(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】電子デバイスの昇降アセンブリ及び電子デバイス
(51)【国際特許分類】
H02K 33/16 20060101AFI20241209BHJP
【FI】
H02K33/16 A
(21)【出願番号】P 2022580867
(86)(22)【出願日】2022-09-19
(86)【国際出願番号】 CN2022119649
(87)【国際公開番号】W WO2024045230
(87)【国際公開日】2024-03-07
【審査請求日】2022-12-27
(31)【優先権主張番号】202211056134.6
(32)【優先日】2022-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522235216
【氏名又は名称】エーエーシー アコースティック テクノロジーズ (シャンハイ) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100125450
【氏名又は名称】河野 広明
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 利金
(72)【発明者】
【氏名】▲謝▼ 兵
(72)【発明者】
【氏名】▲蒋▼ 亮
【審査官】池田 貴俊
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109992045(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109218477(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第113438402(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 33/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイスの昇降アセンブリであって、
前記電子デバイスは、デバイス本体と、前記デバイス本体に取り付けられた前記電子デバイスの昇降アセンブリとを備え、
第1方向に沿って対向して設置された第1取付フレーム及び第2取付フレームと、昇降本体と、駆動コイルと、第1磁性部材とを備え、
前記第1取付フレームと前記第2取付フレームは、移動可能に接続され、
前記昇降本体は、前記第1取付フレームに取り付けられ、
前記駆動コイルは、前記第2取付フレームに取り付けられ、
前記第1磁性部材は、前記駆動コイルの軸方向に沿って、前記駆動コイルの第2取付フレームから離れる側に対向して設置され、
且つ前記デバイス本体に固定され、
前記駆動コイルが通電された後に、前記第1磁性部材の駆動で、前記駆動コイルは、前記第2取付フレームが第2方向に沿って移動するように駆動することができるとともに、前記第2取付フレームは、前記第1取付フレームが前記第1方向に沿って移動するように駆動することができ、それにより前記昇降本体が前記第1方向に沿って移動し、
前記第1方向と前記第2方向とは、所定夾角をな
し、
前記第1取付フレームは、第1固定部と、第2固定部と、前記第1固定部と前記第2固定部とを接続する第1係合部とを備え、前記第2取付フレームは、第1固定係合部と、第2固定係合部と、前記第1固定係合部と前記第2固定係合部とを接続する第2係合部とを備え、前記第1係合部は、前記第2係合部に当接可能であり、
前記第2取付フレームが前記第2方向に沿って移動する場合、前記第1係合部と前記第2係合部は、前記第1取付フレームを前記第1方向に沿って移動させるように、相対的に移動することができ、
前記第1方向に沿って、前記第1固定部と前記第2固定部との間に段差があり、
前記第1方向に沿って、前記第1固定係合部と前記第2固定係合部との間に段差があり、
前記電子デバイスの昇降アセンブリが安定状態にあるとき、前記第1固定部は前記第1固定係合部に当接し、或いは、前記第1固定部は前記第2固定係合部に当接する、ことを特徴とする
電子デバイスの昇降アセンブリ。
【請求項2】
前記第1取付フレームは、第1固定部材を備え、前記第2取付フレームは、少なくとも、間隔を隔てて設置される第1固定係合部材及び第2固定係合部材を備え、
前記電子デバイスの昇降アセンブリが安定状態にあるとき、前記第1固定部材は前記第1固定係合部材と係合し、或いは、前記第1固定部材は前記第2固定係合部材と係合する、ことを特徴とする
