(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】仮想化方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H04L 41/0895 20220101AFI20241209BHJP
H04L 47/78 20220101ALI20241209BHJP
【FI】
H04L41/0895
H04L47/78
(21)【出願番号】P 2022523640
(86)(22)【出願日】2020-09-11
(86)【国際出願番号】 CN2020114862
(87)【国際公開番号】W WO2021077940
(87)【国際公開日】2021-04-29
【審査請求日】2023-08-30
(31)【優先権主張番号】201911001566.5
(32)【優先日】2019-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リウ,スーヨン
【審査官】速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/157299(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00-12/66
41/00-101/695
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスタ制御シングルボードに適用される仮想化方法であって、
ラインカードシングルボードのリソースをマスタ制御シングルボードの仮想化システムの
管理スライス及び/又は通常スライスに割り当てるステップであって、前記
マスタ制御シングルボードの仮想化システムは管理スライ
スを含
むステップと、
マスタ制御シングルボードの管理スライスとラインカードシングルボードの管理スライスとの間の通信により、マスタ制御シングルボードの仮想化システムとラインカードシングルボードの仮想化システムとの間のボード間通信を実現するステップと、を含む、仮想化方法。
【請求項2】
ラインカードシングルボードのリソースをマスタ制御シングルボードの仮想化システム
の管理スライス及び/又は通常スライスに割り当てる前記ステップは、
ボードレベル粒度でラインカードシングルボードのリソースをマスタ制御シングルボードの管理スライス又は通常スライスに割り当てるステップ、又は、
ポートレベル粒度及びポート専用モードでラインカードシングルボードのリソースをマスタ制御シングルボードの管理スライス又は通常スライスに割り当てるステップ、又は、
ポートレベル粒度及びポート共有モードでラインカードシングルボードのリソースをマスタ制御シングルボードの管理スライス及び通常スライスに割り当てるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
マスタ制御シングルボードの管理スライスとラインカードシングルボードの管理スライスとの間の通信により、マスタ制御シングルボードの仮想化システムとラインカードシングルボードの仮想化システムとの間のボード間通信を実現する前記ステップは、
ラインカードシングルボードのリソースをマスタ制御シングルボードの通常スライスに割り当てた後、前記マスタ制御シングルボードの管理スライスを前記マスタ制御シングルボードの仮想化システムの通信プロクシとして使用し、マスタ制御シングルボードの通常スライスとラインカードシングルボードの仮想化システムとの間のデータ転送を行うステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記マスタ制御シングルボードの管理スライスを前記マスタ制御シングルボードの仮想化システムの通信プロクシとして使用し、マスタ制御シングルボードの通常スライスとラインカードシングルボードの仮想化システムとの間のデータ転送を行う前記ステップは、
前記マスタ制御シングルボードの管理スライスがラインカードシングルボードの仮想化システムからのデータを受信した後、前記データにラインカードシングルボードの通常スライスの識別情報が含まれる場合、前記データを前記ラインカードシングルボードの通常スライスに対応するマスタ制御シングルボードの通常スライスに転送するステップを含み、
前記ラインカードシングルボードは仮想化マルチスライスシステムとして構成され、前記仮想化マルチスライスシステムは管理スライス及び通常スライスを含み、前記ラインカードシングルボードの通常スライスとマスタ制御シングルボードの通常スライスは1対1の対応関係を有する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記マスタ制御シングルボードの管理スライスを前記マスタ制御シングルボードの仮想化システムの通信プロクシとして使用し、マスタ制御シングルボードの通常スライスとラインカードシングルボードの仮想化システムとの間のデータ転送を行うステップは、
前記マスタ制御シングルボードの管理スライスがラインカードシングルボードの仮想化システムからのデータを受信した後、前記データにラインカードシングルボードの管理スライスの識別情報が含まれる場合、前記ラインカードシングルボードのリソース割り当て粒度を照会するステップと、
前記ラインカードシングルボードのリソース割り当て粒度がボードレベル粒度である場合、前記ラインカードシングルボードの属するマスタ制御シングルボードの通常スライスを決定し、前記データを前記マスタ制御シングルボードの通常スライスに転送し、前記ラインカードシングルボードのリソース割り当て粒度がポートレベル粒度である場合
、ラインカードポートの属するマスタ制御シングルボードの通常スライスを決定し、前記データを前記マスタ制御シングルボードの通常スライスに転送するステップと、を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記マスタ制御シングルボードの管理スライスを前記マスタ制御シングルボードの仮想化システムの通信プロクシとして使用し、マスタ制御シングルボードの通常スライスとラインカードシングルボードの仮想化システムとの間のデータ転送を行うステップは、
マスタ制御シングルボードの通常スライスは、ラインカードシングルボードに送信された送信対象のデータをマスタ制御シングルボードの管理スライスに送信するステップと、
前記マスタ制御シングルボードの管理スライスは、前記ラインカードシングルボードが仮想化マルチスライスシステムである場合、前記送信対象のデータを前記ラインカードシングルボードの管理スライスに送信し、前記ラインカードシングルボードが仮想化シングルスライスシステムである場合、前記送信対象のデータのスライス帰属を前記ラインカードシングルボードの管理スライスに変更し、前記送信対象のデータを前記ラインカードシングルボードの管理スライスに送信するステップと、を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記マスタ制御シングルボードの管理スライスはラインカードシングルボードの状態情報を維持するとともに、前記ラインカードシングルボードのリソースの属するマスタ制御シングルボードの通常スライスに同期するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ラインカードシングルボードに適用される仮想化方法であって、
ラインカードシングルボードのリソース量に基づいて、前記ラインカードシングルボードに仮想化マルチスライスシステム又は仮想化シングルスライスシステムを構成するステップであって、前記仮想化マルチスライスシステムは管理スライス及び通常スライスを含み、前記仮想化シングルスライスシステムは管理スライスを含むものであるステップと、
ラインカードシングルボードの管理スライスとマスタ制御シングルボードの管理スライスとの間の通信により、ラインカードシングルボードの仮想化システムとマスタ制御シングルボードの仮想化システムとの間のボード間通信を実現するステップと、を含む、仮想化方法。
【請求項9】
ラインカードシングルボードのリソース量に基づいて、前記ラインカードシングルボードに仮想化マルチスライスシステム又は仮想化シングルスライスシステムを構成する前記ステップは、
ラインカードシングルボードのリソース量によってリソースが十分であることが示される場合、前記ラインカードシングルボードに仮想化マルチスライスシステムを構成するステップと、
ラインカードシングルボードのリソース量によってリソースが制限されることが示される場合、前記ラインカードシングルボードに仮想化シングルスライスシステムを構成するステップと、を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ラインカードシングルボードのリソースをマスタ制御シングルボードの通常スライスに割り当てた後、前記ラインカードシングルボードが仮想化シングルスライスシステムとして構成された場合、ラインカードシングルボードの管理スライスによってマスタ制御シングルボードの管理スライスにデータを送信する、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記ラインカードシングルボードのリソースをマスタ制御シングルボードの通常スライスに割り当てた後、前記ラインカードシングルボードが仮想化マルチスライスシステムとして構成された場合、ラインカードシングルボードの管理スライスによってマスタ制御シングルボードの管理スライスにデータを送信し、前記データはラインカードシングルボードの通常スライスの識別情報を含み、前記ラインカードシングルボードの通常スライスとマスタ制御シングルボードの通常スライスは1対1の対応関係を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
ボードレベル粒度でラインカードシングルボードのリソースをマスタ制御シングルボードの管理スライス又は通常スライスに割り当てるか、又は、
ポートレベル粒度及びポート専用モードでラインカードシングルボードのリソースをマスタ制御シングルボードの管理スライス又は通常スライスに割り当てるか、又は、
ポートレベル粒度及びポート共有モードでラインカードシングルボードのリソースをマスタ制御シングルボードの管理スライス及び通常スライスに割り当てる、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
ラインカードシングルボードの管理スライスとマスタ制御シングルボードの管理スライスとの間の通信により、ラインカードシングルボードの仮想化システムとマスタ制御シングルボードの仮想化システムとの間のボード間通信を実現する前記ステップは、
前記ラインカードシングルボードの管理スライスは、前記ラインカードシングルボードが仮想化マルチスライスシステムである場合、マスタ制御シングルボードの管理スライスによって転送されたデータを受信し、前記データが実際に前記ラインカードシングルボードの管理スライスに属する場合、前記ラインカードシングルボードの管理スライスがデータを処理し、前記データが実際にラインカードシングルボードの通常スライスに属する場合、前記ラインカードシングルボードの管理スライスが前記データを前記ラインカードの通常スライスに転送して処理させるステップと、
前記ラインカードシングルボードの管理スライスは、前記ラインカードシングルボードが仮想化シングルスライスシステムである場合、マスタ制御シングルボードの管理スライスによって転送されたデータを受信して処理するステップと、を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
仮想化装置であって、
メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶され、前記プロセッサで実行可能な仮想化プログラムと、を含み、前記仮想化プログラムが前記プロセッサによって実行されると、前記請求項1~13のいずれか1項に記載の仮想化方法のステップを実現する、仮想化装置。
【請求項15】
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
プロセッサによって実行されると、前記請求項1~13のいずれか1項に記載の仮想化方法のステップを実現する仮想化プログラムが記憶されている、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信技術分野に関し、特に仮想化方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光回線端末(Optical Line Terminal、OLTという)は光ファイバに基づく光アクセスネットワークのコア部材として、従来の通信ネットワークにおけるスイッチ又はルータに該当するもので、マルチサービス提供プラットフォームでもある。OLTは、通常、中央局側に配置され、ユーザ向けの受動光ファイバネットワークの光ファイバインタフェースを提供する。
【0003】
それが主に実現する機能としては、一方では、様々なサービスを運ぶ信号が中央局側に集約され、所定の信号フォーマットに応じてアクセスネットワークに送信されて端末ユーザに伝送され、他方では、端末ユーザからの信号をサービスのタイプに応じてそれぞれ様々なサービスネットワークに送信する。
