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  • 特許-サリチルアミンアセテートの調製方法 図1
  • 特許-サリチルアミンアセテートの調製方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】サリチルアミンアセテートの調製方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 213/10 20060101AFI20241209BHJP
   C07C 215/50 20060101ALI20241209BHJP
【FI】
C07C213/10
C07C215/50
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022516256
(86)(22)【出願日】2020-05-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-22
(86)【国際出願番号】 CN2020091546
(87)【国際公開番号】W WO2020238753
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】201910440439.9
(32)【優先日】2019-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522086825
【氏名又は名称】ティーエスアイ グループ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100133765
【弁理士】
【氏名又は名称】中田 尚志
(72)【発明者】
【氏名】ローン,リーン
(72)【発明者】
【氏名】マー,ジャンイー
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ウエイグオ
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ジョウヤー
【審査官】向井 佑
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2007/0203214(US,A1)
【文献】特開平7-330702(JP,A)
【文献】The direct reductive amination of electron-deficient amines with aldehydes: the unique reactivity of the Re2O7 catalyst,Chem. Commun.,2012年08月25日,vol.48,p.8276-8278
【文献】Characterization of Scavengers of γ-Ketoaldehydes That Do Not Inhibit Prostaglandin Biosynthesis,Chemical Research in Toxycology,2010年01月,Vol.23,p.240-250
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)式1に示された構造であるサリチルアルデヒドを、アミノ保護し、式2に示された構造である化合物を得ること、
【化1】
(2)式2に示された構造である化合物を、酢酸と反応し、サリチルアミンアセテートを得ること、
を含むことを特徴とするサリチルアミンアセテートの調製方法。
【請求項2】
ステップ(1)におけるアミノ保護の反応温度は、0-50℃であることを特徴とする請求項1に記載された調製方法。
【請求項3】
ステップ(1)におけるアミノ保護の反応時間は、3-18時間であることを特徴とする請求項1に記載された調製方法。
【請求項4】
ステップ(1)におけるtert-ブチルカルバメートとサリチルアルデヒドとの当量比は、1.0-3.0:1であることを特徴とする請求項1に記載された調製方法。
【請求項5】
ステップ(1)における反応溶剤は、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、アセトニトリル又は1,4-ジオキサンから選べられることを特徴とする請求項1に記載された調製方法。
【請求項6】
ステップ(2)に酢酸との反応温度は、50℃から酢酸還流温度までであることを特徴とする請求項1に記載された調製方法。
【請求項7】
ステップ(2)に酢酸との反応温度は、70℃から酢酸還流温度までであることを特徴とする請求項1に記載された調製方法。
【請求項8】
