(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】エアロゾル供給デバイス
(51)【国際特許分類】
A24F 40/10 20200101AFI20241209BHJP
A24F 40/40 20200101ALI20241209BHJP
【FI】
A24F40/10
A24F40/40
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023073093
(22)【出願日】2023-04-27
(62)【分割の表示】P 2021562390の分割
【原出願日】2020-06-05
【審査請求日】2023-06-05
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2019/090589
(32)【優先日】2019-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ウィッフェン, ロバート, ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ウォーレン, ルーク
(72)【発明者】
【氏名】アビ アウン, ワリド
(72)【発明者】
【氏名】キャンベル, ジェレミー
(72)【発明者】
【氏名】ディミック, バリー
(72)【発明者】
【氏名】イングランド, ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】マクグラス, コーナー, ジョン
(72)【発明者】
【氏名】オークリー, バーナビー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス, マイケル
(72)【発明者】
【氏名】クオムビー, ジャック
(72)【発明者】
【氏名】レオニ, チャールズ
【審査官】宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/088579(WO,A2)
【文献】国際公開第2019/081571(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/194762(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第109195463(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109619707(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/10
A24F 40/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、少なくとも1つのヒーターと、少なくとも1つの中空部材とを備えるエアロゾル供給デバイスであって、
前記ハウジングが、前記ハウジングの第1の端部に第1の開口を画成し、前記第1の開口を通してエアロゾル生成材料を受け入れ、前記ハウジングの第2の端部に第2の開口を画成し、
前記少なくとも1つのヒーターが、前記ハウジング内に配置され、前記ハウジング内に受け入れた前記エアロゾル生成材料を加熱することにより、エアロゾルを生成するように構成され、
前記中空部材が、前記ハウジング内に配置され、前記第2の開口と前記第1の開口の間で少なくとも部分的に延び、
前記中空部材が、前記第2の開口に面する平らな端部表面又は端部面を有し、前記平らな端部表面又は端部面の付近の毛管流を抑制するように構成される、エアロゾル供給デバイス。
【請求項2】
前記第2の開口に面する前記平らな端部表面又は端部面が、液滴の形成を促進するように構成される、請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項3】
前記中空部材が軸線を規定し、
前記中空部材の前記平らな端部表面又は端部面における前記中空部材の外壁が、前記軸線に垂直な方向で測定される第1の壁厚を有し、
前記中空部材の前記平らな端部表面又は端部面よりも前記ハウジングの前記第1の端部の近くに配置された前記中空部材の部分が、前記軸線に垂直な方向で測定される第2の壁厚を有し、
前記第1の壁厚が前記第2の壁厚よりも薄い、
請求項1又は2に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項4】
前記中空部材の端部部分が、前記第2の壁厚から前記第1の壁厚に先細る壁厚を有する、請求項3に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項5】
前記端部部分が中空切頭体であり、前記切頭体の傾斜角が約70°未満である、請求項4に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項6】
前記端部部分が、前記軸線に平行な方向で測定される長さ寸法を有し、前記長さ寸法が約0.5mmと約5mmの間である、請求項4又は5に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項7】
前記第1の壁厚が約0.5mm未満である、請求項3~6のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項8】
前記第1の壁厚が前記第2の壁厚の約50%未満である、請求項3~7のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項9】
前記中空部材が軸線を規定し、
前記中空部材が、
前記第2の開口と隣り合わせに配置され、前記平らな端部表面又は端部面に向かって小さくなる、前記軸線に垂直な方向の幅寸法を有する端部部分を備える、請求項1又は2に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項10】
前記端部部分が中空切頭体である、請求項9に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項11】
前記中空部材の前記端部から液体を受けるように配置される吸収材料を備える、請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項12】
前記中空部材の少なくとも一部が、前記吸収材料に向かう液体の流れを促進するために、疎水性であるか又は疎水性コーティングを備える、請求項11に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項13】
前記デバイスがカバーを備え、前記カバーは、前記第2の開口が前記カバーによって遮断される第1の位置と、前記第2の開口が遮断されない第2の位置との間を移動することができ、前記カバーが、前記中空部材の前記平らな端部表面又は端部面から液体を受けるために前記カバーが前記第1の位置にあるときに、前記第2の開口と隣り合わせに配置される凹部を備える、請求項1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項14】
液体を吸収するために少なくとも部分的に前記凹部に配置される吸収材料を備える、請求項13に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項15】
少なくとも部分的に前記凹部に配置される疎水性材料を備える、請求項13又は14に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項16】
前記吸収材料が前記疎水性材料上に配置される、請求項14に従属する請求項15に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項17】
前記中空部材が、前記平らな端部表面又は端部面に向かって小さくなる内径を有する、請求項1~16のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項18】
前記中空部材が、1つ以上の隆起又は溝を備える内部表面を有し、前記1つ以上の隆起又は溝が、前記内部表面に沿って前記第2の開口へ向かう液体流を妨げるように構成される、請求項1~17のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイスと、
少なくとも部分的に前記ハウジング内に収容されるエアロゾル生成材料と、
を備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエアロゾル供給デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
シガレット、シガー、等々などの喫煙品は、使用中、タバコを燃やしてタバコ煙をもたらす。燃やすことなく化合物を解放する製品を創出することにより、タバコを燃やすこれらの喫煙品の代替を提供する試行がなされている。このような製品の例は、材料を燃やすのではなく、材料を加熱することによって化合物を解放する加熱デバイスである。材料は、例えばタバコであっても、或いはニコチンを含有していても、含有していなくてもよい他の非タバコ製品であってもよい。
【発明の概要】
【0003】
本開示の第1の態様によれば、
ハウジングと、少なくとも1つのヒーターと、少なくとも1つの中空部材とを備えるエアロゾル供給デバイスであって、
ハウジングが、ハウジングの第1の端部に第1の開口を画成し、この第1の開口を通してエアロゾル生成材料を受け入れ、また、ハウジングの第2の端部に第2の開口を画成し、
少なくとも1つのヒーターが、ハウジング内に配置され、ハウジング内に受け入れた上記エアロゾル生成材料を加熱することにより、エアロゾルを生成するように構成され、
中空部材が、ハウジング内に配置され、第2の開口と第1の開口の間で少なくとも部分的に延び、
中空部材が、第2の開口に面する端部を有し、端部の付近の毛管流を抑制するように構成される、エアロゾル供給デバイスが提供される。
【0004】
本開示の第2の態様によれば、
ハウジングと、少なくとも1つの誘導ヒーターと、少なくとも1つの中空部材とを備えるエアロゾル供給デバイスであって、
ハウジングが、ハウジングの第1の端部に第1の開口を画成し、この第1の開口を通してエアロゾル生成材料を受け入れ、また、ハウジングの第2の端部に第2の開口を画成し、
