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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】撮像装置およびその制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/63 20230101AFI20241209BHJP
   G03B 17/18 20210101ALI20241209BHJP
   H04N 23/667 20230101ALI20241209BHJP
   H04N 23/54 20230101ALN20241209BHJP
【FI】
H04N23/63
G03B17/18
H04N23/667
H04N23/54
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022007148
(22)【出願日】2022-01-20
(65)【公開番号】P2023106040
(43)【公開日】2023-08-01
【審査請求日】2023-05-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125254
【弁理士】
【氏名又は名称】別役 重尚
(72)【発明者】
【氏名】清水 克記
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 篤義
【審査官】登丸 久寿
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-193162(JP,A)
【文献】特開2021-129321(JP,A)
【文献】特開2016-225972(JP,A)
【文献】特開2020-057974(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/63
G03B 17/18
H04N 23/667
H04N 23/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライブビュー機能を有する撮像装置であって、
複数の光電変換素子をマトリクス状に配置した画素アレイと、
動画用の第1画像データと静止画用の第2画像データとを前記画素アレイから読み出し可能な読み出し部と、
その操作により、前記第2画像データの読み出し開始を示す指示信号を与える操作部と、
前記指示信号に基づいて前記画素アレイから読み出された前記静止画用の第2画像データを、動画用の第3画像データに変換する変換部と、
読み出された前記第1画像データと、前記第3画像データとを出力可能な出力部と、
前記出力部から出力された前記第1画像データまたは前記第3画像データに基づいて表示用画像データを生成する生成部と、
前記表示用画像データを保持する保持部と、
前記表示用画像データを表示する表示部と、を備え、
前記保持部による前記表示用画像データ保持時間の制御により、フレーム開始から前記第1画像データの前記表示部による表示開始までの時間と、フレーム開始から前記第3画像データの前記表示部による表示開始までの時間とが等しくなるようにしたことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記操作部により前記指示信号が与えられるタイミングの前と後の両方において、前記保持部が前記表示用画像データを保持する保持時間の制御により、フレーム開始から前記第1画像データの前記表示部による表示開始までの時間と、フレーム開始から前記第3画像データの前記表示部による表示開始までの時間を等しくする第1のモードを有することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記操作部により前記指示信号が与えられるタイミングの後のみにおいて、前記保持部が前記表示用画像データを保持する保持時間の制御により、フレーム開始から前記第1画像データの前記表示部による表示開始までの時間と、フレーム開始から前記第3画像データの前記表示部による表示開始までの時間を等しくする第2のモードを有することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記第1のモードと前記第2のモードとを切り替えるモード選択部を備えたことを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記その操作により、静止画撮影の開始を示す撮影開始指示信号を与える第2操作部を更に備え、
前記撮影開始指示信号に基づいて、前記画素アレイから前記第2画像データの読み出しを開始することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記その操作により、測距動作の開始を示す測距動作開始指示信号を与える第3操作部を更に備え、
前記測距動作開始指示信号に基づいて、前記画素アレイから前記第2画像データの読み出しを開始することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記第1画像データの解像度は前記第2画像データの解像度よりも低解像度であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記第1画像データはライブビュー動画の画像データであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項9】
ライブビュー機能を有する撮像装置であって、
複数の光電変換素子をマトリクス状に配置した画素アレイと、
動画用の1画像データと静止画用の2画像データとを前記画素アレイから読み出し可能な読み出し部と、
その操作により、前記第2画像データの読み出し開始を示す指示信号を与える操作部と、
前記指示信号に基づいて前記画素アレイから読み出された前記静止画用の2画像データを、動画用の3画像データに変換する変換部と、
読みだされた前記第1画像データと、前記第3画像データとを出力可能な出力部と、
前記出力部から出力された前記第1画像データまたは前記第3画像データに基づいて表示用画像データを生成する生成部と、
前記表示用画像データを保持する保持部と、
前記表示用画像データを表示する表示部と、を備え、
前記読み出し部による前記第2画像データの読み出し開始タイミングおよび前記保持部による前記表示用画像データの保持時間の制御により前記表示部により表示される前記表示用画像データの更新間隔を一定に保つようにしたことを特徴とする撮像装置。
【請求項10】
前記操作部により前記指示信号が与えられるタイミング後の所定のフレームにおいて、静止画の代替画像データを前記表示部により表示することを特徴とする請求項9に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記代替画像データは、前記所定のフレームにおける画像データの輝度を変更した画像データであることを特徴とする請求項10に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記代替画像データは、前記所定のフレームにおける画像データとは無関係の画像データであることを特徴とする請求項10に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記その操作により、静止画撮影の開始を示す撮影開始指示信号を与える第2操作部を更に備え、
前記撮影開始指示信号に基づいて、前記画素アレイから前記第2画像データの読み出しを開始することを特徴とする請求項9乃至12のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記その操作により、測距動作の開始を示す測距動作開始指示信号を与える第3操作部を更に備え、
前記測距動作開始指示信号に基づいて、前記画素アレイから前記第2画像データの読み出しを開始することを特徴とする請求項9乃至12のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項15】
前記第1画像データの解像度は前記第2画像データの解像度よりも低解像度であることを特徴とする請求項9乃至14のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項16】
前記第1画像データはライブビュー動画の画像データであることを特徴とする請求項9乃至15のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項17】
ライブビュー機能を有する撮像装置の制御方法であって、
複数の光電変換素子をマトリクス状に配置した画素アレイから動画用の第1画像データを読み出す工程と、
前記画素アレイから静止画用の第2画像データを読み出す工程と、
操作部が操作されると、前記第2画像データの読み出し開始を示す指示信号を与える工程と、
前記指示信号に基づいて読み出された前記静止画用の第2画像データを動画用の第3画像データに変換する工程と、
読み出された前記第1画像データを出力する工程と、
前記第3画像データを出力する工程と、
出力された前記第1画像データまたは前記第3画像データに基づいて表示用画像データを生成する工程と、
前記表示用画像データを保持部に保持させる工程と、
前記表示用画像データを表示部に表示させる工程と、
前記保持部による前記表示用画像データの保持時間の制御により、フレーム開始から前記第1画像データの前記表示部による表示開始までの時間と、フレーム開始から前記第3画像データの前記表示部による表示開始までの時間とを等しくする工程と、を有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項18】
ライブビュー機能を有する撮像装置の制御方法であって、
複数の光電変換素子をマトリクス状に配置した画素アレイから動画用の1画像データを読み出す工程と、
前記画素アレイから静止画用の2画像データを読み出す工程と、
操作部が操作されると、前記第2画像データの読み出し開始を示す指示信号を与える工程と、
前記指示信号に基づいて前記画素アレイから読み出された前記静止画用の2画像データを動画用の3画像データに変換する工程と、
前記第1画像データを出力する工程と、
前記第3画像データを出力する工程と、
出力された前記第1画像データまたは前記第3画像データに基づいて表示用画像データを生成する工程と、
前記表示用画像データを保持部に保持させる工程と、
前記表示用画像データを表示部に表示させる工程と、
