(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】電気部品、特に変圧器またはインダクタ
(51)【国際特許分類】
H01F 27/28 20060101AFI20241209BHJP
H01F 30/10 20060101ALI20241209BHJP
【FI】
H01F27/28 K
H01F30/10 C
H01F30/10 R
(21)【出願番号】P 2021523417
(86)(22)【出願日】2019-10-29
(86)【国際出願番号】 EP2019079529
(87)【国際公開番号】W WO2020089228
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-06-16
【審判番号】
【審判請求日】2023-07-11
(32)【優先日】2018-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】523380173
【氏名又は名称】ヒタチ・エナジー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HITACHI ENERGY LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グラディンガー,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ドロフェニック,ウーベ
【合議体】
【審判長】篠原 功一
【審判官】岩間 直純
【審判官】畑中 博幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-058342(JP,A)
【文献】特開2011-199143(JP,A)
【文献】特開2015-115340(JP,A)
【文献】特開2005-136199(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 27/28
H01F 30/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気部品であって、
第1の脚および第2の脚(11、12)を有する強磁性コア(10)と、
前記強磁性コアの前記第1の脚(11)の周りに配置された第1の一次巻線部(21)および前記強磁性コアの前記第2の脚(12)の周りに配置された第2の一次巻線部(22)を有する一次巻線(20)と、
前記強磁性コアの前記第1の脚(11)の周りに配置された第1の二次巻線部(31)、および前記強磁性コアの前記第2の脚(12)の周りに配置された第2の二次巻線部(32)を有する二次巻線(30)とを備え、前記電気部品は変圧器であり、
前記第1の一次巻線部(21)および前記第2の一次巻線部(22)の各々は、複数の導
体を含み、前記複数の導
体は、並列接続可能であり、断面で前記強磁性コアの周りに配置され、前記複数の導
体は径方向列位置において互いに対して径方向にずれており、前記第1の一次巻線部(21)の前記導
体の数は、前記第2の一次巻線部(22)の前記導
体の数に等しく、前記第1の一次巻線部(21)の前記導
体の各々は、前記第2の一次巻線部(22)の前記導
体の各々に直列接続され、それによって、前記第1の一次巻線部(21)の径方向外側列の導
体は前記第2の一次巻線部(22)の径方向内側列の導
体と直列接続されて、前記第1の一次巻線部(21)の並列接続可能な導
体と前記第2の一次巻線部(22)の並列接続可能な導
体との間の磁束の合計を減少させ、
前記一次巻線(20)および前記二次巻線(30)のうちの外側巻線の軸方向の長さは、前記一次巻線(20)および前記二次巻線(30)のうちの内側巻線の軸方向の長さよりも小さく、
前記外側巻線の径方向の厚さは、前記内側巻線の径方向の厚さよりも大き
く、
前記第1の一次巻線部(21)および前記第2の一次巻線部(22)の各々は、リッツ線のグループで形成されたケーブルを含み、前記複数の並列接続可能な導体は、複数の並列接続可能なリッツ線であり、
前記ケーブルは、4本のリッツ線を含み、前記第1のおよび第2の一次巻線部(21、22)の前記リッツ線は、2つの径方向列と2つの軸方向列とを含む断面で前記強磁性コア(10)の周りに配置され、軸方向は軸方向上部列と軸方向底部列とを画成し、それによって、前記第1の一次巻線部(21)の上部列のリッツ線は、前記第2の一次巻線部(22)の上部列のリッツ線と直列接続され、前記第1の一次巻線部(21)の底部列のリッツ線は、前記第2の一次巻線部(22)の底部列のリッツ線と直列接続される、電気部品。
【請求項2】
前記第1のおよび第2の一次巻線部(21、22)は、M列の導
体を含む断面で前記強磁性コアの周りに配置され、各列は径方向列位置に配置され、径方向最も内側の列位置が列位置番号1であり、径方向最も外側の列位置が列位置番号Mであり、1≦m≦Mの前記第1の一次巻線部(21)のm番目の列位置における各導
