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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】非水系二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/491 20210101AFI20241209BHJP
   H01G 11/06 20130101ALI20241209BHJP
   H01G 11/52 20130101ALI20241209BHJP
   H01M 4/13 20100101ALI20241209BHJP
   H01M 10/0566 20100101ALI20241209BHJP
   H01M 50/449 20210101ALI20241209BHJP
   H01M 50/46 20210101ALI20241209BHJP
   H01M 50/466 20210101ALI20241209BHJP
   H01M 50/489 20210101ALI20241209BHJP
   H01M 10/052 20100101ALN20241209BHJP
【FI】
H01M50/491
H01G11/06
H01G11/52
H01M4/13
H01M10/0566
H01M50/449
H01M50/46
H01M50/466
H01M50/489
H01M10/052
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022132399
(22)【出願日】2022-08-23
(62)【分割の表示】P 2020108562の分割
【原出願日】2014-11-13
(65)【公開番号】P2022172194
(43)【公開日】2022-11-15
【審査請求日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】P 2013236697
(32)【優先日】2013-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】山崎 舜平
【審査官】上野 文城
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-089563(JP,A)
【文献】特開2010-199282(JP,A)
【文献】国際公開第2012/120999(WO,A1)
【文献】特開2013-211156(JP,A)
【文献】特開2005-327546(JP,A)
【文献】特開2013-191391(JP,A)
【文献】特表2005-503652(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/491
H01G 11/06
H01G 11/52
H01M 4/13
H01M 10/0566
H01M 50/449
H01M 50/46
H01M 50/466
H01M 50/489
H01M 10/052
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極と、
負極と、
電解液と、
複数の第1の孔を有する第1のセパレータと、
複数の第2の孔を有する第2のセパレータと、を有する非水系二次電池であって、
前記正極と、前記負極と、前記第1のセパレータと、前記第2のセパレータとは、それぞれ可撓性を有する材料を有し、
前記第1のセパレータは、前記正極と前記負極との間に配置された領域を有し、
前記第2のセパレータは、前記第1のセパレータと前記負極との間に配置された領域を有し、
前記第1のセパレータに占める前記複数の第1の孔の体積の割合は、前記第2のセパレータに占める前記複数の第2の孔の体積の割合よりも大きく、
前記第1のセパレータは、ガラス繊維を有し、
前記負極は、前記第2のセパレータに包まれており、且つ前記第1のセパレータに包まれていない、非水系二次電池。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1のセパレータの厚さは前記第2のセパレータの厚さよりも大きい、非水系二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、非水系二次電池、及びその製造方法に関する。
【0002】
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明の
一態様の技術分野は、物、方法、または、製造方法に関するものである。または、本発明
の一態様は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション・
オブ・マター)に関するものである。そのため、より具体的に本明細書で開示する本発明
の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、発光装置、蓄電装置、記憶装置、
それらの駆動方法、または、それらの製造方法、を一例として挙げることができる。
【背景技術】
【0003】
近年、リチウムイオン二次電池等の二次電池、リチウムイオンキャパシタ、空気電池、燃
料電池等、種々の蓄電装置の開発が盛んに行われている(特許文献1乃至特許文献3)。
特に高出力、高エネルギー密度であるリチウムイオン二次電池は、携帯電話やスマートフ
ォン、ノート型パーソナルコンピュータ等の携帯情報端末、携帯音楽プレーヤ、デジタル
カメラ等の電気機器、あるいは医療機器、ハイブリッド車(HEV)、電気自動車(EV
)、又はプラグインハイブリッド車(PHEV)等の次世代クリーンエネルギー自動車、
定置用蓄電装置など、半導体産業の発展および省エネルギー化の要求の高まりに伴い急速
にその需要が拡大し、現代社会に不可欠なものとなっている。
【0004】
非水系二次電池の一つであるリチウムイオン二次電池は、正極と、負極と、セパレータと
、非水電解液と、これらを覆う外装体と、を有する。一般的に、リチウムイオン二次電池
では、アルミニウム等からなる正極集電体の両面にリチウムイオンを吸蔵・放出する正極
活物質を含む正極合剤を塗布した正極と、銅等からなる負極集電体の両面にリチウムイオ
ンを吸蔵放出する負極活物質を含む負極合剤を塗布した負極が用いられる。また、これら
正極と負極の間にセパレータが挟まれることで絶縁され、正極及び負極は、外装体に設け
られた正極端子及び負極端子と電気的に接続されている。外装体は、円筒形や角形等の一
定の形状を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第WO2012/165358号パンフレット
【文献】米国特許出願公開第2012/0002349号明細書
【文献】国際公開第WO2009/131180号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
セパレータは、正極と負極の間に設けられ、両極が直接接触することを防ぐ機能を有する
。リチウムイオン二次電池の両極が直接接触すると、両極間で制御不能な大電流が流れ、
大きな発熱等を生じ、安全上の問題を引き起こす場合がある。また、安全上の問題とまで
の事態とはならない場合でも、自己放電が生じ電池としての機能が損なわれる。
【0007】
また、リチウムイオン二次電池の製造または充放電の過程において、充放電に寄与するキ
ャリアイオンの一部が負極表面に析出し不可逆成分となり、電池としての機能が損なわれ
る。さらに、リチウムの析出が進行すると、ひげ状の構造物(ウィスカー)となり成長す
る場合もあるが、セパレータの性質次第で該構造物がセパレータの孔を経て、両極間を接
続するに至る場合もあり、これも問題となる。
【0008】
また、電池が機能するためには、セパレータは電解液を保持する機能を有していなければ
ならない。また、イオンの伝導性がなければならない。なお、セパレータが電解液を保持
し、イオン伝導性を有するのはセパレータ層の有する孔の性質に関係が大きい。
【0009】
セパレータは多孔性の材料を使用するのが一般的であり、使用する材料によりセパレータ
に形成される孔の大きさ及び形状、セパレータ層に占める孔の体積の割合(空隙率)が異
なる。セパレータの孔の大きさが大きいほど、または、孔の体積の割合(空隙率)が大き
いほどイオン伝導性には有利となるが、反面、両極を絶縁する機能が弱くなる。また、ひ
げ状の構造物(ウィスカー)を生じる場合には、該ひげ状の構造物がセパレータを突き抜
け易くなり絶縁性能が低くなる。一方で、リチウムやその他成分の析出により形成される
上述の不可逆成分が塊状となって遊離したもの、または、活物質粒子が活物質層から遊離
したものがセパレータ中の孔を塞ぎにくくなり、イオン伝導性は保たれやすくなる。
【0010】
セパレータに形成される孔の大きさ及び量は、セパレータの材料と形成方法により決定さ
れるが、所定のイオン伝導性、および、機械的強度を有するセパレータを得るためには、
材料と形成方法の選択を緻密に検討する必要がある。しかし、セパレータの材料、及び、
形成方法には選択の制限があり、所望の性質を有するセパレータを形成するのは容易では
ない。
【0011】
さらに、可撓性を有するリチウムイオン二次電池においては、二次電池の形状変化に応じ
て二次電池の内部に様々な応力が生じる。二次電池に該応力を緩和する構造を有していな
ければ、容易に二次電池のいずれかの個所でせん断破壊が発生し、二次電池としての機能
が失われる。
【0012】
上記に鑑み、本発明の一態様は、二次電池において両極の直接的な接触を防ぎつつ、所望
のイオン伝導性及び機械的強度を有するセパレータを提供することを課題の一つとする。
または、長期信頼性の確保を実現することを課題の一つとする。
【0013】
また、本発明の一態様は、リチウムイオン二次電池において、新規なセパレータの構造を
提供することを課題の一つとする。または、本発明の一態様は、新規の蓄電装置などを提
供することを課題の一つとする。
【0014】
また、本発明の一態様は、形状が変化することができる機能を有する二次電池、つまり可
撓性を有する二次電池を提供することを課題の一つとする。また、可撓性を有する二次電
池において、形状変化に耐え得る新規のセパレータを提供することも課題の一つとする。
