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特許7600289車両代替シミュレーション装置及び車両代替シミュレーション方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】車両代替シミュレーション装置及び車両代替シミュレーション方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241209BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023042102
(22)【出願日】2023-03-16
(65)【公開番号】P2024131687
(43)【公開日】2024-09-30
【審査請求日】2023-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】阿久澤 直弘
(72)【発明者】
【氏名】廣畑 慶
(72)【発明者】
【氏名】グプタ アディル
(72)【発明者】
【氏名】梅本 陽平
(72)【発明者】
【氏名】井出 大介
【審査官】田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-076183(JP,A)
【文献】特開2022-064058(JP,A)
【文献】国際公開第2014/162612(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の所持する情報端末から位置情報の時間的推移を含む移動情報を取得する位置情報取得部と、
電気で駆動するモーターを備える電動車両の走行性能に関する電動車両性能情報を記憶する電動車両情報記憶部と、
所定期間に取得された前記移動情報から、前記利用者が運転する内燃機関を備える内燃機関車両の少なくとも移動距離情報及び経由地情報を含む乗車情報を取得する乗車情報取得部と、
前記電動車両性能情報と前記乗車情報とから、前記利用者が前記電動車両に乗り換えた場合に、経由地毎に前記電動車両の残りの電力量(SoC(State Of Charge))をSoC情報として算出するSoC算出部と、
前記経由地情報の経由地毎の前記SoC情報を前記利用者の前記情報端末に出力する出力部と、
を備えることを特徴とする車両代替シミュレーション装置。
【請求項2】
前記乗車情報取得部は、前記位置情報の推移が所定時間以上に亘って所定範囲内に位置しているとき、当該位置を前記経由地と判定することを特徴とする請求項1記載の車両代替シミュレーション装置。
【請求項3】
前記位置情報取得部は、さらに前記情報端末の速度情報を取得し、
前記乗車情報取得部は、前記位置情報の時間的推移と前記速度情報とに基づき前記内燃機関車両による移動か否かを判定したうえで前記移動距離情報を取得することを特徴とする請求項1又は2記載の車両代替シミュレーション装置。
【請求項4】
公共交通機関の情報が含まれる地図情報が記憶される地図情報記憶部をさらに備え、
前記乗車情報取得部は、前記地図情報に基づき前記位置情報の推移が前記内燃機関車両による移動か前記公共交通機関による移動か判定したうえで前記移動距離情報を取得することを特徴とする請求項1又は2記載の車両代替シミュレーション装置。
【請求項5】
前記電動車両情報記憶部は、さらに複数の電動車両の車種毎に前記電動車両性能情報を記憶し、
前記SoC算出部は、前記複数の電動車両の車種毎に前記経由地毎の前記SoC情報を算出することを特徴とする請求項1又は2記載の車両代替シミュレーション装置。
【請求項6】
コンピュータにより実行される車両代替シミュレーション方法であって、
利用者の所持する情報端末から位置情報の時間的推移を含む移動情報を取得する位置情報取得ステップと、
電気で駆動するモーターを備える電動車両の走行性能に関する電動車両性能情報を記憶する電動車両情報記憶ステップと、
所定期間に取得された前記移動情報から、前記利用者が運転する内燃機関を備える内燃機関車両の少なくとも移動距離情報及び経由地情報を含む乗車情報を取得する乗車情報取得ステップと、
前記電動車両性能情報と前記乗車情報とから、前記利用者が前記電動車両に乗り換えた場合に、経由地毎に前記電動車両の残りの電力量(SoC)をSoC情報として算出するSoC算出ステップと、
前記経由地情報の経由地毎の前記SoC情報を前記利用者の前記情報端末に出力する出力ステップと、
を備えることを特徴とする車両代替シミュレーション方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者の情報端末の位置情報の推移から利用者が運転する内燃機関車両の移動距離情報及び経由地情報を含む乗車情報を取得し、乗車情報に基づいて利用者が電動車両(電気自動車)に乗り換えた場合に、経由地毎の充電情報を推定する車両代替シミュレーション装置及び車両代替シミュレーション方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、持続可能な社会を実現するため、カーボンニュートラルの実現に向けた各種取り組みがなされている。このため、走行時に二酸化炭素等のガスを排出しないように、自動車メーカ等からEV(電気自動車)が販売されてきており、利用者にとって次に車両を購入する場合に、電気自動車の選択が1つの検討課題となりつつある。