請求項1に記載の電子デバイスの昇降アセンブリ。
【請求項3】
前記第1固定部材は、前記第1固定部に設置され、前記第1固定係合部材は、前記第1固定係合部に設置され、前記第2固定係合部材は、前記第2固定係合部に設置され、
前記第1固定部が前記第1固定係合部に当接するとき、前記第1固定部材が第1固定係合部材と係合し、前記第1固定部が前記第2固定係合部に当接するとき、前記第1固定部材が前記第2固定係合部材と係合する、ことを特徴とする
請求項1に記載の電子デバイスの昇降アセンブリ。
【請求項4】
前記第1取付フレームは、第1本体部と、前記第2方向に沿って前記第1本体部の両端に対向して設置された第1端部及び第2端部とを備え、前記第1係合部、前記第1固定部及び前記第2固定部は、いずれも前記第1端部に設置され、
前記第2取付フレームは、第2本体部と、前記第2方向に沿って前記第2本体部の両端に対向して設置された第3端部及び第4端部とを備え、前記第2係合部、前記第1固定係合部及び前記第2固定係合部は、いずれも前記第3端部に設置され、
前記第1方向に沿って、前記第1端部と前記第2端部は、いずれも前記第1本体部との間に段差があり、前記第3端部と前記第4端部は、いずれも前記第2本体部との間に段差があり、前記第1本体部は、前記第2本体部と係合し、
前記第2取付フレームが前記第2方向に沿って移動する場合、前記第1端部と前記第3端部とが相対的に移動することができ、前記第2端部と前記第4端部とが相対的に移動することができる、ことを特徴とする
請求項1に記載の電子デバイスの昇降アセンブリ。
【請求項5】
前記第2端部には第3係合部、第3固定部及び第4固定部が設置され、前記第3固定部と前記第4固定部との間は、前記第3係合部により接続され、前記第1方向に沿って、前記第3固定部と前記第4固定部との間に段差があり、
前記第4端部には第4係合部、第3固定係合部及び第4固定係合部が設置され、前記第3固定係合部と前記第4固定係合部との間は、前記第4係合部により接続され、前記第1方向に沿って、前記第3固定係合部と前記第4固定係合部との間に段差があり、
前記第2取付フレームが前記第2方向に沿って移動する場合、前記第3係合部と前記第4係合部は、相対的に移動することができ、
前記電子デバイスの昇降アセンブリが安定状態にあるとき、前記第4固定部は前記第4固定係合部に当接し、或いは、前記第3固定部は前記第4固定係合部に当接する、ことを特徴とする
請求項4に記載の電子デバイスの昇降アセンブリ。
【請求項6】
前記第1取付フレームは、第2固定部材及び第3固定部材をさらに備え、前記第2固定部材が前記第3固定部に設置され、前記第3固定部材が前記第4固定部に設置され、
前記第2取付フレームは、第3固定係合部材をさらに備え、前記第3固定係合部材が前記第4固定係合部に設置され、
前記電子デバイスの昇降アセンブリが安定状態にあるとき、前記第2固定部材は前記第3固定係合部材と係合し、或いは、前記第3固定部材は前記第3固定係合部材と係合する、ことを特徴とする
請求項5に記載の電子デバイスの昇降アセンブリ。
【請求項7】
前記第1固定部材、前記第2固定部材、前記第3固定部材、前記第1固定係合部材、前記第2固定係合部材、及び前記第3固定係合部材は、いずれも磁性部材である、ことを特徴とする
請求項6に記載の電子デバイスの昇降アセンブリ。
【請求項8】
電子デバイスであって、
デバイス本体と、請求項1
~7のいずれか一項に記載の電子デバイスの昇降アセンブリとを備え、
前記電子デバイスの昇降アセンブリは、前記デバイス本体に取り付けられ、前記電子デバイスの昇降アセンブリの少なくとも一部は、前記デバイス本体から繰り出し可能であり、
前記デバイス本体は、前記電子デバイスの昇降アセンブリの前記第1方向及び/又は前記第2方向に沿った移動を制限するストッパ構造をさらに備える、ことを特徴とする
電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子デバイスの技術分野に関し、特に電子デバイスの昇降アセンブリ及び電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ショルダーキーは、様々な電子デバイスに広く使用されているが、実体のショルダーキーは、電子デバイスのハウジングよりもかなり高くなるため、日常的な使用では、誤って触られたり、電子デバイスの使用風合いに影響を与えたりしやすくなる。したがって、ショルダーキーを使用しない場合、ショルダーキーを電子デバイスの内部に繰り込む必要がある。現在、ユーザがキーを手動で押し引きする方式でショルダーキーを電子デバイスに対して出没することにより、ショルダーキーの信頼性が悪く、破損しやすく、かつ手動で押し引きする方式ではユーザの使用感が悪い。