少なくとも1つの誘導ヒーターが、ハウジング内に配置され、ハウジング内に受け入れた上記エアロゾル生成材料を加熱することにより、エアロゾルを生成するように構成され、
中空部材が、ハウジング内に配置され、第2の開口と第1の開口の間で少なくとも部分的に延び、
中空部材が、
第1の開口に向かう方向の第1の端部、及び第2の開口に向かう方向の第2の端部と、
第2の端部に向かって小さくなる内径と、
第2の端部から第1の端部までの距離の約50%未満に配置される最小内径と
を有する、エアロゾル供給デバイスが提供される。
【0005】
本開示の第3の態様によれば、
ハウジングと、少なくとも1つのヒーターと、少なくとも1つの中空部材とを備えるエアロゾル供給デバイスであって、
ハウジングが、ハウジングの第1の端部に第1の開口を画成し、この第1の開口を通してエアロゾル生成材料を受け入れ、また、ハウジングの第2の端部に第2の開口を画成し、
少なくとも1つのヒーターが、ハウジング内に配置され、ハウジング内に受け入れた上記エアロゾル生成材料を加熱することにより、エアロゾルを生成するように構成され、
中空部材が、ハウジング内に配置され、第2の開口と第1の開口の間で少なくとも部分的に延び、
中空部材が1つ以上の隆起又は溝を備える内部表面を有し、1つ以上の隆起又は溝が該内部表面に沿って第2の開口へ向かう液体流を妨げるように構成される、エアロゾル供給デバイスが提供される。
【0006】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照してなされる、単なる一例として与えられる本発明の好ましい実施形態についての以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】エアロゾル供給デバイスの一例の正面図である。
【
図2】外部カバーが取り外された
図1のエアロゾル供給デバイスの正面図である。
【
図3】
図1のエアロゾル供給デバイスの横断面図である。
【
図4】
図2のエアロゾル供給デバイスの分解図である。
【
図5】
図5の5Aは、エアロゾル供給デバイス内の加熱アセンブリの横断面図であり、
図5の5Bは、
図5の5Aの加熱アセンブリの一部の拡大図である。
【
図6A】第2の開口へのアクセスを提供する扉を有するエアロゾル供給デバイスの底端部の斜視図である。
【
図6B】扉が省略されたエアロゾル供給デバイスの底端部の斜視図である。
【
図7】加熱アセンブリが省略された特定の構成要素を有するエアロゾル供給デバイスの斜視図である。
【
図8】液滴の形成を促進するようには構成されない中空部材の横断面図である。
【
図9A】液滴の形成を促進するように構成される第1の例示的中空部材の横断面図である。
【
図9B】液滴の形成を促進するように構成される第1の例示的中空部材の横断面図である。
【
図10A】液滴の形成を促進するように構成される第2の例示的中空部材の横断面図である。
【
図10B】液滴の形成を促進するように構成される第2の例示的中空部材の横断面図である。
【
図11】液滴の形成を促進するように構成される第3の例示的中空部材の横断面図の線図表現を示す図である。
【
図12】液滴の形成を促進するように構成される第4の例示的中空部材の横断面図の線図表現を示す図である。
【
図13】吸収材料と組み合わせた
図11の例の線図表現を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書において使用されているように、「エアロゾル生成材料」という用語は、加熱すると揮発する、典型的にはエアロゾルの形態の成分を提供する材料を含む。エアロゾル生成材料は任意のタバコ含有材料を含み、また、例えばタバコ、タバコ誘導体、膨張(expanded)タバコ、再生タバコ若しくはタバコ代替品のうちの1つ又は複数を含むことができる。エアロゾル生成材料は、製品に応じてニコチンを含有していても、含有していなくてもよい他の非タバコ製品を含むことも同じく可能である。エアロゾル生成材料は、例えば固体、液体、ゲル、ワックス、等々の形態であってもよい。エアロゾル生成材料は、例えば材料の組合せ又は配合であってもよい。エアロゾル生成材料は、「喫煙材」としても知られている。
【0009】
装置は、エアロゾル生成材料を加熱して、典型的にはエアロゾル生成材料を燃やすことなく、即ち燃焼させることなく吸入することができるエアロゾルを形成する、エアロゾル生成材料の少なくとも1つの成分を揮発させることが知られている。このような装置は、時によっては「エアロゾル生成デバイス」、「エアロゾル供給デバイス」、「非燃焼加熱式デバイス」、「タバコ加熱製品デバイス」若しくは「タバコ加熱デバイス」又は類似として説明される。同様に、典型的には、ニコチンを含有していても、含有していなくてもよい液体の形態のエアロゾル生成材料を気化させる、いわゆるeシガレットデバイスも存在している。エアロゾル生成材料は、装置に挿入することができるロッド、カートリッジ又はカセット、等々の形態であっても、又はその一部として提供されてもよい。エアロゾル生成材料を加熱して揮発させるためのヒーターは、装置の「永久」部品として提供されてもよい。
【0010】
エアロゾル供給デバイスは、加熱するためのエアロゾル生成材料を含む物品を受け入れることができる。この文脈における「物品」は、使用中、加熱されてエアロゾル生成材料を揮発させるエアロゾル生成材料を含む、即ち含有する構成要素であり、また、使用中、任意選択で他の構成要素である。ユーザは、加熱されて、次にユーザが吸入するエアロゾルを生成する前に、物品をエアロゾル供給デバイスに挿入することができる。物品は、例えばその物品を受け入れるようにサイズ化されるデバイスの加熱チャンバー内に置かれるように構成される所定のサイズ、又は特定のサイズの物品であってもよい。
【0011】
本開示の第1の態様は、デバイス内に配置される、端部の付近の毛管流を抑制するための中空部材を備えるエアロゾル供給デバイスを定義する。エアロゾル生成材料を含む物品がデバイス内で加熱されると、エアロゾルがデバイスの内側で冷たくなって凝縮し得ることが分かっている。例えばエアロゾルは、エアロゾル生成材料を受け入れるチャンバーの内部表面に凝縮し得る。液体は、チャンバーの内側を流れ落ちることができ、また、チャンバーの一方の端部に配置される中空部材の端部の付近を毛管現象で流れることができる。例えば既存の中空部材は、平らなリム又はフランジを有することができ、液体は、中空部材の内部表面を流れ落ち、また、平らなリム又はフランジの底端部に沿って流れる。液体は、次に、デバイスの他の領域に流入することができる。
【0012】
デバイス全体にわたる液体の毛管流を少なくすることは有用であり得る。いくつかの例では、中空部材の端部は、液滴の形成を促進するように構成することができる。これは、液体をレセプタクルに向けることができる。したがってデバイスの端部における液滴の形成を促進することによってデバイス内の毛管流を制限する、修正された中空部材又はチャンバーの端部部分を提供することができる。他の例では、滴を形成することはできないが、それにもかかわらず、例えば液体にかかる重力の力が毛管流を駆動する表面張力からの力より大きいことを保証することによって端部の付近の毛管流を阻止することができる。
【0013】
第1の例では、中空部材は、端部では薄い壁厚を有する。したがって平らなリム又はフランジを有するのではなく、中空部材は、中空部材の端部の付近の毛管流の可能性を小さくするために薄い、即ち「鋭い」端部を有する。液体は、壁厚が最も薄い中空部材の端部に集まることになる。液体に加えられる重力の力は、端部表面の付近の毛管流を抑制するには十分である。端部における液体の量が増加すると、液体が中空部材の端部から滴り落ちるよう、滴を形成して、中空部材の端部表面における液体の表面張力に打ち勝つことができる。壁厚が薄くなった領域は、中空部材とデバイス内の他の構成要素との間にエアーギャップを提供することができる。中空部材の端部における液体は、エアーギャップの両端間を毛管現象によって流れることができないため、液体の量は、滴が中空部材の端部から滴り落ちるまで増加する。
【0014】
例示的エアロゾル供給デバイスはハウジングを備え、ハウジング/デバイスは、第1の端部に第1の開口を画成し、この第1の開口を通してエアロゾル生成材料を受け入れる。ハウジング/デバイスは、ハウジング/デバイスの第2の端部に第2の開口をさらに画成する。この第2の開口により、ユーザはデバイスにアクセスしてきれいにすることができる。ハウジングは、例えば外部カバー及び1つ以上の端部部材によって少なくとも部分的に画成することができる。第1の開口は、デバイスの口端部に配置することができる。第2の開口は、デバイスの遠位端に配置することができる。第2の端部は第1の端部の反対側であってもよい。
【0015】
中空部材は、第2の開口と隣り合うハウジング内、或いは第2の開口に配置することができる。したがって中空部材の一方の端部は第2の開口に面しているが、第2の開口と連続している必要はない。中空部材は、第1の開口と第2の開口の間で少なくとも部分的に延びる。つまり中空部材は、第2の開口から第1の開口まで完全に延びることができ、或いは第2の開口と第1の開口の間の距離の一部のみにわたって延びることができる。
【0016】
中空部材は、軸線、例えば縦方向の軸線を規定することができる。中空部材の端部における中空部材の外壁は、軸線に垂直な方向で測定される第1の壁厚を有する。中空部材の端部よりもハウジングの第1の端部の近くに配置される中空部材の部分は、軸線に垂直な方向で測定される第2の壁厚を有する。第1の壁厚は第2の壁厚よりも薄い。
【0017】
したがって中空部材の最も薄い壁厚は、中空部材の端部に配置することができる。
【0018】
中空部材は管状であってもよい。中空部材は、中空部材を貫通して軸線に沿った方向に延びる貫通孔を備える。貫通孔は、縦方向の軸線に垂直な方向で測定される内径/内側の幅を有する。中空部材は内部表面を有し(貫通孔によって提供される)、液体はこの内部表面に沿って流れることができる。ユーザがデバイスをふかすと、第2の開口を通って、また、中空部材を通って第1の開口に向かって空気を引き出すことができる。
【0019】
中空部材は、ハウジングを通って、第1の開口と第2の開口の間に延びるチャンバーの少なくとも一部を形成することができる。サセプタは、チャンバーの別の部分を形成することができる。中空部材は、チューブ、クリーンアウトチューブ又はサポートとしても知られている。中空部材の端部は第2の開口を画成することができる。中空部材は、中空部材のもう一方の端部でサセプタを支持することができる。
