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特許7600379サファイアオイルレス圧力センサ上のポリシリコン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】サファイアオイルレス圧力センサ上のポリシリコン
(51)【国際特許分類】
   G01L 19/06 20060101AFI20241209BHJP
【FI】
G01L19/06 A
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2023515204
(86)(22)【出願日】2021-05-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-27
(86)【国際出願番号】 US2021033551
(87)【国際公開番号】W WO2022060427
(87)【国際公開日】2022-03-24
【審査請求日】2023-03-06
(31)【優先権主張番号】17/026,831
(32)【優先日】2020-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515231553
【氏名又は名称】ローズマウント インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブローデン、デヴィッド アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ウィルコックス、チャールズ レイ
【審査官】松山 紗希
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04994781(US,A)
【文献】特開2001-242030(JP,A)
【文献】特開平11-094668(JP,A)
【文献】特表2006-529027(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 7/00-23/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力センサアセンブリであって、
空洞を形成するヘッダであって、前記圧力センサアセンブリが前記空洞への流体経路を含む、ヘッダと、
前記空洞内に配置され、前記流体経路内の流体の圧力を感知するように構成された圧力センサであって、
支持構造体と、
前記支持構造体に結合され、サファイア絶縁部材の第1の表面と前記支持構造体との間の領域を形成する前記サファイア絶縁部材であって、前記サファイア絶縁部材の第2の表面が前記流体経路内の流体と接触するように配置され、当該第2の表面上にサファイアエッチング表面が形成された、前記サファイア絶縁部材とを備え、
前記サファイア絶縁部材の前記第2の表面に対して配置され、流体が前記圧力センサアセンブリを通過することを防止するプロセスシールと、
電気リード線と、
サファイア絶縁部材の第1の表面上の領域内に配置され、電気リード線に結合されたポリシリコン歪みゲージパターンであって、前記サファイア絶縁部材が圧力に応答して撓むときに、前記流体経路内の流体の圧力を示す電気信号を生成するように構成されたポリシリコン歪みゲージパターンを含み、前記ポリシリコン歪みゲージパターンは前記サファイア絶縁部材が前記圧力に応答して撓むときに、前記流体経路内の前記流体の圧力を示す電気信号を生成するように構成される、ポリシリコン歪みゲージパターンと、
を含む、圧力センサと、
を備える、圧力センサアセンブリ。
【請求項2】
前記サファイア絶縁部材は、単結晶サファイア要素であることを特徴とする、請求項1に記載の圧力センサアセンブリ。
【請求項3】
前記サファイア絶縁部材の前記第1の表面と前記支持構造体との間に形成される前記領域は、基準圧力を含む、請求項1に記載の圧力センサアセンブリ。
【請求項4】
前記基準圧力は、前記サファイア絶縁部材の前記第1の表面と前記支持構造体との間に形成された領域内の真空圧力である、請求項3に記載の圧力センサアセンブリ。
【請求項5】
前記圧力センサはゲージ圧力センサとして構成され、前記サファイア絶縁部材の前記第1の表面と前記支持構造体との間に形成された前記領域を大気圧に接続するために、前記支持構造体を貫通する基準通気孔を含む、請求項1に記載の圧力センサアセンブリ。
【請求項6】
前記サファイア絶縁部材は、ボンド材料を用いて前記支持構造体に接合される、請求項1に記載の圧力センサアセンブリ。
【請求項7】
前記サファイア絶縁部材の前記第1の表面と前記支持構造体との間に形成され、過圧状態の間の前記サファイア絶縁部材の撓みを制限する領域内で、前記支持構造体に結合された幾何学的突起をさらに備える、請求項1に記載の圧力センサアセンブリ。
【請求項8】
