(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】決定方法、プログラム、情報処理装置、露光装置、および物品製造方法
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20241209BHJP
【FI】
G03F7/20 501
G03F7/20 521
(21)【出願番号】P 2022151805
(22)【出願日】2022-09-22
【審査請求日】2023-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉山 弘
(72)【発明者】
【氏名】大川 直人
(72)【発明者】
【氏名】西村 光英
【審査官】植木 隆和
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-062479(JP,A)
【文献】特開2010-165752(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
G03F 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の表面形状を特定するために前記基板の面位置を複数の計測点で計測する処理を行うために、前記複数の計測点を決定する決定方法であって、
第1パラメータ値および第2パラメータ値を含む第1パラメータセット
によって特定される第1グループの計測点を設定する第1設定工程と、
第3パラメータ値および第4パラメータ値を含む第2パラメータセットによって特定される第2グループの計測点を設定する第2設定工程と、
前記設定された第1グループの計測点と、前記設定された第2グループの計測点とのうち、計測点間の距離が所定の閾値より小さい関係にある計測点のセットを検出し、該検出されたセットのうち、1つの計測点を残し他の計測点を削除する削除工程と、
を有し、前記第1グループの計測点および前記第2グループの計測点のうち前記削除工程での削除後に残った計測点を前記複数の計測点として決定
し、
前記第1パラメータ値および前記第3パラメータ値は、前記基板の領域を1つ以上の中心線で等分割したときの分割数を示し、
前記第2パラメータ値および前記第4パラメータ値は、前記1つ以上の中心線のそれぞれを等分割したときの分割数を示す、
ことを特徴とする決定方法。
【請求項2】
前記第1設定工程および前記第2設定工程では、前記基板の領域を
前記1つ以上の中心線で等分割したときの各中心線上に計測点を設定する、ことを特徴とする請求項1に記載の決定方法。
【請求項3】
前記第1パラメータ値と前記第3パラメータ値とは互いに異なり、
前記第2パラメータ値と前記第4パラメータ値とは互いに異なる、
ことを特徴とする請求項
1に記載の決定方法。
【請求項4】
基板の表面形状を特定するために前記基板の面位置を複数の計測点で計測する処理を行うために、前記複数の計測点を決定する決定方法であって、
第1パラメータ値および第2パラメータ値を含む第1パラメータセットによって特定される第1グループの計測点を設定する第1設定工程と、
第3パラメータ値および第4パラメータ値を含む第2パラメータセットによって特定される第2グループの計測点を設定する第2設定工程と、
前記設定された第1グループの計測点と、前記設定された第2グループの計測点とのうち、計測点間の距離が所定の閾値より小さい関係にある計測点のセットを検出し、該検出されたセットのうち、1つの計測点を残し他の計測点を削除する削除工程と、
を有し、前記第1グループの計測点および前記第2グループの計測点のうち前記削除工程での削除後に残った計測点を前記複数の計測点として決定し、
前記第1パラメータ値および前記第3パラメータ値は、前記基板の領域を
1つ以上の中心線で等分割したときの中心角を示し、
前記第2パラメータ値および前記第4パラメータ値は、前記1つ以上の中心線のそれぞれを等分割したときの分割点間の距離を示
す、
ことを特徴とする決定方法。
【請求項5】
前記第1設定工程および前記第2設定工程では、前記基板の領域を前記1つ以上の中心線で等分割したときの各中心線上に計測点を設定する、ことを特徴とする請求項1に記載の決定方法。
【請求項6】
前記第1パラメータ値と前記第3パラメータ値とは互いに異なり、
前記第2パラメータ値と前記第4パラメータ値とは互いに異なる、
ことを特徴とする請求項
4に記載の決定方法。
【請求項7】
前記第3パラメータ値は、前記第1パラメータ値より大きく、
前記第4パラメータ値は、前記第2パラメータ値より大きい、
ことを特徴とする請求項3に記載の決定方法。
【請求項8】
前記第1設定工程では、前記基板の中心を含む内周領域に、前記第1グループの計測点を設定し、
前記第2設定工程では、前記内周領域の外側の外周領域に、前記第2グループの計測点を設定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の決定方法。
【請求項9】
前記内周領域の周縁形状は、前記基板の周縁形状と相似形である、ことを特徴とする請求項
8に記載の決定方法。
【請求項10】
請求項1から
9のいずれか1項に記載の決定方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項11】
計測装置によって基板の面位置を複数の計測点で計測して、前記基板の表面形状を特定する処理を行うために、前記複数の計測点を決定する情報処理装置であって、
第1パラメータ値および第2パラメータ値を含む第1パラメータセット
によって特定される第1グループの計測点を設定する第1設定手段と、
第3パラメータ値および第4パラメータ値を含む第2パラメータセットによって特定される第2グループの計測点を設定する第2設定手段と、