ステップ(2)に酢酸との反応時間は、5-70時間であることを特徴とする請求項6又は7に記載された調製方法。
【請求項9】
ステップ(2)に酢酸との反応時間は、5-60時間であることを特徴とする請求項6又は7に記載された調製方法。
【請求項10】
ステップ(2)に式2に示された構造である化合物と酢酸との使用量の比は、1:0.1-20(g/mL)であることを特徴とする請求項1に記載された調製方法。
【請求項11】
ステップ(2)に式2に示された構造である化合物と酢酸との使用量の比は、1:1-15(g/mL)であることを特徴とする請求項1に記載された調製方法。
【請求項12】
ステップ(2)に式2に示された構造である化合物と酢酸との使用量の比は、1:3-10(g/mL)であることを特徴とする請求項1に記載された調製方法。
【請求項13】
(1)式1に示された構造であるサリチルアルデヒドを、アミノ保護し、式2に示された構造である化合物を得ること、
(2)式2に示された構造である化合物を、酢酸と反応し、反応を停止した後、温度を室温まで下げ、サリチルアミンアセテート粗品を得ること、及び
(3)得られるサリチルアミンアセテート粗品を、有機溶剤と混合し、結晶を析出し、純なサリチルアミンアセテートを得ること、ここで、前記有機溶剤は、酢酸エチル、イソプロピルエーテル、無水エタノール、又はメチルtert-ブチルエーテルから選ばれる、
を含むことを特徴とする請求項1に記載された調製方法。
【請求項14】
上記の有機溶剤の使用量は式2化合物の使用量の1-50倍であることを特徴とする請求項13に記載された調製方法。
【請求項15】
上記の有機溶剤の使用量は式2化合物の使用量の1-20倍であることを特徴とする請求項13に記載された調製方法。
【請求項16】
上記の有機溶剤の使用量は式2化合物の使用量の1-10倍であることを特徴とする請求項13に記載された調製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、化学合成分野に属し、より具体的に、サリチルアミンアセテートの調製方法に関わる。
【背景技術】
【0002】
サリチルアルデヒドをアミノ基で保護して得られる化合物は、強酸で加水分解・脱保護した後、酢酸と反応させ、サリチルアミンアセテートを得られるが、この方法の商業的価値は限られている。したがって、当分野では、低コストで優れた商業的効果を有するサリチルアミンアセテートを調製方法を提供することは、急務とされる。
【発明の概要】
【0003】
本願の目的は、サリチルアミンアセテートの新しい調製方法を提供することである。
本願が、サリチルアミンアセテートを調製方法提供し、上記の方法は、以下のステップを含む:
(1)式1に示された構造であるサリチルアルデヒドを、アミノ基で保護し、式2に示された構造である化合物を得る;及び
(2)式2に示された構造である化合物を、酢酸と反応し、サリチルアミンアセテートを得る;
【0004】
【化1】
【0005】
別の好ましい例では、ステップ(1)には、アミノ基で保護する際の反応温度は、0-50℃である。
別の好ましい例では、ステップ(1)には、アミノ基で保護する際の反応時間は、3-18時間である。
【0006】
別の好ましい例では、ステップ(1)には、tert-ブチルカルバメートとサリチルアルデヒドの当量比は、1.0-3.0:1である。
別の好ましい例では、ステップ(1)の反応溶剤は、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、アセトニトリル又は1,4-ジオキサンから選べられる。
【0007】
別の好ましい例では、ステップ(2)には、酢酸との反応温度は、50℃から酢酸還流温度まで、より好ましくに70℃から酢酸還流温度までである。
別の好ましい例では、ステップ(2)には、酢酸との反応時間は、5-70時間で、より好ましくに5-60時間である。
【0008】
別の好ましい例では、ステップ(2)には、式2に示された構造である化合物と酢酸との使用量の比は、1:0.1-20(g/mL)である;より好ましくに、1:1-15(g/mL)である;さらに好ましくに、1:3-10(g/mL)である。
【0009】
別の好ましい例では、上記の方法は、以下のステップを含む:
(1)式1に示された構造であるサリチルアルデヒドを、アミノ基で保護し、式2に示された構造である化合物を得る;
(2)式2に示された構造である化合物を、酢酸と反応し、反応を停止した後、温度を室温まで下げ、サリチルアミンアセテート粗品を得る;及び
(3)得られるサリチルアミンアセテート粗品を、有機溶剤と混合し、結晶を析出し、純なサリチルアミンアセテートを得る;上記の有機溶剤は、酢酸エチル、イソプロピルエーテル、無水エタノール、又はメチルtert-ブチルエーテルから選べられる。
