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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20241209BHJP
【FI】
A63F7/02 326Z
A63F7/02 334
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022208985
(22)【出願日】2022-12-26
(65)【公開番号】P2024092809
(43)【公開日】2024-07-08
【審査請求日】2024-01-26
(73)【特許権者】
【識別番号】391010943
【氏名又は名称】株式会社藤商事
(74)【代理人】
【識別番号】110003410
【氏名又は名称】弁理士法人テクノピア国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 一寛
(72)【発明者】
【氏名】岩間 誠
【審査官】辻野 安人
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-152650(JP,A)
【文献】特開2011-096871(JP,A)
【文献】特開2011-009326(JP,A)
【文献】特開平06-029689(JP,A)
【文献】特開2011-211147(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置との間の信号通信経路上において電気的な絶縁を行う絶縁伝送手段が実装された通信基板を備え、
前記通信基板は、
前記外部装置側と電気的に接続される回路である外側回路と、遊技機内部の他基板と電気的に接続される回路である内側回路とを有し、
前記外側回路と前記内側回路のそれぞれが前記通信基板の表面と裏面とに跨がって形成され、
少なくとも前記表面において、前記外側回路の領域と前記内側回路の領域のグランドがベタグランドとされると共に、前記外側回路の領域と前記内側回路の領域とを分離する分離部が形成されており、
前記分離部上に前記絶縁伝送手段が配置され、
前記内側回路には、前記絶縁伝送手段の一次側端子、二次側端子の何れか一方と接続され前記通信基板を貫通する内側回路貫通電極が形成され、
前記外側回路には、前記絶縁伝送手段の一次側端子、二次側端子の何れか他方と接続され前記通信基板を貫通する外側回路貫通電極が形成されており、
前記表面における、前記外側回路貫通電極の内側端から前記内側回路貫通電極の内側端までの領域である電極内側端間領域が、前記外側回路のベタグランドの領域と、前記分離部の領域と、前記内側回路のベタグランドの領域とにより略3等分されている
遊技機。
【請求項2】
前記内側回路及び前記外側回路において、前記絶縁伝送手段の端子からの信号線が、前記分離部側ではなく前記分離部とは反対側に引き出されている
請求項1に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技機に係るものであり、特に、外部装置との間の信号通信経路上において電気的な絶縁を行う絶縁伝送手段が実装された通信基板を備えた遊技機に係る技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機には、例えば遊技球や遊技メダルの貸し出し装置やホールコンピュータ等の外部装置との間の信号通信を行うための通信基板を備えるものがある(例えば、特許文献1参照)。かかる通信基板上には、外部装置との間の信号通信経路上において電気的な絶縁を行うための、例えばフォトカプラ等の絶縁伝送手段が実装されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-223398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、外部装置との間の信号通信経路上において電気的な絶縁を行う絶縁伝送手段が実装された通信基板を備えた遊技機について、絶縁効果とノイズ抑制効果とのバランス化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る遊技機は、外部装置との間の信号通信経路上において電気的な絶縁を行う絶縁伝送手段が実装された通信基板を備え、前記通信基板は、前記外部装置側と電気的に接続される回路である外側回路と、遊技機内部の他基板と電気的に接続される回路である内側回路とを有し、前記外側回路と前記内側回路のそれぞれが前記通信基板の表面と裏面とに跨がって形成され、少なくとも前記表面において、前記外側回路の領域と前記内側回路の領域のグランドがベタグランドとされると共に、前記外側回路の領域と前記内側回路の領域とを分離する分離部が形成されており、前記分離部上に前記絶縁伝送手段が配置され、前記内側回路には、前記絶縁伝送手段の一次側端子、二次側端子の何れか一方と接続され前記通信基板を貫通する内側回路貫通電極が形成され、前記外側回路には、前記絶縁伝送手段の一次側端子、二次側端子の何れか他方と接続され前記通信基板を貫通する外側回路貫通電極が形成されており、前記表面における、前記外側回路貫通電極の内側端から前記内側回路貫通電極の内側端までの領域である電極内側端間領域が、前記外側回路のベタグランドの領域と、前記分離部の領域と、前記内側回路のベタグランドの領域とにより略3等分されているものである。
絶縁伝送手段の下側に位置する電極内側端間領域について、一般的には、絶縁性の向上を図るために、分離部の幅は太くすることが望ましいものとされている。しかしながら、絶縁性を優先して分離部の幅を太くすると、その背反として、内側回路、外側回路のベタグランドの幅が狭くなり、これに起因して、絶縁伝送手段による伝送信号に外部ノイズが混入し易くなることが新たに判明した。すなわち、端子内側端間領域において、ベタグランドの幅が狭いと、絶縁伝送手段による伝送信号についてのノイズ抑制効果が低下し易くなるものである。
そこで、本発明では、電極内側端間領域において、外側回路のベタグランド、分離部、内側回路のベタグランドが略3等分で配置されるようにしている。
これにより、分離部による絶縁効果と、ベタグランドによるノイズ抑制効果とについて、一方に偏重してしまうことの防止が図られる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、外部装置との間の信号通信経路上において電気的な絶縁を行う絶縁伝送手段が実装された通信基板を備えた遊技機について、絶縁効果とノイズ抑制効果とのバランス化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】遊技機の外観を示す斜視図である。
図2】遊技機において前枠を開放したときの斜視図である。
図3】遊技機の遊技盤の構成を示す図である。
図4】遊技機の制御構成を示すブロック図である。
図5】先読み予告演出の例についての説明図である。
図6】主制御側メイン処理を示したフローチャートである。
図7】メインループ処理を示したフローチャートである。
図8】主制御側タイマ割込み処理を示したフローチャートである。
図9】普通図柄管理処理を示すフローチャートである。
図10】普図当り判定テーブルの一例を説明する図である。
図11】普通図柄変動表示ゲームに関する当り種別、変動時間、確定時間の一例を説明する図である。
図12】特別図柄管理処理を示したフローチャートである。
図13】特図1始動口チェック処理を示したフローチャートである。
図14】特別図柄変動開始処理を示したフローチャートである。
図15】大当り乱数判定処理を示したフローチャートである。
図16】大当り判定テーブルの一例を示した図である。
図17】大当り乱数判定手法を説明する図である。
図18】図柄抽選処理を示したフローチャートである。
図19】図柄テーブルの一例を示した図である。
図20】変動パターン抽選処理を示したフローチャートである。
図21】変動パターン抽選テーブルの一例を示した図である。
図22】実施形態における払出制御基板と球貸し機との間で通信される信号の例の説明図である。
図23】実施形態における払出制御基板上における各種電子部品の配置例を示した図である。
図24】実施形態における外部コネクタと各絶縁伝送手段との接続形態を示した回路図である。
図25】実施形態におけるBRDY信号、BRQ信号、EXS信号、PRDY信号、及びP-OUT信号の具体的な経路の例を説明するための回路図である。
図26】同じく、実施形態におけるBRDY信号、BRQ信号、EXS信号、PRDY信号、及びP-OUT信号の具体的な経路の例を説明するための回路図である。
図27】同じく、実施形態におけるBRDY信号、BRQ信号、EXS信号、PRDY信号、及びP-OUT信号の具体的な経路の例を説明するための回路図である。
図28】実施形態における払出制御基板の表面(部品実装面)の配線パターン例を示した図である。
図29】実施形態における払出制御基板の裏面の配線パターン例を示した図である。
図30】実施形態における絶縁伝送手段の配置例についての説明図である。
図31】実施形態における払出制御基板上の各種コネクタの配置位置についての説明図である。
図32】実施形態としての払出制御基板における分離部とグランドの形成パターン例を説明するための概略断面図である。
図33】実施形態における分離部の幅に関する説明図である。
図34】第一変形例としての遊技機が備える通信基板についての説明図である。
図35】第一変形例の別例としての遊技機が備える通信基板の説明図である。
図36】第二変形例としての遊技機が備える通信基板についての説明図である。
図37】第二変形例の別例としての遊技機が備える通信基板の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照し、本発明に係る実施形態を次の順序で説明する。
<1.遊技機の構造>
<2.遊技機の制御構成>
[2.1 主制御基板]
[2.2 演出制御基板]
<3.動作の概要説明>
[3.1 遊技状態]
[3.2 図柄変動表示ゲーム]
[3.3 大当りについて]
[3.4 演出について]
<4.主制御基板の処理>
[4.1 主制御側メイン処理]
[4.2 主制御側タイマ割込み処理]
<5.通信基板について>
[5.1 外部装置との通信機能及び基板の構成概要]
[5.2 実施形態としての基板構成例]
(5.2.1 構成例A)
(5.2.2 構成例B)
(5.2.3 構成例C)
(5.2.4 構成例D)
(5.2.5 構成例E,F)
[5.3 第一変形例(構成例G)]
[5.4 第二変形例(構成例H)]
<6.その他変形例>
【0009】
<1.遊技機の構造>
図1及び図2を参照して、本発明に係る実施形態としての遊技機1の全体構造について説明する。図1は、本発明に係る実施形態の遊技機1の外観を示す斜視図であり、図2は、実施形態の遊技機1において前枠4を開放したときの斜視図である。
【0010】
図1及び図2に示すように、遊技機1は、木製の外枠2と、外枠2にヒンジ機構によって開閉可能に取り付けられた内枠3と、内枠3にヒンジ機構によって開閉可能に取り付けられた前枠4とを備える。
内枠3は、額縁状に形成され、内部に遊技盤5が保持されている。遊技盤5の背面側には、遊技動作を制御するための各種制御基板(図4参照)が配設されている。
【0011】
前枠4は、中央に透明ガラス6が保持されているとともに、透明ガラス6の周囲の全部又は一部を囲むようにサイドユニット7が設けられている。
サイドユニット7は、それ自体が遊技機1のテーマに合わせた装飾形状とされるとともに、内部にLEDや役物等の演出部材が設けられることもあり、遊技者に遊技の雰囲気を伝える演出効果を発揮する。このサイドユニット7は前枠4に対して交換可能に取り付けられたユニットとされる。
【0012】
前枠4の前側には扉ロック解除用のキーシリンダ(図示せず)が設けられており、このキーシリンダにキーを差し込んで一方側に操作すれば内枠3に対する前枠4のロック状態が解除されて前枠4を前側に開放でき、また、他方側に操作すれば外枠2に対する内枠3のロック状態が解除されて内枠3を前側に開放できるようになっている。
【0013】
前枠4の下側には、前面操作パネル8が配置されている。前面操作パネル8には、上受け皿ユニット9が設けられ、この上受け皿ユニット9には、排出された遊技球を貯留する上受け皿10が形成されている。
【0014】
また、上受け皿ユニット9には、遊技球貸出装置(図示せず)に対して遊技球の払い出しを要求するための球貸しボタン11と、遊技球貸出装置に挿入した有価価値媒体の返却を要求するためのカード返却ボタン12と、上受け皿10に貯留された遊技球を遊技機1の下方に抜くための球抜きボタン13とが設けられている。
【0015】
また、上受け皿ユニット9には、遊技者が操作可能に構成された操作部14(図4参照)が設けられている。操作部14は、演出ボタン14a、十字キー14b及び決定ボタン14cを含んで構成されている。演出ボタン14aは、所定の入力受付期間中に内蔵ランプ(ボタンLED49)が点灯されて操作可能(入力受付可能)となり、その内蔵ランプ点灯中に所定の操作(押下、連打、長押し等)をすることにより演出に変化をもたらすことが可能となっている。
十字キー14bは、遊技者やホールスタッフ等の使用者が各種の項目の選択や方向指示等を行うための操作子である。決定ボタン14cは、選択項目の決定を指示するための操作子である。
【0016】
前面操作パネル8の右端部側には、発射装置44(図4参照)を作動させるための発射操作ハンドル15が設けられている。
【0017】
前枠4の適所には、光の装飾により光演出効果を発揮する装飾ランプ16(例えばフルカラーLEDによる光演出用LED等)が複数設けられている。この装飾ランプ16は、遊技機1の周囲、例えば前枠4の周縁やサイドユニット7内に複数個設けられている。
【0018】
また内枠3の上部の両側と発射操作ハンドル15の上側とには、音響により音演出効果(効果音)を発揮するスピーカ17が設けられている。
複数のスピーカ17により、演出に関する音などについて、いわゆるステレオ音響再生や、より多チャネルの音響再生を行うことができるようにされている。
【0019】
次に、図3を参照して、遊技盤5の構成について説明する。図3は、遊技盤5の正面図である。
図示の遊技盤5には、発射された遊技球を案内する球誘導レール18が盤面区画部材として環状に装着されており、この球誘導レール18に取り囲まれた略円形状の領域が遊技領域19、四隅は非遊技領域となっている。
遊技領域19は、遊技盤5と透明ガラス6との間に形成される空間であって、遊技球が流下可能な領域である。
【0020】
この遊技領域19の略中央部には、例えば3つ(左、中、右)の表示エリア(図柄変動表示領域)において、独立して数字やキャラクタや記号などによる複数種類の装飾図柄(例えば、左図柄(左表示エリア対応)、中図柄(中表示エリア対応)、右図柄(右表示エリア対応))の変動表示動作(変動表示及び停止表示)が可能である液晶表示装置(LCD)20が設けられている。
この液晶表示装置20は、後述する演出制御基板41の制御の下、装飾図柄の変動表示動作の他、種々の演出を画像により表示する。
【0021】
また遊技領域19の中央には、液晶表示装置20の表示面の周りを遠巻きに囲繞する形でセンター飾り21が設けられている。センター飾り21は、遊技盤5の前面側に沿って設けられ、液晶表示装置20の表示面を遊技球の衝突から保護するとともに、遊技球の打ち出しの強さ又はストローク長により、遊技球の流路を左右に振り分けることを可能とする流路振分手段として機能する。
本実施形態では、センター飾り21は、遊技領域19のほぼ中央部に配置され、遊技領域19を左右それぞれの左遊技領域19a及び右遊技領域19bに分割している。発射装置44により所定の発射強度未満で発射された遊技球は、左遊技領域19aを流下し、所定の発射強度以上で発射された遊技球は、右遊技領域19bを流下することになる。
【0022】
遊技盤5の下部の非遊技領域は各種機能表示部となっており、ドット表示器による特別図柄表示装置22aと特別図柄表示装置22bとが設けられている。
なお、特別図柄表示装置22a、22bを含む各種機能表示部を図5に拡大して示している。
【0023】
特別図柄表示装置22a、22bでは、ドット表示器により表現される「特別図柄」の変動表示動作による特別図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして上記の液晶表示装置20では、特別図柄表示装置22a、22bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、画像による装飾図柄を変動表示して、種々の予告演出(演出画像)とともに装飾図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている。
【0024】
また各種機能表示部には、特別図柄表示装置22a、22bと同じくドット表示器からなる複合表示装置22cが配設されている。複合と称したのは、第1の特別図柄(以下、第1の特別図柄を「特別図柄1」と称し、場合により「特図1」と略称する)、第2の特別図柄(以下、第2の特別図柄を「特別図柄2」と称し、場合により「特図2」と略称する)、普通図柄の保留球数の表示、時短状態中及び高確率状態中の状態報知という、5つの表示機能を有する保留・時短・高確複合表示装置(以下単に「複合表示装置」と称する)であるからである。
【0025】
また各種機能表示部には、同じくドット表示器からなる複合表示装置22dが設けられている。
この複合表示装置22dでは、4つのLEDの点灯・消灯状態の組合せにより、大当りに係る規定ラウンド数(最大ラウンド数)を報知するラウンド数表示が行われる。
また複合表示装置22dでは、普通図柄表示として、1個のLEDにより表現される普通図柄の変動表示動作により普通図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また複合表示装置22dでは、3個のLEDにより右打ち表示が行われるようになっている。なお、右打ち表示は、右遊技領域19bに向けて遊技球の発射をした方が、左遊技領域19aに向けて遊技球を発射した場合により遊技者に有利であることを示している。
【0026】
遊技盤5の中央であって液晶表示装置20の下側には、第1始動口23が設けられている。第1始動口23の内部には、遊技球の通過を検出する第1始動口検出センサ23a(図4参照)が設けられている。
また右遊技領域19bには、第2始動口24が設けられ、内部には、遊技球の通過を検出する第2始動口検出センサ24a(図3参照)が設けられている。
【0027】
第1始動口23は、特別図柄表示装置22aにおける特別図柄1の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、始動口開閉手段(始動口を開放又は拡大可能にする手段)を有しない固定始動口として構成されている。本実施形態では、遊技領域19内の遊技球落下方向変換部材(例えば遊技くぎ、風車、センター飾り21など)の作用により、第1始動口23へは、左遊技領域19aを転動してきた遊技球については入球容易な構成であるのに対し、右遊技領域19bを転動してきた遊技球については入球困難または入球不可能な構成となっている。
【0028】
第2始動口24は、特別図柄表示装置22bにおける特別図柄2の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、普通電動役物25によって開閉制御がなされる可変始動口として構成されている。
普通電動役物25は、第2始動口24への遊技球の入球を可能とする開状態と、第2始動口24への遊技球の入球を困難または不可能にする閉状態とに制御される。なお本実施形態では、第2始動口24は右遊技領域19bに設けられ、右遊技領域19bを転動してきた遊技球のみが入球可能であるが、左遊技領域19aを転動してきた遊技球が入球可能であってもよい。
【0029】
また第2始動口24の上方、つまり右遊技領域19bの中間部より上部側には、遊技球が通過可能な普通図柄ゲート26が設けられている。この普通図柄ゲート26は、複合表示装置22dにおける普通図柄の変動表示動作に係る入賞口であり、その内部には、通過する遊技球を検出する普通図柄ゲート検出センサ26a(図4参照)が設けられている。なお本実施形態では、普通図柄ゲート26は右遊技領域19bにのみに設けられ、右遊技領域19bを転動してきた遊技球のみが進入可能である。しかし本発明はこれに限らず、左遊技領域19aのみに設けられていてもよいし、双方にそれぞれ設けられていてもよい。
【0030】
右遊技領域19bにおける第2始動口24よりも下方には、第1大入賞口27及び第2大入賞口28が設けられている。第1大入賞口27及び第2大入賞口28は、右遊技領域19bを転動する遊技球のみが入球可能な位置に配される。ただし、第1大入賞口27及び第2大入賞口28は、左遊技領域19aを転動してきた遊技球のみが入球可能に配されてもよいし、左遊技領域19a及び右遊技領域19bを転動してきた遊技球が入球可能に配されてもよい。
第1大入賞口27は、第1特別電動役物29によって開閉制御がなされる。第1特別電動役物29は、第1大入賞口27への遊技球の入球を可能とする開状態と、第1大入賞口27への遊技球の入球を困難または不可能にする閉状態とに制御される。
第2大入賞口28は、第2特別電動役物30によって開閉制御がなされる。第2特別電動役物30は、第2大入賞口28への遊技球の入球を可能とする開状態と、第2大入賞口28への遊技球の入球を困難または不可能にする閉状態とに制御される。
第1大入賞口27及び第2大入賞口28の内部には、遊技球の通過を検出する第1大入賞口検出センサ27a及び第2大入賞口検出センサ28a(図4参照)がそれぞれ設けられている。
【0031】
また遊技領域19における左右下方には、一般入賞口31が複数設けられており、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する一般入賞口検出センサ31a(図4参照)が設けられている。
また遊技盤の領域内には遊技球の転動を妨害しない位置に、視覚的演出効果を奏する可動体役物(図示せず)が配設されている。
【0032】
本実施形態の遊技機1においては、遊技領域19に設けられた各種入賞口に遊技球が入球した場合、遊技球が入球した入賞口に設定された賞球数(例えば、第1始動口23は3個、第2始動口24は1個、第1大入賞口27及び第2大入賞口28は15個、一般入賞口31は5個)が遊技球払出装置46(図4参照)から払い出されるようになっている。上記の各入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口32を介して遊技領域19から排出される。
【0033】
<2.遊技機の制御構成>
図4は、遊技機1の制御構成を示すブロック図である。図4のブロック図を参照して、遊技機1の遊技動作制御を実現するための構成(制御構成)について説明する。
本実施形態の遊技機1は、遊技動作全般に係る制御(遊技動作制御)を統括的に司る主制御基板40と、主制御基板40から演出制御コマンドを受けて、演出手段による演出の実行制御を統括的に司る演出制御基板41と、賞球の払い出し制御を行う払出制御基板42と、外部電源(図示せず)から遊技機1に必要な電源電圧を生成し供給する電源基板200(図44参照)と、を有して構成される。
【0034】
[2.1 主制御基板]
主制御基板40は、CPU(Central Processing Unit)40a(主制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、遊技動作制御手順を記述した制御プログラムの他、遊技動作制御に必要な種々のデータを格納するROM(Read Only Memory)40b(主制御ROM)と、ワーク領域やバッファメモリとして機能するRAM(Random Access Memory)40c(主制御RAM)とを搭載し、全体としてマイクロコンピュータを構成している。
【0035】
また図示はしていないが、主制御基板40は、周期的割込みや一定周期のパルス出力作成機能(ビットレートジェネレータ)や時間計測の機能を実現するためのCTC(Counter Timer Circuit)、及びCPU40aに割込み信号を付与するタイマ割込み等の割込許可/割込禁止機能を発揮する割込みコントローラ回路、電源投入時や遮断時や電源異常などを検知してシステムリセット信号を出力してCPU40aをリセット可能なリセット回路、制御プログラムの動作異常を監視するウォッチドッグタイマ(WDT)回路、予め設定したアドレス範囲内でプログラムが正しく実行されているか否かを監視する指定エリア外走行禁止(IAT)回路、及びハードウェア的に一定範囲の乱数を生成するためのカウンタ回路等も備えている。
