(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】フレックス構造を有するゴルフクラブヘッド
(51)【国際特許分類】
A63B 53/04 20150101AFI20241209BHJP
A63B 102/32 20150101ALN20241209BHJP
【FI】
A63B53/04 A
A63B102:32
(21)【出願番号】P 2022516392
(86)(22)【出願日】2020-09-14
(86)【国際出願番号】 US2020050769
(87)【国際公開番号】W WO2021051102
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2023-09-08
(32)【優先日】2019-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591086452
【氏名又は名称】カーステン マニュファクチュアリング コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エリック ジェイ. モラレス
(72)【発明者】
【氏名】ジェレミー エス. ポープ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ジェイ. ナトール
【審査官】亀澤 智博
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-525214(JP,A)
【文献】特開2019-084325(JP,A)
【文献】特開2017-221671(JP,A)
【文献】特開2019-118774(JP,A)
【文献】特開2007-117484(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0346642(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 53/00 -53/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラブフェースと、
クラウン、ソール、ヒール、およびトゥを備えるボディと、
フレックス構造と、
を備えるゴルフクラブヘッドであって、
前記クラブフェースおよび前記ボディは、閉じた内部空洞を定義するように一緒に固定されており、
前記フレックス構造は、前記閉じた内部空洞内に配置されており、
前記フレックス構造は、前記クラブフェースおよび前記ソールと共に一体的に形成されており、
前記フレックス構造は、最下点および頂点を有する
二重の湾曲形状を備え
、
前記フレックス構造は、(i)前記クラブフェースと一体的に形成されるかまたは接続される第1の端と、(ii)前記ソールと一体的に形成されるかまたは接続される第2の端と、(iii)前記第1の端から、前記最下点を形成するように前記クラブフェースから離れて前記ソールに向かう方向に延在する部分と、(iv)前記最下点から、前記頂点を形成するように前記クラウンに向かう方向に延在する部分と、(v)前記頂点から前記第2の端まで、前記ソールに向かう方向に延在する部分と、を備える、ゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
前記フレックス構造の前記最下点および前記頂点は、前記クラブフェースおよび前記ソールのいずれの部分にも接触していない、請求項1に記載のクラブヘッド。
【請求項3】
前記フレックス構造の前記最下点は、前記フレックス構造の前記頂点よりも前記ソールの近くに配置されている、請求項1又は2に記載のクラブヘッド。
【請求項4】
前記フレックス構造は、前記最下点での第1の曲率半径、および前記頂点での第2の曲率半径を定義し、前記第1の曲率半径および前記第2の曲率半径は異なる、請求項1から3のいずれか一項に記載のクラブヘッド。
【請求項5】
前記クラブフェースの厚さは、0.08~0.14インチ(2.032~3.556ミリメートル)の範囲である、請求項1から4のいずれか一項に記載のクラブヘッド。
【請求項6】
前記クラウンは、クラウンインサートを受け入れるように構成された開口をさらに定義し、
凹リップは、前記開口の外周で延在し、
前記凹リップは、前記クラウンの外面からくぼんでいる、請求項1から5のいずれか一項に記載のクラブヘッド。
【請求項7】
前記クラウンインサートおよび前記凹リップは、これらの間にラップジョイントを定義するように重なっており、
前記クラウンインサートは、前記ラップジョイントの全体で前記クラブヘッドに対して接着されている、請求項6に記載のクラブヘッド。
【請求項8】
クラブフェースと、
クラウン、ソール、ヒール、およびトゥを備えるボディと、
フレックス構造と、
を備えるゴルフクラブヘッドであって、
前記クラブフェースおよび前記ボディは、閉じた内部空洞を定義するように一緒に固定されており、
前記フレックス構造は、前記閉じた内部空洞内に配置されており、
前記フレックス構造は、前記クラブフェースおよび前記ソールと共に一体的に形成されており、
前記フレックス構造は、最下点および頂点を有する
二重の湾曲形状を備え、
前記フレックス構造は、(i)前記クラブフェースと一体的に形成されるかまたは接続される第1の端と、(ii)前記ソールと一体的に形成されるかまたは接続される第2の端と、(iii)前記第1の端から、前記最下点を形成するように前記クラブフェースから離れて前記ソールに向かう方向に延在する部分と、(iv)前記最下点から、前記頂点を形成するように前記クラウンに向かう方向に延在する部分と、(v)前記頂点から前記第2の端まで、前記ソールに向かう方向に延在する部分と、を備え、
前記フレックス構造の前記最下点は、前記フレックス構造の前記頂点よりも前記クラブフェースの近くに配置されている、ゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
前記フレックス構造の前記最下点および前記頂点は、前記クラブフェースおよび前記ソールのいずれの部分にも接触していない、請求項8に記載のクラブヘッド。
【請求項10】
前記フレックス構造の前記最下点は、前記フレックス構造の前記頂点よりも前記ソールの近くに配置されている、請求項8又は9に記載のクラブヘッド。
【請求項11】
前記フレックス構造は、前記最下点での第1の曲率半径、および前記頂点での第2の曲率半径を定義し、前記第1の曲率半径および前記第2の曲率半径は異なる、請求項8から10のいずれか一項に記載のクラブヘッド。
【請求項12】
前記クラブフェースの厚さは、0.08~0.14インチ(2.032~3.556ミリメートル)の範囲である、請求項8から11のいずれか一項に記載のクラブヘッド。
【請求項13】
前記クラウンは、クラウンインサートを受け入れるように構成された開口をさらに定義し、
凹リップは、前記開口の外周で延在し、
前記凹リップは、前記クラウンの外面からくぼんでいる、請求項8から12のいずれか一項に記載のクラブヘッド。
【請求項14】
前記クラウンインサートおよび前記凹リップは、これらの間にラップジョイントを定義するように重なっており、
前記クラウンインサートは、前記ラップジョイントの全体で前記クラブヘッドに対して接着されている、請求項13に記載のクラブヘッド。
【請求項15】
クラブフェースと、
クラウン、ソール、ヒール、およびトゥを有するボディと、
フレックス構造と、
を備えるゴルフクラブヘッドであって、
前記クラブフェースおよび前記ボディは、閉じた内部空洞を定義するように一緒に固定されており、