体は、前記第2の一次巻線部(22)の(M+1-m)番目の列位置における導
体と直列接続される、請求項1に記載の電気部品。
【請求項3】
前記二次巻線(30)は低電圧巻線であり、前記一次巻線(20)は高電圧巻線である、請求項1または2に記載の電気部品。
【請求項4】
前記第1の一次巻線部(21)および前記第2の一次巻線部(22)の各々は、少なくとも3つの導
体を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の電気部品。
【請求項5】
前記電気部品の動作状態で、少なくとも20Aの電流が前記一次巻線(20)を流れる、請求項1~4のいずれか1項に記載の電気部品。
【請求項6】
前記電気部品は、前記第1の一次巻線部(21)の前記導
体と直列接続された第1の外部電気コネクタ(41)と、前記第2の一次巻線部(22)の前記導
体と直列接続された第2の外部電気コネクタ(42)とを含み、前記第1のおよび第2の一次巻線部(21、22)は、前記第1のおよび第2の外部電気コネクタ(41、42)の間に位置する、請求項1~5のいずれか1項に記載の電気部品。
【請求項7】
電気部品であって、
第1の脚および第2の脚(11、12)を有する強磁性コア(10)と、
前記強磁性コアの前記第1の脚(11)の周りに配置された第1の一次巻線部(21)および前記強磁性コアの前記第2の脚(12)の周りに配置された第2の一次巻線部(22)を有する一次巻線(20)と、
前記強磁性コアの前記第1の脚(11)の周りに配置された第1の二次巻線部(31)、および前記強磁性コアの前記第2の脚(12)の周りに配置された第2の二次巻線部(32)を有する二次巻線(30)とを備え、前記電気部品は変圧器であり、
前記第1の一次巻線部(21)および前記第2の一次巻線部(22)の各々は、複数の導体を含み、前記複数の導体は、並列接続可能であり、断面で前記強磁性コアの周りに配置され、前記複数の導体は径方向列位置において互いに対して径方向にずれており、前記第1の一次巻線部(21)の前記導体の数は、前記第2の一次巻線部(22)の前記導体の数に等しく、前記第1の一次巻線部(21)の前記導体の各々は、前記第2の一次巻線部(22)の前記導体の各々に直列接続され、それによって、前記第1の一次巻線部(21)の径方向外側列の導体は前記第2の一次巻線部(22)の径方向内側列の導体と直列接続されて、前記第1の一次巻線部(21)の並列接続可能な導体と前記第2の一次巻線部(22)の並列接続可能な導体との間の磁束の合計を減少させ、
前記一次巻線(20)および前記二次巻線(30)のうちの外側巻線の軸方向の長さは、前記一次巻線(20)および前記二次巻線(30)のうちの内側巻線の軸方向の長さよりも小さく、
前記外側巻線の径方向の厚さは、前記内側巻線の径方向の厚さよりも大きく、
前記第1の一次巻線部(21)および前記第2の一次巻線部(22)の各々は、リッツ線のグループで形成されたケーブルを含み、前記複数の並列接続可能な導体は、複数の並列接続可能なリッツ線であり、
前記第1のおよび第2の一次巻線部(21、22)の前記リッツ線は、K≧3の軸方向列のリッツ線を含む断面で前記強磁性コア(10)の周りに配置され、各列は軸方向列位置に配置され、軸方向端列位置は列位置番号1であり、反対側の軸方向端列位置は列位置番号Kであり、1≦k≦Kの前記第1の一次巻線部(21)のk番目の列位置の各リッツ線は、前記第2の一次巻線部(22)の(K+1-k)番目のリッツ線と直列接続されて、前記第1の一次巻線部(21)の並列接続可能なリッツ線と前記第2の一次巻線部(22)の並列接続可能なリッツ線との間の磁束の合計を減少させる、電気部品。
【請求項8】
前記ケーブルは、6本のリッツ
線を含み、前記第1のおよび第2の一次巻線部(21、22)の前記リッツ
線は、2つの径方向列と3つの軸方向列とを含む断面で前記強磁性コア(10)の周りに配置される、請求項
7に記載の電気部品。
【請求項9】
前記第1の二次巻線部(31)および前記第2の二次巻線部(32)は、並列接続可能である、請求項1~
8のいずれか1項に記載の電気部品。
【請求項10】
前記第1の二次巻線部(31)および前記第2の二次巻線部(32)は、直列接続される、請求項1~
8のいずれか1項に記載の電気部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本開示の実施形態は、高電圧用途のための巻線配置を有する電気部品に関する。特に、本開示の実施形態は、変圧器、特に油入変圧器またはドライキャスト中周波変圧器(MFT)およびインダクタに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
