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特許7600153電池モジュール、電池モジュールを備える電源装置、電源装置を備える電動車両及び蓄電装置
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  • 特許-電池モジュール、電池モジュールを備える電源装置、電源装置を備える電動車両及び蓄電装置 図1
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  • 特許-電池モジュール、電池モジュールを備える電源装置、電源装置を備える電動車両及び蓄電装置 図12
  • 特許-電池モジュール、電池モジュールを備える電源装置、電源装置を備える電動車両及び蓄電装置 図13
  • 特許-電池モジュール、電池モジュールを備える電源装置、電源装置を備える電動車両及び蓄電装置 図14
  • 特許-電池モジュール、電池モジュールを備える電源装置、電源装置を備える電動車両及び蓄電装置 図15
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】電池モジュール、電池モジュールを備える電源装置、電源装置を備える電動車両及び蓄電装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/284 20210101AFI20241209BHJP
   H01M 50/289 20210101ALI20241209BHJP
   H01M 50/35 20210101ALI20241209BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20241209BHJP
   H01M 50/298 20210101ALI20241209BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20241209BHJP
   H01M 50/569 20210101ALI20241209BHJP
   B60K 6/28 20071001ALI20241209BHJP
   B60W 10/26 20060101ALI20241209BHJP
   B60W 20/00 20160101ALI20241209BHJP
   B60K 6/40 20071001ALI20241209BHJP
   B60L 50/64 20190101ALI20241209BHJP
   B60L 53/14 20190101ALI20241209BHJP
   B60L 58/12 20190101ALI20241209BHJP
【FI】
H01M50/284 ZHV
H01M50/289 101
H01M50/35 101
H01M10/44 P
H01M50/298
H01M50/249
H01M50/569
B60K6/28
B60W10/26 900
B60W20/00
B60K6/40
B60L50/64
B60L53/14
B60L58/12
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021572963
(86)(22)【出願日】2020-09-15
(86)【国際出願番号】 JP2020034803
(87)【国際公開番号】W WO2021149300
(87)【国際公開日】2021-07-29
【審査請求日】2023-07-04
(31)【優先権主張番号】P 2020009519
(32)【優先日】2020-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003225
【氏名又は名称】弁理士法人豊栖特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】國光 智徳
(72)【発明者】
【氏名】中山 正人
(72)【発明者】
【氏名】矢野 準也
(72)【発明者】
【氏名】濱田 泰輔
【審査官】式部 玲
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-175743(JP,A)
【文献】特開2013-168357(JP,A)
【文献】特開2013-051856(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/284
H01M 50/289
H01M 50/35
H01M 10/44
H01M 50/298
H01M 50/249
H01M 50/569
B60K 6/28
B60W 10/26
B60W 20/00
B60K 6/40
B60L 50/64
B60L 53/14
B60L 58/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルを積層してなる電池積層体と、
前記電池積層体の積層方向の両端部に配置してなる一対のエンドプレートと、
一対の前記エンドプレートを連結してなるバインドバーと、
前記電池セルの電圧を検出する電圧検出回路を実装してなる電子回路ブロックと、
を備える電池モジュールであって、
前記電子回路ブロックが、
前記電池積層体の両端部に配置してなる両方の前記エンドプレートの外表面に配設され、
各電子回路ブロックが、
前記電池セルの電圧を検出する電圧検出ラインを介して前記電池セルに接続されてなることを特徴とする電池モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載する電池モジュールであって、
複数の前記電池セルからなる前記電池積層体が、
前記電池セルの積層方向の中間で複数の電池ユニットに区画され、
各々の前記電池ユニットが、
前記電圧検出ラインを介して別々の前記電子回路ブロックに接続されてなることを特徴とする電池モジュール。
【請求項3】
請求項1又は2に記載する電池モジュールであって、
前記電池積層体が、
前記電池セルに設けてなる排気弁の開口部に連結してなるガスダクトを備え、
前記ガスダクトが、
前記電池積層体の電極面の中央部に、前記電池セルの積層方向に伸びる姿勢で配置されて、
前記電圧検出ラインが、
前記ガスダクトの側縁に沿って配置されていることを特徴とする電池モジュール。
【請求項4】
請求項3に記載する電池モジュールであって、
前記電圧検出ラインが、
前記ガスダクトの両側に配置されていることを特徴とする電池モジュール。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載する電池モジュールであって、
前記電子回路ブロックが、
各々の前記電池セルのセルバランスを調整するセルバランス調整回路を備え、
前記セルバランス調整回路が、
前記電圧検出ラインに通電して各々の前記電池セルのセルバランスを調整することを特徴とする電池モジュール。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載する電池モジュールであって、
前記電圧検出ラインが、
ワイヤーハーネス又はプリント基板であることを特徴とする電池モジュール。
【請求項7】
請求項6に記載する電池モジュールであって、
前記電圧検出ラインのプリント基板が、
フレキシブルプリント基板(FPC)であることを特徴とする電池モジュール。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載する電池モジュールであって、
前記電子回路ブロックが、
複数の前記電子回路ブロックがカスケード接続されて信号を伝送できる通信端子を備え、
前記通信端子が、
直流を遮断して交流信号を通過させるカップリング素子を介して内部接続されてなることを特徴とする電池モジュール。
【請求項9】
請求項8に記載する電池モジュールであって、
前記カップリング素子が、
カップリングコンデンサ、トランス、光電送素子のいずれかであることを特徴とする電池モジュール。
【請求項10】
請求項8または9に記載する電池モジュールを複数備える電源装置であって、
隣接する前記電池モジュールを接続するパワーラインと外部通信ラインとを備え、
前記パワーラインは前記電池モジュールの出力端子に接続されて、
前記外部通信ラインは前記通信端子に接続され、
前記外部通信ラインが、
前記パワーラインを接続してなる前記電池モジュールの端部に位置する前記通信端子に接続されて、
前記パワーラインと前記外部通信ラインの両方が、
前記電池モジュールの同じ側の端部に接続されてなることを特徴とする電源装置。
【請求項11】
請求項10に記載する電源装置であって、
隣接して配置されてなる前記電池モジュールが、
最も接近して配置されてなる一対の前記通信端子に、
前記外部通信ラインが接続されてなることを特徴とする電源装置。
【請求項12】
請求項10または11に記載する電源装置を備える電動車両であって、
前記電源装置と、
該電源装置から電力供給される走行用のモータと、
前記電源装置及び前記モータを搭載してなる車両本体と、
前記モータで駆動されて前記車両本体を走行させる車輪と
を備えることを特徴とする電動車両。
【請求項13】
請求項10または11に記載する電源装置を備える蓄電装置であって、
前記電源装置と、
該電源装置への充放電を制御する電源コントローラと
を備え、
前記電源コントローラでもって、外部からの電力により前記電池セルへの充電を可能とすると共に、該電池セルに対し充電を行うよう制御することを特徴とする蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電池セルを接続した電池モジュールと、複数の電池モジュールからなる電源装置と、この電源装置を備える電動車両及び蓄電装置に関し、特にハイブリッド車、電気自動車、燃料電池自動車、電動オートバイ等の電動車両に搭載されて車両を走行させるモータに電力を供給する電池モジュールと電源装置、あるいは家庭用、工場用の蓄電用途等に使用される大電流用の電池モジュールと電源装置、さらにこの電源装置を備える電動車両及び蓄電装置に関する。
