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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】架橋ゴム結合用ポリウレタン接着剤
(51)【国際特許分類】
   C09J 175/04 20060101AFI20241209BHJP
   C08G 18/10 20060101ALI20241209BHJP
   C08G 18/65 20060101ALI20241209BHJP
   C08G 18/32 20060101ALI20241209BHJP
【FI】
C09J175/04
C08G18/10
C08G18/65 023
C08G18/32 037
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022549286
(86)(22)【出願日】2021-01-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-11
(86)【国際出願番号】 US2021014892
(87)【国際公開番号】W WO2021167751
(87)【国際公開日】2021-08-26
【審査請求日】2023-10-13
(31)【優先権主張番号】62/977,789
(32)【優先日】2020-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519415100
【氏名又は名称】ディディピー スペシャルティ エレクトロニック マテリアルズ ユーエス,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(72)【発明者】
【氏名】クラーク、トーマス
(72)【発明者】
【氏名】キャッセル、ロジャー
(72)【発明者】
【氏名】ソフィア、ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】マストロヤンニ、サラ
(72)【発明者】
【氏名】アントウィ、アーロン
(72)【発明者】
【氏名】チュー、ホイトー ディー.
【審査官】清水 晋治
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-522426(JP,A)
【文献】米国特許第05002806(US,A)
【文献】特表2010-518212(JP,A)
【文献】特表2010-508417(JP,A)
【文献】特開2015-021020(JP,A)
【文献】特開2020-055921(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00-201/10
C08G 18/00-18/87
71/00-71/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
成分A成分Bとを含む2成分ポリウレタン接着剤系であって、
成分Aは、(i)少なくとも第1のポリオール、(ii)第一級アミンを2つ有する芳香族ジアミン、及び(iii)第二級アミンを2つ有する芳香族ジアミンを含み、及び
成分Bは、少なくとも1つのポリイソシアネート及び少なくとも第2のポリオールの反応生成物であって、2~27重量%のイソシアネート含有量を有するプレポリマーを含み、
前記第一級アミンを2つ有する芳香族ジアミンの含有量レベルは、成分Aの全重量に基づいて~19重量%であり、
前記第二級アミンを2つ有する芳香族ジアミンの含有量レベルは、成分Aの全重量に基づいて15~27重量%であり、
前記第一級アミンを2つ有する芳香族ジアミン及び前記第二級アミンを2つ有する芳香族ジアミンの合計含有量レベルは、前記2成分ポリウレタン接着剤系の全重量に基づいて10~30重量%であり
成分A及び成分Bは1:4~4:1の重量比である、2成分ポリウレタン接着剤系。
【請求項2】
前記第一級アミンを2つ有する芳香族ジアミンは、ジメチルチオトルエンジアミン(DMTDA)、メチレンジアニリン、ジエチルトルエンジアミン、フェニレンジアミン(1,4-ジアミノベンゼン)、4,4’-ジアミノビフェニル、ジアミノナフタレン及びその2つ以上の組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の2成分ポリウレタン接着剤系。
【請求項3】
前記第二級アミンを2つ有する芳香族ジアミンは、N,N’-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン(DSB-PDA)、4,4’-メチレンビス[N-sec-ブチルアニリン](DSB-MDA)、N-アルキル化された第一級芳香族ジアミン及びその2つ以上の組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の2成分ポリウレタン接着剤系。
【請求項4】