前記読み出す工程による前記第2画像データの読み出し開始タイミングおよび前記保持部による前記表示用画像データの保持時間の制御により前記表示部により表示される前記表示用画像データの更新間隔を一定に保つ工程と、を含むことを特徴とする撮像装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮像装置において動画撮影中に静止画撮影を行う場合、動画撮影を中断して「静止画」の画像データを読み出す必要があった。特許文献1は「静止画」の画像データを「動画」の画像データに変換して表示する撮像装置を開示している。これにより、動画撮影中に静止画撮影を行う場合であっても、動画撮影を中断する必要のない撮像装置が提案されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-129321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された従来技術にあっては、動画フレーム開始から動画の画像データの表示開始までの時間と、静止画フレーム開始から静止画の画像データを動画サイズに変換した画像データの表示開始までの時間差があるという問題が生じる。動画撮影中に静止画撮影を行う場合、表示部の表示の更新間隔を一定に保てない場合がある。この場合、表示部の更新間隔が伸びたときに画面がもたつくような感覚をユーザーに与えるという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、動画撮影中に静止画撮影を行うときであっても表示部の更新間隔を一定に保つことが可能な撮像装置とその制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の撮像装置は、ライブビュー機能を有する撮像装置であって、複数の光電変換素子をマトリクス状に配置した画素アレイと、動画用の第1画像データと静止画用の第2画像データとを前記画素アレイから読み出し可能な読み出し部と、その操作により、前記第2画像データの読み出し開始を示す指示信号を与える操作部と、前記指示信号に基づいて前記画素アレイから読み出された前記静止画用の第2画像データを、動画用の第3画像データに変換する変換部と、読み出された前記第1画像データと、前記第3画像データとを出力可能な出力部と、前記出力部から出力された前記第1画像データまたは前記第3画像データに基づいて表示用画像データを生成する生成部と、前記表示用画像データを保持する保持部と、前記表示用画像データを表示する表示部と、を備え、前記保持部による前記表示用画像データ保持時間の制御により、フレーム開始から前記第1画像データの前記表示部による表示開始までの時間と、フレーム開始から前記第3画像データの前記表示部による表示開始までの時間とが等しくなるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、動画撮影中に静止画撮影を行うときに表示部の更新間隔を一定に保つことが可能な撮像装置を提供できるという効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の各実施形態における撮像装置の構成例を示す構成図である。
図2】本発明の各実施形態における撮像素子の構成例を示す構成図である。
図3】第1乃至第3実施形態における撮像動作を示すフローチャートである。
図4】本発明を実施しない場合の撮像動作のタイミングを示す説明図である。
図5】第1実施形態の撮像動作のタイミングを示す説明図である。
図6】第2実施形態の撮像動作のタイミングを示す説明図ある。
図7】第3実施形態の撮像動作のタイミングを示す説明図である。
図8】第4実施形態の撮像動作を示すフローチャートである。
図9】第4実施形態に係る撮像動作のタイミングを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。しかしながら、以下の実施の形態に記載される構成はあくまで例示に過ぎず、本発明の範囲は実施の形態に記載される構成によって限定されることはない。まず、本発明の第1実施形態について説明する。
【0010】
<撮像装置>
図1は、第1実施形態に係わる撮像装置1の構成を示す構成図である。撮像装置1は、撮像光学系104を有する。撮像光学系104は、第1レンズ100、絞り101、第2レンズ102および第3レンズ103を備える。において、第1レンズ100は撮像光学系104の先端に配置されている。絞り101は、その開口径を調整することで撮影時の光量調節を行う。絞りアクチュエータ122は、絞り101の開口径を調整するように駆動する。第2レンズ102、第3レンズ103は、フォーカスアクチュエータ120によって駆動されて光軸方向に進退して、撮像光学系104の焦点を調節する。
【0011】
撮像光学系104の光軸方向の後側にはフォーカルプレーンシャッタ105、光学的ローパスフィルタ106が配置されている。フォーカルプレーンシャッタ105は、静止画撮影時に露光秒時を調整する機能を有する。但し、スロットローリング読み出しで電子シャッターを露光秒時の調節に用いる場合は、露光秒時の調節を行わない。光学的ローパスフィルタ106は、撮影画像の偽色やモアレを低減するために用いられる。
【0012】
光学的ローパスフィルタ106の光軸方向の後側には撮像素子107が配置されている。撮像素子107は、撮像光学系104を介して被写体の光学像が結像されて、これを電気信号に光電変換する。また、撮像素子107は、電子シャッター機能を備え、画像をスロットローリング読み出しによって取得することができる。
【0013】
CPU110には、シャッター駆動回路118、フォーカス駆動回路119、絞り駆動回路121、DSP108(生成部)、RAM109、タイミングパルス生成回路111、表示部114、記録媒体115、操作部116およびROM17が接続されている。なお、タイミングパルス生成回路111は、撮像素子107と表示部114とにも接続されている。DSP108は画像データの受信と画像処理を行う。DSP108が行う画像処理としては、例えば静止画の画像データから表示用画像データを生成することなどが挙げられる。また、画像処理以外にも、撮像素子107からの情報に基づいて、フォーカスレンズ(第2レンズ102、第3レンズ103)の駆動に用いる制御情報の演算を行う。
【0014】
RAM109は、DSP108で処理された画像データを記憶する画像データ記憶手段の機能と、後述のCPU110が動作を行う際のワークメモリの機能を有する。なお、本実施形態では、RAM109を用いてこれらの機能を実現する構成であるが、アクセス速度が十分に早くて動作上問題のないレベルのメモリであれば、他の種類のメモリを用いることも可能である。また、本実施形態では、RAM109は、DSP108、CPU110の外部に配置されているが、その一部または全部の機能をDSP108やCPU110に内蔵する構成としても良い。ROM117は、CPU110が各部の動作を制御するためプログラムを記録している。
【0015】
CPU110は、撮像装置1の動作を統括的に制御する。CPU110は、撮像装置1の各部を制御するためにROM117に記録されているプログラムを実行する。CPU110は、撮像素子107に各種設定を行うことによって、撮像素子107からの読み出しを制御することができる。また、CPU110は、タイミングパルス生成回路111と通信を行い、各モジュールの動作を制御するための各種タイミングパルスの発生タイミングの制御を行う。CPU110は、撮像素子107に対しては「撮像系垂直同期信号」を供給し、表示部114に対しては「表示系垂直同期信号」を供給する。さらに、CPU110は、DSP108から出力される演算結果を用いて、フォーカス駆動回路119を制御してフォーカスアクチュエータ120を駆動して撮像光学系104の焦点を調節する機能も有する。
【0016】
シャッター駆動回路118は、フォーカルプレーンシャッタ105を駆動制御する。フォーカス駆動回路119は、撮像光学系104の焦点位置を変更する焦点位置変更手段であり、CPU110の出力に基づいてフォーカスアクチュエータ120を制御する。これにより、フォーカスレンズ(第2レンズ102、第3レンズ103)を光軸方向に進退駆動させて焦点調整を行う。絞り駆動回路121は、絞りアクチュエータ122を制御して絞り101の開口を制御する。
【0017】
表示部114は、DSP108によって処理された「静止画」、「動画」および「メニュー」等の表示を行う。また、撮像装置1は、DSP108により処理された「動画」を表示部114に動画表示させるLV機能(ライブビュー機能)を有する。また、表示動画をファインダーとして用いることにより、ユーザーは静止画撮影や動画撮影の撮影範囲を調整するフレーミングを行うことができる。表示部114としては背面ディスプレイの他に電子ビューファインダー(EVF)等を用いても良い。なお、図1においては、表示部114が1個しか有しない構成であるが、背面ディスプレイとEVFの両方を備えても良い。記録媒体115は、「静止画」の画像データおよび「動画」の画像データを記録する着脱可能な記録媒体である。例えばメモリカード等で実現できる。
【0018】
操作部116は、ボタンやレバーなどの操作子である。ユーザーは、操作部116を操作してCPU110を制御し、撮影を行う。この操作部116には「静止画撮影開始釦」と「メニュー操作釦」とが含まれている。ユーザーが「静止画撮影開始釦」を半押しすると、一定時間が経過した後に測距のための「動画」の撮影を行う。また、ユーザーが「静止画撮影開始釦」を押下操作すると、一定時間が経過した後に「静止画」の撮影が行われる。さらに、「静止画」の撮影開始後も同釦の押下操作を継続することにより、「静止画」の連写撮影を行う。また、「メニュー操作釦」を操作することにより、表示部114に表示したメニューから撮影条件の変更を行うことができる。
【0019】
<撮像素子>
次に、図2(a)、図2(b)を参照して撮像素子107の構成について説明する。図2(a)に示すように、フォトダイオード200は、マイクロレンズの下で単位画素206を構成する素子であり光電変換部を構成する。光電変換部転送スイッチ201は、信号「φtx」により制御されるスイッチである。信号「φtx」の値をHigh(以下、「H」)にすることにより、フォトダイオード200に蓄積された光電荷をフローティングディフュージョン部202に転送することができる。
【0020】
リセットスイッチ203は、フローティングディフュージョン部202を初期化するように信号「φres」により制御されるスイッチである。画素のリセット動作は、「φtx」と「φres」を両方とも「H」にする。これにより、フォトダイオード200とフローティングディフュージョン部202いずれも電源電圧(VDD)となり画素のリセットが行われる。画素アンプ用トランジスタ204は、セレクトスイッチ205、および後述の垂直出力線208を介して後述の定電流源209に接続されている。セレクトスイッチ205の入力信号「φsel」の値が「H」になると、画素アンプ用トランジスタ204が定電流源209に接続されて画素アンプを形成する。フローティングディフュージョン部202はこの画素アンプに接続されている。このため、フォトダイオード200からフローティングディフュージョン部202に転送された電荷は、画素アンプによって電荷量に応じた電圧値に変換されて垂直出力線208に画素信号として出力される。
【0021】
図2(b)に示すように、画素アレイ207には、行列状(マトリクス状)に複数の単位画素206が配置されている。具体的には、水平方向(行方向)に「m個」、垂直方向(列方向)に「n個」の単位画素206が配置されている。なお、「m」、「n」は自然数である。かくして、画素アレイ207は、複数の光電変換素子をマトリクス状に配置したものとなる。駆動パルス生成回路210は、単位画素206のリセット動作や読み出し動作を行うためのパルスを生成する。生成されたパルスは、画素駆動回路212に供給される。垂直走査回路211は駆動パルス生成回路210によって生成されたパルスを供給する特定行を選択し、画素駆動回路212に選択した行を設定する。画素駆動回路212は、垂直走査回路211によって選択された行に、駆動パルス生成回路210によって生成されたパルスを供給する。画素信号は、画素駆動回路212から供給されるパルスに応じて垂直出力線208に行ごとに出力される。
【0022】
定電流源209は、画素アンプ用トランジスタ204と組み合わさってソースフォロワ回路を構成する。AD変換回路213は、垂直出力線208に出力されたアナログ値を、その出力に応じたデジタル値に変換する。AD変換回路213によりデジタル値に変換された画素信号は、水平走査回路214によって順番に選択され、後段に出力される。画素アレイ207、垂直出力線208、定電流源209、駆動パルス生成回路210、垂直走査回路211、画素駆動回路212、AD変換回路213および水平走査回路214により、画素走査部215(読み出し部)が構成される。
