(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】駆動アセンブリ、モータ、および端末
(51)【国際特許分類】
H02N 2/04 20060101AFI20241209BHJP
【FI】
H02N2/04
(21)【出願番号】P 2023511986
(86)(22)【出願日】2021-06-04
(86)【国際出願番号】 CN2021098248
(87)【国際公開番号】W WO2022037185
(87)【国際公開日】2022-02-24
【審査請求日】2023-03-28
(31)【優先権主張番号】202010827864.6
(32)【優先日】2020-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】▲シン▼ ▲ゼン▼平
(72)【発明者】
【氏名】王 俊
(72)【発明者】
【氏名】郭 利▲徳▼
【審査官】稲葉 礼子
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-140271(JP,A)
【文献】特開平05-121790(JP,A)
【文献】特表2007-507997(JP,A)
【文献】特開2011-206634(JP,A)
【文献】特開平11-069852(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02N 2/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動アセンブリであって、前記駆動アセンブリは、ステータとロータ(6)とを備え、前記ステータは前記ロータ(6)を駆動して動かすように構成されており、前記ステータは、
励振部(2)と、
振動部(4)であって、前記振動部(4)は前記励振部(2)に接続されている、振動部(4)と、
第1の固定部(5)であって、前記第1の固定部(5)は前記振動部(4)に接続され、前記振動部(4)は、第1の方向Lに沿って前記励振部(2)と前記第1の固定部(5)との間に位置する、第1の固定部(5)と、
押圧部(3)であって、前記押圧部(3)は前記振動部(4)および前記ロータ(6)に接続されている、押圧部(3)と、を備え、
前記励振部(2)は振動することができ、前記励振部(2)は前記振動部(4)を駆動して作用させることができ、前記第1の固定部(5)による制限下で、前記振動部(4)は、前記押圧部(3)が前記ロータ(6)を押して前記第1の方向Lに沿って移動させるように、少なくとも前記第1の方向Lおよび第2の方向Wに沿って振動することができ、
前記第1の固定部(5)は、前記振動部(4)を使用することによって前記第1の方向Lおよび前記第2の方向Wに沿った前記押圧部(3)の移動距離を制限するように構成されて
おり、
前記振動部(4)は変形可能であり、前記第1の固定部(5)による制限下で、前記励振部(2)の振動は、少なくとも前記第1の方向Lおよび前記第2の方向Wに沿って前記振動部(4)を変形させることが可能であり、前記押圧部(3)は、前記第1の方向Lおよび前記第2の方向Wに沿って変形可能な前記振動部(4)内の位置に設けられ、
前記振動部(4)は2つ以上の接続ロッド(41)を備え、少なくとも2つの隣接した前記接続ロッド(41)は接続されて、接続端部を形成しており、
前記2つ以上の接続ロッド(41)の1つは前記励振部(2)に接続され、且つ前記2つ以上の接続ロッド(41)の他の1つは前記第1の固定部(5)に接続されており、
前記接続ロッド(41)の断面積は、前記接続ロッド(41)の軸方向に沿って、前記接続端部から離れる方向に、徐々に増加する、駆動アセンブリ。
【請求項2】
前記振動部(4)は弾性部(42)であり、前記振動部(4)は少なくとも前記第1の方向Lおよび前記第2の方向Wに沿って弾性変形可能であり、
前記押圧部(3)は、弾性変形方向で前記弾性部(42)の両端部に設けられる、請求項
1に記載の駆動アセンブリ。
【請求項3】
前記接続された接続ロッドの間に第1の挟角があり、
前記励振部(2)が振動すると、前記第1の挟角は、前記振動部(4)が変形可能なように、増加または減少することが可能であり、
前記押圧部(3)は、前記接続端部に近い位置に設けられる、請求項
1に記載の駆動アセンブリ。
【請求項4】
2つの接続ロッド(41)があり、前記接続ロッド(41)は、前記第1の挟角を形成するために、V字形(411)の構造を形成するように接続されており、
前記2つの接続ロッド(41)は、前記励振部(2)および前記第1の固定部(5)にそれぞれ接続されており、
前記押圧部(3)は前記接続端部に接続されている、請求項
3に記載の駆動アセンブリ。
【請求項5】
3つの接続ロッド(41)があり、前記接続ロッド(41)は、開放構造を形成するために順次接続されており、
2つの最も外側の接続ロッド(41)は、前記励振部(2)および前記第1の固定部(5)にそれぞれ接続されており、
前記押圧部(3)は、中央に位置する前記接続ロッド(41)に接続されている、請求項
3に記載の駆動アセンブリ。
【請求項6】
4つ以上の接続ロッド(41)があり、前記複数の接続ロッド(41)は、囲まれた多角形構造を形成するために直列に接続されており、
前記励振部(2)および前記第1の固定部(5)は、前記第1の方向Lに沿って前記接続端部に各々接続されており、前記押圧部(3)は、前記第2の方向に沿って前記接続端部に接続されており、または
前記励振部(2)および前記第1の固定部(5)は、前記第1の方向Lに沿って前記接続ロッド(41)に各々接続されており、前記押圧部(3)は、前記第2の方向に沿って前記接続ロッド(41)に接続されている、請求項
3に記載の駆動アセンブリ。
【請求項7】
前記複数の前記接続ロッド(41)は一体に成形されている、請求項
3から
6のいずれか一項に記載の駆動アセンブリ。
【請求項8】
前記押圧部(3)は、前記第2の方向Wに沿って前記振動部(4)から延在する凸構造であり、前記凸構造は、前記第1の方向Lに沿って往復するように前記ロータ(6)を押すことが可能である、請求項1から
6のいずれか一項に記載の駆動アセンブリ。
【請求項9】
前記ステータは、前記励振部(2)の振動が前記振動部(4)に対して作用することを可能にするように構成された第2の固定部(1)をさらに備え、
前記第1の方向Lに沿って、前記第2の固定部(1)は、前記励振部(2)の前記振動部(4)から離れた側に接続されており、前記第1の固定部(5)と前記第2の固定部(1)との間の距離は固定されている、請求項1から
6のいずれか一項に記載の駆動アセンブリ。
【請求項10】
前記励振部(2)は、
本体(21)であって、前記本体(21)は前記振動部(4)に接続するように構成されている、本体(21)と、
駆動部であって、前記駆動部は前記本体(21)に接続されており、単相モードで、前記本体(21)を駆動して振動させるように構成されている、駆動部と、を備え、
前記駆動部は、事前設定された振動周波数を有し、前記事前設定された振動周波数の作用下で、前記本体(21)の振動は、少なくとも前記第1の方向Lおよび前記第2の方向Wに沿って前記振動部(4)を振動させることが可能である、請求項1から
6のいずれか一項に記載の駆動アセンブリ。
【請求項11】
前記駆動部は、前記第2の方向Wに沿って前記本体(21)の少なくとも一辺に接続されている、請求項
10に記載の駆動アセンブリ。
【請求項12】
前記駆動部は、
変形可能部(22)であって、前記変形可能部(22)は前記本体(21)に接続されており、前記変形可能部(22)は通電後に変形可能である、変形可能部(22)と、
通電部(23)であって、前記通電部(23)は前記変形可能部(22)に接続されており、前記通電部(23)によって生成された電気は前記変形可能部(22)に伝送されることが可能である、通電部(23)と、を備え、
前記通電部(23)は、前記事前設定された周波数で電界を生成することが可能であり、前記変形可能部(22)は、前記本体を駆動して振動させるために前記電界の作用下で変形される、請求項
10に記載の駆動アセンブリ。
【請求項13】
前記本体(21)、前記振動部(4)、および前記第1の固定部(5)は一体に成形されている、請求項
11に記載の駆動アセンブリ。
【請求項14】
