IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シェンツェン・ヴォックステック・カンパニー・リミテッドの特許一覧

特許7600227サブバンドノイズ低減技術を用いたノイズの低減のためのシステムおよび方法
<>
  • 特許-サブバンドノイズ低減技術を用いたノイズの低減のためのシステムおよび方法 図1A
  • 特許-サブバンドノイズ低減技術を用いたノイズの低減のためのシステムおよび方法 図1B
  • 特許-サブバンドノイズ低減技術を用いたノイズの低減のためのシステムおよび方法 図2
  • 特許-サブバンドノイズ低減技術を用いたノイズの低減のためのシステムおよび方法 図3
  • 特許-サブバンドノイズ低減技術を用いたノイズの低減のためのシステムおよび方法 図4
  • 特許-サブバンドノイズ低減技術を用いたノイズの低減のためのシステムおよび方法 図5A
  • 特許-サブバンドノイズ低減技術を用いたノイズの低減のためのシステムおよび方法 図5B
  • 特許-サブバンドノイズ低減技術を用いたノイズの低減のためのシステムおよび方法 図6
  • 特許-サブバンドノイズ低減技術を用いたノイズの低減のためのシステムおよび方法 図7
  • 特許-サブバンドノイズ低減技術を用いたノイズの低減のためのシステムおよび方法 図8
  • 特許-サブバンドノイズ低減技術を用いたノイズの低減のためのシステムおよび方法 図9
  • 特許-サブバンドノイズ低減技術を用いたノイズの低減のためのシステムおよび方法 図10
  • 特許-サブバンドノイズ低減技術を用いたノイズの低減のためのシステムおよび方法 図11
  • 特許-サブバンドノイズ低減技術を用いたノイズの低減のためのシステムおよび方法 図12
  • 特許-サブバンドノイズ低減技術を用いたノイズの低減のためのシステムおよび方法 図13
  • 特許-サブバンドノイズ低減技術を用いたノイズの低減のためのシステムおよび方法 図14
  • 特許-サブバンドノイズ低減技術を用いたノイズの低減のためのシステムおよび方法 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】サブバンドノイズ低減技術を用いたノイズの低減のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G10K 11/178 20060101AFI20241209BHJP
   H04R 3/00 20060101ALI20241209BHJP
【FI】
G10K11/178 100
G10K11/178 110
G10K11/178 120
H04R3/00 320
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022519747
(86)(22)【出願日】2019-09-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-30
(86)【国際出願番号】 CN2019109301
(87)【国際公開番号】W WO2021062582
(87)【国際公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-04-26
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】521080118
【氏名又は名称】シェンツェン・ショックス・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】チェンチアン・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】フェンユン・リャオ
(72)【発明者】
【氏名】シン・チ
【審査官】川▲崎▼ 博章
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-158542(JP,A)
【文献】特開平11-259078(JP,A)
【文献】特開2012-023637(JP,A)
【文献】特開平06-261389(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 11/178
H04R 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノイズの低減のためのシステムであって、
ノイズを検出し、前記検出されたノイズに応答して複数のサブバンドノイズ信号を生成するように構成されたサブバンドノイズセンサであって、前記サブバンドノイズ信号の各々は、前記ノイズの周波数帯域の特徴的なサブバンドを有する、サブバンドノイズセンサと、
複数のサブバンドノイズ低減モジュールであって、前記サブバンドノイズ低減モジュールの各々は、前記サブバンドノイズセンサから前記サブバンドノイズ信号のうちの1つを受信し、前記受信したサブバンドノイズ信号を低減するためのサブバンドノイズ補正信号を生成するように構成される、複数のサブバンドノイズ低減モジュールと、
前記サブバンドノイズ補正信号を受信し、前記サブバンドノイズ補正信号に基づいて前記ノイズを低減するためのノイズ補正信号を出力するように構成された出力モジュールと を含み、
前記サブバンドノイズセンサは、
複数の音響電気トランスデューサであって、前記複数の音響電気トランスデューサの各々が固有の周波数応答を有し、前記ノイズを処理することによってサブバンドノイズ電気信号を生成するように構成された複数の音響電気トランスデューサと、
複数のサンプリングモジュールであって、前記サンプリングモジュールの各々は、前記サブバンドノイズ電気信号のうちの1つのサブバンドノイズ電気信号を受信し、前記サブバンドノイズ信号のうちの1つのサブバンドノイズ信号を生成するために、前記受信したサブバンドノイズ電気信号をサンプリングするように構成されている、複数のサンプリングモジュールと
を含み、
前記複数の音響電気トランスデューサは、前記サブバンドノイズ信号の周波数帯域の組み合わせが前記ノイズの前記周波数帯域をカバーする特定の周波数応答を有し、前記複数の音響電気トランスデューサの間において、
前記音響電気トランスデューサのうちの第1の音響電気トランスデューサは、第1の周波数応答を有し、前記サブバンドノイズ信号のうちの第1のサブバンドノイズ信号に対応するサブバンドノイズ電気信号を生成するように構成され、
前記音響電気トランスデューサのうちの第2の音響電気トランスデューサは、第2の周波数応答を有し、前記サブバンドノイズ信号のうちの第2のサブバンドノイズ信号に対応するサブバンドノイズ電気信号を生成するように構成され、前記第2のサブバンドノイズ信号は、周波数領域において前記サブバンドノイズ信号のうちの前記第1のサブバンドノイズ信号に隣接し、
前記第1の周波数応答および前記第2の周波数応答は、前記第1の周波数応答の電力半値点または前記第2の周波数応答の電力半値点の少なくとも一方の近傍にある周波数点において交差する、
システム。
【請求項2】
前記複数のサンプリングモジュールのサンプリング周波数がサンプリング対象の前記サブバンドノイズ信号の周波数帯域によってそれぞれ異なり、
前記複数のサンプリングモジュールの各々の前記サンプリング周波数が対応するサブバンドノイズ信号の周波数帯域幅の2倍以上である、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記サブバンドノイズ低減モジュールの各々が、
前記サブバンドノイズ低減モジュールの対応するサブバンドノイズ信号を受信し、前記対応するサブバンドノイズ信号の位相を変調することによって位相変調信号を生成するように構成された位相変調器と、
前記位相変調器から前記位相変調信号を受信し、前記位相変調信号の振幅を変調することによって前記対応するサブバンドノイズ信号を低減するための前記サブバンドノイズ補正信号を生成するように構成された振幅変調器と
を含む、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記対応するサブバンドノイズ信号の位相を変調することは、
前記対応するサブバンドノイズ信号の前記位相の反転と、
前記サブバンドノイズセンサから前記位相変調器へのその送信における前記対応するサブバンドノイズ信号の位相変位の補償と
を含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記ノイズ補正信号は、前記サブバンドノイズ補正信号を含み、
前記出力モジュールは、複数の出力ユニットを有し、
前記出力ユニットの各々は、前記サブバンドノイズ低減モジュールによって生成された前記サブバンドノイズ補正信号のうちの1つを受信し、前記受信されたサブバンドノイズ補正信号を出力するように構成される、
請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記出力モジュールは、
前記サブバンドノイズ低減モジュールから前記サブバンドノイズ補正信号を受信し、
前記サブバンドノイズ補正信号を合成して前記ノイズ補正信号を生成し、
前記ノイズ補正信号を出力する
ように構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記ノイズが周囲ノイズを含み、前記システムが、
残留ノイズを検出し、前記検出された残留ノイズに応答して残留ノイズ信号を生成するように構成された残留ノイズセンサであって、前記残留ノイズセンサと前記出力モジュールとの間の距離が、前記サブバンドノイズセンサと前記出力モジュールとの間の距離よりも短い、残留ノイズセンサと、
前記残留ノイズ信号を受信し、前記残留ノイズを低減するための残留ノイズ補正信号を生成するように構成された残留ノイズ低減モジュールと
をさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記残留ノイズセンサによって生成された前記残留ノイズ信号は、複数のサブバンド残留ノイズ信号を含み、
前記残留ノイズ補正信号は、複数のサブバンド残留ノイズ補正信号を含み、前記サブバンド残留ノイズ補正信号の各々は、前記サブバンド残留ノイズ信号のうちの1つを低減するように構成される、
請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記ノイズが周囲ノイズを含み、前記システムが、
残留ノイズを検出し、前記検出された残留ノイズに応答して残留ノイズ信号を生成するように構成された残留ノイズセンサであって、前記残留ノイズセンサと前記出力モジュールとの間の距離が、前記サブバンドノイズセンサと前記出力モジュールとの間の距離よりも短い、残留ノイズセンサと、
前記残留ノイズに応じて前記サブバンドノイズ低減モジュールを調整するように構成されたフィードバックモジュールと
をさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記サブバンドノイズセンサは、前記出力モジュールの近傍または内部に取り付けられ、
前記ノイズは、残留ノイズを含む、
請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記音響電気トランスデューサのうちの1つの音響電気トランスデューサは、
ノイズをフィルタリングしてサブバンドノイズを生成するように構成される、音響チャネル構成要素と、
サブバンドノイズをサブバンドノイズ電気信号に変換するように構成される、感音構成要素と、
を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記音響電気トランスデューサのうちの1つの音響電気トランスデューサは、
ノイズをサブバンドノイズ電気信号に変換するように構成される、感音構成要素、
を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1の音響電気トランスデューサの前記第1の周波数応答、および前記第2の音響電気トランスデューサの前記第2の周波数応答は、異なる周波数帯域幅を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記サブバンドノイズ低減モジュールの各々は、
前記対応するサブバンドノイズ信号を受信し、前記対応するサブバンドノイズ信号の振幅を変調することによって振幅変調信号を生成するように構成される、振幅変調器と、
前記振幅変調器から前記振幅変調信号を受信し、前記振幅変調信号の位相を変調することによって前記対応するサブバンドノイズ信号を低減するための前記サブバンドノイズ補正信号を生成するように構成される、位相変調器と、
を含む、請求項1または2に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、ノイズの低減に関し、特に、サブバンドノイズの低減技術を用いたノイズの低減のためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ノイズの低減は、ノイズ(例えば、聞くのが不快であり、大きく、または混乱させる望ましくない音)を抑制するために必要とされることが多い。従来、ノイズは、例えば、ノイズの発生源を除去する(または部分的に除去する)、ノイズの伝達を遮断する、および/またはユーザの耳がノイズを聞くことを防止するなど、またはそれらのいずれかの組み合わせによって受動的に低減され得る。これらのノイズ低減技術は受動的であってもよく、いくつかの条件下(例えば、ノイズが閾値周波数を下回る低周波数を有する場合)ではノイズ低減効果が低い。近年、ノイズ低減信号(例えば、低減されるべきノイズに対して逆位相を有する信号)を生成することにより能動的にノイズを低減するアクティブノイズ低減(ANR)技術が採用されている。従来のANRデバイスは、ノイズを抑圧するためにノイズの周波数帯域をカバーする周波数帯域を有する単一のノイズ補正信号を生成する、フルバンドノイズ低減技術を利用し得る。ノイズ低減効果を改善するために、ノイズ低減にサブバンド分解技術を使用することができる。したがって、サブバンドノイズ低減技術を使用したノイズ低減のためのシステムおよび方法を提供することが望ましい。
【0003】
ノイズの低減のためのシステムが提供される。システムは、サブバンドノイズセンサと、複数のサブバンドノイズ低減モジュールと、出力モジュールとを含むことができる。サブバンドノイズセンサは、ノイズを検出し、検出されたノイズに応答して複数のサブバンドノイズ信号を生成するように構成されてもよい。サブバンドノイズ信号の各々は、ノイズの周波数帯域の特有のサブバンドを有することができる。サブバンドノイズ低減モジュールの各々は、サブバンドノイズセンサからサブバンドノイズ信号のうちの1つを受信し、受信したサブバンドノイズ信号を低減するためのサブバンドノイズ補正信号を生成するように構成されてもよい。出力モジュールは、サブバンドノイズ補正信号を受信し、サブバンドノイズ補正信号に基づいてノイズを低減するためのノイズ補正信号を出力するように構成され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
いくつかの実施形態では、サブバンドノイズセンサは、音響電気トランスデューサおよび帯域分割モジュールを含むことができる。音響電気トランスデューサは、ノイズを検出し、ノイズを電気信号に変換するように構成されてもよい。帯域分割モジュールは、音響電気トランスデューサに結合され、電気信号をサブバンドノイズ信号に分割するように構成されてもよい。
【0005】
いくつかの実施形態では、帯域分割モジュールは、複数のバンドパスフィルタを含むことができる。バンドパスフィルタの各々は、固有の周波数応答を有し、サブバンドノイズ信号のうちの1つを生成するように構成されてもよい。
【0006】