【0036】
上記カウンタ回路は、乱数を生成する乱数生成回路と、その乱数生成回路から所定のタイミングで乱数値をサンプリングするサンプリング回路とを含んで構成され、全体として16ビットカウンタとして働く。CPU40aは、処理状態に応じてサンプリング回路に指示を送ることで、乱数生成回路が示している数値を大当り判定用乱数(0~65535)として取得し、大当り判定用乱数を大当り抽選(当否抽選)に利用する。なお、大当り判定用乱数は、当り狙い打ち等のゴト行為を防ぐために、適宜なソフトウェア処理で生成しているソフト乱数値と、ハード乱数値とを加算したものを取得している。
【0037】
主制御基板40には、第1始動口23への入球を検出する第1始動口検出センサ23aと、第2始動口24への入賞を検出する第2始動口検出センサ24aと、普通図柄ゲート26の通過を検出する普通図柄ゲート検出センサ26aと、第1大入賞口27への入賞を検出する第1大入賞口検出センサ27aと、第2大入賞口28への入賞を検出する第2大入賞口検出センサ28aと、一般入賞口31への入賞を検出する一般入賞口検出センサ31aと、遊技領域19から排出される遊技球(アウト球)を検出するOUT監視センサ32aが接続され、主制御基板40はこれらから出力される検出信号を受信可能とされている。主制御基板40は、各センサからの検出信号に基づき、何れの入賞口に遊技球が入球したのかを把握可能とされる。
【0038】
また、主制御基板40には、第2始動口24を開閉する普通電動役物25を動作させる普通電動役物ソレノイド25aと、第1大入賞口27を開閉する第1特別電動役物29を動作させる第1特別電動役物ソレノイド29aと、第2大入賞口28を開閉する第2特別電動役物30を動作させる第2特別電動役物ソレノイド30aとが接続され、主制御基板40はこれらを制御するための制御信号を送信可能となっている。
【0039】
主制御基板40には、特別図柄表示装置22a及び特別図柄表示装置22bが接続され、主制御基板40は、特別図柄1、2を表示制御するための制御信号を送信可能とされている。
また、主制御基板40には、複合表示装置22c及び複合表示装置22dが接続され、主制御基板40は、複合表示装置22c、複合表示装置22dに表示される各種情報を表示制御するための制御信号を送信可能とされている。
【0040】
主制御基板40には、RAMクリアスイッチ34が接続されており、主制御基板40はRAMクリアスイッチ34からの検出信号を受信可能とされている。RAMクリアスイッチ34は、遊技機1内部の所定位置に設けられている。例えば、主制御基板40上に配置される。
【0041】
RAMクリアスイッチ34は、RAM40cの所定領域を初期化することを指示入力するための例えば押しボタン式のスイッチとされる。
RAMクリアスイッチ34は、前枠4が開放された状態で操作可能に設けられたRAMクリアボタンの操作に応じてON/OFFされる。
【0042】
また主制御基板40は、性能表示器35が接続されている。
性能表示器35は、例えば7セグメント表示器を有して構成され、後述する性能情報の表示が可能とされた表示手段として機能する。性能表示器35は、例えば主制御基板40上の視認し易い位置に搭載されている。
主制御基板40は、性能表示器35に対して性能情報を表示させるための制御信号を送信可能とされている。
【0043】
主制御基板40には、払出制御基板42が接続され、賞球の払い出しの必要がある場合には、払出制御基板42に対し、払い出しに関する制御コマンド(賞球数を指定する払出制御コマンド)を送信可能とされている。
【0044】
また、主制御基板40には、払出制御基板42を介して枠用外部集中端子基板43が接続され、外部に設けられたホールコンピュータHCに対し所定の遊技情報(例えば、大当り情報、賞球数情報、図柄変動実行情報等)を送信可能とされている。
なお、ホールコンピュータHCは、主制御基板40からの遊技情報を監視して、パチンコホールの遊技機の稼働状況を統括的に管理するための情報処理装置(コンピュータ装置)である。
【0045】
払出制御基板42には、発射装置44を制御する発射制御基板45と、遊技球の払い出しを行う遊技球払出装置46とが接続されている。さらに、払出制御基板42には、球貸し機70が接続される。球貸し機70は、遊技機1の外部に設けられ、払出制御基板42による球貸し動作を実行させるための処理を実行する。
払出制御基板42の主な役割は、主制御基板40からの払出制御コマンドの受信、払出制御コマンドに基づく遊技球払出装置46の賞球払い出し制御、主制御基板40への状態信号の送信、球貸し機70との通信結果に基づく球貸し動作のための払出制御基板42に対する制御などである。
【0046】
遊技球払出装置46には、遊技球の供給不足を検出する補給切れ検出センサ46aや払い出される遊技球(賞球)を検出する球計数センサ46bが設けられており、払出制御基板42は、これらの各検出信号を受信可能とされている。また遊技球払出装置46には、遊技球を払い出すための球払出機構部(図示せず)を駆動する払出モータ46cが設けられており、払出制御基板42は、払出モータ46cを制御するための制御信号を送信可能とされている。
【0047】
払出制御基板42には、上受け皿10が遊技球で満杯状態を検出する満杯検出センサ47と、前枠2の開放状態を検出する前扉開放センサ48が接続されている。
【0048】
払出制御基板42は、満杯検出センサ47、前扉開放センサ48、補給切れ検出センサ46a、球計数センサ46bからの検出信号に基づいて、主制御基板40に対して、各種の状態信号を送信可能となっている。この状態信号には、満杯状態を示す球詰り信号、少なくとも前枠2が開放されていることを示す扉開放信号、遊技球払出装置46からの遊技球の供給不足を示す補給切れ信号、賞球の払出不足や球計数センサ46bに異常が発生したこと示す計数エラー信号、払い出し動作が完了したことを示す払出完了信号などが含まれ、様々な状態信号を送信可能な構成となっている。主制御基板40は、これら状態信号に基づいて、前枠2の開放状態(扉開放エラー)や、遊技球払出装置46の払出動作が正常か否か(補給切れエラー)や、上受け皿10の満杯状態(球詰りエラー)等を監視する。
【0049】
また、払出制御基板42は、発射制御基板45に対し発射を許可する許可信号を送信可能とされている。発射制御基板45は、払出制御基板42からの許可信号が出力されていることに基づき、発射装置44に設けられた発射ソレノイド(図示せず)への通電を制御し、発射操作ハンドル15の操作による遊技球の発射動作を実現している。具体的には、払出制御基板42から発射許可信号が出力されていること(発射許可信号ON状態)、発射操作ハンドル15に設けられたタッチセンサ(図示せず)により遊技者がハンドルに触れていることを検出されていること、発射操作ハンドル15に設けられた発射停止スイッチ(図示せず)が操作されていないことを条件に、遊技球の発射動作が許容される。従って、発射許可信号が出力されていない場合には(発射許可信号OFF状態)、発射操作ハンドル15を操作しても発射動作は実行されず、遊技球が発射されることはない。また、遊技球の発射強度は、発射操作ハンドル15の操作量に応じて変化可能となっている。
なお、払出制御基板42が上記球詰りエラーを検出すると、主制御基板40に球詰り信号を送信すると共に発射制御基板45に対する発射許可信号の出力を停止し(発射許可信号OFF)、上受け皿10の満杯状態が解消されるまで打ち出し動作を停止する制御を行うようになっている。
また、払出制御基板42は、発射制御基板45に対する発射の許可信号の出力を、主制御基板40より発射許可が指示されたことを条件に行う。
【0050】
(性能表示について)
主制御基板40は、性能表示器35に対し所定の性能情報を表示させるための制御信号を送信可能とされている。
性能情報とは、パチンコホールや関係各庁が確認したい情報であり、遊技機1に対する過剰賞球等の不正賞球ゴトの有無や遊技機1本来の出玉性能などに関する情報などがその代表例である。従って、性能情報自体は、予告演出等とは異なり、遊技者が遊技に興じる際に、その遊技進行自体には直接的に関係の無い情報となる。
【0051】
このため性能表示器35は、遊技機1内部、例えば、主制御基板40、払出制御基板42、発射制御基板45、中継基板、演出制御基板41上や、基板ケース(基板を保護する保護カバー)など、前枠2が開放状態とされたときに表示情報を視認可能となる位置に設けられている。
【0052】
ここで、性能情報には、具体的に次のような情報を採用することができる。
(1)特定状態中において入賞により払い出された総払出個数(特定中総賞球数:α個)を、当該特定状態中おいて遊技領域19から排出された総アウト球数(特定中アウト球数:β個)で除した値(α/β)に基づく情報(特定比率情報)を、性能情報として採用することができる。
上記「総払出個数」とは、入賞口(第1始動口23、第2始動口24、一般入賞口31、第1大入賞口27、第2大入賞口28)に入賞した際に払い出された遊技球(賞球)の合計値である。
また、特定状態として、何れの状態を採用するかについては、如何なる状態下の性能情報を把握したいかに応じて適宜定めることができる。本実施形態の場合であれば、複数の遊技状態、大当り遊技中のうち、何れの状態も採用することができる。また、複数種類の状態を計測対象としてもよい。例えば、大当り遊技中を除く全ての遊技状態等であり、その計測対象とする種類は適宜定めることができる。
また、1又は複数の特定の入賞口を計測対象から除外したものを総払出個数としてもよい(特定入賞口除外総払出個数)。例えば、各入賞口のうち、第1大入賞口27及び第2大入賞口28を計測対象から除外したものを、総払出個数としてもよい。
【0053】
(2)その他、総払出個数、特定入賞口除外総払出個数、総アウト球数の何れかだけを計測し、その計測結果を性能情報としてもよい。
【0054】
本実施形態では、通常状態中の総払出個数(通常時払出個数)と、通常状態中の総アウト球数(通常時アウト球数)とをリアルタイムで計測し、通常時払出個数を通常時アウト球数で除した値に百を乗じた値(通常時払出個数÷通常時アウト球数×100で算出される値)を性能情報(以下「通常時比率情報」と称する)として表示する。なお、この際の表示値は、小数点第1位を四捨五入した値とする。
従って、通常時払出個数、通常時アウト球数、通常時比率情報の各データが、RAM40cの該当領域(特定中総賞球数格納領域、特定中アウト球数格納領域、特定比率情報格納領域)にそれぞれ格納(記憶)されるようになっている。但し、単に永続的に計測して性能情報を表示するのではなく、総アウト球数が所定の規定個数(例えば、60000個)に達した場合、一旦、計測を終了する。この規定個数とは、通常状態の総アウト球数ではなく、全遊技状態中(当り遊技中を含む)の総アウト球数(以下「全状態アウト球数」と称する)である。この全状態アウト球数もリアルタイムに計測され、RAM40cの該当領域(全状態アウト球数格納領域)に格納される。以下、説明の便宜のために、特定中総賞球数格納領域、特定中アウト球数格納領域、特定比率情報格納領域、全状態アウト球数格納領域を「計測情報格納領域」と略称する。
【0055】
そして、終了時点の通常時比率情報をRAM40cの所定領域(性能表示格納領域)に格納し(今回の通常時比率情報を記憶)、その後、計測情報格納領域(通常時払出個数、通常時アウト球数及び全状態アウト球数)をクリアしてから、再度、計測を開始する(通常時払出個数、通常時アウト球数、通常時比率情報及び全状態アウト球数の計測を開始する)。そして、設定・性能表示器35には、前回の通常時比率情報(計測履歴情報)と、現在計測中の通常時比率情報とが表示されるようになっている。なお、前回の情報に限らず、前々回やその前(3回前)などの履歴を表示可能に構成してもよく、何回前までの情報を表示するかについては適宜定めることができる。
【0056】
(演出制御コマンド)
主制御基板40は、処理状態に応じて、特別図柄変動表示ゲームに関する情報やエラーに関する情報等を含む種々の演出制御コマンドを、演出制御基板41に対して送信可能とされている。但し、ゴト行為等の不正を防止するために、主制御基板40は演出制御基板41に対して信号を送信するのみで、演出制御基板41からの信号を受信不可能な片方向通信の構成となっている。
【0057】
ここで、演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなる2バイト構成により機能を定義し、MODEとEVENTの区別を行うために、MODEのBit7はON、EVENTのBit7をOFFとしている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)及びイベント(EVENT)の各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、CPU40a(主制御CPU)は、送信すべきコマンドがある場合、演出制御基板41にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定及び出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行う。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定及び出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行う。ストローブ信号は、CPU41a(演出制御CPU)が確実にコマンドを受信可能とする所定期間、CPU40aによりアクティブ状態に制御される。
【0058】
[2.2 演出制御基板]
演出制御基板41は、CPU41aを内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、演出制御処理に要する演出データを格納したROM41bと、ワーク領域やバッファメモリとして機能するRAM41cとを搭載したマイクロコンピュータを中心に構成され、その他、音響制御部(音源IC)、RTC(Real Time Clock)機能部、カウンタ回路、割込みコントローラ回路、リセット回路、WDT回路などが設けられ、演出動作全般を制御する。
【0059】
CPU41aは演出制御プログラム及び主制御基板40から受信した演出制御コマンドに基づいて、各種演出動作のための演算処理や各演出手段の制御を行う。演出手段とは、本実施形態の遊技機1の場合、液晶表示装置20(主液晶表示装置20M、副液晶表示装置20S)、光表示装置16a、音響発生装置17a、及び図示を省略した可動体役物となる。
【0060】
ROM41bは、CPU41aによる演出動作の制御プログラムや、演出動作制御に必要な種々のデータを記憶する。
RAM41cは、CPU41aが各種演算処理に使用するワークエリアや、テーブルデータ領域、各種入出力データや処理データのバッファ領域等として用いられる。
なお、演出制御基板41は、例えば1チップマイクロコンピュータとその周辺回路が搭載された構成とされるが、演出制御基板41の構成は各種考えられる。例えばマイクロコンピュータに加えて、各部とのインターフェース回路、演出のための抽選用乱数を生成する乱数生成回路、各種の時間計数のためのCTC、ウォッチドッグタイマ(WDT)回路、CPU41aに割込み信号を与える割込コントローラ回路などを備える場合もある。
【0061】
この演出制御基板41の主な役割は、主制御基板40からの演出制御コマンドの受信、演出制御コマンドに基づく演出の選択決定、液晶表示装置20の表示制御(表示データ供給)、音響発生装置17aの音声出力制御、光表示装置16a(LED)の発光制御、可動体役物の動作制御(可動体役物モータ50の駆動制御)などとなる。
【0062】
この演出制御基板41は、液晶表示装置20に対する制御装置としての機能も備えているため、演出制御基板41には、いわゆるVDP(Video Display Processor)、画像ROM、VRAM(Video RAM)としての機能も備えられ、またCPU41aは、液晶制御部としても機能する。
VDPは、画像展開処理や画像の描画などの映像出力処理全般の制御を行う機能を指している。
画像ROMとは、VDPが画像展開処理を行う画像データが格納されているメモリを指す。
VRAMは、VDPが展開した画像データを一時的に記憶する画像メモリ領域である。
【0063】
演出制御基板41は、これらの構成により、主制御基板40からの演出制御コマンドに基づいて各種の画像データを生成し、主液晶表示装置20M及び副液晶表示装置20Sに出力する。これによって主液晶表示装置20M及び副液晶表示装置20Sにおいて各種の演出画像が表示される。
ここで、図3において示される「液晶表示装置20」は「主液晶表示装置20M」である。副液晶表示装置20Sについては図3における図示が省略されている。
【0064】
また演出制御基板41は、複数のスピーカ17を含む音響発生装置17aに対する音響制御部を有しており、音響制御部が出力する音響信号はアンプ部17bで増幅されてスピーカ17に供給される。
また、演出制御基板41には、装飾ランプ16や各種LEDを含む光表示装置16aに対する光表示制御部として機能するランプドライバ部16bと、可動体(図示せず)を動作させる可動体役物モータ50に対する駆動制御部として機能するモータドライバ部50a(モータ駆動回路)とが接続されている。演出制御基板41は、これらランプドライバ部16bやモータドライバ部50aに指示を行って光表示装置16aによる光表示動作や可動体役物モータ50の動作を制御する。
【0065】
また、演出制御基板41には、可動体役物の動作を監視するための原点スイッチ51や位置検出センサ52が接続されている。
原点スイッチ51は、例えばフォトインターラプタ等で構成され、可動体役物モータ50が原点位置にあるか否かを検出する。原点位置は、例えば可動体が図2の盤面に通常は表出しない位置などとされる。演出制御基板41は、この原点スイッチ51の検出情報に基づいて可動体役物モータ50が原点位置にあるか否かを判定可能とされている。
また、演出制御基板41は、位置検出センサ52からの検出情報に基づき、可動体役物の現在の動作位置(例えば、原点位置からの移動量)を監視しながらその動作態様を制御する。さらに演出制御基板41は、位置検出センサ52からの検出情報に基づき、可動体役物の動作の不具合を監視し、不具合が生じれば、これをエラーとして検出する。
【0066】
また演出制御基板41には、操作部14として示す演出ボタン14a、十字キー14b、決定ボタン14cの操作検出スイッチが接続され、演出制御基板41は、演出ボタン14a、十字キー14b、決定ボタン14cからの操作検出信号をそれぞれ受信可能とされている。
【0067】
さらに、演出制御基板41には、図1に示した発射操作ハンドル15が遊技者に触れられているか否かを検出するためのハンドルセンサ53(タッチセンサ)が設けられている。演出制御基板41はこのハンドルセンサ53の検出情報に基づいて発射操作ハンドル15が使用者によりタッチされているか否かを判定可能とされる。
【0068】
演出制御基板41は、主制御基板40から送られてくる演出制御コマンドに基づき、予め用意された複数種類の演出パターンの中から抽選により、又は一意に演出パターンを選択(決定)し、必要なタイミングで各種の演出手段を制御して、目的の演出を現出させる。これにより、演出パターンに対応する液晶表示装置20による演出画像の表示、スピーカ17からの音の再生、装飾ランプ16やLEDの点灯点滅駆動が実現され、種々の演出パターン(装飾図柄変動表示動作や予告演出など)が時系列的に展開されることにより、広義の意味での「演出シナリオ」が実現される。
【0069】
ここで、演出制御コマンドについて、演出制御基板41(CPU41a)は、主制御基板40(CPU40a)が送信する上述したストローブ信号の入力に基づき割込み処理を発生させてその受信・解析を行う。具体的に、CPU41aは、上述したストローブ信号の入力に基づいてコマンド受信割込処理用の制御プログラムを実行し、これにより実現される割込み処理において、演出制御コマンドを取得し、コマンド内容の解析を行う。
この際、CPU41aは、ストローブ信号の入力に基づいて割込みが発生した場合には、他の割込みに基づく割込み処理(定期的に実行されるタイマ割込処理)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を行い、他の割込みが同時に発生してもコマンド受信割込処理を優先的に行うようになっている。
【0070】
<3.動作の概要説明>
次に、上記のような制御構成(図4)により実現される遊技機1の遊技動作の概要について説明する。
【0071】
[3.1 遊技状態]
本実施形態に係る遊技機1では、特別遊技状態である大当り遊技の他、複数種類の遊技状態を設定可能に構成されている。本実施形態の理解を容易なものとするために、先ず、種々の遊技状態について説明する。
【0072】
本実施形態の遊技機1は、低確率状態又は高確率状態のどちらかと、非時短状態又は時短状態のどちらかとが組み合わされたいずれかの遊技状態で遊技が進行する。
【0073】
低確率状態は、後述する大当り抽選の当選確率が相対的に低い状態であり、高確率状態は、大当り抽選の当選確率が相対的に高い状態である。
非時短状態は、第2始動口24に遊技球が相対的に入球しにくい状態であり、時短状態は、第2始動口24に遊技球が相対的に入球しやすい状態である。本実施形態では、時短状態の方が非時短状態よりも、後述する普図当り抽選に当選したときの第2始動口24の開放時間が長く設定されている。しかしながら、時短状態の方が非時短状態よりも第2始動口24に遊技球が入球しやすいのであれば、時短状態の方が非時短状態よりも、例えば、普図当り抽選の当選確率を高くしたり、普通図柄の変動時間を短くしたりしてもよい。
【0074】
本実施形態において、「通常状態」とは、低確率状態及び非時短状態を言い、初期状態に相当する。
【0075】
[3.2 図柄変動表示ゲーム]
(特図保留について)
遊技機1では、第1始動口23又は第2始動口24へ遊技球が入球した場合、すなわち、第1始動口検出センサ23a又は第2始動口検出センサ24aからの検出信号の入力があった場合、後述する特別図柄変動表示ゲームに係る乱数(大当り判定用乱数、特別図柄判定用乱数、変動パターン用乱数)が取得され、これらの乱数を保留データとして、所定の上限値である最大保留記憶数(例えば最大4個)までRAM40cの特図保留記憶エリアに記憶されるようになっている。
この特図保留記憶エリアは、特図1側と特図2側とに対応した特図保留記憶エリア、すなわち、特図1保留記憶エリアと、特図2保留記憶エリアとが設けられている。
【0076】
これら特図保留記憶エリアには、保留1記憶エリア~保留n記憶エリア(nは最大保留記憶数:本実施形態ではn=4)が設けられており、それぞれ最大保留記憶数分の保留データを格納可能となっている。なお、特図1保留記憶エリア及び特図2保留記憶エリアの最大保留記憶数は特に制限されない。また、各図柄の最大保留記憶数の全部又は一部が異なっていてもよく、その数は遊技性に応じて適宜定めることができる。
この特図保留記憶エリアに記憶されている保留データに係る遊技球を、「保留球」とも称する。この保留球の数を遊技者に明らかにするため、複合表示装置22cにおける特図1及び特図2の保留球数に対応するドット表示器を点灯表示させたり、液晶表示装置20(主液晶表示装置20M又は副液晶表示装置20S)による画面中にアイコン画像として設けた保留表示器を点灯表示させたりする。
【0077】
(特別図柄変動表示ゲーム)
本実施形態の遊技機1では、所定の始動条件、具体的には、第1始動口23又は第2始動口24に遊技球が入球(入賞)したことに基づき、主制御基板40において乱数抽選による「大当り抽選」が行われる。主制御基板40は、大当り抽選の抽選結果に基づき、特別図柄表示装置22a、22bに特別図柄1、特別図柄2を変動表示して特別図柄変動表示ゲームを開始させ、所定の変動時間の経過後に、その結果を特別図柄表示装置22a、22bに表示して、これにより特別図柄変動表示ゲームを終了させる。なお、特に必要のない限り、「特別図柄1」と「特別図柄2」とを単に「特別図柄」と称する(場合により「特図」と略称する)。