【0004】
現在、OLT機器は、通常、数千から数万人のユーザのサービスを運ぶ必要があり、異なるユーザのニーズも異なる。関連技術では、新たなOLT機器を再配置することにより、OLT機器に複数の仮想OLTシステムを作成することができ、各仮想OLTシステムは互いに独立して分離されて、複数種のサービスの異なるニーズを満たすことを達成する。
【0005】
しかしながら、オペレータの既存の在庫OLT機器は、通常、複数のスロットがあり、いくつかの周辺スロットラインカードにとって、ソフトウェア、ハードウェアリソースが制限されるため、マルチ仮想OLTシステムの作成をサポートできない可能性がある。従って、マルチ仮想OLTシステムの仮想化管理方法では、オペレータのリソースが制限された在庫機器の利用率を向上させることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願は、リソースが制限された機器の仮想化管理を実現し、リソースの利用率を向上させることができる仮想化方法及び装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の第1側面によれば、本発明の実施例は、マスタ制御シングルボードに適用される仮想化方法であって、ラインカードシングルボードのリソースをマスタ制御シングルボードの仮想化システムのスライスに割り当てるステップであって、前記スライスは管理スライス及び/又は通常スライスを含むものであるステップと、マスタ制御シングルボードの管理スライスとラインカードシングルボードの管理スライスとの間の通信により、マスタ制御シングルボードの仮想化システムとラインカードシングルボードの仮想化システムとの間のボード間通信を実現するステップと、を含む仮想化方法を提供する。
【0008】
本願の第2側面によれば、本発明の実施例は、ラインカードシングルボードに適用される仮想化方法であって、ラインカードシングルボードのリソース量に基づいて、前記ラインカードシングルボードに仮想化マルチスライスシステム又は仮想化シングルスライスシステムを構成するステップであって、前記仮想化マルチスライスシステムは管理スライス及び通常スライスを含み、前記仮想化シングルスライスシステムは管理スライスを含むステップと、ラインカードシングルボードの管理スライスとマスタ制御シングルボードの管理スライスとの間の通信により、ラインカードシングルボードの仮想化システムとマスタ制御シングルボードの仮想化システムとの間のボード間通信を実現するステップと、を含む仮想化方法を提供する。
【0009】
本願の第3側面によれば、本発明の実施例は、仮想化装置であって、メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶され、前記プロセッサで実行可能な仮想化プログラムと、を含み、前記仮想化プログラムが前記プロセッサによって実行されると、上記仮想化方法のステップを実現する仮想化装置を提供する。
【0010】
本願の第4側面によれば、本発明の実施例は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、プロセッサによって実行されると、上記仮想化方法のステップを実現する仮想化プログラムが記憶されている、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の実施例に係る仮想化方法及び装置は、関連技術と比較すると、マスタ制御シングルボードはラインカードシングルボードのリソースをマスタ制御シングルボードの仮想化システムの、管理スライス及び/又は通常スライスを含むスライスに割り当て、ラインカードシングルボードはラインカードシングルボードのリソース量に基づいて、前記ラインカードシングルボードに管理スライス及び通常スライスを含む仮想化マルチスライスシステム又は管理スライスを含む仮想化シングルスライスシステムを構成し、マスタ制御シングルボードの管理スライスとラインカードシングルボードの管理スライスとの間の通信により、マスタ制御シングルボードの仮想化システムとラインカードシングルボードの仮想化システムとの間のボード間通信を実現する。本発明の実施例の技術案によれば、リソースが制限された機器の仮想化管理を実現し、リソースの利用率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は本発明の実施例1に係る仮想化方法のフローチャート(マスタ制御シングルボード)である。
【
図2】
図2は本発明の実施例2に係る仮想化方法のフローチャート(ラインカードシングルボード)である。
【
図3】
図3は本発明の実施例3に係る仮想化装置の模式図(マスタ制御シングルボード)である。
【
図4】
図4は本発明の実施例4に係る仮想化装置の模式図(ラインカードシングルボード)である。
【
図5】
図5は例1におけるマスタ制御シングルボードが
仮想化シングルスライスシステムと
仮想化マルチスライスシステムとの切り替えをサポートする模式図である。
【
図6】
図6は例2におけるリソースが十分なラインカードがボードレベルのリソース割り当てをサポートする模式図である。
【
図7】
図7は例3におけるリソースが制限されたラインカードがボードレベルのリソース割り当てをサポートする模式図である。
【
図8】
図8は例4におけるリソースが十分なラインカードがポート専用のリソース割り当てをサポートする模式図である。
【
図9】
図9は例5におけるリソースが制限されたラインカードがポート専用のリソース割り当てをサポートする模式図である。
【
図10】
図10は例6におけるリソースが十分なラインカードがポート共有のリソース割り当てをサポートする模式図である。
【
図11】
図11は例7におけるリソースが制限されたラインカードがポート共有のリソース割り当てをサポートする模式図である。
【
図12】
図12は例8における管理スライス及び通常スライスの開始シーケンスの模式図である。
【
図13】
図13は例9におけるリソースが十分なラインカードとマスタ制御シングルボードとの間のボード間通信を示す図である。
【
図14】
図14は例10におけるリソースが制限されたラインカードとマスタ制御シングルボードとの間のボード間通信を示す図である。
【
図15】
図15は例11におけるラインカードの状態の管理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の目的、技術案及び利点をより明確にして分かりやすくするために、図面を参照しながら本発明の実施例を詳細に説明する。なお、矛盾しない限り、本願における実施例及び実施例における特徴を互いに任意に組み合わせることができる。
【0014】
図面のフローチャートに示されているステップは、コンピュータ実行可能な命令のセットなどのコンピュータシステムで実行可能である。また、フローチャートには論理的な順が示されているが、場合によっては、ここでの順とは異なる順で、示されているか又は説明されているステップを実行することができる。
【0015】
実施例1
図1に示すように、本発明の実施例は、マスタ制御シングルボードに適用される仮想化方法であって、
ラインカードシングルボードのリソースをマスタ制御シングルボードの仮想化システムのスライスに割り当てるステップであって、前記スライスは管理スライス及び/又は通常スライスを含むものであるステップS110と、
マスタ制御シングルボードの管理スライスとラインカードシングルボードの管理スライスとの間の通信により、マスタ制御シングルボードの仮想化システムとラインカードシングルボードの仮想化システムとの間のボード間通信を実現するステップS120と、を含む仮想化方法を提供する。
【0016】
一実施形態では、マスタ制御シングルボードの管理スライスとラインカードシングルボードの管理スライスとの間の通信により、マスタ制御シングルボードの仮想化システムとラインカードシングルボードの仮想化システムとの間のボード間通信を実現する前記ステップは、
ラインカードシングルボードのリソースをマスタ制御シングルボードの通常スライスに割り当てた後、前記マスタ制御シングルボードの管理スライスを前記マスタ制御シングルボードの仮想化システムの通信プロクシ(communication proxy)として使用し、マスタ制御シングルボードの通常スライスとラインカードシングルボードの仮想化システムとの間のデータ転送を行うステップを含む。
【0017】
一実施形態では、ラインカードシングルボードのリソースをマスタ制御シングルボードの仮想化システムのスライスに割り当てる前記ステップは、ボードレベル粒度でラインカードシングルボードのリソースをマスタ制御シングルボードの管理スライス又は通常スライスに割り当てるステップ、又は、ポートレベル粒度及びポート専用モードでラインカードシングルボードのリソースをマスタ制御シングルボードの管理スライス又は通常スライスに割り当てるステップ、又は、ポートレベル粒度及びポート共有モードでラインカードシングルボードのリソースをマスタ制御シングルボードの管理スライス及び通常スライスに割り当てるステップを含む。
【0018】
一実施形態では、前記マスタ制御シングルボードの管理スライスを前記マスタ制御シングルボードの仮想化システムの通信プロクシとして使用し、マスタ制御シングルボードの通常スライスとラインカードシングルボードの仮想化システムとの間のデータ転送を行う前記ステップは、前記マスタ制御シングルボードの管理スライスがラインカードシングルボードの仮想化システムからのデータを受信した後、前記データにラインカードシングルボードの通常スライスの識別情報が含まれる場合、前記データを前記ラインカードシングルボードの通常スライスに対応するマスタ制御シングルボードの通常スライスに転送するステップを含み、前記ラインカードシングルボードは仮想化マルチスライスシステムとして構成され、前記仮想化マルチスライスシステムは管理スライス及び通常スライスを含み、前記ラインカードシングルボードの通常スライスとマスタ制御シングルボードの通常スライスは1対1の対応関係を有する。
【0019】
一実施形態では、前記マスタ制御シングルボードの管理スライスを前記マスタ制御シングルボードの仮想化システムの通信プロクシとして使用し、マスタ制御シングルボードの通常スライスとラインカードシングルボードの仮想化システムとの間のデータ転送を行うステップは、前記マスタ制御シングルボードの管理スライスがラインカードシングルボードの仮想化システムからのデータを受信した後、前記データにラインカードシングルボードの管理スライスの識別情報が含まれる場合、前記ラインカードシングルボードのリソース割り当て粒度を照会するステップと、
前記ラインカードシングルボードのリソース割り当て粒度がボードレベル粒度である場合、前記ラインカードシングルボードの属するマスタ制御シングルボードの通常スライスを決定し、前記データを前記マスタ制御シングルボードの通常スライスに転送し、前記ラインカードシングルボードのリソース割り当て粒度がポートレベル粒度である場合、前記ラインカードポートの属するマスタ制御シングルボードの通常スライスを決定し、前記データを前記マスタ制御シングルボードの通常スライスに転送するステップと、を含む。
【0020】
一実施形態では、前記マスタ制御シングルボードの管理スライスを前記マスタ制御シングルボードの仮想化システムの通信プロクシとして使用し、マスタ制御シングルボードの通常スライスとラインカードシングルボードの仮想化システムとの間のデータ転送を行うステップは、マスタ制御シングルボードの通常スライスは、ラインカードシングルボードに送信された送信対象のデータをマスタ制御シングルボードの管理スライスに送信するステップと、前記マスタ制御シングルボードの管理スライスは、前記ラインカードシングルボードが仮想化マルチスライスシステムである場合、前記送信対象のデータを前記ラインカードシングルボードの管理スライスに送信し、前記ラインカードシングルボードが仮想化シングルスライスシステムである場合、前記送信対象のデータのスライス帰属を前記ラインカードシングルボードの管理スライスに変更し、前記送信対象のデータを前記ラインカードシングルボードの管理スライスに送信するステップと、を含む。
【0021】
ここで、前記ラインカードシングルボードの管理スライスは、前記ラインカードシングルボードが仮想化マルチスライスシステムである場合、マスタ制御シングルボードの管理スライスによって転送されたデータを受信し、前記データが実際に前記ラインカードシングルボードの管理スライスに属する場合、データを処理し、前記データが実際にラインカードシングルボードの通常スライスに属する場合、前記データを前記ラインカードの通常スライスに転送して処理させ、前記ラインカードシングルボードが仮想化シングルスライスシステムである場合、マスタ制御シングルボードの管理スライスによって転送されたデータを受信して処理する。
【0022】
一実施形態では、前記マスタ制御シングルボードの管理スライスが優先的に構成データをロードして有効にしてから、マスタ制御シングルボードの通常スライスが通常スライスのプライベート構成ファイルをロードする。
【0023】