前記クラブフェースは、幾何中心で前記クラブフェースに接するロフト面を定義し、
前記クラブヘッドは、前記クラブヘッドがアドレス位置にあるときに前記ソールに接する地面を定義し、
前記クラブヘッドは、前記幾何中心を通って、前記ロフト面に対して垂直な中間面を定義し、前記中間面は、前記ヒールから前記トゥへの方向、および前記クラブフェースの後方に延在し、
前記フレックス構造は、前記クラブフェースおよび前記ソールと共に一体的に形成されており、
前記フレックス構造は、最下点および頂点を含む湾曲形状を備え、
前記フレックス構造の前記最下点および前記フレックス構造の前記頂点は、前記中間面の下に配置されている、ゴルフクラブヘッド。
【請求項16】
前記フレックス構造の前記最下点は、前記フレックス構造の前記頂点よりも前記クラブフェースの近くに配置されている、請求項15に記載のクラブヘッド。
【請求項17】
前記フレックス構造の前記最下点および前記頂点は、前記クラブフェースおよび前記ソールのいずれの部分にも接触していない、請求項15又は16に記載のクラブヘッド。
【請求項18】
前記クラブフェースの厚さは、0.08~0.14インチ(2.032~3.556ミリメートル)の範囲である、請求項15から17のいずれか一項に記載のクラブヘッド。
【請求項19】
前記クラウンは、クラウンインサートを受け入れるように構成された開口をさらに定義し、
凹リップは、前記開口の外周で延在し、
前記凹リップは、前記クラウンの外面からくぼんでいる、請求項15から18のいずれか一項に記載のクラブヘッド。
【請求項20】
前記クラウンインサートおよび前記凹リップは、これらの間にラップジョイントを定義するように重なっており、
前記クラウンインサートは、前記ラップジョイントの全体で前記クラブヘッドに対して接着されている、請求項19に記載のクラブヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
これは、2019年9月13日に出願された米国仮特許出願第62/900,318号の利益を主張するものであり、全ての上述の開示の内容は、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、特性時間を制御する構造を有するゴルフクラブヘッドに関する。
【背景技術】
【0003】
ゴルフクラブ設計は、ボール速度および特性時間(CT)などのいくつかの性能特性を考慮する。典型的には、ゴルフクラブ設計は、クラブフェースのCTを通じてボール速度の量を制御することを目的とする。しかしながら、現在の設計は、クラブフェース全体のCTの変動の制御に限定され、望ましいCT値を達成するためにボール速度を犠牲にしている。したがって、当該技術分野において、ボール速度を犠牲にすることなくクラブフェース全体のCT変動を低減するクラブヘッドが必要である。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】実施形態によるフレックス構造を備えるゴルフクラブヘッドの正面斜視図を示す。
【
図3】
図2の3-3線で取られた
図1のゴルフクラブヘッドの断面図を示す。
【
図4】
図2の3-3線で取られた
図1のゴルフクラブヘッドの断面図を示す。
【
図5】
図1のゴルフクラブヘッドの部分切断後方斜視図を示す。
【
図6】
図2の3-3線で取られた
図1のゴルフクラブヘッドの断面図を示す。
【
図7】
図1のゴルフクラブヘッドの部分切断後方斜視図を示す。
【
図8】第2の実施形態によるフレックス構造を備えるゴルフクラブヘッドの断面図を示す。
【
図9】ゴルフボールと、フレックス構造を備えるゴルフクラブヘッドとのインパクトを示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
図の簡略化および明確化のために、図面は、一般的な種類の構造を示し、周知の特徴および技術の説明および詳細は、本開示を不必要に不明瞭にするのを回避するために省略され得る。さらに、図面中の要素は、必ずしも縮尺通りに描かれているわけではない。例えば、図中の要素のいくつかの寸法は、本開示の実施形態の理解の向上を助けるために、他の要素に対して誇張され得る。異なる図中の同じ参照数字は、同じ要素を表す。
【0006】
以下で論じられる本実施形態は、クラブフェース全体のCT変動を低減するためのフレックス構造を備えるウッドタイプのゴルフクラブヘッド(例えば、ドライバー、フェアウェイウッド、またはハイブリッド)を対象とする。フレックス構造は、クラブフェースおよびクラブヘッドソールに対して、一体的に形成されているか、または接続されている。フレックス構造は、最下点および頂点を有する二重の湾曲形状(例えば、s形状)を備える。フレックス構造は、内部のクラブヘッド空洞内で自由に延在して、クラブフェースがゴルフボールのインパクト中に曲がることを可能にする。フレックス構造は、ゴルフボールのインパクト中のクラブフェースからの応力を支持し軽減する。フレックス構造は、クラブフェース全体の厚さを増加させる必要なく、クラブフェース全体のCT変動を制御するための代替的な方法を提供する。フレックス構造は、局所的な場所内でクラブフェースの周波数応答を増加させることによってCT変動を低減する(すなわち、クラブフェースとフレックス構造との間の接続は、クラブフェースの厚さの局所的な増加を提供する)。クラブフェースの厚さおよび周波数応答を局所的に増加させることによって、クラブフェース全体の厚さの増加を回避しつつCT変動が低減される。フレックス構造を有するウッドタイプのクラブヘッドは、ボール速度性能を犠牲にすることなくCT変動制御を提供する。
【0007】
以下の詳細な説明および添付の図面を考慮することによって、他の特徴および態様が明らかになるであろう。本開示の任意の実施形態を詳細に説明する前に、本開示は、そのアプリケーションにおいて、以下の説明に記載されているか、または図面に図示されている、部品の詳細または実施形態および配置に限定されないことが理解されるべきである。本開示は、他の実施形態をサポートすることが可能であり、様々な方法で実施または実行可能である。具体的な実施形態の説明は、本開示の趣旨および範囲内に入る全ての変形例、均等物、および代替物をカバーすることから、本開示を限定することを意図したものではないことが理解されるべきである。また、本明細書で使用される表現および用語は、説明の目的のためであって、限定するものと見なされるべきではないことが理解されるべきである。
【0008】
同様の参照数字が、様々な図で同一の部品の同様のものを識別するために使用される図面を参照すると、
図1~
図7は、本設計の第1の実施形態を概略的に示す。具体的には、
図1は、ドライバータイプのクラブヘッド100の正面斜視図を示す。クラブヘッド100は、実質的に閉じた/内部の体積を定義するように一緒に固定されたクラブフェース104およびボディ108を備える。クラブヘッドは、クラウン110と、クラウン110と反対側のソール112と、ヒール116と、ヒール116と反対側のトゥ120と、クラブフェース104と反対側の後部122と、を備える。
【0009】