【0078】
ここで本実施形態では、第1始動口23への入賞に基づく特図1の大当り抽選と、第2始動口24への入賞に基づく特図2の大当り抽選とは別個独立して行われる。このため、特図1の大当り抽選結果は特別図柄表示装置22aで、特図2の大当り抽選結果は特別図柄表示装置22bで表示されるようになっている。具体的には、特別図柄表示装置22aにおいては、第1始動口23に遊技球が入球したことを条件に、特図1を変動表示して第1の特別図柄変動表示ゲームが開始され、他方、特別図柄表示装置22bにおいては、第2始動口24に遊技球が入球したことを条件に、特図2を変動表示して第2の特別図柄変動表示ゲームが開始されるようになっている。そして、特別図柄表示装置22a又は特別図柄表示装置22bにおける特別図柄変動表示ゲームが開始されると、所定の変動時間の経過後に、大当り抽選結果が「大当り」の場合には所定の「大当り」態様で、それ以外の場合には所定の「はずれ」態様で、変動表示中の特別図柄が停止表示され、これによりゲーム結果(大当り抽選結果)が報知されるようになっている。
【0079】
なお、説明の便宜上、特別図柄表示装置22a側の第1の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム1」と称し、特別図柄表示装置22b側の第2の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム2」と称する。また「特別図柄変動表示ゲーム1」と「特別図柄変動表示ゲーム2」とを単に「特別図柄変動表示ゲーム」と称する。
【0080】
大当り抽選結果が「大当り」となった場合、すなわち、特別図柄変動表示ゲームが終了し、その結果として特別図柄表示装置22a又は特別図柄表示装置22bに「大当り」態様で特別図柄が停止表示された場合、その後に、特別図柄変動表示ゲーム中よりも遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技)が発生する。
大当り遊技は、詳しくは後述するように、大当り遊技が開始する旨を報知するための開放前インターバル時間(オープニング時間)が経過した後、第1大入賞口27又は第2大入賞口28が開放されてから所定時間(最大開放時間:例えば、29.8)経過するか、第1大入賞口27又は第2大入賞口28に入球した遊技球数が所定個数(最大入賞数)に達すると、第1大入賞口27又は第2大入賞口28が閉鎖されるといった「ラウンド遊技」が、予め定められた規定ラウンド数(例えば、最大10ラウンド)繰り返される。そして、規定ラウンド数終了後に、大当り遊技が終了する旨を報知するための開放後インターバル時間(エンディング時間)が経過すると、大当り遊技が終了するようになっている。なお、数字の後の「s」は「秒」である。
【0081】
(装飾図柄変動表示ゲーム)
また、上述の特別図柄変動表示ゲームが開始されると、これに伴って、主液晶表示装置20Mに装飾図柄(演出的な遊技図柄)を変動表示して装飾図柄変動表示ゲームが開始され、これに付随して種々の演出が展開される。そして特別図柄変動表示ゲームが終了すると、装飾図柄変動表示ゲームも終了し、特別図柄表示装置22a、22bには大当り抽選結果を示す所定の特別図柄が、そして主液晶表示装置20Mには当該大当り抽選結果を反映した装飾図柄が導出表示されるようになっている。すなわち、装飾図柄の変動表示動作を含む演出的な装飾図柄変動表示ゲームにより、特別図柄変動表示ゲームの結果を反映表示するようになっている。
【0082】
従って、例えば特別図柄変動表示ゲームの結果が「大当り」である場合(大当り抽選結果が「大当り」である場合)、装飾図柄変動表示ゲームではその結果を反映させた演出が展開される。そして特別図柄表示装置22a、22bにおいて、特別図柄が大当りを示す表示態様(例えば、7セグが「7」の表示状態)で停止表示されると、主液晶表示装置20Mには、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、装飾図柄が「大当り」を反映させた表示態様(例えば「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、3個の装飾図柄が「7」「7」「7」の表示状態)で停止表示される。
【0083】
上記の装飾図柄変動表示ゲームの実行に必要な情報に関しては、先ず主制御基板40が、第1始動口23又は第2始動口24に遊技球が入球したことに基づき、具体的には、第1始動口検出センサ23a又は第2始動口検出センサ24aにより遊技球が検出されて始動条件(特別図柄に関する始動条件)が成立したことを条件に、「大当り」又は「はずれ」の何れであるかを抽選する大当り抽選と、最終的に停止表示される特別図柄の種別(大当り種別、はずれ種別)を抽選する図柄抽選とを行い、その抽選結果に基づき、特別図柄の変動パターンを決定する。
図柄抽選では、大当り抽選結果が「大当り」であったならば複数の大当り種別のいずれかを、「はずれ」であったならば複数のはずれ種別のいずれかを抽選により決定する。ただし、大当り種別及びはずれ種別は1つのみであってもよく、その場合、抽選を行うことなく決定してもよい。
そして、主制御基板40は、処理状態を特定する演出制御コマンドとして、少なくとも特別図柄の変動パターンの情報(変動パターン情報(例えば、大当り抽選結果及び特別図柄の変動時間に関する情報等))を含む「変動パターン指定コマンド」を演出制御基板41側に送信する。これにより、装飾図柄変動表示ゲームに必要とされる基本情報が演出制御基板41に送られる。
【0084】
特別図柄の変動パターン情報には、特定の予告演出(例えば、後述の「リーチ演出」や「疑似連演出」など)の発生の有無を指定する情報を含むことができる。詳述するに、特別図柄の変動パターンは、大当り抽選結果に応じて、当りの場合の「当り変動パターン」と、はずれの場合の「はずれ変動パターン」に大別される。これら変動パターンには、例えば、リーチ演出の発生を指定する‘リーチ変動パターン’、リーチ演出の発生を指定しない‘通常変動パターン’、疑似連演出とリーチ演出との発生(重複発生)を指定する‘疑似連有りリーチ変動パターン’、疑似連演出の発生を指定し、リーチ演出の発生は指定しない‘疑似連有り通常変動パターン’等、複数種類の変動パターンが含まれる。なお、リーチ演出や疑似連演出の演出時間を確保する関係上、通常、リーチ演出や疑似連演出を指定する変動パターンの方が、通常変動パターンよりも変動時間が長く定められている。
【0085】
演出制御基板41は、主制御基板40から送られてくる演出制御コマンド(ここでは、変動パターン指定コマンドと装飾図柄指定コマンド)に含まれる情報に基づいて、装飾図柄変動表示ゲーム中に時系列的に展開させる演出内容(予告演出等の演出シナリオ)や、最終的に停止表示する装飾図柄(装飾停止図柄)を決定し、特別図柄の変動パターンに基づくタイムスケジュールに従い装飾図柄を変動表示して装飾図柄変動表示ゲームを実行させる。これにより、特別図柄表示装置22a、22bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、主液晶表示装置20Mによる装飾図柄が変動表示され、特別図柄変動表示ゲームの期間と装飾図柄変動表示ゲーム中の期間とが、実質的に同じ時間幅となる。また演出制御基板41は、演出シナリオに対応するように、主液晶表示装置20M又は光表示装置16a或いは音響発生装置17aをそれぞれ制御し、装飾図柄変動表示ゲームにおける各種演出を展開させる。これにより、主液晶表示装置20Mでの画像の再生(画像演出)と、効果音の再生(音演出)と、装飾ランプ16やLEDなどの点灯点滅駆動(光演出)とが実現される。
【0086】
このように特別図柄変動表示ゲームと装飾図柄変動表示ゲームとは不可分的な関係を有し、特別図柄変動表示ゲームの表示結果を反映したものが装飾図柄変動表示ゲームにおいて表現されることとしているので、この二つの図柄変動表示ゲームを等価的な図柄遊技と捉えても良い。本明細書中では特に必要のない限り、上記二つの図柄変動表示ゲームを単に「図柄変動表示ゲーム」と称する場合がある。
【0087】
(普図保留について)
遊技機1では、普通図柄ゲート26へ遊技球が通過した場合、すなわち、普通図柄ゲート検出センサ26aからの検出信号の入力があった場合、普通図柄変動表示ゲームに係る乱数(普図当り判定用乱数)が取得され、この乱数を保留データとして、所定の上限値である最大保留記憶数(例えば最大4個)までRAM40cの普図保留記憶エリアに保留記憶されるようになっている。
普図保留記憶エリアには、保留1記憶エリア~保留n記憶エリア(nは最大保留記憶数:本実施形態ではn=4)が設けられており、それぞれ最大保留記憶数分の保留データを格納可能となっている。なお、普図保留記憶エリアの最大保留記憶数は特に制限されない。
この普図保留記憶エリアに記憶されている保留データに係る遊技球を、「普図保留球」とも称する。この普図保留球の数を遊技者に明らかにするため、複合表示装置22cにおける普図保留球数に対応するドット表示器を点灯表示させたり、液晶表示装置20(主液晶表示装置20M又は副液晶表示装置20S)による画面中にアイコン画像として設けた保留表示器を点灯表示させたりする。
【0088】
(普通図柄変動表示ゲーム)
遊技機1においては、普通図柄ゲート26に遊技球が通過したことに基づき、主制御基板40において乱数抽選による「普図当り抽選」が行なわれる。この抽選結果に基づき、LEDにより表現される普通図柄を複合表示装置22dに変動表示させて普通図柄変動表示ゲームを開始し、所定の変動時間の経過後に、その結果をLEDの点灯と非点灯の組合せにて停止表示するようになっている。例えば、普図当り抽選の結果が「普図当り」であった場合、普図当り種別に応じて、複合表示装置22dの特定のLEDを特定の点灯状態(例えば、2個のLEDが全て点灯状態、又は「○」と「×」を表現するLEDのうち「○」側のLEDが点灯状態)にて停止表示させる。なお、本実施形態では、普図当り種別は1種類のみ設けられている。
【0089】
この「普図当り」となった場合には、普通電動役物ソレノイド25a(図4参照)が作動し、第2始動口24が開放又は拡大されて遊技球が流入し易い状態(始動口開状態)となり、第2始動口24が閉鎖しているときよりも遊技者に有利な遊技状態(以下、「普電開放遊技」と称する)が発生する。この普電開放遊技では、普通電動役物25により第2始動口24の開放時間が所定時間(例えば5.7s)経過するまでか、又は第2始動口24に入賞した遊技球数が所定個数(例えば10個)に達するまで、その入賞領域が開放又は拡大され、これら何れかの条件を満たした場合に第2始動口24を閉鎖する、といった動作が所定回数(たとえば、最大1回)繰り返されるようになっている。
【0090】
[3.3 大当りについて]
続いて、遊技機1における「大当り」について説明する。
遊技機1では、大当り種別として「4R1」「10R」「4R2」が設けられており、大当り抽選の結果が「大当り」であった場合に、図柄抽選において大当り種別の抽選が行われる。
なお、上記「R」の表記は、規定ラウンド数(最大ラウンド数)を意味する。
【0091】
大当り種別は、条件装置の作動契機となる当りである。ここで「条件装置」とは、その作動がラウンド遊技を行うための役物連続作動装置の作動に必要な条件とされている装置で、特定の特別図柄の組合せが表示され、又は遊技球が大入賞口内の特定の領域を通過した場合に作動するものを言う。
【0092】
大当り遊技が実行された場合、大当り当選時の遊技状態、決定された大当り種別に応じて、大当り遊技の終了後の遊技状態、確変回数、時短回数が決定される。
確変回数は、大当り遊技後の遊技状態が高確率状態である場合に設定される。遊技機1では、大当り遊技後の高確率状態が、特別図柄変動表示ゲームの実行回数が確変回数(例えば154回)を終了するまで継続し、大当り抽選で大当りに当選することなく確変回数の特別図柄変動表示ゲームが終了すると、遊技状態が低確率状態に設定(移行)される。
時短回数は、大当り遊技後の遊技状態が時短状態である場合に設定される。遊技機1では、大当り遊技後の時短状態が、特別図柄変動表示ゲームの実行回数が時短回数(例えば150回)を終了するまで継続し、大当り抽選で大当りに当選することなく時短回数の特別図柄変動表示ゲームが終了すると、遊技状態が非時短状態に設定(移行)される。
但し、遊技機1は、確変回数及び時短回数が大当り抽選において大当りに当選するまで(次回まで)継続するタイプの「一般確変機」としてもよい。
なお、時短回数は、特別図柄変動表示ゲーム1及び特別図柄変動表示ゲーム2の合計実行回数(特図1及び特図2の合計変動回数)であってもよいし、何れか一方の実行回数(例えば特別図柄変動表示ゲーム2の実行回数)であってもよい。
【0093】
ここで、本実施形態では、大当り種別と同様に「はずれ」についても複数のはずれ種別が設けられている。具体的には、「はずれ1」「はずれ2」「はずれ3」の三種のはずれ種別が設けられている。
上記のように、大当り抽選の結果が「はずれ」であった場合には、図柄抽選においてはずれ種別の抽選が行われる。
【0094】
[3.4 演出について]
(演出モード)
次に、演出モード(演出状態)について説明する。本実施形態の遊技機1には、遊技状態に関連する演出を現出させるための複数種類の演出モードが設けられており、その演出モード間を行き来可能に構成されている。具体的には、設定されている遊技状態に対応した演出モードが設けられている。各演出モードでは、装飾図柄の変動表示画面のバックグラウンドとしての背景表示が、それぞれ異なる背景演出により表示され、遊技者が現在、どのような遊技状態に滞在しているかを把握することができるようになっている。
【0095】
演出制御基板41(CPU41a)は、複数種類の演出モード間を移行制御する機能部(演出状態移行制御手段)を有する。演出制御基板41(CPU41a)は、主制御基板40(CPU40a)から送られてくる特定の演出制御コマンド、具体的には、主制御基板40側で管理される遊技状態情報を含む演出制御コマンドに基づいて、主制御基板40側で管理される遊技状態と整合性を保つ形で、現在の遊技状態を把握し、複数種類の演出モード間を移行制御可能に構成されている。上記のような特定の演出制御コマンドとしては、例えば、変動パターン指定コマンド、装飾図柄指定コマンド、遊技状態に変化が生じる際に送られる遊技状態指定コマンド等がある。
【0096】
(予告演出)
次に、予告演出について説明する。演出制御基板41は、主制御基板40からの演出制御コマンドの内容、具体的には、少なくとも変動パターン指定コマンドに含まれる変動パターン情報に基づき、現在の演出モードと大当り抽選結果とに関連した様々な「予告演出」を現出制御可能に構成されている。このような予告演出は、当り種別に当選したか否かの期待度(以下「当選期待度」と称する)を示唆(予告)し、遊技者の当選期待感を煽るための「煽り演出」として働く。予告演出として代表的なものには、「リーチ演出」や「疑似連演出」、さらには「先読み予告演出」等がある。演出制御基板41は、これら演出を実行(現出)制御可能な予告演出制御手段として機能する。
【0097】
「リーチ演出」とは、リーチ状態を伴う演出態様(リーチ状態を伴う変動表示態様:リーチ変動パターン)を言い、具体的には、リーチ状態を経由して最終的なゲーム結果を導出表示するような演出態様を言う。リーチ演出には当選期待度に関連付けられた複数種類のリーチ演出が含まれる。例えば、ノーマルリーチ演出が出現した場合に比べて、当選期待度が相対的に高まるものがある。このようなリーチ演出を‘スーパーリーチ演出’と言う。この「スーパーリーチ」の多くは、当選期待感を煽るべく、ノーマルリーチよりも相対的に長い演出時間(変動時間)を持つ。また、ノーマルリーチやスーパーリーチには複数種類のリーチ演出が含まれる。スーパーリーチには、スーパーリーチ1、2、3、4という複数種類のリーチ演出が含まれ、これらスーパーリーチ1~4の当選期待度については「スーパーリーチ1<スーパーリーチ2<スーパーリーチ3<スーパーリーチ4」という関係性を持たせている。
【0098】
「疑似連演出」とは、装飾図柄の疑似的な連続変動表示状態(疑似連変動)を伴う演出態様を言い、「疑似連変動」とは、装飾図柄変動表示ゲーム中において、装飾図柄の一部又は全部を一旦仮停止状態とし、その仮停止状態から装飾図柄の再変動表示動作を実行する、といった表示動作を1回又は複数回繰り返す変動表示態様をいう。この点、複数回の図柄変動表示ゲームに跨って展開されるような後述の「先読み予告演出(連続予告演出)」とは異なる。このような「疑似連」は、基本的には、疑似変動回数が多くなるほど当選期待度が高まるようにその発生率(出現率)が定められており、例えば、疑似変動回数に応じて、スーパーリーチ等の期待感を煽るための演出が選択され易くされている。
【0099】
「先読み予告演出」(以下では「先読み予告」や「先読み演出」と略称する場合もある)とは、先読み判定の結果に基づいて、判定対象の図柄の変動表示が行われるよりも前に、有利状態に制御される可能性を報知する演出を意味する。なお、「有利状態」は、遊技者にとって有利な状態を意味する。
具体的に、先読み演出は、未だ図柄変動表示ゲームの実行(特別図柄の変動表示動作)には供されていない保留球(未消化の保留球)について、主に、保留表示態様や先に実行される図柄変動表示ゲームの背景演出等を利用して、当該保留球が図柄変動表示ゲームに供される前に、当選期待度を事前に報知し得る演出態様で行われる。なお、図柄変動表示ゲームにおいては、上記「リーチ演出」の他、いわゆる「SU(ステップアップ)予告演出」や「タイマ予告演出」、「復活演出」、「プレミア予告演出」などの種々の演出が発生し、ゲーム内容を盛り上げるようになっている。
【0100】
ここで、図5を参照し、上記先読み予告演出の一例としての「保留変化予告演出」について説明する。
本実施形態の遊技機1の場合、主液晶表示装置20Mの画面内の上側の表示エリアには、装飾図柄変動表示ゲームを現出する表示エリア(装飾図柄の変動表示演出や予告演出を現出するための表示領域)が設けられており、また画面内の下側の表示エリアには、特別図柄1側の保留球数を表示する保留表示領域60(保留表示部a1~d1)と特別図柄2側の保留球数を表示する保留表示領域61(保留表示部a2~d2)とが設けられている。保留球の有無に関しては、所定の保留表示態様により、その旨が報知される。図5では、保留球の有無を点灯状態(保留球あり:図示の「○(白丸印)」)、又は消灯状態(保留球なし:図示の破線の丸印)にて、現在の保留球数に関する情報が報知される例を示している。
【0101】
保留球の有無に関する表示(保留表示)は、その発生順(入賞順)に順次表示され、各保留表示領域60、61において、一番左側の保留球が、当該保留表示内の全保留球のうち時間軸上で一番先に生じた(つまり最も古い)保留球として表示される。また、保留表示領域60、61の左側には、現に特別図柄変動表示ゲームに供されている保留球を示すための変動中表示領域62が設けられている。本実施形態の場合、変動中表示領域62は、受座Jのアイコン上に、現在ゲームに供されているゲーム実行中保留Kのアイコンが載る形の画像が現れるように構成されている。すなわち、特別図柄1又は特別図柄2の変動表示が開始される際に、保留表示領域60、61に表示されていた最も古い保留a1又はa2のアイコン(アイコン画像)が、ゲーム実行中保留Kのアイコンとして、変動中表示領域62おける受座Jのアイコン上に移動し、その状態が所定の表示時間にわたって維持される。
【0102】
保留球が発生した場合、主制御基板40から、大当り抽選結果に関連する先読み判定情報と、先読み判定時の保留球数(今回発生した保留球を含め、現存する保留球数)とを指定する「保留加算コマンド」が演出制御基板41に送信される(図13参照)。
本実施形態の場合、上記保留加算コマンドは2バイトで構成され、保留加算コマンドは、先読み判定時の保留球数を特定可能とする上位バイト側のデータと、先読み判定情報を特定可能とする下位バイト側のデータとから構成される。
【0103】
ここで、上記説明から理解されるように、本実施形態では、第1始動口23又は第2始動口24に遊技球が入球して新たに保留球が生じたことに基づいて、その保留球に係る図柄変動表示ゲームについての大当り抽選が先読み判定として行われる。後述するように、主制御基板40は、このような先読み判定として行った大当り抽選の結果を表す情報を、RAM40cの該当記憶領域に保留記憶する。
先読み判定時に得られた大当り抽選結果の情報は、図柄変動表示ゲームにおける図柄変動パターンを選択(抽選)するために用いられるものであり、いわば「変動パターン選択用情報」と換言することができる。従って、主制御基板40は、先読み判定を行って、その結果得られる「変動パターン選択用情報」をRAM40cの所定領域に保留記憶していると言うことができる。
【0104】
演出制御基板41は、主制御基板40が送信した上記の保留加算コマンドを受信すると、これに含まれる先読み判定情報に基づき、上記保留表示に関連する表示制御処理の一環として、「先読み予告演出」に関する演出制御処理を行う。具体的には、先読み予告演出の実行可否を抽選する「先読み予告抽選」を行い、これに当選した場合には、先読み予告演出を現出させる。
【0105】
ここで、先読み判定情報とは、具体的には、主制御基板40において、保留球が図柄変動表示ゲームに供される際に実行される大当り抽選結果(変動開始時の大当り抽選結果)や変動開始時の変動パターンを先読み判定して得られる遊技情報である。すなわち、この情報には、少なくとも変動開始時の大当り抽選結果を先読み判定した情報(先読み当否情報)が含まれ、その他、図柄抽選結果を先読み判定した情報(先読み図柄情報)や変動開始時の変動パターンを先読み判定した情報(先読み変動パターン情報)を含ませることができる。如何なる情報を含む保留加算コマンドを演出制御基板41に送るかについては、先読み予告にて報知する内容に応じて適宜定めることができる。
なお、保留加算コマンドには先読み当否情報、先読み図柄情報、及び先読み変動パターン情報が含まれているものとする。
【0106】
なお、保留球発生時の先読み判定により得られる「先読み変動パターン」は、必ずしも保留球が実際に変動表示動作に供されるときに得られる「変動開始時の変動パターン」そのものではある必要はない。例えば、上記変動開始時の変動パターンが「スーパーリーチ1」を指定する変動パターンであるケースを代表的に説明すれば、本ケースでは、先読み変動パターンにより指定される内容が「スーパーリーチ1」というリーチ演出の種類そのものではなく、その骨子である「スーパーリーチ種別」である旨を指定することができる。
【0107】
本実施形態の場合、先読み予告抽選に当選した場合には、保留表示部a1~d1、a2~d2の保留アイコンのうちで、その先読み予告対象となった保留アイコンが、例えば、通常の保留表示(通常保留表示態様)の白色から、予告表示の青色、緑色、赤色、デンジャー柄(或いは虹色などの特殊な色彩や絵柄)による保留表示(特別保留表示態様)に変化し得る「保留表示変化系」の先読み予告演出(「保留変化予告」とも称する)が行われる。
図5では、ハッチングされた保留表示部b1の保留球が、特別保留表示に変化した例を示している。ここで、保留アイコンの青色、緑色、赤色、デンジャー柄の表示は、この順に、当選期待度が高いことを意味しており、特にデンジャー柄の保留アイコンの表示は、大当り当選期待度が極めて高い表示となるプレミアム的な保留アイコンとされている。
【0108】
(演出手段)
遊技機1における各種の演出は、遊技機1に配設された演出手段により現出される。この演出手段は、視覚、聴覚、触覚など、人間の知覚に訴えることにより演出効果を発揮し得る刺激伝達手段であれば良く、装飾ランプ16やLED装置などの光発生手段(光表示装置16a:光演出手段)、スピーカ17などの音響発生装置(音響発生装置17a:音演出手段)、主液晶表示装置20Mや副液晶表示装置20Sなどの演出表示装置(表示手段)、操作者の体に接触圧を伝える加圧装置、遊技者の体に風圧を与える風圧装置、その動作により視覚的演出効果を発揮する可動体役物などは、その代表例である。ここで、演出表示装置は、画像表示装置と同じく視覚に訴える表示装置であるが、画像によらないもの(例えば7セグメント表示器)も含む点で画像表示装置と異なる。画像表示装置と称する場合は主として画像表示により演出を現出するタイプを指し、7セグメント表示器のように画像以外により演出を現出するものは、上記演出表示装置の概念の中に含まれる。
【0109】
<4.主制御基板の処理>
