(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】商品販売システム、サーバ、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20241209BHJP
G07G 1/01 20060101ALI20241209BHJP
【FI】
G07G1/12 311A
G07G1/01 301C
G07G1/12 331B
(21)【出願番号】P 2023033860
(22)【出願日】2023-03-06
(62)【分割の表示】P 2018038805の分割
【原出願日】2018-03-05
【審査請求日】2023-04-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 宏典
(72)【発明者】
【氏名】平松 顕也
(72)【発明者】
【氏名】大熊 裕美子
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-065239(JP,A)
【文献】特開平07-152963(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00- 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を識別する識別情報を入力する入力手段及び第1表示器を有する情報端末と、前記情報端末と通信可能なサーバとを具備した商品販売システムであって、
前記サーバは、
客が売場を回りながら前記入力手段によって識別情報が入力される毎に、その識別情報で識別される商品に係る第1情報の取得を試み、取得できた第1情報のリストを含む登録画面であって、前記第1表示器に表示させるための前記登録画面を生成する第1制御手段と、
前記第1表示器に表示されている前記登録画面が含む前記リストに表された第1情報に関する客による取消指示を受け付ける第1受付手段と、
前記第1受付手段により取消指示が受けられると、前記第1表示器に表示された前記登録画面が含む前記リストにおけるその取消指示の対象に、取り消されたことを示す第2情報を付した前記登録画面を生成する第2制御手段と、
前記入力手段によって入力された識別情報で識別される商品に係る第1情報から、当該商品の販売が許容されていないことを判定した場合、販売が許容されていない商品であることを示す第3情報と、前記第1表示器に表示されている前記登録画面が含む前記リストに含まれる第1情報および第2情報とを含み、前記情報端末とは別の
監視端末に備えられた第2表示器において表示させるための画面を生成する第3制御手段と、
前記第2表示器に表示されている画面が含む第3情報に関する店員による取消指示を受け付ける第2受付手段と、
前記第2受付手段により取消指示が受けられると、前記第2表示器に表示された前記画面を更新する第4制御手段と、
を具備した商品販売システム。
【請求項2】
前記入力手段は、既に入力した識別情報で識別される商品に係る第1情報が前記第1制御手段により取得できなかった後に、当該第1情報が取得できなかった商品に関する第3情報に関する店員による取消指示が前記第2受付手段により受け付けられていない状態にあっても、前記客が売場を回りながらの前記情報端末での操作に応じて商品を識別する識別情報の入力を行う、
請求項1に記載の商品販売システム。
【請求項3】
前記第2表示器において表示される画面が含む第3情報は、前記入力手段によって入力された識別情報と、当該識別情報で識別される商品に係る第1情報を取得できなかったことを表す情報とを含む、
請求項1又は請求項2に記載の商品販売システム。
【請求項4】
前記第2受付手段は、前記第2表示器に表示されている画面が含む第3情報に関する取消指示を、前記
監視端末の操作によって受け付ける、
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の商品販売システム。
【請求項5】
前記サーバは、
前記第2表示器に表示されている第3情報に関する取消指示を、前記情報端末からは受けない第5制御手段、
をさらに備える請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の商品販売システム。
【請求項6】
前記第1制御手段が、前記入力手段によって入力された識別情報で識別される商品に係る第1情報から、当該商品の販売が許容されていないことを判定した場合に第3情報を前記登録画面に含めるとともに、当該の第3情報の取り消しを指示するための操作子を前記登録画面に含めないことで、前記客が売場を回りながら識別情報を入力可能な状態において前記第3情報を取り消しできないようにする、
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の商品販売システム。
【請求項7】
前記第1情報は、商品名及び価格を含み、
前記第2情報は、前記商品名と価格とを表す文字列を取り消す取消線である、
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の商品販売システム。
【請求項8】
前記第1受付手段は、前記第1制御手段により生成された前記登録画面が含む前記リストに含まれる第1情報のそれぞれに関連付けた操作子を表示させ、操作された操作子に関連付けられた第1情報に関する取消指示として受け付ける、
請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の商品販売システム。
【請求項9】
商品を識別する識別情報を入力する入力手段及び第1表示器を有する情報端末と通信可能なサーバであって、
客が売場を回りながら前記入力手段によって識別情報が入力される毎に、その識別情報で識別される商品に係る第1情報の取得を試み、取得できた第1情報のリストを含む登録画面であって、前記第1表示器に表示させるための前記登録画面を生成する第1制御手段と、
前記第1表示器に表示されている前記登録画面が含む前記リストに表された第1情報に関する客による取消指示を受け付ける第1受付手段と、
前記第1受付手段により取消指示が受けられると、前記第1表示器に表示された前記登録画面が含む前記リストにおけるその取消指示の対象に、取り消されたことを示す第2情報を付した前記登録画面を生成する第2制御手段と、
前記入力手段によって入力された識別情報で識別される商品に係る第1情報から、当該商品の販売が許容されていないことを判定した場合、販売が許容されていない商品であることを示す第3情報と、前記第1表示器に表示されている前記登録画面が含む前記リストに含まれる第1情報および第2情報とを含み、前記情報端末とは別の
監視端末に備えられた第2表示器において表示させるための画面を生成する第3制御手段と、
前記第2表示器に表示されている画面が含む第3情報に関する店員による取消指示を受け付ける第2受付手段と、
前記第2受付手段により取消指示が受けられると、前記第2表示器に表示された前記画面を更新する第4制御手段と、
を具備したサーバ。
【請求項10】
商品を識別する識別情報を入力する入力手段及び第1表示器を有する情報端末と、前記情報端末と通信可能なサーバに備えられたコンピュータによる情報処理方法であって、
客が売場を回りながら前記入力手段によって識別情報が入力される毎に、その識別情報で識別される商品に係る第1情報の取得を試み、取得できた第1情報のリストを含む登録画面であって、前記第1表示器に表示させるための前記登録画面を生成し、
前記第1表示器に表示されている前記登録画面が含む前記リストに表された第1情報に関する客による取消指示を受け付け、
第1情報に関する取消指示が受けられると、前記第1表示器に表示された前記登録画面が含む前記リストにおけるその取消指示の対象に、取り消されたことを示す第2情報を付した前記登録画面を生成し、
前記入力手段によって入力された識別情報で識別される商品に係る第1情報から、当該商品の販売が許容されていないことを判定した場合、販売が許容されていない商品であることを示す第3情報と、前記第1表示器に表示されている前記登録画面が含む前記リストに含まれる第1情報および第2情報とを含み、前記情報端末とは別の
監視端末に備えられた第2表示器において表示させるための画面を生成し、
前記第2表示器に表示されている画面が含む第3情報に関する店員による取消指示を受け付け、
第3情報に関する取消指示が受けられると、前記第2表示器に表示された前記画面を更新する、
情報処理方法。
【請求項11】
商品を識別する識別情報を入力する入力手段及び第1表示器を有する情報端末と通信可能なサーバに備えられたコンピュータを、
客が売場を回りながら前記入力手段によって識別情報が入力される毎に、その識別情報で識別される商品に係る第1情報の取得を試み、取得できた第1情報のリストを含む登録画面であって、前記第1表示器に表示させるための前記登録画面を生成する第1制御手段と、
前記第1表示器に表示されている前記登録画面が含む前記リストに表された第1情報に関する客による取消指示を受け付ける第1受付手段と、
前記第1受付手段により取消指示が受けられると、前記第1表示器に表示された前記登録画面が含む前記リストにおけるその取消指示の対象に、取り消されたことを示す第2情報を付した前記登録画面を生成する第2制御手段と、
前記入力手段によって入力された識別情報で識別される商品に係る第1情報から、当該商品の販売が許容されていないことを判定した場合、販売が許容されていない商品であることを示す第3情報と、前記第1表示器に表示されている前記登録画面が含む前記リストに含まれる第1情報および第2情報とを含み、前記情報端末とは別の
監視端末に備えられた第2表示器において表示させるための画面を生成する第3制御手段と、
前記第2表示器に表示されている画面が含む第3情報に関する店員による取消指示を受け付ける第2受付手段と、
前記第2受付手段により取消指示が受けられると、前記第2表示器に表示された前記画面を更新する第4制御手段と、
して機能させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品販売システム、サーバ、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
買物客が店舗の売り場において、ショッピングカートなどの台車に備えられた情報端末などのような可搬型の情報端末を用いて、購入を決定した商品の買上登録を行うようにしたシステムが提案されている。
このようなシステムにおいて、例えばシステム側において販売対象の商品として設定されていない商品が誤って売場に陳列されていて、このような商品を買物客が買い上げ対象として指定した場合は、従来はエラーとしていた。
【0003】
そして、このようなエラーへは、発生の都度、店員が対応することが必要である場合があり、店員の負担となるとともに、買物客に待ち時間を生じさせてしまう恐れがあった。