【0020】
いくつかの例では、中空部材の少なくとも一部の壁厚は、第2の開口に向かって薄くなり/減少する。例えば中空部材の端部部分は、第2の壁厚から第1の壁厚に先細る壁厚を有することができる。端部部分は、端部部分の長さに沿って薄くなる先細る壁厚を有することができる。最も薄い壁厚は、中空部材の端部の近くか、又は中空部材の端部に存在する。いくつかの例では、端部部分は第2の開口と隣り合わせに配置される。
【0021】
中空部材は、一定で/一様な壁厚を有する端部部分を有することなく、その端部に低減された壁厚を有することができるため、先細る壁厚は、より頑丈な中空部材を提供することができる。一定で/一様な壁厚を有する端部部分は、壁厚が薄い場合、壊れやすくなることがある。先細る壁厚は、製造がより容易でもあり得る。
【0022】
中空部材の端部部分は、第2の開口に面する中空部材の端部を備える。第1の端部のより近くに配置される中空部材の部分は、端部部分と直接隣り合って配置することができる。
【0023】
先細る壁厚は一定のテーパを有することができ、或いは先細る壁厚は、一定ではない、即ち変化するテーパを有することができる。
【0024】
中空部材の端部表面又は端部面は、いくつかの例では平らであってもよい。他の例では、中空部材の端部表面又は端部面は、一定の曲率半径又は変化する曲率半径で湾曲していてもよい。端部表面を湾曲させる場合、最大曲率半径は約0.25mmにすることができる。
【0025】
壁厚は、中空部材の外側の幅/外径を中空部材の端部に向かって小さくすることによって低減することができる。したがっていくつかの例では、第2の開口は、縦方向の軸線に垂直な平面に存在し、また、中空部材の外部表面は、端部部分の壁厚が第2の開口に向かって薄くなるよう、平面に対して傾斜している。言い換えると、中空部材の端部部分は中空切頭体であってもよい。
【0026】
一例では、中空切頭体は、約70°未満である傾斜角を有する。即ち縦方向の軸線と、縦方向の軸線と交わるように延びた中空部材の外部表面との間で対する角度は約70°未満である。この角度は、ドラフト角又はテーパ角と呼ぶことも可能である。重力は、傾斜した表面に沿った毛管流を少なくするように作用するため、端部部分が約70°未満の傾斜角を有する場合、中空部材の端部表面の付近の毛管流の影響が低減され得ることが分かっている。比較対象として、既存の中空部材は平らなリム又はフランジを有することができ、また、縦方向の軸線と、平らなリム又はフランジの端部表面との間で対する角度は約90°である。約70°未満の傾斜した外部表面は、液体の重力による力が液体の表面張力に打ち勝つことにより、中空部材の端部における滴の形成を促進するよう、中空部材の端部における液体の蓄積には十分である。
【0027】
切頭体の傾斜角は、約45°未満、約30°未満又は約25°未満にすることができる。傾斜した表面の毛管流を少なくする重力の効果が高くなるため、傾斜角が小さくなると、毛管流を少なくする端部プロファイルがより効果的になる。傾斜角が小さくなると、中空部材の端部における液体の速度に無関係に、毛管流の低減が促進される。
【0028】
切頭体は、直円錐切頭体などの直切頭体であってもよい。
【0029】
中空部材の端部部分は、縦方向の軸線に平行な方向で測定される長さ寸法を有し、その長さ寸法は、約0.5mmと約2mmの間などの約0.5mmと約5mmの間である。この長さの低減された壁厚領域を有することにより、毛管流の影響に打ち勝つこと(壁厚が十分な長さにわたって低減されることを保証することによって)と、中空部材が脆くなりすぎないことを保証すること(壁厚が広すぎる領域にわたって低減されないことを保証することによって)との間の良好なつり合いが提供されることが分かっている。端部部分が中空切頭体である例では、この長さは傾斜角にも依存することになる。
【0030】
第1の壁厚は約0.5mm未満にすることができる。0.5mm未満の壁厚は、中空部材の端部における液滴の形成を促進することによって毛管流の影響の低減を促進することが分かっている。いくつかの例では、第1の壁厚は、約0.25mm未満又は約0.1mm未満にすることができる。
【0031】
第1の壁厚は、第2の壁厚の約50%未満にすることができる。したがって端部部分の縁に沿ってエアーギャップが提供され、このエアーギャップは、毛管流の影響を小さくし、或いは毛管流の影響を止めることができる。いくつかの例では、第1の壁厚は、端部部分への構造的完全性の提供を促進するために、第2の壁厚の約10%より厚くすることも可能である。
【0032】
第2の例では、中空部材は、縦方向の軸線などの軸線を規定し、また、中空部材は、第2の開口と隣り合わせに配置され、また、端部に向かって小さくなる、即ち狭くなる、軸線に垂直な方向の外部幅寸法を有する端部部分を備える。端部部分の低減された幅は、中空部材の端部部分とデバイス内の他の構成要素との間にエアーギャップを提供することができる。中空部材の端部の液体はエアーギャップを横切ることができず、したがって端部に留まり、液体の量が増加するとおそらくは滴を形成することになる。
【0033】
幅寸法は、中空部材の互いに反対側の外部表面の間で測定される。
【0034】
端部部分は中空切頭体であってもよい。
【0035】
端部部分は、一定の壁厚又は一定ではない壁厚を有することができる。
【0036】
上記の例のうちの任意の例では、デバイスは、中空部材の端部から液体を受けるように配置される吸収材料を含むことができる。吸収材料は、液体が例えば空気入口を通ってデバイスから漏出する可能性を小さくすることができる。液体は、吸収材料によって吸収されると、保管期間の間に蒸発するか、又は実質的に吸収剤部材内に保持され得る。吸収材料はデバイスから除去することができ、したがってデバイス内で吸収材料をきれいにして元の位置に置くことができ、デバイス内で吸収材料を空にして元の位置に置くことができ、デバイス内で吸収材料を空にし、きれいにして元の位置に置くことができ、或いは吸収材料を廃棄して、新しい吸収部材と交換することができる。
【0037】
いくつかの例では、デバイスの底は、きれいにするためにユーザによる中空部材へのアクセスを可能にする、クリーンアウト扉としても知られているカバー又は扉を備える。カバーは、第2の開口が扉によって遮断される第1の位置と、第2の開口が遮断されない第2の位置との間を移動することができ、また、カバーは、中空部材の端部から液滴を受けるためにカバーが第1の位置にあるときに、第2の開口と隣り合わせに配置される凹部を備える。ユーザがカバーを開けると、凹部から液体を流し出すことができる。第2の開口は、第2の開口へのアクセスが可能である限り、遮断されることはなく、例えば第2の開口は、カバーによって依然として部分的に遮断される、即ち覆うことができる。いくつかの例では、第2の位置では、開口へのアクセスはカバーによって実質的に妨害されない。
【0038】
いくつかの例では、扉/カバーはデバイスから分離することができる。これは、ユーザによる吸収材料のより容易な廃棄、及び/又はユーザによる凹部からの過剰液体の流し出しを可能にすることができる。カバーは、デバイスから完全に分離することができる。
【0039】
いくつかの例では、凹部は、液体を吸収するために少なくとも部分的に凹部に配置される吸収材料を含む。
【0040】
一例では、カバーは、空気を通過させるための1つ以上の開口を画成し、この開口は、カバーの凹んだ部分の外側に配置することができる。したがって吸収材料が満杯になり、或いは凹んだ部分が液体を含んでも、カバーからの液体の漏出が抑制される。1つ以上の開口は、空気入口としても知られている。
【0041】
使用中、吸収材料は、少なくとも部分的にエアロゾル生成材料とカバーの間に配置することができる。即ち吸収材料及びエアロゾル生成材料をデバイス内に同時に配置することができる。例えばエアロゾル生成材料はチャンバーの第1のセクションに配置することができ、また、吸収材料はチャンバーの第2のセクションに配置することができ、或いは吸収材料はカバーの凹部に配置することができる。これは、デバイスが使用されている場合(即ち加熱セッションの間)の液体の吸収を可能にする。
【0042】
吸収材料は、ポリウレタン発泡体若しくは高密度ポリウレタン発泡体、スポンジ、紙又はセルロースアセテートなどの発泡体を含むことができる。これらの材料は軽い吸収剤であり、製造が比較的安価である。
【0043】
吸収材料は、セルロースアセテート繊維トウを含むことができる、繊維性材料とも呼ばれる糸状トウ材料を含むことができる。糸状トウは、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol:PVOH)、ポリ乳酸(polylactic acid:PLA)、ポリカプロラクトン(polycaprolactone:PCL)、ポリ(1-4ブタンジオールコハク酸)(poly 1-4 butanediol succinate:PBS)、ポリ(ブチレンアジピン酸共テレフタレート)(poly butylene adipate-co-terephthalate:PBAT)、澱粉系材料、綿、脂肪族ポリエステル材料及び多糖重合体又はそれらの組合せなどの繊維を形成するために使用される他の材料を使用して形成することも可能である。糸状トウは、材料がセルロースアセテートトウであるトリアセチンなどのトウのための適切な可塑剤を使用して可塑化することができ、或いはトウは非可塑化することも可能である。他に説明されていない限り、トウは、「Y」形を有する繊維又は「X」形などの他の断面を有する繊維、糸当たり2繊度と20繊度の間、例えば糸当たり4繊度と14繊度の間の糸状繊度値、及び5,000~50,000、例えば10,000と40,000の間の総繊度値などの任意の適切な仕様を有することができる。
【0044】
吸収材料は、1グラムの吸収材料当たり少なくとも7グラムの水を吸収する能力を有することができる。他の例では、吸収能力は、1グラム当たり少なくとも10グラムであり、或いは1グラム当たり少なくとも15グラムであり得る。吸収能力は、漏れがない材料によって維持され得る液体の重量を測定する。漏れることなく使用中に遭遇し得る十分な量の液体を吸収材料が保持することができることを保証するためには、より高い能力が好ましい。例えば吸収能力が高いほど、吸収材料を空にするか、或いは交換する必要が生じる前により多くのエアロゾル供給デバイスの使用を可能とする。いくつかの例では、ドイツのWeinheimに本部を置くFreudenberg Performance Materialsから、Freudenberg 1012の商品名で商用的に入手することができる親水性ポリウレタン発泡体が使用される。これは、1グラム当たり20グラムの吸収能力を有する。