【0015】
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一
態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課題
は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図
面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本明細書で開示する発明の一態様の構成は、正極と、負極と、電解液と、第1のセパレー
タと、第2のセパレータとを有し、第1のセパレータ及び第2のセパレータは、正極と負
極との間に設けられており、第1のセパレータは第1の孔を有し、第2のセパレータは第
2の孔を有し、第1の孔と第2の孔は、大きさが異なる非水系二次電池である。
【0017】
なお、第1のセパレータと第2のセパレータは、厚さが異なっていてもよい。
【0018】
本明細書で開示する発明の他の一態様の構成は、正極と、負極と、電解液と、第1のセパ
レータと、第2のセパレータと、第3のセパレータとを有し、第1のセパレータは、正極
と負極との間に設けられており、第2のセパレータは、第1のセパレータと正極との間に
設けられており、第3のセパレータは、第1のセパレータと負極との間に設けられており
、第1のセパレータは第1の孔を有し、第2のセパレータは第2の孔を有し、第3のセパ
レータは第3の孔を有し、第1の孔は、第2の孔及び第3の孔と大きさが異なる非水系二
次電池である。
【0019】
本明細書で開示する発明の他の一態様の構成は、正極と、負極と、電解液と、第1のセパ
レータと、第2のセパレータと、第3のセパレータとを有し、第1のセパレータは、正極
と負極との間に設けられており、第2のセパレータは、第1のセパレータと正極との間に
設けられており、第3のセパレータは、第1のセパレータと負極との間に設けられており
、第1のセパレータは第1の孔を有し、第2のセパレータは第2の孔を有し、第3のセパ
レータは第3の孔を有し、第1の孔は、第2の孔及び第3の孔よりも大きい非水系二次電
池である。
【0020】
本明細書で開示する発明の他の一態様の構成は、正極と、負極と、電解液と、第1のセパ
レータと、第2のセパレータと、第3のセパレータとを有し、第1のセパレータは、正極
と負極との間に設けられており、第2のセパレータは、第1のセパレータと正極との間に
設けられており、第3のセパレータは、第1のセパレータと負極との間に設けられており
、第1のセパレータは第1の孔を有し、第2のセパレータは第2の孔を有し、第3のセパ
レータは第3の孔を有し、第1の孔と第2の孔と第3の孔は、大きさがそれぞれ異なる非
水系二次電池である。
【0021】
なお、本明細書で開示する発明の一態様の構成に係る非水系二次電池は、第1のセパレー
タの厚さは、第2のセパレータの厚さ及び第3のセパレータの厚さとは異なることが好ま
しい。さらに、第1のセパレータの厚さは、第2のセパレータの厚さ及び第3のセパレー
タの厚さよりも小さいことがより好ましい。
【0022】
また、本明細書で開示する発明の一態様の構成に係る非水系二次電池は、電解液はリチウ
ムイオンを有していてもよい。また、本明細書で開示する発明の一態様の構成に係る非水
系二次電池は、さらに可撓性を有する外装体を有していてもよく、非水系二次電池は可撓
性を有していてもよい。
【0023】
非水系二次電池において、正極と負極との間に多層のセパレータを設け、セパレータ各層
の有する孔の大きさをそれぞれ異なるものとしたとき、多層構造全体の特性は、各セパレ
ータの性質と厚さ、単位体積あたりの孔の体積の割合等により決定される。多層構造を構
成する各セパレータの材料、厚さ、単位体積あたりの孔の体積の割合等は、それぞれ所定
の範囲で選択することができるが、各セパレータの性質を種々設定することにより、多層
構造全体のセパレータとしての特性を細やかに設定することが可能となる。
【0024】
例えば、正極と負極の間に、所定の厚さでセパレータを設ける場合に、単位体積あたりの
孔の体積の割合が高く、孔が大きく厚い第1のセパレータと、単位体積あたりの孔の体積
の割合が低く、孔が小さく薄い第2のセパレータとのセパレータ積層体を設けると、第1
のセパレータに由来する高いイオン伝導度を得ながら、第2のセパレータに由来する高い
電解液保持性を有するセパレータとすることができる。
【0025】
所定の厚さのセパレータを第1のセパレータを構成する材料のみで形成すると、イオン伝
導度は高く、ひげ状のリチウム析出物(ウィスカー)が両極を接続することを妨げる能力
の低いセパレータとなる。さらに、該セパレータは機械的強度も低い。一方で、所定の厚
さのセパレータを第2のセパレータを構成する材料のみで形成すると、ひげ状のリチウム
析出物(ウィスカー)が両極を接続することを防ぐことができるが、イオン伝導性が低く
なる。さらに塊状の析出物等を生じる場合に、孔の大きさが小さいと析出物等により容易
に孔を塞がれ、イオン伝導性の低下を生じる。
【0026】
セパレータ用材料は使用できる材料と性質に限りがあり、必要なセパレータを作製するこ
とが困難である場合がある。単一材料でセパレータを形成するよりも、性質の異なる多層
のセパレータを合わせる方が、セパレータの特性の選択の幅を広げることができる。
【0027】
また、可撓性二次電池において二次電池が変形すると、多層のセパレータが設けられてい
た場合、セパレータに生じる応力は、各層間に摺動が生じることにより緩和されることが
できる。したがって、セパレータが多層設けられていると、二次電池は変形への耐性が高
まる。多層のセパレータを有する構造は、可撓性を有する二次電池に適している。
【0028】
さらに、可撓性二次電池において負極からひげ状の構造物(ウイスカー)が成長し、2つ
のセパレータの界面を突き抜け、2つのセパレータにひげ状の構造物(ウイスカー)が連
なった状態において、二次電池の形状変化に伴いセパレータ間で摺動が生じると、ひげ状
の構造物(ウイスカー)が摺動に耐えられず、セパレータの界面においてせん断され破壊
されるため、ひげ状の構造物(ウイスカー)による両電極間の接続(ショート)を防止す
ることもできる。
【0029】
本発明の一態様に係る可撓性を有する二次電池の外装体は、曲率半径10mm以上好まし
くは曲率半径30mm以上の範囲で変形することができる。二次電池の外装体であるフィ
ルムは、1枚または2枚で構成されており、積層構造の二次電池である場合、湾曲させた
電池の断面構造は、外装体であるフィルムの2つの曲線で挟まれた構造となる。
【0030】
面の曲率半径について、図17を用いて説明する。図17(A)において、曲面1700
を切断した平面1701において、曲面の形状である曲線1702の一部を円の弧に近似
して、その円の半径を曲率半径1703とし、円の中心を曲率中心1704とする。図1
7(B)に曲面1700の上面図を示す。図17(C)に、平面1701で曲面1700
を切断した断面図を示す。曲面を平面で切断するとき、切断する平面により、曲面の形状
である曲線の曲率半径は異なるものとなるが、曲面を、最も曲率半径の小さい曲線を有す
る平面で切断したときにおいて、曲面の断面形状である曲線の曲率半径を面の曲率半径と
する。
【0031】
2枚のフィルムを外装体として電極・電解液など電池材料1805を挟む二次電池を湾曲
させた場合には、二次電池の曲率中心1800に近い側のフィルム1801の曲率半径1
802は、曲率中心1800から遠い側のフィルム1803の曲率半径1804よりも小
さい(図18(A))。二次電池を湾曲させて断面を円弧状とすると曲率中心1800に
近いフィルムの表面には圧縮応力がかかり、曲率中心1800から遠いフィルムの表面に
は引っ張り応力がかかる(図18(B))。外装体の表面に凹部または凸部で形成される
模様を形成すると、このように圧縮応力や引っ張り応力がかかったとしても、ひずみによ
る影響を許容範囲内に抑えることができる。そのため、二次電池は、曲率中心に近い側の
外装体の曲率半径が10mm以上好ましくは30mm以上となる範囲で変形することがで
きる。
【0032】
なお、二次電池の断面形状は、単純な円弧状に限定されず、一部が円弧を有する形状にす
ることができ、例えば図18(C)に示す形状や、波状(図18(D))、S字形状など
とすることもできる。二次電池の曲面が複数の曲率中心を有する形状となる場合は、複数
の曲率中心それぞれにおける曲率半径の中で、最も曲率半径が小さい曲面において、2枚
の外装体の曲率中心に近い方の外装体の曲率半径が、10mm以上好ましくは30mm以
上となる範囲で二次電池が変形することができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明の一態様は、二次電池において両極の直接的な接触を防ぎつつ、所望のイオン伝導
性及び機械的強度を有するセパレータを提供することができる。または、長期信頼性の確
保を実現することができる。
【0034】
また、本発明の一態様は、リチウムイオン二次電池において、新規なセパレータの構造を
提供することができる。または、本発明の一態様は、新規の蓄電装置などを提供すること
がきる。
【0035】
また、本発明の一態様は、形状が変化することができる機能を有する二次電池、つまり可
撓性を有する二次電池を提供することができる。また、可撓性を有する二次電池において
、形状変化に耐え得る新規のセパレータを提供することもできる。
【0036】
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一
態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果は
、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面
、請求項などの記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明の一態様を示す断面模式図。
図2】ひげ状構造物のせん断を示す断面模式図。
図3】集電体と活物質を示す断面模式図。
図4】本発明の一態様を示す断面模式図。