このような事情から、販売が許容されていない商品が買い上げ対象として指定された場合でも、買物客が買い上げ商品の登録を引き続き継続できることが望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、販売が許容されていない商品が買い上げ対象として指定された場合でも、買物客が買い上げ商品の登録を引き続き継続できる商品販売システム、サーバ、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の商品販売システムは、商品を識別する識別情報を入力する入力手段及び第1表示器を有する情報端末と、情報端末と通信可能なサーバとを備える。サーバは、第1制御手段、第1受付手段、第2制御手段、第3制御手段、第2受付手段及び第4制御手段を備える。第1制御手段は、客が売場を回りながら入力手段によって識別情報が入力される毎に、その識別情報で識別される商品に係る第1情報の取得を試み、取得できた第1情報のリストを含む登録画面を第1表示器に表示させるための上記の登録画面を生成する。第1受付手段は、第1表示器に表示されている登録画面が含むリストに表された第1情報に関する客による取消指示を受け付ける。第2制御手段は、第1受付手段により取消指示が受けられると、第1表示器に表示された登録画面が含むリストにおけるその取消指示の対象に、取り消されたことを示す第2情報を付した登録画面を生成する。第3制御手段は、入力手段によって入力された識別情報で識別される商品に係る第1情報から、当該商品の販売が許容されていないことを判定した場合、販売が許容されていない商品であることを示す第3情報と、第1表示器に表示されている登録画面が含むリストに含まれる第1情報および第2情報とを含み、情報端末とは別の監視端末に備えられた第2表示器において表示させる。第2受付手段は、第2表示器に表示されている画面が含む第3情報に関する店員による取消指示を受け付ける。第4制御手段は、第2受付手段により取消指示が受けられると、第2表示器に表示された画面を更新する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態に係る商品販売システムの全体構成図。
【
図2】
図1に示す商品販売システムを導入した店舗のレイアウト例を示す模式図。
【
図3】
図1中の第1サーバの要部回路構成を示すブロック図。
【
図4】
図3中の商品データベースに保存される1商品あたりのデータレコードの主要なデータ構造を示す模式図。
【
図5】
図3中の会員データベースに保存される1会員あたりのデータレコードの主要なデータ構造を示す模式図。
【
図6】
図3中の販促データベースに保存される1情報あたりのデータレコードの主要なデータ構造を示す模式図。
【
図7】
図1中の第2サーバの要部回路構成を示すブロック図。
【
図8】
図7中のカート管理データベースに含まれる1カートあたりデータレコードの主要なデータ構造を示す模式図。
【
図9】
図7中の会計機管理データベースに含まれる1会計機あたりデータレコードの主要なデータ構造を示す模式図。
【
図10】
図1中の情報端末の要部回路構成を示すブロック図。
【
図12】
図1中の監視端末の要部回路構成を示すブロック図。
【
図13】情報端末との連携により
図7中のプロセッサが行う情報処理のフローチャート。
【
図14】情報端末との連携により
図7中のプロセッサが行う情報処理のフローチャート。
【
図17】買上登録の取消に伴う更新の後の商品リストのデータ構造を示す模式図。
【
図19】会計機との連携により
図7中のプロセッサが行う情報処理のフローチャート。
【
図20】監視端末との連携により
図7中のプロセッサが行う情報処理のフローチャート。
【
図25】取消に伴う更新の後のダミーリストのデータ構造を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、買上商品の登録は買物客による情報端末の操作に応じて行い、その買上商品の会計も買物客による会計機の操作に応じて行うようにした商品販売システムについて、図面を用いて説明する。
【0009】
図1は本実施形態に係る商品販売システムの全体構成図である。
商品販売システム100は、第1サーバ10、第2サーバ20、POS(point-of-sale)端末30、会計機40、情報端末50及び監視端末60を含む。第1サーバ10、第2サーバ20、POS端末30及び会計機40は、LAN(local area network)等のネットワーク70に接続されている。
【0010】
情報端末50及び監視端末60は、いずれも無線ユニットを備えている。ネットワーク70には、アクセスポイント80が接続されている。情報端末50及び監視端末60は、アクセスポイント80との無線通信を介して、ネットワーク70に接続された各機器と通信可能である。
【0011】
なお、POS端末30、会計機40、情報端末50、監視端末60及びアクセスポイント80は、
図1では1つずつを示しているが、それぞれ2台以上が設けられてもよい。第1サーバ10及び第2サーバ20は、必ずしもネットワーク70に接続されていなくてもよい。例えばゲートウェイを介してネットワーク70にインターネットを接続し、第1サーバ10及び第2サーバ20の少なくとも一方を当該インターネットに接続してもよい。また、第1サーバ10及び第2サーバ20の少なくとも一方は、複数のサーバによる分散処理により実現してもよい。この場合、分散処理を担う複数のサーバは、ネットワーク70に接続されている必要はなく、連携して情報処理を行うサーバどうしが何らかの形で通信可能であればよい。また、第1サーバ10及び第2サーバ20の機能を兼ね備えた1台のサーバを第1サーバ10及び第2サーバ20に代えて設けてもよい。
【0012】
図2は商品販売システム100を導入した店舗のレイアウト例を示す模式図である。
情報端末50は、店舗内で買い物をする買物客M1が一時的にその操作者となる。情報端末50は、例えばショッピングカート(以下、単にカートと称する)Cに取り付けられている。買物客M1は、カートCを押しながら売場を回り、買い上げようとする商品をカートCに直接載置するか、カートCに載置されたカゴに入れる。このとき買物客M1は、情報端末50を操作して買上商品として登録するための操作を行う。そして買物客M1は、買い上げようとする商品を全て選び終えたならば、会計コーナーG2に行き、代金を支払う。この後、買物客M1は、必要に応じてサッカー台SUで商品の袋詰めを行う。
【0013】
会計コーナーG1には、POS端末30が設置されている。また会計コーナーG1には、定置式のスキャナSCが設置されている。なお、スキャナSCに代えて、又は加えて、手持ち式のスキャナが設けられていてもよい。キャッシャM2がスキャナSCに買上商品のバーコードを1品ずつスキャニングさせると、POS端末30は当該バーコードに示された商品ID(identifier)を買上商品の商品IDとして登録する。POS端末30は、買上商品に関する代金を計算し、当該代金の支払いに関するキャッシャM2と買物客M1とのやり取りを介した操作者による操作に応じて決済する。決済には、現金、クレジットカード、電子マネー、ポイント、商品券等の金券等を用いることが可能である。なお、当該の会計コーナーG1を設けないで店舗を構成することもできる。
【0014】
会計コーナーG2には、会計機40が設置されている。情報端末50で登録された買上商品のデータは、第2サーバ20で管理される。会計機40は、第2サーバ20で管理されている一件の取引に関する買上商品のデータを取得して、その買上商品に関する代金を計算する。そして会計機40は、代金を買物客M1による操作に応じて決済する。決済には、現金、クレジットカード、電子マネー、ポイント等を用いることが可能である。なお、代金の計算は、第2サーバ20で行われてもよい。この場合、会計機40に代えて、第2サーバ20にて計算された代金を決済する機能、つまり会計のうちの決済に関する処理のみを行う機能を備えた決済機を用いてもよい。
【0015】
会計コーナーG2の近傍には、アテンダントカウンタATが設置されている。上述したように商品販売システム100を導入した店舗では、買物客M1が情報端末50と会計機40とを操作することで、買上商品の登録から決済までを店員が介在することなしに一貫して行うことができる。なお、以下においては、当該の仕組みをカートPOSサービスと称する。しかしこのカートPOSサービスの提供に際して、どうしても店員が介在しなければならない状況が発生し得る。例えば、医薬品を購入する買物客M1に対し、専門の販売員が情報提供を行わなければならない場合がある。また、値引シールの情報を情報端末50に入力し忘れたために通常価格で登録されてしまう場合がある。会計機40においても、例えば硬貨詰まりやレシート用紙切れ等のエラーが発生する場合があり得る。
【0016】
このような事象に対して迅速に対処できるように、アテンダントカウンタATには接客担当の店員、いわゆるアテンダントM3が常駐している。また、アテンダントカウンタATには監視端末60が備えられている。アテンダントM3は、監視端末60を利用して、各情報端末50及び会計機40の状態を監視することができる。
【0017】
次に、第1サーバ10、第2サーバ20、情報端末50及び監視端末60の構成について説明する。なお、POS端末30としては、対面型と称される既存のPOS端末をそのまま用いることが可能である。また、会計機40は、セミセルフ方式の商品販売システムで利用されている既存の会計機と同様のものである。したがって、POS端末30及び会計機40の構成についての説明は省略する。
【0018】
図3は第1サーバ10の要部回路構成を示すブロック図である。
第1サーバ10は、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶デバイス13、通信インタフェース14及びシステム伝送路15を備える。システム伝送路15は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含み、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶デバイス13及び通信インタフェース14が接続されている。プロセッサ11、メインメモリ12及び補助記憶デバイス13と、これらを接続するシステム伝送路15とによって、第1サーバ10としての各種の機能を実現するための情報処理を実行するコンピュータを構成する。
【0019】
プロセッサ11は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ11は、オペレーティングシステム、ミドルウェア及びアプリケーションプログラム等の情報処理プログラムに従って、第1サーバ10としての各種の機能を実現するための情報処理を実行する。プロセッサ11は、例えばCPU(central processing unit)である。
【0020】
メインメモリ12は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域では上記の情報処理プログラムの少なくとも一部を記憶する。またメインメモリ12は、プロセッサ11が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ12は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ11によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。例えば不揮発性のメモリ領域はROM(read only memory)である。揮発性のメモリ領域はRAM(random access memory)である。
【0021】
補助記憶デバイス13は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disc drive)、あるいはSSD(solid state drive)等が補助記憶デバイス13として使用される。補助記憶デバイス13は、プロセッサ11が各種の処理を行う上で使用するデータや、プロセッサ11での処理によって作成されたデータを保存する。補助記憶デバイス13は、上記の情報処理プログラムの一部を記憶する場合もある。
通信インタフェース14は、ネットワーク70に接続された各部との間で所定の通信プロトコルに従いデータ通信を行う。
【0022】
補助記憶デバイス1の記憶領域の一部は、商品データベース131、会員データベース132及び販促データベース133として使用される。
図4は商品データベース131に保存される1商品あたりのデータレコード131Rの主要なデータ構造を示す模式図である。