いくつかの実施形態では、バンドパスフィルタのうちの第1のバンドパスフィルタは、第1の周波数応答を有し、サブバンドノイズ信号のうちの第1のサブバンドノイズ信号を生成するように構成され得る。バンドパスフィルタのうちの第2のバンドパスフィルタは、第2の周波数応答を有し、サブバンドノイズ信号のうちの第2のサブバンドノイズ信号を生成するように構成されてもよい。第2のサブバンドノイズ信号は、周波数領域におけるサブバンドノイズ信号のうちの第1のサブバンドノイズ信号に隣接していてもよい。第1の周波数応答および第2の周波数応答は、第1の周波数応答の電力半値点または第2の周波数応答の電力半値点の少なくとも一方の近くにある周波数点で交差することができる。
【0007】
いくつかの実施形態では、第1のバンドパスフィルタの第1の周波数応答および第2のバンドパスフィルタの第2の周波数応答は、同じ周波数帯域幅または異なる周波数帯域幅を有することができる。
【0008】
いくつかの実施形態では、サブバンドノイズ低減モジュールは、帯域分割モジュールに統合されてもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、サブバンドノイズセンサは、複数の音響電気トランスデューサおよび複数のサンプリングモジュールを含むことができる。音響電気トランスデューサの各々は、固有の周波数応答を有し、ノイズを処理することによってサブバンドノイズ電気信号を生成するように構成されてもよい。サンプリングモジュールの各々は、サブバンドノイズ電気信号のうちの1つのサブバンドノイズ電気信号を受信し、受信したサブバンドノイズ電気信号をサンプリングしてサブバンドノイズ信号のうちの1つのサブバンドノイズ信号を生成するように構成され得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、音響電気トランスデューサの音響電気トランスデューサは、音響チャネル構成要素および感音構成要素を含むことができる。音響チャネル構成要素は、ノイズをフィルタリングしてサブバンドノイズを生成するように構成されてもよい。感音構成要素は、サブバンドノイズをサブバンドノイズ電気信号に変換するように構成されてもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、音響電気トランスデューサの音響電気トランスデューサは、感音構成要素を含むことができる。感音構成要素は、ノイズをサブバンドノイズ電気信号に変換するように構成されてもよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、音響電気トランスデューサのうちの第1の音響電気トランスデューサは、第1の周波数応答を有し、サブバンドノイズ信号のうちの第1のサブバンドノイズ信号に対応するサブバンドノイズ電気信号を生成するように構成されてもよい。音響電気トランスデューサの第2の音響電気トランスデューサは、第2の周波数応答を有し、サブバンドノイズ信号の第2のサブバンドノイズ信号に対応するサブバンドノイズ電気信号を生成するように構成されてもよい。第2のサブバンドノイズ信号は、周波数領域におけるサブバンドノイズ信号のうちの第1のサブバンドノイズ信号に隣接し得る。第1の周波数応答および第2の周波数応答は、第1の周波数応答の電力半値点または第2の周波数応答の電力半値点の少なくとも一方の近くにある周波数点で交差することができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、第1の音響電気トランスデューサの第1の周波数応答および第2の音響電気トランスデューサの第2の周波数応答は、同じ周波数帯域幅または異なる周波数帯域幅を有する。
【0014】
いくつかの実施形態では、サブバンドノイズセンサによって生成されたサブバンドノイズ信号の周波数帯域は、ノイズの周波数帯域をカバーすることができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、サブバンドノイズ低減モジュールのうちの少なくとも1つのサブバンドノイズ低減モジュールは、位相変調器および振幅変調器を含むことができる。位相変調器は、対応するサブバンドノイズ信号を受信し、対応するサブバンドノイズ信号の位相を変調することによって位相変調信号を生成するように構成され得る。振幅変調器は、位相変調器から位相変調信号を受信し、位相変調信号の振幅を変調することによって対応するサブバンドノイズ信号を低減するためのサブバンドノイズ補正信号を生成するように構成され得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、対応するサブバンドノイズ信号の位相変調は、対応するサブバンドノイズ信号の位相の反転、および任意選択に、サブバンドノイズセンサから位相変調器へのその送信における対応するサブバンドノイズ信号の位相変位の補償を含むことができる。
【0017】
いくつかの実施形態では、サブバンドノイズ低減モジュールのうちの少なくとも1つのサブバンドノイズ低減モジュールは、振幅変調器および位相変調器を含むことができる。振幅変調器は、対応するサブバンドノイズ信号を受信し、対応するサブバンドノイズ信号の振幅を変調することによって振幅変調信号を生成するように構成され得る。位相変調器は、振幅変調器から振幅変調信号を受信し、振幅変調信号の位相を変調することによって対応するサブバンドノイズ信号を低減するためのサブバンドノイズ補正信号を生成するように構成され得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、振幅変調信号の位相変調は、振幅変調信号の位相の反転、および任意選択に、サブバンドノイズセンサから位相変調器へのその送信における対応するサブバンドノイズ信号の位相変位の補償を含むことができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、ノイズ補正信号は、サブバンドノイズ補正信号を含むことができる。出力モジュールは、複数の出力ユニットを含むことができる。出力ユニットの各々は、サブバンドノイズ低減モジュールによって生成されたサブバンドノイズ補正信号のうちの1つを受信し、受信されたサブバンドノイズ補正信号を出力するように構成されてもよい。
【0020】
いくつかの実施形態では、出力モジュールは、サブバンドノイズ低減モジュールからサブバンドノイズ補正信号を受信するように構成されてもよい。出力モジュールはまた、サブバンドノイズ補正信号を合成してノイズ補正信号を生成するように構成されてもよい。出力モジュールはまた、ノイズ補正信号を出力するように構成されてもよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、ノイズは周囲ノイズを含み得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、システムは、残留ノイズセンサおよび残留ノイズ低減モジュールをさらに含むことができる。残留ノイズセンサは、残留ノイズを検出し、検出された残留ノイズに応答して残留ノイズ信号を生成するように構成されてもよい。残留ノイズセンサと出力モジュールとの間の距離は、サブバンドノイズセンサと出力モジュールとの間の距離よりも短くてもよい。残留ノイズ低減モジュールは、残留ノイズ信号を受信し、残留ノイズを低減するための残留ノイズ補正信号を生成するように構成されてもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、出力モジュールは、残留ノイズ補正信号を受信し、残留ノイズ補正信号を出力するようにさらに構成されてもよい。システムは、残留ノイズ補正信号を受信し、残留ノイズ補正信号を出力するように構成された第2の出力モジュールをさらに含むことができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、残留ノイズセンサによって生成された残留ノイズ信号は、複数のサブバンド残留ノイズ信号を含むことができ、残留ノイズ補正信号は、複数のサブバンド残留ノイズ補正信号を含むことができる。サブバンド残留ノイズ補正信号の各々は、サブバンド残留ノイズ信号のうちの1つを低減するように構成され得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、システムは、残留ノイズセンサおよびフィードバックモジュールを含むことができる。残留ノイズセンサは、残留ノイズを検出し、検出された残留ノイズに応答して残留ノイズ信号を生成するように構成されてもよい。残留ノイズセンサと出力モジュールとの間の距離は、サブバンドノイズセンサと出力モジュールとの間の距離よりも短くてもよい。フィードバックモジュールは、残留ノイズに応じてサブバンドノイズ低減モジュールを調整するように構成されてもよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、サブバンドノイズセンサは、出力モジュールの近くまたは内部に取り付けられてもよく、ノイズは残留ノイズを含んでもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、サブバンドノイズ信号はアナログ信号であってもよく、サブバンドノイズ低減モジュールはアナログ信号処理構成要素を含んでもよい。
【0028】
いくつかの実施形態では、サブバンドノイズ信号はデジタル信号であってもよく、サブバンドノイズ低減モジュールはデジタル信号処理構成要素を含んでもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、出力モジュールは、ノイズ補正信号をオーディオ信号に変換し、オーディオ信号を出力するように構成された電気音響トランスデューサを含むことができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、出力モジュールは、信号処理部および電気音響トランスデューサを含んでもよい。信号処理部は、ノイズ補正信号を処理するように構成されてもよい。電気音響トランスデューサは、処理されたノイズ補正信号をオーディオ信号に変換し、オーディオ信号を出力するように構成されてもよい。
【0031】
追加の特徴は、以下の説明に部分的に記載され、部分的には、以下および添付の図面を検討することで当業者に明らかになるか、または例の生成または動作によって習得され得る。本開示の特徴は、以下で説明される詳細な例に記載される方法、手段、および組み合わせの様々な態様の実施または使用によって実現および達成され得る。
【0032】
本開示は、例示的な実施形態に関してさらに説明される。これらの例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。これらの実施形態は、非限定的な例示的な実施形態であり、同様の参照番号は、図面のいくつかの図を通して同様の構造を表す。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1A】本開示のいくつかの実施形態による例示的なノイズ低減システムを示す概略図である。
図1B】本開示のいくつかの実施形態による例示的なノイズ低減システムを示す概略図である。
図2】本開示のいくつかの実施形態による例示的なノイズ低減デバイスを示す概略図である。
図3】本開示のいくつかの実施形態による例示的なノイズ低減デバイスを示す概略図である。
図4】本開示のいくつかの実施形態による例示的なサブバンドノイズセンサを示す概略図である。
図5A】本開示のいくつかの実施形態による、帯域分割モジュールの第1のバンドパスフィルタの例示的な周波数応答および第2のバンドパスフィルタの例示的な周波数応答を示す。
図5B】本開示のいくつかの実施形態による、図5の第1のバンドパスフィルタの周波数応答、および図5の第2のバンドパスフィルタの別の例示的な周波数応答を示す。
図6】本開示のいくつかの実施形態による例示的なサブバンドノイズセンサを示す概略図である。
図7】本開示のいくつかの実施形態による例示的なサブバンドノイズ低減モジュールを示す概略図である。
図8】本開示のいくつかの実施形態による例示的な位相変調信号を示す概略図である。
図9】本開示のいくつかの実施形態による例示的なサブバンドノイズ低減モジュールを示す概略図である。
図10】本開示のいくつかの実施形態による、例示的なサブバンドノイズセンサを示す概略図である。
図11】本開示のいくつかの実施形態による例示的なノイズ低減システムを示す概略図である。
図12】本開示のいくつかの実施形態による例示的なノイズ低減システムを示す概略図である。
図13】本開示のいくつかの実施形態による例示的なノイズ低減システムを示す概略図である。
図14】本開示のいくつかの実施形態による例示的なノイズ低減システムを示す概略図である。
図15】本開示のいくつかの実施形態による例示的なノイズ低減システムを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下の詳細な説明では、関連する開示の完全な理解をもたらすために、例として多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、本開示がそのような詳細なしで実施され得ることは、当業者には明らかであろう。他の例では、本開示の態様を不要に不明瞭にすることを回避するために、周知の方法、手順、システム、構成要素、および/または回路が、詳細なしに比較的高いレベルで説明されてきた。開示された実施形態に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義される一般的な原理は、本開示の精神および範囲から逸脱することなく他の実施形態および用途に適用され得る。したがって、本開示は、示された実施形態に限定されず、特許請求の範囲と一致する最も広い範囲が与えられるべきである。
【0035】
本明細書で使用される「システム」、「エンジン」、「ユニット」、「モジュール」、および/または「ブロック」という用語は、昇順で異なるレベルの異なる構成要素、要素、部品、セクション、またはアセンブリを区別するための1つの方法であることが理解されよう。しかしながら、用語は、それらが同じ目的を達成し得る場合、他の表現によって置き換え得る。
【0036】
ユニット、エンジン、モジュール、またはブロックが、別のユニット、エンジン、モジュール、またはブロックに「ある」、「接続されている」、または「結合されている」と言及される場合、文脈上明らかに別段の指示がない限り、他のユニット、エンジン、モジュール、またはブロックの直接接している、接続されている、または結合されている、または通信することができ、あるいは介在するユニット、エンジン、モジュール、またはブロックが存在してもよいことが理解されよう。本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、関連する列挙された項目のうちの1つまたは複数のありとあらゆる組み合わせを含む。
【0037】
本明細書で使用される用語は、特定の例および実施形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形も含むことが意図され得る。「含む(include)」および/または「含む(comprise)」という用語は、本開示で使用される場合、整数、デバイス、挙動、記載された特徴、ステップ、要素、動作、および/または構成要素の存在を明記しているが、1つまたは複数の他の整数、デバイス、挙動、特徴、ステップ、要素、動作、構成要素、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除しないことがさらに理解されよう。
【0038】