モータであって、前記モータは駆動アセンブリを備え、前記駆動アセンブリは、請求項1から
13のいずれか一項に記載の駆動アセンブリである、モータ。
【請求項15】
モータを備える端末であって、前記モータは、請求項
14に記載のモータである、端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0002】
本出願は電子製品技術の分野に関し、特に駆動アセンブリ、モータ、および端末に関する。
【背景技術】
【0003】
圧電モータ(通常は超音波周波数帯域で動作し、超音波モータ、Ultrasonic Motor、略してUSMとも呼ばれる)において、同形圧電ユニットは、ピストンと接触しているロータを駆動して動かすために、共振器のいくつかの位置で特定の方向の楕円運動が形成されるように、共振器を駆動して振動させる。このタイプの圧電モータでは、通常、楕円運動を形成するために、対応する周波数で振動するためのデュアル駆動が使用される。しかしながら、モータの小型化要件に伴い、小型化に必要とされる低電圧駆動は通常、モータの高い電気機械結合係数を必要とする。これは、周波数が共振周波数からわずかに逸脱したときに性能の急激な劣化を引き起こし、デュアル駆動縮退の困難さを増加させる。したがって、単一の駆動装置を使用することによって双方向移動制御を実現するためのモータが必要とされる。しかしながら、小型化設計により、このタイプのモータの内部空間は小さい。ロータを駆動して動かすように構成された振動部は、対応する揺動アームとして設けられ、揺動アームは、周波数の変化とともに相応に移動する。しかしながら、このタイプの揺動アームの構造安定性は低い。加えて、ロータが駆動されて動くとき、駆動効果は低く、特定の逸脱が発生する可能性があり、揺動アームは容易に損傷される。
【発明の概要】
【0004】
本出願の目的は、モータを小型化することに基づいて、駆動中に、異なるモードでの移動中の駆動アセンブリの安定性がより高くなることができ、移動の精度が改善されることができ、耐用年数が延長されることができるように、駆動アセンブリ、モータ、および端末を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願は、駆動アセンブリであって、駆動アセンブリはステータおよびロータを含み、ステータはロータを駆動して動かすように構成されており、ステータは、
励振部と、
振動部であって、振動部は励振部に接続されている、振動部と、
第1の固定部であって、第1の固定部は振動部に接続され、振動部は、第1の方向Lに沿って振動部と第1の固定部との間に位置する、第1の固定部と、
押圧部であって、押圧部は振動部およびロータに接続されている、押圧部と、
を含み、
振動部は振動することができ、励振部は振動部を駆動して作用させることができ、第1の固定部による制限下で、振動部は、押圧部がロータを押して第1の方向Lに沿って移動させるように、少なくとも第1の方向Lおよび第2の方向Wに沿って振動することができ、
第1の固定部は、振動部を使用することによって第1の方向Lおよび第2の方向Wに沿った押圧部の移動距離を制限するように構成されている、
駆動アセンブリを提供する。
【0006】
単相駆動用の駆動アセンブリでは、モータを小型化するための要件により、駆動アセンブリの内部空間は小さく、構成要素間の取付は緊密である。限られた空間および異なる周波数モードにおけるロータの運動要件を満たし、運動の精度および安定性を改善するために、励振部が対応する指定された周波数モードで相応に振動することができ、振動が振動部に伝達されることができるように、励振部と第1の固定部との間に振動部を制限するための第1の固定部が設けられる。第1の方向Lでは、第1の固定部が設けられ、励振部が振動部に向かう方向で振動するので、振動部に応力が印加されることができ、振動部は、少なくとも第1の方向Lおよび第2の方向Wに沿って振動することができる。指定された周波数モードでは、第1の方向Lに沿った振動と第2の方向Wに沿った振動との位相差は、振動部に設けられた押圧部を駆動して対応する方向に移動させることができる。加えて、第1の固定部による制限下で、第1の方向Lおよび第2の方向Wに沿った押圧部の移動距離は、押圧部が対応する楕円移動軌道を形成することができるように制限される。押圧部が楕円移動軌道に沿って移動するとき、押圧部はロータに当接し、ロータに圧力を印加することができる。圧力下で、対応する位置に接触しているロータは、直線移動または回転するために、押圧部によって押されることができる。これにより、ロータを駆動して小型化されたモータ内の狭い空間内で動かすステータの不十分な安定性を回避し、ステータの損失を低減し、耐用年数を延長する。
【0007】
可能な設計では、振動部は変形可能であり、
第1の固定部による制限下で、励振部の振動は、少なくとも第1の方向Lおよび第2の方向Wに沿って振動部を変形させることが可能であり、押圧部は、第1の方向Lおよび第2の方向Wに沿って変形可能な振動部内の位置に設けられる。
【0008】
第1の固定部による制限下で、振動部は、安定性がより高くなるように、振動部内で押圧部が設けられる位置に楕円移動軌道を形成するために変形される。
【0009】
可能な設計では、振動部が変形可能であるように、振動部は環状機械部品であり、
第1の方向Lに沿って、第1の固定部および励振部は、環状機械部品の2辺に互いに対向して設けられ、環状機械部品は内壁を有し、
励振部が振動すると、第1の方向Lに沿った内壁の2つの対辺間の距離が増加し、第2の方向Wに沿った内壁の2つの対辺間の距離が減少し、押圧部は、内壁の2つの対辺間の距離が減少することができる位置に設けられ、または
第1の方向Lに沿った内壁の2つの対辺間の距離が減少し、第2の方向Wに沿った内壁の2つの対辺間の距離が増加し、押圧部は、内壁の2つの対辺間の距離が増加することができる位置に設けられる。
【0010】
環状機械部品が設けられ、環状機械部品の構造が外力の作用下で変形可能である特長を有する。したがって、対応する固定部による制限下で、第1の方向Lに沿った励振部の振動は、環状構造に引張または圧縮応力を引き起こす可能性があり、環状構造の内壁の2つの対辺間の距離は、応力の作用下で増加または減少する。第1の方向Lに沿った応力によって引き起こされる押出(または伸長)によって環状機械部品が変形されると、力の伝達に基づいて第2の方向Wに沿った膨張(または押出)による変形が発生し、振動部は、押圧部が安定した楕円移動軌道を形成するように、必要に応じて安定した楕円移動軌道を形成することができる。
【0011】
可能な設計では、押圧部は、第2の方向Wに沿った環状機械部品の2辺に対称に配置され、押圧部は、内壁の2つの対辺間の距離が最も遠くなる環状機械部品内の位置に設けられる。
【0012】
環状機械部品上に設けられた押圧部が、楕円移動軌道を形成するように少なくとも第1の方向Lおよび第2の方向Wに沿って移動することを可能にするため、ならびに環状機械部品がロータに当接することおよび変形中の押圧部の使用効果に影響を及ぼすことを防止するために、押圧部は、押圧部によってロータを動かすために押す安定性を保証し、運動の精度を改善するために、内壁の2つの対辺間の距離が最も遠くなる位置に設けられてもよい。
【0013】
可能な設計では、振動部は弾性部であり、振動部は少なくとも第1の方向Lおよび第2の方向Wに沿って弾性変形可能であり、
押圧部は、弾性変形方向で弾性部の両端部に設けられる。
【0014】
弾性部の特性に基づいて、振動中に、弾性部は、第1の方向L以外の方向、すなわち第2の方向Wに沿った膨張(または収縮)によって変形される。第1の方向Lに沿った変形および第2の方向Wに沿った変形は、振動部が、第1の方向Lおよび第2の方向Wに位相差を有することができ、対応する楕円運動を行うことができるように、組み合わせられる。加えて、振動部の端部に設けられた押圧部は、ロータを駆動して動かすための規則的な移動の楕円移動軌道を形成することができ、これによってロータの運動の安定性を改善する。
【0015】
可能な設計では、振動部は、2つ以上の接続ロッドを含み、少なくとも2つの隣接する接続ロッドが接続され、接続端部を形成し、接続された接続ロッドの間に第1の挟角があり、
励振部が振動すると、第1の挟角は、振動部が変形可能なように、増加または減少することが可能であり、