【0003】
したがって、信頼性が高く、使用感に優れた電子デバイスの昇降アセンブリ及び電子デバイスを提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、信頼性が高く、使用感に優れた電子デバイスの昇降アセンブリ及び電子デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の技術案は、以下のとおりである。
電子デバイスの昇降アセンブリは、第1方向に沿って対向して設置された第1取付フレーム及び第2取付フレームと、昇降本体と、駆動コイルと、第1磁性部材とを備え、
第1取付フレームと第2取付フレームは、移動可能に接続され、
昇降本体は、第1取付フレームに取り付けられ、
駆動コイルは、第2取付フレームに取り付けられ、
第1磁性部材は、駆動コイルの軸方向に沿って、駆動コイルの第2取付フレームから離れる側に設置され、
駆動コイルが通電された後に、第1磁性部材の駆動で、駆動コイルは、第2取付フレームが第2方向に沿って移動するように駆動することができるととともに、第2取付フレームは、第1取付フレームが第1方向に沿って移動するように駆動することができ、それにより昇降本体が第1方向に沿って移動し、
第1方向と第2方向とは、所定夾角をなす。
【0006】
可能な設計において、第1取付フレームは、第1固定部材を備え、第2取付フレームは、少なくとも間隔を隔てて設置される第1固定係合部材及び第2固定係合部材を備え、
電子デバイスの昇降アセンブリが安定状態にあるとき、第1固定部材は、第1固定係合部材と係合し、又は、第1固定部材は、第2固定係合部材と係合する。
【0007】
可能な設計において、第1取付フレームは、第1固定部と、第2固定部と、第1固定部と第2固定部とを接続する第1係合部とを備え、第2取付フレームは、第1固定係合部と、第2固定係合部と、第1固定係合部と第2固定係合部とを接続する第2係合部とを備え、第1係合部は、第2係合部に当接することができ、
第2取付フレームが第2方向に沿って移動する場合、第1係合部と第2係合部は、相対的に移動可能であり、それによって第1取付フレームを第1方向に沿って移動させる。
【0008】
可能な設計において、第1方向に沿って、第1固定部と第2固定部との間に段差があり、第1固定係合部と第2固定係合部との間に段差があり、
電子デバイスの昇降アセンブリが安定状態にあるとき、第1固定部は、第1固定係合部に当接し、又は、第1固定部は、第2固定係合部に当接する。
【0009】
可能な設計において、第1固定部材は、第1固定部に設置され、第1固定係合部材は、第1固定係合部に設置され、第2固定係合部材は、第2固定係合部に設置され、
第1固定部が第1固定係合部に当接するとき、第1固定部材が第1固定係合部材と係合し、第1固定部が第2固定係合部に当接するとき、第1固定部材が第2固定係合部材と係合する。
【0010】
可能な設計において、第1取付フレームは、第1本体部と、第2方向に沿って第1本体部の両端に対向して設置された第1端部及び第2端部とを備え、第1係合部、第1固定部及び第2固定部は、いずれも第1端部に設置され、
第2取付フレームは、第2本体部と、第2方向に沿って第2本体部の両端に対向して設置された第3端部及び第4端部とを備え、第2係合部、第1固定係合部及び第2固定係合部は、いずれも第3端部に設置され、
第1方向に沿って、第1端部と第2端部は、いずれも第1本体部との間に段差があり、第3端部と第4端部は、いずれも第2本体部との間に段差があり、第1本体部は、第2本体部と係合し、
第2取付フレームが第2方向に沿って移動する場合、第1端部と第3端部は、相対的に移動可能であり、第2端部と第4端部は、相対的に移動可能である。
【0011】
可能な設計において、第2端部には第3係合部、第3固定部及び第4固定部が設置され、第3固定部と第4固定部との間は、第3係合部により接続され、第1方向に沿って、第3固定部と第4固定部との間には段差があり、
第4端部には第4係合部、第3固定係合部及び第4固定係合部が設置され、第3固定係合部と第4固定係合部との間は、第4係合部により接続され、第1方向に沿って、第3固定係合部と第4固定係部との間には段差があり、
第2取付フレームが第2方向に沿って移動する場合、第3係合部と第4係合部は、相対的に移動可能であり、