前記サファイア絶縁部材の第2の表面上に配置され、プロセス温度過渡現象を補償するためにプロセス温度を測定するように構成された温度センサをさらに備える、請求項1に記載の圧力センサアセンブリ。
【請求項9】
前記ポリシリコン歪みゲージパターンは、ホイートストンブリッジとして構成される、請求項1に記載の圧力センサアセンブリ。
【請求項10】
前記支持構造体は、サファイアまたはAl2O3を含む、請求項1に記載の圧力センサアセンブリ。
【請求項11】
圧力センサアセンブリ製造の方法であって、
サファイア絶縁部材の第1の表面上にポリシリコン歪みゲージパターンを形成することと、
前記サファイア絶縁部材の第2の表面上にサファイアエッチング表面を形成することと、
流体が前記圧力センサアセンブリを通過することを防止するために、前記サファイア絶縁部材の前記第2の表面に対してプロセスシールを配置することと、
前記サファイア絶縁部材を支持構造体に結合して、前記サファイア絶縁部材の第1の表面と前記支持構造体との間に領域内に形成された前記ポリシリコン歪みゲージパターンを有する領域を形成することと、
圧力センサアセンブリへの流体経路内の流体とインターフェースするように位置決めされるように、圧力センサをヘッダの空洞内に位置決めすることと、を含む、
方法。
【請求項12】
前記サファイア絶縁部材の前記第1の表面上に前記ポリシリコン歪みゲージパターンを形成することは、単結晶サファイア要素上に前記ポリシリコン歪みゲージパターンを形成することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ポリシリコン歪みゲージパターンを形成することが、ホイートストンブリッジ構成で前記ポリシリコン歪みゲージパターンを形成することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記サファイア絶縁部材を前記支持構造体に接合することは、前記領域が基準圧力を含むように前記領域を形成することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記圧力センサがゲージ圧力センサであるように、前記領域を大気圧に接続するために、前記支持構造体を通して基準通気孔を設けることをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記領域内の前記支持構造体に幾何学的突起を形成して、過圧状態中の前記サファイア絶縁部材の撓みを制限することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記支持構造体が、サファイアまたはAl2O3を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
ハウジングと、
前記ハウジング内に配置されたヘッダであって、前記ヘッダが空洞を含み、圧力センサアセンブリが前記空洞への流体経路を含む、ヘッダと、
前記空洞内に配置され、前記流体経路を通るプロセス流体の圧力を感知するように構成された圧力センサと、を備える、プロセス制御測定システムであって、
前記圧力センサは、
支持構造体と、
単結晶サファイア要素から形成され、支持構造体に結合され、サファイア絶縁部材の第1の表面と前記支持構造体との間の領域を形成する前記サファイア絶縁部材であって、前記サファイア絶縁部材の第2の表面は前記流体経路内の流体と接触するように配置され、当該第2の表面上にサファイアエッチング表面が形成されており、前記サファイア絶縁部材は前記流体経路内の流体からの圧力によって撓まされるように構成される、サファイア絶縁部材と、
前記サファイア絶縁部材の前記第2の表面に対して配置され、流体が前記圧力センサアセンブリを通過することを防止するプロセスシールと、
前記支持構造体を通って延びる電気リード線と、
前記サファイア絶縁部材の第1の表面上の領域内に配置され、前記電気リード線に結合されたポリシリコン歪みゲージパターンであって、前記ポリシリコン歪みゲージパターンは、前記サファイア絶縁部材が圧力に応答して撓むときに、前記流体経路内の流体の圧力を示す電気信号を生成するように構成される、ポリシリコン歪みゲージパターン
を含む、プロセス制御測定システム。
【請求項19】
前記支持構造体は前記領域内の前記支持構造体上に幾何学的突起を含み、過圧状態の間、前記サファイア絶縁部材の撓みを制限する、請求項18に記載のプロセス制御測定システム。
【請求項20】
前記支持構造体を貫通し、前記領域を大気圧に接続する基準通気口をさらに備える、請求項19に記載のプロセス制御測定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は工業プロセス送信機(トランスミッタ)に関し、より具体的には、そのような送信機で使用するための圧力センサアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