【0010】
別の好ましい例では、上記の有機溶剤の使用量は、式2化合物の使用量の1-50倍である;より好ましくに、1-20倍である;さらに好ましくに、1-10倍である。
したがって、本願は、低コストで優れた商業的効果を有するサリチルアミンアセテートを調製方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1には、本願で得られたサリチルアミンアセテートのNMRスペクトラムを示す。
図2図2には、本願で得られたサリチルアミンアセテートのHPLCスペクトラムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
具体的な実施形態
アミノ基保護剤の除去は、一般的に酢酸のような弱酸で達成できないので、一般的に強酸で加水分解する方式で行い、例えば下記の反応の一連の実験は次のとおり:
【0013】
【化2】
【0014】
反応条件及びその結果は、表1に示されたように:
【0015】
【表1】
【0016】
上記の反応は、酢酸でアミノ基を脱保護する効果は、ベンゼン環または他の剛直な構造上のアミノ基保護剤には良くないことを示した;異なる基質の原材料を、LCMSで検出し、標的産物を生成することはできたが、生成される不純物(特に反応aおよびbには)の量が多い;3つの反応の後処理では、メチルtert-ブチルエーテルを添加しても固体を析出しないので、標的産物を得るつもりがあれば、精製プロセスは非常に面倒になる。
【0017】
しかしながら、本願の標的産物は、サリチルアミンアセテートであり、酢酸を使用すると、脱保護剤と塩の形成を1つのステップで完成することができる;従来技術に提供された教示は、こんな反応の収率が低いか、または後処理が複雑であり、工業生産に有利なものではないが、発明者は、広範囲かつ詳細な研究の上に、複雑な反応環境でいくつかの重要な要素が適切に制御されると、アミノ保護試薬の使用で得られるサリチルアルデヒド化合物は、酢酸と直接反応して酢酸サリチルアミンを得るだけでなく、その後に有機溶媒を使用して結晶化するだけで高純度の産物を得ることができる。
【0018】
上記のいわゆる重要な要素には、反応基質と酢酸の量の関係、反応温度と時間、およびその後の結晶化プロセスにおける有機溶媒の選択が含まれる。これに基づき、本発明を完成した。
【0019】
本発明で使用される場合、「式1に示された構造である化合物」と「式1化合物」は、交換可能に使用され、いずれもサリチルアルデヒドを指す。残りは類推によって推測することができる。
【0020】
本発明で使用される場合、「室温」とは、15-35℃、例えば、15-20℃、15-25℃、18-20℃、15-30℃、22-28℃、24-30℃、32-35℃などが、これらに限定されない。
ここに関わる化合物を表2にリストする:
【0021】
【表2】
【0022】
具体的に、本願に提供される式3に示された構造であるサリチルアミンアセテートの調製方法は、以下のステップを含む:
ステップ1、式1に示された構造であるサリチルアルデヒドを、アミノ基保護剤と混合し、式2に示された構造である化合物を得る;
ステップ2、式2に示された構造である化合物を、酢酸と混合し、反応して、式3に示された構造であるサリチルアミンアセテートを得る。
【0023】
本発明の一つの実施形態において、上記のステップ1には、式1に示された構造であるサリチルアルデヒドとアミノ基保護剤を混合してなるシステムに含まれる溶剤は、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、アセトニトリル又は1,4-ジオキサンから選べられる。
【0024】
本発明の一つの実施形態において、上記のステップ1には、式1に示された構造であるサリチルアルデヒドとアミノ基保護剤を混合してなるシステムに、トリエチルシランも含む。
【0025】
本発明の一つの実施形態において、上記のステップ1には、式1に示された構造であるサリチルアルデヒドとアミノ基保護剤を混合してなるシステムに、トリフルオロ酢酸も含む。
【0026】
本発明の一つの実施形態において、上記のステップ1における混合温度は、0-50℃で、好ましくに10-50℃である。
本発明の一つの実施形態において、上記のステップ1における混合時間は、3-18時間で、好ましくに8-18時間である。
【0027】