電子デバイスの昇降アセンブリが安定状態にあるとき、第4固定部は、第4固定係合部に当接し、又は、第3固定部は、第4固定係合部に当接する。
【0012】
可能な設計において、前記第1取付フレームは、第2固定部材及び第3固定部材をさらに備え、第2固定部材が第3固定部に設置され、第3固定部材が第4固定部に設置され、
第2取付フレームは、第3固定係合部材をさらに備え、第3固定係合部材が第4固定係合部に設置され、
電子デバイスの昇降アセンブリが安定状態にあるとき、第2固定部材は、第3固定係合部材と係合し、又は、第3固定部材は、第3固定係合部材と係合する。
【0013】
可能な設計において、第1固定部材、第2固定部材、第3固定部材、第1固定係合部材、第2固定係合部材及び第3固定係合部材は、いずれも磁性部材である。
【0014】
本発明は、電子デバイスをさらに提供し、当該電子デバイスは、デバイス本体と、以上のいずれか一項に記載の電子デバイスの昇降アセンブリとを備え、
電子デバイスの昇降アセンブリは、デバイス本体に取り付けられ、電子デバイスの昇降アセンブリの少なくとも一部は、デバイス本体から繰り出し可能であり、
デバイス本体は、電子デバイスの昇降アセンブリの第1方向及び/又は第2方向に沿った移動を制限できるストッパ構造をさらに備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明による有益な技術効果は、以下の通りである。すなわち、駆動コイルの通電又は遮電を制御することによって、昇降アセンブリの移動を制御し、昇降アセンブリの移動の安定性及び信頼性を向上させ、手動押圧による昇降アセンブリの破損のリスクを低減させ、さらに昇降アセンブリの耐用寿命を延長することができるとともに、ユーザの操作を簡略化し、ユーザの使用感を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の提供する電子デバイスの昇降アセンブリの実施形態における部分構成を示す模式図である。
【
図3】
図2における第1取付フレームの構成を示す模式図である。
【
図4】
図2における第2取付フレームの構成を示す模式図である。
【
図5】電子デバイスの昇降アセンブリが安定状態にある時の模式図であり、ここで、電子デバイスの昇降アセンブリが収縮状態にある。
【
図6】電子デバイスの昇降アセンブリが移動状態にある時の模式図である。
【
図7】電子デバイスの昇降アセンブリが安定状態にある時の模式図であり、ここで、電子デバイスの昇降アセンブリが押出状態にある。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面及び実施形態を参照しながら、本発明をさらに説明する。
【0018】
本発明は、電子デバイス(図示せず)を提供し、当該電子デバイスは、デバイス本体(図示せず)と、デバイス本体に取り付けられた昇降アセンブリとを備え、
図1及び
図2に示すように、昇降アセンブリは、第1方向に沿って対向して設置された第1取付フレーム4及び第2取付フレーム5と、第1取付フレーム4に取り付けられた昇降本体1と、第2取付フレーム5に取り付けられた駆動コイル3と、駆動コイルの軸方向に沿って(本発明は駆動コイルの軸方向を第1方向Yとすることを例にして説明する)、駆動コイル3の第2取付フレーム5から離れる側に設置された第1磁性部材2とを備え、駆動コイル3が通電された後、駆動コイル3内部の電流は、第1磁性部材2の磁場の作用下でアンペア力を生成することができ、第1磁性部材2がデバイス本体に固定されるため、駆動コイル3は、第1磁性部材2の駆動で、第2取付フレーム5を第2方向Xに沿って移動するように駆動することができ、同時に、第1取付フレーム4は、第2取付フレーム5の駆動で、昇降本体1を第1方向Yに沿って移動するように駆動することができ、それにより昇降本体1の少なくとも一部がデバイス本体に対して繰り出し又は繰り込みを行う。ここで、第1方向Yと第2方向Xとは、所定夾角をなし、本発明では、第1方向Yと第2方向Xとの夾角の寸法について特に限定されず、説明を容易にするために、以下は、いずれも第1方向Yと第2方向Xとの夾角が90°であることを例として説明する。ここで、電子デバイスには、コンピュータ、携帯電話、タブレット、キーボード、ビデオカメラなどを含むがそれらに限定されず、本発明は、電子デバイスの具体的な種類について特に限定するものではなく、昇降本体1は、キー、モータなどの構造を含むがそれらに限定されず、本発明は、昇降本体1の具体的な種類について特に限定されないものとする。