図5】コイン形の二次電池を説明する図。
図6】積層型の二次電池を説明する図。
図7】円筒型の二次電池を説明する図。
図8】蓄電装置の例を説明するための図。
図9】蓄電装置の例を説明するための図。
図10】蓄電装置の例を説明するための図。
図11】蓄電装置の例を説明するための図。
図12】蓄電装置の例を説明するための図。
図13】電子機器を説明する図。
図14】電子機器を説明する図。
図15】本発明の一態様を示す断面模式図。
図16】本発明の一態様を示す断面模式図。
図17】曲率半径を説明する図。
図18】可撓性を有する二次電池を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は
以下の説明に限定されず、その形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれ
ば容易に理解される。また、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈さ
れるものではない。
【0039】
なお、本明細書で説明する各図において、正極、負極、活物質層、外装体などの大きさや
厚さ等の各構成要素の大きさは、個々に説明の明瞭化のために誇張されている場合がある
。よって、必ずしも各構成要素はその大きさに限定されず、また各構成要素間での相対的
な大きさに限定されない。
【0040】
また、本明細書等において、第1、第2、第3などとして付される序数詞は、便宜上用い
るものであって工程の順番や上下の位置関係などを示すものではない。そのため、例えば
、「第1の」を「第2の」又は「第3の」などと適宜置き換えて説明することができる。
また、本明細書等に記載されている序数詞と、本発明の一態様を特定するために用いられ
る序数詞は一致しない場合がある。
【0041】
また、本明細書等で説明する本発明の構成において、同一部分又は同様の機能を有する部
分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また
、同様の機能を有する部分を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さ
ない場合がある。
【0042】
また、本明細書等においてセパレータの有する孔とは、セパレータ材料を有する層又は膜
の中で、セパレータ材料の無い領域を指す。また、セパレータというときは孔を含めて指
すこともあれば、孔とセパレータ材料とを区別して指すこともある。孔の形状は、所定の
方向と相関を有する形状であるか、等方的な形状であるかについて特に限定されない。ひ
とつの孔が該セパレータ材料を有する層を突き抜けているか否か、セパレータ材料で囲ま
れた閉じた空間となっているか否かについても限定されない。セパレータの有する孔とは
、二次電池において電解液により孔の一部又は全部が充填されている状態の孔も含まれる
【0043】
また、この発明を実施するための形態に記載の内容は、適宜組み合わせて用いることがで
きる。
【0044】
(実施の形態1)
本発明の一態様にかかるリチウムイオン二次電池の作製方法について図1(A)を用い、
以下に説明する。まず、正極集電体110と、正極活物質層112と、第1のセパレータ
100と、第2のセパレータ101と、負極活物質層113と、負極集電体111とを積
み重ねた状態の断面模式図を示す。集電体および活物質層の詳細については後述する。な
お、活物質層は集電体の両面に形成することもでき、二次電池を積層構造とすることも可
能である。
【0045】
第1のセパレータ100と第2のセパレータ101とをそれぞれ拡大した断面模式図を図
1(B)及び図1(C)に示す。第1のセパレータ100と第2のセパレータ101は、
それぞれ、大きさの異なる第1の孔104と第2の孔105を有している。また、第1の
セパレータ100に占める第1の孔104の体積の割合は、第2のセパレータ101に占
める第2の孔105の体積の割合とは異なる。なお、模式図においてセパレータを繊維状
に、孔を繊維の隙間として表現しているが、セパレータの構造は繊維構造に限られるもの
ではない。
【0046】
さらに図1(A)で示す通り、第1のセパレータ100と第2のセパレータ101の厚さ
もそれぞれ異なる。そのため、イオン伝導度、機械的強度、絶縁性能等のセパレータとし
ての特性が異なる。なお、第1のセパレータ100と第2のセパレータ101とは、同じ
材料を用いて製造したとしても、製造方法、製造条件等を変更することにより別々の特性
を与えてもよい。
【0047】
セパレータの材料としては、紙、不織布、ガラス繊維、あるいは、ナイロン(ポリアミド
)、ビニロン(ポリビニルアルコール系繊維)、ポリエステル、アクリル、ポリオレフィ
ン、ポリウレタンといった合成繊維等を用いればよい。ただし、後述の電解液に溶解しな
い材料を選ぶ必要がある。
【0048】
より具体的には、セパレータの材料として、例えば、フッ素系ポリマー、ポリエチレンオ
キシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の
ポリオレフィン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリメチルアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリメタクリロニトリル、ポリビ
ニルアセテート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリブタジエン、ポリス
チレン、ポリイソプレン、ポリウレタン系高分子及びこれらの誘導体、セルロース、紙、
不織布、ガラス繊維から選ばれる一種を単独で、又は二種以上を組み合せて用いることが
できる。
【0049】
セパレータは、両極の接触を防ぐ絶縁性能、電解液を保持する性能、イオンの伝導性がな
ければならない。セパレータとしての機能を有する膜を製造する方法として、膜の延伸に
よる方法がある。例えば、溶融したポリマー材料を展開して放熱させ、得られた膜を膜と
平行の二軸方向に延伸して孔を形成する、延伸開孔法がある。ただし、延伸により得られ
るセパレータは、構成材料と膜の機械的強度のために、膜の孔の大きさや膜の厚さの範囲
には制限がある。
【0050】
本実施の形態において、第1のセパレータ100及び第2のセパレータ101をそれぞれ
延伸法により作製して、これを併せて二次電池に用いることができる。第1のセパレータ
100及び第2のセパレータ101を構成する材料には、上記の材料または上記以外の材
料から1種類以上を選択して用いることができ、膜の形成の条件及び延伸の条件等により
、膜中の孔の大きさ、孔の占める体積の割合(空隙率ともいう)、膜の厚さ等の特性をそ
れぞれ決定することができる。特性の異なる第1のセパレータ100及び第2のセパレー
タ101を併せて用いることにより、一方の膜を単独で用いる場合と比べ、二次電池のセ
パレータの性能を多彩に選択することができるようになる。
【0051】
例えば、第2のセパレータ101を第1のセパレータ100と比べ、孔の大きさが小さく
、膜に占める孔の体積の割合(空隙率)を小さく、厚さの小さい膜として、第1のセパレ
ータ100と第2のセパレータ101を併せて二次電池のセパレータとして用いた場合、
Liのひげ状の構造物(ウィスカー)が正極・負極間を接続する等を防ぐ絶縁性能を第2
のセパレータ101により得て、厚い第1のセパレータ100にて高いイオン伝導性を確
保することができる。すなわち第1のセパレータ100と第2のセパレータ101とに、
それぞれ異なる機能を付与することも可能である。
【0052】
さらに、二次電池に変形応力がかかる場合にも、第1のセパレータ100と第2のセパレ
ータ101との界面において、両セパレータが摺動することにより応力を緩和することが
できるため、2つのセパレータを用いた構造は、可撓性を有する二次電池のセパレータの
構造としても適している。さらに、可撓性二次電池において負極からひげ状の構造物(ウ
イスカー)108が成長し、2つのセパレータの界面を突破して存在するとき(図2(A
))に、二次電池の形状変化に伴いセパレータ間で摺動が生じると、ひげ状の構造物(ウ
イスカー)108が摺動に耐えられず、セパレータの界面においてせん断され破壊される
ため、ひげ状の構造物(ウイスカー)108による両電極間の接続(ショート)を防止す
ることもできる(図2(B))。図2(B)における白抜きの矢印は、両セパレータの摺
動を表す。
【0053】
2つのセパレータを併せた構造体を作製する方法として、セパレータの材料を有する膜を
2層重ねたものを延伸して、両層に孔を形成する方法が考えられる。しかし、該方法では
2層に施される延伸処理の条件が同一となるため、形成される孔の大きさが近似し、各セ
パレータ中の孔の体積の割合(空隙率)も近似する場合がある。そのため、2つのセパレ
ータにそれぞれ異なる性能を付与することが困難である場合もある。ただし、本発明の一
態様に係る実施の形態において、該方法により作製されたセパレータの積層体を必ずしも
除外するものではない。
【0054】
2つのセパレータを二次電池に組み込む方法としては、2つのセパレータを併せてから後
述する正極及び負極の間に挟みこむ方法が可能である。また、正極及び負極にそれぞれ1
枚ずつセパレータ載置し、これらを併せる方法も可能である。さらに、正極又は負極の一
方に第1のセパレータ及び第2のセパレータを載置し、正極又は負極のもう一方を併せる
方法も可能である。2つのセパレータを有する二次電池の断面模式図は図1(A)に示す
【0055】
また、第2のセパレータ101を負極の両面を覆うことができる大きさのシート状若しく
はエンベロープ状に形成し、セパレータに包まれた負極とすると、二次電池の製造上、負
極を機械的な損傷から保護することができ、負極の取り扱いが容易となる。第2のセパレ
ータ101に包まれた負極と、正極活物質層112との間に第1のセパレータ100を挟
み込み、外装体120に収納し、電解液121を含ませることにより、二次電池を形成す
ることができる。図15に、第2のセパレータ101をエンベロープ状に形成して作製し
た二次電池の断面構造を示す。図15(A)は、正極と負極を1組用いて作製した二次電