続いて、本実施形態の主制御基板40が行う処理について説明する。主制御基板40の処理は、主に、メイン処理(主制御側メイン処理:図6)と、CTCからの定時割込みで起動されるタイマ割込み処理(主制御側タイマ割込み処理:図8)とを含んで構成される。
【0110】
[4.1 主制御側メイン処理]
図6は、主制御側メイン処理を示したフローチャートである。
主制御側メイン処理が開始されるのは、停電状態や電源異常等からの復旧時に電源基板200からのシステムリセット信号によるシステムリセットが生起した場合や、制御プログラムが暴走したことによりウォッチドッグタイマ(WDT)が発揮されてCPU40aが強制的にリセット(WDTリセット)される場合等がある。何れの場合でも、主制御側メイン処理が開始されると、ステップS101でCPU40aは、CPU40aを含む各部のレジスタの値を初期設定する等の遊技動作開始に必要な初期設定処理を実行する。
【0111】
ステップS101の初期設定処理が完了すると、CPU40aはステップS102で、バックアップフラグがON状態か否か(バックアップフラグ=5AHがON状態)を判定する。
遊技機1において、電源遮断時には、主制御側タイマ割込み処理における後述する電源チェック・バックアップ処理(ステップS201、図8参照)により、RAM40cの記憶情報についてバックアップのための処理が行われる。電源遮断時に適正にバックアップ処理が行われた場合には、バックアップフラグがON状態とされる。このためステップS102ではバックアップフラグを確認して、バックアップ復帰可能であるか否かの判定を行う。
【0112】
ステップS102において、バックアップフラグがONでないと判定した場合、CPU40aはステップS103に進み、バックアップフラグOFF時の対応処理を行い、ステップS108に処理を進める。なお、ステップS103では、バックアップフラグがOFFであった場合の処理として予め定められた所定処理(例えば、RAM40cに必要情報を記憶させる処理等)を行う。
【0113】
一方ステップS102において、バックアップフラグがONであると判定した場合、CPU40aはステップS104で、RAMクリア条件(RAMクリア処理への移行条件)が成立しているか否かを判定する。具体的には、RAMクリアスイッチ34がONの状態であるか否かを判定する。
RAMクリア条件が成立していると判定した場合、CPU40aはステップS105のRAMクリア処理を実行し、ステップS108に処理を進める。
ステップS105のRAMクリア処理は、RAM40cにおけるワーク領域を含む所定領域(使用領域)内の値を初期化する処理である。
【0114】
ステップS104において、RAMクリア条件が成立していないと判定した場合、CPU40aはステップS106に進んでバックアップ復帰時のコマンド送信処理として、バックアップ復帰時に対応した所定の演出制御コマンドを演出制御基板41に送信する処理を行う。
【0115】
ステップS106に続くステップS107でCPU40aは、バックアップ復帰処理を行う。バックアップ復帰処理は、電源遮断時にバックアップされたRAM40cの記憶内容に基づいて、電源投入後に電源遮断前の動作に復帰させる処理となる。具体的に、CPU40aは、電源遮断前におけるスタックポインタを復帰し、電源遮断時の処理状態から遊技動作を開始するための処理を行う。
また、バックアップ復帰処理では、バックアップ復帰した場合に対応した情報表示指示を行うための停電復帰表示コマンド(OB03H)が後述するステップS110のメインループ前処理において演出制御基板41に送信されるようにするべく、停電復帰表示コマンドの下位バイトデータをレジスタに記憶する処理を実行する。
【0116】
ステップS107のバックアップ復帰処理を実行したことに応じ、CPU40aはステップS108に処理を進める。上述のように、先のステップ103の処理を行った場合、ステップS105の処理を行った場合もCPU40aはステップS108に処理を進める。
【0117】
ステップS108でCPU40aは、例えば4ms等の所定時間毎に定期的にタイマ割込みを発生させるためのCTCの設定を行う。
このステップS108の設定処理が行われることで、以降、割込みコントローラへの割込み要求信号が定期的に出力され、主制御側タイマ割込み処理が実行される。
【0118】
ステップS108に続くステップS109でCPU40aは、遊技開始を指示するための演出制御コマンドを演出制御基板41に送信する処理を行い、次いで、ステップS110に処理を進めてメインループ前処理を実行する。
メインループ前処理では、役物としての可動体を動作させる可動体役物モータ50のイニシャライズ(原点復帰)指示を行うためのコマンド、特図1、特図2の保留球数を示すコマンドの送信処理、内部機能レジスタの設定処理、性能表示モニタ点灯用タイマを5sにセットする処理、払出制御基板42に対する発射許可信号をONとする処理などが実行される。
そして、ステップS111でCPU40aは、メインループ処理を実行する。
【0119】
(メインループ処理)
図7は、ステップS111のメインループ処理を示したフローチャートである。
図7のメインループ処理において、CPU40aは、ステップS121で割込み禁止状態に設定し、続くステップS122で乱数更新処理を実行する。この乱数更新処理では、特別図柄変動表示ゲームや普通図柄変動表示ゲームに使用される各種乱数(インクリメント処理によって所定数値範囲を循環している大当り抽選に係る乱数(特別図柄判定用乱数)や、普図当り抽選に係る乱数(普図当り判定用乱数)の初期値(スタート値)変更のために使用する乱数(特別図柄判定用初期値乱数、普図当り判定用初期値乱数)や、変動パターンの選択に利用される変動パターン用乱数を更新する。
【0120】
本実施形態のRAM40cには、大当り抽選に係る図柄抽選、普図当り抽選及び変動パターン抽選などに利用される各種の乱数カウンタとして、特別図柄判定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタ、特別図柄判定用乱数カウンタ、普図当り判定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタ、普図当り判定用乱数カウンタ、変動パターン用乱数カウンタ等が設けられている。これらのカウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を果たす。ステップS122の乱数更新処理では、上述の特別図柄判定用乱数カウンタや普図当り判定用乱数カウンタの初期値を生成する2つの初期値生成用カウンタ、変動パターン用乱数カウンタ等を更新して、上記各種のソフト乱数を生成する。例えば、仮に、変動パターン用乱数カウンタとして取り得る数値範囲が「0~9999」とすると、RAM40cの変動パターン用乱数の値を生成するためのカウント値記憶領域から値を取得し、取得した値に「1」を加算してから元のカウント値記憶領域に格納する。このとき、取得した値に「1」を加算した結果が「10000」であれば「0」を元の乱数カウンタ記憶領域に格納する。他の初期値生成用乱数カウンタも同様に更新する。
【0121】
ステップS122の乱数更新処理を終えると、CPU40aはステップS123で全レジスタの値を退避する処理を行った上で、ステップS124で性能表示モニタ集計除算処理を行う。
この性能表示モニタ集計除算処理は、上記した性能情報としての値(ここでは、例えば「通常時比率情報」としての値とする)を演算する処理である。通常時比率情報の値は、総払出個数と総アウト球数とを用いて算出されるものであるが、CPU40aは、総払出個数については、入賞口(第1始動口23、第2始動口24、一般入賞口31、第1大入賞口27、第2大入賞口28)に入賞した遊技球の数をカウントした結果に基づき算出し、総アウト球数については、遊技領域19から排出された遊技球の数をカウントすることで求める。
入賞球数のカウント、及びアウト球数のカウントは、主制御側タイマ割込み処理における後述する入力管理処理(図8のステップS204を参照)で行われる。CPU40aは、このようにタイマ割込み処理側で行う入賞球数のカウント、及びアウト球数のカウントのそれぞれによるカウント値に基づき、ステップS124において通常時比率情報としての値を演算する。上記のように、演算した通常時比率情報としての値は、RAM40cの所定領域(計測情報格納領域)に格納される。
なお、このように算出された通常時比率情報の値は、主制御側タイマ割込み処理における後述する性能表示モニタ表示処理(図8のステップS214を参照)によって性能表示器35に表示される。
【0122】
ステップS125でCPU40aは、全レジスタ復帰処理を行い、さらに続くステップS126で割込み許可状態に設定した上で、ステップS121に戻る。
【0123】
このようにステップS111のメインループ処理では、ステップS121~S126の処理が無限ループ状に繰り返される。CPU40aは、間欠的に実行されるタイマ割込み処理を行っている間を除いて、これらステップS121~S126の処理を繰り返し実行することになる。
【0124】
[4.2 主制御側タイマ割込み処理]
図8のフローチャートを参照して、主制御側タイマ割込処理について説明する。
主制御側タイマ割込処理は、CTCからの一定時間(4ms程度)ごとの割込みで起動され、主制御側メイン処理実行中に割り込んで実行される。
【0125】
図8に示すように、CPU40aは、タイマ割込みが生じると、ステップS201の電源チェック・バックアップ処理を実行する。この電源チェック・バックアップ処理では、主に、電源基板から供給されている電源レベルを監視し、電断が生じる等の異常が発生した場合、電源復帰時に支障なく遊技を復帰できるように、電断時における所定の遊技情報をRAM40cに格納するバックアップ処理等が行われる。
【0126】
ステップS201の電源チェック・バックアップ処理を終えると、CPU40aはステップS202で入力データ作成処理を実行する。具体的には、各種センサやスイッチから出力される入力情報(ON/OFF信号や、立ち上がり状態(ONエッジ、OFFエッジ))に基づき、入力データ作成する。
ここでの入力情報とは、例えば第1始動口検出センサ23a、第2始動口検出センサ24a、普通図柄ゲート検出センサ26a、第1大入賞口検出センサ27a、第2大入賞口検出センサ28a、一般入賞口検出センサ31a、OUT監視センサ32aなどの検出センサから出力される検出信号のON/OFF情報(入賞検出情報)や、RAMクリアスイッチ34等の各種スイッチから出力されるスイッチ信号のON/OFF情報(操作情報)や、払出制御基板42からの状態信号(前扉開放センサ48や満杯検出センサ47のON/OFF情報)、電波センサ、磁気センサ等である。これにより、アウト口や各入賞口において遊技球が検出されたか否かが割込みごとに監視される。
【0127】
ステップS202の入力データ作成処理を終えると、CPU40aはステップS203で、遊技動作制御に用いられるタイマを管理するタイマ管理処理を実行する。ここでは、遊技機1の遊技動作制御に用いる各種タイマの値について更新(減算処理)が行われる。
【0128】
次いで、CPU40aはステップS204で、入力管理処理を行う。この入力管理処理では、入力データ作成処理(S202)で作成された入力データに基づき、入賞カウンタやOUT球監視カウンタの値などを更新する。「入賞カウンタ」とは、入賞口ごとに対応して設けられ、入賞した遊技球数(入賞球数)を計数するカウンタである。またOUT球監視カウンタは、遊技領域19から排出される遊技球(アウト球)を計数するカウンタである。
【0129】
ステップS205でCPU40aは、エラー管理処理を実行する。このエラー管理処理では、各種センサ類に係る入力データや払出制御基板42からの状態信号に基づき、エラー発生の有無の監視を行う。
エラーが発生した場合には、CPU40aはエラー処理として、エラーコマンドの送信が必要なエラー種別である場合には当該するコマンドを演出制御基板41に送信する。演出制御基板41がこのエラーコマンドを受けると、エラー種別に応じたエラー報知を実行する。また、CPU40aは発生中のエラーが解消された場合、エラー解除コマンドを演出制御基板41に送信する。演出制御基板41がこのエラー解除コマンドを受けると、実行中のエラー報知を終了させる。
【0130】
次いで、CPU40aはステップS206で、各変動表示ゲームに係る乱数を定期的に更新するタイマ割込み内乱数管理処理を実行する。ここでは、乱数カウンタのカウント値をランダムなものとするために、特別図柄判定用乱数や普図当り判定用乱数などに対し、乱数の更新(割込み毎に+1加算)と、乱数カウンタが一周するごとに、乱数カウンタのスタート値を変更する処理を行う。なお大当り判定用乱数は、乱数生成回路で生成されるので、ここで更新されることはない。
【0131】
ステップS207でCPU40aは、賞球管理処理を実行する。この賞球管理処理では、上記の入賞カウンタの確認を行い、入賞がある場合には、賞球数を指定する払出制御コマンドを払出制御基板42に送信する。払出制御基板42は、払出制御コマンドを受信した場合、これに含まれる賞球数情報に基づき遊技球払出装置46を制御し、指定された賞球数分の払い出し動作を実行させる。
【0132】
次いで、ステップS300でCPU40aは、普通図柄管理処理を実行する。この普通図柄管理処理では、普通図柄変動表示ゲームを実行させるために必要な処理を行う。
なお、ステップS300の普通図柄管理処理の詳細については後述する。
【0133】
さらに、ステップS208でCPU40aは、普通電動役物管理処理を実行する。この普通電動役物管理処理では、普電開放遊技を実行させるために必要な普通電動役物の動作制御に係る処理を行う。
【0134】
次いで、ステップS400でCPU40aは、特別図柄管理処理を実行する。この特別図柄管理処理では、主に、特別図柄変動表示ゲームにおける大当り抽選を行い、その抽選結果に基づいて、特別図柄の変動パターン(先読み変動パターン、及び変動開始時の変動パターン)の決定等、特別図柄変動表示ゲームを実行させるために必要な処理を行う。
なお、ステップS400の特別図柄管理処理の詳細については後述する。
【0135】
次いで、ステップS209でCPU40aは、特別電動役物管理処理を実行する。この特別電動役物管理処理では、大当り遊技を実行させるために必要な特別電動役物の動作制御に係る処理を行う。
【0136】
上記ステップS209までの遊技進行のための処理を終えると、CPU40aはステップS210で、外部端子管理処理を行う。この外部端子管理処理では、枠用外部集中端子基板43を通して、遊技機1の動作状態情報をホールコンピュータHCや島ランプなどの外部装置に対して出力する。動作状態情報には、例えば、大当り遊技発生情報、図柄変動表示ゲーム実行開始情報、入賞数・賞球数情報、エラー情報などの遊技情報がある。
【0137】
次いで、ステップS211でCPU40aは、LED管理処理を実行する。このLED管理処理では、特別図柄表示装置22a、22b、複合表示装置22c、22dなどのLED表示器に対する制御信号(ダイナミック点灯データ)の出力処理を行う。普通図柄管理処理(ステップS300)、特別図柄管理処理(ステップS400)などで作成された表示用データに基づく制御信号は、このLED管理処理で対応する表示装置又は表示器に出力され、表示制御が行われる。これにより、特別図柄表示装置22a、22bにおける特別図柄や複合表示装置22dにおける普通図柄の一連の変動表示動作(変動表示及び停止表示)等が実現される。
【0138】
ステップS211に続くステップS212でCPU40aは、ソレノイド管理処理を実行する。ここでは、前述した普通電動役物25を動作させる普通電動役物ソレノイド25a、第1大入賞口27を開閉する第1特別電動役物29を動作させる第1特別電動役物ソレノイド29a、第2大入賞口28を開閉する第2特別電動役物30を動作させる第2特別電動役物ソレノイド30a等、遊技機1が備える所定のソレノイドに対する制御信号(制御データ)を出力する処理を行う。
【0139】
ステップS212に続くステップS213でCPU40aは、全レジスタの値を退避させた上で、ステップS214の性能表示モニタ表示処理を行う。すなわち、性能表示器35に上記した通常時比率情報としての値を表示させるための処理である。
そして、通常時比率情報の値は全状態アウト球数が所定規定値に達するごとに演算し直されるものであり、性能表示器35は、現在の通常時比率情報と前回の通常時比率情報(直近の演算し直しタイミングにおいて演算終了とされた通常時比率情報)とを表示可能とされている。このため、この場合のステップS214の表示処理では、性能表示器35にこれら二種の通常時比率情報としての値を表示させる処理を行う。
なお、現在の通常時比率情報の値は、上記したメインループ処理(図7)におけるステップS124の処理で算出される値であり、前回の通常時比率情報の値は、RAM40cの所定領域に保存され、CPU40aは保存値を読み出して性能表示器35に表示させる。
【0140】
ステップS214に続くステップS215でCPU40aは、全レジスタの値を復帰させ、ステップS216でWDTのカウント値をクリアし、主制御側タイマ割込み処理を終了する。
【0141】
以上のタイマ割込み処理が終了すると、CPU40aは次のタイマ割込みが発生するまでの間、メインループ処理(S111)を実行する。
【0142】
(普通図柄管理処理)
図9は、普通図柄管理処理を示すフローチャートである。
図9に示すように、ステップS301でCPU40aは、普通図柄ゲート検出センサ26aからの検出信号に基づき、普通図柄ゲート26への遊技球の通過を検出したか否かを判定する。
【0143】
普通図柄ゲート26への遊技球の通過を検出したと判定した場合、ステップS302でCPU40aは、普図保留球数が4以上であるか否か判定する。すなわち、普図保留球数が最大保留記憶数(ここでは、上限4個)以上であるか否かを判定する。ただし、普通図柄ゲート26への遊技球の通過を検出しなかった場合(ステップS301:N)、及び、普図保留球数が4個であると判定した場合は、ステップS302~ステップS304をパスしてステップS305に進む。
【0144】
一方、普図保留球数が4以上でないと判定した場合(4未満の場合)、CPU40aは、ステップS303で普図保留球数に1を加算し、ステップS304で今回発生した普図保留球に係る普図当り判定用乱数をRAM40cの普図保留記憶エリアに格納する。
【0145】
ステップS305でCPU40aは、普図当りフラグの状態を判定する。この「普図当りフラグ」とは、普電開放遊技中であるか否かを指定するためのフラグであり、当該フラグがON状態(例えば5AH)である場合には普電開放遊技中である旨を示し、当該フラグがOFF状態(例えば00H)である場合には普電開放遊技中ではない旨を示す。
【0146】
普図当りフラグがOFF状態(≠5AH)の場合、すなわち普電開放遊技中でない場合、ステップS306でCPU40aは、普通図柄動作ステータス(00H~02H)に応じて普通図柄の変動表示動作に関する処理を分岐させる普通図柄動作ステータス判定処理を実行する。
【0147】
ステップS306の普通図柄動作ステータス判定処理では、普通図柄動作ステータスが「変動開始時(00H)」「変動中(01H)」「確認時間中(02H)」の何れかであるかに応じて、それぞれ対応する処理を実行する。なお「普通図柄動作ステータス」とは、普通図柄の挙動を示す値であり、その値は処理状態に応じて変更され、RAM40cの普通図柄動作ステータス格納領域に格納される。
【0148】
具体的に、CPU40aは、普通図柄動作ステータスが「変動開始時(00H)」である場合、ステップS307で普図保留球数がゼロか否かを判定し、普図保留球数がゼロであると判定した場合には、ステップS308~ステップS313の処理をパスし、ステップS320に進む。
【0149】
一方、普図保留球数がゼロでないと判定した場合、ステップS308でCPU40aは、普図保留球数を1減算し、図10に示す普図当り判定テーブルを参照して、普図保留記憶エリアに格納されている普図当り判定用乱数(保留データ)のうちの最も先に記憶された普図当り判定用乱数に基づく普図当り抽選を行う。
【0150】
図10は、普図当り判定テーブルの一例を説明する図である。
ここで、ROM40bの所定の領域には、図10に示すような普図当り判定テーブルが記憶されている。普図当り判定テーブルには、低確率状態と高確率状態との判定基準値THが示されている。
本実施形態における普図当り抽選では、普図当り判定用乱数がとり得る値の範囲(0~250)内において判定基準値THを定め、普図当り判定用乱数と判定基準値THの大小関係を比較した結果に基づき、普図当り又ははずれの判定を行う。一例として、普図当り判定用乱数の値が「0~判定基準値TH」の範囲内である場合に普図当りの判定結果を、それ以外の場合にはずれの判定結果を得る手法を採っている。
図10に示す例では、低確率状態及び高確率状態の両方とも判定基準値THが250に設定されている。したがって、本実施形態では、低確率状態及び高確率状態のいずれの場合であっても、普図当り抽選で必ず普図当りに当選する。
【0151】
図11は、普通図柄変動表示ゲームに関する当り種別、変動時間、確定時間の一例を説明する図である。
ステップS310でCPU40aは、図11に示すように、普図当り抽選の抽選結果、及び、設定されている遊技状態に基づいて当り種別が決定され、決定された当り種別に対応する停止図柄を作成する停止図柄作成処理を行う。ここでは、上記したように、低確率状態及び高確率状態のいずれの場合であっても普図当り抽選で必ず普図当りに当選し、普図当りに当選した場合、図11に示すように、当り種別として「当り1」が決定され、「当り1」に対応する停止図柄が作成される。
【0152】
ステップS311でCPU40aは、遊技状態に基づく変動時間(図11参照)を普通図柄役物タイマに格納する。ここでは、低確率状態では132msが格納され、高確率状態では128msが格納されることになる。
【0153】
ステップS312でCPU40aは、RAM40cの普図保留記憶エリアに格納されている保留データをシフトする。ここでは、普図保留n記憶エリア(n=2、3、4)に格納されている保留データを、それぞれ‘n-1’に対応する普図保留記憶エリアに格納する。
【0154】
ステップS313でCPU40aは、変動開始時の各種設定を行い、ステップS320に進む。ここでは、例えば、普通図柄動作ステータスを「変動中(01H)」にし、保留4記憶エリアをクリアして空き領域を設け、普図変動中フラグをON状態にする。
【0155】
普通図柄動作ステータスが「変動中(01H)」である場合、CPU40aは、ステップS314で普通図柄役物タイマがゼロか否かを判定し、普通図柄役物タイマがゼロでないと判定した場合、ステップS315をパスしてステップS320に進む。
【0156】
一方、普通図柄役物タイマがゼロであると判定した場合、ステップS315でCPU40aは、変動停止時の各種設定を行い、ステップS320に進む。ここでは、例えば、普通図柄動作ステータスを「確認時間中(02H)」にし、図11に示すような遊技状態に基づいた確定時間(500ms)を普通図柄役物タイマに格納し、普図変動中フラグをOFF状態にする。
【0157】
普通図柄動作ステータスが「確認時間中(02H)」である場合、CPU40aは、ステップS316で普通図柄役物タイマがゼロか否かを判定し、普通図柄役物タイマがゼロでないと判定した場合、ステップS317~ステップS319をパスしてステップS320に進む。
【0158】
一方、普通図柄役物タイマがゼロであると判定した場合、ステップS317でCPU40aは、普通図柄動作ステータスを「変動開始時(00H)」にする。ステップS318でCPU40aは、ステップS309の普図当り抽選において普図当りに当選したか否かを判定し、普図当りに当選していないと判定した場合にはステップS319をパスしてステップS320に進む。
【0159】
一方、普図当りに当選していたと判定した場合、ステップS319でCPU40aは、普図当り時の各種設定を行いステップS320に進む。ここでは、普図当りフラグをON状態(5AH)にする。
【0160】
ステップS320でCPU40aは、普通図柄表示データを更新し、普通図柄管理処理を終了する。この普通図柄表示データ更新処理では、普通図柄が変動中であるか否かを判定し、変動中であれば、普通図柄変動中の7セグ表示用データを作成し、普通図柄が変動中でなければ、普通図柄停止表示中の7セグ表示用データを作成する。ここで作成した普通図柄の表示データは、図8のLED管理処理(ステップS211)によって複合表示装置22dに出力される。