本明細書において「電池モジュール」は、複数の電池セルの両端面にエンドプレートを配置して一対のエンドプレートをバインドバーで連結し、電池セルの電圧を検出する電圧検出回路を備える全ての電池モジュール、たとえば充放電電流をコントロールする充放電制御回路等の制御回路を内蔵しない「電池パック」等を含む広い意味に使用する。
【背景技術】
【0002】
複数の電池セルを備える電池モジュールは、ハイブリッド自動車や電気自動車など車両用の電源や、工場用、家庭用などの蓄電システムの電源などに利用されている(例えば特許文献1参照)。
このような電池モジュールの一例を図15の分解斜視図に示す。この図に示す電池モジュール900は、複数の電池セル901を積層して電池積層体902とし、この電池積層体902の両端面にエンドプレート903を配置して、一対のエンドプレート903をバインドバー904で締結して電池セル901を固定している。各電池セル901は、正負一対の電極端子911を上面の端子面910に配置している。正負の電極端子911はバスバー914を介して電気的に接続して、電池セル901を直列や並列に接続している。
【0003】
また、電池積層体902の上面には、各電池セル901に接続している回路基板906を配置している。回路基板906は、電池セル901を保護しながら充放電できるように、電池セル901の電圧などの情報を検出する電圧検出回路を実装している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2014/024452号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上の電池モジュールは、回路基板が全体を高くする障害となる。また、電池積層体の上面にはガスダクトも配置されるが、このガスダクトは電池セルの排気弁から噴出される高温・高圧が流入されるので、ガスダクトから漏れる高温・高圧の排出ガスは、回路基板の故障の原因となる。
本発明は、以上の弊害を防止することを目的に開発されたもので、本発明の目的は、電池モジュールの高さを低くしながら、電池セルから噴出される高温・高圧の排出ガスによる回路基板の損傷を防止して高い安全性を実現する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様に係る電池モジュールは、複数の電池セルを積層してなる電池積層体と、電池積層体の積層方向の両端部に配置してなる一対のエンドプレートと、一対のエンドプレートを連結してなるバインドバーと、電池セルの電圧を検出する電圧検出回路を実装してなる電子回路ブロックとを備えており、電子回路ブロックを、電池積層体の両端部に配置してなる両方のエンドプレートの外表面に配設し、各電子回路ブロックを、電圧検出ラインを介して電池セルに接続している。
【0007】
本発明のある態様に係る電源装置は、上記電池モジュールを複数備える電源装置であって、隣接する電池モジュールを接続するパワーラインと外部通信ラインとを備え、パワーラインを電池モジュールの出力端子に接続し、外部通信ラインを通信端子に接続して、外部通信ラインを、パワーラインを接続してなる電池モジュールの端部に位置する通信端子に接続して、パワーラインと外部通信ラインの両方を、電池モジュールの同じ側の端部に接続している。
【0008】
本発明のある態様に係る電動車両は、上記電源装置と、電源装置から電力供給される走行用のモータと、電源装置及びモータを搭載してなる車両本体と、モータで駆動されて車両本体を走行させる車輪とを備えている。
【0009】
本発明のある態様に係る蓄電装置は、上記電源装置と、電源装置への充放電を制御する電源コントローラとを備えて、電源コントローラでもって、外部からの電力により電池セルへの充電を可能とすると共に、電池セルに対し充電を行うよう制御している。
【発明の効果】
【0010】
以上の電池モジュールは、高さを低くしながら、高温・高圧の排出ガスから電圧検出回路を備える電子回路ブロックを保護して高い安全性を実現して、電子回路ブロックを効率よく放熱できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態1にかかる電池モジュールの斜視図である。
図2図1に示す電池モジュールの分解斜視図である。
図3図1に示す電池モジュールのIII-III線断面図である。
図4】本発明の実施形態1にかかる電池モジュールの概略斜視図である。
図5】電子回路ブロックの一例を示す回路図である。
図6】参考例にかかる電池モジュールの概略斜視図である。
図7図1に示す電池モジュールの端部を示す平面図である。
図8図7に示す電池モジュールのVIII-VIII線断面図である。
図9】エンドプレートと電子回路ブロックの連結構造の他の一例を示す拡大平面である。
図10】複数の電池モジュールを備える電源装置の概略平面図である。
図11図10に示す電源装置の概略回路図である。
図12】エンジンとモータで走行するハイブリッド車に電池モジュールを搭載する例を示すブロック図である。
図13】モータのみで走行する電気自動車に電池モジュールを搭載する例を示すブロック図である。
図14】蓄電装置に電池モジュールを使用する例を示すブロック図である。
図15】従来の電池モジュールの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
まず、本発明の一つの着目点について説明する。一般的な電源モジュールは、電池セルの排気弁が噴出する排気ガスを外部に排気するために、電池積層体の上面にガスダクトを配置している。ガスダクトは、電池セルの排気弁から排出される高温・高圧の排出ガスを外部に排気するために設けられる。電池セルの排気弁は、内圧が設定値まで上昇すると開弁して、電池ケースの破裂を防止する。この排気弁は、電池の内圧が異常に高くなることを検出して開弁するが、電池セルの内圧は、過充電や過放電、さらに内部短絡などが発生して、電池セル内部で燃焼事象が発生して異常に高くなるので、排出ガスは高温・高圧となる。電池セルから噴出される高温・高圧の排出ガスは、周辺部材を燃焼する等の悪影響を与えるので、ガスダクトで外部に排気される。ガスダクトは、電池セルの排気弁からの排出ガスを外部に案内するために、電池積層体の上に配置される。ガスダクトは、各電池セルの排気弁から噴出される排出ガスを内部に流入させる流入穴を設けている。
【0013】
さらに、電源モジュールは、各々の電池セルの過充電や過放電を防止するために、電池セルの電圧を検出する電圧検出回路を実装する回路基板を備える。回路基板に設けた電圧検出回路は、電圧検出ラインを介して電池セルの電極端子に接続されて各々の電池セルの電圧を検出する。回路基板は、電池積層体の上面に配置されて、電圧検出ラインを短くできる。短い電圧検出ラインは線路のインピーダンスが小さく、セル電圧を正確に検出できる。
【0014】
以上のように、ガスダクトと回路基板を備える電源モジュールは、ガスダクトを電池積層体の電極面に配置して電池セルの排気弁に連結し、ガスダクトの上に回路基板を配置して、回路基板の電圧検出回路を電圧検出ラインを介して電池セルに接続できる。
【0015】
ここで、電源モジュールは、電池積層体の上面に電池セルの積層方向に伸びるガスダクトを配置して、電池セルから噴出される排出ガスをスムーズに外部に排気でき、さらに、ガスダクトの上に電池セルの積層方向に伸びる回路基板を配置して、短い電圧検出ラインで回路基板の電圧検出回路を電池セルの電極端子に接続できる。しかしながら、この構造の電源モジュールは、電池セルから噴出される高温・高圧の排出ガスが、回路基板を燃焼させるなどの悪影響を与える。とくに、回路基板の電圧検出回路の電子部品が高温・高圧の排出ガスで悪影響を受けて安全性が低下する。さらにまた、電池積層体の上面には、電圧検出ラインのコネクタやリード線も配置されるが、高温・高圧の排出ガスは、コネクタやリード線を燃焼し、これ等の燃焼熱が電池セルを連鎖的に発煙、発火させて、安全性を低下させる原因となる。
【0016】
排出ガスが異常な高温・高圧であることから、ガスダクトが完全にガスを外部に排出することは難しい。回路基板は、ガスダクトによって電池セルの端子面から離されているが、ガスダクトから漏れる排出ガスによって、回路基板を燃焼させる等、熱傷害をさらに大きくする可能性がある。さらに、排出ガスには、電池セル内部の金属片などの異物が含まれ、これ等が回路基板の電子回路をショート故障させる等の原因ともなる。
【0017】
さらに、電池モジュールは、全ての用途においてほとんど例外なく全体を小型化することが要望される。単位容積に対する充放電の容量を大きくして高性能化するためである。ところが、電池積層体の上面には、多数の部品が配置されるため、全体を低くすることが難しい。具体的には、電池積層体の上面に配置される部品としては、排出ガスを排出するためのガスダクト、端子面から突出する電極端子、隣接する電極端子同士を接続するための金属板のバスバー、電子部品を実装する回路基板、回路基板と電池セルを接続するリード線、高電圧な電池積層体から部品を絶縁するための絶縁材などがある。これらの部品の多くは、互いに干渉しないように配置する必要がある。
【0018】
電池積層体の上面に、ガスダクト、回路基板、リード線等の多数の部品を配置する電池モジュールは、部品配置の改良だけでは、電池モジュールの高さを低くして小型化することが難しく、回路基板が実質的に電池モジュールの体積、とくに高さを大きくする弊害となっている。一方、回路基板を薄く小型化すると、回路基板に実装する発熱部品の熱エネルギーを効率よく放熱できない欠点が顕著になる。回路基板には、半導体素子や放電抵抗などの発熱部品が実装されるので、熱エネルギーを効率よく放熱して、発熱部品の温度上昇を設定温度よりも低くすることは極めて大切である。以下の実施の形態に記載する電源モジュールは、独特の構造によって以上の欠点を解消できる。
