びる室外側ガラス間口壁241bと、右竪框本体部241aの外周側に連続する戸先側溝部241cを有している。
【0044】
樹脂右竪框242は、金属右竪框241の室内側に取付けられ、右竪框本体部241a及び戸先側溝部241cの室内側を覆う樹脂右竪框本体242aと、樹脂右竪框本体242aの内周方向に連続する室内側ガラス間口壁242bを有している。
【0045】
右竪框24は、金属右竪框241の室外側ガラス間口壁241bと樹脂右竪框242の室内側ガラス間口壁242bによってガラス間口が形成されており、ガラス間口内にはガラス間口補強材が配置されるとともに、グレイングチャンネルを介してパネル体25が保持されている。
【0046】
金属右竪框241は、右竪框本体部241aの中空部にスチール製の補強材8が配置されており、補強材8はガラス間口の底壁に対してビス等によって固定されている。
右竪框24は、戸先側溝部241cの内側に加熱発泡材fが設けられている。
【0047】
外障子3を構成する右竪框(召合框)34は、図2に示すように、アルミ製で中空部を有する右竪框本体部341aと、右竪框本体部341aの内周側に連続するガラス間口を有している。
【0048】
右竪框本体部341aは、右竪框本体部341aの中空部にスチール製の補強材8が配置されており、補強材8はガラス間口の底壁に対してビス等によって固定されている。
右竪框34は、右竪框本体部341aの室内側に加熱発泡材fが設けられている。
【0049】
外障子3を構成する上、下框31,32及び左竪框(戸先框)33については、内障子2と構成が同様であるので、その説明は省略する。
【0050】
(網戸)
網戸障子4は、図1,2に示すように、アルミ製の網戸上框41と、網戸下框42と、左右の網戸竪框43,43を四周に組んでなる網戸枠に網体が張設して形成されている。
網戸障子4は、網戸下框42の室外側壁が下方に延設されてなる案内片42aを有しており、網戸下框42に戸車94が設けられている。
【0051】
網戸障子4は、網戸下框42の案内片42aが下枠12の網戸案内溝126d(図3参照)に案内されるとともに、網戸上框41が上枠11の室外側見付壁112bに案内され、下枠12の室外側アタッチメント126の上面に摺動自在に配置されている。
【0052】
以上、基本的な構成について説明したように、本実施形態の窓は、下枠の上面がほぼフラットに形成されており、人等の出入りをスムーズにしている。
そして、本実施形態の窓は、下枠に対して防火性能を向上させている。
以下、本実施形態の窓の下枠について、詳細に説明する。
【0053】
-下枠の構成-
本実施形態の窓の下枠12は、図3(a)に示すように、下枠本体121と、下枠本体121の室内側の上面に配置される樹脂製の室内側カバー部材122と、下枠本体121の室内側に配置される樹脂製のアングル部材123と、下枠本体121の上面に配置されるレール間アタッチメント125と、下枠本体121の室外側の上面に配置される室外側アタッチメント126を有している。
【0054】
下枠本体121は、下枠本体部121aの中空部内に補強材821が配置されており、補強材821は下枠本体121の上壁にビスbによって固定されている。下枠12は、補強材821に中空部内で発泡する加熱発泡材f1,f2が設けられ、排水孔に向かって発泡する加熱発泡材f3が設けられている。
【0055】
室内側カバー部材122は、下枠12の上面を形成する上壁部122aと、上壁部122aの室外側から下方に延びる支持脚122bを有している。
室内側カバー部材122は、上壁部122aの室内側端部が下枠本体121の室内側見付壁121bの上端に係合されるとともに、支持脚122bによって室外側が支持されて下枠本体121に取り付けられている。
室内側カバー部材122は、上壁部122aの下面に加熱発泡材f4が設けられている。
【0056】
レール間アタッチメント125は、アルミ製の上壁部125aと、上壁部125aの室内側から下方に延びる室内側支持脚125bと、上壁部125aの室外側から下方に延びる室外側支持脚125cと、上壁部125aの上面を覆う樹脂カバー125dを有しており、下内レール121cと下外レール121dとの間で下枠本体121の上面に支持されている。
【0057】
レール間アタッチメント125は、上壁部125aの上面及び室外側支持脚125cの室外側に加熱発泡材を配置する収容部が形成されており、それぞれ加熱発泡材f5,f6が設けられているとともに、下外レール121dの室内側面に加熱発泡材f7が設けられている。
【0058】
下枠12は、下内レール121cとレール間アタッチメント125の室内側支持脚125bとの間に案内溝12aが形成されており、下内レール121cの室外側面に気密材s21及び加熱発泡材f8が設けられている。
【0059】
室外側アタッチメント126は、上壁部126bと、上壁部126bの室内側から下方に延びる室内側見付壁126aと、上壁部126bの室外側に連続する係止片126cを有している。
室外側アタッチメント126は、室内側見付壁126aに後述するレール補強材822が貫通する貫通部が形成されており、上壁部126bに網戸案内溝126dが形成されている。