【0023】
解像度変換回路220(解像度変換部)は、「静止画」の画像データを「動画サイズ」に解像度変換した画像データを生成する。セレクタ221は、AD変換回路213からの出力を直接入力する「入力a」か、解像度変換回路220を介してから入力する「入力b」のいずれかを選択する。データA出力部222(出力部)は、セレクタ221の出力を撮像素子107の外部に出力するインターフェースである。データA出力部222により、「動画」の画像データ、および、「静止画」の画像データを「動画サイズ」に解像度変換した画像データを撮像素子107の外部に出力する。データB出力部223は、AD変換回路213からの出力を撮像素子107の外部に出力するインターフェースであり、「静止画」の画像データを撮像素子107の外部に出力する。
【0024】
なお、本実施形態においては、「静止画」の画像データを外部に出力するために、撮像素子107の出力部が2つである場合を例示した。しかしながら、撮像素子107にメモリを内蔵し当該メモリに「静止画」の画像データを格納しておき、「動画」の画像データの出力と重複しないタイミングで「静止画」の画像データを出力する構成としても良い。この構成によれば、撮像素子107の出力部を1つにすることができる。
【0025】
本実施形態における撮像素子107は、画素走査部215の駆動を変更することによって複数の読み出し方を行うことができるものとする。例えば、本実施形態においては、「静止画」の読み出しとして、画素の一番上の行を読み出した後に次の行の読み出し行うことを繰り返すことにより一番下の行までを読み出す方法を採用する。また、「動画」の読み出し方法として、画素の一番上の行を読み出した後に数行(例えば2行)飛ばした行を読み出すことを繰り返しによって一番下の行までを読み出すものとする。
【0026】
このように「動画」の画像データを読み出すと、画像の垂直解像度が低下する代わりに、読み出しを高速かつ低消費電力で行うことができる。他にも、様々な読み出し方法が可能である。なお、本実施例では、画素アレイ207以外の回路も撮像素子107に内蔵されているが、画素アレイ以外の回路が撮像素子107と別のチップに設けられた構成としても良い。なお、ライブビュー動画の画像データの解像度は「静止画」の画像データよりも低解像度である。
【0027】
<本実施例を不適用の場合>
まず、図3図4を参照して、本実施例を適用せずに動画撮影中に静止画撮影を行う場合、表示部114の更新間隔を一定に保つことができない処理の流れについて説明する。図3に示すフローチャートの処理は、CPU110がプログラムを実行することにより実行される。図4の時刻「T402」において、S300で撮影が開始される。撮影の開始は例えば電源投入直後であってもよいがこれに限定されない。時刻「T410」において、S320では、所定のタイミングにおいて「静止画撮影開始釦」が押下操作されたか否かの判定を行う。ここでは、各フレーム開始時において「静止画撮影開始釦」が押下操作されたか否かの判定を行うものとする。
【0028】
「フレーム0」のフレーム開始時(時刻「T402」の撮影開始時)において、「静止画撮影開始釦」は押下操作されてなかったと判定され、S320は「NO」となり、S340に移行する。同じく、時刻「T410」において、S340では「動画」の設定を行う。CPU110により、撮像素子107に対して「動画」の画像データの読み出しの設定を行い、DSP108に対して「動画」の画像データの現像の設定を行う。さらに、CPU110は、タイミングパルス生成回路111に対して「撮像系垂直同期信号」と「表示系垂直同期信号」の設定を行い、表示部114に対して「動画」の画像データの表示の設定を行う。
【0029】
また、CPU110は、RAM109に対して「動画」の画像データの読み出しを開始するタイミングを設定する。データA出力部222から「動画」の画像データを出力するため、撮像素子107のセレクタ221を「入力a」に設定する。RAM109から「動画」の画像データの読み出しを開始するタイミングは、フレーム開始時から「tS(時刻「T412」~時刻「T414」)」時間後とする。
【0030】
時刻「T412」において、「撮像系垂直同期信号」の発行とともに、S341では、「動画」の画像データの読み出しを開始する。同じく、時刻「T412」において、S343では「動画」の画像データの現像を行い、S344では「動画」の画像データのRAM109への書き込みを開始する。同じく、時刻「T412」において、S345では指定時間(図4の時間「tS」)の待機が行われる。時刻「T414」において、「表示系垂直同期信号」の発行とともに、S346では、「動画」の画像データのRAM109からの読み出しを開始する。同じく、時刻「T414」において、S347では、「動画」の画像データに基づく表示部114の表示の更新が開始される。
【0031】
時刻「T420」において、S325では、撮影を継続するか否かの判定を行い、撮影を継続する場合(YES)、S320へ移る。一方、撮影を継続しない場合(NO)、S301に進み、撮影を終了する。例えば、表示部114にメニューを表示する場合や電源スイッチをオフとした場合等には撮影を継続しないと判定して撮影を終了する。本実施形態においては、S325では、撮影を継続するか否かの判定は全て撮影を継続するとしてS320に移るものとする。
【0032】
時刻「T420」において、S320では、フレーム開始時において「静止画撮影開始釦」が押下操作されたか否かの判定を行う。フレーム1のフレーム開始時においては「静止画撮影開始釦」は押下操作されていなかったと判定して、S320は「NO」となる。以降、時刻「T424」において、S347では「動画」の画像データに基づく表示部114の表示の更新が開始される。時刻「T420」~時刻「T424」におけるS340~S347の処理は、時刻「T410」~時刻「T414」におけるS340~S347の処理と同様である。但し、時刻「T421」において「静止画撮影開始釦」が押下操作され、以降、押下状態を継続するものとする。時刻「T430」において、S325では、撮影を継続するか否かの判定を行い、S325は「YES」となり、S320に移行する。
【0033】
時刻「430」において、S320では、フレーム開始時において「静止画撮影開始釦」が押下操作されたか否かの判定を行う。フレーム2のフレーム開始時では「静止画撮影開始釦」は押下操作されたと判定して、S320は「YES」となり、S321に移行する。同じく、時刻「T430」において、S321では、次のフレームは「静止画撮影開始釦」の押下検知後の1フレーム目の撮影か否かの判定が行われる。フレーム3は「静止画撮影開始釦」の押下検知後の1フレーム目の撮影なので、S321では「YES」となり、S360に移る。
【0034】
同じく、時刻「T430」において、S360では「静止画」の設定を行う。CPU110により、撮像素子107に対して「静止画」の画像データの読み出しの設定を行い、DSP108に対して「静止画」の画像データの現像の設定を行う。さらに、CPU110は、タイミングパルス生成回路111に対して「撮像系垂直同期信号」と「表示系垂直同期信号」の設定を行い、表示部114に対して「静止画」の画像データの表示の設定を行う。
【0035】
また、CPU110は、RAM109に対して「静止画」の画像データの読み出しを開始するタイミングを設定する。データA出力部222から解像度変換された「静止画」の画像データを出力するため、撮像素子107のセレクタ221を「入力b」に設定する。RAM109から「静止画」の画像データの読み出しを開始するタイミングは、フレーム開始時から「tL=tS+tD(時刻「T432」~時刻「T434」)」時間後とする。「tD」は「静止画」を動画サイズに解像度変換するために必要なレイテンシである。
【0036】
時刻「T432」において、「撮像系垂直同期信号」の発行とともに、S361では「静止画」の画像データの読み出しを開始する。時刻「T433」において、S362では「静止画」の画像データの動画サイズへの解像度変換を行う。次いで、S363では、「静止画」の画像データの現像を行い、S364では、「静止画」の画像データのRAM109への書き込みを開始する。その後、S365では、指定時間「tL=tS+tD」の待機が行われる。時刻「T434」において、「表示系垂直同期信号」の発行とともに、S366では「静止画」の画像データのRAM109からの読み出しを開始する。同じく、時刻「T434」において、S367では「静止画」の画像データに基づく表示部114の表示の更新が開始される。時刻「T440」において、S325では、撮影を継続するか否かの判定を行い、S325は「YES」となり、S320に移行する。
【0037】
時刻「T440」において、S320では、フレーム開始時において「静止画撮影開始釦」が押下操作されたか否かの判定を行う。フレーム3のフレーム開始時では「静止画撮影開始釦」は押下操作されていたので、S320は「YES」となり、S321に移行する。同じく、時刻「T440」において、S321では、次のフレームは「静止画撮影開始釦」の押下検知後の1フレーム目の撮影か否かの判定が行われる。フレーム4は、「静止画撮影開始釦」の押下検知後の2フレーム目の撮影なので、S321は「NO」となり、S323に移行する。同じく、時刻「T440」において、S323では、次のフレームは最後の静止画撮影からNフレーム目か否かの判定が行われる。本実施形態ではN=3であり、フレーム4は、最後の静止画撮影から1フレーム目の撮影であるのでS323は「NO」となり、S340に移行する。
【0038】
以降、時刻「T444」において、S347では、「動画」の画像データに基づく表示部114の表示の更新が開始される。時刻「T440」~時刻「T444」における、S340~S347の処理は、時刻「T410」~時刻「T414」における、S340~S347の処理と同様である。時刻「T450」において、S325における撮影を継続するか否かの判定を行い、S325で「YES」となり、S320に移行する。
【0039】
時刻「T450」において、S320では、フレーム開始時において「静止画撮影開始釦」が押下操作されたか否かの判定を行う。フレーム4のフレーム開始時では「静止画撮影開始釦」は押下操作されていた判定されS320は「YES」となり、S321に移行する。同じく、時刻「T450」において、S321では、次のフレームは「静止画撮影開始釦」の押下検知後の1フレーム目の撮影か否かの判定が行われる。フレーム5は、「静止画撮影開始釦」の押下検知後の3フレーム目の撮影なので、S321は「NO」となり、S323に移行する。同じく、時刻「T450」において、S323では、次のフレームは最後の静止画撮影からNフレーム目か否かの判定が行われる。本実施形態ではN=3であり、フレーム5は、最後の静止画撮影から2フレーム目の撮影なので、S323は「NO」となり、S340に移行する。
【0040】
以降、時刻「T454」において、S347では「動画」の画像データに基づく表示部114の表示の更新が開始される。時刻「T450」~時刻「T454」におけるS340~S347の処理は、時刻「T410」~時刻「T414」におけるS340~S347の処理と同様である。時刻「T460」において、S325で撮影を継続するか否かの判定を行い、S325は「YES」へとなり、S320に移る。
【0041】