クラブフェース104は、ゴルフボールをインパクトするように意図された打撃面124と、打撃面124と反対側の後面128と、をさらに備える。打撃面124は、幾何中心132をさらに定義する。あるアプローチでは、幾何中心132は、クラウン110とソール112との間で等距離に、ヒール116とトゥ120との間で等距離に配置され得る。別のアプローチでは、打撃面124の幾何中心132は、全米ゴルフ協会(USGA)などのゴルフ管理機関の定義に従って配置され得る。例えば、打撃面124の幾何中心132は、USGAのゴルフクラブヘッドの柔軟性を測定するための手順(USGA-TPX3004、改訂2.0、2019年4月9日)(https://www.usga.org/equipment-standards/test-protocols-for-equipment-9df6d04f.htmlで入手可能)(「柔軟性手順」)のセクション2.1に従って決定され得る。
【0010】
図1~
図3を参照すると、幾何中心132は、x軸700、y軸800、およびz軸900を有する座標系について原点を定義する。クラブヘッド100は、クラブヘッド100がアドレス位置にあるときにソール112に接する地面1000をさらに定義する。x軸700は、地面1000と平行な方向に、ヒール端116の近くからトゥ端120の近くへ幾何中心132を通って延在する。y軸800は、クラウン110の近くからソール112の近くへ幾何中心132を通って延在する。ここで、y軸800は、x軸700および地面1000に対して垂直である。z軸900は、地面1000と平行な方向に、クラブフェース104の後方に幾何中心132を通って延在する。z軸900は、x軸700およびy軸800に対して垂直である。
【0011】
図3を参照すると、クラブヘッド100は、打撃面124の幾何中心132に接し、かつクラウン110、ソール112、トゥ端120、およびヒール端116に向けて延在するロフト面1100を定義する。ロフト面1100は、y軸800に対して鋭角に位置しており、当該鋭角は、クラブヘッド100のロフト角に対応し得る。クラブヘッド100は、ロフト面1100に対して垂直な方向に幾何中心132を通って延在する中間面1200をさらに定義する。中間面1200は、z軸900に対して鋭角に位置している。中間面1200は、トゥ端120からヒール端116へ延在し、クラブフェース104またはロフト面1100の後方に延在する。中間面1200は、クラブフェース104から離れたクラブフェース104の後方の点で地面1000と交差する。
【0012】
図2に戻って参照すると、クラブフェース104は、クラウン110の近くに配置された上部136と、ソール112の近くに配置された底部140と、トゥ120の近くに配置されたトゥ部142と、ヒール116の近くに配置されたヒール部144と、幾何中心132の近くに配置された中心部148と、をさらに備え得る。各クラブフェース部136、140、142、144、148は、打撃面124から後面128へ延在する方向にクラブフェース104の厚さを通じて延在する。クラブフェース104は、可変の厚さを備え得る。一実施形態では、クラブフェース104は、中心部での最大厚さと、クラブフェース104の周囲に向かう方向に減少または漸減する厚さと、を備え得る。クラブフェース104は、上部、底部、トゥ部、およびヒール部のうちの少なくとも1つで最小厚さを備え得る。いくつかの実施形態では、クラブフェース104は、0.065から0.15インチまでの範囲の厚さを備え得る。別の実施形態では、クラブフェース104の厚さは、0.065から0.10インチ、または0.10から0.15インチの範囲であり得る。別の実施形態では、クラブフェース104の厚さは、0.065から0.11インチ、0.07から0.12インチ、0.075から0.13インチ、0.08から0.14インチ、または0.085から0.15インチの範囲であり得る。例えば、クラブフェース104の厚さは、0.065、0.07、0.075、0.08、0.085、0.09、0.095、0.10、0.105、0.11、0.115、0.12、0.125、0.13、0.135、0.14、0.145、または0.15インチであり得る。
フレックス構造
【0013】
上述のように、クラブヘッド100は、フレックス構造152を備える。フレックス構造152は、クラブヘッド100の閉じた内部空洞156内に配置され得る。フレックス構造152は、クラブフェース104およびソール112と一体的に形成され得るか、または接続され得、フレックス構造152は、クラブフェース104および/またはソール112と同様の材料を含み得る。フレックス構造152は、ソール112と接続するようにクラブフェース104から離れて延在する。フレックス構造152は、クラブフェース104をソール112に連結または接続している。フレックス構造152は、クラブフェース104が、ゴルフボールのインパクト中の応力を軽減しつつ内向きに曲がることを可能にする。以下でより詳細に記載されるように、フレックス構造152の場所および形状は、ボール速度性能およびクラブフェース耐久性を犠牲にすることなく、クラブフェース104全体のCT変動を低減する。
【0014】
図4~
図7を参照すると、フレックス構造152は、第1の端160および第2の端162を定義し得る。フレックス構造152の第1の端160は、クラブフェース104と一体であり得、フレックス構造152の第2の端162は、ソール112と一体であり得る。一実施形態では、
図4~
図7に示されるように、第1の端160は、クラブフェース104の中心部に対して、一体的に形成され得るか、または接続され得る。他の実施形態では、フレックス構造152の第1の端160は、上部136、底部140、トゥ部142、またはヒール部144に対して、一体的に形成され得るか、または接続され得る。
【0015】
図5~
図7を参照すると、フレックス構造152は、第1の端160と第2の端162との間の放物線状、湾曲した、S形状、二重に湾曲した、二重に曲がった、または正弦曲線の形状であり得る。いくつかの実施形態では、フレックス構造152は、1つ以上の相互に接続された放物線を備え得る。いくつかの実施形態では、フレックス構造152は、1つ以上の相互に接続された曲がりを備え得る。フレックス構造152は、断面形状を備える。フレックス構造152の断面形状は、矩形、三角形、楕円、丸い角を有する矩形、丸い角を有する正方形、または他の好適な形状であり得る。
【0016】
フレックス構造152の湾曲した性質は、頂点164および最下点166を定義し得る。頂点164は、フレックス構造152の最高部または最上部を定義し得、最下点166は、フレックス構造152の最低部または最底部を定義し得る。フレックス構造152は、クラウン110に対して最下点166で凹湾曲を備え得る。フレックス構造152は、ソール112に対して頂点164で凸湾曲を備え得る。フレックス構造第1の端160とクラブフェース104との間の接続、およびフレックス構造第2の端162とソール112との間の接続は、フレックス構造152が内部空洞156内で自由に延在することを可能にする。これは、頂点164および最下点166がソール112の上に配置されることを可能にし、頂点164および最下点166は、クラブフェース104またはソール112のどの部分にも接触していない。
【0017】
図4および
図5に示されるように、フレックス構造152は、最下点166を形成するように、クラブフェース104から離れてソール112に向かう方向に延在する。次いで、フレックス構造152は、頂点164を形成するように、クラウン110に向かう方向に最下点166から延在する。次いで、フレックス構造152は、ソール112と接続するように、ソール112に向かう方向に頂点164から延在する。
【0018】
