(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】フローティングソケットコネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 12/91 20110101AFI20241209BHJP
H01R 13/187 20060101ALI20241209BHJP
H01R 13/631 20060101ALI20241209BHJP
【FI】
H01R12/91
H01R13/187 A
H01R13/631
(21)【出願番号】P 2023077236
(22)【出願日】2023-05-09
(62)【分割の表示】P 2021155092の分割
【原出願日】2017-11-16
【審査請求日】2023-05-09
(32)【優先日】2016-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】シウミン ルー
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド シー ホッジ
(72)【発明者】
【氏名】ピエール ペレス
【審査官】▲高▼橋 杏子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0261361(US,A1)
【文献】特開2007-087682(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/00-12/91
H01R 13/40-13/72
H01R 24/00-24/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的構成要素に実装されるように構成されているソケットコネクタであって、
外壁と、該外壁から内方に向けて延在する第1の壁と、前記外壁から内方に向けて延在する第2の壁とを有する基部であって、前記第1及び第2の壁の内側表面は、前記基部の第1端部と第2端部との間に延在して前記第1端部と第2端部とで開口する略円筒状の通路を形成し、前記外壁の内側表面と前記第1及び第2の壁とは、前記通路と連通するとともに該通路から外方に向けて延在するチャネルを形成する、一体構造の基部と、
両端部を有する環状壁と、該環状壁の両端部の間に延在する通路と、前記環状壁から外方に向けて延在するフランジとを含む円筒部であって、前記環状壁は前記基部の通路の直径より小さい直径を有して前記基部の通路内に位置し、前記フランジは前記基部のチャネル内に位置し、前記円筒部は前記基部内で移動するように構成されている、円筒部と、
前記フランジ
の第1の表面と前記基部の第1の壁との間にあって前記フランジの第1の表面と前記基部の第1の壁とに接触する第1の付勢部材と、前記フランジの第2の表面と前記基部の第2の壁との間にあって前記フランジの第2の表面と前記基部の第2の壁とに接触する
第2の付勢部材と、
を備えるソケットコネクタ。
【請求項2】
前記フランジは環状である、請求項1に記載のソケットコネクタ。
【請求項3】
前記円筒部は一体構造である、請求項2に記載のソケットコネクタ。
【請求項4】
前記円筒部は一体構造である、請求項1に記載のソケットコネクタ。
【請求項5】
前記基部及び円筒部は導電性である、請求項1に記載のソケットコネクタ。
【請求項6】
前記円筒部の通路内に固定される接点を更に備える、請求項1に記載のソケットコネクタ。
【請求項7】
前記接点及び円筒部を連結するキャップを更に備える、請求項
6に記載のソケットコネクタ。
【請求項8】
前記基部、円筒部、接点及びキャップは導電性である、請求項
7に記載のソケットコネクタ。
【請求項9】
各付勢部材は、前記円筒部の環状壁を囲む、請求項1に記載のソケットコネクタ。
【請求項10】
前記外壁と第1の壁とは互いに直交する、請求項1に記載のソケットコネクタ。
【請求項11】
前記外壁と第1の壁とは互いに直交し、前記外壁と第2の壁とは互いに直交する、請求項1に記載のソケットコネクタ。
【請求項12】
前記第1の壁と第2の壁とは互いに平行である、請求項1に記載のソケットコネクタ。
【請求項13】
前記円筒部の環状壁は、前記基部の第1端部から外方に向けて延在する、請求項1に記載のソケットコネクタ。
【請求項14】