池の断面構造を示しているが、正極と負極を複数組用いて積層型二次電池を作製すること
もできる。図15(B)に、電極活物質を集電体の両面に形成してエンベロープ状セパレ
ータで包み、作製した積層型二次電池の断面構造を示す。
【0056】
第1のセパレータ及び第2のセパレータは、後述の通り、可撓性を有する二次電池におい
て、摺動する場合もあるため、固定されていない。
【0057】
負極について図3(A)を用いて説明する。負極は、負極活物質層113と、負極集電体
111とを少なくとも含む。本実施の形態では、負極活物質層113に用いられる材料と
して炭素系材料を用い負極を形成する工程を以下に説明する。なお、図3(A)において
負極活物質は、粒状の活物質である。このため、図3(A)においては、負極活物質を模
式的に円形で示しているが、この形状に限られるものではない。また、負極活物質を模式
的に数種の大きさで示しているが、大きさにばらつきを有していてもよい。負極を形成す
る工程を以下に説明する。
【0058】
負極活物質として、炭素系材料としては、黒鉛、易黒鉛化性炭素(ソフトカーボン)、難
黒鉛化性炭素(ハードカーボン)、カーボンナノチューブ、グラフェン、カーボンブラッ
ク等がある。黒鉛としては、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、コークス系人造
黒鉛、ピッチ系人造黒鉛等の人造黒鉛や、球状化天然黒鉛等の天然黒鉛がある。また、黒
鉛の形状としては鱗片状のものや球状のものなどがある。
【0059】
負極活物質として、炭素系材料以外に、リチウムとの合金化・脱合金化反応により充放電
反応を行うことが可能な材料も用いることができる。例えば、Ga、Si、Al、Ge、
Sn、Pb、Sb、Bi、Ag、Zn、Cd、In等のうち少なくとも一つを含む材料を
用いることができる。このような元素は炭素と比べて容量が大きく、特にシリコンは理論
容量が4200mAh/gと高く好ましい。このような元素を用いた合金系材料としては
、例えば、MgSi、MgGe、MgSn、SnS、VSn、FeSn
CoSn、NiSn、CuSn、AgSn、AgSb、NiMnSb、
CeSb、LaSn、LaCoSn、CoSb、InSb、SbSn等があ
る。
【0060】
また、負極活物質として、SiO、SnO、SnO、二酸化チタン(TiO)、リチ
ウムチタン酸化物(LiTi12)、リチウム-黒鉛層間化合物(Li)、
五酸化ニオブ(Nb)、酸化タングステン(WO)、酸化モリブデン(MoO
)等の酸化物を用いることができる。
【0061】
また、負極活物質として、リチウムと遷移金属の複窒化物である、LiN型構造をもつ
Li3-xN(MはCo、NiまたはCu)を用いることができる。例えば、Li
.6Co0.4は大きな充放電容量(900mAh/g、1890mAh/cm
を示し好ましい。
【0062】
リチウムと遷移金属の複窒化物を用いると、負極活物質中にリチウムイオンを含むため、
正極活物質としてリチウムイオンを含まないV、Cr等の材料と組み合わせ
ることができる。なお、正極活物質にリチウムイオンを含む材料を用いる場合でも、あら
かじめ正極活物質に含まれるリチウムイオンを脱離させることで、負極活物質としてリチ
ウムと遷移金属の複窒化物を用いることができる。
【0063】
また、コンバージョン反応が生じる材料を負極活物質として用いることもできる。例えば
、酸化コバルト(CoO)、酸化ニッケル(NiO)、酸化鉄(FeO)等の、リチウム
と合金化反応を行わない遷移金属酸化物を負極活物質に用いてもよい。コンバージョン反
応が生じる材料としては、さらに、Fe、CuO、CuO、RuO、Cr
等の酸化物、CoS0.89、NiS、CuS等の硫化物、Zn、CuN、G
等の窒化物、NiP、FeP、CoP等のリン化物、FeF、BiF
等のフッ化物でも起こる。
【0064】
負極活物質は、一例としては、粒径が50nm以上100μm以下のものを用いるとよい
【0065】
電極の導電助剤として、アセチレンブラック(AB)、グラファイト(黒鉛)粒子、カー
ボンナノチューブ、グラフェン、フラーレンなどを用いることができる。
【0066】
導電助剤により、電極中に電子伝導のネットワークを形成することができる。導電助剤に
より、負極活物質どうしの電気伝導の経路を維持することができる。負極活物質層中に導
電助剤を添加することにより、高い電子伝導性を有する負極活物質層113を実現するこ
とができる。
【0067】
また、バインダーとして、代表的なポリフッ化ビニリデン(PVDF)の他、ポリイミド
、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルクロライド、エチレンプロピレンジエンポリ
マー、スチレン-ブタジエンゴム、アクリロニトリル-ブタジエンゴム、フッ素ゴム、ポ
リ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ニトロセルロース等を用いる
ことができる。
【0068】
負極活物質層113の総量に対するバインダーの含有量は、1wt%以上10wt%以下
が好ましく、2wt%以上8wt%以下がより好ましく、3wt%以上5wt%以下がさ
らに好ましい。また、負極活物質層113の総量に対する導電助剤の含有量は、1wt%
以上10wt%以下が好ましく、1wt%以上5wt%以下がより好ましい。
【0069】
次いで、負極集電体111上に負極活物質層113を形成する。塗布法を用いて負極活物
質層113を形成する場合は、負極活物質とバインダーと導電助剤と分散媒を混合して電
極ペースト(スラリー)を作製し、負極集電体111に塗布して乾燥させる。また、乾燥
後に必要があればプレス処理を行ってもよい。
【0070】
本実施の形態で負極集電体111として銅の金属箔を用い、スラリーとしては、メソカー
ボンマイクロビーズとバインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを混合させ
たものを用いる。
【0071】
なお、負極集電体111には、ステンレス、金、白金、亜鉛、鉄、銅、チタン、タンタル
等の金属、及びこれらの合金など、導電性の高く、リチウム等のキャリアイオンと合金化
しない材料を用いることができる。また、シリコンと反応してシリサイドを形成する金属
元素で形成してもよい。シリコンと反応してシリサイドを形成する金属元素としては、ジ
ルコニウム、チタン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン
、タングステン、コバルト、ニッケル等がある。負極集電体111は、箔状、板状(シー
ト状)、網状、円柱状、コイル状、パンチングメタル状、エキスパンドメタル状等の形状
を適宜用いることができる。負極集電体111は、厚みが5μm以上30μm以下のもの
を用いるとよい。また、電極集電体の表面の一部に、グラファイトなどを用いてアンダー
コート層を設けてもよい。
【0072】
以上の工程でリチウムイオン二次電池の負極を作製することができる。
【0073】
正極について説明する。正極は、正極活物質層112と、正極集電体110とを少なくと
も含む。本実施の形態では、正極活物質層112に用いられる材料としてリン酸鉄リチウ
ム(LiFePO)を用い正極を形成する工程を以下に説明する。なお、図3(B)に
おいて正極活物質は、粒状の活物質である。このため、図3(B)においては、正極活物
質を模式的に円形で示しているが、この形状に限られるものではない。正極活物質を数種
の均一な大きさで示しているが、正極活物質は大きさのばらつきを有していてもよい。正
極を形成する工程を以下に説明する。
【0074】
正極活物質としては、リチウムイオン等のキャリアイオンの挿入及び脱離が可能な材料を
用いることができ、例えば、オリビン型の結晶構造、層状岩塩型の結晶構造、又はスピネ
ル型の結晶構造を有するリチウム含有材料等が挙げられる。
【0075】
オリビン型構造のリチウム含有材料(一般式LiMPO(Mは、Fe(II)、Mn(
II)、Co(II)またはNi(II)))の代表例としては、LiFePO、Li
NiPO、LiCoPO、LiMnPO、LiFeNiPO、LiFe
PO、LiFeMnPO、LiNiCoPO、LiNiMnPO
(a+bは1以下、0<a<1、0<b<1)、LiFeNiCoPO、Li
FeNiMnPO、LiNiCoMnPO(c+d+eは1以下、0<
c<1、0<d<1、0<e<1)、LiFeNiCoMnPO(f+g+h
+iは1以下、0<f<1、0<g<1、0<h<1、0<i<1)等がある。
【0076】
特にリン酸鉄リチウム(LiFePO)は、安全性、安定性、高容量密度、高電位、初
期酸化(充電)時に引き抜けるリチウムイオンの存在等、正極活物質に求められる事項を
バランスよく満たしているため、好ましい。
【0077】
層状岩塩型の結晶構造を有するリチウム含有材料としては、例えば、コバルト酸リチウム
(LiCoO)、LiNiO、LiMnO、LiMnO、LiNi0.8Co
0.2等のNiCo系(一般式は、LiNiCo1-x(0<x<1))、L
iNi0.5Mn0.5等のNiMn系(一般式は、LiNiMn1-x(0
<x<1))、LiNi1/3Mn1/3Co1/3等のNiMnCo系(NMCと
もいう。一般式は、LiNiMnCo1-x-y(x>0、y>0、x+y<1
))が挙げられる。さらに、Li(Ni0.8Co0.15Al0.05)O、Li
MnO-LiMO(MはCo、NiまたはMn)等も挙げられる。
【0078】
特に、LiCoOは、容量が大きいこと、LiNiOに比べて大気中で安定であるこ
と、LiNiOに比べて熱的に安定であること等の利点があるため、好ましい。
【0079】
スピネル型の結晶構造を有するリチウム含有材料としては、例えば、LiMn、L
1+xMn2-x、Li(MnAl)、LiMn1.5Ni0.5等が
挙げられる。
【0080】
LiMn等のマンガンを含むスピネル型の結晶構造を有するリチウム含有材料に、
少量のニッケル酸リチウム(LiNiOやLiNi1-xMO(M=Co、Al等)
)を混合すると、マンガンの溶出を抑制する、電解液の分解を抑制する等の利点があり好
ましい。
【0081】