【0019】
以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一もしくは同等の部分又は部材を示す。
さらに以下に示す実施形態は、本発明の技術思想の具体例を示すものであって、本発明を以下に限定するものではない。また、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また、一の実施の形態、実施例において説明する内容は、他の実施の形態、実施例にも適用可能である。また、図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張していることがある。
【0020】
本発明の第1の実施態様の電池モジュールは、複数の電池セルを積層してなる電池積層体と、電池積層体の積層方向の両端部に配置してなる一対のエンドプレートと、一対のエンドプレートを連結しているバインドバーと、電池セルの電圧を検出する電圧検出回路を実装してなる電子回路ブロックとを備える。電子回路ブロックは、電池積層体の両端部に配置してなる両方のエンドプレートの外表面に配設され、各電子回路ブロックは、電圧検出ラインを介して電池セルに接続している。
【0021】
以上の電池モジュールは、電池セルの排気弁が噴出する高温・高圧の排出ガスから回路基板を保護しながら、電池モジュールを小型化して単位容積に対する充放電の容量を大きくでき、さらに、電圧検出回路を実装する電子回路ブロックの熱エネルギーをエンドプレートや外部に効率よく放熱して、電子回路ブロックの温度上昇を少なくできる特長がある。とくに、以上の構造は、電子回路ブロックを垂直姿勢でエンドプレートの表面に配置できるので、電子回路ブロックの表面をスムーズに空気が対流して効率よく放熱できる特長がある。また、エンドプレートで、高温・高圧の排出ガスから遮断される電子回路ブロックは、排気弁が開弁する電池セルの異常な使用状態においても、正常な動作状態として高い安全性を確保する。電子回路ブロックの熱エネルギーを効率よく放熱できる特性は、電子回路ブロックを小型化しながら温度上昇を小さくできる特長も実現する。電子回路ブロックが実装する電子部品の温度上昇も小さくして、電子部品の安定な動作が保証できる特長も実現する。
【0022】
さらに、以上の電池モジュールは、電池積層体の両端部に配置している両方のエンドプレートに電子回路ブロックを配置する、すなわち電子回路ブロックを2組に分割してエンドプレートに配置するので、電池セルと電子回路ブロックとを接続する電圧検出ラインを短くできる。それは、各々の電池セルが、近くに配置される電子回路ブロックに電圧検出ラインで接続できるからである。電圧検出ラインを短くできることは、電池セルの電圧をより高い精度で検出することに極めて大切である。それは、長い電圧検出ラインはインピーダンスが高くなってノイズの影響を受けやすくなり、さらに電圧降下も大きくなり、ノイズや電圧降下がセル電圧の検出誤差の原因となるからである。セル電圧の検出精度は、電池モジュールの劣化と寿命に影響を与えるので、いかに高精度に検出できるかは極めて大切である。
【0023】
以上の電池モジュールは、電子回路ブロックを電池積層体の電極面の上に配置することなく、エンドプレートの外表面に配置するので、全体を低く設計しながら、電池セルから噴出する高温・高圧の排出ガスから電子回路ブロックを保護できる。さらに、電池積層体と電子回路ブロックの間にエンドプレートを配置するので、このエンドプレートが電子回路ブロックを電池セルの排出ガスから遮断して、高温・高圧の排出ガスから電子回路ブロックを保護できるので、異常な状態においても電子回路ブロックの正常な動作を保証して高い安全性が保証される。また、電子回路ブロックを2組として、電池積層体の両端部のエンドプレートに配置するので、電池セルと電子回路ブロックを接続する電圧検出ラインを短くして線路のインピーダンスを低く、とくに電気抵抗を小さくして各々の電池セルの電圧を高精度で検出できる特長も実現する。また、電子回路ブロックの発熱をエンドプレートに効率よく放熱できるので、電子回路ブロックの温度上昇を少なくできる。さらにまた、電子回路ブロックを垂直姿勢でエンドプレートの表面に配置できるので、電子回路ブロックの表面にスムーズに空気を対流させて冷却効率を高くできる。電子回路ブロックを効率よく放熱できる構造は、電子回路ブロックを小型化して発熱が狭い領域に集中する回路構成としても、局部的に温度上昇を小さくし、さらに電子回路ブロックの発熱する電子部品の温度上昇も小さくして、より安定な動作も保証できる。
【0024】
本発明の第2の実施態様の電池モジュールは、複数の電池セルからなる電池積層体を、電池セルの積層方向の中間で複数の電池ユニットに区画し、各々の電池ユニットを、電圧検出ラインを介して別々の電子回路ブロックに接続している。
【0025】
本発明の第3の実施態様の電池モジュールは、電池積層体が、電池セルに設けてなる排気弁の開口部に連結してなるガスダクトを備え、ガスダクトを、電池積層体の電極面の中央部に、電池セルの積層方向に伸びる姿勢で配置して、電圧検出ラインをガスダクトの側縁に沿って配置している。
【0026】
以上の電池モジュールは、電圧検出ラインの配線スペースを小さくできるので、電極面に配置しているガスダクトの横幅を広くして、排気ガスをスムーズに排気してガス漏れを防止できる特長がある。ガス漏れを防止して安全性を確保できるのは、ガスダクトの内圧上昇が少なくなるからである。電圧検出ラインの配線スペースを小さくできるのは、電圧検出ラインを2組の電子回路ブロックに分岐して配線して、各々の電子回路ブロックに接続される電圧検出ラインの本数を少なくできるからである。
【0027】
本発明の第4の実施態様の電池モジュールは、電圧検出ラインをガスダクトの両側に配置している。
【0028】
以上の電池モジュールは、各々の電子回路ブロックに接続する電圧検出ラインをガスダクトの両側に分離して配線できるので、ガスダクトの両側の配線スペースをさらに小さくできる特長がある。
【0029】
本発明の第5の実施態様の電池モジュールは、電子回路ブロックが、各々の電池セルのセルバランスを調整するセルバランス調整回路を備え、セルバランス調整回路が、電圧検出ラインに通電して各々の電池セルのセルバランスを調整する。
【0030】
以上の電池モジュールは、電圧検出ラインをセルバランスの調整に併用して、各々の電池セルを速やかにセルバランスできる特長がある。それは、セルバランスする電圧検出ラインを、近い電子回路ブロックに接続することで短くして電気抵抗を小さくできるからである。電圧検出ラインを短くして電気抵抗を小さくできることで、セルバランス時に配線での電圧降下が小さくなり、電圧検出精度が向上する。
【0031】
本発明の第6の実施態様の電池モジュールは、電圧検出ラインを、ワイヤーハーネス又はプリント基板としている。
【0032】
本発明の第7の実施態様の電池モジュールは、電圧検出ラインのプリント基板を、フレキシブルプリント基板(FPC)としている。
【0033】
以上の電池モジュールは、電圧検出ラインを2分割して近くに配置する電子回路ブロックに接続できるので、電圧検出ラインを短くでき、フレキシブルプリント基板を短くして安価に多量生産できる特長がある。
【0034】
本発明の第8の実施態様の電池モジュールは、電子回路ブロックが、複数の電子回路ブロックをカスケード接続して信号を伝送できる通信端子を備え、この通信端子を、直流を遮断して交流信号を通過させるカップリング素子を介して内部接続している。
【0035】
以上の電池モジュールは、通信端子がカップリング素子を介して内部接続されるので、直流レベルに調整することなく、他の通信端子に接続して、信号を伝送できる特長がある。このことは、複数の電池モジュールを直列に接続する装置において特に有効である。複数の電池モジュールを直列に接続している装置においては、各々の電池モジュールのグランドラインに電位差が発生する。電子回路ブロックの通信端子は、グランドラインを基準電位として信号を伝送するので、グランドラインに電位差のある通信端子は、バイアス電圧を印加してグランドラインの直流レベルをシフトし、接続する通信端子のグランドラインの電位差をゼロレベルとする必要があるが、この回路構成は相当に複雑となる。とくに、多数の電池モジュールを直列に接続している装置は、グランドラインが階段状に変化するので、複数のバイアス電圧でグランドラインを等しくするのは極めて複雑な回路構成となる。さらにグランドラインを等しくするバイアス電圧は、温度でシフトするので、温度特性を極めて正確にコントロールする必要があって、さらに回路構成は複雑になる。以上の電池モジュールは、バイアス電圧でグランドラインの直流レベルを均等化する必要がなく、多数の電池モジュールを直列に接続してグランドラインに電位差のある電池モジュールの通信端子を簡単に接続して信号を伝送できる特長がある。
【0036】
本発明の第9の実施態様の電池モジュールは、カップリング素子が、カップリングコンデンサ、トランス、光電送素子のいずれかである。
【0037】
本発明の第10の実施態様の電源装置は、上記の電池モジュールを複数備える電源装置であって、隣接する電池モジュールがパワーラインと外部通信ラインで接続され、パワーラインは電池モジュールの出力端子に接続されて、外部通信ラインは通信端子に接続され、外部通信ラインが、パワーラインを接続してなる電池モジュールの端部に位置する通信端子に接続されて、パワーラインと外部通信ラインの両方が、電池モジュールの同じ側の端部に接続されてなる。