押圧部は、接続端部に近い位置に設けられる。
【0016】
接続ロッドを設けるこの方法では、励振部が振動すると、対応する固定部による制限下で、励振部の振動は振動部に対して作用することができる。接続ロッドは、第1の挟角が相応に増加または減少するように、押出または引張応力を受ける。第1の挟角が変化するとき、励振部および第1の固定部にそれぞれ接続されている接続ロッドの2つの端部は、互いに近接または離間しており、接続ロッドはまた、第2の方向Wに沿って相応に移動する。したがって、接続ロッドは、第1の方向Lと第2の方向Wとの間に位相差を有し、接続ロッドの少なくとも一部は楕円移動軌道を形成することができ、これによって、押圧部の移動の安定性を改善し、楕円移動軌道を形成する精度を改善する。
【0017】
可能な設計では、2つの接続ロッドがあり、接続ロッドは、第1の挟角を形成するために、V字形の構造を形成するように接続されており、
2つの接続ロッドは、励振部および第1の固定部にそれぞれ接続されており、
押圧部は接続端部に接続されている。
【0018】
接続ロッドは、V字形の構造に取り付けられ、構造は特定の安定性および強度を有する。構造が圧力下にあって第1の挟角が変化するとき、対応する楕円運動を行うように押圧部を駆動する制御性はより高くなり、これによってロータを駆動して動かす安定性を改善する。
【0019】
可能な設計では、接続ロッドの断面積は、接続ロッドの軸方向に沿って、接続端部から離れる方向に、徐々に増加する。
【0020】
断面は、接続ロッドによって励振部および第1の固定部を接続する構造安定性がより高くなり、励振部からの振動が、第1の挟角を増加または減少させることなく、より良好に伝達されることが可能であるように、徐々に変化する。ロータの運動は、低周波数を使用することによって制御されることが可能であり、これによって駆動アセンブリの使用効果を改善する。
【0021】
可能な設計では、3つの接続ロッドがあり、接続ロッドは、開放構造を形成するために順次接続されており、
2つの最も外側の接続ロッドは、励振部および第1の固定部にそれぞれ接続されており、
押圧部は、中央に位置する接続ロッドに接続されている。
【0022】
押圧部は、押圧部と接続ロッドとの間の接続の安定性および信頼性が改善され得るように、中央位置で接続ロッドに接続されており、押圧部は、ロータを動かすために押すときに容易に損傷されず、これによって押圧部の耐用年数を延長する。
【0023】
可能な設計では、4つ以上の接続ロッドがあり、複数の接続ロッドは、囲まれた多角形構造を形成するために直列に接続されており、
励振部および第1の固定部は、第1の方向Lに沿って接続端部に各々接続されており、押圧部は、第2の方向に沿って接続端部に接続されており、または
励振部および第1の固定部は、第1の方向Lに沿って接続ロッドに各々接続されており、押圧部は、第2の方向Wに沿って接続ロッドに接続されている。
【0024】
囲まれた多角形接続方法では、構造安定性および強度が高い。押圧部がロータを動かすために押すとき、ロータの運動の安定性を低減するための不十分な安定性のため、楕円移動軌道は逸脱しない。
【0025】
可能な設計では、複数の接続ロッドが一体に成形される。
【0026】
これは、振動部の構造安定性の要件を満たしながら、振動を必要とされる楕円移動軌道により良好に変換することができる。
【0027】
可能な設計では、押圧部は、第2の方向Wに沿って振動部から延在する凸構造であり、凸構造は、第1の方向Lに沿って往復するようにロータを押すことが可能である。
【0028】
第2の方向Wに沿って振動部から少なくとも部分的に延在する凸構造が設けられる。これは、押圧部とロータとの間の取付を容易にし、押圧部によってロータを動かすための駆動の安定性に影響を及ぼし、押圧部の楕円移動軌道に影響を及ぼす、振動部の他の部分をロータと接触させることに起因する振動部の変形を防止する。
【0029】
可能な設計では、ステータは、励振部の振動が振動部に対して作用することを可能にするように構成された第2の固定部をさらに含み、
第1の方向Lに沿って、第2の固定部は、励振部の振動部から離れた側に接続されており、第1の固定部と第2の固定部との間の距離は固定されている。
【0030】
第1の固定部および第2の固定部が設けられる。第1の固定部および第2の固定部がモータに締結されているとき、接続された励振部および振動部は、第1の固定部と第2の固定部との間に制限される。したがって、励振部が振動すると、励振部は、第2の固定部による制限下で、振動部に向かう方向にのみ移動することができる。この場合、第1の固定部による制限下で、振動部が励振部および第1の固定部の各々に接続される位置は、第1の方向Lからの少なくとも圧縮または引張応力を受け、振動部は変形される。加えて、振動部の構造の配置に基づいて、振動部の少なくとも一部(押圧部が設けられる位置)が楕円運動を行うように、少なくとも第2の方向Wに沿って変形が発生する可能性がある。
【0031】
可能な設計では、励振部は、
本体であって、本体は振動部に接続するように構成されている、本体と、
駆動部であって、駆動部は本体に接続されており、単相モードで、本体を駆動して振動させるように構成されている、駆動部と、
を含み、
駆動部は、事前設定された振動周波数を有し、事前設定された振動周波数の作用下で、本体の振動は、少なくとも第1の方向Lおよび第2の方向Wに沿って振動部を振動させることが可能である。
【0032】
単相駆動は、励振部が対応する周波数で振動することができるように(共振器周波数)実施されることが可能であり、それによって単純な駆動モードでの駆動構造の取付において占有される空間を縮小させる。
【0033】
可能な設計では、駆動部は、第2の方向Wに沿って本体の少なくとも一辺に接続されている。
【0034】
したがって、駆動部は、良好な振動効果を有するように接続された本体を駆動することができる。
【0035】
可能な設計では、駆動部は、
変形可能部であって、変形可能部は本体に接続されており、変形可能部は通電後に変形可能である、変形可能部と、
通電部であって、通電部は変形可能部に接続されており、通電部によって生成された電気は変形可能部に伝送されることが可能である、通電部と、
を含み、
通電部は、事前設定された周波数で電界を生成することが可能であり、変形可能部は、本体を駆動して振動させるために電界の作用下で変形される。
【0036】
したがって、駆動部は、電気エネルギーを必要な周波数モードの振動に変換することができ、接続された本体は、接続された振動部が駆動されて第1の方向に沿った伸長または圧縮によって変形されるように、相応に伸長または圧縮されるように駆動される。
【0037】
可能な設計では、本体、振動部、および第1の固定部は、一体に成形される。これは、接続された部品の構造安定性を改善し、振動伝達効果を改善することができる。
【0038】
本出願は、モータをさらに提供する。モータは駆動アセンブリを含む。駆動アセンブリは、上記の実装形態のいずれか1つによる駆動アセンブリである。モータの利点は駆動アセンブリの利点と同じであり、本明細書では具体的に記載されない。
【0039】
本出願は、モータを含む端末をさらに提供する。モータは、上述のモータである。端末の利点は駆動アセンブリの利点と同じであり、本明細書では具体的に記載されない。
【0040】
上記の概要および以下の詳細な説明は例にすぎず、本出願を限定するように意図されないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】矢印Lによって示される方向が第1の方向であり、矢印Wによって示される方向が第2の方向である、本出願の一実施形態による駆動アセンブリの主要な図である。
【
図2】矢印Lによって示される方向が第1の方向であり、矢印Wによって示される方向が第2の方向である、本出願の一実施形態によるステータの主要な図である。
【
図5】矢印Lによって示される方向が第1の方向であり、矢印Wによって示される方向が第2の方向である、本出願の一実施形態によるステータの部品間の接続の構造の簡単な概略図である。
【
図6】矢印Lによって示される方向が第1の方向であり、矢印Wによって示される方向が第2の方向である、本出願の一実施形態によるステータの部品間の接続の構造の別の簡単な概略図である。