また、正極活物質として、一般式Li(2-j)MSiO(Mは、Fe(II)、Mn
(II)、Co(II)、またはNi(II))(jは0以上2以下)で表される複合酸
化物を用いることができる。一般式Li(2-j)MSiOの代表例としては、Li
2-j)FeSiO、Li(2-j)NiSiO、Li(2-j)CoSiO、L
(2-j)MnSiO、Li(2-j)FeNiSiO、Li(2-j)Fe
CoSiO、Li(2-j)FeMnSiO、Li(2-j)NiCo
SiO、Li(2-j)NiMnSiO(k+lは1以下、0<k<1、0<l
<1)、Li(2-j)FeNiCoSiO、Li(2-j)FeNiMn
SiO、Li(2-j)NiCoMnSiO(m+n+qは1以下、0<m
<1、0<n<1、0<q<1)、Li(2-j)FeNiCoMnSiO
r+s+t+uは1以下、0<r<1、0<s<1、0<t<1、0<u<1)等が挙げ
られる。
【0082】
また、正極活物質として、A(XO(AはLi、Na、または、Mg)(M
はFe、Mn、Ti、V、Nb、または、Al)(XはS、P、Mo、W、As、または
、Si)の一般式で表されるナシコン型化合物を用いることができる。ナシコン型化合物
としては、Fe(MnO、Fe(SO、LiFe(PO等が
挙げられる。また、正極活物質として、LiMPOF、LiMP、Li
(MはFeまたはMn)の一般式で表される化合物、NaF、FeF等のペロブ
スカイト型フッ化物、TiS、MoS等の金属カルコゲナイド(硫化物、セレン化物
、テルル化物)、LiMVO等の逆スピネル型の結晶構造を有するリチウム含有材料、
バナジウム酸化物系(V、V13、LiV等)、マンガン酸化物、有機
硫黄化合物等の材料を用いることができる。
【0083】
なお、キャリアイオンが、リチウムイオン以外のアルカリ金属イオンや、アルカリ土類金
属イオンの場合、正極活物質として、上記化合物や酸化物において、リチウムの代わりに
、アルカリ金属(例えば、ナトリウムやカリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カル
シウム、ストロンチウム、バリウム、ベリリウム、マグネシウム等)を用いてもよい。例
えば、NaFeOや、Na2/3[Fe1/2Mn1/2]Oなどのナトリウム含有
層状酸化物を正極活物質として用いることができる。
【0084】
また、正極活物質として、上記材料を複数組み合わせた材料を用いてもよい。例えば、上
記材料を複数組み合わせた固溶体を正極活物質として用いることができる。例えば、Li
Co1/3Mn1/3Ni1/3とLiMnOの固溶体を正極活物質として用い
ることができる。
【0085】
正極活物質は、一次粒子の平均粒径が50nm以上100μm以下のものを用いるとよい
【0086】
電極の導電助剤として、アセチレンブラック(AB)、グラファイト(黒鉛)粒子、カー
ボンナノチューブ、グラフェン、フラーレンなどを用いることができる。
【0087】
導電助剤により、電極中に電子伝導のネットワークを形成することができる。導電助剤に
より、正極活物質どうしの電気伝導の経路を維持することができる。正極活物質層中に導
電助剤を添加することにより、高い電子伝導性を有する正極活物質層112を実現するこ
とができる。
【0088】
また、バインダーとして、代表的なポリフッ化ビニリデン(PVDF)の他、ポリイミド
、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルクロライド、エチレンプロピレンジエンポリ
マー、スチレン-ブタジエンゴム、アクリロニトリル-ブタジエンゴム、フッ素ゴム、ポ
リ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ニトロセルロース等を用いる
ことができる。
【0089】
正極活物質層112の総量に対するバインダーの含有量は、1wt%以上10wt%以下
が好ましく、2wt%以上8wt%以下がより好ましく、3wt%以上5wt%以下がさ
らに好ましい。また、正極活物質層112の総量に対する導電助剤の含有量は、1wt%
以上10wt%以下が好ましく、1wt%以上5wt%以下がより好ましい。
【0090】
塗布法を用いて正極活物質層112を形成する場合は、正極活物質とバインダーと導電助
剤と分散媒を混合して電極ペースト(スラリー)を作製し、正極集電体110上に塗布し
て乾燥させればよい。本実施の形態で負極集電体111としてアルミニウムを主成分とす
る金属材を用いる。
【0091】
なお、正極集電体にはステンレス、金、白金、アルミニウム、チタン等の金属、及びこれ
らの合金など、導電性の高く、リチウム等のキャリアイオンと合金化しない材料を用いる
ことができる。また、シリコン、チタン、ネオジム、スカンジウム、モリブデンなどの耐
熱性を向上させる元素が添加されたアルミニウム合金を用いることができる。また、シリ
コンと反応してシリサイドを形成する金属元素で形成してもよい。シリコンと反応してシ
リサイドを形成する金属元素としては、ジルコニウム、チタン、ハフニウム、バナジウム
、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、コバルト、ニッケル等がある
。正極集電体は、箔状、板状(シート状)、網状、パンチングメタル状、エキスパンドメ
タル状等の形状を適宜用いることができる。
【0092】
以上の工程でリチウムイオン二次電池の正極を作製することができる。
【0093】
本実施の形態にて得られる第1のセパレータ、第2のセパレータ、正極及び負極と、電解
液を用いて薄型のリチウムイオン二次電池を実現できる。第1のセパレータ、第2のセパ
レータ、正極及び負極を組み込む方法は上述の通りである。
【0094】
リチウムイオン二次電池において用いることができる電解液は、電解質(溶質)を含む非
水溶液(溶媒)とすることが好ましい。
【0095】
電解液の溶媒としては、非プロトン性有機溶媒が好ましく、例えば、エチレンカーボネー
ト(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート、クロロエチレン
カーボネート、ビニレンカーボネート、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、ジメ
チルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネ
ート(EMC)、ギ酸メチル、酢酸メチル、酪酸メチル、1,3-ジオキサン、1,4-
ジオキサン、ジメトキシエタン(DME)、ジメチルスルホキシド、ジエチルエーテル、
メチルジグライム、アセトニトリル、ベンゾニトリル、テトラヒドロフラン、スルホラン
、スルトン等の1種、又はこれらのうちの2種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いる
ことができる。
【0096】
また、電解液の溶媒としてゲル化される高分子材料を用いることで、漏液性等に対する安
全性が高まる。また、リチウムイオン二次電池の薄型化及び軽量化が可能である。ゲル化
される高分子材料の代表例としては、シリコーンゲル、アクリルゲル、アクリロニトリル
ゲル、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、フッ素系ポリマー等がある
【0097】
また、電解液の溶媒として、難燃性及び難蒸発性であるイオン液体(常温溶融塩ともいう
)を一つまたは複数用いることで、リチウムイオン二次電池の内部短絡や、過充電等によ
って内部温度が上昇しても、リチウムイオン二次電池の破裂や発火などを防ぐことができ
る。これにより、リチウムイオン二次電池の安全性を高めることができる。
【0098】
また、上記の溶媒に溶解させる電解質としては、例えば、LiPF、LiClO、L
iAsF、LiBF、LiAlCl、LiSCN、LiBr、LiI、LiSO
、Li10Cl10、Li12Cl12、LiCFSO、LiC
、LiC(CFSO、LiC(CSO、LiN(CFSO
、LiN(CSO)(CFSO)、LiN(CSO等のリ
チウム塩を一種、又はこれらのうちの二種以上を任意の組み合わせ及び比率で用いること
ができる。
【0099】
なお、上記の電解質では、キャリアイオンがリチウムイオンである場合について説明した
が、リチウムイオン以外のキャリアイオンも用いることができる。リチウムイオン以外の
キャリアイオンとしては、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンの場合、電解質
として、上記リチウム塩において、リチウムの代わりに、アルカリ金属(例えば、ナトリ
ウムやカリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、ストロンチウム、バリウ
ム、ベリリウム、マグネシウム等)を用いてもよい。
【0100】
また、二次電池に用いる電解液は、粒状のごみや電解液の構成元素以外の元素(以下、単
に「不純物」ともいう。)の含有量が少ない高純度化された電解液を用いることが好まし
い。具体的には、電解液に対する不純物の重量比を1%以下、好ましくは0.1%以下、
より好ましくは0.01%以下とすることが好ましい。また、電解液にビニレンカーボネ
ートなどの添加剤を加えてもよい。
【0101】
本実施の形態で示した正極、負極、第1のセパレータ及び第2のセパレータのそれぞれの
材料に、可撓性を有する材料を用いると、二次電池に可撓性を与えることができる。可撓
性を有する二次電池において、二次電池に変形応力がかかる場合に、第1のセパレータ1
00と第2のセパレータ101との界面において、両セパレータがずれることにより応力
を緩和することができる。
【0102】
なお、本発明の一態様は、様々な蓄電装置に対して適用させることができる。例えば、蓄
電装置の一例としては、電池、一次電池、二次電池、リチウムイオン二次電池、リチウム
空気電池、鉛蓄電池、リチウムイオンポリマー二次電池、ニッケル・水素蓄電池、ニッケ
ル・カドミウム蓄電池、ニッケル・鉄蓄電池、ニッケル・亜鉛蓄電池、酸化銀・亜鉛蓄電
池、固体電池、空気電池などがあげられる。さらに、蓄電装置の別の例として、キャパシ