本願の一つの実施例には、上記のステップ1は、式1に示された構造であるサリチルアルデヒド、アミノ基保護剤、トリエチルシランとトリフルオロ酢酸を混合した後に、0-50℃(好ましくに10-50℃)で、システムを3-18時間(好ましくに8-18時間)に保温し、式2に示された構造である化合物を得た;ただし、上記のアミノ基保護剤は、カルバミン酸ベンジル又はtert-ブチルカルバメートから選べられる;上記のアミノ基保護剤とサリチルアルデヒドとの使用量の比は、1.0-3.0当量:1である;上記のトリエチルシランとサリチルアルデヒドとの使用量の比は、1.0-3.0当量:1である。
【0028】
本願の一つの好ましい実施例には、保温の間に、システムを攪拌した。
上記のステップ1にtert-ブチルカルバメートを使用する場合、有機溶剤に混合を行い、上記の有機溶剤は、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、アセトニトリル又は1,4-ジオキサンから選べられる。
【0029】
本願の一つの好ましい実施例には、上記のステップ1には、飽和無機アルカリ溶液を使用して反応をクエンチし、式2の化合物を得る;上記の無機塩基は、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどを含む;反応をクエンチできる量で、好ましくにシステムを弱アルカリ性(例えばpHは、7-9、7-8.5、7-8、7.5-8.5、7.5-9など)にする量で、無機アルカリ溶液を使用した。
【0030】
本発明の一つの実施形態において、上記のステップ2には、式2化合物と酢酸の使用量の比は、1:0.1-20(g/mL)である;好ましくに、1:1-15(g/mL)である;より好ましくに、1:3-10(g/mL)である。
【0031】
本発明の一つの実施形態において、上記のステップ2には、酢酸との反応温度は、50℃から酢酸還流温度までである;好ましくに、70℃から酢酸還流温度までである。
本発明の一つの実施形態において、上記のステップ2には、酢酸との反応時間は、5-70時間である;好ましくに5-60時間である。
【0032】
反応効果について、上記のステップ2では、反応温度と反応時間の間に、関連性があり、高い反応温度であると、反応時間が短くなり、逆もまた同様であり、例えば、70℃より低い反応温度であると、35時間以上反応するが、100℃より高い反応温度であると、反応時間は15時間未満であっても良く、これらに限定されない。
【0033】
本発明の一つの好ましい実施形態において、酢酸と混合してなるシステムに、有機溶剤の添加で結晶析出し、濾過の後に、純度が高いサリチルアミンアセテートを得た;上記の有機溶剤の使用量は式2化合物の使用量の1-50倍である;好ましくに1-20倍である;より好ましくに1-10倍である;上記の有機溶剤は、酢酸エチル、イソプロピルエーテル、無水エタノール、又はメチルtert-ブチルエーテル(MTBE)から選べられる。
【0034】
本発明の一つの好ましい実施形態において、本願に提供される式3に示された構造であるサリチルアミンアセテートの調製方法は、以下のステップを含む:
ステップ1、式1に示された構造であるサリチルアルデヒドを、アミノ基保護剤と混合し、式2に示された構造である化合物を得る;
ステップ2、式2に示された構造である化合物を、酢酸と混合し、反応し、反応を停止した後、温度を室温まで下げ、サリチルアミンアセテート粗品を得る;
ステップ3、サリチルアミンアセテート粗品と有機溶剤と混合し、結晶析出し、純度が高い式3に示された構造であるサリチルアミンアセテートを得る。
【0035】
本発明の一つの実施形態において、ステップ3における有機溶剤の使用量は、ステップ2における酢酸使用量の2-5倍(v/v)であり、好ましくに2-4倍である。
本発明で言及された上記の特徴または実施形態で言及された特徴は、任意に組み合わせることができる。本願明細書に開示されるすべての特徴は、任意の構成形態と組み合わせて使用することができ、明細書に開示されている各特徴は、同じ、等しい、または同様の目的を提供できる任意の代替機能に置き換えることができる。したがって、特に明記されていない限り、開示されている特徴は、同等または類似の機能の一般的な例にすぎない。
【0036】
本発明の主な利点は:
1、本発明に提供されるサリチルアミンアセテートの調製プロセスには、原材料が少なく、経路が短く、コストが低い。
2、本発明に提供されるサリチルアミンアセテートの調製方法は、商業的用途に適している。
3、本発明の方法により得られるサリチルアミンアセテートは、良好な外観を有する。
【0037】