プロセス送信機(トランスミッタ)などの工業プロセスフィールドデバイスは工業プロセス制御および監視システムにおいて使用され、工業プロセス変数を監視し、プロセス変数の測定値を、例えば、化学薬品、石油、ガス、医薬品、または別の流体処理プラント内の制御室に送り返す。用語「プロセス変数」は、物質の物理的または化学的状態またはエネルギーの変換を指す。プロセス変数の例としては、圧力、温度、流れ、導電率、pH、および他の特性が挙げられる。
【0003】
圧力送信機、および他の圧力感知フィールド装置または機器は、プロセス流体の圧力などの圧力を感知する圧力センサを含む。圧力センサは、感知された圧力を示す電気出力を提供する。感知された圧力は、圧力送信機の回路によって処理され、および/または外部制御ユニットに通信され得る。
【0004】
いくつかの圧力送信機はプロセス流体を圧力センサから隔離するために薄い(0.001~0.002インチ(0.0254~0.0508mm))金属ダイヤフラムに依存し、工場に設置された充填流体が、プロセスからの圧力信号を電子圧力センサに送信する。これらのシステムはプロセスが研磨性である用途、またはプロセス(例えば、衛生プロセス)が隔離ダイヤフラムが故障した場合にプロセスの潜在的な汚染の危険性を冒すことができない用途にはあまり適していない場合がある。これらの充填されたシステムはまた、拡散されたガスおよび/または真空が流体の完全性に影響を及ぼす危険性がある。
【0005】
いくつかの圧力送信機は、一体化された容量性感知(capacitive sensing)を伴うアルミナセラミック絶縁を組み込む「オイルフリー」(充填流体フリー)設計を用いて、これらの問題に対処する。これらの製品はダイヤフラムを分離するプロセスとしてアルミナセラミックを使用し、集積キャパシタンスセンサ(integrated capacitance sensor)の一部を形成する。「オイルフリー」機能を提供する一方で、これらの圧力送信機は、同様の金属絶縁流体充填装置と比較した場合、精度、範囲、安定性、および過圧能力の低下を含む欠点を有することがある。これらの制限のいくつかは、センサシステム内の隔離要素および圧力センサ撓み要素の両方であるアルミナ材料に固有である。さらに、絶縁/センサセラミックは、衝撃/亀裂伝播破壊を起こしやすい粒状の性質を有する。また、ゲージ測定のために構成されるとき、周囲大気はこれらのタイプの圧力送信機のいくつかの中の静電容量検出空洞に入り、これは、「空気」誘電体が湿潤/凝縮し、および/またはさもなければ汚染されることがあり、測定誤差を生成するので、性能問題につながり得る。
【発明の概要】
【0006】
本開示の実施形態は、概して、圧力センサアセンブリおよび圧力センサアセンブリを製造する方法に関する。圧力センサアセンブリの一実施形態は空洞(cavity)を形成するヘッダを含み、ヘッダは、空洞への流体経路を提供する。圧力センサは、空洞内に配置され、流体経路内の流体の圧力を感知するように構成される。圧力センサは、支持構造体と、サファイア絶縁部材(sapphire isolation member)の第1の表面と支持構造体と間の領域を形成するように支持構造体に接合または結合されたサファイア絶縁部材とを含む。例示的な実施形態では、サファイア絶縁部材は単結晶サファイア要素である。また、本発明のいくつかの実施形態において、前記支持構造体は、サファイアまたはAlなどの前記サファイア絶縁部材と同様の膨張特性を有する物質で形成される。サファイア絶縁部材の第2の表面は、流体経路内の流体と接触するように配置される。電気リード線は、支持構造体を通って延在することができる。ポリシリコン歪みゲージパターンは、サファイア絶縁部材の第1の表面上の領域に配置され、電気リード線に結合される。ホイートストンブリッジとして形成され得るポリシリコン歪みゲージパターンはサファイア絶縁部材が圧力に応答して撓むときに、流体経路内の流体の圧力を示す電気信号を生成するように構成される。
【0007】
例示的な実施形態では、サファイア絶縁部材の第1の表面と支持構造体との間に形成される領域が基準圧力を含む。基準圧力は、真空圧力とすることができる。他の実施形態では、圧力センサがゲージ圧力センサとして構成され、サファイア絶縁部材の第1の表面と支持構造体との間に形成された領域を大気圧に接続するために、支持構造体を通る基準通気孔を含む。
【0008】
いくつかの例示的な実施形態では、圧力センサアセンブリがサファイア絶縁部材の第1の表面と支持構造体との間の領域内で支持構造体に結合されるか、または支持構造体と共に形成されて、過圧状態中のサファイア絶縁部材の撓みを制限する幾何学的突起を含む。
【0009】