タに適用することもできる。例えば、本発明の一態様の負極と、電気二重層の正極とを組
み合わせて、リチウムイオンキャパシタなどのようなキャパシタを構成することも可能で
ある。
【0103】
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
【0104】
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様にかかるリチウムイオン二次電池の作製方法について
図4(A)を用い、以下に説明する。まず、正極集電体110と、正極活物質層112と
、第2のセパレータ101と、第1のセパレータ100と、第3のセパレータ102と、
負極活物質層113と、負極集電体111とを積み重ねた状態の断面模式図を示す。なお
、活物質層は集電体の両面に形成することもでき、二次電池を積層することも可能である
【0105】
第2のセパレータ101と第1のセパレータ100と第3のセパレータ102をそれぞれ
拡大した断面模式図を図4(B)、図4(C)及び図4(D)に示す。第1のセパレータ
100と第2のセパレータ101と第3のセパレータ102は、それぞれ、第1の孔10
4と第2の孔105と第3の孔106を有している。なお、模式図においてセパレータを
繊維状に、孔を繊維の隙間として表現しているが、セパレータの構造は繊維構造に限られ
るものではない。また、それぞれ第1のセパレータ100に占める第1の孔104の体積
の割合、第2のセパレータ101に占める第2の孔105の体積の割合、第3のセパレー
タ102に占める第3の孔106の体積の割合を、各セパレータの特性に寄与する要素と
して検討することができる。各セパレータの有する孔の大きさ及び孔の体積の割合(空隙
率)により、イオン伝導度、機械的強度等のセパレータとしての特性を決定することがで
きる。
【0106】
各セパレータは、実施の形態1に示した材料及び方法によりそれぞれ製造することができ
る。例えば第2のセパレータ101及び第3のセパレータ102を同一の材料及び方法に
より製造し同じ厚さとし、第1のセパレータ100を別の材料または方法により製造する
場合、第1のセパレータ100の有する第1の孔104を第2のセパレータ101の有す
る第2の孔105よりも大きくし、第1のセパレータ100に占める第1の孔104の体
積の割合を第2のセパレータ101に占める第2の孔105の体積の割合よりも大きくし
、第1のセパレータを第2のセパレータよりも厚くすることができる。
【0107】
正極・負極間の接続を防ぐ絶縁性能を主に第2のセパレータ101及び第3のセパレータ
102により得て、厚い第1のセパレータ100にて高いイオン伝導性を確保することが
できる。また、第2のセパレータ101及び第3のセパレータ102を電極の両面を覆う
ことができる大きさのシート状若しくはエンベロープ状に形成し、それぞれセパレータに
包まれた正極及び負極とすると、二次電池の製造上、正極及び負極を機械的な損傷から保
護することができ、正極及び負極の取り扱いが容易となる。第2のセパレータ101に包
まれた正極と、第3のセパレータ102に包まれた負極との間に第1のセパレータ100
を挟み込み、外装体120に収納し、電解液121を含ませることにより、二次電池を形
成することができる。図16に、第2のセパレータ101及び第3のセパレータ102を
エンベロープ状に形成して作製した二次電池の断面構造を示す。図16(A)は、正極と
負極を1組用いて作製した二次電池の断面構造を示しているが、正極と負極を複数組用い
て積層型二次電池を作製することもできる。図16(B)に、電極活物質を集電体の両面
に形成してエンベロープ状セパレータで包み、作製した積層型二次電池の断面構造を示す
【0108】
正極、正極活物質、負極、負極活物質、電解液の材料、各電極の作製方法は実施の形態1
に示すものを用いればよい。
【0109】
正極と負極との間のセパレータを3層構造とすることにより、可撓性を有する二次電池に
おいて、二次電池の形状変化により生じる応力を緩和することができる。すなわち、第1
のセパレータ100と第2のセパレータ101との界面及び第1のセパレータ100と第
3のセパレータ102との界面において、2つの膜がずれることができ、形状変化による
応力を緩和することができるため、二次電池内において、形状変化に伴うせん断破壊を防
ぐことができる。
【0110】
なお、第2のセパレータ101及び第3のセパレータ102の材質、厚さ、その他特性の
一部又は全部と、第1のセパレータ100の材質、厚さ、その他特性の一部又は全部とを
入れ替えて用いることもできる。また、第2のセパレータ101と第3のセパレータ10
2の材質、厚さ、孔の大きさ、膜に占める孔の体積の割合、その他特性の一部又は全部を
異なるものとすることもできる。3つのセパレータを組み合わせることにより、二次電池
のセパレータの性質を多彩に設定することが可能となる。さらに、セパレータを4層以上
とすることも可能である。
【0111】
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1又は2において示したセパレータを用いた二次電池の構
造について、図5乃至図7を参照して説明する。
【0112】
(コイン型二次電池)
図5(A)は、コイン型(単層偏平型)の二次電池の外観図であり、図5(B)は、その
断面図である。
【0113】
コイン型の二次電池300は、正極端子を兼ねた正極缶301と負極端子を兼ねた負極缶
302とが、ポリプロピレン等で形成されたガスケット303で絶縁シールされている。
正極304は、正極集電体305と、これと接するように設けられた正極活物質層306
により形成される。また、負極307は、負極集電体308と、これに接するように設け
られた負極活物質層309により形成される。正極活物質層306と負極活物質層309
との間には、セパレータ310aとセパレータ310bと、電解質(図示せず)とを有す
る。
【0114】
正極缶301、負極缶302には、電解液に対して耐腐食性のあるニッケル、アルミニウ
ム、チタン等の金属、又はこれらの合金やこれらと他の金属との合金(例えば、ステンレ
ス鋼等)を用いることができる。また、電解液による腐食を防ぐため、ニッケルやアルミ
ニウム等を被覆することが好ましい。正極缶301は正極304と、負極缶302は負極
307とそれぞれ電気的に接続する。
【0115】
これら負極307、正極304、セパレータ310a及びセパレータ310bを電解質に
含浸させ、図5(B)に示すように、正極缶301を下にして正極304、セパレータ3
10a、セパレータ310b、負極307、負極缶302をこの順で積層し、正極缶30
1と負極缶302とをガスケット303を介して圧着してコイン型の二次電池300を製
造する。
【0116】
ここで図5(C)を用いて二次電池の充電時の電流の流れを説明する。リチウムを用いた
二次電池を一つの閉回路とみなした時、リチウムイオンの動きと電流の流れは同じ向きに
なる。なお、リチウムを用いた二次電池では、充電と放電でアノード(陽極)とカソード
(陰極)が入れ替わり、酸化反応と還元反応とが入れ替わることになるため、反応電位が
高い電極を正極と呼び、反応電位が低い電極を負極と呼ぶ。したがって、本明細書におい
ては、充電中であっても、放電中であっても、逆パルス電流を流す場合であっても、充電
電流を流す場合であっても、正極は「正極」または「+極(プラス極)」と呼び、負極は
「負極」または「-極(マイナス極)」と呼ぶこととする。酸化反応や還元反応に関連し
たアノード(陽極)やカソード(陰極)という用語を用いると、充電時と放電時とでは、
逆になってしまい、混乱を招く可能性がある。したがって、アノード(陽極)やカソード
(陰極)という用語は、本明細書においては用いないこととする。仮にアノード(陽極)
やカソード(陰極)という用語を用いる場合には、充電時か放電時かを明記し、正極(プ
ラス極)と負極(マイナス極)のどちらに対応するものかも併記することとする。
【0117】
図5(C)に示す2つの端子には充電器が接続され、二次電池400が充電される。二次
電池400の充電が進めば、電極間の電位差は大きくなる。図5(C)では、二次電池4
00の外部の端子から、正極402の方へ流れ、二次電池400の中において、正極40
2からセパレータ403a及びセパレータ403bを経て負極404の方へ流れ、負極か
ら二次電池400の外部の端子の方へ流れる電流の向きを正の向きとしている。つまり、
充電電流の流れる向きを電流の向きとしている。
【0118】
(積層型二次電池)
次に、積層型の二次電池の一例について、図6を参照して説明する。
【0119】
図6に示す積層型の二次電池500は、正極集電体501および正極活物質層502を有
する正極503と、負極集電体504および負極活物質層505を有する負極506と、
セパレータ507aおよび507bと、電解液508と、外装体509と、を有する。外
装体509内に設けられた正極503と負極506との間にセパレータ507a及びセパ
レータ507bが設置されている。また、外装体509内は、電解液508で満たされて
いる。なお、セパレータは3層構造でもよい。
【0120】
図6に示す積層型の二次電池500において、正極集電体501および負極集電体504
は、外部との電気的接触を得る端子の役割も兼ねている。そのため、正極集電体501お
よび負極集電体504の一部は、外装体509から外側に露出するように配置される。
【0121】
積層型の二次電池500において、外装体509には、例えばポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリカーボネート、アイオノマー、ポリアミド等の材料からなる膜上に、アルミニ
ウム、ステンレス、銅、ニッケル等の可撓性に優れた金属薄膜を設け、さらに該金属薄膜
上に外装体の外面としてポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等の絶縁性合成樹脂膜を
設けた三層構造の積層フィルムを用いることができる。このような三層構造とすることで
、電解液や気体の透過を遮断するとともに、絶縁性を確保し、併せて耐電解液性を有する
