(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】付香成分としての環状オキシエーテル化合物
(51)【国際特許分類】
C11B 9/00 20060101AFI20241209BHJP
A61K 8/35 20060101ALI20241209BHJP
A61Q 13/00 20060101ALI20241209BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20241209BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20241209BHJP
C07C 47/277 20060101ALI20241209BHJP
【FI】
C11B9/00 K
A61K8/35
A61Q13/00 101
A61Q5/02
A61Q19/00
C07C47/277 CSP
(21)【出願番号】P 2021506530
(86)(22)【出願日】2019-10-29
(86)【国際出願番号】 EP2019079538
(87)【国際公開番号】W WO2020089232
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2022-10-19
(32)【優先日】2018-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】390009287
【氏名又は名称】フイルメニツヒ ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】Firmenich SA
【住所又は居所原語表記】7,Rue de la Bergere,1242 Satigny,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト モレッティ
(72)【発明者】
【氏名】ジェローム クーネ
【審査官】前田 憲彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第03676500(US,A)
【文献】特開2001-048854(JP,A)
【文献】特開昭61-115041(JP,A)
【文献】特開昭60-184037(JP,A)
【文献】特表2013-536218(JP,A)
【文献】REGISTRY(STN)[online],2011~2017年 [検索日 2023.08.21] CAS登録番号 2139625-18-4, 1999729-57-5, 1339379-84-8, 1824474-05-6, 1824409-60-0
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 47/
C11B 9/
A61K 8/
A61Q 13/
A61Q 5/
A61Q 19/
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】
[式中、
点線は、炭素-炭素の二重結合を示し、
pは、1~3を示し、
nは、0~2を示し、
Rは、互いに独立して、それぞれC
1~C
6アルキル基を示し、
R
1は、互いに独立して、水素原子、又はC
1~C
3アルキル基を示す]
の化合物の、その
立体異性体のいずれか1つ又はそれらの混合物の形での、付香成分としての使用。
【請求項2】
前記化合物(I)が、式(II)
【化2】
[式中、p、R及びR
1についての定義は請求項1における定義と同様である]の化合物である、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記化合物(I)又は化合物(II)が、式(III)
【化3】
[式中、R
1の定義は、請求項1における定義と同様であり、
R
2は、C
1~C
6アルキル基を示し、
R
3は、水素原子又はC
1~C
6アルキル基を示す]の化合物である、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
前記化合物(I)~(III)が、C
10~C
16化合物である、請求項1から3までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
前記化合物(I)~(III)が、(±)-4-[(2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-イル)オキシ]ブタナールである、請求項1から4までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
付香組成物又は着香物品のにおい特性を付与する、高める、改良する又は改質するための方法であって、該組成物又は物品に、少なくとも式(I)
【化4】
[式中、
点線は、炭素-炭素の二重結合を示し、
pは、1~3を示し、
nは、0~2を示し、
Rは、互いに独立して、それぞれC
1~C
6アルキル基を示し、
R
1は、互いに独立して、水素原子、又はC
1~C
3アルキル基を示す]
の化合物の有効量を、その
立体異性体のいずれか1つ又はそれらの混合物の形で添加することを含む、方法。
【請求項7】
式(I)
【化5】
[式中、
点線は、炭素-炭素の二重結合を示し、
pは、1~3を示し、
nは、0~2を示し、
Rは、互いに独立して、それぞれC
1~C
6アルキル基を示し、
R
1は、互いに独立して、水素原子、又はC
1~C
3アルキル基を示す]
の、その
立体異性体のいずれか1つ又はそれらの混合物の形での化合物。
【請求項8】
以下、
i) 請求項1から6までのいずれか1項に記載の式(I)の化合物の少なくとも1つ、
ii) 香料キャリヤー及び香料ベースからなる群から選択される成分の少なくとも1つ、並びに
iii) 任意に香料補助剤の少なくとも1つ
を含む、付香組成物。
【請求項9】
請求項1から6までのいずれか1項において定義した式(I)の少なくとも1つの化合物、又は請求項8において定義した付香組成物を含む、着香消費者製品。
【請求項10】
着香消費者製品ベースが、香水、布地用ケア製品、ボディケア製品、化粧品調製物、スキンケア製品、エアケア製品又はホームケア製品である、請求項9に記載の着香消費者製品。
【請求項11】
着香消費者製品が、ファインパヒューム、スプラッシュ又はオーデパヒューム、コロン、シェイブローション又はアフターシェイブローション、液体又は固形洗剤、布地用柔軟剤、布地用リフレッシャー、アイロン水、紙、漂白剤、カーペットクリーナー、カーテンケア製品、シャンプー、染毛料、カラーケア製品、ヘアシェーピング製品、デンタルケア製品、消毒剤、インティメイトケア製品、ヘアスプレー、バニシングクリーム、デオドラント又は発汗抑制剤、脱毛剤、日焼け用製品、爪用製品、スキンクレンジング、メイクアップ、着香石鹸、シャワー又はバス用のムース、オイル又はゲル、又はフット/ハンドケア製品、衛生製品、エアフレッシュナー、「すぐに使用できる」粉末状エアフレッシュナー、カビ取り剤、ファーニッシャーケア、ワイプ、皿用洗剤又は硬質表面洗剤、レザーケア製品、カーケア製品である、請求項10に記載の着香消費者製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、香料の分野に関する。より詳述すれば、本発明は、環状オキシエーテル化合物の付香成分としての使用に関する。本発明は、香料業界における前記化合物の使用、及び前記化合物を含む付香組成物又は着香物品に関する。
【0002】
背景技術
我々の知る限り、本発明の化合物は、付香化合物として、又は一般ににおいを有するものとして公知でない。
【0003】
国際公開第2011/101757号(WO 2011/101757)は、類似したにおいノートを有するが、カルボニル基がアルキルエーテル置換基を欠いている点で本発明の化合物とは異なる化合物を記載している。
【0004】
我々の知る限り、前記先行技術は、式(I)の化合物の任意の感覚刺激性、又は香料の分野における該化合物の任意の使用を報告又は示唆していない。
【0005】
発明の要旨
本発明は、フローラルグリーン(ジャスミンのような)ノート及びウォータリーノートを付与する式(I)の化合物に関する。
【0006】
したがって、本発明の第一の目的は、式(I)
【化1】
[式中、