【0019】
本実施形態において、駆動コイル3と第1磁性部材2とで生成されたアンペア力によって昇降本体1の移動を駆動することにより、ユーザが手動でキーを動かすことによる面倒な操作のリスクが低減され、ユーザの操作が簡略化され、ユーザの使用感を向上させることができる。第1取付フレーム4と第2取付フレーム5との相対移動によって昇降本体1の移動を制御することにより、昇降本体1の移動異常のリスクを低下させ、昇降本体1の移動の安定性を向上させることができる。
【0020】
ここで、昇降本体1は、第1取付フレーム4に取り付けられ、駆動コイル3は、第2取付フレーム5に取り付けられ、昇降本体1と駆動コイル3の取り付けの安定性を増加させ、動作中に昇降本体1、駆動コイル3が所定の取付位置からずれることによる昇降アセンブリの移動状態異常のリスクを低減させ、それにより昇降アセンブリ、駆動コイル3の動作安定性を向上させ、電子デバイスの動作安定性をさらに向上させることができる。
【0021】
また、電子デバイスのデバイス本体にはストッパ構造が設置されて、ストッパ構造は、第1取付フレーム4の第1方向Yに沿った移動を制限することによって、昇降本体1の第1方向Yに沿った移動を制限して、昇降本体1がデバイス本体から離脱するリスクを低減することができ、それにより昇降本体1とデバイス本体との接続の安定性を向上させ、かつ昇降本体1の動作安定性を向上させることができ、また、ストッパ構造は、第2取付フレーム5の第2方向Xに沿った移動を制限することによって、駆動コイル3の第2方向Xに沿った移動を制限して、駆動コイル3と電子デバイス内の他の部品との干渉のリスクを低減することができ、それにより駆動コイル3、電子デバイス内の他の部品の動作安定性を向上させ、かつ駆動コイル3、電子デバイス内の他の部品の耐用寿命を延長させることができる。
【0022】
具体的には、電子デバイスには制御アセンブリが設置され、制御アセンブリは、駆動コイル3の通電又は遮電を制御することにより、昇降アセンブリの動作状態を制御するために用いられる。ここで、制御アセンブリは、制御端末及び回路板アセンブリを備え、制御端末は、回路板アセンブリに電気的に接続されるか又は信号的に接続され、ユーザは制御端末に制御コマンドを入力することができ、制御端末は受信されたコマンドに基づいて回路板アセンブリを介して駆動コイル3の通電又は遮電を制御する。制御端末を設置することにより、ユーザの操作をさらに簡略化し、ユーザの使用感を向上させ、かつ電子デバイスの使用性能をさらに向上させることができる。
【0023】
ここで、制御端末は、電子デバイスに内蔵されたアプリケーションソフトウェア、ジェスチャコマンド、音声コマンド、ブルートゥース(登録商標)コマンドなどであってもよく、本発明は、制御端末及び制御アセンブリの具体的な構造やタイプについていずれも特に限定されない。
【0024】
図3に示すように、第1取付フレーム4には取付溝47が設置され、昇降本体1が取付溝47に取り付けられることにより、昇降本体1と第1取付フレーム4との接続構造が簡略化され、昇降本体1と第1取付フレーム4の製造コストが低減される。ここで、昇降本体1と取付溝47との接続方式は、接着、溶接、ねじやボルトなどのファスナーによる固定接続を含むがこれらに限定されず、本発明は、昇降本体1の具体的な取付方式について特に限定されない。
【0025】
図3及び
図4に示すように、第1取付フレーム4には第1係合部41が設置され、第2取付フレーム5には第2係合部51が設置され、第1係合部41が第2係合部51に当接することができ、第2取付フレーム5が第2方向に沿って移動する場合、第1取付フレーム4は、第1係合部41及び第2係合部51の駆動で、第1方向に沿って移動することができる。
【0026】
本実施形態において、
図5~
図7に示すように、第2取付フレーム5が駆動コイル3の駆動で第2方向Xの正方向に沿って移動する際に、第1係合部41が第2係合部51に当接し、かつ第1係合部41が第2係合部51に沿って移動することができ、それにより第1取付フレーム4が第1方向Yに沿って移動するようにする。互いに係合する第1係合部41及び第2係合部51を設置することにより、第1取付フレーム4、第2取付フレーム5の構造が簡略化され、第1取付フレーム4、第2取付フレーム5の生産リードタイム及び製造コストが低減されるとともに、第1取付フレーム4、第2取付フレーム5の接続に必要な部品数が減少され、第1取付フレーム4、第2取付フレーム5の占める電子デバイス内部の空間が小さくなり、電子デバイスの全体の寸法をさらに低減することに有利である。