フレックス構造152の頂点164および最下点166は、クラブヘッド100の構造に対して、またはクラブヘッド100によって定義される面に対して参照され得る。最下点166は、頂点164よりもソール112の近くに配置され得、頂点164は、最下点166よりもクラウン110の近くに配置され得る。ある構成では、フレックス構造152は、中間面1200の下に配置され得、頂点164および最下点166は、中間面1200の下に配置され得る。別の構成では、頂点164は、中間面1200の上に配置され得、最下点166は、中間面1200の下に配置され得る。別の構成では、最下点166は、頂点164よりもクラブフェース104の近くに配置され得る。別の構成では、頂点164は、最下点166よりもクラブフェース104の近くに配置され得る。
【0019】
フレックス構造152は、曲率半径をさらに定義し得る。フレックス構造152は、2個以上の曲率半径を定義し得る。
図5に示されるように、フレックス構造152は、2つの半径を定義し得、フレックス構造152は、頂点164での曲率半径および最下点166での曲率半径を定義し得る。ある例では、頂点164および最下点166での曲率半径は等しくてもよい。別の例では、頂点164および最下点166での曲率半径は異なっていてもよい。別の例では、頂点164での曲率半径は、最下点166での曲率半径よりも小さくてもよい。別の例では、最下点166での曲率半径は、頂点164での曲率半径よりも大きくてもよい。頂点164および最下点166での曲率半径は、0.25から1インチの範囲であってもよい。別の実施形態では、頂点164および最下点166での曲率半径は、0.25から0.5インチ、または0.5から1インチの範囲であってもよい。別の実施形態でもなお、頂点164および最下点166での曲率半径は、0.25から0.5インチ、0.5から0.75インチ、または0.75から1インチの範囲であってもよい。例えば、頂点164および最下点166での曲率半径は、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、0.80、0.85、0.90、または1インチであってもよい。
【0020】
フレックス構造152は、上面168および下面172をさらに定義する。フレックス構造152の上面168は、クラウン110に面しており、フレックス構造152の下面172は、ソール112に面している。フレックス構造152は、上面168と下面172との間で測定される厚さを定義する。フレックス構造152の厚さは、上面168または下面172のいずれかに対して垂直な方向に測定される、上面168と下面172との間の距離として定義され得る。いくつかの実施形態では、フレックス構造152の厚さは、第1の端160から第2の端162まで一定であり得る。
【0021】
他の実施形態では、フレックス構造152の一部は、漸減する厚さを備え得る。ある例では、フレックス構造152の厚さは、第1の端160でより大きく、最下点166に向けて減少し得、フレックス構造152の厚さは、第2の端162でより大きく、頂点164に向けて減少し得る。第1の端160および第2の端162でのフレックス構造152の漸減する厚さは、フレックス構造152、クラブフェース104、およびソール112の間の接続の強度を増加させ得る。
【0022】
フレックス構造152の厚さは、0.05インチから0.15インチの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、フレックス構造152の厚さは、0.05インチから0.10インチ、または0.10から0.15インチの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、フレックス構造152の厚さは、0.05から0.09インチ、0.06から0.10インチ、0.07から0.11インチ、0.08から0.12インチ、0.09から0.13インチ、0.10から0.14インチ、または0.11から0.15インチの範囲であり得る。例えば、フレックス構造152の厚さは、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.10、0.11、0.12、0.13、0.14、または0.15インチであり得る。ある例では、フレックス構造152の厚さは、0.06インチであり得る。
【0023】
フレックス構造152は、幅を定義する。フレックス構造152の幅は、フレックス構造152がトゥ120からヒール116への方向に延在する距離として定義される。フレックス構造152の幅は、0.1から1インチの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、フレックス構造152の幅は、0.1から0.5インチ、または0.5から1インチの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、フレックス構造152の幅は、0.1から0.5インチ、0.2から0.6インチ、0.3から0.7インチ、0.4から0.8インチ、0.5から0.9インチ、または0.6から1インチの範囲であり得る。例えば、フレックス構造152の幅は、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または1.0インチであり得る。ある例では、フレックス構造152の幅は、0.4インチであり得る。
【0024】
図6を参照すると、クラブヘッド100は、x軸700およびy軸800の方向に延在するXY面1300をさらに定義する。クラブヘッド100は、垂直面1400をさらに定義する。垂直面1400は、XY面1300と平行であり、フレックス構造152の第2の端162に接する。垂直面1400は、XY面1300からオフセットされており、垂直面は、XY面1300よりもクラブヘッド100の後部122に近い。クラブヘッド100によって定義される面を参照して、フレックス構造152は、フレックス構造距離176がXY面1300と垂直面1400との間で形成されるように、クラブフェース104から離れて延在する。フレックス構造距離176は、XY面1300に対して垂直な方向に、XY面1300と垂直面1400との間で延在する。フレックス構造距離176は、幾何中心132からフレックス構造152の第2の端162までの水平距離として測定される、フレックス構造152がクラブフェース104から離れて延在する距離であり得る。フレックス構造距離176は、幾何中心132とフレックス構造152の第2の端162との間でz軸900に沿って測定され得る。
【0025】
フレックス構造距離176は、少なくとも0.7インチであり得る。別の実施形態では、距離176は、少なくとも0.75インチ、0.8インチ、0.9インチ、1.0インチ、1.1インチ、1.2インチ、1.3インチ、1.4インチ、または1.5インチであり得る。別の実施形態では、フレックス構造距離176は、0.8から2インチの範囲であり得る。別の実施形態では、フレックス構造距離176は、0.8から1.4インチ、0.9から1.5インチ、1.0から1.6インチ、1.1から1.7インチ、1.2から1.8インチ、1.3から1.9インチ、または1.4から2.0インチの範囲であり得る。例えば、フレックス構造距離176は、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、または2.0インチであり得る。ゴルフボールのインパクト中、クラブフェース104に最も近いソール112の一部は、応力集中を受ける。フレックス構造152が、ソール112の前方部分に対していかなる追加の応力集中も付加しないことを確実にするために、フレックス構造152は、フレックス構造距離176だけ離間している。フレックス構造距離176は、クラブフェース104のCT変動を依然低減しつつ、クラブヘッド全体の耐久性を向上させる。