点線は、炭素-炭素の単結合又は二重結合を示し、
pは、0~3、好ましくは1~3を示し、
nは、0~2を示し、
Rは、互いに独立して、それぞれ任意にエステル基により置換されているC
1~C
6アルキル基又はC
2~C
6アルケニル基を示し、
R
1は、互いに独立して、水素原子、又はC
1~C
3アルキル基を示す]
の化合物の、その異性体のいずれか1つ又はそれらの混合物の形での、付香成分としての使用である。
【0007】
本発明の第二の目的は、付香組成物又は着香物品のにおい特性を付与する、高める、改良する又は改質するための方法であって、該組成物又は物品に、少なくとも式(I)
【化2】
[式中、
点線は、炭素-炭素の単結合又は二重結合を示し、
pは、0~3、好ましくは1~3を示し、
nは、0~2を示し、
Rは、互いに独立して、それぞれ任意にエステル基により置換されているC
1~C
6アルキル基又はC
2~C
6アルケニル基を示し、
R
1は、互いに独立して、水素原子、又はC
1~C
3アルキル基を示す]
の化合物の有効量を、その異性体のいずれか1つ又はそれらの混合物の形で添加することを含む方法である。
【0008】
本発明の第三の目的は、式(I)
【化3】
[式中、
点線は、炭素-炭素の単結合又は二重結合を示し、
pは、0~3、好ましくは1~3を示し、
nは、0~2を示し、
Rは、互いに独立して、それぞれ任意にエステル基により置換されているC
1~C
6アルキル基又はC
2~C
6アルケニル基を示し、
R
1は、互いに独立して、水素原子、又はC
1~C
3アルキル基を示すが、
但し、4-(シクロペンチルオキシ)ブタナール、4-(シクロペンチルオキシ)-2-エチル-2-メチルブタナール、5-(シクロペンチルオキシ)ペンタナール、5-(シクロペンチルオキシ)-2-エチル-2-メチルペンタナール及び5-(シクロペンチルオキシ)-2,2-ジメチルペンタナールを除く]
の、その異性体のいずれか1つ又はそれらの混合物の形での化合物である。
【0009】
本発明の他の目的は、
i)前記で定義した式(I)の化合物の少なくとも1つ、
ii)香料キャリヤー及び香料ベースからなる群から選択される成分の少なくとも1つ、並びに
iii)任意に香料補助剤の少なくとも1つ
を含む、付香組成物である。
【0010】
本発明のさらなる目的は、前記で定義した少なくとも1つの式(I)の化合物又は前記で定義した付香組成物を含む着香消費者製品である。
【0011】
発明の説明
驚くべきことに、その異性体のいずれか1つ又はそれらの混合物の形での式(I)
【化4】
[式中、
点線は、炭素-炭素の単結合又は二重結合を示し、
pは、0~3、好ましくは1~3を示し、
nは、0~2を示し、
Rは、互いに独立して、それぞれ任意にエステル基により置換されているC
1~C
6アルキル基又はC
2~C
6アルケニル基を示し、
R
1は、互いに独立して、水素原子、又はC
1~C
3アルキル基を示す]
の化合物のを、付香成分として使用して、例えばフローラルグリーン(ジャスミンのような)タイプ及びウォータリータイプのにおいノートを付与することができることを見出している。
【0012】
明確性の理由から、「その立体異性体のいずれか1つ又はそれらの混合物」の表現又は同様の表現に関しては、当業者によって理解される通常の意味、すなわち式(I)の化合物が、純粋なエナンチオマー又はジアステレオマーであってよいことを意味する。言い換えれば、式(I)の化合物は、いくつかの立体中心を有してよく、前記立体中心のそれぞれは、2つの異なる立体化学(例えば、R又はS)を有することができる。式(I)の化合物は、純粋なエナンチオマーの形で、又はエナンチオマー又はジアステレオマーの混合物の形でさえあってよい。式(I)の化合物は、ラセミ型又はスケールミック型であってよい。したがって、式(I)の化合物は、1つの立体異性体であるか、又は種々の立体異性体を含むか、もしくはそれからなる物質の組成物の形であってよい。
【0013】
明確性の理由から、「任意にエステル基により置換される」の表現又は同様の表現は、当業者によって理解される通常の意味、すなわちアルキル基又はアルケニル基の1つの水素が、OC(=O)Ra基又はC(=O)ORa基[Raは、水素原子又はC1-4アルキル基を示してよい]によって置換されてよいことを意味する。
【0014】
特定の実施形態に従って、式(I)の化合物において、pは、1、2又は3、好ましくは1又は2、さらにより好ましくは1を示してよい。
【0015】
特定の実施形態に従って、式(I)の化合物において、nは、1又は2、好ましくは1を示してよい。
【0016】
特定の実施形態に従って、式(I)の化合物において、点線は、炭素-炭素二重結合であってよい。
【0017】
本発明の特定の実施形態に従って、前記式(I)の化合物は、式(II)
【化5】
[式中、p、R及びR
1についての定義は前記と同様である]の化合物である。
【0018】
特定の実施形態に従って、式(II)の化合物において、pは、1又は2、好ましくは1を示してよい。
【0019】
特定の実施形態に従って、式(I)又は(II)の化合物において、Rは、互いに独立して、任意にエステル基によって置換されるC1~C5アルキル基又はC2~C5アルケニル基を示してよい。好ましくは、RはC1~C5アルキル基を示してよい。さらにより好ましくは、Rは、メチル基、ペンチル基又はイソペンチル基を示してよい。
【0020】
本発明の特定の実施形態に従って、前記式(I)の化合物又は特に前記式(II)の化合物は、式(III)
【化6】
[式中、R
1は、前記と同様の意味を有し、
R
2は、C
1~C
6アルキル基又はC
2~C
6アルケニル基を示し、
R
3は、水素原子又はC
1~C
6アルキル基を示す]の化合物である。
【0021】
特定の実施形態に従って、式(III)の化合物において、R2は、C2~C5アルキル基又はC2~C5アルケニル基、好ましくはC3~C5アルキル基又はC3~C5アルケニル基、好ましくはC5アルキル基、さらにより好ましくはペンチル基又はイソペンチル基であってよい。特定の一実施形態に従って、式(III)の化合物において、R3は、水素原子又はC1~C3アルキル基、好ましくは水素原子又はメチル基、さらにより好ましくは水素原子であってよい。
【0022】
特定の実施形態に従って、式(I)~(II)の化合物において、R1は、互いに独立して、水素原子又はC1~C2アルキル基、好ましくは水素原子又はメチル基を示してよい。
【0023】
特定の実施形態に従って、式(I)~(III)の化合物において、全てのR1は、水素原子を示してよい。
【0024】
特定の実施形態に従って、式(I)~(III)の化合物において、1つのR1は、メチル基を示してよく、残りのR1は、水素原子を示してよい。
【0025】
本発明の前記実施形態のいずれか1つに従って、前記式(I)~(III)の化合物は、C10~C16化合物、好ましくはC11~C15化合物、さらに好ましくはC14~C15化合物である。
【0026】
明確性の理由から、「点線は、炭素-炭素の単結合又は二重結合を示す」の表現又は同様の表現に関しては、当業者によって理解される通常の意味、すなわち、点線によって連結されている炭素原子間の全体の結合(例えば実線及び点線)が、炭素-炭素の単結合又は二重結合であることを意味する。
【0027】
式(I)の化合物は、全て新規の化合物であり、したがって本発明の他の目的でもあるが、但し、4-(シクロペンチルオキシ)ブタナール、4-(シクロペンチルオキシ)-2-エチル-2-メチルブタナール、5-(シクロペンチルオキシ)ペンタナール、5-(シクロペンチルオキシ)-2-エチル-2-メチルペンタナール及び5-(シクロペンチルオキシ)-2,2-ジメチルペンタナールは除く。
【0028】
前記したように、本発明の化合物のにおいは、グリーンノートによって、及び多くの場合にフローラルグリーン(ジャスミンのような)ノート及びウォータリーノートによって特徴付けられる。
【0029】
本発明の特定の例として、制限のない例として、フレッシュ、グリーン、ナチュラル及びウォータリーのノートを呈する、(±)-4-[(2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-イル)オキシ]ブタナールを挙げてよい。グリーンノートは、アーシー及びムスティーのノートを付与しない。さらに、前記化合物は、Hedione(登録商標)のフローラルノート、Calone(登録商標)のウォータリーノート、及び(Z)-3-ヘキセン1-オールのグリーンノートと特によく混ざることも注目に値する。