以下、具体的な実施例を参照して、本発明をさらに説明する。これらの実施例は、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の単なる例示であることが理解されるべく。以下の実施例に具体的な条件を示しない実験方法は、一般的に、通常の条件またはメーカーの推奨条件に従う。特に明記しない限り、すべてのパーセンテージ、比率、比、または部は重量によるものである。本発明における重量-体積百分率の単位は、当業者に公知されたものであり、例えば、100mlの溶液中の溶質の重量を指す。別途に定義しない限り、本明細書で使用される全ての専門的および科学的用語は当業者に公知された意味と一致する。さらに、記載された内容と類似または同等の任意の方法および材料を本発明の方法に適用することができる。本明細書に記載される好ましい実施の形態および材料は、例示のみのためである。
【0038】
以下の実施例における式3の化合物の純度は、高速液体クロマトグラフィーによって測定され、高速液体クロマトグラフィーの固定相はC18であり、移動相はトリフルオロ酢酸とアセトニトリル水溶液であり、検出波長は220nmである;純度は、式3の化合物のピーク面積の合計と各ピーク面積の合計のパーセンテージである。
【0039】
実施例1
【0040】
【化3】
【0041】
アセトニトリル(168.0 g)と主原材料のサリチルアルデヒド(70.4 g、1.00 eq)を1Lの反応フラスコに添加した;tert-ブチルカルバメート (74.0 g, 1.10 eq)とトリエチルシラン(79.0 g、1.20 eq)を1L反応フラスコに加え、トリフルオロ酢酸(65.4 g、1.00 eq)を反応システムに15°C~40°Cで添加した;滴下が完了した後、システムは15~40°Cに保たれ、サンプリング前に12~16時間攪拌され、サンプリングは2~4時間ごとに実行された;出発物質の含有量が5%未満になるか、2つの連続するサンプルの変化が1%未満になるまで、HPLCを追跡し、温度を15~30°Cに制御しながら、525gの飽和重炭酸ナトリウム溶液(490gの水+35 gの重炭酸ナトリウム)をシステムに添加してクエンチした(pH = 7-8になるような特定の投与量にする);次に、それを酢酸エチルで2回、毎回252gで抽出し、有機相を合わせ、280gの水および336gの飽和ブライン(252gの水+ 84gの塩化ナトリウム)で洗浄した;塩で洗浄した有機相に無水硫酸ナトリウム100gを加え、2~4時間攪拌乾燥し、遠心分離または吸引ろ過し、フィルターケーキを63 gの酢酸エチルですすぎ、フィルターケーキを一時的に保存し、次のステップのためにろ液を合併した(実施例2)。
【0042】
実施例2~9
【0043】
【化4】
【0044】
得られた産物のスペクトルデータは:
1H NMR:DPC0126-31-P1A 400 MHz DMSO-d6
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 7.14 - 7.04 (m, 2H), 6.78 - 6.68 (m, 2H), 3.85 (s, 2H), 1.82 (s, 3H)
MS 124.1:M+1, 107.1:M-16
調製プロセスは:
【0045】
実施例2
式2の化合物(2.0g)と氷酢酸(2.0mL)をそれぞれに反応フラスコに加えて攪拌し、70~80℃で50~55時間反応させ、反応を停止し、室温まで冷却し、MTBE(6 mL)をゆっくり加えて、結晶析出し、10~20℃で0.5時間撹拌し、ろ過し、40℃で恒量になるまで真空乾燥した;重量:0.75 g;収量:45.73%;純度:98.43%
【0046】
実施例3
式2の化合物(2.0g)と氷酢酸(8.0 mL)をそれぞれに反応フラスコに加えて攪拌し、70~80℃で50~55時間反応させ、反応を停止し、反応が終了した後に、室温まで冷却し、MTBE(24 mL)をゆっくり加えて、結晶析出し、10~20℃で0.5時間撹拌し、ろ過し、40℃で恒量になるまで真空乾燥した;重量:0.81g;収量:49.39%;純度:100.00%。
【0047】
実施例4
式2の化合物(2.0g)と氷酢酸(12.0 mL)をそれぞれに反応フラスコに加えて攪拌し、70~80℃で50~55時間反応させ、反応を停止し、室温まで冷却し、MTBE(36 mL)をゆっくり加えて、結晶析出し、10~20℃で0.5時間撹拌し、ろ過し、40℃で恒量になるまで真空乾燥した;重量:0.79 g;収量:48.17%;純度:99.93%。
【0048】
実施例5
式2の化合物(2.0g)と氷酢酸(20.0 mL)をそれぞれに反応フラスコに加えて攪拌し、70~80℃で50~55時間反応させ、反応を停止し、室温まで冷却し、MTBE(60 mL)をゆっくり加えて、結晶析出し、10~20℃で0.5時間撹拌し、ろ過し、40℃で恒量になるまで真空乾燥した;重量:0.95 g;収量:57.93%;純度:100.00%。
