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  • 特許-登録装置及び情報処理プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】登録装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20241209BHJP
【FI】
G07G1/12 331J
G07G1/12 321P
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023033862
(22)【出願日】2023-03-06
(62)【分割の表示】P 2018188575の分割
【原出願日】2018-10-03
(65)【公開番号】P2023060204
(43)【公開日】2023-04-27
【審査請求日】2023-04-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】筬島 竜一
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-204028(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00- 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取引に関して決済者が決済するための決済処理を行う決済装置と、前記決済者に対してポイントサービスを提供するためのポイント端末とともにチェックアウトシステムを構成するものであって、
前記取引の内容を登録する登録手段と、
前記登録手段により登録された内容の前記取引についての決済を前記決済装置で行わせるための決済データを出力する出力手段と、
前記出力手段が出力する前記決済データに基づく決済に関するポイントを前記決済者に対して付与することを前記ポイント端末に指示する付与指示手段と、
前記付与指示手段により付与の指示が行われたことを確認可能とする履歴データを生成する生成手段と、
前記決済装置での前記決済処理を取り止めるべく、前記決済データを呼び戻す呼び戻し手段と、
前記呼び戻し手段が呼び戻す前記決済データに基づく決済に関して前記付与指示手段により付与の指示が行われたことが前記生成手段により生成された履歴データに基づいて確認できた場合に、当該の付与を指示したポイントを前記決済者が保有しているポイントから減殺することを前記ポイント端末に指示する減殺指示手段と、
を具備し
前記登録手段は、前記減殺指示手段による指示が行われたのちに、前記呼び戻し手段が呼び戻した前記決済データに関する取引の内容の変更に関する指定を待ち受け、該当の指定に応じて当該取引の内容を変更する、
登録装置。
【請求項2】
前記決済者の会員コードを取得する取得手段、をさらに備え、
前記付与指示手段は、前記取得手段により取得された会員コードに関連付けてのポイントの付与を指示し、
前記減殺指示手段は、前記呼び戻し手段が前記決済データを呼び戻した後に前記取得手段により取得された会員コードに関連付けられているポイントからの減殺を指示する、
請求項1に記載の登録装置。
【請求項3】
前記減殺指示手段は、前記呼び戻し手段が前記決済データを呼び戻した後に前記取得手段により取得された会員コードが、前記付与指示手段による付与の指示に関する会員コードと一致する場合に、減殺を指示する、
請求項2に記載の登録装置。
【請求項4】
前記生成手段は、前記付与指示手段による指示に応じて付与されるポイント数を前記履歴データに含め、
前記減殺指示手段は、前記履歴データに含まれるポイント数の減殺を指示する、
請求項1に記載の登録装置。
【請求項5】
取引に関して決済者が決済するための決済処理を行う決済装置と、前記決済者に対してポイントサービスを提供するためのポイント端末とともにチェックアウトシステムを構成する登録装置を制御するコンピュータを、
前記取引の内容を登録する登録手段と、
前記登録手段により登録された内容の前記取引についての決済を前記決済装置で行わせるための決済データを出力する出力手段と、
前記出力手段が出力する前記決済データに基づく決済に関するポイントを前記決済者に対して付与することを前記ポイント端末に指示する付与指示手段と、
前記付与指示手段により付与の指示が行われたことを確認可能とする履歴データを生成する生成手段と、
前記決済装置での前記決済処理を取り止めるべく、前記決済データを呼び戻す呼び戻し手段と、