中周波変圧器(MFT)は、さまざまなパワーエレクトロニクスシステムにおける重要な部品である。鉄道車両における例は、補助コンバータ、および大型の低周波変圧器に取って代わる固体変圧器(SST)である。たとえば、再生可能なエネルギー源、電気自動車(EV)充電インフラストラクチャ、データセンター、または船に搭載されるパワーグリッドのグリッド統合について、SSTのさらに他の用途が検討されている。SSTは、今後ますます重要な役割を果たすと期待される。
【0003】
数十kHzの範囲の動作周波数によって、MFT巻線は、表波効果および近接効果の損失を許容限度内に抑えるために、リッツ線またはホイルで形成されることがある。
【0004】
2本以上のリッツ線またはホイルが並列接続されるや否や、磁束によってワイヤの間で循環電流が導入されるリスクがある。これらの電流は、個々のワイヤまたはホイルのレベルで表皮効果および近接効果によってまさしくもたらされる損失を超える巻線損失を、強く、たとえば、2倍増加させる可能性がある。
【0005】
複数の並列接続された導体、たとえばリッツ線またはホイルを有するインダクタで、同じ問題が生じると思われる。
【0006】
それゆえ、電気部品の導体の並列回路において循環電流を減らす解決策が必要である。これらの循環電流を避けるために、注意深い巻線設計が必要とされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
概要
上記を考慮して、電気部品、特に変圧器またはインダクタが提供される。さらに他の態様、利点、および特徴は、従属項、明細書、および添付の図面から明らかである。
【0008】
本開示のある態様によると、電気部品が提案される。電気部品は、第1の脚および第2の脚を有する強磁性コアと、強磁性コアの第1の脚の周りに配置された第1の一次巻線部および強磁性コアの第2の脚の周りに配置された第2の一次巻線部を有する一次巻線とを備え、第1の一次巻線部および第2の一次巻線部の各々は、複数の導体を含み、複数の導体は、並列接続可能であり、断面で強磁性コアの周りに配置され、複数の導体は径方向列位置において互いに対して径方向にずれており、第1の一次巻線部の導体の数は、第2の一次巻線部の導体の数に等しく、第1の一次巻線部の導体の各々は、第2の一次巻線部の導体の各々に直列接続され、それによって、第1の一次巻線部の径方向外側列の導体は、第2の一次巻線部の径方向内側列の導体と直列接続されて、第1の一次巻線部の並列接続可能な導体と第2の一次巻線部の並列接続可能な導体との間の磁束の合計を減少させる。
【0009】
したがって、本開示の電気部品の設計は、この種類の電気部品の従来構造と比較して改良されている。特に、磁束の合計または第1のおよび第2の一次巻線部の並列接続可能な導体間の一次巻線の全磁束の減少は、第1の一次巻線部の径方向外側列の導体が第2の一次巻線部の径方向外側列の導体と直列接続された状況に対するものである。言い換えると、第2の脚上の径方向導体位置に対する第1の脚上の径方向導体位置の入れ替えが提案される。
【0010】
導体について記載する「並列接続可能」という用語は、導体が電気的に直列接続されていないと理解されるべきである。さらに、導体は、たとえば絶縁体によって互いに分離可能である。典型的な導体はたとえば、リッツ線のグループによって形成されたケーブルに配置されたリッツ線、または層のスタックとして配置されたホイルである。なお、並列接続可能とは、導体がデバイスの内側に電気並列回路を形成することを必ずしも意味するものではない。並列導体の実際の電気接続は、電気部品の一部でもよい、または電気部品の好適利用範囲内でもよい。並列接続可能とは、電気並列回路において少なくとも接続可能と理解されるべきである。
【0011】
強磁性コアの第1の脚の周りに配置された第1の一次巻線部および強磁性コアの第2の脚の周りに配置された第2の一次巻線部を有する一次巻線の配置は、たとえばコア型変圧器におけるコア型としても知られる。
【0012】
複数の並列接続可能な導体は、断面で強磁性コアの周りに配置されており、かつ、導体が径方向列位置において互いに対して径方向にずれている。言い換えると、導体は、異なる半径で第1のまたは第2の脚をそれぞれ取り囲む。半径が異なるため、第1のおよび第2の一次巻線部の軸方向、すなわち、径方向内側および外側導体間に磁束が存在する。この磁束は、補償されない場合、径方向内側および外側導体間に循環電流を誘発する。
【0013】
ある態様によると、第1のおよび第2の一次巻線部は、強磁性コアの第1のまたは第2の脚の周りに導体の複数の巻回を含み得る。導体の断面は、各巻回で等しい。巻回は、渦巻きまたは螺旋として、径方向または径方向および軸方向に配置可能である。
【0014】