【0045】
この事例における吸収能力は、平らな上部表面を有する発泡体片などの吸収材料の試験片に水を注ぐことによって測定される。試験片は秤の表面に、拘束されることなく置かれ、例えば試験片は自由にサイズを拡張することができる。水は、水が吸収材料から漏れたことが観察されるまで、或いは吸収材料の頂部に水たまりを作るまで加えられる。これは、発泡体が満杯になり、吸収能力に到達したことを示す。この点における重量が記録され、この重量を使用して、試験された乾燥した発泡体の既知の重量に基づいて吸収能力が計算される。
【0046】
一例では、吸収材料はブラシの少なくとも一部を形成する。したがってブラシは吸収材料を含む。したがってブラシは、液体を保持し/維持する吸収剤部材として作用する。ブラシは、ばらのタバコ(loose tobacco)などの固体粒子を維持することも可能である。
【0047】
ブラシは、剛毛又は糸の形態の吸収材料を含むことができる。ブラシはメッシュの形態の吸収材料を含むことができる。剛毛、糸及びメッシュは、それらがそれらの構造内に液滴を保持し/維持するため、吸収材料である。例えば剛毛/糸同士の間の空間で液滴をトラップすることができる。同様に、メッシュは、絡み合ったストランド又は織られたストランドの構造を含むことができ、それらのストランドは、それらの間の空間に液滴を保持し/維持する。
【0048】
ブラシは、基板によって支持された吸収材料を含むことができる。基板は、剛毛、糸又はメッシュが取り付けられる「バックボーン」を形成することができる。
【0049】
他の例の場合と同様、吸収剤部材はデバイスから除去することができ、吸収剤部材を廃棄するか、又はきれいにしてデバイスの元の位置へ戻すか、そのいずれかを実施することができる。
【0050】
吸収材料を含む例では、吸収材料の少なくとも一部は、吸収材料をいつでも交換するか、或いはきれいにすることができることを示すための視覚指示を提供するように構成することができる。例えば吸収材料は、所定の量の液体が吸収材料によって吸収されるか、或いは吸収材料が所定の長さの時間にわたって使用されると、いつでも交換するか、或いはきれいにすることができる。
【0051】
一例では、視覚指示は吸収材料の部分の色の変化である。例えば吸収材料は、第1の色から第2の色に変化するように構成することができ、第1の色及び第2の色は異なる(或いは少なくとも互いに区別することができる)。
【0052】
いくつかの例では、液体は第3の色を有し、第2の色は第3の色とは異なる。したがって吸収材料は、液体の色と同じ色に変色し得ない。
【0053】
色の変化は吸収材料全体にわたって非一様に生じ得る。例えばエアロゾル生成材料に最も近い吸収材料の端部の色が最初に変化し、また、エアロゾル生成材料から最も遠い端部の色はもっと後の時間に変化し得る。ユーザは、吸収材料全体の色が変化すると、吸収材料をきれいにするか、又は交換することができる。他の例では、色の変化は吸収材料全体にわたって実質的に一様に生じ得る。ユーザは、吸収材料をきれいにし、或いは交換することを色合いが示唆すると、そのようにすることができる。
【0054】
一例では、色の変化はpH値の変化によって生じる。したがって吸収材料は、視覚指示を提供するために、染料などの化学インジケータを含むことができる。したがって一例では、吸収材料は液体のpH値の結果として色が変化する。
【0055】
別の例では、色の変化は温度の変化によって生じる。したがって吸収材料は、液体の熱などの熱への露出によって変色し得る。
【0056】
一例では、吸収材料は、着色されたインジケータをシェル内に含むカプセルを含み、シェルは、視覚指示を提供するために、破壊して、着色されたインジケータを解放するように構成される。したがってシェルは、時間の経過によって破壊し得る。一例では、シェルは溶解可能であり、液体への露出によって溶解する。染料などの着色されたインジケータは、次に、シェルが溶解するとカプセルから漏出することができる。一例では、シェルは、水の存在によって、或いは液体中のグリセロールの存在によって溶解する。シェルは、デバイスの外部ではシェルが破壊しないこと、及び/又は非使用中に空気中の湿気によってシェルが破壊しないことを保証するために、水ではなく、グリセロールの存在によって溶解することが好ましい。別の例では、シェルは、液体中の1つ以上の化学薬品との化学反応によって破壊する。さらに他の例では、シェルは、デバイス内の熱への露出によって破壊する。特定の例では、着色されたインジケータをシェル内に個々に含む複数のカプセルが存在し、個々のシェルは異なる時間に破壊するように構成される。例えば第1のカプセルは、1つの加熱セッションの後に第1の色化学インジケータを解放することができ、また、第2のカプセルは、別の加熱セッションの後に第2の化学インジケータを解放することができる。個々のカプセルは、異なる時間にシェルが破壊するよう、異なるシェルの厚さを有することができる。
【0057】
一例では、吸収材料の第1の部分は、吸収材料をいつでも交換し、或いはきれいにすることができることを示すための視覚指示を提供するように構成される。吸収材料の第2の部分は異なる視覚指示を提供することができ、或いは吸収材料の第2の部分は視覚指示を提供することができなくてもよい。
【0058】
いくつかの例では、第1の部分は第1の色から第2の色に変化するように構成することができ、第1の色及び第2の色は異なる(或いは少なくとも互いに区別することができる)。液体は第3の色を有することができ、第2の部分は第4の色から第3の色に変化するように構成することができる。したがっていくつかの例では、第1の部分は液体の色とは異なる色に変化するように構成され、第2の部分は液体によって自然に着色されるだけであり、したがって第1の部分と同じ色には変化しない。
【0059】
特定の例では、第1の部分は吸収材料の第1の端部に配置され、また、第2の部分は吸収材料の第2の端部に配置され、第1の端部はエアロゾル生成材料から最も遠い(即ち吸収材料の遠位端における)端部であり、また、第2の端部はエアロゾル生成材料に最も近い(即ち近位端における)端部である。これは、液体が吸収材料の長さ全体にわたって侵入したことを示し、したがって吸収材料をいつでもきれいにし、或いは交換することができることを示すため、有用であり得る。
【0060】
いくつかの例では、1つ以上の化学インジケータ即ち染料は、米国食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)によって一般に安全と認識されている(Generally Recognized As Safe:GRAS)。例えば染料は受入れ可能な食品であってもよく、また、任意選択で食品グレード材料であってもよい。したがって化学インジケータは、摂食用として無毒で、且つ、安全であり得る。インジケータは加熱及びエアロゾル化することができ、したがってユーザによる吸入又は摂食が可能であるため、これは有用である。
【0061】
一例では、視覚指示は特定のパターンの出現を含む。例えば吸収材料をいつでも交換し、或いはきれいにすることができるようになると、1つ以上の印又は徴候が出現し得る。いくつかの例では、パターンは、吸収材料をいつでも交換し、或いはきれいにすることができるようになると、第1のパターンから第2のパターンへ変化する。特定のパターンの出現は色の変化を同じく含むことができる。
【0062】
いくつかの例では、視覚指示は、デバイスの外部カバーの窓又は開口を通してなど、デバイスの外部から見ることができる。他の例では、カバーを開くことによって視覚指示を見ることができる。
【0063】
吸収材料の少なくとも一部はガス透過性であってもよい。ガス透過性吸収材料は、ガス透過性吸収材料を通して、例えばエアロゾル生成材料を受け入れるように構成されたチャンバーの部分へ向かう方向におけるガスの通過を可能にすることができる。吸収材料を通して引き出すことによってもたらされる圧力降下は約200Pa(20mm H2O)未満であることが好ましく、約100Pa(10mm H2O)未満又は50Pa(5mm H2O)未満であることがより好ましい。これは、流路中の吸収材料の寸法及び材料特性に依存することになり、また、所定の位置に吸収材料を有している場合と、所定の位置に吸収材料を有していない場合のエアロゾル供給デバイス全体の両端間の圧力降下の差を決定することによって試験されることになる。
【0064】
吸収部材は1つ以上の空気入口を覆うことができる。したがって吸収部材は、液体が空気入口から漏出する可能性をなくすか、或いは小さくする。言及したように、空気入口はカバーに形成された開口であってもよい。
【0065】
上記例のいずれにおいても、デバイスは、追加又は別法として、少なくとも部分的に凹部に配置される疎水性の層又は膜などの疎水性材料を含むことができる。疎水性材料は、吸収材料を通る液体の浸み込み及び扉からの液体の浸み出しを止める液体不浸透性層を提供する。疎水性材料はポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate:PET)を含むことができる。PETは軽量で、可撓性があり、安価で、且つ、高い融点(加熱セッションの間、疎水性材料の変形を回避するために)を有する。
【0066】
特定の例では、吸収材料は疎水性材料の上に配置される。したがって吸収材料は疎水性材料よりも第1の開口の近くに配置される(即ち吸収部材は疎水性材料とエアロゾル生成材料の間に配置される)。したがって疎水性材料は、吸収部材を通って浸み込む液体を止めることができる。
【0067】
ある代替例では、疎水性材料は吸収材料よりも第1の開口の近くに配置される(即ち疎水性材料は吸収材料とエアロゾル生成材料の間に配置される)。
【0068】
いくつかの例では、中空部材の少なくとも一部は、液体の流れを促進するために、疎水性であるか又は疎水性コーティングを含む。吸収材料及び/又は疎水性材料に向かって流れるように液体を仕向けることができる。
【0069】
いくつかの例では、中空部材の少なくとも一部はポリプロピレン又はポリエチレンから形成される。中空部材の一部は、特定の例では、ポリプロピレン又はポリエチレンの層でコーティングすることができる。ポリプロピレン及びポリエチレンは疎水性材料の例である。