クラブヘッドアセンブリ
【0026】
図7を参照すると、クラブヘッド100は、クラウン110内に開口178をさらに形成し得る。具体的には、クラウン110は、開口178を形成しており、開口178は、クラウンインサート180を受け入れるように構成され得る。クラブヘッド100の多部品設計は、内部空洞156内のフレックス構造152の製造を可能にする。ある例では、クラブヘッド100は、付加製造方法で形成されている。開口178は、付加製造プロセス中に使用される支持材料が内部空洞156から除去されることを可能にする。以下でより詳細に記載されるように、クラブヘッド100は、クラウンインサート180の固定を促進するために、開口178の外周に結合面を備える。
【0027】
クラブヘッド100は、凹リップ182の形態で結合面を備え得る。凹リップ182は、重なるクラウンインサート180、およびクラウンインサート180をクラウン110に固定するために使用される任意の接着剤の結合された厚さに適応するために、クラウン110の外面からくぼんでいる。凹リップ182は、開口178の外周で延在し得る。ある構成では、クラウンインサート180が取り付けられるときに、クラウンインサート180が、クラウン110の外面と実質的に面一であり得るか、またはクラウン110の外面に対して部分的にくぼみ得るように、凹リップ182はクラウン110の外面からくぼみ得る。
【0028】
凹リップ182は、クラウンインサート180と凹リップ182との間で均一な接着層を促進するための複数の結合機構184を備え得る。複数の結合機構は、凹リップ182に沿って離間した、1つ以上の隆起、リッジ、突起、リブ、開口部、または凹部を含み得る。複数の結合機構は、互いに等しく離間し得るか、またはヒール116、トゥ120、クラブフェース104、または後部122の近くなどの凹リップ182のエリア内で局所的であり得る。
【0029】
開口178は、クラウンインサート180を受け入れるように構成され得る。クラウンインサート180は、別々に形成され得、凹リップ182で、開口178に対して取り付けられ得るかまたは固定され得る。クラウンインサート180は、接着剤、エポキシ、または接着テープを使用して、クラウン110に対して固定され得る。クラウンインサート180は、凹リップ182と重なって、その間でラップジョイント186を定義する。クラウンインサート180は、ラップジョイント186の全体でクラブヘッド100に対して固定または接着され得る。ラップジョイント186は、開口178の外周で延在し得る。いくつかの実施形態では、ラップジョイント186は、トゥ120およびヒール116のうちの少なくとも1つに巻き付くようにクラウン110を超えて延在し得る。
追加の実施形態
【0030】
図1~
図7は、本技術が採用され得る方法の第1の実施形態を示したが、
図8は、第2の実施形態を示す。具体的には、
図8は、クラブヘッド200を示す。クラブヘッド200は、実質的に閉じた/内部の体積256を定義するように一緒に固定されたクラブフェース204およびボディ208を備える。クラブヘッド200は、クラウン210と、クラウン210と反対側のソール212と、ヒールと、ヒールと反対側のトゥと、クラブフェース204と反対側の後部222と、を備える。クラブヘッド200は、
図1~
図7に示されるようなクラブヘッド100と同様であり得るが、フレックス構造がクラブヘッドにどのように固定されているかが異なる。
【0031】
クラブヘッド200は、フレックス構造252を備える。フレックス構造252は、第1の端260と、第2の端262と、を備える。フレックス構造252は、クラブヘッド200とは別々に形成され得、内部空洞256内で固定され得る。フレックス構造252は、クラブフェース204およびソール212に対して取り外し可能に接続または固定され得る。フレックス構造252は、例えば、接着剤、機械的な締結具、またはそれらの組合せの使用を通じて、クラブフェース204およびソール212に対して固定され得る。ある構成では、フレックス構造252の第2の端262は、機械的な締結具でソール212に対して固定され得、フレックス構造252の第1の端260は、クラブフェース204の後面に対して接触し得るか、または載せられ得る。
図8に示されるように、ダンピング部材296は、第1の端260とクラブフェース204との間に位置し得る。ダンピング部材296は、フレックス構造252またはクラブヘッド200の材料とは異なる材料で形成され得る。ダンピング部材296は、クラブフェース204に追加のCT調整能力を提供する。ダンピング部材296は、取り外し可能なフレックス構造252と組み合わせて、クラブフェース204全体のCT変動を低減し得る。
【0032】
さらに、クラブヘッド100または200は、クラブフェースとフレックス構造の第2の端との間で、ソールの内面上に配置されたカスケードソール(図示せず)を備え得る。カスケードソールは、複数の層の厚さを備え得る。ある例では、カスケードソールは、第1の層と、第2の層と、を備え得る。各々の層は、ヒールからトゥへの方向、および、クラブフェースから後部への方向に延在する層全体を通じて一定の厚さを備え得る。カスケードソールは、ソールの近くのクラブフェースが受ける応力が第1の層および第2の層に分配されることを可能にする。カスケードソールの第1の層および第2の層は、応力がソールの最も薄い部分に集まることを防止し得、クラブフェースの永久変形を防止し得る。
【0033】
他の実施形態では、カスケードソールは、第1の層と、第2の層と、第3の層と、を備え得る(図示せず)。各々の層は、ヒールからトゥへの方向、および、クラブフェースから後部への方向に延在する層全体を通じて一定の厚さを備え得る。第1の層は、第2の層よりも大きい厚さを備え得、第2の層は、第3の層よりも大きい厚さを備え得る。第1、第2、および第3の層の厚さは、ソールの外面からソールの内面まで地面に垂直な方向に測定される。
【0034】
第1の層は第1の層長を備え得、第2の層は第2の層長を備え得、第3の層は第3の層長を備え得る。いくつかの実施形態では、第1の層長は、第2の層長よりも大きくてもよく、第2の層長は、第3の層長よりも大きくてもよい。他の実施形態では、第1の層長、第2の層長、および第3の層長は同じであり得る。いくつかの実施形態では、第1の層、第2の層、および第3の層の長さは、クラブフェースから後部へ延在する方向に減少する。カスケードソールは、ソールの近くのクラブフェースが受ける応力の一部が第1の層、第2の層、および第3の層に分配されることを可能にする。追加の第3の層は、応力がクラブフェースからさらに遠くに離れて移動することを可能にし、クラブフェースの永久変形を防止する。
機能および利益
【0035】
本開示で記載されるフレックス構造(すなわち、フレックス構造152および252)は、クラブフェースを強くし、クラブフェースからの応力を軽減し、かつクラブフェース全体のCT変動を低減する構造を提供する。フレックス構造は、クラブフェースがゴルフボールのインパクト中に後方に曲がることを可能にし、ボール速度性能を犠牲にすることなくこれらの利点を達成する。フレックス構造を備える開示されたクラブヘッドは、257マイクロ秒以下の全米ゴルフ協会(USGA)基準を満たすように、クラブフェース全体のCT変動を低減する。
【0036】