他方、現時点においては、電気自動車の1回の充電で走行できる距離(1充電走行距離)は、内燃機関車両(例えばガソリン車)のガソリン満タンで走行できる距離と比較して、一般的に短いことが指摘されている。また、電気自動車の1回の充電に係る時間は、内燃機関車両(例えばガソリン車)のガソリン充填に掛かる時間に比較して一般的に長い時間が必要となることが指摘されている。このため、利用者にとって、仮に電気自動車に乗り換えて、現在所有している内燃機関車両の走行形態と同様の走行形態を採った場合に、特に、自宅外の充電施設での充電回数、充電時間等がどの程度必要となるのか、把握することが容易ではなく、利用者が買い替えを検討する上での不安の解消までには至っていない。
この点、特許文献1には、電気自動車が道路リンクを走行するために要するバッテリの消費電力量を正確に算出するための技術が開示されている。具体的には、所定の道路区間を電気自動車が走行するために要するバッテリの消費電力量を、当該道路区間における推定した停止回数に応じて正確に算出するための技術が開示されている。
また、非特許文献1には、スマートフォン等により測位された位置情報とともに、加速度データを用いて、スマートフォン等のユーザの行動を判定する弱者見守りシステムの技術が開示されている。当該技術では、ユーザの行動として、車両に乗車中、電車に乗車中、歩行中等の判定を行う。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、利用者が仮に電気自動車に乗り換えて、現在所有している内燃機関車両の走行形態と同様の走行形態を採った場合に、特に、利用者が1日の車両の利用状況でどれくらいバッテリの電力量が消費されていくのか、把握することができない。このため、バッテリの消費電力量等がどの程度となるかを把握するためには、現在の内燃機関車両の走行形態を利用者自身が分析して、予測される消費電力量を算出する必要があり、利用者にとっては、事実上困難であった。このため、利用者にとって、買い替えを検討するうえでの不安の解消までには至っていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6236887号
【非特許文献】
【0004】
【文献】土井善貴ら、「スマートフォンを利用した弱者を見守るシステムTLIFSの提案」、第74回全国大会講演論文集、vol.1、pp.353-354、2012年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
利用者が現在所有している内燃機関車両を仮に電動車両(電気自動車)に乗り換えて、現在の内燃機関車両と同様の走行形態を採る場合に、利用者の1日の車両の利用状況からバッテリの消費電力量等を含む充電情報を推定でき、利用者の買い替えを検討するうえでの不安を解消できることが望まれている。
【0006】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、利用者の情報端末の位置情報の推移から利用者が運転する内燃機関車両の移動距離情報及び経由地情報等を含む乗車情報を取得し、利用者が仮に内燃機関車両から電動車両(電気自動車)に乗り換えて、現在の内燃機関車両と同様の走行形態を採る場合に、取得した乗車情報に基づいてバッテリの消費電力量等を含む充電情報を推定する車両代替シミュレーション装置及び車両代替シミュレーション方法を提供することを目的とする。そうすることで、利用者が買い替えを検討するうえでの客観的な情報を提供することで、利用者の不安を解消することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の一態様による車両代替シミュレーション装置(例えば、後述の車両代替シミュレーション装置1)は、
利用者の所持する情報端末(例えば、後述の携帯端末20A)から位置情報の時間的推移を含む移動情報を取得する位置情報取得部(例えば、後述の位置情報取得部110)と、
電気で駆動するモーターを備える電動車両の走行性能に関する電動車両性能情報を記憶する電動車両情報記憶部(例えば、後述の電動車両情報記憶部123)と、
所定期間に取得された前記移動情報から、前記利用者が運転する内燃機関を備える内燃機関車両(例えば、後述の車両20)の少なくとも移動距離情報及び経由地情報を含む乗車情報を取得する乗車情報取得部(例えば、後述の乗車情報取得部111)と、
前記電動車両性能情報と前記乗車情報とから、前記利用者が前記電動車両に乗り換えた場合に、経由地毎に前記電動車両の残りの電力量(SoC(State Of Charge))をSoC情報として算出するSoC算出部(例えば、後述のSoC算出部112)と、
前記経由地情報の経由地毎の前記SoC情報を前記利用者の前記情報端末に出力する出力部(例えば、後述の出力部113)と、
を備える。
【0008】
上記(1)によれば、利用者が内燃機関車両を電動車両に買い替えた場合に経由地毎にどのような電力消費となるのかを容易に把握することが可能となり、利用者の不安の解消につながる。
【0009】