前記呼び戻し手段が呼び戻す前記決済データに基づく決済に関して前記付与指示手段により付与の指示が行われたことが前記生成手段により生成された履歴データに基づいて確認できた場合に、当該の付与を指示したポイントを前記決済者が保有しているポイントから減殺することを前記ポイント端末に指示する減殺指示手段と、
して機能させ
さらに前記登録手段には、前記減殺指示手段による指示が行われたのちに、前記呼び戻し手段が呼び戻した前記決済データに関する取引の内容の変更に関する指定を待ち受け、該当の指定に応じて当該取引の内容を変更させる、
情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、登録装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
セミセルフタイプのチェックアウトシステムでは、登録装置から出力された決済データを決済装置が受領したのちであっても、取引内容の修正などのために、決済装置から登録装置へと決済データを呼び戻すことを可能としている。
しかしながら、決済装置に外付けされ、決済装置からの指示に応じて決済者にポイントを付与するための処理を行うポイント端末を用いる場合においては、登録装置は、決済装置へと決済データを出力する段階において、ポイント端末にポイント付与の指示を行うことになる。そしてポイント端末は、決済装置で決済が完了したか否かに拘わらずに、ポイントを付与するための処理を実行する。
【0003】
このため、上記のように決済装置から登録装置へと決済データを呼び戻すタイミングにおいては、ポイントの付与が既に完了している。このため、決済データを登録装置に呼び戻して取引内容の修正などを許容すると、付与されたポイントが、決済の実績に準じたものとはならなくなってしまう恐れがあった。そこで、ポイントを付与した場合には、呼び戻しを禁じている。
呼び戻しが禁じられている場合は、取引内容の修正などを行う必要が生じると、決済装置において該当の取引の全てをキャンセルするとともに、ポイント端末においてポイント付与をキャンセルした上で、登録装置において取引内容の登録を最初からやり直さねばならなかった。
このような事情から、ポイント端末を用いてのポイント付与を行っていながら、決済装置での決済データの受領後においても取引内容を容易に変更できることが望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-062344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、ポイント端末を用いてのポイント付与を行っていながら、決済装置での決済データの受領後においても取引内容を容易に変更できる登録装置及び情報処理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の登録装置は、取引に関して決済者が決済するための決済処理を行う決済装置と、決済者に対してポイントサービスを提供するためのポイント端末とともにチェックアウトシステムを構成するものであって、登録手段、出力手段、付与指示手段、生成手段、呼び戻し手段及び減殺指示手段を備える。登録手段は、取引の内容を登録する。出力手段は、登録手段により登録された内容の取引についての決済を決済装置で行わせるための決済データを出力する。付与指示手段は、出力手段が出力する決済データに基づく決済に関するポイントを決済者に対して付与することをポイント端末に指示する。生成手段は、付与指示手段により付与の指示が行われたことを確認可能とする履歴データを生成する。呼び戻し手段は、決済装置での決済処理を取り止めるべく、決済データを呼び戻す。減殺指示手段は、呼び戻し手段が呼び戻す決済データに基づく決済に関して付与指示手段により付与の指示が行われたことが前記生成手段により生成された履歴データに基づいて確認できた場合に、当該の付与を指示したポイントを決済者が保有しているポイントから減殺することをポイント端末に指示する。登録手段は、減殺指示手段による指示が行われたのちに、呼び戻し手段が呼び戻した決済データに関する取引の内容の変更に関する指定を待ち受け、該当の指定に応じて取引の内容を変更する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係る登録装置の要部回路構成と、当該登録装置を含んで構成されたチェックアウトシステムの概略構成とを示すブロック図。
図2】登録及び決済に関する図1中のプロセッサによる情報処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態の一例について図面を用いて説明する。
図1は本実施形態に係る登録装置1の要部回路構成と、当該登録装置1を含んで構成されたチェックアウトシステム10の概略構成とを示すブロック図である。