時刻「T460」において、S320では、フレーム開始時において「静止画撮影開始釦」が押下操作されか否かの判定を行う。フレーム5のフレーム開始時では「静止画撮影開始釦」は押下操作されていたと判定され、S320は「YES」となり、S321に移行する。同じく、時刻「T460」において、S321では、次のフレームは「静止画撮影開始釦」の押下検知後の1フレーム目の撮影か否かの判定が行われる。フレーム6は、「静止画撮影開始釦」の押下検知後の4フレーム目の撮影なので、S321では「NO」となり、S323に移行する。同じく、時刻「T460」において、S323では、次のフレームは最後の静止画撮影からNフレーム目か否かの判定が行われる。本実施形態ではN=3であり、フレーム6は、最後の静止画撮影から3フレーム目の撮影なので、S323は「YES」となり、S360に移行する。
【0042】
以降、時刻「T464」において、S367では「静止画」の画像データに基づく表示部114の表示の更新が開始される。時刻「T460」~時刻「T464」におけるS360~S367の処理は、時刻「T430」~時刻「T434」におけるS360~S367の処理と同様である。時刻「T470」において、S325における撮影を継続するか否かの判定を行い、S325では「YES」となり、S320に移行する。そして、時刻「T470」~時刻「T484」におけるS340~S347の処理は、時刻「T440」~時刻「T454」におけるS340~S347の処理と同様である。
【0043】
このとき、図4に示すように「撮像系垂直同期信号」の間隔を「tA」とすれば、静止画撮影開始前の「表示系垂直同期信号」の間隔は「tA」である。一方、静止画撮影中の「表示系垂直同期信号」の間隔は「tA」とともに「tB=tA+tD」と「tC=tA-tD」が混在し、表示部114の更新間隔を一定に保てないことになる。
【0044】
以下に説明する実施形態にあっては、表示部114の更新間隔を一定に保つために、「静止画撮影前の動画撮影」と「静止画撮影中の動画撮影」における動画の画像データをRAM109から読み出すタイミングを変更制御する点に特徴がある。
【0045】
<第1実施形態>
第1実施形態の撮像動作のタイミングを示す説明図である。図3図5を参照して、動画撮影中に静止画撮影を行う場合、表示部114の更新間隔を一定に保つ第1実施形態の処理の流れについて説明する。図3に示す処理は、CPU110がプログラムを実行することにより実現される。
【0046】
時刻「T502」において、S300により撮影が開始される。この撮影開始は例えば電源投入直後であっても良いがこれには限定されない。時刻「T510」において、S320にて、所定のタイミングにおいて「静止画撮影開始釦」が押下操作されてか否かの判定を行う。本実施形態にあっては、各フレーム開始時において「静止画撮影開始釦」が押下操作されたか否かの判定を行うものとする。フレーム0のフレーム開始時(時刻「T502」での撮影開始時)には、「静止画撮影開始釦」は押下操作されていないと判定されてS320では「NO」となり、S340に移行する。同じく、時刻「T510」において、S340では「動画」の設定を行う。CPU110により、撮像素子107に対して動画の画像データの読み出しの設定を行い、DSP108に対して動画の画像データの現像の設定を行う。
【0047】
さらに、CPU110は、タイミングパルス生成回路111に対して「撮像系垂直同期信号」と「表示系垂直同期信号」の設定を行い、表示部114に対して「動画」の画像データの表示の設定を行う。また、CPU110は、RAM109に対して「動画」の画像データの読み出しを開始するタイミングを設定する。データA出力部222から「動画」の画像データを出力するため、撮像素子107のセレクタ221を「入力a」に設定する。RAM109から動画の画像データの読み出しを開始するタイミングはフレーム開始時から「tL=tS+tD(時刻「T512」~時刻「T514」)」時間後とする。「tD」は「静止画」を動画サイズに解像度変換するために必要なレイテンシであり、その量は「静止画」の読み出し時間と変換前後の画像サイズによって一意に定まる。このため、静止画撮影前の動画撮影中でおいても算出可能である。
【0048】
時刻「T512」において、「撮像系垂直同期信号」の発行とともに、S341では、「動画」の画像データの読み出しを開始する。同じく、時刻「T512」において、S343では、「動画」の画像データの現像を行い、S344における「動画」の画像データのRAM109への書き込みを開始する。同じく、時刻「T512」において、S345では指定時間「tL=tS+tD」の待機が行われる。時刻「T514」において、「表示系垂直同期信号」の発行とともに、S346では、「動画」の画像データのRAM109からの読み出しを開始する。同じく、時刻「T514」において、S347では、「動画」の画像データに基づく表示部114の表示の更新が開始される。
【0049】
時刻「T520」において、S325では、撮影を継続するか否かの判定を行い、撮影を継続する場合(YES)、S320に移行する。一方、撮影を継続しない場合(No)、S301にて撮影を終了する。例えば、表示部114にメニューを表示する場合や電源スイッチをオフとした場合、撮影を継続しないと判定して撮影を終了する。本実施形態においては、S325では撮影を継続するか否かの判定は全て撮影を継続するものとし、S325では「YES」としてS320に移行するものとする。
【0050】
時刻「T520」において、S320では、フレーム開始時において「静止画撮影開始釦」が押下操作されたか否か判定を行う。フレーム1のフレーム開始時では、「静止画撮影開始釦」は押下操作されていなかったと判定して、S320では「NO」となり、S340に移行する。以降、時刻「T524」において、S347における動画の画像データに基づく表示部114の表示の更新が開始される。時刻「T520」~時刻「T524」におけるS340~S347の処理は、時刻「T510」~時刻「T514」におけるS340~S347の処理と同様である。但し、時刻「T521」において、「静止画撮影開始釦」が押下操作され、以降、押下状態を継続するものとする。時刻「T530」において、S325では、撮影を継続するか否かの判定を行い、S325では「YES」となり、S320に移行する。
【0051】
時刻「T530」において、S320では、フレーム開始時において「静止画撮影開始釦」が押下操作されたか否かの判定を行う。フレーム2のフレーム開始時では、「静止画撮影開始釦」は押下操作されているので、S320は「YES」となり、S321に移行する。同じく、時刻「T530」において、S321では、次のフレームは「静止画撮影開始釦」の押下検知後の1フレーム目の撮影か否かの判定が行われる。フレーム3は「静止画撮影開始釦」の押下検知後の1フレーム目の撮影なので、S321では「YES」となり、S360に移行する。同じく、時刻「T530」において、S360では「静止画」の設定を行う。CPU110により、撮像素子107に対して「静止画」の画像データの読み出しの設定を行い、DSP108に対して静止画の画像データの現像の設定を行う。
【0052】
さらに、CPU110は、タイミングパルス生成回路111に対して「撮像系垂直同期信号」と「表示系垂直同期信号」の設定を行い、表示部114に対して「静止画」の画像データの表示の設定を行う。また、CPU110は、RAM109に対して「静止画」の画像データの読み出しを開始するタイミングを設定する。データA出力部222から解像度変換された「静止画」の画像データを出力するため、撮像素子107のセレクタ221を「入力b」に設定する。RAM109から静止画の画像データの読み出しを開始するタイミングは、フレーム開始時から「tL=tS+tD(時刻「T532」~時刻「T534」)」時間後とする。「tD」は、「静止画」を動画サイズに解像度変換するために必要なレイテンシである。
【0053】
時刻「T532」において、「撮像系垂直同期信号」の発行とともに、S361では「静止画」の画像データの読み出しを開始する。時刻「T533」において、S362では、「静止画」の画像データの動画サイズへの解像度変換を行う。次いで、S363では、「静止画」の画像データの現像を行い、S364では「静止画」の画像データのRAM109への書き込みを開始する。同じく、時刻「T533」において、S365では指定時間「tL=tS+tD」の待機が行われる。時刻「T534」において、「表示系垂直同期信号」の発行とともに、S366では、「静止画」の画像データのRAM109からの読み出しを開始する。同じく、時刻「T534」において、S367では、「静止画」の画像データに基づく表示部114の表示の更新が開始される。時刻「T540」において、S325では、撮影を継続するか否かの判定を行い、S325では「YES」となり、S320に移行する。
【0054】
時刻「T540」において、S320では、フレーム開始時において「静止画撮影開始釦」が押下操作されたか否かの判定を行う。フレーム3のフレーム開始時では「静止画撮影開始釦」は押下操作されているの、S320は「YES」となり、S321に移行する。同じく、時刻「T540」において、S321では、次のフレームは「静止画撮影開始釦」の押下検知後の1フレーム目の撮影か否かの判定が行われる。フレーム4は「静止画撮影開始釦」の押下検知後の2フレーム目の撮影なので、S321では「NO」となり、S340に移行する。同じく、時刻「T540」において、S323では、次のフレームは最後の静止画撮影からNフレーム目かの判定が行われる。本実施形態ではN=3であり、フレーム4は、最後の静止画撮影から1フレーム目の撮影なので、S323は「NO」となり、S340に移行する。
【0055】
以降、時刻「T544」において、S347では、「動画」の画像データに基づく表示部114の表示の更新が開始される。時刻「T540」~時刻「T542」におけるS340~S347の処理は、時刻「T510」~時刻「T512」におけるS340~S347の処理と同様である。時刻「T550」において、S325における撮影を継続するか否かの判定を行い、S325では「YES」となり、S320に移行する。
【0056】
時刻「T550」において、S320では、フレーム開始時において「静止画撮影開始釦」が押下されか否かの判定を行う。フレーム4のフレーム開始時では「静止画撮影開始釦」は押下操作されているので、S320では「YES」となり、S321に移行する。同じく、時刻「T550」において、S321では、次のフレームは「静止画撮影開始釦」の押下検知後の1フレーム目の撮影か否かの判定が行われる。フレーム5は「静止画撮影開始釦」の押下検知後の3フレーム目の撮影なので、S321では「NO」となり、S323に移行する。同じく、時刻「T550」において、S323では、次のフレームは最後の静止画撮影からNフレーム目かの判定が行われる。本実施形態ではN=3であり、フレーム5は、最後の静止画撮影から2フレーム目の撮影なので、S323では「NO」となり、S340に移行する。
【0057】
以降、時刻「T554」において、S347では「動画」の画像データに基づく表示部114の表示の更新が開始される。時刻「T550」~時刻「T554」におけるS340~S347の処理は、時刻「T510」~時刻「T514」におけるS340~S347の処理と同様である。時刻「T560」において、S325では、撮影を継続するか否かの判定を行い、S325では「YES」となり、S320に移行する。
【0058】