【0122】
(円筒型二次電池)
次に、円筒型の二次電池の一例について、図7を参照して説明する。円筒型の二次電池6
00は図7(A)に示すように、上面に正極キャップ(電池蓋)601を有し、側面及び
底面に電池缶(外装缶)602を有している。これら正極キャップと電池缶(外装缶)6
02とは、ガスケット(絶縁パッキン)610によって絶縁されている。
【0123】
図7(B)は、円筒型の二次電池の断面を模式的に示した図である。中空円柱状の電池缶
602の内側には、帯状の正極604と負極606とがセパレータ605を間に挟んで捲
回された電池素子が設けられている。なお、セパレータ605は2層または3層構造であ
る。図示しないが、電池素子はセンターピンを中心に捲回されている。電池缶602は、
一端が閉じられ、他端が開いている。電池缶602には、電解液に対して耐腐食性のある
ニッケル、アルミニウム、チタン等の金属、又はこれらの合金やこれらと他の金属との合
金(例えば、ステンレス鋼等)を用いることができる。また、電解液による腐食を防ぐた
め、ニッケルやアルミニウム等を被覆することが好ましい。電池缶602の内側において
、正極、負極及びセパレータが捲回された電池素子は、対向する一対の絶縁板608、6
09により挟まれている。また、電池素子が設けられた電池缶602の内部は、電解液(
図示せず)が注入されている。電解液は、コイン型や積層型の二次電池と同様のものを用
いることができる。
【0124】
正極604及び負極606は、上述したコイン形の二次電池の正極及び負極と同様に製造
すればよいが、円筒型の二次電池に用いる正極及び負極は捲回するため、集電体の両面に
活物質を形成する点において異なる。正極604には正極端子(正極集電リード)603
が接続され、負極606には負極端子(負極集電リード)607が接続される。正極端子
603及び負極端子607は、ともにアルミニウムなどの金属材料を用いることができる
。正極端子603は安全弁機構612に、負極端子607は電池缶602の底にそれぞれ
抵抗溶接される。安全弁機構612は、PTC素子(Positive Tempera
ture Coefficient)611を介して正極キャップ601と電気的に接続
されている。安全弁機構612は電池の内圧の上昇が所定の閾値を超えた場合に、正極キ
ャップ601と正極604との電気的な接続を切断するものである。また、PTC素子6
11は温度が上昇した場合に抵抗が増大する熱感抵抗素子であり、抵抗の増大により電流
量を制限して異常発熱を防止するものである。PTC素子には、チタン酸バリウム(Ba
TiO)系半導体セラミックス等を用いることができる。
【0125】
なお、本実施の形態では、二次電池として、コイン形、積層型及び円筒型の二次電池を示
したが、その他の封止型二次電池、角型二次電池等様々な形状の二次電池を用いることが
できる。また、正極、負極、及びセパレータが複数積層された構造、正極、負極、及びセ
パレータが捲回された構造であってもよい。
【0126】
本実施の形態で示すコイン型の二次電池300、二次電池500、円筒型の二次電池60
0は、特性の異なる複数層のセパレータを有する。そのため、二次電池のセパレータの特
性を多彩に決定することができる。
【0127】
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0128】
(実施の形態4)
本実施の形態では、蓄電装置の構造例について、図8図9図10図11図12
用いて説明する。
【0129】
図8(A)及び図8(B)は、蓄電装置の外観図を示す図である。蓄電装置は、回路基板
900と、蓄電体913と、を有する。蓄電体913には、ラベル910が貼られている
。さらに、図8(B)に示すように、蓄電装置は、端子951と、端子952と、を有し
、ラベル910の裏にアンテナ914と、アンテナ915と、を有する。
【0130】
回路基板900は、端子911と、回路912と、を有する。端子911は、端子951
、端子952、アンテナ914、アンテナ915、及び回路912に接続される。なお、
端子911を複数設けて、複数の端子911のそれぞれを、制御信号入力端子、電源端子
などとしてもよい。
【0131】
回路912は、回路基板900の裏面に設けられていてもよい。なお、アンテナ914及
びアンテナ915は、コイル状に限定されず、例えば線状、板状であってもよい。また、
平面アンテナ、開口面アンテナ、進行波アンテナ、EHアンテナ、磁界アンテナ、誘電体
アンテナ等のアンテナを用いてもよい。又は、アンテナ914若しくはアンテナ915は
、平板状の導体でもよい。この平板状の導体は、電界結合用の導体の一つとして機能する
ことができる。つまり、コンデンサの有する2つの導体のうちの一つの導体として、アン
テナ914若しくはアンテナ915を機能させてもよい。これにより、電磁界、磁界だけ
でなく、電界で電力のやり取りを行うこともできる。
【0132】
アンテナ914の線幅は、アンテナ915の線幅よりも大きいことが好ましい。これによ
り、アンテナ914により受電する電力量を大きくできる。
【0133】
蓄電装置は、アンテナ914及びアンテナ915と、蓄電体913との間に層916を有
する。層916は、例えば蓄電体913による電磁界を遮蔽することができる機能を有す
る。層916としては、例えば磁性体を用いることができる。
【0134】
なお、蓄電装置の構造は、図8に限定されない。
【0135】
例えば、図9(A-1)及び図9(A-2)に示すように、図8(A)及び図8(B)に
示す蓄電体913のうち、対向する一対の面のそれぞれにアンテナを設けてもよい。図9
(A-1)は、上記一対の面の一方側方向から見た外観図であり、図9(A-2)は、上
記一対の面の他方側方向から見た外観図である。なお、図8(A)及び図8(B)に示す
蓄電装置と同じ部分については、図8(A)及び図8(B)に示す蓄電装置の説明を適宜
援用できる。
【0136】
図9(A-1)に示すように、蓄電体913の一対の面の一方に層916を挟んでアンテ
ナ914が設けられ、図9(A-2)に示すように、蓄電体913の一対の面の他方に層
917を挟んでアンテナ915が設けられる。層917は、例えば蓄電体913による電
磁界を遮蔽することができる機能を有する。層917としては、例えば磁性体を用いるこ
とができる。
【0137】
上記構造にすることにより、アンテナ914及びアンテナ915の両方のサイズを大きく
することができる。
【0138】
又は、図9(B-1)及び図9(B-2)に示すように、図8(A)及び図8(B)に示
す蓄電体913のうち、対向する一対の面のそれぞれに別のアンテナを設けてもよい。図
9(B-1)は、上記一対の面の一方側方向から見た外観図であり、図9(B-2)は、
上記一対の面の他方側方向から見た外観図である。なお、図8(A)及び図8(B)に示
す蓄電装置と同じ部分については、図8(A)及び図8(B)に示す蓄電装置の説明を適
宜援用できる。
【0139】
図9(B-1)に示すように、蓄電体913の一対の面の一方に層916を挟んでアンテ
ナ914及びアンテナ915が設けられ、図9(A-2)に示すように、蓄電体913の
一対の面の他方に層917を挟んでアンテナ918が設けられる。アンテナ918は、例
えば、外部機器とのデータ通信を行うことができる機能を有する。アンテナ918には、
例えばアンテナ914及びアンテナ915に適用可能な形状のアンテナを適用することが
できる。アンテナ918を介した蓄電装置と他の機器との通信方式としては、NFCなど
、蓄電装置と外部装置との間で用いることができる応答方式などを適用することができる
【0140】
又は、図10(A)に示すように、図8(A)及び図8(B)に示す蓄電体913に表示
装置920を設けてもよい。表示装置920は、端子919を介して端子911に電気的
に接続される。なお、表示装置920が設けられる部分にラベル910を設けなくてもよ
い。なお、図8(A)及び図8(B)に示す蓄電装置と同じ部分については、図8(A)
及び図8(B)に示す蓄電装置の説明を適宜援用できる。
【0141】
表示装置920には、例えば充電中であるか否かを示す画像、蓄電量を示す画像などを表
示してもよい。表示装置920としては、例えば電子ペーパー、液晶表示装置、エレクト
ロルミネセンス(ELともいう)表示装置などを用いることができる。例えば、電子ペー
パーを用いることにより表示装置920の消費電力を低減することができる。
【0142】
又は、図10(B)に示すように、図8(A)及び図8(B)に示す蓄電体913にセン
サ921を設けてもよい。センサ921は、端子922を介して端子911に電気的に接
続される。なお、センサ921は、ラベル910の裏側に設けられてもよい。なお、図8
(A)及び図8(B)に示す蓄電装置と同じ部分については、図8(A)及び図8(B)
に示す蓄電装置の説明を適宜援用できる。
【0143】
センサ921としては、様々なセンサを用いることができる。センサ921を設けること
により、例えば、蓄電装置が置かれている環境を示すデータ(温度など)を検出し、回路
912内のメモリに記憶しておくこともできる。
【0144】
さらに、蓄電体913の構造例について図11及び図12を用いて説明する。
【0145】
図11(A)に示す蓄電体913は、筐体930の内部に端子951と端子952が設け
られた捲回体950を有する。捲回体950は、筐体930の内部で電解液に含浸される
。端子952は、筐体930に接し、端子951は、絶縁材などを用いることにより筐体
930に接していない。なお、図11(A)では、便宜のため、筐体930を分離して図
示しているが、実際は、捲回体950が筐体930に覆われ、端子951及び端子952
が筐体930の外に延在している。筐体930としては、金属材料(例えばアルミニウム
など)又は樹脂材料を用いることができる。
【0146】
なお、図11(A)に示す筐体930を複数の材料によって形成してもよい。例えば、図
11(B)に示す蓄電体913は、筐体930aと筐体930bが貼り合わされており、
筐体930a及び筐体930bで囲まれた領域に捲回体950が設けられている。
【0147】
筐体930aとしては、有機樹脂など、絶縁材料を用いることができる。特に、アンテナ