【0009】
チェックアウトシステム10は、少なくとも1台の登録装置1、少なくとも1台の会計装置2及び少なくとも1台のポイント端末3を含む。図1においては、1台の登録装置1と、当該登録装置1に対応付けられた2台の会計装置2と、当該登録装置1に接続された1台のポイント端末3とを示している。チェックアウトシステム10が、登録装置1、会計装置2及びポイント端末3をそれぞれ何台含むかは任意であり、登録装置1と会計装置2との台数の比も任意である。またポイント端末3は、典型的には全ての登録装置1に1台ずつが接続されるが、一部の登録装置1には接続されなくてもよい。
【0010】
登録装置1と会計装置2とは、LAN(local area network)20を介して互いに通信可能である。登録装置1とポイント端末3とは、通信ケーブルなどを介して互いに通信可能である。登録装置1と会計装置2との間の通信、あるいは登録装置1とポイント端末3との間の通信には、無線通信が用いられてもよい。LAN20に代えて、あるいはLAN20に加えて、インターネット、VPN(virtual private network)、公衆通信網、移動体通信網などを、単独又は適宜に組み合わせて用いることができる。登録装置1とポイント端末3とが、これらの通信網を介して通信可能とされてもよい。
【0011】
登録装置1は、チェッカと呼ばれる役割を担った店員が、その操作者となる。会計装置2は、上記の店舗での取引に関する代金を決済する客が、その操作者となる。ただし、登録装置1の操作の一部が客により行われる場合もある。また、会計装置2は、店員により操作される場合もある。
登録装置1は、客が購入しようとする商品を購入商品として登録するための登録処理を行う。また登録装置1は、登録した購入商品の代金を決済するための決済処理に用いる決済データを、対応付けられた会計装置2のいずれかにおいて受領されるように出力する。なお、登録装置1は、上記の代金を決済するための決済処理を行う機能を備えていてもよい。
【0012】
会計装置2は、登録装置1から出力された決済データを受領した場合に、当該決済データに基づいて取引の代金を決済するための決済処理を行う。つまり会計装置2は、決済装置の一例である。
ポイント端末3は、ポイントサーバ30と通信ネットワーク40を介して通信可能である。ポイント端末3は、登録装置1からの指示に応じて、ポイントカードなどの記録媒体に記録された会員コードを読み取り、登録装置1に通知する。ポイント端末3は、登録装置1からの指示に応じて、会員コードに関連付けられたポイント残高に対するポイント加算あるいはポイント減算をポイントサーバ30に要求する。ポイントサーバ30は、ポイントサービスの利用者の個々を識別可能に予め定められた会員コードに関連付けてポイント残高を管理する。ポイントサーバ30は、ポイント端末3からの上記の要求に応じて、管理しているポイント残高を更新する。なお通信ネットワーク40としては、インターネット、VPN、LAN、公衆通信網、移動体通信網などを、単独又は適宜に組み合わせて用いることができる。
【0013】
登録装置1は、プロセッサ1a、メインメモリ1b、補助記憶ユニット1c、スキャナ1d、キーボード1e、タッチパネル1f、リーダライタ1g、プリンタ1h、インタフェース1i、通信ユニット1j及び伝送路1kを含む。
登録装置1においては、プロセッサ1a、メインメモリ1b及び補助記憶ユニット1cが伝送路1kによって接続されることにより、登録装置1を制御するための情報処理を行うコンピュータを構成している。
【0014】
プロセッサ1aは、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ1aは、オペレーティングシステム、ファームウェア及びアプリケーションプログラム等の種々の情報処理プログラムに従った情報処理を実行することで、登録装置1としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
【0015】
メインメモリ1bは、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ1bは、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ1bは、不揮発性のメモリ領域では上記の情報処理プログラムを記憶する。またメインメモリ1bは、プロセッサ1aが各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ1bは、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ1aによってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。