前記円筒部の環状壁は、前記基部の第1端部及び第2端部から外方に向けて延在する、請求項1に記載のソケットコネクタ。
【請求項15】
各付勢部材はウェーブスプリングである、請求項1に記載のソケットコネクタ。
【請求項16】
前記円筒部の環状壁の外側表面は鋸歯状である、請求項1に記載のソケットコネクタ。
【請求項17】
前記外壁と前記第1及び第2の壁とは略U字状の断面を有する、請求項1に記載のソケットコネクタ。
【請求項18】
前記円筒部の環状壁は円形の断面を画定する、請求項1に記載のソケットコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2016年11月17日出願の米国特許仮出願第62/423,285号、2016年12月1日出願の米国特許仮出願第62/428,753号、2017年1月26日出願の米国特許仮出願第62/450,641号、2017年2月17日出願の米国特許仮出願第62/460,323号、2017年5月11日出願の米国特許仮出願第62/504,827号の国内優先権を主張する。上記の米国特許仮出願のそれぞれの内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
本開示はコネクタの分野に関するものであり、より具体的には、基板実装型及びバス実装型電源コネクタに関する。
【背景技術】
【0003】
電源コネクタは、大量の電力を消費する機器で使用され、その結果として、高電流を使用する。場合によっては、複数のコネクタが、プリント基板及びバスバー上にアレイ状に実装される。電源コネクタのより大規模なアレイでは、公差の蓄積により、雄型ピンを雌型ソケットコネクタに揃えることが困難な場合がある。高電力系は熱も発生させ、高電流を流したときに結果として生じる系の膨張は、雄型ピンと雌型ソケットコネクタとの間に相対運動を生じさせ得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
ソケットコネクタは、プリント基板など構成要素の孔内に実装されるように構成されている。ソケットコネクタは、基部と、内部を通って延在する通路及びその通路から外方に延在するチャネルと、内部を通る通路を有する壁及びその壁から外方に延在するフランジを含む円筒部と、フランジと係合し、壁を囲む、少なくとも1つの付勢部材と、円筒部の通路内に固定される接点と、を含む。円筒部の壁は基部の通路内に固定され、円筒部のフランジは基部のチャネル内に固定される。円筒部は、基部内で移動するように構成されていて、ソケットコネクタに挿入されるピンの中心線を構成要素の孔の中心線に揃える。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本発明は、一例として例示され、添付図面に限定されるものではなく、図面中、同様の符号は、類似の要素を示す。
【0006】
【
図1】ソケットコネクタの一実施形態を示す斜視図である。
【
図4】ソケットコネクタの別の実施形態を示す斜視図である。
【
図5】
図4のソケットコネクタを示す側面図である。
【
図6】ピンと係合した、
図4のソケットコネクタを示す側面図である。
【
図7】プリント基板など構成要素と係合した、ソケットコネクタの実施形態を示す断面図である。
【
図8】プリント基板など構成要素と係合した、ソケットコネクタの実施形態を示す断面図である。
【
図9】プリント基板など構成要素と係合した、ソケットコネクタの実施形態を示す断面図である。
【
図10】プリント基板など構成要素と係合した、ソケットコネクタの実施形態を示す断面図である。
【
図11】
図1のソケットコネクタの基部を示す側面図である。
【
図12】
図1のソケットコネクタの円筒部を示す側面図である。
【
図13】ソケットコネクタの接点を示す斜視図である。
【
図16】ピンによって、バスバー及びプリント基板など構成要素に実装された、2つのソケットコネクタを示す断面図である。
【
図17】実装されたピンを有するソケットコネクタを示す端面図である。
【
図18】ソケットコネクタを構成要素に表面実装するために使用される、位置合わせツールを示す斜視図である。
【