【0038】
本発明の第11の実施態様の電源装置は、隣接して配置されてなる電池モジュールが、最も接近して配置されてなる一対の通信端子に、外部通信ラインを接続している。
【0039】
(実施の形態1)
以下の実施例に示す電池モジュールは、主として、エンジンとモータの両方で走行するハイブリッドカーやプラグインハイブリッドカー、モータのみで走行する電気自動車、モータで走行する電動バイクなどの電動車両の電源に最適である。ただし、本発明の電池モジュールは、電動車両以外の大出力が要求される用途である蓄電装置用の電源にも適している。
【0040】
図1図4に示す電池モジュール10は、複数の電池セル1を厚さ方向に積層している電池積層体2と、電池積層体2の電池セル1の積層方向の両端部に配置された一対のエンドプレート3と、電池積層体2の両端部のエンドプレート3を連結してなるバインドバー4と、電池積層体2の電池セル1の電圧を検出する電圧検出回路を実装してなる電子回路ブロック6とを備えている。さらに、図に示す電池モジュール10は、各々の電池セル1に設けてなる排気弁1aの開口部に連結してなるガスダクト5と、電池積層体2の上方であって、ガスダクト5の上に配置されたカバーケース8と、電池積層体の下方に配置され
て、エンドプレート3を固定しているベースプレート9とを備えている。
【0041】
(電池セル1)
電池セル1は、図2に示すように、厚さに比べて幅が広い、言い換えると幅よりも薄い角形の二次電池で、厚さ方向に積層されて電池積層体2としている。電池セル1はリチウムイオン二次電池である。ただし、電池セルは、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池等、充電できる他の全ての二次電池とすることもできる。電池セル1は、密閉構造の外装缶に正負の電極板を電解液と共に収容している。外装缶は、アルミニウムやアルミニウム合金等の金属板を角形にプレス成形され、開口部を封口板で気密に密閉している。封口板は、外装缶と同じアルミニウムやアルミニウム合金で、正負の電極端子11を固定して、電極端子11の間に排気弁を設けている。なお、正負の電極端子11は、少なくとも一方の電極端子11が封口板と絶縁された状態とされている。この電池セル1は、封口板を端子面1Xとして正負の電極端子11を設けている。さらに、電池セル1は、外装缶の底面及び側面が絶縁フィルムにより被覆されている。
【0042】
複数の電池セル1は、各電池セル1の厚み方向が積層方向となるように積層されて電池積層体2を構成している。複数の電池セル1は、正負の電極端子11を設けている端子面1Xが同一平面上に配置されて電極面2Xを形成するように積層されて電池積層体2としている。
【0043】
(電池積層体2)
電池積層体2は、図2に示すように、積層している電池セル1の間に絶縁スペーサ12を挟着している。図の絶縁スペーサ12は、樹脂等の絶縁材で薄いプレート状またはシート状に製作されている。図に示す絶縁スペーサ12は、電池セル1の対向面とほぼ等しい大きさのプレート状としており、この絶縁スペーサ12を互いに隣接する電池セル1の間に積層して、隣接する電池セル1同士を絶縁している。なお、隣接する電池セル1間に配置されるスペーサとしては、電池セルとスペーサの間に冷却気体の流路が形成される形状のスペーサを用いることもできる。
【0044】
電池積層体2は、隣接する電池セル1の正負の電極端子11に金属製のバスバー14を接続して、バスバー14でもって複数の電池セル1を直列又は並列に、あるいは直列と並列に接続している。電池積層体2は、積層する電池セル1の個数で出力電圧と、充放電できる容量を設定値としている。電池積層体2は、直列に接続する電池セル1の個数で出力電圧を高くでき、電池セル1の個数で充放電の容量を大きくできる。電池モジュール10は、電池積層体2を構成する電池セル1の個数とその並列と直列に接続する接続状態で、出力電圧と容量を設定値とするので、電池セル1の個数と接続状態は用途を考慮して最適な状態とされる。
【0045】
バスバー14は、電極端子11に接続するための接続部(図示せず)を設けている。バスバー14は、この接続部と電極端子11とを接続する境界にレーザービームを照射して電極端子11に溶接して接続される。ただ、バスバーは、電極端子に雄ネジを設けて、この電極端子を挿通するための貫通孔を開口すると共に、この貫通孔に挿通された電極端子の雄ネジにナットをねじ込んで電極端子に連結することも、電極端子に雌ネジ孔を設け、この雌ネジ孔にバスバーを貫通する止ネジをねじ込んで電極端子に連結することもできる。電池モジュール10は、電池積層体2の上面に樹脂製の絶縁カバー(図示せず)を設けることができる。絶縁カバーは、開口部を設けて、この開口部から電極端子11を表出し、絶縁カバーの上面側で、絶縁カバーの開口部から表出する電極端子11に金属板のバスバー14を接続して、複数の電池セル1を所定の配列で接続することができる。
【0046】
(端面スペーサ13)
電池積層体2は、金属製のエンドプレート3と絶縁するために、両端面には端面スペーサ13を挟んでエンドプレート3を配置することができる。端面スペーサ13は、電池積層体2とエンドプレート3との間に配置されてエンドプレート3を電池積層体2から絶縁する。端面スペーサ13は、樹脂等の絶縁材で薄いプレート状またはシート状に製作されている。端面スペーサ13は、電池セル1の対向面全体をカバーできる大きさのプレート部を設けて、このプレート部を電池積層体2の両端に配置された電池セル1とエンドプレート3との間に積層している。
【0047】
(エンドプレート3)
エンドプレート3は、電池積層体2の電池セル1の積層方向における両端面にあって、電池積層体2を固定している。エンドプレート3は金属製の板材で、外形が電池セル1の外形にほぼ等しく、あるいは電池セル1よりも僅かに大きい四角形の板材である。エンドプレート3は、高張力綱で製作して強靭な構造にできる。エンドプレート3は、1枚の金属板とし、あるいは複数の金属板を積層する構造とし、あるいは金属板とプラスチックとの積層体とすることができる。1枚の金属板からなるエンドプレート3は熱容量が大きく、電子回路ブロック6の熱エネルギーを効率よく吸収できる。また、複数の板材を積層するエンドプレート3は、電子回路ブロック6を固定する表面側を少なくとも金属製の板材とする。電子回路ブロック6が熱結合状態に固定されて、放熱特性を向上するためである。さらに、エンドプレート3は、アルミニウム板と高張力綱板の積層構造とすることができる。このエンドプレートは、表面側をアルミニウム板として電子回路ブロックを固定し、アルミニウム板と高張力綱板とを面接触状態に積層して、アルミニウム板から高張力綱板に効率よく熱伝導できる構造とすることもできる。ただし、エンドプレートは必ずしも金属製とすることなく、たとえばエンジニアリングプラスチック等の優れた強度のプラスチック製とすることもできる。
【0048】
(バインドバー4)
バインドバー4は、電池セル1の積層方向に伸びて両端部をエンドプレート3に固定して、一対のエンドプレート3で電池積層体2を固定している。図1図2に示すバインドバー4は、電池積層体2の側面に沿う所定の上下幅と所定の厚さを有する金属板で、電池積層体2の両側面に対向して配置されている。バインドバー4は、電池積層体2の両端面を強い圧力で加圧して、充放電して膨張しようとする電池セル1を定位置に配置する。バインドバー4の金属板は、好ましくは高張力綱を使用する。金属板のバインドバー4は、プレス成形して所定の形状に形成される。
【0049】
バインドバー4は、図2の分解斜視図に示すように、両端を一対のエンドプレート3に固定するために、電池積層体2の積層方向の両端において、その両端部をエンドプレート3の外側面に沿うように折曲加工して固定部4Aを設けている。バインドバー4は、この固定部4Aをエンドプレート3に螺合するなどして、一対のエンドプレート3を締結している。
【0050】
さらに、バインドバー4は、図2及び図3に示すように、下端部をL字状に折曲して、下側連結片4Bを形成している。この下側連結片4Bは、ベースプレート9の両側部の下面側に積層されて、ベースプレート9に連結される。さらに、バインドバー4は、上端部を折曲して、電池積層体2の上面の端部を押圧する押圧片4Cを形成している。この押圧片4Cは、電池積層体2の電池セル1の上面を個別に押圧できるように、電池セル1毎に分離されている。これにより、各押圧片4Cは隣接する押圧片4Cから独立して電池セル1をベースプレート9側に押圧することができる。このようにして、各電池セル1がベースプレート9から浮き上がることを阻止して高さ方向に保持し、振動や衝撃等が電池積層体2に印加されても、各電池セル1が上下方向に位置ずれしないように維持できる。このようにバインドバー4は、電池積層体2の左右の両側部において、電池積層体2の上下面の隅部を覆って保持している。
【0051】
なお、バインドバー4の形状や、エンドプレート3との締結構造は、既知の構造を適宜利用できる。例えばバインドバーの両端部をL字状に折曲させることなく平板状とし、エンドプレートの側面と螺合するよう構成してもよい。あるいはバインドバーがエンドプレートの側面と対向する部分を、段差状に係合する係合構造として、バインドバーをエンドプレートの側面に係止構造でもって係止した状態で、さらに螺合させる構造としてもよい。
【0052】
また、バインドバー4と電池積層体2の間には、絶縁シートを介在させてもよい。絶縁シートは絶縁性を備える材質、例えば樹脂などで構成され、金属製のバインドバー4と電池セル1との間を絶縁する。
【0053】
(ベースプレート9)