【0016】
補助記憶ユニット1cは、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶ユニット1cは、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disc drive)、SSD(solid state drive)、あるいはその他の周知の各種の記憶デバイスを利用できる。補助記憶ユニット1cは、プロセッサ1aが各種の処理を行う上で使用するデータと、プロセッサ1aでの処理によって生成されたデータとを保存する。補助記憶ユニット1cは、上記の情報処理プログラムを記憶する場合もある。
【0017】
メインメモリ1b又は補助記憶ユニット1cに記憶される情報処理プログラムには、後述する情報処理に関して記述した情報処理プログラムを含む。登録装置1は一般的に、当該の情報処理プログラムがメインメモリ1b又は補助記憶ユニット1cに記憶された状態で譲渡される。しかし、登録装置1のハードウェアが、当該の情報処理プログラムがメインメモリ1b又は補助記憶ユニット1cに記憶されない状態で、あるいは別の情報処理プログラムがメインメモリ1b又は補助記憶ユニット1cに記憶された状態で譲渡されてもよい。そしてこの場合は、当該の情報処理プログラムが、リムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介して譲渡され、例えば保守作業者による指示の下にメインメモリ1b又は補助記憶ユニット1cに書き込まれる。リムーバブルな記録媒体としては、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク又は半導体メモリなどが利用できる。この場合、当該の情報処理プログラムはバージョンアッププログラムとして提供されてメインメモリ1b又は補助記憶ユニット1cに書き込まれて、メインメモリ1b又は補助記憶ユニット1cに既に記憶されていた同種の別の情報処理プログラムに置き換えて使用されるケースが想定される。
【0018】
スキャナ1dは、内蔵するカメラによってスキャナ窓を介して商品を撮像した上で、当該商品に表示されたバーコード又は二次元コードなどの光学的に読み取り可能なコードシンボルを画像処理によって識別する。そしてスキャナ1dは、識別したコードシンボルが表すデータをプロセッサ1aへ出力する。なお、スキャナ1dは、レーザ光の反射を利用してコードシンボルを識別するような他のタイプの周知のデバイスを利用することもできる。スキャナ1dは、商品自体の画像の特徴に基づくオブジェクト認識技術を用いて商品を識別する機能を備えていてもよい。スキャナ1dは、複数のタイプのデバイスを含んでいてもよい。
【0019】
キーボード1eは、テンキー及び複数の機能キーなどを備える。キーボード1eは、操作者による各種の指示をキー操作によって受け付ける。
タッチパネル1fは、表示デバイス及びタッチセンサをそれぞれ含む。表示デバイスは、プロセッサ1aによる制御の下に、GUI(graphical user interface)画面などの任意の画面を表示する。表示デバイスとしては、例えばカラーLCD(liquid crystal display)等の周知のデバイスを利用できる。タッチセンサは、表示デバイスの表示面に重ねて配置されている。タッチセンサは、表示デバイスの表示面への操作者のタッチ位置を検出し、その位置情報をプロセッサ1aへと送る。タッチセンサとしては、周知のデバイスを利用できる。
【0020】
リーダライタ1gは、カード又はICチップ等の記録媒体に記録されたデータを読み取る。リーダライタ1gは、上記の記録媒体へデータを書き込む。カードは、クレジットカード、デビットカード、電子マネーカード、プリペイドカードなどの決済用カードである。ICチップは、上記の各種のカードの他、スマートフォンなどの情報端末に備えられることがある。リーダライタ1gは、磁気式、接触式、あるいは非接触式のいずれのデバイスであってもよいし、また複数種のデバイスを含んでいてもよい。
プリンタ1hは、例えばサーマルプリンタ又はドットインパクトプリンタなどであり、レシート用紙に対して各種の文字列及び画像などを印刷することにより、レシートを発行する。
【0021】
インタフェース1iは、ポイント端末3との通信をインタフェースする。インタフェース1iとしては、例えばUSB(universal serial bus)に準拠した周知のデバイスを用いることができる。