図4に示すような構造のデータレコード131Rが、店舗で販売される複数の商品のそれぞれに関連付けて商品データベース131に含まれる。データレコード131Rは、店舗で新たに販売を開始する商品に関連するものが、商品販売システム100の管理担当者などによる操作に応じて、プロセッサ11により追加される。データレコード131Rは、関連付けられた商品の販売を取り止める場合などにおいて、上記管理担当者などによる操作に応じて、プロセッサ11により削除される。データレコード131Rは、関連付けられた商品についての販売条件などが変更される場合などに、上記管理担当者などによる指示に応じて、プロセッサ11により更新される。そしてデータレコード131Rは、フィールドF1,F2,F3,F4,F5,F6,F7を含む。
【0023】
フィールドF1には、関連付けられた商品を他の商品と識別するための一意のコードである商品IDがセットされる。フィールドF2には、関連付けられた商品に付された名称である商品名がセットされる。フィールドF3には、関連付けられた商品の1点当たりの販売価格がセットされる。フィールドF4には、関連付けられた商品が属する分類に付された名称である分類名称がセットされる。なお分類とは、複数種の商品が属するように予め定められる。例えば分類名称が「りんご」である分類が、商品名称が「ふじ」、「ジョナゴールド」、「紅玉」等である各種の商品を含むものとして定められる。フィールドF5には、関連付けられた商品に対する販促施策を識別するコードである販促IDがセットされる。販促施策とは、例えば、商品の買い上げに対してキャンペーンへの参加権を与えること、商品を買い上げる際の販売価格を値引くこと、商品を他の商品とともに買いあげる際に販売価格の値引くこと、商品の買い上げに対してクーポン券を発行すること、等である。因みに、関連付けられた商品に販促施策の実施が定められていない場合には、フィールドF5にはNull値がセットされる。なお、この実施形態では、1商品に関連付け可能な販促情報を1つとするが、2以上の販促情報が関連付けられていてもよい。フィールドF6には、関連付けられた商品が、例えば酒類、煙草等のように購入者の年齢制限のある商品であるか否かを識別するための1ビットの情報としての制限フラグをセットする。本実施形態では、年齢制限有りの場合に“1”が、また年齢制限無しの場合に“0”がフィールドF6にセットされることとする。フィールドF7には、関連付けられた商品の販売期間がセットされる。例えば、関連付けられた商品に関して賞味期限が定められているならば、当該賞味期限の日付がフィールドF7にセットされる。また例えば、関連付けられた商品が期間限定での販売が計画されたものであるならば、販売期間の開始日及び終了日がフィールドF7にセットされる。
【0024】
図5は会員データベース132に保存される1会員あたりのデータレコード132Rの主要なデータ構造を示す模式図である。
図5に示すような構造のデータレコード132Rが、カートPOSサービスの利用登録が済んでいる会員のそれぞれに関連付けて会員データベース132に含まれている。データレコード132Rは、例えば図示しない情報端末から会員登録のために送られるデータに基づき、プロセッサ11により追加される。またデータレコード132Rは、例えば上記の情報端末から退会のために送られてくるデータに基づき、プロセッサ11により削除される。またデータレコード132Rは、上記の情報端末から変更のために送られてくるデータに基づき、プロセッサ11により更新される。またデータレコード132Rは、関連付けられた会員により商品が買い上げられたことの通知を受けて、プロセッサ11により更新される。そしてデータレコード132Rは、フィールドF11,F12,F13を含む。
【0025】
フィールドF11には、関連付けられた会員を識別するために設定された一意のコードである会員IDがセットされる。会員は、会員IDが記録された記録媒体を所持する。記録媒体は、例えば磁気カード、接触式IC(Integrated Circuit)カード、非接触式ICカード、スマートフォン等である。フィールドF12には、関連付けられた会員を個人特定するための個人特定データがセットされる。個人特定データは例えば、氏名、生年月日、性別、住所、連絡先電話番号等である。フィールドF13には、関連付けられた会員がいつ何を購入したかという購買履歴を示す購買履歴データがセットされる。
【0026】
図6は販促データベース133に保存される1情報あたりのデータレコード133Rの主要なデータ構造を示す模式図である。
図6に示すような構造のデータレコード133Rが、店舗において実施され得る複数の販促施策のそれぞれに関連付けられて販促データベース133に含まれる。データレコード133Rは、例えば新たな販促施策が店舗において導入される場合に、商品販売システム100の管理担当者などによる操作に応じて、プロセッサ11により追加される。データレコード133Rは、例えば販促施策が店舗において実施されなくなった場合に、上記の管理担当者などによる操作に応じて、プロセッサ11により削除される。データレコード133Rは、例えば販促施策の内容が変更される場合に、上記の管理担当者などによる操作に応じて、プロセッサ11により更新される。そしてデータレコード133Rは、フィールドF21,F22を含む。
【0027】
フィールドF21には、関連付けられた販促施策を識別するための一意のコードである販促IDがセットされる。複数のデータレコード133RのフィールドF21にそれぞれセットされる複数の販促IDのうちの1つが、前述したデータレコード131RのフィールドF5にセットされる。フィールドF22には、関連付けられた販促施策の内容を表した販促データがセットされる。
【0028】
図7は、第2サーバ20の要部回路構成を示すブロック図である。
第2サーバ20は、プロセッサ21、メインメモリ22、補助記憶デバイス23、通信インタフェース24及びシステム伝送路25を備える。システム伝送路25は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含み、プロセッサ21、メインメモリ22、補助記憶デバイス23及び通信インタフェース24が接続されている。プロセッサ21、メインメモリ22及び補助記憶デバイス23と、これらを接続するシステム伝送路25とによって、第2サーバ20としての各種の機能を実現するための情報処理を実行するコンピュータを構成する。なお、プロセッサ21、メインメモリ22、補助記憶デバイス23及び通信インタフェース24の機能の概略は、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶デバイス13及び通信インタフェース14と同等であるので、その説明は省略する。
【0029】
補助記憶デバイス23の記憶領域の一部は、カート管理データベース231及び会計機管理データベース232として使用される。
図8は、カート管理データベース231に含まれる1カートあたりデータレコード231Rの主要なデータ構造を示す模式図である。
図8に示すような構造のデータレコード231Rが、店舗において使用されているカートCのそれぞれに関連付けられてカート管理データベース231に含まれる。そしてデータレコード231Rは、フィールドF31,F32,F33,F34,F35を含む。
【0030】
フィールドF31には、関連付けられたカートCに取り付けられている情報端末50を識別するための一意のコードである端末IDがセットされる。フィールドF32には、関連付けられたカートCに付された名称であるカート名がセットされる。フィールドF33には、関連付けられたカートCが買物客M1により使用されている場合に、後述する取引IDがセットされる。フィールドF34には、関連付けられたカートCが買物客M1により使用されている場合に、当該買物客M1の会員IDがセットされる。フィールドF35には、関連付けられているカートCの現時点での動作ステージがセットされる。動作ステージは、カートPOSサービスにおける一取引に関する一連の流れの中のどの状態でカートCが使用されているのかを、上記の一連の流れをいくつかに区切って定めたものである。本実施形態では、カートCが使用されていない状態に対応する動作ステージを「待機」とする。またカートCが商品の買上登録のために使用されている状態に対応する動作ステージを「登録中」とする。さらにカートCを使用して買上登録された商品に関する代金を会計する状態に対応する動作ステージを「会計中」とする。そしてフィールドF33には、これらステージのいずれかがセットされる。
【0031】
データレコード231Rは、例えば店舗に商品販売システム100を導入する際に、作業者などによる指示に応じて、プロセッサ21により追加される。データレコード231Rは、例えば新たなカートCを使用開始する際に、商品販売システム100の管理担当者などによる指示に応じて、プロセッサ21により追加される。データレコード231Rは、例えば関連付けられたカートCを廃棄する際に、上記の管理担当者などによる指示に応じて、プロセッサ21により追加される。データレコード231Rは、例えば関連付けられたカートCに関する管理形態の変更などに伴い、上記の管理担当者などによる指示に応じて、プロセッサ21により更新される。データレコード231Rは、例えば関連付けられたカートCに関する買物客M1による使用状況の変化に応じて、プロセッサ21により更新される。そしてデータレコード231Rの各フィールドのうちのフィールドF31,F32の内容については,上記のようなデータレコード231Rの追加又は更新時にセットされる。またフィールドF33,F34,F35の内容については、プロセッサ21によって適宜にセットされる。
【0032】
図9は、会計機管理データベース232に含まれる1会計機あたりデータレコード232Rの主要なデータ構造を示す模式図である。
図9に示すような構造のデータレコード232Rが、店舗において使用されている会計機40のそれぞれに関連付けられて会計機管理データベース232に含まれる。データレコード232Rは、例えば店舗に商品販売システム100を導入する際に、作業者などによる指示に応じて、プロセッサ21により追加される。データレコード231Rは、例えば新たな会計機40を店舗に設置する際に、会計機40の設置作業者又は商品販売システム100の管理担当者などによる指示に応じて、プロセッサ21により追加される。データレコード231Rは、例えば関連付けられた会計機40を店舗から撤去する際に、当該会計機40の撤去作業者又は上記の管理担当者などによる指示に応じて、プロセッサ21により追加される。データレコード231Rは、例えば関連付けられた会計機40に関する管理形態の変更などに伴い、上記の管理担当者などによる指示に応じて、プロセッサ21により更新される。データレコード231Rは、例えば関連付けられた会計機40に関する動作状況の変化に応じて、プロセッサ21により更新される。そしてデータレコード232Rは、フィールドF41,F42,F43,F44,F45,F46を含む。
【0033】
フィールドF41には、関連付けられた会計機40を識別するための一意のコードである会計機IDがセットされる。フィールドF42には、関連付けられた会計機40に付された名称である会計機名がセットされる。フィールドF43には、関連付けられた会計機40の現時点での動作ステージがセットされる。動作ステージは、会計機40が買上商品についての会計に関する一連の流れの中のどの状態にあるのかを、上記の一連の流れをいくつかに区切って定めたものである。本実施形態では、会計機40が会計のための処理を行っていない状態に対応する動作ステージを「アイドル中」とする。また会計機40が会計のための処理を行っている状態に対応する動作ステージを「支払中」とする。フィールドF44には、関連付けられた会計機40が店員呼び出しの状態にあるか否かを表すための1ビットの情報としての呼出フラグをセットする。本実施形態では、店員呼び出しの状態にある場合に“1”が、また当該状態にない場合に“0”がフィールドF44にセットされることとする。フィールドF45には、関連付けられた会計機40に対して貨幣を補充する必要があるか否かを表すための1ビットの情報としての補充フラグをセットする。本実施形態では、貨幣補充が必要な状態にある場合に“1”が、また当該状態にない場合に“0”がフィールドF45にセットされることとする。フィールドF46には、関連付けられた会計機40から貨幣を回収する必要があるか否かを表すための1ビットの情報としての回収フラグをセットする。本実施形態では、貨幣回収が必要な状態にある場合に“1”が、また当該状態にない場合に“0”がフィールドF46にセットされることとする。