時刻「T560」において、S320では、フレーム開始時において「静止画撮影開始釦」が押下操作されたか否かの判定を行う。フレーム5のフレーム開始時では「静止画撮影開始釦」は押下操作されていたので、S320では「YES」となり、S321に移行する。同じく、時刻「T560」において、S321では、次のフレームは「静止画撮影開始釦」の押下検知後の1フレーム目の撮影か否かの判定が行われる。フレーム6は「静止画撮影開始釦」の押下検知後の4フレーム目の撮影なので、S321では「NO」となり、S323に移行する。同じく、時刻「T560」において、S323では、次のフレームは最後の静止画撮影からNフレーム目か否かの判定が行われる。本実施形態ではN=3であり、フレーム6は、最後の静止画撮影から3フレーム目の撮影なので、S323では「YES」となり、S360に移行する。
【0059】
以降、時刻「T564」において、S367では、静止画の画像データに基づく表示部114の表示の更新が開始される。時刻「T560」~時刻「T564」におけるS360~S367の処理は、時刻「T530」~時刻「T534」におけるS360~S367の処理と同様である。時刻「T570」において、S325では、撮影を継続するか否かの判定を行い、S325では「YES」となり、S320に移行する。そして、時刻「T570」~時刻「T584」におけるS340~S347の処理は、時刻「T540」~時刻「T554」におけるS340~S347の処理と同様である。
【0060】
本実施形態によれば、図5に示すように「撮像系垂直同期信号」の間隔を「tA」とすれば、静止画撮影開始前の「表示系垂直同期信号」の間隔は「tA」であり、静止画撮影中の「表示系垂直同期信号」の間隔も「tA」となる。この結果、表示部114の更新間隔を一定に保つことができる。なお、本実施形態では、「静止画撮影開始釦」の押下操作前後の「動画」と「静止画」の制御について扱ったが適用範囲はこれに限定されない。例えば、「静止画撮影開始釦」を半押ししたときの測距動作における、半押し前の「第1の動画(LV画像)」と半押し中の「第2の動画(静止画)」の制御について本実施形態における処理を適用可能である。
【0061】
本実施形態によれば、操作部116による、静止画撮影開始に基づいて静止画の画像データ(第2の解像度の画像データ)の読み出し開始を指示する構成とすることができる。また、操作部116による、測距動作開始に基づいて静止画の画像データの読み出し開始を指示する構成とすることもできる。
【0062】
<第2実施形態>
第1実施形態は、静止画撮影前と静止画撮影中の表示部114の更新間隔が一定に保たれているため、静止画撮影を開始したことをユーザーが認識するのが難しい。第2実施形態では例えば静止画撮影の1フレーム目において「静止画」の画像データの輝度を落とした「代替画像」を表示部114に表示することで静止画撮影を開始したことをユーザーが認識し易くする例について説明する。
【0063】
第2の実施形態は、図1図2(a)および図2(b)について、第1の実施形態と同じ構成とする。静止画撮影の1フレーム目において「代替画像」を表示するか否かは、例えばユーザーがメニューから設定した値を参照して判定すればよい。静止画撮影の1フレーム目において「代替画像」を表示しない場合の動作は、第1の実施形態と同様である。
【0064】
図6は、第2実施形態の撮像動作のタイミングを示す説明図ある。図3図6を参照して、静止画撮影の1フレーム目において「代替画像」を表示する本実施形態の処理の流れについて説明する。図3に示す処理は、CPU110がプログラムを実行することにより実現される。
【0065】
時刻「T602」において、S300では撮影が開始される。この撮影開始は例えば電源投入直後であってもよいがこれに限定されない。ここで、時刻「T610」~時刻「T624」におけるS340~S347の処理は、第1実施形態における時刻「T510」~時刻「T524」におけるS340~S347の処理と同様である。時刻「T630」において、S325では、撮影を継続するか否かの判定を行い、S325では「YES」となり、S32に移行する。時刻「T630」において、S320では、所定のタイミングにおいて「静止画撮影開始釦」が押下操作されたか否かの判定を行う。本実施形態では、各フレーム開始時において「静止画撮影開始釦」が押下操作されたか否かの判定を行うものとする。フレーム2のフレーム開始時では「静止画撮影開始釦」は押下操作されていたので、S320では「YES」となり、S321に移行する。
【0066】
同じく、時刻「T630」において、S321では、次のフレームは「静止画撮影開始釦」の押下検知後の1フレーム目の撮影か否かの判定が行われる。フレーム3は「静止画撮影開始釦」の押下検知後の1フレーム目の撮影なので、S321では「YES」となり、S360に移行する。同じく、時刻「T630」において、S360では、「静止画」の設定を行う。CPU110は、撮像素子107に対して「静止画」の画像データの読み出しの設定を行い、DSP108に対して静止画の画像データの現像の設定を行う。さらに、CPU110は、タイミングパルス生成回路111に対して「撮像系垂直同期信号」と「表示系垂直同期信号」の設定を行い、表示部114に対して「静止画」の画像データの表示の設定を行う。
【0067】
また、CPU110は、RAM109に対して「静止画」の画像データの読み出しを開始するタイミングを設定する。データA出力部222から解像度変換された「静止画」の画像データを出力するため、撮像素子107のセレクタ221を「入力b」に設定する。RAM109から「静止画」の画像データの読み出しを開始するタイミングは、フレーム開始時から「tL=tS+tD(時刻「T632」~時刻「T634」)」時間後とする。「tD」は「静止画」を動画サイズに解像度変換するために必要なレイテンシである。また、このフレームに限り、動画サイズに解像度変換された「静止画」の画像データを現像する際、例えば輝度を落とす処理を追加することにより、代替の画像データを「静止画」の画像データとして現像するものとする。
【0068】
時刻「T632」において、「撮像系垂直同期信号」の発行とともに、S361では「静止画」の画像データの読み出しを開始する。時刻「T633」において、S362では「静止画」の画像データの動画サイズへの解像度変換を行う。時刻「T633」において、S363では「静止画」の画像データの現像において、代替の画像データを「静止画」の画像データとして現像する。時刻「T633」において、S364では、「静止画」の画像データのRAM109への書き込みを開始した後、S365では指定時間「tL=tS+tD」の待機が行われる。
【0069】
時刻「T634」において、「表示系垂直同期信号」の発行とともに、S366では「静止画」の画像データのRAM109からの読み出しを開始する。同じく、時刻「T634」において、S367では、「静止画」の画像データに基づく表示部114の表示の更新が開始される。時刻「T640」において、S325では、撮影を継続するか否かの判定を行い、S325では「YES」となり、S320に移行する。ここで、時刻「T640」~時刻「T654」におけるS340~S347の処理は、第1実施形態における時刻「T540」~時刻「T554」におけるS340~S347の処理と同様である。
【0070】
時刻「T660」において、S320では、フレーム開始時において「静止画撮影開始釦」が押下操作されたか否かの判定を行う。フレーム5のフレーム開始時では「静止画撮影開始釦」は押下操作されていたので、S320では「YES」となり、S321に移行する。同じく、時刻「T660」において、S321では、次のフレームは「静止画撮影開始釦」の押下検知後の1フレーム目の撮影か否かの判定が行われる。フレーム6は、「静止画撮影開始釦」の押下検知後の4フレーム目の撮影なので、S321では「NO」となり、S323に移行する。同じく、時刻「T660」において、S323では、次のフレームは最後の静止画撮影からNフレーム目か否かの判定が行われる。本実施形態ではN=3であり、フレーム6は、最後の静止画撮影から3フレーム目の撮影なので、S323では「YES」となり、S360に移行する。
【0071】
以降、時刻「T664」において、S367では、「静止画」の画像データに基づく表示部114の表示の更新が開始される。時刻「T660」~時刻「T664」におけるS360~S367の処理は、時刻「T630」~時刻「T634」におけるS360~S367の処理から代替の画像データを「静止画」の画像データから生成する処理を除いたものである。時刻「T670」において、S325では、撮影を継続するか否かの判定を行い、S325では「YES」となり、S320に移行する。そして、時刻「T670」~時刻「T684」におけるS340~S347の処理は、第1実施形態における時刻「T570」~時刻「T584」におけるS340~S347の処理と同様である。
【0072】
本実施形態によれば、図6に示すように「撮像系垂直同期信号」の間隔を「tA」とすれば、静止画撮影開始前の「表示系垂直同期信号」の間隔は「tA」であり、静止画撮影中の「表示系垂直同期信号」の間隔も「tA」となる。この結果、表示部114の更新間隔を一定に保つことができる。さらに、静止画撮影の1フレーム目において「代替画像」を表示することで、静止画撮影が開始したことをユーザーに認識し易くすることができる。
【0073】
また、本実施形態では、「静止画撮影開始釦」の押下操作後の静止画撮影の1フレーム目を「代替画像」に置き換える例を示したが、「静止画撮影後釦」の押下操作後の静止画撮影の別フレームを「代替画像」に置き換えても良い。さらに、「静止画撮影後釦」の押下操作後の動画撮影のフレームを「代替画像」に置き換えても良い。また、「代替画像」として、画像データの輝度を落とした場合を例にとったが、フレームにおける画像データとは無関係の黒画像などの固定パターン画像に置き換えても良い。
【0074】
本実施形態において、操作部116による指示タイミング後の所定のフレームにおいて、代替画像データを表示部114に表示することができる。また、代替画像データとして、所定のフレームにおける画像データの輝度を変更した画像データを用いる場合の他に、代替画像データとして、所定のフレームにおける画像データとは無関係の画像データを用いることもできる。
【0075】
<第3実施形態>
第1実施形態は、静止画撮影前の動画撮影において画像データを表示部114に表示するまでの時間の遅延が大きくなり、動きの速い被写体に追従して静止画撮影を開始する際に不都合が生じる場合がある。第3実施形態においては、静止画撮影前の動画撮影において被写体への追従性を重視して画像データを表示部114に表示するまでの時間の遅延を抑えつつ表示更新間隔を一定に保つ例について説明する。なお、第3実施形態は、図1図2(a)および図2(b)について第1実施形態と同じ構成とする。
【0076】
静止画撮影前の動画撮影において画像データを表示部114に表示するまでの時間の遅延を抑えるどうかは、例えばユーザーがメニューから設定した値を参照して判定すれば良い。静止画撮影前の動画撮影において画像データを表示部114に表示するまでの時間の遅延を許容する場合の動作は、第1実施形態と同様である。
【0077】
図7は、第3実施形態の撮像動作のタイミングを示す説明図ある。図3図7を参照して、静止画撮影前の動画撮影において画像データを表示部114に表示するまでの時間の遅延を抑える処理の流れについて説明する。図3に示す処理は、CPU110がプログラムを実行することにより実現される。
【0078】