通信ユニット1jは、LAN20を介した通信を行う。
伝送路1kは、接続された各部の間で授受されるデータを伝送する。伝送路1kは、システムバスなどの各種のバスと、これらのバスと各部とを接続する各種のインタフェース回路とを含む周知のものが利用できる。
【0022】
次に以上のように構成された登録装置1の動作について説明する。なお、以下に説明する各種の処理の内容は一例であって、一部の処理の順序の変更、一部の処理の省略、あるいは別の処理の追加などは適宜に可能である。
【0023】
登録装置1が取引の登録を行うべき動作状態にあるとき、プロセッサ1aはメインメモリ1b又は補助記憶ユニット1cに記憶された情報処理プログラムに基づいて以下に説明する情報処理を実行する。
図2は登録及び決済に関するプロセッサ1aによる情報処理のフローチャートである。
【0024】
Act1としてプロセッサ1aは、例えば商品テーブルなどの一取引に関する情報処理において一時的に用いるデータの初期化又は削除などの準備処理を行う。商品テーブルは、1件の取引の対象となる商品のリストを表すデータテーブルであり、メインメモリ1b又は補助記憶ユニット1cに記憶される。
【0025】
Act2としてプロセッサ1aは、ポイントサービスを利用する旨の宣言(以下、ポイント宣言と称する)がなされたか否かを確認する。そしてプロセッサ1aは、該当の宣言がなされていないならばNoと判定し、Act3へと進む。
Act3としてプロセッサ1aは、購入商品として登録すべき商品が指定されたか否かを確認する。そしてプロセッサ1aは、該当の指定がなされていないならばNoと判定し、Act4へと進む。
【0026】
Act4としてプロセッサ1aは、決済データの出力が指示されたか否かを確認する。そしてプロセッサ1aは、該当の指示がなされていないならばNoと判定し、Act5へと進む。
Act5としてプロセッサ1aは、呼び戻しが指示されたか否かを確認する。そしてプロセッサ1aは、該当の指示がなされていないならばNoと判定し、Act2へと戻る。
かくしてプロセッサ1aはAct2~Act5としては、ポイント宣言、商品指定、出力指示及び呼び戻し指示のいずれかがなされるのを待ち受ける。
【0027】
客は、自らが購入しようとする商品を売場からピックアップし、該当の商品をチェックアウトコーナーへと持って行き、登録装置1の操作を担当する店員に渡す。また客は、商品の購入のための決済に関してのポイント付与を希望するならば、その旨を店員に告げる。
店員は、ポイント付与を希望する旨が客から告げられたならば、ポイント宣言のための予め定められた操作を行う。当該操作は例えば、キーボード1eに含まれるキーのうちでポイント宣言の機能が割り付けられたキーの押下である。そしてプロセッサ1aは、このようなポイント宣言のための操作が行われたならばAct2にてYesと判定し、Act6へと進む。
【0028】
Act6としてプロセッサ1aは、客の会員コードを取得する。プロセッサ1aは例えば、ポイント端末3に対して会員コードの取得を指示する。この指示を受けてポイント端末3は、カード等の記録媒体に記録されている会員コードの読み取りを試みる状態に移行する。そこで店員又は客は、客が所持している記録媒体が記録している会員コードをポイント端末3に読み取らせるための予め定められた作業を行う。これによりポイント端末3は、記録媒体から会員コードを読み取り、プロセッサ1aへと通知する。そこでプロセッサ1aは、この通知された会員コードを取得する。プロセッサ1aは、取得した会員コードを、メインメモリ1b又は補助記憶ユニット1cに保存しておく。そしてプロセッサ1aはこののち、Act2~Act5の待受状態に戻る。
【0029】
店員は、客から渡された各商品を購入の対象として指定するための登録操作を行う。登録操作は例えば、商品に表示されたバーコードをスキャナ1dに読み取らせる動作、あるいは商品を指定するべくタッチパネル1fにタッチする動作などである。そしてプロセッサ1aは、このような登録操作が行われたならばAct3にてYesと判定し、Act7へと進む。
【0030】
Act7としてプロセッサ1aは、上記のように指定された商品を識別するための商品コードを含むように商品テーブルを更新する。なおプロセッサ1aは、指定された商品の購入取消が指定された場合には、その商品を識別するための商品コードを商品テーブルから削除する。またプロセッサ1aは、指定された商品の購入個数の変更が指定された場合には、その商品を識別するための商品コードに関する購入個数を指定に応じて変更するように商品テーブルを更新する。またプロセッサ1aは、指定された商品についての売価変更が指定された場合には、その商品を識別するための商品コードに関連付けて変更後の価格を表すように商品テーブルを更新する。プロセッサ1aは、指定に応じて、このほかの種々の更新を行ってもよい。そしてこののちにプロセッサ1aは、Act2~Act5の待受状態に戻る。