ある態様によると、第1のおよび第2の一次巻線部の導体はホイルである。これらのホイルは、ホイルのスタックに配置可能であり、スタックは、強磁性コアの周りに配置可能である。第1の一次巻線部の並列接続可能なホイルは、第2の一次巻線部の並列接続可能なホイルと接続され、これによって、第1の一次巻線部の径方向外側列のホイルは、第2の一次巻線部の径方向内側列の導体と直列接続される。2つの直列接続された一次巻線部間のこの入替えによって、互いに打消し合う、または少なくとも大幅に全磁束を減少させる、対向する磁束が生じる。
【0015】
ある態様によると、第1の一次巻線部および第2の一次巻線部の各々は、少なくとも3つの導体を含む。いくつかの実施形態では、第2の一次巻線部の各々は、4つまたは6つの導体を含む。
【0016】
好ましくは、第1の一次巻線部の複数の導体の各々は、連続した1つの導体である。したがって、第2の一次巻線部の複数の導体の各々は、連続した1つの導体である。第1の一次巻線部の導体の各々は、たとえばケーブルラグによって、第2の一次巻線部の導体の各々と直列接続可能である。外部入力または出力において、すべての導体は、巻線部ごとに1つのケーブルラグ内に収まって、並列接続可能な導体の並列回路を生じ得る。
【0017】
ある態様によると、電気部品はさらに、第1の一次巻線部の導体と直列接続された第1の外部電気コネクタと、第2の一次巻線部の導体と直列接続された第2の外部電気コネクタとを備え、第1のおよび第2の一次巻線部は、第1のおよび第2の外部電気コネクタ間に位置する。第1のおよび第2の外部電気コネクタは、ケーブルラグでもよい。
【0018】
ある実施形態によると、電気部品は変圧器であり、さらに、強磁性コアの第1の脚の周りに配置された第1の二次巻線部、および強磁性コアの第2の脚の周りに配置された第2の二次巻線部を有する二次巻線を備える。
【0019】
ある実施形態によると、変圧器はMTFである。変圧器を適用可能な動作状態の典型的な周波数および電流は、たとえば、0.5kHz~50kHz、特に10kHz~20kHzであり、20A~2000A、特に100A~2000Aの範囲の電流である。
【0020】
二次巻線は内側巻線でもよく、二次巻線は低電圧巻線でもよい。本発明のさらに他の展開によると、第1のおよび第2の二次巻線部は、複数の並列接続可能な導体を含んでもよく、第1の二次巻線部の導体の各々は、本明細書で説明する一次巻線と同様に、第2の二次巻線部の導体の各々と直列接続されてもよい。代替的に、磁束が電子装置の作業性に影響を及ばさない場合、第1のおよび第2の二次巻線部は、任意の可能な方法で接続されてもよい。LV巻線の場合は影響が小さいことが典型的である。
【0021】
他の実施形態によると、電気部品はインダクタである。
ある態様によると、第1の一次巻線部および第2の一次巻線部は、実質的に幾何学的に対称であり、特に、第1のおよび第2の巻線部の導体の数は等しい、断面の径方向列の数は等しい、断面の軸方向列の数は等しい、および/または、強磁性コアの脚の周りの巻回の数は等しい。第1の一次巻線部および第2の一次巻線部が互いに等しくなるほど、第1のおよび第2の一次巻線部の並列接続可能な導体間の磁束は、提案された導体の直列接続によってさらに打消される。
【0022】
軸方向列および径方向列は、軸方向および径方向によって定義される。径方向は、強磁性コアの脚から一次巻線部を向く方向である。軸方向は、径方向に垂直であり、強磁性コアの脚に沿った向きである。
【0023】
一次巻線部は、強磁性コアの脚の周りの複数の巻回を含んでもよく、複数の並列接続可能な導体の断面は、実質的に各巻回で等しい。巻回は、径方向または軸方向または両方の方向に配置可能である。一例では、一次巻線部は、断面を有する複数の並列接続可能なホイルを含み、導体は、径方向列位置において互いに対して径方向にずれている。一次巻線部は、たとえば、径方向に10巻回を含み得る。各巻回において、ホイルの断面は実質的に等しく、これは、各ホイルの径方向列位置が互いに対して一定であることを意味する。他の例では、一次巻線部は、複数の並列接続可能なリッツ線を含む。一次巻線部はたとえば、リッツ線のグループで形成されたケーブルが渦巻きを形成するように、軸方向に配置された10巻回を含む。各巻回において、ケーブルの断面は実質的に等しく、これは、ケーブル内の各リッツ線の径方向列位置および軸方向列位置が互いに対して一定であることを意味する。
【0024】
ある実施形態によると、第1の一次巻線部および第2の一次巻線部の各々は、複数のリッツ線で形成されたケーブルを含み、複数の並列接続可能な導体は、複数の並列接続可能なリッツ線である。導体は、リッツ線として識別される。リッツ線は典型的に、互いに電気的に絶縁された複数のより線からなる。より線は典型的には捻られている。各より線は、たとえば0.2mmの直径を有してもよく、リッツ線は、100本のリッツより線からなってもよい。リッツ線は、たとえば6mm×12mmの実質的に矩形の断面を有してもよい。
【0025】