前記第1のポリオールは、~7の官能性及び50~8000g/molのモル質量を有する、請求項1に記載の2成分ポリウレタン接着剤系。
【請求項5】
第1の基材と、第2の基材と、請求項1~4のいずれか一項に記載の2成分ポリウレタン接着剤系とを含む物品であって、前記2成分ポリウレタン接着剤系は、前記第1及び第2の基材間に配置される、物品。
【請求項6】
前記第1及び第2の基材の一方又は両方は、架橋エラストマーから形成される、請求項5に記載の物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ポリウレタンをベースとする2成分接着剤に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタン接着剤は、架橋エラストマー材料を含む様々な基材への良好な接着をもたらす。しかしながら、ポリウレタンは、より高い温度でかなりの弱化を受ける。加硫エラストマーは、多くの用途において、多くの場合に高負荷下で100℃より高い温度に暴露される可能性がある。(引裂強さ及び高い弾性率として定義される)より高い強度を達成するために、多くの場合、ポリウレタン内に高Tハードセグメントを提供するために鎖延長剤が添加される。典型的な鎖延長剤としては、低分子量ジオール、ジアミン、アミノアルコール及び水が含まれる。しかしながら、より高い温度、例えば82℃以上の温度において、剥離強度が改善されたポリウレタン接着剤の開発が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本明細書では、成分A成分Bとを含む2成分ポリウレタン接着剤系であって、成分Aは、(i)少なくとも第1のポリオール、(ii)第一級ジアミン、及び(iii)第二級ジアミンを含み、及び成分Bは、少なくとも1つのポリイソシアネート及び少なくとも第2のポリオールの反応生成物であるプレポリマーを含み、第一級ジアミンの含有量レベルは、成分Aの全重量に基づいて約7~19重量%であり、第一級ジアミン及び第二級ジアミンの合計含有量レベルは、2成分ポリウレタン接着剤系の全重量に基づいて約10~30重量%である、2成分ポリウレタン接着剤系が提供される。
【0004】
2成分ポリウレタン接着剤系の一実施形態において、成分A及び成分Bは、約1:5~5:1の重量比である。
【0005】
2成分ポリウレタン接着剤系のさらなる実施形態において、成分Aは、成分Aの重量に基づいて約15~23重量%の第二級ジアミンを含む。
【0006】
2成分ポリウレタン接着剤系のさらに他の実施形態において、第一級ジアミンは、ジメチルチオトルエンジアミン(DMTDA)、メチレンジアニリン、ジエチルトルエンジアミン、フェニレンジアミン(1,4-ジアミノベンゼン)、4,4’-ジアミノビフェニル、ジアミノナフタレン及びその2つ以上の組合せからなる群から選択される。
【0007】
2成分ポリウレタン接着剤系のさらに他の実施形態において、第二級ジアミンは、N,N’-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン(DSB-PDA)、4,4’-メチレンビス[N-sec-ブチルアニリン](DSB-MDA)、N-アルキル化された第一級芳香族ジアミン及びその2つ以上の組合せからなる群から選択される。
【0008】
2成分ポリウレタン接着剤系のさらに他の実施形態において、第1のポリオールは、約2~7の官能性及び約50~8000g/molの平均当量を有する。
【0009】
本明細書では、第1の基材と、第2の基材と、上記で提供された2成分ポリウレタン接着剤系とを含む物品であって、2成分ポリウレタン接着剤系は、第1及び第2の基材間に配置される、物品がさらに提供される。
【0010】
この物品の一実施形態において、第1及び第2の基材の一方又は両方は、架橋エラストマーから形成される。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書では、成分A及び成分Bの2つの要素から形成される2成分ポリウレタン接着剤系が提供される。成分Aは、本明細書で開示される通り、少なくとも1つのポリオールと、第一級ジアミン及び第二級ジアミンの混合物とを含む一方、成分Bは、少なくとも1つのポリイソシアネート及び少なくとも1つのポリオールの反応生成物であるプレポリマーを含む。さらに、本開示によると、成分Aは、成分Aの全重量に基づいて約7~19重量%の第一級アミンを含み、及び接着剤系は、2成分ポリウレタン接着剤系の全重量に基づいて約10~30重量%の、第一級及び第二級ジアミンの混合物を含む。
【0012】