【0060】
室外側アタッチメント126は、係止片126cが下枠本体121の室外側見付壁121fの上方部分に係止され、室内側見付壁126aが下枠本体121の室外側底壁121eの上面に載置されて取り付けられており、下枠本体121と室外側アタッチメント126によって室外側中空部12cが形成されている。
【0061】
下枠12は、下外レール121dと室外側アタッチメント126の室内側見付壁126aとの間に案内溝12bが形成されており、下外レール121dの室外側面に気密材s22が設けられ、室外側アタッチメント126の室内側見付壁126aの室内側面に長手方向全長に亘って加熱発泡材f9が設けられている。
【0062】
下枠12は、下外レール121dの室外側で長手方向中央部分にレール補強材822が配置されている。
レール補強材822は、図3(a),(b)に示すように、下枠12の見付長さよりも短い寸法を有し、下外レール121dの室内側面に当接する支持壁(室内側見付壁)822aと、支持壁822aの下端が屈曲して室外方向に伸びる室内側見込壁822bと、室内側見込壁822bの室外側端が屈曲して下方に延びる室外側見付壁822cと、室外側見付壁822cの下端が屈曲して室外方向に延びる固定部(室外側見込壁)822dを有している。
【0063】
レール補強材822は、固定部822dが下枠本体121の室外側底壁121eの上面にビスbによって固定され、室外側見付壁822c及び室内側見込壁822bが室外側アタッチメント126の貫通部を通って下外レール121dに至っており、支持壁822aの室内側面が下外レール121dの室外側面に当接して配置されている。
【0064】
下枠12は、室外側アタッチメント126の上壁部126bの下面で見付方向(左右方向)で中央付近に加熱発泡材f10が設けられており、レール補強材822の室外側見付壁822cの室外側面に加熱発泡材f11が設けられている。
【0065】
以上のように、本実施形態の窓は、下枠12の下外レール121dの室外側にレール補強材822が取り付けられており、下外レール121dを補強しているので、室外側の火災時に各部材の熱伸びや外障子3の荷重等によって下外レール121dが室外側に倒れることを抑制し、外障子3の脱落を抑制することができる。
【0066】
特に、本実施形態の窓は、室外側の火災時に最も室外側に倒れやすい下外レール121dの中央部分をレール補強材822によって集中的に補強することで、余分な材料を用いることなく、効率的に防火性能を向上させることができる。
【0067】
また、本実施形態の窓は、下外レール121dを補強するレール補強材822を室外側中空部12c内において下枠本体121に固定しているので、下枠12の室外側中空部12c自体を補強することができ、レール補強材822の取付部分が露出せずに保護されるとともに、意匠性も優れている。
【0068】
そして、本実施形態の窓は、レール補強材822に室外側中空部12c内に向かって発泡する加熱発泡材f11を設けることで、火災時に、レール補強材822の固定部822dを保護することができ、併せて室外側中空部12cを保護することができ、防火性をさらに向上させることができる。
【0069】
また、本実施形態の窓は、下枠12の室外側アタッチメント126 の室内側見付壁126aの室内側面に下枠12の全長に亘って加熱発泡材f9が設けられているので、火災時に外障子3の案内溝12bにおいて外障子3の下端と下枠12との間を封鎖することができ、上壁部126bの下面の見付け方向中央付近に加熱発泡材f10が配置されているので、火災時に室外側中空部12c内に充満してレール補強材822を保護すると共に、室外側中空部12cの形状維持を助け、防火性能を高めることができる。
【0070】
-障子の下框の構成-
本実施形態の窓は、障子の下框に対して防火性能を向上させている。
以下、本実施形態の窓の障子の下框について、内障子2の下框22を参考にして、詳細に説明する。
【0071】
本実施形態の窓の内障子2の下框22は、図4(a)に示すように、アルミ製の金属下框221と樹脂製の樹脂下框222を有している。
金属下框221は、下框本体部221aの上面に左、右竪框23,24を連結するためのビスホール221dを有しており、下框本体部221aの上面の室外側端に内周方向に延びる室外側ガラス間口壁221bが設けられ、下框本体部221aの上面の室内側端に内周方向(上方)に延びる係合片221eが設けられている。
【0072】
樹脂下框222は、金属下框221の下框本体部221aの室内側を覆う樹脂下框本体222aを有し、樹脂下框本体222aの上面の室内側端に内周方向に延びる室内側ガラス間口壁222bが設けられ、樹脂下框本体222aの上面の室外側端に外周方向(下方)に延びる係合片222eが設けられている。
【0073】
下框22は、金属下框221の係合片221eに対して樹脂下框222の係合片222eが上方から係合しており、金属下框221の室外側ガラス間口壁221bと樹脂下框222の室内側ガラス間口壁222bによってガラス間口22aが形成されている。
【0074】