【0049】
実施例6
式2の化合物(10.0 g)と氷酢酸(50.0 mL)をそれぞれに反応フラスコに加えて攪拌し、60℃で48時間反応させ、反応を停止し、室温まで冷却し、MTBE(60 mL)をゆっくり加えて、結晶析出し、10~20℃で0.5時間撹拌し、ろ過し、40℃で恒量になるまで真空乾燥した;重量:1.00g;収量:12.20%。
【0050】
実施例7
式2の化合物(10.0 g)と氷酢酸(50.0 mL)をそれぞれに反応フラスコに加えて攪拌し、80~90℃で17~18時間反応させ、反応を停止し、室温まで冷却し、MTBE(150 mL)をゆっくり加えて、結晶析出し、10~20℃で0.5時間撹拌し、ろ過し、40℃で恒量になるまで真空乾燥した;重量:4.20 g;収量:51.22%;純度:97.19%。
【0051】
実施例8
式2の化合物(10.0 g)と氷酢酸(50.0 mL)をそれぞれに反応フラスコに加えて攪拌し、90~100℃で13~14時間反応させ、反応を停止し、室温まで冷却し、MTBE(150 mL)をゆっくり加えて、結晶析出し、10~20℃で0.5時間撹拌し、ろ過し、40℃で恒量になるまで真空乾燥した;重量:5.11 g;収量:62.32%;純度:100.00%。
【0052】
実施例9
式2の化合物(10.0 g)と氷酢酸(50.0 mL)をそれぞれに反応フラスコに加えて攪拌し、6~7時間還流反応した後に、反応を停止し、20℃まで冷却し、MTBE(150 mL)をゆっくり加えて、結晶析出し、10~20℃で0.5時間撹拌し、ろ過し、40℃で恒量になるまで真空乾燥した;重量:5.50 g;収量:67.07%;純度:98.64%。
【0053】
実施例10
式2の化合物と氷酢酸をそれぞれに反応フラスコに加え、撹拌し、90~100℃で反応し、反応が完了した後に、室温まで冷却し、反応溶液を秤量し(120.6g)、均等に10部に分け(一部ごとには理論的に1.64g産物が含まれる)、結晶析出するために溶媒を添加した:
1)一部(12.06 g)を取り、石油エーテル(36 mL)を加え、固形物の析出がない(システムが層化した);そして、MTBE(36 mL)を加え、大量の固形物が析出し、ろ過し、40℃で恒量になるまで乾燥させた;重量:1.03g;収量:62.80%;
2)一部(12.04 g)を取り、N-ヘキサン(36 mL)を加え、固形物の析出がない(システムが層化した);そして、MTBE(36 mL)を加え、大量の固形物が析出し、ろ過し、40℃で恒量になるまで乾燥させた;重量:1.07 g;収量:65.24%;
3)一部(12.05 g)を取り、シクロヘキサン(36 mL)を加え、固形物の析出がない(システムが層化した);そして、MTBE(36 mL)を加え、大量の固形物が析出し、ろ過し、40℃で恒量になるまで乾燥させた;重量:1.02 g;収量:62.20%;
4)一部(12.06 g)を取り、N-ヘプタン(36 mL)を加え、固形物の析出がない(システムが層化した);そして、MTBE(36 mL)を加え、大量の固形物が析出し、ろ過し、40℃で恒量になるまで乾燥させた;重量:1.03 g;収量:62.80%;
5)一部(12.06 g)を取り、酢酸エチル(36 mL)を加え、大量の固形物が析出し、ろ過し、40℃で恒量になるまで乾燥させた;重量:0.95 g;収量:57.93%;
6)一部(12.04g)を取り、イソプロピルエーテル(36 mL)を加え、大量の固形物が析出し、ろ過し、40℃で恒量になるまで乾燥させた;重量:1.05 g;収量:64.02%;
7)一部(12.05g)を取り、無水エタノール(36 mL)を加え、大量の固形物が析出し、ろ過し、40℃で恒量になるまで乾燥させた;重量:0.50 g;収量:30.49%;
8)一部(12.05g)を取り、MTBE(36 mL)を加え、大量の固形物が析出し、ろ過し、40℃で恒量になるまで乾燥させた;重量:1.00 g;収量:60.98%。
【0054】
本発明によって提供される図面1および2も、本発明が正しい構造および高純度を有するサリチルアミンアセテートを得たことを示している。
以上に記載されたのは本発明の好ましい実施例だけであり、本発明の本質的な技術的内容の範囲を限定することを意図するものではない;本発明の本質的な技術的内容は、本願の請求の範囲内で広く定義される;本願の請求の範囲で定義されたものとまったく同じであるか、同等の変更である場合、他の人が完成した技術実体たは方法は、請求の範囲に含まれると見なされる。
図1
図2