本明細書で使用されるポリオールとしては、限定されないが、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリオール、ポリブタジエンポリオール、ヒドロキシル基含有ポリチオエーテル及びその混合物が含まれる。一実施形態において、本明細書で使用されるポリオールは、ポリオールの主鎖中に1つ以上のアルキレンオキシド単位を含有するポリエーテルポリオールである。例示的なアルキレンオキシド単位としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド及びその混合物が含まれる。アルキレンオキシドは、線形又は分枝状鎖アルキレン単位を含有し得る。アルキレンオキシド単位の混合物がポリオール中に含まれる実施形態において、種々の単位がランダムに配置され得るか、又はアルキレンオキシドのそれぞれのブロック中に配置され得る。特定の実施形態において、本明細書で使用されるポリオールは、ジオール、トリオール又はジオール及びトリオールの混合物であり得る。
【0013】
本開示によると、成分Aに含まれるポリオールは、約2~7、又は約2~5、又は約2~3の官能性及び約50~8000g/mol、又は約50~4000g/mol、又は約80~2000g/molの平均当量を有し得る。成分Aの重量に基づいて約35~65重量%又は約40~60重量%のポリオールが成分Aに含まれ得る。
【0014】
第一級及び第二級ジアミンの混合物も成分Aに含まれる。好ましくは、本明細書で使用される第一級及び第二級ジアミンは、芳香族ジアミンである。本明細書で使用される適切な第一級ジアミンとしては、限定されないが、ジメチルチオトルエンジアミン(DMTDA)、メチレンジアニリン、ジエチルトルエンジアミン、フェニレンジアミン(1,4-ジアミノベンゼン)、4,4’-ジアミノビフェニル、ジアミノナフタレンなどが含まれる一方、本明細書で使用される適切な第二級ジアミンとしては、限定されないが、N,N’-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン(DSB-PDA)、4,4’-メチレンビス[N-sec-ブチルアニリン](DSB-MDA)、N-アルキル化(メチル化、エチル化、sec-ブチル化)された上記のいずれかの第一級芳香族ジアミンなどが含まれる。成分Aの重量に基づいて約7~19重量%の第一級ジアミン及び約15~23重量%の第二級ジアミンが成分Aに含まれるが、ただし、第一級及び第二級ジアミンの合計含有量レベルは、2成分ポリウレタン接着剤系の全重量に基づいて約10~30重量%の範囲であることを条件とする。
【0015】
本開示によると、成分Bのプレポリマーを形成する際に使用されるポリイソシアネートは、多官能性イソシアネート(例えば、ジイソシアネート及びトリイソシアネート)であり、且つ脂肪族、脂環族又は芳香族ポリイソシアネートであり得る。本明細書で使用される例示的なポリイソシアネートとしては、限定されないが、エチレンジイソシアネート、ヘキサメチレン-1,6-ジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’-、2,2’-及び2,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、ノルボルネンジイソシアネート、1,3-及び1,4-(ビスイソシアナトメチル)シクロヘキサン(そのシス-又はトランス-異性体を含む)、テトラメチレン-1,4-ジイソシアネート(TMXDI)、1,12-ドデカンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2’-、2,4’-及び4,4’-メチルジフェニルジイソシアネート(MDI)、カルボジイミド変性MDI、2,4-及び2,6-トルエンジイソシアネート(TDI)、1,3-及び1,4-フェニレンジイソシアネート、1,5-ナフチレンジイソシアネート、トリフェニルメタン-4,4’,4’’-トリイソシアネート、ポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート並びにそのポリマー化合物が含まれる。一実施形態において、本明細書で使用されるポリイソシアネートは、芳香族基を有するオリゴマー又はポリマーイソシアネートである。さらなる実施形態において、本明細書で使用されるポリイソシアネートは、2,2’-、2,4’-及び4,4’-メチルジフェニルジイソシアネート(MDI)、カルボジイミド変性MDI、2,4-及び2,6-トルエンジイソシアネート(TDI)、1,3-及び1,4-フェニレンジイソシアネート、1,5-ナフチレンジイソシアネート、トリフェニルメタン-4,4’,4’’-トリイソシアネート、ポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート並びにそのポリマー化合物から選択される。さらに他の実施形態において、本明細書で使用される多官能性イソシアネートは、MDI又はポリマーMDIである。
【0016】