【0031】
かくしてプロセッサ1aは、登録操作が繰り返されれば、これに応じて商品テーブルの更新を繰り返し、商品を購入商品として登録してゆく。またプロセッサ1aは、指定に応じて、商品テーブルを編集する。このように商品テーブルを更新することにより、商品テーブルを購入商品のリストを表すものとする処理が商品登録処理である。かくして情報処理プログラムに基づく情報処理をプロセッサ1aが実行することによって、プロセッサ1aを中枢部分とするコンピュータは登録手段として機能する。プロセッサ1aは、この商品登録処理と並行して、新たに登録された商品の単価を小計額に逐次加算することにより、常に最新の小計額を求めておくようにしてもよい。
【0032】
店員は、客から渡された商品の全てに関しての登録操作をし終え、決済に移行すべきときには、決済データの出力を指示するための予め定められた操作を行う。当該操作は例えば、タッチパネル1fの画面に表されたボタンへのタッチなどである。そしてプロセッサ1aは、該当の操作が行われたならばAct4にてYesと判定し、Act8へと進む。
【0033】
Act8としてプロセッサ1aは、決済データを生成し、送信する。決済データは、購入商品のリストを少なくとも表す。決済データは、決済すべき金額、あるいはその他の任意の情報を含んでいてもよい。プロセッサ1aは、商品テーブルに含まれている商品コードで識別される全ての商品についての合計金額を決済すべき金額とする。なおプロセッサ1aは、上述のように小計額を逐次求めているならば、出力指示が行われた時点における小計額をそのまま決済すべき金額としてもよい。なおプロセッサ1aは、決済すべき金額の算出に当たっては、何らかの割引処理などを適用する場合もある。プロセッサ1aは一例としては、予め定められた会計装置2に宛てて決済データを送信する。この場合、決済データは、送信先の会計装置2により受領されるか、当該会計装置2によって別の会計装置2に転送される。登録装置1に3台以上の会計装置2が対応付けられている場合は、決済データは会計装置2間で転送されつつ、いずれかの会計装置2により受領される。またプロセッサ1aは別の一例としては、新たな取引の決済を開始できる状態にある会計装置2の1つを自律的に選択し、その会計装置2に宛てて決済データを送信する。またプロセッサ1aは別の一例としては、会計装置2のうちの1つを操作者による指示に応じて選択し、その会計装置2に宛てて決済データを送信する。このように決済データを送信することは、決済を決済装置としての会計装置2で行うための決済データを出力することに相当する。かくして情報処理プログラムに基づく情報処理をプロセッサ1aが実行することによって、プロセッサ1aを中枢部分とするコンピュータは出力手段として機能する。
【0034】
Act9としてプロセッサ1aは、現在の処理対象である取引に関してポイント宣言が行われているか否かを確認する。そしてプロセッサ1aは、Act6にて保存した会員コードがメインメモリ1b又は補助記憶ユニット1cに記憶されているならばYesと判定し、Act10へと進む。なお、プロセッサ1aは、Act6にて会員コードを取得できた場合に、ポイント宣言済みであることを表すフラグをセットしておき、このフラグがセット状態である場合にAct9においてYesと判定してもよい。
【0035】
Act10としてプロセッサ1aは、インタフェース1iを介してポイント端末3へと、ポイントの付与を指示する。プロセッサ1aは例えば、決済データに基づいて会計装置2で決済される取引の内容に応じて付与するポイント数を決定する。そしてプロセッサ1aは、このポイント数と、メインメモリ1b又は補助記憶ユニットに記憶されている会員コードとの通知を伴って、ポイント付与を指示するための予め定められたコマンドをポイント端末3に送る。なおプロセッサ1aは、予め定められたルールに従って付与するポイント数を決定する。プロセッサ1aは、一度の決済に対して一律のポイント数を付与するルールであるならば、ポイント数の決定及び通知を行わなくてもよい。ポイント端末3は、当該の指示を受けると、上記のように通知されるポイント数を、会員コードに関連付けられたポイント残高に加算するようにポイントサーバ30に要求する。そうするとポイントサーバ30は、該当するポイント残高を指示通りに更新する。かくして情報処理プログラムに基づく情報処理をプロセッサ1aが実行することによって、プロセッサ1aを中枢部分とするコンピュータは付与指示手段として機能する。プロセッサ1aはこののち、Act2~Act5の待受状態に戻る。なおプロセッサ1aは、ポイント宣言がなされていないならばAct9にてNoと判定し、Act10における付与指示を行うことなしにAct2~Act5の待受状態に戻る。