【0030】
さらなる例として、それぞれ(±)-4-[(2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-イル)オキシ]ブタナールと同様であるが僅かに弱いにおいを呈する、(±)-4-{[2-(3-メチルブチル)-2-シクロペンテン-1-イル]オキシ}ブタナール、(±)-2-メチル-3-[(3-メチル-2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-イル)オキシ]プロパナール又は(±)-5-[(2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-イル)オキシ]ペンタナールも挙げてよい。
【0031】
本発明の特定の実施形態に従って、式(I)の化合物は、(±)-4-[(2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-イル)オキシ]ブタナール、(±)-4-{[2-(3-メチルブチル)-2-シクロペンテン-1-イル]オキシ}ブタナール、(±)-2-メチル-3-[(3-メチル-2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-イル)オキシ]プロパナール又は(±)-5-[(2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-イル)オキシ]ペンタナールである。
【0032】
本発明の他の特定の実施形態に従って、式(I)の化合物は、(±)-4-[(2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-イル)オキシ]ブタナールである。
【0033】
本発明の化合物のにおいを先行技術の化合物5-エトキシ-1-ペンチル-1-シクロペンテンのにおいと比較した場合に、本発明の化合物は、それら自体、先行技術の化合物の特徴のようなアーシーのノートを欠くことによって特徴付けられる。前記の違いによって、本発明による化合物及び先行技術による化合物は、それぞれ異なる使用に適しており、すなわち異なる感覚刺激性の印象を付与する。
【0034】
前記のように、本発明は、付香成分として式(I)の化合物の使用に関する。言い換えれば、本発明は、付香組成物又は着香物品もしくは表面のにおい特性を付与する、高める、改良する又は改質するための方法に関し、該方法は、該組成物又は物品に、少なくとも式(I)の化合物の有効量を付加すること、例えばその典型的なノートを付与することを含む。最終的な心地よい効果は、本発明の化合物の正確な投与量及び感覚刺激特性に依存しうることを理解したが、いずれにしても、本発明の化合物の添加は、最終製品に、投与量に依存してノート、タッチ又は側面の形でその典型的なタッチを付与する。
【0035】
「式(I)の化合物の使用」に関しては、化合物(I)を含む、及び香料産業において有利に使用されてよいあらゆる組成物の使用もここで理解すべきである。
【0036】
実際に付香成分として有利に使用される前記組成物は、本発明の目的でもある。
【0037】
したがって、本発明の他の目的は、
i)付香成分として、前記した少なくとも1つの本発明の化合物、
ii)香料キャリヤー及び香料ベースからなる群から選択される少なくとも1つの成分、並びに
iii)任意に少なくとも1つの香料補助剤
を含む付香組成物である。
【0038】
「香料キャリヤー」に関しては、本明細書では、香料の観点から事実上中性である、すなわち付香成分の感覚刺激性の特性を著しく変更しない材料を意味する。前記キャリヤーは、液体又は固体であってよい。
【0039】
液体キャリヤーとしては、乳化系、すなわち溶剤及び界面活性剤系、又は香料において通常使用される溶剤を挙げてよいが、これらに制限されない。香料において通常使用される溶剤の性質及びタイプの詳細な説明は網羅できない。しかしながら、最も通常使用される溶剤、例えばブチレン又はプロピレングリコール、グリセロール、ジプロピレングリコール及びそのモノエーテル、1,2,3-プロパントリイルトリアセテート、ジメチルグルタレート、ジメチルアジペート、1,3-ジアセチルオキシプロパン-2-イルアセテート、ジエチルフタレート、イソプロピルミリステート、ベンジルベンゾエート、ベンジルアルコール、2-(2-エトキシエトキシ)-1-エタノール、又はトリエチルシトレート、又はそれらの混合物が挙げられるが、これらに制限されない。香料キャリヤー及び香料ベースの双方を含む組成物に関して、前記したものよりも適した他の香料キャリヤーは、エタノール、水/エタノール混合物、リモネン、又は他のテルペン、イソパラフィン、例えば商標名Isopar(登録商標)(供給元:Exxon Chemical)又はグリコールエーテル及びグリコールエーテルエステル、例えば商標名Dowanol(登録商標)(供給元:Dow Chemical Company)、又は硬化ヒマシ油、例えば商標名Cremophor(登録商標)RH 40(供給元:BASF)で公知のものであってもよい。
【0040】
固体キャリヤーは、付香組成物又は付香組成物のいくつかの要素を、化学的又は物理的に結合することができる材料を示すことを意味する。一般に、かかる固体キャリヤーは、組成物又はいくつかの成分の蒸発の速度を調整するために、組成物を安定化するために使用される。固体キャリヤーは、当該技術分野において現在使用されており、当業者は所望の効果に達成するための方法を知っている。しかしながら、固体キャリヤーの制限のない例に関しては、吸収性ゴム又はポリマー又は無機材料、例えば多孔質ポリマー、シクロデキストリン、木質材料、有機もしくは無機ゲル、粘土、石膏タルク又はゼオライトが挙げられる。
【0041】
固体キャリヤーの他の制限のない例としては、カプセル化材料を挙げてよい。かかる材料の例は、造壁材料及び可塑材料、例えば単糖、二糖又は三糖、天然デンプン又は化工デンプン、親水コロイド、セルロース誘導体、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、タンパク質又はペクチン、又はさらに、参考文献、例えばH. Scherz, Hydrokolloide: Stabilisatoren, Dickungs- und Geliermittel in Lebensmitteln, Band 2 der Schriftenreihe Lebensmittelchemie, Lebensmittelqualitaet, Behr's Verlag GmbH & Co., Hamburg, 1996において挙げられている材料を含んでよい。カプセル化を、当業者に周知の方法であり、かつ例えば噴霧乾燥、凝集又はさらに押し出しのような技術を使用することにより実施してよく、又はコアセルベーション及び複合コアセルベーション技術を含む被覆カプセル化からなる。
【0042】
固体キャリヤーの制限のない例としては、特に、任意にポリマー安定剤又はカチオン性コポリマーの存在下で、重合によって、界面重合によって、コアセルベーションによって、又はその全てによって(前記技術の全ては先行技術に記載されている)誘発される相分離プロセスのような技術を使用したアミノプラスト、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレアもしくはポリウレタンタイプの樹脂又はそれらの混合物(前記樹脂の全ては当業者に周知である)でのコア-シェルカプセルを挙げてよい。
【0043】
樹脂は、アルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド、2,2-ジメトキシエタノール、グリオキサール、グリオキシル酸又はグリコールアルデヒド及びそれらの混合物)と、アミン、例えば尿素、ベンゾグアナミン、グリコールウリル、メラミン、メチロールメラミン、メチル化メチロールメラミン、グアナゾール等、及びそれらの混合物との重縮合によって製造されうる。代わりに、予め形成した樹脂、アルキル化ポリアミン、例えば商標名Urac(登録商標)(供給元:Cytec Technology Corp.)、Cymel(登録商標)(供給元:Cytec Technology Corp.)、Urecoll(登録商標)又はLuracoll(登録商標)(供給元:BASF)で市販されているものを使用してよい。