ベースプレート9は、図1図3に示すように、電池積層体2とエンドプレート3の底面に配置される。ベースプレート9は、エンドプレート3が固定され、さらに好ましくはバインドバー4の下端部も固定される。エンドプレート3やバインドバー4は、固定ネジ15、16を介してベースプレート9に固定される。エンドプレート3を固定する固定ネジ15は、エンドプレート3を上下方向に貫通して、エンドプレート3をベースプレート9に固定する。また、バインドバー4を固定する固定ネジ16も、バインドバー4の下端部である下側連結片4Bを貫通して、ベースプレート9に固定される。
【0054】
電池積層体2は、各々の電池セル1をベースプレート9に接触させて、ベースプレート9と熱結合状態に配置する。ベースプレート9に熱結合する電池セル1は、熱エネルギーをベースプレート9に放熱する。さらに、ベースプレート9を強制冷却して、電池セル1の熱エネルギーをさらに効率よく放熱することもできる。強制冷却されるベースプレート9は、図示しないが、内部に冷媒や冷却液を循環して強制冷却することができる。また、ベースプレートは、下面に放熱フィンを設けて強制冷却することもできる。さらに、ベースプレートの下面に面接触状態に冷却プレートを積層して、冷却プレートで強制冷却することもできる。冷却プレートは、内部に冷媒や冷却液を循環して強制冷却することができる。
【0055】
(ガスダクト5)
ガスダクト5は、図3及び図4に示すように、電池セル1の上面、すなわち電池セル1の端子面1Xに対向する位置に配置されて、排気弁1aから噴出される排出ガスを外部に排気する。図4に示すガスダクト5は、電池積層体2の電極面2Xの中央部に、電池セル1の積層方向に伸びる姿勢で配置されている。ガスダクト5は、排気弁1aの開口部から排出される吐き出し物をスムーズに排出する内容積の筒状で、下面を開口して、各々の電池セル1の排気弁1aの開口部に連結している。図4のガスダクトは、横断面形状を横幅の広い長方形とする四角筒状としている。ガスダクト5は、電池積層体2の上面に、排気弁1aから排出される排出ガスを外部に排気するように、電池セル1の端子面1Xとの間に隙間ができないように電池積層体2の上面に密着して配置されて、下面に開口する開口部5aを各々の電池セル1の排気弁1aに連結している。ガスダクト5は、端子面1Xとの間にパッキンやシール材等を配置して、排出ガスを漏れないように配置することもできる。
【0056】
さらに、図示しないが、ガスダクトは、電池積層体の上面に電池セルの積層方向に伸びる姿勢で配置している集合ダクトと、集合ダクトに連結されて、先端を排気弁に連結している分岐ダクトとで構成することもできる。このガスダクトは、集合ダクトを端子面から離して配置して、分岐ダクトの先端を排気弁の開口部に連結することができる。
【0057】
(電子回路ブロック6)
図2及び図4の電池モジュール10は、2組の電子回路ブロック6を備える。2組の電子回路ブロック6は、電池積層体2を両端から加圧して固定している両方のエンドプレート3の外表面に固定している。2組の電子回路ブロック6は、図5に示すように、電池セル1の電圧を検出する電圧検出回路22を備える。各々の電子回路ブロック6の電圧検出回路22は、図5に示すように、各々の電池セル1に電圧検出ライン19を介して接続されて、電池セル1の電圧を検出する。電子回路ブロック6を2組に分割してエンドプレート3に配置する電池モジュール10は、電圧検出ライン19を電池セル1と近くの電子回路ブロック6とに接続できるので、参考例として図6に示す1組の電子回路ブロック6を備える電池モジュール70に比較して電圧検出ライン19を短くできる。図4の電池モジュール10は、電池セル1の積層方向の中間で2組の電池ユニット2Aに区画して、各々の電池ユニット2Aの電池セル1を電圧検出ライン19を介して別々の電子回路ブロック6に接続している。電池積層体2を中央で2分割する電池モジュール10は、図6に示す1組の電子回路ブロック6を備える電池モジュールに対して、最も長い電圧検出ライン19を1/2の長さに短縮できる。
【0058】
図4の電池モジュール10は、電圧検出ライン19をガスダクト5の側縁に沿って、ガスダクト5の両側に配線している。この電池モジュール10は、ガスダクト5の両側に配線する電圧検出ライン19の本数を少なくして、電圧検出ライン19の配線スペースを狭くできる。配線スペースの狭い電圧検出ライン19は、その中央部に配置するガスダクト5の横幅を広くして、排気ガスをスムーズに排気してガス漏れを防止できる。複数の電圧検出ライン19は、ワイヤーハーネス又はプリント基板39として、電池積層体2の上面に配線される。とくに、電圧検出ライン19のプリント基板39をフレキシブルプリント基板39A(FPC)とする電池モジュール10は、電圧検出ライン19の配線スペースを極めて薄くできる特長がある。
【0059】
図2図4及び図7に示す電子回路ブロック6は、フレキシブルプリント基板39Aである電圧検出ライン19を接続するための接続端子37を備えている。図のフレキシブルプリント基板39Aは、電子回路ブロック6に接続するためのコネクタ38を一端に備えており、このコネクタ38を電子回路ブロック6に設けた接続端子37に連結することで、簡単かつ確実に接続できるようにしている。図に示す電子回路ブロック6は、全体の外形を、エンドプレートの外表面に沿って配置できるように薄い箱形状とすると共に、その上面の両端部に、コネクタ38を連結するための接続端子37を設けている。この構造は、接続端子37に接続されるフレキシブルプリント基板39Aをガスダクト5に干渉しない位置に便利に配線できる。ただ、接続端子は、箱形状の電子回路ブロックの上面の中央部に配置してもよい。この場合、接続端子に接続される電圧検出ライン(フレキシブルプリント基板)の先端部をクランク状に折曲することで、コネクタを接続端子に連結しながら、電圧検出ライン(フレキシブルプリント基板)の本体部分をガスダクトの両側に配線できる。
【0060】
電子回路ブロック6は、電圧検出回路22を実現する電子部品を回路基板20(図5及び図8参照)に実装している。ただ、電子回路ブロック6は、電圧検出回路22を含む全ての電子回路を集積回路として、集積回路を絶縁材のパッケージに埋設するブロックとすることもできる。電子回路ブロック6は、図5及び図8に示すように、放熱器21の金属プレートを表面に配置するブロックとすることができる。放熱器21は、電子回路ブロック6が内蔵する発熱部品、たとえば、セルバランス調整回路の放電抵抗、電流をコントロールするFETなどの半導体素子等に熱結合されて、これ等の発熱部品の熱エネルギーを外部に放熱する。電子回路ブロック6は、回路基板20に電子部品を実装して全体の形状を板状とし、あるいは集積回路をパッケージに埋設して板状としている。
【0061】
電圧検出回路22を備える電子回路ブロック6は、充放電して電圧が変動する電池セル1の電圧を検出し、電池電圧を設定範囲として、各々の電池セル1の過充電や過放電を防止する。電池モジュール10は、電池積層体2の充放電電流をコントロールする制御回路30を電子回路ブロック6に備えてもよい。この制御回路30は充放電の電流をコントロールして、電池セル1の過充電と過放電を防止する。電圧検出回路22は、この制御回路30に電池セル1の電圧データを伝送する。電子回路ブロックは、制御回路を設けることなく外部に設けた制御回路に電池情報を伝送して、外部の制御回路で電池モジュール10の充放電の電流をコントロールすることもできる。
【0062】
電圧検出回路22は、好ましくは、全ての電池セル1の電圧を検出する。ただ、電圧検出回路22は、必ずしも全ての電池セル1の電圧を検出することなく、たとえば、電池積層体2を構成する電池セル1を複数の電池ユニットに分割して、各々の電池ユニットの電圧を検出することもできる。複数の電池セル1を並列に接続している電池ユニットは、電池ユニットの電圧を検出して、全ての電池セルの電圧を検出できる。複数の電池セルを直列に接続している電池ユニットは、電池ユニットの電圧を検出して、直列接続している電池セルのトータル電圧を検出する。複数の電池セルを直列接続している電池ユニットは、2~5個の電池セルで構成される。この電池ユニットは、電池ユニットの電圧を検出して、2~5個の電池セル1のトータル電圧を検出するので、電池セルの電圧は検出するトータル電圧の1/2~1/5となる。電池セル1の電圧は残容量で変化する。電池セル1の電圧は、過充電されるとあらかじめ設定している最高電圧よりも高くなり、過放電されると最低電圧よりも低くなる。電池セル1は、過充電され、あるいは過放電されると電気特性が低下して劣化し、安全性も低下する。電圧検出回路22は、電池セル1の電圧を検出して、制御回路30に伝送し、制御回路30は電池セル1の電圧を設定範囲となるように充放電の電流をコントロールする。
【0063】
電池モジュール10は、充放電を繰り返すにしたがって、各々の電池セル1の残容量や電圧がアンバランスとなる。直列に接続された電池セル1は、同一電流で充放電される。同一電流で充放電されるが、各々の電池セル1の電気特性は完全に同一でない。したがって、複数の電池セル1を直列に接続している電池モジュール10は、充放電を繰り返すに従って各々の電池セル1の電圧や残容量がアンバランスになる。電池セル1のアンバランスは、特定の電池セル1を過充電し、あるいは過放電する原因となる。電池モジュール10は、全ての電池セル1を同時に充放電するので、電池セル1のアンバランスは、特定の電池セル1を過充電し、あるいは過放電する原因となる。電池セル1の過充電と過放電は、電池セル1の電気特性を低下して、劣化させる原因となり、また電池モジュール10の安全性を低下する。セルバランス調整回路23は、電池セル1の電圧のアンバランスを解消する。
【0064】