(2)上記(1)に記載の車両代替シミュレーション装置(例えば、後述の車両代替シミュレーション装置1)において、
前記乗車情報取得部(例えば、後述の乗車情報取得部111)は、前記位置情報の推移が所定時間以上に亘って所定範囲内に位置しているとき、当該位置を前記経由地と判定するようにしてもよい。
【0010】
上記(2)によれば、経由地を正確に算出することが可能となる。
【0011】
(3)上記(1)又は(2)に記載の車両代替シミュレーション装置(例えば、後述の車両代替シミュレーション装置1)において、
前記位置情報取得部(例えば、後述の位置情報取得部110)は、さらに前記情報端末(例えば、後述の携帯端末20A)の振動情報を取得し、
前記乗車情報取得部(例えば、後述の乗車情報取得部111)は、前記振動情報に基づき前記内燃機関車両(例えば、後述の車両20)による移動か否かを判定したうえで前記移動距離情報を取得するようにしてもよい。
【0012】
上記(3)によれば、車両による移動を正確に算出するため、経由地毎にどのような電力消費となるか容易に把握することが可能となる。
【0013】
(4)上記(1)又は(2)に記載の車両代替シミュレーション装置(例えば、後述の車両代替シミュレーション装置1)において、
公共交通機関の情報が含まれる地図情報が記憶される地図情報記憶部(例えば、後述の地図情報記憶部121)をさらに備え、
前記乗車情報取得部(例えば、後述の乗車情報取得部111)は、前記地図情報に基づき前記位置情報の推移が前記内燃機関車両(例えば、後述の車両20)による移動か前記公共交通機関による移動か判定したうえで前記移動距離情報を取得するようにしてもよい。
【0014】
上記(4)によれば、車両による移動を正確に算出するため、経由地毎にどのような電力消費となるか容易に把握することが可能となる。
【0015】
(5)上記(1)又は(2)に記載の車両代替シミュレーション装置(例えば、後述の車両代替シミュレーション装置1)において、
前記電動車両情報記憶部(例えば、後述の電動車両情報記憶部123)は、さらに複数の電動車両の車種毎に前記電動車両性能情報を記憶し、
前記SoC算出部(例えば、後述のSoC算出部112)は、前記複数の電動車両の車種毎に前記経由地毎の前記SoC情報を算出するようにしてもよい。
【0016】
(6)本発明の車両代替シミュレーション方法は、コンピュータにより実行される車両代替シミュレーション方法であって、
利用者の所持する情報端末(例えば、後述の携帯端末20A)から位置情報の時間的推移を含む移動情報を取得する位置情報取得ステップと、
電気で駆動するモーターを備える電動車両の走行性能に関する電動車両性能情報を記憶する電動車両情報記憶ステップと、
所定期間に取得された前記移動情報から、前記利用者が運転する内燃機関を備える内燃機関車両(例えば、後述の車両20)の少なくとも移動距離情報及び経由地情報を含む乗車情報を取得する乗車情報取得ステップと、
前記電動車両性能情報と前記乗車情報とから、前記利用者が前記電動車両に乗り換えた場合に、経由地毎に前記電動車両の残りの電力量(SoC)をSoC情報として算出するSoC算出ステップと、
前記経由地情報の経由地毎の前記SoC情報を前記利用者の前記情報端末に出力する出力ステップと、
を備える。
【0017】
上記(6)の方法によれば、上記(1)の車両代替シミュレーション装置と同様の効果を奏する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、利用者の情報端末の位置情報の推移から利用者が運転する内燃機関車両の移動距離情報及び経由地情報等を含む乗車情報を取得し、利用者が仮に内燃機関車両から電動車両(電気自動車)に乗り換えて、現在の内燃機関車両と同様の走行形態を採る場合に、取得した乗車情報に基づいてバッテリの消費電力量等を含む充電情報を推定することができる。そうすることで、利用者が買い替えを検討するうえでの客観的な情報を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態である車両代替シミュレーションシステムを概略的に示す概略図である。
図2】本発明の実施形態である車両代替シミュレーション装置の基本的構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態における電動車両情報の一例を示す図である。
図4】本発明の実施形態である携帯端末の基本的構成を示すブロック図である。
図5】本発明の実施形態におけるシミュレーション処理の結果の表示の一例を示す図である。
図6】本発明の実施形態における車両代替シミュレーション処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の車両代替シミュレーション装置の好ましい一実施形態について、図を参照しながら説明する。図1に、車両代替シミュレーションシステム100の基本的構成を示す。車両代替シミュレーションシステム100は、車両代替シミュレーション装置1と、携帯端末20Aと、車両20と、通信網30と、を備える。
【0021】
携帯端末20Aは、車両20を所有する利用者のPC、スマートフォンやタブレット端末等である。なお、携帯端末20Aには、当該利用者の車両20と連携するためのアプリケーションソフトがインストールされてもよい。