好ましくは、複数の並列接続可能な導体は、断面で強磁性コアの周りに配置され、導体が径方向列位置で互いに径方向にずれており、径方向位置および典型的には軸方向位置も、第1のまたは第2の一次巻線部の長さに沿って変化しない。ケーブルでグループ化されているリッツ線の例では、リッツ線は捻られていない。ケーブルは、複数のリッツ線、たとえば4本または6本のリッツ線を含み得る。そのため、複数のリッツ線の断面は、たとえば一次巻線の径方向外側に位置するリッツ線が、第1のまたは第2の一次巻線部の全長に沿って径方向外側に維持されるように、一定のままである。
【0026】
ある実施形態によると、第1の一次巻線部および第2の一次巻線部の各々は、実質的に螺旋対称である。複数の並列接続可能な導体の断面は、中心軸の周りで巻回する。第1の一次巻線部および第2の一次巻線部の各々は、実質的に円筒形状でもよい。
【0027】
他の実施形態によると、第1の一次巻線部および第2の一次巻線部の各々は、実質的に渦巻き対称でもよい。第1の一次巻線部および第2の一次巻線部は、渦巻きまたは螺旋対称を有してもよい。複数の並列接続可能な導体の断面は、中心軸の周りに巻回する。断面はまた、たとえば導体がリッツ線である場合、中心軸に沿って巻回してもよい。
【0028】
ある態様によると、複数の並列接続可能な導体の各々は、第1のおよび/または第2の一次巻線部の全長にわたって、導体の断面視において画成された径方向の、および可能であれば軸方向の位置を有する。言い換えると、第1のおよび/または第2の一次巻線部内で導体の径方向または軸方向の入替えはない。
【0029】
第1のおよび第2の一次巻線部は、それぞれ強磁性コアの第1のおよび第2の脚の周りの、閉じられ詰込まれた渦巻きとして配置されたリッツ線によって形成可能である。
【0030】
本実施形態、または軸方向列の導体も断面視において存在する他の実施形態によると、H場は第1のおよび第2の一次巻線部の軸方向上部および底部端付近に径方向成分を有するため、並列接続可能な導体においてさらに他の軸方向磁束が発生し得る。径方向磁束は典型的には、軸方向磁束より小さい。しかしながら、径方向H成分は非対称性を有し、たとえば、第1のおよび第2の一次巻線部の軸方向の上部において径方向外側に、ならびに底部において径方向内側に向く、またはその逆を向く。これに対して、軸方向のH成分は対称性を有し、上部および底部において同じ方向を向く、たとえば、垂直に上に向く。それゆえ、その結果生じる磁束の径方向成分は、入替えがなくても互いに打消し合う。
【0031】
ある実施形態によると、ケーブルは4本のリッツ線を含み、第1のおよび第2の一次巻線部のリッツ線は、2つの径方向列および2つの軸方向列を含む断面において強磁性コアの周りのケーブルに配置され、軸方向は軸方向上部列および軸方向底部列を定義する。第1の一次巻線部の上部列のリッツ線は、第2の一次巻線部の上部列のリッツ線と直列接続され、第1の一次巻線部の底部列のリッツ線は、第2の一次巻線部の底部列のリッツ線と直列接続される。
【0032】
4本のリッツ線を有する、複数のリッツ線を含むケーブルは、典型的には、動作状態で少なくとも100Aの、典型的には300Aより大きな電流が第1のおよび第2の一次巻線部を流れる用途で用いられる。
【0033】
他の態様によると、複数の導体の断面は、3つ以上の軸方向列を含み得る。これによって、軸方向磁束の大きさは一次巻線の端から中央に向かって軸方向に減少するため、導体が軸方向に入替えられない場合、さらに他の軸方向磁束が導入される。したがって、ある実施形態によると、第1のおよび第2の一次巻線部のリッツ線または他の種類の導体は、K≧3の軸方向列のリッツ線を含む断面において、強磁性コアの周りに配置される。各列は、軸方向列位置に配置され、軸方向端列位置は列位置番号1であり、反対側の軸方向端列位置は列位置番号Kであり、1≦k≦Kを有する第1の一次巻線部のk列位置における各リッツ線は、第2の一次巻線部のK+1-k列位置のリッツ線と直列接続される。これによって、第1のおよび第2の一次巻線部の並列接続可能なリッツ線間の磁束の合計が減少する。
【0034】
本開示の上記の特徴を詳細に理解することができるように、上述の簡潔に要約された本開示のより特定的な説明が、実施形態を参照することによりなされ得る。添付の図面は、本開示の実施形態に関し、以下で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本明細書で説明する実施形態に係る電気部品、特に変圧器の模式図である。
【
図2】本明細書で説明する実施形態に係る、一次巻線部の断面の詳細な模式断面図である。
【
図3】他の実施形態に係る、一次巻線部の断面の詳細な模式断面図である。
【
図4A】本開示に係る強磁性コアの脚の周りの一次および二次巻線部のある実施形態を示す図である。
【
図4B】本開示に係る強磁性コアの脚の周りの一次および二次巻線部のある実施形態を示す図である。