電子回路ブロック6は、電池セル1の電圧を均等化するセルバランス調整回路23も実装する。セルバランス調整回路23は、電圧検出ライン19を利用して、電圧の高い電池セル1を放電して、電圧の低い電池セル1を充電して、電池セル1の電圧を均等化してアンバランスを解消する。セルバランス調整回路23の回路図の一例を図5に示す。残容量の大きい電池セル1は電圧が高くなるので、電圧の高い電池セル1を放電して残容量を均等化できる。この図に示すセルバランス調整回路23は、電圧が高い電池セル1を放電抵抗25で放電して、アンバランスを解消する。ただ、セルバランス調整回路23は、放電抵抗25で電池セル1を放電する回路には特定しない。例えば、セルバランス調整回路は、電圧の高い電池セルをコンデンサや蓄電用電池等の蓄電器に放電して蓄電器に蓄電し、この蓄電器の電荷を電圧の低い電池セルに放電して、電池セルの電圧差を解消することもできる。また、セルバランス調整回路は、電圧の高い電池セルの電圧をDC/DCコンバータで電圧変換し、電流をコントロールしながら低電圧の電池セルを充電して電圧を均等化することもできる。
【0065】
図5のセルバランス調整回路23は、放電抵抗25にスイッチング素子26を直列に接続している放電回路24を備え、各々のセル電圧を検出して、スイッチング素子26をON/OFFに制御するコントロール回路27と、各々の電池セル1のセル電圧を検出する電圧検出回路22を接続している。放電抵抗25とスイッチング素子26の放電回路24は、各々の電池セル1と並列に接続している。このセルバランス調整回路23は、電池セル1のセル電圧が高くなるときに、コントロール回路27でスイッチング素子26をONに切り変えて、放電抵抗25で電池セル1を放電させて電池セル1の電圧を低下して均等化する。
【0066】
さらに、セルバランス調整回路23は、電池積層体2から電力の供給を受けて駆動される。図のセルバランス調整回路23は、電池積層体2から電力供給を受けている電源回路28の出力電圧(Vcc)によって動作している。電池積層体2の電圧は、例えば電源回路28であるDC/DCコンバータで降圧して、セルバランス調整回路23に供給することができる。この回路構成によると、電池積層体2の電圧が高くても、セルバランス調整回路23に最適電圧として供給できる。
【0067】
コントロール回路27は、各々の電池セル1のセル電圧を比較して、全ての電池セル1のセル電圧を均等化するようにスイッチング素子26を制御する。このコントロール回路27は、高すぎる電池セル1に接続している放電回路24のスイッチング素子26をONに切り変えて放電させる。電池セル1は放電するにしたがって電圧が低下する。スイッチング素子26は、電池セル1の電圧が他の電池セル1とバランスするまで低下すると、ONからOFFに切り変えられる。スイッチング素子26がOFFになると、電池セル1の放電は停止される。このように、コントロール回路27は、高いセル電圧の電池セル1を放電して、全ての電池セル1のセル電圧をバランスさせる。
【0068】
以上のセルバランス調整回路23は、全ての電池セル1の電圧を均等化するが、電池モジュールは、全ての電池セルを複数の電池ユニットに区画し、電池ユニットを構成する電池セルの電圧をセルセルバランス調整回路で均等化した後、電池ユニット全体の電圧をユニットセルバランス調整回路で均等化することもできる。ユニットセルバランス調整回路は、各々の電池ユニットのユニット電圧を検出し、ユニット電圧の高い電池ユニットを放電して、各々の電池ユニットの電圧を均等化する。
【0069】
電子回路ブロック6はエンドプレート3に固定されてエンドプレート3に放熱する。電子回路ブロック6は、電流を制御するFET等の半導体素子や放電抵抗などの発熱素子を備える。電子回路ブロック6は、発熱素子の熱エネルギーをエンドプレート3に放熱して温度上昇を小さくできる。電子回路ブロック6の温度上昇は、内蔵する発熱素子などに悪影響を与える。とくに、セルバランス調整回路23は、電池セル1を放電抵抗25で放電して電圧を低下させるが、放電抵抗25は放電電流のジュール熱で発熱する。放電抵抗25は、電流を大きくして、電池セル1の電圧を短時間で速やかに低下できるが、放電抵抗25を発熱させるジュール熱は、放電電流の二乗に比例して大きくなるので、速やかに電池セル1の電圧を低下して、均等化時間を短縮できるセルバランス調整回路23は、発熱する熱エネルギーが大きくなる。セルバランス調整回路23は、電池セル1が充放電されないタイミングで電池セル1を均等化するので、均等化時間はより短くすることが要求される。均等化時間の短縮は、放電抵抗25の電流を増加して実現できるので、放電抵抗25の発熱エネルギーをいかに効率よく放熱できるかは、均等化時間を特定する大切な要因となる。
【0070】
発熱部品の発熱エネルギーによる温度上昇は、部品の故障につながることから、発熱部品が異常に温度上昇しないように全体を大きくしたり、放電抵抗などの単位時間の発熱量を小さくするなどの設計が行われる。電子回路ブロック6は、狭いスペースに配置できるように小型化すると、放熱面積が減少し、放熱エネルギーが減少して温度上昇が大きくなる。このため、従来の電池モジュールのように、ガスダクトとバスバーのわずかなスペースに配置できるように小型化した電子回路ブロックは、放熱面積が小さくなるので、放熱エネルギーを小さくする必要がある。したがって、狭いスペースに配置する電子回路ブロックは、放熱エネルギーを小さくする必要があって、電池セルを均等化する時間が長くなる。多数の電池セルを積層している電池モジュールは、大容量の用途である、車両用のモータを駆動する電池モジュールや、蓄電装置の電源などに使用されることから、電池セルの容量も相当に大きい。大容量の電池モジュールは、電池セル容量の拡大に従って、電池セル電圧のアンバランスによる容量のアンバランスが相対的に拡大する。したがって、この種の電池モジュールは、電池セルの均等化時間をできる限り短縮して速やかに均等化することから、放電電流を大きくすることが能力されるが、放電抵抗の増加は発熱エネルギーが大きくなるので、放熱面積を大きくすることが要求される。したがって、電子回路ブロックは、狭いスペースに配置するためには、小型化が要求され、大電流で放電して均等化時間を短縮するには、放熱面積を大きくして大型化する必要がある。このため、電子回路ブロックにおいて、小型化と均等化時間の短縮とは互いに相反する特性であって両特性を満足することができず、限られたスペースに配置するために要求される小型化と、高い放電能力もつための大型化との相反する課題が要求される。
【0071】
電子回路ブロック6をエンドプレート3に熱結合状態に固定して、エンドプレート3を電子回路ブロック6の放熱に併用する電池モジュール10は、電子回路ブロック6の発熱エネルギーをエンドプレート3で効率よく放熱できる。とくに、このエンドプレート3は、熱容量が極めて大きく、吸収する熱エネルギーに対する温度上昇が小さく、電池セル1の均等化時間を短縮できる。さらに、エンドプレート3は表面積も大きく表面からの放熱エネルギーも大きく、このことからも温度上昇は小さくなる。さらに、エンドプレート3をベースプレート9に固定する構造は、エンドプレート3からベースプレート9に熱エネルギーを伝導してさらに温度上昇は小さくなる。また、ベースプレート9を強制冷却し、あるいはベースプレート9に冷却プレートを積層する構造は、ベースプレート9でエンドプレート3が強制冷却されて温度上昇はさらに小さくなり、電子回路ブロック6の冷却効果はさらに増大して、電子回路ブロック6の温度上昇は理想的な状態まで小さくなる。
【0072】
図7及び図8の電池モジュール10は、電子回路ブロック6をエンドプレート3の外表面に固定している。この電池モジュール10は、電子回路ブロック6の発熱エネルギーを固定しているエンドプレート3に伝導して放熱できると共に、露出する表面からも外気に放熱してより効率よく放熱できる特長がある。エンドプレート3の表面に固定している電子回路ブロック6は、その外形がエンドプレート3の外形よりも小さく、エンドプレート3の外周縁から突出しない。この電池モジュール10は、電子回路ブロック6をエンドプレート3に配置しながら、電子回路ブロック6が電池モジュール10の外形を大きくすることがなく、小型化しながら電子回路ブロック6を効率よく放熱できる。
【0073】
さらに、図7の電池モジュール10は、電子回路ブロック6の厚さを、平面視においてベースプレート9の先端縁から外側面に突出しない寸法としている。この電池モジュール10は、エンドプレート3に電子回路ブロック6を固定しながら、平面視の外形はベースプレート9よりも大きくならず、全体を小型化しながら電子回路ブロック6を理想的な位置に配置できる。
【0074】
エンドプレート3は、充放電すると膨張する物性を示す電池セル1で内側から強い圧力で押圧される。電池積層体2に押圧され、両側縁をバインドバー4で固定しているエンドプレート3は、電池積層体2の圧力で湾曲する。湾曲するエンドプレート3で電子回路ブロック6が変形すると、電子回路ブロック6の構成部品に悪影響がある。たとえば、回路基板に電子部品を固定している電子回路ブロック6は、回路基板が湾曲して導電部が破損する等の弊害が発生する。図8の電子回路ブロック6は、上縁部の一部、好ましくは中央部を局部的にエンドプレート3に固定して、下部をベースプレート9の先端部に固定している。この電池モジュール10は、電池セル1が膨張してエンドプレート3が変形しても、その変形が電子回路ブロック6に悪影響を与えない。以上の電池モジュール10は、電子回路ブロック6の上縁部の一部を局部的にエンドプレート3に固定しているので、エンドプレート3が湾曲しても一緒には変形しない。また、電子回路ブロック6は、下部をベースプレート9の先端部に固定しているので、上部と下部とで確実に固定される。すなわち、電子回路ブロック6は、エンドプレート3の変形による悪影響を受けることなく、エンドプレート3とベースプレート9とに強固に固定される。
【0075】