【
図7】矢印Lによって示される方向が第1の方向であり、矢印Wによって示される方向が第2の方向である、本出願の一実施形態によるステータの部品間の接続の構造のさらに別の簡単な概略図である。
【
図8】矢印Lによって示される方向が第1の方向であり、矢印Wによって示される方向が第2の方向である、本出願の一実施形態によるステータの部品間の接続の構造のさらに別の簡単な概略図である。
【
図9】矢印Lによって示される方向が第1の方向であり、矢印Wによって示される方向が第2の方向である、本出願の一実施形態による第1の振動部の構造的取付の構造の簡単な概略図である。
【
図10】矢印Lによって示される方向が第1の方向であり、矢印Wによって示される方向が第2の方向である、本出願の一実施形態による第2の振動部の構造的取付の構造の簡単な概略図である。
【
図11】矢印Lによって示される方向が第1の方向であり、矢印Wによって示される方向が第2の方向である、本出願の一実施形態による第3の振動部の構造的取付の構造の簡単な概略図である。
【
図12】本出願の一実施形態による第4の振動部の構造的取付の構造の簡単な概略図である。
【
図13】
図11の駆動部以外の全ての部品間の接続の構造の簡単な概略図である。
【
図14】本出願の一実施形態による第5の振動部の構造的取付の構造の簡単な概略図である。
【
図16】本出願の一実施形態によるステータの構造の簡単な概略図である。
【
図17】本出願の一実施形態による第6の振動部の構造的取付の構造の簡単な概略図である。
【
図18】本出願の一実施形態による第7の振動部の構造的取付の構造の簡単な概略図である。
【
図19】本出願の一実施形態による別のステータの主要な図である。
【
図20】本出願の一実施形態による別のステータの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本明細書の添付図面は、本明細書の一部として本明細書に組み込まれる。添付図面は、本出願に適合する実施形態を示し、本出願の原理を説明するために明細書とともに使用される。
【0043】
本出願の実施形態で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためのものにすぎず、本出願を限定することを意図されたものではない。本出願の実施形態および添付の特許請求の範囲で使用される単数形の「a」、「the」、および「this」という用語は、文脈において明確に特に指定されない限り、複数形を含むことも意図されている。
【0044】
本出願の一実施形態は端末を提供する。端子にはモータが設けられている。端末は、携帯電話またはカメラなどの電子製品であってもよい。これは、本明細書では特に限定されない。しかしながら、端末内に設けられるモータについては、携帯電話などの電子製品がより軽く薄くなるにつれて、内部空間が縮小し、対応する構成要素を駆動して動かすために端末内で使用されるモータによって占有される空間もまた縮小する。したがって、モータを小型化するために、モータによって占有される全体的な空間は縮小される必要がある。小型化のためにモータのサイズを最小化するためには、モータの重要な部分である駆動アセンブリの構造的取付の小型化が、モータの全体的な薄型化設計に大きな影響を及ぼす。したがって、駆動アセンブリを最大限に小型化することは、モータの小型化の設計構想として使用され得る。モータ内に設けられた駆動アセンブリは、ステータおよびロータ6を含む。ステータは、ロータ6を駆動して動かすように構成されている。以下の取付方法が使用される:その位置に接触しているロータ6を駆動して動かすために、共振器上の特定の位置またはいくつかの位置で特定の方向の楕円回転が発生するように、圧電ユニットが共振器を駆動して振動させる。これは、駆動アセンブリの動作中に占有される空間をある程度縮小させることができる。このタイプの圧電モータでは、ステータは、設けられた駆動部による駆動に基づいて、ステータに取り付けられたロータ6を駆動して直線移動または回転させる。モータの内部構造の複雑さのため、小型化に必要とされる低電圧駆動は通常、モータの高い電気機械結合係数を必要とする。これは、周波数が共振周波数からわずかに逸脱したときに性能の急激な劣化を引き起こし、多相駆動中の周波数縮退の困難さを増加させる。したがって、小型化設計を実現しながら駆動周波数の安定性を改善するために、単相駆動が使用される。
【0045】
単相駆動用の駆動アセンブリでは、モータを小型化するための要件により、駆動アセンブリの内部空間は小さく、構成要素間の取付は緊密である。限られた空間および異なる周波数モードにおけるロータ6の運動要件を満たし、運動の精度および安定性を改善するために、
図1、
図2、および
図11に示されるように、ステータは、励振部2、振動部4、第1の固定部5、および押圧部3を含む。振動部4は励振部2に接続されている。第1の固定部5は振動部4に接続されており、振動部4は、第1の方向Lに沿って励振部2と第1の固定部5との間に位置している。押圧部3は、振動部4およびロータ6に接続されている。励振部2は振動することが可能であり、励振部2は、振動部4を駆動して作用させることが可能である。第1の固定部5による制限下で、振動部4は、押圧部3がロータ6を押して第1の方向Lに沿って移動させるように、少なくとも第1の方向Lおよび第2の方向Wに沿って振動することが可能である。第1の固定部5は、振動部4を使用することによって第1の方向Lおよび第2の方向Wに沿った押圧部3の移動距離を制限するように構成されている。励振部2が対応する指定された周波数モードで相応に振動することができ、振動が振動部4に伝達されることができるように、励振部2と第1の固定部5との間に振動部4を制限するための第1の固定部5が設けられる。第1の方向Lでは、第1の固定部5が設けられ、励振部2が振動部4に向かう方向で振動するので、振動部4に応力が印加されることができ、振動部4は、少なくとも第1の方向Lおよび第2の方向Wに沿って振動することができる。指定された周波数モードでは、第1の方向Lに沿った振動と第2の方向Wに沿った振動との位相差は、振動部に設けられた押圧部3を駆動して対応する方向に移動させることができる。加えて、第1の固定部5による制限下で、第1の方向Lおよび第2の方向Wに沿った押圧部3の移動距離は、押圧部3が対応する楕円移動軌道を形成することができるように制限される。押圧部3が楕円移動軌道に沿って移動するとき、押圧部3はロータ6に当接し、ロータ6に圧力を印加することができる。圧力下で、対応する位置に接触しているロータ6は、直線移動または回転するために、押圧部3によって押されることができる。これは、以下のように簡単に理解され得る:設けられた励振部2は、励振部2がその周波数モードで相応に振動するように、ステータがロータ6に取り付けられたときにロータ6が相応に直線移動または回転する必要があるという要件にしたがって、対応する周波数モードに調整される。振動中、第1の方向Lに沿って振動が発生するので、励振部2は、振動によって引き起こされる変形を振動部4に適用する。加えて、第1の固定部5の位置による制限下で、励振部2の変形は、振動部4を第1の方向Lに沿った応力によって押圧または伸長させ、振動部4は、第1の方向Lに沿って押圧または伸長されながら、第2の方向Wに沿って移動することができる。第1の方向Lに沿った移動と第2の方向Wに沿った移動との組合せの下で、その位置に接触しているロータ6が駆動されて相応に動くように、振動部4上の対応する位置で楕円運動が発生する。振動部4および第1の固定部5は、対応するロータ6を駆動して動かすために、振動部4が安定した楕円運動を行うことができるように、設けられている。これにより、ロータ6を駆動して小型化されたモータ内の狭い空間内で動かすステータの不十分な安定性を回避し、ステータの損失を低減し、耐用年数を延長する。
【0046】
第1の方向Lおよび第2の方向Wに沿った押圧部3の移動距離が楕円移動軌道を形成するように制限される構造的取付では、モータが小型化されているので、モータの楕円移動軌道の円弧は滑らかであり、ロータ6が駆動されて移動する必要がある距離も小さい。したがって、押圧部3の楕円運動中、第2の方向Wに沿った移動は、押圧部3がロータ6をより安定的に駆動して第1の方向Lに移動または回転させることができるように、押圧部3をロータ6に当接させ、ロータ6に押出力を印加することを、主に意図している。