図19】ソケットコネクタ、構成要素、及び位置合わせツールを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の「発明を実施するための形態」は、例示的な実施形態を説明するものであり、明示的に開示された組み合わせ(複数可)に限定することを意図するものではない。したがって、別途記載のない限り、本明細書で開示される特徴は、一緒に組み合わせて、簡潔さのために別途示されることがなかった、追加の組み合わせを形成することができる。
【0008】
フローティングソケットコネクタ20は、ソケットコネクタ20内に装着されるピン200と共に使用されると、構成要素300を合わせて接続して、電気的接続を形成する。例えば、ソケットコネクタ20は、ピン200と共に使用されると、プリント基板若しくはフレックス回路をバスバー若しくは平行に配置され得る一対のバスバーに接続するために使用されてよい、又は第1プリント基板若しくはフレックス回路を第2プリント基板若しくはフレックス回路に接続するために使用されてよい。一実施形態では、ソケットコネクタ20は電源コネクタである。図から理解され得るように、ソケットコネクタ20は、フローティング接続構造を提供する。「フローティング接続構造」によって、ソケットコネクタ20及びピン200は互いに対して移動できることを意味する。このフローティング設計により、ソケットコネクタ20とピン200との間でのある程度のずれが許容され、ソケットコネクタ20は、電気接点を維持しつつ、ずれを自動的に補正する。
【0009】
ピン200は従来型であり、両端部202a、202bを有する本体202及び外径を画定する外側表面202dから形成される。ピン200の中心線204は、端部202a、202b間のピン200の長さに沿って設けられ、長手方向軸を画定する。
【0010】
構成要素300は従来型である。各構成要素300は、第1及び第2表面300a、300bと、フローティングソケットコネクタ20が実装され得る、内部を通る貫通孔302と、を有する。貫通孔302の中心線304は、表面300a、300b間の構成要素300の高さに沿って設けられ、長手方向軸を画定する。一実施形態では、第1及び第2表面300a、300bは平面である。
【0011】
ソケットコネクタ20は、基部30と、基部30内に実装される接点アセンブリ32と、少なくとも1つの付勢部材34と、を含む。ソケットコネクタ20の全構成要素は、金属など導電材料で形成される。基部30は、本明細書に記載されるように構成要素300に取り付けられる。接点アセンブリ32は、基部30に対して、したがって、基部30が取り付けられる構成要素300に対して移動するように構成されている。
【0012】
図7~
図9に示されるような一実施形態では、基部30は環状であり、概ねU型の断面を有する。基部30は、垂直外壁36と、外壁36の端部から内方に延在する第1壁38と、外壁36の反対側の端部から内方に延在する第2壁40と、を含む。いくつかの実施形態では、第1壁38及び第2壁40は、垂直外壁36に対して垂直である。第1壁38及び第2壁40の内側表面38c、40cは、内部を通る通路42を形成し、この通路は、基部30の第1端部30aから基部30の第2端部30bまで延在する。基部30の中心線44は、端部30a、30b間の基部30の長さに沿って設けられ、長手方向軸を画定する。外壁36の表面36c、38b、40a、第1壁38、及び第2壁40は、通路42と連通し、そこから外方に延在するチャネル46をそれぞれ形成する。チャネル46は、中心線44と同一方向に延在する通路42の高さよりも小さい、中心線44と同一方向に延在する高さを有する。一実施形態では、チャネル46の表面38b、40aは互いに平行であり、表面36cは、表面38b、40aに対して垂直である。一実施形態では、チャネル46は、基部30の第2端部30bに近接しているものの、離間している。いくつかの実施形態では、壁36、38、40は、通路42及びチャネル46が円筒形状で設けられるように、環状である。
【0013】
図1、
図2、
図9、及び
図11に示されるようないくつかの実施形態では、外壁36の外側表面36dは鋸歯を有する。
【0014】
図1、
図2、
図9、及び
図11に示されるようないくつかの実施形態では、リップ48は、第1端部30aに近接する外壁36の外側表面36dから外方に延在する。
【0015】
図10に示されるような一実施形態では、第2壁40は、外壁36から内方ではなく、外方に延在する。結果として、チャネル46は、基部30の第2端部30bに対して開いている。
【0016】