【0070】
特定の例では、中空部材の表面の少なくとも一部は、表面の疎水性を高くするために改質される。表面を改質する一例は表面を研磨することであり、したがって表面は研磨表面である。
【0071】
上記例のいずれにおいても、中空部材は、端部に向かって小さくなる内径を有することができる。内径は、縦方向の軸線に垂直な方向に測定される。したがって中空部材の内部表面は先細になっている。この小さくなる内径は、液体が凝縮して中空チューブの端部に向かって流れるのに要する時間を長くすることができる。この時間を長くすることにより、中空部材の温度が高くなるので、凝縮体を再加熱して蒸発させることができる。これは、デバイス内の液体の量を少なくし、また、漏れの可能性が低減する。
【0072】
中空部材は、中空部材の端部で最も小さい内径を有することが好ましい。他の例では、最も小さい内径の位置は、中空部材の端部から離れた、中空部材の長さの約50%未満の位置である。最も小さい内径の位置は、中空部材の端部から離れた、中空部材の長さの約25%未満、約10%未満又は約5%未満の位置であってもよい。
【0073】
このような中空部材は、誘導ヒーターを有するエアロゾル供給デバイスにおいては特に有用である。誘導ヒーターは、典型的には抵抗性ヒーターよりもはるかに速やかに熱くなり、これは、抵抗性加熱システムでは凝縮がより問題であることを意味し得る。
【0074】
約1°より大きい角度が中空部材の内部表面と中空部材の縦方向の軸線の間で対することができる。小さい傾斜であっても、中空部材から逃げる液体の量に対する影響を有するために、液体が中空部材の端部へ流れるのに要する時間を短くすることができることが分かっている。
【0075】
上記例のいずれにおいても、中空部材は、1つ以上の隆起又は溝を備える内部表面を有することができ、1つ以上の隆起又は溝は、その内部表面に沿って第2の開口へ向かう液体流を妨げるように構成される。「粗い」即ち起伏が付けられた表面を有する中空部材を提供することにより、液体が中空部材の端部に向かって流れるのに要する時間が長くなる。一例では、中空部材の内部表面は、内部表面の周りに形成される螺旋状の通路を備える。
【0076】
別の態様では、エアロゾル供給デバイスのための中空部材が提供される。中空部材は、上で説明した特徴のうちのいずれかの特徴を有することができる。例えば中空部材の端部部分は中空切頭体であってもよく、また、中空部材の端部に向かって先細る壁厚を有する。
【0077】
さらに他の態様では、エアロゾル供給デバイスは、ハウジングと、少なくとも1つの誘導ヒーターと、中空部材とを備える。ハウジングは、ハウジングの第1の端部に第1の開口を画成し、この第1の開口を通してエアロゾル生成材料を受け入れ、また、ハウジングの第2の端部に第2の開口を画成する。少なくとも1つの誘導ヒーターはハウジング内に配置され、ハウジング内に受け入れた上記エアロゾル生成材料を加熱することにより、エアロゾルを生成するように構成される。中空部材はハウジング内に配置され、第2の開口と第1の開口の間で少なくとも部分的に延びる。中空部材は、第1の開口に向かう方向の第1の端部、及び第2の開口に向かう方向の第2の端部を有する。中空部材の内径は第2の端部に向かって小さくなる。中空部材の最小内径は、第2の端部から第1の端部までの距離の約50%未満に配置される。他の例では、最小内径は、第2の端部から第1の端部までの距離の約25%未満、約10%未満又は約5%未満に配置することができる。この方法によれば、最小内径は、第1の端部よりも第2の端部に近くなる。
【0078】
本開示の別の態様は、ハウジングであって、ハウジングの第1の端部に第1の開口を画成し、この開口を通してエアロゾル生成材料を受け入れ、また、ハウジングの第2の端部に第2の開口を画成する、ハウジングを備えるエアロゾル供給デバイスを定義する。デバイスは、第2の開口と第1の開口の間に配置されるチャンバーをさらに備え、チャンバーの少なくとも一部はエアロゾル生成材料を受け入れるように構成される。デバイスは、ハウジング内に配置され、チャンバー内に受け入れたエアロゾル生成材料を加熱することにより、エアロゾルを生成するように構成される少なくとも1つのヒーターをさらに備える。デバイスは、チャンバーから液体を受けるように構成される取外し可能なカバーをさらに備え、取外し可能なカバーは、第2の開口がカバーによって遮断される位置でエアロゾル供給デバイスに取り付けることができる。
【0079】
したがってデバイスは取外し可能/分離可能なカバー/扉を備える。したがってカバーはチャンバーから液体を受けるように構成され、また、集められた液体を廃棄することができるよう、分離することができる。分離可能なカバーにより、ユーザはより容易に液体及び/又は吸収剤/疎水性材料(存在している場合)を廃棄することができる。カバーの分離可能な性質により、カバーをきれいにすることも可能であり、これは、デバイス自体が耐水性ではない場合、特に有用である。
【0080】
いくつかの例では、カバーは、液体を受けるための液体リザーバを備える。カバーは、(i)リザーバへの液体の流入を可能にし、また、(ii)リザーバからの液体の流出を実質的に制限するように構成することができる。例えばカバーは、リザーバからの液体の漏出を止めるための一方向弁を備えることができる。別法としては、リザーバは、進入する液体を可能にするが、出ていく液体は制限するように形状化される開口を有することができる。
【0081】
いくつかの例では、カバーは吸収材料を含む。例えばカバーは凹部を備えることができ、吸収材料は少なくとも部分的にこの凹部に配置される。いくつかの例では、吸収材料は除去可能にカバーに粘着される。ユーザは、吸収材料を除去し、きれいな吸収材料を粘着させてカバーに戻す前に、除去した吸収材料をきれいにするか、又は廃棄することができる。さらに他の例では、吸収材料はカバーから除去/分離不可能である。扉は分離することができ、したがって吸収材料をきれいにすることができる。
【0082】
いくつかの例では、カバーは疎水性材料を含む。例えばカバーは凹部を備えることができ、疎水性材料は少なくとも部分的にこの凹部に配置される。いくつかの例では、疎水性材料は除去可能にカバーに粘着される。ユーザは、疎水性材料を除去し、きれいな疎水性材料を粘着させてカバーに戻す前に、除去した疎水性材料をきれいにするか、又は廃棄することができる。
【0083】
いくつかの例では、チャンバーの少なくとも一部は、カバーに向かう液体の流れを促進するために、疎水性であるか又は疎水性コーティングを含む。
【0084】
別の態様によれば、ハウジングであって、ハウジングの第1の端部に第1の開口を画成し、この開口を通してエアロゾル生成材料を受け入れ、また、ハウジングの第2の端部に第2の開口を画成する、ハウジングを備えるエアロゾル供給デバイスが提供される。デバイスは、第2の開口と第1の開口の間に配置されるチャンバーをさらに備え、チャンバーの少なくとも一部はエアロゾル生成材料を受け入れるように構成される。デバイスは、ハウジング内に配置され、チャンバー内に受け入れたエアロゾル生成材料を加熱することにより、エアロゾルを生成するように構成される少なくとも1つのヒーターをさらに備える。デバイスは、チャンバーから残留物を受けて保持するように構成されるブラシをさらに備える。使用中、エアロゾルが、流路に沿って、第1の開口に向かってチャンバーを通って引き出され、ブラシは、少なくとも部分的に、エアロゾル生成材料を受け入れるように構成されるチャンバーの部分の上流側に配置される。
【0085】
いくつかの例では、ブラシは、チャンバーから液体残留物を受けて保持する。他の例では、ブラシは、チャンバーから固体残留物を受けて保持する。ブラシは、デバイスから取り外し、きれいにするか又は廃棄することができる。ブラシはチャンバーの中に完全に配置することができ、或いはチャンバーの中に部分的に配置することができる。いくつかの例では、カバー/扉は凹部を備え、ブラシはこの凹部に少なくとも部分的に配置される。
【0086】
一例では、ブラシは吸収材料を含む。したがってブラシは吸収剤部材として作用し、また、液体を吸収し/維持することができる。
【0087】
他の態様では、システムは、上で説明したエアロゾル供給デバイスを備え、また、少なくとも部分的にハウジング内に収容されるエアロゾル生成材料を含む。
【0088】
図1は、エアロゾル生成媒体/材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイス100の例を示したものである。大まかに言えば、デバイス100は、エアロゾル生成媒体を含む交換可能物品110を加熱して、デバイス100のユーザによって吸入されるエアロゾル又は他の吸入可能媒体を生成するために使用することができる。デバイスは、非燃焼加熱式デバイスとしても知られているタバコ加熱デバイスである。
【0089】
デバイス100は、デバイス100の様々な構成要素を取り囲んで収納するハウジング102(少なくとも部分的に外部カバーによって画成される)を備えている。デバイス100又はハウジング102は、加熱アセンブリによって加熱するために物品110を挿入することができる第1の開口104を一方の端部に有している。使用中、物品110は、完全に、又は部分的に加熱チャンバーに挿入することができ、そこでヒーター/ヒーターアセンブリの1つ以上の構成要素によって物品110を加熱することができる。
【0090】
この例のデバイス100は第1の端部部材106を備えており、この第1の端部部材106は、物品110が所定の位置にない場合、第1の開口104を閉じるために第1の端部部材106に対して動かすことができる蓋108を備えている。
図1では、蓋108は開いた構成で示されているが、蓋108は閉じた構成に移動することができる。例えばユーザは、蓋108を矢印「A」の方向にスライドさせることができる。
【0091】
デバイス100は、押されるとデバイス100を動作させるボタン又はスイッチなどの、ユーザが動作させることができる制御要素112を同じく含むことができる。例えばユーザは、スイッチ112を操作することによってデバイス100に電源投入することができる。
【0092】
また、デバイス100は、デバイス100のバッテリーを充電するためのケーブルを受け入れることができるソケット/ポート114などの電気構成要素を同じく備えることができる。例えばソケット114は、USB充電ポートなどの充電ポートであってもよい。