【0161】
(特別図柄管理処理)
図12は、特別図柄管理処理(ステップS400)を示したフローチャートである。図12に示すように、CPU40aは、ステップS401で特図1(第1始動口23)についての特図1始動口チェック処理を行い、続くステップS402で特図2(第2始動口24)についての特図2始動口チェック処理を行う。
なお、これら始動口チェック処理の詳細については後述する。
【0162】
ステップS401、S402の始動口チェック処理を終えると、ステップS403でCPU40aは、条件装置作動フラグの状態を判定する。この「条件装置作動フラグ」とは、大当り遊技中であるか否かを指定するためのフラグであり、当該フラグがON状態(例えば5AH)である場合には大当り遊技中である旨を示し、当該フラグがOFF状態(例えば00H)である場合には大当り遊技中ではない旨を示す。なお、条件装置作動フラグは、大当り抽選において大当りに当選した場合における特別図柄確認中処理(ステップS407)でON状態に設定され、後述する大当り終了処理(ステップS650)でOFF状態に設定される。
【0163】
条件装置作動フラグがOFF状態(≠5AH)であると判定した場合、すなわち大当り遊技中でないと判定した場合、ステップS404でCPU40aは、特別図柄動作ステータス(00H~03H)に応じて特別図柄の変動表示動作に関する処理を分岐させる特別図柄動作ステータス分岐処理を実行する。
【0164】
ステップS404の特別図柄動作ステータス分岐処理では、特別図柄動作ステータスが「待機中(00H、01H)」「変動中(02H)」「確認中(03H)」の何れであるかに応じて、それぞれ対応する処理を実行する。なお「特別図柄動作ステータス」とは、特別図柄の挙動を示す値であり、その値は処理状態に応じて変更され、RAM40cの特別図柄動作ステータス格納領域に格納される。
【0165】
具体的に、CPU40aは、特別図柄動作ステータスが「待機中(00H、01H)」である場合には特別図柄変動開始処理(ステップS405)を、「変動中(02H)」である場合には特別図柄変動中処理(ステップS406)を、「確認中(03H)」である場合には特別図柄確認時間中処理(ステップS407)をそれぞれ実行する。ここで、上記「待機中」とは、特別図柄が次回変動のための待機状態である旨を意味し、上記「変動中」とは特別図柄が変動(変動表示)中である旨を意味し、上記「確認中」とは特別図柄の変動が終了して停止(確定)表示中(特別図柄確認時間中)である旨を意味する。
【0166】
上記のステップS405、S406、S407の処理により、特別図柄の変動開始及び変動停止を1セットする変動表示動作が実現されることになる。
なお、ステップS405の処理の詳細については後述する。
【0167】
ステップS405~S407の何れかの処理を終えると、ステップS408でCPU40aは、特別図柄表示データ更新処理を実行し、特別図柄管理処理を終了する。この特別図柄表示データ更新処理では、特別図柄が変動中であるか否かを判定し、変動中であれば、特別図柄変動中の7セグ表示用データを作成し、特別図柄が変動中でなければ、特別図柄停止表示中の7セグ表示用データを作成する。ここで作成した特別図柄の表示データは、図8のLED管理処理(ステップS211)によって特別図柄表示装置22a、22bに出力される。
【0168】
また、ステップS403で大当り遊技中と判定した場合(=5AH)、CPU40aはステップS405~S407の特別図柄の変動表示動作に関する処理を行わずに、そのままステップS408の特別図柄表示データ更新処理を行う。すなわち、大当り遊技中である場合には、特別図柄の変動表示動作は行われない(特別図柄表示装置の特別図柄の表示状態は、大当り後に確定表示されたままの状態が保持される)。
【0169】
(特図1始動口チェック処理)
図13は、特図1始動口チェック処理(ステップS401)を示したフローチャートである。
この特図1始動口チェック処理は、所定の始動条件の成立に基づいて実行される入賞時処理としての役割を果たす。特図1始動口チェック処理では、特別図柄1の特別図柄変動表示ゲーム1を実行させるための開始前処理(特別図柄1の入賞時処理)として、第1始動口23の入賞発生に起因した特別図柄1の保留球数の加算処理、各種乱数の記憶処理(保留記憶処理)、保留加算コマンドの送信処理等が実行される。
なお、特図2始動口チェック処理(ステップS402)も、特図1始動口チェック処理と同じく、所定の始動条件の成立に基づいて実行される入賞時処理としての役割を果たし、特別図柄2の特別図柄変動表示ゲーム2を実行させるための開始前処理(特別図柄2の入賞時処理)として、第2始動口24の入賞発生に起因した特別図柄2の保留球数の加算処理、各種乱数の記憶処理、及び保留加算コマンドの送信処理等が実行される。従って、特図1始動口チェック処理と特図2始動口チェック処理とは実質的に同一の処理内容となっている。以下では、特図1始動口チェック処理を中心に説明し、特図2始動口チェック処理についての詳細は、重複記載を避けるために省略する。
【0170】
図13に示すように、ステップS401-1でCPU40aは、第1始動口検出センサ23aからの検出信号に基づき、第1始動口23への遊技球の入賞を検出したか否かを判定する。そして、第1始動口23への入賞を検出したと判定した場合、ステップS401-2でCPU40aは、特別図柄1の保留球(以下、「特図1保留球」と称する)の数が4以上であるか否か判定する。すなわち、特図1保留球数が最大保留記憶数(ここでは、上限4個)以上であるか否かを判定する。ただし、第1始動口23の入賞検出がないと判定した場合、特図1始動口チェック処理を終了する。
【0171】
ステップS401-2で特図1保留球数が4以上であると判定した場合、つまり第1始動口23の入賞を検出したが特図1保留球数が4以上であると判定した場合、CPU40aは後述のステップS401-11に進み、一方、特図1保留球数が4以上でないと判定した場合(4未満の場合)、ステップS401-3で特図1保留球数に1を加算する。
【0172】
ステップS401-4でCPU40aは、今回発生した特図1保留球に係る特別図柄変動表示ゲーム1に利用される各種乱数を取得する。具体的には、各種の乱数カウンタから、大当り判定用乱数、特別図柄判定用乱数、変動パターン用乱数を取得し、その取得した乱数をRAM40cの特図保留記憶エリアに格納する。
【0173】
ステップS401-5でCPU40aは、保留加算コマンドを作成するための入賞コマンドデータ(保留加算コマンドの下位バイト側(EVENT)に相当するデータ)として、先読み判定を禁止する先読み禁止データ(EVENT:「01H」)を取得する。
次いで、ステップS401-6でCPU40aは、「特図1先読み禁止条件」が成立しているか否かを判定する。特図1先読み禁止条件とは、特図1保留球を対象とした先読み判定を禁止する条件である。
【0174】
図1先読み禁止条件が成立している場合、CPU40aは先読み判定に関する先読み判定処理(ステップS401-9)を実行せずに、ステップS401-11に進む。この場合、先読み禁止データ(EVENT:「01H」)を持つ保留加算コマンドが先読み禁止を指定するものとなり、今回の特図1保留球を対象とした先読み判定が禁止され、その結果、先読み予告演出も実行されないことになる。換言すれば、先読み禁止データは、先読み判定処理(ステップS401-9)を実行していない旨を指定するものと言える。
【0175】
ここで、遊技状態によらず特図1及び特図2の先読み判定を行うのではなく、現在の遊技状態に基づいて、先読み禁止か否かを判定するようになっている。その理由は次の通りである。
右打ち有利となる時短状態である場合には、第2始動口24への入賞が頻繁に発生するが、左打ち有利となる非時短状態である場合には、第2始動口24への入賞がほぼ発生せずに第1始動口23への入賞が頻繁に発生することを考慮し、遊技状態によらず特図1及び特図2の先読み判定を闇雲に行うのではなく、時短状態である場合には特図1側の先読み判定を禁止して特別図柄2側の先読み判定を許容し、非時短状態である場合には特図2側の先読み判定を禁止して特図1側の先読み判定を許容するようになっている。
【0176】
ステップS401-6において、先読み禁止条件が成立していないと判定した場合、ステップS401-7でCPU40aは、先読み判定処理を実行する。この先読み判定処理では、変動開始時に実行される大当り抽選結果を先読み判定する。従って、大当り抽選結果を先読み判定する‘先読み当否判定’と、図柄抽選結果を先読み判定する‘先読み図柄判定’と、変動開始時の変動パターンを先読み判定する‘先読み変動パターン判定’とに関する一連の処理が含まれる。
【0177】
具体的に、ステップS401-7においてCPU40aは、RAM40c(特図保留記憶エリア)に格納される大当り判定用乱数値を取得し、大当り判定用乱数値と大当り判定テーブル(図16参照)とに基づいて、今回の保留球を対象とした大当り抽選(少なくとも大当り、はずれの別を決定する先読み当否判定)を行い、その結果(「先読み当否結果」と称する)を取得する。
【0178】
ここで、本実施形態では、先読み当否結果はCPU40a内蔵の所定の汎用レジスタに取り込んだまま、RAM40cに格納しない。これは、先読み当否判定結果が、この後の先読み図柄判定の処理で直ちに利用され、それ以降このデータが必要とされることがなく、RAM40cに記憶する必要が無いためである。
【0179】
また、ステップS401-7でCPU40aは、上記した先読み図柄判定の処理として、先読み当否結果(少なくとも大当り、はずれの別)と保留種別(特図1、2の別)とに応じた図柄テーブル(図19参照)を用いた図柄抽選を行う。具体的にCPU40aは、先のステップS401-4で取得した特別図柄判定用乱数と図柄テーブルとに基づき、今回の保留球を対象とした図柄抽選を行い、その結果(「先読み図柄結果」と称する)を取得する。
【0180】
CPU40aは、先読み図柄結果を、上述した先読み当否判定のときと同様にCPU40a内蔵の所定の汎用レジスタに取り込んだまま、RAM40cに格納しない。これは、先読み図柄結果が、この後の先読み変動パターン判定で直ちに利用され、それ以降このデータが必要とされることがなく、RAM40cに記憶する必要が無いためである。
【0181】
上記の先読み図柄判定を終えると、CPU40aは先読み変動パターン判定を実行する。この先読み変動パターン判定では、上記の先読み図柄結果(「4R1」「10R」「4R2」「はずれ1」「はずれ2」「はずれ3」の何れか)と、該先読み図柄結果に応じた変動パターンを選択するための変動パターンテーブルと、ステップS401-4で取得した変動パターン用乱数とを利用した変動パターンの抽選を行い、先読み変動パターン決定する。すなわち、今回の保留球が変動表示動作に供されるときに実行される変動パターン(変動開始時の変動パターン)を先読み判定する。
【0182】
上記の変動パターンテーブルは、特別図柄変動開始処理(図12)で行われる変動パターンの抽選においても利用される。
上記の変動パターンテーブルの具体例、及び該テーブルを用いた変動パターンの抽選処理については、変動開始時の処理の説明時に改めて説明する。
【0183】
なお、先読み変動パターン判定結果(入賞コマンドデータ(EVENT))は、以下で説明するステップS401-8の保留加算コマンド作成処理で直ちに利用され、その後、このデータが必要とされることはない。従って、CPU40aは、先読み変動パターン判定の結果をRAM40cに格納することなくレジスタに取り込んだまま、ステップS401-7の処理を終えるようになっている。
【0184】
ステップS401-8でCPU40aは、先読み判定結果に応じた保留加算コマンドの下位バイト側のデータを作成する。具体的には、先読み変動パターンの種類を表すデータを、保留加算コマンドの下位バイト側の入賞コマンドデータ(EVENT)として作成する。
なお、EVENTのデータについては、ステップS401-5で設定された「01H」が、本処理にて先読み変動パターンに対応する値(先読み変動パターン判定処理で得られた値)に更新されることになる。
【0185】
ステップS401-9でCPU40aは、保留球数に応じた保留加算コマンドの上位バイト側のデータを作成する。すなわち、現在の保留球数と、上述した先読み図柄結果(特別図柄の種別)とを表すデータを保留加算コマンドの上位バイト側の入賞コマンドデータ(MODE)として作成する。
該MODEのデータについては、特図1の保留1個~特図1の保留4個、特図2の保留1個~特図2の保留4個を識別可能に設定される。
【0186】
ステップS401-10でCPU40aは、保留加算コマンドの送信処理を行う。すなわち、ステップS401-8、ステップS401-9で作成した入賞コマンドデータをそれぞれEVENT、MODEとして含む保留加算コマンドを作成し、演出制御基板41に送信する。
【0187】
ここで、先読み禁止条件である場合(S401-6でYes)、CPU40aは上述した先読み禁止データ(下位バイト=01H)を更新せずにそのまま維持し、先読み禁止データを持つ保留加算コマンドを送信する。
また、オーバーフロー時(最大保留記憶数に達しているときに、新たな入賞が発生した場合)は、オーバーフロー指定の保留加算コマンドが送信されるようになっている(ステップS401-2のYesのルート)。
【0188】
なお、保留加算コマンドは、主制御基板40から演出制御基板41に送られた後は、演出制御基板41側において今回の保留球に係る「先読み予告演出」を現出する際に利用されるだけであり、図12に示す特別図柄変動開始処理において特に利用されるものではない。従って、CPU40aは保留加算コマンドもRAM40cに格納することなく、ステップS401の特図1始動口チェック処理を抜けて、続いてステップS402の特図2始動口チェック処理を行うことになる。
【0189】
(特別図柄変動開始処理)
図14は、変動開始時の処理である特別図柄変動開始処理(ステップS405)を示したフローチャートである。
図14に示すように、ステップS405-1でCPU40aは、特図2の保留球数(特図2保留球数)がゼロか否かを判定し、特図2保留球数がゼロでない場合には、ステップS405-6に進み、今回の変動表示に供する特図2保留球を対象とした変動開始時の処理(ステップS405-6~S405-14)を行う。
【0190】
一方、特図2保留球数がゼロであると判定した場合、ステップS405-2でCPU40aは、特図1の保留球数(特図1保留球数)がゼロか否かを判定し、特図1保留球数がゼロでないと判定した場合には、ステップS405-6の処理に進み、今回の変動表示に供する特図1保留球を対象とした特別図柄の変動開始に係る処理(ステップS405-6~S405-14)を行う。
上記のステップS405-1とS405-2の処理により、特図1保留球と特図2保留球のどちらを優先的に変動表示動作に供するか(どちらの保留球を優先的に消化していくか)の「優先変動順位」が定まる。本実施形態では、特図1保留球と特図2保留球の双方に保留球が存在する場合、特図2保留球が優先的に消化される。つまり、特別図柄変動表示ゲーム1よりも特別図柄変動表示ゲーム2の方が優先的に実行される。なお、上述の優先変動タイプに限らず、入賞した順番通りに保留球を消化していく構成としてもよい。
【0191】
なお、特図2保留球数と特図1保留球数の双方の保留球数がゼロである場合、「保留球なし」の状態となる。この「保留球なし」の状態は、特別図柄が待機中であり、且つ保留記憶無しの状態となった場合であり、この状態に突入したことを演出制御基板41側に知らせて、主液晶表示装置20Mに対し、客待ち待機用のデモ画面表示(客待ちデモ画面)に切り替え制御させる。そこで、「保留球なし」になった場合は、ステップS405-3に進み、CPU40aは、特別図柄動作ステータスが「保留球なし」の状態を示す「待機中(00H)」であるか否かを判定する。
【0192】
ステップS405-3において特別図柄動作ステータスが「待機中(00H)」でないと判定した場合、すなわち、特別図柄動作ステータスが「待機中(01H)」であると判定した場合には、ステップS405-4でCPU40aは、特別図柄動作ステータスを「待機中(00H)」に切り替える(特別図柄動作ステータスに00Hを格納する)。そして、ステップS405-5でCPU40aは、演出制御コマンドとして、客待ちデモ画面を表示させるための「デモ表示コマンド」を演出制御基板41に送信し、特別図柄変動開始処理を終了する。
以後、ステップS405-3の判定処理が実行されるときに「待機中(00H)」であれば、CPU40aは、再度、デモ表示コマンドを送信することなく特別図柄変動開始処理を終了する。
【0193】
ステップS405-1で特図2保留球数がゼロでないと判定した場合、及び、ステップS405-2で特図1保留球数がゼロでないと判定した場合(特図2保留球数がゼロである一方、特図1保留球数がゼロでない場合)のそれぞれにおいて、CPU40aは、今回の変動表示に供する保留球を対象とした特別図柄の変動開始時に係る処理(ステップS405-6~S405-14)を行う。
ここで、以下に説明するステップS405-6~S405-14の処理については、上記のステップS405-1の判定で‘No’であった場合は特図2保留球を対象とした処理、上記のステップS405-2の判定で‘No’であった場合は特図1保留球を対象とした処理となるが、処理の仕方は同じであるため、重複記載を避けるために特に必要が無い限り、特図1保留球を対象とした処理であるか、特図2保留球を対象とする処理であるかの区別はせずに説明していく。
【0194】
ステップS405-6でCPU40aは、保留球数を1減算し(今回の変動表示動作に供する特別図柄側に係る保留球数-1)、続くステップS405-7で減算後の保留球数情報を含む「保留減算コマンド」を演出制御基板41に送信する。この保留減算コマンドにより、演出制御基板41側は、今回の保留球数消化後の残余保留球数を把握し、現在表示中の保留表示をシフト表示させる。
【0195】
ステップS405-8でCPU40aは、特別図柄作動確認データを設定する。この特別図柄作動確認データは、今回の変動開始側の特別図柄を指定する情報であり、例えば、特別図柄1が変動開始側であるならば「00H(特図1変動開始指定)」を、特別図柄2が変動開始側であるならば「01H(特図2変動開始指定)」を、RAM40cの所定領域(特別図柄作動確認データ格納領域)に格納する。
【0196】
ステップS405-9でCPU40aは、RAM40cの特図保留記憶エリアに格納されている保留データをシフトし、続くステップS405-10で保留4記憶エリアをクリアする。このステップS405-9~S405-10の処理では、保留記憶数n=1に対応する保留記憶エリア(保留1記憶エリア)に格納されている保留データ(大当り判定用乱数、特別図柄判定用乱数、及び変動パターン用乱数)を読み出し、RAM40cの判定用乱数記憶エリアに格納すると共に、保留n記憶エリア(n=2、3、4)に対応する保留記憶エリア(保留2記憶エリア、保留3記憶エリア、保留4記憶エリア)に格納されている保留データを、それぞれ‘n-1’に対応する保留記憶エリアに格納し(ステップS405-9)、保留4記憶エリアをクリアして空き領域を設ける(ステップS405-10)。
【0197】
ステップS405-11でCPU40aは、変動回数残指定コマンド、遊技状態コマンドを送信する処理を行う。ここでは、CPU40aは、時短状態の時短回数をカウントする「時短回数カウンタ」がゼロであるか否かを判定し、時短回数がゼロでない場合は、時短回数を含む「変動回数残指定コマンド」を演出制御基板41に送信する。この「変動回数残指定コマンド」により、演出制御基板41は、時短回数を把握して報知する処理を実行可能とされる。
また、CPU40aは、現在の遊技状態を指定する遊技状態コマンドを演出制御基板41に送信する処理も行う。
【0198】
ステップS411でCPU40aは、大当り抽選を行う大当り乱数判定処理を実行する。
なお、大当り乱数判定処理の詳細については後述する。
【0199】
ステップS412でCPU40aは、図柄抽選を行う図柄抽選処理を実行する。
なお、図柄抽選処理の詳細については後述する。
【0200】
ステップS413でCPU40aは、変動パターン抽選を行う変動パターン抽選処理を実行する。
なお、本実施形態における変動パターン抽選処理の詳細については後述する。
【0201】
ここで、上記したように、変動開始時における大当り抽選や図柄抽選の抽選結果をRAM40cに格納するものとしているが、その理由は、これらの抽選結果は、特別図柄管理処理(ステップS400)のみで利用されるものではなく、後々の特別電動役物管理処理(ステップS209)等においても利用されるデータだからである。
この点、抽選結果をRAM40cに格納しない先読み判定時の処理とは異なる。
【0202】
なお、図示による説明は省略するが、大当り抽選結果が大当たりである場合に、CPU40aは、ステップS413に続いて、遊技状態を移行させるための設定処理として、大当り遊技後の遊技状態を指定するための必要な設定処理を行う(遊技状態移行準備処理)。
【0203】
ステップS405-12でCPU40aは、変動表示中である旨を指定する特別図柄N変動中フラグ(N=1、2)に5AH(ON状態)を格納する。「特別図柄N変動中フラグ」とは、特別図柄1、2のうち対象とする何れかの特別図柄が変動中であるかを示すフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には対象の特別図柄が変動中である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には対象の特別図柄が停止中である旨を示す。
なお、特別図柄1変動中フラグ(N=1)は特別図柄1に対応し、特別図柄2変動中フラグ(N=2)は特別図柄2に対応するものである。
【0204】
ステップS405-13でCPU40aは、変動開始時のコマンド送信処理を実行する。このコマンド送信処理では、ステップS413の変動パターン抽選で選択された変動パターンを演出制御基板41に通知すべく、演出制御コマンドとして、変動パターンを特定可能な変動パターン情報を含む「変動パターン指定コマンド」を作成し、演出制御基板41に送信する。
また、コマンド送信処理では、ステップS412における図柄抽選結果に基づき、装飾図柄指定コマンドを作成し、演出制御基板41に送信する。装飾図柄指定コマンドは、保留種別を指定する上位バイト(MODE)と、特別図柄の種別を指定する下位バイト(EVENT)の2バイトで構成される。従って、この装飾図柄指定コマンドには、保留種別と特別図柄の種別(図柄抽選結果)とに関する情報が含まれる。この装飾図柄指定コマンドは、特別図柄の種別に関する情報が含まれることから、演出制御基板41において、主として、リーチ状態を形成する際の装飾図柄の組合せ(リーチ図柄を構成要素とする図柄種)や、最終的に停止表示させる装飾図柄(装飾停止図柄)の組合せや、図柄変動表示ゲームにおいて当選種別に対応する予告演出などを決定する際に利用される。
【0205】
ステップS405-14でCPU40aは、変動開始時設定処理を実行し、特別図柄変動開始処理を終了する。ここでは、特別図柄動作ステータスを「変動中(02H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに02Hを格納)、判定用乱数記憶エリアをクリアする処理を行う。
【0206】
(大当り乱数判定処理)
図15は、大当り乱数判定処理(ステップS411)を示したフローチャートであり、図16は、大当り判定テーブルの一例を示した図であり、図17は、大当り乱数判定手法を説明する図である。
【0207】
図15に示すように、ステップS411-1でCPU40aは、保留種別(特図1、特図2)に応じた大当り判定テーブルを選択する。
ここで、ROM40bの所定の領域(アドレス)には、図15に示すような大当り判定テーブルが記憶されている。大当たり判定テーブルは、保留種別(特図1、特図2)ごとに設けられているが、本実施形態では、保留種別によらず同一の値が設定されている。
大当り判定テーブルには、低確率状態と高確率状態とでの判定基準値THが示されている。