前記設定された第1グループの計測点と、前記設定された第2グループの計測点とのうち、計測点間の距離が所定の閾値より小さい関係にある計測点のセットを検出し、該検出されたセットのうち、1つの計測点を残し他の計測点を削除する削除手段と、
を有し、前記第1グループの計測点および前記第2グループの計測点のうち前記削除手段による削除後に残った計測点を前記複数の計測点として決定
し、
前記第1パラメータ値および前記第3パラメータ値は、前記基板の領域を1つ以上の中心線で等分割したときの分割数を示し、
前記第2パラメータ値および前記第4パラメータ値は、前記1つ以上の中心線のそれぞれを等分割したときの分割数を示す、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項12】
前記第1設定手段および前記第2設定手段は、前記基板の領域を
前記1つ以上の中心線で等分割したときの各中心線上に計測点を設定する、ことを特徴とする請求項
11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記第1パラメータ値と前記第3パラメータ値とは互いに異なり、
前記第2パラメータ値と前記第4パラメータ値とは互いに異なる、
ことを特徴とする請求項1
1に記載の情報処理装置。
【請求項14】
計測装置によって基板の面位置を複数の計測点で計測して、前記基板の表面形状を特定する処理を行うために、前記複数の計測点を決定する情報処理装置であって、
第1パラメータ値および第2パラメータ値を含む第1パラメータセットによって特定される第1グループの計測点を設定する第1設定手段と、
第3パラメータ値および第4パラメータ値を含む第2パラメータセットによって特定される第2グループの計測点を設定する第2設定手段と、
前記設定された第1グループの計測点と、前記設定された第2グループの計測点とのうち、計測点間の距離が所定の閾値より小さい関係にある計測点のセットを検出し、該検出されたセットのうち、1つの計測点を残し他の計測点を削除する削除手段と、
を有し、前記第1グループの計測点および前記第2グループの計測点のうち前記削除手段による削除後に残った計測点を前記複数の計測点として決定し、
前記第1パラメータ値および前記第3パラメータ値は、前記基板の領域を
1つ以上の中心線で等分割したときの中心角を示し、
前記第2パラメータ値および前記第4パラメータ値は、前記1つ以上の中心線のそれぞれを等分割したときの分割点間の距離を示
す、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項15】
前記第1設定手段および前記第2設定手段では、前記基板の領域を前記1つ以上の中心線で等分割したときの各中心線上に計測点を設定する、ことを特徴とする請求項14に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記第1パラメータ値と前記第3パラメータ値とは互いに異なり、
前記第2パラメータ値と前記第4パラメータ値とは互いに異なる、
ことを特徴とする請求項1
4に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記第1パラメータ値、前記第2パラメータ値、前記第3パラメータ値、前記第4パラメータ値を設定するための設定画面を表示する表示手段
と、
前記設定画面を介したユーザ操作に従って前記第1パラメータ値および前記第2パラメータ値を取得
する第1取得手段と、
前記設定画面を介したユーザ操作に従って前記第3パラメータ値および前記第4パラメータ値を取得する
第2取得手段と、
を有することを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記設定画面は、前記第1パラメータ値、前記第2パラメータ値、前記第3パラメータ値、前記第4パラメータ値をそれぞれユーザ操作により入力する入力欄を有し、
前記第3パラメータ値を入力する入力欄に前記第1パラメータ値と同じ値が入力されることが禁止され、前記第4パラメータ値を入力する入力欄に前記第2パラメータ値と同じ値が入力されることが禁止されている、
ことを特徴とする請求項1
7に記載の情報処理装置。
【請求項19】
請求項1から
9のいずれか1項に記載の決定方法に従って決定された複数の計測点で基板の面位置を計測することを特徴とする計測装置。
【請求項20】
原版のパターンを投影光学系によって基板に投影し前記基板を露光する露光装置であって、
前記基板を保持して移動する基板ステージと、
前記基板ステージによって保持された前記基板の面位置を計測するように配置された請求項1
9に記載の計測装置と、
前記計測装置によって計測された結果から特定される前記基板の表面形状に基づいて、
前記基板ステージの移動を制御する制御部と、
を有することを特徴とする露光装置。
【請求項21】
請求項
20に記載の露光装置を用いて基板を露光する工程と、
前記露光された基板を現像する工程と、
を含み、前記現像された基板から物品を製造する、ことを特徴とする物品製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、決定方法、プログラム、情報処理装置、露光装置、および物品製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイス、液晶表示素子等を製造する装置として、露光装置やインプリント装置などのリソグラフィ装置がある。デバイスパターンの微細化が進むにつれ、レジストパターンの寸法精度および重ね合わせ精度の向上が求められている。そのため、基板の平坦度あるいは反りといった表面形状を事前に計測することが重要視されている(特許文献1)。
【0003】
基板の反り量を計測する方法としては、基板を回転させながら計測点を半径方向に走査させて計測する方法(特許文献2)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6191534号公報