【
図5A】実施形態に係る、一次巻線部における磁束ならびに第1のおよび第2の一次巻線部の導体の直列接続を示す模式図である。
【
図5B】ある実施形態に係る、一次巻線部における磁束ならびに第1のおよび第2の一次巻線部の導体の直列接続を示す模式図である。
【
図6A】ある他の実施形態に係る、一次巻線部における磁束ならびに第1のおよび第2の一次巻線部の導体の直列接続を示す他の模式図である。
【
図6B】他の実施形態に係る、一次巻線部における磁束ならびに第1のおよび第2の一次巻線部の導体の直列接続を示す他の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
実施形態の詳細な説明
さまざまな実施形態が以下で詳細に参照され、それらの1つ以上の例が各図に示される。各例は、説明の目的で提供されており、何ら限定を設けるものではない。たとえば、ある実施形態の一部として図示または説明される特徴は、他の実施形態について、または他の実施形態と一緒に用いられて、さらに他の実施形態をもたらすことが可能である。本開示は、そのような修正例および変形例を含むことが意図されている。
【0037】
図面の以下の説明において、同じ参照番号は同じまたは類似の構成要素を表す。一般に、個々の実施形態に対する相違のみを説明する。特に指定のない限り、ある実施形態のある部分または態様の説明は、他の実施形態の対応する部分または態様にも該当し得る。
【0038】
図1を例示的に参照して、電気部品を示す。
図1の電気部品は、ある実施形態に係る変圧器であり、本明細書で説明される他の実施形態と組合わせることが可能である。特に他の実施形態によると、電気部品はインダクタでもよい。電気部品は、第1のおよび第2の脚11、12を有する強磁性コア10と、強磁性コアの第1の脚11の周りに配置された第1の一次巻線部21および強磁性コアの第2の脚12の周りに配置された第2の一次巻線部22を有する一次巻線20とを備え、第1の一次巻線部21および第2の一次巻線部22の各々は、断面で強磁性コアの周りに配置された複数の並列接続可能な導体1、2、3、4、5、6を含み、これらの導体は、径方向列位置において互いに対して径方向にずれており、第1の一次巻線部21の導体1、2、3、4、5、6の数は、第2の一次巻線部22の導体1、2、3、4、5、6の数に等しく、第1の一次巻線部21の導体1、2、3、4、5、6の各々は、第2の一次巻線部22の導体1、2、3、4、5、6の各々と直列接続され、それによって、第1の一次巻線部21の径方向外側列の導体1、2、3、4、5、6は、第2の一次巻線部22の径方向内側列の導体1、2、3、4、5、6と直列接続されて、第1の一次巻線部21の並列接続可能な導体1、2、3、4、5、6と第2の一次巻線部22の並列接続可能な導体1、2、3、4、5、6との間の磁束の合計を減少させる。
【0039】
図1の電気部品は変圧器であり、さらに、強磁性コアの第1の脚11の周りに配置された第1の二次巻線部31と、強磁性コアの第2の脚12の周りに配置された第2の二次巻線部32とを有する二次巻線30を備える。一次および二次巻線は、絶縁体によって分離されている。
【0040】
絶縁のために、一次巻線部21/22は、二次巻線部31/32と強磁性コア10との間の距離よりも、二次巻線部31/32および強磁性コア10から大きな距離で維持される。絶縁距離を、
図1に模式的に示す。これによって、二次巻線部31/32の高さと比べて、一次巻線部21/22の高さが減少する。高さの減少を考慮すると、一次巻線20の径方向厚さは、十分な導体断面をもたらすために、二次巻線30の径方向厚さよりも大きくなければならない。したがって、各一次巻線部21、22は、互いに対して径方向にずれた2つ以上の列の導体を有する。
【0041】
強磁性コア10は、コア型変圧器に適している。強磁性コア10の形状はたとえば、C-C、U-U、U-IまたはL-L形状を含んでもよく、2つの構成要素が、「O」形状のリングを形成する。強磁性コアは少なくとも2つの脚11、12を有し、脚11、12は、それが好ましいものの、必ずしも互いに平行である必要はない。第1のおよび第2の一次巻線部が空間的に重ならないように、各脚11、12は、第1の一次巻線部21および第2の一次巻線部22のために別々の空間を画成する。
【0042】
さらに他の実施形態によると、電気部品はインダクタでもよい。典型的には、インダクタは一次巻線20のみを有する。二次巻線30は必要ではない。
【0043】
電気部品は、第1の一次巻線部21の導体1、2、3、4、5、6と直列接続された第1の外部電気コネクタ41と、第2の一次巻線部22の導体1、2、3、4、5、6と直列接続された第2の外部電気コネクタ41とを備えてもよく、第1のおよび第2の一次巻線部21、22は、