【0093】
図2は、外部カバー102が取り外され、また、物品110が存在しない
図1のデバイス100を描写したものである。デバイス100は縦方向の軸線134を規定している。
【0094】
図2に示されているように、第1の端部部材106はデバイス100の一方の端部に配置され、また、第2の端部部材116はデバイス100の反対側の端部に配置されている。第1の端部部材及び第2の端部部材106、116は、相俟って少なくとも部分的にデバイス100の端部表面を形成している。例えば第2の端部部材116の底部表面は、少なくとも部分的にデバイス100の底部表面を形成している。この例では、蓋108は、デバイス100の頂部表面の一部を同じく形成している。第1の端部部材及び第2の端部部材106、116は、ハウジングが第1の開口104を画成するよう、デバイスハウジングの一部である。
【0095】
第1の開口104に最も近いデバイス100の端部は、使用中、ユーザの口に最も近いため、この第1の開口104に最も近いデバイス100の端部は、デバイス100の近位端(又は口端部)としても知られている。使用中、ユーザは、物品110を第1の開口104に挿入し、ユーザ制御112を動作させてエアロゾル生成材料の加熱を開始し、また、デバイス中に生成されたエアロゾルをふかす。これによりエアロゾルがデバイス100を通って、流路に沿ってデバイス100の近位端に向かって流れる。
【0096】
第1の開口104から最も遠いデバイスのもう一方の端部は、使用中、ユーザの口から最も遠い端部であるため、この第1の開口104から最も遠いデバイスのもう一方の端部は、デバイス100の遠位端としても知られている。デバイス中に生成されたエアロゾルをユーザがふかすと、エアロゾルはデバイス100の遠位端から離れる方向に流れる。
【0097】
デバイス100は電力源118をさらに備えている。電力源118は、例えば充電式バッテリー又は非充電式バッテリーなどのバッテリーであってもよい。バッテリーは、エアロゾル生成材料を加熱するために、要求されると、コントローラ(図示せず)の制御の下で電力を供給するべく加熱アセンブリに電気結合されている。この例では、バッテリーは、バッテリー118を所定の位置に維持する中央サポート120に接続されている。
【0098】
デバイスは少なくとも1つの電子モジュール122をさらに備えている。電子モジュール122は、例えば印刷回路基板(printed circuit board:PCB)を備えることができる。PCB122は、プロセッサなどの少なくとも1つのコントローラ及びメモリを支持することができる。PCB122は、デバイス100の様々な電子構成要素を一体に電気接続するための1つ以上の電気トラックを同じく備えることができる。例えばバッテリー端子は、デバイス100全体に電力を分配することができるよう、PCB122に電気接続することができる。また、ソケット114も、電気トラックを介してバッテリーに電気結合することができる。
【0099】
例示的デバイス100では、加熱アセンブリは誘導加熱アセンブリであり、誘導加熱プロセスによって物品110のエアロゾル生成材料を加熱するための様々な構成要素を備えている。誘導加熱は、電磁誘導によって導電対象(サセプタなど)を加熱するプロセスである。誘導加熱アセンブリは、誘導素子、例えば1つ以上のインダクタコイル、及び交流電流などの可変電流を誘導素子を通して通過させるためのデバイスを備えることができる。誘導素子中の可変電流は可変磁界をもたらす。可変磁界は、誘導素子に対して適切に配置されたサセプタに侵入し、サセプタの内部に渦電流を生成する。サセプタは渦電流に対して電気抵抗を有し、したがってこの抵抗に逆らう渦電流の流れにより、ジュール熱によってサセプタが加熱される。サセプタが鉄、ニッケル又はコバルトなどの強磁性体を含んでいる場合、サセプタ中の磁気ヒステリシス損、即ち可変磁界との磁気双極子の整列の結果として、磁気材料中の磁気双極子の可変配向によって同じく熱が生成され得る。例えば伝導による加熱と比較すると、誘導加熱では、熱はサセプタの内部に生成され、したがって速やかに加熱することができる。さらに、誘導ヒーターとサセプタとの間の何らかの物理的接触は不要であり、したがって構築及びアプリケーションの自由を促進することができる。
【0100】
例示的デバイス100の誘導加熱アセンブリは、サセプタ構成体132(本明細書においては「サセプタ」と呼ばれている)、第1のインダクタコイル124及び第2のインダクタコイル126を備えている。第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイル124、126は導電材料でできている。この例では、第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイル124、126は、インダクタコイル124、126を提供するために概ね螺旋状に巻かれるリッツ線/ケーブルなどの多重ストランド線でできている。リッツ線は、個々に絶縁され、且つ、まとめて撚られて単一の線に形成される複数の線ストランドを備えている。リッツ線は、導体の表皮効果損を小さくするように設計されている。例示的デバイス100では、第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイル124、126は、矩形の断面を有する銅リッツ線でできている。他の例では、リッツ線は他の形の断面を有することができる。
【0101】
第1のインダクタコイル124は、サセプタ132の第1のセクションを加熱するための第1の可変磁界を生成するように構成され、また、第2のインダクタコイル126は、サセプタ132の第2のセクションを加熱するための第2の可変磁界を生成するように構成されている。この例では、第1のインダクタコイル124は、デバイス100の縦方向の軸線134に平行な方向に第2のインダクタコイル126と隣り合わせになっている。第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイル124、126の端部130はPCB122に接続することができる。
【0102】
第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイル124、126は、いくつかの例では、互いに異なる少なくとも1つの特性を有することができることは認識されよう。例えば第1のインダクタコイル124は、第2のインダクタコイル126とは異なる少なくとも1つの特性を有することができる。より詳細には、一例では、第1のインダクタコイル124は、第2のインダクタコイル126とは異なるインダクタンス値を有することができる。
図2では、第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイル124、126は、第1のインダクタコイル124の方が第2のインダクタコイル126よりもサセプタ132の短いセクションにわたって巻かれるよう、長さが異なっている。したがって第1のインダクタコイル124は、第2のインダクタコイル126とは異なる数の巻回を備えることができる(個々の回同士の間の間隔は実質的に同じであることを仮定して)。さらに別の例では、第1のインダクタコイル124は、第2のインダクタコイル126とは異なる材料で構築することも可能である。いくつかの例では、第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイル124、126は実質的に全く同じであってもよい。
【0103】
この例のサセプタ132は中空であり、したがってエアロゾル生成材料を受け入れるチャンバーの少なくとも一部を画成している。例えば物品110はサセプタ132に挿入することができる。この例ではサセプタ120は管状であり、円形の断面を有している。
【0104】
サセプタ132及び第1のインダクタコイル並びに第2のインダクタコイル124、126は、ヒーター/ヒーターアセンブリの少なくとも一部を形成することができる。したがって加熱されたサセプタ132は、ハウジング/デバイス内に受け入れられたエアロゾル生成材料を加熱する。
【0105】
図2のデバイス100は、概ね管状で、少なくとも部分的にサセプタ132を取り囲むことができる絶縁部材128をさらに備えている。絶縁部材128は、例えばプラスチックなどの任意の絶縁材料から構築することができる。この特定の例では、絶縁部材は、ポリエーテルエーテルケトン(polyether ether ketone:PEEK)から構築されている。絶縁部材128は、サセプタ132内に生成された熱からのデバイス100の様々な構成要素の絶縁を補助することができる。
【0106】
また、絶縁部材128は、第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイル124、126を完全に、或いは部分的に支持することも可能である。例えば
図2に示されているように、第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイル124、126は絶縁部材128の周りに配置されており、また、絶縁部材128の半径方向に外側に向かっている表面と接触している。いくつかの例では、絶縁部材128は第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイル124、126と当接していない。例えば絶縁部材128の外部表面と、第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイル124、126の内部表面との間に小さいギャップが存在していてもよい。
【0107】
特定の例では、サセプタ132、絶縁部材128及び第1のインダクタコイル並びに第2のインダクタコイル124、126は、サセプタ132の縦方向の中心軸線の周りに同軸である。
【0108】
図3は、デバイス100の側面図を部分断面で示したものである。この例では外部カバー102が存在している。
【0109】
デバイス100は、サセプタ132の一方の端部と係合してサセプタ132を所定の位置に維持する中空部材136をさらに備えている。中空部材136は第2の端部部材116に接続されている。中空部材136は、サポート、チューブ又はクリーンアウトチューブとしても知られている。中空部材は、第2の開口と隣り合わせに配置され、第1の開口に向かって延びている。
【0110】