携帯端末20Aは、携帯端末20Aに含まれる加速度センサや振動センサ等により測定された速度情報や振動情報を取得したり、GPS(Global Positioning System)センサによりGPS衛星信号を受信して携帯端末20Aの位置情報(緯度及び経度)、及び当該位置情報を測位した時刻情報を取得する。携帯端末20Aは、取得した速度情報、振動情報、位置情報、及び時刻情報等を、携帯端末20Aの識別情報(端末ID)とともに、車両代替シミュレーション装置1に対して送信する。車両代替シミュレーション装置1は、受信した携帯端末20Aの位置情報(すなわち、車両20の位置情報)を、携帯端末20Aの識別情報(端末ID)に紐づけて記憶する。
【0022】
利用者が携帯端末20Aを介して自身の所有する車両20(内燃機関車両)を電動車両に乗り換えた場合のシミュレーション処理を車両代替シミュレーション装置1に対して指示(入力)し、車両代替シミュレーション装置1から出力されるシミュレーション結果に関する出力情報を表示するようにしてもよい。
【0023】
車両20は、内燃機関車両(例えばガソリン車)である。車両20は、例えばテレマティックス技術に基づくコネクテッドカーである場合、当該車両20の車両メーカが運用するコネクテッドシステム(図示せず)と通信可能となっていることから、車両代替シミュレーション装置1は、携帯端末20Aの位置情報の代わりに、車両20の位置情報を時刻情報とともに、通信網30を介して、コネクテッドシステム(図示しない)から受信するように構成されてもよい。以下、特に断らない限り、車両20は内燃機関車両を意味する。
以上、本実施形態におけるシステム構成の概要を説明した。
次にそれぞれの構成について説明する。
【0024】
<車両代替シミュレーション装置1>
図2は、車両代替シミュレーション装置1の基本的構成を示すブロック図である。図2に示すように、車両代替シミュレーション装置1は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、表示部14と、入力部15と、を含んで構成される。
【0025】
制御部11は、マイクロプロセッサ等の演算処理装置から構成され、車両代替シミュレーション装置1を構成する各部の制御を行う。制御部11の詳細については、後述する。
【0026】
記憶部12は、半導体メモリ等で構成されており、ファームウェアやオペレーティングシステムと呼ばれる制御用のプログラムや、各携帯端末20Aの位置情報取得、シミュレーション処理、及び出力処理等を行うためのプログラムといった各プログラム、さらにその他、地図情報、電動車両性能情報等の種々の情報が記憶される。
図2に示すように記憶部12は、地図情報記憶部121と、電動車両情報記憶部123と、を備える。本実施形態では、地図情報が充電施設情報を含む構成を例示するが、これに限られない。充電施設情報は充電施設情報記憶部(図示しない)等に記憶されるようにしてもよい。
【0027】
地図情報記憶部121は、道路情報と、複数の施設について各施設の属性を示す施設種別情報と、当該施設に紐づけられた当該施設の位置情報等と、を含む施設情報を記憶する。本実施形態においては、施設情報として充電施設情報を含む。充電施設情報は、例えば充電施設を示す施設種別情報、充電施設を識別する充電施設識別番号(充電施設識別ID)、充電施設名称、充電施設の位置情報(充電施設が面する道路情報を含む)、電話番号、住所、営業時間、充電施設に設置されている充電器の給電性能情報等を含む。ここで、給電性能情報は、例えば充電方法(普通充電、急速充電)、出力量(1時間当たりの給電量;チャデモ規格の場合、概ね20kWから50kW、またメーカ独自に60kW、90kW,150kW、250kW等の急速充電もある)を示す。なお、地図情報記憶部121は充電施設情報の外に例えば、給油施設(ガソリンスタンド)情報を含むようにしてもよい。給油施設情報は、例えば給油施設を示す施設種別情報、給油施設名称、給油施設の位置情報(給油施設が面する道路情報を含む)等を含む。
【0028】
電動車両情報記憶部123は、例えば車両メーカ等から販売されている電動車両について車両種別毎に電動車両性能情報を記憶する。図3は、電動車両情報の一例を示す図である。図3に示すように電動車両性能情報は、例えば、市販されている電動車両毎に、当該電動車両の車種情報(車名等を含む)、バッテリ容量(kWh)、平均電費(Wh/km)、1充電走行距離、対応可能な普通充電(普通充電3kWh又は6kWh)、対応可能な急速充電(対応可能な急速充電の最大出力;例えば最大50kW、最大70kW出力)を含む。
電動車両は、任意の普通充電及び任意の急速充電に対応可能ではなく、電動車両の車種が対応可能な普通充電の出力量及び急速充電の出力量は電動車両の車種により予め決定されている。図3に示すように電動車両の車種を選択することで、当該電動車両の対応可能な普通充電の出力及び対応可能な急速充電の出力が決定される。
【0029】
以上、記憶部12について説明したが、例えば地図情報記憶部121に記憶される施設情報は、予め記憶しておく構成としてもよいし、通信網30に接続されたサーバ装置(図示しない)等から必要に応じて適宜ダウンロードされる構成としてもよい。さらに、これらの情報は、ユーザの入力等に応じて適宜修正されてもよい。