【0036】
店員は、決済データがいずれかの会計装置2で受領されたのちに、取引内容の修正などの必要が生じた場合には、呼び戻しを指示するための予め定められた操作を行う。当該操作は例えば、タッチパネル1fの画面に表されたボタンへのタッチなどである。より詳しくは例えば、プロセッサ1aは、決済が完了しておらず、決済データの呼び戻しが可能な状態にある会計装置2のそれぞれを選択可能とするボタンをタッチパネル1fの画面に表わしておく。そして店員は、呼び戻しが必要となった取引に関する決済を行う状態にある会計装置2を選択するように上記のボタンを操作する。そしてプロセッサ1aは、該当の操作が行われたならばAct5にてYesと判定し、Act11へと進む。
【0037】
Act11としてプロセッサ1aは、上記の操作による呼び戻しの指示に応じて会計装置2から決済データを呼び戻す。プロセッサ1aは例えば、決済データの送信を要求するものとして予め定められたコマンドを、通信ユニット1jからLAN20へと、呼び戻しの対象として指定された会計装置2に宛てて送信させる。このコマンドがLAN20を介して該当の会計装置2へと伝送されると、当該会計装置2は受領していた決済データを登録装置1へと送り返す。当該決済データは、LAN20によって登録装置1へと伝送され、通信ユニット1jによって受信される。そこでプロセッサ1aは、通信ユニット1jにより受信された決済データに含まれた購入商品のリストに応じた商品テーブルをメインメモリ1b又は補助記憶ユニット1cに作成する。かくして情報処理プログラムに基づく情報処理をプロセッサ1aが実行することによって、プロセッサ1aを中枢部分とするコンピュータは呼び戻し手段として機能する。
【0038】
Act12としてプロセッサ1aは、呼び戻した決済データを会計装置2へと送信した際にポイントを付与しているか否かを確認する。プロセッサ1aは例えば、少なくとも呼び戻しが許容される決済データに関して、その決済データの送信に伴うポイント付与の指示を行ったことを確認できる履歴データを生成し、メインメモリ1b又は補助記憶ユニット1cに保存しておく。そしてプロセッサ1aは、当該の履歴データをAct12の確認に当たって参照する。なおプロセッサ1aは、ポイントの付与指示を行う条件が満たされている場合に、付与指示を行うことを表すデータを決済データに含めるようにし、当該のデータが、呼び戻した決済データに含まれるか否かに基づいてAct12の確認を行ってもよい。そしてプロセッサ1aは、ポイントの付与を指示しているならばYesと判定し、Act13へと進む。
【0039】
Act13としてプロセッサ1aは、客の会員コードをAct6と同様にして取得する。すなわちプロセッサ1aは、客が所持している記録媒体が記録している会員コードをポイント端末3に再度読み取らせる。呼び戻された決済データに関する客は、Act6にて取得した会員コードで識別される客であるから、Act13では通常はAct6と同一の会員コードが取得されることになる。ただし、客が別々の会員コードを記録した2つの記録媒体を所持している場合などにおいて、Act13にてAct6とは異なる会員コードが取得されることもある。そこでプロセッサ1aは、付加済みのポイントを減殺するために会員コードを取得することをタッチパネル1fでの表示などによって店員に通知することが望ましい。当該の通知は、客側に画面を向けた表示デバイスを別途設けて、当該表示デバイスで表示するなどして、客に通知してもよい。また、Act13にて取得した会員コードをAct6にて取得した会員コードと照合し、両会員コードが一致するまでAct13を繰り返してもよい。なお、Act10で加算したポイントに関連付けられた会員コードとは異なる会員コードに関連付けられたポイントを減殺の対象とすることをポイントサービスが許容するならば、Act13にて取得された会員コードをそのまま有効なものとしてもよい。またプロセッサ1aは、前述の履歴データ又は決済データに会員コードを含めるようにしておき、Act13においては履歴データ又は決済データから会員コードを取得してもよい。
【0040】