本実施形態における大当り乱数判定では、大当り判定用乱数がとり得る値の範囲内において判定基準値THを定め、大当り判定用乱数と判定基準値THの大小関係を比較した結果に基づき、大当りの当否判定(大当り抽選)を行う。一例として、大当り判定用乱数の値が「0~判定基準値TH」の範囲内である場合に大当りの判定結果を、それ以外の場合にはずれの判定結果を得る手法を採っている。
【0208】
そして、判定基準値THとしては、低確率状態の判定に用いる判定基準値TH1(205)と、高確率状態の判定に用いる判定基準値TH2(658)の2種が設定される。
図16及び図17に示すように、高確率状態の判定基準値TH2は低確率状態の判定基準値TH1よりも値が大きくされ、これにより高確率状態の判定でより大当りの当選確率が高まるようにされている。
【0209】
なお、上記では、大当り乱数判定における大当りの判定下限値を「0」とする例、すなわち、大当り判定用乱数が「0」~「判定基準値TH」の範囲内であれば大当りの判定結果を得る場合を例示したが、判定下限値は「0」よりも大きな数値とすることもできる。
【0210】
ステップS411-2でCPU40aは、大当り判定用乱数が判定下限値未満であるか否かを判定する。判定下限値は、上記のように大当りの判定下限値(大当りとの判定結果が得られる数値範囲の下限値)であり、例えば「0」である。
大当り判定用乱数が判定下限値未満であれば、はずれであることが確定されるため、以下で説明するステップS411-3~S411-7の処理はパスして大当り乱数判定処理を終了する。
なお、判定下限値=0である場合、大当り判定用乱数が0未満の値をとることは通常はあり得ないため、ステップS411-2の処理を設けることは必須ではない。ステップS411-2の処理は、判定下限値を0よりも大きな値とする場合に有効なものである。
【0211】
ステップS411-2において大当り判定用乱数が判定下限値未満でなければ、ステップS411-3でCPU40aは、現在の遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する。
【0212】
高確率状態でないと判定した場合、ステップS411-4でCPU40aは、大当り判定テーブルにおける低確率状態の判定基準値TH1を取得する。
一方、高確率状態であると判定した場合、ステップS411-5でCPU40aは、大当り判定テーブルにおける高確率時の判定基準値TH2を取得する。
【0213】
ステップS411-6でCPU40aは、判定基準値TH1又は判定基準値TH2に基づいて、大当り判定用乱数が判定基準値TH未満であるか否かを判定する。
大当り判定用乱数が判定基準値TH未満であると判定した場合、ステップS411-7でCPU40aは、大当り判定フラグを5AHに更新した上で大当り乱数判定処理を終了し、大当り判定用乱数が判定基準値TH未満でないと判定した場合、ステップS411-6をパスして大当り乱数判定処理を終了する。
【0214】
なお、ステップS411-2で大当り判定用乱数が判定下限値未満と判定された場合、及び、ステップS411-6で大当り判定用乱数が判定基準値TH未満でないと判定された場合、大当り判定フラグとしては大当り(=5AH)でない、具体的にははずれ(=00H)である旨を表す値に更新されるべきであるが、ステップS411の大当り乱数判定処理においては、大当り判定フラグをはずれである旨を表す00Hに更新する処理は行われず、ステップS407の特別図柄確認時間中処理で行われる。
【0215】
(図柄抽選処理)
図18は、図柄抽選処理(ステップS412)を示したフローチャートであり、図19は、図柄テーブルの一例を示した図である。
【0216】
図19に示すように、図柄テーブルは、大当り抽選結果ごとに設けられている。図柄テーブルでは、大当り抽選結果ごとに特別図柄の種別(大当り種別、はずれ種別)の選択率が設定されている。
ここで、図柄テーブル内において、抽選対象の特別図柄の種別ごとに格納された数値は、特別図柄判定用乱数が0~199の200通りの数値をとり得ることを前提とした場合における選択率の振り分け値(振り分けを表す値)を表している。
大当り用の図柄テーブルによれば、特図1で大当りに当選した場合、大当り種別として「大当り1」が200/200の選択率、すなわち、必ず決定される。
また、特図2で大当りに当選した場合、大当り種別として「大当り1」が140/200」の選択率で決定され、大当り種別として「大当り2」が60/200の選択率で決定される。
【0217】
また、はずれ用の図柄テーブルによれば、特図1ではずれが決定された場合、はずれ種別として「はずれ1」が180/200の選択率で決定され、はずれ種別として「はずれ2」が16/200の選択率で決定され、はずれ種別として「はずれ3」が4/200の選択率で決定される。
また、特図2ではずれが決定された場合、はずれ種別として「はずれ1」が180/200の選択率で決定され、はずれ種別として「はずれ2」が10/200の選択率で決定され、はずれ種別として「はずれ3」が10/200の選択率で決定される。
【0218】
ステップS412-1でCPU40aは、保留種別(特図1、特図2)に対応した図柄テーブルを選択する。
【0219】
ステップS412-2でCPU40aは、特別図柄判定用乱数、大当り判定フラグを取得する。ステップS412-3でCPU40aは、大当り判定フラグ(大当り/はずれ)に対応した図柄テーブルを参照し、特別図柄判定用乱数に基づいて、特別図柄の種別(大当り種別、はずれ種別)を抽選により決定する。
【0220】
ステップS412-4でCPU40aは、ステップS412-3で決定した特別図柄の種別に対応する特別図柄判定データをRAM40cの所定領域に格納し、特別停止図柄作成処理を終了する。
【0221】
(変動パターン抽選処理)
図20は、変動パターン抽選処理(ステップS413)を示したフローチャートである。
ステップS413-1でCPU40aは、大当りか否かを判定する。すなわち、大当り判定フラグに基づき、大当り(=5AH)であるか否かを判定する。
【0222】
ステップS413-1において大当りでない(はずれである)と判定した場合、ステップS413-2でCPU40aは、はずれ変動パターンテーブルを選択した上で、ステップS413-4の変動パターン選択処理に進む。
一方、ステップS413-1において大当りと判定した場合、ステップS413-3でCPU40aは、大当り変動パターンテーブルを選択した上で、ステップS413-4の変動パターン選択処理に進む。
【0223】
ステップS413-4でCPU40aは、上記ステップS413-2又はステップS413-3で選択した変動パターンテーブルを参照し、変動パターン用乱数に基づいて変動パターンを決定し、変動パターン抽選処理を終了する。
【0224】
図21は、変動パターン抽選テーブルの一例を示した図である。
変動パターンテーブルは、ROM40bに記憶されている。なお、図21では、時短状態で用いられる変動パターンテーブルを図示しているが、実際には、非時短状態で用いられる変動パターンテーブルも設けられている。
【0225】
図21に示すように、はずれ時の変動パターン抽選においては、抽選候補の変動パターン(抽選により選択され得る変動パターン)が「通常変動1s」「通常変動12s1」「通常変動12s2」「スーパーリーチ1」「スーパーリーチ2」「スーパーリーチ3」「スーパーリーチ4」の7種とされる。
また、大当り用の変動パターン抽選においては、抽選候補の変動パターンが「スーパーリーチ1」「スーパーリーチ2」「スーパーリーチ3」「スーパーリーチ4」の4種とされる。
【0226】
ここで、上記した変動パターンのうち、特に「通常変動1s」「通常変動12s1」「通常変動12s2」は、大当り時に選択されないいわば「はずれ」に対応した変動パターンに属する(以下「はずれ変動パターン」と称することもある)。
【0227】
本実施形態では、はずれ時の変動パターン抽選は、特図1、2に関わらず、はずれ種別(はずれ1、2、3)ごとに異なる変動パターンテーブルを用いて行われる。
ここで、上記したように、「はずれ1」「はずれ2」「はずれ3」の各はずれ種別については、図柄抽選による選択率が異なるものとされ、「はずれ1」が最も選択率が高く、「はずれ2」「はずれ3」は「はずれ1」よりも選択率が低くされている。つまり、大当り抽選結果が「はずれ」であれば、殆どの場合、はずれ種別として「はずれ1」が選択されることになる。
【0228】
図2についての変動パターン抽選として、はずれ種別が「はずれ1」の場合における変動パターン抽選については、保留球数に応じた抽選を行う。このため、特図2用の変動パターンテーブルのうち、はずれ種別が「はずれ1」の場合に用いられる変動パターンテーブルとしては、保留球数ごとに異なるテーブルが用意されている。
【0229】
ここで、変動パターンテーブル内において、抽選対象の変動パターンごとに格納された数値は、変動パターン判定用乱数が0~9999の1000通りの数値をとり得ることを前提とした場合における選択確率の振り分け値(振り分けを表す値)を表している。例えば、特図1用の変動パターンテーブルにおいて、「はずれ1」且つ「保留球数=0」のテーブルでは「通常変動1s」に対する格納値=「10000」とされているが、これは、「通常変動1s」の当選確率が「10000/10000」であることを意味している。
テーブルの格納値として上記の振り分け値を示したのはあくまで説明の便宜を図るためであり、実際における変動パターンテーブルには、上記の大当り乱数判定で用いたような判定基準値が格納されることになる。例えば、上記の「はずれ1」且つ「保留球数=0」のテーブルについて言えば、実際の格納値(判定基準値)として例えば「9999」が格納され、その場合、変動パターン用乱数が9999以下であれば「通常変動1s」が選択される。
【0230】
図21に示した振り分け値を参照して分かるように、「はずれ1」の場合に対応した特図2の変動パターン抽選においては、「通常変動」のみが選ばれるようにしている。
また、「はずれ1」の場合に対応した特図2の変動パターン抽選においては、保留球数が多いほど、変動時間の短い通常変動パターンが選択されるようにしている。
【0231】
<5.通信基板について>
[5.1 外部装置との通信機能及び基板の構成概要]
ここで、本実施形態の遊技機1は、外部装置との間の信号通信を行うための通信基板を備えている。具体的に、本実施形態の遊技機1は、遊技機1の外部装置となる球貸し機70との間の信号通信を行うための払出制御基板42を備えている。
【0232】
図22は、払出制御基板42と球貸し機70との間で通信される信号の例の説明図である。
払出制御基板42は、球貸し機70との間で、球貸し動作に係わる各種の制御信号として例えば図中に示すBRDY信号、BRQ信号、EXS信号、PRDY信号を送受する。
【0233】
BRDY信号は、遊技者が遊技機1に設けられた球貸しスイッチ(不図示)をON操作した球貸し動作中であることを、球貸し機70から遊技機に伝達する信号である。図示による説明は省略するが、球貸しスイッチの操作状態を示す信号は、直接的に球貸し機70に入力され、球貸し機70が、球貸しスイッチがON操作された球貸し動作中であることを示すBRDY信号を払出制御基板42に対して出力するようにされている。
本例において、BRDY信号は、球貸しスイッチがON操作されたことに応じて例えばHレベルからLレベルに立ち下がる信号とされている。
【0234】
BRQ信号は、一単位分(例えば25個)の貸出し動作を、球貸し機70から遊技機に要求する信号である。本例におけるBRQ信号は、一単位分の貸出し動作の要求を示すタイミングで例えばHレベルからLレベルに立ち下がる信号とされている。
【0235】
BRDY信号がLレベルの状態でBRQ信号がLレベルに立ち下がると、一単位分の球貸し動作が開始される。そして、当該球貸し動作が終了したときにBRDY信号がHレベルであるか、又は当該球貸し動作の終了後の所定時間内にBRDY信号がHレベルに変化すると、もはや球貸し動作が実行されない。従って、BRDY信号を「球貸し許可指令」と考えることができ、また、BRQ信号を「球貸し開始指令」であると考えることができる。すなわち、BRDY信号がLレベルである限り、球貸し動作が許可されることになり、本例の場合には、この許可区間内でBRQ信号が立下ると、これに呼応して一単位分の遊技球の払出動作(貸出し動作)が開始される。
【0236】
一方、PRDY信号は、払出制御基板42から球貸し機70に、遊技機1が球貸し動作可能であることを伝達する信号である。本例におけるPRDY信号は、Lレベルが球貸し動作可能であることを示す信号とされる。
【0237】
また、EXS信号は、一単位分の貸出し動作について、上記のBRQ信号による要求を受け付けたこと、及び当該貸し動作の完了したことを払出制御基板42から球貸し機70に伝達する信号である。本例におけるEXS信号は、BRQ信号による一単位分の球貸し動作の要求を受け付けてから当該貸し動作が完了するまでのタイミングでLレベルとなり、それ以外の期間でHレベルとなる信号とされる。
EXE信号は、BRQ信号による一単位分の球貸し動作の要求を受けてから当該球貸し動作が完了するまでの期間を示す信号であると換言できるものである。
【0238】
図23は、払出制御基板42上における各種電子部品の配置例を示した図である。
図示のように払出制御基板42上には、抵抗(R1からR65等)やコンデンサ(C1からC59等)、各種ダイオード(D1からD8、ZD1、LED1からLED4等)、各種フィルタ(FLT1からFLT7等)、及び各種集積回路(Integrated Circuit:IC1からIC14等)が配置されている。
また、払出制御基板42上には、各種のコネクタ(CN1からCN12)が配置されている。払出制御基板42は、これらのコネクタを介して、遊技機1における他基板や外部装置との間と電気的に接続される。
【0239】
先の図4に示したように、本例において、コネクタCN3は、主制御基板40と接続するためのコネクタとされる。また、コネクタCN2、CN8は、発射制御基板45と接続するためのコネクタとされ、コネクタCN6は遊技球払出装置46と接続するためのコネクタとされる。
さらに、コネクタCN7は、球貸し機70と接続するためのコネクタとされる。本例では、上述したBRDY信号、BRQ信号、PRDY信号、及びEXS信号は、このコネクタCN7を介して送受されることになる。
【0240】
ここで、払出制御基板42には、外部装置との間の信号通信経路上において電気的な絶縁を行う絶縁伝送手段が実装されている。具体的に、本例における払出制御基板42には、球貸し機70との間の信号通信経路上において電気的な絶縁を行うためのフォトカプラPCが実装されている(図23参照)。
本例において、フォトカプラPCとしては、PC1からPC5の五つが実装されており、これらフォトカプラPC1からPC5は、払出制御基板42上において、球貸し機70と接続するためのコネクタCN7に対して比較的近接した位置に配置されている。
【0241】
払出制御基板42と球貸し機70との間で送受される信号、すなわち上記したBRDY信号、BRQ信号、PRDY信号、及びEXS信号は、これらフォトカプラPC1からPC5のうち対応する一つを介して送受される。
【0242】
以下、これらBRDY信号、BRQ信号、PRDY信号、及びEXS信号としての、球貸し機70との間で送受される信号についての信号経路について、図24から図27の回路図を参照して説明する。
【0243】
図24は、コネクタCN7と各フォトカプラPCとの接続形態を示した回路図である。
本例では、コネクタCN7は6端子のコネクタとされている。
図示ようにコネクタCN7における1番端子はPRDY信号の送信端子(払出制御基板42から球貸し機70への信号送信端子)、2番端子はEXS信号の送信端子、3番端子はVL信号の受信端子、4番端子はBRDY信号の受信端子、5番端子はBRQ信号の受信端子、6番端子はグランド端子である。
【0244】
なお、VL信号は、インターフェース共用電源の信号であり、例えば、DC18Vの電源信号とされる。
図示のようにVL信号は、フォトカプラPC5を介して、P-OUT信号として払出制御基板42側に入力されることになる。
フォトカプラPC5においては、フォトダイオードが、コネクタCN7の3番端子と6番端子との間に挿入されており、これにより3番端子からVL信号に応じた電流がフォトダイオードを介して6番端子に流入する。そして、このようにフォトダイオードにVL信号に応じた電流が流れることで、フォトカプラPC5のフォトトランジスタのコレクタにVL信号に応じた電流が流れる。これにより、フォトカプラPC5の二次側にVL信号に応じたP-OUT信号が得られる。
【0245】
ここで、フォトカプラPCの一次側とは、フォトダイオード(電気→光の変換手段)が設けられる側を意味し、フォトカプラPCの二次側は、フォトトランジスタ(光→電気の変換手段)が設けられる側を意味する。
【0246】
フォトカプラPC1からPC4は、フォトカプラPC1がPRDY信号の伝送(送信)用、フォトカプラPC2がEXE信号の伝送(送信)用、フォトカプラPC3がBRDY信号の伝送(受信)用、フォトカプラPC4がBRQ信号の伝送(受信)用のフォトカプラである。
なお、以下の説明では便宜上、フォトカプラPC1に入力されるPRDY信号を「P-RDY信号」と表記し、フォトカプラPC2に入力されるEXS信号を「P-EXS信号」と表記する。同様に、フォトカプラPC3から出力されるBRDY信号を「B-RDY信号」と表記し、フォトカプラPC4から出力されるBRQ信号を「B-RQ信号」と表記する。
【0247】
フォトカプラPC1において、フォトダイオードのアノードは抵抗R36を介して例えばDC12V等による直流電源に接続され、カソードがP-RDY信号(PRDY信号のHレベル、Lレベルの別を示す信号)の伝送ラインに接続されている。そして、フォトカプラPC1におけるフォトトランジスタは、コレクタが抵抗R20を介してコネクタCN7の1番端子に接続され、エミッタがコネクタCN7の6番端子に接続されている。
これにより、P-RDY信号に基づくPRDY信号がフォトカプラPC1を介してコネクタCN7の1番端子に供給される。そして、PRDY信号の信号送信経路は、フォトカプラPC1によって電気的に絶縁される。
【0248】
フォトカプラPC2においては、フォトダイオードのアノードが抵抗R37を介して例えばDC12V等による直流電源に接続され、カソードがP-EXS信号(EXS信号の基となる信号)の伝送ラインに接続されている。そして、フォトカプラPC2におけるフォトトランジスタは、コレクタが抵抗R21を介してコネクタCN7の2番端子に接続され、エミッタがコネクタCN7の6番端子に接続されている。
これにより、P-EXS信号に基づくEXS信号がフォトカプラPC2を介してコネクタCN7の2番端子に供給されると共に、EXS信号の信号送信経路がフォトカプラPC2により電気的に絶縁される。
【0249】
フォトカプラPC3は、フォトダイオードのアノードが抵抗R22を介してコネクタCN7の3番端子に接続され、カソードがコネクタCN7の4番端子に接続されている。そして、フォトカプラPC3におけるフォトトランジスタのコレクタは、抵抗R39を介して例えばDC12V等による直流電源に接続されると共に、該コレクタと抵抗R39との接続点には、B-RDY信号(BRDY信号のHレベル、Lレベルの別を示す信号)の伝送ラインが接続されている。このB-RDY信号の伝送ラインには、抵抗R38とコンデンサC23とによるRC回路が挿入されている。また、フォトカプラPC3におけるフォトトランジスタのエミッタは接地されている。
これにより、コネクタCN7の4番端子に入力されたBRDY信号に基づくB-RDY信号が、フォトカプラPC3を介してB-RDY信号の伝送ラインに供給されると共に、BRDY信号の信号伝送経路がフォトカプラPC3により電気的に絶縁される。
【0250】
フォトカプラPC4は、フォトダイオードのアノードが抵抗R23を介してコネクタCN7の3番端子に接続され、カソードがコネクタCN7の5番端子に接続されている。そして、フォトカプラPC4におけるフォトトランジスタのコレクタは、抵抗R41を介して例えばDC12V等による直流電源に接続されると共に、該コレクタと抵抗R41との接続点には、B-RQ信号(BRQ信号のHレベル、Lレベルの別を示す信号)の伝送ラインが接続されている。このB-RQ信号の伝送ラインには、抵抗R40とコンデンサC24とによるRC回路が挿入され、また、フォトカプラPC4におけるフォトトランジスタのエミッタは接地されている。
これにより、コネクタCN7の5番端子に入力されたBRQ信号に基づくB-RQ信号がフォトカプラPC4を介してB-RQ信号の伝送ラインに供給されると共に、BRQ信号の信号伝送経路がフォトカプラPC4により電気的に絶縁される。
【0251】
図25から図27の回路図を参照して、BRDY信号、BRQ信号、EXS信号、PRDY信号、及びP-OUT信号の具体的な経路の例を説明する。
図25の<1><2>に示すように、フォトカプラPC3、PC4、PC5からのB-RDY信号、B-RQ信号、P-OUT信号は、払出制御基板42における集積回路IC5を介して、それぞれBRDY信号、BRQ信号、POUT信号として出力される。
【0252】
集積回路IC5から出力されたBRDY信号、BRQ信号は、図26の<3>に示すように、払出制御基板42における集積回路IC6に入力される。
この集積回路IC6と、図中の集積回路IC13とにより、BRDY信号、BRQ信号に基づいてPRDY信号、EXS信号が生成され、図中<5>に示すように、これらPRDY信号、EXS信号が集積回路IC13より出力される。
【0253】
また、集積回路IC5より出力されたPOUT信号(図25<2>参照)は、図27の<4>に示すように、払出制御基板42における集積回路IC1に抵抗R45を介して入力される。
【0254】
集積回路IC13より出力されたPRDY信号、EXS信号(図26<5>参照)は、図25の<6><7>に示すように、払出制御基板42における集積回路IC11を介して、それぞれP-RDY信号、P-EXS信号として出力される。具体的には、それぞれフォトカプラPC1、PC2に対して出力される(図24参照)。
【0255】
[5.2 実施形態としての基板構成例]
続いて、実施形態としての払出制御基板42の構成例について説明する。
図28は、払出制御基板42の表面(部品実装面)の配線パターン例を示した図、図29は払出制御基板42の裏面の配線パターン例を示した図である。
ここで、払出制御基板42を始めとして、遊技機1に設けられる各種の電子基板においては、抵抗やコンデンサ、ダイオード、集積回路等といった各種の電子部品は表面側に実装され、裏面側には実装されない。
【0256】
図示のように払出制御基板42は、上面視で略長方形状の外形形状を有している。換言すれば、面形状が略長方形状とされている。
【0257】
先ず、表面側、裏面側の共通事項として、払出制御基板42には、基板の厚み方向を貫通する貫通電極Ttが随所に形成されると共に、表面側、裏面側の双方に信号線Lsとしてのプリント配線、及びグランド(GND)としてのプリントパターンであるグランドGnが形成されている。
【0258】
信号線Lsは、集積回路ICから出力される信号、コネクタCNを通じて送受される信号、集積回路ICに入力される信号等、払出制御基板42で取り扱われる各種の信号を伝送するための配線である。
基板の表面、裏面の双方において、いくつかの信号線Lsは、異なる貫通電極Tt間を電気的に接続するように配線されている。
また、基板の表面においては、貫通電極Ttを介さずに異なる電子部品間を電気的に接続するように配線された信号線Lsが形成され得る。
【0259】
ここで、電気的な絶縁手段としてのフォトカプラPCを基準に考えたとき、払出制御基板42上においてフォトカプラPCと電気的に接続される回路としては、例えばコネクタCN3、CN4等を介して遊技機1内の他基板と電気的に接続される側の回路である内側回路Ciと、コネクタCN7を介して、外部装置(球貸し機70)と電気的に接続される側の回路である外側回路Coとに大別することができる。
【0260】
図中「Ai」と示す領域は、コネクタCN3、CN4、CN6の端子と接続される貫通電極Ttが形成された領域を表している(先の図23も併せて参照)。
また、図中「Ao」と示す領域は、コネクタCN7の端子と接続される貫通電極Ttが形成された領域を表している。
【0261】