【0047】
本明細書では、言及された周波数モードについて、励振部2には複数の周波数モードがあってもよく、周波数モードは電気駆動中に異なる周波数で変化することが、強調されるべきである。単相駆動中に、異なる周波数モードでの振動部4の上端部および下端部の楕円運動は、ロータが押されて正方向または負方向に移動することができるように、時計回りまたは反時計回りであり、これによって単相駆動を通じた双方向移動を実現する。周波数モードの変化は、振動部4内の特定の位置(押圧部3が設けられる位置)での楕円移動軌道が最終的に変更され、振動部4に取り付けられたロータ6が直線に沿って往復および/または回転するように制御されることができるように、少なくとも励振部2の振動方向および振動振幅に影響を及ぼす可能性がある。したがって、設けられたモータでは、モータの周波数モードは、ロータ6が対応する距離だけ直線的に往復することができるように、および/またはロータ6がステータに対して回転するように、実際の使用状況に基づいて相応に調整される必要がある。これは、本明細書では特に限定されない。加えて、前述の第1の方向Lおよび第2の方向Wでは、2つの方向の間に少なくとも非ゼロ挟角があり、第1の方向Lと第2の方向Wとの間の指定された挟角は、振動部4の最終的な振動がロータ6を押して相応に移動させることを前提として、第2の方向Wに沿った振動部4の特定の構造が変化するとき、第1の方向Lに沿った振動が第2の方向Wに沿った振動部4の構造の変化を引き起こすとき、などに変化する。これは、本明細書では特に限定されない。
【0048】
具体的には、
図2に示されるように、対応する周波数モードで、第1の固定部5および励振部2による制限下で、設けられた振動部4が押圧部3を駆動して安定した方向(時計回りまたは反時計回り)に楕円軌道を形成し、ロータ6を押して相応に移動させることを可能にするために、振動部4は変形可能である。第1の固定部5による制限下で、振動部4は応力によって変形され、振動部4は、少なくとも第2の方向Wに沿って変形されることができる。励振部2の振動は、少なくとも第1の方向Lおよび第2の方向Wに沿って振動部4を変形させることができる。押圧部3は、第1の方向Lおよび第2の方向Wに沿って変形可能な振動部4内の位置に設けられる。振動部4は、励振部2が第1の固定部5による制限下で第1の方向Lに沿って制限された空間内で振動部4に引張力または押出力を印加するように、変形可能な構成要素として設けられる。加えて、振動部4は、振動部4が第1の方向Lに沿った膨張または収縮によって変形されることができるように、変形されることができる。この方向に沿った変形は、振動部4を駆動して少なくとも第2の方向Wに沿って変形させることができる。振動部4の少なくとも一部が対応する楕円軌道に沿って移動するように、2つの方向に沿った変形運動を通じて対応する変位変換能力が実現されることができる。したがって、押圧部3は、振動部4内で、楕円移動軌道が形成され得る位置に設けられる。振動部4が変形可能であるこの方法で、最小空間範囲内で、振動部4は、やはり楕円移動軌道を形成する押圧部3が駆動されてロータ6を押して移動させるように、対応する周波数モードでの振動の作用下で楕円移動軌道を形成することができる。この構造的取付は簡単である。第1の固定部5による制限下で、振動部4は、安定性がより高くなるように、振動部4内で押圧部3が設けられる位置に楕円移動軌道を形成するために変形される。
【0049】
加えて、振動部4を駆動して第1の方向Lに沿った伸長または押出によって変形させるために振動を励振部2から振動部4により良好に伝達させるために、押圧部3を駆動して第1の方向Lおよび第2の方向Wに沿って移動させ、押圧部3を駆動して対応する方向に沿った移動距離に対する制限によって楕円運動を行わせるように、振動部4が第1の固定部5による制限下および励振部2によって振動部4に印加される対応する力の下で変形を通じて対応する楕円をより良好に行うように、ステータは、振動部4に対して作用する励振部2の振動を可能にするように構成された第2の固定部をさらに含む。第1の方向Lに沿って、第2の固定部1が、励振部2の振動部4から離れた側に接続されており、第1の固定部5と第2の固定部1との間の距離は固定されている。第1の固定部5および第2の固定部1が設けられる。第1の固定部5および第2の固定部1がモータに締結されているとき、接続された励振部2および振動部4は、第1の固定部5と第2の固定部1との間に制限される。したがって、励振部2が振動すると、振動は、第2の固定部1による制限下で振動部4にのみ印加することができる。この場合、第1の固定部5による制限下で、振動部4が励振部2および第1の固定部5に接続される位置は、第1の方向Lからの少なくとも圧縮または引張応力を受け、振動部4は、圧縮または伸長によって変形される。加えて、振動部4の構造の配置に基づいて、少なくとも第2の方向Wに沿って変形が発生する可能性がある。第1の方向Lおよび第2の方向Wに沿った振動部4の変形によって引き起こされる位相差は、押圧部3および振動部4の端部の楕円運動をもたらす。
【0050】
より具体的には、
図2および
図11に示されるように、押圧部3および振動部4の端部が、対応するロータ6を駆動して移動および/または回転させるために楕円軌道に沿って移動することができる構造的取付が、ロータ6の運動を例として使用して以下に記載される。これは、以下の説明において別個に強調されるものではなく、異なる周波数モードでの楕円軌道は、必要に応じて適応的に調整されることができる。押圧部3は楕円移動軌道を形成する。押圧部3は楕円移動軌道を形成する。第1の方向Lおよび第2の方向Wに沿った振動部4の変形によって引き起こされる異なる位相差に基づいて、異なる楕円移動軌道が形成されるように、第1の方向Lおよび第2の方向Wに沿った押圧部3の移動距離もまた異なる。具体的には、励振部2が振動すると、接続された押圧部3を駆動して、ロータ6を押して相応に移動させるための最終的な楕円移動軌道を形成するように、振動部4が第1の方向Lおよび第2の方向Wに沿った変位変換能力を有するように、振動部4が振動して変形される。このプロセスでは、周波数モードが調整された後、ロータ6の移動方向および速度を観察することによって、押圧部3の楕円運動の強度および方向が決定されることができる。押圧部3の楕円運動は通常、異なる周波数モードで変化する。したがって、ロータ6の移動方向に対応す
る周波数
モードは、観察を通じて取得されることができる。ロータ6が特定の方向に移動する必要があるとき、押圧部3が励振され、ロータ6を押して特定の方向に沿って移動させるように、対応する周波数モードは、対応する周波数での励振部2の振動のみを通じて励振されることができる。加えて、押圧部3が設けられ、これによって振動部4とロータ6との間の過度な面接触を回避し、過度な摩擦による振動部4への損傷を回避する。本明細書では、押圧部3が振動部4に設けられる特定の位置について、押圧部3が振動部4の振動を安定した楕円移動軌道により良好に変換することができるように、振動部4の特定の構造的取付および振動部4の振動の変位変化に基づいて、押圧部3を接続するために対応する位置が選択され得ることが強調されるべきである。加えて、押圧部3がロータ6を押すプロセスでは、振動部4の変形は、ロータ6の運動に影響を及ぼすためのロータ6との直接接触をもたらさない。押圧部3の位置は、設けられた振動部4の特定の構造に基づいて相応に調整される。これは、本明細書では特に限定されない。
【0051】
任意選択的に、押圧部3は、ロータ6を押して動かすように設けられる。したがって、押圧部3の数、および押圧部3が振動部4に設けられる向きは、ロータ6の数および位置に基づいて相応に調整される必要がある。これは、本明細書では特に限定されない。加えて、設けられた押圧部3は、ロータ6が押されて第1の方向Lに沿って往復することができるように、第2の方向Wに沿って延在する振動部4に設けられた凸構造、または円筒形構造であってもよい。あるいは、押圧部3の特定の構造および特定の延在方向は、楕円軌道に沿った移動を通じてロータ6を相応に移動または回転させるように、押圧部3に取り付けられたロータ6との点接触または面接触を行うために、設けられたロータ6の位置に基づいて相応に調整されてもよい。これは、本明細書では特に限定されない。通常、押圧部3がロータ6を押して動かすときの押圧部3の摩損によるモータの性能(例えば、駆動力)の劣化を回避するために、設けられた押圧部3に対して摩耗防止処理が行われるか、または押圧部3が耐摩耗層でコーティングされる。