【0044】
他の樹脂は、ポリオール、例えばグリセロール、及びポリイソシアネート、例えばヘキサメチレンジイソシアネートの三量体、イソホロンジイソシアネートの三量体、又はキシリレンジイソシアネート、又はヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット、又はキシリレンジイソシアネートの三量体と、トリメチロールプロパン(Takenate(登録商標)の商標名で公知、供給元:Mitsui Chemicals)との、中でもキシリレンジイソシアネートの三量体とトリメチロールプロパン及びヘキサメチレンジイソシアネートのビウレットとの重縮合によって製造されるものが好ましい。
【0045】
アミノ樹脂、すなわちメラミンベースの樹脂とアルデヒドとの重縮合による香料のカプセル化に関する生産的な文献のいくつかは、Acta PolymericaにおいてK. Dietrichら(1989年、第40巻、243頁、325頁及び683頁、並びに1990年、第41巻、91頁)によって公表されているような物を含む。かかる文献は、さらに詳細に説明され、かつ特許文献に例示されている先行技術の方法に従って、かかるコア-シェルマイクロカプセルの製造に影響を与える種々のパラメーターを既に記載している。米国特許第4396670号明細書(US 4’396'670)(Wiggins Teape Group Limited)は、該文献の適切な初期の例である。それ以来、多くの他の著者は、この分野の文献を充実させており、出版された全ての進展内容をここで網羅することは不可能であるものの、カプセル化技術の一般知識は非常に重要である。かかるマイクロカプセルの適切な使用を開示している最近の関連文献の代表例は、例えば、K. Bruyninckx及びM. Dusselier(ACS Sustainable Chemistry & Engineering, 2019, vol. 7, pages 8041-8054)の文献によって示されている。
【0046】
「香料ベース」に関しては、本明細書では、少なくとも1つの付香補助成分を含む組成物を意味する。
【0047】
前記付香補助成分は、式(I)ではない。さらに、「付香補助成分」に関しては、本明細書では、心地よい効果を付与するための付香調製物又は組成物において使用される化合物を意味する。言い換えれば、付香補助成分であると考えられるべきかかる補助成分は、ポジティブな又は好ましい方法で組成物のにおいを付与又は改質することができ、かつ単に1つのにおいを有するだけでないと当業者によって認識される必要がある。
【0048】
いずれにしても網羅的とはならないであろう前記ベース中に存在する付香補助成分の性質及びタイプは、ここでより詳細な記載を保証するものではなく、その際当業者は、一般の知識に基づいて、及び任意の使用又は適用及び所望された感覚刺激性効果に従って、前記ベースを選択することができる。一般的な用語で、これらの付香補助成分は、アルコール、ラクトン、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセテート、ニトリル、テルペノイド、窒素又は硫黄の複素環化合物及び精油と多様な化学品種に属し、かつ該付香補助成分は、天然又は合成由来のものであってよい。
【0049】
特に、類似の嗅覚ノートを有することについて公知の付香補助成分を挙げてよく、例えば以下のものである:
特に、香料配合物において慣用的に使用される付香補助成分を挙げてよく、例えば以下のものである:
- アルデヒド成分:デカナール、ドデカナール、2-メチル-ウンデカナール、10-ウンデカナール、オクタナール、ノナナール及び/又はノネナール;
- 芳香性ハーブ成分:ユーカリ油、樟脳、ユーカリプトール、5-メチルトリシクロ[6.2.1.0~2,7~]ウンデカン-4-オン、1-メトキシ-3-ヘキサンチオール、2-エチル-4,4-ジメチル-1,3-オキサチアン、2,2,7/8,9/10-テトラメチルスピロ[5.5]ウンデセ-8-エン-1-オン、メントール及び/又はアルファ-ピネン;
- バルサム成分:クマリン、エチルバニリン及び/又はバニリン;
- シトラス成分、ジヒドロミリセノール、シトラール、オレンジ油、リナリルアセテート、シトロネリルニトリル、オレンジテルペン、リモネン、1-P-メンテン-8-イルアセテート及び/又は1,4(8)-P-メンタジエン;
- フローラル成分:メチルジヒドロジャスモネート、リナロール、シトロネロール、フェニルエタノール、3-(4-tert-ブチルフェニル)-2-メチルプロパナール、ヘキシルシンナムアルデヒド、ベンジルアセテート、ベンジルサリチレート、テトラヒドロ-2-イソブチル-4-メチル-4(2H)-ピラノール、ベータイオノン、メチル2-(メチルアミノ)ベンゾエート、(E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オン、(1E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-1-ペンテン-3-オン、1-(2,6,6-トリメチル-1,3-シクロヘキサジエン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、(2E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、(2E)-1-[2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-イル]-2-ブテン-1-オン、(2E)-1-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、2,5-ジメチル-2-インダンメタノール、2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシレート、3-(4,4-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)プロパナール、ヘキシルサリチレート、3,7-ジメチル-1,6-ノナジエン-3-オール、3-(4-イソプロピルフェニル)-2-メチルプロパナール、バージルアセテート、ゲラニオール、P-メンタ-1-エン-8-オール、4-(1,1-ジメチルエチル)-1-シクロヘキシルアセテート、1,1-ジメチル-2-フェニルエチルアセテート、4-シクロヘキシル-2-メチル-2-ブタノール、アミルサリチレート、高シスメチルジヒドロジャスモネート、3-メチル-5-フェニル-1-ペンタノール、バージルプロピオネート、ゲラニルアセテート、テトラヒドロリナロール、シス-7-P-メタノール、プロピル(S)-2-(1,1-ジメチルプロポキシ)プロパノエート、2-メトキシナフタレン、2,2,2-トリクロロ-1-フェニルエチルアセテート、4/3-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセン-1-カルバルデヒド、アミルシンナムアルデヒド、8-デセン-5-オリド、4-フェニル-2-ブタノン、イソノニルアセテート、4-(1,1-ジメチルエチル)-1-シクロヘキシルアセテート、バージルイソブチレート及び/又はメチルイオノン異性体の混合物;
- フルーティー成分:ガンマ-ウンデカラクトン、2,2,5-トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノン、2-メチル-4-プロピル-1,3-オキサチアン、4-デカノリド、エチル 2-メチル-ペンタノエート、ヘキシルアセテート、エチル 2-メチルブタノエート、ガンマ-ノナラクトン、アリルヘプタノエート、2-フェノキシエチルイソブチレート、エチル 2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-アセテート、3-(3,3/1,1-ジメチル-5-インダニル)プロパナール、ジエチル 1,4-シクロヘキサンジカルボキシレート、3-メチル-2-ヘキセン-1-イルアセテート、1-[3,3-ジメチルシクロヘキシル]エチル[3-エチル-2-オキシラニル]アセテート及び/又はジエチル 1,4-シクロヘキサンジカルボキシレート;