【0027】
図3及び
図4に示すように、第1取付フレーム4は、第1固定部42及び第2固定部43を備え、第1固定部42と第2固定部43との間は、第1係合部41により接続され、第1方向Yに沿って、第1固定部42と第2固定部43との間には段差があり、すなわち第1固定部42、第1係合部41、第2固定部43は、Z型構造に接続され、第2取付フレーム5は、第1固定係合部52及び第2固定係合部53を備え、第1固定係合部52と第2固定係合部53との間は、第2係合部51により接続され、第1方向Yに沿って、第1固定係合部52と第2固定係合部53との間には段差があり、すなわち第1固定係合部52、第2係合部51、第2固定係合部53は、Z型構造に接続され、昇降アセンブリが安定状態にある時、第1固定部42は第1固定係合部52に当接し、又は、第1固定部42は第2固定係合部53に当接する。
【0028】
本実施形態において、
図5に示すように、昇降アセンブリが安定状態にありかつ収縮状態にある場合、第1固定部42が第1固定係合部52に当接し、第2固定部43が第2固定係合部53に当接し、
図7に示すように、昇降アセンブリが安定状態にありかつ押出状態にある時、第1固定部42が第2固定係合部53に当接する。第1固定部42、第2固定部43、第1固定係合部52及び第2固定係合部53を設置することにより、昇降アセンブリが安定状態にあるときに第1取付フレーム4と第2取付フレーム5との間の接触が面接触となり、第1取付フレーム4と第2取付フレーム5との接触面積が小さくひいては点接触となることによって破損するリスクを低減し、第1取付フレーム4、第2取付フレーム5の耐用寿命を向上させ、さらに昇降アセンブリ及び電子デバイスの耐用寿命及び動作安定性を向上させる。
【0029】
図3及び
図4に示すように、第1固定部42には第1固定部材421が設置され、第1固定係合部52には第1固定係合部材521が設置され、第2固定係合部53には第4固定係合部材が設置され、
図5に示すように、第1固定部42が第1固定係合部52に当接するとき、第1固定部材421が第1固定係合部材521と係合し、
図7に示すように、第1固定部42が第2固定係合部53に当接するとき、第1固定部材421が第2固定係合部材531と係合し、取り付け、輸送及び使用中において、第1取付フレーム4と第2取付フレーム5が相対的に移動するリスクを低減させて、第1取付フレーム4と第2取付フレーム5との接続の安定性を向上させ、さらに昇降アセンブリの動作安定性を向上させる。
【0030】
ここで、第1固定部材421と第1固定係合部材521、および、第1固定部材421と第2固定係合部材531との間の接続方式は、係着、磁気吸着を含むがこれらに限定されず、本発明の実施形態において、第1固定部材421と第1固定係合部材521との間、第1固定部材421と第2固定係合部材531との間には、磁気吸着の方式で接続される。すなわち、第1固定部材421は、第2磁性部材であり、第1固定係合部材521、第2固定係合部材531は、磁気係合部材であり、具体的には、第1固定部材421は、磁石であり、第1固定係合部材521、第2固定係合部材531は、金属部材であり、又は、第1固定部材421は、金属部材であり、第1固定係合部材521、第2固定係合部材531は、磁石であり、又は、第1固定部材421は、磁石であり、第1固定係合部材521及び第2固定係合部材531のうちの一方は金属部材であり、他方は第1固定部材421と磁性が逆の磁石であり、又は、第1固定部材421は磁石であり、第1固定係合部材521及び第2固定係合部材531は、いずれも第1固定部材421と磁性が逆の磁石である。本発明は、第1固定部材421、第1固定係合部材521、第2固定係合部材531の具体的な構造及びタイプについて特に限定されない。
【0031】
図3に示すように、第1取付フレーム4は、第1本体部430と、第2方向Xに沿って第1本体部430の両端に対向して設置された第1端部410及び第2端部420とを備え、第1方向Yに沿って、第1端部410及び第2端部420は、いずれも第1本体部430と段差がある。第1固定部42、第1係合部41および第2固定部43は、いずれも第1端部410に設けられている。
【0032】
第2端部420には第3係合部44、第3固定部45及び第4固定部46が設置され、第3固定部45と第4固定部46との間は、第3係合部44により接続され、第3固定部45と第4固定部46は、第1方向Yに沿って段差がある。第3固定部45には第2固定部材451が設置され、第4固定部46には第3固定部材461が設置される。