一実施形態では、前記マスタ制御シングルボードの管理スライスは、ラインカードシングルボードの状態情報を維持するとともに、前記ラインカードシングルボードのリソースの属するマスタ制御シングルボードの通常スライスに同期する。
【0024】
ここでの「スライス」は、仮想化システムの独立した論理ネットワークエレメントの総称であり、対応する英語でvirtual-network-deviceとして説明され、中国語で
として翻訳され、本明細書では文字「VND」の略語で同等に表され、管理スライスはVND0で表され、通常スライスはVNDxで表され、x=1、2、3…である。
【0025】
管理スライスは管理者の権限を有するスライスである。通常スライスは通常の権限を有するスライスであり、管理スライスによって必要に応じて開始及び管理される。一般的には、管理スライスは、物理ネットワーク機器の通常の動作に必要なソフトウェアアプリケーションを運んでいる。通常スライスは、いくつかの拡張アプリケーション(拡張アプリケーションは主に論理サービスに関連するアプリケーションである)を運んでいる。
【0026】
一実施形態では、前記仮想化システムのスライスはシングルプロセス又はマルチプロセスであり、マスタ制御シングルボードにおける既存のソフトウェア構造がシングルプロセス構造である場合、仮想化マルチスライスシステムがサポートされた時、各スライスもシングルプロセス構造である。
【0027】
ここで、既存のソフトウェア構造のシングルプロセスは、仮想化マルチスライスシステムの管理スライスVND0として使用され、他の通常スライス(非管理スライスは後にVNDxで同等に表され、なお、VNDxはVND0を含まない)は、管理スライスプロセスと同じミラーリング形式で存在する。マスタ制御シングルボードにおける既存のソフトウェア構造がマルチプロセス構造である場合、既存のソフトウェア構造のマルチプロセスは管理スライスVND0を構成し、他の通常スライスは管理スライスマルチプロセスと同じミラーリング形式で存在する。
【0028】
既存のソフトウェア構造には、仮想化シングルスライスシステムと仮想化マルチスライスシステムを切り替えるためのシステムレベルのコマンドスイッチが追加され、該コマンドスイッチは動的構成をサポートし、CLI(Command-Line Interface、コマンドラインインタフェース)及びネットワーク管理コマンドを含むがこれらに限定されない。現在のシステムが仮想化シングルスライスシステムである場合、該切り替えスイッチが実行されると、システムは仮想化マルチスライスシステムに自動的に切り替わり、現在のシステムが仮想化マルチスライスシステムである場合、該切り替えスイッチが実行されると、システムは仮想化シングルスライスシステムに自動的に切り替わる。
【0029】
一実施形態では、前記管理スライスは、仮想化システムの通常スライスに対して、通常スライスの作成、通常スライスの削除、通常スライスのイネーブル、通常スライスのディセーブル、通常スライスへのリソース割り当て、通常スライスに割り当てられたリソースの回収、通常スライスCPUの構成、通常スライスモードの設定、通常スライス情報の照会、通常スライスインタフェースの切り替えのうち少なくとも1つの管理を行うことに用いられる。
【0030】
ここで、通常スライスモードは、混合モード(デフォルト構成)、シングルボードモード、専用ポートモード、共有ポートモードを含み、混合モードとは、シングルボードモード、専用ポートモード及び共有ポートモードをサポートし、すなわちリソース割り当てが制限されないことを意味する。スライス情報に影響されないソフトウェアモジュールはマルチスライスインスタンスで変更でき、このようなソフトウェアモジュールの異なるスライス間でのデータ、管理メッセージ、プロトコルパケットが互いに分離され、管理スライスVND0と通常スライスVNDxにかかわらず基本的に同じになる。
【0031】
このようなソフトウェアモジュールは、例えば、OAM(Operation Administration and Maintenance、運用及び保守管理)、プロトコルスタック、広帯域サービス、及びPON(Passive Optical Network、受動光ファイバネットワーク)サービスなどである。
【0032】
マルチスライスインスタンスで変更できないソフトウェアモジュールは、シングルプロセスに設定されるか、又は管理スライスに直接属する。前記ソフトウェアモジュールのデータは、グローバルデータとして設定され、データ伝送時にスライスIDを追加して異なるスライスを区別する。
【0033】
管理スライスVND0システムは一式で実現することを含み、通常スライスVNDxはこれに基づいて削減され(例えば、バージョン管理、シングルボードの追加・削除などのグローバルで体系的な機能が削減される必要がある)、スライスを区別するタスク又はプロセス登録メカニズムを提供することにより、サービスにタスク又はプロセスをスライスで開始するか否かを選択させ、また、処理を区別するために、スライス識別インタフェースをさらに提供して、サービスに、現在どのスライス内で実行されているかを決定させる。
【0034】
OM(Operation Manager、運用管理)モジュール、スライス管理モジュールなどの集中的に制御された管理モジュールについて、このようなモジュールは主に管理スライスVND0で完了し、リソースのスライス内での割り当て状況に基づいて、スライスに必要なデータを、スライス間のプロセス間通信メカニズムを介して対応するスライスに同期して、スライス機能のニーズを満たす必要がある。
【0035】
管理スライスVND0及び通常スライスVNDxはそれぞれの独立したファイルシステムを有し、スライスのファイルシステムはシステムの実行中に作成でき、所定の名付けルールに応じてスライスディレクトリが名付けられ、各スライスのファイルシステムは、構成ファイル、ONU(Optical Network Unit、光ネットワークユニット)ファイルなどを含むがこれらに限定されず、通常スライスVNDx同士のファイルシステムは互いに操作できないが、管理スライスVND0は全ての通常スライスのファイルシステムを操作して管理することができ、
各スライスにはそれぞれの独立した構成ファイルが存在するが、各スライスが開始される過程中にスライス自体の構成ファイルをロードすることは完全に並行するのではなく、根本的な原因は、管理スライスVND0と通常スライスVNDxが完全に同等ではないことにあり、システムのグローバルデータセットは管理スライスVND0にのみ存在し、通常スライスVNDxには本スライスのプライベートデータセットのみが存在し、通常スライスVNDxの構成データは実際に管理スライスVND0のグローバル構成データに依存する。
【0036】
従って、スライスの開始とロードのシーケンスには、管理スライスVND0が優先的に構成データをロードして有効にし(実際には、仮想化シングルスライスシステムの開始と一致するように維持する)、次に通常スライスVNDxがそれぞれのスライスのプライベート構成ファイルをロードするという制約がある。各通常スライスVNDxの間はいずれのシーケンスにも依存しない。スライスは自体のファイルディレクトリを有し、構成ファイルのロード過程中にスライスの所属するファイルシステムディレクトリから構成ファイル情報を読み取る必要がある。
【0037】
異なる能力のラインカードのリソース割り当て粒度は異なってもよく、リソースの制限によりマルチスライスインスタンスの作成をサポートできないラインカードについて、このタイプのラインカードに仮想化シングルスライスシステムを設定することを許可し、このとき、このタイプのラインカードは依然としてボードレベル粒度、ポートレベル粒度でマスタ制御シングルボードの通常スライスVNDxに割り当てることをサポートし、また、該ラインカードの異なる粒度リソースの帰属構成状況は、メッセージ交換中に、マスタ制御シングルボードにより統括に適合制御され、ここまで、マスタ制御シングルボードの仮想化マルチスライスシステムとラインカードの仮想化シングルスライスシステムとの間は、個別のメッセージ制御を追加するだけで、該ラインカードリソースの割り当て、回収管理を完了することができ、また、該ラインカードのボードカード状態及び関連警報などの情報の表示は、ラインカードの属する通常スライス及び管理スライスで制御されてもよく、他の通常スライスでは表示されない。
【0038】
マルチスライスインスタンスを作成できないラインカードの場合、このタイプのラインカードがポートレベルモードでマスタ制御シングルボードの通常スライスVNDxに割り当てられた場合、現在のラインカードのシングルスライスインスタンスは、物理的及び論理的に管理スライスVND0と同等であり、該ラインカードの一部のポートは論理的に通常スライスVNDxに割り当てられた後、このタイプのポートとマスタ制御シングルボードの情報交換はいずれも属する通常スライスVNDxに転送する必要があり、マスタ制御シングルボードはこのタイプのポート情報を受信して報告するときにポートのスライス帰属を優先的に照会し、次に管理スライスVND0によってリソースの属する対応する通常スライスVNDxに転送し、マスタ制御通常スライスVNDxの情報が発行された場合、マスタ制御シングルボードに適合処理を追加する必要があり、通常スライスVNDxの情報を管理スライスVND0に転送し、次にマスタ制御管理スライスとラインカードと同等な管理スライスとの間の情報交換を実現し、ラインカードはマスタ制御マルチスライスエンティティの存在を感知する必要がない。
【0039】
マルチスライスインスタンスを作成できないラインカードの場合、このタイプのラインカードがシングルボードレベルモードでマスタ制御シングルボードの通常スライスVNDxに割り当てられた場合、このとき、該ラインカードのシングルスライスエンティティは物理的に管理スライスVND0と同等であるが、論理的には、該ラインカードはすでに通常スライスVNDxに属し、このとき、該ラインカードソフトウェアの各モジュールも原則としてマスタ制御マルチスライスエンティティの存在を感知する必要がなく、各モジュールの相互作用ニーズと互換性を有するために(ラインカードのグローバル、体系的なメッセージ交換が依然としてマスタ制御管理スライスVND0と相互作用する必要があるが、ラインカードにおけるサービスモジュールはマスタ制御帰属スライスVNDxと相互作用する必要がある)、ラインカードの位置する現在のスライス情報を取得するインタフェースが提供され、前記インタフェースは物理スライス情報又は論理スライス情報を取得するように提供され、マスタ制御マルチスライスエンティティに影響されるモジュールは物理スライス情報を取得するインタフェースを利用してメッセージ交換を行う必要があり、マスタ制御マルチスライスエンティティに影響されないモジュールは論理スライス情報を取得するインタフェースを利用してメッセージ交換を行う必要がある。
【0040】
ラインカードリソースが通常スライスVNDxに属する場合、マスタ制御シングルボードとラインカードの既存の仮想化シングルスライスシステムの通信方法を簡単に適合させ、識別して指定されたスライスに送信し、通常スライスと管理スライスとの間のプロセス間通信を追加する必要がある。従って、スライス間の相互作用については、必要に応じて、既存の関数インタフェース呼び出し関係をスライスプロセス間のプロセス間呼び出しに変更する必要がある。
【0041】
ボードカード管理は、システム制御のコアモジュールの1つとして、その主な機能はシステムにおける様々なハードウェアリソースを管理して制御し、ハードウェアリソースの状態変化をリアルタイムにモニタリングし、上層サービスに信頼できるハードウェアリソース状態を提供し、さらにユーザがシステムの実行状態を理解するために信頼できるデータを提供することである。
【0042】
ボードカード管理とは、簡単に言えば、システムによって制御されるシングルボード状態を維持することであり、シングルボードの実際の動作状況に基づき、シングルボードの状態を維持し、ユーザはシングルボードの状態に基づいてサービス状態を初歩的に判断し、例えば、シングルボードがINSERVICEにある場合、サービス状態が正常であることを初歩的に判断できる。
【0043】
以下の表1に示すように、シングルボード状態は必要に応じて以下の複数種を有してもよい。
【0044】
【0045】
システムがマルチスライスをサポートすると、シングルボードリソースは管理スライスVND0に静的にバインディングされなくなり、シングルボードリソースを通常スライスVNDxに割り当てることを動的にサポートする必要がある。
【0046】
このように、通常スライスVNDxシステムには該スライスに属するシングルボードの状態を維持する必要があり、既存のシングルボード状態の管理構造にはシングルボードのスライスレベル状態を追加する必要がある。
【0047】
シングルボードのスライスレベル状態のHWONLINE/OFFLINEは依然として管理スライスVND0のボードスキャンにより決められ、ボードスキャンが位置にあるか又は位置から外れており、管理スライスVND0は、ボードレベルのシングルボード状態をHWONLINE/OFFLINEに設定することに加えて、さらにシングルボードのリソーススライス帰属に基づいて該シングルボードの属する通常スライスVNDxのスライスレベル状態をHWONLINE/OFFLINEに設定する必要がある。