時刻「T702」において、S300にて撮影が開始される。この撮影開始は例えば電源投入直後であってもよいがこれに限定されない。時刻「T710」において、S320では、所定のタイミングにおいて「静止画撮影開始釦」が押下されたか否かの判定を行う。本実施形態では、各フレーム開始時において「静止画撮影開始釦」が押下操作されか否かの判定を行うものとする。フレーム0のフレーム開始時(時刻「T702」の撮影開始時)では「静止画撮影開始釦」は押下操作されていなかった判定して、S320では「NO」となり、S340に移行する。同じく、時刻「T710」において、S340では「動画」の設定を行う。CPU110は、撮像素子107に対して動画の画像データの読み出しの設定を行い、DSP108に対して動画の画像データの現像の設定を行う。
【0079】
さらに、CPU110は、タイミングパルス生成回路111に対して「撮像系垂直同期信号」と「表示系垂直同期信号」の設定を行い、表示部114に対して「動画」の画像データの表示の設定を行う。また、CPU110は、RAM109に対して「動画」の画像データの読み出しを開始するタイミングを設定する。データA出力部222から「動画」の画像データを出力するため、撮像素子107のセレクタ221を「入力a」に設定する。RAM109から動画の画像データの読み出しを開始するタイミングは、フレーム開始時から「tS(時刻「T712」~時刻「T714」)」時間後とする。
【0080】
時刻「T712」において、「撮像系垂直同期信号」の発行とともに、S341では「動画」の画像データの読み出しを開始する。同じく、時刻「T712」において、S343では「動画」の画像データの現像を行い、S344では「動画」の画像データのRAM109への書き込みを開始する。開始後、S345では指定時間「tS」の待機が行われる。時刻「T714」において、「表示系垂直同期信号」の発行とともに、S346では、「動画」の画像データのRAM109からの読み出しを開始する。同じく、時刻「T714」において、S347では「動画」の画像データに基づく表示部114の表示の更新が開始される。時刻「T720」において、S325では、撮影を継続するか否かの判定を行い、撮影を継続する場合(Yes)、S320に移行する。
【0081】
一方、撮影を継続しない場合(No)、S301にて撮影を終了する。例えば表示部114にメニューを表示する場合や電源スイッチをオフとした場合、撮影を継続しないと判定して撮影を終了する。本実施形態においては、S325での撮影を継続するか否かの判定は全て撮影を継続するものとし、S325は「YES」となり、S320に移行するものとする。
【0082】
時刻「T720」において、S320では、フレーム開始時において「静止画撮影開始釦」が押下操作されたか否かの判定を行う。フレーム1のフレーム開始時では「静止画撮影開始釦」は押下操作されてなかったと判定して、S320では「NO」となり、S340に移行する。以降、時刻「T724」において、S347では、「動画」の画像データに基づく表示部114の表示の更新が開始される。時刻「T720」~時刻「T724」におけるS340~S347の処理は、時刻「T710」~時刻「T714」におけるS340~S347の処理と同様である。但し、時刻「T721」において「静止画撮影開始釦」が押下操作され、以降、時刻「T761」に至るまで、押下状態を継続するものとする。時刻「T730」において、S325では、撮影を継続するか否かの判定を行い、S325では「YES」となり、S320に移行する。
【0083】
時刻「T730」において、S320では、フレーム開始時において「静止画撮影開始釦」が押下操作されたか否かの判定を行う。フレーム2のフレーム開始時では「静止画撮影開始釦」は押下操作されていたと判定され、S320は「YES」となり、S321に移行する。同じく、時刻「T730」において、S321では、次のフレームは「静止画撮影開始釦」の押下検知後の1フレーム目の撮影か否かの判定が行われる。フレーム3は「静止画撮影開始釦」の押下検知後の1フレーム目の撮影なので、S321では「YES」となり、S360に移行する。同じく、時刻「T730」において、S360の「静止画」の設定を行う。CPU110は、撮像素子107に対して静止画の画像データの読み出しの設定を行い、DSP108に対して静止画の画像データの現像の設定を行う。
【0084】
さらに、CPU110は、タイミングパルス生成回路111に対して「撮像系垂直同期信号」と「表示系垂直同期信号」の設定を行い、表示部114に対して「静止画」の画像データの表示の設定を行う。また、CPU110は、RAM109に対して「静止画」の画像データの読み出しを開始するタイミングを設定する。データA出力部222から解像度変換された静止画の画像データを出力するため、撮像素子107のセレクタ221を「入力b」に設定する。RAM109から「静止画」の画像データの読み出しを開始するタイミングは、フレーム開始時から「tL=tS+tD(時刻「T732」~時刻「T734」)」時間後とする。「tD」は「静止画」を動画サイズに解像度変換するために必要なレイテンシである。
【0085】
時刻「T732」において、「撮像系垂直同期信号」の発行とともに、S361では、「静止画」の画像データの読み出しを開始する。時刻「T733」において、S362では、「静止画」の画像データの動画サイズへの解像度変換を行い、S363では「静止画」の画像データの現像を行う。さらにS364では、「静止画」の画像データのRAM109への書き込みを開始した後、S365では指定時間「tL=tS+tD」の待機が行われる。時刻「T734」において、「表示系垂直同期信号」の発行とともに、S366では、「静止画」の画像データのRAM109からの読み出しを開始する。同じく、時刻「T734」において、S367では、「静止画」の画像データに基づく表示部114の表示の更新が開始される。時刻「T740」において、S325では、撮影を継続するか否かの判定を行い、S325では「YES」となり、S320に移行する。
【0086】
時刻「T740」において、S320では、フレーム開始時において「静止画撮影開始釦」が押下操作されたか否かの判定を行う。フレーム3のフレーム開始時では「静止画撮影開始釦」は押下操作されていたと判定され、S320では「YES」となり、S321に移行する。同じく、時刻「T740」において、S321では、次のフレームは「静止画撮影開始釦」の押下検知後の1フレーム目の撮影か否かの判定が行われる。フレーム4は「静止画撮影開始釦」の押下検知後の2フレーム目の撮影なので、S321では「NO」となり、S323に移行する。同じく、時刻「T740」において、S323では、次のフレームは最後の静止画撮影からNフレーム目か否かの判定が行われる。本実施形態ではN=3であり、フレーム4は、最後の静止画撮影から1フレーム目の撮影なので、S323では「NO」となり、S340に移行する。
【0087】
以降、時刻「T744」において、S347では、「動画」の画像データに基づく表示部114の表示の更新が開始される。時刻「T740」~時刻「T744」におけるS340~S347の処理は、時刻「T710」~時刻「T714」におけるS340~S347の処理において、動画の画像データの読み出しを開始するタイミングを変更した。つまり、動画の画像データの読み出しを開始するタイミングをフレーム開始時から「tL=tS+tD」としたものである。時刻「T750」において、S325では、撮影を継続するか否かの判定を行い、S325では「YES」となり、S320に移行する。
【0088】
時刻「T750」において、S320では、フレーム開始時において「静止画撮影開始釦」が押下操作されたか否かの判定を行う。フレーム4のフレーム開始時では「静止画撮影開始釦」は押下操作されていたと判定され、S320では「YES」となり、S321に移行する。同じく、時刻「T750」において、S321では、次のフレームは「静止画撮影開始釦」の押下検知後の1フレーム目の撮影か否かの判定が行われる。フレーム5は「静止画撮影開始釦」の押下検知後の3フレーム目の撮影なので、S321は「NO」となり、S323に移行する。同じく、時刻「T750」において、S323では、次のフレームは最後の静止画撮影からNフレーム目か否かの判定が行われる。本実施形態ではN=3であり、フレーム5は、最後の静止画撮影から2フレーム目の撮影なので、S323では「NO」となり、S340に移行する。
【0089】
以降、時刻「T754」において、S347では、「動画」の画像データに基づく表示部114の表示の更新が開始される。時刻「T750」~時刻「T754」におけるS340~S347の処理は、時刻「T710」~時刻「T714」におけるS340~S347の処理において、動画の画像データの読み出しを開始するタイミングを変更した。つまり、動画の画像データの読み出しを開始するタイミングをフレーム開始時から「tL=tS+tD」としたものである。時刻「T760」において、S325では、撮影を継続するか否かの判定を行い、S325では「YES」となり、S320に移行する。
【0090】
時刻「T760」において、S320では、フレーム開始時において「静止画撮影開始釦」が押下操作されたか否かの判定を行う。フレーム5のフレーム開始時では「静止画撮影開始釦」は押下操作されていた判定され、S320では「YES」となり、S321に移行する。同じく、時刻「T760」において、S321では、次のフレームは「静止画撮影開始釦」の押下検知後の1フレーム目の撮影か否かの判定が行われる。フレーム6は「静止画撮影開始釦」の押下検知後の4フレーム目の撮影なので、S321では「NO」となり、S340に移行する。同じく、時刻「T760」において、S323では、次のフレームは最後の静止画撮影からNフレーム目か否かの判定が行われる。本実施形態ではN=3であり、フレーム6は、最後の静止画撮影から3フレーム目の撮影なので、S323では「YES」となり、S360に移行する。
【0091】
以降、時刻「T764」において、S347では、「静止画」の画像データに基づく表示部114の表示の更新が開始される。時刻「「T760」~時刻「T764」におけるS360~S367の処理は、時刻「T730」~時刻「T734」におけるS360~S367の処理と同様である。但し、時刻「T761」において「静止画撮影開始釦」の押下が解除され、以降、押下解除状態を継続するものとする。時刻「T770において、S325では、撮影を継続するか否かの判定を行い、S325では「YES」となり、S320に移行する。
【0092】
時刻「T770」において、S320では、フレーム開始時において「静止画撮影開始釦」が押下操作されたか否かの判定を行う。フレーム6のフレーム開始時では「静止画撮影開始釦」は押下操作されてなかった判定され、S320では「NO」となり、S320に移行する。以降、時刻「T774」において、S347での「動画」の画像データに基づく表示部114の表示の更新が開始される。時刻「T770」~時刻「T774」におけるS340~S347の処理は、時刻「T710」~時刻「T714」におけるS340~S347の処理と同様である。RAM109から動画の画像データの読み出しを開始するタイミングをフレーム開始時から「tL=tS+tD(時刻「T712」~時刻「T714」)」時間後としていれば、フレーム6の「表示系垂直同期信号」の間隔は「tA」である。だが、ここでは、RAM109から動画の画像データの読み出しを開始するタイミングをフレーム開始時から「tS(時刻「T712」~時刻「T714」)」時間後とするので、フレーム6の「表示系垂直同期信号」の間隔は「tC=tA-tD」である。
【0093】
時刻「T780」において、S325では、撮影を継続するか否かの判定を行い、S325では「YES」となり、S320に移行する。時刻「T780」において、S320では、フレーム開始時において「静止画撮影開始釦」が押下操作されたか否かの判定を行う。フレーム7のフレーム開始時では「静止画撮影開始釦」は押下操作されていなかった判定され、S320では「NO」となり、S340に移行する。以降、時刻「T784」において、S347での「動画」の画像データに基づく表示部114の表示の更新が開始される。時刻「T780」~時刻「T784」におけるS340~S347の処理は、時刻「T710」~時刻「T714」におけるS340~S347の処理と同様である。