Act14としてプロセッサ1aは、インタフェース1iを介してポイント端末3へと、ポイントの減殺を指示する。プロセッサ1aは例えば、呼び戻した決済データの送信に続いてAct10で加算したポイント数を、Act13で取得した会員コードに関連付けられたポイント残高から減算するようにポイントサーバ30に要求する。そうするとポイントサーバ30は、該当するポイント残高を指示通りに更新する。プロセッサ1aは例えば、加算したポイント数を前述の履歴データ又は決済データに示すようにしておき、Act14においては、このように履歴データ又は決済データに示されたポイント数を減算するポイント数とする。かくして情報処理プログラムに基づく情報処理をプロセッサ1aが実行することによって、プロセッサ1aを中枢部分とするコンピュータは減殺指示手段として機能する。プロセッサ1aはこののち、Act2~Act5の待受状態に戻る。なおプロセッサ1aは、呼び戻した決済データを会計装置2へと送信した際にポイントを付与していないならば、Act12にてNoと判定し、Act13及びAct14を行うことなしに、つまりポイントを減殺することなしに、Act2~Act5の待受状態に戻る。
【0041】
以上のように登録装置1は、会計装置2により受領された後の決済データであっても、当該決済データに応じた決済が完了していなければ、会計装置2から呼び戻す。そしてこの場合に登録装置1は、呼び戻した決済データを送信した際に付与済みのポイントを減殺するようポイント端末に指示する。かくして登録装置1は、呼び戻し後は、決済データを送信する前の状態に戻る。従って登録装置1によれば、ポイント端末3を用いてのポイント付与を行っていながら、会計装置2での決済データの受領後においても取引内容を容易に変更できる。
【0042】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
登録装置1が登録の対象とする取引は、商品の販売には限らず、飲食サービス、あるいは物の提供を伴わないサービスなど、いかなるものであってもよい。
【0043】
情報処理によりプロセッサ1aが実現する各機能は、その一部又は全てをロジック回路などのようなプログラムに基づかない情報処理を実行するハードウェアにより実現することも可能である。また上記の各機能のそれぞれは、上記のロジック回路などのハードウェアにソフトウェア制御を組み合わせて実現することも可能である。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1] 取引に関して決済者が決済するための決済処理を行う決済装置と、前記決済者に対してポイントサービスを提供するためのポイント端末とともにチェックアウトシステムを構成するものであって、
前記取引の内容を登録する登録手段と、
前記登録手段により登録された内容の前記取引についての決済を前記決済装置で行わせるための決済データを出力する出力手段と、
前記出力手段が出力する前記決済データに基づく決済に関するポイントを前記決済者に対して付与することを前記ポイント端末に指示する付与指示手段と、
前記決済装置での前記決済処理を取り止めるべく、前記決済データを呼び戻す呼び戻し手段と、
前記呼び戻し手段が呼び戻す前記決済データに基づく決済に関して前記付与指示手段が付与を指示したポイントを前記決済者が保有しているポイントから減殺することを前記ポイント端末に指示する減殺指示手段と、
を具備した登録装置。
[付記2] 取引に関して決済者が決済するための決済処理を行う決済装置と、前記決済者に対してポイントサービスを提供するためのポイント端末とともにチェックアウトシステムを構成する登録装置を制御するコンピュータを、
前記取引の内容を登録する登録手段と、
前記登録手段により登録された内容の前記取引についての決済を前記決済装置で行わせるための決済データを出力する出力手段と、
前記出力手段が出力する前記決済データに基づく決済に関するポイントを前記決済者に対して付与することを前記ポイント端末に指示する付与指示手段と、
前記決済装置での前記決済処理を取り止めるべく、前記決済データを呼び戻す呼び戻し手段と、
前記呼び戻し手段が呼び戻す前記決済データに基づく決済に関して前記付与指示手段が付与を指示したポイントを前記決済者が保有しているポイントから減殺することを前記ポイント端末に指示する減殺指示手段と、
して機能させるための情報処理プログラム。
【符号の説明】
【0045】
1…登録装置、1a…プロセッサ、1b…メインメモリ、1c…補助記憶ユニット、1d…スキャナ、1e…キーボード、1f…タッチパネル、1g…リーダライタ、1h…プリンタ、1i…インタフェース、1j…通信ユニット、1k…伝送路、2…会計装置、3…ポイント端末、10…チェックアウトシステム、20…LAN、30…ポイントサーバ、40…通信ネットワーク。
図1
図2