さらに、図中、「Api」と示す領域は、フォトカプラPCにおける内側回路Ciと電気的に接続される側の端子と接続される貫通電極Ttが形成された領域を表している。ここで、フォトカプラPCにおける内側回路Ciと電気的に接続される側の端子は、フォトカプラPC1、PC2としての送信側のフォトカプラPCにおいてはフォトダイオードのアノード端子及びカソード端子が該当し、フォトカプラPC3からPC5としての受信側のフォトカプラPCにおいてはフォトトランジスタのコレクタ端子及びエミッタ端子が該当するものである。
なお以下、フォトカプラPCにおける内側回路Ciと電気的に接続される側の端子を「内側端子」と表記する。
また、図中「Apo」と示す領域は、フォトカプラPCにおける外側回路Coと電気的に接続される側の端子と接続される貫通電極Ttが形成された領域を表すものである。フォトカプラPCにおける外側回路Coと電気的に接続される側の端子は、フォトカプラPC1、PC2としての送信側のフォトカプラPCにおいてはフォトトランジスタのコレクタ端子及びエミッタ端子が該当し、フォトカプラPC3からPC5としての受信側のフォトカプラPCにおいてはフォトダイオードのアノード端子及びカソード端子が該当する。
なお以下、フォトカプラPCにおける外側回路Coと電気的に接続される側の端子を「外側端子」と表記する。
【0262】
内側回路Ciは、少なくとも、領域Aiで示したコネクタCN3、CN4、CN6に対する貫通電極Tt等、遊技機1内の他基板と電気的に接続されるコネクタCNに対する貫通電極Ttと、領域Apiで示したフォトカプラPCの内側端子に対する貫通電極Ttを含む回路領域を有することになる。
また、外側回路Coの領域は、少なくとも、領域Aoで示したコネクタCN7に対する貫通電極Ttと、領域Apoで示したフォトカプラPCの外側端子に対する貫通電極Ttを含む回路領域を有するものとなる。
【0263】
ここで、本実施形態において、内側回路Ci、外側回路Coは、グランドGnがベタグランドとされている。
ベタグランドとは、ベタパターンによるグランドを意味するものである。ここで言うベタパターンとは、線状とされる信号線Lsよりも幅広な部分を有すると共に、一部に信号線Lsの周囲を囲う部分を有するプリント配線パターンを意味する。
【0264】
また、本実施形態において、内側回路Ci、外側回路Coは、それぞれ、貫通電極Ttを介して払出制御基板42の表面と裏面とに跨がって形成されている。
【0265】
そして、本実施形態における払出制御基板42においては、内側回路Ciの領域と外側回路Coの領域を分離する分離部Dvが形成されている。
本例において、分離部Dvは、内側回路Ci、外側回路Coとの間において、それぞれの回路のグランドGn(ベタグランド)が非形成とされた部分として形成されている。
【0266】
先の領域Api、領域Apoの説明からも理解されるように、本実施形態において各フォトカプラPCは、分離部Dv上に配置されるものである。
【0267】
また、図28図29を対比して分かるように、本実施形態では、払出制御基板42の表面と裏面のそれぞれにおいて、外側回路Coの領域と内側回路Ciの領域とが分離部Dvによって分離されている。
【0268】
また、本例では、払出制御基板42の表面と裏面のそれぞれにおいて、分離部Dvの位置及び形状が略同一とされている。ここでの分離部Dvの位置とは、当然、払出制御基板42の面方向における位置を意味するものである。
また、ここでの略同一とは、完全な同一のみを意味するものではなく、プリントパターンの印刷工程において許容される誤差の範囲も含むものである。例えば、設計上、表面と裏面それぞれの分離部Dvの位置及び形状を同じとすることが定められたものであればよく、実際のパターン印刷工程において生じた誤差は許容されるべきものである。
【0269】
さらに、本例の払出制御基板42においては、外側回路Coの領域と内側回路Ciの領域との基板面方向における分離パターンが、表面と裏面とで同じとされている。換言すれば、外側回路Coの領域と内側回路Ciの領域は、基板面方向における位置及び形状が、表面と裏面とで略同一とされているものである。
【0270】
(5.2.1 構成例A)
ここで、上記の図28及び図29を参照した説明によると、実施形態の遊技機1は、次のような「構成例A」としての構成を有するものと言うことができる。
すなわち、構成例Aとしての遊技機(同1)は、外部装置(球貸し機70)との間の信号通信経路上において電気的な絶縁を行う絶縁伝送手段(フォトカプラPC)が実装された通信基板(払出制御基板42)を備え、通信基板には、外部装置側と電気的に接続される回路である外側回路(同Co)と、遊技機内部の他基板と電気的に接続される回路である内側回路(同Ci)とが形成されると共に、外側回路の領域と内側回路の領域とを分離する分離部(同Dv)が形成されており、分離部上に絶縁伝送手段が配置され、外側回路と内側回路のそれぞれが通信基板の表面と裏面とに跨がって形成され、通信基板の表面と裏面のそれぞれにおいて、外側回路の領域と内側回路の領域とが分離されているものである。
【0271】
上記のような構成例Aとしての遊技機は、通信基板の表裏一方の面側のみでなく他方の面側においても外側回路と内側回路の領域が分離される。
従って、内側回路と外側回路との絶縁性向上を図ることができ、外部ノイズ(外部装置側からの入力ノイズ)に対する耐性向上を図ることができる。
【0272】
また、上記構成例Aとしての遊技機は、以下のような構成を有している。
すなわち、構成例Aとしての遊技機において、表面と裏面のそれぞれにおいて、分離部の位置及び形状が略同一とされている。
このように通信基板の表面と裏面それぞれの分離部の位置及び形状が略同一とされることで、表面の内側回路と裏面の外側回路との間の基板面方向における分離距離、及び表面の外側回路と裏面の内側回路との間の基板面方向における分離距離が分離部の幅よりも短くなってしまうことの防止が図られ、基板の表裏間においても内側/外側回路間の絶縁性向上を図ることができ、外部ノイズに対する耐性のさらなる向上を図ることができる。
【0273】
さらに、上記構成例Aとしての遊技機は、以下のような構成を有している。
すなわち、構成例Aとしての遊技機において、外側回路の領域と内側回路の領域との通信基板面方向における分離パターンが表面と裏面とで同じとされている。
つまりは、外側回路の領域と内側回路の領域の形状や範囲は、通信基板の表裏で同じとされており、分離部の形状や範囲としても通信基板の表裏で同じとされているものである。
分離部の形状や範囲が通信基板の表裏で同じとされていることで、内側回路と外側回路との絶縁性向上を図ることができ、外部ノイズに対する耐性向上を図ることができる。
【0274】
また、上記構成例Aとしての遊技機は、以下のような構成を有している。
すなわち、構成例Aとしての遊技機においては、外側回路の領域と内側回路の領域のグランドがベタグランドとされている。
これにより、外側回路と内側回路とについては、ベタグランドも含めて、領域の分離が行われる。
従って、内側回路と外側回路との絶縁性向上を図ることができ、外部ノイズに対する耐性向上を図ることができる。
【0275】
(5.2.2 構成例B)
図30は、実施形態におけるフォトカプラPCの配置例についての説明図である。
図示のようにフォトカプラPC1からPC5は、分離部Dv上に配置されている。
具体的に、本例では、分離部Dvは、払出制御基板42の基板端辺に平行な直線部Spを有するように形成されており、フォトカプラPCはこの直線部Spに配置されている。より具体的に、直線部Spとしては、図示のように払出制御基板42の短辺(短手方向辺)に平行な直線部Sp1と、長辺(長手方向辺)に平行な直線部Sp2とが形成されており、直線部Sp1上にフォトカプラPC1及びPC2が、直線部Sp2上にフォトカプラPC3、PC4、及びPC5が配置されている。
【0276】
このとき、各フォトカプラPCは、前述した内側端子と外側端子の離隔方向に延在する自身の辺が、下方に位置する直線部Spに対して直交する向きに配置される。
【0277】
この図30を参照した説明によると、実施形態としての遊技機1は、次のような構成例Bとしての構成を有するものと言うことができる。
すなわち、構成例Bとしての遊技機(同1)は、外部装置(球貸し機70)との間の信号通信経路上において電気的な絶縁を行う絶縁伝送手段(フォトカプラPC)が実装された通信基板(払出制御基板42)を備え、通信基板には、外部装置側と電気的に接続される回路である外側回路(同Co)と、遊技機内部の他基板と電気的に接続される回路である内側回路(同Ci)とが形成されると共に、外側回路の領域と内側回路の領域とを分離する分離部(同Dv)が形成されており、分離部は、通信基板の端辺に平行な直線部(同Sp)を有し、直線部に絶縁伝送手段が配置されているものである。
【0278】
基板端辺に対して斜めとなっている分離部やカーブ状の分離部に対して絶縁伝送手段を配置するのではなく、基板端辺に平行な直線部に絶縁伝送手段を配置することで、絶縁伝送手段を基板端辺に平行な向きに配置することが可能となる。
従って、通信基板において、絶縁伝送手段の配置効率向上を図ることができる。
【0279】
また、構成例Bとしての遊技機は、次のような構成を有する。
すなわち、上記した構成例Bとしての遊技機においては、直線部に絶縁伝送手段が複数配置されている。
これにより、基板端辺に平行な向きに配置される絶縁伝送手段の数を増やすことができるため、絶縁伝送手段の配置スペースの省スペース化を図ることができる。
【0280】
さらに、構成例Bとしての遊技機は、次のような構成を有する。
すなわち、上記した構成例Bとしての遊技機においては、分離部は直線部を複数有し、2以上の直線部にそれぞれ絶縁伝送手段が配置されている。
これにより、絶縁伝送手段を基板端辺に平行な向きに配置できる部分が増えるため、絶縁伝送手段の配置自由度向上を図ることができる。
【0281】
(5.2.3 構成例C)
図31は、実施形態における払出制御基板42上の各種コネクタCNの配置位置についての説明図である。
図示のように実施形態の払出制御基板42では、他基板と電気的な接続を行うためのコネクタ(内部コネクタ)であるコネクタCN3やCN4、CN6、CN8等と、球貸し機70としての外部装置と電気的な接続を行うためのコネクタ(外部コネクタ)であるコネクタCN7とが、払出制御基板42の一端部に並んで配置されている(図23も併せて参照)。具体的に本例では、これら内部コネクタと外部コネクタは、払出制御基板42の一方の長辺部(一方の長辺側の端部)に並んで配置されている。
【0282】
図31を参照した説明によると、実施形態としての遊技機1は、次のような構成例Cとしての構成を有するものと言うことができる。
すなわち、構成例Cとしての遊技機(同1)は、外部装置(球貸し機70)との間の信号通信経路上において電気的な絶縁を行う絶縁伝送手段(フォトカプラPC)が実装された通信基板(払出制御基板42)を備え、通信基板には、外部装置側と電気的に接続される回路である外側回路(同Co)と、遊技機内部の他基板と電気的に接続される回路である内側回路(同Ci)とが形成されると共に、外側回路の領域と内側回路の領域とを分離する分離部(同Dv)が形成されており、分離部上に絶縁伝送手段が配置され、外側回路の領域には、外部装置と電気的な接続を行うための外部コネクタ(コネクタCN7)が設けられ、内側回路の領域には、他基板と電気的な接続を行うための内部コネクタ(コネクタCN3、CN4、CN6、CN8等)が設けられ、外部コネクタと内部コネクタは、通信基板の一端部に並んで配置されているものである。
【0283】
これにより、内側回路と外側回路との領域分離による絶縁性向上を図りながらも、内部コネクタ、外部コネクタについては配置位置を基板の一端部に揃えることで、コネクタの位置がばらつくことの防止を図ることができ、基板上にコネクタ位置を避けて他部材をオーバーラップさせることのできる面積の拡大化を図ることが可能となる。
従って、外部装置側との絶縁性向上を図りつつ、遊技機における部品配置自由度の向上を図ることができる。
【0284】
また、構成例Cとしての遊技機は、次のような構成を有する。
すなわち、上記した構成例Cとしての遊技機においては、通信基板は面形状が略長方形状とされ、外部コネクタと内部コネクタが通信基板の長辺部に並んで配置されている
ここで、遊技機において各種の基板は、基板の四隅において遊技機本体部とねじ止め等で固定される。この前提において、仮に、外部コネクタと内部コネクタを基板の短辺部に並べる配置とした場合には、コネクタケーブルの挿抜時において、コネクタが設けられた側の辺とは逆側の辺の基板固定点までの距離が長くなることから、基板にかかるストレスが大きくなる。一方で、上記のように外部コネクタと内部コネクタを基板の長辺部に並べる配置とした場合には、コネクタが設けられた側の辺とは逆側の辺の基板固定点までの距離が相対的に短くなることから、コネクタケーブルの挿抜時に基板にかかるストレスの緩和を図ることができる。
【0285】
(5.2.4 構成例D)
図32は、実施形態の払出制御基板42における分離部DvとグランドGnの形成パターン例を説明するための概略断面図である。
図中では、フォトカプラPCが有する内側端子ti、外側端子toが示されている。前述した通り「内側端子」は、フォトカプラPCが有する端子のうち、内側回路Ciと電気的に接続される側の端子を意味し、「外側端子」は外側回路Coと電気的に接続される側の端子を意味するものである。
ここで、内側端子tiは、フォトカプラPCが送信用である場合には、フォトカプラPCが有する一次側端子(フォトダイオードと接続される端子)と二次側端子(フォトトランジスタに接続される端子)のうち一次側端子が該当し、フォトカプラPCが受信用である場合には二次側端子が該当する。逆に、外側端子toは、フォトカプラPCが送信用である場合には二次側端子が該当し、フォトカプラPCが受信用である場合には一次側端子が該当する。
【0286】
図中、内側回路貫通電極Ttiは、払出制御基板42の基板部42aを厚み方向に貫通する貫通電極Ttのうち、フォトカプラPCの内側端子tiと接続された貫通電極Ttを表し、外側回路貫通電極TtoはフォトカプラPCの外側端子toと接続された貫通電極Ttを表している。
【0287】
ここで、図示のように内側回路貫通電極Ttiの内側の端部を内側端IEiとし、外側回路貫通電極Ttoの内側の端部を内側端IEoと表記する。なお、ここで言う端子の内側、外側は、フォトカプラPCの中心を基準としたものであり、該中心に近い側を内側、遠い側を外側とするものである。
【0288】
本例の払出制御基板42においては、内側回路CiのグランドGn(本例ではベタグランド)、外側回路CoのグランドGn(同様に本例ではベタグランド)は、それぞれ、内側回路貫通電極Ttiの内側端IEiから外側回路貫通電極Ttoの内側端IEoまでの領域内にまで延在するように形成されている。具体的に本例では、内側回路CiのグランドGn、外側回路CoのグランドGnはフォトカプラPCの下部にまで達している。
【0289】
ここで、内側端IEiから内側端IEoまでの領域のことを電極内側端間領域Aitとする。
また、内側回路CiのグランドGnのうち、電極内側端間領域Ait内に存在する部分のことを延在領域Agiとし、外側回路CoのグランドGnのうち電極内側端間領域Ait内に存在する部分のことを延在領域Agoとする。
【0290】
本例の払出制御基板42においては、延在領域Agi、Ago、分離部Dvが以下の条件を満たすように形成されている。
すなわち、電極内側端間領域Aitが、延在領域Agi、Ago、分離部Dvによって 略3等分されるという条件である。
【0291】
図32では、一つのフォトカプラPCの配置部分のみを代表して示しているが、本例では、フォトカプラPC1からPC5の全ての配置部分において、上記の条件を満たすように延在領域Agi、Ago、分離部Dvが形成されている。
【0292】
ここで、フォトカプラPCの下側に位置する電極内側端間領域Aitについて、一般的には、絶縁性の向上を図るために、分離部Dvの幅は太くすることが望ましいものとされている。しかしながら、絶縁性を優先して分離部Dvの幅を太くすると、その背反として、内側回路Ci、外側回路Coのベタグランドの幅が狭くなり、これに起因して、フォトカプラPCによる伝送信号に外部ノイズが混入し易くなることが新たに判明した。すなわち、電極内側端間領域Aitにおいて、ベタグランドの幅が狭いと、フォトカプラPCによる伝送信号についてのノイズ抑制効果が低下し易くなるものである。
【0293】
そこで、本例では、電極内側端間領域Aitにおいて、外側回路Coのベタグランド、分離部Dv、内側回路Ciのベタグランドが略3等分で配置されるようにしている。
これにより、分離部Dvによる絶縁効果と、ベタグランドによるノイズ抑制効果とについて、一方に偏重してしまうことの防止を図ることができ、これら絶縁効果とノイズ抑制効果とのバランス化を図ることができる。
【0294】
ここで、本発明者らによるシミュレーションの結果、完全な3等分からの誤差が13%を超えると、分離部Dvによる絶縁効果とベタグランドによるノイズ抑制効果とのバランスに変化が現れ始めた。この結果より、略3等分とは、完全な3等分からの誤差が13%以内、好ましくは、12%以内、より好ましくは10%以内である。
【0295】
なお、上記では全てのフォトカプラPCの配置部分について上記条件を満たす例を説明したが、これは必須ではなく、一部のフォトカプラPCの配置部分が上記条件を満たさない構成も採り得る。
【0296】
ここで、本例において、内側回路Ci及び外側回路Coでは、フォトカプラPCの端子からの信号線Lsが、分離部Dv側ではなく分離部Dvとは反対側に引き出されている。
具体的には、先の図28図29の領域Api内の貫通電極Ttからの信号線Ls、領域Apo内の貫通電極Ttからの信号線Lsとして例示されるように、本例では、フォトカプラPCの端子からの信号線Lsは、全て、分離部Dv側ではなく分離部Dvとは反対側に引き出されている。
【0297】
フォトカプラPCの端子から信号線Lsを分離部側に引き出してしまうと、その信号線Lsをカバーするベタグランドが分離部Dv側に必要となり、その分、分離部Dvの幅を狭くせざるを得なくなってしまう。上記のようにフォトカプラPCの端子から信号線Lsを分離部Dvとは反対側に引き出す構成とすることで、分離部Dvの幅の拡大化を図ることができ、ノイズ抑制効果の向上を図ることができる。
【0298】
上記説明より、本実施形態としての遊技機1は、以下のような構成例Dとしての構成を有するものと言うことができる。
すなわち、構成例Dとしての遊技機(同1)は、外部装置(球貸し機70)との間の信号通信経路上において電気的な絶縁を行う絶縁伝送手段(フォトカプラPC)が実装された通信基板(払出制御基板42)を備え、通信基板は、外部装置側と電気的に接続される回路である外側回路(同Co)と、遊技機内部の他基板と電気的に接続される回路である内側回路(同Ci)とを有し、外側回路と内側回路のそれぞれが通信基板の表面と裏面とに跨がって形成され、少なくとも表面において、外側回路の領域と内側回路の領域のグランド(同Gn)がベタグランドとされると共に、外側回路の領域と内側回路の領域とを分離する分離部(同Dv)が形成されており、分離部上に絶縁伝送手段が配置されている。
そして、内側回路には、絶縁伝送手段の一次側端子、二次側端子の何れか一方と接続され通信基板を貫通する内側回路貫通電極(同Tti)が形成され、外側回路には、絶縁伝送手段の一次側端子、二次側端子の何れか他方と接続され通信基板を貫通する外側回路貫通電極(同Tto)が形成されており、表面における、外側回路貫通電極の内側端(同IEo)から内側回路貫通電極の内側端(同IEi)までの領域である電極内側端間領域(同Ait)が、外側回路のベタグランドの領域(延在領域Ago)と、分離部の領域と、内側回路のベタグランドの領域(延在領域Agi)とにより略3等分されているものである。
【0299】
これにより、分離部による絶縁効果と、ベタグランドによるノイズ抑制効果とについて、一方に偏重してしまうことの防止を図ることができ、これら絶縁効果とノイズ抑制効果とのバランス化を図ることができる。
【0300】
また、構成例Dとしての遊技機は、次のような構成を有する。
すなわち、構成例Dとしての遊技機においては、内側回路及び外側回路において、絶縁伝送手段の端子からの信号線(同Ls)が、分離部側ではなく分離部とは反対側に引き出されている。
【0301】
これにより、分離部の幅の拡大化を図ることができ、ノイズ抑制効果の向上を図ることができる。
【0302】
(5.2.5 構成例E,F)
図33は、分離部Dvの幅に関する説明図である。
図示のように、分離部Dvの最小幅を幅D1とする。本例において、幅D1は、直線部Sp1、Sp2の幅であるとする。
また、払出制御基板42に形成された信号線Lsの幅を幅D2とする。
【0303】
本実施形態の払出制御基板42において、分離部Dvの幅D1が信号線Lsの幅D2よりも太い(D1>D2)ものとされている(先の図28図29も併せて参照)。
本例では、払出制御基板42の表面、裏面の双方において幅D1>幅D2とされている。
また、本例では、分離部Dvの幅D1は、幅D2の最大値、すなわち最も幅広の信号線Lsの幅よりも太いものとされている。本例では、この点についても払出制御基板42の表面、裏面の双方において同様である。
【0304】
上記のように分離部Dvの幅D1が信号線Lsの幅D2よりも太くされていることで、内側回路Ciと外側回路Coとの間の絶縁性の向上を図ることができ、外部ノイズに対する耐性向上を図ることができる。
【0305】
ここで、払出制御基板42上においては、ベタグランドとされたグランドGnと信号線Lsとの間に、これらグランドGnと信号線Lsとを電気的に絶縁する絶縁部ISが形成されている。
この絶縁部ISの幅を幅D3とすると、本実施形態の払出制御基板42においては、分離部Dvの幅D1が絶縁部ISの幅D3よりも太い(D1>D3)ものとされている(先の図28図29も併せて参照)。
本例では、払出制御基板42の表面、裏面の双方において幅D1>幅D3とされている。
また、本例では、払出制御基板42の表面、裏面の双方において、分離部Dvの幅D1は、幅D3の最大値、すなわち最も幅広の絶縁部ISの幅よりも太いものとされている。
【0306】
上記のように分離部Dvの幅D1が絶縁部ISの幅D3よりも太くされていることで、内側回路Ciと外側回路Coとの間の絶縁性の向上を図ることができ、外部ノイズに対する耐性向上を図ることができる。
【0307】
上記説明より、実施形態としての遊技機1は以下のような構成例Eとしての構成を有するものと言うことができる。
すなわち、構成例Eとしての遊技機(同1)は、外部装置(球貸し機70)との間の信号通信経路上において電気的な絶縁を行う絶縁伝送手段(フォトカプラPC)が実装された通信基板(払出制御基板42)を備え、通信基板には、外部装置側と電気的に接続される回路である外側回路(同Co)と、遊技機内部の他基板と電気的に接続される回路である内側回路(同Ci)とが形成されると共に、外側回路の領域と内側回路の領域とを分離する分離部(同Dv)が形成されており、分離部上に絶縁伝送手段が配置され、分離部の最小幅が、通信基板に形成された信号線の幅よりも太いものである。
【0308】
これにより、内側回路と外側回路との間の絶縁性の向上を図ることができ、外部ノイズに対する耐性向上を図ることができる。
【0309】
また、構成例Eとしての遊技機は、次のような構成を有する。
すなわち、構成例Eとしての遊技機においては、内側回路及び外側回路において、絶縁伝送手段の端子からの信号線が、分離部側ではなく分離部とは反対側に引き出されているものである(先の構成例Dの説明を参照)。
これにより、分離部の幅の拡大化を図ることができ、ノイズ抑制効果の向上を図ることができる。
【0310】
また、上記説明より、実施形態としての遊技機1は以下のような構成例Fとしての構成を有するものと言うことができる。
すなわち、構成例Fとしての遊技機(同1)は、外部装置(球貸し機70)との間の信号通信経路上において電気的な絶縁を行う絶縁伝送手段(フォトカプラPC)が実装された通信基板(払出制御基板42)を備え、通信基板には、外部装置側と電気的に接続される回路である外側回路(同Co)と、遊技機内部の他基板と電気的に接続される回路である内側回路(同Ci)とが形成されると共に、外側回路の領域と内側回路の領域とを分離する分離部(同Dv)が形成されており、分離部上に絶縁伝送手段が配置され、外側回路の領域と内側回路の領域のグランド(同Gn)がベタグランドとされ、分離部の最小幅が、通信基板に形成された信号線(同Ls)とベタグランドとの間の絶縁部(同IS)の幅よりも太いものである。