図1に示すように、第1のおよび第2の外部電気コネクタ41、42の間に位置する。すべての導体1、2、3、4、5、6は、外部電気コネクタ41、42と直列接続されて、導体1、2、3、4、5、6の並列回路を作成可能である。
【0044】
図1では、第1のおよび第2の一次巻線部21、22は外側巻線として配置され、第1のおよび第2の二次巻線部31、32は、内側巻線として配置される。好ましくは、第1のおよび第2の一次巻線部21、22は両方とも、内側または外側巻線である。磁束基準が等しく、かつ、磁束が反対方向を向く場合、磁束が最も互いに打消すため、第1のおよび第2の一次巻線部21、22が対称だと好ましい。
【0045】
ある実施形態によると、一次巻線20は、外側巻線およびHV巻線である。二次巻線30は、内側巻線およびLV巻線である。
【0046】
図2および
図3は、配置された並列接続可能な導体の2つの異なる実施形態を断面で示す。第1のまたは第2の一次巻線部21、22の断面を示す。典型的には、第1のおよび第2の一次巻線部21、22は、同じ構造を有する。
図2および
図3はたとえば、
図1に示す第1の一次巻線部21の左側部分のより詳細な構造を示す。
【0047】
図2では、導体1、2、3、4はホイルである。ホイル1、2、3、4は、断面で配置される。
図2の実施形態では、一次巻線部21は2巻回を含むため、断面は2回示されている。2つの断面図のホイル1、2、3、4の径方向位置は、同一である。
【0048】
図3に示す他の実施形態によると、導体1、2、3、4はリッツ線である。リッツ線1、2、3、4は、リッツ線のグループで形成されたケーブルに配置される。ケーブルは、
図3に示すような断面を有する。第1の一次巻線部21は、渦巻きとして配置された複数巻回のケーブルを含む。断面は、各巻回で基本的に同じであり、特に、各リッツ線の径方向および軸方向位置は、各断面で同じである。一次巻線部21、22内で導体1、2、3、4の入替えはない。第1のおよび第2の一次巻線部21、22の導体1、2、3、4の直列接続についてさらに、
図5A~
図6Bで説明する。
【0049】
図3の実施形態では、第1の一次巻線部21は、渦巻きとして配置された複数巻回のリッツ線を含む。他の実施形態によると、第1の一次巻線部21は、内部および外部渦巻きまたは互いに径方向にずれた複数の渦巻きを形成するケーブルの1つ以上のさらに他の径方向の巻回を含み得る。したがって、第2の一次巻線部22は同じ構造を有し得る。
【0050】
図4Aおよび
図4Bは、実施形態に係る強磁性コア10の脚11の周りに配置された第1の一次および二次巻線部21、31の異なる実施形態を示す。本実施形態の電気部品は変圧器であり、さらに、強磁性コアの第1の脚11の周りに配置された第1の二次巻線部31と、強磁性コアの第2の脚12の周りに配置された第2の二次巻線部32とを有する二次巻線30を備える(図示せず)。
図4Aでは、一次巻線20は外側巻線であり、二次巻線30は内側巻線である。したがって、第1の二次巻線部31は、第1の二次巻線部31の周りに配置された第1の一次巻線部21よりも、強磁性コア10の第1の脚11に対して径方向に近接して配置される。
【0051】
図4Aおよび
図4Bでは、第1の一次巻線部21は、図を簡潔にするように、模式的に2巻回を含む。しかしながら、第1の一次巻線部21、22は、複数の、たとえば10~20の巻回を含み得る。
【0052】
図4Bでは、一次巻線20は内側巻線であり、二次巻線30は外側巻線である。したがって、第1の一次巻線部21は、第1の二次巻線部31よりも、強磁性コア10の第1の脚11に対して径方向に近接して配置される。しかしながら、どちらの巻線20、30が内側巻線であるかとは無関係に、通常、第1のおよび第2の一次巻線部21、22は等しい、すなわち、両方とも内側巻線部または外側巻線部である。
【0053】
一次および二次巻線20、30間に、
図4Bに示す断面図に垂直な、巻線20、30の軸方向を向く漂遊磁界が存在する。アンペールの法則によると、磁場は、巻線20、30の外側でゼロから巻線20、30間の最大値まで増加する。内側巻線内で、磁場はゼロから最大値まで径方向に増加する。外側巻線内で、磁場はゼロまで減少する。内側巻線において径方向外側に移動させると、第1のホイル1の後で正規化された1の電界強度が存在し、第2のホイル2の後で2の電界強度が存在する、などである。本発明によると、ホイルは、並列接続可能なホイル1、2、3によって形成されたループを通過する磁束が打消す、または少なくとも大幅に減少するように、第1のおよび第2の一次巻線部21、22間で入替えられる。
【0054】
図4A/
図4Bの実施形態では、ホイル1は径方向最も内側のホイルであり、ホイル3は、径方向最も外側のホイルであり、ホイル2は、それらの間に位置する。一般に、第1の一次巻線部21の径方向外側列の導体1、2、3、4、5、6は、第2の一次巻線部22の径方向内側列の導体1、2、3、4、5、6と直列接続される。それゆえ、少なくとも2つのホイルを入替える必要がある。