いくつかの例示的な実施形態では、圧力センサアセンブリがサファイア絶縁部材の第2の表面上に配置され、プロセス温度過渡現象を補償するためにプロセス温度を測定するように構成された温度センサを含む。
【0010】
別の実施形態では、圧力センサアセンブリを製造する方法が提供される。この方法は、サファイア絶縁部材の第1の表面上にポリシリコン歪みゲージパターンを形成することと、サファイア絶縁部材を支持構造体に接合して、サファイア絶縁部材の第1の表面と支持構造体との間に、領域であって当該領域内に形成されたポリシリコン歪みゲージパターンを有する領域を形成することとを含む。次いで、圧力センサはサファイア絶縁部材の第2の表面がヘッダを通る流体経路内の流体と接触するように位置決めされるように、ヘッダの空洞内に位置決めされる。
【0011】
別の実施形態ではプロセス制御測定システムがハウジングと、ハウジング内に配置されたヘッダとを含み、ヘッダは空洞と、空洞への流体経路とを含む。圧力センサは、空洞内に配置され、流体経路を通るプロセス流体の圧力を感知するように構成される。圧力センサは、支持構造体と、単結晶サファイア要素から形成され、サファイア絶縁部材の第1の表面と支持構造体との間の領域を形成するように支持構造体に結合されたサファイア絶縁部材とを含む。サファイア絶縁部材の第2の表面はサファイア絶縁部材が流体経路内の流体からの圧力によって撓む(deflect)ように、流体経路内の流体と接触するように配置される。電気リードが支持構造体を通って延び、サファイア絶縁部材の第1の表面上の領域に配置されたポリシリコン歪みゲージパターンに結合する。ポリシリコン歪みゲージパターンはサファイア絶縁部材が圧力に応答して撓むとき、流体経路内の流体の圧力を示す電気信号を生成するように構成される。いくつかの実施形態では、領域内の支持構造体上の幾何学的突起が過圧状態の間、サファイア絶縁部材の撓みを制限する。
【0012】
この概要は、以下の発明を実施するための形成においてさらに説明される概念の選択を簡略化された形成で紹介するために提供される。この発明の概要は、特許請求される主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求される主題の範囲を決定する際の補助として使用されることを意図するものでもない。特許請求される主題は、背景技術において言及される任意のまたはすべての欠点を解決する実装形態に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本開示の実施形態による、プロセス制御または測定システムにおける圧力送信機の一例の部分破断断面図である。
図2図2は、本開示の実施形態による、図1の圧力送信機の一部分の断面図である。
図3図3は、絶対圧力を測定するための、本開示の実施形態による、圧力センサアセンブリの一部分の簡略断面図である。
図4-1】図4-1は、ゲージ圧力を測定するための、本発明の実施形態による、代替圧力センサアセンブリの一部分の簡略断面図である。
図4-2】図4-2は図4-1の圧力センサアセンブリの一部分の図であり、過圧保護ストップまたは機能を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。同一または類似の参照符号を使用して識別される要素は、同一または類似の要素を指す。いくつかの要素は図を簡略化するために、図の各々に示されない場合がある。
【0015】
本開示の様々な実施形態は多くの異なる形態で実施することができ、本明細書に記載される特定の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は本開示が徹底的かつ完全であり、本開示の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。
【0016】
図1は、本開示の実施形態による、圧力送信機102を含むプロセス制御または測定システム100の一例の部分破断断面図である。図2は、図1の送信機102の一部の断面図である。システム100は材料(例えば、プロセス媒体)の処理に使用されて、材料を、より価値の低い状態から、石油、化学物質、紙、食品などのより価値のある有用な製品に変換することができる。例えば、システム100は、衛生的または他のタイプの工業プロセスを実行する施設で使用されてもよい。
【0017】
圧力送信機102は、プロセスカップリング108を介して工業プロセス106に結合され得るハウジング104を含み得る。ハウジング104およびプロセスカップリング108は、ステンレス鋼または別の適切な材料で形成することができる。送信機102は、ハウジング104に取り付けられ、かつ/またはその中に収容される圧力センサアセンブリ110を含む。アセンブリ110はプロセスの圧力を測定するために、本明細書に記載の1つまたは複数の実施形態に従って形成された圧力センサまたは圧力センサダイ112(以下、「圧力センサ」)を含む。圧力センサアセンブリ110は図2に最もよく示されるように、ヘッダ114と、圧力センサ112をヘッダ114に接続するペデスタル(pedestal)116とを含むことができる。