成分Bで使用されるポリイソシアネートは、最大で約75%、又は最大で約50%、又は最大で約35%のパーセントNCO量を有し得る。例えば、パーセントNCO量は、約20~75%又は約28~34%の範囲であり得る。特定の実施形態において、本明細書で使用されるポリイソシアネートは、少なくとも約2、又は少なくとも約2.2、又は少なくとも約2.4及び約4以下、又は約3.5以下、又は約3.2以下の平均イソシアネート官能性を有し得る。さらなる実施形態において、ポリイソシアネートの当量は、少なくとも約100、又は少なくとも約110、又は少なくとも約120であり得、且つ約300以下、又は約250以下、又は約200以下であり得る。
【0017】
成分Bに含まれるプレポリマーを形成する際に使用されるポリオールは、上記のいずれかの適切なポリオールであり得る。一実施形態において、成分Bで使用されるポリオールは、ポリエーテルジオールである。プレポリマーは、当業者に既知の方法により、熱の適用、触媒の添加又は両方の組合せによって形成することができる。プレポリマーは、室温で約20,000cPs未満、又は室温で約10,000cPs未満、又は室温で約8000cPs未満の粘度を有し得る。ポリオールの分子量、ポリオールの官能性及びプレポリマー中のポリオールの重量%は、約2~27重量%、又は約5~20重量%、又は約10~20重量%のイソシアネート含有量を有するプレポリマーが生成するように選択される。
【0018】
さらに、成分A成分B又は両方の組成物中にカーボンブラックが組み込まれ得る。一実施形態において、約6~15重量%のカーボンブラックが2成分接着剤系に組み込まれる。
【0019】
さらに、成分A成分B又は両方の組成物中に追加的な添加剤が添加され得る。これらとしては、限定されないが、触媒、可塑剤、架橋剤、フィラー、水分捕捉剤、着色剤、熱安定剤などを含む。特に、多数の脂肪族及び芳香族アミン(例えば、ジアミノビシクロオクタン-DABCO)、有機金属化合物(例えば、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート)、カルボン酸及びフェノールのアルカリ金属塩(ヘキサン酸、オクタン酸、ナフテン酸、リノレン酸のカルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウム塩)が触媒として使用され得る。
【0020】
本開示によると、成分A及び成分Bの組成物は、調製されて、使用まで別々に保存される。適用前に、成分A及び成分Bの組成物は、約1:5~5:1、又は約1:4~4:1、又は約1:2~2:1の重量比で混合される。
【0021】
以下の実施例によって実証されるように、成分Aの第一級及び第二級ジアミンの混合物を添加することにより、得られる2成分接着剤系は、架橋エラストマー材料に対するはるかに改善された剥離強度を示す。
【0022】
本明細書では、2つの基材間に2成分接着剤系を適用して、結合構造を形成するための方法がさらに提供される。一実施形態において、2つの基材の一方又は両方は、架橋エラストマー、例えば加硫ゴムから形成される。典型的に、成分A及び成分Bを混合し、その後、接着剤系を基材間に適用し、続いて周囲温度で硬化する。
本願発明には以下の態様が含まれる。
項1.
成分A成分Bとを含む2成分ポリウレタン接着剤系であって、
成分Aは、(i)少なくとも第1のポリオール、(ii)第一級ジアミン、及び(iii)第二級ジアミンを含み、及び
成分Bは、少なくとも1つのポリイソシアネート及び少なくとも第2のポリオールの反応生成物であるプレポリマーを含み、
前記第一級ジアミンの含有量レベルは、成分Aの全重量に基づいて約7~19重量%であり、
前記第一級ジアミン及び前記第二級ジアミンの合計含有量レベルは、前記2成分ポリウレタン接着剤系の全重量に基づいて約10~30重量%である、2成分ポリウレタン接着剤系。
項2.
成分A及び成分Bは、約1:5~5:1の重量比である、項1に記載の2成分ポリウレタン接着剤系。
項3.
成分Aは、成分Aの重量に基づいて約15~23重量%の前記第二級ジアミンを含む、項1に記載の2成分ポリウレタン接着剤系。
項4.
前記第一級ジアミンは、芳香族ジアミンである、項1に記載の2成分ポリウレタン接着剤系。
項5.
前記第一級ジアミンは、ジメチルチオトルエンジアミン(DMTDA)、メチレンジアニリン、ジエチルトルエンジアミン、フェニレンジアミン(1,4-ジアミノベンゼン)、4,4’-ジアミノビフェニル、ジアミノナフタレン及びその2つ以上の組合せからなる群から選択される、項1に記載の2成分ポリウレタン接着剤系。
項6.
前記第二級ジアミンは、芳香族ジアミンである、項1に記載の2成分ポリウレタン接着剤系。
項7.
前記第二級ジアミンは、N,N’-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン(DSB-PDA)、4,4’-メチレンビス[N-sec-ブチルアニリン](DSB-MDA)、N-アルキル化された第一級芳香族ジアミン及びその2つ以上の組合せからなる群から選択される、項1に記載の2成分ポリウレタン接着剤系。
項8.
前記第1のポリオールは、約2~7の官能性及び約50~8000g/molの平均当量を有する、項1に記載の2成分ポリウレタン接着剤系。
項9.