が形成される面に有機樹脂などの材料を用いることにより、蓄電体913による電界の遮
蔽を抑制できる。なお、筐体930aによる電界の遮蔽が小さければ、筐体930の内部
にアンテナ914やアンテナ915などのアンテナを設けてもよい。筐体930bとして
は、例えば金属材料を用いることができる。
【0148】
さらに、捲回体950の構造について図12に示す。捲回体950は、負極931と、正
極932と、セパレータ933と、を有する。なお、セパレータ933は2層または3層
構造である。捲回体950は、セパレータ933を挟んで負極931と、正極932が重
なり合って積層され、該積層シートを捲回させた捲回体である。なお、負極931と、正
極932と、セパレータ933と、の積層を、さらに複数重ねてもよい。
【0149】
負極931は、端子951及び端子952の一方を介して図8に示す端子911に接続さ
れる。正極932は、端子951及び端子952の他方を介して図8に示す端子911に
接続される。
【0150】
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0151】
(実施の形態5)
本実施の形態においては、先の実施の形態で説明した二次電池を有する電子機器の一例に
ついて図13及び図14を用いて説明を行う。
【0152】
二次電池を適用した電子機器として、例えば、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、
デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲー
ム機、携帯情報端末、音響再生装置などが挙げられる。これらの電子機器の具体例を図1
3及び図14に示す。
【0153】
図13(A)は、携帯電話機の一例を示している。携帯電話機800は、筐体801に組
み込まれた表示部802の他、操作ボタン803、スピーカ805、マイク806などを
備えている。なお、携帯電話機800内部に本発明の一態様の二次電池804を用いるこ
とにより軽量化される。
【0154】
図13(A)に示す携帯電話機800は、表示部802を指などで触れることで、情報を
入力することができる。また、電話を掛ける、或いはメールを作成するなどの操作は、表
示部802を指などで触れることにより行うことができる。
【0155】
表示部802の画面は主として3つのモードがある。第1は、画像の表示を主とする表示
モードであり、第2は、文字等の情報の入力を主とする入力モードである。第3は表示モ
ードと入力モードの二つのモードが混合した表示+入力モードである。
【0156】
例えば、電話を掛ける、或いはメールを作成する場合は、表示部802を文字の入力を主
とする文字入力モードとし、画面に表示させた文字の入力操作を行えばよい。
【0157】
また、携帯電話機800内部に、ジャイロセンサ、加速度センサ等の傾きを検出するセン
サを有する検出装置を設けることで、携帯電話機800の向き(縦か横か)を判断して、
表示部802の画面表示を自動的に切り替えるようにすることができる。
【0158】
また、画面モードの切り替えは、表示部802を触れること、又は筐体801の操作ボタ
ン803の操作により行われる。また、表示部802に表示される画像の種類によって切
り替えるようにすることもできる。例えば、表示部に表示する画像信号が動画のデータで
あれば表示モード、テキストデータであれば入力モードに切り替える。
【0159】
また、入力モードにおいて、表示部802の光センサで検出される信号を検知し、表示部
802のタッチ操作による入力が一定期間ない場合には、画面のモードを入力モードから
表示モードに切り替えるように制御してもよい。
【0160】
表示部802は、イメージセンサとして機能させることもできる。例えば、表示部802
に掌や指で触れ、掌紋、指紋等を撮像することで、本人認証を行うことができる。また、
表示部に近赤外光を発光するバックライト又は近赤外光を発光するセンシング用光源を用
いれば、指静脈、掌静脈などを撮像することもできる。
【0161】
図13(B)は、携帯電話機800を湾曲させた状態を示している。携帯電話機800を
外部の力により変形させて全体を湾曲させると、その内部に設けられている二次電池80
4も湾曲される。また、その時、曲げられた二次電池804の状態を図13(C)に示す
。二次電池804は積層型の二次電池である。
【0162】
図14(A)は、スマートウオッチであり、筐体702、表示パネル704、操作ボタン
711、712、接続端子713、バンド721、留め金722、等を有することができ
る。なお、スマートウオッチ内部に本発明の一態様の二次電池を有することにより軽量化
を図ることができる。筐体702内部に、実施の形態3に示した本発明の一態様に係るコ
イン型二次電池を有していてもよい(図14(B))。また、二次電池はバンド721内
部に、本発明の一態様に係る可撓性を有する二次電池740を有していてもよい。可撓性
を有する二次電池740をバンド型形状とし、筐体702と着脱が可能な構造とすること
もできる。正極端子741及び負極端子742を通じて筐体702に電力を供給すること
ができる(図14(C))。
【0163】
ベゼル部分を兼ねる筐体702に搭載された表示パネル704は、非矩形状の表示領域を
有している。表示パネル704は、時刻を表すアイコン705、その他のアイコン706
等を表示することができる。
【0164】
なお、図14に示すスマートウオッチは、様々な機能を有することができる。例えば、様
々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機
能、カレンダー、日付又は時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)
によって処理を制御する機能、無線通信機能、無線通信機能を用いて様々なコンピュータ
ネットワークに接続する機能、無線通信機能を用いて様々なデータの送信又は受信を行う
機能、記録媒体に記録されているプログラム又はデータを読み出して表示部に表示する機
能、等を有することができる。
【0165】
また、筐体702の内部に、スピーカ、センサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速度
、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧
、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの
)、マイクロフォン等を有することができる。
【0166】
図13(D)は、バングル型の表示装置の一例を示している。携帯表示装置7100は、
筐体7101、表示部7102、操作ボタン7103、及び二次電池7104を備える。
また、図13(E)に曲げられた二次電池7104の状態を示す。
【0167】
図13(F)は、腕章型の表示装置の一例を示している。腕章型表示装置7200は、筐
体7201、表示部7202を備える。図示しないが、腕章型表示装置7200は可撓性
を有する二次電池を有しており、腕章型表示装置7200の形状変化に応じて、可撓性を
有する二次電池も形状を変化する。
【0168】
なお、本実施の形態に示す構成などは、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用
いることができる。
【符号の説明】
【0169】
100 第1のセパレータ
101 第2のセパレータ
102 第3のセパレータ
104 第1の孔
105 第2の孔
106 第3の孔
108 ウィスカー
110 正極集電体
111 負極集電体
112 正極活物質層
113 負極活物質層
120 外装体
121 電解液
300 二次電池
301 正極缶
302 負極缶
303 ガスケット
304 正極
305 正極集電体
306 正極活物質層
307 負極
308 負極集電体
309 負極活物質層
310a セパレータ
310b セパレータ
400 二次電池
402 正極
403a セパレータ
403b セパレータ
404 負極
500 二次電池
501 正極集電体
502 正極活物質層
503 正極
504 負極集電体
505 負極活物質層
506 負極
507a セパレータ
507b セパレータ
508 電解液
509 外装体
600 二次電池
601 正極キャップ
602 電池缶
603 正極端子
604 正極
605 セパレータ
606 負極
607 負極端子
608 絶縁板
609 絶縁板
610 ガスケット
611 PTC素子
612 安全弁機構
702 筐体
704 表示パネル
705 時計を表すアイコン
706 その他アイコン
711 操作ボタン
712 操作ボタン
713 接続端子
721 バンド
722 留め金
730 コイン型二次電池
740 可撓性を有する二次電池
741 正極端子
742 負極端子
800 携帯電話機
801 筐体
802 表示部
803 操作ボタン
804 二次電池
805 スピーカ
806 マイク
900 回路基板
901 集電体
902 電極活物質
903 絶縁性粒子
910 ラベル
911 端子
912 回路
913 蓄電体
914 アンテナ
915 アンテナ
916 層
917 層
918 アンテナ
919 端子
920 表示装置
921 センサ
922 端子
930a 筐体
930b 筐体
931 負極
932 正極
933 セパレータ
951 端子
952 端子
1001 基材
1002 電極活物質
1003 絶縁性粒子
1004 導電膜
1005 樹脂膜
1006 集電体
1700 曲面
1701 平面
1702 曲面の形状である曲線
1703 曲率半径
1704 曲率中心
1800 曲率中心
1801 フィルム
1802 曲率半径
1803 フィルム
1804 曲率半径
1805 電極・電解液
7100 携帯表示装置
7101 筐体
7102 表示部
7103 操作ボタン
7104 二次電池
7200 腕章型表示装置
7201 筐体
7202 表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18