【0018】
プロセスカップリング108はプロセス106に接続され、圧力センサ112によって測定される圧力Pのプロセス材料(例えば、流体)を含むパイプ118に接続されてもよい。圧力Pは、いくつかの実施形態ではプロセス結合およびヘッダ114を含む、圧力送信機コンポーネントを通って、圧力センサを収容する空洞144まで延在する流体経路122を通って、圧力センサ112に伝達される。圧力センサ112はその実施形態が図3、4-1および4-2を参照してさらに詳細に説明され、印加圧力Pを示す電気パラメータを有するセンサ要素を含む。測定回路124は適切な電気接続126を介してセンサ要素の電気パラメータを検出および処理して、感知圧力Pの値を確立することができる。測定回路124は図1に示されるように、プロセス制御ループ132を介して、圧力Pの値などの感知圧力Pに関する情報を外部コンピュータ制御ユニット130に通信するための通信回路128を有する送信機102の端子ブロック127に接続することができる。
【0019】
圧力送信機102は図2に示すように、ハウジング104内の通気孔135などを介して、センサ112を周囲圧力または空気に接続するための経路を含むことができる。経路は、ペデスタル116を通って延びることができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、プロセス制御ループ132が図1に示されるような2線式制御ループなどの物理通信リンク、および/またはワイヤレス通信リンクを含む。制御ユニット130、または別の外部コンピューティングデバイスと圧力送信機102との間の通信は、従来のアナログおよび/またはデジタル通信プロトコルに従って、制御ループ132を介して実行され得る。いくつかの実施形態では2線式制御ループ132が4~20ミリアンペア制御ループを含み、測定された圧力値は2線式制御ループ132を通って流れるループ電流のレベルによって表され得る。例示的なデジタル通信プロトコルは、HART(登録商標)通信規格などに従って、2線式制御ループ132のアナログ電流レベルへのデジタル信号の変調を含む。FieldBusおよびProfibus通信プロトコルを含む他の純粋なデジタル技術も使用され得る。
【0021】
プロセス制御ループ132の例示的な無線バージョンは例えば、WirelessHART(登録商標)(IEC 62591)もしくはISA 100.11a(IEC 62734)などの無線メッシュネットワークプロトコル、またはWiFi、LoRa、Sigfox、BLE、もしくは任意の他の適切なプロトコルなどの別の無線通信プロトコルを含む。
【0022】
電力は、任意の適切な電源から圧力送信機102に供給することができる。例えば、圧力送信機102は、制御ループ132を通って流れる電流によって完全に電力供給されてもよい。1つまたは複数の電源もまた、内部または外部バッテリなどの圧力送信機102に電力を供給するために利用され得る。発電機(例えば、ソーラーパネル、風力発電機など)もまた、圧力送信機に電力を供給するために、または圧力送信機102によって使用される電源を充電するために使用され得る。
【0023】
ここで図3を参照すると、圧力センサ212を有する圧力センサアセンブリ210が示されている。アセンブリ210および圧力センサ212は、上述の圧力センサアセンブリ110および圧力センサ112の第1の例示的な実施形態である。圧力センサ212は、例示的な実施形態では例えばサファイアまたはAlで形成することができる支持構造体220を含む。信号リード経路222は信号リード224を電気接続126にルーティングし、測定回路124において、感知された圧力Pの値を確立するために、支持構造体を通して提供される。プロセス材料の圧力Pに応答して撓むように構成されたサファイア絶縁部材226は、気密結合材料228を通して支持構造体220に取り付けられるか、または結合される。サファイア絶縁部材226、気密結合部228、および支持構造体220は絶対圧力測定を提供するために、圧力センサ212内に真空基準領域230を形成する。サファイア絶縁部材226上で、領域230内に、信号リード線224に結合されたポリシリコン層歪みゲージパターン232が形成され、サファイア絶縁部材226の撓みに応答してリード線上に電気信号を生成する。ポリシリコン抵抗層パターンは、いくつかの実施形態ではホイートストンブリッジとして形成することができる。また、圧力センサアセンブリ210のプロセスシール234が示されており、これは、センサアセンブリによるプロセス流体の通過を防止するために、送信機表面とサファイア絶縁部材226との間にシールを提供するために含まれ得る。いくつかの実施形態ではサファイアエッチング表面236をサファイア絶縁部材226上に形成することができるが、これはすべての実施形態で必要とされるわけではない。