第1の基材と、第2の基材と、項1~6のいずれか一項に記載の2成分ポリウレタン接着剤系とを含む物品であって、前記2成分ポリウレタン接着剤系は、前記第1及び第2の基材間に配置される、物品。
項10.
前記第1及び第2の基材の一方又は両方は、架橋エラストマーから形成される、項9に記載の物品。
【実施例
【0023】
材料
・ポリオール-1 - キャップドポリエーテルトリオール(官能性:3;MW:4610g/mol)、商品名VORANOL(商標)232-036NでDow Inc.から入手;
・ポリオール-2 - ポリエーテルトリオール(官能性:3;MW:254g/mol)、商品名VORANOL(商標)230-660でDow Inc.から入手;
・ポリオール-3 - ブタジエンの液体ヒドロキシル末端ポリマー(2.5の官能性、MW:1300g/mol)、商品名Poly bd(商標)R-20LMでCray Valley USA,LLCから入手;
・ポリオール-4 - プロピレングリコールをベースとするポリエーテルポリオールジオール(官能性:2;MW:2000g/mol)、商品名VORANOL(商標)220-056NでDow Inc.から入手;
・DMTDA - 商品名ETHACURE(商標)300 CurativeでAlbemarleから入手、第一級ジアミンジメチルチオトルエンジアミン(DMTDA);
・DSB-PDA - 商品名UNILINK(商標)4100でDorf Ketal,LLCから入手、第二級ジアミンN,N’-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン(DSB-PDA);
・DSB-MDA - 商品名UNILINK(商標)4200でDorf Ketal,LLCから入手、第二級ジアミン4,4’-メチレンビス[N-sec-ブチルアニリン](DSB-MDA);
・P-MDI - 商品名PAPI(商標)27でDow Inc.から入手、ポリマーMDI(MDIを含有するポリメチレンポリフェニルイソシアネート);
・CB - 商品名ELFTEX(商標)S7100でCabotから入手、カーボンブラック;
・消泡剤 - 商品名FOAM BLAST(商標)20FでDystarから入手。
【0024】
成分A
各実施例の成分Aに関して、表1に列挙された成分を高速ミキサー中で組み合わせて、カートリッジに装填した。
【0025】
成分B
各実施例において、成分Bを以下の通りに調製した。最初に47℃で以下の成分を混合した:P-MDI(1996g);ポリオール-4(1366g);消泡剤(0.26g);及びジメチルスズカルボキシレート(ジイソノニルフタレート中2.43重量%の溶液14.64g)。次いで、ジイソノニルフタラート(90.6g);ジエチルマロネート(35g);及び4,4’-(ジ-2,1-エタンジイル)ビスモルホリン(DMDEE、2.64g)を混合物に添加し、60℃で混合した。混合物を室温まで冷却した後、CB(約200~204℃のオーブン中で一晩乾燥させたもの)を10重量%で混合物に添加し、Flaktek高速ミキサーを使用して、得られた分散体を混合した。
【0026】
剥離強度:
加硫ゴム細片(ポリブタジエン(BR)とスチレンブタジエン(SBR)とのブレンド)をベルトサンダー上で粗面化し、化学酸化体、これらの実施例では酢酸エチル中トリクロロイソシアヌル酸の2重量%の溶液を用いて、表面を活性化した。溶液を少なくとも5分間乾燥させた後、クーポン表面を、有機溶媒、本実施例ではトルエンを用いて拭いた。各実施例において、Flaktek高速ミキサーを使用して、表1に列挙される重量比で成分A及び成分Bを混合し、2片の幅2インチの加硫ゴム細片(ポリブタジエン(BR)とスチレンブタジエン(SBR)とのブレンド)間に適用し、試験アセンブリを2~4時間、活性真空が適用された真空中に配置した。次いで、試験アセンブリを真空バッグから取り出し、20~22時間、75°F及び50%のRHで貯蔵し、82℃で2インチ/分の剥離速度においてInstron上でT剥離試験を行った。平均剥離強度及び最大剥離強度を得て、表1にまとめた。
【0027】
実施例E1~E8及び比較例CE1~CE8:
本明細書で実証されるように、E1~E8の接着剤系は、それぞれ成分Aに約12重量%以上の第一級ジアミン並びにA+B接着剤系に約10重量%以上の第一級及び第二級ジアミンを含有し、そのような接着剤は、CE1~CE8の接着剤と比較してはるかに改善された剥離強度を示す。
【0028】
【表1】