【0034】
図10は情報端末50の要部回路構成を示すブロック図である。
情報端末50は、プロセッサ51、メインメモリ52、補助記憶デバイス53、無線ユニット54、タッチパネル55、スキャナ56、リーダ57及びシステム伝送路58を備える。システム伝送路58は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含み、プロセッサ51、メインメモリ52、補助記憶デバイス53、無線ユニット54、タッチパネル55、スキャナ56及びリーダ57が接続されている。プロセッサ51、メインメモリ52及び補助記憶デバイス53と、これらを接続するシステム伝送路58とによって、情報端末50としての各種の機能を実現するための情報処理を実行するコンピュータを構成する。なお、プロセッサ51、メインメモリ52及び補助記憶デバイス53の機能の概略は、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶デバイス13と同等であるので、その説明は省略する。
【0035】
無線ユニット54は、アクセスポイント80との間での所定の無線通信プロトコルに従った無線通信を介して、ネットワーク70に接続された各部との間でデータ通信を行う。
タッチパネル55は、情報端末50の入力デバイスと表示デバイスとを兼ね備えたデバイスである。タッチパネル55は、買物客M1等の操作者による各種の指示及び操作者が指定するデータを入力する。タッチパネル55は、プロセッサ51の指示の下に任意の画面を表示する。
【0036】
スキャナ56は、撮像部としてのカメラを有し、このカメラで撮影した画像からバーコード又は二次元データコード等のコードシンボルを読み取る。
リーダ57は、記録媒体に記録された会員ID等のデータを読取る。したがってリーダ57は、記録媒体が磁気カードの場合は磁気カードリーダであり、記録媒体が接触式ICカードの場合にはICカードリーダである。また、非接触式ICカードやスマートフォン等のようにRFID(radio frequency identification)を使用した記録媒体の場合には、RFIDリーダがリーダ57として使用される。
【0037】
なお、情報端末50は例えば、プロセッサ51、メインメモリ52、補助記憶デバイス53、無線ユニット54及びタッチパネル55として、汎用のタブレット端末に備えられたデバイスを用いることが想定される。つまりこの場合、汎用のタブレット端末に、スキャナ56及びリーダ57を接続することで情報端末50が構成される。
【0038】
図11はカートCの外観の一例を示す斜視図である。
カートCは、移動用のキャスタ部C1、ハンドルフレーム部C2及び籠受部C3を備えている。
【0039】
キャスタ部C1は、床面上を円滑に移動させるための4つの車輪を有する。
ハンドルフレーム部C2は、一対の縦フレームC21,C21及びハンドルバーC22を含む。縦フレームC21,C21は、キャスタ部C1の2つの車輪の上方に立設される。ハンドルバーC22は、縦フレームC21,C21の上端を連結する。
籠受部C3は、ハンドルフレーム部C2の中途部位から水平に向けて設けられる。籠受部C3は、商品を収容するための買物カゴBAを保持する。なお、キャスタ部C1も、その上に買物カゴBAを保持する。
【0040】
典型的には、ハンドルフレーム部C2よりも
図11中の手前側に位置している買物客M1がハンドルバーC22を握りながらカートCを押す。つまり、ハンドルフレーム部C2に対して籠受部C3が突出している向きがカートCの前進方向となる。
【0041】
ハンドルバーC22の中途部に、スキャナ56が取り付けられている。また、一方の縦フレームC21に、その先端がハンドルバーC22よりも上方に位置するようにポールC4が取り付けられている。そして、このポールC4の先端部に上述のタブレット端末TMが、タッチパネル55の画面が前進方向の反対側を向く姿勢で取り付けられている。さらに、タブレット端末TMにリーダ57が取り付けられている。なお、
図11においては、リーダ57を磁気カードリーダとしている。リーダ57は、カードスリットがタッチパネル55の画面と同じ向きに向けられている。ハンドルフレーム部C2の下端側には、縦フレームC21,C21の間にバッテリBTが取り付けられている。バッテリBTは、タブレット端末TM及びスキャナ56の駆動電源である。
【0042】
図12は監視端末60の要部回路構成を示すブロック図である。
監視端末60は、プロセッサ61、メインメモリ62、補助記憶デバイス63、無線ユニット64、タッチパネル65及びシステム伝送路66を備える。システム伝送路66は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含み、プロセッサ61、メインメモリ62、補助記憶デバイス63、無線ユニット64及びタッチパネル65が接続されている。プロセッサ61、メインメモリ62及び補助記憶デバイス63と、これらを接続するシステム伝送路66とによって、監視端末60としての各種の機能を実現するための情報処理を実行するコンピュータを構成する。なお、プロセッサ61、メインメモリ62、補助記憶デバイス63、無線ユニット64及びタッチパネル65の機能の概略は、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶デバイス13、無線ユニット54及びタッチパネル55と同等であるので、その説明は省略する。
監視端末60としては、例えばタブレット端末、ノートパソコン、ディスクトップパソコン等の各種の情報処理装置を用いることができる。
【0043】
次に以上のように構成された商品販売システム100の動作について説明する。なお、以下に説明する複数の情報処理は一例であって、同様な結果を得ることが可能であれば、処理順序及び処理内容を適宜に変更可能である。
カート置き場に置かれているカートCに取り付けられた情報端末50は待機状態となっている。この待機状態にある情報端末50においてプロセッサ51は、ログイン操作が行われるのを待ち受けている。
【0044】
会員である買物客M1は、カートPOSサービスを利用しての買い物を開始する場合には、カート置き場からカートCを取り出し、例えば情報端末50に設けられたリーダ57に記録媒体に記録された会員ID等のデータを読取らせるなどの予め定められたログイン操作を行う。そうすると当該情報端末50においてプロセッサ51は、第1サーバ10にアクセスして会員データベース132を参照するなどして、会員の認証を行う。そしてプロセッサ51は、当該認証に成功したならば、第2サーバ20に対してセッションの確立を要求する。このときプロセッサ41は、セッション確立の要求と同時に、またはセッションが確立したことに応じて、上記の会員IDを第2サーバに通知する。
【0045】
さて第2サーバ20においてプロセッサ21は、上記の要求が通信インタフェース24により受信され、そのことが通信インタフェース24から通知されると、以下に説明するような情報処理を開始する。なお、プロセッサ21は、複数の情報端末50のそれぞれからの要求に応じて、以下に説明する処理を並列的に実行する。ただし以下においては、1台のみの情報端末50に対する情報処理について説明する。
【0046】
図13及び
図14は情報端末50との連携によりプロセッサ21が行う情報処理のフローチャートである。なおプロセッサ21は、メインメモリ22又は補助記憶デバイス23に記憶された情報処理プログラムに基づいて当該情報処理を実行する。
【0047】
Act1としてプロセッサ21は、要求元の情報端末50との間でのLAN70を介したデータ通信のためのセッションを確立する。このセッションの確立は、既存の通信技術のものをそのまま用いて行うことができる。そしてプロセッサ21は
図13及び
図14における以降の各種の処理の中での上記の要求元の情報端末50との通信は、当該セッションを用いて行う。また、
図13及び
図14に示す情報処理に関する説明において、単に「情報端末50」と記載される場合は、ここでセッションを確立した情報端末50を指すこととする。なおプロセッサ21はこのときに、情報端末50の端末IDがフィールドF31にセットされているデータレコード231Rを更新する。プロセッサ21は具体的には、フィールドF33に、取引の個々を識別するために他の取引に対して付与される取引IDと重複しないように定めた取引IDをセットする。またプロセッサ21は、上記のように情報端末50から通知される会員IDをフィールドF34にセットする。さらにプロセッサ21は、フィールドF35を「登録中」に書き替える。
【0048】
Act2としてプロセッサ21は、情報端末50で表示させるための登録画面を生成し、当該登録画面を表した画面データを情報端末50へと送信する。登録画面は、買上商品の登録状況を買物客M1に確認させるとともに、買物客M1による指示を受け付けるためのGUI(graphical user interface)画面である。登録画面の詳細については後述する。情報端末50でプロセッサ51は、登録画面を表すものに限らず各種画面データが無線ユニット54によって受信されると、当該画面データが表す画面をタッチパネル55に表示させる。
Act3としてプロセッサ21は、商品コードが通知されるのを待ち受ける。
【0049】
買物客M1は、上記のように起動したカートCを押しながら、買い上げるべき商品を探して店内を歩く。そして買い上げるべき商品を見つけたならば、その商品を陳列場所から取り出し、カートCに載せる。このときに買物客M1は、該当の商品に表示されたコードシンボルをスキャナ56により読み取らせるか、該当の商品が関連付けられたタッチパネル55上のボタンにタッチするなどの操作により、該当の商品を買上商品として登録するよう指示する。そうすると情報端末50のプロセッサ51は、当該の指示に応じて上記商品の商品IDを判定する。つまり、情報端末50は商品IDを取得する第1の端末に相当する。そしてプロセッサ51は、商品IDを第2サーバ20へと通知する。具体的にはプロセッサ51は例えば、判定した商品IDを含んだ所定フォーマットの通知データを、第2サーバ20に宛てて無線ユニット54から無線送信させる。そうすると通知データは、アクセスポイント80及びネットワーク70を介して第2サーバ20へと伝送され、通信インタフェース24によって受信される。なお、以下に説明する動作における各装置間での要求、通知及び応答などは、それぞれの目的に応じて予め定められたデータを、上記と同様にネットワーク70を介して送受信することにより実現されるが、以下においてはその詳細な説明は省略する。プロセッサ21は、このようにして通知データが通信インタフェース24によって受信されたことに応じて、Act3にてYesと判定し、Act4へと進む。
【0050】