【0024】
ここで図4-1を参照すると、図3に示される圧力センサアセンブリ210の一つのバージョンであるゲージ圧力(GP)センサアセンブリ310が示される。圧力センサアセンブリ310は、上述の圧力センサ112の第2の例示的な実施形態である圧力センサ312を有する。圧力センサ312は例えばサファイアまたはAlから形成することができる支持構造体320を含む、圧力センサ212と同じかまたは類似の特徴を有し、信号リード線324を電気接続126にルーティングし、測定回路124において感知された圧力Pの値を確立するために、支持構造体を通して信号リード線経路322が提供される。サファイア絶縁部材326は、気密結合部材328を通して支持構造体320に取り付けられるか、または結合される。サファイア絶縁部材326、気密結合部328、および支持構造体320は、圧力センサ312内の領域330を形成する。圧力センサ312の実施形態では、基準通気孔340が設けられ、領域330を大気圧に接続する。サファイア絶縁部材326上で、領域330内に、信号リード線324に結合されたポリシリコン層歪みゲージパターン332が形成され、サファイア絶縁部材326の撓みに応答してリード線上に電気信号を生成する。また、圧力センサアセンブリ310のプロセスシール334が示されており、これは、センサアセンブリによるプロセス流体の通過を防止するために、送信機表面とサファイア絶縁部材326との間にシールを提供するために含まれ得る。いくつかの実施形態ではサファイアエッチング表面336をサファイア絶縁部材326上に形成することができるが、これも全ての実施形態で必要とされるわけではない。
【0025】
図4-2は、圧力センサアセンブリ310の一部342をより詳細に示す。図4-2に示すように、過圧保護機構344を領域330内に含めて、過酷な過圧状態の間の絶縁部材326の撓みを制限することができる。絶縁部材326のたわみを制限するストッパとして作用することによって、絶縁部材またはダイヤフラムに対する応力もまた、圧力センサ312に対する損傷および摩耗を防止するように制限される。
【0026】
サファイアアイソレータ(sapphire isolator)226/326が圧力で撓まされると、アイソレータの背面に位置するポリシリコン歪みゲージパターン232/332(ならびに温度検知抵抗器238/338)がその撓みを検出する。ポリシリコンおよび関連する分離膜層の利点は、ニクロム層の約2mv/vと比較して、18mv/vもの高い信号レベルを達成できることである。したがって、高信号は、より高い精度、レンジダウン、および安定性能を可能にする。信号はまた、既存の歪みゲージ信号処理および送信機電子機器と互換性がある。抵抗素子(および保護層)の使用は、静電容量構造と比較して、GPセンサバージョン(以下で論じられ、図4-1および図4-2に示される)で使用される大気基準に対する検出回路の感度を低下させる。
【0027】
サファイアの強度およびポリシリコン抵抗ホイートストンブリッジの高い信号レベルは、過圧に対するより高いレベルの保護を可能にする。このロバスト性は、過圧保護機構344などの、アセンブリ内の撓みストップを使用することによって、さらに向上させることができる。過保護ストップは圧力センサアセンブリ310に関してのみ示されているが、そのようなストップは圧力センサアセンブリ210にも含まれ得ることを理解されたい。サファイア絶縁部材226/326および過圧保護機構344を含む、開示された圧力センサの特徴は開示された圧力送信機が最大作動圧力(MWP)の5倍以上で動作することを可能にすることができ、一方、従来の「オイルレス」設計はしばしば、MWPの1.5倍に制限される。
【0028】
いくつかの実施形態では、サファイア、抵抗および絶縁フィルム、ならびにバッキング構造の製造は証明された均一なバッチ処理に適応するために、ウェハレベルで処理することができる。さらに、レーザ切断サファイアにおける新たな進歩により、アセンブリを損傷することなく最終的な丸い形態に「ダイシング」することが可能になる。0.5~1.0インチ(12.7mm~25.4mm)の推定センサ直径は、小さなフォームファクタおよび低コストを可能にする。
【0029】
好ましい実施形態を参照して本開示の実施形態を説明してきたが、当業者は本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細に変更を加えることができることを認識するのであろう。本開示の実施形態は、本明細書に記載の実施形態の1つ以上の組み合わせを含む。
図1
図2
図3
図4-1】
図4-2】