- グリーン成分:2-メチル-3-ヘキサノン(E)-オキシム、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-カルバルデヒド、2-tert-ブチル-1-シクロヘキシルアセテート、スチラリルアセテート、アリル(2-メチルブトキシ)アセテート、4-メチル-3-デセン-5-オール、ジフェニルエーテル、(Z)-3-ヘキセン-1-オール及び/又は1-(5,5-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン;
- ムスク成分:1,4-ジオキサ-5,17-シクロヘプタデカンジオン、(Z)-4-シクロペンタデセン-1-オン、3-メチルシクロペンタデカノン、1-オキサ-12-シクロヘキサデセン-2-オン、1-オキサ-13-シクロヘキサデセン-2-オン、(9Z)-9-シクロヘプタデセン-1-オン、2-{1S)-1-[(1R)-3,3-ジメチルシクロヘキシル]エトキシ}-2-オキサエチルプロピオネート、3-メチル-5-シクロペンタデセン-1-オン、1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-4,6,6,7,8,8-ヘキサメチル-シクロペンタ-g-2-ベンゾピラン、(1S,1’R)-2-[1-(3’,3’-ジメチル-1’-シクロヘキシル)エトキシ]-2-メチルプロピルプロパノエート、オキサシクロヘキサデカン-2-オン及び/又は(1S,1’R)-[1-(3’,3’-ジメチル-1’-シクロヘキシル)エトキシカルボニル]メチルプロパノエート;
- ウッディー成分:1-[(1RS,6SR)-2,2,6-トリメチルシクロヘキシル]-3-ヘキサノール、3,3-ジメチル-5-[(1R)-2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル]-4-ペンテン-2-オール、3,4’-ジメチルスピロ[オキシラン-2,9’-トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデセ[4]エン、(1-エトキシエトキシ)シクロドデカン、2,2,9,11-テトラメチルスピロ[5.5]ウンデセ-8-エン-1-イルアセテート、1-(オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-ナフタレニル)-1-エタノン、パチュリ油、パチュリ油のテルペン画分、clearwood(登録商標)、(1’R,E)-2-エチル-4-(2’,2’,3’-トリメチル-3’-シクロペンテン-1’-イル)-2-ブテン-1-オール、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール、メチルセドリルケトン、5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテニル)-3-メチルペンタン-2-オール、1-(2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,6,7,8,8a-オクタヒドロナフタレン-2-イル)エタン-1-オン及び/又はイソボルニルアセテート;
- 他の成分(例えばアンバー、パウダリースパイシー又はウォータリー):ドデカヒドロ-3a,6,6,9a-テトラメチル-ナフト[2,1-b]フラン及び任意のその立体異性体、ヘリオトロピン、アニスアルデヒド、オイゲノール、シンナムアルデヒド、チョウジ油、3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-2-メチルプロパナール、7-メチル-2H-1,5-ベンゾジオキセピン-3(4H)-オン、2,5,5-トリメチル-1,2,3,4,4a,5,6,7-オクタヒドロ-2-ナフタレノール、1-フェニルビニルアセテート、6-メチル-7-オキサ-1-チア-4-アザスピロ[4.4]ノナン及び/又は3-(3-イソプロピル-1-フェニル)ブタナール。
【0050】
本発明による香料ベースは、これらに制限されないが前記した付香補助成分であってよく、これらの補助成分の多くは、いずれにしても、参考文献、例えばS. ArctanderによるPerfume and Flavor Chemicals, 1969, Montclair, New Jersey, USA、又はその最新版において、又は同様の種類の他の著作において、並びに香料の分野における豊富な特許文献において挙げられている。前記補助成分は、プロパヒューム(properfume)又はプロフレグランス(profragrance)としても公知の制御された方法で種々のタイプの付香化合物を放出することが公知の化合物であってもよいとも解される。適したプロパヒュームの制限のない例は、4-(ドデシルチオ)-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブタノン、4-(ドデシルチオ)-4-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブタノン、トランス-3-(ドデシルチオ)-1-(2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-1-ブタノン、2-フェニルエチルオキソ(フェニル)アセテート又はそれらの混合物を含んでよい。
【0051】
特定の実施形態に従って、本発明の化合物は、メチルジヒドロジャスモネートを含む。
【0052】
「香料補助剤」に関しては、ここで、追加の付加効果、例えば色、特定の耐光性、化学安定性等を付与することができる成分を意味する。付香組成物において慣用的に使用される補助剤の性質及びタイプの詳細な説明は網羅的なものにはなりえないが、しかし該成分が当業者に周知であることを挙げるべきである。特定の制限のない例として以下を挙げてよい:粘性剤(例えば、界面活性剤、増粘剤、ゲル化及び/又はレオロジー改質剤)、安定剤(例えば、防腐剤、酸化防止剤、熱/光及び又は緩衝液又はキレート剤、例えばBHT)、着色剤(例えば、染料及び/又は顔料)、防腐剤(例えば、抗菌剤又は抗微生物剤又は抗真菌剤又は抗刺激剤)、研磨剤、皮膚冷刺激剤、固定剤、昆虫忌避剤、軟膏、ビタミン及びそれらの混合物。
【0053】
当業者は、付香組成物の前記構成成分を混和することによって、単に当該技術分野の標準的な知識を適用することによって、及び試行錯誤方法論によって、所望の効果に最適な配合物を完全に設計することができると解される。
【0054】
少なくとも1つの式(I)の化合物及び少なくとも1つの香料キャリヤーからなる本発明の組成物は、本発明の特定の実施形態、並びに少なくとも1つの式(I)の化合物、少なくとも1つの香料キャリヤー、少なくとも1つの香料ベース、及び場合により少なくとも1つの香料補助剤を含む付香組成物からなる。
【0055】
特定の実施形態に従って、前記組成物は、1つ以上の式(I)の化合物を含み、かつ香料製造者が、本発明の種々の化合物のにおい香調を呈し、したがって作成の目的のために新たな構成単位を作成する、アコード又は香料を製造することを可能にする。
【0056】
明確性の理由から、本発明の化合物が出発生成物、中間生成物又は最終生成物として含まれる、化学合成から直接得られるあらゆる混合物、例えば十分な精製を行っていない反応媒体は、該混合物が、香料のための適した形で本発明による化合物を提供しない限りは、本発明に従った付香組成物として考えられないことも理解される。したがって、未精製の反応混合物は、一般に、特に明記されない限り本発明から除外される。
【0057】
本発明の化合物は、現在の香料、すなわちファイン香水又は機能的香料の全ての分野において、前記(I)を付加する消費者製品のにおいをポジティブに付与する又は改良するために、有利に使用されてよい。したがって、本発明の他の目的は、付香成分として、前記で定義した式(I)の少なくとも1つの化合物を含む着香消費者製品からなる。
【0058】
本発明の化合物は、そのままで、又は本発明による付香組成物の一部としてを添加することができる。
【0059】