【0055】
ある実施形態によると、第1のおよび第2の一次巻線部21、22は、M個の列の導体1、2、3、4、5、6を含む断面で強磁性コアの周りに配置され、各列は径方向列位置に配置され、径方向最も内側の列位置は列位置番号1であり、径方向最も外側の列位置は列位置番号Mであり、1≦m≦Mを有する第1の一次巻線部のm列位置の各導体1、2、3、4、5、6は、第2の一次巻線部のM+1-m列位置の導体1、2、3、4、5、6と直列接続される。
図4A/
図4Bのナンバリングに従って、第1のおよび第2の一次巻線部21、22のホイル1および3、2および2、ならびに3および1が、それぞれ直列接続される。
【0056】
ある実施形態によると、第1の一次巻線部21および第2の一次巻線部22の各々は、リッツ線1、2、3、4、5、6のグループで形成されたケーブルを含む。
【0057】
図5Aは、第1のおよび第2の一次巻線部21、22内の磁束を示す。軸方向(z)は、
図5Aにおいて下から上に示され、径方向(4)は左から右に示される。磁束は、軸方向成分(Hz)と径方向成分(Hr)とを有する。強磁性コア10と第1のおよび第2の二次巻線部31、32までの径方向距離の差によって、軸方向磁束が生じる。
図5Aでは、磁束は同じ方向を向くように逆さまに示されている。導体1、2、3、4は、らせんに配置され、第1のおよび第2の一次巻線部21、22を形成する。
【0058】
図5Bは、第1のおよび第2の一次巻線部21、22の並列接続可能な導体間の軸方向および径方向成分の磁束を示す図である。図示するように、磁束は、プラスおよびマイナスとして示される異なる方向を向く。磁束は反対称である。
図5Bはまた、第1のおよび第2の一次巻線部21、22間の導体1、2、3、4の接続を示す。
【0059】
本実施形態では、リッツ線1および2が内側列位置にありリッツ線3および4が外側列位置にある状態で、
図5A/
図5Bに示すようにワイヤ1および4が位置を交換し、ワイヤ2および3が位置を交換するように、第1のおよび第2の一次巻線部21、22のリッツ線1、2、3、4は接続される。径方向内側および外側リッツ線1、2、3、4間の位置の交換は、必ずしも上部および底部リッツ線1、2、3、4間の交換を含まない。言い換えると、ワイヤ1および4は両方の一次巻線部21、22の底部である一方で、ワイヤ2および3は両方の一次巻線部の上部である。このような直列接続によって、4本の平行なリッツ線1、2、3、4によって形成されるすべてのループ間の軸方向および径方向磁束が完全に打消される。そのため、そのような磁束による循環電流が取除かれる。
【0060】
図6Aおよび
図6Bは、一次巻線が6つの導体1、2、3、4、5、6を含む他の実施形態を示す。
図5Aの実施形態と比較すると、
図6Aの実施形態は、さらに2つの導体5、6を含む。導体1、2、3、4、5、6は、径方向2列と軸方向3列とを有する断面で配置される。導体の断面で、導体1、2および3は径方向内側位置に設けられ、導体4、5および6は、径方向外側位置に設けられる。軸方向磁束の相殺は、
図5Aおよび
図5Bと同様に作用する。軸方向の入替えがない場合、軸方向の磁束の相殺はそれ以上完全に作用しない。なぜなら、径方向磁束の大きさは、一次巻線の端から中央に向かって軸方向に減少するからである。磁束は、
図6Aに図示されている。
図6Aの右側は、
図5Aと同様に、さかさまに示されている。たとえば、第1の一次巻線部21の底部で、リッツ線{1、6}とリッツ線{2、5}との間の径方向磁束は、リッツ線{2、5}とリッツ線{3、4}との間の径方向磁束より大きい。これは、H場ベクトルの角度の変化によって示される。
【0061】
本実施形態によると、導体の断面は、
図6Aに示すように、K≧3軸方向列のリッツ線1、2、3、4、5、6を含む。各列は、軸方向列位置に配置され、軸方向端列位置は列位置番号1であり、反対側の軸方向端列位置は列位置番号Kであり、1≦k≦Kの第1の一次巻線部21のk列位置の各リッツ線1、2、3、4、5、6は、第2の一次巻線部22のK+1-k列位置のリッツ線1、2、3、4、5、6と直列接続されて、第1のおよび第2の一次巻線部21、22の並列接続可能なリッツ線1、2、3、4、5、6間の磁束の合計を減少させる。
【0062】
図6Bは、第1のおよび第2の一次巻線部21、22の導体1、2、3、4、5、6の直列接続を示す。
【0063】
参照番号
【符号の説明】
【0064】
1 導体
2 導体
3 導体
4 導体
5 導体
6 導体
10 強磁性コア
11 第1の脚
12 第2の脚
20 一次巻線
21 第1の一次巻線部
22 第2の一次巻線部
30 二次巻線
31 第1の二次巻線部
32 第2の二次巻線部
41 第1の外部電気コネクタ
42 第2の外部電気コネクタ