【0030】
通信部13は、DSP等を有し、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)の規格や、Wi-Fi(登録商標)といった規格に準拠して、通信網30を介して携帯端末20Aや他の装置(例えば、前述したサーバ等)との間の無線通信や有線通信を実現する。なお、通信網30は、インターネットや携帯電話網といったネットワークや、これらを組合せたネットワークにより実現される。また、ネットワークの一部に、LAN(Local Area Network)が含まれていてもよい。
【0031】
表示部14は、例えば液晶ディスプレイ、又は有機エレクトロルミネッセンスパネル等の表示デバイスにより構成される。表示部14は、制御部11からの指示を受けて画像を表示する。
入力部15は、テンキーと呼ばれる物理スイッチや表示部14の表示面に重ねて設けられたタッチパネル等の入力装置(図示を省略する)等で構成される。
【0032】
次に、制御部11の詳細について説明をする。制御部11はCPU、RAM、ROM、及びI/O等を有するマイクロプロセッサにより構成される。CPUは、ROM又は記憶部12から読み出した各プログラムを実行し、その実行の際にはRAM、ROM、及び記憶部12から情報を読み出し、RAM及び記憶部12に対して情報の書き込みを行い、通信部13と信号の授受を行う。そして、このようにして、ハードウェアとソフトウェア(プログラム)が協働することにより本実施形態における処理は実現される。
【0033】
図2に示すように、制御部11は、機能ブロックとして、位置情報取得部110と、乗車情報取得部111と、SoC算出部112と、出力部113と、を備える。
【0034】
位置情報取得部110は、利用者それぞれの所持する情報端末である携帯端末20Aから位置情報の時間的推移を含む移動情報を取得する。
具体的には、位置情報取得部110は、例えば、携帯端末20AのGPSセンサによりGPS衛星信号を受信して測位された携帯端末20Aの位置情報(緯度及び経度)、及び当該位置情報を測位した時刻情報を携帯端末20Aから取得する。また、位置情報取得部110は、携帯端末20Aに含まれる加速度センサや振動センサ等により測定された速度情報や振動情報を、位置情報とともに携帯端末20Aから取得するようにしてもよい。位置情報取得部110は、取得した携帯端末20Aそれぞれの位置情報、時刻情報、速度情報、及び振動情報等を、携帯端末20Aそれぞれの端末ID(例えば、携帯端末20Aの電話番号等)に紐づけして記憶部12に記憶する。
【0035】
乗車情報取得部111は、所定期間(例えば、1日等)に取得された移動情報から、利用者が運転する車両20の少なくとも移動距離情報及び経由地情報を含む乗車情報を取得する。
なお、以下では、例えば、携帯端末20Aの利用者から受け付けた車両20を電動車両に乗り換えた場合のシミュレーション処理の指示で所定期間として設定されたある日の「1日」において、自宅を出発して、飲食店や公園、ショッピングモール等の1以上の施設を目的地(経由地)として走行して、自宅に戻る場合を例示して説明する。
【0036】
具体的には、乗車情報取得部111は、例えば、携帯端末20Aの利用者から所有する車両20を電動車両に乗り換えた場合のシミュレーション処理の指示(入力)受け付けた場合、記憶部12に記憶された携帯端末20Aの位置情報、時刻情報、速度情報、及び振動情報等のうち当該指示の所定期間として設定された「1日」の位置情報、時刻情報、速度情報、及び振動情報等を記憶部12から読み出す。乗車情報取得部111は、読み出した所定期間「1日」の位置情報及び時刻情報等と、地図情報記憶部121の地図情報と、非特許文献1等の公知の手法と、を用いて、利用者の状態(例えば、「車両に乗車中」か、「電車に乗車中」か、「歩行中」か等)を判定する。
例えば、携帯端末20Aの位置情報の時間的推移が地図情報記憶部121の地図情報の道路上のノード(例えば道路の交差点、屈曲点、端点等)、及び各ノード間を結ぶ経路であるリンクの位置情報と一致し、携帯端末20Aの速度情報が所定値(例えば、時速10km等)以上の場合、乗車情報取得部111は、利用者は「車両に乗車中」と判定する。なお、乗車情報取得部111は、当該1日において最初に「車両に乗車中」と判定した携帯端末20Aの位置情報のうち最初の位置情報を利用者の自宅として判定し出発位置情報として取得してもよい。
【0037】
また、乗車情報取得部111は、携帯端末20Aの位置情報の時間的推移が地図情報記憶部121の地図情報の鉄道路線(公共交通機関)に関する情報と一致し、携帯端末20Aの速度情報が所定値(例えば、時速10km等)以上の場合、乗車情報取得部111は、当該携帯端末20Aの利用者は「電車に乗車中(公共交通機関による移動)」と判定するようにしてもよい。この場合、乗車情報取得部111は、「電車に乗車中」と判定した期間の携帯端末20Aの位置情報を車両20以外の移動として除外する。