【文献】特許第3841452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
基板の表面形状を精度良く求めるためには多数の計測点で高さ計測を行うことが必要になる。しかし、計測点数を増やすほど、計測時間すなわち計測スループットの点で不利となりうる。かといって、計測点数を少なくしすぎると、基板の表面形状を正しく捉えることができず、計測精度の点で不利となりうる。そのようなトレードオフの関係においてバランスのよい複数の計測点を簡便に決定できる手法が求められている。
【0006】
本発明は、基板の表面形状を計測することに関して、高精度計測と高スループットの両立に有利な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面によれば、基板の表面形状を特定するために前記基板の面位置を複数の計測点で計測する処理を行うために、前記複数の計測点を決定する決定方法であって、第1パラメータ値および第2パラメータ値を含む第1パラメータセットによって特定される第1グループの計測点を設定する第1設定工程と、第3パラメータ値および第4パラメータ値を含む第2パラメータセットによって特定される第2グループの計測点を設定する第2設定工程と、前記設定された第1グループの計測点と、前記設定された第2グループの計測点とのうち、計測点間の距離が所定の閾値より小さい関係にある計測点のセットを検出し、該検出されたセットのうち、1つの計測点を残し他の計測点を削除する削除工程と、を有し、前記第1グループの計測点および前記第2グループの計測点のうち前記削除工程での削除後に残った計測点を前記複数の計測点として決定し、前記第1パラメータ値および前記第3パラメータ値は、前記基板の領域を1つ以上の中心線で等分割したときの分割数を示し、前記第2パラメータ値および前記第4パラメータ値は、前記1つ以上の中心線のそれぞれを等分割したときの分割数を示す、ことを特徴とする決定方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、基板の表面形状を計測することに関して、高精度計測と高スループットの両立に有利な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】複数の計測点を決定する方法のフローチャート。
【
図5】矩形基板に配置された複数の計測点の例を示す図。
【
図6】計算格子上に配置された複数の計測点の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
<第1実施形態>
図1は、実施形態における、リソグラフィ装置の一例である露光装置1の概略図である。本実施形態は、例えば、ステップ・アンド・リピート方式やステップ・アンド・スキャン方式の露光装置での基板の反り量計測を実施する際に適用される。これらの方式は、投影光学系の光軸と直交する方向に基板を移動させ、該投影光学系の投影野に位置させた該基板上の各ショット位置にマスクの像を順次露光するものである。
【0012】
露光装置1は、デバイスの製造工程であるフォトリソグラフィ工程に用いられるリソグラフィ装置の一形態である。露光装置1は、ステップ・アンド・リピート方式やステップ・アンド・スキャン方式で、原版を介して基板を露光し、マスクのパターンを基板に転写する。
【0013】
光源100は、複数の波長帯域の光を露光光として出力することができる。光源100より射出された光は、照明光学系104の整形光学系(不図示)を介して所定の形状に整形される。整形された光は、オプティカルインテグレータ(不図示)に入射され、ここで、原版(マスク)であるレチクル109を均一な照度分布で照明するために多数の2次光源が形成される。
【0014】
照明光学系104の開口絞り105の開口部の形状は、ほぼ円形であり、照明系制御部108によってその開口部の直径、ひいては照明光学系104の開口数(NA)を所望の値に設定できるようになっている。この場合、投影光学系110の開口数に対する照明光学系104の開口数の比の値がコヒーレンスファクタ(σ値)であるため、照明系制御部108は照明光学系104の開口絞り105を制御することで、σ値を設定できる。
【0015】
照明光学系104の光路上にはハーフミラー106が配置され、レチクル109を照明する露光光の一部がこのハーフミラー106により反射されて取り出される。ハーフミラー106の反射光の光路上には紫外光用のフォトセンサ107が配置され、露光光の強度(露光エネルギー)に対応した出力を発生する。レチクル109には焼き付けを行う半導体デバイスの回路のパターンが形成されており、照明光学系104により照明される。投影光学系110は、レチクル109のパターンを縮小倍率β(例えばβ=1/2)で縮小し、フォトレジストが塗布された基板115上の1つのショット領域を投影するよう配置されている。投影光学系110は、屈折型またはカタディオプトリック系などの光学系でありうる。
【0016】
投影光学系110の瞳面(レチクルに対するフーリエ変換面)上には、開口部がほぼ円形である開口絞り111が配置され、モータ等の開口絞り駆動部112によって開口部の直径を制御することができる。光学素子駆動部113は、フィールドレンズのような、投影光学系110中のレンズ系の一部を構成している光学素子を、投影光学系110の光軸に沿って移動させる。これにより、投影光学系110の諸収差を低減しつつ、投影倍率を良好にさせ歪曲誤差を減らしている。投影系制御部114は、主制御部103の制御の下、開口絞り駆動部112及び光学素子駆動部113を制御する。
【0017】
基板115を保持する基板ステージ116は、3次元方向に移動可能であり、投影光学系110の光軸方向(Z方向)、及びその方向に直交する面内(X-Y面)を移動できる。したがって、