ゴルフボールのインパクト中、フレックス構造(すなわち、フレックス構造152および252)の湾曲形状は、クラブフェースおよびフレックス構造がゴルフボールのインパクトの力の下で曲がることを可能にする。
図9は、ゴルフボールのインパクト後のクラブフェースおよびフレックス構造の最終的な変位を示す。
図9に示されるように、フレックス構造は、後方および下方に曲がる。フレックス構造は、最下点がインパクトの力の源に最も近いため、頂点よりも最下点でより大きく曲がる。インパクトの力を受けるとき、クラブフェースから後部への方向で測定されるフレックス構造の第1の端および第2の端の間の全体の距離は、フレックス構造が静止状態にある(すなわち、インパクトの力がクラブヘッド上に付与されていない)ときよりも小さい。フレックス構造は、クラブフェースが曲がるのを妨げることなく、クラブフェースに支持を提供する。
【0037】
フレックス構造(すなわち、フレックス構造152および252)は、ゴルフボールのインパクト中の応力を軽減しつつ、クラブフェースに支持を提供する。フレックス構造は、支持構造がないクラブフェースと比較して、全体的により薄いクラブフェースを可能にする。支持構造がないクラブヘッドは、ゴルフボールからのインパクトの力に耐えるのに十分な構造支持を提供するために、より大きいクラブフェース厚さを備える必要がある。クラブフェース厚さの増加は、CTおよびボール速度性能に悪影響を及ぼす。厚くしたクラブフェースは、CTおよびボール速度性能を低下させる。クラブフェース厚さ、CT、およびボール速度性能の間のバランスを達成するために、開示されたフレックス構造は、クラブフェースおよびソールを一緒に連結し、それによって、インパクトの力の一部をクラブフェースから離れてソール内へ伝える。フレックス構造は、ソールをわずかに外向きに曲げる。インパクトの力をフレックス構造およびソール内へそらすことによって、クラブフェースは全体的により薄くなって、クラブフェースの材料の弾性限界を超えることなくボール速度性能を向上させ得る。フレックス構造を備える開示されたクラブヘッドは、クラブヘッドが、クラブフェース支持構造がないクラブヘッドと比較してより大きいボール速度を経験することを可能にする。フレックス構造を備える開示されたクラブヘッドは、クラブフェースの全体の厚さを約0.005から0.010インチ減少させ得る。クラブフェース厚さの全体的な減少により、増加したクラブフェース厚さを有し、かつ、クラブフェース支持構造がないクラブヘッドと比較して、ボール速度の0.5~1.5mph増加となり得る。
【0038】
フレックス構造(すなわち、フレックス構造152および252)は、局所的な場所内でクラブフェースの周波数応答を増加させることによって、クラブフェース全体のCT変動を低減する。クラブヘッドは、共振周波数を含み、クラブヘッドの応答振幅は、最大値であるか、または最大値に近い。クラブヘッド上に共振周波数を課すと、他の非共振周波数と比較して、より高い振幅でクラブヘッドが振動する。より高い振幅は、より大きい変位(すなわち、より大きい移動)に対応する。クラブフェース上の最大の変位の場所を識別するために、有限要素シミュレーションが使用された。あるシミュレーションでは、最大の変位の場所は、4100~4200ヘルツの周波数で、クラブフェースの中心部に配置され得る。フレックス構造は、クラブフェースの中心部に対して固定されて、中心部内で周波数応答を約200~500ヘルツ増加させ得る。約200~500ヘルツの周波数応答の増加は、CTを約5~20マイクロ秒減少させ得る。いくつかの実施形態では、CTは、5から15マイクロ秒、または15から20マイクロ秒減少し得る。別の実施形態では、CTは、5から10マイクロ秒、6から11マイクロ秒、7から12マイクロ秒、8から13マイクロ秒、9から14マイクロ秒、10から15マイクロ秒、11から16マイクロ秒、12から17マイクロ秒、13から18マイクロ秒、14から19マイクロ秒、または15から20マイクロ秒減少し得る。フレックス構造は、クラブフェース全体の厚さを増加させる必要なく、クラブフェース周波数応答を局所的に増加させる。フレックス構造は、ボール速度性能を犠牲にすることなく、クラブフェースのCTを減少させ得る。
製造
【0039】
多くの実施形態では、フレックス構造152を有するクラブヘッド100を形成するための方法は、クラブフェース104、後部122、クラウン110、ソール112、トゥ120、ヒール116、およびフレックス構造152を有するクラブヘッド100を形成することを含む。フレックス構造152を有するクラブヘッド100は、単一のボディとして一体的に形成され得る。一体的なクラブヘッド100を形成することは、鋳造、付加製造、3Dプリント、機械加工、またはそれらの組合せを含み得る。
【0040】
クラブヘッド100が付加製造で形成される実施形態では、フレックス構造152を有するクラブヘッド100は、単一のボディとして一緒に一体的に形成され得、クラウンインサート180は、クラブヘッド100とは別々に形成され得る。クラウンインサート180は、接着剤、接着テープ、機械的な締結具、またはそれらの組合せの使用を通じて、クラブヘッド100に対して固定、接着、または付着され得る。
【0041】
他の実施形態では、フレックス構造252を有するクラブヘッド200を形成するための方法は、クラブフェース204、後部222、クラウン、ソール、トゥ、およびヒールを有するクラブヘッド200を形成することと、フレックス構造252を別々に形成することと、を含む。クラブヘッド200またはフレックス構造252を形成することは、鋳造、付加製造、3Dプリント、機械加工、またはそれらの組合せを含み得る。次いで、フレックス構造252は、接着剤、接着テープ、機械的な締結具、またはそれらの組合せの使用を通じて、クラブヘッド200内で固定または付着され得る。
【0042】
クラブヘッド100または200は、金属で形成され得る。金属の例としては、例えば、鋼、合金鋼、ステンレス鋼、ステンレス合金鋼、C300、C350、Ni(ニッケル)-Co(コバルト)-Cr(クロム)合金鋼、8620合金鋼、S25C鋼、303SS、17-4SS、炭素鋼、マルエージング鋼、565鋼、AISIタイプ304もしくはAISIタイプ630ステンレス鋼、チタン合金、Ti-6-4、Ti-3-8-6-4-4、Ti-10-2-3、Ti15-3-3-3、Ti15-5-3、Ti185、Ti6-6-2、Ti-7s、Ti-9s、Ti-92、もしくはTi-8-1-1チタン合金、アモルファス金属合金、または他の同様の金属が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0043】
クラウンインサート180は、非金属の材料で形成され得る。非金属の材料の例としては、例えば、ポリマー、複合体、熱可塑性物質、熱可塑性複合体、または強化炭素繊維ポリマーなどの繊維強化ポリマーが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0044】
フレックス構造152は、クラブヘッド100と同様の材料で形成され得る。フレックス構造152は、金属で形成され得る。金属の例としては、例えば、鋼、合金鋼、ステンレス鋼、ステンレス合金鋼、C300、C350、Ni(ニッケル)-Co(コバルト)-Cr(クロム)合金鋼、8620合金鋼、S25C鋼、303SS、17-4SS、炭素鋼、マルエージング鋼、565鋼、AISIタイプ304もしくはAISIタイプ630ステンレス鋼、チタン合金、Ti-6-4、Ti-3-8-6-4-4、Ti-10-2-3、Ti15-3-3-3、Ti15-5-3、Ti185、Ti6-6-2、Ti-7s、Ti-9s、Ti-92、もしくはTi-8-1-1チタン合金、アモルファス金属合金、または他の同様の金属が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0045】