ガラス間口22aは、底面において樹脂下框本体222aの上面が下框本体部221aの上面高さよりも高く位置しており、金属下框221の上面のビスホール221dの上端と樹脂下框222の上面がほぼ同一高さとなっている。
【0075】
下框22は、ガラス間口22a内にガラス下がり防止部品61と、ガラス間口補強材62と、グレイジングチャンネル63が配置され、複層ガラスからなるパネル体25を保持している。
【0076】
ガラス下がり防止部品61は、スチール等の金属製の長尺部材であり、図4(a)(b)に示すように、天板部61aと、天板部61aの一辺(室外側辺)が屈曲して下方に延びる室外側脚部61bと、天板部61aの他辺(室内側辺)側が下方に屈曲して下方に延びる室内側脚部61cと、室内側脚部61cの一部分を屈曲することなく他方側に延ばしてなる水平片61dを有している。
ガラス下がり防止部品61は、長手方向で水平片61dの位置にあわせて、天板部61aに固定のためのビス孔61eを有している。
【0077】
ガラス下がり防止部品61は、ガラス間口22a内に天板部61aを上にして配置されており、水平片61dが樹脂下框本体222aの上方位置に配置され、室外側脚部61bと室内側脚部61cが樹脂下框本体222aの室外側で下框本体部221aの上方に配置されている。
【0078】
ガラス下がり防止部品61は、樹脂下框本体222aの室外側において、室外側脚部61bと室内側脚部61cがビスホール221dを挟んで室内外に位置しており、ビスホール221d上に載置されている。
【0079】
ガラス間口補強材62は、ステンレス等の金属製の長尺部材であり、底面部62aと、底面部62aの室内外両側から立ち上がる立上り壁62b,62bを有する断面略U字状の長尺部材であって、ガラス下がり防止部品61の天板部61a及び水平片61dの上面に配置されている。
【0080】
ガラス下がり防止部品61とガラス間口補強材62は、ガラス間口の長手方向に亘って配置されており、ビスホール221d部分を利用してビスbによって下框本体部221aに共締め固定されている。
なお、下框本体部221aは、中空部内に補強材を有しており、ガラス下がり防止部品61及びガラス間口補強材62は、該補強材に対してビスbによって共締め固定されもよい。
【0081】
ガラス下がり防止部品61は、天板部61aの室外側下面及び室外側脚部61bの室外側面に加熱発泡材f1,f2が設けられている。
ガラス間口補強材62は、底面部62aの室内側上面に加熱発泡材f3が設けられている。
【0082】
以上のように、本実施形態の窓は、ガラス間口22aにガラス間口補強材62とガラス下がり防止部品61が長手方向に亘って配置されているので、火災時に樹脂下框222が溶融した場合でも、パネル体25をガラス下がり防止部品61及びガラス間口補強材62で保持することができ、パネル体25の落下を防止することができる。
【0083】
そして、ガラス下がり防止部品61は、室外側脚部61bにガラス間口22aの室外側ガラス間口壁221bに対向するように加熱発泡材f2が設けられているので、室外側の火災時に加熱発泡材f2が発泡すると、ガラス間口補強材62とガラス下がり防止部品61との間を塞ぐともに、ガラス間口補強材62とガラス下がり防止部品61の室外側を密になって覆うことができるので、ガラス間口補強材62とガラス下がり防止部品61が火炎に曝されて溶融することを抑制することができる。
【0084】
また、本実施形態の窓は、ガラス下がり防止部品61の天板部61aの下面に加熱発泡材f1が配置されており、火災時に発泡して、ガラス下がり防止部品61と下框本体部221aの補強材との間を封鎖することができ、防火性能を向上させることができる。
【0085】
また、本実施形態の窓は、金属製の下框本体部221aの上面位置を樹脂下框本体222aの上面位置よりも低くして、樹脂下框本体222aを下框本体部221aに対して上方から係合して取り付けているので、樹脂下框本体222aによって下框本体部221aの室内側面を十分に覆うことができ、断熱性に優れているとともに、樹脂下框本体222aの上面と下框本体部221aの上面の高さ位置の差によって生じる凹部にビスホール221dを形成し、ガラス下がり防止部品61を配置しているので、火災時に樹脂框が溶融してもパネル体の下がりを防止することができる。
【0086】
そして、ガラス下り防止部品61は、室内側に延びる水平片61dを有しているので、水平片61dを樹脂下框本体222aの上面に配置してその上にガラス間口補強材62を配置することで、ガラス間口補強材62を安定して配置することができ、ガラス下り防止部品61を固定する際にガラス下り防止部品61が転ぶことを防止することができる。
【0087】
以上の実施形態は,請求項に記載された発明を限定するものではなく,例示として取り扱われることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0088】
12 :下枠
121 :下枠本体
121a :下枠本体部
121b :室内側見付壁
121c :下内レール
121d :下外レール
126 :下枠カバー部材
822 :レール補強材


図1
図2
図3
図4