【0048】
また、ラインカードとマスタ制御との間のキープアライブハートビートもシングルボードの状態に影響する。シングルボードスライスレベルのCONFIGING状態は、マスタ制御通常スライスVNDx内のラインカードCARDUP(シングルボードのオンライン)メッセージによってトリガーされて遷移され、また、通常スライスVNDx内のサービスはシステムCARDUPメッセージを受信すると、サービス構成処理を行い、サービス構成が有効になると通常スライスVNDx内のシステムボードカード管理モジュールに通知し、該シングルボードの通常スライスVNDx内のシングルボードのスライスレベル状態をINSERVICE状態にリフレッシュする。
【0049】
以上より、シングルボードリソースが通常スライスVNDxに属する場合、該シングルボードの物理的状態の遷移に関連する場合、該シングルボードのスライスレベル状態と該シングルボードの管理スライス内のボードレベル状態は同期に維持され、該シングルボードサービスの有効状態の遷移に関連する場合、該シングルボードのスライスレベル状態はシングルボードに属するスライスサービスの実際の有効状況に完全に依存し、処理プロセスは管理スライスVND0と完全に一致し、処理プロセスが完全に再利用される。
【0050】
仮想化マルチスライスシステムがサポートされると、警報管理について適切な適合処理を行う必要があり、各スライスはそれぞれの警報管理モジュール及び警報管理プールを有するため、警報機能はそれぞれ分離されている。リソースが制限されたラインカードは対応するマスタ制御帰属スライスに警報を送信する必要があるが、間違ったスライスに送信してはならない。
【0051】
デフォルトの場合、システムの全てのリソースは管理スライスVND0に属し、通常スライスVNDxが作成された後、リソースを通常スライスVNDxに割り当てることができる。シングルボード、ポート専用モードでスライスが割り当てられる場合、このとき、リソースは管理スライスVND0からある通常スライスVNDxに割り当てられ、管理スライスVND0は該リソースを有しなくなる。
【0052】
ポート共有モードでスライスが割り当てられる場合、管理スライスVND0及び通常スライスVNDxには該ポートが同時にある。リソースが通常スライスVNDxから回収される場合、シングルボード及びポート専用で通常スライスVNDxから管理スライスVND0に直接返され、管理スライスVND0には該リソースを追加し、通常スライスVNDxからは該リソースを削除する。ポート共有モードでの回収の場合、通常スライスVNDxから該リソースを削除すればよく、管理スライスVND0に該リソースを追加する必要がなく、該リソースの割り当てを共有から専用モードに変更するだけでよい。
【0053】
マルチスライスの場合、一方では、システムはシングルボードを追加する場合にシングルボード情報をデフォルトで所属する管理スライスVND0に追加することに加えて、さらに該シングルボードでの全ての物理ポートのレコードをデフォルトで所属する管理スライスVND0に追加する必要があり、このように、管理スライスVND0でのシングルボード及びポートリソースが後続の通常スライスVNDxの割り当て可能なリソースの管理の基礎として使用される。
【0054】
他方では、システムはシングルボードを削除する場合に管理スライスVND0でのシングルボードのレコードを削除することに加えて、さらに追加された該シングルボードでの全ての物理ポートのレコードを共に削除する必要がある。他の各通常スライスVNDxで所属するシングルボードを照会する場合に通常スライス自体のVNDのIDに基づいてフィルタリングし、本スライスに属するリソースのみを表示する必要がある。プラグアンドプレイシングルボードについて、実際のボードのタイプを検出したとき、上記ボード追加操作プロセスに応じて処理すればよい。
【0055】
システムリソースを割り当てる具体的なルールは以下の4つを含んでもよい。
【0056】
一番目は、サービスボードに従って割り当てが行われるものとして、このとき、スライスは割り当てられたサービスボードを専用し、該サービスボードでのポート、ONT(Optical Network Terminal、光ネットワーク端末)などのオブジェクトは、いずれも対応する通常スライスVNDxシステムに属する。
【0057】
ただし、通常スライスVNDxでは割り当てられたシングルボードをリセットしたり、シングルボードの状態を確認したり、シングルボード警報を報告したりすることができる。管理スライスVND0は最大の管理権限を有するため、管理スライスVND0では依然としてシングルボードを削除、リセットしたり、シングルボードの状態を確認したり、シングルボード警報を報告したりすることができる。
【0058】
二番目は、物理ポート専用モードに応じて割り当てが行われるものとして、このとき、スライスは得られたポートを専用する。異なるポートを異なるスライスに分割することができ、この場面では、同一のシングルボードでの物理ポートが異なるスライスに属することを許可し、すなわち、ポート粒度に応じて1つずつバインディングする。該ポートの属するスライスで、ポートに対して関連する構成管理、ポート状態の照会などの操作を行うことができる。
【0059】
三番目は、物理ポート共有モードに応じて割り当てが行われるものとして、1つの物理ポートは複数のスライスに同時に割り当てられ、このとき、複数のスライスはいずれも該物理ポートを有する。例えば、PONポートが複数のスライスに同時に割り当てられ、このように、各スライスが最終的に得られる光ネットワークユニットONUが異なり、このような方法は、1つのPONポートで異なるユーザが異なる仮想スライスシステムに属することを実現できる。
【0060】
四番目は、物理ポートのサービスサブインタフェースに応じて割り当てが行われるものとして、管理スライスVND0によって作成されたONUで構成されたサービス仮想サブインタフェースを複数の仮想OLTスライスシステムに割り当てることができ、このような方法は、同一のONTのうちの異なるサービスストリームが異なる仮想スライスシステムに属することを実現でき、サービスストリームに基づく仮想システムを利用して管理し、顧客により柔軟な選択を提供する。
【0061】
物理的なオブジェクトは、異なる粒度及び仮想スライスシステムによりバインディングされ、割り当て方法から見れば、各仮想OLTスライスは割り当てられたシステムリソースを取得した後、1つの独立した完全な仮想OLTシステムを形成し、すなわち完全なOLT機器の機能を有し、1つのOLT機器について、リソースを合理的に分割することにより複数種のサービスニーズを満たすために使用できる複数のOLT機器を得ることに相当する。
【0062】
マルチスライスがサポートされると、通常スライスVNDxと管理スライスVND0は管理権限が同等ではないため、管理スライスVND0は関連する全ての管理権限を有するが、通常スライスVNDxは管理権限が制御される必要があり、通常スライスVNDxでユーザ側のリソースを管理することを実現するために、具体的にサポートされるスライス構成モードは以下の複数を含む。
【0063】
一番目は、シングルボードレベルスライスモードとして、通常スライスVNDxが該スライスモードとして設定されると、該スライスのリソース割り当てに対して、全てをシングルボード粒度のリソース割り当てに制限し、ポートなどの他の粒度でリソースを該スライスに割り当てることを許可しない。
【0064】
二番目は、専用ポートレベルスライスモードとして、通常スライスVNDxが該スライスモードとして設定されると、該スライスのリソース割り当てに対して、全てを専用モードのポート粒度のリソース割り当てに制限し、シングルボード又は他のモードのポート粒度などでリソースを該スライスに割り当てることを許可せず、専用ポートでスライスを割り当てることは、該ポートが管理スライスVND0から通常スライスVNDxに割り当てられた後、該ポートリソースが通常スライスVNDxに完全に属し、管理スライスVND0に属さなくなることを意味する。
【0065】
三番目は、共有ポートレベルスライスモードとして、通常スライスVNDxが該スライスモードに設定されると、該スライスのリソース割り当てに対して、全てを共有モードのポート粒度でのリソース割り当てに制限し、シングルボード又は他のモードのポート粒度などでリソースを該スライスに割り当てることを許可せず、共有ポートでスライスを割り当てることは、該ポートが管理スライスVND0から通常スライスVNDxに割り当てられた後、該ポートリソースが通常スライスVNDxに属するだけでなく、該ポートリソースが依然として管理スライスVND0にも属することを意味し、このような共有モードでポートを割り当て、管理スライスVND0は該ポートの帰属変化を感知する必要がなく、必要な場合にポートの構成モードの変化のみを感知すればよく(ポートは専用帰属VND0から共有帰属VND0に変更される)、また、該ポートに関連する様々な統計は管理スライスVND0において何の変化もない。
【0066】
四番目は、混合スライスモードとして、該スライスモードは通常スライスVNDxと管理スライスVND0のデフォルトスライスモードであり、該スライスモードで、リソースがスライスに割り当てられることはいずれも制限されない。
【0067】
上記のスライスに対する制御説明はデフォルトで通常スライスVNDxに対する処理であり、通常スライスVNDxが作成された後、デフォルトのスライスモードがいずれも混合スライスモードであることを要求し、スライスモード切り替えコマンドを追加することにより、所定の条件を満たす場合に通常スライスVNDxのスライスモードを切り替えることができる。
【0068】
リソース割り当てには異なる粒度、異なる方法が存在するため、操作の使いやすさ又は容易に実現できる原則のために、リソースの配置制約を実現する2つの方法がある。すなわち、第1方法として、コマンドインタフェースからリソース割り当てを選択する場合に直接制限し、リソース割り当てコマンドを実行する場合に、サポートされていないリソース粒度をフィルタリングし、構成をサポートするリソース粒度のみを表示する。
【0069】
第2方法として、いくつかの場面で割り当てられたリソース粒度を正確にフィルタリングできない場合、リソース割り当てコマンドが発行されると、リソース割り当てコマンドが実際に実行される前にリソースチェック制御を統括して追加し、制約条件を満たさないか又は合致しないリソース割り当てを失敗応答で返すとともに、有益なエラープロンプトを与えてユーザに注意を喚起するという折衷方法がある。
【0070】
リソース割り当ての具体的な制約ルールは以下の少なくとも1つを含んでもよい。
【0071】
スライスシングルボードモードでは、シングルボードの割り当てのみがサポートされ、他の粒度のリソース割り当てがサポートされず、
スライス専用ポートモードでは、割り当て専用モードでのポートの割り当てのみがサポートされ、他のモードでリソースを割り当てることがサポートされず、
スライス共有ポートモードでは、割り当て共有モードでのポートの割り当てのみがサポートされ、他のモードでリソースを割り当てることがサポートされず(ポートが割り当てられるには、構成を区別するモードを示す明確な属性が必要である)、
スライスモードを切り替えるとき、混合モードでのスライスを他のスライスモードに任意に切り替えることができ、
スライスモードを切り替えるとき、シングルボードモードでのスライスを、リソースが割り当てられていない場合、他のスライスモードに任意に切り替えることができ、リソースがある場合、混合モードにのみ切り替えることができ、
スライスモードを切り替えるとき、専用ポートモードでのスライスを、リソースが割り当てられていない場合、他のスライスモードに任意に切り替えることができ、リソースがある場合、混合モードにのみ切り替えることができ、
スライスモードを切り替えるとき、共有ポートモードでのスライスを、リソースが割り当てられていない場合、他のスライスモードに任意に切り替えることができ、リソースがある場合、混合モードにのみ切り替えることができる。
【0072】
シングルボードのメモリリソースも制限され、各スライスプロセスインスタンスが開始されると所定のシステムメモリを消費するため、サポートされるスライスの作成数も制限され、また、スライスの開始数が多すぎて、シングルボードのメモリ範囲を超えても、OOM(Out Of Memory、メモリ不足)がトリガーされ、メモリが不足となるためシステムがリセットされる。
【0073】
従って、スライスの作成過程中にスライス容量を判断する必要があり、システムによってサポートされる最大数になる時に新たなスライスの作成を続けることは許可されない。具体的な判決条件は、メモリリソースを含むがこれに限定されず、制限タイミングはマスタ制御シングルボードにスライスが作成される時に制限されるタイミングであり、スライスエンティティプロセスが実際に開始されたか否かに依存せず、スライスの数の構成が成功すると開始が成功できるべきことを確保するためである。
【0074】