接点アセンブリ32は、円筒部50と、接点52と、キャップ54と、を含む。
【0017】
円筒部50は、垂直壁56及び垂直壁56の外側表面56dから外方に延在するフランジ58で形成される。壁56の内側表面56cは、円筒部50の第1端部50aから円筒部50の第2端部50bまで延在する通路60を形成する。円筒部50の中心線62は、その端部50a、50b間の円筒部50の長さに沿って設けられ、長手方向軸を画定する。
【0018】
いくつかの実施形態では、壁56及びフランジ58は円形断面を有する。フランジ58は、壁56の外側表面56dに沿った任意の位置において設けられ得る。図面に示されるように、フランジ58は、壁56の第1端部56aに近接しているものの、離間して設けられる。
【0019】
図7、
図9、及び
図10に示されるようないくつかの実施形態では、フランジ64は、壁56の内側表面56cから内方に延在し、フランジ58から離間しており、通路60を制限する。一実施形態では、フランジ64は、壁56の第1端部56aにおいて壁56から内方に延在し、したがって通路60の第1端部60aを制限する。いくつかの実施形態では、フランジ64は環状である。フランジ64は、省かれてよい。
【0020】
図8に示されるようないくつかの実施形態では、フランジ66は、外側表面56dから外方に延在し、フランジ58から離間している。一実施形態では、フランジ66は、壁56の第2端部56bにおいて壁56から外方に延在する。いくつかの実施形態では、フランジ66は環状である。フランジ66は、省かれてよい。
【0021】
接点52は概ね中空を形成し、これは、円筒部50の壁56の内側表面56cの形状に概ね一致する。接点52は、金メッキが施された合金で形成されてよい。
【0022】
一実施形態では、
図13~
図15に示すように、接点52は、接点52の第1端部52aから接点52の第2端部52bまで延在する通路72が内部に形成されるように、片持ち支持されている複数の別個の可撓性梁70を有する、環状接続部68から形成される。接点52の中心線74は、端部52a、52b間の接点52の長さに沿って設けられ、長手方向軸を画定する。
【0023】
接続部68は、第1端部68a及び第2端部68bと、内側表面68cと、外側表面68dと、を有する。一実施形態では、接続部68は、スロット76が設けられるように、その外周において非連続的である。
【0024】
いくつかの実施形態では、接続部68は、その第2端部68bから延在する、複数の離間した突起部78を有する。一実施形態では、突起部78は、中心線76に平行の長手方向に延在する。各突起部78は、接続部68の長さよりも相当に短い長さを有する。一実施形態では、突起部78は、接続部68と同一面に延在する。一実施形態では、突起部78は、接続部68の曲線形状に一致する曲線形状を有する。
【0025】
いくつかの実施形態では、接続部68は、その上に設けられた、複数の離間したくぼみ又は突出部80a、80bを有する。一実施形態では、突出部80a、80bは、球状ドームとして形成される。一実施形態では、突出部80a、80bは、細長い。突出部80a、80bは、接続部68の外周において揃っていてよい。突出部80a、80bは、接続部68の外側表面68dから外方に延在する突出部80a及び接続部68の内側表面68cから内方に延在する突出部80bを交互に繰り返してよい。外方に延在する突出部80a及び内方に延在する突出部80bの他のパターンが、接続部68の外周に設けられてよい。外方に延在する突出部80aの数は、内方に延在する突出部80bの数と異なってよい。
【0026】
梁70は、接続部68の第1端部68aから延在する。各梁70は、中心線74に平行であり、そこから半径方向に離間している。梁70は、接続部68の外周において互いに離間している。
【0027】
一実施形態では、各梁70は、角部84において接続部68から所定の角度で延在する第1部分82と、角部88において第1部分82の端部から所定の角度で延在する第2部分86と、を有する。第1部分82は、中心線74に向かって内方に角度付けられ、第2部分86は、中心線74から外方に角度付けられる。角部88には、丸みが付けられてよい。一実施形態では、角部88は接点52の外周において揃っており、内径を画定する。角部88によって画定される内径は、ピン200の内径よりも小さい。
【0028】