要素間(例えば、層間)の空間的および機能的関係は、「接続されている」、「係合されている」、「インターフェースされている」、および「結合されている」といったものを含む様々な用語を使用して説明される。第1の要素と第2の要素との間の関係が本開示に記載されるときに「直接」であると明示的に記載されない限り、その関係は、第1の要素と第2の要素との間に他の介在要素が存在しない直接的な関係、および第1の要素と第2の要素との間に(空間的または機能的に)1つまたは複数の介在要素が存在する間接的な関係も含む。対照的に、ある要素が別の要素に「直接」接続、係合、インターフェース、または結合されていると言及される場合、介在する要素は存在しない。さらに、要素間の空間的および機能的関係は、様々な方法で達成することができる。例えば、2つの要素間の機械的接続は、溶接接続、キー接続、ピン接続、締まりばめ接続など、またはそれらのいずれかの組み合わせを含むことができる。要素間の関係を説明するために使用される他の単語も同様に解釈されるべきである(例えば、「間に」対「間に直接」「隣接する」対「直接隣接する」などである)。
【0039】
本開示の態様は、ノイズ低減システムに関する。ノイズ低減システムは、サブバンドノイズセンサと、複数のサブバンドノイズ低減モジュールと、出力モジュールとを含むことができる。サブバンドノイズセンサは、ノイズを検出し、検出されたノイズに応答して複数のサブバンドノイズ信号を生成するように構成されてもよい。複数のサブバンドノイズ信号の各々は、ノイズの周波数帯域の特徴的なサブバンドを有することができる。サブバンドノイズ低減モジュールの各々は、サブバンドノイズセンサからサブバンドノイズ信号のうちの1つを受信し、受信したサブバンドノイズ信号を低減するためのサブバンドノイズ補正信号を生成するように構成されてもよい。出力モジュールは、サブバンドノイズ補正信号を受信し、ノイズを低減するためのノイズ補正信号を出力するように構成され得る。
【0040】
本開示のいくつかの実施形態によれば、システムは、ノイズの周波数帯域の複数のサブバンドにおいてノイズの低減を実行することができるサブバンドノイズ低減技術を使用して、ノイズを低減することができる。ノイズの全周波数帯域に対して直接ノイズ低減を行うフルバンドノイズ低減技術と比較して、サブバンドノイズ低減技術は、ノイズ低減効果を改善することができる。いくつかの実施形態では、ノイズ低減システムは、様々なタイプのノイズを低減するために様々なシナリオで使用され得る。例えば、オーディオ放送装置は、周囲ノイズを低減するための周囲ノイズ低減デバイスと、周囲ノイズを抑制した後の残留ノイズを低減するための残留ノイズ低減デバイスとを含んでいてもよく、その各々または1つは、上述したノイズ低減システムの1つ以上の構成要素によって実現され得る。周囲ノイズ低減デバイスと残留ノイズ低減デバイスとを組み合わせることにより、不要な音を効率的に低減することができ、それによりオーディオ放送デバイスの性能を向上させることができる。
【0041】
図1Aは、本開示のいくつかの実施形態による例示的なノイズ低減システム100Aを示す概略図である。ノイズ低減システム100Aは、ノイズ(例えば、耳障り、大きい、または聴くのを妨げる望ましくない音)を低減またはキャンセルするように構成され得る。ノイズ低減システム100Aは、ヘッドホン(例えば、ノイズキャンセリングヘッドホン、骨伝導ヘッドホン)、マフラ、いびき防止装置など、またはそれらいずれかの組み合わせなどの様々な領域および/または装置に適用することができる。いくつかの実施形態では、ノイズ低減システム100Aは、ノイズを低減するように設計されたノイズ低減信号(例えば、ノイズに対して反転の位相を有する信号)を生成することによってノイズを低減する能動的ノイズ低減システムであってもよい。
【0042】
図1Aに示すように、ノイズ低減システム100Aは、周囲ノイズ低減デバイス120と、残留ノイズ低減デバイス150と、出力モジュール170とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ノイズ低減システム100Aの2つ以上の構成要素は、互いに接続および/または通信することができる。例えば、周囲ノイズ低減デバイス120および残留ノイズ低減デバイス150の各々は、出力モジュール170に電気的に接続されてもよい。本明細書で使用される場合、2つの構成要素間の接続は、無線接続、有線接続、データの送信および/または受信を可能にすることができる任意の他の通信接続、および/またはこれらの接続のいずれかの組み合わせを含むことができる。無線接続は、例えば、Bluetooth(商標)リンク、Wi-Fi(商標)リンク、WiMax(商標)リンク、WLANリンク、ZigBeeリンク、モバイルネットワークリンク(例えば、3G、4G、5Gなど)など、またはそれらの組み合わせを含むことができる。有線接続は、例えば、同軸ケーブル、通信ケーブル(例えば、電気通信ケーブル)、可撓性ケーブル、螺旋状ケーブル、非金属シースケーブル、金属シースケーブル、多芯ケーブル、ツイストペアケーブル、リボンケーブル、シールドケーブル、ダブルストランドケーブル、光ファイバ、電気ケーブル、光ケーブル、電話線など、またはそれらのいずれかの組み合わせを含むことができる。
【0043】
周囲ノイズ低減デバイス120は、周囲ノイズ110を低減するように構成することができる。例えば、図1Aに示すように、周囲ノイズ低減デバイス120は、周囲ノイズ110を検出し、周囲ノイズ110を低減するための周囲ノイズ補正信号130を生成することができる。本明細書で使用される場合、周囲ノイズ110は、必要な音以外の任意の音を指すことができる。例えば、周囲ノイズ110は、ユーザがオーディオ放送デバイス(例えば、イヤホン)を装着しているときに存在する背景音(例えば、交通での騒音、風切り音、水の雑音、外から来る音声)を含むことができる。周囲ノイズ110は、オーディオ放送デバイスがオーディオを再生しているとき(例えば、音楽)またはオーディオを再生していないときに、周囲ノイズ低減デバイス120によって検出され得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、周囲ノイズ低減デバイス120は、フルバンドノイズ低減技術またはサブバンドノイズ低減技術に従って周囲ノイズ110を低減するように構成され得る。フルバンドノイズ技術は、元のノイズの周波数帯域をカバーする周波数帯域を有する単一のノイズ補正信号を生成することによって、ノイズを低減する技術を指すことができる。例えば、ノイズ補正信号は、ノイズに対して位相が反転したアナログ信号またはデジタル信号であってもよい。サブバンドノイズ技術は、複数のサブバンドノイズ補正信号を生成することによってノイズを低減する技術を指すことができる。サブバンドノイズ補正信号の各々は、ノイズの周波数帯域の特有のサブバンド(すなわち、ノイズの周波数帯域よりも狭く、ノイズの周波数帯域内にある周波数帯域である)を有し、特有のサブバンドを有するノイズの一部を低減するように構成され得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、周囲ノイズ低減デバイス120は、サブバンドノイズ低減技術を実施するための1つまたは複数の構成要素を含むことができる。例えば、周囲ノイズ低減デバイス120は、第1のサブバンドノイズセンサと、複数の第1のサブバンドノイズ低減モジュールとを含むことができる。第1のサブバンドノイズセンサは、周囲ノイズ110を検出し、複数のサブバンド周囲ノイズ信号を生成するように構成されてもよい。各サブバンド周囲ノイズ信号の周波数帯域は、周囲ノイズ110の周波数帯域よりも狭く、その中にあってもよい。異なるサブバンド周囲ノイズ信号の周波数帯域は、互いに異なっていてもよい。第1のサブバンドノイズ低減モジュールは、サブバンド周囲ノイズ信号に基づいて複数のサブバンド周囲ノイズ補正信号を生成するように構成することができる。サブバンド周囲ノイズ補正信号の各々は、サブバンド周囲ノイズ信号のうちの1つを低減するために使用されるアナログ信号またはデジタル信号であってもよい。サブバンド周囲ノイズ補正信号は、周囲ノイズ補正信号130を形成するか、または周囲ノイズ補正信号130を生成するために処理され(例えば、組み合わされる)得る。いくつかの実施形態では、周囲ノイズ低減デバイス120は、図2に示すような1つまたは複数の構成要素を有するノイズ低減デバイス200によって実装されてもよい。
【0046】
図1に示すように、周囲ノイズ低減デバイス120によって生成された周囲ノイズ補正信号130は、出力モジュール170に送信されて出力され得る。出力モジュール170は、周囲ノイズ110を抑制するために電気信号をオーディオ信号に変換することができる電気音響トランスデューサ(例えば、スピーカ、オーディオプレーヤ)を含むことができる。例えば、周囲ノイズ補正信号130は、サブバンド周囲ノイズ補正信号の第1の合成信号であってもよい。出力モジュール170は、第1の合成信号を出力用のオーディオ信号に直接変換してもよい。あるいは、出力モジュール170は、信号処理部および電気音響トランスデューサを含んでもよい。信号処理部は、第1の合成信号を処理するように構成されてもよく、電気音響トランスデューサは、処理された第1の合成信号を出力のためにオーディオ信号に変換するように構成されてもよい。単なる例として、第1の合成信号はデジタル信号であってもよい。信号処理部は、第1の合成信号をパルス幅変調(PWM)信号またはアナログ信号に変換してもよい。さらに、電気音響トランスデューサは、PWM信号またはアナログ信号を音声に変換して出力してもよい。いくつかの代替的な実施形態では、出力モジュール170の信号処理部は、周囲ノイズ低減デバイス120に統合されてもよい。周囲ノイズ低減デバイス120は、第1の合成信号を処理し、処理された第1の合成信号を出力モジュール170に送信して出力してもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、周囲ノイズ補正信号130は、前述のように複数のサブバンド周囲ノイズ補正信号を含むことができる。出力モジュール170は、複数の出力ユニットを含むことができ、その各々は、電気音響トランスデューサおよび任意選択に信号処理部を含むことができる。サブバンド周囲ノイズ補正信号の各々は、出力のために並列に出力ユニットのうちの1つに送信され得る。出力ユニットによるサブバンド周囲ノイズ補正信号の出力は、上述したように、出力モジュール170によるサブバンド周囲ノイズ補正信号の第1の合成信号と同様に実行されてもよい。
【0048】
出力モジュール170によって出力された周囲ノイズ110を低減するためのオーディオ信号は、周囲ノイズ110とインターフェースすることができ、干渉は、図1Aにおいて出力モジュール170によって出力されたオーディオ信号と、周囲ノイズ110とを接続する点線によって示されるように、周囲ノイズ110を抑制または部分的に抑制することができる。いくつかの実施形態では、周囲ノイズ110の抑制後に残留ノイズ140が存在し得る。残留ノイズ低減デバイス150は、残留ノイズ140を低減するためのノイズ低減システム100Aのフィードバック機構として機能し得る。例えば、図1Aに示すように、残留ノイズ低減デバイス150は、残留ノイズ140を検出し、残留ノイズ140を低減するための残留ノイズ補正信号160を生成してもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、残留ノイズ低減デバイス150は、上述したようなフルバンドノイズ低減技術またはサブバンドノイズ低減技術に従って、残留ノイズ140を低減するように構成されてもよい。例えば、残留ノイズ低減デバイス150は、残留ノイズ140を低減するために、残留ノイズ140と同じ周波数帯域を有するが、逆の位相を有する単一の残留ノイズ補正信号160を生成することができる。別の例として、残留ノイズ低減デバイス150は、第2のサブバンドノイズセンサや複数の第2のサブバンドノイズ低減モジュールなどの、サブバンドノイズ低減技術を実施するための1つまたは複数の構成要素を含むことができる。第2のサブバンドノイズセンサ間の距離は、第2のサブバンドノイズセンサが残留ノイズ140を検出することができるように、周囲ノイズ110を感知するための周囲ノイズ低減デバイス120のセンサ(例えば、上述の第1のサブバンドノイズセンサ)よりも短くてもよい。残留ノイズ140に応答して、第2のサブバンドノイズセンサは、複数のサブバンド残留ノイズ信号を生成することができ、その各々は、残留ノイズ140の周波数帯域の特徴的なサブバンドを有することができる。第2のサブバンドノイズ低減モジュールの各々は、第2のサブバンドノイズセンサからサブバンド残留ノイズ信号のうちの1つを受信し、受信したサブバンド残留ノイズ信号を低減するためのサブバンド残留ノイズ補正信号を生成するように構成され得る。サブバンド残留ノイズ補正信号は、残留ノイズ補正信号160を形成するか、または処理され(例えば、組み合わされ)て、残留ノイズ補正信号160を生成することができる。いくつかの実施形態では、残留ノイズ低減デバイス150は、図2に示すような1つまたは複数の構成要素を有するノイズ低減デバイス200および/または図14に示すような1つまたは複数の構成要素を有する残留ノイズ低減デバイス150Cによって実装されてもよい。
【0050】
残留ノイズ低減デバイス150によって生成された残留ノイズ補正信号160は、出力モジュール170に送信されて出力され得る。残留ノイズ補正信号160の出力は、上述した周囲ノイズ補正信号130の出力と同様に実装されてもよい。例えば、出力モジュール170は、残留ノイズ補正信号160を、残留ノイズ140を低減するためのオーディオ信号に変換することができる。上述したように、残留ノイズ140を低減するためのオーディオ信号は、周囲ノイズ110を低減するためのオーディオ信号とともに出力されてもよい。残留ノイズ140を低減するためのオーディオ信号は、図1Aにおいて出力モジュール170によって出力されたオーディオ信号と、残留ノイズ140とを、接続する点線によって示されるように、残留ノイズ140とインターフェースすることができる。いくつかの実施形態では、出力モジュール170は、周囲ノイズ補正信号130と残留ノイズ低減デバイス150とを別々に出力することができる。あるいは、周囲ノイズ補正信号130および残留ノイズ補正信号160は、周囲ノイズ110および残留ノイズ140を抑制するために出力モジュール170によってさらに出力され得る第2の合成信号を生成するために合成され得る。
【0051】
いくつかの代替の実施形態では、残留ノイズ補正信号160を生成する代わりに、残留ノイズ低減デバイス150は、検出された残留ノイズ140に従って周囲ノイズ低減デバイス120にフィードバック信号を送信することができる。例えば、フィードバック信号は、残留ノイズ低減デバイス150のフィードバックモジュールによって生成され、残留ノイズ140に関する情報を含むことができる。周囲ノイズ低減デバイス120は、周囲ノイズ補正信号130の生成に関連するもう1つのパラメータを調整することができ、その結果、周囲ノイズ110をより効率的に抑制するために、調整された周囲ノイズ補正信号130を、生成することができる。別の例として、フィードバック信号は、周囲ノイズ補正信号130の生成に関連する1つまたは複数のパラメータを調整するように周囲ノイズ低減デバイス120に指示する命令を含むことができる。フィードバックモジュールおよび/または周囲ノイズ補正信号130の生成に関連するパラメータの調整に関するさらなる説明は、本開示の他の箇所に見出すことができる。例えば、図13およびその関連説明を参照されたい。
【0052】