明確性の理由から、「着香消費者製品」は、少なくとも1つの心地よい付香効果を、付香効果が適用される表面又は空間(例えば皮膚、髪、織物、又は家の表面)に提供する消費者製品を示すこと意味する。言い換えれば、本発明による着香消費者製品は、機能的な調製物、並びに場合により所望の消費者製品に対応する追加の有効物質、及び嗅覚有効量の本発明による化合物の少なくとも1つを含む、着香消費者製品である。明確性の理由から、前記着香消費者製品は、食用でない製品である。
【0060】
いずれにしても網羅的とはならないであろう着香消費者製品の成分の性質及びタイプは、ここでより詳細な記載を保証するものではなく、その際当業者は、一般的な知識に基づいて、及び該製品の性質及び所望の効果に従って、着香消費者製品の成分の性質及びタイプを選択することができる。
【0061】
適した着香消費者製品の制限のない例は、香料、例えばファインパヒューム、スプラッシュ又はオーデパルファム、コロン又はシェイブもしくはアフターシェイブローション;布地用ケア製品、例えば液体又は固形洗剤、布地用柔軟剤、液体もしくは固体の香りブースター、布地用リフレッシャー、アイロン水、紙、漂白剤、カーペットクリーナー、カーテンケア製品;ボディケア製品、例えばヘアケア製品(例えば、シャンプー、染毛料又はヘアスプレー、カラーケア製品、ヘアシェーピング製品)、デンタルケア製品、消毒剤、インティメイトケア製品;化粧品配合物(例えば、スキンクリーム又はローション、バニシングクリーム又はデオドラント又は発汗抑制剤(例えばスプレー又はロールオン)、脱毛剤、日焼け用又は日焼け後の製品、爪用製品、スキンクレンジング、メイクアップ);又はスキンケア製品(着香石鹸、シャワー又はバス用のムース、オイルもしくはゲル、又は衛生製品、又はフット/ハンドケア製品);エアケア製品、例えば住宅スペース(部屋、冷蔵庫、食器棚、靴箱又は車)において及び/又は公共スペース(ホール、ホテル、モール等)において使用されうるエアフレッシュナー又は「すぐに使用できる」粉末状エアフレッシュナー;又はホームケア製品、例えばカビ取り剤、ファーニッシャーケア製品、ワイプ、皿用洗剤又は硬質表面(例えば、床、浴槽、サニタリー又は窓洗浄)洗剤;レザーケア製品;カーケア製品、例えば磨き剤、ワックス又はプラスチッククリーナーを含む。
【0062】
いくつかの前記着香消費者製品は、本発明の化合物にとってアグレッシブな媒体であることもあるため、適切な外部刺激、例えば酵素、光、熱又はpHの変化に対して、例えばカプセル化によって、又は本発明の成分の放出に適した他の化学物質との化学的結合によって本発明による化合物を早すぎる分解から保護する必要がある場合がある。
【0063】
種々の前記製品又は組成物中に組込まれてよい本発明による化合物における割合は、広い範囲の値で変動する。これらの値は、着香されるべき物品の性質に、並びに所望の感覚受容性効果及び本発明による化合物が、付香補助成分、溶剤又は先行技術において通常使用される添加剤と混合される場合に、与えられたベースにおける補助成分の性質に依存する。
【0064】
例えば、付香組成物の場合において、典型的に濃度は、組込まれてよい組成物の質量に対して、本発明の化合物の0.001質量%~20質量%、又はそれ以上の範囲である。着香消費者製品の場合において、典型的な濃度は、組込まれてよい組成物の質量に対して、本発明の化合物の0.0001質量%~5質量%、又はそれ以上の範囲である。
【0065】
本発明による化合物は、以下の実施例において記載した方法によって、すなわち、例えば合成ガスCO/H2を使用して二重結合のヒドロホルミル化によって製造できる。ヒドロホルミル化によって本発明の化合物を製造する方法により、COは、二重結合の2つの炭素のいずれか一方に結合できる。これは、線状又は分枝鎖状のヒドロホルミル化生成物の混合物を得ることができることを意味する位置異性体の異なる混合物を導くだろう。
【0066】
ヒドロホルミル化による本発明の化合物の製造方法を使用することによって、二重結合の線状又は分枝鎖状のヒドロホルミル化生成物の混合物を得ることができる。特定の実施形態において、次の特定の生成物
【化7】
を得ることができる。化合物の混合物は、99:1~40:60、好ましくは95:5~60:40又は90:10~70:30(すなわち、線状ヒドロホルミル化生成物:分枝鎖状ヒドロホルミル化生成物の割合に対応する)の混合物で得ることができる。線状及び分枝鎖のヒドロホルミル化生成物の混合物も、本発明による付香成分として使用できる。
【0067】
実施例
本発明は、次の実施例によってさらに詳細に記載され、その際略語は、技術において通常の意味を有し、温度は、摂氏度(℃)で示される。NMRスペクトルは、400MHz(1H)及び100MHz(13C)で操作するBruker Avance II Ultrashield 400plus、又は500MHz(1H)及び125MHz(13C)で操作するBruker Avance III500、又は600MHz(1H)及び150MHz(13C)で操作するBruker Avance III 600 cryoprobeのいずれかを使用して取得した。スペクトルは、テトラメチルシラン0.0ppmに対して内部参照した。1H NMRシグナルシフトをδppmで表し、結合定数(J)をHzで表し、次の多重度:d、ダブレット(doublet);t、トリプレット(triplet);q、カルテット(quartet);m、マルチプレット(multiplet);b、ブロード(broad)(未解決のカップリングを示す)であり、Bruker Topspinソフトウェアを使用して解釈した。13C NMRデータを、化学シフトδppm、並びにDEPT90及びDEPT135実験からのハイブリダイゼーション、C、第4級;CH、メチン;CH2、メチレン;CH3、メチルで表す。
【0068】
実施例1
式(I)の化合物の合成
a) (±)-4-[(2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-イル)オキシ]ブタナールの生成
ステップ1:(±)-5-アリルオキシ-1-ペンチル-1-シクロペンテンの合成
(±)-2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オール(40g;259mmol)を、窒素下で乾燥THF(0.3リットル)に溶解し、そしてその溶液を氷水浴中で冷却した。固体カリウムt-ブトキシド(36g;311mmol)を一度に添加した。10分後に、冷却浴を取り出し、その反応物を1.5時間撹拌した。その反応物を氷水浴中で冷却した。ヨウ化テトラブチルアンモニウム(5.75g;15.6mmol)を添加し、続いて10分後に2時間にわたって塩化アリル(59.5g;778mmol)添加した。その反応物を、RTまで暖め、一昼夜撹拌した。そして、飽和NH
4Clで急冷し、ジエチルエーテルで2回抽出した。抽出物を、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そしてrotavaporで濃縮した。その生成物を、シリカゲル上でカラムクロマトグラフィー(溶出:ヘプタン/酢酸エチル 19:1)によって、続いてバルブツーバルブ蒸留(60℃/1mbar)によって精製して、(±)-5-アリルオキシ-1-ペンチル-1-シクロペンテンを無色の液体として得た(38.6g;199mmol;77%)。
【数1】
【0069】
ステップ2:(±)-5-アリルオキシ-1-ペンチル-1-シクロペンテンのヒドロホルミル化
(±)-5-アリルオキシ-1-ペンチル-1-シクロペンテン(10g;51mmol)をトルエン(60ml)に溶解し、ステンレス鋼オートクレーブ内で50bar H
2/CO(55:45;合成ガス)下で、[HRh(CO)(PPH
3)
3](20mg;0.022mmol)及びトリフェニルホスフィン(87mg;0.332mmol)の存在下で、90℃で2時間撹拌した。その反応物を、rotavaporで濃縮し、そしてその粗物質を、シリカゲル上でカラムクロマトグラフィー(溶出:ヘプタン/酢酸エチル 19:1~9:1)によって、続いてバルブツーバルブ蒸留(85℃/0.03mbar)によって直接精製して、(±)-4-[(2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-イル)オキシ]ブタナールを無色の液体として得た(5.5g;24mmol;47%)。