【0094】
本実施形態によれば、図7に示すように「撮像系垂直同期信号」の間隔を「tA」とすれば、静止画撮影開始直前の「表示系垂直同期信号」の間隔は「tB=tA+tD」となる。また、静止画撮影開始釦押下解除後の動画撮影復帰時の「表示系垂直同期信号」の間隔は「tC=tA-tD」となる。しかしながら、それ以外の「表示系垂直同期信号」の間隔は「tA」となり、静止画撮影開始直前と静止画撮影開始釦押下解除後の動画復帰時を除き、表示部114の更新間隔を一定に保つことができる。さらに、静止画撮影前の動画撮影において画像データを表示部114に表示するまでの時間の遅延を抑えるため、静止画撮影前の動画撮影における動きの速い被写体への追従性を損なわないという利点も有する。
【0095】
<第4実施形態>
第3実施形態では、静止画撮影中の動画撮影において画像データを表示部114に表示するまでの時間の遅延が大きくなり、動きの速い被写体に対して静止画撮影中も被写体を追従する際に不都合が生じる場合がある。第4実施形態では、静止画撮影前の動画撮影と静止画撮影中の動画撮影において被写体への追従性を重視して画像データを表示部114に表示するまでの時間の遅延を抑えつつ、表示更新間隔を一定に保つ例について説明する。なお、第4実施形態は、図1図2(a)および図2(b)について、第1実施形態と同じ構成とする。
【0096】
静止画撮影前の動画撮影と静止画撮影中の動画撮影において画像データを表示部114に表示するまでの時間の遅延を抑えるどうかは、例えばユーザーがメニューから設定した値を参照して判定すれば良い。静止画撮影前の動画撮影と静止画撮影中の動画撮影において画像データを表示部114に表示するまでの時間の遅延を許容する場合の動作は第1実施形態と同様である。また、静止画撮影中の動画撮影においてのみ画像データを表示部114に表示するまでの時間の遅延を許容する場合の動作は第3実施形態と同様である。
【0097】
図8は、第4実施形態の撮像動作を示すフローチャートである。図9は、第4実施形態に係る撮像動作のタイミングを示す説明図である。図8図9を参照して、静止画撮影前の動画撮影と静止画撮影中の動画撮影において画像データを表示部114に表示するまでの時間の遅延を抑える処理について説明する。なお、図8に示す処理は、CPU110がプログラムを実行することにより実現される。
【0098】
時刻「T902」において、S800にて撮影が開始される。この撮影開始は例えば電源投入直後であってもよいがこれに限定されない。時刻「T910」において、S820では、所定のタイミングにおいて「静止画撮影開始釦」が押下操作されたか否かの判定を行う。本実施形態では、各フレーム開始時において「静止画撮影開始釦」が押下操作されたか否かの判定を行うものとする。フレーム0のフレーム開始時(時刻「T902」の撮影開始時)では「静止画撮影開始釦」は押下操作されていなかった判定され、S820では「NO」となり、S840に移行する。同じく、時刻「T910」において、S840では、「動画」の設定を行う。CPU110は、撮像素子107に対して動画の画像データの読み出しの設定を行い、DSP108に対して動画の画像データの現像の設定を行う。
【0099】
さらに、CPU110は、タイミングパルス生成回路111に対して「撮像系垂直同期信号」と「表示系垂直同期信号」の設定を行い、表示部114に対して「動画」の画像データの表示の設定を行う。また、CPU110は、RAM109に対して動画の画像データの読み出しを開始するタイミングを設定する。データA出力部222から動画の画像データを出力するため、撮像素子107のセレクタ221を「入力a」に設定する。RAM109から動画の画像データの読み出しを開始するタイミングはフレーム開始時から「tS(時刻「T912」~時刻「T914」)」時間後とする。
【0100】
時刻「T912」において、「撮像系垂直同期信号」の発行とともに、S841では、「動画」の画像データの読み出しを開始する。同じく、時刻「T912」において、S843では「動画」の画像データの現像を行い、S844では「動画」の画像データのRAM109への書き込みを開始する。同じく、時刻「T912」において、S845では、指定時間「tS」の待機が行われる。時刻「T914」において、「表示系垂直同期信号」の発行とともに、S846では、「動画」の画像データのRAM109からの読み出しを開始する。同じく、時刻「T914」において、S847では、「動画」の画像データに基づく表示部114の表示の更新が開始される。時刻「T920」において、S825では、撮影を継続するか否かの判定を行い、撮影を継続する場合(YES)にはS820に移行する。
【0101】
一方、撮影を継続しない場合(NO)には、S801では、撮影を終了する。例えば表示部114にメニューを表示する場合や電源スイッチをオフとした場合、撮影を継続しないとして撮影を終了する。本実施形態においては、S825における、撮影を継続するか否かの判定は全て撮影を継続するものとし、S825は「YES」となるものとする。
【0102】
時刻「T920」において、S820では、フレーム開始時において「静止画撮影開始釦」が押下操作されたか否かの判定を行う。フレーム1のフレーム開始時では「静止画撮影開始釦」は押下されていなかったと判定され、S820は「NO」となり、S840に移行する。以降、時刻「T924」において、S847では、「動画」の画像データに基づく表示部114の表示の更新が開始される。時刻「T920」~時刻「T924」におけるS840~S847の処理は、時刻「T910」~時刻「T914」におけるS840~S847の処理と同様である。但し、時刻「T921」において「静止画撮影開始釦」が押下操作され、以降、押下状態を継続するものとする。時刻「T930」において、S825では、撮影を継続するか否かの判定を行い、S825は「YES」となり、S820に移行する。
【0103】
時刻「T930」において、S820では、フレーム開始時において「静止画撮影開始釦」が押下操作されか否かの判定を行う。フレーム2のフレーム開始時では「静止画撮影開始釦」は押下操作されていたと判定され、S820は「YES」となり、S821に移行する。同じく、時刻「T930」において、S821では、次のフレームは「静止画撮影開始釦」の押下検知後の1フレーム目の撮影か否かの判定が行われる。フレーム3は「静止画撮影開始釦」の押下検知後の1フレーム目の撮影なので、S821は「YES」となり、S840に移行する。
【0104】
以降、時刻「T934」において、S847では、「動画」の画像データに基づく表示部114の表示の更新が開始される。時刻「T930」~時刻「T934」におけるS840~S847の処理は、時刻「T910」~時刻「T914」におけるS840~S847の処理において、フレーム3の「撮像系垂直同期信号」の間隔を「tC=tA-tD」に設定したものである。「tA」はフレーム1およびフレーム2の「撮像系垂直同期信号」の間隔である。「tD」は静止画を動画サイズに解像度変換するために必要なレイテンシであり、その量は静止画の読み出し時間と変換前後の画像サイズによって一意に定まる。このため、静止画撮影前の動画撮影中であっても算出可能である。時刻「T940」において、S825では、撮影を継続するか否かの判定を行い、S825は「YES」となり、S820に移行する。
【0105】
時刻「T940」において、S820では、フレーム開始時において「静止画撮影開始釦」が押下操作されたか否かの判定を行う。フレーム3のフレーム開始時では「静止画撮影開始釦」は押下操作されていたと判定され、S820は「YES」となり、S821に移行する。同じく、時刻「T940」において、S821では、次のフレームは「静止画撮影開始釦」の押下検知後の1フレーム目の撮影か否かの判定が行われる。フレーム4は「静止画撮影開始釦」の押下検知後の2フレーム目の撮影なので、S821は「NO」となり、S822に移行する。同じく、時刻「T940」において、S822では、次のフレームは「静止画撮影開始釦」の押下検知後の2フレーム目の撮影か否かの判定が行われる。フレーム4は「静止画撮影開始釦」の押下検知後の2フレーム目の撮影なので、S822は「YES」となり、S860に移行する。
【0106】
同じく、時刻「T940」において、S860では、「静止画」の設定を行う。CPU110は、撮像素子107に対して静止画の画像データの読み出しの設定を行い、DSP108に対して静止画の画像データの現像の設定を行う。さらに、CPU110は、タイミングパルス生成回路111に対して「撮像系垂直同期信号」と「表示系垂直同期信号」の設定を行い、表示部114に対して静止画の画像データの表示の設定を行う。また、CPU110は、RAM109に対して静止画の画像データの読み出しを開始するタイミングを設定する。データA出力部222から解像度変換された静止画の画像データを出力するため、撮像素子107のセレクタ221を「入力b」に設定する。
【0107】
RAM109から静止画の画像データの読み出しを開始するタイミングは、フレーム開始時から「tL=tS+tD(時刻「T942」~時刻「T944」)」時間後とする。「tD」は、「静止画」を動画サイズに解像度変換するために必要なレイテンシである。静止画撮影のフレーム間で動画撮影を行う場合、「撮像系垂直同期信号」の間隔は「tB=tA+tD」となるように設定する。静止画撮影のフレーム間で動画撮影を行わない場合、「撮像系垂直同期信号」の間隔は「tA」となるように設定する。本実施形態では、静止画撮影のフレーム間で動画撮影を行うものとする。
【0108】
時刻「T942」において、「撮像系垂直同期信号」の発行とともに、S861では、「静止画」の画像データの読み出しを開始する。時刻「T943」において、S862では、「静止画」の画像データの動画サイズへの解像度変換を行い、S863では、「静止画」の画像データの現像を行う。さらに、時刻「T943」において、S864では、「静止画」の画像データのRAM109への書き込みを開始した後、S865では、指定時間「tL=tS+tD」の待機が行われる。時刻「T944」において、「表示系垂直同期信号」の発行とともに、S866では、「静止画」の画像データのRAM109からの読み出しを開始する。同じく、時刻「T944」において、S867では、「静止画」の画像データに基づく表示部114の表示の更新が開始される。時刻「T950」において、S825では、撮影を継続するか否かの判定を行い、S825は「YES」となり、S820に移行する。
【0109】
時刻「T950」において、S820では、フレーム開始時において「静止画撮影開始釦」が押下操作されたか否かの判定を行う。フレーム4のフレーム開始時では「静止画撮影開始釦」は押下操作されていたと判定され、S820は「YES」となり、S821に移行する。同じく、時刻「T950」において、S821では、次のフレームは「静止画撮影開始釦」の押下検知後の1フレーム目の撮影か否かの判定が行われる。フレーム5は「静止画撮影開始釦」の押下検知後の3フレーム目の撮影なので、S821は「NO」となり、S822に移行する。
【0110】