これにより、内側回路と外側回路との間の絶縁性の向上を図ることができ、外部ノイズに対する耐性向上を図ることができる。
【0311】
また、構成例Fとしての遊技機は、次のような構成を有する。
すなわち、構成例Fとしての遊技機においては、内側回路及び外側回路において、絶縁伝送手段の端子からの信号線が、分離部側ではなく分離部とは反対側に引き出されているものである(先の構成例Dの説明を参照)。
これにより、分離部の幅の拡大化を図ることができ、ノイズ抑制効果の向上を図ることができる。
【0312】
[5.3 第一変形例(構成例G)]
図35は、第一変形例としての払出制御基板42Aについての説明図である。
第一変形例としての払出制御基板42Aは、払出制御基板42と比較して、主に分離部Dvの形成パターンが異なる。
この場合の分離部Dvは、払出制御基板42Aの一辺に略平行な方向である第一方向に延在する第一部分P1と、第一部分P1の端部から第一方向とは異なる方向に延在する第二部分P2と、第二部分P2における第一部分P1との連接部とは逆側の端部から第一部分P1と対向関係となるように第一方向に延在する第三部分P3とを有するように形成されている。
具体的に、本例では、上記の第一方向は払出制御基板42Aの短辺に略平行な方向(図中「方向V」)とされ、従って第一部分P1及び第三部分P3は共に該方向Vに延在している。また、本例において、第二部分P2は、払出制御基板42Aの長辺に略平行な方向(図中「方向H」)に延在する部分とされている。
【0313】
上記のような第一部分P1、第二部分P2、及び第三部分P3を含む分離部Dvは、図示のように略コの字の形状を有することになる。図34の例では、このような分離部Dvにおける略コの字の部分により、外側回路Coが囲まれた例としている。
【0314】
上記のような略コの字の分離部Dvが形成されることに伴っては、図中の「Ar」と示すように、基板上において、内側回路Ciの領域の一部が、外側回路Coの領域の裏側に回り込むことになる。
以下、この「Ar」と示す領域のように、内側回路Ci、外側回路Coの何れか一方の領域が他方の領域の裏側に回り込んだ領域のことを「回り込み領域Ar」と表記する。
【0315】
ここで、本例では、分離部Dvにおける上述の第一方向(本例ではV方向)に延在する部分としての第一部分P1及び第三部分P3のうち、上記のような回り込み領域Arと接する方を第三部分P3とし、回り込み領域Arと接しない方を第一部分P1とする。
【0316】
この場合、分離部Dv上に配置するフォトカプラPCとしては、フォトカプラPC11からフォトカプラPC15の五つとされる。
図示は省略しているが、これらフォトカプラPC11からPC15には、その上面部に製品の型番を示す情報が所定の向きで印字されている。特に、フォトカプラPC14とフォトカプラPC15については、同じ製品が用いられており、型番情報は同じ向きに印字されている。例えば、二次側端子が形成される側が文字列の下側となる向きに型番情報が印字されている。なお、フォトカプラPC14とフォトカプラPC15は同一製品であるため、外装色が同色とされている。
【0317】
フォトカプラ14は、内側回路Ciから外側回路Coに信号を伝送する送信用のフォトカプラPCとして用いられ、フォトカプラPC15は、外側回路Coから内側回路Ciに信号を伝送する受信用のフォトカプラPCとして用いられる。
本例では、送信用フォトカプラPC14は、前述したPRDY信号、EXS信号のうち何れかの送信に用いられ、受信用フォトカプラPC15は、前述したBRDY信号、BRQ信号のうち何れかの送信に用いられる。
【0318】
図示のように本例では、フォトカプラPC11からPC13は分離部Dvにおける第一部分P1上に配置されている。
なお、フォトカプラPC11からPC13について、何れのフォトカプラPCが送信用、受信用とされるかや、各フォトカプラPCが何れの信号を伝送するかについては特に限定されない。
【0319】
図示のように本例では、送信用のフォトカプラPC14は、分離部Dvにおける第一部分P1上においてフォトカプラPC11からPC13と並んで配置され、受信用のフォトカプラPC15は、分離部Dvにおける第三部分P3上に配置されている。
【0320】
ここで、送信用のフォトカプラPC14は、一次側端子を内側回路Ciに、二次側端子を外側回路Coに接続し、受信用のフォトカプラPC15は、逆に一次側端子を外側回路Coに、二次側端子を内側回路Ciに接続にすることになるが、上記構成によれば、このように送信用のフォトカプラPC14及び受信用のフォトカプラPC15の一次側、二次側の各端子を接続するにあたり、フォトカプラPC14とPC15の実装向きを揃えることが可能となる。
実装向きが揃うことで、これらフォトカプラPC14とPC15の印字の向きも揃えることができ、基板上においてフォトカプラPC14とPC15の部品を確認し易くなる。また、基板に対する部品実装時においても、フォトカプラPC14とフォトカプラPC15を同じ向きに実装できるので、ロボットアームを回転させずに済み、実装作業の効率向上を図ることができる。
従って、払出制御基板42Aに実装されるフォトカプラPC14、PC15について、部品確認の容易性向上を図りつつ、実装作業の効率向上を図ることができる。
【0321】
なお、上記では送信用のフォトカプラPC14を第一部分P1に、受信用のフォトカプラPC15を第三部分P3にそれぞれ配置する例としたが、逆に、フォトカプラPC14を第三部分P3に、フォトカプラPCを第一部分P1に配置することもできる。この場合、フォトカプラPC14とPC15の実装向きは、図34の場合とは逆向きにすることになる。
この点からも理解されるように、フォトカプラPC14については、第一部分P1と第三部分P3の何れか一方に配置し、フォトカプラPC15については、第一部分P1と第三部分P3の何れか他方に配置すればよい。
【0322】
ここで、払出制御基板42Aにおいても、内側回路Ciの領域には、遊技機1内の他基板と電気的に接続されるコネクタCNである内部コネクタ(ここでは符号を「CNi」とする)が配置され、外側回路Coの領域には、外部装置としての球貸し機70と電気的に接続されるコネクタCNである外部コネクタ(ここでは符号を「CNo」とする)が配置されている。
本例において、これら内部コネクタCNiと外部コネクタCNoは、上面視で略長方形の形状を有し、払出制御基板42Aの長辺と略平行な方向に長辺が延在するように配置されている。ここで、払出制御基板42Aの長辺は、分離部Dvにおける第一部分P1及び第三部分P3の延在方向である方向Vを基準とすると、該方向V1に略直交する方向(以下「第三方向」とする)と換言できるものである。本例では、第三方向は、払出制御基板42Aの長辺に略平行な方向である。
【0323】
これら内部コネクタCNi、外部コネクタCNoのうち、フォトカプラPC14からの離間距離とフォトカプラPC15からの離間距離との合計距離が最小となるコネクタを近傍コネクタとする。本例では、この近傍コネクタは、外部コネクタCNoが該当する。
【0324】
そして、本例の払出制御基板42Aにおいては、フォトカプラPC14とPC15が、近傍コネクタの第三方向における中心線Lcを境に、第三方向に離隔して配置されている。
【0325】
図中では、フォトカプラPC14から外部コネクタCNoを介して送信される送信信号の流れと、外部コネクタCNoからフォトカプラPC15を介して受信される受信信号の流れを破線矢印により模式的に表しているが、これらの破線矢印を参照して分かるように、上記のようにフォトカプラPC14とPC15が近傍コネクタの中心線Lcを境に第三方向に離隔して配置されることで、送信信号と受信信号の配線を極力離隔して形成することが可能となることが分かる。
従って、送信、受信の各配線の輻射ノイズによる相互干渉の低減を図ることができる。
【0326】
なお、上記では、回り込み領域Arを、内側回路Ciの一部が外側回路Coの裏側まで回り込む領域として形成する例を挙げたが、回り込み領域Arは、図35に示すように、逆に外側回路Coの一部が内側回路Ciの裏側まで回り込む領域として形成することも考えられる。
この場合、分離部Dvにおける第一部分P1、第二部分P2、及び第三部分P3で形成される略コの字の領域で囲われるのは、内側回路Ciの領域となる。
【0327】
この図35の構成とした場合にも、図34の場合と同様の要領で、フォトカプラPC14を第一部分P1と第三部分P3の何れか一方に、フォトカプラPC15を第一部分P1と第三部分P3の何れか他方に配置することで、同様の効果を得ることができる。
【0328】
また、この場合、フォトカプラPC14とPC15に対する近傍コネクタは内部コネクタCNiとなるが、この場合、該近傍コネクタとしての内部コネクタCNiの第三方向(本例では払出制御基板42Aの長辺に略平行な方向)における中心線Lc’を境に、フォトカプラPC14とPC15を第三方向に離隔して配置する。
これにより、この場合も送信信号と受信信号の配線を極力離隔して形成することが可能となり、送信、受信の各配線の輻射ノイズによる相互干渉の低減を図ることができる。
【0329】
上記説明より、第一変形例としての遊技機1は、以下のような構成例Gとしての構成を有するものと言える。
すなわち、構成例Gとしての遊技機(同1)は、外部装置(球貸し機70)との間の信号通信経路上において電気的な絶縁を行う絶縁伝送手段(フォトカプラPC)が実装された通信基板を備え、通信基板には、外部装置側と電気的に接続される回路である外側回路(同Co)と、遊技機内部の他基板と電気的に接続される回路である内側回路(同Ci)とが形成されると共に、外側回路の領域と内側回路の領域とを分離する分離部(同Dv)が形成されており、絶縁伝送手段として、内側回路から外側回路に信号を伝送する送信絶縁伝送手段(フォトカプラPC14)と、外側回路から内側回路に信号を伝送する受信絶縁伝送手段(フォトカプラPC15)とが実装されている。
そして、分離部は、通信基板の一辺に略平行な方向である第一方向に延在する第一部分(同P1)と、第一部分の端部から第一方向とは異なる方向に延在する第二部分(同P2)と、第二部分における第一部分との連接部とは逆側の端部から第一部分と対向関係となるように第一方向に延在する第三部分(同P3)とを有し、送信絶縁伝送手段が第一部分と第三部分の何れか一方に、受信絶縁伝送手段が第一部分と第三部分の何れか他方に配置されたものである。
【0330】
これにより、送信絶縁伝送手段と受信絶縁伝送手段の実装向きを揃えることが可能となる。
実装向きが揃うことで、送信、受信絶縁伝送手段の印字の向きも揃えることができ、基板上において送信、受信絶縁伝送手段の部品を確認し易くなる。また、基板に対する部品実装時においても、送信絶縁伝送手段と受信絶縁伝送手段を同じ向きに実装できるので、ロボットアームを回転させずに済み、実装作業の効率向上を図ることができる。
従って、通信基板に実装される送信、受信絶縁伝送手段について、部品確認の容易性向上を図りつつ、実装作業の効率向上を図ることができる。
【0331】
また、構成例Gとしての遊技機は、次のような構成を有する。
すなわち、構成例Gとしての遊技機においては、通信基板には、内側回路の領域に配置されて他基板と電気的な接続を行う内部コネクタ(同CNi)と、外側回路の領域に配置されて外部装置側と電気的な接続を行う外部コネクタ(同CNo)とが設けられ、内部コネクタ及び外部コネクタは、上面視で略長方形の形状を有し、通信基板における一辺と略直交する方向である第三方向に長辺が延在するように配置されており、内部コネクタと外部コネクタのうち、送信絶縁伝送手段からの離間距離と受信絶縁伝送手段からの離間距離との合計距離が最小となるコネクタを近傍コネクタとしたときに、送信絶縁伝送手段と受信絶縁伝送手段は、近傍コネクタの第三方向における中心線を境に、第三方向に離隔して配置されている。
上記構成によれば、送信絶縁伝送手段と受信絶縁伝送手段は、第三方向において、近傍コネクタの中心線を境に別々の側に離隔して配置されるので、通信基板において、送信信号と受信信号の配線を極力離隔して形成することが可能となる。
従って、送信、受信の各配線の輻射ノイズによる相互干渉の低減を図ることができる。
【0332】
[5.4 第二変形例(構成例H)]
ここで、上記では、フォトカプラPCを介して外部装置との間で送受する信号の例として、BRDY信号、BRQ信号、PRDY信号、EXS信号のような比較的低速な信号を例示したが、フォトカプラPCを介して、外部装置との間で低速信号のみでなく高速信号を送受する構成も考えられる。
ここで言う「低速信号」「高速信号」について、低速、高速は、信号値(信号レベル)の変化の平均周期を基準としたものであり、「高速信号」は、「低速信号」よりも該平均周期が早い信号を意味する。
また、「低速信号」「高速信号」については、「高速信号」は所定周波数のクロックに同期して信号レベルが変化する(つまりクロックにより律速される)シリアル通信で伝送される信号であり、「低速信号」はクロックによる律速のない信号であると定義することもできる。
【0333】
図36は、上記のように外部装置との間で低速信号と高速信号の双方を送受する場合に採り得る第二変形例としての払出制御基板42Bの構成例を説明するための図である。
図36に示す払出制御基板42Bにおいて、分離部Dvの形成パターン、フォトカプラPC11からPC13の配置、内部コネクタCNiと外部コネクタCNoの形状及び配置位置については図34の場合と同様であるため重複説明は避ける。
【0334】
この場合、フォトカプラPC11からPC13は低速信号を伝送するフォトカプラPCとされる。
一方、高速信号を伝送するフォトカプラPCとして、図中のフォトカプラPC16及びPC17が実装される。
フォトカプラPC16は、高速信号を内側回路Ciから外側回路Coに伝送する送信用のフォトカプラPCとされ、フォトカプラPC17は、高速信号を外側回路Coから内側回路Ciに伝送する受信用のフォトカプラPCとされる。
【0335】
本例において、フォトカプラPC11からPC13は、分離部Dvの第一部分P1上に配置されている。
そして、フォトカプラPC16は、第一部分P1上において、これらフォトカプラPC11からPC13と並んで配置されており、フォトカプラPC17は、第三部分P3上に配置されている。
これにより、フォトカプラPC16とフォトカプラPC17は、払出制御基板42Bの一辺と略平行な方向(本例では払出制御基板42Bの長辺に略平行な方向:以下、「辺平行方向」と表記する)に離隔されている。
【0336】
第二変形例としての払出制御基板42Bにおいては、低速信号を伝送するフォトカプラPC11からPC13は第一の間隔で配置される一方、高速信号を伝送するフォトカプラPC16とPC17は、第一の間隔よりも広い第二の間隔で配置されている。
【0337】
高速信号を伝送するフォトカプラPC16、PC17の伝送信号は、低速信号を伝送するフォトカプラPC11からPC13の伝送信号よりも高速であり、フォトカプラPC16、PC17に接続される信号線Lsには輻射ノイズが生じる虞がある。上記構成によれば、フォトカプラPC16に接続される信号線LsとフォトカプラPC17に接続される信号線Lsとが相互に輻射ノイズの影響を受けてしまう可能性の低減を図ることが可能となる。
従って、高速信号通信の正確性向上を図ることができる。
【0338】
なお、上記ではフォトカプラPC11からPC13が第一の間隔としての等間隔で配置される前提としたが、フォトカプラPC11からPC13は非等間隔で配置される場合もあり得る。その場合、高速信号を伝送するフォトカプラPC16とPC17の配置間隔は、フォトカプラPC11とPC12の組の配置間隔、フォトカプラPC12とPC13の組の配置間隔のうち広い方の配置間隔よりも広ければよい。
【0339】
ここで、図36に示すように、払出制御基板42Bにおいては、内部コネクタCNi及び外部コネクタCNoは、上面視で略長方形の形状を有し、払出制御基板42Bにおける上述した辺平行方向(フォトカプラPC16とPC17の離隔方向)に長辺が延在するように配置されている。
そして、フォトカプラPC16とPC17は、該辺平行方向において、これらフォトカプラPC16とPC17に対する近傍コネクタ(各フォトカプラPCからの離間距離の合計が最小となるコネクタCN)の該辺平行方向における中心線Lcを境に離隔して配置されている。
【0340】
これにより、フォトカプラPC16、PC17による伝送信号の配線を極力離隔して形成することが可能となる。
従って、フォトカプラPC16、PC17を介して高速信号を伝送する各配線の輻射ノイズによる相互干渉の低減を図ることができる。
【0341】
なお、図36では、回り込み領域Arを、内側回路Ciの一部が外側回路Coの裏側まで回り込む領域として形成する例を挙げたが、回り込み領域Arは、図37に示すように、外側回路Coの一部が内側回路Ciの裏側まで回り込む領域として形成することも考えられる。この場合は、先の図35の場合と同様に、分離部Dvにおける第一部分P1、第二部分P2、及び第三部分P3で形成される略コの字の領域で囲われるのは内側回路Ciの領域となる。
【0342】
図37の構成とした場合にも、図36の場合と同様の要領で、フォトカプラPC16を第一部分P1と第三部分P3の何れか一方に、フォトカプラPC17を第一部分P1と第三部分P3の何れか他方に配置することで、第一変形例の場合と同様の効果を得ることができる。
【0343】
また、この場合、フォトカプラPC16とPC17に対する近傍コネクタは内部コネクタCNiとなるが、この場合、該近傍コネクタとしての内部コネクタCNiの辺平行方向(本例では払出制御基板42Bの長辺に略平行な方向)における中心線Lc’を境に、フォトカプラPC16とPC17を辺平行方向に離隔して配置する。
これにより、この場合もフォトカプラPC16、PC17による伝送信号の配線を極力離隔して形成することが可能となり、これらフォトカプラPC16、PC17を介して高速信号を伝送する各配線の輻射ノイズによる相互干渉の低減を図ることができる。
【0344】
上記説明より、第一変形例としての遊技機1は、以下のような構成例Hとしての構成を有するものと言える。
すなわち、構成例Hとしての遊技機(同1)は、外部装置(球貸し機70)との間の信号通信経路上において電気的な絶縁を行う絶縁伝送手段(フォトカプラPC)が実装された通信基板(払出制御基板42B)を備え、通信基板は、外部装置側と電気的に接続される回路である外側回路(同Co)と、遊技機内部の他基板と電気的に接続される回路である内側回路(同Ci)とが形成されると共に、外側回路の領域と内側回路の領域とを分離する分離部(同Dv)が形成されており、外部装置との間の信号通信として、低速信号通信と高速信号通信の双方を行うことが可能に構成されている。
そして、低速信号通信を行うための絶縁伝送手段として、第一低速絶縁伝送手段(フォトカプラPC11からPC13の何れか)と第二低速絶縁伝送手段(フォトカプラPC11からPC13の何れか)とを有し、高速信号通信を行うための絶縁伝送手段として、第一高速絶縁伝送手段(フォトカプラPC16)と第二高速絶縁伝送手段(フォトカプラPC17)とを有し、分離部上において、第一低速絶縁伝送手段と第二低速絶縁伝送手段が第一の間隔で配置される一方、第一高速絶縁伝送手段と第二高速絶縁伝送手段が第一の間隔よりも広い第二の間隔で配置されたものである。
【0345】
高速絶縁伝送手段の伝送信号は低速絶縁伝送手段の伝送信号よりも高速であり、高速絶縁伝送手段に接続される信号線には輻射ノイズが生じる虞がある。上記構成によれば、第一高速絶縁伝送手段に接続される信号線と第二高速絶縁伝送手段に接続される信号線とが相互に輻射ノイズの影響を受けてしまう可能性の低減を図ることが可能となる。
従って、高速信号通信の正確性向上を図ることができる。
【0346】
また、構成例Hとしての遊技機は、次のような構成を有する。
すなわち、構成例Hとしての遊技機においては、通信基板には、内側回路の領域に配置されて他基板と電気的な接続を行う内部コネクタ(同Ci)と、外側回路の領域に配置されて外部装置側と電気的な接続を行う外部コネクタ(同Co)とが設けられ、第一高速絶縁伝送手段と第二高速絶縁伝送手段は、通信基板の一辺と略平行な方向である辺平行方向に離隔して配置されており、内部コネクタ及び外部コネクタは、上面視で略長方形の形状を有し、通信基板の辺平行方向に長辺が延在するように配置されており、内部コネクタと外部コネクタのうち、第一高速絶縁伝送手段からの離間距離と第二高速絶縁伝送手段からの離間距離との合計距離が最小となるコネクタを近傍コネクタとしたときに、第一高速絶縁伝送手段と第二高速絶縁伝送手段は、辺平行方向において、近傍コネクタの辺平行方向における中心線を境に離隔して配置されている。
【0347】
これにより、第一、第二高速絶縁伝送手段による伝送信号の配線を極力離隔して形成することが可能となる。
従って、高速信号を伝送する各配線の輻射ノイズによる相互干渉の低減を図ることができる。
【0348】
なお、第二変形例としての払出制御基板42Bについて、上記では第一変形例の場合と同様に分離部Dvが第一部分P1、第二部分P2、第三部分P3を有し、第一部分P1と第三部分P3の何れか一方にフォトカプラPC16を、第一部分P1と第三部分P3の何れか他方にフォトカプラPC17を配置する構成を例示したが、第二変形例において、該構成を採ることは必須ではない。
【0349】
また、上記ではフォトカプラPC16が送信用のフォトカプラPC、フォトカプラPC17が受信用のフォトカプラPCとされる例を挙げたが、これらフォトカプラPC16、PC17の双方が送信用、又は受信用のフォトカプラPCとされる構成も考えられる。
【0350】
<6.その他変形例>
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明はこれまでに説明した具体例に限定されるものではなく、多様な変形例としての構成を採り得る。
例えば、上記では、絶縁伝送手段としてフォトカプラを例示したが、本発明は、絶縁伝送手段として光電変換式の絶縁伝送手段が採用される場合に広く好適に適用できる。また、本発明は、絶縁伝送手段として、例えばトランス等の電磁式の絶縁伝送手段等、光電変換式以外の形式による絶縁伝送手段が採用される場合にも好適に適用できる。
【0351】
また、上記では、本発明に係る通信基板が、遊技球の払出制御(貸し出し制御)機能を有する払出制御基板として構成された場合を例示したが、本発明に係る通信基板としては、該払出制御機能を有することは必須ではなく、少なくとも、外部装置との間の通信を行うための機能を有するものであればよい。
【0352】
また、上記では、通信基板における絶縁伝送手段を介した信号伝送として、球貸し機70等の外部装置との間の信号伝送が行われる前提としたが、絶縁伝送手段を介した信号伝送としては、通信基板と遊技機内部の他基板との間の信号伝送とすることも考えられる。この場合における通信基板としては、例えば、遊技の進行に係る制御を行う遊技制御基板と演出手段の制御を行う演出制御基板との間の通信を中継する通信中継基板として構成することが考えられ、絶縁伝送手段は、これら遊技制御基板と演出制御基板との間の信号通信経路上において電気的な絶縁を行う。このような構成を採ることで、演出制御基板側で生じたノイズが遊技制御基板側へ混入してしまうことの防止を図ることが可能となる。
そして、上記のように通信基板の絶縁伝送手段が遊技機内の制御基板間の信号通信経路上における電気的な絶縁を行う構成が採られた場合に、該通信基板について、上述した構成例Aから構成例Hとして説明した構成を採ることが考えられる。
【符号の説明】
【0353】
1 遊技機
42 払出制御基板
70 球貸し機
R 抵抗
C コンデンサ
D ダイオード
CN1からCN12 コネクタ
IC1からIC14 集積回路
PC1からPC5 フォトカプラ
Ci 内側回路
Co 外側回路
Dv 分離部
Tt 貫通電極
Ls 信号線
Gn グランド
Sp1,Sp2 直線部
42a 基板部
ti 内側端子
to 外側端子
Tti 内側回路貫通電極
Tto 外側回路貫通電極
IEi,IEo 内側端
Ait 電極内側端間領域
Agi,Ago 延在領域
IS 絶縁部
PC11からPC13 フォトカプラ
PC14 フォトカプラ(送信用)
PC15 フォトカプラ(受信用)
P1 第一部分
P2 第二部分
P3 第三部分
Lc,Lc’ 中心線
PC16,PC17 フォトカプラ(高速通信)
図1
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