また、携帯端末20Aの位置情報の時間的推移が地図情報記憶部121の地図情報の道路上のノード(例えば道路の交差点、屈曲点、端点等)、及び各ノード間を結ぶ経路であるリンクの位置情報と一致するが、携帯端末20Aの位置情報の時間的推移から算出される速度が、例えば時速4km以下等の場合、乗車情報取得部111は、携帯端末20Aの利用者は「歩行中」と判定するようにしてもよい。この場合、乗車情報取得部111は、「歩行中」と判定した期間の携帯端末20Aの位置情報を車両20以外の移動として除外する。
また、携帯端末20Aの位置情報の時間的推移が所定時間(例えば、30分や1時間等)以上に亘って所定範囲(例えば、半径500m等)内に位置しているとき、当該位置に地図情報記憶部121の地図情報において飲食店や公園、ショッピングモール等の施設がある場合、乗車情報取得部111は、携帯端末20Aの利用者は当該施設に滞在していると判定し、当該施設を経由地情報として取得するようにしてもよい。なお、乗車情報取得部111は、利用者が最後に訪れた施設から自宅に戻る場合、乗車情報取得部111は、利用者の自宅も経由地情報として取得することが好ましい。また、自宅を出発して、夕刻(又は夜間)に自宅に帰らず、例えば旅行先や出張先等の場合、乗車情報取得部111は、旅行先や出張先等の施設を経由地情報として取得してもよい。
【0038】
そして、乗車情報取得部111は、利用者の状態が「車両に乗車中」のみの時間の位置情報の推移から、車両20による経由地情報に含まれる経由地間毎の移動距離を算出し移動距離情報として取得する。乗車情報取得部111は、取得した出発位置情報、移動距離情報、及び経由地情報等をSoC算出部112に出力する。
【0039】
SoC算出部112は、電動車両情報記憶部123の電動車両性能情報と乗車情報とから、利用者が車両20から電動車両に乗り換えた場合に、経由地毎に電動車両の残りの電力量(SoC(State Of Charge))をSoC情報として算出する。
具体的には、SoC算出部112は、例えば、乗車情報取得部111により取得された移動距離情報(経由地情報における経由地間毎の移動距離)と、電動車両の平均電費(Wh/km)と、に基づいて、式1に示すように2つの値の積を算出することで、電動車両の経由地間の移動に必要な消費電力量を算出することができる。なお、平均電費は、図3に示すように、電動車両種別毎に設定される。
経由地間の移動に必要な消費電力量 = 平均電費 × 経由地間の移動距離
(式1)
SoC算出部112は、自宅を出発する時点の電動車両のバッテリが満充電状態(SoCが100%)の場合、経由地情報のk番目の経由地毎に、式2を用いてSoCを算出する。なお、kは1~nの整数であり、n番目の経由地は、例えば帰宅した利用者の自宅を示す。また、バッテリ容量は、図3に示すように、電動車両種別毎に設定される。
SoC(k番目の経由地) =
100%
-(Σ経由地間 経由地間の移動に必要な消費電力量)/(バッテリ容量)×100
(式2)
【0040】
出力部113は、利用者が所有する車両20から電動車両に乗り換え、車両20と同様の走行形態を採った場合のSoC算出部112により算出された、経由地毎のSoC情報を、通信網30を介して携帯端末20Aに出力する。
【0041】
<携帯端末20A>
携帯端末20Aが備える機能ブロックについて図4のブロック図を参照して説明をする。
図4に示すように、携帯端末20Aは、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、センサ部24と、表示部25と、入力部26とを含んで構成される。
【0042】
制御部21は、マイクロプロセッサ等の演算処理装置から構成され、携帯端末20Aを構成する各部の制御を行う。制御部21の詳細については、後述する。
【0043】
記憶部22は、半導体メモリ等で構成されており、ファームウェアやオペレーティングシステムと呼ばれる制御用のプログラム、車両代替シミュレーション装置1に対して位置情報及び時刻情報等を送信する機能を実行するプログラム等の種々の情報が記憶される。図中には、記憶部22が記憶する情報として、位置情報221、振動情報222、速度情報223を図示する。なお、記憶部22は、これら以外の情報を記憶してもよい。
【0044】
位置情報221は、後述するセンサ部24に含まれるGPSセンサによりGPS衛星信号を受信して携帯端末20Aの位置情報(緯度及び経度)、及び当該位置情報を測位した時刻情報等を含む。
振動情報222は、後述するセンサ部24に含まれる加速度センサや振動センサ等により測定された携帯端末20Aの振動情報を含む。
速度情報223は、後述するセンサ部24に含まれる加速度センサや振動センサ等により測定された携帯端末20Aの移動速度の速度情報を含む。
【0045】
通信部23は、DSP等を有し、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)の規格や、Wi-Fi(登録商標)といった規格に準拠して、通信網30を介して他の装置(例えば、車両代替シミュレーション装置1)との間の無線通信や有線通信を実現する。通信部23は、例えば、携帯端末20A側から携帯端末20Aの識別情報(端末ID)、位置情報221、振動情報222、及び速度情報223等を車両代替シミュレーション装置1に送信するために利用される。