Act4としてプロセッサ21は、通知された商品IDが商品データベース131に登録されているか否かを確認する。プロセッサ21は具体的には、通信インタフェース24によって受信された通知データから商品IDを抽出し、当該商品IDについての照会を第1サーバ10に対して要求する。第1サーバ10においてプロセッサ11は、この要求を受けると、該当の商品IDがフィールドF1にセットされたデータレコード131Rが商品データベース131に含まれているか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、該当するデータレコード131Rが存在する場合、当該データレコード131Rを、照会要求への応答として第2サーバ20に対して送信する。ただしプロセッサ11は、データレコード131Rに含まれる一部のデータのみを送信してもよいし、あるいはデータレコード131Rに含まれないデータを追加して送信してもよい。またプロセッサ11は、該当するデータレコード131Rが存在しない場合は、「登録無し」を、照会要求への応答として第2サーバ20に対して通知する。第2サーバ20においてプロセッサ21は、応答としてデータレコード131Rが送信されたのであれば、Act4にてYesと判定し、Act5へと進む。
【0051】
Act5としてプロセッサ21は、上記の送信されたデータレコード131Rを、指定された商品に関する商品データとして取得する。プロセッサ21は、当該商品データを、メインメモリ22又は補助記憶デバイス23に保存する。
【0052】
Act6としてプロセッサ21は、Act5として取得した商品データに基づき、指定された商品の販売が許容されているか否かを確認する。プロセッサ21はここでは、商品毎に予め定められた、販売を許容するための条件、あるいは販売を禁止するための条件が成立するか否かに基づいて、商品の販売が許容されるか否かを確認する。プロセッサ21は、例えば商品データのフィールドF7に販売期間がセットされている場合、当該販売期間が現時点を含まない場合に、販売が許容されていないと判定する。またプロセッサ21は、例えば商品データのフィールドF6にセットされた制限フラグが「1」となっており、かつ買物客M1が20歳未満である場合に、販売が許容されていないと判定する。なおプロセッサ21は、第1サーバ10に問い合わせて、会員データベース132のデータレコード132Rのうちで、Act1で取得した会員IDがフィールドF11にセットされているデータレコード132Rを参照する。そしてプロセッサ21は、当該データレコード132RのフィールドF12にセットされた個人特定データに基づいて買物客M1の年齢を確認する。商品データに、別の条件をセットするフィールドを含めておき、プロセッサ21は、そのフィールドに条件がセットされている場合には、その条件が成立するか否かに応じて販売が許容されるか否かを判断してもよい。例えば、一部の医薬品など権限者の説明を要する商品に関しては、説明の要否を表すフラグをセットするフィールドを商品データに予め含めておく。そしてプロセッサ21は、当該フィールドにセットされたフラグにより説明が必要であることが表される場合には、販売が許容されていないと判定する。プロセッサ21は、販売が許容されているならば、Act6にてYesと判定し、Act7へと進む。
【0053】
Act7としてプロセッサ21は、上記のように情報端末50から通知された商品IDを含むように商品リストを更新する。なお、商品リストは、メインメモリ22又は補助記憶デバイス23に保存される。プロセッサ21は、
図13に示す情報処理を開始後、最初にAct7を行う場合には、新たな商品リストを生成し、メインメモリ22又は補助記憶デバイス23に保存する。ここで商品リストは、買上商品についての商品のリストである。プロセッサ21は、
図13及び
図14に示す情報処理を並列的に複数実行する場合があるので、メインメモリ22又は補助記憶デバイス23には、複数の取引に関する複数の商品リストが保存される場合がある。
【0054】
図15は商品リストのデータ構造を示す模式図である。ただし
図15は、5つの商品が買上商品として登録済みの状態における一例としての商品リストL1の構造を示している。
図15に示す商品リストL1は、フィールドF51,F52,F53,F54,F55,F56,F57,F58,F59を含む。
プロセッサ21は、フィールドF51には、Act1でのセッション確立時にデータレコード231RのフィールドF33にセットしたのと同一の取引IDをセットする。プロセッサ21は、フィールドF52には、情報端末50の端末IDをセットする。プロセッサ21は、フィールドF53には、Act1でのセッション確立時に取得した会員IDをセットする。プロセッサ21は、フィールドF54以降の各フィールドには、上記のようにAct5にて取得した商品データをセットする。ただし、プロセッサ21が
図13に示す情報処理を開始後、最初にAct7を行う場合に新たに生成する商品リストは、商品リストL1におけるフィールドF55-F59を含まないものとなる。そして、プロセッサ21は、後述するようにAct7を再度実行する際には、その直前にAct5にて取得した商品データをセットしたフィールドを1つずつ商品リストに追加する。以上のように商品リストは、商品識別子としての商品IDを、当該商品IDにより識別される商品の販売が許容されている場合にのみ含んだものであり、第1のリストに相当する。
【0055】
プロセッサ21は、商品リストを更新し終えたならば、Act8へと進む。なおプロセッサ21は、情報端末50から通知された商品IDについて、照会要求への応答として「登録無し」が通知されたのであれば、Act4にてNoと判定し、Act5-Act7をパスしてAct8へと進む。つまりプロセッサ21は、指定された商品が商品データベース131に登録されていない場合に、該当の商品を商品リストに追加しない。なお、店舗に陳列される商品のそれぞれに関連付けられたデータレコード131Rの全てを商品データベース131に含めておくことが原則である。しかしながら、商品データベース131のメンテナンスミスにより、店舗に商品が陳列されているものの、当該商品に関連付けられたデータレコード131Rが商品データベース131に含まれないことを起こり得る。そしてこのようなケースにおいて、該当する商品が買い上げの対象として指定された場合に、プロセッサ21は、Act4にてNoと判定することになる。なお、上記の原則とするならば、関連付けられたデータレコード131Rが商品データベース131に含まれない商品は、商品販売システム100にとっては、販売が許容されていない商品であると言える。
【0056】
またプロセッサ21は、Act6にて販売が許容されていないと判定したならば、Act6にてNoと判定し、Act7をパスしてAct8へと進む。つまりプロセッサ21は、これらの場合には、指定された商品に関する商品データを商品リストに追加しない。つまりプロセッサ21は、指定された商品の販売が許容されていない場合に、該当の商品を商品リストに追加しない。
つまりプロセッサ21は、商品データベース131に登録されていない商品と、予め定められた条件に基づき販売することが許容されない商品とを、商品の販売が許容されていない商品として商品リストに追加しない。なお、実際には店舗の売場に販売を許容する物として陳列されているものの、ミスなどにより商品データベース131に登録されていない商品も存在し得る。つまり、本実施形態において「販売が許容されない商品」とは、商品販売システム100において販売の対象として管理されていない商品のことであり、実際に店舗等で販売されるか否かとは関係がない。
【0057】
Act8としてプロセッサ21は、ダミーリストを更新する。なお、ダミーリストは、メインメモリ22又は補助記憶デバイス23に保存される。プロセッサ21は、
図13に示す情報処理を開始後、最初にAct8を行う場合には、新たなダミーリストを生成し、メインメモリ22又は補助記憶デバイス23に保存する。
【0058】
図16はダミーリストのデータ構造を示す模式図である。ただし
図16は、商品リストが
図15に示す状態である時における一例としてのダミーリストL2の構造を示している。
図16に示すダミーリストL2は、フィールドF61,F62,F63,F64,F65,F66,F67,F68を含む。
プロセッサ21は、各フィールドには、上記のようにAct5にて商品データを取得している場合にはその商品データをセットし、Act5をパスしたことにより商品データを取得していない場合には情報端末50から通知された商品IDをセットする。なおプロセッサ21は、商品データを、そこに含まれる一部のデータを削除した上で各フィールドにセットしてもよい。
【0059】
ただし、プロセッサ21が
図13に示す情報処理を開始後、最初にAct8を行う場合に新たに生成する商品リストは、ダミーリストL2におけるフィールドF62-F68を含まないものとなる。そして、プロセッサ21は、後述するようにAct8を再度実行する際には、その直前にAct5にて取得した商品データ又は通知された商品IDをセットしたフィールドを1つずつダミーリストに追加する。かくしてダミーリストは、買い上げ対象として指定された全ての商品について、その商品の販売が許容されるか否かに拘わらずに商品データ又は商品IDを表したリストである。
【0060】
以上のようにダミーリストは、商品識別子としての商品IDを、当該商品IDにより識別される商品の販売が許容されているか否かに拘わらずに含んだものであり、第2のリストに相当する。そしてメインメモリ22又は補助記憶デバイス23は、当該の第2のリストに相当するダミーリストと、第1のリストに相当する商品リストとを保存するのであり、保存手段として機能する。なお、本実施形態では、ダミーリストに含まれた商品ID又は商品データに関する商品のうちで、商品リストに含まれた商品データに関する商品とは異なる商品として販売が許容されていない商品を区別可能である。
【0061】
図14中のAct9としてプロセッサ21は、登録画面を作成し、この登録画面を情報端末50に送信する。登録画面については、後述する。
【0062】
Act10としてプロセッサ21は、情報端末50から新たな商品IDが通知されたか否かを確認する。そしてプロセッサ21は、当該の通知がなされていないならばNoと判定し、Act11へと進む。
Act11としてプロセッサ21は、後述する別途の処理により商品リストが更新されたか否かを確認する。そしてプロセッサ21は、当該の更新がなされていなければNoと判定し、Act12へと進む。
【0063】
Act12としてプロセッサ21は、買上商品として登録済みの商品を買い上げ対象から除外するための取消指示がなされたか否かを確認する。そしてプロセッサ21は、当該の取消指示がなされていなければNoと判定し、Act13へと進む。
Act13としてプロセッサ21は、会計へ進むための会計指示がなされたか否かを確認する。そして当該の指示がなされていなければNoと判定し、Act10へと戻る。
かくしてプロセッサ21は、Act10-Act13においては、商品IDの通知、商品リストの更新、取消指示及び会計指示のいずれかが行われるのを待ち受ける。
【0064】
買物客M1は、複数の商品を買い上げるならば、前述の操作を繰り返すことによって、当該の複数の商品を順次に指定してゆく。そして情報端末50のプロセッサ51は、商品が指定される毎に、その商品の商品IDを第2サーバ20に通知してゆく。そして第2サーバ20においてプロセッサ21は、このように新たな商品IDが通知されたならばAct10にてYesと判定し、
図13中のAct4に戻る。そしてプロセッサ21は、Act4以降を前述と同様に繰り返す。かくしてプロセッサ21は、上記のように商品の指定が繰り返されると、その指定された商品に関する商品データ又は商品IDをセットしたフィールドを含むようにダミーリストを更新してゆく。またプロセッサ21は、新たに指定された商品の販売が許容されているのであれば、当該商品の商品データをセットしたフィールドを商品リストに追加してゆく。
【0065】
そして
図15に示す商品リストL1及び