【数2】
【0070】
b) (±)-2-メチル-3-[(3-メチル-2-ペンチルシクロペンテ-2-エン-1-イル)オキシ]プロパナールの生成
実施例1a)に記載したものと同一の反応系列を使用して、(±)-3-ヒドロキシ-1-メチル-2-ペンチルシクロペンテ-1-エンを、(±)-2-メチル-3-[(3-メチル-2-ペンチルシクロペンテ-2-エン-1-イル)オキシ]プロパナールに変換した。その生成物を、シリカゲル上でカラムクロマトグラフィー(溶出:ヘプタン/酢酸エチル 19:1)、続いてバルブツーバルブ蒸留(75℃/0.01mbar)後に、ジアステレオマーの混合物として得た。
【数3】
【0071】
c) (±)-4-[(2-イソペンチルシクロペンテ-2-エン-1-イル)オキシ]ブタナールの生成
実施例1a)に記載したものと同一の反応系列を使用して、(±)-5-ヒドロキシ-1-イソペンチル-シクロペンテ-1-エンを、(±)-4-[(2-イソペンチルシクロペンテ-2-エン-1-イル)オキシ]ブタナールに変換した。その生成物を、シリカゲル上でカラムクロマトグラフィー(溶出:ヘプタン/酢酸エチル 19:1~4:1)によって、続いてバルブツーバルブ蒸留(85℃/0.05mbar)によって精製した。
【数4】
【0072】
d) (±)-5-[(2-ペンチルシクロペンテ-2-エン-1-イル)オキシ]ペンタナール(coll. 74013)の生成
ステップ1:(±)-5-(ブテ-2-エン-1-イルオキシ)-1-ペンチルシクロペンテ-1-エンの合成
(±)-5-ヒドロキシ-1-ペンチルシクロペンテ-1-エン(10.5g;68mmol)を、窒素下で乾燥THF(300ml)に溶解し、そしてその溶液を氷水浴中で冷却した。固体カリウムt-ブトキシド(9.5g;82mmol)を一度に添加した。10分後に、冷却浴を取り出し、その反応物を1.5時間撹拌した。その反応物を氷水浴中で冷却した。n-Bu
4NI(1.5g;4mmol)を添加し、続いて10分後に2時間にわたって1-クロロブテ-2-エン(26.4g;204mmol)(発熱反応)を添加した。その反応物を、RTまで暖め、一昼夜撹拌した。そして、飽和NH
4Clで急冷し、ジエチルエーテルで2回抽出した。抽出物を、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そしてrotavaporで濃縮した。その生成物を、バルブツーバルブ蒸留(60℃/1mbar)により精製して、(±)-5-(ブテ-2-エン-1-イルオキシ)-1-ペンチルシクロペンテ-1-エンを無色の液体(7g;33mmol;48%)及びE/Z異性体の70/30混合物として得た。
【数5】
【0073】
ステップ2:(±)-5-[(2-ペンチルシクロペンテ-2-エン-1-イル)オキシ]ペンタナール
(±)-5-(ブテ-2-エン-1-イルオキシ)-1-ペンチル-1-シクロペンテン(6.5g;32mmol)をトルエン(60ml)に溶解し、ステンレス鋼オートクレーブ内で50bar H
2/CO(55:45;合成ガス)下で、[HRh(CO)(PPH
3)
3](20mg;0.022mmol)及びトリフェニルホスフィン(87mg;0.332mmol)の存在下で、90℃で4時間撹拌した。その反応物を、rotavaporで濃縮し、そしてその粗物質を、シリカゲル上でカラムクロマトグラフィー(溶出:ヘプタン/酢酸エチル 19:1~9:1)によって2回、続いてバルブツーバルブ蒸留(85℃/0.03mbar)によって直接精製して、(±)-5-[(2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-イル)オキシ]ブタナールを無色の液体として得た(0.45g;1.8mmol;6%)。
【数6】
【0074】
実施例2
付香組成物の製造
付香組成物を、次の成分を混合することによって製造した:
【表1-1】
【表1-2】
1) (-)-(8R)-8,12-エポキシ-13,14,15,16-テトラノルラブダン;供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland
2) 7-メチル-2H,4H-1,5-ベンゾジオキセピン-3-オン;供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland
3) 1-オキサシクロヘキサデセ-12/13-エン-2-オン;供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland
4) メチル-3-オキソ-2-ペンチルシクロペンタンアセテート;供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland
5) (1S,1’R)-2-[1-(3’,3’-ジメチル-1’-シクロヘキシル)エトキシ]-2-メチルプロピルプロパノエート;供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland
6) 1-(5,5-ジメチル-1-シクロヘキセニル)ペンテ-4-エン-1-オン;供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland
7) (E)-3,3-ジメチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-4-ペンテン-2-オール;供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland
8) 供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland
9) 3-(4/2-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール;供給元:International Flavors & Fragrances、USA
10) 1-(オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-ナフタレニル)-1-エタノン;供給元:International Flavors & Fragrances、USA
11) [(Z)-ヘキセ-3-エニル]メチルカーボネート;供給元:International Flavors & Fragrances、USA
12) 3-(4-tert-ブチルフェニル)-2-メチルプロパナール;供給元:Givaudan SA、Vernier、Switzerland
13) アリルイオノン;供給元:Givaudan SA、Vernier、Switzerland
14) プロペ-2-エニル 2-シクロヘキシルオキシアセテート;供給元:Symrise AG、Holzminden、Germany
15) 3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-2-メチルプロパナール;供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland
16) 4-メチル-3-デセン-5-オール;供給元:Givaudan SA、Vernier、Switzerland
17) パチュリ抽出物、CAS番号84238-39-1;供給元:Firmenich SA、Geneva、Switzerland。
【0075】
前記組成物への(±)-4-[(2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-イル)オキシ]ブタナール 1000質量部の添加は、組成物に、より強く、よりフレッシュな、よりグリーンな、よりナチュラルな、よりウォータリーなコノテーションを付与した。(±)-4-[(2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-イル)オキシ]ブタノールは、フローラルなHedione、ウォータリーなCalone及びグリーンな(Z)-3-ヘキセン-1-オールの要素と特に良く混ざる。
【0076】
本発明の化合物の代わりに5-エトキシ-1-ペンチル-1-シクロペンテンを添加した場合に、前記組成物は、よりグリーンに、よりアーシーに、及びよりムスティーになる。5-エトキシ-1-ペンチル-1-シクロペンテンは、ダーティー-ムスティー及びアーシーな面をもたらすため、他の組成物とよく混ざらない。