【0052】
励振部2の作用下および対応する第1の固定部5および第2の固定部1による制限下で、設けられた振動部4が対応する方向に沿った変位変換能力を有することを可能にするために、接続された押圧部3が安定した楕円移動軌道を有するように、設けられた振動部4は複数の取付方法を有してもよい。詳細は以下の通りである。
【0053】
一実施形態では、
図9に示されるように、設けられた振動部4は、変形能力を有する弾性部42であってもよい。励振部2が振動すると、第1の固定部5による制限下で、弾性部42は、弾性部42を駆動して少なくとも第2の方向Wに沿って変形されるように、少なくとも第1の方向Lに沿った収縮または膨張によって変形されることができる。押圧部3は、弾性変形方向(すなわち、第2の方向W)の弾性部42の両端部に設けられる。振動部4は、弾性変形が可能な弾性部42として設けられる。励振部2の振動の作用下で、ならびに第1の固定部5および第2の固定部1の変位による制限下で、振動部4は、弾性部42が収縮または膨張によって変形されるように、第1の方向Lに沿った押出または引張応力を受ける。加えて、弾性部42がこの方向に沿った収縮(または膨張)によって変形されると、弾性部42の特性に基づいて、弾性部は、第1の方向L以外の方向、すなわち第2の方向Wに沿って確実に膨張(または収縮)する。第1の方向Lに沿った変形および第2の方向Wに沿った変形は、振動部4が、第1の方向Lおよび第2の方向Wに位相差を有することができ、対応する楕円運動を行うことができるように、組み合わせられる。加えて、振動部4の端部に設けられた押圧部3は、ロータ6を駆動して動かすための規則的な移動の楕円移動軌道を形成することができ、これによってロータ6の運動の安定性を改善する。
【0054】
任意選択的に、設けられた弾性部42の特性に基づいて、弾性部42が第1の方向Lに沿った押出または伸長によって変形された後、弾性部42は、第1の方向Lに沿ってますます弾性的に変形されやすくなる。したがって、第2の方向Wは第1の方向Lに直交する方向に設定されてもよく、押圧部3は、振動部4の他の部分が、ロータ6と接触してロータ6の運動に干渉する振動部4の過度な変形によって押圧部3を超えるのを防止するために、第2の方向Wに沿った最大の変形を有する振動部4のエッジ位置に設けられる。
【0055】
別の実施形態では、
図10に示されるように、設けられた振動部4は、環状機械部品43として代替的に設けられてもよい。環状機械部品43の構造は、外力の作用下で変形可能である。具体的には、第1の方向Lに沿って、第1の固定部5および励振部2は、環状機械部品43の2辺に互いに対向して設けられ(具体的には、第1の固定部5および励振部2は第1の方向Lに沿った同じ直線上に位置し、第2の方向Wに沿って高さの違いはない)、環状機械部品43は内壁431を有する。励振部2が振動すると、第1の方向Lに沿った内壁431の2つの対辺間の距離が増加し、第2の方向Wに沿った内壁431の2つの対辺間の距離は、第1の方向Lに沿った内壁431の2つの対辺間の距離の増加とともに減少し、押圧部3は、内壁431の2つの対辺間の距離が減少することができる位置に設けられ;または第2の方向Wに沿った内壁431の2つの対辺間の距離が第1の方向Lに沿った内壁431の2つの対辺間の距離の減少とともに増加し、押圧部3は、内壁431の2つの対辺間の距離が増加することができる位置に設けられる。環状機械部品43は、中央部が中空構造を有するように、環状構造として設けられる。励振部2が対応する周波数での振動を伝達するとき、励振部2は、接続位置を通じて第1の方向Lに沿って環状構造に振動を伝達する。加えて、接続された第1の固定部5および第2の固定部1による制限下で、環状構造は、第1の固定部5および励振部2にそれぞれ接続された、環状構造内の2つの接続位置が、互いに近づくかまたは離れる方に移動するように、引張または押出応力の作用下で変形される。すなわち、対応する固定部による制限下で、第1の方向Lに沿った励振部2の振動は、環状構造に引張または圧縮応力を引き起こす可能性があり、環状構造の内壁431の2つの対辺間の距離は、応力の作用下で増加または減少する。増加または減少の運動パターンおよび運動範囲は、励振部2の振動に基づいて決定される。加えて、第1の方向Lに沿った応力によって引き起こされる押出(または伸長)によって環状機械部品43が変形されるとき、力の伝達に基づいて第2の方向Wに沿った膨張(または押出)による変形が発生する。すなわち、少なくとも第2の方向Wに沿って、環状構造の内壁431の2つの対辺間の距離は、対応する位置に設けられた押圧部3を駆動して楕円運動を行わせるために、第1の方向Lに沿った内壁431の2つの対辺間の距離が増加または減少するにつれて減少または増加する。これに基づいて、押圧部3は、対応するロータ6の環状構造の近くのエッジ位置に設けられる。加えて、押圧部3は第2の方向Wに沿った環状機械部品43の2辺に対称に配置され、押圧部3は、環状構造が変形されたときに環状構造の他の部分がロータ6を押して移動させる押圧部3に影響を及ぼすのを防止するために、内壁431の2つの対辺間の距離が最も遠くなる環状機械部品43内の位置に設けられる。
【0056】
さらに別の実施形態では、
図5に示されるように、設けられた振動部4は、接続ロッド41も含む。2つ以上の接続ロッド41がある。少なくとも2つの隣接する接続ロッド41が接続され、接続端部を形成し、接続された接続ロッド間に第1の挟角がある。励振部2が振動すると、振動部4が変形され得るように、第1の挟角が増加または減少することができる。押圧部3は、接続端部に近い位置に設けられる。対応する振動部4は、接続ロッド41間の構造的取付を通じて形成される。接続ロッド41を設けるこの方法では、第1の方向Lに沿って、2つの最も外側の接続ロッド41は励振部2および第1の固定部5にそれぞれ接続され、励振部2の他端部は第2の固定部1に接続される。2つの固定部による制限下で、励振部2の振動は、振動部4に対して作用することができる。接続ロッド41は、第1の挟角が相応に増加または減少するように、押出または引張応力を受ける。第1の挟角が変化するとき、励振部2および第1の固定部5にそれぞれ接続されている接続ロッド41の2つの端部は、互いに近接または離間しており、接続ロッド41はまた、第2の方向Wに沿って相応に移動する。したがって、接続ロッド41は、第1の方向Lと第2の方向Wとの位相差を有し、接続ロッド41の少なくとも一部は、楕円移動軌道を形成することができる。この構造的取付では、指定された第2の方向Wは、指定された第1の挟角の位置および方向に基づいて適切に調整され得る。これは、本明細書では特に限定されない。加えて、接続ロッド41上に設けられた押圧部3について、接続ロッド41間の第1の挟角の位置は、接続ロッド41が振動の周波数とともに相応に移動するプロセスにおける変形によって最も影響を受けるので、押圧部3は、接続ロッド41が変形によってロータ6と直接接触するのを防止するために、第1の挟角に近い位置に設けられてもよい。加えて、対応する振動部4は、振動部4の構造安定性がより高くなるように、接続ロッド41間の構造的取付を通じて形成される。励振部2が対応する周波数での振動を伝達するとき、振動部4は、周波数の安定性がより高くなるように、振動をより良好に吸収することができる。加えて、接続ロッド41間のこの構造的取付では、対応する周波数での振動が振動部4に対して作用し、接続ロッド41が振動とともに相応に変形されるとき、制御性が高く、接続ロッド41は、必要な楕円移動軌道を形成するために、必要な方向および振幅に基づいて相応に移動することができる。加えて、軌道に沿った移動中、取り付けられたロータ6は、相応に移動するように駆動される必要があり、接続ロッド41は、接続ロッド41に接続された押圧部3がロータ6を安定的に駆動して動かすことができるように、接続ロッド41の構造の強度に基づいて、第1の固定部5および第2の固定部1による制限下で、楕円移動軌道からの面外偏差を受けにくい。