図1では、Z軸は、投影光学系110の光軸と平行にかつ基板115からレチクル109に向かう方向に延び、X軸およびY軸は、Z軸と垂直な平面上で互いに直交する方向に延びている。
図1において、Y軸は紙面内にあり、X軸は紙面に対して垂直で紙面手前向きである。基板ステージ116に固定された移動鏡117との間の距離をレーザ干渉計118で計測することで基板ステージ116のX-Y面位置が検出される。また、アライメント計測系124を用いて、基板115と基板ステージ116の位置ずれが計測される。主制御部103の制御下にあるステージ制御部120は、アライメント計測系124を用いた計測結果に基づいてモータ等のステージ駆動部119を制御することで、基板ステージ116を所定のX-Y面位置へ移動させる。
【0018】
投光光学系121および検出光学系122は、フォーカス面を検出する。投光光学系121は基板115上のフォトレジストを感光させない非露光光からなる複数個の光束を投光し、その光束は基板115上に各々集光されて反射される。基板115で反射された光束は、検出光学系122に入射される。図示は省略したが、検出光学系122内には各反射光束に対応させて複数個の位置検出用の受光素子が配置されており、各受光素子の受光面と基板115上での各光束の反射点が結像光学系によりほぼ共役となるように構成されている。投影光学系110の光軸方向における基板115面の位置ずれは、検出光学系122内の位置検出用の受光素子に入射する光の位置ずれとして計測される。
【0019】
レチクル109と基板115との間の露光光の光路上には、収差補正部材21が配置されうる。
図1の例では、収差補正部材21は、レチクル109と投影光学系110との間に配置されている。収差補正部材21は、投影光学系110とは独立したユニットとして構成されていてもよいし、投影光学系110の一部として構成されていてもよい。
【0020】
主制御部103は、露光装置の各部を統括的に制御して露光処理を実行する。主制御部103は、情報処理装置(コンピュータ装置)によって構成されうる。該情報処理装置は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Arrayの略。)などのPLD(Programmable Logic Deviceの略。)、又は、ASIC(Application Specific Integrated Circuitの略。)、又は、プログラムが組み込まれた汎用コンピュータ、又は、これらの全部または一部の組み合わせによって構成されうる。
【0021】
露光装置1は、露光装置1とは異なる外部装置であるホストコンピュータ(情報処理装置)と接続されている。そのようなホストコンピュータと露光装置との接続は、有線接続、無線接続を問わない。
【0022】
図9は、ホストコンピュータHの構成例を示すブロック図である。CPU201は、Operating System(OS)及び各種アプリケーションプログラムを実行するプロセッサである。ROM202は、CPU201が実行するプログラムや演算用のパラメータのうちの固定的なデータを格納するメモリである。RAM203は、CPU201の作業領域やデータの一時記憶領域を提供するメモリである。ROM202及びRAM203は、バス208を介してCPU201に接続される。入力装置205は、マウスやキーボードなどを含みうる。表示装置206は、CRTや液晶ディスプレイなどで構成されうる。外部記憶装置204は、ハードディスク装置、CD、DVD、メモリカード等で構成されうる。外部記憶装置204は、露光処理のための制御プログラムを含む各種プログラムや露光処理の履歴データ(ログ)等を記憶している。入力装置205、表示装置206、及び外部記憶装置204はそれぞれ、不図示のインタフェースを介してバス208に接続されている。また、ネットワークに接続して通信を行うための通信装置207も、バス208に接続されている。通信装置207は、ネットワークN(例えばLAN)に接続してTCP/IP等の通信プロトコルによるデータ通信を行い、露光装置1と相互に通信を行う場合に使用される。通信装置207は、データの送信部および受信部として機能し、例えば、露光装置1内の主制御部103から動作情報を受信して、外部記憶装置204に記憶されているログに記録しうる。主制御部103の一部または全部の機能は、ホストコンピュータHによって実現されてもよい。
【0023】
以下、露光装置1による基板115の表面形状を計測する機能について説明する。
【0024】
投光光学系121および検出光学系122は、露光動作時、ショット領域ごとに、基板115の表面に計測光を投光し基板115の面位置(高さ位置)を計測するフォーカス検出系として機能しうる。更に本実施形態では、投光光学系121および検出光学系122は、露光動作前に、基板115上の複数の計測点のそれぞれに対して高さ位置の計測(高さ計測)を行う計測装置としても機能しうる。予め複数の計測点に対して高さ計測を行うことにより、基板115の平坦度あるいは反り量を求めることができる。主制御部103は、当該計測装置によって計測された結果から特定される基板の表面形状に基づいて、基板ステージ116の移動を制御することができる。
【0025】
投光光学系121は、基板115上のフォトレジストを感光させない非露光光からなる計測光を、1つの計測点に対して投光する。該計測点で反射された計測光は、検出光学系122に入射される。検出光学系122で検出された計測光の像の信号は、例えば主制御部103を介してホストコンピュータHに転送される。この処理が複数の計測点のそれぞれに対して実行される。ホストコンピュータHは、こうして得られた信号から各計測点における高さ位置を求め、各計測点における高さ位置から、基板115の表面形状(平坦度あるいは反り量)を求める。
【0026】