既存のソフトウェアシステムは仮想化マルチスライスを実現した後、リソーステンプレートの管理はいずれも管理スライスVND0に集中的に制御される必要があり、管理スライスVND0でも通常スライスVNDxでも、リソーステンプレートの作成、削除、修正、照会はいずれも管理スライスVND0によって管理及び制御され、他の通常スライスVNDxは、管理スライスVND0によって構成された容量指標に基づいて対応するサービス構成を制御することしかできない。
【0075】
実施例2
図2に示すように、本発明の実施例は、ラインカードシングルボードに適用される仮想化方法であって、
ラインカードシングルボードのリソース量に基づいて、前記ラインカードシングルボードに仮想化マルチスライスシステム又は仮想化シングルスライスシステムを構成するステップであって、前記仮想化マルチスライスシステムは管理スライス及び通常スライスを含み、前記仮想化シングルスライスシステムは管理スライスを含むステップS210と、
ラインカードシングルボードの管理スライスとマスタ制御シングルボードの管理スライスとの間の通信により、ラインカードシングルボードの仮想化システムとマスタ制御シングルボードの仮想化システムとの間のボード間通信を実現するステップS220と、を含む仮想化方法を提供する。
【0076】
一実施形態では、ラインカードシングルボードのリソース量に基づいて、前記ラインカードシングルボードに仮想化マルチスライスシステム又は仮想化シングルスライスシステムを構成する前記ステップは、ラインカードシングルボードのリソース量によってリソースが十分であることが示される場合、前記ラインカードシングルボードに仮想化マルチスライスシステムを構成するステップと、ラインカードシングルボードのリソース量によってリソースが制限されることが示される場合、前記ラインカードシングルボードに仮想化シングルスライスシステムを構成するステップと、を含み、一実施形態では、前記ラインカードシングルボードのリソースはボードレベル粒度でマスタ制御シングルボードの管理スライス又は通常スライスに割り当てられ、又は、前記ラインカードシングルボードのリソースはポートレベル粒度及びポート専用モードでマスタ制御シングルボードの管理スライス又は通常スライスに割り当てられ、又は、前記ラインカードシングルボードのリソースはポートレベル粒度及びポート共有モードでマスタ制御シングルボードの管理スライス及び通常スライスに割り当てられる。
【0077】
一実施形態では、前記ラインカードシングルボードのリソースをマスタ制御シングルボードの通常スライスに割り当てた後、前記ラインカードシングルボードが仮想化シングルスライスシステムとして構成された場合、ラインカードシングルボードの管理スライスによってマスタ制御シングルボードの管理スライスにデータを送信する。
【0078】
一実施形態では、前記ラインカードシングルボードのリソースをマスタ制御シングルボードの通常スライスに割り当てた後、前記ラインカードシングルボードが仮想化マルチスライスシステムとして構成された場合、ラインカードシングルボードの管理スライスによってマスタ制御シングルボードの管理スライスにデータを送信し、ラインカードシングルボードの通常スライスの識別情報を運び、前記ラインカードシングルボードの通常スライスとマスタ制御シングルボードの通常スライスは1対1の対応関係を有する。
【0079】
一実施形態では、ラインカードシングルボードの管理スライスとマスタ制御シングルボードの管理スライスとの間の通信により、ラインカードシングルボードの仮想化システムとマスタ制御シングルボードの仮想化システムとの間のボード間通信を実現する前記ステップは、前記ラインカードシングルボードの管理スライスは、前記ラインカードシングルボードが仮想化マルチスライスシステムである場合、マスタ制御シングルボードの管理スライスによって転送されたデータを受信し、前記データが実際に前記ラインカードシングルボードの管理スライスに属する場合、データを処理し、前記データが実際にラインカードシングルボードの通常スライスに属する場合、前記データを前記ラインカードの通常スライスに転送して処理させるステップと、前記ラインカードシングルボードが仮想化シングルスライスシステムである場合、マスタ制御シングルボードの管理スライスによって転送されたデータを受信して処理するステップと、を含む。
【0080】
実施例3
図3に示すように、本発明の実施例は、マスタ制御シングルボードに適用される仮想化装置であって、ラインカードシングルボードのリソースをマスタ制御シングルボードの仮想化システムのスライスに割り当てるように構成されるリソース割り当てモジュール301であって、前記スライスは管理スライス及び/又は通常スライスを含むリソース割り当てモジュール301と、マスタ制御シングルボードの管理スライスとラインカードシングルボードの管理スライスとの間の通信により、マスタ制御シングルボードの仮想化システムとラインカードシングルボードの仮想化システムとの間のボード間通信を実現するように構成される通信モジュール302と、を含む仮想化装置を提供する。
【0081】
一実施形態では、リソース割り当てモジュールは、以下の方法でラインカードシングルボードのリソースをマスタ制御シングルボードの仮想化システムのスライスに割り当てるように構成さる。
【0082】
すなわち、ボードレベル粒度でラインカードシングルボードのリソースをマスタ制御シングルボードの管理スライス又は通常スライスに割り当て、又は、ポートレベル粒度及びポート専用モードでラインカードシングルボードのリソースをマスタ制御シングルボードの管理スライス又は通常スライスに割り当て、又は、ポートレベル粒度及びポート共有モードでラインカードシングルボードのリソースをマスタ制御シングルボードの管理スライス及び通常スライスに割り当てる。
【0083】
一実施形態では、通信モジュールは、以下の方法でマスタ制御シングルボードの管理スライスとラインカードシングルボードの管理スライスとの間の通信により、マスタ制御シングルボードの仮想化システムとラインカードシングルボードの仮想化システムとの間のボード間通信を実現するように構成され、
すなわち、ラインカードシングルボードのリソースをマスタ制御シングルボードの通常スライスに割り当てた後、前記マスタ制御シングルボードの管理スライスを前記マスタ制御シングルボードの仮想化システムの通信プロクシとして使用し、マスタ制御シングルボードの通常スライスとラインカードシングルボードの仮想化システムとの間のデータ転送を行う。
【0084】
一実施形態では、通信モジュールは、以下の方法で前記マスタ制御シングルボードの管理スライスを前記マスタ制御シングルボードの仮想化システムの通信プロクシとして使用し、マスタ制御シングルボードの通常スライスとラインカードシングルボードの仮想化システムとの間のデータ転送を行うように構成される。
【0085】
すなわち、前記マスタ制御シングルボードの管理スライスがラインカードシングルボードの仮想化システムからのデータを受信した後、前記データにラインカードシングルボードの通常スライスの識別情報が含まれる場合、前記データを前記ラインカードシングルボードの通常スライスに対応するマスタ制御シングルボードの通常スライスに転送し、
前記ラインカードシングルボードは仮想化マルチスライスシステムとして構成され、前記仮想化マルチスライスシステムは管理スライス及び通常スライスを含み、前記ラインカードシングルボードの通常スライスとマスタ制御シングルボードの通常スライスは1対1の対応関係を有する。
【0086】
一実施形態では、通信モジュールは、以下の方法で前記マスタ制御シングルボードの管理スライスを前記マスタ制御シングルボードの仮想化システムの通信プロクシとして使用し、マスタ制御シングルボードの通常スライスとラインカードシングルボードの仮想化システムとの間のデータ転送を行うように構成され、
すなわち、前記マスタ制御シングルボードの管理スライスがラインカードシングルボードの仮想化システムからのデータを受信した後、前記データにラインカードシングルボードの管理スライスの識別情報が含まれる場合、前記ラインカードシングルボードのリソース割り当て粒度を照会する。
【0087】
前記ラインカードシングルボードのリソース割り当て粒度がボードレベル粒度である場合、前記ラインカードシングルボードの属するマスタ制御シングルボードの通常スライスを決定し、前記データを前記マスタ制御シングルボードの通常スライスに転送し、前記ラインカードシングルボードのリソース割り当て粒度がポートレベル粒度である場合、前記ラインカードポートの属するマスタ制御シングルボードの通常スライスを決定し、前記データを前記マスタ制御シングルボードの通常スライスに転送する。
【0088】
一実施形態では、通信モジュールは、以下の方法で前記マスタ制御シングルボードの管理スライスを前記マスタ制御シングルボードの仮想化システムの通信プロクシとして使用し、マスタ制御シングルボードの通常スライスとラインカードシングルボードの仮想化システムとの間のデータ転送を行うように構成される。
【0089】
すなわち、マスタ制御シングルボードの通常スライスはラインカードシングルボードに送信された送信対象のデータをマスタ制御シングルボードの管理スライスに送信し、
前記マスタ制御シングルボードの管理スライスは、前記ラインカードシングルボードが仮想化マルチスライスシステムである場合、前記送信対象のデータを前記ラインカードシングルボードの管理スライスに送信し、前記ラインカードシングルボードが仮想化シングルスライスシステムである場合、前記送信対象のデータのスライス帰属を前記ラインカードシングルボードの管理スライスに変更し、前記送信対象のデータを前記ラインカードシングルボードの管理スライスに送信する。
【0090】
一実施形態では、前記仮想化装置は状態管理モジュール303をさらに含み、
前記状態管理モジュールは、前記マスタ制御シングルボードの管理スライスがラインカードシングルボードの状態情報を維持するとともに、前記ラインカードシングルボードのリソースの属するマスタ制御シングルボードの通常スライスに同期するように構成される。
【0091】
実施例4
図4に示すように、本発明の実施例は、ラインカードシングルボードに適用される仮想化装置であって、
ラインカードシングルボードのリソース量に基づいて、前記ラインカードシングルボードに仮想化マルチスライスシステム又は仮想化シングルスライスシステムを構成するように構成されるシステム構成モジュール401であって、前記仮想化マルチスライスシステムは管理スライス及び通常スライスを含み、前記仮想化シングルスライスシステムは管理スライスを含むシステム構成モジュール401と、
ラインカードシングルボードの管理スライスとマスタ制御シングルボードの管理スライスとの間の通信により、ラインカードシングルボードの仮想化システムとマスタ制御シングルボードの仮想化システムとの間のボード間通信を実現するように構成される通信モジュール402と、を含む仮想化装置を提供する。
【0092】
一実施形態では、前記システム構成モジュールは、ラインカードシングルボードのリソース量によってリソースが十分であることが示される場合、前記ラインカードシングルボードに仮想化マルチスライスシステムを構成し、ラインカードシングルボードのリソース量によってリソースが制限されることが示される場合、前記ラインカードシングルボードに仮想化シングルスライスシステムを構成するように、ラインカードシングルボードのリソース量に基づいて、前記ラインカードシングルボードに仮想化マルチスライスシステム又は仮想化シングルスライスシステムを構成するように構成される。
【0093】
一実施形態では、前記ラインカードシングルボードのリソースをマスタ制御シングルボードの通常スライスに割り当てた後、前記ラインカードシングルボードが仮想化シングルスライスシステムとして構成された場合、ラインカードシングルボードの管理スライスによってマスタ制御シングルボードの管理スライスにデータを送信し、前記ラインカードシングルボードが仮想化マルチスライスシステムとして構成された場合、ラインカードシングルボードの管理スライスによってマスタ制御シングルボードの管理スライスにデータを送信し、ラインカードシングルボードの通常スライスの識別情報を運び、前記ラインカードシングルボードの通常スライスとマスタ制御シングルボードの通常スライスは1対1の対応関係を有する。
【0094】
一実施形態では、通信モジュールは、以下の方法でラインカードシングルボードの管理スライスとマスタ制御シングルボードの管理スライスとの間の通信により、ラインカードシングルボードの仮想化システムとマスタ制御シングルボードの仮想化システムとの間のボード間通信を実現するように構成され、すなわち、前記ラインカードシングルボードの管理スライスは、前記ラインカードシングルボードが仮想化マルチスライスシステムである場合、マスタ制御シングルボードの管理スライスによって転送されたデータを受信し、前記データが実際に前記ラインカードシングルボードの管理スライスに属する場合、データを処理し、前記データが実際にラインカードシングルボードの通常スライスに属する場合、前記データを前記ラインカードの通常スライスに転送して処理させ、前記ラインカードシングルボードが仮想化シングルスライスシステムである場合、マスタ制御シングルボードの管理スライスによって転送されたデータを受信して処理する。
【0095】
実施例5
本発明の実施例は仮想化装置であって、
メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶され、前記プロセッサで実行可能な仮想化プログラムと、を含み、前記仮想化プログラムが前記プロセッサによって実行されると、上記実施例1又は実施例2における仮想化方法のステップを実現する仮想化装置を提供する。
【0096】
実施例6
本発明の実施例はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、プロセッサによって実行されると、上記実施例1又は実施例2における仮想化方法のステップを実現する仮想化プログラムが記憶されている、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0097】
以下、例1~例11を参照しながら本願の仮想化方法をさらに説明する。
【0098】
例1
図5に示すように、マスタ制御シングルボードは
仮想化シングルスライスシステムと
仮想化マルチスライスシステムとの切り替えをサポートする。ただし、論理スライスは物理的にシングルプロセスであってもよく、マルチプロセスグループであってもよい。以下、説明の便宜上、
仮想化シングルスライスシステムがデフォルトでシングルプロセスとして存在するものとする。
【0099】
既存の仮想化シングルスライスシステムソフトウェア構造の形態を変更することなく、仮想化マルチスライスシステムをサポートすることを実現するために、バージョン構築が変化する必要がなく、依然としてシングルプロセスが構築され、該シングルプロセスの映像ファイルは管理スライスVND0の実行可能なプログラムとして使用されるだけでなく、通常スライスVNDx(x=1、2、3…)の実行可能なプログラムとしても使用され、実現方法としては、プロセスを作成するとき、スライスIDなどの異なる開始パラメータに基づいて区別を制御する。
【0100】
仮想化シングルスライスシステムと互換性があるように、仮想化マルチスライスシステムに対して、管理スライスが開始される場合、管理スライスのスライスIDがデフォルトで0になり、通常スライスVNDxが開始される場合、ユーザが具体的に指定したスライスIDをスライス開始の制御パラメータとして使用する。
【0101】
初期化動作が開始されるとき、スライスIDに基づいてスライスを区別し、このように作成された複数のスライスは論理的に異なるスライスとして存在する。仮想化シングルスライスシステムにとっては、1つのスライスインスタンスを開始することに相当し、仮想化マルチスライスシステムにとっては、複数のスライスインスタンスを開始することに相当する。
【0102】
仮想化シングルスライスシステムと仮想化マルチスライスシステムとの切り替えを実現することに用いられるシステムコマンドが追加される。該システムコマンドは動的構成コマンドであってもよい。システムはデフォルト状態で仮想化マルチスライスシステムをサポートしていない。ユーザは手動で該システムコマンドを設定して開く場合、先ず構成を保存して再始動してから、システムを仮想化マルチスライスシステムをサポートするように切り替える。このとき、仮想化シングルスライスシステムに切り替えようとすれば、該システムコマンドを動的に閉じて、構成を保存して再始動する必要があり、すると、システムが仮想化シングルスライスシステムに切り替える。仮想化マルチスライスシステムの管理スライスVND0プロセスと仮想化シングルスライスシステムのシングルプロセスは構成ファイルに関して互換性があることを実現できる。
【0103】
仮想化シングルスライスシステムのスライスインスタンスとOLT仮想化マルチスライスシステムのスライスインスタンスは同一の映像ファイルであってもよく、共同コード及び共同バージョンで構築されてもよい。しかし、管理スライスと通常スライスは、実際のモジュール処理には違いがあり、この問題に対して、OLTシステムにおけるソフトウェアモジュールの帰属を明確に設定でき、例えば、OAM(Operation Administration and Maintenance、運用及び保守管理)、プロトコルスタック、広帯域サービス、及びPON(Passive Optical Network、受動光ファイバネットワーク)サービスなどの、スライス情報に影響されないソフトウェアモジュールを変更することができ(例えば、これらのモジュールの初期化起動時にスライスを区別する必要がない)、各ソフトウェアモジュールは複数のスライスに属してもよく、このタイプのソフトウェアモジュールの異なるスライス間でのデータ、管理メッセージ、プロトコルパケットが互いに分離され、管理スライスVND0と通常スライスVNDxにかかわらず基本的に同じになる。
【0104】
マルチスライスインスタンスで変更できないソフトウェアモジュールは管理スライスVND0に直接属して初期化されてもよく、このとき、このタイプのモジュールのデータはグローバルに1部のみになる。また、スライスVND IDの情報を追加して他の通常スライスのサービスモジュールと管理スライスのグローバルモジュールとのデータ交換を区別することができる。
【0105】
仮想化マルチスライスシステムでは、各スライスはそれぞれの独立したファイルシステムを有し、スライスのファイルシステムはシステムの実行中に作成でき、所定の名付けルールに応じてスライスディレクトリ(例えば、管理スライス:\flash\VND0\、通常スライス1:\flash\VND1\、通常スライス2:\flash\VND2\)が名付けられ、各スライスのファイルシステムは、構成ファイル、ONUファイルなどを含むがこれらに限定されず、通常スライスVNDx同士のファイルシステムは互いに操作できず、通常スライスVNDxは自体のファイルシステムしか管理できないが、管理スライスVND0は全てのスライスのファイルシステムを操作して管理することができる。
【0106】
例2
図6に示すように、ラインカードリソースが十分である場合、ラインカードは
仮想化マルチス
仮想化ライスシステムをサポートすることができる。ラインカードリソースがスライスに割り当てられると、該ラインカードは対応するスライスインスタンスを開始し、該ラインカードによって作成されたスライスプロセスエンティティはスライスに影響されないサービスモジュールの一部のみを含み、グローバルモジュールは依然としてラインカードの管理スライスVND0で作成され、このとき、該ラインカードは異なる通常スライスのサービスが完全に分離され、サービスの実現に関して1つの論理スライスインスタンスが複製されたとみなすことができ、また、該ラインカードのスライスプロセスエンティティのサービスモジュールは、グローバルモジュールへのアクセスに関連する場合、プロセス間のデータ交換によりアクセスする必要がある。
【0107】
例3
図7に示すように、ラインカードのリソースが制限される場合、ラインカードは
仮想化シングルスライスシステムしかサポートすることができない。該リソースが制限されたラインカードはメモリ、ハードウェアなどのリソースの制約により、シングルボードはマルチスライスエンティティプロセスの開始をサポートできないが、該シングルボードはスライスの割り当てをサポートするために、いくつかの適合処理を行うことができる。
【0108】
リソースが制限されたラインカードがシングルボードレベルモードで通常スライスに割り当てられた場合、該シングルボードの論理サービス処理はいずれも対応する通常スライスドメイン内で処理される必要があり、サービス上、該ラインカードは管理スライスではなく通常スライスに属するとみなされるが、該ラインカードの物理エンティティプロセスは依然として管理スライスVND0の身元で実行される。
【0109】
該ラインカードソフトウェアの各サービスモジュールは原則としてマルチスライスエンティティの存在を感知する必要がなく、同一のスライスドメイン内のオブジェクトと相互作用するだけでよいが、物理的な観点からは、サービスモジュールはハードウェアリソース及びボード間通信を取得し、物理的にラインカードのグローバル、体系的なハードウェア、通信モジュールなどによって完了し、マスタ制御仮想化マルチスライスシステムと該ラインカード仮想化シングルスライスシステムとのメッセージ交換の適合を実現するには互換性が有する必要があり(ラインカードのグローバル、体系的なメッセージ交換は依然としてマスタ制御管理スライスVND0と相互作用する必要があるが、ラインカードにおけるサービスモジュールはマスタ制御帰属スライスVNDxと相互作用する必要がある)、物理スライス情報を取得するインタフェースが提供され、ラインカードのグローバル、体系的なモジュールアプリケーションに用いられ、このタイプのモジュールはスライスに影響され、自体の相互作用オブジェクトを物理的に識別して、物理スライス情報を取得する必要がある。
【0110】
該場面では、取得された物理スライス情報は管理スライスVND0である。論理スライス情報を取得するインタフェースが提供され、PONなどのサービスモジュールアプリケーションに用いられ、当該モジュールはスライスに影響されず、自体の位置するスライスを感心する必要がなく、該場面は、サービスモジュールによって取得された論理スライス情報は通常スライスVNDxであり、このように処理されると、ボード全体が通常スライスに割り当てられるが、該ラインカードの論理処理はスライスドメイン内の処理を実現し、該ラインカードのグローバルモジュールは物理的にマスタ制御管理スライスVND0と相互作用する。
【0111】
該ラインカードのサービスモジュールのボード間相互作用は論理スライスドメイン内のモジュールと相互作用する必要があり、該ラインカードのグローバル制御情報のボード間交換は依然としてマスタ制御シングルボードの管理スライスVND0と相互作用する必要があり、このように、ラインカードがメッセージを送信した場合、指定されたターゲットスライスIDが含まれる必要があり、マスタ制御シングルボードがラインカードメッセージを受信した場合、付加処理を必要とすることなく、メッセージに含まれたスライス情報に直接基づき、マスタ制御管理スライスVND0によってメッセージをそのまま転送し、対応するスライス内に転送して処理させる。
【0112】
マスタ制御メッセージが発行された場合、マスタ制御管理スライスVND0と通常スライスVNDxでのモジュールがボード間メッセージを送信するため、スライスドメイン内の相互作用のみになる。
【0113】
従って、このとき、ラインカードがマスタ制御メッセージを受信した場合、該ラインカード自体はシングルエンティティプロセスであるため、全てのラインカードによって受信された異なるスライスからのメッセージは、原則として現在のエンティティプロセスの対応するモジュールにそのまま送信されて処理されてもよく、このように処理されると、ラインカードが物理エンティティを統合して異なる論理の適合処理を完了することを基本的に実現する。
【0114】
例4
図8に示すように、ラインカードのリソースが十分である場合、ラインカードは
仮想化マルチスライスシステムをサポートすることができる。リソースが十分なラインカードがポートレベルモードで通常スライスに割り当てられた場合、該ラインカードで対応するスライスエンティティプロセスを開始し、物理的及び論理的に、該ポートの処理モジュールはいずれも通常スライスVNDxに属し、実際の適合処理としては、第1適合層(通信適合層)を介して通常スライスVNDxの情報を管理スライスVND0に転送し、ラインカードからのメッセージを、第1適合層(通信適合層)を介して管理スライスVND0から通常スライスVNDxに転送する。
【0115】
ラインカード側はマスタ制御マルチスライスメッセージを受信した場合、そのままのスライス情報に基づいて本ラインカードの対応するポートの処理モジュールに転送することができ、マスタ制御側がラインカードメッセージを受信した場合、指定されたスライスに基づいて転送するのみである。すなわち、マスタ制御シングルボードがラインカードのメッセージを受信した場合、ラインカードのポートリソースのメッセージ交換に対して、ポート自体で含まれるのが通常スライス情報であれば、そのまま転送する。
【0116】
例5
図9に示すように、ラインカードのリソースが制限される場合、ラインカードは
仮想化シングルスライスシステムしかサポートすることができない。リソースが制限されたラインカードがポートレベルモードで通常スライスに割り当てられた場合、該リソースが制限されたラインカードのグローバルモジュール及びサービスモジュールは、物理的又は論理的のいずれで取得したスライス情報でも依然として管理スライスVND0のものである。
【0117】
リソースが制限されたラインカードがポートレベルモードで通常スライスに割り当てられた場合、このとき、該シングルボードは物理的及び論理的のいずれでも管理スライスVND0に属するが、スライスに割り当てられたポートリソースは論理的に通常スライスに属する。該ラインカードの一部のポートは論理的に通常スライスVNDxに割り当てられると、このタイプのポートとマスタ制御との情報交換はいずれも属する通常スライスVNDxに転送される必要があり、マスタ制御はこのタイプのポート情報を受信して報告する場合に第2適合層(リソース管理適合層)に基づいてポートのスライス帰属を優先的に照会してから、管理スライスVND0は第1適合層(通信適合層)を介してリソースの属する対応する通常スライスVNDxに転送する。