なお、通信部23は、新たな位置情報、時刻情報、振動情報、速度情報等を取得する度に、車両代替シミュレーション装置1に送信してもよく、所定の時間(例えば、1分等)毎に新たに溜まった位置情報、時刻情報、振動情報、速度情報等をまとめて車両代替シミュレーション装置1に送信してもよい。
また、通信部23と他の装置との間で送受信されるデータに特に制限はなく、これらの情報以外の情報が送受信されるようにしてもよい。
【0046】
センサ部24は、例えばGPSセンサ、加速度センサ、振動センサ等により構成される。センサ部24は、加速度センサや振動センサ等を用いて、携帯端末20Aの移動速度や振動を測定する。また、センサ部24は、GPSセンサによりGPS衛星信号を受信し、携帯端末10の位置情報(緯度及び経度)を測位するとともに、当該位置情報を測位したときの時刻情報を取得する。
【0047】
表示部25は、液晶ディスプレイ、又は有機エレクトロルミネッセンスパネル等の表示デバイスにより構成される。表示部25は、制御部21からの指示を受けて画像を表示する。表示部25が表示する情報としては、携帯端末20Aにインストールされている各種アプリケーションプログラムに応じたユーザインタフェース等が挙げられる。
【0048】
入力部26は、テンキーと呼ばれる物理スイッチや表示部25の表示面に重ねて設けられたタッチパネル等の入力装置で構成される。入力部26からの操作入力、例えばユーザによるテンキーの押下、タッチパネルのタッチに基づいた信号を制御部21に出力することで、ユーザによる選択操作等を実現することができる。
【0049】
なお、この他、図示しないが、携帯端末20Aは、スピーカやマイク等を備えることもできる。そうすることで、情報をスピーカから音声で出力したり、マイクを介して音声入力されたユーザによる各種の選択、指示を音声認識技術により、制御部21に入力したりすることもできる。
【0050】
次に、制御部21の詳細について説明をする。制御部21はCPU、RAM、ROM、及びI/O等を有するマイクロプロセッサにより構成される。CPUは、ROM又は記憶部22から読み出した各プログラムを実行し、その実行の際にはRAM、ROM、及び記憶部22から情報を読み出し、RAM及び記憶部22に対して情報の書き込みを行い、通信部23、センサ部24、表示部25、及び入力部26と信号の授受を行う。これにより、ハードウェアとソフトウェア(プログラム)が協働することにより本実施形態における処理は実現される。
【0051】
情報送信部211は、通信部23を利用した無線通信により、携帯端末20Aの位置情報221、振動情報222、速度情報223等を、車両代替シミュレーション装置1に対して送信する。
また、情報送信部211は、入力部26を介して、利用者から車両代替シミュレーション装置1に対するシミュレーション処理の指示を受け付けた場合、当該シミュレーション処理に必要となる携帯端末20Aの端末ID(識別情報)、所定期間(例えば、ある日の1日等)、及び指定された電動車両種別を、当該シミュレーション処理の指示とともに車両代替シミュレーション装置1に送信する。
【0052】
結果受信部212は、車両代替シミュレーション装置1によるシミュレーション処理の結果を、通信部23を介して受信し、受信したシミュレーション処理の結果を表示部25に表示する。
図5は、シミュレーション処理の結果の表示の一例を示す図である。
図5に示すように、結果受信部212は、利用者が9月17日の1日に車両20を運転した走行履歴から、電動車両に乗り換えて、出発時のSoCが100%の場合に、ショッピングモールA、レストランB、及び帰宅した自宅それぞれの経由地におけるSoC情報のシミュレーション結果を、表示部25に一覧可能に表示する。
そうすることで、利用者は、内燃機関の車両20から電動車両に乗り換えた場合に、経由地毎にどのような電力消費となるのか容易に把握することが可能となり、利用者の不安の解消につなげることができる。
以上、携帯端末20Aの構成について説明した。
【0053】
次に、図6に記載したフローチャートを参照して、本実施形態の動作について説明する。図6は、車両代替シミュレーション装置1による車両代替シミュレーション処理を示すフローチャートである。具体的には、車両代替シミュレーション装置1がユーザの所有する内燃機関の車両20から電動車両に乗り換えて、車両20と同様の走行形態を採る場合に、経由地毎のSoC情報をシミュレーションする処理フローを例示する。
なお、複数の異なる車両種別それぞれに対応する電動車両について上記シミュレーションを行う場合、車両車種を1つずつ選択し、図6に記載のフローチャートにより選択された1つの車両車種についてシミュレーション処理を行い、当該車両車種に係るシミュレーション処理が終われば、残りの車両車種についても、1つずつ選択して同様の処理を行い、この処理を指定された全ての車両車種について繰り返して行うことで、複数の異なる車両車種毎のシミュレーション処理を行うことができる。
【0054】
ステップS10において、車両代替シミュレーション装置1(位置情報取得部110)は、利用者の携帯端末20Aの位置情報、時刻情報、振動情報、速度情報等を取得し、取得した位置情報、時刻情報、振動情報、速度情報等を携帯端末20Aの端末IDに紐付けて記憶部12に記憶する。
【0055】