一実施形態では、各梁70は、その内側表面70cに沿って、第2部分84の自由端86aから離間している凹部90を有する。凹部90は、接点52の中心線74と平行に延在する、細長い側縁部92、94と、側縁部92、94の反対側の端部にある側縁部96、98と、を有する。凹部90は、第1部分82の一部分に沿って、角部84に沿って、また第2部分88の一部分に沿って延在する。
図17に示されるように、凹部90によって、ピン200の本体202の外周を内部に収容して、各梁70との2つの接点を提供できる。
【0029】
接点52は、平板の材料から打ち抜かれ、所定の形状に丸められてよい。接点52は、所定の形状に機械加工されてよい。
【0030】
図7、
図9、及び
図10に示されるような一実施形態では、キャップ54は、中央通路102を画定する環状の第1壁100と、第1壁100から半径方向外方、かつ第1壁100に対して垂直に延在する第2壁104と、を有する。一実施形態では、キャップ54は、第2壁104から、これに対して垂直に延在し、第1壁100と概ね平行である環状の第3壁106(
図8を参照)を更に有する。
【0031】
接点52は、接点52の第2端部52aが円筒部50の第2端部50bと概ね揃い、接点52の第1端部が円筒部50の第1端部50aから離間し、中心線62、74が揃うように、円筒部50の通路60内に固定される。接続部68の外側表面68dは、円筒部50の壁56の内側表面56dに近接し、外方に延在する突出部80aは、壁56の内側表面56dに当接する。キャップ54は、円筒部50及び接点52を合わせて固定する。一実施形態では、キャップ54は、円筒部50及び接点52に圧入される。一実施形態では、キャップ54は、円筒部50及び接点52に圧着される。キャップ54の壁100は、内方に延在する、円筒部50の突出部80aと当接係合する。キャップ54の壁100は、内方に延在する突出部80aによって画定される直径よりも小さい直径を有する。したがって、キャップ54の壁100が接続部68と係合すると、突出部80a、80bは変形する。壁104は、円筒部50の壁56の端部56bと係合する。いくつかの実施形態では、突起部78の端部は壁104と当接係合し、電気経路を形成する。壁106を含むキャップ54の実施形態では、壁106はフランジ66と係合する。いくつかの実施形態では、フランジ66は、壁106の凹部内に固定される。
【0032】
一実施形態では、付勢部材34はウェーブスプリングである。一実施形態では、付勢部材34はスプリングワッシャである。一実施形態では、付勢部材34はスラストワッシャである。
【0033】
接点アセンブリ32は、基部30内に固定される。円筒部50の壁56は、基部30の通路42内に固定される。壁56は、基部30の端部30a、30bから外方に延在する。円筒部50のフランジ58は、基部30のチャネル46内に固定され、基部30の通路42内へと延在する。接点アセンブリ32は、壁56の第1端部56aが基部30の壁38に近接するように、又は壁56の第2端部56bが基部30の壁38に近接するように固定され得る。壁56は、基部30の通路42よりも小さい直径を有し、フランジ58は基部30のチャネル46よりも小さいが、基部30の通路42よりも大きい直径を有する。結果として、接点アセンブリ32は基部30に対して移動できるが、基部30の第1端部30aから外方に引っ張られることはできない。
【0034】
図7~
図9に示される円筒部50が使用されるとき、一実施形態では、第1付勢部材34は、フランジ58と第1壁38との間に固定され、かつこれらに当接し、円筒部50の壁56を更に囲み、第2付勢部材34は、フランジ58と第2壁40との間に固定され、かつこれらに当接し、円筒部50の壁56を更に囲む。一実施形態では、第1付勢部材34のみが設けられ、フランジ58は第2壁40と係合する。一実施形態では、第2付勢部材34のみが設けられ、フランジ58は第1壁38と係合する。この実施形態のソケットコネクタ20は、表面実装によって、又は貫通孔302へのソケットコネクタ20の圧入によってのいずれかで構成要素300に実装される。表面実装されると、基部30の第1壁38又は第2壁40のいずれかは、例えば、構成要素300上の導電トレースに基部30をはんだ付けすることにより構成要素300に取り付けられ、円筒部50の壁56は、構成要素300の貫通孔302内に固定される。円筒部50の壁56は、貫通孔302の直径よりも小さい直径を有する。圧入すると、基部30の壁36の外側表面36dは壁と係合し、構成要素300の貫通孔302を形成する。貫通孔302はめっきされていて、構成要素300上の導電トレースに電気的接続をもたらす。圧入すると、リップ48は、ソケットコネクタ20が貫通孔302内へと更に移動しないようにする。壁36に鋸歯が設けられている場合、鋸歯が壁に食い込んで、貫通孔302を形成する。結果として、接点アセンブリ32は基部30に対して、及び構成要素300に対して移動できるが、基部30は、構成要素300に対して移動できない。