図16に示すダミーリストL2は、プロセッサ21がAct8を7回実行した後の状態を示している。より具体的には、商品名が「AAA」「BBB」「CCC」「DDD」「EEE」「EEE」「FFF」「GGG」である8つの商品が、当該順序で買い上げ対象として指定された後の状態である。商品名が「AAA」「CCC」「EEE」「FFF」「GGG」である商品の販売が許容されている。商品名が「BBB」である商品は、商品データベース131には登録されていなかったため、当該商品の商品データは商品リストには含まれず、ダミーリストには商品IDがフィールドF62にセットされている。商品名が「DDD」である商品は、商品データベース131には登録されていたものの、販売が許容されていなかったため、当該商品の商品データは商品リストには含まれず、ダミーリストには商品データがフィールドF64にセットされている。
【0066】
買物客M1は、買い上げ対象として登録済みの商品の買い上げを取り止めたい場合には、登録画面において該当の商品に対して表されたボタンBU1にタッチする。これに応じてプロセッサ51は、取消が指示されたことを、取消の対象となる商品の商品IDを識別可能に第2サーバ20へと通知する。なお、情報端末50での登録画面SC1の表示と、ボタンBU1がタッチされたことの第2サーバ20への通知は、例えば既存のウェブブラウザの機能により実現できる。第2サーバ20においてプロセッサ21は、上記の通知を受けるとAct12にてYesと判定し、Act14へと進む。
Act14としてプロセッサ21は、取消が指定された商品についての買上登録が取り消されたことを表すように商品リストを更新する。
【0067】
図17は買上登録の取消に伴う更新の後の商品リストのデータ構造を示す模式図である。ただし
図17は、商品リストが
図15に示す商品リストL1である状況から、商品名が「CCC」である商品が取り消された場合における一例としての商品リストL3の構造を示している。
【0068】
図17に示す商品リストL3は、フィールドF55の後に、フィールドF71が追加されている。プロセッサ21は、このフィールドF71には、直前のフィールドF55にセットされた商品データに関する商品の買上登録が取り消されたことを示す取消フラグをセットする。ここでの取消フラグは、本実施形態においては「1」とする。そしてプロセッサ21はこののち、Act10-Act13の待ち受け状態に戻る。
【0069】
ところで、プロセッサ21がAct10-Act13の待ち受け状態にあるとき、情報端末50においてタッチパネル55では、Act9で送信された画面データに基づいて登録画面が表示される。
【0070】
図18は登録画面を示す図である。ただし
図18は、
図16に示すダミーリストL2及び
図18に示す商品リストL3に基づいた一例としての登録画面SC1を示す。
プロセッサ21は、ダミーリストL2に示された商品の一覧TA1を登録画面SC1に表す。プロセッサ21は、一覧TA1には、ダミーリストL2に商品データが含まれる商品に関しては商品名を、またダミーリストL2に商品IDが含まれる商品に関しては商品IDを、行方向に並べて表す。プロセッサ21は、商品リストL3に商品データが含まれる商品に関しては、上記の商品名に対して列方向に並べて、当該商品の登録点数と、販売価格とを表す。プロセッサ21は、一覧TA1において、商品リストL3に含まれた取消フラグの直前の商品データに応じた商品名、登録点数及び販売価格に対しては、抹消線を付する。プロセッサ21は、一覧TA1の各行に並べて、アイコンエリアIA1を配置する。図示は省略しているが、プロセッサ21は、アイコンエリアIA1には、対応付けられた商品に応じたアイコンを必要に応じて表す。プロセッサ21は、一覧TA1の各行のうちで、商品リストL3に含まれ、かつ取消フラグが付加されていない商品データに応じた行に並べて、ボタンBU1をそれぞれに配置する。なお、ボタンBU1に買物客M1がタッチする操作が、前述の取消指示のための操作である。
【0071】
プロセッサ21は、ダミーリストL2に商品IDが含まれる商品に関しては、商品IDの前に「商品登録エラー」なる文字列を表すとともに、「会計時にレジ係員が確認します」なる案内メッセージを表す。
プロセッサ21は、会計指示のためのボタンBU2を登録画面SC1に表す。
【0072】
買物客M1は、買上対象となる全ての商品の登録を終えたならば、ボタンBU2にタッチして会計指示を行う。そうするとプロセッサ51は、その旨を第2サーバ20へと通知する。第2サーバ20においてプロセッサ21は、その通知を受けるとAct13にてYesと判定し、Act15へと進む。
【0073】
Act15としてプロセッサ21は、情報端末50で表示させるための会計案内画面を生成し、当該会計案内画面を表した画面データを情報端末50へと送信する。プロセッサ21は、会計案内画面に、取引IDを表したコードシンボルを表す。またプロセッサ21は、会計案内画面に、会計を開始するためには、会計機40に備えられたスキャナを用いて上記のコードシンボルを読み取らせるように買物客M1に案内するための文字メッセージ及び画像の少なくとも一方を表す。
会計案内画面を表した画面データが情報端末50に伝送されると、プロセッサ51は、当該画面データに基づいて会計案内画面をタッチパネル55に表示させる。
【0074】
買物客M1は、カートCを押して会計コーナーG2へと移動し、空いている会計機40に備えられたスキャナを用いて、会計案内画面に表されたコードシンボルを読み取らせる。これに応じて会計機40は、第2サーバ20に対してセッションの確立を要求する。
【0075】
さて第2サーバ20においてプロセッサ21は、上記の要求が通信インタフェース24により受信され、そのことが通信インタフェース24から通知されると、以下に説明するような情報処理を開始する。なお、プロセッサ21は、複数の会計機40のそれぞれからの要求に応じて、以下に説明する情報処理を並列的に実行する。ただし以下においては、1台のみの会計機40に対する情報処理について説明する。またプロセッサ21は、
図13及び
図14に示す情報処理を実行しながら、以下に説明する情報処理を実行可能である。
【0076】
図19は会計機40との連携によりプロセッサ21が行う情報処理のフローチャートである。なおプロセッサ21は、メインメモリ22又は補助記憶デバイス23に記憶された情報処理プログラムに基づいて当該情報処理を実行する。
【0077】
Act21としてプロセッサ21は、要求元の会計機40との間でのLAN70を介したデータ通信のためのセッションを確立する。そしてプロセッサ21は
図19における以降における各種の処理の中での上記の要求元の会計機40との通信は、当該セッションを用いて行う。また、
図19に示す情報処理に関する説明において、単に「会計機40」と記載される場合は、ここでセッションを確立した会計機40を指すこととする。
【0078】
当該セッションが確立されると会計機40は、上記の読み取ったコードシンボルに示されていた取引IDを第2サーバ20に対して通知する。
Act22としてプロセッサ21は、当該通知された取引IDを取得する。
【0079】
Act23としてプロセッサ21は、メインメモリ22又は補助記憶デバイス23に記憶されている商品リストのうちで上記の取得した取引IDが先頭のフィールドにセットされている商品リストを会計機40へと送信する。なおプロセッサ21はこのときに、上記の送信した商品リストの2番目のフィールドにセットされているのと同一の端末IDがフィールドF31にセットされているデータレコード231Rを、そのフィールドF35を「会計中」に書き替えるように更新する。またプロセッサ21はこのとき、会計機40の会計機IDがフィールドF41にセットされているデータレコード232Rを、そのフィールドF43を「支払中」に書き替えるように更新する。なお、この書き替えの前においては、フィールドF43は「アイドル中」となっている。
【0080】
会計機40は、当該の商品リストを受信すると、商品リストに含まれた商品データに基づいて決済金額を算出し、この決済金額を決済するための決済処理を実行する。この決済処理は、既存の別の会計機により行われているのと同様な処理であってよい。そして会計機40は、決済を完了したならば、その旨を第2サーバ20へと通知する。このように会計機40は、第1のリストとしての商品リストに基づいて取引の代金を会計する。かくして会計機は、会計手段として機能する。
【0081】
第2サーバ20においてプロセッサ21は、前述のようにAct23として商品リストを送信したならば、Act24へと進む。
Act24としてプロセッサ21は、上記の送信した商品リストに基づく決済が完了するのを待ち受ける。そしてプロセッサ21は、会計機40から決済の完了が通知されたならばYesと判定し、Act25へと進む。
Act25としてプロセッサ21は、Act22にて取得した取引IDが先頭のフィールドにセットされている商品リスト及びダミーリストを、メインメモリ22又は補助記憶デバイス23から削除する。
【0082】
Act26としてプロセッサ21は、Act21にて確立したセッションを解消する。そしてこののちプロセッサ21は、当該の情報処理を終了する。なおプロセッサ21はこのときに、上記の送信した商品リストの2番目のフィールドにセットされているのと同一の端末IDがフィールドF31にセットされているデータレコード231Rを、そのフィールドF35を「待機中」に書き替えるように更新する。またプロセッサ21はこのとき、会計機40の会計機IDがフィールドF41にセットされているデータレコード232Rを、そのフィールドF43を「アイドル中」に書き替えるように更新する。
【0083】
なおプロセッサ21は、以上のように決済が完了したならば、
図14中のAct16にてYesと判定し、Act17へと進む。
Act17としてプロセッサ21は、情報端末50とのセッションを解消する。そしてプロセッサ21は、
図13及び
図14に示す情報処理を終了する。
以上により、1つのカートCを用いての一取引が完了する。
【0084】
ところで、第2サーバ20においてプロセッサ21は、監視端末60がアテンダントM3の操作に応じて第2サーバ20へとアクセスすると、以下に説明するような情報処理を開始する。なお、プロセッサ21は、複数の監視端末60のそれぞれからのアクセスに対して、以下に説明する処理を並列的に実行する。ただし以下においては、1台のみの監視端末60に対する情報処理について説明する。
【0085】
図20は監視端末60との連携によりプロセッサ21が行う情報処理のフローチャートである。なおプロセッサ21は、メインメモリ22又は補助記憶デバイス23に記憶された情報処理プログラムに基づいて当該情報処理を実行する。なおプロセッサ21は、
図13及び
図14に示す情報処理、さらには
図19に示す情報処理を実行しながら、以下に説明する情報処理を実行可能である。
【0086】
Act31としてプロセッサ21は、アクセス元の監視端末60との間でのLAN70を介したデータ通信のためのセッションを確立する。そしてプロセッサ21は
図20中の以降における各種の処理の中での上記の要求元の監視端末60との通信は、当該セッションを用いて行う。また、
図20に示す情報処理に関する説明において、単に「監視端末60」と記載される場合は、ここでセッションを確立した監視端末60を指すこととする。
【0087】
Act32としてプロセッサ21は、監視端末60で表示させるための一覧画面を生成し、当該一覧画面を表した画面データを監視端末60へと送信する。一覧画面は、会計機40及び情報端末50の動作状況を一覧として表すとともに、アテンダントM3による指示を受け付けるためのGUI画面である。
【0088】
図21、
図22及び
図23は、一覧画面SC2の構成を示す図である。
図21に示すように一覧画面SC2は、複数のウィンドウ領域WA1を配列したフォームを持つ。
図21の例では、3列×6行のマトリクス状に18個のウィンドウ領域WA1を配列している。なお
図21においては、ウィンドウ領域WA1の内部に示される画像の図示を省略している。
そしてプロセッサ21は、ウィンドウ領域WA1のそれぞれに、会計機40の動作状況の概略を表した