電子回路ブロック6をベースプレート9に固定する電池モジュール10は、電子回路ブロック6を、平面視において固定穴17と異なる位置に配置することで、エンドプレート3に電子回路ブロック6を固定しながら、ベースプレート9を車両のシャーシーなどの使用機器に簡単で確実に固定できる特長がある。図7の電池モジュール10は、ベースプレート9の両側部に固定穴17を設けて、固定穴17の間隔を、間に電子回路ブロック6を配置できる横幅としている。
【0076】
電子回路ブロック6は、好ましくは、エンドプレート3に絶縁して固定される。この電子回路ブロック6は、エンドプレート3との間に絶縁シート18を配置して固定される。絶縁シート18はゴム状弾性体からなる弾性シートとして、湾曲するエンドプレート3と電子回路ブロック6とを常に熱結合状態に保持できる。エンドプレート3に絶縁して固定される電子回路ブロック6は、金属製の放熱器21などを表面に露出して効率よく放熱できる構造としながら、エンドプレート3の内側に配置している電池積層体2に対して絶縁特性を向上して信頼性を高くできる。電池積層体2の両端面にエンドプレート3を配置している電池モジュール10は、エンドプレート3をグランドラインから絶縁することで、感電や漏電を防止できる。グランドラインから絶縁されたエンドプレート3は、内側には高電圧の電池積層体2を配置している。電池積層体2から絶縁されたエンドプレート3は、電池積層体2との漏電抵抗が高く保持されるが、漏電抵抗は種々の要因で低下することがある。たとえば、エンドプレート3と電池積層体2との間の結露水は漏電抵抗を低下させる原因となる。エンドプレート3から絶縁して配置される電子回路ブロック6は、エンドプレート3と電池積層体2との接触抵抗が低下しても、エンドプレート3から絶縁して、漏電や感電などの弊害を防止して高い安全性と信頼性を確保する。ただし、エンドプレートは電池積層体から絶縁しているので、エンドプレートをグランドラインに接続することもできる。
【0077】
以上の電池モジュール10は、電子回路ブロック6のセルバランス調整回路23の発熱部品をエンドプレート3で効率よく放熱できるので、セルバランス調整回路23で速やかに電池セル1を均等化できる特長がある。それは、セルバランス調整回路23の消費電力を大きくして、電池セル1を大電流で放電して、高電圧の電池セル1の電圧を速やかに低下できるからである。セルバランス調整回路23は、高電圧の電池セル1を放電して電圧のアンバランスを解消し、あるいは高電圧の電池セル1で低電圧の電池セル1を充電して均等化する。高電圧の電池セル1を放電して均等化する回路は高電圧の電池セル1を放電抵抗25で放電し、高電圧の電池セル1で低電圧の電池セル1を充電するセルバランス調整回路23は、高電圧の電池セル1から低電圧の電池セル1に電力を供給して均等化する。放電抵抗25で電池セル1を放電して均等化する回路は、電池セル1を放電する放電抵抗25と、この放電抵抗25の放電電流をコントロールするスイッチング素子26である半導体素子が発熱する。この回路は、放電抵抗25と半導体素子の熱エネルギーを効率よく放電する構造として、放電抵抗25と半導体素子の放電電流を大きくして均等化する時間を短縮できる。放電電流を大きくすると発熱量も大きくなるので、効率よく放電して放電電流は大きくできる。また、高電圧の電池セルで低電圧の電池セルを充電するセルバランス調整回路は、高電圧の電池セルから低電圧の電池セルへの充電する電流をコントロールする半導体素子が発熱するので、この半導体素子の電流を大きくして、均等化する時間を短縮できる。
【0078】
エンドプレート3に固定している電子回路ブロック6は、図5の鎖線で示すように、無線通信回路31を設けて、この無線通信回路31でもって電圧検出回路22が検出する電池電圧等の情報を、中央制御回路33に無線伝送することができる。この電子回路ブロック6は、中央制御回路33と外部接続用のラインで接続する必要がなく、配線を簡単にできる特長がある。とくに、車両に搭載する電池モジュールにおいては、電子回路ブロック6が無線伝送して、車両の走行モータを制御する中央制御回路33に情報を伝送することができる。この構造の電池モジュールは、車両の特有の複雑なワイヤーハーネスを簡素化して、ワイヤーハーネスに避けることができない接触不良などの弊害を防止して、長期間にわたって高い信頼性を実現できる。
【0079】
無線通信回路31を備える電子回路ブロック6は、外部ノイズによる伝送誤差を解消する特性が要求される。金属製のエンドプレート3は、電子回路ブロック6の表面をシールドして外部ノイズの影響を少なくできる。とくに、図9に示すように、電子回路ブロック6の外周縁をシールドするシールド凸部32を一体構造に備えるエンドプレート3は、無線通信回路31が安定して正確に情報を無線伝送できる。さらに、エンドプレートはグランドラインに接続することで、シールド効果を向上して外部ノイズの影響をより少なくできる。
【0080】
さらに、電子回路ブロック6は、複数の電子回路ブロック6をカスケード接続して信号を伝送するための通信回路(図示せず)を備えている。通信回路は、カップリング素子46を介して通信端子43に接続している。通信回路は、互いに接続される検出回路ブロック6の間で交互に伝送される信号をカップリング素子46に伝送する。通信端子43は、電池モジュール10の両側に配置された電子回路ブロック6同士を接続するための端子として使用され、あるいは、複数の電池モジュール10の電子回路ブロック6を接続するための端子として使用される。ひとつの電池モジュール10の両側に配置された電子回路ブロック6同士は、内部通信ライン45を介して接続される。また、異なる電池モジュール10の電子回路ブロック6同士は、外部通信ライン44を介して接続される。図に示す電子回路ブロック6は、複数の通信端子43を備えており、これらの通信端子43を、内部通信ライン45と外部通信ライン44の両方に接続可能な共通の端子構造としている。
【0081】
電子回路ブロック6は、図2図4及び図7に示すように、左右に一対の通信端子43を備えることができる。一対の通信端子43は、一方が電位が上位の電子回路ブロックと接続され、他方が下位の電子回路ブロックと接続されるが、上述のカップリングコンデンサを利用する通信方式のような絶縁方式の通信回路の場合、電位を考慮しなくてよいので、それぞれの通信端子43は、上位の電子回路ブロックと下位の電子回路ブロックのいずれに接続しても通信可能な構成となっている。従って、この構造の電子回路ブロック6は、電池モジュールの両側に配置される状態で、左右のいずれか一方の通信端子43を選択しながら内部通信ライン45や外部通信ライン44を接続できるので、通信ラインの配線を効率よくできる特徴がある。つまり、電池モジュール10の両側に配置される電子回路ブロック6に同じものを使用しながら、内部通信ライン45や外部通信ライン44の接続位置を選択することで理想的な配線が実現できる。図に示す電子回路ブロック6は、上面の左右に一対の通信端子43を設けている。電子回路ブロック6の上面に形成される一対の通信端子43は、図に示すように、両端部に形成された接続端子37の内側に設けることも、あるいは、図示しないが、接続端子の外側に設けることもできる。さらに、図示しないが、電子回路ブロックは、上面に代わって、あるいは上面に加えて、左右の側面に一対の通信端子を設けることもできる。
【0082】
(電源装置100)
図10及び図11に示すように、複数の電池モジュール10をパワーライン42で直列や並列に接続することで、大容量の電源装置100を実現できる。大容量の電源装置100は、ハイブリッドカーや電気自動車などの電動車両の電源として、さらに蓄電装置として有効に使用できる。この電源装置100は、隣接する電池モジュール10をパワーライン42と外部通信ライン44で接続している。パワーライン42は、電池モジュール10の出力端子41に接続されて、電池モジュール10を直列や並列に接続している。外部通信ライン44は、電子回路ブロック6に設けている通信端子43であって、パワーライン42で接続している電池モジュール10の端部に位置する通信端子43に接続されている。この電源装置100は、パワーライン42と外部通信ライン44の両方を、電池モジュール10の同じ側の端部に接続して、外部通信ライン44を最短距離で隣りの電池モジュール10に接続している。ここで、電池モジュール10の同じ側の端部とは、互いに接近する側の端部を意味するものとする。
【0083】
電源装置100は、複数の電池モジュール10を備え、各々の電池モジュール10は2組の電子回路ブロック6を備えている。この電源装置100は、全ての電子回路ブロック6をカスケード接続している。この電源装置100は、全ての電子回路ブロック6をカスケード接続、すなわち直列に接続することで、全ての電池モジュール10からの信号を1回線で外部に伝送している。各々の電子回路ブロック6から別々に信号を外部に伝送することもできるが、この回路構成では、電子回路ブロックの数と同数の回線を必要とするので、外部に配置された外部制御回路等への信号伝送路が複雑になる。
【0084】
複数の電池モジュール10を直列に接続している電源装置100においては、各々の電池モジュール10のグランドラインに電位差が発生するのでカスケード接続できない。各々の電子回路ブロック6の通信端子43は、グランドラインを基準電位として信号を伝送するので、グランドラインに電位差のある複数の通信端子43を直列には接続できない。この弊害は、電位差のある電子回路ブロック6のグランドラインにバイアス電圧を印加して、グランドラインの直流レベルをシフトし、接続する通信端子43のグランドラインの電位差をゼロレベルとして解消できる。ただ、この回路構成はバイアス電圧を印加するための回路が複雑となると共に、バイアス電圧の温度シフトを阻止する必要もあって回路構成はさらに複雑になる。
【0085】