ステップS11において、車両代替シミュレーション装置1(乗車情報取得部111)は、シミュレーション処理の指示を受信し、受信した指示においてシミュレーション処理対象の所定期間における携帯端末20Aの位置情報等を記憶部12から読み出す。
【0056】
ステップS12において、車両代替シミュレーション装置1(乗車情報取得部111)は、ステップS11で読み出した所定期間の携帯端末20Aの位置情報のうち、車両20以外の移動の位置情報を除外する。
【0057】
ステップS13において、車両代替シミュレーション装置1(乗車情報取得部111)は、利用者の状態が「車両に乗車中」のみの位置情報の推移が所定時間(例えば、30分や1時間等)以上に亘って所定範囲(例えば、半径500m等)内に位置しているとき、携帯端末20Aの利用者は飲食店や公園、ショッピングモール等の施設に滞在していると判定し、当該施設を経由地情報として取得する。
【0058】
ステップS14において、車両代替シミュレーション装置1(乗車情報取得部111)は、利用者の状態が「車両に乗車中」のみの位置情報の推移から、経由地間毎の移動距離を算出し、移動距離情報として取得する。
【0059】
ステップS15において、車両代替シミュレーション装置1(SoC算出部112)は、シミュレーション対象とする電動車両種別に対応する電動車両性能情報(バッテリ容量、平均電費、充電時間(普通充電)及び充電時間(急速充電))を、電動車両情報記憶部123から取得する。
【0060】
ステップS16において、車両代替シミュレーション装置1(SoC算出部112)は、利用者が車両20から電動車両に乗り換えた場合に、経由地毎に電動車両の残りの電力量をSoC情報として算出する。
【0061】
ステップS17において、車両代替シミュレーション装置1(出力部113)は、ステップS17で算出された経由地毎のSoC情報を、通信網30を介して携帯端末20Aに出力し、シミュレーション処理を終了する。
【0062】
以上により、利用者の所有する内燃機関の車両20を所望の車両種別に対応する電動車両に乗り換え、車両20と同等の走行形態を採ると仮定した場合に所定期間内の携帯端末20A(車両20)の位置情報の推移から経由地毎のSoC情報を、容易に把握することができる。そうすることで、利用者が内燃機関の車両20から電動車両の買い替えを検討するうえでの客観的な情報を提供することができる。
【0063】
各機器のそれぞれは、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。また、上記のナビゲーションシステムに含まれる各機器のそれぞれが協働することにより行なわれるナビゲーション方法も、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。
【0064】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0065】
上述した実施形態は、本発明の好適な実施形態ではあるが、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0066】
<変形例1>
上述の実施形態では、車両代替シミュレーション装置1を1つのサーバ装置等により実現すると説明したが車両代替シミュレーション装置1の各機能を、適宜複数のサーバ装置に分散する、分散処理システムとしてもよい。また、クラウド上で仮想サーバ機能等を利用して、車両代替シミュレーション装置1の各機能を実現してもよい。
【0067】
<変形例2>
上述の実施形態では、車両代替シミュレーション装置1が算出した経由地毎のSoCの値はプラスの値としたが、これに限定されない。例えば、車両代替シミュレーション装置1は、SoCの値が「0%」(電欠)となった時点でシミュレーション処理を終了し、シミュレーションの結果を携帯端末20Aに出力するようにしてもよい。そうすることで、利用者は、携帯端末20Aに表示された結果に基づいて、電動車両に買い替えた場合どの経由地まで充電することなく行けて、どの経由地で充電する必要があるか等がわかる。
あるいは、車両代替シミュレーション装置1は、SoCの値がマイナスの値となったとしても全ての経由地におけるSoCを算出するシミュレーション処理を行い、シミュレーションの結果を携帯端末20Aに出力するようにしてもよい。そうすることで、利用者は、携帯端末20Aに表示された結果に基づいて、電動車両に買い替えた場合、帰宅するまでに、どれくらいの消費電力量が必要で、何回充電する必要があるか、及びどの経由地で充電する必要があるか等がわかる。
【符号の説明】
【0068】
100 車両代替シミュレーションシステム
1 車両代替シミュレーション装置
11 制御部
110 位置情報取得部
111 乗車情報取得部
112 SoC算出部
113 出力部
12 記憶部
121 地図情報記憶部
123 電動車両情報記憶部
13 通信部
14 表示部
15 入力部
20 車両
20A 携帯端末
21 制御部
211 情報送信部
212 結果受信部
22 記憶部
221 位置情報
222 振動情報
223 速度情報
23 通信部
24 センサ部
25 表示部
26 入力部
30 通信網
図1
図2
図3
図4
図5
図6