基板の表面形状を精度良く求めるためには多数の計測点で高さ計測を行うことが必要になる。しかし、計測点数を増やすほど、計測時間すなわち計測スループットの点で不利となりうる。かといって、計測点数を少なくしすぎると、基板の表面形状を正しく捉えることができず、計測精度の点で不利となりうる。以下では、そのようなトレードオフの関係においてバランスのよい複数の計測点を簡便に決定できる手法について説明する。
【0027】
本実施形態では、基板を領域分割したときの領域境界線上に、複数の計測点が設定される。例えば、
図3(a’)に示すように、円形の基板の中心を通る1つまたは複数の直線(中心線)によって、中心角が等角度になるように基板の領域が分割される。また、領域境界線(すなわち中心線)を構成する半径が、所定数に等分割される。そのときの各分割点(中心および外周の点を含む)に計測点が設定される。
図3(a)および(a’)は、複数の中心線によって基板が8個の領域に等分割され、各半径がd1、d2、d3の3つの領域に等分割された例を示している。こうして得られた複数の計測点を「第1グループの計測点」という。1つまたは複数の中心線によって中心角が等角度になるように分割される領域の数を「角度分割数」(第1パラメータ値)という。また、それら中心線を構成する半径が等分割されて得られた領域(d1、d2、d3)の数を「直線分割数」(第2パラメータ値)という。
図3(a)および(a’)の例では、角度分割数(第1パラメータ値)は8、直線分割数(第2パラメータ値)は3である。第1グループの計測点は、角度分割数および直線分割数によって定まる。
【0028】
本実施形態では更に、第1グループの計測点とは異なる第2グループの計測点が設定される。第2グループの計測点は、第1グループの計測点が定められた角度分割数および直線分割数とは異なる角度分割数(第3パラメータ値)および直線分割数(第4パラメータ値)によって定まる。
図3(b)および(b’)の例では、角度分割数(第3パラメータ値)は16、直線分割数(第4パラメータ値)は4である。
【0029】
なお、パラメータは角度分割数、直線分割数である必要はない。例えば、パラメータとして、角度分割数のかわりに中心角の値が用いられてもよいし、直線分割数のかわりに、分割された線分の長さ(分割点間の距離)が用いられてもよい。
【0030】
本実施形態では、このように、基板を領域分割したときの領域境界線上に、複数の計測点が設定される。
【0031】
図2のフローチャートを参照して、本実施形態における、複数の計測点を決定する決定方法を詳しく説明する。一例において、
図2のフローチャートに対応するプログラムは、ホストコンピュータHの外部記憶装置204に格納されている。該プログラムは、CPU201からの起動指示に応じてRAM203にロードされ、その後、CPU201によって実行される。
【0032】
S1(第1取得工程)で、CPU201は、第1グループの計測点を設定するための、少なくとも第1パラメータ値および第2パラメータ値を含む第1パラメータセットを取得する。
S2(第2取得工程)で、CPU201は、第2グループの計測点を設定するための、少なくとも第3パラメータ値および第4パラメータ値を含む第2パラメータセットを取得する。これらのパラメータセットは、表示装置206に表示される設定画面を介したユーザ操作に従って取得されうる。例えば、表示装置206には、
図7に示すような設定画面が表示される。設定画面は例えば以下を含みうる。
・第1グループの角度分割数(第1パラメータ値)の入力欄701、
・第1グループの直線分割数(第2パラメータ値)の入力欄702、
・第2グループの角度分割数(第3パラメータ値)の入力欄703、
・第2グループの直線分割数(第4パラメータ値)の入力欄704。
【0033】
入力欄701~704へは、入力装置205を用いたユーザ操作により入力することが可能である。なお、各入力欄は、ユーザが数値を直接入力する形態でもよいし、プルダウンメニュー等によって選択肢が提示されるようにされていてもよい。本実施形態では、第1グループと第2グループと計測点の分布が異なるように設定されるべきである。したがって、第1グループと第2グループとの間で、同じ角度分割数、同じ直線分割数にはならない。具体的には、第1グループの角度分割数(第1パラメータ値)と第2グループの角度分割数(第3パラメータ値)とは互いに異なる。また、第1グループの直線分割数(第2パラメータ値)と第2グループの直線分割数(第4パラメータ値)とは互いに異なる。一例において、角度分割数(第3パラメータ値)は、第1グループの角度分割数(第1パラメータ値)より大きく、第2グループの直線分割数(第4パラメータ値)は、第1グループの直線分割数(第2パラメータ値)より大きい。
【0034】
第2グループの角度分割数の入力欄703および直線分割数の入力欄704にはそれぞれ、第1グループの角度分割数の入力欄701および直線分割数の入力欄702に入力された数値とは同じ数値が入力されることが禁止されてもよい。
【0035】
各入力欄に入力された値は、確定ボタン705が押される(クリックされる)ことによって確定される。また、キャンセルボタン706が押される(クリックされる)ことによって各入力欄に入力された値をクリアされる。
【0036】
なお、このような設定画面を介したパラメータ値の設定のかわりに、他の外部装置等からパラメータ値を取得するような構成としてもよい。
【0037】
S3(第1設定工程)で、CPU201は、S1で取得された第1パラメータセット(第1パラメータ値および第2パラメータ値)に基づいて、第1グループの計測点を設定する。S1では、第1グループの角度分割数(第1パラメータ値)および直線分割数(第2パラメータ値)が得られている。CPU201は、これらのパラメータ値に従う1つ以上の中心線を作成し、各中心線上の座標点に第1グループの計測点を設定する。