以上の弊害を防止して、全ての電子回路ブロック6の通信端子43をカスケード接続するために、電子回路ブロック6は、複数の電子回路ブロック6をカスケード接続して信号を伝送する通信端子43を備えている。通信端子43は、図11に示すように、直流を遮断して交流信号を通過させるカップリング素子46を介して内部接続している。カップリング素子46は、カップリングコンデンサ、信号伝送用のトランス、光電送素子のいずれかが使用できる。この電子回路ブロック6は、カップリング素子46で直流成分をカットして通信端子43に交流信号のみを伝送するので、通信端子43のグランドラインの直流レベルで調整することなく、複数の電子回路ブロック6の通信端子43をカスケード接続して、信号を伝送できる特長がある。このことは、複数の電池モジュール10を直列に接続する装置において特に有効である。
【0086】
電池モジュール10は、2組の電子回路ブロック6を備え、各々の電子回路ブロック6を電池積層体2の両端部に設けているエンドプレート3に配設している。電池モジュール10に設けている2組の電子回路ブロック6は、内部通信ライン45で接続され、隣りに配置する電池モジュール10は外部通信ライン44で接続されて、全ての電子回路ブロック6をカスケード接続して、信号を1回線で外部に伝送する。電子回路ブロック6は、2組の通信端子43を備え、一方の通信端子43を内部通信ライン45に接続して、内部通信ライン45を介して電池積層体2の両側の電子回路ブロック6を接続し、他方の通信端子43を外部通信ライン44に接続して、外部通信ライン44で隣接する電池モジュール10の電子回路ブロックを接続して、全ての電子回路ブロックをカスケード接続している。さらに、図7の電池モジュール10は、各々の電子回路ブロック6に設けている一対の通信端子43を、内部通信ライン45と外部通信ライン44の両方に接続可能な共通の通信端子43としている。この電池モジュール10は、図10に示すように、最も接近して配置しているふたつの電池モジュール10をパワーライン42で接続して、パワーライン42で接続しているふたつの電池モジュール10に設けている通信端子43は、最も接近して配置される通信端子43を外部通信ライン44で接続できる。
【0087】
以上の電池モジュール10は、電動車両を走行させるモータに電力を供給する車両用の電源として利用できる。電池モジュール10を搭載する電動車両としては、エンジンとモータの両方で走行するハイブリッド自動車やプラグインハイブリッド自動車、あるいはモータのみで走行する電気自動車等の電動車両が利用でき、これらの車両の電源として使用される。なお、車両を駆動する電力を得るために、上述した電池モジュール10を直列や並列に多数接続して、さらに必要な制御回路を付加した大容量、高出力の電源装置100を構築して搭載するが好ましい。
【0088】
(ハイブリッド自動車用電源装置)
図12は、エンジンとモータの両方で走行するハイブリッド自動車に電源装置100を搭載する例を示す。この図に示す電源装置100を搭載した車両HVは、車両本体91と、この車両本体91を走行させるエンジン96及び走行用のモータ93と、これらのエンジン96及び走行用のモータ93で駆動される車輪97と、モータ93に電力を供給する電源装置100と、電源装置100の電池を充電する発電機94とを備えている。電源装置100は、DC/ACインバータ95を介してモータ93と発電機94に接続している。車両HVは、電源装置100の電池を充放電しながらモータ93とエンジン96の両方で走行する。モータ93は、エンジン効率の悪い領域、例えば加速時や低速走行時に駆動されて車両を走行させる。モータ93は、電源装置100から電力が供給されて駆動する。発電機94は、エンジン96で駆動され、あるいは車両にブレーキをかけるときの回生制動で駆動されて、電源装置100の電池を充電する。なお、車両HVは、図に示すように、電源装置100を充電するための充電プラグ98を備えてもよい。この充電プラグ98を外部電源と接続することで、電源装置100を充電できる。
【0089】
(電気自動車用電源装置)
また、図13は、モータのみで走行する電気自動車に電源装置を搭載する例を示す。この図に示す電源装置100を搭載した車両EVは、車両本体91と、この車両本体91を走行させる走行用のモータ93と、このモータ93で駆動される車輪97と、このモータ93に電力を供給する電源装置100と、この電源装置100の電池を充電する発電機94とを備えている。電源装置100は、DC/ACインバータ95を介してモータ93と発電機94に接続している。モータ93は、電源装置100から電力が供給されて駆動する。発電機94は、車両EVを回生制動する時のエネルギーで駆動されて、電源装置100の電池を充電する。また車両EVは充電プラグ98を備えており、この充電プラグ98を外部電源と接続して電源装置100を充電できる。
【0090】
(蓄電装置用の電源装置)
さらに、本発明は、電源装置の用途を、車両を走行させるモータの電源には特定しない。実施形態に係る電源装置は、太陽光発電や風力発電等で発電された電力で電池を充電して蓄電する蓄電装置の電源として使用することもできる。図14は、電源装置100の電池を太陽電池82で充電して蓄電する蓄電装置を示す。
【0091】
図14に示す蓄電装置は、家屋や工場等の建物81の屋根や屋上等に配置された太陽電池82で発電される電力で電源装置100の電池を充電する。この蓄電装置は、太陽電池82を充電用電源として充電回路83で電源装置100の電池を充電した後、DC/ACインバータ85を介して負荷86に電力を供給する。このため、この蓄電装置は、充電モードと放電モードを備えている。図に示す蓄電装置は、DC/ACインバータ85と充電回路83を、それぞれ放電スイッチ87と充電スイッチ84を介して電源装置100と接続している。放電スイッチ87と充電スイッチ84のON/OFFは、蓄電装置の電源コントローラ88によって切り替えられる。充電モードにおいては、電源コントローラ88は充電スイッチ84をONに、放電スイッチ87をOFFに切り替えて、充電回路83から電源装置100への充電を許可する。また、充電が完了し満充電になると、あるいは所定値以上の容量が充電された状態で、電源コントローラ88は充電スイッチ84をOFFに、放電スイッチ87をONにして放電モードに切り替え、電源装置100から負荷86への放電を許可する。また、必要に応じて、充電スイッチ84をONに、放電スイッチ87をONにして、負荷86への電力供給と、電源装置100への充電を同時に行うこともできる。
【0092】
さらに、電源装置は、図示しないが、夜間の深夜電力を利用して電池を充電して蓄電する蓄電装置の電源として使用することもできる。深夜電力で充電される電源装置は、発電所の余剰電力である深夜電力で充電して、電力負荷の大きくなる昼間に電力を出力して、昼間のピーク電力を小さく制限することができる。さらに、電源装置は、太陽電池の出力と深夜電力の両方で充電する電源としても使用できる。この電源装置は、太陽電池で発電される電力と深夜電力の両方を有効に利用して、天候や消費電力を考慮しながら効率よく蓄電できる。
【0093】
以上のような蓄電装置は、コンピュータサーバのラックに搭載可能なバックアップ電源装置、携帯電話等の無線基地局用のバックアップ電源装置、家庭内用または工場用の蓄電用電源、街路灯の電源等、太陽電池と組み合わせた蓄電装置、信号機や道路用の交通表示器などのバックアップ電源用などの用途に好適に利用できる。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明に係る電池モジュールや電源装置は、EV走行モードとHEV走行モードとを切り替え可能なプラグイン式ハイブリッド電気自動車やハイブリッド式電気自動車、電気自動車等の電源として好適に利用できる。またコンピュータサーバのラックに搭載可能なバックアップ電源、携帯電話等の無線基地局用のバックアップ電源、家庭内用、工場用の蓄電用電源、街路灯の電源等、太陽電池と組み合わせた蓄電装置、信号機等のバックアップ電源用等の用途にも適宜利用できる。
【符号の説明】
【0095】
100…電源装置
1…電池セル
1a…排気弁
1X…端子面
2…電池積層体
2A…電池ユニット
2X…電極面
3…エンドプレート
4…バインドバー
4A…固定部
4B…下側連結片
4C…押圧片
5…ガスダクト
5a…開口部
6…電子回路ブロック
8…カバーケース
9…ベースプレート
10…電池モジュール
11…電極端子
12…絶縁スペーサ
13…端面スペーサ
14…バスバー
15…固定ネジ
16…固定ネジ
17…固定穴
18…絶縁シート
19…電圧検出ライン
20…回路基板
21…放熱器
22…電圧検出回路
23…セルバランス調整回路
24…放電回路
25…放電抵抗
26…スイッチング素子
27…コントロール回路
28…電源回路
30…制御回路
31…無線通信回路
32…シールド凸部
33…中央制御回路
37…接続端子
38…コネクタ
39…プリント基板
39A…フレキシブルプリント基板
41…出力端子
42…パワーライン
43…通信端子
44…外部通信ライン
45…内部通信ライン
46…カップリング素子
70…電池モジュール
81…建物
82…太陽電池
83…充電回路
84…充電スイッチ
85…DC/ACインバータ
86…負荷
87…放電スイッチ
88…電源コントローラ
91…車両本体
93…モータ
94…発電機
95…DC/ACインバータ
96…エンジン
97…車輪
98…充電プラグ
900…電池モジュール
901…電池セル
902…電池積層体
903…エンドプレート
904…バインドバー
905…ガスダクト
906…回路基板
910…端子面
911…電極端子
914…バスバー
HV、EV…車両
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15