同じく、時刻「T950」において、S822では、次のフレームは「静止画撮影開始釦」の押下検知後の2フレーム目の撮影か否かの判定が行われる。フレーム5は「静止画撮影開始釦」の押下検知後の3フレーム目の撮影なので、S822は「NO」となり、S823に移行する。同じく、時刻「T950」において、S823では、次のフレームは最後の静止画撮影からNフレーム目か否かの判定が行われる。本実施形態ではN=3であり、フレーム5は最後の静止画撮影から1フレーム目の撮影なので、S823は「NO」となり、S840に移行する。
【0111】
以降、時刻「T954」において、S847では、「動画」の画像データに基づく表示部114の表示の更新が開始される。時刻「T950」~時刻「T954」におけるS840~S847の処理は、時刻「T910」~時刻「T914」におけるS840~S847の処理と同様である。時刻「T960」において、S825では、撮影を継続するか否かの判定を行い、S825は「YES」となり、S820に移行する。
【0112】
時刻「T960」において、S820では、フレーム開始時において「静止画撮影開始釦」が押下操作されたか否かの判定を行う。フレーム5のフレーム開始時では「静止画撮影開始釦」は押下操作されていたと判定され、820は「YES」となり、S821に移行する。同じく、時刻「T960」において、S821では、次のフレームは「静止画撮影開始釦」の押下検知後の1フレーム目の撮影か否かの判定が行われる。フレーム6は「静止画撮影開始釦」の押下検知後の4フレーム目の撮影なので、S821は「NO」となり、S822に移行する。
【0113】
同じく、時刻「T960」において、S822では、次のフレームは「静止画撮影開始釦」の押下検知後の2フレーム目の撮影か否かの判定が行われる。フレーム6は「静止画撮影開始釦」の押下検知後の4フレーム目の撮影なので、S822は「NO」となり、S823に移行する。同じく、時刻「T960」において、S823では、次のフレームは最後の静止画撮影からNフレーム目か否かの判定が行われる。本実施形態ではN=3であり、フレーム6は、最後の静止画撮影から2フレーム目の撮影なので、S823は「NO」となり、S840に移行する。
【0114】
以降、時刻「T964」において、S847では、「動画」の画像データに基づく表示部114の表示の更新が開始される。時刻「T960」~時刻「T964」におけるS840~S847の処理は、時刻「T910」~時刻「T914」におけるS840~S847処理において、フレーム6の「撮像系垂直同期信号」の間隔を「tC=tA-tD」に設定したものである。時刻「T970」において、S825では、撮影を継続するか否かの判定を行い、S825は「YES」となり、S820に移行する。
【0115】
時刻「T970」において、S820では、フレーム開始時において「静止画撮影開始釦」が押下操作されたか否かの判定を行う。フレーム6のフレーム開始時では「静止画撮影開始釦」は押下操作されていたと判定され、S820は「YES」となり、S821に移行する。同じく、時刻「T970」において、S821では、次のフレームは「静止画撮影開始釦」の押下検知後の1フレーム目の撮影か否かの判定が行われる。フレーム7は「静止画撮影開始釦」の押下検知後の5フレーム目の撮影なので、S821は「NO」となり、S822に移行する。
【0116】
同じく、時刻「T970」において、S822では、次のフレームは「静止画撮影開始釦」の押下検知後の2フレーム目の撮影か否かの判定が行われる。フレーム7は「静止画撮影開始釦」の押下検知後の5フレーム目の撮影なので、S822は「NO」となり、S823に移行する。同じく、時刻「T970」において、S823では、次のフレームは最後の静止画撮影からNフレーム目か否かの判定が行われる。本実施形態ではN=3であり、フレーム7は、最後の静止画撮影から3フレーム目の撮影なので、S823は「YES」となり、S860に移行する。以降、時刻「T974」において、S867では、「静止画」の画像データに基づく表示部114の表示の更新が開始される。時刻「T970」~時刻「T974」におけるS860~S867の処理は、時刻「T940」~時刻「T942」におけるS860~S867の処理と同様である。
【0117】
時刻「T980」において、S825では、撮影を継続するか否かの判定を行い、S825は「YES」となり、S820に移行する。そして、時刻「T980」~時刻「T984」におけるS840~S847の処理は、時刻「T950」~時刻「T954」におけるS840~S847の処理と同様である。
【0118】
本実施形態によれば、図9に示すように静止画撮影直前を除く動画撮影時の「撮像系垂直同期信号」の間隔を「tA」とすれば、静止画撮影開始前の「表示系垂直同期信号」の間隔は「tA」であり、静止画撮影中の「表示系垂直同期信号」の間隔も「tA」となる。この結果、表示部114の更新間隔を一定に保つことができる。さらに、静止画撮影前の動画撮影に加えて、静止画撮影中の動画撮影において画像データを表示部114に表示するまでの時間の遅延を抑えることができる。このため、静止画撮影前の動画撮影とともに、静止画撮影中の動画撮影における動きの速い被写体への追従性を損なわないという効果がある。
【0119】
<纏め>
以上説明してきた各実施形態によれば下記の構成が実現できる。画素走査部215(読み出し部)により、「LV画像(ライブビュー動画)の画像データ」(第1の解像度の第1の画像データ)と「静止画の画像データ」(第2の解像度の第2の画像データ)とを画素アレイ207から読み出し可能である。また、操作部116により与えられる「静止画の画像データ」の読み出し開始の指示信号に基づいて画素アレイ207から「静止画」の画像データの読み出しが開始される。読み出された「静止画の画像データ」を解像度変換回路220(解像度変換部)によって変換した画像データ(第3の解像度の画像データ)を得る。データA出力部222(出力部)は「LV画像の画像データ」と、「変換後の第3の解像度の画像データ」とを出力可能である。
【0120】
DSP108(生成部)は、データA出力部222(出力部)から出力された画像データに基づいて表示用画像データを生成する。RAM109(保持部)は、生成された表示用画像データを保持し、表示部114は表示用画像データを表示する。そして、RAM109が表示用画像データを保持する保持時間の制御が行われる。これにより、フレーム開始から「LV画像の画像データ」の表示部114による表示開始までの時間と、フレーム開始から解像度変換回路220により解像度が変換された静止画の画像データの表示部114による表示開始までの時間とを等しくする。これにより、「一定の表示系垂直同期信号」の間隔でライブビュー画像が表示部114に表示される。
【0121】
また、操作部116に指示信号が与えられるタイミングの前、後の両方において、RAM109(保持部)が表示用画像データを保持する保持時間の制御が行われる。これにより、フレーム開始からLV画像の画像データの表示部114による表示開始までの時間と、フレーム開始から解像度変換回路220により変換された静止画の画像データの表示部114による表示開始までの時間とが等しくする「第1のモード」を備える。
【0122】
また、操作部116に指示信号が与えられるタイミングの後のみにおいて、RAM109(保持部)が表示用画像データを保持する保持時間の制御が行われる。これにより、フレーム開始からLV画像の画像データの表示部114による表示開始までの時間と、フレーム開始から解像度変換回路20により変換された静止画の画像データの表示部114による表示開始までの時間とを等しくする「第2のモード」を備える。さらに、操作部116に、第1のモードと第2のモードとを切り替えるモード選択部を備えた構成とすることもできる。
【0123】
以上を纏めると、CPU110は、「静止画撮影開始釦」の押下操作前は、ライブビュー画像を表示部114に表示させるまでの表示遅延時間が、静止画を表示部114に表示させるまでの表示遅延時間より短くなるようにする。このためには、RAM109における表示用画像データの保持時間を制御する。そして、「静止画撮影開始釦」の押下操作後は、ライブビュー画像を表示部114に表示させるまでの表示遅延と、静止画を表示部114に表示させるまでの表示遅延時間とが等しくなるようにRAM109における表示用画像データの保持時間を制御する。
【0124】
また、「第1のモード」においては、「静止画撮影開始釦」の押下操作前においても、ライブビュー画像を表示部114に表示させるまでの表示遅延時間と、静止画を表示部114に表示させるまでの表示遅延時間が等しくなるようにする。このためには、RAM109(保持部)における表示用画像データの保持時間を制御する。また、「第2のモード」においては、先ず「静止画撮影開始釦」の押下操作前は、ライブビュー画像を表示部114に表示させるまでの表示遅延時間が、静止画を表示部114に表示させるまでの表示遅延時間より短くなるようする。このためには、RAM109における表示用画像データの保持時間を制御する。その一方で、「静止画撮影開始釦」の押下操作後は、ライブビュー画像の表示部114に表示させるまでの表示遅延時間と、静止画を表示部114に表示させるまで表示遅延時間とが等しくなるようする。このためには、RAM109(保持部)における表示用画像データの保持時間を制御する。
【0125】
また、他の態様は以下のようになる。画素走査部215(読み出し部)により、「LV画像(ライブビュー動画)の画像データ」(第1の解像度の第1の画像データ)と「静止画の画像データ」(第2の解像度の第2の画像データ)とを画素アレイ207から読み出し可能である。また、操作部116により与えられる「静止画の画像データ」の読み出し開始の指示信号に基づいて画素アレイ207から「静止画」の画像データの読み出しが開始される。読みだされた「静止画の画像データ」を解像度変換回路220(解像度変換部)によって変換した画像データ(第3の解像度の画像データ)を得る。データA出力部222(出力部)は「LV画像の画像データ」と「変換後の第3の解像度の画像データ」とを出力可能である。
【0126】
DSP108(生成部)は、データA出力部222(出力部)から出力された画像データに基づいて表示用画像データを生成する。RAM109(保持部)は、生成された表示用画像データを保持し、表示部114は表示用画像データを表示する。そして、表示部114により表示される表示用画像データの更新間隔を、「静止画の画像データ」(第2の解像度の画像データ)の読み出し開始タイミングを変更制御することにより一定に保つ。つまり、動画撮影中に静止画撮影を行う場合において、画素アレイ207からの「静止画の画像データ」の読み出し開始のタイミングを早くしたり遅くしたりする。これにより、一定の「表示系垂直同期信号」の間隔でライブビュー画像が表示部114に表示される。
【0127】
また、その操作により、静止画撮影の開始を示す撮影開始指示信号を与える第2操作部を備え、撮影開始指示信号に基づいて、画素アレイ207から「静止画の画像データ」(第2の解像度の画像データ)の読み出しを開始する構成とすることができる。また、その操作により、測距動作の開始を示す測距動作開始指示信号を与える第3操作部を備え、測距動作開始指示信号に基づいて、画素アレイ207から「静止画の画像データ」(第2の解像度の画像データ)の読み出しを開始する構成とすることもできる。なお、第2操作部と第3操作部とは操作部116に含めて構成すれば良い。
【0128】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0129】
1 撮像装置
107 撮像素子
215 画素走査部
220 解像度変換回路
222 データA出力部
116 操作部
108 DSP
109 RAM
114 表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9