いくつかの実施形態では、ノイズ低減システム100Aは、オーディオ放送デバイスに適用されてもよい。ノイズ低減システム100Aの構成要素は、音声放送デバイスの任意の位置に搭載されてもよい。例えば、周囲ノイズ低減デバイス120またはその一部(例えば、周囲ノイズ110を検出するためのセンサ)は、音声放送デバイスの外部に実装されてもよい。出力モジュール170は、オーディオ放送デバイスの内部に実装されてもよい。出力モジュール170は、ノイズ補正信号を出力し任意選択に所望のオーディオ(例えば、音楽)を出力するためにオーディオ放送デバイスの出力構成要素として機能するように構成されてもよい。残留ノイズ低減デバイス150またはその一部(例えば、残留ノイズ140を検出するためのセンサ)は、出力モジュール170の近くまたは内部に、取り付けられてもよい。
【0053】
図1Bは、本開示のいくつかの実施形態による例示的なノイズ低減システム100Bを示す概略図である。ノイズ低減システム100Bは、ノイズ低減システム100Bが出力モジュール170および追加出力モジュール180を含み得ることを除いて、図1Aに関連して説明したノイズ低減システム100Aと同様であり得る。図1Bに示すように、出力モジュール170は、周囲ノイズ補正信号130を出力するために周囲ノイズ低減デバイス120に電気的に接続されてもよい。出力モジュール180は、残留ノイズ補正信号160を出力するために残留ノイズ低減デバイス150に電気的に接続されてもよい。
【0054】
ノイズ低減システム100Aおよび100Bの上記の説明は、例示を意図しており、本開示の範囲を限定するものではないことに留意されたい。多くの代替形態、修正形態、および変形形態が当業者には明らかであろう。本明細書に記載の例示的な実施形態の特徴、構造、方法、および他の特性は、追加および/または代替の例示的な実施形態を得るために、様々な方法で組み合わせることができる。例えば、ノイズ低減システム100Aおよび/またはノイズ低減システム100Bは、1つまたは複数の追加の構成要素を含んでもよい。追加的または代替的に、上述したノイズ低減システム100Aおよび/またはノイズ低減システム100Bの1つまたは複数の構成要素は、省いてもよい。例えば、周囲ノイズ低減デバイス120および残留ノイズ低減デバイス150の一方を省いてもよい。別の例として、ノイズ低減システム100Aおよび/またはノイズ低減システム100Bの2つ以上の構成要素は、単一の構成要素に統合されてもよい。単なる例として、ノイズ低減システム100Bでは、出力モジュール170は、周囲ノイズ低減デバイス120に統合されてもよく、および/または出力モジュール180は、残留ノイズ低減デバイス150に統合されてもよい。
【0055】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なノイズ低減デバイス200を示す概略図である。ノイズ低減デバイス200は、本開示の他の箇所に記載されているように(例えば、図1Aおよび関連する説明)、サブバンドノイズ低減技術を使用してノイズ210を低減するように構成され得る。
【0056】
図2に示すように、ノイズ低減デバイス200は、サブバンドノイズセンサ220と、複数のサブバンドノイズ低減モジュール230と、合成モジュール240とを含んでもよい。ノイズ低減デバイス200は、出力モジュール170に結合されてもよい。サブバンドノイズセンサ220は、ノイズ210(例えば、図1に関連して説明したような周囲ノイズ110または残留ノイズ140)を検出し、検出されたノイズに応答して複数のサブバンドノイズ信号(例えば、サブバンドノイズ信号S1~Sm)を生成するように構成されてもよい。「m」は、5、10、15などの1より大きい任意の正の整数であってもよい。
【0057】
ノイズ210は、ある周波数帯域のオーディオ信号であってもよい。サブバンドノイズ信号は、ノイズ210の周波数帯域よりも狭く、その周波数帯域内にある周波数帯域を有する信号を指すことができる。例えば、ノイズ210は、10Hz~30000Hzの範囲の周波数帯域を有し得る。サブバンドノイズ信号の周波数帯域は、100~200HZであってもよい。これは、ノイズ210の周波数帯域内にある。いくつかの実施形態では、サブバンドノイズ信号の周波数帯域の組み合わせは、ノイズ210の周波数帯域をカバーすることができる。追加的または代替的に、サブバンドノイズ信号のうちの少なくとも2つは、異なる周波数帯域を有してもよい。任意選択で、サブバンドノイズ信号の各々は、他のサブバンドノイズ信号の周波数帯域とは異なる特有の周波数帯域を有してもよい。異なるサブバンドノイズ信号は、同じ周波数帯域幅または異なる周波数帯域幅を有することができる。いくつかの実施形態では、ノイズ低減効果を改善するために、周波数領域における一対の隣接するサブバンドノイズ信号の周波数帯域間で重複するのを回避することができる。本明細書で使用される場合、サブバンドノイズ信号のうち、中心周波数が互いに隣接する2つのサブバンドノイズ信号は、周波数領域において互いに隣接していると見なされ得る。一対の隣接するサブバンドノイズ信号の周波数帯域に関するさらなる説明は、本開示の他の箇所に見出すことができる。例えば、図5Aおよび図5Bならびにそれらの関連する説明を参照されたい。
【0058】
いくつかの実施形態では、サブバンドノイズセンサ220によって生成されるサブバンドノイズ信号は、デジタル信号またはアナログ信号であってもよい。例示目的のために、特に明記しない限り、または文脈から明らかでない限り、本開示は、デジタル信号の形態のサブバンドノイズ信号を参照して説明され、本開示の範囲を限定することを意図しない。いくつかの実施形態では、サブバンドノイズセンサ220は、ノイズ210を電気信号に変換し、電気信号をサブバンドノイズ信号に分割するように構成され得る、図4に示すような1つまたは複数の構成要素を含み得る。あるいは、サブバンドノイズセンサ220は、図6に示すような1つまたは複数の構成要素を含み得、それは、ノイズ210を処理することによって複数のサブバンドノイズ電気信号を生成し、サブバンドノイズ電気信号をサンプリングしてサブバンドノイズ信号を生成するように構成され得る。サブバンドノイズセンサ220に関するさらなる説明は、本開示の他の箇所に見出すことができる。例えば、図4図6およびそれらの関連する説明を参照されたい。
【0059】
サブバンドノイズ低減モジュール230は、図2に示すように、サブバンドノイズ低減モジュール230-1、サブバンドノイズ低減モジュール230-2、...、およびサブバンドノイズ低減モジュール230-mを含むことができる。いくつかの実施形態では、サブバンドノイズ低減モジュール230のカウント(または数)は、サブバンドノイズセンサ220によって生成されたサブバンドノイズ信号のカウント(または数)に等しくてもよい。サブバンドノイズ低減モジュール230の各々は、サブバンドノイズセンサ220からサブバンドノイズ信号のうちの1つを受信し、受信したサブバンドノイズ信号を低減するためのサブバンドノイズ補正信号を生成するように構成されてもよい。例えば、図2に示すように、サブバンドノイズ低減モジュール230-i(iはm以下の正の整数)は、サブバンドノイズセンサ220からサブバンドノイズ信号Siを受信し、サブバンドノイズ信号Siを低減するためのサブバンドノイズ補正信号Ciを生成することができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、サブバンドノイズ信号は、サブバンドノイズセンサ220からサブバンドノイズ低減モジュール230へ並列の送信機を介して送信されてもよい。任意選択で、サブバンドノイズ信号は、デジタル信号を送信するための特定の通信プロトコルに従って送信機を介して送信されてもよい。例示的な通信プロトコルは、AES3(オーディオエンジニアリング協会)、AES/EBU(欧州放送連合)、EBU(欧州放送連合)、ADAT(自動データ蓄積および転送変換)、I2S(インター-ICサウンド)、TDM(時分割多重化)、MIDI(楽器デジタルインターフェース)、CobraNet、イーサネットAVB(イーサネットオーディオ/ビデオブリッジ)、Dante、ITU(国際電気通信連合)-T G.728、ITU-T G.711、ITU-T G.722、ITU-T G.722.1、ITU-T G.722.1 Annex C、AAC(アドバンストオーディオコーディング)-LDなど、またはそれらの組み合わせを含むことができる。デジタル信号は、CD(コンパクトディスク)、WAVE、AIFF(オーディオ交換ファイル形式)、MPEG(Moving Picture Experts Group)-1、MPEG-2、MPEG-3、MPEG-4、MIDI(楽器デジタルインターフェース)、WMA(Windows Media Audio)、RealAudio、VQF(Transform-domain Weighted Nterleave Vector Quantization)、AMR(Adaptibve Multi-Rate)、APE、fAC(Free Lossless Audio Codec)、AAC(Advanced Audio Coding)など、またはこれらの組み合わせを含む所定のフォーマットで伝送されてもよい。いくつかの代替の実施形態では、サブバンドノイズ信号は、例えば周波数分割多重化技術を使用してシングルチャネル信号に処理され、サブバンドノイズ低減モジュール230に送信されてもよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、サブバンドノイズ低減モジュール230-iは、サブバンドノイズ信号Siに対して位相変調および/または振幅変調を実行して、対応するサブバンドノイズ補正信号Ciを生成することができる。いくつかの実施形態では、位相変調および振幅変調は、サブバンドノイズ信号Siに対して順次または同時に実行されてもよい。例えば、サブバンドノイズ低減モジュール230-iは、最初にサブバンドノイズ信号Siに対して位相変調を実行して位相変調信号を生成し、次いで、位相変調信号に対して振幅変調を実行して、対応するサブバンドノイズ補正信号Ciを生成することができる。サブバンドノイズ信号Siの位相変調は、サブバンドノイズ信号Siの位相の反転を含んでもよい。任意選択に、いくつかの実施形態では、ノイズ210の位相変位(またはシフト)は、サブバンドノイズセンサ220の位置から出力モジュール170の位置へ(例えば、オーディオ放送デバイスの外部の場所からオーディオ放送デバイス内のスピーカの場所まで)伝達している最中に発生し得る。サブバンドノイズ信号Siの位相変調は、信号伝送中のサブバンドノイズ信号Siの位相変位の補償をさらに含んでもよい。あるいは、サブバンドノイズ低減モジュール230-iは、最初にサブバンドノイズ信号Siに対して振幅変調を実行して振幅変調信号を生成し、次いで振幅変調信号に対して位相変調を実行してサブバンドノイズ補正信号Ciを生成することができる。サブバンドノイズ低減モジュール230-iに関するさらなる説明は、本開示の他の箇所に見出すことができる。例えば、図7図9およびそれらの関連する説明を参照されたい。
【0062】
合成モジュール240は、図2に示すように、サブバンドノイズ補正信号を合成してノイズ補正信号を生成するように構成され得る。合成モジュール240は、複数の信号を合成することができる任意の構成要素を含むことができる。例えば、合成モジュール240は、周波数分割多重技術などの信号合成技術に従って混合信号(すなわち、ノイズ補正信号)を生成することができる。いくつかの代替実施形態では、合成モジュール240は、ノイズ低減デバイス200以外の独立した構成要素または構成要素の一部(例えば、出力モジュール170)であってもよい。あるいは、合成モジュール240は省かれてもよく、サブバンドノイズ補正信号は、図3に関連して説明したように、出力のために並列に出力モジュール170に送信され得る。
【0063】
出力モジュール170は、合成モジュール240からノイズ補正信号を受信するように構成され得る。出力モジュール170によるノイズ補正信号の出力は、図1Aに関連して説明したような周囲ノイズ補正信号130の出力と同様に実行することができる。例えば、出力モジュール170は、ノイズ補正信号を出力用のオーディオ信号に変換するか、またはノイズ補正信号を処理し、処理されたノイズ補正信号を出力用のオーディオ信号に変換することができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、ノイズ低減システム100A(またはノイズ低減システム100B)の1つまたは複数の構成要素は、ノイズ低減デバイス200の1つまたは複数の構成要素に、それぞれ、または一緒に実装されてもよい。例えば、周囲ノイズ低減デバイス120は、ノイズ低減デバイス200の1つまたは複数の構成要素によって実装されてもよい。周囲ノイズ低減デバイス120のサブバンドノイズセンサ220は、周囲ノイズを検出するために、出力モジュール170から閾値の距離よりも大きい距離だけ離間されてもよい。単なる例として、サブバンドノイズセンサ220は、オーディオ放送デバイスの外部に取り付けられてもよく、出力モジュール170は、オーディオ放送デバイス内に取り付けられてもよい。追加的または代替的に、残留ノイズ低減デバイス150は、ノイズ低減デバイス200の1つまたは複数の構成要素によって実装されてもよい。残留ノイズ低減デバイス150のサブバンドノイズセンサ220は、ノイズ低減における残留ノイズを検出するために、出力モジュール170の近くまたは内部に(例えば、出力モジュール170から閾値の距離以内に位置する)取り付けられてもよい。例えば、サブバンドノイズセンサ220および出力モジュール170は両方とも、互いに近接するオーディオ放送デバイスの内部に実装されてもよい。
【0065】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なノイズ低減デバイス300を示す概略図である。ノイズ低減デバイス300は、特定の構成要素または特徴を除いて、ノイズ低減デバイス200と同様であってもよい。図3に示すように、出力モジュール170は、複数の出力ユニット170-1、170-2、...、および170-mを含むことができる。サブバンドノイズ低減モジュール230によって生成されたサブバンドノイズ補正信号は、合成されることなく並列に出力ユニット170に送信されてもよい。出力ユニットの各々は、サブバンドノイズ補正信号のうちの1つを受信し、受信したサブバンドノイズ補正信号を出力するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ノイズ低減デバイス200と同様に、ノイズ低減デバイス300は、周囲ノイズ低減デバイス120および/または残留ノイズ低減デバイス150などのノイズ低減システム100A(またはノイズ低減システム100B)の1つまたは複数の構成要素を実装するために使用されてもよい。
【0066】
なお、以上のノイズ低減デバイス200、300の説明は、例示であって、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。多くの代替形態、修正形態、および変形形態が当業者には明らかであろう。本明細書に記載の例示的な実施形態の特徴、構造、方法、および他の特性は、追加および/または代替の例示的な実施形態を得るために、様々な方法で組み合わせることができる。例えば、ノイズ低減デバイス200および/またはノイズ低減デバイス300は、1つまたは複数の追加の構成要素を含んでもよい。追加的または代替的に、合成モジュール240など、上述したノイズ低減デバイス200および/またはノイズ低減デバイス300の1つまたは複数の構成要素は省かれてもよい。別の例として、ノイズ低減デバイス200および/またはノイズ低減システム300の2つ以上の構成要素は、単一の構成要素に統合されてもよい。単なる例として、ノイズ低減デバイス200の合成モジュール240および/または出力モジュール170は、ノイズ低減デバイス200のサブバンドノイズ低減モジュール230に統合されてもよい。