図3(a)は、こうして得られた第1グループの計測点の例である。S1およびS3によれば、基板の面内に関して、中心線同士のなす中心角がそれぞれ第1角度をもつ第1の複数の中心線の上に第1等間隔で計測点が設定される。
【0038】
S4(第2設定工程)で、CPU201は、S2で入力された第2パラメータセット(第3パラメータ値および第4パラメータ値)に基づいて、第2グループの計測点を設定する。S2では、第2グループの角度分割数(第3パラメータ値)および直線分割数(第4パラメータ値)が得られている。CPU201は、これらのパラメータ値に従う1つ以上の中心線を作成し、各中心線上の座標点に第2グループの計測点を設定する。
図3(b)は、こうして得られた第2グループの計測点の例である。S2およびS4によれば、基板の面内に関して、中心線同士のなす中心角がそれぞれ上記第1角度とは異なる第2角度をもつ第2の複数の中心線の上に上記第1等間隔とは異なる第2等間隔で計測点が設定される。
【0039】
S5(削除工程)で、CPU201は、第1グループの計測点と第2グループの計測点のうち、互いに重複する計測点、互いに近似する計測点のセットがある場合、そのセットについては1つの計測点のみを残して他を削除する。例えば、
図3(a’)と
図3(b’)とを比べると、同じ座標点において重複する第1グループの計測点と第2グループの計測点が存在しうる。例えば、基板中心に位置する計測点同士はその典型例である。そこで、CPU201は、第1グループの計測点と第2グループの計測点とのうち、計測点間の距離が所定の閾値より小さい関係にある計測点のセットを検出する。そのような計測点のセットが検出された場合、CPU201は、当該セットのうち、1つの計測点を残し他の計測点を削除する。例えば、CPU201は、当該セットのうちの所定のグループ(例えば第2グループ)に属する計測点を削除する。
【0040】
本実施形態においては、個別の計測点の追加または削除が可能である。例えばS6で、CPU201は、入力装置205を介してユーザにより指定された計測点を追加または削除する。この工程は、例えば、使用される基板それぞれの表面形状の傾向が予め分かっている場合に有利である。
【0041】
以上の処理により、CPU201は、第1グループの計測点および第2グループの計測点のうち削除工程S5での削除後に残った計測点を、基板の表面形状を求めるために使用される複数の計測点として決定する。
以上説明した決定方法によれば、計測時間すなわち計測スループットとのトレードオフの関係においてバランスされた複数の計測点を、ユーザ操作の点で簡便に決定することができる。これにより、高精度計測と高スループットの両立に有利な計測点の決定方法が実現される。
【0042】
<第2実施形態>
第2実施形態では、基板の領域を、基板の中心を含む内周領域と、該内周領域の外側の外周領域とに分ける。第1設定工程S3では、CPU201は、内周領域に第1グループの計測点を設定する。
図4(a)には、内周領域に設定された第1グループの計測点の例が示されている。
図4(a)は、角度分割数は8、直線分割数は1とした場合の例である。なお、直線分割数が1とは、当該直線は分割されないことを意味しており、(中心を除き)内周領域の最外周と当該直線との交点にのみ計測点が設定される。
【0043】
次に、第2設定工程S4では、CPU201は、外周領域に第2グループの計測点を設定する。
図4(b)には、外周領域に設定された第2グループの計測点の例が示されている。
図4(b)は、角度分割数は16、直線分割数は2とした場合の例である。なお、直線分割数が2であるから、外周領域の最内周と当該直線の交点、外周領域の最外周と当該直線の交点、および当該直線上のそれら2つの交点の間の1点に、計測点が設定される。
【0044】
図4(c)には、設定された第1グループの計測点と第2グループの計測点とを重ね合わせて表示した例が示されている。
【0045】
第2実施形態は、使用される基板それぞれの表面形状の傾向が内周領域と外周領域とで異なる傾向があると分かっている場合に有利である。
【0046】
<第3実施形態>
第1実施形態、第2実施形態で示した処理は、円形基板のみならず矩形基板に対しても同様に適用可能である。
図5(a)~(c)に、矩形基板に対して複数の計測点が決定されるようすを示す。
図5(a)には、角度分割数を8、直線分割数を6としたときに設定された第1グループの計測点が示されている。なお、矩形基板の場合、各中心線(分割線)の長さが互いに異なりうるため、ここでは一例として、「直線分割数」は、複数の中心線のうち最も長い中心線の直線分割数を示している。
図5(b)には、角度分割数を16、直線分割数を8としたときに設定された第2グループの計測点が示されている。
図5(c)には、設定された第1グループの計測点と第2グループの計測点とを重ね合わせて表示した例が示されている。
【0047】
なお、設定される計測点の位置の特定手段には特に限定はない。例えば、計測点が設定される中心線の中心角、および、該中心線上の中心からの距離によって位置が特定されてもよい。あるいは、基板表面を表す面内に設定された計算格子における座標値によって位置が特定されてもよい。あるいは、基板上の露光領域(ショット領域)における特定の座標値によって位置が特定されてもよい。あるいは、基板中心からの渦巻状のスキャンラインにおける曲線の間隔、および、曲線上の計測点の間隔によって位置が特定されてもよい。
【0048】
図6(a)~(c)には、第2実施形態と同様に、矩形基板の領域を、基板の中心を含む内周領域と、該内周領域の外側の外周領域とに分けて第1グループの計測点および第2グループの計測点を設定する例が示されている。内周領域の周縁形状は、基板の周縁形状と相似形である。例えば、
図4(a)で示したように、円形基板の場合の内周領域の周縁形状は円形である。また、
図6(a)に示すように、矩形基板の場合の内周領域の周縁形状は矩形である。
【0049】