【0057】
この実施形態では、接続ロッド41間の構造的取付について、小型化されたモータ内の限られた空間において、接続ロッド41は、ロータ6がステータに対して設けられることができる位置に基づいて、ロータ6の運動パターン、運動範囲などに対する異なる要件にしたがって、異なる構造を形成するように組み合わせられてもよい。具体的には、構造は、以下のいくつかのタイプを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0058】
任意選択的に、
図11に示されるように、2つの接続ロッド41が設けられてもよく、接続ロッド41は、第1の挟角を形成するために、V字形411の構造を形成するように接続されている。2つの接続ロッド41の2つの端部は、励振部2および第1の固定部5にそれぞれ接続されており、押圧部3は接続端部に接続されている。励振部2が振動すると、第1の挟角は、振動部4に印加される引張力または押出力の作用下で、増加または減少することができる。この構造的取付において接続ロッド41によって形成される振動部4では、押圧部3は、V字形411の構造の鋭角コーナーの端部(すなわち、接続端部)に設けられてもよく、押圧部3は対応するロータ6に向かって配向される。V字形411はまた、ロータ6を駆動するのを助けるために、その接続端部がロータ6に向かって配向された凸構造であってもよい。V字形411のこの構造では、V字形411は特定の安定性および強度を有する。したがって、V字形411が圧力を受けて第1の挟角が変化するとき、対応する楕円運動を行うように押圧部を駆動する制御性は高く、これによってロータ6を駆動して動かす安定性を改善する。
【0059】
具体的には、この構造的取付では、取り付けられた接続ロッド41の構造安定性が高く、対応する周波数の振動の作用下では、接続ロッド41は、ロータ6を駆動して動かすための安定した楕円移動軌道を形成することができる。接続ロッド41の数および接続方向を変化させることなく、接続ロッド41が引張力または押出力を受けるときに対応する方向の接続ロッド41の移動がより高くなるように接続ロッド41の安定性を改善するために、接続ロッド41は、不均一な断面を有する構造として設けられてもよい。例えば、接続ロッド41の断面積は、接続ロッド41の軸方向に沿って、接続端部から離れる方向に、徐々に増加する。このようにして、断面は、接続ロッド41によって励振部2および第1の固定部5を接続する接続ロッド41の構造安定性がより高くなり、励振部2からの振動が、第1の挟角を増加または減少させることなく、より良好に伝達されることが可能であるように、徐々に変化する。ロータ6の運動は、低周波数を使用することによって制御されることが可能であり、これによって駆動アセンブリの使用効果を改善する。
【0060】
あるいは、
図17に示されるように、3つの接続ロッド41が設けられてもよく、接続ロッド41は、2つの第1の挟角が形成されることができるように、開放構造を形成するように順次接続される。2つの最も外側の接続ロッド41は、励振部2および第1の固定部5にそれぞれ接続される。励振部2が振動すると、第1の挟角は、増加または減少することができる。押圧部3は、中央に位置する接続ロッド41に接続されている。接続ロッド41間のこの構造的取付では、少なくとも3つの接続ロッド41が順次接続され、第1の挟角は、2つの隣接する接続ロッド41ごとに形成される。この構造の設計では、押圧部3は、押圧部3と接続ロッド41との間の接続の安定性および信頼性が改善され得るように、中央位置で接続ロッド41に接続されており、押圧部3は、ロータ6を動かすために押すときに容易に損傷されず、これによって押圧部3の耐用年数を延長する。
【0061】
あるいは、
図18に示されるように、4つ以上の接続ロッド41が設けられてもよく、複数の接続ロッド41は、囲まれた多角形構造を形成するために直列で接続され、隣接する接続ロッド41の間に第1の挟角が形成される。励振部2および第1の固定部5は、第1の方向Lに沿って接続端部に各々接続されており、押圧部3は、第2の方向Wに沿って接続端部に接続されており、または励振部2および第1の固定部5は、第1の方向Lに沿って接続ロッド41に各々接続されており、押圧部3は、第2の方向Wに沿って接続ロッド41に接続されている。多角形構造は、励振部2および第1の固定部5に接続されている。振動部4の構造安定性が改善されるように、安定した構造を有する多角形の機械的部品がこのようにして形成される。押圧部3がロータ6を動かすために押すとき、ロータ6の運動の安定性を低減するための不十分な安定性のため、楕円移動軌道は逸脱しない。
【0062】
上記の構造的取付のいずれが接続ロッド41に使用されるかにかかわらず、接続ロッド41の長さは同じであっても異なっていてもよい。接続ロッド41間に形成される第1の挟角について、第1の挟角は非ゼロ挟角であり、挟角は、異なる周波数での振動の作用下で必要な楕円移動軌道が形成されるとき、第1の挟角に対して許容される変化範囲を満たすことができる。これは、本明細書では特に限定されない。加えて、指定された第1の挟角について、接続ロッド41間の取付の特定の構造に基づいて、異なる構造の場合に指定された第1の挟角に振動部4の構造安定性を保証させ、エネルギー消費を低減するために低周波数で第1の挟角を調整するために、異なる構造における振動部4の好ましい第1の挟角の範囲もまた異なり得る。これは、本明細書では特に限定されない。
【0063】
任意選択的に、設けられた接続ロッド41の構造について、設けられた接続ロッド41間の取付構造が接続ロッド41を接続するときのエネルギー消費を低減するために第1の挟角をより滑らかに変化させるために、複数の接続ロッドは回転可能に接続される。回転可能な接続のこの取付構造では、接続ロッド41が容易に変形されないように、接続ロッド41間の接続の特定の安定性が必要とされる。したがって、回転可能な接続は、回転中に過度に変形されにくい安定した構造として配置されてもよい。あるいは、小型化されたモータでは、設けられた振動部4が変形を通じて楕円移動軌道を形成するときに、接続ロッド41および第1の挟角の変化範囲が小さくなるように、ステータによって駆動されるロータ6の運動の範囲は大きくない。したがって、複数の接続ロッド41は、一体成形された金属片として設けられてもよい。金属接続ロッド41は、接続ロッド41に対応する金属片の弾性変形が要件を満たすように、特定の変形能力を有する。
【0064】
本明細書では、設けられた第2の固定部1、励振部2、振動部4、および第1の固定部5は、完全に接触して接続されてもよく、(
図18に示されるように)複数の接続点およびリンク機構44を使用することによって接続されてもよく、または実施されることが可能な別の方法で接続されてもよい。これは、本明細書では特に限定されない。加えて、設けられた第2の固定部1、励振部2、振動部4、および第1の固定部5の数および取付位置は、異なる小型化条件下でロータ6を駆動するように、設けられたロータ6の数および取付位置に基づいて相応に組み合わせられてもよい。
図15に示されるように、内部空間およびロータ6の位置が限られているとき、ロータ6は、ステータの上側または下側に設けられること、もしくはステータ上に被せられることができず、中央位置にのみロータ6のための位置が確保される。この空間内のロータ6の運動に対して安定した高精度の制御を実施するために、上記の異なる携帯の振動部4は、ロータ6の上側および下側に設けられてもよく、第1の固定部5は、異なる振動部4に接続するために、上側および下側にそれぞれ締結されてもよい(または
図13および
図14に示されるように、1つの第1の固定部5が両方の振動部4に締結される)。上側および下側の2つの振動部4がロータ6を駆動して動かすための鏡面楕円移動軌道を形成することを可能にするために、2つの振動部4は、中央位置でロータ6を駆動するために同じ励振部2に接続されてもよい。あるいは、第2の固定部1、励振部2、振動部4、および第1の固定部5の2つ以上のグループによって形成されるステータは、新しいステータを形成するように接続されてもよい。この取付構造では、励振部2および押圧部3は、(