【0067】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なサブバンドノイズセンサ220Aを示す概略図である。サブバンドノイズセンサ220Aは、図2に関連して説明したようなサブバンドノイズセンサ220の例示的な実施形態であってもよい。図4に示すように、サブバンドノイズセンサ220Aは、音響電気トランスデューサ410と、音響電気トランスデューサ410に結合された帯域分割モジュール420とを含むことができる。
【0068】
音響電気トランスデューサ410は、ノイズ210を検出し、ノイズ210を電気信号に変換するように構成されてもよい。電気信号の周波数帯域は、ノイズ210の周波数帯域と同じ(または実質的に同じ)であってもよい。音響電気トランスデューサ410は、マイクロフォン、ハイドロフォン、音響光学変調器(AOM)、またはオーディオ信号を電気信号に変換することができる任意の他のデバイス、またはそれらのいずれかの組み合わせを含むことができる。
【0069】
帯域分割モジュール420は、電気信号を複数のサブバンドノイズ信号(例えば、サブバンドノイズ信号S1~Sm)に分割するように構成され得る。いくつかの実施形態では、帯域分割モジュール420は、複数のバンドパスフィルタを含むことができる。バンドパスフィルタの各々は、固有の周波数応答を有し、電気信号を処理することによってサブバンドノイズ信号のうちの1つを生成するように構成されてもよい。バンドパスフィルタの周波数応答は、入力(すなわち、電気信号)に応答したバンドパスフィルタ(すなわち、対応するサブバンドノイズ信号)の出力スペクトルの定量的尺度を指すことができる。例えば、バンドパスフィルタの周波数応答は、中心周波数、周波数帯域幅、カットオフ周波数など、またはそれらのいずれかの組み合わせを含むことができる。
【0070】
いくつかの実施形態では、サブバンドノイズ信号の周波数帯域の組み合わせは、ノイズ210の周波数帯域をカバーすることができる。異なるサブバンドノイズ信号の周波数帯域幅は、互いに同じであっても異なっていてもよい。追加的または代替的に、周波数領域における一対の隣接するサブバンドノイズ信号の周波数帯域間で重複するのを回避することができる。この目的のために、いくつかの実施形態では、一対の隣接するサブバンドノイズ信号を生成する2つのバンドパスフィルタの周波数応答は、特定の条件を満たす特定の周波数点で交差することができる。
【0071】
例示を目的として、図5Aは、本開示のいくつかの実施形態による、第1のバンドパスフィルタの例示的な周波数応答510および第2のバンドパスフィルタの例示的な周波数応答520を示す。図5Bは、本開示のいくつかの実施形態による、第1のバンドパスフィルタの周波数応答510および第2のバンドパスフィルタの別の例示的な周波数応答530を示す。第1のバンドパスフィルタは、音響電気トランスデューサ410によって生成された電気信号を処理して、サブバンドノイズ信号の第1のサブバンドノイズ信号を生成するように構成されてもよい。第2のバンドパスフィルタは、音響電気トランスデューサ410によって生成された電気信号を処理して、サブバンドノイズ信号の第2のサブバンドノイズ信号を生成するように構成されてもよい。第2のサブバンドノイズ信号は、周波数領域におけるサブバンドノイズ信号のうちの第1のサブバンドノイズ信号に隣接し得る。
【0072】
いくつかの実施形態では、第1および第2のバンドパスフィルタの周波数応答は、同じ周波数帯域幅を有することができる。例えば、図5Aに示すように、第1のバンドパスフィルタの周波数応答510は、下側電力半値点fと、上側電力半値点fと、中心周波数fとを有する。本明細書で使用される場合、特定の周波数応答の電力半値点は、電力のレベルの特定の減衰(例えば、-3dB)を有する周波数点を指すことができる。周波数応答510の周波数帯域幅は、fとfとの差に等しくてもよい。第2のバンドパスフィルタの周波数応答520は、下側電力半値点f、上側電力半値点f、および中心周波数fを有する。周波数応答520の周波数帯域幅は、fとfとの差に等しくてもよい。第1および第2のバンドパスフィルタの周波数帯域幅は互いに等しくてもよい。
【0073】
あるいは、第1および第2のバンドパスフィルタの周波数応答は、異なる周波数帯域幅を有してもよい。例えば、図5Bに示すように、第2のバンドパスフィルタの周波数応答530は、下側電力半値点fと、上側電力半値点f(fより大きい)と、中心周波数fとを有する。第2のバンドパスフィルタの周波数応答530の周波数帯域幅は、fとfとの差に等しくてもよく、これは第1のバンドパスフィルタの周波数応答510の周波数帯域幅より大きくてもよい。このようにして、ノイズ210の周波数帯域をカバーするために複数のサブバンドノイズ信号を生成するために、より少ないバンドパスフィルタが帯域分割モジュール420において必要とされ得る。
【0074】
いくつかの実施形態では、第1のバンドパスフィルタおよび第2のバンドパスフィルタの周波数応答は、特定の周波数点で交差することができる。いくつかの実施形態では、第1および第2のバンドパスフィルタの周波数応答が交差する特定の周波数点は、第1のバンドパスフィルタの周波数応答の電力半値点および/または第2のバンドパスフィルタの周波数応答の電力半値点の近くであってもよい。図5Aを例にとると、周波数応答510および周波数応答520は、周波数応答510の上側電力半値点fで交差し、これは周波数応答520の下側半電力点でもある。本明細書で使用される場合、周波数点は、周波数点と電力半値点との間の電力レベル差が閾値(例えば、2dB)以下である場合、半電力点に近いと見なされ得る。そのような場合、第1および第2のバンドパスフィルタの周波数応答におけるエネルギーの損失または反復がより少なくなる可能性があり、その結果、第1および第2のバンドパスフィルタの周波数応答間に適切な重複範囲が生じる可能性がある。いくつかの実施形態では、周波数応答が-5dBより大きいおよび/または-1dBより小さい電力レベルの周波数点で交差する場合、オーバーラップ範囲は比較的小さいと見なされ得る。いくつかの実施形態では、第1および第2のバンドパスフィルタの周波数応答の中心周波数および/または帯域幅を調整して、第1および第2のバンドパスフィルタの周波数応答間のより狭いまたは適切なオーバーラップ範囲を得て、第1および第2のサブバンドノイズ信号の周波数帯域間のオーバーラップを回避することができる。いくつかの実施形態では、帯域分割モジュール420の周波数応答は、±1dB以内の電力のレベルの変動を有し得る。
【0075】
図5Aおよび図5Bに示されている例は、例示を意図しており、本開示の範囲を限定するものではないことに留意されたい。当業者であれば、本開示の教示の下で複数の変形および修正を行うことができる。しかしながら、それらの変形および修正は、本開示の範囲から逸脱しない。例えば、第1のバンドパスフィルタおよび/または第2のバンドパスフィルタの周波数応答の1つまたは複数のパラメータ(例えば、周波数帯域幅、上側電力半値点、下側電力半値点、および/または中心周波数)は、可変であってもよい。
【0076】
いくつかの実施形態では、帯域分割モジュール420のバンドパスフィルタは、バターワースフィルタ、チェビシェフフィルタ、カウアフィルタなど、またはそれらのいずれかの組み合わせを含むことができる。バンドパスフィルタの周波数応答のエッジの急峻さは、バンドパスフィルタのタイプおよび/または順序と関連付けられ得る。例えば、ある次数を有するバターワースフィルタのエッジの急峻さは、同じ次数を有するチェビシェフフィルタのエッジの急峻さよりも大きくてもよい。ある次数を有するチェビシェフフィルタのエッジの急峻度は、同じ次数を有するカウアフィルタの急峻度よりも大きくてもよい。ある中心周波数を有するあるバンドパスフィルタについて、バンドパスフィルタの周波数応答のエッジの急峻さは、バンドパスフィルタの次数とともに増大し得る。いくつかの実施形態では、帯域分割モジュール420のバンドパスフィルタのタイプは、低減されるノイズ210の周波数帯域に従って選択されてもよい。例えば、帯域幅の狭い低周波ノイズまたは高周波ノイズなどの帯域幅の狭い(例えば、第1の閾値帯域幅よりも小さい周波数帯域幅)のノイズを抑制するために、高次(例えば、閾値の次数より大きい次数)および狭い帯域幅(例えば、第2の閾値帯域幅よりも小さい周波数帯域幅)を有するバンドパスフィルタを利用することができる。第1および第2の閾値帯域幅は、互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0077】
いくつかの実施形態では、帯域分割モジュール420のバンドパスフィルタは、そのインパルス応答が有限持続時間である有限インパルス応答フィルタ、または有限数の入力サンプルおよび有限数の以前のフィルタ出力に、線形に依存する、無限インパルス応答フィルタであってもよい。
【0078】
いくつかの実施形態では、帯域分割モジュール420によって生成されたサブバンドノイズ信号は、さらなる処理のために並列に(例えば、複数の電気ケーブルを介して)出力され得る。例えば、帯域分割モジュール420の各バンドパスフィルタは、サブバンドノイズ低減モジュール(例えば、サブバンドノイズ低減モジュール230)に電気的に接続されてもよく、バンドパスフィルタによって生成されたサブバンドノイズ信号は、対応するサブバンドノイズ補正信号を生成するために、接続されたサブバンドノイズ低減モジュールに送信されてもよい。あるいは、サブバンドノイズ信号は、例えば周波数分割多重化技術を使用してシングルチャネル信号を生成するために処理され、さらなる処理のために出力されてもよい。いくつかの実施形態では、複数のサブバンドノイズ低減モジュールが、帯域分割モジュール420に統合されてもよい。統合帯域分割モジュールは、サブバンドノイズ信号を生成し、サブバンドノイズ信号を低減するための複数のサブバンドノイズ補正信号をさらに生成することができる。統合帯域分割モジュールに関するさらなる説明は、本開示の他の箇所に見出すことができる。例えば、図10およびその関連説明を参照されたい。
【0079】
以上のサブバンドノイズセンサ220Aの説明は、例示であって、本開示の範囲を限定することを意図するものではないことに留意されたい。多くの代替形態、修正形態、および変形形態が当業者には明らかであろう。本明細書に記載の例示的な実施形態の特徴、構造、方法、および他の特性は、追加および/または代替の例示的な実施形態を得るために、様々な方法で組み合わせることができる。例えば、サブバンドノイズセンサ220Aは、1つまたは複数の追加の構成要素を含むことができる。追加的または代替的に、上述したサブバンドノイズセンサ220Aの1つまたは複数の構成要素は省かれてもよい。別の例として、サブバンドノイズセンサ220Aの2つ以上の構成要素は、単一の構成要素に統合されてもよい。
【0080】
図6は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なサブバンドノイズセンサ220Bを示す概略図である。サブバンドノイズセンサ220Bは、図2に関連して説明したようなサブバンドノイズセンサ220の例示的な実施形態であってもよい。サブバンドノイズセンサ220Bは、ノイズ210を検出し、検出されたノイズ210に応答して、複数のサブバンドノイズ信号(例えば、サブバンドノイズ信号S1~Sm)を生成するように構成されてもよい。
【0081】
図6に示すように、サブバンドノイズセンサ220Bは、複数の音響電気トランスデューサ610(例えば音響電気トランスデューサ610-1~610-m)と、複数のサンプリングモジュール620(例えば、サンプリングモジュール620-1~620-m)とを含んでもよい。音響電気トランスデューサ610の各々は、固有の周波数応答を有し、ノイズ210を処理することによってサブバンドノイズ電気信号を生成するように構成されてもよい。音響電気トランスデューサ610によって生成されるサブバンドノイズ電気信号は、アナログ信号であってもよい。サンプリングモジュール620の各々は、サブバンドノイズ電気信号のうちの一方を受信し、受信したサブバンド電気信号をサンプリングして、サブバンドノイズ信号のうちの一方のサブバンドノイズ信号(すなわち、デジタル信号)を生成するように構成され得る。
【0082】
いくつかの実施形態では、音響電気トランスデューサ610のカウント(または数)およびサンプリングモジュール620のカウント(または数)は両方とも、サブバンドノイズ信号(すなわち、m)のカウント(または数)に等しくてもよい。mの値は、ノイズ210の周波数帯域および生成されたサブバンドノイズ信号の周波数帯域に関連付けられてもよい。例えば、サブバンドノイズ信号の周波数帯域の組み合わせがノイズ210の周波数帯域をカバーすることができるように、特定の数の音響電気トランスデューサ610が利用されない場合がある。追加的または代替的に、サブバンドノイズ信号のうちの一対の隣接するサブバンドノイズ信号の周波数帯域間で重複するのを回避し得る。
【0083】
いくつかの実施形態では、音響電気トランスデューサ610は、音響チャネル構成要素および感音構成要素を含むことができる。音響チャネル構成要素は、オーディオ信号(例えば、ノイズ210)が感音構成要素に送信される経路を形成してもよい。例えば、音響チャネル構成要素は、1つもしくは複数のチャンバ構造、1つもしくは複数のパイプ構造など、またはそれらの組み合わせを含むことができる。感音構成要素は、音響チャネル構成要素(例えば、元のノイズ210または音響チャネル構成要素を通過した後の処理されたノイズ)から送信されたオーディオ信号を電気信号に変換することができる。例えば、感音構成要素420は、ダイアフラム、プレート、カンチレバーなどを含んでもよい。図を例にとると、ダイアフラムは、ダイアフラム表面上のオーディオ信号によって引き起こされる音圧の変化をダイアフラムの機械的振動に変換するために使用されてもよい。感音構成要素は、例えば、プラスチック、金属、圧電材料などを含む1つ以上の材料、または任意の複合材料で作られてもよい。
【0084】
いくつかの実施形態では、音響電気トランスデューサ610の周波数応答は、音響電気トランスデューサ610の音響チャネル構成要素の音響構造に関連付けられてもよい。例えば、音響電気トランスデューサ610-iの音響チャネル構成要素は、ノイズ210が音響電気トランスデューサ610-iの感音構成要素に到達する前にノイズ210を処理することができる特定の音響構造を有することができる。いくつかの実施形態では、音響チャネル構成要素の音響構造は、音響チャネル構成要素がノイズ210をフィルタリングしてサブバンドノイズを生成するフィルタとして機能することができるように、特定の音響インピーダンスを有することができる。次いで、音響電気トランスデューサ610-iの感音構成要素は、サブバンドノイズをサブバンドノイズ電気信号Eiに変換することができる。
【0085】
いくつかの実施形態では、音響構造の音響インピーダンスは、ノイズ210の周波数帯域に従って設定されてもよい。いくつかの実施形態では、主にチャンバ構造を含む音響構造がハイパスフィルタとして機能することができる一方で、主にパイプ構造を含む音響構造はローパスフィルタとして機能することができる。単なる例として、音響チャネル構成要素は、チャンバ-パイプ構造を有してもよい。チャンバ-パイプ構造は、直列の音響容量と音響質量との組み合わせであってもよく、インダクタ-キャパシタ(LC)共振回路が形成されてもよい。チャンバ-パイプ構造に音響抵抗材料が使用される場合、抵抗-インダクタ-キャパシタ(RLC)の直列のループが形成され得、RLC直列ループの音響インピーダンスは、以下の式(1)に従って求めることができる。