【0033】
図4に示すように、第2取付フレーム5は、第2本体部530と、第2方向Xに沿って第2本体部530の両端に対向して設置された第3端部510及び第4端部520とを備え、第1方向Yに沿って、第3端部510及び第4端部520は、いずれも第2本体部530と段差がある。第1固定係合部52、第2係合部51及び第2固定係合部53は、いずれも第3端部510に設けられている。
【0034】
第4端部520には第4係合部54、第3固定係合部55及び第4固定係合部56が設置され、第3固定係合部55と第4固定係合部56との間に第1方向Yに沿った段差があり、第3固定係合部55と第4固定係合部56との間は、第4係合部54により接続され、第4固定係合部56には第3固定係合部材561が設置される。
【0035】
図5に示すように、第1固定部42が第1固定係合部52に当接するとき、第1本体部430は、第2本体部530と係合し、第1固定部材421は、第1固定係合部材521と係合し、第4固定部46は、第4固定係合部56に当接し、第3固定部材461は、第3固定係合部材561と係合し、
図7に示すように、第1固定部42が第2固定係合部53に当接するとき、第1固定部材421は、第2固定係合部材531と係合し、第3固定部45は、第4固定係合部56に当接し、第2固定部材451は、第3固定係合部材561と係合する。
【0036】
本実施形態において、第1取付フレーム4及び第2取付フレーム5の左右両側にいずれも固定部、固定部材及び固定係合部材が設置され、それにより昇降アセンブリが安定状態にあるとき、第1取付フレーム4と第2取付フレーム5は左右両側が同時に力を受けることができ、第1取付フレーム4及び第2取付フレーム5の片側の受力により傾斜や破損が発生するリスクを低減させて、第1取付フレーム4及び第2取付フレーム5の接続の安定性を向上させ、第1取付フレーム4及び第2取付フレーム5の耐用寿命を延長させることができる。
【0037】
ここで、第2固定部材451と第3固定係合部材561、第3固定部材461と第3固定係合部材561との間の接続方式は、係着、磁気吸着を含むがこれらに限定されず、本発明の実施形態において、第2固定部材451と第3固定係合部材561、第3固定部材461と第3固定係合部材561との間は、磁気吸着の方式で接続される。すなわち、第2固定部材451及び第3固定部材461は、第2磁性部材であり、第3固定係合部材561は、磁気係合部材であり、具体的には、第2固定部材451及び第3固定部材461は、磁石であり、第3固定係合部材561は金属部材であり、又は、第2固定部材451及び第3固定部材461は、金属部材であり、第3固定係合部材561は磁石であり、又は、第3固定係合部材561は磁石であり、第2固定部材451及び第3固定部材461のうちの一方は、金属部材であり、他方は、第3固定係合部材561と磁性が逆の磁石である。本発明は、第2固定具451、第3固定具461、第3固定係合561の具体的な構成及びタイプについて特に限定されない。
【0038】
図1~
図7に示すように、駆動コイル3は、第1コイル31及び第2コイル32を備え、第1コイル31と第2コイル32は、第2方向に沿って間隔を隔てて交互に設置され、第1磁性部材2は、第1磁石21及び第2磁石22を備え、第1磁石21は、第1コイル31に対向して設置され、第2磁石22は、第2コイル32に対向して設置される。
【0039】
本実施形態において、複数の駆動コイル3及び第1磁性部材2を設置することで、昇降アセンブリの移動過程において第2取付フレーム5の受力位置を増加させ、第2取付フレーム5の局部的な受力による第2取付フレーム5の傾斜のリスクを低減させ、それにより昇降アセンブリと電子デバイス内部の他の部品との干渉のリスクが低減され、さらに昇降アセンブリの移動安定性を向上させ、昇降アセンブリ、電子デバイス内部の他の部品の耐用寿命を延長させることができる。
【0040】
一つの実施形態において、第1コイル31内の電流の流れ方向は、第2コイル32内の電流の流れ方向と同じであり、このとき、第1磁石21の磁性は、第2磁石22の磁性と同じであり、第1磁石21と第2磁石22とは、間隔を隔てて設置されるか又は一体成形され、それにより第1磁性部材2の構造の柔軟性を増加させる。
【0041】