ここでは、格子状に配置された複数の直線(計算格子)の交点に等間隔で第1グループの計測点と第2グループの計測点とを配置した例として、複数のXY座標において、計測点の位置が表される例を示す。本実施形態において、第1設定工程S3では、CPU201は、内周領域に第1グループの計測点を設定する。
図6(a)には、矩形の内周領域に設定された第1グループの計測点の例が示されている。ここでは、XY座標内のX=±120mm、Y=±75mmで区画される基板中心側の領域の各象限において、X方向の分割数は2、Y方向の分割数は1(すなわち分割なし)とされている。
【0050】
第2設定工程S4では、CPU201は、矩形の外周領域に第2グループの計測点を設定する。
図6(b)には、外周領域に設定された第2グループの計測点が示されている。ここでは、XY座標内のX=±200mm、Y=±150mmで区画される領域の外側の、基板端側の領域の各象限において、X方向の分割数は1(すなわち分割なし)、Y方向の分割数も1(すなわち分割なし)とされている。
【0051】
図6(c)には、設定された第1グループの計測点と第2グループの計測点とを重ね合わせて表示した例が示されている。
【0052】
なお、上述の各実施形態で示された分割数やXY座標の具体的な値は一例であり、本発明がそれらの値によって限定されるものではない。また、上述の各実施形態では、第1グループの計測点と第2グループの計測点の例を示したが、さらに、第3グループあるいはそれ以降のグループの計測点が設定されてもよい。つまり、分割するグループの数に限定はない。
【0053】
<第4実施形態>
第1実施形態では、露光装置を計測装置として用いる例を示したが、露光装置以外の計測装置を用いて、上述の各実施形態で示した処理を実行することが可能である。
図8は、計測装置(半導体計測装置)の構成例を示す図である。
【0054】
基板1005が基板ステージ1006に搭載されると、検出部1010により、上述の実施形態で説明した決定方法に従って決定された複数の計測点で基板1005の面位置の計測が行われる。検出部1010は、投影光学系1004と、撮像部1012とを含みうる。撮像部1012は、撮像素子1012fを有している。制御部1008は、計測部1007での計測により得られた基板ステージ1006の位置情報と、検出部1010による検出結果とに基づいて、基板1005の表面形状を特定する。
【0055】
<実施例>
上述の各実施形態に従い決定された複数の計測点の効果を確認した。一例として、第1実施形態に従い決定された複数の計測点で、基板の表面形状を特定した結果を、従来手法による結果と比較した。
【0056】
計測点数を108とした場合と、計測点数を56とした場合とで、あらかじめ基板の反り量が判明している基板を計測し、基板の反り量の比較を行った。ここでは、角度分割数を8、直線分割数を4として、第1グループの計測点を設定し、角度分割数を16、直線分割数を3として、第2グループの計測点を設定することにより、56点の計測点を得た。また、角度分割数を9、直線分割数を7として、第1グループの計測点を設定し、角度分割数を16、直線分割数を3として、第2グループの計測点を設定することにより、108点の計測点を得た。
【0057】
どちらの計測点数においても、同等の反り量を得ることができた。したがって、実施形態の手法によれば、従来手法より少ない計測点で、基板の表面形状を特定することができる。
【0058】
<物品製造方法の実施形態>
本発明の実施形態に係る物品製造方法は、例えば、半導体デバイス等のマイクロデバイスや微細構造を有する素子等の物品を製造するのに好適である。本実施形態の物品製造方法は、基板に塗布された感光剤に上記の露光装置を用いて潜像パターンを形成する工程(基板を露光する工程)と、かかる工程で潜像パターンが形成された基板を現像する工程とを含む。更に、かかる製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を含む。本実施形態の物品製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
【0059】
(他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0060】
本明細書の開示は、少なくとも以下の決定方法、プログラム、情報処理装置、露光装置、および物品製造方法を含む。
(項目1)
基板の表面形状を特定するために前記基板の面位置を複数の計測点で計測する処理を行うために、前記複数の計測点を決定する決定方法であって、
第1パラメータ値および第2パラメータ値を含む第1パラメータセットを取得する第1取得工程と、
第3パラメータ値および第4パラメータ値を含む第2パラメータセットを取得する第2取得工程と、
前記取得された第1パラメータセットによって特定される第1グループの計測点を設定する第1設定工程と、
前記取得された第2パラメータセットによって特定される第2グループの計測点を設定する第2設定工程と、
前記設定された第1グループの計測点と、前記設定された第2グループの計測点とのうち、計測点間の距離が所定の閾値より小さい関係にある計測点のセットを検出し、該検出されたセットのうち、1つの計測点を残し他の計測点を削除する削除工程と、
を有し、前記第1グループの計測点および前記第2グループの計測点のうち前記削除工程での削除後に残った計測点を前記複数の計測点として決定する、ことを特徴とする決定方法。
(項目2)
前記第1設定工程および前記第2設定工程では、前記基板の領域を1つ以上の中心線で等分割したときの各中心線上に計測点を設定する、ことを特徴とする項目1に記載の決定方法。
(項目3)
前記第1パラメータ値および前記第3パラメータ値は、前記基板の領域を前記1つ以上の中心線で等分割したときの分割数を示し、