デバイスは、制御要素112内で連携された第2の印刷回路基板138を同じく備えることができる。
【0111】
デバイス100は、デバイス100の遠位端に向かって配置された、カバー又は扉140及びばね142をさらに備えている。ばね142によって扉140を開き、ハウジングの中に形成された第2の開口へのアクセスを提供することができる。第2の開口は、例えば中空部材136の端部によって画成することができる。ユーザは、第2の開口を通してチャンバーにアクセスし、サセプタ132及び/又は中空部材136をきれいにすることができる。したがってデバイス100又はハウジング102は、デバイス/ハウジングの第2の端部に第2の開口を画成している。同様に、デバイス100又はハウジング102は、デバイス/ハウジングの第1の端部に第1の開口104を画成している。第1の端部及び第2の端部は互いに反対側であってもよい。チャンバー即ち通路は、扉140と第1の開口104の間に形成されている。例えばチャンバー/通路は、中空部材136及びサセプタ132によって少なくとも部分的に画成することができる。扉140は2つの位置の間で移動させることができる。第1の位置では、第2の開口は扉140によって覆われ、また、第2の位置では、第2の開口は扉140によって覆われない。
【0112】
デバイス100は、サセプタ132の近位端から遠ざかる方向にデバイスの第1の開口104に向かって延びている延長チャンバー144をさらに備えている。保持クリップ146は少なくとも部分的に延長チャンバー144内に配置されており、物品110がデバイス100内に受け入れられると、物品110と当接して維持する。延長チャンバー144は端部部材106に接続されている。延長チャンバー144は、チャンバー/通路の少なくとも一部を画成することも可能である。
【0113】
図4は
図1のデバイス100の分解図であり、外部カバー102は省略されている。
【0114】
図5の5Aは、
図1のデバイス100の一部の断面を描写したものである。
図5の5Bは、
図5の5Aのある領域の拡大を描写したものである。
図5の5A及び5Bは、サセプタ132内に受け入れられた物品110を示しており、物品110は、物品110の外部表面がサセプタ132の内部表面と当接するように寸法化されている。この例の物品110はエアロゾル生成材料110aを含んでいる。エアロゾル生成材料110aはサセプタ132内に配置されている。物品110は、フィルター、ラッピング材料及び/又は冷却構造などの他の構成要素を含むことも同じく可能である。
【0115】
図5の5Bは、サセプタ132の外部表面は、サセプタ132の縦方向の軸線158に垂直な方向で測定される距離150だけインダクタコイル124、126の内部表面から間隔を隔てていることを示している。特定の一例では、距離150は約3mm~4mm、約3mm~3.5mm又は約3.25mmである。
【0116】
図5の5Bは、絶縁部材128の外部表面は、サセプタ132の縦方向の軸線158に垂直な方向で測定される距離152だけインダクタコイル124、126の内部表面から間隔を隔てていることをさらに示している。特定の一例では、距離152は約0.05mmである。別の例では、距離152は、インダクタコイル124、126が絶縁部材128と当接して接触するよう、実質的に0mmである。
【0117】
一例では、サセプタ132は約0.025mm~1mm又は約0.05mmの壁厚154を有している。
【0118】
一例では、サセプタ132は約40mm~60mm、約40mm~45mm又は約44.5mmの長さを有している。
【0119】
一例では、絶縁部材128は約0.25mm~2mm、0.25mm~1mm又は約0.5mmの壁厚156を有している。
【0120】
図6Aはデバイス100の遠位/低端部を描写したものである。
図6Aでは、扉140は第1の位置に配置されており、この位置では、チャンバー/中空部材136への第2の開口は閉ざされている。1つ以上の開口160は扉140内に空気入口を形成している。空気は、チャンバー/中空部材136の中へ、デバイス100を通って、開口160を経て第1の開口104に向かって引き込むことができる。
【0121】
図6Bはデバイス100の遠位/底端部を描写したものであり、扉140は省略されている。ばね142及び中空部材136の底端部が見える。中空部材136の端部及び/又は第2の端部部材116は第2の開口162を画成している。中空部材136及びサセプタ132は、第2の開口162を通してきれいにすることができる。例えばクリーニングツールをチャンバーに導入することができる。
【0122】
図7はエアロゾル供給デバイス100の斜視図を示したものであり、加熱アセンブリの特定の構成要素は省略されている。例えば第2のインダクタコイル126は省略されている。サセプタ132及び中空部材136は少なくとも部分的にチャンバーを画成しており、空気及びエアロゾルはこのチャンバーを通って流れることができる。サセプタ132は、エアロゾル生成材料を受け入れるチャンバーの第1のセクションを形成することができる。中空部材136はサセプタ132の一方の端部を支持しており、また、チャンバーの第2のセクションを形成することができる。
【0123】
エアロゾル生成材料を含んだ物品がデバイス100のチャンバー内で加熱されると、デバイスの内側でエアロゾルが冷たくなって凝縮し得ることが分かっている。例えばエアロゾルは、サセプタ132より冷たい中空部材136の内部表面に凝縮し得る。凝縮は、サセプタ132が使用後に冷たくなるか、或いはサセプタの異なる部分が異なる温度に加熱されると、サセプタ132上でも生じ得る。この凝縮物即ち液体は、チャンバーの内側を流れ落ちて、デバイスの底に溜まり得る。例えば液体は扉140に溜まり得る。液体は、次に、扉140に形成された開口160から漏出するか、或いは扉の周囲に漏れ得る。さらに、液体は扉140が開いても漏出し得る。
【0124】
いくつかの例では、液体は、毛管現象によって、中空部材136の端部に沿って、第2の端部部材116の下面などのデバイスの他の構成要素の上に流れ得る。
図6Bの矢印164は、中空部材136の底端部から液体が出現する際に、その液体が取り得る経路を示している。液体がこの経路を取ると、液体が扉140の周囲に漏れる可能性がより高くなり得る。
【0125】
図8は、
図6B及び
図7の中空部材136の横断面図を示したものである。この例の中空部材は、フランジによって提供された平らな端部表面166を有している。矢印168は、液体が中空部材136の内部表面170を流れ落ち、また、毛管流によって端部表面166に沿って流れる際の液体の流路を示している。液体は、第2の端部部材116の下面に沿って流れることさえ可能である。第2の端部部材116に沿って十分に水が流れる場合、所望のとおり扉140に形成されるレセプタクル172に流入する代わりに、水の流れは扉140を迂回し得る。扉140を迂回する液体はデバイスから漏出し得る。
【0126】
したがってデバイス100からの液体の漏出を少なくし、或いは止めるためには、中空部材136の端部の付近の液体の毛管流を少なくするか、又は止めることも有用である。したがって中空部材の端部における液滴の形成を促進することによって毛管流を制限する、修正された中空部材を提供することができる。
【0127】
図9A及び
図9Bは、デバイス100内の毛管流を少なくするように構成される、修正された中空部材236の横断面図を描写したものである。
図9Bは
図9Aの一部の拡大図である。中空部材236は、
図8に描写されている中空部材136の代わりにデバイス100に使用することができる。
【0128】
中空部材236は、中空部材238の端部238に薄い壁厚を有している。中空部材236の壁厚は、中空部材236によって規定される縦方向の軸線200に垂直な方向に測定される。したがって平らなリム又はフランジを有する(
図7の場合のように)代わりに、中空部材236は、中空部材236の端部の付近の毛管流の可能性を小さくするために、薄い即ち「鋭い」端部238を有している。
【0129】
第2の開口240に面している中空部材236の端部238は第1の壁厚242を有しており、また、ハウジングの第1の端部のより近くに配置された中空部材236の一部244は第2の壁厚246を有している。鋭い縁を提供するために、第1の壁厚242は第2の壁厚246より薄くなっている。この例では、中空部材236全体で最も薄い壁厚は第1の壁厚242である。部分244は端部部分248と直接隣り合って配置されており、端部部分248は中空部材236の端部238から離れる方向に延びており、また、第2の壁厚246よりも薄い壁厚を有している。第2の開口と隣り合わせに配置された端部部分248は、第2の壁厚246から第1の壁厚242まで先細る壁厚を有している。したがって壁厚は中空部材236の端部238に向かって薄くなっている。
【0130】
したがって端部部分248は中空切頭体の形態を有しており、傾斜角250が、端部部分248の外部表面252と縦方向の軸線200との間で対している。この特定の例では、傾斜角250は約60°である。
【0131】
図9Bの矢印254は、液体が中空部材236の端部238に向かって中空部材236の内部表面256を流れ落ちる際の液体の流路を示している。液体が中空部材の内部表面256を流れ落ちると、中空部材の狭い端部が中空部材236の端部表面に沿った液体の毛管流を少なくする。その結果、液体は、毛管現象によって、中空部材236及び第2の端部部材116(分かりやすくするために
図9Bには示されていない)の下面に沿って流れることはできない。したがって壁厚が最も薄い中空部材238の端部238に、より容易に液滴を形成する。したがって液滴が中空部材の端部238から滴り落ちるよう、液滴に加えられる重力による力が液体の表面張力に打ち勝つことができる。端部部分248の低減された壁厚は、中空部材236の端部部分248と第2の端部部材116の間にエアーギャップ258が形成されることを意味し得る。中空部材236の端部238における液体は、エアーギャップ258の両端間を毛管現象で流れることができないため、液体の量は、滴が中空部材236の端部238から滴り落ちるまで増加する。
【0132】
図9Bに最も明確に示されているように、扉140は、扉が第1の位置(即ち
図9Bの閉じた位置)に位置すると、中空部材236の端部238と隣り合わせに配置される凹部172を備えることができる。したがって液体は凹部172に滴り落ちることができる。