昇降本体1の移動を駆動する過程において、第1コイル31及び第2コイル32の内部の電流方式を変更することにより、第1コイル31及び第2コイル32で生成されたアンペア力の方向を変更して、第2取付フレーム5が第2方向Xの正方向又は負方向に沿って移動するように制御し、第1取付フレーム4が第1方向Yの正方向又は負方向に沿って移動するように制御し、さらに昇降アセンブリが押出移動又は収縮移動を行うように制御する。
【0042】
別の実施形態において、第1コイル31内の電流の流れ方向は、第2コイル32内の電流の流れ方向と逆であり、このとき、第1磁石21の磁性は、第2磁石22の磁性と逆であり、第1磁石21は、第2磁石22と間隔を隔てて設置される。
【0043】
昇降本体1の移動を駆動する過程において、第1コイル31が通電されるときに、第1コイル31は、第2方向Xの正方向に沿ったアンペア力を生成し、それにより第2取付フレーム5が第2方向Xの正方向に沿って移動するように駆動し、さらに第1取付フレーム4が第1方向Yの正方向に沿って移動するように駆動し、このとき、昇降アセンブリは押出移動を行い、第2コイル32が通電されるときに、第2コイル32は、第2方向Xの負方向に沿ったアンペア力を生成し、それにより第2取付フレーム5が第2方向Xの負方向に沿って移動するように駆動し、さらに第1取付フレーム4が第1方向Yの負方向に沿って移動するように駆動し、このとき、昇降アセンブリは収縮移動を行う。
【0044】
第1コイル31内の電流の流れ方向は、第2コイル32内の電流の流れ方向と逆であり、第1コイル31又は第2コイル32に通電するように制御すれば、昇降アセンブリの移動状態の調整を実現することができ、昇降アセンブリに対する制御方式を簡略化し、制御アセンブリの構造をさらに簡略化することができる。
【0045】
以上により、昇降アセンブリが収縮状態にある場合、昇降アセンブリの少なくとも一部がデバイス本体内に引っ込み、このとき、
図3、
図4及び
図5に示すように、第1固定部42が第1固定係合部52に当接し、第2固定部43が第2固定係合部53に当接し、第1本体部430は、第2本体部530と係合し、第4固定部46は、第4固定係合部56に当接し、同時に、第1固定部材421は、第1固定係合部材521と係合し、第3固定部材423は、第3固定係合部材532と係合し、駆動コイル3が通電されて第2方向Xの正方向に沿ったアンペア力を生成する場合、
図6に示すように、第2取付フレーム5は、駆動コイル3の駆動で第2方向Xの正方向に沿って移動し、第1端部410と第3端部510が相対的に移動し、第2端部420と第4端部520が相対的に移動することにより、第1係合部41と第2係合部51が当接し、かつ第1係合部41と第2係合部51が相対的に移動し、第1取付フレーム4が第1係合部41、第2係合部51の駆動で第1方向Yの正方向に沿って移動し、このとき、昇降アセンブリは、押出動作を行い、
図7に示すように、第1固定部42が第2固定係合部53に当接するとき、第1係合部41と第2係合部51は、係合を解除し、第1固定部材421は、第2固定係合部材531と係合し、第2固定部材422は、第3固定係合部材532と係合し、このとき、昇降アセンブリは、押出動作を完了し、押出状態に安定し、駆動コイル3が通電されて第2方向Xの負方向に沿ったアンペア力を生成する場合、第2取付フレーム5は、駆動コイル3の駆動で第2方向Xの負方向に沿って移動することによって、第1係合部41と第2係合部51が改めて当接し、第1係合部41と第2係合部51が相対的に移動し、第1取付フレーム4が第1方向Yの負方向に沿って移動し、このとき、昇降アセンブリが収縮動作を行う。
【0046】
上記したのは、本発明の実施形態に過ぎず、本発明が属する技術分野の当業者にとって、本発明の思想を逸脱することなく改良を加えることができるが、これらは全て本発明の保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0047】
1-昇降本体
2-第1磁性部材
21-第1磁石
22-第2磁石
3-駆動コイル
31-第1コイル
32-第2コイル
4-第1取付フレーム
410-第1端部
420-第2端部
430-第1本体部
41-第1係合部
42-第1固定部
421-第1固定部材
43-第2固定部
44-第3係合部
45-第3固定部
451-第2固定部材
46-第4固定部
461-第3固定部材
47-取付溝
5-第2取付フレーム
510-第3端部
520-第4端部
530-第2本体部
51-第2係合部
52-第1固定係合部
521-第1固定係合部材
53-第2固定係合部
531-第2固定係合部材
54-第4係合部
55-第3固定係合部
56-第4固定係合部
561-第3固定係合部材