図22に示すような状況画像IM1又はカートCの動作状況の概略を表した
図23に示すような状況画像IM2を配置して一覧画面SC2を生成する。
【0089】
状況画像IM1は、文字列LS1を含む。また状況画像IM1は、インジケータIN1,IN2,IN3,IN4,IN5を含み得る。
1つの状況画像IM1は、1台の会計機40に対応する。文字列LS1は、対応している会計機40の名称を表す。このためプロセッサ21は、文字列LS1は、「会計機2」又は「会計機3」のように、複数の状況画像IM1のそれぞれで異ならせる。
【0090】
インジケータIN1は、対応する会計機40が店員を呼び出している状況にあることを表す。インジケータIN2は、対応する会計機40に関して釣銭の補充が必要である状況にあることを表す。インジケータIN3は、対応する会計機40に関して釣銭の回収が必要である状況にあることを表す。インジケータIN4は、対応する会計機40が、会計処理の開始を待ち受けている状態であることを表す。インジケータIN5は、対応する会計機40が、会計処理を実行中であることを表す。
【0091】
プロセッサ21は、対応する会計機40の動作状況に応じて、インジケータIN1,IN2,IN3を適宜にアクティブとする。プロセッサ21は、対応する会計機40の動作状態に応じて、インジケータIN4,IN5のいずれか一方をアクティブとする。具体的にはプロセッサ21は、会計機管理データベース232に含まれたデータレコード232Rのそれぞれに関して、状況画像IM1をそれぞれ生成する。そしてプロセッサ21は、フィールドF44に「1」がセットされている場合にインジケータIN1を、フィールドF45に「1」がセットされている場合にインジケータIN2を、そしてフィールドF46に「1」がセットされている場合にインジケータIN3を、それぞれアクティブとする。なおプロセッサ21は、会計機40からの通知に基づいて、会計機40の現状の動作状況をフィールドF44,F45,F46が表すようにデータレコード232Rを更新する。またプロセッサ21は、フィールドF43にセットされたステージが、「アイドル中」である場合にインジケータIN4を、また「支払中」である場合にインジケータIN5を、それぞれアクティブとする。なおプロセッサ21は、アクティブとしないインジケータについては、非表示とするか、グレイアウト表示とする。
【0092】
プロセッサ21は、左上のウィンドウ領域WA1から下方に順番に、状況画像IM1を配置する。つまりプロセッサ21は、例えば会計機40が
図2に示すように3台含まれているならば、これら3台の会計機40にそれぞれ対応する3つの状況画像IM1を、左上からその2つ下までの3つのウィンドウ領域WA1に配置する。そしてプロセッサ21は、その他のウィンドウ領域WA1に、カートCのそれぞれに対応した状況画像IM2を配置する。
【0093】
状況画像IM2は、文字列LS11,LS12及び複数のアイコンエリアIA11を含む。なお
図23の例では、6つのアイコンエリアIA11を含む。また状況画像IM2は、インジケータIN11,IN12,IN13を含み得る。
1つの状況画像IM2は、1台のカートCに対応する。文字列LS11は、対応するカートCの名称を表す。プロセッサ21は、対応するカートCに関連付けられたデータレコード231RのフィールドF32にセットされた文字列を、文字列LS11とする。従ってプロセッサ21は、文字列LS11は、「TB02」又は「TB03」のように、複数の状況画像IM2のそれぞれで異ならせる。文字列LS12は、対応するカートCに備えられた情報端末50からログインしている買物客M1の会員IDを表す。プロセッサ21は、対応するカートCに関連付けられたデータレコード231RのフィールドF34にセットされた会員IDを示す文字列を、「会員ID:」なる文字列の後ろに付加して文字列LS12を生成する。
【0094】
アイコンエリアIA11は、対応するカートC及びそのカートCに備えられた情報端末50の動作状況などを表したアイコンを配置するための領域である。ダミーリストには登録されているが、商品リストには登録されていない商品が存在する場合に、その旨を表す為に予め定められた警告アイコンをアイコンエリアIA11の1つに配置する。プロセッサ21は例えば、商品リストにおいて商品データがセットされているフィールドの数と、ダミーリストにおいて商品データ又は商品IDがセットされているフィールドの数とが一致しない場合に、上記の警告アイコンを表示すべきと判定する。なお、アイコンエリアIA11に他のどのようなアイコンを、どのようにして配置するかについては、説明を省略する。
【0095】
インジケータIN11は、対応するカートCに備えられた情報端末50が、待機状態であることを表す。インジケータIN12は、対応するカートCに備えられた情報端末50が、買上登録を行っている状態であることを表す。インジケータIN13は、対応するカートCに備えられた情報端末50で登録された取引の会計が行われている状態であることを表す。
【0096】
プロセッサ21は、対応するカートCに関連付けられたデータレコード231RのフィールドF35に基づき、インジケータIN11,IN12,IN13のいずれか1つをアクティブとする。具体的にはプロセッサ21は、カート管理データベース231に含まれたデータレコード231Rのそれぞれに関して、状況画像IM2をそれぞれ生成する。そしてプロセッサ21は、フィールドF35にセットされたステージが、「待機」である場合にインジケータIN11を、また「登録中」である場合にインジケータIN12を、そして「会計中」である場合にインジケータIN13を、それぞれアクティブとする。なおプロセッサ21は、アクティブとしないインジケータについては、非表示とするか、グレイアウト表示とする。
【0097】
以上のような一覧画面を表した画面データが監視端末60に伝送されると、プロセッサ61はこの画面データに従って一覧画面をタッチパネル65に表示させる。これによりアテンダントM3は、一覧画面を目視し、会計機40及びカートCの概略の状況を監視することができる。そしていずれかのカートCに関しての買上登録の詳細を確認する必要が生じたならば、そのカートCに対応する状況画像IM2にタッチする。これに応じてプロセッサ61は、状況画像IM2がタッチされたことを、どの状況画像IM2がタッチされたかを識別可能に第2サーバ20へと通知する。なお、監視端末60での一覧画面SC2の表示と、状況画像IM2がタッチされたことの第2サーバ20への通知は、例えば既存のウェブブラウザの機能により実現できる。
【0098】
第2サーバ20においてプロセッサ21は、一覧画面を表した画面データを送信した後にはAct33へと進む。
Act33としてプロセッサ21は、詳細表示が指示されるのを待ち受ける。そしてプロセッサ21は、上述のように状況画像IM2がタッチされたことの通知がなされたことに応じてAct33にてYesと判定し、Act34へと進む。
【0099】
Act34としてプロセッサ21は、監視端末60で表示させるための詳細画面を生成し、当該詳細画面を表した画面データを監視端末60へと送信する。詳細画面は、1台のカートCに備えられた情報端末50で行われた買上登録の内容を詳細に表すとともに、アテンダントM3による指示を受け付けるためのGUI画面である。
【0100】
図24は詳細画面を示す図である。ただし
図24は、
図16に示すダミーリストL2及び
図17に示す商品リストL3に基づいた一例としての詳細画面SC3を示す。つまり詳細画面SC3は、情報端末50のタッチパネル55にて
図18に示す登録画面SC1が表示されているときに生成されるものである。
図24において、
図18及び
図23に示されるのと同一の表示要素については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0101】
プロセッサ21は、詳細画面SC3の上方に、詳細表示の指示のためにタッチされた状況画像IM2に表されていた文字列LS11,LS12、アイコンエリアIA11、インジケータIN11,IN12,IN13を図示のように一列に並べて表す。プロセッサ21は、アイコンエリアIS11には、タッチされた状況画像IM2に表されていたアイコンをそのまま表す。プロセッサ21は、詳細画面SC3の中央部に、一覧TA1を表す。ただしプロセッサ21は、「会計時にレジ係員が確認します」なる案内メッセージは、詳細画面SC3には表さない。プロセッサ21は、一覧TA1の各行に並べて、アイコンエリアIA1を配置する。プロセッサ21は、商品名として商品IDを表示している行に並ぶアイコンエリアIA1には、商品データベース131に登録されていないことを表すものとして予め定められた警告アイコンを表す。プロセッサ21は、ダミーリストL2には含まれ、かつ商品リストL3には含まれない商品データに応じた行に並ぶアイコンエリアIA1には、販売が許容されない理由に応じた警告アイコンを表す。当該警告アイコンは、例えば、「賞味期限切れ」、「年齢制限」、あるいは「販売期間外」などを警告するものとして予め定められたアイコンである。かくして、このような詳細画面SC3を送信することで、販売が許容されていない商品の商品コードが保存手段としてのメインメモリ22又は補助記憶デバイス23に保存されていることを報知先としての監視端末60に報知することになる。つまり監視端末60は、報知先となり、かつ第1の端末としての情報端末50とは別の端末であり、第2の端末に相当する。かくして情報処理プログラムに基づく情報処理をプロセッサ21が実行することによって、プロセッサ21を中枢部分とするコンピュータは報知手段として機能する。プロセッサ21は、一覧TA1の各行のうちで、商品リストL3に含まれ、かつ取消フラグが付加されていない商品データに応じた行、あるいはダミーリストL2に含まれた商品データ又は商品IDに応じた行に並べて、ボタンBU1をそれぞれに配置する。プロセッサ21は、一覧TA1の下方に、会計情報領域AA1と、ボタンBU11,BU12とを図示のように配置する。会計情報領域AA1には、
図24の例では、買上登録済みの商品の総数、セット値引きによる割引額、ならびに買上登録済みの商品についての決済額を表している。
【0102】
以上のような詳細画面SC3を表した画面データが監視端末60に伝送されると、プロセッサ61はこの画面データに従って詳細画面SC3をタッチパネル65に表示させる。これによりアテンダントM3は、詳細画面SC3を目視し、指定した1台の情報端末50での買上登録の状況を詳細に確認できる。またアテンダントM3は、販売が許容されていないため買上登録が成立していないもののカートCに載せられている商品がどの商品であるかを確認できる。そして、これらの状態を確認したならばアテンダントM3は、該当の買物客M1に声掛けした上で、適切な処置を施す。当該の処置は例えば、カートCに載せられた販売が許容されない商品を回収することである。当該の処置は例えば、正規の販売商品として買上登録するための操作を行うことである。該当の商品が商品データベース131に登録されていないことが誤りであり、販売が実際には許容されている場合には、後者の処置が適切な処置となる。
【0103】
第2サーバ20においてプロセッサ21は、詳細画面を表した画面データを送信した後にはAct35へと進む。
Act35としてプロセッサ21は、一覧表示が指示されたか否かを確認する。そしてプロセッサ21は、当該の指示がなされていないならばNoと判定し、Act36へと進む。
Act36としてプロセッサ21は、Act34で詳細画面を生成する際に参照したダミーリストが更新されたか否かを確認する。そしてプロセッサ21は、当該の更新がなされていないならばNoと判定し、Act37へと進む。
Act37としてプロセッサ21は、取消指示がなされたか否かを確認する。そしてプロセッサ21は、当該の指示が成されていないならばNoと判定し、Act35へと戻る。