【数1】
(1)
式中、Zは音響チャネル構成要素の音響インピーダンス、ωはチャンバ-パイプ構造の角周波数、jは単位虚数、Mは音響質量、Cは音響容量、RはRLC直列ループの音響抵抗を示している。
【0086】
チャンバ-パイプ構造は、バンドパスフィルタ(F1と表記)として機能し得る。バンドパスフィルタF1の帯域幅は、音響抵抗Rを調整することによって調整されてもよい。バンドパスフィルタF1の中心周波数ωは、音響質量Mおよび/または音響容量Cを調整することによって調整されてもよい。例えば、バンドパスフィルタF1の中心周波数ωは、以下の式(2)に従って求めることができる。
【数2】
(2)
【0087】
いくつかの実施形態では、音響電気トランスデューサ610の周波数応答は、音響電気トランスデューサ610の感音構成要素の物理的特性(例えば、材料、構造)に関連付けられてもよい。特定の物理的特性を有する感音構成要素は、ノイズ210のある周波数帯域に敏感であってもよい。例えば、感音構成要素内の1つまたは複数の要素の機械的振動は、感音構成要素の電気的パラメータの変化をもたらし得る。感音構成要素は、オーディオ信号の特定の周波数帯域に敏感であってもよい。オーディオ信号の周波数帯域は、感音構成要素の電気パラメータの対応する変化を引き起こし得る。言い換えれば、ダイアグラムは、オーディオ信号のサブバンドを処理するフィルタとして機能することができる。いくつかの実施形態では、ノイズ210は、音響チャネル構成要素によってフィルタリングされることなく(または実質的にフィルタリングされることなく)、音響チャネル構成要素を介して感音構成要素に伝達されてもよい。感音構成要素が、ノイズ210をフィルタリングし、フィルタリングされたノイズをサブバンドノイズ電気信号に変換するフィルタとして機能できるように、感音構成要素の物理的特性を調整することができる。
【0088】
単なる例として、感音構成要素は、バンドパスフィルタ(F2として示される)として機能することができるダイアフラムを含むことができる。バンドパスフィルタF2の中心周波数ω’は、以下の式(3)に従って求めることができる。
【数3】
(3)
式中、Mはダイアフラムの質量を指し、Kはダイアフラムの弾性係数を指し、Rはダイアフラムの減衰を指す。Rを調整することにより、バンドパスフィルタF2の帯域幅を調整し得る。バンドパスフィルタF2の中心周波数ω’は、振動板の質量および/または振動板の弾性係数を調整することによって調整することができる。
【0089】
上述したように、音響電気トランスデューサ610の音響チャネル構成要素または感音構成要素がフィルタとして機能し得る。音響電気トランスデューサ610の周波数応答は、音響チャネル構成要素のパラメータ(例えば、R、M、および/またはC)または感音構成要素のパラメータ(例えば、Kおよび/またはR)を変更することによって調整することができる。いくつかの代替的な実施形態では、音響チャネル構成要素と感音構成要素との組み合わせがフィルタとして機能してもよい。音響チャネル構成要素および感音構成要素のパラメータを変更することによって、音響チャネル構成要素および感音構成要素の組み合わせの周波数応答を、適宜調整することができる。バンドパスフィルタとして機能する音響チャネル構成要素および/または感音構成要素に関するさらなる説明は、例えば、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、「SIGNAL PROCESSING DEVICE HAVING MULTIPLE ACOUSTIC-ELECTRIC TRANSDUCERS」と題する、2018年9月12日に出願されたPCT出願番号PCT/CN2018/105161号に見出すことができる。
【0090】
いくつかの実施形態では、音響電気トランスデューサ610は、サブバンドノイズセンサ220Bによって生成されたサブバンドノイズ信号の周波数帯域がノイズ210の周波数帯域をカバーすることができ、および/または一対の隣接するサブバンドノイズ信号の周波数帯域間で重複するのを回避することができるように、特定の周波数応答を有することができる。この目的のために、いくつかの実施形態では、一対の隣接するサブバンドノイズ信号に対応する音響電気トランスデューサ610の周波数応答は、図4に関連して説明したように、一対の隣接するサブバンドノイズ信号を生成するバンドパスフィルタの特性と同じまたは類似の特性を有することができる。
【0091】
例えば、音響電気トランスデューサ610のうち、第1の周波数応答を有する第1の音響電気トランスデューサは、サブバンドノイズ信号のうちの第1のサブバンドノイズ信号に対応するサブバンドノイズ電気信号を生成することができる。第2の周波数応答を有する第2の音響電気トランスデューサは、周波数領域において第1のサブバンドノイズ信号に隣接する第2のサブバンドノイズ信号に対応するサブバンドノイズ電気信号を生成することができる。第1の周波数応答および第2の周波数応答は、第1の周波数応答の電力半値点および/または第2の周波数応答の電力半値点の近くにある周波数点で交差することができる。単なる例として、第1の音響電気トランスデューサの第1の周波数応答は、図5Aおよび図5Bに示すような第1のバンドパスフィルタの周波数応答510と同様であってもよい。第2の音響電気トランスデューサの第2の周波数応答は、図5Aに示すような第2のバンドパスフィルタの周波数応答520、または図5Bに示すような第2のバンドパスフィルタの周波数応答530と同様であってもよい。
【0092】
いくつかの実施形態では、音響電気トランスデューサ610は、生成されたサブバンドノイズ電気信号を、1つまたは複数の送信機を介してサンプリングモジュール620に送信することができる。例示的な送信機は、同軸ケーブル、通信ケーブル(例えば、電気通信ケーブル)、フレキシブルケーブル、螺旋状ケーブル、非金属シースケーブル、金属シースケーブル、多芯ケーブル、ツイストペアケーブル、リボンケーブル、シールドケーブル、ダブルストランドケーブル、光ファイバなど、またはそれらの組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、サブバンドノイズ電気信号は、並列に接続された複数のサブバンド送信機を介してサンプリングモジュール620に送信されてもよい。複数のサブバンド送信機の各々は、音響電気トランスデューサ610に接続し、音響電気トランスデューサ610によって生成されたサブバンドノイズ電気信号を、対応するサンプリングモジュール620に送信することができる。あるいは、サブバンドノイズ電気信号は、例えば周波数分割多重化技術を使用して単一チャネル信号に処理され、単一の送信機を介してサンプリングモジュール620に送信され得る。
【0093】
いくつかの実施形態では、サンプリングモジュール620は、特定のサンプリング周波数を使用してサブバンドノイズ電気信号をサンプリングすることができる。いくつかの実施形態では、異なるサンプリングモジュール620のサンプリング周波数は同じであってもよい。例えば、特定のサブバンドノイズ電気信号は、すべてのサブバンドノイズ電気信号の中で最大の中心周波数を有してもよく、各サンプリングモジュール620のサンプリング周波数は、特定のサブバンドノイズ電気信号の周波数帯域における最高周波数の二倍より大きくてもよい。これにより、サンプリングモジュール620によって生成されたサブバンドノイズ信号間の信号の歪みおよび周波数エイリアシングを回避することができる。しかし、高いサンプリング周波数(例えば、閾値周波数より高いサンプリング周波数)を使用することは、より多くの処理負荷および/または時間を要する可能性がある。
【0094】
あるいは、異なるサンプリングモジュール620のサンプリング周波数は、サンプリングされるサブバンドノイズ電気信号の周波数帯域に応じて異なってもよい。例えば、サンプリングモジュール620-iのサンプリング周波数は、サブバンドノイズ電気信号Eiの周波数帯域における最高周波数の二倍よりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、サンプリングモジュール620-iは、バンドパスサンプリング技術に従ってサブバンドノイズ電気信号Eiをサンプリングすることができる。例えば、サンプリングモジュール620-iのサンプリング周波数は、サブバンドノイズ電気信号Eiの周波数帯域幅の二倍以上、および/またはサブバンドノイズ電気信号Eiの周波数帯域幅の四倍以下であってもよい。別の例として、サブバンドノイズ電気信号Eiの周波数帯域が(f、f)であると仮定すると、サブバンドノイズ電気信号Eiのサンプリング周波数fは、以下の式(4)に従って求めることができる。
【数4】
式(4)
式中、nは、求められたfを2(f-f)以上にする最大の整数であってもよい。サンプリングモジュール620-iは、広帯域サンプリング技術または低域サンプリング技術よりむしろバンドパスサンプリング技術を使用することによって、比較的低いサンプリング周波数でサブバンドノイズ電気信号Eiをサンプリングすることができ、それによってサンプリングプロセスの難易度を下げてコストを低減し、サンプリング質も改善する。
【0095】
いくつかの実施形態では、異なるサンプリング周波数を有するサンプリングモジュール620によって生成されたサブバンドノイズ信号は、異なるサンプリング周期を有し得る。複数のサブバンドノイズ低減モジュール(例えばサブバンドノイズ低減モジュール230)は、サブバンドノイズセンサ220Bからサブバンドノイズ信号を受信し、複数のサブバンドノイズ補正信号を生成できる。サブバンドノイズ補正信号は、異なるサンプリング周期を有してもよい。サブバンドノイズ補正信号は、本開示の他の箇所で説明されるように(例えば、図2および関連する説明)、本開示のいくつかの実施形態によるノイズ補正信号を生成するために合成される必要があり得る。合成される前に、サブバンドノイズ補正信号は、サブバンドノイズ補正信号のサンプリング周期が同じ値に調整されるように、ダウンサンプリングまたはアップサンプリングに供されてもよい。
【0096】
以上のサブバンドノイズセンサ220Bの説明は、例示であって、本開示の範囲を限定することを意図するものではないことに留意されたい。多くの代替形態、修正形態、および変形形態が当業者には明らかであろう。本明細書に記載の例示的な実施形態の特徴、構造、方法、および他の特性は、追加および/または代替の例示的な実施形態を得るために、様々な方法で組み合わせることができる。例えば、上述したサブバンドノイズセンサ220Bの1つまたは複数の構成要素は省かれてもよい。いくつかの実施形態では、音響電気トランスデューサ610は、ノイズ210を処理することによってデジタル信号の形態でサブバンドノイズ信号を直接生成することができ、サンプリングモジュール620は省かれてもよい。追加的または代替的に、サブバンドノイズセンサ220Bは、1つまたは複数の追加の構成要素を含むことができる。
【0097】
図7は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なサブバンドノイズ低減モジュール700を示す概略図である。サブバンドノイズ低減モジュール700は、図2および図3に関連して説明したようなサブバンドノイズ低減モジュール230-iの例示的な実施形態であってもよい。サブバンドノイズ低減モジュール700は、サブバンドノイズセンサ(例えば、サブバンドノイズセンサ220)からサブバンドノイズ信号のうちの1つS(n)を受信し、サブバンドノイズ信号S(n)を低減するためのサブバンドノイズ補正信号AS’(n)を生成するように構成されてもよい。Aは、低減されるノイズ(例えば、ノイズ210)に関する振幅減衰係数を指すことができる。
【0098】
図7に示すように、サブバンドノイズ低減モジュール700は、位相変調器710および振幅変調器720を含むことができる。位相変調器710は、サブバンドノイズ信号S(n)を受信し、サブバンドノイズ信号S(n)の位相を反転することによって位相変調信号S’(n)を生成するように構成されてもよい。例えば、図8に示すように、位相変調信号S’(n)は、サブバンドノイズ信号S(n)に対して反転位相を有してもよい。いくつかの実施形態では、ノイズの位相変位(またはシフト)は、サブバンドノイズ信号S(n)を生成するサブバンドノイズセンサの位置から出力モジュール(例えば、出力モジュール170)またはその一部(例えば、出力ユニット)の位置へ送信している間に発生し得る。いくつかの実施形態では、位相変位は無視されてもよい。位相変調器710は、サブバンドノイズ信号S(n)を位相反転するだけで位相変調信号S’(n)を生成することができる。音の周波数が外耳道のカットオフ周波数よりも低い場合、音は外耳道で平面波の形で伝達され得る。例示目的のために、外耳道は、特定の半径を有する管状導管と考えることができ、そのカットオフ周波数は、以下の式(5)に従って求めることができる。
【数5】
式(5)
式中、fは外耳道のカットオフ周波数を指し、cは音速を指し、rは外耳道の半径を指す。例えば、音速cが毎秒340メートルに等しく、半径が3.5ミリメートル(mm)に等しい場合、カットオフ周波数fは約28.4キロヘルツ(kHZ)に等しくなり得る。周波数が28.4kHz未満のいずれかの音が、外耳道において平面波の形で伝達されてもよい。一般に、ノイズの波長は外耳道の長さ(例えば、25mm)よりもはるかに長い場合がある。単なる例として、周波数3kHzのノイズの波長は113mmにほぼ等しくてもよい。これは、外耳道の長さの約4倍である。ノイズが、サブバンドノイズセンサの位置から出力モジュール(またはその一部)の位置へ送信している間に単一の方向に沿って平面波の形態で送信される場合、送信中の位相変位は小さくなり得(例えば、閾値より小さい)、位相変調信号S(n)を生成する際に無視することができる。
【0099】
振幅変調器720は、位相変調信号S’(n)を受信し、位相変調信号S’(n)の振幅を変調することによって、補正信号AS’(n)を生成するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ノイズの振幅は、サブバンドノイズセンサの位置から出力モジュール(またはその一部)の位置へ送信している間に減衰することができる。送信中のノイズの振幅減衰を測定するために、振幅減衰係数Aが決定され得る。振幅減衰係数Aは、例えば、沿うようにしてノイズが送信される音響チャネル構成要素の材料および/または構造、出力モジュール(またはその一部)に対するサブバンドノイズセンサの位置など、またはそれらの任意の組み合わせを含む1つまたは複数の要因に関連付けられてもよい。
いくつかの実施形態では、振幅減衰係数Aは、ノイズ低減システム100A(または100B)のデフォルト設定であってもよいし、実際のまたはシミュレートされた実験によって先行させて決定されてもよい。単なる例として、振幅減衰係数Aは、サブバンドノイズセンサの近くのオーディオ信号の振幅(例えば、それがオーディオ放送デバイスに入る前に)と、出力モジュールの位置に送信された後のオーディオ信号の振幅とを比較することによって決定されてもよい。いくつかの代替的な実施形態では、例えば、ノイズの伝送中の振幅の減衰が閾値より小さい場合、および/または振幅減衰係数Aが実質的に1に等しい場合、ノイズの振幅減衰は無視されてもよい。そのような場合、位相変調信号S’(n)は、サブバンドノイズ信号S(n)のサブバンドノイズ補正信号として指定され得る。
【0100】