【0077】
実施例3
本発明の化合物を含む液体洗剤の調製
【表2】
1) Hostapur SAS 60;供給元:Clariant
2) Edenor K 12-18;供給元:Cognis
3) Genapol LA 070;供給元:Clariant
4) 供給元:Genencor International
5) Aculyn 88;供給元:Dow Chemical。
【0078】
液体洗剤を、液体洗剤の全質量に対して、本発明の実施例2の組成物の0.5~1.5質量%を、穏やかに振盪しながら第1表の無香料液体洗剤配合物に添加することによって製造した。
【0079】
実施例4
本発明の化合物を含む布地用柔軟剤の調製
【表3】
1) Stepantex VL90 A Diester Quat;供給元:Stepan
2) Proxel GXL;供給元:Arch。
【0080】
柔軟剤を、65℃で加熱したメチルビス[エチル(牛脂脂肪酸)]-2-ヒドロキシエチルアンモニウムメチルスルフェートを秤量することにより調製した。そして水及び1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オンを反応器中に置き、撹拌下で65℃で加熱した。前記混合物に、メチルビス[エチル(牛脂脂肪酸)]-2-ヒドロキシエチルアンモニウムメチルスルフェートを添加した。その混合物を、15分撹拌し、CaCl2を添加した。そして、柔軟剤の全質量に対して、本発明の実施例2の組成物0.5~2質量%を添加した。その混合物を、15分撹拌し、撹拌下で室温まで冷却した(粘度測定:結果35+/-5mPas(剪断速度106秒-1))。
【0081】
実施例5
本発明の組成物を含む透明な等方性のシャンプーの調製
【表4】
1) Ucare Polymer JR-400、供給元:Noveon
2) 供給元:Schweizerhall
3) Glydant、供給元:Lonza
4) Texapon NSO IS、供給元:Cognis
5) Tego Betain F 50、供給元:Evonik
6) Amphotensid GB 2009、供給元:Zschimmer&Schwarz
7) Monomuls 90 L-12、供給元:Gruenau
8) Nipagin Monosodium、供給元:NIPA。
【0082】
シャンプーを、水中でポリクオタニウム-10を分散させることによって調製した。相Aの残りの成分を、それぞれ添加後によく混合しながら次々に添加することによってそれぞれ混合した。このプレミックスをポリクオタニウム-10分散液に添加し、さらに5分間混合した。そして、撹拌しながら、予め混合した相B及び予め混合した相Cを添加した(Monomuls 90L-12を加熱してTexapon NSO IS中で溶融した)。撹拌しながら相D及び相Eを添加した。pHをクエン酸溶液でpH:5.5~6.0になるまで調整して、無香料のシャンプー調製物にした。
【0083】
着香したシャンプーを、シャンプーの全質量に対して、本発明の実施例2の組成物の0.4~0.8質量%を、穏やかに振盪しながら第3表の無香料シャンプー調製物に添加することによって配合した。
【0084】
実施例6
本発明の組成物を含む構造化シャワーゲルの調製
【表5】
1) EDETA B POWDER;商標及び供給元:BASF
2) CARBOPOL AQUA SF-1 POLYMER;商標及び供給元:NOVEON
3) ZETESOL AO 328 U;商標及び供給元:ZSCHIMMER&SCHWARZ
4) TEGO-BETAIN F 50;商標及び供給元:GOLDSCHMIDT
5) KATHON CG;商標及び供給元:ROHM&HASS。
【0085】
シャワーゲルを、シャワーゲルの全質量に対して、本発明の実施例2の組成物の0.5~1.5質量%を、穏やかに振盪しながら第4表の無香料シャワーゲル調製物に添加することによって配合した。
【0086】
実施例7
本発明の組成物を含む透明なシャワーゲルの調製
【表6】
1) EDETA B POWDER;商標及び供給元:BASF
2) ZETESOL AO 328 U;商標及び供給元:ZSCHIMMER&SCHWARZ
3) TEGO-BETAIN F 50;商標及び供給元:GOLDSCHMIDT
4) MERQUAT 550;商標及び供給元:LUBRIZOL。
【0087】
透明なシャワーゲルを、シャワーゲルの全質量に対して、本発明の実施例2の組成物の0.5~1.5質量%を、穏やかに振盪しながら第5表の無香料シャワーゲル調製物に添加することによって配合した。
【0088】
実施例8
本発明の組成物を含む乳白色のシャワーゲルの配合
【表7】
1) EDETA B POWDER;商標及び供給元:BASF
2) Texapon NSO IS;商標及び供給元:COGNIS
3) MERQUAT 550;商標及び供給元:LUBRIZOL
4) DEHYTON AB-30;商標及び供給元:COGNIS
5) GLUCAMATE LT;商標及び供給元:LUBRIZOL
6) EUPERLAN PK 3000 AM;商標及び供給元:COGNIS
7) CREMOPHOR RH 40;商標及び供給元:BASF。
【0089】
透明なシャワーゲルを、シャワーゲルの全質量に対して、本発明の実施例2の組成物の0.5~1.5質量%を、穏やかに振盪しながら第6表の無香料シャワーゲル調製物に添加することによって配合した。
【0090】
実施例9
本発明の組成物を含む真珠光沢のシャンプーの配合
【表8】
1) EDETA B Powder、供給元:BASF
2) Jaguar C14 S、供給元:Rhodia
3) Ucare Polymer JR-400、供給元:Noveon
4) Sulfetal LA B-E、供給元:Zschimmer&Schwarz
5) Zetesol LA、供給元:Zschimmer&Schwarz
6) Tego Betain F 50、供給元:Evonik
7) Xiameter MEM-1691、供給元:Dow Corning
8) Lanette 16、供給元:BASF
9) Comperlan 100、供給元:Cognis
10) Cutina AGS、供給元:Cognis
11) Kathon CG、供給元:Rohm&Haas
12) D-Panthenol、供給元:Roche。
【0091】
シャンプーを、水中及びEDTA四ナトリウム中でグアーヒドロキシプロイルトリモニウムクロリド及びポリクオタニウム-10を分散させることによって調製した。NaOHの10%溶液(相B)を、相Aが均質になったら添加した。NaOHの10%溶液(相B)を、相Aが均質になったら添加した。そしてその混合物を75℃まで加熱した。相D成分を添加し、均質になるまで混合した。その混合物を冷却した。45℃で、相Eを混合しながら添加した。最終粘度を、25%NaCl溶液で調整し、pH5.5~6に10%NaOH溶液で調整した。
【0092】
着香した真珠光沢のあるシャンプーを、シャンプーの全質量に対して、本発明の実施例2の組成物の0.4~0.8質量%を、穏やかに振盪しながら第7表の無香料シャンプー調製物に添加することによって配合した。
【0093】
実施例10
本発明の組成物を含む構造化シャワーゲルの調製
【表9】
1) EDETA B POWDER;商標及び供給元:BASF
2) CARBOPOL AQUA SF-1 POLYMER;商標及び供給元:NOVEON
3) ZETESOL AO 328 U;商標及び供給元:ZSCHIMMER&SCHWARZ
4) TEGO-BETAIN F 50;商標及び供給元:GOLDSCHMIDT
5) KATHONCG;商標及び供給元:ROHM&HASS。
【0094】
透明なシャワーゲルを、シャワーゲルの全質量に対して、本発明の実施例2の組成物の0.5~1.5質量%を、穏やかに振盪しながら第8表の無香料シャワーゲル調製物に添加することによって配合した。
【0095】
実施例11
本発明の化合物を含むオードトワレの配合
オードトワレを、オードトワレの全質量に対して、本発明の実施例2の組成物の5~20質量%を、穏やかに振盪しながらエタノールに添加することによって配合した。