【0118】
マスタ制御通常スライスVNDxの情報が発行された場合、マスタ制御に適合処理を追加する必要があり、第1適合層(通信適合層)を介して通常スライスVNDxの情報を管理スライスVND0に転送し、その後、マスタ制御管理スライスとラインカードの管理スライスとの間の情報交換を実現し、ラインカードはマスタ制御マルチスライスエンティティの存在を感知する必要がない。
【0119】
マスタ制御シングルボードがラインカードのメッセージを受信した場合、ラインカードポートリソースのメッセージ交換にとって、ポート自体で含まれるのが管理スライス情報であるため、該ポートのリソース帰属をさらに照会して、適合転送を行う必要がある。
【0120】
例6
図10はリソースが十分なラインカードがポート共有モードで通常スライスに割り当てられたことを示す。PONラインカードを例として、PONラインカード物理ポートは共有割り当てをサポートし、このタイプのラインカードはマルチスライスエンティティプロセスをサポートし、このタイプのラインカードPONポートは複数のスライスの同時割り当てを完了すると、実際にONUレベルのスライスの実現をサポートすることになる。
【0121】
ONUはPON物理ポートに配置された機器であるため、該PONがVND0に属する場合、VND0内の該PONポートに配置されたONU機器は該VND0に属し、該PONポートがVNDxに共有されることを許可した場合、VNDxの該共有PONポートに配置されたONU機器は該VNDxに属し、1つのPON物理ポートに複数のONU機器を配置するため、このように実現する場合、ONUレベルのスライス構成がサポートされることになり、すなわち、1つのPON物理ポートでの複数のONU機器は実際の必要に応じて異なるスライスに柔軟に配置でき、該ONU機器は本スライスに完全に属し、管理スライスを含む他のスライスに対して透明であり、アプリケーション構成の柔軟性を大幅に向上させる。
【0122】
ポート共有モードの割り当て回収について、実際には、該ポートリソースは通常スライスVNDxには追加及び削除されるが、管理スライスVND0には追加及び削除する必要がなく、該ポートリソースの管理スライスでの割り当てモードを共有から専用モードに変更するだけでよい。
【0123】
ポート専用モードの割り当てと比較して、実際の操作は管理スライスVND0から該ポートリソースを削除してから、通常スライスVNDxに該ポートリソースを追加することであり、比較して分かるように、すなわち、専用モードのポート割り当て回収は、管理スライスと通常スライスに互いに排他的に存在するが、共有モードのポート割り当てについては、管理スライス及び通常スライスの両方に存在する。ただし、ポート共有割り当ての後、各割り当てられたスライスの場合は、実際に論理タスクが専用して使用されるものとなる。
【0124】
例7
図11はリソースが制限されたラインカードがポート共有モードで通常スライスに割り当てられたことを示す。
【0125】
リソースが制限されたアップリンクボードポートを例として、アップリンクボードポートは複数のスライスへの共有割り当てをサポートし、1つの物理アップリンクポートは論理的に複数のIPネットワークのアクセスをサポートし、シングルボードのアップリンクポートリソースを大幅に節約し、システムの集積度を向上させ、リソースが制限されたラインカードの物理ポートが共有割り当てをサポートすることと、リソースが十分なラインカードの物理ポートが共有割り当てをサポートすることには、リソースが制限されたラインカードが依然としてシングルエンティティプロセスであることと、該ラインカードとマスタ制御仮想化マルチスライスシステムの相互作用がマスタ制御シングルボードでの第2適合層(リソース管理適合層)の適合に依存する必要があることの2つの違いが主に存在し、また、アップリンクポートが共有をサポートする場合、アップリンクポートにアクセスされた機器はエンドツーエンド仮想化をサポートした後、アップリンクポートを介してストリーム相互作用を転送すると、異なるVLAN(Virtual Local Area Network、仮想ローカルエリアネットワーク)などを設定する手段により、1つの物理アップリンクポートが、同時に複数の論理OLTスライスシステムにサービスを与えることを実現する。
【0126】
ポート共有モードの割り当て回収について、実際には、該ポートリソースは通常スライスVNDxに追加及び削除されるが、管理スライスVND0には追加及び削除する必要がなく、該ポートリソースの管理スライスでの割り当てモードを共有から専用モードに変更するだけでよい。
【0127】
ポート専用モードの割り当てと比較して、実際の操作は、管理スライスVND0から該ポートリソースを削除してから、通常スライスVNDxに該ポートリソースを追加することであり、比較して分かるように、すなわち専用モードのポート割り当て回収は、管理スライスと通常スライスに互いに排他的に存在するが、共有モードのポート割り当てについては、管理スライスと通常スライスの両方に存在する。ただし、ポート共有割り当ての後、各割り当てられたスライスの場合は、実際に論理タスクが専用して使用されるものとなる。
【0128】
例8
図12に示すように、
仮想化マルチスライスシステムでは、マスタ制御シングルボードでの管理スライスVND0は、通常スライスVNDxの開始とロードのシーケンスと前後関係にある。VND0はVNDxよりも先に開始され、複数のVNDxの間は並行に開始され、VND0は構成ファイルをロードする時にVNDxの開始をトリガーし、VNDxのプライベート構成ファイルのロードシーケンスはVNDxスライスによって割り当てられたリソースのサービスモジュールでの追加に依存して完了し、他のプロセスは基本的に一致し、コードを再利用して実現することができる。
【0129】
AppMainモジュールは主に、スライスインスタンス開始のメインエントランスとして、該スライスエンティティプロセスのメインエントランスを示し、SysCtlモジュールは主に、該スライスエンティティプロセスにおけるシステム制御部を示し、主にシングルボードグローバルデータの維持有効制御などに用いられ、DBモジュールは主に、該スライスエンティティプロセスにおけるデータベースモジュールを示し、主に該スライスエンティティデータベースの初期化及び本スライスの構成ファイルのロード有効制御に用いられ、PONモジュールは主に、OLTシステムの汎用サービスモジュールを示し、特にPONサービスを指すものではなく、主にサービスモジュールデータの有効シーケンスを示す。
【0130】
マスタ制御シングルボードが開始されると、管理スライスVND0は最初に開始される(なお、本例では管理スライスVND0はスライス機能を有することに加えて、一部の共通モジュールのキャリアとして機能する)。
【0131】
別の実現では、シングルボードに関連する共通モジュールは単一のプロセス又はプロセスエンティティで管理されてもよく(SC(System Control、システム制御)エンティティとする)、管理スライスVND0も「通常スライス」として存在し、このとき、システムが開始されると、優先的にSCエンティティが開始され、次にVND0とVNDxが並行に開始され、SCエンティティの構成ロードシーケンスは、原則として、
図12に示すロードシーケンスに従い、また、このような構造でも、VND0はVNDxと違いがあり、VND0は依然としてスライスVNDxの管理エンティティとして存在し、管理スライスVND0の初期化ロードが開始された後に、通常スライスVNDxはトリガーされてロードされ、通常スライスVNDxのロードをトリガーするか否かは、構成モジュールの構成コマンドに完全に依存する。
【0132】
マスタ制御管理スライスVND0が開始される場合、デフォルトのスライスインスタンス開始パラメータはスライスIDパラメータを含まず、システムが開始された場合、スライスIDパラメータがなければ、システムはデフォルトで現在のスライスをVND0として設定し、管理スライスVND0プロセスがプルアップされた後、一連のシングルボードの重要なモジュールの初期化を行い、初期化が完了すると、重要なモジュールに電源がオンになるように通知し、各重要なモジュールは電源オンの通知を受信すると、それぞれのモジュールのプライベート初期化が行われ、システム制御モジュール(SysCtlモジュール)の初期化が完了すると、DBモジュールに現在のスライスの構成ファイルのロードを開始するように通知し、構成コマンドの配布が有効になり、このとき、スライスコマンドに関連すれば、システム制御モジュールはスライス操作コマンドを受信し、スライスのコマンドをそのままトリガーして有効にさせ、DBモジュールによるロードが完了すると、DBモジュールメッセージはシステム制御モジュールにロードの完了を通知し、その後、ボードカードの開始電源オンメッセージが存在する場合、システム制御モジュールはPONサービスモジュールにボードカードを構成するように通知し、サービス構成有効が成功すると、システム制御モジュールに応答し、このとき、システム制御モジュールは該電源オンにされたラインカードのボードカード状態などの情報の維持をリフレッシュする。
【0133】
マスタ制御管理スライスVND0は開始されて構成をロードする時に通常スライスVNDxをトリガーして開始させ、このとき、通常スライスVNDxプロセスがプルアップされ、通常スライスVNDxのプロセス映像は管理スライスVND0と同じであるが、違いは、開始時にスライスが異なるパラメータである対応するスライスIDパラメータを含むことにあり、スライスVNDxが開始されると、現在のスライスは環境コンテキストで指定されたスライスであり、通常スライスVNDxの初期化を開始する部分は管理スライスとは異なり、グローバル、体系的なデータの初期化のいずれも関連しない(グローバル、体系的なデータが管理スライスにのみ初期化される)。
【0134】
スライスVNDxの初期化の開始が完了すると、重要なモジュールに電源がオンになるように通知し、各重要なモジュールは電源オンの通知を受信すると、それぞれのモジュールのプライベート初期化を行い、PONサービスモジュールの初期化が完了すると、システム制御モジュールに通知する必要があり、システム制御モジュールはサービス初期化が完了したことを受信すると、VNDxのシステム制御モジュールはスライスVNDxの開始メッセージを管理スライスVND0のシステム制御モジュールに送信し、VND0システム制御モジュールはVNDxの状態、PID(Process ID、プロセスID)などの重要な情報をリフレッシュして、該VNDxスライスにリソース割り当てが存在するか否かを識別し、リソース割り当てが存在すれば、VND0システム制御モジュールはVNDxスライスによって割り当てられたリソースをVNDxスライスのシステム制御モジュールに送信し、VNDxのシステム制御モジュールは本スライスによって割り当てられたリソースデータを取得し、VNDxのPONサービスモジュールに有効になるように優先的に通知し、PONサービスモジュールが有効になると、VNDxシステム制御モジュールに応答し、VNDxシステム制御モジュールは応答を受信してから、VNDxのDBモジュールをトリガーして開始させて本VNDxスライスの構成ファイルをロードし、VNDxのDBモジュールによるロードが完了すると、VNDxシステム制御モジュールに通知し、本スライスに属するシングルボードの電源がオンになる場合、本スライスVNDxのシステム制御モジュールはPONサービスモジュールのボードカードに電源がオンになるように通知し、サービスは該ラインカードに対して該VNDxスライスのデータ構成を行い、構成が完了すると、サービスモジュールはVNDxシステム制御モジュールに状態をリフレッシュするように通知し、VNDxのシステム制御モジュールと管理スライスVND0のシステム制御モジュールとの間にメッセージ交換があるため、異なるスライス間のボードカードリソースのデータ一致性の同期を容易にする。
【0135】
スライスVNDxの構成は、いずれも本スライスによって割り当てられた物理リソースに基づいて行われるため、VNDxスライスの構成ファイルがロードされる前に、サービスモジュールが優先的に本スライスによって割り当てられた物理リソースの有効化を完了することを確保する必要があり、そうでない場合、該スライスサービスモジュールには物理リソースがまだ存在しない場合、そのままサービス構成を行うと失敗になる。
【0136】
例9
図13はリソースが十分なラインカードが
仮想化マルチスライスシステムをサポートし、ラインカードとマスタ制御シングルボードとの間でボード間通信を行うことを示す。
図14は、リソースが制限されたラインカードが
仮想化シングルスライスシステムのみをサポートし、ラインカードとマスタ制御シングルボードとの間でボード間通信を行うことを示す。
【0137】
図13は
図14と比較すると、主な違いはラインカードの違いであり、リソースが制限されたラインカードがスライスVNDxに割り当てられた場合、該ラインカードは依然としてシングルエンティティプロセスであるが、このとき、該ラインカードシステムの、スライスに影響されないモジュールの通信ドメインはVNDxに切り替えられ、スライスに影響されるモジュールは依然としてマスタ制御VND0と相互作用する。