【0035】
図10に示される円筒部50が使用されるとき、一実施形態では、第1付勢部材34は、フランジ58と第1壁38との間に固定され、かつこれらに当接し、円筒部50の壁56を更に囲み、第2付勢部材34は、フランジ58の反対側に当接し、円筒部50の壁56を囲む。本明細書に記載されるように構成要素300に実装されると、第2付勢部材34は、構成要素300の表面300aと当接係合する。一実施形態では、第1付勢部材34のみが設けられ、フランジ58は、構成要素300の表面300aと係合する。一実施形態では、第2付勢部材34のみが設けられ、フランジ58は第1壁38と係合する。この実施形態のソケットコネクタ20は、構成要素300に単に表面実装され得る。基部30の第2壁40は、例えばはんだ付けなどにより構成要素300に取り付けられ、円筒部50の壁56は、構成要素300の貫通孔302内に固定される。円筒部50の壁56は、貫通孔302の直径よりも小さい直径を有する。結果として、接点アセンブリ32は基部30に対して、及び構成要素300に対して移動できる。
【0036】
ピン200は、両方向から接点52に挿入され得る。つまり、ピン200は、ピン200がまず接続部68を通過し、次いで、接点52の角部88と係合するように接点52に挿入され得る、又は、ピン200は、ピン200がまず梁70の自由端86aを通過し、次いで接点52の角部88と係合するように接点52に挿入され得る。ピン200が接点52の角部88と係合すると、梁70は屈曲し、概ね真っすぐになる。第2部分86の外方を向いた端部86aは、円筒部50の壁56の内側表面56cと接触してよい。電気信号は、ピン200から、梁70を通り、接続部68を通り、円筒部50及びキャップ54を通り、付勢部材34を通り、基部30を通って構成要素300へと流れる。
【0037】
円筒部50のフランジ58は半径方向に並進し、基部30のチャネル46内で回転できる。付勢部材34は、円筒部50の対向壁38、40に対してフランジ58を付勢して、フランジ58と基部30との電気接点を維持し、その結果として接点52との電気接点を維持する。接点アセンブリ32は基部30に対して移動できるため、ソケットコネクタ20とピン200との間でのある程度のずれは、電気接点を維持しつつ自動的に補正される。ずれているとき、ピン22の中心線204は、挿入中に基部30の中心線44と揃わない。ずれが存在する場合、接点アセンブリ32は、フランジ58によって移動又は浮動して、付勢部材34と係合し、付勢部材34を圧迫する。
【0038】
この点に関して言えば、2つの付勢部材34がばねの形態で設けられている場合、これらのばねは、異なるばね特性を有して、硬い方のばね及び柔らかい方のばねを提供してよい。柔らかい方のばねは最初に撓んで公差を提供し、柔らかい方のばねが撓んだ後に強い方のばねが撓んで公差を提供する。例えば、ウェーブスプリングが設けられる場合、あるウェーブスプリングは、他のウェーブスプリングよりも多くのウェーブを有し得る。例えば、あるウェーブスプリングは12のウェーブを有してよく、他のウェーブスプリングは6のウェーブを有する。好ましい実施形態では、硬い方のばねは、柔らかい方のばねの2倍のウェーブを有する。
【0039】
コネクタ300を使用したソケットコネクタ20の実装例が
図16に示されている。
図16では、一対のバスバー300’及びプリント基板300”が提供される。各ピン200は、バスバー300’のうちの対応する1つに固定されており、対応するバスバー300’の他の1つから電気的に絶縁されている。各ピン200は、プリント基板300”に実装された、対応するソケットコネクタ20に受容され、本明細書に記載されるように、ソケットコネクタ20と電気的に接触する。接点アセンブリ32は基部30に対して移動して、あらゆる公差スタックを補正する。熱の発生によって生じる膨張による移動はまた、接点アセンブリ32と基部30との間での浮動によって吸収され得る。