フレックス構造252は、フレックス構造152について上述した金属、または非金属の材料で形成され得る。非金属の材料の例としては、例えば、ポリマー、複合体、熱可塑性物質、熱可塑性複合体、または強化炭素繊維ポリマーなどの繊維強化ポリマーが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0046】
1つ以上のクレームされた要素の置換は、再構築を構成し、修理ではない。さらに、利益、他の利点、および課題に対する解決策を、特定の実施形態に関して記載してきた。しかしながら、利益、利点、課題に対する解決策、および任意の利益、利点、または解決策を生じさせ、またはより明らかにさせ得る任意の要素(element)または要素(elements)は、特許請求の範囲のいずれかまたは全ての重大な、必須の、または本質的な特徴または要素として解釈されるべきではない。
【0047】
ゴルフに対するルールは、時々変更され得る(例えば、全米ゴルフ協会(USGA)、英国ゴルフ協会(R&A)などのゴルフ標準組織および/または管理機関によって、新しい規則が適用され得るか、または古いルールが削除もしくは修正され得る)ため、本明細書で記載される装置、方法、および製造物品に関するゴルフ用品は、任意の特定時でのゴルフのルールに適合し、または適合しなくてもよい。したがって、本明細書で記載される装置、方法、および製造物品に関するゴルフ用品は、適合または適合しないゴルフ用品として、宣伝され、売り出され、および/または売却され得る。本明細書で記載される装置、方法、および製造物品は、この点について限定されない。
【0048】
明細書および特許請求の範囲での「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」などの用語がある場合、同様の要素間を区別するために使用され、必ずしも特定の連続的または時系列順序を記載するためのものではない。そのように使用される用語は、本明細書で記載される実施形態が、例えば、本明細書で図示されているかまたはそれ以外で記載されている順序以外の順序で動作可能であるように、適切な状況下で相互に交換可能であることが理解されるべきである。さらに、「含む」および「有する」という用語、ならびにその任意の変形は、非排他的な包含を含むように意図され、そのため、要素のリストを含むプロセス、方法、システム、物品、デバイス、または装置は、それらの要素に必ずしも限定されるわけではなく、明確にリストされていないか、またはこのようなプロセス、方法、システム、物品、デバイス、もしくは装置に固有の他の要素を含み得る。
【0049】
明細書および特許請求の範囲での「左」、「右」、「前」、「後」、「上部」、「下部」、「上」、「下」などの用語がある場合、説明の目的のために使用され、必ずしも永久的な相対位置を記載するためのものではない。そのように使用される用語は、本明細書で記載される装置、方法、および/または製造物品の実施形態が、例えば、本明細書で図示されているかまたはそれ以外で記載されている向き以外の向きで動作可能であるように、適切な状況下で相互に交換可能であることが理解されるべきである。
【0050】
上記の例は、ドライバータイプのゴルフクラブと関連して記載され得るが、本明細書で記載される装置、方法、および製造物品は、フェアウェイウッドタイプのゴルフクラブ、ハイブリッドタイプのゴルフクラブヘッド、またはホローウッドタイプのクラブヘッドなどの他のタイプのゴルフクラブに適用可能であり得る。
【0051】
ドライバータイプ、フェアウェイタイプ、およびハイブリッドタイプのクラブヘッドなどのウッドタイプのクラブヘッドについて、クラブフェースのバネ効果またはバネ性を決定するために測定値が使用される。この測定値は、特性時間(以下「CT」)である。CTは、ゴルフボールがインパクトの瞬間にクラブフェースに接触する、マイクロ秒(μs)で測定される時間の量として定義される。特性時間は、小さい鋼振子を使用して、打撃面上の特定のスポットを数回インパクトすることによって測定される。コンピュータプログラムは、鋼振子がインパクトの瞬間にクラブフェースに接触する時間の量を測定する。
【0052】
本明細書で記載されるようなゴルフクラブの「ロフト」または「ロフト角」という用語は、任意の好適なロフトおよびライの機械によって測定されるような、クラブフェースとシャフトとの間で形成される角度を意味する。
【0053】
クラブヘッドがドライバータイプクラブヘッドである実施形態では、ドライバータイプクラブヘッドのロフト角は、約16度よりも小さい、約15度よりも小さい、約14度よりも小さい、約13度よりも小さい、約12度よりも小さい、約11度よりも小さい、または約10度よりも小さい。さらに、多くの実施形態では、ドライバータイプクラブヘッドの体積は、約400ccよりも大きい、約425ccよりも大きい、約445ccよりも大きい、約450ccよりも大きい、約455ccよりも大きい、約460ccよりも大きい、約475ccよりも大きい、約500ccよりも大きい、約525ccよりも大きい、約550ccよりも大きい、約575ccよりも大きい、約600ccよりも大きい、約625ccよりも大きい、約650ccよりも大きい、約675ccよりも大きい、または約700ccよりも大きい。いくつかの実施形態では、ドライバータイプクラブヘッドの体積は、約400ccから600cc、約425ccから500cc、約500ccから600cc、約500ccから650cc、約550ccから700cc、約600ccから650cc、約600ccから700cc、または約600ccから800ccであり得る。
【0054】
クラブヘッドがフェアウェイタイプクラブヘッドである実施形態では、フェアウェイウッドタイプクラブヘッドのロフト角は、約35度よりも小さい、約34度よりも小さい、約33度よりも小さい、約32度よりも小さい、約31度よりも小さい、または約30度よりも小さい。さらに、いくつかの実施形態では、フェアウェイウッドタイプクラブヘッドのロフト角は、約12度よりも大きい、約13度よりも大きい、約14度よりも大きい、約15度よりも大きい、約16度よりも大きい、約17度よりも大きい、約18度よりも大きい、約19度よりも大きい、または約20度よりも大きい。例えば、別の実施形態では、フェアウェイウッドタイプクラブヘッドのロフト角は、12度から35度の間、15度から35度の間、20度から35度の間、または12度から30度の間であり得る。
【0055】
フェアウェイウッドタイプのクラブヘッドの体積は、約400ccよりも小さい、約375ccよりも小さい、約350ccよりも小さい、約325ccよりも小さい、約300ccよりも小さい、約275ccよりも小さい、約250ccよりも小さい、約225ccよりも小さい、または約200ccよりも小さい。いくつかの実施形態では、フェアウェイウッドタイプのクラブヘッドの体積は、約150ccから200cc、約150ccから250cc、約150ccから300cc、約150ccから350cc、約150ccから400cc、約300ccから400cc、約325ccから400cc、約350ccから400cc、約250ccから400cc、約250ccから350cc、または約275ccから375ccであり得る。
【0056】