【0138】
マスタ制御シングルボードの通信に関連する主な適合層は主に2つの部分を含み、1つの部分は第1適合層(通信適合層)であり、主にマスタ制御シングルボードがボード間通信メッセージを受信すると、メッセージターゲットスライスの識別を追加し、メッセージをターゲットスライスに正確に転送することに用いられる。
【0139】
他の部分は第2適合層(リソース管理適合層)であり、主にシングルボードレベル以外のレベルでスライスを割り当てる(例えば、ポートレベルでスライスを割り当てる)場面に用いられ、例えば、リソースが制限されたシングルボードのポートリソースがスライスに割り当てられた場合、該リソースが制限されたラインカードの物理及び論理スライスIDは依然としてVND0であるが、このとき、該ポートに関連するサービスストリームをマスタ制御シングルボードに送信した後、マスタ制御シングルボードはポートのスライス帰属をさらに判断して、メッセージをターゲットスライスに正確に転送する必要がある。
【0140】
マスタ制御シングルボードでの通信、BSP(Board Support Package、ボードサポートパッケージ)などの共通モジュールは、ラインカードがシングルエンティティプロセスであるか又はマルチスライスエンティティプロセスであるかにかかわらず、現在、管理スライスVND0に統合されており、ラインカードに関連するボード間通信は常にマスタ制御管理スライスVND0と相互作用し、ラインカードがマルチスライスエンティティプロセスである場合、ラインカードによって受信されたボード間通信メッセージも常にラインカードの管理スライスVND0に処理される。
【0141】
マスタ制御及びラインカードのVND0プロセス通信モジュールによって受信されたメッセージについて、ターゲットスライスIDを識別して、メッセージを対応するスライスエンティティプロセスに転送する必要がある。このような処理は、一方では、仮想化シングルスライスシステムや仮想化マルチスライスシステムと互換性がり、他方では、既存の通信プロトコルにより、スライス間の通信のみを追加するだけで送受信することができ、既存の構造の変更を迅速に実現し、開発の難しさを低減させ、開発の進行を加速する。
【0142】
シングルボードでのマルチスライスエンティティプロセスについて、管理スライスVND0と通常スライスVNDxとの間にプロセス間通信があり、通常スライスVNDxの間にはプロセス間通信がサポートされていない。
【0143】
また、ボード間通信は、原則として、デフォルトでスライス通信ドメインに制限される必要があり、指定されたスライスに送信するために特別に指定する必要があるボード間通信は、原則として、通常スライスVNDxと管理スライスVND0の通信相互作用のみをサポートする。
【0144】
シングルボードがマルチスライスインスタンスを有する場合、通常スライスVNDxでのサービスモジュールには、実際にシングルボード管理スライスVND0でのグローバルデータ制御モジュールとの間のデータ読み取り及び書き込みニーズも存在し、このような場合、スライスVNDxのモジュールがシングルボードグローバルデータを取得する方法を調整する必要があり、既存の関数インタフェース呼び出し関係がスライスプロセス間の呼び出しに変更され、具体的な方法は同期又は非同期メッセージ交換に限定されない。
【0145】
OLTは仮想化マルチスライスシステムをサポートすると、関連する通信方法には、主に、ボード内のスライス間通信ニーズ、ボード間のスライス通信ニーズ、ボード間通信プロトコルの選択などが含まれる。ボード間通信プロトコルは既存の通信プロトコルを継承し、管理スライスVND0によって送受信して転送するか又はボード間の各スライスの独立したプロトコルスタックを実現するかは、理論的にサポートされ、かつ実現でき、具体的にどのポリシーを選択するかは、プロジェクトニーズの進捗状況及びハードウェア環境などの要素に基づいて統合的に検討することができる。
【0146】
例10
図15はラインカード状態の管理を示す図である。
図15に示すように、ラインカードの複数種の状態及び遷移駆動が主に説明され、ラインカード状態を維持することは、ハードウェアリソースの状態変化をリアルタイムにモニタリングし、上層サービスに信頼できるハードウェアリソース状態を提供し、さらにユーザがシステムの実行状態を理解するために根拠を提供することである。
【0147】
システム制御が初期化された後、ボードスキャン情報を受信する前に、デフォルトで各スロットはUNKNOWN状態になり、ハードウェア状態がまだ理解されないことが示され、このとき、いずれのメッセージ交換イベント及びボード間通信イベントも処理されない。
【0148】
シングルボードのボードスキャンイベントが処理された場合、シングルボード状態をOFFLINE(該スロットにボードが挿入されていない)又はHWONLINE(該スロットにボードが挿入されている)に設定する。ラインカード状態がHWONLINEである場合、マスタ制御シングルボードはラインカード構成要求を受信し、ターゲットスロットラインカードが構成されていなければ、この構成要求を無視し、構成されていれば、マスタ制御シングルボードはラインカードの構成要求がマスタ制御に保存されている構成と一致するか否かをチェックし、一致しなければ、ラインカード状態をTYPEMISMATCHに設定し、一致すれば、該ラインカードに構成を発行し、シングルボードがCONFIGING状態になり、CONFIGING状態になると、サービスに対してボードオンライン通知を行う必要がある。
【0149】
サービスの構成完了メッセージを受信すると、状態をINSERVICEに設定する(スタンバイマスタ制御状態をSTANDBYに設定する)。
【0150】
ラインカードが所定の段階で開始された場合、ラインカードとマスタ制御との間のキープアライブハートビートはシングルボード状態にも影響し、主な影響は、ラインカード状態がCONFIGING状態又はINSERVICE(STANDBY)状態又はTYPEMISMATCH状態にある場合、マスタ制御とラインカードのキープアライブハートビートのハンドシェイクが失敗した場合、マスタ制御はラインカードとの通信が異常(通信が切断されている)であるとみなし、マスタ制御はラインカード状態をHWONLINE状態に無条件に遷移することである。
【0151】
また、現在のシステムもコマンドモードを介して指定されたシングルボードに対して電源オフ操作をオンラインで行うことをサポートし、あるラインカードに対して電源オフコマンド操作を行った後、該シングルボードの状態はシングルボード節電POWERSAVE状態に設定され、このとき、シングルボードはリセット状態になる。
【0152】
仮想化マルチスライスシステムがサポートされると、シングルボードリソースは管理スライスVND0に静的にバインディングされなくなり、シングルボードリソースを通常スライスVNDxに割り当てることを動的にサポートすることができ、このように、通常スライスVNDxシステムには、該スライスに属するシングルボード状態を維持することができ、既存のシングルボード状態の管理構造にはシングルボードのスライスレベル状態を追加する必要がある。
【0153】
シングルボードのスライスレベル状態のHWONLINE/OFFLINEは、依然として管理スライスVND0のボードスキャンにより決められ、ボードスキャンが位置にあるか又は位置から外れており、管理スライスVND0はボードレベルのシングルボード状態をHWONLINE/OFFLINEに設定することに加えて、さらにシングルボードのリソーススライス帰属に基づいて該シングルボードの属する通常スライスVNDxのスライスレベル状態もHWONLINE/OFFLINEに設定する必要がある。
【0154】
シングルボードスライスレベルのCONFIGING状態は、マスタ制御通常スライスVNDxのラインカードCardup(電源オン)メッセージによりトリガーして遷移され、また、通常スライスVNDxのサービスはシステムCardupメッセージを受信すると、サービス構成処理を行い、サービス構成有効が完了すると、通常スライスVNDxのシステムボードカード管理モジュールに通知して、該シングルボードの通常スライスVNDx内のシングルボードのスライスレベル状態をINSERVICE状態にリフレッシュする。
【0155】
リソースが制限されたラインカードがスライスVNDxに割り当てられた場合、該ラインカードには、VNDxスライスエンティティプロセスではなく、VND0スライスエンティティプロセスのみが存在し、このとき、該リソースが制限されたラインカードのボードカード状態のVNDx内の管理方法は既存の方法により実現することができず、管理スライスVND0に該リソースが制限されたラインカードのリソースをスライスVNDxに割り当てる必要がある場合、該ラインカードのVNDxスライスでの状態のリフレッシュが同期に行われ、該ラインカードのVND0での物理的状態に基づいてマスタ制御シングルボードに報告されたVNDxスライスシステム制御モジュールをシミュレートし、該リソースが制限されたラインカードのVNDxスライスでのデフォルトのボードカード状態は依然としてUNKNOWN状態であり、リソース割り当てが実行されると、現在のラインカードの物理的状態OFFLINE、ONLINE、TYPEMISMATCHに基づき、該ラインカードのVNDxスライスでのボードカードを対応する状態に直接設定し、現在のラインカードの物理的状態がCONFIGING、INSERVECEである場合、先ず該ラインカードのVNDxスライスでのボードカードをONLINE状態に設定して、VND0システム制御モジュールにシミュレートして該ラインカードのCardup電源オンメッセージをVNDXのシステム制御モジュールに報告し、次にVNDxのシステム制御モジュールはVNDxのサービスに該ラインカードの構成を有効にするように通知し、その後、VNDxのサービスモジュール有効結果は、該ラインカードのVNDxスライスでのボードカード状態に直接影響を与え、後続の状態遷移はVND0内のボードカード状態の遷移と一致する。
【0156】
シングルボードリソースが通常スライスVNDxに属する場合、該シングルボードの物理的状態の変更に関連すれば、該シングルボードのスライスレベル状態と該シングルボードの管理スライス内のボードレベル状態は同期に維持され、該シングルボードサービス有効状態の遷移に関連すれば、該シングルボードのスライスレベル状態はスライスに属するサービスの実際の有効状況に完全に依存し、処理プロセスは管理スライスVND0と完全に一致し、処理プロセスが完全に再利用される。
【0157】
当業者は、上記開示されている方法の全て又はいくつかのステップ、システム、装置の機能モジュール/ユニットがソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア及びこれらの適切な組み合わせとして実装され得ることを理解できる。
【0158】
ハードウェアの実施形態では、以上の説明で言及されている機能モジュール/ユニット間の分割は必ずしも物理アセンブリの分割に対応するものではなく、例えば、1つの物理アセンブリは複数の機能を有してもよく、又は1つの機能又はステップは複数の物理アセンブリによって組み合わせて実行されてもよい。いくつかの物理アセンブリ又は全ての物理アセンブリは、例えば、中央処理装置、デジタル信号プロセッサ又はマイクロプロセッサなどのプロセッサによって実行されるソフトウェアとして実装されてもよく、又はハードウェアとして実装されてもよく、又は特定用途向け集積回路などの集積回路として実装されてもよい。
【0159】
このようなソフトウェアはコンピュータ可読媒体に分布してもよく、コンピュータ可読媒体はコンピュータ記憶媒体(又は非一時的媒体)及び通信媒体(又は一時的媒体)を含んでもよい。当業者に知られているように、コンピュータ記憶媒体という用語は、情報(例えば、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール又は他のデータ)を記憶するための、任意の方法又は技術で実装される揮発性媒体及び不揮発性媒体、取り外し可能な媒体及び取り外し不可能な媒体を含む。
【0160】
コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多機能ディスク(DVD)又は他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又は他の磁気記憶装置、又は所望の情報を記憶するために使用でき、コンピュータがアクセスできる任意の他の媒体を含むがこれらに限定されない。
【0161】
また、当業者に知られているように、通信媒体は、通常、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は搬送波又は他の伝送メカニズムなどの変調データ信号内の他のデータを含み、かつ任意の情報配信媒体を含んでもよい。
【0162】
ただし、本発明はさらに他の複数種の実施例を有してもよく、本発明の精神及びその実質から逸脱することなく、当業者は、本発明に基づいて様々な対応する変化及び変形を行うことができるが、これらの対応する変化及び変形はいずれも本発明の添付の特許請求の範囲の保護範囲に属するべきである。