いくつかの実施形態では、ノイズ低減デバイス(例えば、ノイズ低減デバイス200、ノイズ低減デバイス300)は、複数のサブバンドノイズ低減モジュール230を含むことができる。サブバンドノイズ低減モジュール230の各々は、図7に示すように、サブバンドノイズ低減モジュール700と同じまたは類似の構造を有し、対応するサブバンドノイズ補正信号を生成するように構成されてもよい。複数のサブノイズ補正信号は、以下の式(6)に従って1つのノイズ補正信号S(n)に結合することができる。
【数6】
式(6)
【0101】
図9は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なサブバンドノイズ低減モジュール900を示す概略図である。サブバンドノイズ低減モジュール900は、図2および図3に関連して説明したサブバンドノイズ低減モジュール230-iの例示的な実施形態であってもよい。サブバンドノイズ低減モジュール900は、サブバンドノイズ低減モジュール900の位相変調器710が、信号伝送中のサブバンドノイズ信号S(n)の位相変位を考慮に入れてサブバンドノイズ信号S(n)の位相を変調するように構成され得ることを除いて、サブバンドノイズ低減モジュール700と同様であり得る。
【0102】
単なる例として、サブバンドノイズ信号S(n)の位相は、サブバンドノイズセンサ(例えば、サブバンドノイズセンサ220)の位置から出力モジュール(例えば、出力モジュール170)またはその一部(例えば、出力ユニット)の位置へ送信している間に位相変位Δφを有することができる。位相変位Δφは、以下の式(7)に従って求めることができる。
【数7】
式(7)
式中、fは、サブバンドノイズ信号S(n)の中心周波数を指すことができ、cは、音の移動速度を指すことができる。ノイズ低減デバイス200を例にとると、低減対象のノイズ210は、音源から受信されてもよい。ノイズ210が近接場の信号である場合、Δdは、音響源からサブバンドノイズセンサ220までの距離と、音響源から出力モジュール170(またはその出力ユニット)までの距離との間の差を指すことができる。ノイズ210が遠距離の場の信号である場合、Δdはd cosθに等しくなり得、dはサブバンドノイズセンサ220と出力モジュール170(またはその出力ユニット)との間の距離を指し得、θは音響源とサブバンドノイズセンサ220または出力モジュール170(またはその出力ユニット)との間の角度を指す。式(6)によれば、位相変位Δφは、Δdの増加およびfの増加とともに増加し得る。
【0103】
位相変位Δφを補償するために、位相変調器710は、位相反転ならびに位相補償を、サブバンドノイズ信号S(n)に対して実行して位相変調信号を生成することができる。いくつかの実施形態では、位相変調器710は、オールパスフィルタを含むことができる。オールパスフィルタのフィルタ関数は、H(w)と表すことができ、式中wは角周波数を指す。理想的な状況では、オールパスフィルタの振幅応答|H(w)|は1に等しくてもよく、オールパスフィルタの位相応答は位相変位Δφに等しくてもよい。オールパスフィルタは、位相補償を実行するためにサブバンドノイズ信号S(n)を時間遅延ΔTだけ遅らさせることができ、ΔTは、以下の式(8)に従って求めることができる。
【数8】
式(8)
【0104】
このような場合、位相変調器710は、図9に示すように、サブバンドノイズ信号S(n)に対して位相反転および位相補償を行って位相変調信号S’(n-ΔT)を生成してもよい。振幅変調器720は、図7で説明したように、振幅減衰係数Aに基づいて位相変調信号S’(n-ΔT)の振幅をさらに変調して、サブバンドノイズ信号S(n)を低減するためのサブバンドノイズ補正信号(すなわち、AS’(n-ΔT))を生成することができる。
【0105】
いくつかの実施形態では、ノイズ低減デバイスは、複数のサブバンドノイズ低減モジュール230を含むことができる。サブバンドノイズ低減モジュール230の各々は、図9に示すように、サブバンドノイズ低減モジュール900と同じまたは同様の構造を有し、対応するサブバンドノイズ補正信号を生成するように構成され得る。複数のサブノイズ補正信号は、以下の式(9)に従って1つのノイズ補正信号S(n)に合成することができる。
【数9】
式(9)
【0106】
図7および図9の上記の説明は、例示を意図しており、本開示の範囲を限定するものではないことに留意されたい。多くの代替形態、修正形態、および変形形態が当業者には明らかであろう。本明細書に記載の例示的な実施形態の特徴、構造、方法、および他の特性は、追加および/または代替の例示的な実施形態を得るために、様々な方法で組み合わせることができる。例えば、サブバンドノイズ低減モジュール700および/または900は、1つまたは複数の追加の構成要素を含むことができる。追加的または代替的に、上述した振幅変調器702などのサブバンドノイズ低減モジュール700および/または900の1つまたは複数の構成要素は、省かれてもよい。
【0107】
いくつかの代替実施形態では、サブバンドノイズ信号S(n)は、振幅変調のために振幅変調器720に送信され、次いで位相変調のために位相変調器710に送信されてもよい。例えば、振幅変調器720は、振幅減衰係数Aに基づいて振幅変調信号を生成し、振幅変調信号に対して位相変調(例えば、位相反転および任意選択に位相補償)を実行することによって、対応するサブバンドノイズ補正信号を生成することができる。
【0108】
図10は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なサブバンドノイズセンサ220Cを示す概略図である。サブバンドノイズセンサ220Cは、図4に関連して説明したサブバンドノイズセンサ220Aの例示的な実施形態であってもよい。サブバンドノイズ低減モジュール(例えば、サブバンドノイズ低減モジュール230)は、サブバンドノイズセンサ220Cがサブバンドノイズセンサ220Aおよびサブバンドノイズ低減モジュールの両方の機能を実装することができるように、サブバンドノイズセンサ220Cに統合することができる。言い換えると、サブバンドノイズセンサ220Cは、ノイズ210を検出して、複数のサブバンドノイズ信号およびサブバンドノイズ信号を補正するための複数のサブバンドノイズ補正信号を生成するように構成されてもよい。
【0109】
図10に示すように、サブバンドノイズセンサ220Cは、音響電気トランスデューサ410と、帯域分割モジュール1010とを含んでもよい。図4に関連して説明した帯域分割モジュール420と同様に、帯域分割モジュール1010は、複数のバンドパスフィルタを含むことができ、その各々は、音響電気トランスデューサ410によって生成された電気信号に対してバンドパスフィルタリングを実行して、複数のサブバンドノイズ信号を生成することができる。各バンドパスフィルタは、サブバンドノイズ低減モジュール(例えば、図7および図9に関連して説明したようなサブバンドノイズ低減モジュール700または900)の機能を実装することができるデジタル信号プロセッサをさらに含むことができる。単なる例として、デジタル信号プロセッサは、サブバンドノイズ信号に対して位相変調および/または振幅変調を実行して、対応するサブバンドノイズ補正信号を生成することができる。このようにして、ノイズ低減デバイスからサブバンドノイズ低減モジュールを省くことができ、ノイズ低減デバイスの構造を単純化することができる。
【0110】
サブバンドノイズセンサ220Cの上記の説明は、例示を意図しており、本開示の範囲を限定するものではないことに留意されたい。多くの代替形態、修正形態、および変形形態が当業者には明らかであろう。本明細書に記載の例示的な実施形態の特徴、構造、方法、および他の特性は、追加および/または代替の例示的な実施形態を得るために、様々な方法で組み合わせることができる。例えば、サブバンドノイズセンサ220Cは、1つまたは複数の追加の構成要素を含むことができる。追加的または代替的に、上述したサブバンドノイズセンサ220 Cの1つまたは複数の構成要素は省かれてもよい。いくつかの実施形態では、帯域分割モジュール1010は、振幅変調を実行することなくサブバンドノイズ補正信号を生成することができる。
【0111】
図11は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なノイズ低減システム1100を示す概略図である。ノイズ低減システム1100は、図1Aに関連して説明したノイズ低減システム100Aの例示的な実施形態であってもよい。図11に示すように、ノイズ低減システム1100は、周囲ノイズ低減デバイス120Aと、残留ノイズ低減デバイス150Aと、合成モジュール1120と、出力モジュール170とを含んでもよい。周囲ノイズ低減デバイス120Aおよび残留ノイズ低減デバイス150Aは、それぞれ、周囲ノイズ低減デバイス120および残留ノイズ低減デバイス150の例示的な実施形態であってもよい。
【0112】
周囲ノイズ低減デバイス120Aは、サブバンドノイズ低減技術を使用して周囲ノイズ110を低減するように構成することができる。図11に示すように、周囲ノイズ低減デバイス120Aは、図2に関連して説明したノイズ低減デバイス200と同様の構造を有することができる。周囲ノイズ低減デバイス120Aは、サブバンドノイズセンサ220と、複数のサブバンドノイズ低減モジュール230と、合成モジュール240とを含んでもよい。サブバンドノイズセンサ220は、周囲ノイズ110を検出し、複数のサブバンド周囲ノイズ信号(例えば、サブバンド周囲ノイズ信号A1~Am)を生成することができる。周囲ノイズ110に応答して生成されたサブバンド周囲ノイズ信号は、図2に関連して説明したように、ノイズ210に応答して生成されたサブバンドノイズ信号と同様であり得る。
【0113】
サブバンドノイズ低減モジュール230は、各々がサブバンド周囲ノイズ信号のうちの1つを低減するために使用される複数のサブバンド周囲ノイズ補正信号(例えば、サブバンド周囲ノイズ補正信号A1’~Am’)を生成することができる。サブバンド周囲ノイズ信号を低減するためのサブバンド周囲ノイズ補正信号は、図2に関連して説明したような、サブバンドノイズ信号を低減するためのサブバンドノイズ補正信号と同様とすることができる。合成モジュール240は、サブバンド周囲ノイズ補正信号を結合して周囲ノイズ補正信号130を生成し、周囲ノイズ補正信号130を合成モジュール1120に送信することができる。
【0114】
残留ノイズ低減デバイス150Aは、フルバンドノイズ低減技術を用いて残留ノイズ140を低減するように構成されてもよい。残留ノイズ低減デバイス150Aは、残留ノイズセンサ1130および残留ノイズ低減モジュール1110を含んでもよい。残留ノイズセンサ1130は、残留ノイズ140を検出し、検出された残留ノイズ140に応答して残留ノイズ信号を生成するように構成されてもよい。例えば、残留ノイズセンサ1130は、残留ノイズ140と同じ(または実質的に同じ)周波数帯域を有する残留ノイズ信号を生成する単一の音響電気トランスデューサを含むことができる。いくつかの実施形態では、残留ノイズセンサ1130は、出力モジュール170の近くまたは内部に取り付けられてもよい。例えば、残留ノイズセンサ1130は、周囲ノイズ110を低減するためのオーディオ信号が生成される音響チャネルの近くの出力モジュール170内に取り付けられてもよい。残留ノイズ低減モジュール1110は、残留ノイズセンサ1130から残留ノイズ信号を受信し、残留ノイズ140を低減するための残留ノイズ補正信号160を生成するように構成されてもよい。残留ノイズ補正信号160は残留ノイズ低減モジュール1110によって生成された、合成モジュール1120に送信され得る。
【0115】
いくつかの代替の実施形態では、残留ノイズ低減デバイス150Aは、残留ノイズ140を低減するためにサブバンドノイズ低減技術を利用することができる。単なる例として、残留ノイズ低減デバイス150Aは、図2に関連して説明したようなノイズ低減デバイス200と同様の構造を有することができる。残留ノイズセンサ1130および残留ノイズ低減モジュール1110は、それぞれ、サブバンドノイズセンサ220およびサブバンドノイズ低減モジュール230と同様の機能を有してもよい。残留ノイズセンサ1130によって生成された残留ノイズ信号は、各々が残留ノイズ140よりも狭い周波数帯域を有することができる複数のサブバンド残留ノイズ信号を含むことができる。残留ノイズ低減モジュール1110によって生成される残留ノイズ補正信号160は、サブバンド残留ノイズ信号を低減するための複数のサブバンド残留ノイズ補正信号を含んでもよいし、サブバンド残留ノイズ補正信号の合成信号であってもよい。
【0116】
合成モジュール1120は、周囲ノイズ補正信号130と残留ノイズ補正信号160とを合成して合成信号を生成するように構成されてもよく、合成信号は出力モジュール170に送信されて出力され得る。いくつかの実施形態では、合成モジュール1120によって生成された合成信号はデジタル信号であってもよく、出力モジュール170は合成信号を出力用のオーディオ信号に変換することができる。
【0117】
図12は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なノイズ低減システム1200を示す概略図である。ノイズ低減システム1200は、図1Bに関連して説明したノイズ低減システム100Bの例示的な実施形態であってもよい。ノイズ低減システム1200は、特定の構成要素または特徴を除いて、図11に関連して説明したノイズ低減システム1100と同様とすることができる。ノイズ低減システム1100と比較して、ノイズ低減システム1200は、D/A変換器1210、D/A変換器1230、および出力モジュール180をさらに含むことができる。周囲ノイズ低減デバイス120Aが生成した周囲ノイズ補正信号130と、残留ノイズ低減デバイス150Aが生成した残留ノイズ補正信号160とは、合成せずに、それぞれ処理して出力してもよい。
【0118】
いくつかの実施形態では、周囲ノイズ補正信号130と残留ノイズ補正信号160は、デジタル信号にすることができる。D/A変換器1210および1230は、周囲ノイズ補正信号130および残留ノイズ補正信号160をそれぞれアナログ信号1220および1240に変換するように構成されてもよい。アナログ信号1220は、D/A変換器1210から出力モジュール170にさらに送信されて出力されてもよい。アナログ信号1240は、D/A変換器1230から出力モジュール180にさらに送信されて出力されてもよい。
【0119】
図13は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なノイズ低減システム1300を示す概略図である。ノイズ低減システム1300は、特定の構成要素または特徴を除いて、図11に関連して説明したノイズ低減システム1100と同様とすることができる。図13に示すように、ノイズ低減システム1300は、周囲ノイズ低減デバイス120Aと、残留ノイズ低減デバイス150Bと、出力モジュール170とを含んでもよい。周囲ノイズ低減デバイス120Aによって生成された周囲ノイズ補正信号130は、出力モジュール170により出力され得る。
【0120】
残留ノイズ低減デバイス150Bは、残留ノイズセンサ1130およびフィードバックモジュール1310を含むことができる。フィードバックモジュール1310は、残留ノイズ140を抑制するために、残留ノイズ140に従ってサブバンドノイズ低減モジュール230を調整するように構成されてもよい。例えば、調整ユニットは、サブバンドノイズ低減モジュール230のうちの1つまたは複数のパラメータを調整するために、サブバンドノイズ低減モジュール230のうちの1つまたは複数に命令を送信することができる。単なる例として、本開示の他の箇所(例えば、図7図9および関連する説明)で説明するように、サブバンドノイズ低減モジュール230は、位相変調器(例えば、位相変調器710)および/または振幅変調器(例えば、振幅変調器720)を含むことができる。フィードバックモジュール1310は、周囲ノイズ110が周囲ノイズ補正信号130によって抑制された後に残留ノイズが存在しないか、または実質的に存在しないように、位相変調器の時間遅延(例えば、ΔT)および/または振幅変調器の振幅減衰係数(例えばA)を調整するため、命令をサブバンドノイズ低減モジュール230に送信することができる。このようにして、サブバンドノイズ低減モジュール230は、残留ノイズ140に従って自動的に調整され得、これにより、ノイズ低減システム1300の精度および安定性が改善される。