クラブヘッドがハイブリッドタイプのクラブヘッドである実施形態では、ハイブリッドタイプのクラブヘッドのロフト角は、約40度よりも小さい、約39度よりも小さい、約38度よりも小さい、約37度よりも小さい、約36度よりも小さい、約35度よりも小さい、約34度よりも小さい、約33度よりも小さい、約32度よりも小さい、約31度よりも小さい、または約30度よりも小さい。さらに、別の実施形態では、ハイブリッドタイプのクラブヘッドのロフト角は、約16度よりも大きい、約17度よりも大きい、約18度よりも大きい、約19度よりも大きい、約20度よりも大きい、約21度よりも大きい、約22度よりも大きい、約23度よりも大きい、約24度よりも大きい、または約25度よりも大きい。
【0057】
ハイブリッドタイプのクラブヘッドの体積は、約200ccよりも小さい、約175ccよりも小さい、約150ccよりも小さい、約125ccよりも小さい、約100ccよりも小さい、または約75ccよりも小さい。別の実施形態では、ハイブリッドタイプのクラブヘッドの体積は、約100ccから150cc、約75ccから150cc、約100ccから125cc、または75ccから125ccであり得る。
【0058】
さらに、本明細書で開示される実施形態および限定は、実施形態および/または限定が、(1)特許請求の範囲において明確に請求されておらず、かつ(2)均等論の下で、特許請求の範囲において明示された要素および/または限定と均等または潜在的に均等である場合、Dedicationの法理の下で公衆に供されるものではない。
【0059】
項目1.クラブフェースと、クラウン、ソール、ヒール、およびトゥを備えるボディと、フレックス構造と、を備えるゴルフクラブヘッドであって、前記クラブフェースおよび前記ボディは、閉じた内部空洞を定義するように一緒に固定されており、前記フレックス構造は、前記閉じた内部空洞内に配置されており、前記フレックス構造は、前記クラブフェースおよび前記ソールと共に一体的に形成されており、前記フレックス構造は、最下点および頂点を有する湾曲形状を備える、ゴルフクラブヘッド。
【0060】
項目2.前記フレックス構造の前記最下点および前記頂点は、前記クラブフェースおよび前記ソールのいずれの部分にも接触していない、項目1に記載のクラブヘッド。
【0061】
項目3.前記フレックス構造の前記最下点は、前記フレックス構造の前記頂点よりも前記ソールの近くに配置されている、項目1に記載のクラブヘッド。
【0062】
項目4.前記クラウンは、開口をさらに定義する、項目1に記載のクラブヘッド。
【0063】
項目5.前記開口は、クラウンインサートを受け入れるように構成されている、項目4に記載のクラブヘッド。
【0064】
項目6.凹リップは、前記開口の外周で延在し、前記凹リップは、前記クラウンの外面からくぼんでいる、項目5に記載のクラブヘッド。
【0065】
項目7.前記クラウンインサートおよび前記凹リップは、これらの間にラップジョイントを定義するように重なっており、前記クラウンインサートは、前記ラップジョイントの全体で前記クラブヘッドに対して接着されている、項目6に記載のクラブヘッド。
【0066】
項目8.前記フレックス構造は、前記最下点での第1の曲率半径、および前記頂点での第2の曲率半径を定義し、前記第1の曲率半径および前記第2の曲率半径は等しい、項目1に記載のクラブヘッド。
【0067】
項目9.前記フレックス構造は、前記最下点での第1の曲率半径、および前記頂点での第2の曲率半径を定義し、前記第1の曲率半径および前記第2の曲率半径は異なる、項目1に記載のクラブヘッド。
【0068】
項目10.クラブフェースと、クラウン、ソール、ヒール、およびトゥを備えるボディと、フレックス構造と、を備えるゴルフクラブヘッドであって、前記クラブフェースおよび前記ボディは、閉じた内部空洞を定義するように一緒に固定されており、前記フレックス構造は、前記閉じた内部空洞内に配置されており、前記フレックス構造は、前記クラブフェースおよび前記ソールと共に一体的に形成されており、前記フレックス構造は、最下点および頂点を有する湾曲形状を備え、前記フレックス構造の前記最下点は、前記フレックス構造の前記頂点よりも前記クラブフェースの近くに配置されている、ゴルフクラブヘッド。
【0069】
項目11.前記フレックス構造の前記最下点および前記頂点は、前記クラブフェースおよび前記ソールのいずれの部分にも接触していない、項目10に記載のクラブヘッド。
【0070】
項目12.前記フレックス構造の前記最下点は、前記フレックス構造の前記頂点よりも前記ソールの近くに配置されている、項目10に記載のクラブヘッド。
【0071】
項目13.前記クラウンは、開口をさらに定義する、項目10に記載のクラブヘッド。
【0072】
項目14.前記開口は、クラウンインサートを受け入れるように構成されている、項目13に記載のクラブヘッド。
【0073】
項目15.凹リップは、前記開口の外周で延在し、前記凹リップは、前記クラウンの外面からくぼんでいる、項目14に記載のクラブヘッド。
【0074】
項目16.前記クラウンインサートおよび前記凹リップは、これらの間にラップジョイントを定義するように重なっており、前記クラウンインサートは、前記ラップジョイントの全体で前記クラブヘッドに対して接着されている、項目15に記載のクラブヘッド。
【0075】
項目17.クラブフェースと、クラウン、ソール、ヒール、およびトゥを有するボディと、フレックス構造と、を備えるゴルフクラブヘッドであって、前記クラブフェースおよび前記ボディは、閉じた内部空洞を定義するように一緒に固定されており、前記クラブフェースは、幾何中心で前記クラブフェースに接するロフト面を定義し、前記クラブヘッドは、前記クラブヘッドがアドレス位置にあるときに前記ソールに接する地面を定義し、前記クラブヘッドは、前記幾何中心を通って、前記ロフト面に対して垂直な中間面を定義し、前記中間面は、前記ヒールから前記トゥへの方向、および前記クラブフェースの後方に延在し、前記フレックス構造は、前記クラブフェースおよび前記ソールと共に一体的に形成されており、前記フレックス構造は、最下点および頂点を含む湾曲形状を備え、前記フレックス構造の前記最下点および前記フレックス構造の前記頂点は、前記中間面の下に配置されている、ゴルフクラブヘッド。
【0076】
項目18.前記フレックス構造の前記最下点は、前記フレックス構造の前記頂点よりも前記クラブフェースの近くに配置されている、項目17に記載のクラブヘッド。
【0077】
項目19.前記フレックス構造の前記最下点および前記頂点は、前記クラブフェースおよび前記ソールのいずれの部分にも接触していない、項目17に記載のクラブヘッド。
【0078】
項目20.前記フレックス構造の前記最下点は、前記フレックス構造の前記頂点よりも前記ソールの近くに配置されている、項目17に記載のクラブヘッド。
【0079】
項目21.前記クラウンは、開口をさらに定義する、項目17に記載のクラブヘッド。
【0080】
項目22.前記開口は、クラウンインサートを受け入れるように構成される、項目21に記載のクラブヘッド。
【0081】
項目23.前記クラブフェースの厚さは、0.08~0.14インチの範囲である、項目1に記載のクラブヘッド。
【0082】
項目24.前記クラウンは、クラウンインサートを受け入れるように構成された開口をさらに定義し、凹リップは、前記開口の外周で延在し、前記凹リップは、前記クラウンの外面からくぼんでいる、項目1に記載のクラブヘッド。
【0083】
本開示の様々な特徴および利点は、以下の特許請求の範囲に記載されている。