【0040】
構成要素300へのソケットコネクタ20の表面実装を容易にするために、位置合わせツール400(
図18を参照)が使用される。位置合わせツール400は、円筒状内壁402と、円筒状外壁404と、円筒状内壁402を円筒状外壁404から離間させる底壁406と、を含む。内壁402及び外壁404は互いに平行であり、底壁406から同一方向に延在する。円筒状内壁402の端部は、壁408によって閉止されてよい。円筒状外壁404は、外壁404の内側表面から延在する、複数の指部410を有する。
図19に示されるように使用される場合、ソケットコネクタ20は、円筒状内壁402が接点52の通路72内に固定され、基部406がキャップ54の壁104の第2端部104bと係合し、円筒状外壁404上の指部410が円筒部50の壁56の外側表面56dと係合し、基部30の通路42内へと延在するように位置合わせツール400上に配置される。その後、組み立てられたソケットコネクタ20及び位置合わせツール400は、構成要素300に表面実装されている基部30の壁38又は40が構成要素300の表面300aと係合するまで構成要素300の貫通孔302内に固定される。円筒状外壁404は、円筒状外壁404の外側表面402dが壁と係合して構成要素300内に貫通孔302を形成するように、貫通孔302よりも若干小さい寸法である。基部30の壁38又は40が構成要素300に表面実装された後、円筒部50の揃えられた中心線62、74及び接点52は、構成要素300の中心線304と揃っている。ソケットコネクタ20が構成要素300に表面実装された後、位置合わせツール400は、貫通孔302の反対側から位置合わせツール400を引っ張り出すことにより、ソケットコネクタ20から取り外される。
【0041】
発明の説明の文脈における(特に、以下の特許請求の範囲の文脈における)「a」及び「an」及び「the」及び「少なくとも1つの」という用語、並びに類似の指示物の使用は、本明細書に特に指示がない限り又は文脈と明確に相反しない限り、単数及び複数形の両方を包含するように解釈されるものとする。1つ以上の項目の一覧が後に続く「少なくとも1つ」という用語の使用(例えば、「A及びBのうちの少なくとも1つ」)は、本明細書に特に指示がない限り又は文脈と明確に相反しない限り、列記された項目(A若しくはB)から選択された1つの項目又は列記された項目(A及びB)の2つ以上の任意の組み合わせを意味するように解釈されるものとする。「備える」、「有する」、「含む」、及び「含有する」という用語は、特に記載がない限り、制限のない用語(すなわち、「~が挙げられるが、それに限定されない」を意味する)として解釈されるものとする。本明細書における値の範囲の記述は、本明細書に特に指示がない限り、単に、範囲内にあるそれぞれの別個の値を個々に言及する簡略化法として機能することが意図され、それぞれの別個の値は、それが本明細書に個々に記述されたかのように明細書に組み込まれる。本明細書に説明される全てのプロセスは、本明細書に特に指示がない限り又は文脈と明確に相反しない限り、任意の好適な順序で行うことができる。本明細書に提供された任意の及び全ての例、又は例示的な文言(例えば、「~など」)の使用は、単に、発明をより良好に明らかにすることが意図され、特に特許請求されない限り、発明の範囲への限定をもたらさない。明細書における文言は、発明の実施に欠かせないとして、いかなる特許請求されない要素も指示するものとして解釈されるべきではない。
【0042】
本発明の好ましい実施形態は、本明細書に説明され、発明を実行するために発明者らに既知である最良の形態を含む。それらの好ましい実施形態の変形は、前述の説明を読んだ後に当業者に明らかになるであろう。発明者らは、当業者が、必要に応じてかかる変形を採用することを期待し、発明者らは、本明細書に具体的に説明されるようなもの以外に発明が実施されることを意図する。したがって、本発明は、適用法によって許容されるように、本明細書に添付された特許請求の範囲に記述された主題の全ての修正及び等価物を含む。その上、それらの全ての可能な変形における上記要素の任意の組み合わせは、本明細書に特に指示がない限り又は文脈と明確に相反しない限り、発明に包含される。