図9Bの例では、液体を吸収して液体が1つ以上の空気入口160(
図6Bに示されている)を通過するのを止めるために、吸収材料260がこの凹部に配置されている。
【0133】
端部部分248は、縦方向の軸線200に平行な方向で測定される長さ寸法262を有している。この例では、長さ寸法は約3mmである。
【0134】
中空部材236は、中空部材236の端部238に向かって小さくなる内径を有している。内径は、縦方向の軸線200に垂直な方向に測定される。
図9Aは、中空部材236の端部238における内径264は、第1の開口104に向かってより近い点における内径268より小さいことを示している。したがって中空部材236は先細の内部表面256を有している。言及したように、これは、液体が中空部材の端部238に向かって流れるのに要する時間を長くすることができる。この例では、約1度の角度270が中空部材の内部表面256と縦方向の軸線200の間で対している。
【0135】
いくつかの例では、中空部材236は、液体が中空部材の端部238に向かって流れるのに要する時間を長くするために、1つ以上の隆起又は溝(図示せず)を備えた内部表面256を有している。
【0136】
図10A及び
図10Bは、デバイス100内の毛管流を少なくするように構成される、別の修正された中空部材336の横断面図を描写したものである。
図10Bは
図10Aの一部の拡大図である。中空部材336は、
図8に描写されている中空部材136の代わりにデバイス100に使用することができる。
【0137】
図10A及び
図10Bの中空部材336は、中空部材336がより小さい傾斜角350を有している点で、
図9A及び
図9Bに描写されている中空部材とは異なっている。この例では傾斜角は約25°である。さらに、端部部分348はより長い長さ寸法362を有している。この例では、長さ寸法362は約5mmである。
【0138】
また、
図10A及び
図10Bは、扉140の凹部172内に配置される疎水性層360を同じく描写している。液体は疎水性層360の上を流れることができ、また、ユーザが扉140を開けて液体を流し出すまでそこに留まる。
【0139】
図11は、デバイス100内の毛管流を少なくするように構成される、修正された中空部材436の横断面図の線図表現である。中空部材436は、
図8に描写されている中空部材136の代わりにデバイス100に使用することができる。
【0140】
中空部材436は、中空部材436の端部438に薄い壁厚を有している。中空部材436の壁厚は、中空部材436によって規定される縦方向の軸線400に垂直な方向に測定される。したがって平らなリム又はフランジを有する(
図7の場合のように)代わりに、中空部材436は、中空部材436の端部の付近の毛管流の可能性を小さくするために、薄い即ち「鋭い」端部438を有している。
【0141】
第2の開口と隣り合わせに配置された中空部材436の端部438は第1の壁厚442を有しており、また、ハウジングの第1の端部のより近くに配置された中空部材436の一部444は第2の壁厚446を有している。鋭い縁を提供するために、第1の壁厚442は第2の壁厚446より薄くなっている。この例では、中空部材436全体で最も薄い壁厚は第1の壁厚442である。部分444は端部部分448と直接隣り合って配置されており、端部部分448は中空部材436の端部438から離れる方向に延びており、また、第2の壁厚446よりも薄い壁厚を有している。
図9A、
図9B、
図10A及び
図10Bの例とは異なり、端部部分448は一定で/一様な壁厚を有しており、また、端部部分は2つの壁厚の間の移行部分の外部表面に階段を形成している。他の例では、階段は2つの壁厚の間の移行部分の内部表面に形成することができる。
【0142】
矢印454は、液体が中空部材436の端部438に向かって中空部材436の内部表面456を流れ落ちる際の液体の流路を示している。液体が中空部材の内部表面456を流れ落ちると、中空部材の狭い端部が中空部材436の端部表面に沿った液体の毛管流を少なくする。その結果、液体は、毛管現象によって、中空部材436及び第2の端部部材116の下面に沿って流れることはできない。したがって壁厚が最も薄い中空部材436の端部438においてより容易に液滴を形成する。したがって液滴が中空部材の端部438から滴り落ちるよう、液滴に加えられる重力による力が液体の表面張力に打ち勝つことができる。端部部分448の低減された壁厚は、中空部材436の端部部分448と第2の端部部材116の間にエアーギャップ458が形成されることを意味し得る。中空部材436の端部438における液体は、エアーギャップ458の両端間を毛管現象で流れることができないため、液体の量は、滴が中空部材438の端部438から滴り落ちるまで増加する。
【0143】
既に言及したように、扉140は、扉が第1の位置(即ち
図11の閉じた位置)に位置すると、中空部材436の端部438と隣り合わせに配置される凹部172を備えることができる。したがって液体は凹部172に滴り落ちることができる。
図11の例では凹部は空である。しかしながら凹部は、
図9及び
図10を参照して上で考察したように吸収材料及び/又は疎水性層を含むことも可能である。
【0144】
端部部分448は、縦方向の軸線400に平行な方向で測定される長さ寸法462を有している。この例では、長さ寸法は約1mmである。
【0145】
この例の中空部材436は、中空部材436全体にわたって一定で/一様である内径を有している。他の例では、内径は、中空部材436の端部438に向かって小さくすることができる。
【0146】
図13は、扉の凹部に配置される吸収材料660が追加されていることを除き、
図11を参照して上で説明した例と同じである他の例をさらに描写したものである。吸収材料は、中空部材の端部と凹部の底の間の距離より長い厚さを有している。これは、吸収材料660によって提供されるウィッキング作用によって毛管流をさらに少なくすることができる。例えば中空部材の端部は、凹部の底から1mmと5mmの間、又は凹部の底から1mmと3mmの間にすることができる。
【0147】
図13の例では、流路は、流路が吸収材料260の周りである
図9Bの例とは異なり、吸収材料660を通っている。
【0148】
図13の吸収材料構成は
図11による端部プロファイルに限定されず、本明細書において説明されている任意の他の端部プロファイルにも適用することができることは認識されよう。
【0149】
図12は、デバイス100内の毛管流を少なくするように構成される、修正された中空部材536の横断面図の線図表現である。中空部材536は、
図8に描写されている中空部材136の代わりにデバイス100に使用することができる。
【0150】
図9A、
図9B、
図10A、
図10B及び
図11の例とは異なり、この例の中空部材536は、中空部材536の長さに沿って一様な壁厚を有している。中空部材536の壁厚は、中空部材536によって規定される縦方向の軸線500に垂直な方向に測定される。低減された壁厚を有する端部部分を有する代わりに、中空部材は、低減された幅寸法(幅寸法は縦方向の軸線500に垂直な方向に測定される)を有する端部部分を有している。前の例の場合と同様、これは、中空部材536の端部の付近の毛管流の可能性を小さくすることができる。
【0151】
中空部材は、中空部材536の端部538に向かって小さくなる幅寸法を有する端部部分548を有している。例えば端部部分548は第1の幅寸法542を有しており、そこで端部部分548は、中空部材の端部538よりもハウジングの第1の端部の近くに配置された別の部分544と合致し、また、端部部分548は、中空部材536の端部538に第2のより小さい幅寸法546を有している。いくつかの例では、上記別の部分544は、実質的に一定の幅寸法を有している。端部部分548は中空部材536の端部538に配置されており、また、端部部分548は低減された幅寸法を有する領域である。
【0152】
端部部分548の低減された幅は、中空部材の端部部分548とデバイス内の他の構成要素の間にエアーギャップ558を提供することができる。矢印554は、液体が中空部材536の端部538に向かって中空部材536の内部表面556を流れ落ちる際の液体の流路を示している。中空部材の端部の液体はエアーギャップ558を横切ることができず、滴が中空部材の端部から滴り落ちるまで液体の量が増える。
【0153】
既に言及したように、扉140は、扉が第1の位置(即ち
図11の閉じた位置)に位置すると、中空部材536の端部538と隣り合わせに配置される凹部172を備えることができる。したがって液体は凹部172に滴り落ちることができる。
図12の例では凹部は空である。しかしながら凹部は、
図9及び
図10を参照して上で説明したように吸収材料及び/又は疎水性層を含むことも可能である。
【0154】
端部部分548は、縦方向の軸線500に平行な方向で測定される長さ寸法562を有している。この例では、長さ寸法は約2mmである。
【0155】
この例の中空部材536は、中空部材536の端部538に向かって小さくなる内径を有している。
【0156】
言及したように、
図12の例では、中空部材は、中空部材の端部に向かって小さくなる幅寸法を有している。
図9A、
図9B、
図10A、
図10B及び
図11に描写されている例は、中空部材の端部に向かって小さくなる幅寸法を有する中空部材を同じく有していることに留意されたい。
【0157】
図12の変形形態では、端部部分は、中空部材の端部に向かって大きくなる幅寸法を有することができる。言い換えると、端部に向かって先細にするのではなく、端部部分は、広げるか、さもなければ大きくすることができる。これは、端部部分の壁厚が実質的に一定である場合、滴の形成を同じく促進することができる。
【0158】
上記実施形態は、本発明の例証例として理解されたい。本発明の他の実施形態が想定されている。任意の1つの実施形態に関連して説明されている特徴は、すべて、単独で、又は説明されている他の特徴と組み合わせて使用することができ、また、任意の他の実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせて、或いは任意の他の実施形態の任意の組合せで使用することができることを理解されたい。さらに、添付の特許請求の範囲で定義されている本発明の範囲を逸脱することなく、上では説明されていない等価物及び修正を使用することも可能である。