前記第2パラメータ値および前記第4パラメータ値は、前記1つ以上の中心線のそれぞれを等分割したときの分割数を示し、
前記第1パラメータ値と前記第3パラメータ値とは互いに異なり、
前記第2パラメータ値と前記第4パラメータ値とは互いに異なる、
ことを特徴とする項目2に記載の決定方法。
(項目4)
前記第1パラメータ値および前記第3パラメータ値は、前記基板の領域を前記1つ以上の中心線で等分割したときの中心角を示し、
前記第2パラメータ値および前記第4パラメータ値は、前記1つ以上の中心線のそれぞれを等分割したときの分割点間の距離を示し、
前記第1パラメータ値と前記第3パラメータ値とは互いに異なり、
前記第2パラメータ値と前記第4パラメータ値とは互いに異なる、
ことを特徴とする項目2に記載の決定方法。
(項目5)
前記第3パラメータ値は、前記第1パラメータ値より大きく、
前記第4パラメータ値は、前記第2パラメータ値より大きい、
ことを特徴とする項目3または4に記載の決定方法。
(項目6)
前記第1設定工程では、前記基板の中心を含む内周領域に、前記第1グループの計測点を設定し、
前記第2設定工程では、前記内周領域の外側の外周領域に、前記第2グループの計測点を設定する、
ことを特徴とする項目2から5のいずれか1項に記載の決定方法。
(項目7)
前記内周領域の周縁形状は、前記基板の周縁形状と相似形である、ことを特徴とする項目6に記載の決定方法。
(項目8)
項目1から7のいずれか1項に記載の決定方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
(項目9)
計測装置によって基板の面位置を複数の計測点で計測して、前記基板の表面形状を特定する処理を行うために、前記複数の計測点を決定する情報処理装置であって、
第1パラメータ値および第2パラメータ値を含む第1パラメータセットを取得する第1取得手段と、
第3パラメータ値および第4パラメータ値を含む第2パラメータセットを取得する第2取得手段と、
前記取得された第1パラメータセットによって特定される第1グループの計測点を設定する第1設定手段と、
前記取得された第2パラメータセットによって特定される第2グループの計測点を設定する第2設定手段と、
前記設定された第1グループの計測点と、前記設定された第2グループの計測点とのうち、計測点間の距離が所定の閾値より小さい関係にある計測点のセットを検出し、該検出されたセットのうち、1つの計測点を残し他の計測点を削除する削除手段と、
を有し、前記第1グループの計測点および前記第2グループの計測点のうち前記削除手段による削除後に残った計測点を前記複数の計測点として決定する、ことを特徴とする情報処理装置。
(項目10)
前記第1設定手段および前記第2設定手段は、前記基板の領域を1つ以上の中心線で等分割したときの各中心線上に計測点を設定する、ことを特徴とする項目9に記載の情報処理装置。
(項目11)
前記第1パラメータ値および前記第3パラメータ値は、前記基板の領域を前記1つ以上の中心線で等分割したときの分割数を示し、
前記第2パラメータ値および前記第4パラメータ値は、前記1つ以上の中心線のそれぞれを等分割したときの分割数を示し、
前記第1パラメータ値と前記第3パラメータ値とは互いに異なり、
前記第2パラメータ値と前記第4パラメータ値とは互いに異なる、
ことを特徴とする項目10に記載の情報処理装置。
(項目12)
前記第1パラメータ値および前記第3パラメータ値は、前記基板の領域を前記1つ以上の中心線で等分割したときの中心角を示し、
前記第2パラメータ値および前記第4パラメータ値は、前記1つ以上の中心線のそれぞれを等分割したときの分割点間の距離を示し、
前記第1パラメータ値と前記第3パラメータ値とは互いに異なり、
前記第2パラメータ値と前記第4パラメータ値とは互いに異なる、
ことを特徴とする項目10に記載の情報処理装置。
(項目13)
前記第1パラメータ値、前記第2パラメータ値、前記第3パラメータ値、前記第4パラメータ値を設定するための設定画面を表示する表示手段を更に有し、
前記第1取得手段は、前記設定画面を介したユーザ操作に従って前記第1パラメータ値および前記第2パラメータ値を取得し、
前記第2取得手段は、前記設定画面を介したユーザ操作に従って前記第3パラメータ値および前記第4パラメータ値を取得する、
ことを特徴とする項目11または12に記載の情報処理装置。
(項目14)
前記設定画面は、前記第1パラメータ値、前記第2パラメータ値、前記第3パラメータ値、前記第4パラメータ値をそれぞれユーザ操作により入力する入力欄を有し、
前記第3パラメータ値を入力する入力欄に前記第1パラメータ値と同じ値が入力されることが禁止され、前記第4パラメータ値を入力する入力欄に前記第2パラメータ値と同じ値が入力されることが禁止されている、
ことを特徴とする項目13に記載の情報処理装置。
(項目15)
項目1から7のいずれか1項に記載の決定方法に従って決定された複数の計測点で基板の面位置を計測することを特徴とする計測装置。
(項目16)
原版のパターンを投影光学系によって基板に投影し前記基板を露光する露光装置であって、
前記基板を保持して移動する基板ステージと、
前記基板ステージによって保持された前記基板の面位置を計測するように配置された項目15に記載の計測装置と、
前記計測装置によって計測された結果から特定される前記基板の表面形状に基づいて、前記基板ステージの移動を制御する制御部と、
を有することを特徴とする露光装置。
(項目17)
項目16に記載の露光装置を用いて基板を露光する工程と、
前記露光された基板を現像する工程と、
を含み、前記現像された基板から物品を製造する、ことを特徴とする物品製造方法。
【0061】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0062】
1:露光装置、100:光源、103:主制御部、104:照明光学系、110:投影光学系、116:基板ステージ