かくしてプロセッサ21はAct35-Act37としては、一覧表示の指示、ダミーリストの更新又は取消の指示のいずれかがなされるのを待ち受ける。
【0104】
アテンダントM3は、販売が許容されない商品を回収したならば、その商品に対応付けて詳細画面SC3に表されているボタンBU1にタッチする。なおアテンダントM3は、買物客M1からの申し出に応じて、買い上げ対象として登録されている商品の取消を、該当の商品に対応付けて表されているボタンBU1をタッチすることにより指示することもできる。またアテンダントM3は、販売が許容されていない商品が複数含まれている場合に該当の商品の全てを回収したならば、詳細画面SC3に表されているボタンBU12にタッチする。ボタンBU1又はボタンBU12がタッチされたことに応じてプロセッサ61は、取消が指示されたことを、取消の対象となる商品の商品IDを識別可能に第2サーバ20へと通知する。ただしプロセッサ61は、ボタンBU12がタッチされた場合は、特定の商品IDを識別可能とするのではなく、一括取消であることを識別可能に第2サーバ20へと通知する。第2サーバ20においてプロセッサ21は、当該の通知を受けるとAct37にてYesと判定し、Act38へと進む。
【0105】
Act38としてプロセッサ21は、買い上げ対象として登録されている商品の取消が指示されたのであれば、
図14中のAct14と同様にして商品リストを更新する。
Act39としてプロセッサ21は、取消が指定された商品についての処置が完了したことを表すようにダミーリストを更新する。
【0106】
図25は取消に伴う更新の後のダミーリストのデータ構造を示す模式図である。ただし
図25は、ダミーリストが
図16に示すダミーリストL2である状況から、商品名が「BBB」である商品の取消が指示された場合における一例としてのダミーリストL4の構造を示している。
図25に示すダミーリストL4は、フィールドF62の後に、フィールドF81が追加されている。プロセッサ21は、このフィールドF81には、直前のフィールドF62にセットされた商品IDで識別される商品の回収が済んだことを示す取消フラグをセットする。ここでの取消フラグは、本実施形態においては「1」とする。なおプロセッサ21は、取消の対象が「一括」である場合は、ダミーリストにおいて商品IDがセットされたフィールドと、商品リストには含まれずにダミーリストには含まれた商品データがセットされたフィールドとの全ての後ろに取消フラグを追加する。そしてプロセッサ21はこののち、Act34以降の処理を繰り返す。つまりプロセッサ21は、更新後の商品リスト及びダミーリストの内容を表すように詳細画面を更新した上で、Act35-Act37の待ち受け状態に戻る。これにより、取消フラグがセットされたフィールドの直前のフィールドにセットされた商品ID又は商品データは無効化される。なお、情報端末50で表示される登録画面においては、販売が許容されていない商品に対応付けてボタンBU1を表さない。このため、無効化のための要求は、第2の端末としての監視端末60からは受けるが、第1の端末としての情報端末50からは受けない。かくして情報処理プログラムに基づく情報処理をプロセッサ21が実行することによって、プロセッサ21を中枢部分とするコンピュータは無効化手段として機能する。なお、商品ID又は商品データの無効化は、当該商品ID又は商品データ自体を削除することにより行われてもよい。
【0107】
Act34で詳細画面を生成する際に参照したダミーリストが、
図13中のAct8が実行されることにより更新されることもある。そしてこの場合にプロセッサ21は、Act36にてYesと判定し、Act34以降の処理を繰り返す。つまりプロセッサ21は、更新後のダミーリストの内容を表すように詳細画面を更新した上で、Act35-Act37の待ち受け様態に戻る。
【0108】
アテンダントM3は、詳細画面の確認を終えて、改めて一覧画面を確認したい場合には、ボタンBU11にタッチする。これに応じてプロセッサ61は、一覧表示が指示されたことを第2サーバ20へと通知する。第2サーバ20においてプロセッサ21は、当該の通知を受けるとAct35にてYesと判定し、Act32へと戻る。
【0109】
以上のように、買物客M1は、買い上げの対象として登録しようとする商品に販売が許容されていない商品が含まれていようとも、店員の関与無しに、当該登録のための操作を買物客M1が継続することができる。
【0110】
なお、販売が許容されていない商品について買い上げ対象として指定する操作をエラーとはしないために、そのような商品が買上商品としてカートCに載せられることになる。しかしながら、監視端末60での詳細画面の表示により、販売が許容されていない商品についての買い上げ対象の商品としての登録が試みられたことが、つまりそのような商品がカートCに載せられている可能性のあることが、アテンダントM3に通知される。これにより、アテンダントM3が、該当の商品を回収するか、販売のための手続きを行うなどの適切な措置を講じることが可能となる。
【0111】
また、買い上げ対象として指定された全ての商品をダミーリストに登録し、買い上げ対象として指定されたうちの販売が許容されている商品については別の商品リストに登録している。そして、会計に当たっては、商品リストに基づいて決済金額を算出している。従って、ダミーリストのみに擬似的に登録された、販売が許容されていない商品については、会計の対象とされることがなく、販売することが好ましくないため販売が許容されていない商品が販売されてしまうことがない。
【0112】
また、販売が許容されていない商品のダミーリストへの登録は、情報端末50からの買物客M1による指示によって取り消すことはできない。このため、販売が許容されていない商品が売場に存在していたことが、確実にアテンダントM3に通知されることになる。これによりアテンダントM3は、商品データベース131を更新したり、販売が許容されないにも拘わらず売場に残った商品を回収したり、といった処置を行ったり、そのような処置を別の担当者に指示したりすることができる。
【0113】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
買い上げ対象として指定された商品の全てを商品リストに登録しつつ、当該商品リスト内での例えばフラグによる管理によって、各商品が、販売が許容されたものであるか否かを区別可能としてもよい。
【0114】
商品リスト及びダミーリストの少なくとも一方が、例えば情報端末50に設けられたメインメモリ52又は補助記憶デバイス53に記憶されてもよい。
【0115】
商品リスト及びダミーリストの少なくとも一方の生成及び更新は、情報端末50に設けられたプロセッサ51により行われてもよい。
【0116】
情報端末50においてプロセッサ51が、第2サーバ20から商品リスト及びダミーリストを取得した上で、登録画面を生成してもよい。
【0117】
監視端末60においてプロセッサ61が、第2サーバ20から商品リスト及びダミーリストを取得した上で、詳細画面を生成してもよい。
【0118】
各種のデータレコードは、別のフィールドが追加されてもよいし、あるいは一部のフィールドが省略されてもよい。
【0119】
情報端末50は、カートCに取り付けずに、買物客M1により手持ちされてもよい。また情報端末50は、店舗に備え付けのものでは無く、買物客M1が所持するスマートフォンなどの端末であってもよい。
【0120】
プロセッサ21は、
図19中のAct23として送信する商品リストが、販売が許容されていない商品が登録されているダミーリストと対をなす場合に、監視端末60に対して警報動作の実行を指示してもよい。そしてこの場合、監視端末60では当該指示に応じて、例えばアラーム音の出力などの警報動作を実行することとする。このようにすれば、アテンダントM3が多忙であるために、一覧画面及び詳細画面を十分に確認できない状況であるとしても、上述の様な措置を講じる必要があることをアテンダントM3に認識させることができる。
【0121】
一覧画面及び詳細画面は、POS端末30、あるいはその他の任意の端末において表示させてもよい。つまり報知先は、アテンダントカウンタATに設置された監視端末60には限らず、任意の場所に設置された任意の端末であってよい。
【0122】
ダミーリストに含まれる商品IDで識別される商品の販売が許容されているか否かの区別可能とする手法は、任意に変更が可能である。例えば、販売が許容される商品については商品データをダミーリストに含め、販売が許容されない商品については商品IDのみをダミーリストに含めるようにすればよい。また例えば、販売が許容されるか否かを表すフラグをダミーリストに含まれる商品IDのそれぞれに関連付けて設定しておけばよい。これらの場合、商品リストを別途作成することなしに、ダミーリストから販売が許容される商品についての商品データを抽出し、該当する商品データに基づいて会計処理を行ってもよい。
【0123】
詳細画面において各商品の販売が許容されるか否かを確認可能とするための手法は、任意に変更が可能である。例えば、販売が許容される商品については商品名を表し、販売が許容されない商品については商品IDを表すようにすればよい。また例えば、販売が許容されるか否かに応じて表示色を異ならせればよい。
【0124】
情報処理によりプロセッサ21が実現する各機能は、その一部または全てをロジック回路などのようなプログラムに基づかない情報処理を実行するハードウェアにより実現することも可能である。また上記の各機能のそれぞれは、上記のロジック回路などのハードウェアにソフトウェア制御を組み合わせて実現することも可能である。
【0125】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1] 購買者が購買することを決定した商品を識別するための商品識別子を、当該商品識別子により識別される商品の販売が許容されているか否かに拘わらずに含み、かつ当該商品識別子で識別される商品の販売が許容されているか否かを区別可能としたリストを保存する保存手段と、
販売が許容されていない商品の商品コードが前記保存手段により保存された前記リストに含まれる場合に、そのことを所定の報知先に報知する報知手段と、
を具備した商品販売システム。
[付記2] 前記保存手段は、前記商品識別子を、当該商品識別子により識別される商品の販売が許容されている場合にのみ含んだ第1のリストと、前記商品識別子を、当該商品識別子により識別される商品の販売が許容されているか否かに拘わらずに含んだ第2のリストとをそれぞれ保存する、
付記1に記載の商品販売システム。
[付記3] 前記第1のリストに基づいて取引の代金を会計する会計手段、
をさらに具備した付記2に記載の商品販売システム。
[付記4] 前記保存手段は、第1の端末で取得された前記商品識別子を保存し、
前記報知手段は、前記第1の端末とは別の第2の端末を前記報知先とする、
付記1-付記3のいずれか一項に記載の商品販売システム。
[付記5] 前記保存手段に保存された前記商品識別子のうちで販売が許容されていない商品を識別する前記商品識別子を、前記第2の端末からの要求に応じて無効化し、当該無効化に関する前記第1の端末からの要求は受け付けない無効化手段、
をさらに備える付記4に記載の商品販売システム。
【符号の説明】
【0126】
10…第1サーバ、20…第2サーバ、30…POS端末、40…会計機、50…情報端末、60…監視端末、70…ネットワーク、80…アクセスポイント、100…商品販売システム、11,21,51,61…プロセッサ、12,22,52,62…メインメモリ、13,23,53,63…補助記憶デバイス、14,24…通信インタフェース、15,25,58,66…システム伝送路、54,64…無線ユニット、55,65…タッチパネル、56…スキャナ、57…リーダ、131…商品データベース、132…会員データベース、133…販促データベース、231…カート管理データベース、232…会計機管理データベース。