図17に示されるように)接続された第2の固定部1、振動部4、および第1の固定部5の2つのグループ間に接続されている。この構造的取付では、対応する構成要素が振動部4によって形成された面外に固定部などを曲げると、構成要素と押圧部3および励振部2との間に強い剪断応力が生成される。剪断応力は構成要素を元の平面に戻し、これによって面外への揺動を制限する。加えて、設計の対称性により、このような面外共振モードは容易に励振されない。加えて、押圧部
3は、コーティング方法を使用する代わりに、全体が耐摩耗性材料で直接作られてもよい。これはまた、この実施形態における摩耗防止能力を強化する。
【0065】
本出願は、特定の実装形態をさらに提供する。
図3および
図4に示されるように、励振部2が対応する周波数(共振器
周波数)で振動することができ、駆動構造の取付において占有される空間が単純な駆動モードにおいて縮小されることができるように設けられた励振部2の単相駆動を実現するために、励振部2は、本体21および駆動部を含む。本体21は、振動部4に接続するように構成されている。駆動部は、本体21に接続されており、単相モードで本体21を駆動して振動させるように構成されている。駆動部は、事前設定された振動周波数を有し、事前設定された振動周波数の作用下で、本体21の振動は、少なくとも第1の方向Lおよび第2の方向Wに沿って振動部4を振動させることが可能である。事前設定された振動周波数は、実験を通じて取得された周波数モードであり、このモードで、励振部2、振動部4、および第1の固定部5の対応する構造的取付における必要な位置(押圧部3が設けられる位置)に楕円移動軌道が形成されることができる。事前設定された振動周波数は、押圧部3が必要な楕円移動軌道を形成することができることを前提として、異なる実際の条件に基づいて、ロータ6の異なる取付および運動要件にしたがって変化する。これは、本明細書では特に限定されない。
【0066】
具体的には、提供された駆動部について、本体21を駆動して必要な周波数モードに基づいて相応に振動させるための動力供給部として機能し、駆動部に接続された本体21に良好な振動効果を持たせるために、駆動部は、駆動部が振動エネルギーを直接変換してこれを本体21に伝達するように、第2の方向Wに沿って本体21の少なくとも一辺に接続されている。接合または他の直接接触取付を通じた固定接続方法では、振動は、本体21に最大限に伝達されることができ、駆動部と本体21との間の接続の構造安定性が高い。振動中、駆動部は本体21から容易に外れない。加えて、本体21に伝達される振動の損失を低減するために、本体21は、くり抜き構造として設けられてもよく、駆動部は、(
図1に示されるように)くり抜き構造で突出または非突出で設けられる。この取付方法では、振動が本体21に伝達されるときの振動の安定性が改善され、これによって良好な振動効果を保証する。本明細書では、本体21の特定の構造は、
図5、
図6、
図7、および
図8に示されるように、要件にしたがって複数の異なる構造、例えばくり抜き構造、一体型板状構造、または複数の線形構造の組合せとして設けられてもよいことが、強調されるべきである。これは、本明細書では特に限定されない。
【0067】
任意選択的に、接続された第1の固定部5、本体21、振動部4、および第2の固定部1について、全ての部品は、
図11に示されるように、同じ平面上に位置してもよい。具体的には、振動部で使用される第1の挟角を有する接続ロッド41および押圧部3は全て、振動部4がロータ6に接触している部分が平面上で対応する楕円運動を行い、ロータ6が駆動されて往復するように、少なくとも部分的に平面上に位置するロータ6に向かって延在する。あるいは、
図19および
図20に示されるように、設けられた振動部4および振動部4に接続された押圧部3は、押圧部3が別の平面上でロータ6に当接するように、平面上の対応する第1の固定部5および対応する本体21に接続された後、少なくとも部分的な変形を通じて面外の方向に沿って延在してもよい。すなわち、振動部4および/または押圧部3は、本体21、固定部などと少なくとも部分的に同一平面となるように、平面から部分的に突出する。したがって、振動部4および押圧部3の特定の構造的取付、ならびに本体21、固定部などとの接続は、駆動アセンブリ内のロータ6の異なる位置レイアウト、必要とされる異なる楕円移動軌道、振動部4の異なる振動振幅および振動方向などに基づいて、適応的に調整され得る。これは、本明細書では特に限定されない。
【0068】
より具体的には、駆動部が電気エネルギーを必要な周波数モードの振動に変換することを可能にするために、駆動部は、変形可能部22および通電部23を含む。変形可能部22は本体21に接続されており、変形可能部22は接合を通じて本体21に接続されてもよい。変形可能部22は、通電された後に変形可能である。通電部23は、変形可能部22に接続されており、通電部23によって生成された電気は、変形可能部22に伝送されることができる。通電部23は、通電された後の周波数で電界を生成することができ、変形可能部22は、本体21が第1の方向Lに沿った収縮または膨張によって変形されるように、本体21を駆動して事前設定された振動周波数で振動させるために、電界の作用下で変形される(すなわち、変形可能部22の変形は、本体21を駆動して対応する変形運動を行わせることができる)。加えて、対応する固定部による制限下で、振動部4が第1の方向Lおよび第2の方向Wに沿って振動するように、往復運動のための引張力または押出力が振動部4に印加される。設けられた変形可能部22は、接続された本体21が相応に振動するように、通電部23の電気周波数に基づいて異なる程度に変形されることができる。設けられた変形可能部22は、電歪材料、例えば圧電材料、磁歪材料、または形状記憶合金で作られる。これは、本明細書では特に限定されない。通電された後に変形可能部22を変形可能にするために、通電部23が設けられ、通電部23が電源に接続されたときに電気接続が実現されることができる。
【0069】
図3に示されるように、設けられた1つ以上の通電部23および変形可能部22は、圧電パッチを構成してもよく、圧電パッチの2つの最外面に、電極がそれぞれ接続されてもよい。電極は、駆動装置の両端部に接続されている。駆動は、正弦波、方形波、三角波、台形波などを使用して行われてもよい。これは限定されない。正弦波が好ましい。しかしながら、電極と駆動装置との間の接続の特定の構造的取付について、例えば、シングルエンド駆動またはダブルエンド駆動のどちらが行われても、特定の構造は、異なる状況に基づいて相応に調整される。これは、本明細書では特に限定されない。
【0070】
任意選択的に、
図12および
図13に示されるように、設けられた第2の固定部1、本体21、振動部4、および第1の固定部5について、振動部4が、(
図6および
図11に示されるように)構造的取付によって変形可能であり得る環状機械部品43または接続ロッド41の構造内に設けられるとき、振動部4が、振動部4の変形が微小変形である良好な変形効果を有することを可能にし、振動力を完全に伝達するために、振動部4は、金属シート、金属ロッド、または他の構造として設けられる。加えて、振動部4が本体21、第1の固定部5、および第2の固定部1に接続されるとき、構造が安定しており容易に損傷されないことを保証するために、全ての部品は金属片として設けられ、全ての部品は一体に成形される。
【0071】
上記の金属片は、直接接続されてもよく、または別の構造、例えばリンク機構44を使用して接続されてもよい。金属片がリンク機構44と同様のコネクタを使用して接続されるとき、励振部2、振動部4、および第1の固定部5の間の接続部の剛性が低減される可能性がある。励振部2が振動を伝達するとき、高い剛性を有する直接接触ベースの大面積表面接続と比較して、この構造的取付では振動伝達効果がより良好であり得る。
【0072】
しかしながら、本特許出願書類の一部は、著作権で保護された内容を含むことに留意されたい。著作権者は、中国国家知識産権局の特許文書または特許文書の記録内容のコピーを作成することを除いて、著作権を留保する。
【符号の説明】
【0073】
1 第2の固定部
2 励振部
21 本体
22 変形可能部
23 通電部
3 押圧部
4 振動部
41 接続ロッド
411 V字形
42 弾性部
43 環状機械部品
431 内壁
44 接続ロッド
5 第1の固定部
6 ロータ