【0121】
図11図13の上記の説明は、単に例示の目的で提供されたものであり、本開示の範囲を限定することを意図するものではないことに留意されたい。当業者であれば、本開示の教示の下で複数の変形および修正を行うことができる。しかしながら、それらの変形および修正は、本開示の範囲から逸脱しない。ノイズ低減システム(例えば、ノイズ低減システム1100、1200、および1300のいずれか)は、1つまたは複数の追加の構成要素を含んでもよく、および/またはノイズ低減システムの1つまたは複数の構成要素は省かれてもよい。単なる例として、D/A変換器1210は、ノイズ低減システム1200から省かれてもよく、または出力モジュール170に統合されてもよい。別の例として、ノイズ低減システム1200では、合成モジュール240を省略し、サブバンドノイズ周囲補正信号を出力モジュール170の複数の出力ユニットに送信して出力することができる。
【0122】
図14は、本開示のいくつかの実施形態による例示的な残留ノイズ低減デバイス150Cを示す概略図である。残留ノイズ低減デバイス150Cは残留ノイズ低減デバイス150の例示的な実施形態であり得、サブバンドノイズ低減技術を使用して残留ノイズ140を低減するために使用され得る。
【0123】
図14に示すように、残留ノイズ低減デバイス150Cは、図2に関連して説明したノイズ低減デバイス200と同様の構造を有してもよい。残留ノイズ低減デバイス150Cは、サブバンドノイズセンサ220と、複数のサブバンドノイズ低減モジュール230と、合成モジュール240とを含んでもよい。サブバンドノイズセンサ220は、残留ノイズ140を検出し、複数のサブバンド残留ノイズ信号(例えば、サブバンド残留ノイズ信号R1~Rk)を生成するために、出力モジュール170の近くに取り付けられてもよい。サブバンドノイズ低減モジュール230は、複数のサブバンド残留ノイズ補正信号(例えば、サブバンド残留ノイズ補正信号R’1~R’k)を生成することができ、そのうちの1つは、サブバンド残留ノイズ信号の1つを低減するためのものである。合成モジュール240は、サブバンド残留ノイズ補正信号を合成して、残留ノイズ補正信号160を生成することができる。残留ノイズ補正信号160は、出力モジュール170にさらに送信されて出力されてもよい。
【0124】
いくつかの実施形態では、サブバンドノイズ低減モジュール230-iは、対応するサブバンド残留ノイズ信号Riに対して位相反転を実行するように構成された位相変調器(例えば、位相インバータ)を含むことができる。残留ノイズ140を検出するためのサブバンドノイズセンサ220が出力モジュール170の近くに取り付けられ得るので、サブバンドノイズ低減モジュール230-iは、サブバンド残留ノイズ信号Riに対して位相補償および/または振幅変調を実行することなく、対応するサブバンド残留ノイズ補正信号Ri’を生成することができる。
【0125】
図15は、本開示のいくつかの実施形態による例示的なノイズ低減システム1500を示す概略図である。ノイズ低減システム1500は、ノイズ低減システム1500がノイズを低減するためにアナログ信号処理技術をユニット化することができることを除いて、図11に関連して説明したノイズ低減システム1100と同様とすることができる。図15に示すように、ノイズ低減システム1500は、周囲ノイズ低減デバイス120Bと、残留ノイズ低減デバイス150Dと、合成モジュール1505と、出力モジュール170とを含んでもよい。
【0126】
周囲ノイズ低減デバイス120Bは、サブバンドノイズセンサ(図15には示されていない)と、複数のアナログ信号処理構成要素1501(例えば、アナログ信号処理構成要素1501-1~1501-m)と、合成モジュール1504とを含むことができる。周囲ノイズ低減デバイス120Bのサブバンドノイズセンサは、周囲ノイズ110を検出し、サブバンド周囲ノイズ信号(例えば、サブバンド周囲ノイズ信号N1~Nm)を生成することができる。周囲ノイズ低減デバイス120Bのサブバンドノイズセンサによって生成されるサブバンド周囲ノイズ信号は、アナログ信号であってもよい。
【0127】
アナログ信号処理構成要素1501は、図11に関連して説明したように、周囲ノイズ低減デバイス120Aのサブバンドノイズ低減モジュール230と同様の機能を有することができる。例えば、アナログ信号処理構成要素1501は、サブバンド周囲ノイズ信号を受信し、複数のサブバンド周囲ノイズ補正信号(例えば、サブバンド周囲ノイズ補正信号N1’~Nm’)を生成することができる。アナログ信号処理構成要素1501によって生成されるサブバンド周囲ノイズ補正信号は、アナログ信号であってもよい。サブバンド周囲ノイズ補正信号は、周囲ノイズ補正信号130’に合成され得る。これは、合成モジュール1504によって周囲ノイズを低減するためのアナログ信号であり得る。
【0128】
いくつかの実施形態では、アナログ信号処理構成要素1501-iは、サブバンド周囲ノイズ信号Niに対して位相変調を実行するための1つまたは複数の第1のアナログ回路構成要素を含むことができる。第1のアナログ回路構成要素による位相変調は、本開示の他の箇所で説明されているように(例えば、図7図9および関連する説明)、位相変調器(例えば、位相変調器710)によって実行されるものと同様の方法で実行されてもよい。例えば、第1のアナログ回路構成要素は、サブバンド周囲ノイズ信号Niに対して位相反転を実行するために使用される増幅器(例えば、反転増幅器)を含むことができる。追加的または代替的に、第1のアナログ回路構成要素は、サブバンド周囲ノイズ信号Niに対して位相変位の補償を実行するために使用されるアナログ遅延線(例えば、インダクタ-キャパシタ(LC)回路遅延線、アクティブアナログ遅延線)を含むことができる。
【0129】
残留ノイズ低減デバイス150Dは、残留ノイズセンサ1503およびアナログ信号処理構成要素1502を含んでもよい。残留ノイズセンサ1503は、残留ノイズ140を検出し、アナログ信号の形態の残留ノイズ信号を生成することができる。アナログ信号処理構成要素1502は、残留ノイズ140を低減するためのアナログ信号であり得る残留ノイズ補正信号160’を生成するように構成され得る。合成モジュール1505は、周囲ノイズ補正信号130’と残留ノイズ補正信号160’とを合成して合成アナログ信号を生成するように構成されてもよい。合成されたアナログ信号は、出力モジュール170によって出力され得る。
【0130】
アナログ信号処理構成要素を使用することにより、ノイズ低減システム1500は、サンプリングモジュール(例えば、サンプリングモジュール620)、D/A変換器(例えば、D/A変換器1210、1230)、A/D変換器などがなくとも周囲ノイズおよび残留ノイズ140を低減し、それにより、ノイズ低減システム1500を単純化し、ノイズ低減システム1500の動作速度を改善することができる。
【0131】
このように基本概念を説明してきたが、この詳細な開示を読んだ後の当業者には、前述の詳細な開示が例としてのみ提示されることを意図しており、限定するものではないことはむしろ明らかであろう。本明細書で明示的に述べられていないが、様々な変更、改善、および修正が行われてもよく、当業者に意図される。これらの変更、改良、および修正は、本開示によって示唆されることを意図しており、本開示の例示的な実施形態の趣旨および範囲内にある。
【0132】
さらに、本開示の実施形態を説明するために特定の用語が使用されている。例えば、「一実施形態」、「実施形態」、および/または「いくつかの実施形態」という用語は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書の様々な部分における「一実施形態」または「一実施形態」または「代替の実施形態」への2つ以上の言及は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すとは限らないことが強調され、理解されるべきである。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、本開示の1つまたは複数の実施形態において適切であるように組み合わせることができる。
【0133】
さらに、当業者には理解されるように、本開示の態様は、任意の新しい有用なプロセス、機械、製造、もしくは物質の組成、またはそれらの任意の新しい有用な改善を含む、いくつかの特許可能なクラスまたはコンテキストのいずれかで本明細書に例示および説明され得る。したがって、本開示の態様は、完全にハードウェア、完全にソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、または本明細書ですべて一般に「ユニット」、「モジュール」、または「システム」と呼ばれ得るソフトウェアとハードウェアの実装形態を組み合わせて実装され得る。さらに、本開示の態様は、コンピュータ可読プログラムコードが具現化された1つまたは複数のコンピュータ可読媒体に具現化されたコンピュータプログラム製品の形態をとることができる。
【0134】
コンピュータ可読信号媒体は、例えばベースバンドにおいて、または搬送波の一部として、コンピュータ可読プログラムコードが内部に具現化された伝搬データ信号を含むことができる。そのような伝搬信号は、電磁的、光学的など、またはそれらの任意の適切な組み合わせを含む様々な形態のいずれかをとることができる。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではなく、命令実行システム、装置、またはデバイスによって、またはそれらと関連して使用するためのプログラムを通信、伝播、または輸送することができる任意のコンピュータ可読媒体であってもよい。コンピュータ可読信号媒体上に具現化されたプログラムコードは、無線、有線、光ファイバケーブル、RFなど、またはこれらの任意の適切な組み合わせを含む任意の適切な媒体を使用して送信することができる。
【0135】
本開示の態様のための動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java、Scala、Smalltalk、Eiffel、JADE、Emerald、C++、C#、VBなどのオブジェクト指向プログラミング言語を含む1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述することができる。NET、Pythonなど、「C」プログラミング言語、Visual Basic、Fortran 2003、Perl、COBOL 2002、PHP、ABAPなどの従来の手続き型プログラミング言語、Python、Ruby、およびGroovyなどの動的プログラミング言語、または他のプログラミング言語である。プログラムコードは、完全にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、部分的にユーザのコンピュータ上で、部分的にリモートコンピュータ上で、または完全にリモートコンピュータもしくはサーバ上で実行することができる。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されてもよく、または接続は、外部コンピュータ(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)に対して、またはクラウドコンピューティング環境において行われてもよく、またはサービス型ソフトウェア(SaaS)などのサービスとして提供されてもよい。
【0136】
さらに、処理要素またはシーケンスの列挙された順序、または数字、文字、もしくは他の名称の使用は、したがって、特許請求の範囲に記載されている場合を除いて、特許請求の範囲に記載のプロセスおよび方法を任意の順序に限定することを意図しない。上記の開示は、本開示の様々な有用な実施形態であると現在考えられているものを様々な例によって説明しているが、そのような詳細はその目的のためだけのものであり、添付の特許請求の範囲は開示された実施形態に限定されず、反対に、開示された実施形態の趣旨および範囲内にある修正および構成を網羅することを意図していることを理解されたい。例えば、上述した様々な構成要素の実装はハードウェアデバイスで実施されてもよいが、ソフトウェアのみの解決策、例えば既存のサーバまたはモバイルデバイスへのインストールとして実施されてもよい。
【0137】
同様に、本開示の実施形態の前述の説明では、様々な実施形態のうちの1つまたは複数の理解を助ける開示を簡素化する目的で、様々な特徴が単一の実施形態、図、またはその説明にまとめられることがあることを理解されたい。しかしながら、この開示方法は、特許請求される主題が各請求項に明示的に記載されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映すると解釈されるべきではない。むしろ、特許請求される主題は、単一の前述の開示された実施形態のすべての特徴よりも少ないものであり得る。
【符号の説明】
【0138】
100A ノイズ低減システム
100B ノイズ低減システム
110 周囲ノイズ
120 周囲ノイズ低減デバイス
120A 周囲ノイズ低減デバイス
120B 周囲ノイズ低減デバイス
130 周囲ノイズ補正信号
130’ 周囲ノイズ補正信号
140 残留ノイズ
150 残留ノイズ低減デバイス
150A 残留ノイズ低減デバイス
150B 残留ノイズ低減デバイス
150C 残留ノイズ低減デバイス
150D 残留ノイズ低減デバイス
160 残留ノイズ補正信号
160’ 残留ノイズ補正信号
170 出力モジュール、出力ユニット
180 追加出力モジュール
200 ノイズ低減デバイス
210 ノイズ
220 サブバンドノイズセンサ
220A サブバンドノイズセンサ
220B サブバンドノイズセンサ
220C サブバンドノイズセンサ
230 サブバンドノイズ低減モジュール
240 合成モジュール
300 ノイズ低減デバイス、ノイズ低減システム
410 音響電気トランスデューサ
420 帯域分割モジュール、感音構成要素
510 第1のバンドパスフィルタの周波数応答
520 第2のバンドパスフィルタの周波数応答
530 第2のバンドパスフィルタの周波数応答
610 音響電気トランスデューサ
620 サンプリングモジュール
700 サブバンドノイズ低減モジュール
702 振幅変調器
710 位相変調器
720 振幅変調器
900 サブバンドノイズ低減モジュール
1010 帯域分割モジュール
1100 ノイズ低減システム
1110 残留ノイズ低減モジュール
1120 合成モジュール
1130 残留ノイズセンサ
1200 ノイズ低減システム
1210 D/A変換器
1220 アナログ信号
1230 D/A変換器
1240 アナログ信号
1300 ノイズ低減システム
1310 フィードバックモジュール
1500 ノイズ低減システム
1501 アナログ信号処理構成要素
1502 アナログ信号処理構成要素
1503 残留ノイズセンサ
1504 合成モジュール
1505 合成モジュール
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15